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Cylinder jacket, jacket hose, suction hose, and the cylindrical jacket of the manufacturing equipment

申请号 JP2005514281 申请日 2004-09-30 公开(公告)号 JP4485473B2 公开(公告)日 2010-06-23
申请人 櫻護謨株式会社; 发明人 芳 加藤; 章 堀本; 賢三 戸城;
摘要
权利要求
  • 斜文織の円筒ジャケットにおいて、たて糸がよこ糸の上に連続的に浮いてつくる斜文線の方向を円筒ジャケットの中心軸の方向と実質的に同一方向にしたことを特徴とする円筒ジャケット。
  • 斜文織の円筒ジャケットにおいて、たて糸がよこ糸の上に連続的に浮いてつくる斜文線の方向を円筒ジャケットの中心軸の方向に対して10°未満の角度で螺旋状に配置したことを特徴とする円筒ジャケット。
  • 前記たて糸を円筒ジャケットの中心軸に対して螺旋状に配置することによって、円筒ジャケットの中心軸に対して斜め方向に発生する斜文線を円筒ジャケットの中心軸に沿って直線状、または中心軸との角度が10°未満の螺旋状にしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の円筒ジャケット。
  • 前記たて糸がよこ糸の上に連続的に浮いてつくる斜文線を円筒ジャケットの内側に配置したことを特徴とする請求項1または2記載の円筒ジャケット。
  • 前記たて糸は繊維、よこ糸は繊維または金属線状体または合成樹脂線状体またはこれらの組合せからなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の円筒ジャケット。
  • 請求項1または請求項2記載の円筒ジャケットの内面にライニング層を設けたジャケットホースにおいて、
    前記ホースに使用圧力が加わった時に斜文線の方向とホースの中心軸とが略同一または10°未満の角度になるようにしたことを特徴とするジャケットホース。
  • 請求項1または請求項2記載の円筒ジャケットの少なくとも内面にライニング層を設けてホースを構成し、前記ホースに使用時の負圧が加わった時に斜文線の方向とホースの中心軸とが略同一または10°未満の角度になるようにしたことを特徴とするサクションホース。
  • たて糸とよこ糸とからなる斜文織の円筒ジャケットを製造する装置において、
    よこ糸を織り込むシャットルを一構成要素とする円筒織機の下部側に配置され、該円筒織機で織っている円筒ジャケットを引き取る回転引取ユニットと、この回転引取ユニットを回転させる回転機構とを具備し、前記回転引取ユニットを前記シャットルの回転数と任意の比率で同期させて回転させ、円筒ジャケットを捩りながら織組することを特徴とする円筒ジャケットの製造装置。
  • 前記回転引取ユニットは、円筒織機からの円筒ジャケットを所定の位置に搬送する複数の引取ローラーと、これらの引取ローラーを駆動する駆動源と、この駆動源による駆動力を前記引取ローラーに伝達させる伝達機とを有していることを特徴とする請求項8記載の円筒ジャケットの製造装置。
  • 前記回転引取ユニットは該ユニットからの円筒ジャケットを巻き取る巻取り装置を備え、前記回転引取ユニットと前期巻取り装置が前記回転機構により一体で回転することを特徴とする請求項8記載の円筒ジャケットの製造装置。
  • 前記巻取り装置は、円筒ジャケットを巻き取る巻取リールと、この巻取リールを駆動する駆動源と、この駆動源による駆動力を巻取リールに伝達する伝達機を有することを特徴とする請求項10記載の円筒ジャケットの製造装置。
  • 前記回転機構は、前記回転引取ユニットの上部と上部固定ガイド間に設けられた回転用ローラーと、前記回転引取ユニットの下部中央部に該ユニットの軸方向に沿って連結し、端部に伝達具を有する支持軸と、前記回転引取ユニットを駆動する駆動源と、この駆動源からの駆動力を前記伝達具に伝達する伝達機とを有することを特徴とする請求項10記載の円筒ジャケットの製造装置。
  • 前記円筒織機と前記回転引取ユニット間に、円筒織機から引き取る円筒ジャケットを円筒状の形状で捩る円筒部捩り機構を有することを特徴とする請求項8記載の円筒ジャケットの製造装置。
  • 前記円筒部捩り機構は、円筒織機からの円筒ジャケットの内側に位置するように支持された円筒保持マンドレルと、この円筒保持マンドレルをジャケットの外側から挟む1つ又は2つ以上の一対の円筒部捩りローラーとを有することを特徴とする請求項13記載の円筒ジャケットの製造装置。
  • 说明书全文

    本発明は、例えば消防ホース、保形ホース、吸ホース、給油ホース等の円筒ジャケット、ジャケットホース、サクションホース、及び円筒ジャケットの製造装置に関する。

    一般に消防ホースは、円筒ジャケットの内面にゴムまたは合成樹脂からなるライニング層を施して液密に保たれている。 即ち、例えば、繊維からなるたて糸とよこ糸を円筒織機によって筒状に織成したジャケットを形成し、このジャケットの内面にライニング層を施している。

    消防ホースは、軽量化・柔軟性が強く望まれており、ライニング層の厚さを薄くする傾向がある。 しかし、ライニング層を薄肉にすると、ジャケットの内面に現れるたて糸とよこ糸との織目(交差)部によって凹凸ができる。 その結果、この凹凸によってライニング層の内面に凹凸ができ、この凹凸が通水抵抗となっている。 特によこ糸によって蛇腹状に発生する円周方向(螺旋方向)の突状による通水抵抗が大きい。

    そこで、従来においては、円筒ジャケットの内面にライニング層を設けると共に、ライニング層の内面にホースの長さ方向に延びる複数の突条を設けたものが知られている(例えば、特許文献1)。

    また、円筒ジャケットの内面にライニング層を設けると共に、ライニング層の内面にホースの長さ方向に延びる複数の溝を設けたものが知られている(例えば、特許文献2)。

    いずれもホースの内面における乱流発生を抑制し、圧損失を小さくして通水速度を向上させたものである。

    しかしながら、消防ホース等においては、軽量化と柔軟性を確保するため、ライニング層は0.5mm前後である。 従って、突条を設けるにしても、高さが高くなると、軽量化と柔軟性を確保することができず、高さの低い突条を設けざるを得ない。 また、ライニング層に溝を設けるにしても、0.5mm前後のライニング層に溝を設けても、溝の深さは僅かなものである。

    従って、ライニング層にホースの中心軸方向に亘って突条や溝を設けても、よこ糸によって蛇腹状に発生する大きな凹凸のために乱流発生の抑制効果を十分に発揮できない。 通水速度を向上させるために、突条の高さを高くしたり、ライニング層を厚くして溝を深くしようとすると、ホースの軽量化と柔軟性を確保できないという問題がある。 さらに、ライニング層に加工を施すことはコストアップの原因となる。

    特開平7−4569号公報(特許請求の範囲及び図1)

    特開2000−55247号公報(特許請求の範囲及び図1)

    本発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、ライニング層に加工を施すことなく、圧力損失が小さく、しかも柔軟性及び軽量化が図れる円筒ジャケット、ジャケットホース、サクションホース、及び円筒ジャケットの製造装置を提供することにある。

    (1)上記目的を達成するために、本発明に係る円筒ジャケットは、斜文織の円筒ジャケットにおいて、たて糸がよこ糸の上に連続的に浮いてつくる斜文線の方向を円筒ジャケットの中心軸の方向と実質的に同一方向にしたことを特徴とする。

    (2)また、本発明に係る円筒ジャケットは、斜文織の円筒ジャケットにおいて、たて糸がよこ糸の上に連続的に浮いてつくる斜文線の方向を円筒ジャケットの中心軸の方向に対して10°未満の度で螺旋状に配置したことを特徴とする。

    (3)本発明に係る円筒ジャケットは、上記(1)又は(2)において、前記たて糸を円筒ジャケットの中心軸に対して螺旋状に配置することによって、円筒ジャケットの中心軸に対して斜め方向に発生する斜文線を円筒ジャケットの中心軸に沿って直線状または中心軸との角度が10°未満の螺旋状にしたことを特徴とする。

    (4)本発明に係る円筒ジャケットは、上記(1)又は(2)において、前記たて糸がよこ糸の上に連続的に浮いてつくる斜文線を円筒ジャケットの内側に配置したことを特徴とする。

    (5)本発明に係る円筒ジャケットは、上記(1)乃至(4)のいずれかにおいて、たて糸は繊維、よこ糸は繊維または金属線状体または合成樹脂線状体またはこれらの組合せからなることを特徴とする。

    (6)本発明に係るジャケットホースは、上記(1)乃至(5)のいずれかの円筒ジャケットの内面にライニング層を設けたジャケットホースにおいて、前記ホースに使用圧力が加わった時に斜文線の方向とホースの中心軸とが略同一または10°未満の角度になるようにしたことを特徴とする。

    (7)本発明に係るサクションホースは、上記(1)乃至(5)のいずれかにおいて、前記円筒ジャケットの少なくとも内面にライニング層を設けてホースを構成し、前記ホースに使用時の負圧が加わった時に斜文線の方向とホースの中心軸とが略同一または10°未満の角度になるようにしたことを特徴とする。

    (8)本発明に係る円筒ジャケットの製造装置は、たて糸とよこ糸とからなる斜文織の円筒ジャケットを製造する装置において、よこ糸を織り込むシャットルを一構成要素とする円筒織機の下部側に配置され、該円筒織機で織っている円筒ジャケットを引き取る回転引取ユニットと、この回転引取ユニットを回転させる回転機構とを具備し、前記回転引取ユニットを前記シャットルの回転数と任意の比率で同期させて回転させ、円筒ジャケットを捩りながら織組することを特徴とする。

    (9)本発明に係る円筒ジャケットの製造装置は、上記(8)において、前記回転引取ユニットは、円筒織機からの円筒ジャケットを所定の位置に搬送する複数の引取ローラーと、これらの引取ローラーを駆動する駆動源と、この駆動源による駆動力を前記引取ローラーに伝達させる伝達機とを有していることを特徴とする。

    (10)本発明に係る円筒ジャケットの製造装置は、上記(9)において、前記回転引取ユニットは該ユニットからの円筒ジャケットを巻き取る巻取り装置を備え、前記回転引取ユニットと前期巻取り装置が前記回転機構により一体で回転することを特徴とする。

    (11)本発明に係る円筒ジャケットの製造装置は、上記(10)において、前記巻取り装置が、円筒ジャケットを巻き取る巻取リールと、この巻取リールを駆動する駆動源と、この駆動源による駆動力を巻取リールに伝達する伝達機を有することを特徴とする。

    (12)本発明に係る円筒ジャケットの製造装置は、上記(10)において、前記回転機構が、前記回転引取ユニットの上部と上部固定ガイド間に設けられた回転用ローラーと、前記回転引取ユニットの下部中央部に該ユニットの軸方向に沿って連結し、端部に伝達具を有する支持軸と、前記回転引取ユニットを駆動する駆動源と、この駆動源からの駆動力を前記伝達具に伝達する伝達機とを有することを特徴とする。

    (13)本発明に係る円筒ジャケットの製造装置は、上記(8)において、前記円筒織機と前記回転引取ユニット間に、円筒織機から引き取るジャケットを円筒状の形状で捩る円筒部捩り機構を有することを特徴とする。
    (14)本発明に係る円筒ジャケットの製造装置は、上記(13)において、前記円筒部捩り機構が、円筒織機からのジャケットの内側に位置するように支持された円筒保持マンドレルと、この円筒保持マンドレルをジャケットの外側から挟む1つ又は2つ以上の一対の円筒部捩りローラーとを有することを特徴とする。

    本発明の斜文織で織組された円筒ジャケットによれば、その中心軸を中心として例えば、捻りを加えて、斜文線の方向を円筒ジャケットの中心軸の方向と略同一(実質的に同一)にすると、たて糸は円筒ジャケットに対して螺旋状となる。 斜文織で織組された円筒ジャケットを、その中心軸を中心として捻りを加え、斜文線の方向を円筒ジャケットの中心軸と略一致させる手段としては、円筒ジャケットの長手方向の両端部を支持して捻りを加えてもよい。

    また、よこ糸が硬鋼線の場合は、たて糸と織組するときに、小さな巻きのコイルばね状に成形されたよこ糸である鋼線が元の直線状態に弾性的に復帰する力によって円筒ジャケットが捩られて斜文線の方向が円筒ジャケットの中心線と一致するようにしてもよい。

    本発明の円筒ジャケットによれば、たて糸がよこ糸の上に連続的に浮いてつくる斜文線を円筒ジャケットの内側に配置することにより、よこ糸によって蛇腹状に発生する大きな円周方向の凹凸に十分対抗できる斜文線による大きな軸方向の突条を形成できるので、ライニング層に加工を施すことなく、圧力損失が小さく、しかも柔軟性及び軽量化が図れるという効果がある。

    本発明の円筒ジャケットによれば、上記(2)に記載したように、たて糸がよこ糸の上に連続的に浮いてつくる斜文線の方向を円筒ジャケットの中心軸の方向に対して10°未満の角度で螺旋状に配置することにより、円筒ジャケットをホースとして使用した時、内側に少し螺旋状になった縦筋があるので、蛇行したホースの湾曲部を含む圧力損失が減少する。 なお、螺旋状にする程度は、斜文線の方向と円筒ジャケットの中心軸との角度が10°未満となるように少しだけ螺旋状にするが、好ましくは3°〜7°である。

    本発明の円筒ジャケットの製造装置によれば、回転引取ユニットをシャットルの回転数と任意の比率で同期させて回転機構により回転させ、円筒ジャケットのたて糸を捩りながら織組するので、たて糸を直線状ではなく捩れた状態にした円筒ジャケットを製造することができる。 特に、上記(13)に記載のように、天井と回転引取ユニット間に、円筒部捩りローラー等を備えた円筒部捩り機構が配置することにより、大きな捩りを加えても円筒ジャケットが皺にならず、均一に捩れた円筒ジャケットを得ることができる。

    図1は、この発明の第1の実施形態を示す円筒ジャケットの説明図である。

    図2Aは、第1の実施形態の円筒ジャケットの外側から見た組織図である。

    図2Bは、第1の実施形態の円筒ジャケットの内側から見た組織図である。

    図3は、第1の実施形態を示し、円筒ジャケットに捻りを付与した状態の説明図である。

    図4Aは、第1の実施形態の円筒ジャケットの捻りを付与した状態の外側から見た組織図である。

    図4Bは、第1の実施形態の円筒ジャケットの捻りを付与した状態の内側から見た組織図である。

    図5は、同実施形態のジャケットホースを示す斜視図である。

    図6は、この発明の第2の実施形態を示す円筒ジャケットの製造装置の正面図である。

    図7は、同製造装置の左側面図である。

    図8は、同製造装置の右側面の概略図である。

    図9は、同製造装置の一構成要素である下部固定ガイド及び回転用ローラーの平面図である。

    以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

    (第1の実施形態)
    図1〜図4に基づいて、円筒ジャケット1の構成を説明すると、繊維からなる複数本のたて糸2と硬鋼線からなる1本のよこ糸3とから構成されている。 たて糸2は、例えばポリエステルスパン糸の10/10sの白糸を298本と20/10sの青糸からなる柄糸2aを1本使用する。 よこ糸3は、例えば亜鉛メッキ硬鋼線φ1.8mmを使用し、打ち込み数は26山/10cmとしている。 ここで使用するたて糸2のうち、1本の柄糸2aは、たて糸2とよこ糸3を斜文織したときに、たて糸2の方向とたて糸2がよこ糸3の上に連続的に浮いてつくる斜文線Aの方向を図面上わかりやすくしたものであって、この発明とは直接関係がない。 なお、図1〜図3では、1シャットルの円筒織機で織組され、1条に配置された織物構造を図示している。

    円筒ジャケット1は、例えばノルウェーのマンダル社のHM604型円筒織機を1シャットルに改造して使用したもので、織組される複数本のたて糸2は、円筒ジャケット1を取り囲むように円環状に配置されたシャットルガイドピン(図示しない)の相互間に挿通されている。 たて糸2と織組される1本のよこ糸3は、その先端部がシャットルガイドピンの配置方向に沿って旋回するシャットル(図示しない)によって支持されている。 そして、シェディングホイール(図示しない)の山部と谷部によって上下に振分けられるたて糸2の間にシャトルを通過させ、よこ糸3を螺旋状に織り込んで円筒ジャケット1を連続的に織組するようになっている。 なお、改造しない普通のHM604型円筒織機の場合は、2シャットル織機なので、よこ糸3が2条に配置される。 なお、3シャットル以上の円筒織機を使用してもよいし、平織織機を使用した袋織の綾織物でもよい。

    ここで、前述した円筒織機によって織組される円筒ジャケット1は、1/2斜文織であり、図1及び図2は1/2斜文織からなる円筒ジャケット1で、図2Aはジャケットの外側(布の表)、図2Bはジャケットの内側(布の裏)を示し、たて糸2とよこ糸3とからなり、たて糸2のうち1本は柄糸2aである。 ジャケットの外側から見た場合、図2Aに示すように、たて糸2−1は、1本のよこ糸3−1の上に浮いた後、2本のよこ糸3−2,3−3の下に沈んで内側に現れ、次に1本のよこ糸3−4の上を浮いた後、2本のよこ糸3−5,3−6の下に沈むことを繰り返す。

    隣のたて糸2−2は、2本のよこ糸3−1,3−2の下に沈んだ後、1本のよこ糸3−3の上に浮き、次に2本のよこ糸3−4,3−5の下に沈んだ後、1本のよこ糸3−6の上に浮くことを繰り返す。 さらに隣のたて糸2−3は、1本のよこ糸3−2の上に浮いた後、2本のよこ糸3−3,3−4の下に沈んで、1本のよこ糸3−5の上に浮いた後、2本のよこ糸3−6,3−7の下に沈むことを繰り返す。

    ジャケットの内側から見た場合、織物である布の裏になるので、図2Bに示すような織組となる。 なお、図2Aの2−1と図2Bの2−1'は同一のたて糸であり、同様に、符番2−2と符番2−2'、符番2−3と符番2−3'また、符番3−1と符番3−1'、符番3−2と符番3−2'、符番3−3と符番3−3'も同一のたて糸まてはよこ糸である。

    前述のように、1/2斜文織で織組された円筒ジャケット1は、たて糸2がよこ糸3の上に連続的に浮いてつくる斜文線Aの方向が、図2Bに示すように、円筒ジャケット1の中心軸Sに対して略45°となり、たて糸である柄糸2aが円筒ジャケット1の中心軸Sと平行となる。 斜文線Aの方向が円筒ジャケットの中心軸Sに対して正45°となるのは、たて糸とよこ糸の太さと密度が等しいときである。 なお、1/2斜文織で織組された円筒ジャケットは一例を示しただけであり、斜文織であれば1/3等の斜文織でも急斜文、緩斜文、昼夜斜文等の変化斜文織でもよい。

    次に、1/2斜文織で織組された円筒ジャケット1を、その中心軸Sを中心として捻りを加え、図3及び図4A,図4Bに示すように、斜文線Aの方向を円筒ジャケット1の中心軸Sと略一致させると、柄糸2aを含む全てのたて糸2は円筒ジャケット1の中心軸Sに対して螺旋状となる。 ここで、1/2斜文織で織組された円筒ジャケット1を、その中心軸Sを中心として捻りを加え、斜文線Aの方向を円筒ジャケット1の中心軸Sと略一致させる手段としては、円筒ジャケット1の長手方向の両端部を支持して捻りを加えてもよく、小さなコイルばね状に成形されたよこ糸3の亜鉛メッキ硬鋼線が元の直線状態に弾性的に復帰する力によって円筒ジャケット1が捩られて斜文線Aの方向が円筒ジャケット1の中心軸Sと一致するようにしてもよい。

    ここで、円筒ジャケット1の具体的な実施例を述べると、円筒ジャケット1の中心軸S方向に約30%縮めてよこ糸3が、26山/10cm→36山/10cmになるようにする。 次に、円筒ジャケット1を約500°/m、右ねじ方向に捩ると、円筒ジャケット1の中心軸Sと斜文線Aとが一致し、斜文線Aが円筒ジャケット1の軸方向に亘って直線状となる。 前述のように、よこ糸3の亜鉛メッキ硬鋼線をコイルばね状に成形して自動的に軸線方向に30%縮んで約500°/m捩れるように構成することにより、捩り力を付与する必要がなく、斜文線Aの方向が円筒ジャケット1の中心軸Sと一致した円筒ジャケット1を製造できる。 なお、よこ糸3の亜鉛メッキ硬鋼線は、一例を示しただけであり、繊維または金属線状体または合成樹脂線状体またはこれらの組合せでもよい。 また、よこ糸3は1本に限定されるものではなく、2本のよこ糸を2条ねじのように配置してもよく、3条、4条でもよい。

    次に、ジャケットホースの製造方法について説明すると、図5に示すように、1/2斜文織で織組された円筒ジャケット1にライニング用チューブを引き込んで空圧で膨らませてから、その中心軸Sを中心として捻りを加え、斜文線Aの方向を円筒ジャケット1の中心軸Sと略一致させる。 次に、円筒ジャケット1をその中心軸Sを中心として捻りを加えた状態で、円筒ジャケット1内のライニング用チューブを加熱・加圧してゴムまたは合成樹脂からなるライニング層4を形成する。 これにより、液密性が保たれ、ジャケットホース5が完成する。 このジャケットホース5は、例えば消防ホース、保形ホース、吸水ホース、給油ホース等として使用することができる。

    このジャケットホース5は、円筒ジャケット1の内側に円筒ジャケット1の中心軸Sと一致する斜文線Aが円筒ジャケット1の中心軸方向に亘って直線状に形成されている。 従って、ライニング層4の斜文線Aと接触する部分は、ジャケットホース5の内側に突出し、斜文線Aに倣ってジャケットホース5の長手方向に沿って複数本の直線状の突条6が形成される。 この突条6は内部を流れる流体の乱流発生を抑制し、圧力損失を小さくして通水速度を向上するという作用がある。 しかも、ライニング層4に何ら加工を施すことなく、ジャケットホース5の長手方向に沿って複数本の直線状の突条6を形成できることから製造コストを大幅に低減できる。 さらに、斜文線Aによって突条6を形成しているために、ジャケットホース5の軽量化・柔軟性を確保し、取り扱いが容易である。

    なお、前記実施形態においては、斜文織で織組された円筒ジャケット1を、その中心軸Sを中心として捻りを加え、斜文線Aの方向を円筒ジャケット1の中心軸Sと略一致させた。 しかし、織組時に、たて糸2を円筒ジャケット1の中心軸に対して螺旋状に配置することによって、円筒ジャケット1の中心軸Sに対して斜め方向に発生する斜文線Aを円筒ジャケット1の中心軸Sに沿って直線状にしてもよい。

    また、図示しないが、前記実施形態の円筒ジャケット1の少なくとも内面にライニング層を設けたホースを構成し、このホースに使用時の負圧が加わった時に斜文線の方向とホースの軸線とが略同一となるようにしたサクションホースでもよい。

    更に、前記実施形態においては、1/2三枚斜文織について説明したが、四枚斜文織等の斜文織やその他各種の変化斜文織でもよい。 また、たて糸2の本数及び太さは使用目的によって適宜変更可能である。

    (第2の実施形態)
    次に、円筒ジャケットを製造する製造装置について、図6、図7、図8、図9を参照して説明する。 ここで、図6は同製造装置の正面図、図7は図6の左側面図、図8は図6の右側面図、図9は図6の製造装置の一構成である下部固定ガイドの平面図を示す。 なお、後述する上部固定ガイドも同様の形状である。

    図6〜図8に示すように、例えば2階に位置するところに円筒織機11が配置されている。 この円筒織機11は、例えばマンダル社製の織機(商品名:HM604)である。 円筒織機11は、ウィビングリング12を中心として回転するよこ糸を織り込むシャトル(図示せず)を備えている。 このシャトルからはよこ糸(図示せず)がウィビングリング12の内側に送られ、円筒織機11の外側から送られるたて糸13とともに円筒ジャケット14が織られる。

    上記製造装置は、天井側から順に円筒部捩り機構15と、回転可能な回転引取ユニット16と、このユニット16を回転する回転機構17を備えている。 ここで、前記回転引取ユニット16は、円筒織機11のシャットルの回転数と任意の比率で同期して回転するようになっている。 前記円筒織機11の上部には、支持棒18の一端が支持され、支持棒18の他端には円筒織機11からの円筒ジャケット14を保護する円筒保持マンドレル19が取り付けられている。 この円筒保持マンドレル19の外側を円筒ジャケット14が移動するようになっている。

    前記円筒部捩り機構15は、前記円筒保持マンドレル19の他、該マンドレル19を円筒ジャケット14の外側から保持する第1の一対の捩りローラー20a,第2の一対の捩りローラー20bを上下に備えている。 これらの捩りローラー20a,20bは平面的にみて直角にクロスして配置されている。 1階の天井21には上部固定ガイド22を支持する支持部材23が設けられている。

    前記回転引取ユニット16は、円筒織機11からの円筒ジャケット14を所定の位置に搬送する複数の引取ローラー24と、これらの引取ローラー24を駆動する駆動源(モーター)25と、このモーター25による駆動力を前記引取ローラー24に伝達させる伝達機としての減速機26と2つのかさ歯車27とを有している。 また、各引取ローラー24の軸には平歯車28が設けられ、これを利用してモーター25からの駆動力が各引取ローラー24に伝達されるようになっている。

    また、前記回転引取ユニット16は該ユニット16からのジャケットを巻き取る巻取り装置29を備えている。 ここで、巻取り装置29は、円筒ジャケット14を巻き取る巻取リール30と、この巻取リール30を駆動する駆動源(モーター)31と、このモーター31による駆動力を巻取リール30に伝達する伝達機としてのチェーン32を有している。

    前記回転引取ユニット16と巻取り装置29は、回転機構17により一体で回転するようになっている。 前記回転機構17は、前記回転引取ユニット16の上部と上部固定ガイド22間に設けられた後述する4つの回転用ローラー40と、前記回転引取ユニット16の下部中央部に該ユニットの軸方向に沿って連結し、下端部に伝達具としてのスプロケット36を有する回転軸37と、前記回転引取ユニット16を駆動する駆動源(モーター)38と、このモーター38からの駆動力を前記スプロケット36に伝達する伝達機としてのチェーン39とを有している。

    前記回転引取ユニット16の上部と前記上部固定ガイド22間には、4つの回転用ローラー40が設けられている。 なお、前記上部固定ガイド22は天井21に支持され、下部固定ガイド34は床41に支持されている。 そして、回転引取ユニット16が回転機構17により回転するとき、下部側の回転用ローラー35は下部固定ガイド34に対して転動し、上部側の回転用ローラー40は上部固定ガイド22に対して転動する。

    なお、回転引取ユニット16の下部と下部固定ユニット34間には、図9に示すように4つの回転ローラー35が設けられている。 そして、円筒ジャケット14を織っているときは、引取ローラー24の強い力で円筒ジャケット14を引くので、上部の回転ローラー40で回転引取ユニット16を受け、円筒ジャケット14を織っていないときは下部の回転ローラー35で回転引取ユニット16を受ける。

    こうした構造の円筒ジャケットの製造装置においては、回転引取ユニット16をシャットルの回転数と任意の比率で同期させて回転機構17により回転させ、円筒ジャケットのたて糸を捩りながら織組している。 従って、たて糸を直線状ではなく捩れた状態にした円筒ジャケットを容易に製造することができる。 特に、天井21と回転引取ユニット16間には、円筒部捩りローラー20a,20bを備えた円筒部捩り機構15が配置されているので、大きな捩りを加えても円筒ジャケット14が皺にならず、均一に捩れた円筒ジャケット14を得ることができる。

    また、上記製造装置によれば、織物の構造を1/2斜文織等にした場合、たて糸がよこ糸の上に連続的に浮いてつくる斜文線の方向を円筒ジャケットの中心軸の方向に対して略同一方向にするか、又は少しだけ螺旋状にすることができる。 これにより、円筒ジャケットをホースとして使用した場合、内側に直線状か又は少し螺旋状になった縦筋ができ、ホースの湾曲部を含めた圧力損失を減少できる。 なお、ジャケットの中心軸に対する斜文線の角度は、本来斜文織の織物仕様(織物組織やたて糸とよこ糸の太さ、密度)によって決まってしまうが、本発明によれば、たて糸をジャケット中心軸に対して任意の角度で捩ることによって、この斜文線の角度を自由に(0°〜10°)設定できる。

    なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。 また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。 例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。 さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。

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