薄地軽量織物

申请号 JP2016573408 申请日 2016-02-03 公开(公告)号 JPWO2016125838A1 公开(公告)日 2017-08-17
申请人 旭化成株式会社; 发明人 浩一 甲斐; 浩一 甲斐; 美紀子 加藤; 美紀子 加藤; 潤子 出口; 潤子 出口;
摘要 ダウンウェア、ダウンジャケット、布団、寝袋等の側地に好適に用いることができ、かつ、バイアス変形時にも、低通気性を維持できる薄地軽量織物を提供する。本発明は、合成繊維マルチフィラメントで構成される織物であって、該織物を構成する経糸と緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度が経緯のいずれかで0.6以上であり、かつ、目付が15〜50g/m2であることを特徴とする薄地軽量織物、並びにこれを用いたスポーツ用衣料、ふとん側地、及び中袋用織物に関する。
权利要求

合成繊維マルチフィラメントで構成される織物であって、該織物を構成する経糸と緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度が経緯のいずれかで0.6以上であり、かつ、目付が15〜50g/m2であることを特徴とする薄地軽量織物。合成樹脂で被膜されていない、請求項1に記載の薄地軽量織物。バイアス変形後の通気度が1.5cc/cm2・sec以下である、請求項1又は2に記載の薄地軽量織物。前記合成繊維マルチフィラメントの繊度が5〜40dtexであり、かつ、単糸繊度が0.8〜2.0dtexである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄地軽量織物。前記織物の組織がタフタ又はリップストップタフタ組織であり、引裂き強度が経緯とも7N以上であり、カバーファクターが1300〜2000であり、かつ、通気度が1.5cc/cm2・sec以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄地軽量織物。シリコーン樹脂加工を施してある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄地軽量織物。前記合成繊維マルチフィラメントがポリエステル繊維又はポリアミド繊維である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄地軽量織物。請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄地軽量織物を用いたスポーツ用衣料。請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄地軽量織物を用いたふとん側地。請求項1〜7のいずれか1項に記載の薄地軽量織物を用いた中袋用織物。

说明书全文

本発明は、薄地軽量織物に関する。より詳しくは、本発明は、軽量・薄地でありながら、バイアス変形時にも低通気性が維持されるスポーツ衣料等用の薄地軽量織物に関する。

以下の特許文献1には、翼用クロスとして、撥加工、カレンダー加工を行い、低目付で、バイアス方向に変形しにくく、通気度が殆どないリップストップ織物が開示されている。しかしながら、ポリウレタン系及びアクリル酸エステル系等の合成樹脂で被膜することで、バイアス方向への変形が小さくなっているために、織物が厚く、重くなり、更に風合いが劣り衣料用織物への適用は困難である。

また、以下の特許文献2には、28dtex以下の合成繊維で構成され、モノフィラメント同士が2層に配列されているマルチフィラメントを存在させることで、織物の通気度を低減させ、洗濯等による通気度の悪化を抑制することが開示されている。しかしながら、通気度を低減させるには単糸数、単糸繊度が限定されるという問題があった。

さらに、以下の特許文献3には、経糸の総繊度が30デシテックス以下で、耐水圧が800mmH20以上、洗濯後の耐水保持率が50%以上となる防水性ポリエステル織物が開示されている。しかしながら、通気度の規定はなく、特にバイアス変形時の通気性を満足できなかった。

特開平05−245983号公報

特開2012−57265号公報

特許第4399717号公報

かかる従来技術の問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、ダウンウェア、ダウンジャケット、布団、寝袋等の側地に好適に用いることができ、かつ、バイアス変形時にも、低通気性を維持できる薄地軽量織物を提供することである。

かかる課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討し実験を重ねた結果、合成樹脂で被膜しなくとも、経糸及び/又は緯糸の断面における隣り合う単糸(フィラメント)の重なり度を所定範囲にすることで、薄地軽量織物であってもバイアス方向の変形を低減させることができることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに至ったものである。 すなわち、本発明は以下のとおりのものである。

[1]合成繊維マルチフィラメントで構成される織物であって、該織物を構成する経糸と緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度が経緯のいずれかで0.6以上であり、かつ、目付が15〜50g/m2であることを特徴とする薄地軽量織物。 [2]合成樹脂で被膜されていない、前記[1]に記載の薄地軽量織物。 [3]バイアス変形後の通気度が1.5cc/cm2・sec以下である、前記[1]又は[2]に記載の薄地軽量織物。 [4]前記合成繊維マルチフィラメントの繊度が5〜40dtexであり、かつ、単糸繊度が0.8〜2.0dtexである、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の薄地軽量織物。 [5]前記織物の組織がタフタ又はリップストップタフタ組織であり、引裂き強度が経緯とも7N以上であり、カバーファクターが1300〜2000であり、かつ、通気度が1.5cc/cm2・sec以下である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の薄地軽量織物。 [6]シリコーン樹脂加工を施してある、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の薄地軽量織物。 [7]前記合成繊維マルチフィラメントがポリエステル繊維又はポリアミド繊維である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の薄地軽量織物。 [8]前記[1]〜[7]のいずれかに記載の薄地軽量織物を用いたスポーツ用衣料。 [9]前記[1]〜[7]のいずれかに記載の薄地軽量織物を用いたふとん側地。 [10]前記[1]〜[7]のいずれかに記載の薄地軽量織物を用いた中袋用織物。

本発明に係る薄地軽量織物は、目付が15〜50g/m2と薄地軽量でありながら、該織物を構成する経糸と緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度を経緯のいずれかで0.6以上とする、すなわち、隣り合う単糸(フィラメント)の重なり合う程度を所定範囲とすることにより、バイアス変形時の通気度が小さく、ダウンプルーフ性にも優れる織物であるため、スポーツ衣料、ふとん側地、中袋用織物等に好適に利用可能である。

バイアス変形後通気度測定法を説明する概略図である。

断面における隣り合うモノフィラメントの重なり状態を示す織物断面写真例とその判定基準の解説である。

以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。 本実施形態の薄地軽量織物は、合成繊維マルチフィラメントで構成される。合成繊維の素材は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンアフタレート、又はそれらの共重合体であるポリエステル系繊維、あるいはナイロン6、66、610、612又はその共重合体若しくはブレンド物である、ポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維等が好適に用いられる。

合成繊維マルチフィラメントの単糸断面の形状は、特に限定されず、丸断面以外にも異形断面でも構わない。異形断面の形状は三、Y字型、十字型、W型、V型等が挙げられるが、強度の面から丸断面が好適に用いられる。

合成繊維マルチフィラメントの繊度は、好ましくは5〜40dtex、より好ましくは10〜33dtex、さらに好ましくは10〜25dtexである。40dtexを超えると糸が太く、織物にした場合に厚く、硬くなり薄地軽量織物とならない。また、5dtexより小さくした場合には、製織性が困難となり、カバーファクターを上げても隣り合う単糸(フィラメント)が重ならず、バイアス変形での通気度が高くなる。

単糸フィラメント繊度は、好ましくは0.8〜2.0dtex、より好ましくは0.8〜1.5dtexである。単糸フィラメント繊度が0.8dtexより小さい場合には、マルチフィラメントになるため、経糸及び緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度(係数)は大きくなるが、引裂き強度低下の懸念がある。単糸フィラメント繊度が2.0dtexより大きい場合には、単糸フィラメントが少なくなるため、経糸及び/又は緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度が小さくなることや、風合いが堅くなる懸念がある。

本実施形態の薄地軽量織物の織組織は特に限定されないが、タフタ、リップストップタフタ、綾組織、朱子組織等任意の組織を用いることができる。このうち特にタフタ、リップストップタフタは、縦糸と緯糸との交点を多く持ち、バイアス変形後の経糸及び緯糸の隣り合う糸の重なりが減少し難いため、通気度変化が少なく、好適に用いられる。

本実施形態の薄地軽量織物の目付けは15〜50g/m2であり、好ましくは20〜40g/m2である。織物をスポーツ衣料やふとん側地、特にダウンジャケットや羽毛ふとんの側地として使用した際に軽量感を感じる為には、目付が50g/m2以下であればよい。15g/m2以上であれば、織物組織を調整して樹脂加工を施すことにより引き裂き強度を8N以上にすることができる。

本実施形態の薄地軽量織物は、薄地・軽量でありながら、引き裂き強度が大きいことが好ましい。引き裂き強度は、JIS−L−1096:8.15.5 D法(ベンジュラム法)で測定されるもので、織物がスポーツ衣料やふとん側地等の実用に耐えるために、引き裂き強度が7N〜20N程度であることが好ましい。7N以上であれば使用中に破れるおそれはなく、また、20N以下であれば前記細い糸を用いた薄地織物の実用を可能とする。

本実施形態の薄地軽量織物は、経糸のカバーファクターカバーと緯糸のカバーファクターの和(以下の式で表されるカバーファクター)が1300〜2200であることが好ましく、1500〜2000であることが好ましい。 カバーファクター=経糸密度(本/2.54cm)×√経糸繊度(dtex)+緯糸密度(本/2.54cm)×√(緯糸繊度) ここで、経糸密度と緯糸密度の単位は(本/2.54cm)である。 カバーファクターが1300未満であると軽量ではあるが、縦糸及び/又は緯糸の重なりが小さいため、バイアス変形後の通気度が大きくなり好ましくなく、また、2200を超えると高密度化しバイアス変形後の通気度変化は小さいものの、目付が大きくなりやすいため好ましくない。

薄地軽量織物を構成する経糸及び緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度(係数)は、後述する断面写真から算出したときに経緯のいずれかで0.6〜1であることが必要であり、好ましくは0.8〜1である。経緯いずれかについて重なり度が本範囲であればよく、経糸の重なりが本範囲であればより好ましく、経緯両方向とも重なり度が本範囲であることが特に好ましい。ここで、本発明における重なり度とは、隣り合う経糸または緯糸同士の重なり有無を計50箇所について観察した時に、隣り合う糸が重なっている箇所の比率である。経緯の重なり度がいずれも0.6未満であると縦糸及び/又は緯糸間に空隙ができやすく、初期通気度やバイアス変形後の通気度が高くなる傾向にある。

特に、薄地軽量織物を、ダウンジャケットや羽毛ふとんの側地に用いる場合、ダウンプルーフ性を満足させるため、通気度が0.3〜1.5cc/cm2・secであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0cc/cm2・secである。 また、バイアス変形後においても、通気度が0.3〜1.5cc/cm2・secであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0cc/cm2・secである。織物の通気度が前記範囲内にあれば、織物から中綿等が抜けにくいため好ましい。

滑り効果を発揮させるためにシリコーン樹脂加工する場合、その付着量は、生地に対し0.1〜10.0wt%であることが好ましい。特に、シリコーン樹脂の付着量は、生地に対し0.5〜3.0wt%であることが、目よれなど他の欠点が起こりにくくなる点でより好ましい。付着量がこの範囲であると、シリコーン樹脂のない場合に比較して、引き裂き強度が10〜50%増加する。シリコーン樹脂の付着量が10%以上の場合、引裂きは向上するものの、バイアス変形が大きくなるため、バイアス変形後の通気度が大きくなり、ダウン性能を出すことができなくなる。

樹脂加工の方法は特に限定されないが、染色後にDIP−NIP法で加工する方法、吸尽法で加工する方法、コーティング剤中に混ぜて加工するなどの方法が好適に用いられる。加工工程の最終段階で生地表面にしっかり加工剤を付着させるという点でDIP−NIP法で加工する方法が特に好適に用いられる。乾燥温度も通常の織物の仕上げ温度で特に問題はない。シリコーン系の樹脂加工を施すことで、引き裂き強度向上効果に加えて、風合いをなめらかかつやわらかくする効果も同時に達成できる。この効果によりスポーツ衣料やふとん側地として用いた場合に、がさがさ感がなく肌触りが良好となる。

織物を構成する経糸と緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度が経緯のいずれかで0.6以上にするためには、加工工程でのカレンダー条件が非常に重要である。薄地織物の場合、特に、ダウン等の詰め綿を使用する用途では、ダウンの抜けを抑えるためにカレンダー加工が使用されることが多く、カレンダーで表面の繊維を熱で圧することにより、通気性を抑え、ダウン抜けを抑えている。しかし、過度にカレンダー加工を行うと、マルチフィラメントにおけるモノフィラメントは過度に圧縮され、また経糸及び/又は緯糸の重なり度は大きくなるものの、織物引裂き強が著しく低下するおそれがある。カレンダー加工を特殊な条件で行い、表面の状態をコントロールすることで、バイアス変形時にも低通気性が維持される。

織物を構成する経糸と緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度が経緯のいずれかで0.6以上にするためには、具体的にはカレンダーロールの種類、圧力、温度、スピードをコントロールする。適正なカレンダー温度は、織物を構成する素材によって異なり、素材のガラス転移点をTG(℃)、融点をTM(℃)とするとき、(TG+TM)/2−30℃〜(TG+TM)/2+30℃にするのが好ましく、より好ましくは(TG+TM)/2−20℃〜(TG+TM)/2+20℃であり、さらに好ましくは(TG+TM)/2−15℃〜(TG+TM)/2+15℃である。織物が複数素材の混用品である場合には、カレンダーの金属面が当たる側の繊維素材のうち、最も低いガラス転移点、融点を採用する。カレンダー温度が高すぎると織物表面は硬くなり、また、バイアス変形時の通気性が維持されず、好ましくない。カレンダー温度が低すぎると通気が大きく、該織物を構成する経糸と緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度が小さくなり、好ましくない。

カレンダー圧力は、100〜800kgf/cm(ロール幅160cmあたりの値。このときの生地幅が150cmであれば16〜128t(トン)/150cm幅)であることが好ましく、200〜600kgf/cm(32〜96t)がより好ましい。圧力をかけすぎると、生地が硬くなり、また、織物を構成する経糸と緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度は大きくなるが、バイアス変形時の通気度が大きくなるため、好ましくない。また、圧力が低すぎると生地の初期通気度が大きくなり、また、織物を構成する経糸と緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度が小さくなるため、好ましくない。カレンダースピードも重要であり、5〜30m/minでカレンダー加工するのが好ましく、10〜20m/minが特に好ましい。

カレンダーロール温度をT(℃)、圧力をP(t/生地幅150cm)、スピードをS(m/min)とするとき、{T−(TG+TM)/2}/2+(P−25)+(10−S)で計算されるカレンダー指数は、10〜50であることが好ましく、より好ましくは15〜40である。このカレンダー指数15〜40の条件で2〜3回加工することがさらに好ましい。このような条件を用いることで、バイアス変形時にも低通気度を維持することができる。

また、カレンダーの材質は特に限定されないが、片方のロールは金属製であることが好ましい。金属ロールはそれ自身の温度を調節することができ、かつ生地表面を均一に圧縮することができる。もう一方のロールは特に限定されないが、金属ロール以外にもペーパーロール、コットンロール、樹脂ロール等の弾性ロールを用いてもよい。樹脂ロールを用いる場合は表面材質としてナイロン製が好ましく用いられる。 ナイロン原糸は水分の影響を受けることで、膨潤し通気度の影響を受けやすいが、早期に冷却をし、生地温度を50℃以下にすることで、原糸の固定化、ひいては糸−糸間の積層が強固になりバイアス変形における、積層のズレ、即ち通気度増加を抑制することができる。

織物の製織に使用する織機は、特に制限はなく、ウォータージェットルーム織機やエアージェットルーム織機、レピア織機を用いることができる。製織後の織物は常法に従って精練、リラックス、プレセット、染色し必要に応じて撥水処理、吸水加工、抗菌、消臭などの機能付与加工やコーティング加工、カレンダー加工等の後加工を付与することができる。

こうして得た織物は、従来のスポーツ用衣料やふとん側地用織物よりも軽量であり、かつ、引き裂き強度や摩耗強度が大きく、風合いもなめらかで柔らかく、さらに低通気度であるため、ダウンプルーフ性を併せ持つものとなる。

以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。 以下の実施例等においては以下の測定、評価方法、装置等を使用した。 (1)通気度 JIS−L−1096 8.27.1 A法(フラジール法)により測定した。単位はcc/cm2・secである。

(2)バイアス変形後通気度の測定 図1に示すように、試料をバイアス方向に15cm×15cmにカットし、オリエンテック社製 テンシロン RTC−1210Aを使用して、下記の条件で試料を変形させた後、上記(1)と同じ測定法で通気度を求めた。 つかみ間隔(a):10cm つかみ幅(b) :6cm 生地荷重 :2.25kgfまで荷重した後、元に戻す。 引張り速度 :30mm/min

(3)目付け JIS−L−1096 8.4.2 織物の標準状態における単位面積当たりの質量により求めた。

(4)引き裂き強度 JIS−L−1096 8.15.5 D法(ベンジュラム法)により測定した。単位はNである。

(5)経糸及び/又は緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度(係数) 経(縦)方向と緯(横)方向のいずれか又は両者の断面(経糸及び/又は緯糸の断面)において、隣り合う単糸(フィラメント)の端と端が重なっているかを、断面写真にて確認する。経糸又は緯糸のモノフィラメントの端と、隣り合う経糸又は緯糸のモノフィラメントの端とが、直線上に見て重なっているかを確認する。経方向及び横方向の断面において、各6本分(隣り合う箇所5個)について10回測定し、{端と端とが重なっている箇所の数の合計}/{隣り合う箇所の合計(50箇所)}で表示する。隣り合う単糸(フィラメント)の端と端が全て重なっている場合は1、全て重なっていない場合は0である。断面写真の例を図2に示す。

[実施例1] 経糸に22デシテックス24フィラメントのナイロン6フィラメント(TG47℃、TM225℃)を、緯糸に33デシテックス26フィラメントのナイロン6フィラメント(TG47℃、TM225℃)を使用し、タフタ組織の織物を、ウォータージェットルーム織機にて製織した。得られた織物を、常法に従って精練、プレセットした後、液流染色機にて染色、乾燥した後、変性シリコーン樹脂として日華化学(株)のニッカシリコンDM−100Eを1%とアニオン系の界面活性剤0.5%のエマルジョンをDIP−NIP法で加工し、140℃で乾燥させた後、カレンダー温度160℃、カレンダー圧力300kgf(=300×9.807N)/cm(ロール幅160cm、生地幅150cmなのでP=48(t/生地幅150cm)となる)、カレンダー速度15m/minの熱カレンダー加工をカレンダー指数30の条件下で2回施した。シリコーン樹脂の付着量は0.8wt%であった。 得られた織物の特性は、カバーファクター1801、重なり度が縦0.80、横0.50、織物の目付け40g/m2、引き裂き強度、経15N、緯13N、通気度0.7cc/cm2・secであった。また、バイアス変形測定法後の通気度は0.9cc/cm2・secであった。

[実施例2] 経糸に22デシテックス24フィラメントのナイロン6フィラメント(TG47℃、TM225℃)を、緯糸に33デシテックス26フィラメントのナイロン6フィラメント(TG47℃、TM225℃)を使用し、リップストップタフタ組織の織物を、実施例1と同じ製織、加工を行った。 得られた織物の特性は、カバーファクター1953、重なり度が縦0.85、横0.60、織物の目付け45g/m2、引き裂き強度、経16N、緯16N、通気度0.8cm2・secであった。また、バイアス変形測定法後の通気度は0.9cc/cm2・secであった。

[実施例3] 経糸に11デシテックス8フィラメントのナイロン6フィラメント(TG47℃、TM225℃)を、緯糸に17デシテックス16フィラメントのナイロン6フィラメント(TG47℃、TM225℃)を使用し、リップストップタフタ組織の織物を、実施例1と同じ製織、加工を行った。 得られた織物の特性は、カバーファクター1672、重なり度が縦0.80、横0.15、織物の目付け29g/m2、引き裂き強度、経13N、緯10N、通気度0.7cc/cm2・secであった。また、バイアス変形測定法後の通気度は1.2cc/cm2・secであった。

[実施例4] 経糸に11デシテックス8フィラメントのナイロン6フィラメント(TG47℃、TM225℃)を、緯糸に11デシテックス8フィラメントのナイロン6フィラメント(TG47℃、TM225℃)を使用し、リップストップタフタ組織の織物を、実施例1と同じ製織、加工を行った。 得られた織物の特性は、カバーファクター1685、重なり度が縦0.70、横0.20、織物の目付け26g/m2、引き裂き強度、経14N、緯14N、通気度0.3cc/cm2・secであった。また、バイアス変形測定法後の通気度は1.1cc/cm2・secであった。

[実施例5] 経糸に14デシテックス5フィラメントのナイロン66(TG49℃、TM267℃)加工糸を、緯糸に14デシテックス5フィラメントのナイロン66加工糸(TG49℃、TM267℃)を使用し、リップストップタフタ組織の織物を、実施例1と同じ製織を、また、圧力「P」、温度「T」、速度「S」のカレンダー条件(カレンダー指数19)下での加工を行った。 得られた織物の特性は、カバーファクター1960、重なり度が縦0.82、横0.20、織物の目付け30g/m2、引き裂き強度、経11N、緯11N、通気度0.9cc/cm2・secであった。また、バイアス変形測定法後の通気度は1.1cc/cm2・secであった。

[比較例1] 経糸に56デシテックス48フィラメントのナイロン6フィラメント(TG47℃、TM225℃)を、緯糸に56デシテックス48フィラメントのナイロン6フィラメント(TG47℃、TM225℃)を使用し、タフタ組織の織物を、実施例1と同じ製織、加工を行った。 得られた織物の特性は、カバーファクター2100、重なり度が縦1.00、横0.90、引き裂き強度、経21N、緯16N、通気度0.8cc/cm2・sec、バイアス変形測定法後の通気度は0.9cc/cm2・secであったが、織物の目付け73g/m2と重い織物であった。

[比較例2] 経糸に33デシテックス26フィラメントのナイロン66フィラメント(TG49℃、TM267℃)を、緯糸に33デシテックス26フィラメントのナイロン66フィラメント(TG49℃、TM267℃)を使用し、リップストップ組織の織物を、ウォータージェットルーム織機にて製織し、実施例1と同じ製織を行った。カレンダー温度のみを140℃に代え、カレンダー指数9としたこと以外は、実施例1と同様のカレンダー加工を行った。 得られた織物の特性は、カバーファクター1614、重なり度が経0.50、緯0.10、織物の目付け35g/m2、引き裂き強度、経18N、緯16N、通気度1.6cm2・sec、経バイアス変形測定法後の通気度は3.5cc/cm2・secとなった。

本発明に係る薄地軽量織物は、目付が15〜50g/m2と薄地軽量でありながら、該織物を構成する経糸と緯糸の断面における隣り合うモノフィラメントの重なり度が経緯いずれかで0.6以上とする、すなわち、隣り合う単糸(フィラメント)の重なり合う程度を所定範囲とすることにより、バイアス変形時の通気度が小さく、ダウンプルーフ性にも優れる織物であるため、スポーツ衣料、ふとん側地、中袋用織物等に好適に利用可能である。

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