Loom having a torsion selvage device

申请号 JP2003041749 申请日 2003-02-19 公开(公告)号 JP3997926B2 公开(公告)日 2007-10-24
申请人 株式会社豊田自動織機; 发明人 浩正 杉山; 幸広 辻;
摘要
权利要求
  • 織機駆動モータから独立した電動モータを用いてボビンホルダを公転させ、前記ボビンホルダに支持されたボビンから耳糸を引き出しながらもじり耳を形成するもじり耳形成装置を備えた織機において、
    前記電動モータの電源に対する前記電動モータの電気的接続を遮断するための遮断スイッチを設け
    前記織機駆動モータが不作動状態にあるときにのみ、前記遮断スイッチの遮断操作を有効にする有効化制御手段を備え、
    前記有効化制御手段は、前記遮断スイッチの遮断操作が有効である場合には、もじり耳形成装置の停止後に、前記ボビンホルダの公転停止後の位置が特定の公転位置になるように、前記電動モータを作動させ、その後に前記電動モータの電源に対する前記電動モータの電気的接続を遮断するという制御を行うもじり耳形成装置を備えた織機。
  • 織機は、前記織機駆動モータを起動するための起動スイッチを備え、もじり耳形成装置は、その公転原点位置を検出するための公転原点位置検出手段を備え、前記有効化制御手段は、前記電動モータの電源に対する前記電動モータの電気的接続を遮断した後、前記起動スイッチの起動操作による起動信号の出力に基づいて、前記電動モータの電源に対する前記電動モータの電気的接続を復活させ、かつ前記公転原点位置検出手段が公転原点位置を検出するまで前記電動モータを作動させ、その後に製織停止時点における公転位置にボビンホルダを配置するという制御を行う請求項1に記載のもじり耳形成装置を備えた織機
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、ボビンから糸を引き出しながらもじり耳を形成するもじり耳形成装置を備えた織機に関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    もじり耳形成装置(例えば特許文献1及び特許文献2を参照)では、固定された太陽歯車の同軸上に回転中心を持つ支持歯車の側面に一対の中継歯車及び一対の遊星歯車が回動可能に支持されている。 中継歯車は、太陽歯車及び遊星歯車の両方に噛合している。 支持歯車の回転によって中継歯車が太陽歯車に噛合しながらその周囲を半周すると、遊星歯車は支持歯車上で逆方向へ1回転する。 即ち、支持歯車が1/2回転すると遊星歯車は逆方向へ太陽歯車に対して1/2回転する。
    【0003】
    このように自転周期と公転周期とが一致するように太陽歯車の周囲を公転する遊星歯車の軸にはボビンホルダが装着されている。 ボビンホルダに支持されたボビンの耳糸は、糸張によってボビンから引き出され、支持歯車の1/2回転によってもじられる。 このようにしてもじられる耳糸は、ばね作用を受けるテンションアームによって案内されつつ張力を付与されるようになっている。 耳糸が切断したり、ボビンが消費された場合には、テンションアームが前記ばね作用によって耳糸案内位置から異常位置へ移動する。 異常位置へ移動したテンションアームは、耳糸異常検出器によって検出される。 耳糸異常検出器が異常を検出すると、織機の運転が停止される。
    【0004】
    【特許文献1】
    特開平8−325882号公報【特許文献2】
    特開平7−126962号公報【0005】
    【発明が解決しようとする課題】
    ボビンの交換や糸継ぎを行う場合には、これらの作業を行い易い公転位置にボビンを移動させることが行われる。 特許文献1の装置のように、もじり耳形成装置の駆動力を織機駆動モータから得る構成では、前記した作業を行い易い公転位置にボビンを移動させるためには、織機駆動モータをインチングさせて織機をスロー運転させる必要がある。
    【0006】
    一般的には、織機の操作部は、織機の前部側にあり、もじり耳形成装置は、織機の後部側にある。 そのため、ボビンが前記した作業を行い易い公転位置に移動したか否かを確認しながら織機をスロー運転させる必要がある。 つまり、織機の後部側へ行ってボビンの公転位置を確認し、この確認結果に応じて織機の前部側に戻って織機をスロー運転させて前記した作業を行い易い公転位置にボビンを移動させるといった作業手順が必要である。 このような作業手順は、手間が掛かる。
    【0007】
    又、ボビンの交換では一対のボビンの両方を交換することになるため、最初のボビンを交換した後に、2個目のボビンも前記した作業と同様の作業を行って交換する必要があり、ボビン交換は、一層手間が掛かる。
    【0008】
    本発明は、ボビンを所望の公転位置(例えば、ボビン交換に適した公転位置)に手間を掛けることなく簡単に移動できるようにすることを目的とする。
    【0009】
    【課題を解決するための手段】
    そのために本発明は、織機駆動モータから独立した電動モータを用いてボビンホルダを公転させ、前記ボビンホルダに支持されたボビンから耳糸を引き出しながらもじり耳を形成するもじり耳形成装置を備えた織機を対象とし、請求項1の発明は、前記電動モータの電源に対する前記電動モータの電気的接続を遮断するための遮断スイッチを設けたことを特徴とする。
    【0010】
    電動モータとしては、サーボモータやパルスモータ等の変速モータが好ましい。 このような電動モータと電源との電気的接続を遮断すると、電動モータの駆動力によって公転されるボビンホルダの公転位置を手回しで簡単に変えることができる。 従って、遮断スイッチを操作して電動モータと電源との電気的接続を遮断すれば、ボビンホルダ(従って、ボビン)を所望の公転位置へ簡単に移動させることができる。
    【0011】
    また 、請求項1において 、前記織機駆動モータが不作動状態にあるときにのみ、前記遮断スイッチの遮断操作を有効にする有効化制御手段を備えていることを特徴とする。
    【0012】
    有効化制御手段は、織機駆動モータが作動状態にあるときには、遮断スイッチの遮断操作を無効にする。 そのため、製織中に遮断スイッチを操作しても、もじり耳形成装置が停止してしまうことはない。
    【0013】
    さらに 、請求項において 、前記有効化制御手段は、前記遮断スイッチの遮断操作が有効である場合には、もじり耳形成装置の停止後に、前記ボビンホルダの公転停止後の位置が特定の公転位置になるように、前記電動モータを作動させ、その後に前記電動モータの電源に対する前記電動モータの電気的接続を遮断するという制御を行うことを特徴とする。
    【0014】
    前記特定の公転位置は、例えばボビン交換の容易な公転位置である。 遮断スイッチの遮断操作が有効である場合には、対のボビンホルダの一方がボビン交換の容易な公転位置に配置された後、電動モータとその電源との電気的接続が遮断される。 このボビンホルダにおけるボビンの交換を行った後、このボビンホルダを180°反対側の公転位置に手動で移動すれば、他方のボビンホルダがボビン交換の容易な公転位置に配置される。
    【0015】
    請求項の発明は、請求項において、織機は、前記織機駆動モータを起動するための起動スイッチを備え、もじり耳形成装置は、その公転原点位置を検出するための公転原点位置検出手段を備え、前記有効化制御手段は、前記電動モータの電源に対する前記電動モータの電気的接続を遮断した後、前記起動スイッチの起動操作による起動信号の出力に基づいて、前記電動モータの電源に対する前記電動モータの電気的接続を復活させ、かつ前記公転原点位置検出手段が公転原点位置を検出するまで前記電動モータを作動させ、その後に製織停止時点における公転位置にボビンホルダを配置するという制御を行うことを特徴とする。
    【0016】
    ボビン交換や糸切れ修復を行った後に起動スイッチをONすれば、もじり耳形成装置は、その停止時点における状態に自動的に復帰し、もじり耳形成装置の位相と織機の位相とが正しく一致した状態で製織が再開される。
    【0019】
    【発明の実施の形態】
    以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
    【0020】
    図1に示すように、織機の右側のサイドフレーム11と、織機の左側のサイドフレーム12とには補強バー13が架設されている。 サイドフレーム11側の補強バー13の上面にはレール14が補強バー13の長手方向に沿って敷設されている。 レール14にはもじり耳形成装置15がスタンド16を介して支持されている。 スタンド16は、図示しないねじ止め手段によってレール14に締め付け固定されている。 ねじ止め手段による締め付けを解除すれば、もじり耳形成装置15は、レール14に沿って取り付け位置を調整できる。
    【0021】
    サイドフレーム12側の補強バー13の上面にはもじり耳形成装置17がスタンド18を介して支持されている。 スタンド18は、補強バー13に固定されている。
    【0022】
    図2は、もじり耳形成装置15の内部構造を示す。 もじり耳形成装置15を構成するブラケット19は、スタンド16に止着されている。 ブラケット19の垂立部191には筒状の基枠20が止着されており、基枠20の端壁201には太陽歯車21が止着されている。 太陽歯車21の中空軸部211には回転支持体22の軸部221がベアリング23,24を介して回転可能に支持されている。
    【0023】
    図3に示すように、回転支持体22の背面には一対の中継歯車25,26が180°の度差を置いた回転対称位置に回転可能に支持されている。 又、回転支持体22の背面には一対の遊星歯車27,28が180°の角度差を置いた回転対称位置に回転可能に支持されている。 各中継歯車25,26は、太陽歯車21及び遊星歯車27,28の両方に噛合している。
    【0024】
    回転支持体22の前面には一対のボビンホルダ29A,29Bが配置されている。 ボビンホルダ29Aは、遊星歯車27と一体的に自転可能に遊星歯車27に結合されており、ボビンホルダ29Bは、遊星歯車28と一体的に自転可能に遊星歯車28に結合されている。
    【0025】
    ボビンホルダ29A,29Bの保持枠291には支持ピン292が抜き出し可能に支持されている。 支持ピン292にはボビン30A,30Bが回動可能に支持されている。 支持ピン292を挿入する保持枠291の一側にはスライドガイド31が止着されており、スライドガイド31にはばね製のストッパ32が装着されている。 スライドガイド31及びストッパ32は、支持ピン292に対する抜け止め機構を構成する。
    【0026】
    ストッパ32は、図2に鎖線で示す位置と実線で示す位置との間でスライド切換可能、かつスライドガイド31からの取り外し不能である。 ストッパ32は、自身のばね作用によって実線位置に保持される。 ストッパ32は、この実線位置で支持ピン292の頭部を押さえ、この押さえ作用により支持ピン292の保持枠291からの抜け出しが阻止される。
    【0027】
    保持枠291には軸33が固定支持されており、軸33にはガイド331が固定されていると共に、テンションプレート332が回動可能に支持されている。 テンションプレート332にはテンションアーム333が一体に突設されており、テンションプレート332と保持枠291との間には引っ張りばね34が張設されている。 ボビン30A,30Bから引き出される耳糸Ya,Ybは、軸33、ガイド331及びテンションアーム333と摺接してガイド孔35から導出される。 引っ張りばね34は、ガイド孔35から導出される耳糸Ya,Ybに対してテンションアーム333を介して張力を付与する。
    【0028】
    軸33にはラチェット36が止着されている。 ラチェット36は、ボビン30A,30Bに止着されたラチェットホイール301に対して引っ張りばね34のばね作用によって係合可能である。 耳糸Ya,Ybの張力が大きくなると軸33が引っ張りばね34のばね作用に抗して回動し、ラチェット36がラチェットホイール301から外れてボビン30A,30Bが回動可能となる。 その結果、耳糸Ya,Ybがボビン30A,30Bから引き出され、回転支持体22の回転によって耳糸Ya,Ybがもじられる。
    【0029】
    図1に示すように、回転支持体22を覆うカバー37の上部内面には糸切れ検出器38が取り付けられており、カバー37の下部内面にはストッパ外れ検出器39が取り付けられている。 テンションアーム333に糸張力が掛かっていない状態では、テンションアーム333は引っ張りばね34のばね作用によって図2の鎖線で示す異常位置に配置される。 糸切れ検出器38の検知アーム381の先端位置は、異常位置にあるテンションアーム333の公転軌跡上に設定されている。 又、ストッパ外れ検出器39の検知アーム391は、鎖線で示す異常位置にあるストッパ32の公転軌跡上に設定されている。
    【0030】
    テンションアーム333と検知アーム381とが接触すると、糸切れ検出器38が糸切れ検出信号を出力する。 ストッパ32と検知アーム391とが接触すると、ストッパ外れ検出器39が異常検出信号を出力する。
    【0031】
    糸切れ検出器38及びストッパ外れ検出器39は、もじり耳形成装置15,17に関連してもじり停止信号を出力するもじり停止信号出力手段である。
    図3に示すように、カバー37の上部内面には公転原点位置検出器40が取り付けられており、回転支持体22の周縁部には被検出体41が止着されている。 公転原点位置検出手段としての公転原点位置検出器40の検出領域は、被検出体41の公転軌跡上に設定されている。 被検出体41が公転原点位置検出器40に対して対向するように近接すると、公転原点位置検出器40は、公転原点検出信号を出力する。
    【0032】
    図2に示すように、ブラケット19には電動モータM1が取り付けられている。 電動モータM1の出力軸46には駆動ギヤ461が止着されている。 回転支持体22の軸部221には被動ギヤ47が止着されている。 駆動ギヤ461は、基枠20の筒内で被動ギヤ47に噛合されている。 電動モータM1が回転すると、回転支持体22が回転する。 製織時には回転支持体22は、織機の1回転に対して1/2回転するようになっている。 回転支持体22が1/2回転すると、遊星歯車27,28が1/2回公転すると共に、太陽歯車21に対して回転支持体22の回転方向とは逆方向へ1/2回自転する。 これによりボビンホルダ29A,29Bに装着されたボビン30A,30Bの耳糸Ya,Ybがガイド孔35を経由して引き出されると共にもじられる。
    【0033】
    このような構成のもじり耳形成装置15の回転支持体22は、図3の矢印P方向へ回転する。 図4に示すもじり耳形成装置17は、もじり耳形成装置15と同様の構成となっている。 但し、緯入れ始端側のもじり耳形成装置17におけるボビンホルダ29A,29Bの公転角度位置は、緯入れ末端側のもじり耳形成装置15におけるボビンホルダ29A,29Bの公転角度位置よりも進ませてある。 もじり耳形成装置17の回転支持体22は、図4の矢印Q方向へ回転する。 なお、もじり耳形成装置17における回転支持体22を駆動する電動モータM2以外には、もじり耳形成装置15の構成部と同じもじり耳形成装置17の構成部には、もじり耳形成装置15と同じ部材番号が用いてある。
    【0034】
    図1に示すように、糸切れ検出器38、ストッパ外れ検出器39及び公転原点位置検出器40の各検出信号は、制御手段C1へ送られる。 又、電動モータM1,M2には回転角度位置検出用のロータリエンコーダ(図示略)が組み込まれており、制御手段C1は、このロータリエンコーダからの回転角度位置情報に基づいて電動モータM1,M2の回転角度位置を把握する。 制御手段C1には起動スイッチ42、製織停止スイッチ43及び遮断スイッチ48が信号接続されている。 又、制御手段C1にはロータリエンコーダ45が信号接続されている。 ロータリエンコーダ45は、織機回転角度を検出するためのものである。 電動モータM1,M2は、電源491を含む駆動回路49を介して制御手段C1の制御を受ける。 電源491は、電動モータM1,M2の電気的駆動源である。
    【0035】
    制御手段C1は、織機駆動モータ44の作動を制御する。 図5及び図6は、制御手段C1による織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2の作動を制御する制御プログラムを表すフローチャートである。 以下、図5及び図6のフローチャートに従って制御手段C1による織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2の制御を説明する。
    【0036】
    もじり耳形成装置15側のボビン30A,30Bが空に近づいたことを作業者が認め、製織停止スイッチ43をON操作したとする。 制御手段C1は、このON操作に伴う製織停止信号の出力に応答して、織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2を同期して停止させる。 制御手段C1は、織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2が同期して停止した時におけるもじり耳形成装置15,17のボビンホルダ29A,29Bの公転位置を電動モータM1,M2の回転角度位置情報に基づいて把握する。 もじり耳形成装置15側のボビンの交換が必要なので、作業者は、遮断スイッチ48をONする。 制御手段C1は、遮断スイッチ48のONに待機している(ステップS1)。 遮断スイッチ48がONされると、制御手段C1は、このON信号が有効か否かを判定する(ステップS2)。
    【0037】
    制御手段C1は、製織停止スイッチ43のONに伴う製織停止信号の入力に基づいて、織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2の作動が停止しているとの判断をする。 この判断を行った場合には、制御手段C1は、遮断スイッチ48のON操作に伴って出力されるON信号を有効と判定する(ステップS2においてYES)。 製織を開始した以降に製織停止信号の入力がない場合、制御手段C1は、織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2の作動が停止していないとの判断をする。 この判断を行った場合には、制御手段C1は、遮断スイッチ48のON操作に伴って出力されるON信号を無効と判定する(ステップS2においてNO)。
    【0038】
    制御手段C1は、織機駆動モータ44が不作動状態にあるときにのみ、遮断スイッチ48の遮断操作を有効にする有効化制御手段である。
    遮断スイッチ48からのON信号が有効と判定された場合、制御手段C1は、公転原点位置検出器40からの公転原点信号の入力後の電動モータM1,M2の回転量から、もじり耳形成装置15,17におけるボビンホルダ29A,29Bの公転位置を把握する。 制御手段C1は、ボビンホルダ29A,29Bの公転位置の把握に基づいて、どちらのボビンホルダ29A,29Bが所望のボビン交換位置に近いかを判定する。 本実施の形態では、図3に鎖線で示すボビンホルダ29Aの位置が所望のボビン交換位置である。 この場合には、もじり耳形成装置15におけるボビンホルダ29Aの方が所望のボビン交換位置に近い。
    【0039】
    制御手段C1は、ボビンホルダ29Aをボビン交換位置に移動させるための電動モータM1,M2の補正回転量を算出する(ステップS3)。 そして、制御手段C1は、算出した補正回転量の分だけ電動モータM1,M2をスロー回転させる(ステップS4)。 これによりボビンホルダ29Aがボビン交換位置へ移動配置される。 つまり、制御手段C1は、もじり耳形成装置15,17の停止後に、ボビンホルダ29A,29Bの公転停止後の位置が特定の公転位置(ボビン交換位置)になるように、電動モータM1,M2を作動させる。
    【0040】
    ボビンホルダ29Aがボビン交換位置へ移動配置された後、制御手段C1は、電源491と電動モータM1,M2との電気的接続を遮断する(ステップS5)。 その後、制御手段C1は、起動スイッチ42のON操作に伴う起動信号の入力に待機する(ステップS6)。 もじり耳形成装置15側におけるボビン交換位置に配置されたボビンホルダ29Aのボビン30Aは、作業者の手作業によって新たなボビンと交換すればよい。
    【0041】
    電動モータM1,M2と電源491との電気的接続が続いている状態では、電動モータM1,M2は、電源491からの供給電気によってその回転位置を保持しようとする。 電動モータM1,M2と電源491との電気的接続が遮断されると、電動モータM1,M2は、手回しで簡単に回転できる状態となる。 そこで、もじり耳形成装置15における他方のボビンホルダ29Bのボビン30Bを交換するには、回転支持体22を手回しで180°回転してボビンホルダ29Bをボビン交換位置へ移動配置すればよい。 ボビン交換位置に配置されたボビンホルダ29Bのボビン30Bは、作業者の手作業によって新たなボビンと交換すればよい。
    【0042】
    ボビン交換後、作業者が起動スイッチ42をON操作して起動信号が出力されると、制御手段C1は、電動モータM1,M2と電源491との電気的接続を復活させる(ステップS7)。 電動モータM1,M2と電源491との電気接続を一旦遮断すると、電動モータM1,M2の回転角度が分からなくなる。 そのため、制御手段C1は、公転原点位置検出器40が公転原点信号を出力するまで電動モータM1,M2をスロー回転させる(ステップS8)。
    【0043】
    制御手段C1は、公転原点位置検出器40からの公転原点信号が入力すると(ステップS9においてYES)、このときのボビンホルダ29A,29Bの公転位置を把握する。 そして、制御手段C1は、電動モータM1,M2及び織機駆動モータ44が同期して停止した時点(製織停止時点)におけるボビンホルダ29A,29Bの公転位置へボビンホルダ29A,29Bを移動配置させるために、復帰用補正回転量を算出する(ステップS10)。 制御手段C1は、算出した復帰用補正回転量の分だけ電動モータM1,M2をスロー回転させる(ステップS11)。 これによりボビンホルダ29A,29Bが製織停止した時点における公転位置へ移動配置される。
    【0044】
    ボビンホルダ29A,29Bが製織停止した時点における公転位置へ移動配置されると、制御手段C1は、電動モータM1,M2及び織機駆動モータ44を同期して起動させる。 これにより、織機の位相ともじり耳形成装置15,17の位相とが正しく合った状態で製織が再開される。
    【0045】
    糸切れ検出器38が糸切れ検出信号を出力した場合には、制御手段C1は、この糸切れ検出信号の入力に基づいて、織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2を同期して停止させる。 その後、遮断スイッチ48や起動スイッチ42をON操作すれば、図5及び図6のフローチャートで示す制御が前記と同様に遂行される。 この場合、作業者は、ボビン交換位置に配置されたボビンホルダのボビンの耳糸に対して糸切れ修復(糸継ぎ)を行うことになる。
    【0046】
    第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
    (1−1)電動モータM1,M2としては、サーボモータやパルスモータ等の変速モータが好ましい。 このような電動モータM1,M2と電源491との電気的接続を遮断すると、電動モータM1,M2の駆動力によって公転されるボビンホルダ29A,29Bの公転位置を手回しで簡単に変えることができる。 製織停止状態において遮断スイッチ48をON操作すれば、電動モータM1,M2と電源491との電気的接続が遮断されるので、手作業によってボビンホルダ29A,29Bを所望の公転位置(即ち、ボビン交換位置)へ簡単に移動させることができる。 このようなボビン交換作業は、手間の掛からない容易な作業である。
    【0047】
    (1−2)有効化制御手段である制御手段C1は、織機駆動モータ44が作動状態にあるときには、遮断スイッチ48の遮断操作(ON操作)を無効にする。 そのため、製織中に遮断スイッチ48をON操作しても、もじり耳形成装置15,17が停止してしまうことはない。
    【0048】
    (1−3)遮断スイッチ48の遮断操作(ON操作)が有効である場合には、対のボビンホルダ29A,29Bの一方がボビン交換の容易な公転位置(ボビン交換位置)に配置された後、電動モータM1,M2とその電源491との電気的接続が遮断される。 つまり、電動モータM1,M2と電源491との電気接続が遮断された時点では、対のボビンホルダ29A,29Bのうちの一方がボビン交換位置へ自動的に配置される。 このような自動配置制御は、ボビン交換作業を更に容易なものとする。
    【0049】
    (1−4)ボビン交換や糸切れ修復を行った後に起動スイッチ42をONすれば、もじり耳形成装置15,17は、その停止時点(製織停止時点)における状態に自動的に復帰し、もじり耳形成装置15,17の位相と織機の位相とが正しく一致した状態で製織が再開される。 従って、ボビン交換や糸切れ修復を行った後に、作業者が回転支持体22を手回ししてもじり耳形成装置15,17の位相と織機の位相とを一致させるという煩わしい作業を行う必要がない。
    【0050】
    次に、図7及び図8の第2の実施の形態を説明する。 第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
    図7に示すように、第2の実施の形態における装置構成は、第1の実施の形態における遮断スイッチ48が無いことが第1の実施の形態と異なる。 糸切れ検出器38、ストッパ外れ検出器39及び公転原点位置検出器40の各検出信号は、制御手段C2へ送られる。 なお、ボビンの耳糸が全て消費されると、糸切れ検出器38が糸切れ検出信号を出力する。 つまり、糸切れ検出器38は、ボビン交換を知らせるセンサにもなる。
    【0051】
    図8は、制御手段C2による織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2の作動を制御する制御プログラムを表すフローチャートである。 以下、図8のフローチャートに従って制御手段C2による織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2の制御を説明する。
    【0052】
    糸切れ検出器38が糸切れ検出信号を出力した、又はストッパ外れ検出器39が異常検出信号を出力したとする。 なお、以下においては、糸切れ検出信号及び異常検出信号をもじり停止信号と言うことにする。 制御手段C2は、もじり停止信号の入力に待機している(ステップS21)。 制御手段C2は、もじり停止信号が入力すると、織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2を同期して停止させる(ステップS22)。 ステップS22より後のステップS23は、図5,6におけるステップS3〜S12と同じである。
    【0053】
    制御手段C2は、もじり停止信号出力手段からもじり停止信号が出力された場合には、織機駆動モータ44と電動モータM1,M2とを同期して作動停止した後に、電動モータM1,M2と電源491との電気的接続を遮断する遮断制御手段である。
    【0054】
    第2の実施の形態では、第1の実施の形態における(1−1)項、(1−3)項及び(1−4)項と同様の効果が得られる。
    本発明では以下のような実施の形態も可能である。
    【0055】
    (1)第1の実施の形態において、一対の遮断スイッチを設けること。 この場合、一方の遮断スイッチをON操作すれば、もじり耳形成装置15側の電動モータM1と電源491との電気的接続が遮断され、他方の遮断スイッチをON操作すれば、もじり耳形成装置17側の電動モータM2と電源491との電気的接続が遮断されるようにすればよい。 このようにすれば、ボビン交換あるいは糸継ぎの必要なもじり耳形成装置側の電動モータのみを制御すればよく、ボビン交換あるいは糸継ぎにおける電動モータの制御が容易になる。
    【0056】
    (2)第1及び第2の実施の形態において、ボビン交換位置へボビンホルダを移動配置するための電動モータM1,M2のスロー回転を行うことなく、電動モータM1,M2と電源491との電気的接続を直ちに遮断するようにしてもよい。
    【0057】
    (3)電動モータM1,M2と電源491との間の電気供給経路上に開閉式の遮断スイッチを介在し、開閉式の遮断スイッチの遮断操作によって電動モータM1,M2と電源491との電気的接続を遮断するようにしてもよい。
    【0058】
    前記した実施の形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
    〔1 〕織機は、前記織機駆動モータを起動するための起動スイッチを備え、もじり耳形成装置は、その公転原点位置を検出するための公転原点位置検出手段を備え、前記遮断制御手段は、前記電動モータの電源に対する前記電動モータの電気的接続を遮断した後、前記起動スイッチの起動操作による起動信号の出力に基づいて、前記電動モータの電源に対する前記電動モータの電気的接続を復活させ、かつ前記公転原点位置検出手段が公転原点位置を検出するまで前記電動モータを作動させ、その後に製織停止時点における公転位置にボビンホルダを配置するという制御を行うもじり耳形成装置を備えた織機。
    【0059】
    〔2〕織機駆動モータから独立した電動モータを用いてボビンホルダを公転させ、前記ボビンホルダに支持されたボビンから耳糸を引き出しながらもじり耳を形成するもじり耳形成装置を備え、前記もじり耳形成装置に関連してもじり停止信号を出力するもじり停止信号出力手段を備えた織機において、
    前記もじり停止信号出力手段からもじり停止信号が出力された場合には、前記電動モータの電源に対する前記電動モータの電気的接続を遮断する織機におけるもじり耳形成装置の動作制御方法。
    【0060】
    【発明の効果】
    以上詳述したように本発明では、ボビンを所望の公転位置に手間を掛けることなく簡単に移動できるようにし得るという優れた効果を奏する。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】第1の実施の形態を示す一部省略正面図。
    【図2】もじり耳形成装置の拡大側断面図。
    【図3】図1のA−A線拡大断面図。
    【図4】図1のB−B線拡大断面図。
    【図5】制御手段C1による織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2の作動を制御する制御プログラムを表すフローチャート【図6】制御手段C1による織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2の作動を制御する制御プログラムを表すフローチャート【図7】第2の実施の形態を示す一部省略正面図。
    【図8】制御手段C2による織機駆動モータ44及び電動モータM1,M2の作動を制御する制御プログラムを表すフローチャート【符号の説明】
    15,17…もじり耳形成装置。 29A,29B…ボビンホルダ。 30A,30B…ボビン。 40…公転原点位置検出手段としての公転原点位置検出器。 42…起動スイッチ。 44…織機駆動モータ。 48…遮断スイッチ。 491…電源。 M1,M2…電動モータ。 C1…有効化制御手段としての制御手段。 C2…遮断制御手段としての制御手段。 Ya,Yb…耳糸。

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