難燃性布帛およびそれから製造した衣服

申请号 JP2009526707 申请日 2007-08-30 公开(公告)号 JP5913783B2 公开(公告)日 2016-04-27
申请人 サザンミルズ インコーポレイテッド; Southern Mills,Inc.; トゥッタロウ、 ディ. クレイグ; ダン、 チャールズ エス.; 发明人 トゥッタロウ、 ディ. クレイグ; ダン、 チャールズ エス.;
摘要
权利要求

繊維混合物を含み、織布または編布である難燃性布帛であって、前記繊維混合物が、 a) モダクリル繊維、 b) 非難燃性リヨセル繊維、および c) パラアラミド繊維、メタアラミド繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、メラミン繊維、炭素繊維、予備酸化したアクリル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、またはポリアミド−イミド繊維のうちの少なくとも1種を含む、第2の種類の本質的に難燃性の繊維を含み、 前記繊維混合物中のモダクリル繊維の割合が、前記繊維混合物中の非難燃性リヨセル繊維の割合よりも大きく、 前記繊維混合物中の非難燃性リヨセル繊維の割合が、前記繊維混合物中の第2の種類の本質的に難燃性の繊維の割合よりも大きい、難燃性布帛。前記第2の種類の本質的に難燃性の繊維がアラミド繊維を含む、請求項1に記載の布帛。前記繊維混合物が、30〜60%のモダクリル繊維と、20〜60%の非難燃性リヨセル繊維と、5〜30%のアラミド繊維とを含む、請求項2に記載の布帛。前記繊維混合物が、40〜50%のモダクリル繊維と、30〜40%の非難燃性リヨセル繊維と、10〜15%のアラミド繊維とを含む、請求項2に記載の布帛。前記アラミド繊維がメタアラミド繊維およびパラアラミド繊維を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の布帛。前記繊維混合物が、ナイロン繊維またはポリエステル繊維のうちの少なくとも1種をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の布帛。前記布帛が織布である請求項1〜6のいずれか1項に記載の布帛。前記布帛が編布である請求項1〜6のいずれか1項に記載の布帛。前記布帛がメッシュ編布を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の布帛。前記布帛が、染色されている繊維を少なくとも一部に含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の布帛。前記布帛が、塩基性染料または分散染料のうちの少なくとも1種で染色されているモダクリル繊維を少なくとも一部に含む、請求項10に記載の布帛。前記布帛が、繊維反応性染料、直接染料、またはバット染料のうちの少なくとも1種で染色されている非難燃性リヨセル繊維を少なくとも一部に含む、請求項10に記載の布帛。前記布帛が、ANSI 107−2004に適合する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の布帛。前記布帛が、ASTM F 1506およびNFPA 2112の少なくとも1つに適合する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の布帛。前記布帛が、少なくとも一部に印刷部分を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の布帛。前記布帛が、ASTM F 1506およびNFPA 2112の少なくとも1つに適合する、請求項15に記載の布帛。前記布帛が、少なくとも1種のバット染料を用いて印刷されている部分を含む、請求項16に記載の布帛。請求項1〜17のいずれか1項に記載の布帛を含む衣服。前記衣服が身頃部分を含むシャツであり、前記身頃部分の少なくとも一部が前記布帛を含む、請求項18に記載の衣服。

说明书全文

本発明は防護布帛に関し、より具体的には、独特の繊維混合物を有する難燃性布帛およびこのような布帛から製造した衣服に関する。

多くの職業は作業者を潜在的に電気アークフラッシュおよび/または火炎にさらす可能性がある。このような条件下で働く間に負傷することを回避するために、通常、これらの人々は電気アークフラッシュおよび/または火炎から保護するように設計された難燃性材料で構成される防護衣服を着用する。このような防護服は、様々な衣服、例えば、カバーオール、ズボン、およびシャツを含み得る。このような衣服を構成する布帛およびその結果として得られる衣服は、ASTM F1506、NFPA 2112、NFPA 70E、MIL C43829Cを含む様々な安全基準および/または性能基準に合格することが要求される。

木綿などの天然セルロース繊維を含む布帛から、多数の防護衣服が製造されている。木綿繊維は安価であり、このような繊維から製造された布帛は着心地がよい。しかしながら、このような布帛における木綿繊維の使用には多くの欠点がある。まず、木綿繊維は耐久性でない。従って、木綿繊維で製造された布帛は、摩耗寿命が短く、受け入れ難いほど頻繁に取り替えなければならない。

さらに、木綿繊維は、紡糸および織布の過程で作業者に健康上の危険を引き起こす。天然木綿繊維を使用して布帛および衣服を製造する場合、木綿繊維は吸入される可能性があり、時間が経つと呼吸器の問題を引き起こし、綿症すなわち「褐色肺」疾患に至ることがある。従って、作業者が天然綿を用いて作業し、呼吸に有害な綿繊維にさらされる作業環境は、このような繊維の取扱いおよび加工についての政府の規制制限を受ける。

さらに、木綿繊維は本質的に難燃性でないため、燃焼しやすい。従って、このような繊維(またはこのような繊維で製造されたヤーンもしくは布帛)を難燃性にするために、これらの繊維(またはこのような繊維で製造されたヤーンもしくは布帛)は、歴史的にFR化合物で処理されてきた。FR化合物による木綿繊維(またはこのような繊維で製造されたヤーンもしくは布帛)の処理は、このような繊維(またはこのような繊維で製造されたヤーンもしくは布帛)のコストを著しく増加させる。

このようなFR処理に関連するコストを回避するために、木綿繊維はFRモダクリル繊維と組み合わされている。FRモダクリル繊維は、木綿繊維の可燃性を制御および妨害して、木綿繊維の燃焼を防止する。このように、木綿繊維(またはこのような繊維で製造されたヤーンもしくは布帛)はFR化合物で処理されなくてもよい。

しかしながら、FRモダクリル繊維には木綿と同様に耐久性の問題があり、従ってこれらの繊維の混合物で製造された布帛は摩耗寿命が短い。さらに、天然木綿繊維およびFRモダクリル繊維はいずれも、熱にさらされた後に比較的不安定であり、これらの繊維だけで製造された布帛が防護衣服に必須の安全基準および性能基準に合格することを不可能ではないにしても困難にしている。従って、混合物に熱安定性を付与して、得られる布帛が必須の安全基準および性能基準に確実に適合するようにする(例えば、このような布帛の垂直火炎試験において炭化長さを低減することによる)ために、アラミド繊維などの本質的にFRのさらなる繊維が繊維混合物に添加されている。

得られる布帛は、木綿繊維の存在のために、耐久性の問題および受け入れ難い摩耗寿命を依然として示す。従って、木綿などの天然セルロース繊維よりも耐久性の繊維を含むが、このような混合物において木綿が有するコストおよび快適性の利点をも実現する繊維混合物が必要とされている。

本発明は、合成セルロース繊維を組み込んだ独特の繊維混合物であって、このような混合物で製造された布帛を木綿などの天然セルロース繊維で製造された布帛よりも耐久性にする繊維混合物を開示する。混合物中で使用される合成セルロース繊維は、木綿よりも耐久性であるが、さらに安価であると共に着用者にとって快適でもある。従って、木綿の利点(手ごろな価格および快適性)が達成されながらも、木綿の欠点(低耐久性)は回避される。その結果得られる、本明細書に開示される繊維混合物で製造された布帛は、難燃性、耐久性、快適性であり、そして価格が手ごろである。

一実施形態では、繊維混合物は、FRモダクリル繊維と、合成セルロース繊維(必ずしもではないが好ましくはTENCEL(商標)およびTENCEL A100(商標)などの非FRリヨセル繊維)とを含む。FRモダクリル繊維および合成セルロース繊維は、任意の混合比で組み合わせることができるが、必ずしもではないが好ましくは、混合物中のFRモダクリル繊維の割合が混合物中の合成セルロース繊維の割合よりも大きいように組み合わされ得る。さらなる種類の本質的にFRの繊維、帯電防止繊維、抗菌性繊維、伸縮性繊維、および/または高靭性繊維を含むがこれらに限定されない他の繊維が混合物中に添加されてもよい。

本明細書に開示される繊維混合物を使用して、様々な種類のFR布帛を形成することができる。単なる例として、繊維を使用して不織布を形成することもできるし、あるいはまずヤーンを形成して、次いで製織または製編してFR布帛にすることもできる。

一実施形態では、約30〜60%のFRモダクリル繊維、約20〜60%の合成セルロース繊維、および約5〜30%の本質的にFRのさらなる繊維を有する繊維混合物から、ヤーンが形成される。TENCEL(商標)、特にTENCEL A100(商標)(いずれも非FR合成セルロース繊維)、およびパラアラミド繊維(本質的にFRの繊維)は、本願において特に良い性能を発揮した。続いて、ヤーンを使用して、様々な方法(例えば、製織、製編など)(すべて当該産業分野でよく知られている)でFR布帛を形成することができる。本明細書に開示される独特の繊維混合物から製造した布帛は、様々な熱保護基準に適合しており、これらの布帛を防護衣服での使用に適切なものにしている。

合成セルロース繊維と、FRモダクリル繊維と、任意で本質的にFRのさらなる繊維との混合物を有する本明細書に開示される布帛には、様々な方法で、そして様々な染料を用いて所望の色を付与することができる。ANSI 107−2004(および欧州の同等の基準 EN 471)として当該産業分野で知られている高視認性安全服の基準、ならびに軍の赤外反射要件(MIL−C−83429およびGL−PD−07−12(2/28/07)で公表されたものを含むが、これらに限定されない)に適合するように、布帛は染色または印刷され得る。

本明細書に開示される繊維混合物を有する布帛を使用して、カバーオール、ジャンプスーツ、シャツ、ジャケット、ベスト、およびズボンを含むがこれらに限定されない、電気アークフラッシュおよび火炎から着用者を保護するための様々な防護衣服の全体または様々な部分を構成することができる。一実施形態では、本明細書に開示される繊維混合物を有する布帛は、最新式戦闘シャツの少なくとも一部を形成するために使用される。

本発明は、得られる布帛を難燃性、耐久性、快適性、そして手ごろな価格にする独特の繊維混合物に関する。一実施形態では、繊維混合物は、FRモダクリル繊維、および人工または合成セルロース繊維を含む。FRモダクリル繊維および合成セルロース繊維は、任意の混合比で組み合わせることができるが、必ずしもではないが好ましくは、混合物中のFRモダクリル繊維の割合が混合物中の合成セルロース繊維の割合よりも大きいように組み合わされ得る。

日本国大阪の株式会社カネカ(Kaneka Corporation)から入手可能なPROTEX(商標)繊維(PROTEX W(商標)およびPROTEX C(商標)繊維を含むが、これらに限定されない)、Solutiaから入手可能なSEF(商標)、またはこれらの混合物を含むがこれらに限定されない、非FR繊維を無効にすることができる任意のFRモダクリル繊維を使用することができる。合成セルロース繊維は、レーヨン、FRレーヨン、リヨセル、MODAL(商標)、酢酸セルロース、またはこれらの混合物であり得るが、これらに限定されない。適切なレーヨン繊維の一例は、Lenzing Fibers Corporationから入手可能なViscose by Lenzingである。リヨセル繊維の例としては、TENCEL(商標)およびTENCEL A100(商標)(いずれもLenzing Fibers Corporationから入手可能)が挙げられる。FRレーヨン繊維の例としては、これもLenzing Fibers Corporationから入手可能なLenzing FR(商標)、およびSateriから入手可能なVISIL(商標)が挙げられる。

本明細書に開示される混合物で使用される合成繊維は、FR処理されてもよいが、合成繊維の可燃性を制御および妨害してこのような繊維の燃焼を防止するFRモダクリル繊維と混合されていることを考慮すれば、好ましくはFR処理されない。FR処理されていない合成セルロース繊維の使用は、このような繊維のコストを大幅に低減する(例えば、FR処理された合成セルロース繊維1ポンドあたり約6ドルに対して、FR処理されていない合成セルロース繊維1ポンドあたり約1ドル)。

TENCEL(商標)およびTENCEL A100(商標)繊維などの非FRリヨセル繊維は、本願において特に適切であることが証明された。これらの繊維は安価で快適である点で木綿繊維と同様であるが、これらは天然木綿繊維よりも耐久性であり、非常に耐摩耗性であると共に非常に吸湿性であることが証明されている。したがって、これらの繊維から製造された布帛は長い摩耗寿命を有し、着用者にとって快適である。TENCEL A100(商標)繊維は、繊維の端部が裂けたときに生じてこのような繊維で製造された衣服にけば状の外観または早期に擦り切れた外観を与えるフィブリル化の影響をあまり受けない。従って、TENCEL A100(商標)繊維で製造された布帛は、繰り返し洗濯した後でもその外観をよりよく保持できることが分かった。さらに、これらの混合物で通常使用される天然木綿とは違って、これらのセルロース繊維は人工繊維なので、結果として、紡糸または織布の過程で作業者に呼吸の危険を引き起こさない。

代替の実施形態では、さらなる種類の本質的にFRの繊維(すなわち、本質的にFRであるFRモダクリル繊維に加えて)が、FRモダクリル/合成セルロース繊維混合物に添加され得る。本質的にFRのさらなる繊維は、パラアラミド繊維、メタアラミド繊維、ポリベンゾイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンゾオキサゾール(PBO)繊維、メラミン繊維、炭素繊維、予備酸化したアクリル繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)繊維、TANLON(商標)(Shanghai Tanlon Fiber Companyから入手可能)、KERMEL(商標)などのポリアミド−イミド繊維、およびこれらの混合物を含み得るが、これらに限定されない。パラアラミド繊維の例としては、KEVLAR(商標)(DuPontから入手可能)、TECHNORA(商標)(オランダ国アーネムのTeijin Twaron BVから入手可能)、およびTWARON(商標)(これもTeijin Twaron BVから入手可能)が挙げられる。メタアラミド繊維の例としては、NOMEX(商標)(DuPontから入手可能)、CONEX(商標)(Teijinから入手可能)、およびAPYEIL(商標)(Unitikaから入手可能)が挙げられる。メラミン繊維の一例はBASOFIL(商標)(Basofil Fibersから入手可能)である。PAN繊維の一例は、Panox(登録商標)(SGL Groupから入手可能)である。上記で説明したように、このような本質的にFRの繊維は、混合物に必須の熱安定性を与え、このような混合物から製造された布帛を防護衣服において使用できるようにする。

他の実施形態では、(1)静電気を消失させるかまたは最小限にするための帯電防止繊維、(2)抗菌性繊維、(3)伸縮性繊維(例えば、スパンデックス)、ならびに/または(4)限定されないが、ナイロンおよび/もしくはポリエステル繊維(例えば、VECTRAN(商標))などの高靭性繊維を含むがこれらに限定されないさらなる繊維は、このような混合物で製造された布帛の摩耗特性を改善するために混合物に添加される。

本明細書に開示される繊維混合物を使用して、様々な種類のFR布帛を形成することができる。単なる例として、繊維を使用して不織布を形成することもできるし、あるいはまずヤーンを形成して、次いで製織または製編してFR布帛にすることもできる。

一実施形態では、約30〜60%のFRモダクリル繊維、約20〜60%の合成セルロース繊維、および約5〜30%の本質的にFRのさらなる繊維を有する繊維混合物から、ヤーンが形成される。TENCEL(商標)、特にTENCEL A100(商標)(いずれも非FR合成セルロース繊維)、およびパラアラミド繊維(本質的にFRの繊維)は、本願において特に良い性能を発揮した。同じ種類のFRモダクリル繊維、合成セルロース繊維、および本質的にFRのさらなる繊維が混合物で使用される必要はない。むしろ、それぞれ多くの種類が一緒に混合され得る。

ヤーンは、当該産業分野においてよく知られている従来の方法で形成することができる。ヤーンは、スパンヤーンであってよく、単一のヤーンを含むこともできるし、あるいは一緒に撚るかまたは一緒に組み合わされた2本以上の個々のヤーンを含むこともできる。一実施形態では、ヤーンはエアジェットスパンヤーンである。通常、ヤーンは、約5〜60ccの範囲のヤーン番手をそれぞれが有する1本または複数のヤーンを含む。一実施形態では、ヤーンは一緒に撚られた2本のヤーンを含み、それぞれ約10〜60ccの範囲のヤーン番手を有する。

続いて、ヤーンは様々な方法(すべて当該産業分野でよく知られている)でFR布帛を形成するために使用され得る。ヤーンは製編または製織することができる。一実施形態では、FR布帛は、複数のボディヤーン(body yarn)を含む平織布として形成される。しかしながら、例えばリップストップまたは斜文織(2×1右側斜文織など)を含む他の構造も使用され得ることは認識されるであろう。

FR布帛を形成する方法(不織、製編、製織など)にかかわらず、FR布帛は、約30〜60%のFRモダクリル繊維、約20〜60%の合成セルロース繊維(好ましくはTENCEL(商標)繊維、より好ましくはTENCEL A100(商標)繊維であるが、必ずしもこれらに限定されない)、および約5〜30%の本質的にFRのさらなる繊維(好ましくはパラアラミド繊維であるが、必ずしもこれに限定されない)を含む繊維混合物から製造することができる。上述したように、FR布帛は、帯電防止性繊維、抗菌性繊維、伸縮性繊維、および/または高靭性繊維を含む繊維混合物を含むことができる。

さらにより具体的な例(これが本明細書において取り扱われる本発明の範囲を限定することは、全く意図されない)では、FR布帛は、約40〜50%のFRモダクリル繊維、約30〜40%の合成セルロース繊維(好ましくはTENCEL(商標)繊維、より好ましくはTENCEL A100(商標)繊維であるが、必ずしもこれらに限定されない)、および約10〜15%のアラミド繊維(好ましくはパラアラミド繊維であるが、必ずしもこれに限定されない)の混合物を含む。

本明細書に開示される混合物で形成されたFR布帛は、必ずしも限定するものではないが好ましくは、約3〜12オンス/平方ヤード(「osy」)(約101.7〜406.8 g/m2)の間の重量を有し、より好ましくは約5〜9osy(約169.5〜305.1 g/m2)の間の重量を有する。

本発明に係る布帛の実施形態の具体的な例は以下で説明される。

布帛混合物#1: 本発明の一実施形態は、約50%のPROTEX W(商標)(FRモダクリル)、約40%のTENCEL A100(商標)(セルロース)、および約10%のTWARON(商標)(パラアラミド)の混合物を有する布帛である。

布帛混合物#2: 本発明の別の実施形態は、約45%のPROTEX W(商標)(FRモダクリル)、約35%のTENCEL A100(商標)(セルロース)、約10%のLenzing FR(商標)またはFRレーヨン(セルロース)、および10%のTWARON(商標)(パラアラミド)の混合物を有する布帛である。

布帛混合物#3: 本発明の別の実施形態は、約50%のPROTEX W(商標)(FRモダクリル)、約35%のTENCEL A100(商標)(セルロース)、約10%のナイロン、および約5%のTWARON(商標)(パラアラミド)の混合物を有する布帛である。

布帛混合物#4: 本発明の別の実施形態は、約48%のPROTEX W(商標)(FRモダクリル)、約37%のTENCEL A100(商標)(セルロース)、および約15%のTWARON(商標)(パラアラミド)の混合物を有する布帛である。

表1において明らかであるように、本明細書に開示される独特の繊維混合物から製造されたFR布帛は、ASTM F1506およびNFPA 70Eに示される洗浄前の垂直可燃性要件に適合し、これには、容認できるアーク熱性能値(arc thermal protective value、「ATPV」)を有することも含まれる。思いがけず電気アークフラッシュにさらされ得る作業者は、適切に保護されなければ重症の火傷を負う危険がある。NFPA 70Eは、電気的安全性要件を取り扱う基準であり、作業場における電気的安全性のすべての側面についての情報が提供される。NFPA 70Eは、ハザードリスクカテゴリー(HRC)を組み込んだ潜在的な暴露レベルに防護服を適合させる方法を提供する。防護布帛は、そのATPVすなわちアーク評価値をcal/cm2(カロリー/平方センチメートル)で測定するために試験される。ATPVは、一連の電気アークにさらされている間に防護布帛試験片の熱エネルギー特性をセンサーで測定する、ASTM試験法F1959によって測定される。測定されたアーク評価値は、布帛のHRCを以下のように決定する。 ハザードリスクカテゴリーおよびATPV HRC1:ATPV:4cal/cm2 HRC2:ATPV:8cal/cm2 HRC3:ATPV:25cal/cm2 HRC4:ATPV:40cal/cm2

上記のようにASTM F1506およびNFPA 70Eに適合することに加えて、布帛混合物#2〜#4は、容認できる炭化長さ(ASTM 6413に規定される試験法を用いて測定される)を有することを含む、ASTM 2112に規定される洗浄前の垂直可燃性要件にも適合する。

本願で企図される繊維混合物から製造された布帛はまた、驚くほど高い耐摩耗性を有する。上記で説明したように、TENCEL(商標)およびTENCEL A100(商標)繊維は非常に耐久性の繊維である。従って、このような繊維を有する繊維混合物から製造された布帛のテーバー摩耗試験結果が実質的に高い耐摩耗性を示し、まさに100%本質的にFRの繊維から製造された布帛とほぼ同程度に高く、そしてASTM F1506、NFPA 2112、およびNFPA 70E基準に適合する他の繊維混合物で製造された布帛よりも高いことは、当然である。さらに、耐摩耗性は高いが、本明細書で企図される混合物中にモダクリル繊維およびセルロース繊維を含むことにより、得られる布帛は柔軟になり、それにより着用者にとってより快適になる。

合成セルロース繊維、FRモダクリル繊維、および任意で本質的にFRのさらなる繊維の混合物を有する、本明細書に開示される布帛には、所望の色を様々な方法で付与することができる。一実施形態では、合成セルロース繊維および/またはモダクリル繊維は染色される(これらからヤーンを形成する前、ヤーンを形成した後、または最終の布帛においてのいずれか)。合成セルロース繊維および/またはモダクリル繊維は、本明細書に開示される染料(または染料の組み合わせ)を用いて、黄色、蛍光黄色、緑色、オレンジ色、赤色、青色、灰色などを含むがこれらに限定されない様々な色のいずれかに染色することができる。

染色は、ジェット、ビーム、ベック、もしくはジグ染色装置を用いる吸尽染色法、または連続染色法(これらはすべて当該技術分野においてよく知られている)を含むよく知られている様々な技法を用いて達成することができる。モダクリル繊維を染色するために適切な染料としては、塩基性染料および分散染料があるが、これらに限定されない。合成セルロース繊維を染色するために適切な染料としては、繊維反応性染料、直接染料、およびバット染料があるが、これらに限定されない。

一実施形態では、布帛は、ANSI 107−2004および欧州の同等の基準 EN 471として当該産業分野で知られている高視認性安全服の基準に適合するように染色される。ANSI 107−2004に適合するために、布帛は、(1)視認性の高い色調(布帛の色度および輝度を参照することにより評価される)に染色されなければならず、そして(2)特定の期間光にさらされた後、その視認性の高い色調を保持しなければならない(この基準では「耐光性」と呼ばれる特性)。従って、合成セルロース繊維およびモダクリル繊維のそれぞれのための染料は、これらの繊維の高視認性色調への染色を達成するように選択される。高視認性色調への合成セルロース繊維の染色を可能にする染料としては、直接染料(Direct Yellow 96を含むがこれに限定されない)および繊維反応性染料(Remazol Luminous Yellow FLを含むがこれに限定されない)があるが、これらに限定されない。高視認性色調へのFRモダクリル繊維の染色を可能にする染料としては、Basic Yellow 40などの塩基性染料があるが、これに限定されない。

1つの例では、布帛混合物#1〜4(上記に開示)ならびにさらなる布帛混合物(約50%のPROTEX W(商標)(FRモダクリル繊維)、約39%のTENCEL A100(商標)(セルロース繊維)、約10%のTWARON(商標)(パラアラミド繊維)、および約1%の帯電防止繊維)を有する布帛混合物#5)を有する布帛のFRモダクリル繊維および合成セルロース繊維は、FRモダクリル繊維を染色するためにBasic Yellow 40を使用し、TENCEL A100(商標)繊維を染色するためにRemazol Luminous Yellow FLを使用して、2段階吸尽染色法に従って染色した。結果は以下の表2に示される。

FRモダクリル/合成セルロース混合物(特に、TENCEL(商標)およびTENCEL A100(商標)繊維を用いるもの)を有する布帛は、軍の赤外反射要件(MIL−C−83429およびGL−PD−07−12(2/28/07)で公表されたものを含むが、これらに限定されない)に従って染色することができる。バット染料は、この基準に従って布帛を染色するために特に適切であることが証明された。限定されないが、J.R.AsplandによるTextile Dyeing and Coloration(第4章:Vat Dyes:Generalおよび第5章:Vat Dyes and their Application)に開示されるものなどのバット染色技法は、当該技術分野においてよく知られており、従って、本明細書では詳細に説明しない。本明細書に開示される布帛はまた、染料または顔料で印刷されてもよい。例えば、このような布帛は、軍の赤外反射要件に従い、当該技術分野でよく知られている印刷技法を用いてバット染料で印刷することができる。

すべての染色が完了したら、次に従来の方法で布帛を仕上げることができる。この仕上げ過程は、FR処理、抗菌剤、防虫剤、殺虫剤、防汚剤、ウィッキング剤、撥剤(例えば、ペルフルオロ炭化水素)、剛化剤、柔軟剤などの適用を含み得る。

本明細書に開示される繊維混合物を有する布帛を使用して、カバーオール、ジャンプスーツ、シャツ、ジャケット、ベスト、およびズボンを含むがこれらに限定されない、電気アークフラッシュおよび火炎から着用者を保護するための様々な防護衣服の全体または様々な部分を構成することができる。衣服着用者の視認性を高めるために、再帰反射テープ片などの再帰反射性要素が衣服の外側の部分に設けられてもよい。

一実施形態では、本明細書に開示される繊維の混合物を有する布帛は、最新式戦闘シャツの少なくとも一部を形成するために使用される。最新式戦闘シャツは、防弾ベストの下に着用される。防弾ベストがシャツの上に着用される場合、通常、シャツの肩および袖部は露出されたままであるが、シャツの身頃部分はベストによって実質的に被覆される。従って、シャツの肩および袖部は、着用者を火炎および放射エネルギーから保護する織物または厚地の編み物のFR布帛(参照によってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,867,154号明細書に開示されるものなど)から伝統的に製造されており、着用者が自身の周囲環境で確実に目立たないようにするために(例えば、迷彩パターンで)通常は印刷される。

シャツの身頃部分は着用者の胴を保護する防弾ベストによって隠されるので、同じ材料から製造される必要はないし、あるいは着用者に同じレベルのFR保護を提供しなくてもよい。本発明者らは、FRモダクリル繊維および合成セルロース繊維を含む混合物を有するFR布帛からシャツの身頃部分を形成すると、着用者にとってより快適である、より優れた摩耗特性を有するシャツが得られることを発見した。一実施形態では、シャツの身頃部分は、FRモダクリル繊維および合成セルロース繊維(これらのそれぞれの適切な例は、上記の説明において特定される)の50/50混合物で形成される。

しかしながら、混合物はFRモダクリル繊維および合成セルロース繊維だけを含む必要はない。むしろ、本質的にFRのさらなる繊維(その適切な例は上記説明で特定される)、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、または得られる布帛に伸縮性を付与する繊維(例えば、スパンデックス)を含むがこれらに限定されない他の繊維が、混合物に添加され得る。代替の実施形態では、繊維混合物は、約30〜60%のFRモダクリル繊維、約20〜60%の合成セルロース繊維、約5〜30%の本質的にFRのさらなる繊維、および5〜25%のナイロン繊維を含む。より具体的な実施形態では、繊維混合物は、約50%のモダクリル繊維(必ずしも限定されるものではないが好ましくはPROTEX W(商標)繊維)、30%のリヨセル繊維(必ずしも限定されるものではないが好ましくはTENCEL A100(商標)繊維)、10%のパラアラミド繊維(必ずしも限定されるものではないが好ましくはTWARON(商標)繊維)、および10%のナイロン繊維を含む。

繊維混合物はヤーンに形成され、これは次に、シャツの身頃部分において使用するための布帛を形成するために使用される。任意のタイプのヤーンを形成することができるが、その高い吸収特性を考えると、本願ではスパンヤーンが特に適切である。開口が設けられた布帛(すなわち、メッシュ布帛)は、得られるメッシュ布帛が通気性であり、空気がベストの下で循環できることによって着用者が涼しく保たれるので、本願において特によく適することが分かった。メッシュ布帛は、様々な方法で形成することができ、製編、特に丸編みが特に適切である。

メッシュ材料からシャツの任意の部分が形成され得る。メッシュの伸縮性に応じて、着用者による衣服の着脱を容易にするためにFR布帛の伸縮性パネルをシャツに組み込む(例えば、シャツのサイドパネルにおいて)ことが望ましいこともある。伸縮性パネルは、本明細書で企図される布帛を含むがこれらに限定されない任意のFR布帛で形成することができる。

上記は、本発明の実施形態を例示、説明、および記載する目的で提供される。これらの実施形態へのさらなる修正および変更は当業者に認識され、そして本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく行われるであろう。

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