Solid structure-shaped net

申请号 JP18811992 申请日 1992-07-15 公开(公告)号 JPH05187011A 公开(公告)日 1993-07-27
申请人 Asahi Doken Kk; 旭土建株式会社; 发明人 MATSUMOTO KOICHI;
摘要 PURPOSE:To improve ventilation and catchment and drainage effects by forming the air gaps of cord sections while lightening a solid structure-shaped net and facilitating handling by forming the cord sections parting mesh holes in a hollow solid shape as the net. CONSTITUTION:A net A having solid structure composed of surface and rear bases 3, 4 by a net texture having comparatively coarse meshes and connecting thread 5 connecting the surface and rear bases 3, 4 is manufactured through a means such as braiding, weaving, synthetic-resin formation, etc., and cord sections 2 parting mesh holes 1 are formed in a hollow solid shape. Reticulate pipes made of fibers or a synthetic resin are crossed and bonded, thus manufacturing a net, in which the cord sections are composed of the reticulate pipes.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 網目孔を画成する紐条部分が、通気及び透水可能な中空立体状をなしていることを特徴とする立体構造状ネット。
  • 【請求項2】 編組、織成または合成樹脂成形された立体構造状ネットであって、ネット構造をなす表裏素地と、この表裏素地を連結する連結糸とからなり、網目孔を画成する紐条部分が表裏素地と連結糸により通気及び透水可能な中空立体状に構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の立体構造状ネット。
  • 【請求項3】 中空立体状をなす紐条部分の内部に、合成樹脂製の有孔パイプ、繊維製の網状パイプ等の通気及び透水性パイプ体、あるいは紐状物が挿入されてなる請求項1または2に記載の立体構造状ネット。
  • 【請求項4】 編組、織成または合成樹脂成形した立体構造状ネットであって、表裏一方側の素地をネット構造とし、他方側の素地を平地とし、この表裏素地を連結糸で連結して、片側面において網目孔を画成する紐条部分を、通気及び透水可能な中空立体状に形成してなることを特徴とする請求項1に記載の立体構造状ネット。
  • 【請求項5】 編組または織成された二重生地よりなる立体構造状ネットであって、1方向に連続する中空部を形成する二重生地部とネット部とを有してなり、ネット部において網目孔を画成する紐条部分が、通気及び透水可能な中空立体状をなし、また二重生地部の中空部に管や有孔パイプまたはロープ等の長尺条体が挿入されてなる請求項1に記載の立体構造状ネット。
  • 【請求項6】 多数本の繊維製または合成樹脂製の網状パイプを交叉結合してネットとし、網目孔を画成する紐条部分が網状パイプによる中空立体状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の立体構造状ネット。
  • 【請求項7】 不織布の中に合成樹脂製有孔パイプもしくは繊維製網状パイプが挿入されるとともに、不織布の所要個所がカットされて網目孔として開孔されてなる請求項1に記載の立体構造状ネット。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、主に造成地や宅地の斜面や法面等の集排用ネットや保護ネット、種子吹付け用等の植生用保護ネット、建築用保護ネット、農業用遮光ネット、医療用ネットその他の各種ネットとして広く好適に利用できる立体構造状ネットに関するものである。

    【0002】

    【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来より、例えば造成地の斜面や堤防の法面を保護しかつ集排水効果を持たせる目的で、ダブルラッシェル機による二重編地あるいは不織布等の厚みのある透水性の繊維層が埋設されている。

    【0003】しかし、不織布や二重編地等よりなるものであると、盛土による荷重が繊維層全体にかかり、その結果、繊維層が圧縮されて空隙保有率が低下して集排水効果が損なわれる欠点がある。 また盛土がこの繊維層を挟んで上下2層になり、上部盛土が滑り易い上、この上部盛土部分に植生をした場合に、繊維層によりその植物の根の成長が妨げられる欠点もある。 さらに通常の二重編地では、繊維使用量が多くなって、コスト高となる上、重くて取扱い難く、埋設あるいは張設等の作業性が劣ることにもなる。

    【0004】また、法面の保護ネットや植生用ネットあるいは建築用の保護ネット等として使用されるネットは、網目孔を画成する紐条部分が内部充実の紐や針金からなるものが多く、そのためネットとしては比較的重くて取扱い面倒である上、やはり紐条部分の通気及び集排水効果は期待できないものであった。

    【0005】本発明は、上記に鑑みなしたもので、造成地等の集排水用ネットや保護ネットその他に使用するネットとして、特に網目孔を画成する紐条部分を中空立体状にして、この紐条部分の空隙保有により、通気及び集排水効果を向上させるとともに、軽量化を図り取扱いを容易にしたものである。 さらに、当該立体構造状ネットを、コンクリート二次製品等に埋め込むことにより、通気、通水または軽量化の効果をもたらすことができるようにしたものである。

    【0006】

    【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本発明の立体構造状ネットは、網目孔を画成する紐条部分が、通気及び透水可能な中空立体状をなしていることを特徴とする。

    【0007】この立体構造状ネットとしては、編組、織成または合成樹脂成形により、ネット構造をなす表裏素地と、この表裏素地を連結する連結糸とによりネットを構成し、網目孔を画成する紐条部分が表裏素地と連結糸により通気及び透水可能な中空立体状に構成することができる。

    【0008】また前記の紐条部分の内部には、合成樹脂製の有孔パイプもしくは繊維製の網状パイプ等の通気及び透水性パイプ体、あるいは紐状物を挿入しておくこともできる。

    【0009】本発明の立体構造状ネットとして、編組、
    織成または合成樹脂成形するものにおいて、表裏一方側の素地をネット構造とし、他方側の素地を平地とし、この表裏素地を連結糸で連結して、片側面において網目孔を画成する紐条部分を、通気及び透水可能な中空立体状に形成することができる。

    【0010】また、本発明の立体構造状ネットとして、
    編組または織成された二重生地よりなるものにおいて、
    1方向に連続する中空部を形成する二重生地部とネット部とを形成し、ネット部において網目孔を画成する紐条部分を、通気及び透水可能な中空立体状に形成し、また二重生地部の中空部に管や有孔パイプまたはロープ等の長尺条体を挿入した構成とすることもできる。

    【0011】さらに、多数本の繊維製または合成樹脂製の網状パイプを交叉結合してネットとし、網目孔を画成する紐条部分を網状パイプによる中空立体状とすることもできる。

    【0012】さらにまた、不織布の中に合成樹脂製有孔パイプもしくは繊維製網状パイプを挿入するとともに、
    不織布の所要個所をカットして網目孔として開孔した立体構造状ネットとすることもできる。

    【0013】

    【作用】上記した本発明のネットは、網目孔を画成する紐条部分が中空立体状をなしているために、所要の厚みを保有した立体構造をなし、かつ表面積も大きくなっている。

    【0014】このネットを、例えば宅地や造成地等の斜面や法面その他の集排水用ネットや保護ネットとして埋設使用した場合、該ネット上の盛土が網目孔の空隙部分で下側土層と接して、該盛土の重を下側土層に逃すことができ、紐条部分にかかる荷重を軽減でき、紐条部分の立体構造を良好に保持できる。

    【0015】しかも紐条部分が内部中空の立体構造をなしているので、その表面積を増大できるばかりか、中空形状のために通常の立体構造のものに比して空隙保有率が高く、この中空内部が流通路となって通気及び排水作用が効率よく行なわれる。

    【0016】特に、請求項3のように、紐条部分の内部に通気及び透水性パイプ体あるいは紐状物を挿入してある場合、その特性をさらに向上できる。

    【0017】例えば有孔パイプあるいは網状パイプ等の通気及び透水性パイプ体を挿入してある場合、このパイプ体により紐条部分の立体構造の保持力や強度が向上し、耐圧性に優れ、中空部の空隙を良好に維持できて、
    通気及び排水性をさらに良好に保持できる。 またロープ等の他の紐状物を挿入した場合も、中空立体状の紐条部分の保形を良好になし、かつ通気及び集排水機能を確保した上で、強度等の他の特性を向上できる。

    【0018】また、請求項4のように、表裏一方の素地を平地にして、その片側面において通気及び透水可能な中空立体状の紐条部分によるネットを構成した場合、前記平地面によるシートとしての機能と、片側面の立体構造状ネットの機能とを併せ持ち、ネット形状を良好に保持でき、しかもネットの紐条部分の中空立体構造のために、上記同様に良好な通気及び集排水機能を保持できる。

    【0019】さらに、請求項5のように、1方向に連続する中空部を形成する二重生地部と中空立体構造のネット部とを有するものにおいて、二重生地部の中空部に、
    長尺条体、例えば給排水用の管や有孔パイプ等を挿入した場合、中空立体構造のネット部の通気及び透水性と併せて、管や有孔パイプにより優れた給水あるいは排水保持できる。 また前記中空部にロープを挿入することにより、ネットの強度を高めることができる。

    【0020】さらにまた、請求項6のように、有孔パイプあるいは網状パイプを交叉結合して中空立体状の紐条部分によるネットを構成した場合、さらに請求項7のように不織布に有孔パイプあるいは網状パイプを挿入してネットにした場合にも、その中空立体構造のために、通気及び集排水作用が良好に行なわれる。

    【0021】

    【実施例】次に本発明の実施例を図面に基いて説明する。

    【0022】図1は、経編組織による立体構造状ネット(A)の外観を示し、図2はその一部を拡大して示している。 図において、(1)は網目孔、(2)は網目孔(1)を画成する紐条部分であり、紐条部分(2)は通気及び透水可能な中空立体状をなしている。 (2a)は紐条部分(2)同士の結節部分である。

    【0023】この実施例のネット(A)は、ダブルラッシェル機により編成されるもので、基本的には、比較的粗いメッシュのネット組織の表裏素地(3)(4)と、
    この表裏素地(3)(4)を連結する連結糸(5)とからなり、特に連結糸(5)は隣接する2ウェールで表裏素地(3)(4)間に架け渡されて編込まれており、紐条部分(2)は表裏素地(3)(4)と隣接する2ウェールの連結糸(5)により中空立体状に構成されている。 図3はその編組織の1例を示している。

    【0024】この図3に示す編組織の例においては、フロント側の鎖編筬(L1 )(L2 )と挿入糸筬(L3 )
    により、所要コース毎に鎖編筬を横振りさせながらネット組織の表側素地(3)を編成し、またバック側の鎖編筬(L7 )(L8 )と挿入糸筬(L9 )により、前記同様に所要コース毎に鎖編筬を横振りさせながらネット組織の裏側素地(4)を編成し、さらに総詰めの筬(L5
    )で連結糸(5)をそれぞれ表裏素地(3)(4)間に架け渡して表裏素地(3)(4)を連結するように編込んで、ネットの紐条部分(2)に相当する部分が中空立体状をなすように編成する。 そしてこの編成後、前記編地をネット状をなすように適当に拡幅して熱セットすることにより、紐条部分(2)が中空立体状をなすネット(A)が得られる。 図4は図3の編組織によるネット(A)の一部を示している。 (6)は紐条部分(2)の中空部を示す。

    【0025】なお、図3における(L4 )および(L6
    )は経糸挿入用の筬であり、表裏素地(3)(4)間の連結糸(5)の渡りの部分の目が粗くなる場合に、図4のように経糸(15)を編目形成することなく挿入するものであり、必ずしも必要ではない。 また筬(L5 )
    による連結糸(5)は、網目孔(1)を画成する紐条部分(2)でのラッピング方向等に応じて2枚の筬に分けてラッピングさせることもできる。

    【0026】上記のダブルラッシェル編によるネット(A)における網目孔(1)の大小については、紐条部分(2)(2)同士の結節部分(2a)でのコース数の増減によって調整でき、その開孔形状は編成組織によって6形や4角形等、任意に設定でき、さらにネット全体として縦横の格子にすることもできる。 また紐条部分(2)の断面形状の大小は、表裏素地(3)(4)間の間隔と表裏素地(3)(4)のウェール間隔によって適宜設定できる。

    【0027】また、図5に示すように、紐条部分(2)
    の構成として、3ウェール以上の幅をもたせて、その各ウェールにおいて連結糸(5)により表裏素地(3)
    (4)を連結するように編成し、内部の中空部(6)を複数に区画した構成とすることも可能である。 さらに3
    ウェール以上に渡る場合、中間ウェールの連結糸を省略して、少なくとも両端のウェールで表裏素地(3)
    (4)を連結糸(5)により連結して、内部に大きな中空部を構成することもできる。

    【0028】上記のネット(A)において、表裏素地(3)(4)を構成する糸条は、特に限定されるものではないが、通常は耐水性に優れる合成繊維糸条が使用され、ナイロン糸や炭素繊維糸その他の各種の合成繊維のマルチフィラメント糸やモノフィラメント糸が好適に用いられる。 その太さや素材は、要求される強度や張力、
    弾性等を考慮して決定される。 また連結糸(5)としては、前記表裏素地(3)(4)を連結して立体状に支えるのに適するように、前記同様に合成繊維糸条から弾性や強度等を考慮して適宜選択され、主にモノフィラメント糸が好適に用いられる。 これらの糸条は、編成後の熱セットもしくは合成樹脂加工により、適度に剛性および耐圧縮性を与えることができる。

    【0029】また、上記の表裏素地(3)(4)を構成する糸および連結糸(5)の全部または一部に弾性糸を用いることにより、伸縮性を持った中空立体構造のネットとすることも可能である。 この場合、弾性糸を使用していないネットでは得られないフィット性が得られる。

    【0030】さらにまた、上記のダブルラッシェル編によるネット組織の立体構造状ネット(A)において、経挿入による編成組織を利用して、網目孔(1)を画成する紐条部分(2)の内部に、図6に示すように、合成樹脂製の有孔パイプ(7a)もしくは繊維製の網状パイプ(7b)等の通気及び透水性パイプ体を挿入しておくことができる。 これは、例えば図3に示す組織において、
    前記網状パイプ(7a)(7b)等を紐条部分(2)になる隣接する2ウェール間に経挿入することにより編成できる。 図6(a)は編成状態を示し、同図(b)は編成された編地を拡幅してネットにした場合を示している。 前記のパイプ体を後挿入によって挿入るすことも可能である。

    【0031】前記の有孔パイプ(7a)は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンやナイロン製等の合成樹脂製パイプに多数の小孔が略全面に形成されたもの、その他の有孔パイプであり、また網状パイプ(7b)は、合成繊維糸条等の合成樹脂材から編成や組物等の編組手段により形成されてメッシュ状をなすもの、あるいは金属繊維による網状をなすパイプであり、いずれも適度に可撓性および弾性があって、かつ耐圧、保形強度を有するものである。

    【0032】したがって、この実施例の場合、パイプ(7a)あるいは(7b)を挿入した紐条部分(2)の耐圧強度が、上記した実施例の場合よりも向上し、立体構造の保持を確実になし得る。

    【0033】また、上記のような有孔パイプ(7a)あるいは網状パイプ(7b)を挿入した立体構造のネット(A)としては、図示していないが、ラッシェル編によるネット組織において経挿入あるいは緯挿入により前記パイプを挿入して編成し、この編地2枚を、前記パイプを縦横の格子状に交叉させるように重ね合せて縫合し、
    交叉した両パイプ部分を紐条部分として、その間を網目孔として開孔させてネットにすることもできる。 また前記同様のラッシェル編において、経緯挿入によりパイプを交叉するように経編編成して、このパイプ部分を紐条部分として、その間を網目孔として開孔させたネットとすることもできる。

    【0034】さらに、ネット(A)の中空立体状の紐条部分(2)の内部には、上記のパイプ体のほか、用途や目的に応じて他の紐状物を挿入することができる。

    【0035】例えば、図7のように、ロープや糸等の補強用の紐(8)を挿入することができる。 この場合、紐状部分(2)の中空立体構造を紐(8)によって良好に保持できるとともに、紐(8)周囲の空隙によって良好な通気及び集排水機能を保持でき、またネットの引張り等に対する強度が向上し、敷設、張設時の取扱いが容易になる。

    【0036】また、紐条部分(2)の内部に、綿や不織布あるいはスポンジ体よりなる弾力性のある紐状物を挿入することもできる。 この場合、前記紐状物自体が通気及び透水性を保有するため、これが紐条部分(2)内に充填されていても、良好な通気および集合排水機能を保有し、またこの紐条部分(2)およびネット全体にクッション性を持たせることができる。 なお、弾性糸等の伸縮性のある紐状物を挿入して伸縮性を持たせることも可能である。

    【0037】さらに、種子や肥料あるいは医薬品等を保持させた紐状物を挿入することも可能であり、この場合、植生用ネットや医療用ネット等としてその使用目的に応じた特殊な機能を持たせることもできる。

    【0038】なお、図5のように3ウェール以上の幅を持たせた紐条部分(2)において、特に中間ウェールの連結糸を省略して、内部に大きな中空部を形成した場合、大きい径のパイプ体あるいは紐状物を挿入することができる。

    【0039】また、上記の立体構造状ネット(A)において、表裏素地(3)(4)を連結する連結糸(5)を部分的に省略して紐条部分(2)の側面一部を開口させて、上記したパイプ体や紐状物を紐条部分(2)に対し交叉する方向に通して実施することも可能である。

    【0040】図8は、本発明の立体構造状ネット(A)
    の他の実施例を示している。 この実施例のネット(A)
    は、編組、織成等の手段、例えば経編編成により、表裏一方側の素地、例えば表側素地(4)をネット構造とし、他方側の素地(4)を平地とし、さらにこの表裏素地(3)(4)を連結糸(5)で連結して、片側面において網目孔(1)を画成する紐条部分(2)を、通気及び透水可能な中空立体状に形成している。

    【0041】このネット(A)の場合、前記平地面の素地(4)によるシートとしての機能と、片側面の立体構造のネットとして機能とを併せ持ち、ネット形状を良好に保持でき、しかも紐条部分(2)の中空立体構造のために、上記同様に良好な通気及び集排水機能を保持できる。

    【0042】またこの実施例においても、網目孔(1)
    の大きさや厚み等は用途等に応じて決定でき、また紐その構成糸を使用する糸の種類を弾性糸や非弾性糸あるいは綿糸等を適宜選択使用することにより、網目孔(1)
    に大小あるいは形状に変化を与えることができる。

    【0043】図9および図10は、本発明の立体構造状ネット(A)のさらに他の実施例を示している。 この実施例のネット(A)は、編組または織成された二重生地よりなり、1方向に連続する中空部を形成する二重生地部(10)とネット部(11)とを形成し、ネット部(11)において網目孔(1)を画成する紐条部分(2)を、通気及び透水可能な中空立体状に形成することができ、またこの場合において、二重生地部(10)
    の中空部に、管や有孔パイプ(9a)、あるいはロープ(9b)や紐等の長尺条体を挿入した構成とすることもできる。

    【0044】例えば、図9のように、有孔パイプ(9
    a)を挿入してある場合、中空立体構造のネット部(1
    1)の通気及び透水性とに加えて、二重生地部(10)
    の有孔パイプ(9a)により優れた給水あるいは集排水機能を有するものとなる。 また図10のように、ロープ(9b)を挿入することにより、ネット(A)の強度を高め、敷設、張設等の作業が容易になる。

    【0045】また本発明の立体構造状ネット(A)として、図11に示すように、例えば中空立体状をなして経方向に連続する多数本の紐条部分(12)を平行に並べて横方向の紐状部分(12a)で連結した格子状のネットとし、経糸方向の紐条部分(12)がスダレ状をなす構成とすることができる。

    【0046】このようなスダレ状のネット(A)についても、経編編成により容易に製造でき、表裏素地(3)
    (4)を連結糸(5)で連結した経方向の紐条部分(2)に相当する部分を2針以上あけて編成するとともに、所要コースごとの横方向の紐条部分(12a)に相当する個所で各紐条部分(12)を連結することにより得ることができる。

    【0047】このスダレ状のネット(A)は、容易に曲げることができしかも軽く、施工が容易であり、また紐条部分(12)が経方向に連続しているために、これを排水用ネットとして使用した場合、均一な排水効果を期待でき、かつより大きな排水面積が得られる。

    【0048】なお、図8〜図11のいずれの実施例においても、その紐条部分(2)および(12)には、図6
    および図7の場合と同様にパイプ体や紐状物を挿入することが可能である。

    【0049】さらに、上記のダブルラッシェル機による経編編成のみによらず、他の横編や丸編編成さらには組物等の編組手段により、あるいは織成手段によって実施することもでき、上記同様に、表裏素地とこの該表裏素地を連結する連結糸とにより立体構造のネットにし、その網目孔を画成する紐条部分を中空立体状に構成して実施することができ、また合成樹脂成形したものであってもよい。

    【0050】また、図示していないが、上記の手段により当初からネット状に製造するのでなく、立体平面状に製造した後、所要個所をナイフカットまたはヒートカットして拡幅することにより、ネット状とすることもできる。 また、同様の手法を使うことにより、不織布を基材として、これに有孔パイプもしくは網状パイプを挿入し、不織布の所要個所をカットして網目孔として開孔させたネットを製造することもできる。

    【0051】図12は、合成繊維や金属繊維から編組された多数本の網状パイプ(7b)を所要間隔に並列して交叉させ、その交叉部を縫合手段によりあるいは接着や融着手段により結合してネットにした場合を示している。 (13)はその結合部分を示す。 この場合も、網目孔(1)を画成する紐条部分(2)が前記の網状パイプ(7b)による中空立体状となる。

    【0052】さらに図13のように、前記同様の網状パイプ(7b)を所要間隔に並列し、縫合手段あるいは他の結合手段により結合して、立体構造のネットにすることもできる。 (14)はその結合具を示している。

    【0053】なお、本発明の立体構造状ネット(A)の厚み、網目孔(1)や紐条部分(2)の大きさは、その用途等によっても異なるが、土木、建設、農水産用等の比較的大きい場合は、通常、厚み2〜数百mm、網目孔のさし渡し2〜6000mm、紐条部分の幅2〜200
    0mmの範囲内に設定される。 またスポーツ、衣料、医療用等の用途の場合は、前記数値よりもさらに小さいものが要求されることもある。

    【0054】上記のような立体構造状ネット(A)は、
    例えば宅地や造成地の斜面や法面における集排水用ネットや吸水ネットあるいは安定ネットや保護ネットとして、または種子吹付け用ネットや植生保護ネットとして、または建築用保護ネットあるいは構造物作成ネット、医療用ネット等として使用するものである。

    【0055】しかして、ネット(A)は、網目孔(1)
    を画成する紐条部分(2)(12)が中空立体状をなしているために、所要の厚みを保有した立体構造をなしているにも拘らず、軽量で取扱い易く、法面等の凹凸にもなじみ易く、埋設や張設等の施工作業を容易に行なえる。 また上記ネットを植生用に使用した場合、客土や種子の流出を妨げ、客土の吹付けも均一良好に行なうことができる。

    【0056】そして、このネット(A)を例えば造成地等の斜面や法面の集排水用ネットとして図14のように埋設使用した場合、該ネット(A)上の盛土(20)が網目孔(1)の空隙部分で下側土層(21)と接して、
    該盛土(20)の重力を下側土層(21)に逃すことができ、紐条部分(2)(12)にかかる荷重を軽減でき、紐条部分(2)(12)の立体構造を良好に保持できる。

    【0057】しかも紐条部分(2)(12)が内部中空の立体構造をなしているので、その表面積を増大できるばかりか、中空形状のために通常の立体構造のものに比して空隙保有率が高くなり、この中空部(6)が流通路となって通気及び排水作用が効率よく行なわれる。 特に、図6のように紐条部分(2)の内部に有孔パイプ(7a)あるいは網状パイプ(7b)が挿入されている場合、通気性及び排水性がさらに向上する。

    【0058】さらにまた、従来の通常の排水パイプを放射状あるいは筋状に配して埋設する方法では、集排水効果が不均一になるが、本発明の立体構造状ネットを使用した場合には、ネット状であるために均一な集排水効果を期待できる。

    【0059】

    【発明の効果】上記したように本発明の立体構造状ネットによれば、特に網目孔を画成する紐条部分を中空立体状にしたもので、厚みのある立体構造をなすにも拘らず、軽量で取扱い易く、運搬や保管および埋設や張設等の施工作業が行ない易い。

    【0060】また紐条部分が中空立体状であるため、例えば造成地等の斜面や法面における集排水用ネットや吸水ネットとして、また安定および保護ネットとして前記中空立体状の紐条部分による空隙保有により通気及び集排水効果を高めることができ、法面等の保護、安定を良好になし得る。

    【0061】特に有孔パイプや網状パイプを挿入したものあるいは網状パイプを用いてネット状にしたものにあっては、さらに通気及び集排水効果が向上し、かつ保形強度および耐久性も高くなる。

    【0062】さらに紐条部分が中空立体状で表面積が大きいため、種子吹付け用ネットや植生保護ネットとしても好適に使用することができ、さらに立体構造を利用して建築用ネットや構造物作成ネット、農業用ネット、遮光ネット等として広く利用できる。 また紐条部分の内部に挿入するパイプ体、あるいは他の紐状物を適宜選択して使用することにより、前記のほか医療用ネットその他さらに広く利用することができる。

    【0063】さらにまた、網目孔の大きさや紐条部分のま厚さ等を変えることにより、網目孔の通風や通光量を調節できるので、防風、遮光、防眩用等にも好適に利用することができる。

    【0064】また本発明の立体構造状ネットは、コンクリート二次製品等に埋め込んで、通気、通水の効果を持たせ、あるいは軽量化を図るのに好適に利用できる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の1実施例を示す略示斜視図である。

    【図2】同上の1部の拡大斜視図である。

    【図3】具体的な編組織によるラッピング状態を示す説明図である。

    【図4】同上組織によるネット一部の拡大斜視図であ。

    【図5】他の実施例を示す1部の拡大斜視図である。

    【図6】紐条部分にパイプ体を挿入した他の実施例を示す編成状態(a)とネット状態(b)の略示斜視図である。

    【図7】紐条部分に紐状物を挿入した実施例を示す略示斜視図である。

    【図8】さらに他の実施例を示す略示斜視図である。

    【図9】二重生地による他の実施例を示す略示平面図(a)と断面図(b)である。

    【図10】同上のさらに他の実施例を示す略示平面図(a)と断面図(b)である。

    【図11】スダレ状のネットにした実施例を示す略示斜視図である。

    【図12】さらに他の実施例を示す1部の略示斜視図である。

    【図13】さらに他の実施例を示す1部の略示斜視図である。

    【図14】造成地等の集排水用ネットとして使用する場合の断面図である。

    【符号の説明】

    (1) 網目孔 (2)(12) 紐条部分 (3) 表側素地 (4) 裏側素地 (5) 連結糸 (6) 中空部 (7a) 有孔パイプ (7b) 網状パイプ (8) 紐 (9a) 有孔パイプ (9b) ロープ (10) 二重生地部 (11) ネット部

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