ラップジョイントを伴う三次元のコーナー結合織りプリフォーム

申请号 JP2015550414 申请日 2013-12-04 公开(公告)号 JP2016509091A 公开(公告)日 2016-03-24
申请人 アルバニー エンジニアード コンポジッツ インコーポレイテッド; アルバニー エンジニアード コンポジッツ インコーポレイテッド; 发明人 マクレイン,マイケル; ゲーリング,ジョナサン;
摘要 【課題】三次元のコーナーラップジョイントプリフォームおよびその形成方法の提供。【解決手段】三次元のコーナーラップジョイントプリフォームは織りフランジを備え、そのフランジにはフランジから伸びる1または2以上の脚を伴う。脚は、1または2以上の独立の織り部分を含み、それによって、脚にダーツを必要とせず、追加の補強材料を要することなく、コーナーを構成することができる。独立の織り部分には、プリフォームに織り込まない縦糸繊維を含む。織らない領域があることにより、コーナーを形成するに先立ち、脚の1部を取り除くことができる。そこで、脚の部分を重ね合わせて、ラップジョイントを形成することができる。【選択図】図2
权利要求

三次元(3D)の織りプリフォームであって、次の構成および条件を備える、織りプリフォーム。 ・織り交った縦糸および横糸の繊維あるいは糸を備え、第1の主要面をもつ平らなフランジであり、しかも、その平らなフランジを第1の部分および第2の部分に分離する裁断位置をもつ、平らなフランジ ・縦糸および横糸の繊維あるいは糸を備える第1の脚であって、その第1の脚は前記フランジの第1の主要面から伸び、しかも、前記脚の少なくとも1つの部分が独立に織った複数の層から構成され、それら独立の織った層は前記主要面に直立であり、複数の独立に織った層のそれぞれのセグメント部分を、前記裁断位置に隣接する前記第1の部分あるいは前記第2の部分のいずれかから取り除くようにした、第1の脚 ・前記脚を通る裁断であり、その裁断の面が前記フランジに垂直であり、しかも、前記裁断位置に沿う脚に垂直である、裁断 ・前記第1の部分は前記第2の部分に対して度をなし、しかも、各織り層の取り除いたセグメント部分が少なくとも部分的に重なり合うこと各織り層のセグメント部分が浮織りを含む、請求項1のプリフォーム。前記浮織りを含む、各織り層のセグメント部分の少なくとも1部を、各織り層から取り除く、請求項2のプリフォーム。前記第1のセグメント部分の層が、前記第2のセグメント部分の層と組み合う、請求項4のプリフォーム。次の構成および条件をさらに備える、請求項1のプリフォーム。 ・前記縦糸および横糸の繊維あるいは糸を備える第2の脚であって、その第2の脚は前記フランジの第1の主要面から伸び、しかも、前記第2の脚の少なくとも1つの部分が独立に織った複数の層から構成され、それら独立に織った層は前記第1の脚の独立の織り層と平行で同一の広がりをもち、複数の独立の織り層のそれぞれのセグメント部分を、前記裁断位置に隣接する前記第1の部分あるいは前記第2の部分のいずれかから取り除くようにした、第2の脚 ・前記第2の脚を通る裁断であり、その裁断の面が前記フランジに垂直であり、しかも、前記脚に垂直であり、その裁断は、前記部分を独立の織り層をもつ第1のセグメント部分と、独立の織り層をもつ第2のセグメント部分とに二分し、各セグメント部分の独立の織り層が浮織りの縦糸繊維を備えるようにする、裁断 ・前記脚を通る裁断であり、その裁断の面が前記フランジに垂直であり、しかも、前記裁断位置に沿う脚に垂直である、裁断前記縦糸および横糸の繊維あるいは糸は、ガラス、炭素、セラミックス、アラミド、およびポリエチレンのグループから選ぶ材料から形成する、請求項1のプリフォーム。請求項1のプリフォームを備える、三次元(3D)の繊維強化コンポジット構造。マトリックス材料をさらに備える、請求項7のコンポジット構造。前記マトリックス材料は、エポキシ、ビスマレイミド、ポリエステル、ビニル−エステル、セラミックス、および炭素のグループから選ぶ材料である、請求項8のコンポジット構造。次の工程および条件を備える、プリフォームの形成方法。 ・縦糸の繊維あるいは糸を横糸の繊維あるいは糸と織ることによってフランジを形成する工程であって、そのフランジが、第1の主要面およびそのフランジから伸びる1あるいは2以上の脚を備え、前記脚の少なくとも1つの部分が独立に織った複数の層から構成され、それら独立の織った層は前記主要面に直立であり、複数の独立に織った層の1つの少なくとも一部が浮織りの縦糸繊維あるいは糸を備える、工程 ・前記脚を通して裁断する工程であって、その裁断の面が前記フランジに垂直であり、しかも、前記脚に垂直であり、その裁断によって、前記部分を独立の織り層をもつ第1のセグメント部分と、独立の織り層をもつ第2のセグメント部分とに二分し、各セグメント部分の独立の織り層が浮織りの縦糸繊維を備えるようにする、裁断工程 ・各セグメント部分から浮織りを備える少なくとも1つの層を取り除く工程 ・前記第1の主要面上の前記裁断面の射影に沿って前記プリフォームを折ることにより、前記第1および第2のセグメント部分を、ある区域で少なくとも部分的に重なり合うようにする折り工程前記第1のセグメント部分の独立の織り層を、前記第2のセグメント部分の層と組み合わせる工程をさらに備える、請求項10の方法。次の工程および条件を備える、三次元(3D)の織りプリフォームの形成方法。 ・縦糸の繊維あるいは糸と横糸の繊維あるいは糸とを織り込むことによって、第1の主要面をもつ平らなフランジを形成する工程であって、その平らなフランジが、その平らなフランジを第1の部分と第2の部分とに分離する裁断位置をもつ、工程 ・前記縦糸および横糸の繊維あるいは糸を備える第1の脚を形成する工程であって、その第1の脚は前記フランジの第1の主要面から伸び、しかも、前記脚の少なくとも1つの部分が独立に織った複数の層から構成され、それら独立の織った層は前記主要面に直立であり、複数の独立の織り層のそれぞれのセグメント部分を、前記裁断位置に隣接する前記第1の部分あるいは前記第2の部分のいずれかから取り除くようにした、工程 ・前記脚を通して裁断する工程であって、その裁断の面が前記フランジに垂直であり、しかも、前記裁断位置に沿う脚に垂直である、工程 ・前記第1の部分を前記第2の部分に対して前記裁断位置で角度をなすようにし、それにより、各織り層の取り除いたセグメント部分が少なくとも部分的に重なり合うようにする工程各織り層のセグメント部分が浮織りを含む、請求項12の方法。前記浮織りを含むセグメント部分の少なくとも1部を、各織り層から取り除く工程を備える、請求項13の方法。

说明书全文

引用による組み入れ

ここで引用するすべての特許、特許出願、文書、および/または文献を引用によってここに組み入れ、しかもまた、この発明を実施する上で使用する。

この発明は、一般的には、三次元(3D)の織りプリフォームに関し、特には、強化コンポジット材料に用いる3D織りプリフォームに関する。より詳しくは、この発明は、ダーツ(カットあるいは裁断)あるいは追加の強化材料を必要とせずに、コーナー結合を行うことができるプリフォームに関する。さらには、この発明は、ラップジョイントを伴ってコーナー結合を行うことができるプリフォームに関する。

構造的な構成要素あるいは部品を製造するために、強化コンポジット材料を用いることは、今や一般的である。特に、軽量、強固、丈夫、耐熱性、および形作る上での適合性といった好ましい特性が求められるところでは大きな利点を得ている。そのような構成要素あるいは部品は、たとえば、航空、航空宇宙産業、人工衛星、高性能レクレーション製品、およびその他の分野で用いられる。

そのような構成要素あるいは部品は、典型的に、マトリックス材料の中に埋め込んだ強化素材から構成される。強化の構成部分は、ガラス、炭素、セラミックス、アラミド、ポリエチレン、および/または、物理的、熱的、化学的および/またはその他の好ましい特性、第1には応に対する大きな耐久性を示すその他の材料から構成される。それらの材料は、しばしば繊維(ファイバー)に加工して強化繊維として用いられるか、あるいは、それらの繊維を糸(ヤーン)に形作り、構成要素の強化糸として用いられる。

そのような強化材料、それらは結局のところ完成品の構成要素になるのであるが、それらを使用するとき、たとえば非常に大きな強度のようなそれら強化素材の望ましい特性が、完成したコンポジット部品に授けられることになる。典型的な構成要素である強化材料は、織られたり編まれたり、あるいはその他のやり方で強化プリフォームのための好ましい形状に形成される。多くの場合、選択理由である強化材料の特性が最大限に活用されるように注意が図られる。また、そのような強化プリフォームについては、マトリックス材料と組み合わせることにより必要な完成品を得、あるいは、完成品の最終生産のために役立つ在庫品を得る。

必要な強化プリフォームを構成した後、樹脂あるいはマトリックス材料をプリフォームへと導く。それにより、強化プリフォームは、マトリックス材料で包まれ、マトリックス材料は強化プリフォームの構成要素の間のすき間部分を埋める。マトリックス材料としては、たとえば、エポキシ、ビスマレイミド、ポリエステル、ビニル−エステル、セラミックス、炭素および/またはその他の材料で、必要とする物理的、熱的、化学的および/または他の特性を示すものなど、いろいろな材料を広く適用することができる。マトリックスとして用いる材料としては、強化プリフォームの材料と同じものでも良いし、異なるものでも良く、また、物理的、化学的、熱的あるいは他の特性が類似したものでも良いし、類似しないものでも良い。しかし、通常、それらは強化プリフォームと同じ材料ではなく、また、物理的、化学的、熱的あるいは他の特性が類似しない。なぜなら、第1にコンポジットを用いる通常の目的は、ただ一つの構成材料だけでは得ることができない組合せ特性を完成品で得ることにあるからである。強化プリフォームおよびマトリックス材料は、そのように組み合わされた後、熱硬化処理あるいは他の公知の方法で同じ作業工程において硬化および安定化され、さらに、目的とする構成部品を製造するための他の作業工程に入る。ここで、そのように硬化した時点において、マトリックス材料の固体化したものが、通常、強化材料(たとえば、強化プリフォーム)に非常に強く付着していることに気付くことが大事である。結局、完成品上の応力が、繊維間の接着剤として機能するそのマトリックス材料を特に通して、補強された強化プリフォームの構成材料に有効に移され、保持される。強化プリフォームに破損や途切れがあれば、完成品に加わる応力を移し、耐えるという、プリフォームの能力を制限する。

ある適用において、三次元(3D)の織りコンポジット構造が、荷重を支える主要な構成要素として望まれている。そのような構成要素のためのプリフォームの一つの有用な形は、一般に「パイ」プリフォームと称される。なぜなら、軸方向に見ると、それがギリシャ文字のパイ(Π)に似ているからである。他の有用なプリフォームは、たとえばTあるいはLなど、異なる断面形状である。特定の構造形をもつ繊維プリフォームは、一般の有ひ織機で織ることができる。そのような構造を織る方法について、いくつかの現存特許が示している(たとえば、米国特許第6,446,675号、第6,712,099号、第7,712,488号)

それらのプリフォームを用いる欠点の一つは、起立した脚あるいは複数の脚に対し、今までの方法によってダーツ(カットあるいは裁断)を行うことなしでは、コーナー結合部品に形作ることができないことである。脚にダーツを行えば、強化材料の連続性をコーナーで失って、コーナーを通る主要な荷重経路が除去あるいは減少されることになる。たとえば、上に述べたプリフォームの形でコーナー部品を作ると、屈曲面に平行な(すなわち、屈曲の内側上)脚の余分な材料が、コーナーの内側で集まりゆがむことになろう。

コーナー結合プリフォームの構造的な完全性を維持するため、多くの場合、裁断した部分およびコーナー自体の周囲に追加の補強が必要である。しばしば行う補強は、シートあるいはプレート材料の形態、一般的には、追加の織り材料の形態である。追加の補強は、コーナー結合プリフォームの厚さや重さを局部的に増すことになる。補強によって、補強したコーナー自体の重さを局部的に集中させる。

ダーツを行ったプリフォームに対する、そのような補強の一つを、米国特許出願公開第2011−0111664 A1が示す(参照によって、その内容のすべてをここに組み入れる)。この文献による、ダーツを行ったプリフォームに対する補強は、操り織りファブリック(a steered woven fabric)の形態であり、そのファブリックがパイ型プリフォームの起立した脚間のスペースを満たし、しかも、脚のダーツによる湾曲に従うように操り織りを行う。操り織りのファブリックを決まった位置に置き、プリフォームをさらに処理加工して強化コンポジット構造を形成する。

公知の他の方法では、プリフォームのコーナーに補強を添えるため、たとえばボルトやリベットなどの機械的な留め具が必要である。しかし、そのような構成要素の境界面で金属ボルトあるいはリベットを用いることは、しばしば受け入れられない。なぜなら、そのような留め具には貫通穴が必要であり、貫通穴はコンポジット構造の完全性をさらに弱めるからである。不利なことには、留め具は重量を増し、しかも、そのような要素と周りの材料との間の熱膨張係数に違いをもたらす。

今までの方法は、補強材料の追加ならびに局部的な厚さ増および重量増をきたすことなく、コーナー部品に形作ることができる3D織りプリフォームの要求に充分には取り組むことができていない。この発明は、今までの技術の欠点を解消しようとするものであり、追加の補強ならびに関連する局部的な厚さ増や重量増を要することなく、3D織りプリフォームを提供する。

したがって、この発明は、3D織りプリフォームおよび3D織りプリフォーム製造方法であって、脚にダーツを必要とせず、あるいは、追加の補強材料を要することなく、コーナー部品に形作ることができる技術に関する。

この発明は、また、3D織りプリフォームを含む強化コンポジット構造であって、脚にダーツを必要とせず、あるいは、追加の補強材料および樹脂あるいはマトリックス材料を要することなく、コーナー部品に形作ることができる技術に関する。

この発明の一つの実施形態は、フランジあるいはベースおよびベースの主要な表面から伸びる少なくとも1つの脚を備える3D織りプリフォームであり、コーナー部品に形作られるプリフォームである。プリフォームの脚の長い(縦の)部分は、要望されるコーナーの領域に、1あるいは2以上の独立に織った層で作る。プリフォーム脚の1あるいは2以上の織り層は、互いにしかもフランジと独立に織る。その織り層は繊維あるいは糸から織るが、それら繊維あるいは糸の材料は、一般的に、たとえば、ガラス、炭素、セラミックス、アラミド、ポリエチレン、および/または、物理的、熱的、化学的および/またはその他の好ましい特性を示す他の材料である。コーナーの領域でない脚の他の部分は、単一の層あるいは多層に織ることができ、その厚さは独立に織った層およびフランジと一体に織った部分と同じか同様の厚さである。

独立に織った層を含む脚の長い部分において、脚あるいは複数の脚における縦糸繊維は、形成すべき層の数に応じて、グループに分ける。独立に織った層を含む脚の部分における、少なくとも1つのグループの縦糸繊維あるいは糸は、長さ部分の少なくとも一部について、縦糸浮織りにする。この中で用いる「浮織り」とは、この区域の縦糸繊維あるいは糸をこの区域の横糸繊維あるいは糸のどれとも織らないことを意味する。脚の縦の部分の少なくとも1つのグループの縦糸繊維あるいは糸は、長さ部分の少なくとも一部で横糸繊維あるいは糸と織る。独立に織った層を含む脚の縦の部分の長さに沿って、縦糸繊維あるいは糸のグループは、対応する横糸繊維あるいは糸と織ることと織わないこととを交互に行う。すなわち、1つのグループの縦糸繊維あるいは糸は、独立に織った層を含む脚の縦の部分の一部について横糸繊維あるいは糸と織られ、そして、縦の部分の他の部分については横糸繊維あるいは糸と織られない。同様に、1つのグループの縦糸繊維あるいは糸は、独立に織った層を含む脚の縦の部分の一部について横糸繊維あるいは糸とは織らず、そして、縦の部分の他の部分について横糸繊維あるいは糸と織る。

すなわち、脚における独立に織った層は、その長さの一部に沿う織った縦糸および横糸の繊維あるいは糸を備え、そして、その長さの別の部分に沿う横糸繊維あるいは糸と織られない縦糸繊維あるいは糸の浮織りを備える。同様にして、脚における独立に織った層は、その長さの一部に沿う横糸の繊維あるいは糸と織られない縦糸繊維あるいは糸を備え、そして、その長さの別の部分に沿う横糸繊維あるいは糸と織った縦糸繊維あるいは糸を備える。織った縦糸/横糸の繊維あるいは糸の部分は、浮織りの縦糸繊維あるいは糸を備える。

1あるいは2以上の独立に織った層で作る脚の部分は、横方向に裁断する。一般的には、実質的に等しい長さの2つの部分(つまり、二等分)に裁断する。裁断はフランジに向かって伸びるが、フランジの主要な表面の中までは伸びない。その後、プリフォームは、裁断の線の部分(すなわち、裁断がフランジの主要な表面上に射影する部分)で折られる。その折りによって、一つの部分の独立に織った層が他の部分の独立に織った層に重なり、一緒にジョイントを形作り、裁断の区域にコーナーを形成する。第1の脚部分の層は、第2の脚部分の層に差し込まれ、あるいは組み合って、一方の脚部分からの1あるいは2以上の層が、第2の脚部分の隣接する層間のスペースを満たす。上のコーナー結合プリフォームの他の例では、一方の脚部分の単一の独立層がもう一方の独立層に交互に組み合う。その交互の組み合いにより、脚の重なりあるいはジョイント区域において、引き続く層が交代の脚部分からのものとなる。他の例では、脚部分の層のいくつかが、あるいはすべてが組み合うことなく重なる。

また、いくつかの実施例では、1あるいは2以上の層を、一方あるいは両方の脚部分から取り除き、残りの層をある区域で重ね合わせる。脚の重ね合わせ区域には、2つの脚部分の独立に織った層の数よりも少ない層がある。さらにまた、実施例によっては、重なり区域の厚さを、脚の重なり合わない残りの部分の厚さと同じ、あるいは実質的に同じにすることができる。たとえば、独立に織った層を2つもつ部分を含むプリフォーム、すなわち、脚を二またに分岐したものにおいて、各脚部分における1つの層を移すことにより、重なり区域に2つの層をもたせることができる。すべての層が同じか実質的に同様の厚さをもつ実施例において、重なり区域の厚さを、脚の非重なり部分と同じか、実質的に同じにすることができる。また、層の厚さが異なる実施例において、重なり区域の厚さを、脚の非重なり部分と同じか、実質的に同じにすることができるし、そうでないようにすることができる。

脚が二またに分かれた部分をもつ3D織りプリフォームのいくつかの実施例において、その部分は、実質的に等しい厚さである、第1の織り層と第2の織り層を備える。脚部分が裁断で二分され、2つの部分を形成するとき、各部分は、第1の織り層および第2の織り層による、等しいか、あるいは実質的に等しい長さの部分を含む。また、いくつかの実施例によれば、一方の部分の第1の織り層を取り除き、そしてまた、第2の部分の第2の織り層を取り除くことにより、プリフォームを必要なコーナー結合形状に折るとき、重なり区域は脚の非重なり部分と同じか、あるいは実質的に同じ厚さをもち、しかも、異なる部分から取った第1の織り層と第2の織り層を備える。そして、重なり部分は、その重なりの両側上、脚の少なくとも直接隣接する部分と同一平面になる。したがって、この実施例において、重なり区域と重なりに直接隣接する脚の非重なり区域との間に、脚の厚さに何もあるいは実質的に変化はない。

第1の部分からの一方の織り層が第2の部分からの織り層に重なるような実施例において、形成されるジョイントは、時にシングルラップジョイントと称される。いくつかの事態において、シングルラップジョイントがもつ特性は充分であるか、あるいは好ましい。

また、いくつかの実施例では、脚が3つに分かれた(三又の)部分を含む。すなわち、その部分は、3つの独立に織った区域を含み、上に述べたものと同様にして、3D織りコーナー部品に形作ることができる。三又の部分は、第1の外側層、内側あるいは中間の層、および第2の外側層を備える。三又の部分を2つの部分に二分することにより、裁断の線に沿って3D織りプリフォームを曲げてコーナー部品を形成することができる。曲げる際、一方の脚部分の3つの織り層が他方の脚部分の3つの織り層に重なるようにする。そのとき、組み合わせても組合せなくとも良く、あるいは、両脚の織り層を一部組み合わせることができる。

三又の部分が脚の非重なり部分と同じか同様の厚さをもつ重なりジョイント区域に形成される3Dコーナー部品の実施例において、各部分から層を取り除き、それにより、重なり部分が非重なり部分と同じ数の織り層を備えるようにする。たとえば、1つの織り層を一方の脚部分から取り除き、そして、2つの織り層をもう一方の脚部分から取り除くことにより、重なり区域における織り層の全数を3にすることができる。もし、織り層のそれぞれが同じ厚さであると、重なり区域は、脚の非重なり区域と同じか、実質的に同じ厚さになるだろう。異なる厚さの織り層を伴う実施例の場合、重なり区域は、脚の非重なり部分と同じ厚さになるか、同じ厚さにはならないだろう。

2つの三又の区域に二分した三又部分を備える一実施例において、第1および第2の外側層を第1の脚部分から取り除き、その区域に中間の(内側の)部分だけを残しておく。第2の脚部分では、中間の層だけを取り除く。フランジ上の部分を分離する裁断面の射影に沿って、プリフォームを折って必要なコーナー部品形状にすると、第1の部分の残りの中間の(内側の)織り層は、第2の部分の第1および第2の外側織り層の間に多分位置し、前には第2の部分の中間の(内側の)織り層が占領していたスペースを満たす。

この実施例において、もし、脚部分の3つの織り層の厚さが等しく、重なり区域が脚の非重なり部分の厚さと実質的に同じであるなら、脚の重なり区域は、ダブルラップシヤージョイント(double lap shear joint)を形成する。ダブルラップシヤージョイントは、いくつかの適用に対して好ましい特性をもつ。いくつかの実施例では、重なり区域が脚の非重なり区域の厚さと同じであり、重なり部分は脚の少なくとも直接隣接する部分と実質的に同一平面であり、重なり区域の偏心した荷重が他のタイプのオーバーラップジョイントよりも縮小する。

上に述べた実施例は、LあるいはTの断面の輪郭をもつ、たとえば、単一脚の3D織りコーナー部品であり、説明を分かりやすくするため、独立に織った層の1つの部分を伴う。フランジの同じ面から伸びる2つの脚を備え、上に述べたようなパイ輪郭の3D織りプリフォームのような同様のプリフォームを形成することができる。また、上の説明は、独立した織り層を複数備える脚の重なり区域を形成することに関するが、フランジ側から伸びる脚の数にかかわらず妥当である。複数の脚をもつプリフォームは、重なり区域を形成する独立に織った層から構成される1あるいは2以上の脚を含むことができる。

コーナー結合に用いるパイ断面のラップジョイントを伴う3D織りプリフォームの実施例において、たとえば、プリフォームの各脚は、独立に織った層から構成される部分をもつ。その後にプリフォームを必要な形に折るとき、少なくともコーナーを形成すべき区域において、コーナーを形成すべき区域における第1の脚部分は、同様の区域における第2の脚部分と実質的に平行である。第1および第2の脚の独立に織った層は、同一あるいは実質的に同一の広がりをもつ。裁断については、脚に垂直に、そして、必要なコーナー区域あるいは場所におけるフランジに垂直に行う。裁断は脚の深さ(高さ)まで、しかし、フランジの面を含まないように伸び、独立に織った層を伴う脚の部分を二分し、長さおよび深さが実質的に等しい2つの区域にする。

TあるいはLの断面の3D織りプリフォームと同様に、パイ断面の3D織りプリフォームは、たとえば、独立に織った複数の織り層から構成される脚(あるいは、複数の脚)を含む。上に述べたように、脚(あるいは、複数の脚)は裁断し、独立に織った層の区域に二分する。フランジ上の裁断平面の射影に沿ってプリフォームを折って必要なコーナー部品形状にするとき、脚の部分は、上述した単一の脚の場合のように、重なり合う。脚部分は、組み合いつつ、あるいは組み合うことなく重なり、または、一部が組み合って重なる。いくつかの実施例において、重なり部分の重なり厚さは、脚の非重なり区域の厚さと実質的に同じである。そのことは、各脚部分から織り層を選択的に取り除くことにより達成することができる。そのため、プリフォームを折った後で、重なり区域の層の全体数および全体の厚さが、プリフォームを折る前の織った脚部分と同じにする。

二またの脚を伴う3D織りプリフォームの一実施例において、脚の一方の部分からの第1の織り層と、もう一方の脚の第2の部分からの第2の織り層とを取り除く。脚における層が実質的に同じ厚さの実施例において、各部分からの1つの層を備える重なり部分は、非重なり部分と実質的に同じ厚さである。

三又の脚を伴う3D織りプリフォームの一実施例において、脚部分の第1の部分の内側の(中間の)層を取り除き、しかも、同じ脚部分の第2の部分の第1および第2の外側層を取り除き、それにより、残りの内側の層が、第1の部分から内側の層を取り除くことから生じたスペースを満たすことができる。同様に、第2の脚部分の外側の両層を取り除き、しかも、同じ脚の第2の部分の内側の層を取り除き、それにより、一方の部分の内側の層が、他方の部分の層間を満たすことができる。層を取り除くこと、および層を重ねることについて、他の案を用いることができる。たとえば、コーナー結合に用いるパイ型の3D織りプリフォームにおいて、重なり区域における第1の脚から織り層を取り除くことを、第2の脚で織り層を取り除くことと同じにすることができるし、あるいは異ならせることができる。重なり区域において、第1の脚における織り層の重なりの仕方を、第2の脚における織り層の重なりの仕方と同じにすることができるし、あるいは異ならせることができる。

三又の(あるいは二またの、または両方の)脚を備えるパイ型の3D織りプリフォームの実施例において、必要なコーナー部品形状に折って、脚部分の1つの内側の織り層を第2の部分の2つの織り層の間に差し込むと、ダブルラップジョイントが形成される。ある例では、たとえば、パイ型プリフォームの1あるいは両方の脚を用いるコーナー結合において、ダブルラップジョイントを形成することが望ましい。3D織りプリフォームを用いるコーナー結合のダブルラップジョイントは、ある適用に望ましい特性、たとえば、他のタイプのジョイントよりも大きな強度といった特性を備える。

上に述べように仕上げた3D織りプリフォームは、マトリックス材料を導入することにより強化コンポジット構造にすることができる。マトリックス材料としては、限定されるわけではないが、たとえば、エポキシ、ビスマレイミド、ポリエステル、ビニル−エステル、セラミックス、炭素、または、必要とする物理的、熱的、化学的あるいは他の特性を示すその他の材料を用いることができる。導入には、限定されるわけではないが、たとえば樹脂トランスファー成形あるいは化学的気相浸透などの在来の技術を用いることができる。プリフォームは、樹脂あるいはマトリックス材料で満たされ、結果的に強化コンポジット構造になる。

この中で、特にはクレームで用いる用語「備える(comprises)」および「備えた(comprised)」「備えている(comprising)」は、米国特許法におけるそれらの意味にもなるし、「含む(includes)」、「含んだ(included)」および「含んでいる(including)」という意味にもなる。また、「本質的に有している(consisting essentially of)」および「本質的に有する(consists essentially of)」の用語は、米国特許法におけるそれらの意味である。

この発明の他の考え方(形態)については、以下の説明に記載されているか、その記載から自明である。

今までの一般的な3D織りプリフォームの斜視図である。

今までの一般的な3D織りプリフォームの斜視図である。

今までの一般的な3D織りプリフォームの斜視図である。

この発明の一実施例であるプリフォームの斜視図である。

この発明の一実施例であり、図2のIII−III線に沿った断面図である。

この発明の他の実施例であり、図2のIII−III線に沿った断面図である。

図2のプリフォームをIV−IV線に沿って見た側面図である。

右側が第1の回転位置にある、図4のプリフォームの側面図である。

右側が第2の回転位置にある、図4のプリフォームの側面図である。

この発明の一実施例であり、V−V線に沿う図4Aのプリフォームの上面図である。

この発明の一実施例であり、V−V線に沿う図4Bのプリフォームの上面図である。

この発明の一実施例であり、V−V線に沿う図4Cのプリフォームの上面図である。

この発明の一実施例であり、V−V線に沿う図4Aのプリフォームの上面図である。

この発明の一実施例であり、V−V線に沿う図4Bのプリフォームの上面図である。

この発明の一実施例であり、V−V線に沿う図4Cのプリフォームの上面図である。

この発明の一実施例であり、V−V線に沿う図4Aのプリフォームの上面図である。

この発明の一実施例によるプリフォームの斜視図である。

この発明の一実施例による3D織りプリフォームの起立した脚の上面図である。

この発明の他の実施例による3D織りプリフォームの起立した脚の上面図である。

好ましい実施形態の説明

この発明の実施例について、以下、プリフォームの実施例および好適な適用を示す添付の図面を参照しながら説明する。しかし、ここに示すプリフォームは、図に示すそれらの実施例に限定して適用されるわけではない。また、この発明は、図に示す実施例およびその詳細に限定されない。それらは、例示するものであり、それに限るものではない。

この発明は、三次元(3D)の織りプリフォームに関し、コーナーあるいは他の場所において、脚あるいはフランジにダーツ(カットあるいは裁断)をすることなく、あるいは追加の強化材料を必要とせずに、ラップジョイントを伴うコーナー結合を行うことができるプリフォーム、およびそのようなプリフォームの形成方法に関する。今までの3Dプリフォームの例を図1A〜1Cに示す。それらは、それぞれ、L、Tおよびパイの断面のプリフォームである。他の形状あるいは配置の3Dプリフォームも可能である。平らなフランジ2は、2つの主要な表面4および4’、少なくとも1つの端面5、ならびに一方の主要な表面4から伸びる、1あるいは2以上の起立した脚6を備える。

脚6はフランジ2の端に沿うように位置し、図1Aに示すように端面5に整列し、断面Lのプリフォームを形作っている。断面Tのプリフォームは、図1Bに示すように、プリフォームの2つの端面5間に位置し、主要な表面4から伸びる脚6を備える。脚6は、脚の長さの少なくとも一部分について、プリフォーム1の縦の軸線に整列している。断面パイのプリフォームは、フランジ2の主要な表面4から伸びる2つの脚6,6’を備える。それらの脚6,6’は、直線状あるいは非直線状であり、脚の長さの少なくとも一部分について、縦の軸線Lに平行である。

この発明は、上に述べた断面のいずれの3Dプリフォームをも用いることができる。そのことについて、以下の説明からすぐに明らかになるであろう。この発明は、また、他の断面の3Dプリフォームをも用いることができる。たとえば、起立した脚が2つよりも多いプリフォームへの適用であり、それも以下の説明から明らかになるであろう。ここに示すものは、特定のタイプのプリフォームであるが、その説明は、別のことを指摘しない限り、フランジおよび少なくとも1つの起立脚を備える三次元(3D)の織りプリフォームのすべてに適用する。

図2は、この発明の一実施例によるT断面の3Dプリフォーム1を示す。当業者にとって、図に示す構造および技術がL断面およびパイ断面のプリフォームにもまた適していることは明らかである。平らなフランジ2は、平らな主要面4および一般的に平行な反対側の主要面4’、縦の軸線L、ならびに少なくとも1つの端面5を備える。起立した脚6は、縦の軸線Lに実質的に平行に配置されており、その脚は第1の外側サイド7および一般的に平行な第2の外側サイド9を備える。脚6の縦方向の長さに沿う少なくとも1つの部分8は、これから詳しく述べる複数の独立に織った層を備える(一方の部分8を示す)。部分8は、裁断10によって、第1の部分(セグメント)12と第2の部分(セグメント)14とに二分される。裁断10は、裁断の場所における脚6の深さ(高さ)Dを通り抜けて主要面4に向かって行われる。裁断10の面は、脚6および裁断の場所におけるフランジ主要面4に垂直である。フランジ2の主要面4上、裁断10の射影が裁断線11を与える。

この発明の実施例において、部分(セグメント)12および14は、同じ深さ(高さ)Dであり、縦の軸線Lに沿って、それぞれ同じ長さI1およびI2、あるいは実質的に同じ長さである。いくつかの実施例では、I1およびI2が同じ長さであり、脚6の深さ(高さ)Dに等しい。部分(セグメント)12および14、ならびにDについて、他の大きさの関係をもたせることができる。それが、形成するコーナー結合の特性に影響を及ぼすことは、以下の説明から明らかになるであろう。

図3Aおよび3Bは、図2のIII−III線に沿った断面図であり、この発明の2つの実施例を示す。図3Aは、2つの独立の層16および18で織った部分8の第2の部分(セグメント)14を示す。部分8の全体を2つの独立の層で織っているため、第1の部分(セグメント)12(断面で示さない)もまた、2つの独立の織り層16,18を備える。この実施例において、2つの独立の層16および18で織った部分8は、二またの部分であるというべきであり、部分(セグメント)12および14は二またの部分(セグメント)であり、両方が独立の織り層16および18を備える。図3Aに示すように、独立の織り層16は浮織り、すなわち、層16の縦糸繊維を横糸繊維と織らない(浮織り)。独立の織り層18の縦糸繊維は、横糸繊維と織る。部分(セグメント)12は、同様の配列で織ることができ、横糸繊維と織る縦糸繊維および横糸繊維と織らない縦糸繊維とを切り替える。それにより、層16が横糸繊維と織った縦糸繊維をもち、層18の縦糸繊維は横糸繊維と織らないように(浮織り)する。

図3Bは、この発明の他の実施例であり、部分8の第2の部分(セグメント)14を3つの独立の層20、22、および24で織っている。この実施例において、3つの独立の層20、22、および24で織った部分8は、三又の部分というべきであり、部分(セグメント)12および14が三又の部分(セグメント)であり、やはり独立の織り層20〜24を伴う。図3Bに示すように、外側の2つの層20および24の縦糸繊維は横糸繊維と織り、そして、層22の縦糸繊維は横糸繊維と織らない、すなわち、層22は浮織りとする。

三又の部分(セグメント)で横糸繊維と織る縦糸繊維および横糸繊維と織らない縦糸繊維の他の配列を、この発明の実施例によって用いることができる。たとえば、部分(セグメント)12(断面を示さない)を形成するとき、外側の2つの層20および24の縦糸繊維を横糸繊維と織らず、層22の縦糸繊維を横糸繊維と織るようにすることができる。すなわち、図3Aに示すセグメント14の向かい側のことである。この配置において、層20および24は浮織りにする。

図4Aは、図2のプリフォーム1をIV−IV線に沿って見た側面図である。この発明によるプリフォームからコーナー結合を形成するには、フランジ2の主要面4に沿う裁断11線でプリフォーム1を折る。たとえば、プリフォーム1の左側26を動かさずに、右側28を矢印30で示すように上方に回転する。それにより、プリフォームが裁断10の底の回り、主要面4に沿う裁断10面の射影に沿って旋回し、折り線11が生じる。

図4Bは、折り線11の回りに度αだけ回転した、図4Aのプリフォーム1の右側28を示す。右側28の最初の位置は、破線で示す。図4Bのように回転すると、セグメント部分14(実線で示す)は、部分的にセグメント部分12(破線で示す)に重なる。重なり区域を32で示す。右側28は矢印30の方向にさらに回転し、重なり領域32の大きさが増す。

図4Cは、プリフォーム1の右側28が図4Aの状態からα約90°回転し、同様の大きさのセグメント部分12および14が32’で示す重なり区域に完全に重なるようになる。重なり区域の完全な重なりは、セグメント部分12の長さ(I1)=セグメント部分14の長さ(I2)=Dのときに達成される。その点、図2が明白に示している。プリフォームの左側26および右側28を互いに90°に配置するとき、それら11、12、およびD間の他の関係も可能であり、重なりの大きさ、特に区域32’における大きさに影響する。

角度αが90°のとき、左側26および右側28は、互いに直角に配置される。角度αが90°より大きいとき、左側26および右側28は、隣り合う角(夾角)が鋭角になる。そして、角度αが90°より小さく0°よりも大きいとき、左側26および右側28は、隣り合う角(夾角)が鈍角になる。

セグメント部分12および14の内部の独立の織り層は、望ましい形態で重なり合う。たとえば、一方のセグメント部分の独立の織り層が、適切な方法で、他方のセグメント部分の独立の織り層と組み合う。重なり区域に含まれない脚6の部分、すなわち、部分8の外側の脚6の部分は、非重なり区域を構成する。

重なり区域32’は、セグメント部分12および14の全部の厚さを備え、個々のセグメント部分あるいは非重なり区域の2倍の厚さである。多くの場合、重なり区域における倍の厚さを除くことが望ましい。この発明の実施例によれば、重なり区域32における大きくなった厚さについて、1あるいは2以上の独立の織り層を各セグメント部分12および14から取り除くことにより減じることができる。

たとえば、脚6の部分8が二また、すなわち、2つの独立の層16,18を備える実施例において、セグメント部分12から1つの織り層を取り除き、そしてセグメント部分14から1つの織り層を取り除くことができる。取り除く層は、浮織り、つまり、横糸繊維と織らない縦糸繊維を伴う層である。重なり区域32’,32は、4よりも2つの層を備え、重なり区域32あるいは32’の厚さは、最初のセグメント部分12,14と同じ、あるいは実質的に同じ、また、脚6の非重なり部分と同じか実質的に同じである。

図5Aは、V−V線に沿う図4Aの3D織りプリフォーム1の上面図である。この実施例によれば、脚6は二またであり、したがって、図3Aの断面図に相応する。図5Aに示すように、織り層18をセグメント部分12から取り除き、織り層16をセグメント部分14から取り除く。図4Bに相応する図5Bは、折り線11の回りにある程度回転したプリフォーム1の右側28を示す。図に示すように、右側28は紙の面から出ており、角度αは示されない。セグメント部分12の層16およびセグメント部分14の層18は、区域32で部分的に重なり合っている。

図5Cは、V−V線に沿う図4Cに相応し、図5Aに示す位置から約90°折り線11回りに回転した右側28を示す。層16および層18は、完全にあるいは実質的に完全に互いに重なり合っている。その点、図4Cの区域32’として良く示されている。この実施例において、重なり区域32’にシングルラップジョイントが形成され、重なりの厚さは非重なりセグメント部分と実質的に同じである。ジョイントの結合線、それは層16および18が接触する面の境界であるが、その結合線は、それらの層16および18の厚さが相等しいとき、脚6の中心線と一直線になる。それらの層16および18の厚さが同じでない実施例では、ジョイントの結合線は、脚6の中心線からオフセットする。

今や当業者には明らかであろうが、セグメント部分12から織り層16を取り除き、セグメント部分14から織り層18を取り除くことは、上に述べたように、ジョイントを形成することになり、実質的に同じ結果を生じる。この場合、セグメント部分12の織り層16およびセグメント部分14の織り層18は、浮織り、すなわち、それらのセグメント部分の縦糸繊維を横糸繊維と織らないこと、になる。

図3Bに示すように、脚6が三又の部分8を備える、この発明の実施例について、コーナー結合に同様に形成することができる。上に述べたように、第1のセグメント部分の独立に織った層20,22,24を、第2のセグメント部分の独立に織った層20,22,24に組み合わせることができる。重なり区域に形成したジョイントは、図4Bおよび4Cの重なり区域32あるいは32’と同様に、部分8における独立の織り層の2倍の数を備える。したがって、ジョイントあるいは重なり区域は、広げた部分8あるいは脚6の非重なりセグメント部分12,14に比べて、2倍の厚さあるいは実質的に2倍の厚さである。

この発明の実施例によれば、重なり区域32あるいは32’における大きくなった厚さについて、1あるいは2以上の独立の織り層20,22,24を三又の部分8の各セグメント部分12および14から取り除くことにより減じることができる。取り除くべき織り層は、浮織りの縦糸繊維を伴うものである。取り除くべき織り層の全体数は、1つのセグメント部分における織り層の数に等しい。だから、形成する重なり区域32あるいは32’が、セグメント部分12あるいは14と同じかあるいは実質的に同じ厚さ、あるいは、脚6の非重なり区域と実質的に同じをもつ。図3Bに示す三又の区域には、3つの層20,22,24がある。しかし、重なりの厚さを減らすため、同じセグメント部分12あるいは14から3つの織り層のすべてを取り除くことはできない。第1のセグメント部分に少なくとも1つの織り層を残しておかねばならず、そして、第2のセグメント部分から少なくとも1つの織り層を取り除かなければならない。第1および第2のセグメント部分に言及するのは、説明の便宜上のためであり、脚6の部分8のいずれのセグメント部分12あるいは14も第1のセグメント部分あるいは第2のセグメント部分とみなすことができる。

たとえば、図6Aは、この発明の一実施例であり、図4AのV−V線に沿う3Dプリフォームの三又の部分8の上面図である。この実施例において、部分8は、3つの独立の織り層20,22,24を備え、すなわち、部分8は三又になっている。織り層20および24は、第1および第2の外側層であり、その外側の面が第1および第2の外側7および9にそれぞれ相当する。中間の織り層22は、層22および24の間に位置する。

非重なり区域と同じか実質的に同じ厚さである必要なコーナー結合のオーバーラップ(重なり)ジョイント区域の例(それに限定されない)において、織り層20および24はセグメント部分12から取り除き、そして、織り層22は図6Aの実施例におけるセグメント部分14から取り除く。セグメント部分12から織り層20および24を取り除くことにより、プリフォーム1の右側28を図4Aに符号30で示すように折り線11に沿って回転し、プリフォームを折ってコーナー結合を形成するとき、セグメント部分14の織り層20および24にスペースを与える。同様に、セグメント部分14から織り層22を取り除くことにより、プリフォーム1を折るとき、セグメント部分12に残る織り層22にスペースを与える。

図4Bに相応する図6Bは、折り線11の回りに角度α(図示しない)だけ回転したプリフォーム1の右側28を示す。図に示すように、右側28は紙面から出ている。セグメント部分12の織り層22は、セグメント部分14の織り層20と24との間に受け入れられ、それらの織り層20および24が区域32で織り層22と部分的に重なっている。

プリフォーム1を図6Aに示す状態から約90°折り、図6Cの平面図および図4Cの側面図に示すような、コーナー結合を形成するとき、セグメント部分12の織り層22は、セグメント部分14の織り層20と24との間のスペース内に完全にあるいは実質的に完全に入る。そのスペースは、セグメント部分14の織り層22を取り除くことにより生じたスペースである。このように形成する重なり(オーバーラップ)は、しばしばダブルラップジョイントと称され、特定の適用に望ましい特性をもつ。織り層20,22,および24が同じ厚さの実施例において、重なり区域32’に組み立てたジョイントは、脚6の中心線に回りに対称である。対称なダブルラップジョイントの特性は、しばしば好ましい。

織り層20,22,および24が、図6A〜6Cに示すように、実質的に同じ厚さの三又の実施例において、脚6の中心線CL回りに対称なジョイントを形成することができる。対称なジョイントにおいて、織り層20と織り層22との接触面、および織り層24と織り層22との接触面に形成される結合線は、中心線CLから実質的に等距離にある。あるいはまた、織り層20,22,および24の厚さを実質的に同じでないとすると、結合線は、脚6の中心線CLから異なる距離オフセットするだろう。

三又の部分8をもつ一実施例において、織り層20および24は脚6の厚さの実質的に1/4であり、織り層22は脚6の厚さの実質的に1/2である。織り層20,24は裁断10の第1の側から取り除き、織り層22は裁断10の第2の側から取り除く。プリフォーム1を上で述べたように折り線11に沿って折るとき、裁断10の第1の側に残っている織り層22が、裁断10の第2の側に残る層20,24間に位置する。結果として生じるダブルラップジョイントは、脚6の中心線の回りに対称である。

織り層20,24が実質的に同じ厚さであり、織り層22がその厚さの実質的に2倍である脚6の厚さを分ける別のやり方をも用いることによって、対称なダブルラップジョイントを得ることができる。たとえば、層20および24をそれぞれ脚6の厚さの1/6とし、織り層22を1/3の厚さにする。上のように折ると、ダブルラップジョイントの全厚さは脚6の全厚さになる。

代わりの実施例において、3D織りプリフォーム1の左側26が織り層20および24を備え、そして、右側28は織り層20および24を取り除く。層を重ねてコーナージョイントを形成する場合、図6A〜6Cに示し、しかも、上に述べた例と実質的に同じであり、同様のダブルラップジョイントができる。

また別に、この発明の実施例は、三又の部分8を備える重なり領域32’に、オフセットラップジョイントを与えることができる。たとえば、図7において、図6Aのものと同様の3D織りプリフォーム1を、三又の部分8を伴って示す。この実施例において、プリフォーム1の左側26は、織り層22および24だけを備え、右側28は織り層20だけを備える。重なり領域を形成する場合、前の例と同様に達成することができる。この実施例ではそれを示さない。しかし、この実施例において、結合線は、織り層22と22の隣接面の間に位置する。だから、脚6に非対称なシングルラップジョイントであり、三又の部分8を伴い、脚の中心線から隔たりをもった結合線を伴う形態のものを形成することができる。

同様のやり方を、独立の織り層が3つを越えるセグメント部分の重なり区域にラップジョイントを形成するのに用いることができる。

2つ以上の脚6を備えるこの発明の実施例を考えることができ、ある適用に望まれる。たとえば、図1Cに示すパイ型の断面の3D織りプリフォームは、航空、航空宇宙、あるいはその他において時に有用である。いくつかの条件下において、パイ断面の3D織りプリフォームをコーナー結合に形成することが望まれ、あるいは必要とされる。上に述べた脚の構成を適用することによって、パイ‐プリフォームでコーナーを形成することができる。

パイ断面を伴う3D織りプリフォームは、2つの脚を含んで形成することができ、それらの脚の少なくとも1つが1あるいは2以上の独立の織り層を備える。いくつかの実施例において、プリフォームの両方の脚は、少なくとも1つの場所に1あるいは2以上の織り層を備える。たとえば、各脚の1つの部分(図2の部分8と同様)は、2つの独立の織り層(図3Aの層16,18と同様)を備える二またの脚を備えるか、3つの独立の織り層(図3Bに示す脚6の部分8と同様)を備える三又の部分を備える。

この発明の実施例において、3D織りパイ‐プリフォーム1’は、図8に示すように2つの脚6,6’を備える。各脚6,6’は、それぞれ部分8,8’を備え、上に述べたように1あるいは2以上の独立の織り層をもつ。少なくとも1つの場所において、第1の脚6の部分8および第2の脚6’の部分8’は、図8に示すように、平行で同一の広がりである。部分8,8’には、符号10および10’に裁断があり、各裁断は脚の高さ(深さ)を通してフランジ主要面4にまで向かう。裁断10は、少なくとも裁断の場所で脚6,6’およびフランジ2の主要面4に直交している。主要面4上の裁断10の射影が折り線11になる。

図4A〜4Cに示すものと同様の方法で折り線11に沿ってプリフォームを折ることにより、図8のプリフォーム1’をコーナー結合に形成することができる。セグメント部分12,14(および12’, 14’)内の独立の織り層の重なり合いは、プリフォームの右側28を折り線11の回りに回転し、左側26を図4Bのように静止したままにすることにより生じる。それぞれ部分8および8’内にある、独立の織り層(12,14)および(12’,14’)が重なり合うとき、上に述べたようにして、それらは組み合う。たとえば、セグメント部分14内の独立の織り層が、セグメント部分12内の独立の織り層と交互に組み合う。それとは別に、第1のセグメント部分、たとえばセグメント部分12内の独立の織り層の連続したものの2以上を、第2のセグメント部分、たとえばセグメント部分14内の独立の織り層の連続したものの2つの間に置くことができる。

上に述べたように、部分8および8’内の1または2以上の独立の織り層は浮織り、すなわち、縦糸繊維を横糸繊維と織らないようにする。また、上のように、浮織りを伴う織り層は、重なり区域で取り除き、重なり区域の厚さが脚の非重なり部分と同じ、あるいは実質的に同じになるようにする。対称および非対称な結合線を、上に述べたように形成することができる。

脚6’のセグメント部分14’内の独立の織り層は、脚6で用いたやり方を使用することにより、セグメント部分12’内の独立の織り層と組み合うようにする。それとは別に、異なるやり方を異なる脚に用いることができる。

上に述べた実施例は、フランジ(あるいはベース)およびこの発明による1あるいは2以上の脚を備える3D織りプリフォームであって、オーバーラップジョイントを伴うコーナー結合に形成したものを示す。また、上に述べた実施例は、図を簡略にするため、ただ1つの部分8を含む3D織りプリフォームだけを示す。他の実施例は、上に述べた部分8と同様に構成した追加の部分8を含ませることができ、追加の部分はプリフォーム1の脚6の長手方向に沿う異なる位置に形成することができる。各部分8は折り、上に述べたように角度αのコーナー結合に形成することができる。2つ以上の部分8、したがって、2以上のコーナー結合を含むいくつかの実施例において、3D織りプリフォームは、各部分8で折り、U形あるいはC形の形状、あるいは脚に関して同じ方向にプリフォームを折ることにより得る他のオープンで平らな姿にすることができる。

閉じた平らな姿(形)、たとえば、3角形、矩形、あるいは他の単純な多角形について、この発明の3D織りプリフォームを同様な方法で折ることにより形成することができる。3D織りプリフォームについて、等しい辺および等しい角度を伴う正多角形、あるいは、辺および角度が等しくない形に形成することができる。

説明したようなn−1の部分8を形成することに加えて、3D織りプリフォームをn辺の単純な多角形の形に形成するとき、プリフォームの各端について、結合する2つの端がラップジョイント、つまりエンドラップジョイントを形成するようにする。エンドラップジョイントは、シングルラップジョイントでも、ダブルラップジョイントでも良く、そして、3D織りプリフォームの部分8に形成するラップジョイントものと同じでも良く、異なるものでも良い。シングルラップジョイントの場合、図5Aおよび5Bに示すシングルラップジョイントと同様、3D織りプリフォームの第1の端を図3Aに示すように形成し、層16の縦糸繊維を横糸繊維と織らないようにする。3D織りプリフォームの第1の端において、層16は取り除く。

単純な多角形の形にする3D織りプリフォームの第2の端において、層18の縦糸繊維は横糸繊維と織らない。そのプリフォームの第2の端において、層18は取り除く。

この発明の実施例によれば、3D織りプリフォームの脚は、一部を省略する図9に示すように構成される。すなわち、プリフォームの層16は第1の端34で取り除き、層18は第2の端36から取り除く。3D織りプリフォームの端34と36との間の部分8は、図9には示していない。

上に述べた適切な折り線11で折ると、図9の端34および36は、重なり合い(オーバーラップ)の関係をもたらし、エンドラップジョイント、この場合にはシングルラップジョイントを形成する。

エンドダブルラップジョイントを含む実施例において、図6Aおよび6Bに示すダブルラップジョイントと同様、3D織りプリフォームの第1の端は、図3Bに示すように形成し、層22の縦糸繊維は横糸繊維と織らない。3D織りプリフォームの第1の端において、内側あるいは中間の層22を取り除き、第1および第2の外側の層20および24を残す。3D織りプリフォームの第2の端において、第1および第2の外側の層20および24における縦糸繊維は、横糸繊維と織らない。プリフォームの第2の端において、層20および24は取り除き、中間の層22を残す。

この発明の一実施例において、3D織りプリフォームの脚は、一部を省略する図10に示すように構成される。すなわち、プリフォームの層22は第1の端34で取り除き、層20および24は第2の端36から取り除く。3D織りプリフォームの端34と36との間の部分8は、図10には示していない。

上に述べた適切な折り線11で折ると、図10の端34および36は、重なり合い(オーバーラップ)の関係をもたらし、層22は層20と24との間に位置し、エンドラップジョイント、この場合にはダブルラップジョイントを形成する。

3D織りプリフォームから形成した単純な多角形の構成に応じて、3D織りプリフォームの両端でシングルラップジョイントを形成する層16および18、あるいは、プリフォームの両端でダブルラップジョイントを形成する層20、22、および24は、互いに完全に重なるか、あるいは完全には重ならない。すなわち、1つの層の面は、隣接する層の面を完全に被うか、あるいは完全には被わない。

以上、この発明のいろいろな実施例について詳しく説明したが、この発明は、それらのものに限定されるわけではない。この発明は、この発明の考え方の範囲内において、多くの変形をすることができる。

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