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織物パーツ、織物パーツを含む複合材料要素、及びこれらの製造方法

申请号 JP2015510708 申请日 2013-04-18 公开(公告)号 JP2015519486A 公开(公告)日 2015-07-09
申请人 グロツ・ベッケルト コマンディートゲゼルシャフト; グロツ・ベッケルト コマンディートゲゼルシャフト; 发明人 ビショッフ、トーマス;
摘要 本発明は、特に複合材料要素(11)又は複合材料体(12)を製造するために提供され、構成される織物パーツに関する。織物パーツ(10)は、補強経糸(16)及び補強緯糸(17)から作られる補強構造(15)を有する。また結束経糸(27)と結束緯糸(26)とからなる結束構造(25)が提供される。補強構造(15)は少なくとも一つの第1部分(20)を有し、そこでは補強糸(16、17)は直接互いに織り合わされ結束される。この結果、複合材料は織物パーツ(10)の少なくとも一つの第1部分(20)が配置された領域において高い機械的荷重に耐えることができる。補強構造(15)は少なくとも一つの第2部分(21)を有し、そこでは補強糸(16、17)が結束されていない交差 位置 (22)を形成し、好ましくは引き延ばされた状態で互いに重ね合わせられている。補強構造(15)はしたがって少なくとも一つの第2部分(21)において重ね合わせ構造を構成する。この重ね合わせ構造は結束構造(25)の結束糸(26、27)によって囲まれている。第2部分(21)に提供される補強構造(15)の重ね合わせ構造は、複合材料のこの位置における特に良好なドレープ性と変形性を確保する。【選択図】図1
权利要求

複合材料に用いるための織物パーツ(10)であって、 補強経糸(17)及び補強緯糸(16)から形成される補強構造(15)と、 少なくとも一つの第1部分(20)及び少なくとも一つの第2部分(21)と、 を含み、 前記第1部分(20)内の前記補強経糸(17)及び前記補強緯糸(16)は互いに直接結束されており、 前記第2部分(21)内の前記補強経糸(17)は、前記補強経糸(17)と直接織り結束されていない前記補強緯糸(16)の上に配置されており、 前記第2部分(21)はいくつかの側で1以上の第1部分(20)と境界を接しており、及び/又は前記第2部分(21)内の前記補強構造(15)は、結束構造(25)を形成する結束緯糸(26)と結束経糸(27)との間で囲まれており、前記結束経糸及び結束緯糸は結束位置(35)において結束されている、 織物パーツ(10)。直接隣接する2つの結束経糸(27)は、それぞれ、前記第2部分(21)の前記結束位置(35)において互いに交差する地経糸(36b)と絡み経糸(36a)を形成し、結束緯糸(26)は、前記結束位置(35)において前記地経糸(36b)と前記絡み経糸(36a)との間を延存する、請求項1に記載の織物パーツ(10)。前記地経糸(36b)は補強経糸(17)又は結束経糸(27)より形成され、前記絡み経糸(26a)は結束経糸(37)により形成される、請求項2に記載の織物パーツ(10)。前記地経糸(36b)と前記絡み経糸(36a)との間の前記交差位置は、前記結束緯糸(26)との前記結束位置(35)に位置する、請求項2又は3に記載の織物パーツ(10)。前記第1部分(20)内の前記結束構造(25)を形成する前記結束経糸(26)及び前記結束緯糸(27)は、前記補強構造(15)の共有する側に位置する、請求項1から4のいずれか一項に記載の織物パーツ(10)。いくつかの補強経糸(17)及びいくつかの補強緯糸(16)がそれぞれ前記第1部分(20)内及び/又は前記第2部分(21)内を延存する、請求項1から5のいずれか一項に記載の織物パーツ(10)。前記第2部分(21)内の前記補強構造(15)の交差位置(22)の数は、前記結束構造(25)内の結束位置(35)の数と同じかそれより大きい、請求項1から6のいずれか一項に記載の織物パーツ(10)。前記第2部分(21)内の前記補強経糸(17)及び前記補強緯糸(16)はまっすぐにされた状態で配列されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の織物パーツ(10)。前記補強構造(15)は補強繊維糸(18)から作られており、前記結束構造(25)は結束繊維糸(28)から作られており、前記結束繊維糸(28)は前記補強繊維糸(18)よりも小さい断面、又は低いタイターを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の織物パーツ(10)。前記結束繊維糸(28)は、コア(29)と前記コア(29)を取り囲むコート(30)を有し、前記コア(29)は前記コート(30)よりも高い融点を有する、請求項9に記載の織物パーツ(10)。請求項1から10のいずれか一項に記載の織物パーツを含む織物層(13)と、 前記織物層(13)に結合した可塑性材料と、 を含む、複合材料要素(11)。補強経糸(17)及び結束経糸(27)と補強緯糸(16)及び結束緯糸(26)とを織機(40)に装荷する工程と、 前記補強緯糸(16)及び前記結束緯糸(26)をあらかじめ規定された順序で挿入する工程と、を含み、 結束タイプに応じた補強緯糸(26)を用いて緯糸挿入する際には、第1部分(20)を通って延存する前記補強経糸(17)の一部は上部杼口に位置し、他の部分は下部杼口に位置し、補強緯糸(16)を用いて緯糸挿入する際には、第2部分(21)を通って延存するすべての補強経糸(17)は常に同じ上部杼口又は下部杼口に位置し、 結束緯糸(26)を用いて緯糸挿入する際には、前記第1部分(20)を通って延存する前記補強経糸(17)はそれぞれ同じ上部杼口又は下部杼口に位置し、結束緯糸(26)を用いて緯糸挿入する際には、前記第2部分(21)を通って延存する前記補強経糸はそれぞれ同じ上部杼口又は下部杼口に位置し、そして前記結束タイプに応じて、この第2部分(21)を通って延存する前記結束経糸(27)の少なくとも一部はそれぞれ他方の杼口に位置し、 その結果、前記第1部分(20)内で織られた補強緯糸(16)と補強経糸(17)から補強構造(15)が形成され、且つその結果、前記第2部分(21)内では、前記補強緯糸(16)が直接織り結束されることなく前記補強経糸(17)の上に配置され、前記結束緯糸(26)及び前記結束経糸(27)の結束構造(25)によって囲まれている、 複合材料に用いるための織物パーツ(10)の製造方法。請求項1から11のいずれか一項に記載の織物パーツ(10)を供給する工程と、 可塑性材料(52)を供給する工程と、 前記織物パーツ(10)を前記可塑性材料(52)に結束してシート状の複合材料要素(11)を製造する工程と、 を含む、複合材料要素の製造方法。平面的な前記複合材料要素(11)が加熱され、加熱された状態で3次元の複合材料体(12)に再成形され、続いて冷却される、請求項13に記載の方法。前記織物パーツ(10)が型内に配置されてドレープを有して成形され、続いて前記可塑性材料が前記型内に注入される、請求項13に記載の方法。

複合材料に用いるための織物パーツ(10)であって、 補強経糸(17)及び補強緯糸(16)から形成される補強構造(15)と、 少なくとも一つの第1部分(20)及び少なくとも一つの第2部分(21)と、 を含み、 前記第1部分(20)内の前記補強経糸(17)及び前記補強緯糸(16)は互いに直接結束されており、 前記第2部分(21)内の前記補強経糸(17)は、前記補強経糸(17)と直接織り結束されていない前記補強緯糸(16)の上に配置されており、 前記第2部分(21)はいくつかの側で少なくとも前記第1部分(20)だけで位置が固定されあるいは安定化された1以上の第1部分(20)と境界を接しており、及び/又は前記第2部分(21)内の前記補強構造(15)は、結束構造(25)を形成する結束緯糸(26)と結束経糸(27)との間で囲まれており、前記結束経糸及び結束緯糸は結束位置(35)において結束されている、 織物パーツ(10)。直接隣接する2つの結束経糸(27)は、それぞれ、前記第2部分(21)の前記結束位置(35)において互いに交差する地経糸(36b)と絡み経糸(36a)を形成し、結束緯糸(26)は、前記結束位置(35)において前記地経糸(36b)と前記絡み経糸(36a)との間を延存する、請求項1に記載の織物パーツ(10)。前記地経糸(36b)は補強経糸(17)又は結束経糸(27)より形成され、前記絡み経糸(26a)は結束経糸(37)により形成される、請求項2に記載の織物パーツ(10)。前記地経糸(36b)と前記絡み経糸(36a)との間の前記交差位置は、前記結束緯糸(26)との前記結束位置(35)に位置する、請求項2又は3に記載の織物パーツ(10)。前記第1部分(20)内の前記結束構造(25)を形成する前記結束経糸(26)及び前記結束緯糸(27)は、前記補強構造(15)の共有する側に位置する、請求項1から4のいずれか一項に記載の織物パーツ(10)。いくつかの補強経糸(17)及びいくつかの補強緯糸(16)がそれぞれ前記第1部分(20)内及び/又は前記第2部分(21)内を延存する、請求項1から5のいずれか一項に記載の織物パーツ(10)。前記第2部分(21)内の前記補強構造(15)の交差位置(22)の数は、前記結束構造(25)内の結束位置(35)の数と同じかそれより大きい、請求項1から6のいずれか一項に記載の織物パーツ(10)。前記第2部分(21)内の前記補強経糸(17)及び前記補強緯糸(16)はまっすぐにされた状態で配列されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の織物パーツ(10)。前記補強構造(15)は補強繊維糸(18)から作られており、前記結束構造(25)は結束繊維糸(28)から作られており、前記結束繊維糸(28)は前記補強繊維糸(18)よりも小さい断面、又は低いタイターを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の織物パーツ(10)。前記結束繊維糸(28)は、コア(29)と前記コア(29)を取り囲むコート(30)を有し、前記コア(29)は前記コート(30)よりも高い融点を有する、請求項9に記載の織物パーツ(10)。請求項1から10のいずれか一項に記載の織物パーツを含む織物層(13)と、 前記織物層(13)に結合した可塑性材料と、 を含む、複合材料要素(11)。補強経糸(17)及び結束経糸(27)と補強緯糸(16)及び結束緯糸(26)とを織機(40)に装荷する工程と、 前記補強緯糸(16)及び前記結束緯糸(26)をあらかじめ規定された順序で挿入する工程と、を含み、 結束タイプに応じた補強緯糸(26)を用いて緯糸挿入する際には、第1部分(20)を通って延存する前記補強経糸(17)の一部は上部杼口に位置し、他の部分は下部杼口に位置し、補強緯糸(16)を用いて緯糸挿入する際には、第2部分(21)を通って延存するすべての補強経糸(17)は常に同じ上部杼口又は下部杼口に位置し、 結束緯糸(26)を用いて緯糸挿入する際には、前記第1部分(20)を通って延存する前記補強経糸(17)はそれぞれ同じ上部杼口又は下部杼口に位置し、結束緯糸(26)を用いて緯糸挿入する際には、前記第2部分(21)を通って延存する前記補強経糸はそれぞれ同じ上部杼口又は下部杼口に位置し、そして前記結束タイプに応じて、この第2部分(21)を通って延存する前記結束経糸(27)の少なくとも一部はそれぞれ他方の杼口に位置し、 その結果、前記第1部分(20)内で織られた補強緯糸(16)と補強経糸(17)から補強構造(15)が形成され、且つその結果、前記第2部分(21)内では、前記補強緯糸(16)が直接織り結束されることなく前記補強経糸(17)の上に配置され、前記結束緯糸(26)及び前記結束経糸(27)の結束構造(25)によって囲まれている、 複合材料に用いるための織物パーツ(10)の製造方法。請求項1から11のいずれか一項に記載の織物パーツ(10)を供給する工程と、 可塑性材料(52)を供給する工程と、 前記織物パーツ(10)を前記可塑性材料(52)に結束してシート状の複合材料要素(11)を製造する工程と、 を含む、複合材料要素の製造方法。平面的な前記複合材料要素(11)が加熱され、加熱された状態で3次元の複合材料体(12)に再成形され、続いて冷却される、請求項13に記載の方法。前記織物パーツ(10)が型内に配置されてドレープを有して成形され、続いて前記可塑性材料が前記型内に注入される、請求項13に記載の方法。

说明书全文

本発明は、織物パーツ、そのような織物パーツを含む複合材料要素、並びにその織物パーツ及びその複合材料要素の製造方法に関する。織物パーツは、複合材料(これは「複合材」ともいう。)中に用いることを意図したものである。そのような織物で補強された複合材料は基本的に公知である。

従来のように織られた織物パーツでは、経糸を緯糸に結束(Bindung、拘束)するためにより糸(以下「糸」という。)の回旋(Fadenwellung)が形成され、織物パーツが複合材料要素に用いられた場合、非理想的に糸が引き伸ばされた配列が存在する。そのため、複合材料の補強に用いられて織物層を形成した織物パーツは回旋された糸を含む。そのため、複合材料要素が達成できる強度は最適なものではない。そこで、もつれ、回旋、小さな半径はできるだけ避ける必要がある。

結束位置間の距離を大きくすることで、影響を受けた糸の回旋の数と高さをはっきりと減少させることができる。これは大きな浮きを提供することを意味し、織物パーツのドレープ性(Drapierfahigkeit)を高めることにもなる。しかし非常に大きな浮きによって、織物パーツがドレープを有して成形された場合、特に織物パーツが3次元複合材料体に成形されている場合には、織物パーツの糸の望ましくないずれが生じるという欠点が発生する。その結果、糸密度がある部分では不十分なほど低く、他の部分では高すぎるということになりうる。

織布のかわりに、補強糸(Verstarkungsfaden)の不織層を織物パーツとして用いることも可能である。しかしこのような重ね合わせ構造を考えると、補強糸を追加の手段で結合することが必要である。実際に、そのような不織層ではいくつかの機械的積層特性、例えば織物パーツの延存面に直の方向、すなわち滑り特性、穴の面の特性(Lochleibungseigenschaft)、衝撃応特性、もしくは織物パーツ又はそれから製造した複合材料要素の無損傷機械加工性、が悪くなるという欠点がある。織物パーツの糸の間の典型的な織り結束がないため、延存面に直角の方向の機械的特性はしばしば不十分である。

実施形態並びに織物パーツの製造及び加工、特に複合材料要素の製造を考慮した他の観点は、再成形工程の間のドレープ性である。これを行うに、複合材料要素は加熱され、機械的に再成形されうる。トランスファー成形において、所望の形状を与えた織物パーツからいわゆる予備成形体(前成形体ともいう)を成形し、例えば高圧下で液体樹脂を注入することで複合材料体を製造することも可能である。複合材料要素を再成形するとき、又は織物パーツをドレープを有して成形するとき、糸又は繊維が制御不能な状態で流れたりずれたりすることは好ましくない。この方法を考えるに、重ね合わせ構造はドレープ性がより高いという利点を有するが、不織という点を考慮すると、重ね合わせ構造を結束する手段は強度が不十分であり、したがって所望の糸密度がある範囲では失われるというリスクがある。一方、織り構造はドレープ性が劣っており、再成形がより難しい。

特許文献1は、複合材料体のための織物パーツを開示している。この織物パーツは、互いに隣接して配置された補強糸の補強構造を含み、この糸は結束糸(Bindefaden)で互いに結束されている。用いられる結束糸は、単純な緯糸で互いに結束された結束経糸と結束緯糸であるか、又は結束経糸は補強経糸と補強緯糸にそれぞれ結束されている。この織物パーツには、示唆された結束タイプをもとにすれば、補強糸の望ましくない回旋を避けるために結束糸の糸張度は低いであろうという欠点がある。これにより、補強糸のずれに対する十分な抵抗度が確保されないという結果となる。ずれに対する望ましい抵抗度が得られると、一方では、結束糸の糸張度によって補強糸の回旋が生じ、また他方では、結束位置の間の結束糸の高い糸張度により補強糸が束ねられるリスク、及び補強糸の非常に不均一な糸密度という望ましくない構造を生じるリスクがある。

特許文献2もまた、補強糸の補強構造と、補強構造を結束するための結束糸の結束構造を持つ織物パーツを開示している。これについても、特許文献1に関して記載した欠点と同様の欠点を内包する。

特許文献3は、記載された典型的な実施形態において、補強糸の間に、リンネル織のみならず絡み織を用いた平坦な織地構造を用いている。例えば、所定の数のリンネル織結束のあと、絡み織結束が常に用いられる。

米国特許第4320160号明細書

独国実用新案出願公開第202005014801号明細書

独国特許出願公開第102005022567号明細書

欧州特許出願公開第2063007号明細書

欧州特許出願公開第1795636号明細書

以上をもとに、本発明の目的は、織物パーツ及び複合材料要素の成形及び再成形工程における良好な取扱性を確保できるとともに十分な機械的安定性を有する、織物パーツとそれを用いた複合材料要素、さらにそれらの製造方法を提供することである。

この目的は、請求項1の特徴を有する織物パーツ(Textilteil、布帛パーツ)、請求項11の特徴を有する複合材料要素、請求項12の特徴を有する織物パーツの製造方法、及び請求項13の特徴を有する複合材料要素の製造方法によって達成される。

本発明に係る織物パーツは、補強緯糸と補強経糸とから形成される補強構造を有する。さらに、本発明の一変形例は、結束緯糸と結束経糸とから形成される結束構造を有する。少なくとも一つの第1部分には、補強構造は、補強緯糸と補強経糸との間を従来技術の結束を有する織地、例えばリンネル織、綾織、サテン織、絡み織等を形成する。

さらに、織物パーツは、補強緯糸と補強経糸とが、直接結束されずに互いに隣接する第2部分を有する。この第2部分では、補強経糸と補強緯糸は引伸ばされている。

第2部分に補強糸をセットするために、第2部分(本発明の第1の変形例において)は、経糸方向及び/又は緯糸方向のいくつかの側部が、例えば経方向の二つの対向する側部又は緯方向の二つの対向する側部が、1つ又はそれぞれが第1部分によりへり止め(begrenzt)されることができ、それによりその位置に安定化又は固定される。特に優れた固定化又は安定化は、第2部分の4つの側部のすべてがその周囲において1又はそれ以上の第1部分によりへり止めされることにより達成される。

第1の変形例にかえて、あるいは加えて実施できる本発明の第2の変形例は、結束構造が提供される。補強糸は、結束構造により保持される。結束構造により保持されるとは、結束緯糸と結束経糸が補強構造と反対側で境界を接しており、結束位置で結束を形成する、即ち互いに及び/又は補強構造と結束を形成する、ということである。

第1部分及び第2部分のいずれも、隣接する補強経糸と、それぞれいくつかの隣接するように配置された補強緯糸を含み、二つの部分が1つの平面を構成することが好ましい。

本発明に係る織物パーツの実施形態により、高いドレープ性を有する領域が形成される。この領域では、補強構造の補強糸は重ね合わせ構造を形成しており、隣接する織物パーツの第1部分及び/又は結束構造により、好ましくないずれが生じないように固定されている。少なくとも一つの第2部分の補強糸の重ね合わせ構造と少なくとも一つの第1部分の補強糸の織り構造とは、非変形織物パーツの1つの延存方向に互いに隣り合って配置されている。延存面は、経糸方向及び緯糸方向で定義される。

結束構造の結束位置は、1つの場合、この第2部分に絡み織り、例えば半絡み結束又は完全絡み結束で形成されることが好ましい。織物パーツの少なくとも一つの第1部分において、補強構造の補強糸は織りに直接結束されており、したがって織り構造を形成する。この第1部分では、補強糸はずれが生じないようによく固定されており、織物パーツは織地面の直角方向における高い機械的安定性を示す。第1部分の結束緯糸と結束経糸はいずれも、例えば補強構造の一方の側を、側を変えることなく延存している。代替的に、結束構造は第1部分の補強構造を追加的にへり止めして安定化させてもよい。

本発明の織物パーツは、特にシート状に成形された複合材料要素又は3次元成形された複合材料体の製造に特に適している。このような複合材料要素又は(用途に応じて適合された)複合材料体は、織物パーツの第1部分領域において、複合材料要素領域に直角の方向においても、非常に高い機械的強度を示す。少なくとも一つの第2部分は、複合材料が再成形されるべき、あるいは再成形される少なくとも一つの領域内に配置される。この領域のドレープ性が高いため、簡単な方法で再成形が可能である。第2部分では、結束構造は補強構造を固定できるので、補強糸は変位しない。追加的に、又は代替的に、織物パーツは第2部分を囲むいくつかの第1部分を有しても良い。これにより、第2部分の補強糸のずれを更に制限することができる。第2部分の補強糸は、こうして結束構造及び/又は隣接する第1部分内の補強糸の織り形成によって固定される。少なくとも一つの第1部分及び少なくとも一つの第2部分を配置することにより、織物パーツは複合材料の要求に容易に適合させることができる。

好ましくは、第2部分に、直接隣接する2つの経糸、例えば2つの結束経糸又は1つの結束経糸と1つの補強経糸とが、1つの地経糸と1つの絡み経糸とから形成される経糸ペアを形成する結束位置を含む。この実施例では、地経糸と絡み経糸は数回交差し、結束位置で結束緯糸を含む。このような完全又は半絡み結束により、第2部分の補強糸はどのような不慮のずれに対しても特によく固定されるとともに、織物パーツ又は複合材料要素はドレープを有して成形又は再成形される。

好ましくは、結束糸つまり結束経糸及び結束緯糸は、少なくとも第1部分が補強構造の一方の側だけに配置され、補強構造をへり止めしないが、補強構造の一方の側に隣接する。常に、結束緯糸は、補強構造の一方の側のみで延存してもよいし、第1部分から第2部分へ移行する際に他方の側に移っても良い。

結束構造の絡み結束において、織物パーツの第2部分の地経糸と絡み経糸を含む経糸ペアの間の少なくとも一つの交差位置は、結束緯糸との結束位置に直接位置することが有利である。結束位置において、結束構造の糸は補強構造の糸の間を通って延存している、つまりいわば補強構造をそのまま貫通しているため、隣り合う補強経糸と隣り合う補強緯糸の間のすでに要求された距離は、その位置で地経糸と絡み経糸の少なくとも一つの交差位置を提供するために用いることができる。

結束経糸は補強経糸に対して交差しないで延存することが好ましい。そのため、すべての経糸は1つの経糸方向に平行に延存している。結束緯糸は、補強緯糸に対して交差しないで延存することが好ましい。そのため、すべての緯糸は、経糸方向に対しておよそ直角の方向に向いた1つの緯糸方向に平行に延存している。したがって織物パーツは、従来の織機又はジャカード織機によって簡単な方法で製造される。

織物パーツの好ましい実施形態において、少なくとも一つの第2部分の補強経糸と補強緯糸の交差位置の数は、この少なくとも一つの第2部分の結束構造の結束位置の数と同じかそれより大きい。典型的な実施形態において、単位長さあたりの緯糸の数(糸密度)は、少なくとも第2部分において、補強緯糸よりも結束緯糸のほうが少なくてよい。結束構造に用いる絡み織りにおいて、地経糸と絡み経糸との結束経糸ペアの単位長さあたりの数は、多くても補強経糸の数と同じでよい。結束構造中の結束位置間の距離は、経糸方向においてと緯糸方向においてとで異なるように選択されうる。結束位置間の距離は、経糸方向で異なるように、また緯糸方向で異なるようにして、結束位置が密に配置されたゾーンと、より疎に配置されたゾーンが形成されるようにし、それにより少なくとも一つの第2部分における補強糸のずれに対する抵抗がゾーン毎に異なるようにしてもよい。少なくとも一つの第2部分のより高いドレープ性を求める場合は、結束構造中の浮きのサイズと長さを適宜増加することができる。

補強繊維糸(Verstarkungsgarn)は、結束経糸及び結束緯糸を構成する結束繊維糸(Bindegarn)とは異なるものであり、特に補強緯糸及び補強経糸のために選択される。補強構造の補強糸は、主として織物パーツを用いて製造された複合材料要素の機械的堅牢性又は強度に貢献する。補強繊維糸は、例えば炭素繊維、及び/又はアラミド繊維、及び/又はガラス繊維を含みうる。1つの典型的な実施形態において、補強糸は、織物パーツの延存面を横断する高さよりも大きな、織物パーツの延存面内の幅を有する平面的な断面を有しうる。それとは異なり、結束繊維糸の断面として好ましくは円形を選択することも可能である。結束繊維糸のタイター又は断面は、補強繊維糸のタイター又は断面よりも具体的には小さい。補強繊維糸のタイターは少なくとも500dtexであることが好ましい。結束繊維糸のタイターは500dtexよりも小さいことが好ましく、特に最大で100dtex、さらに好ましくは最大で50dtexであることが好ましい。そのため、織物パーツの中で結束繊維糸の質量部分は補強繊維糸の質量部分よりも小さく保たれる。さらに、補強構造の2つの隣接する補強糸の間の間隔の必要性は小さく、そのような間隔は1本の結束緯糸又は1本の結束経糸により必要となる。補強糸の補強繊維糸の機械的耐力、特に引張荷重限度は、結束糸の結束繊維糸の荷重限度よりも大きい。

考慮される結束繊維糸は、例えばEMS ChemieのGrilon MS(登録商標)のようなPES又はフェノキシ繊維糸である。しかし他の繊維糸、特に例えばPAといったコポリエステル繊維糸又は熱可塑性繊維糸のような結合繊維糸も用いることができる。結束繊維糸は、その一部又はすべてが複合材料要素の可塑性基材に相当する合成材料からなることが好ましい。

好ましい実施形態において、結束繊維糸は、複合材料要素が製造される際に、複合材料の可塑性材料と十分かつ実質的に完全に結合する材料から作られている。結束繊維糸の材料は、複合材料の可塑性材料に依存して選択しうる。特に結束繊維糸は、結束繊維糸と複合材料の可塑性材料との融合が生じるように、複合材料要素又は複合材料体を製造する間にかけられる温度と同等の融点を有する材料を含む。

結束繊維糸のタイターは、生産する複合材料又は複合材料体の層間剪断力が、補強構造によってあらかじめ規定される公称値から最大であらかじめ規定された許容値だけはずれるように決定されることが好ましい。例えば、結束構造中の結束繊維糸の質量パーセントは、補強構造だけで得られる層間剪断力が最大で例えば5%の許容値だけはずれるように規定することができる。これは、用いられる結束繊維糸が製造される複合材料の可塑性材料とまったく、又はわずかしか結合しない場合に特に重要である。

1つの有利な実施形態において、結束繊維糸はコアとコアを取り囲むコートとを含む。コアとコートは異なる材料から作られることが好ましい。特に、コートの融点はコアの融点よりも低い。コートは可塑性材料からなることが好ましい。そのため、結束繊維糸の熱溶融接着特性が溶融したコートにより活性化されるとともに、コアはその安定性又は構造を失うことがない。

結合繊維糸又は異なる融点を示すコア又はコートを有する繊維糸を用いることにより、前成形体を容易に製造できる。織物パーツは所望のドレープに成形でき、続いて結束繊維糸の熱溶融接着特性が特に照射効果、例えば熱照射により活性化されうる。織物パーツの3次元形状の状態で結束繊維糸を固定するための結束剤を代替的に又は追加的に用いることが可能であるが、結束繊維糸が結合特性を示す場合は結束繊維糸が固定機能を既に有しているので省略可能でありうる。

織物パーツは複合材料要素の製造に特に適している。そのような複合材料要素は、織物層とその織物層に結合した可塑性基材とを形成する織物部分を有する。そうするために、例えば織物層に、特に熱作用及び/又は圧力作用により可塑性フィルムを結合させることができる。複合材料要素はまたいくつかの織物層を含むことができる。可塑性基材は、少なくとも一つの可塑性フィルムを少なくとも一つの織物パーツに張り付けるか、織物パーツに合わせたモールド(型)内に流動性の可塑性物質を導入して製造することができる。例えば、少なくとも一つの織物パーツは最初に、のちに製造する複合材料要素に対応した形状にドレープすることができる。その際、選択的に、いくつかの織物パーツが積層される。補強糸は所望の方向に配向される。得られた前成形体は、例えば結合剤を用いて又は結束繊維糸及び/又は補強繊維糸の熱溶融接着特性を活性化させることにより、その形状を保つようにセットしうる。前成形体を型に入れ、流動性可塑材料又は樹脂をその中に注入する。硬化後、可塑性材料は硬化し、複合材料要素を型から取り出すことができる。補強糸の重ね合わせ構造の少なくとも第2部分が良好なドレープ性を確保し、織り補強糸の少なくとも一つの第1部分が少なくとも一つの第2部分及び/又は結束構造を結合する。可塑性材料が型の中に導入されるとき、少なくとも一つの第2部分の補強糸の不注意のずれ又は滑りを避けることができるか、少なくとも最小化できる。

このような織物パーツは織機で製造することができる。そうするため、補強緯糸と結束緯糸が所定のシーケンス(順序)で連続的に挿入又は交互配置される。補強緯糸を緯糸挿入する間、少なくとも一つの第1部分を通って延存する補強経糸は、結束タイプにかかわらず上部杼口又は下部杼口の中に位置している。少なくとも一つの第2部分を通って延存する補強経糸は、常に同じ杼口の中、つまり上部杼口の中又は下部杼口の中のいずれかに位置している。このようにして、第1部分の補強糸の間では織り構造が形成され、第2部分の補強糸の間では重ね合わせ構造が形成される。

結束緯糸を緯糸挿入する間、少なくとも一つの第2部分を通って延存する補強経糸は、常に同じ杼口の中、つまり上部杼口の中又は下部杼口の中のいずれかにあるとともに、この第2部分を通って延存する結束経糸の少なくとも一部はそれぞれ他の杼口の中に位置する。この結果、第2部分の補強構造のへり止めは結束経糸と結束緯糸の間で達成される。

本発明のさらなる有利な実施形態は明細書とともに従属クレームから推察される。明細書は本発明の本質的な特徴に限定される。図面は補足的な参考として用いられるべきである。以下に、典型的な実施形態を添付図面を参照して説明する。

織物パーツの第1部分及び第2部分の典型的な一実施形態による概略平面図である。

織物パーツの第1部分及び第2部分の典型的な一実施形態による概略平面図である。

織物パーツの第1部分及び第2部分の典型的な一実施形態による概略平面図である。

織物パーツの第1部分及び第2部分の典型的な一実施形態による概略平面図である。

結束構造の結束緯糸と結束経糸との結束位置の概要を示す概略平面図である。

図5の結束位置のVI−VI切断線に沿った織物パーツの断面図である。

結束糸のための結束繊維糸及び補強糸のための補強繊維糸の概略図である。

結束緯糸挿入の間の織機のブロックサーキットダイアグラムを示す概略図である。

補強緯糸挿入の間の図8に示す織機である。

シート形状の複合材料要素を製造するブロックサーキットダイアグラムを示す概略図である。

複合材料要素から複合材料体を製造する変形例をブロックサーキットダイアグラムで示すごくおおまかな概略図である。

複合材料体を製造する他の変形例をブロックサーキットダイアグラムで示すごくおおまかな概略図である。

図1から図4は、織物パーツ10の非常に概略化した構造を示す。織物パーツ10は特に、織物パーツ10から形成される織物層13を有する複合材料体12の複合材料要素11を製造するために用いられる。

織物パーツ10は、補強繊維糸18から作られる補強緯糸16及び補強経糸17の補強構造15を含む。図7は補強繊維糸18の概略図であり、補強繊維糸18は長円形又は楕円形のような外形の平面的な断面を有する。織物パーツ10を含む複合材料体12又は織物パーツ10を含む複合材料要素11の織物パーツは、補強繊維糸18を用いることにより、所望の機械的強度や堅牢性といった所望の機械的特性を与えられる。平面的な断面のかわりに、補強繊維糸18は実質的に円形の断面を有しても良い。

補強繊維糸18は炭素繊維、アラミド繊維、又はガラス繊維を含んでもよく、又はそのような繊維からなってもよい。代替的に、補強繊維糸18をいわゆるロービング(Roving)として構成してもよい。これは複数の個々の繊維を綾織りせず、互いに平行に配置するものである。

補強繊維糸18からなる補強糸17は、補強緯糸16と同様、織物パーツ10の少なくとも一つの部分20において織り構造を形成し、織物パーツ10の少なくとも第2部分21において重ね合わせ構造を形成する。第1部分20を通って延存する補強緯糸16と補強経糸17は互いに直接織られており、その織りはリンネル織り、綾織り、サテン織り、又は絡み織りといった通常の織りであることが好ましい。図1から図4は、第1部分20がリンネル織りである実施例を示している。第2部分21では、補強緯糸と補強経糸17は引き伸ばされており、互いに直接結束されていない。補強緯糸16は、第2部分21において補強経糸17と隣接している。補強糸16、17は、部分21の中で結束していない交差位置22を形成する。第1部分20及び第2部分21内において、隣り合う補強緯糸16の間の距離及び隣り合う補強経糸17の間の距離は、織物パーツ10を用いて製造される複合材料要素11の所望の機械的特性による。

織物パーツ10の第1部分20と第2部分21の数は任意である。第1部分20と第2部分21の配置と数は、複合材料要素11又はそれを用いて製造される複合材料体17が、織りに典型的な結束の観点からの高い機械的強度を示す12ゾーンと、補強糸の延存面内の高いドレープ性と機械的特性(面内特性)を示すゾーンとを含むように選択される。高いドレープ性を示すゾーンでは、織物パーツ10は第2部分21を有し、高い機械的強度を示すゾーンでは、織物パーツは第1部分20を有する。

この実施例では、予備成形体(前成形体)又は複合材料要素を製造する際に織物パーツ10が再成形されるときに、又は織物パーツ10を用いて製造された複合材料要素11が再成形されるときに、望ましくないほどの補強糸16、17の強いずれが少なくとも一つの第2部分21に生じることを防ぐために、織物パーツ10は結束構造25を含む。

図示しない代替的変形例として、ずれを防止するために、補強糸16、17は少なくとも一つの第2部分内で、単独で又は結束構造25に加えて、少なくとも一つの隣接する第1部分20によって固定されうる。その際、例えば、織物パーツ10の第1の延存面内で少なくとも一つの第1部分20がいくつかの側から第2部分に隣接する。織物パーツ10の延存面は、経糸方向K及び/又は緯糸方向Sによって定義される。織物パーツ10が再成形された後、延存面は湾曲した領域になりうる。

結束構造25は、結束緯糸26と結束経糸27とを含む。結束糸26、27は結束繊維糸28から作られ、図7にはそのいずれかの場合におけるコア29とコート30を有する結束繊維糸の1つの実施形態を示す。この典型的な実施形態において、結束繊維糸は実質的に円形の断面を有する。この断面は補強繊維糸18の断面より小さい。結束繊維糸は500dtexより小さいタイターを持ち、特に最大で100dtex、又は最大で50dtexであることが好ましい。図7に示す実施形態を考慮すると、結束繊維糸28は実施例ではコート30によって得られる熱溶融接着特性を示す。コート30はコア29を同心円方向に包み込んでいる。コート30の融点はコア29の融点よりも低い。複合材料要素11又は複合材料体12の製造の際に、コート30の熱溶融接着特性、即ち結束繊維糸28の熱溶融接着特性が活性化され、その結果、織物パーツ10の結束繊維糸28と補強繊維糸18との融合が達成される。その結果、複合材料製造前に織物パーツ10に所望の3次元形状を与え、予備成形体(前成形体)を製造することが可能となる。

この典型的な実施形態において、補強経糸17と同様、結束経糸27は経糸方向Kに延存し、それらは互いに交差しないで隣り合って延存する。典型的な実施形態において、補強緯糸16と結束緯糸26は緯糸方向Sに延存し、それらは互いに交差しないで隣り合って延存する。

少なくとも、織物パーツ10の少なくとも一つの第2部分21、結束経糸27、及び結束緯糸26は、不注意なずれを生じないように第2部分の補強糸16、17を固定するために補強構造15をへり止めしている。その際、結束緯糸26は結束構造15の一方の側で延存し、結束経糸27は結束構造15のそれぞれ他方の側に配置されている。結束位置35において、結束緯糸26は結束経糸27と織り結束によって結合されている。第2部分21の不織構造である補強緯糸16と補強経糸17は、こうして経糸方向K又は緯糸方向Sの極端な移動に対して固定されている。

図4に示す典型的な実施形態を参照すると、1つの結束経糸27と1つの結束緯糸26との間の単純な結束が結束位置35に示されている。結束位置35において、結束経糸27は結束緯糸26の上で延存している。図1から図3の実施形態を参照すると、結束構造25の結束位置35において完全絡み結束又は半絡み結束が示されている。そうするために、2つの結束経糸27のそれぞれが2つの結束している補強糸17の間を直接隣接して延存することが好ましい。この経糸ペア36は、いずれもそれぞれ1つの結束経糸27から形成される絡み経糸36aと地経糸36bを含む。結束位置35において、結束緯糸26は絡み経糸36aと地経糸36bとの間を延存する。その結果、結束構造25内の良好な固定が達成され、よって第2部分21内の補強構造15内の良好な固定が達成される。このずれ抵抗は結束構造25内の低い糸張力によって得られる。これにより、第2部分21内の補強糸16、17の回旋が防止される。

図5及び図6は、結束位置35における絡み結束の典型的な実施形態を示す概略図である。その際、経糸方向Kからみて1回は結束緯糸26のすぐ前で、もう1回は結束緯糸26のすぐ後ろで、絡み経糸36aと地経糸36bは結束位置35で交差する。この結束位置で、2つの隣り合う補強緯糸16と2つの隣り合う補強経糸17の間に考えうる最も小さい自由空間がある。そのため、糸の交差は結束位置35において補強構造15内で結束構造25内の回旋を生じない。

図5及び図6に示す絡み結束のかわりに、結束構造25に他の結束タイプを用いることも可能である。その際、図示の典型的な実施形態に代えて、補強経糸が地経糸36bの役目を果たしても良い。

図1及び図4に示す典型的な実施形態において、結束構造25は補強構造15を少なくとも一つの第1部分20内でもへり止めしている。これは即ち少なくとも一つの第1部分20内においても、例えば織物パーツ10の前成形体を製造する際に、結束構造25と補強構造15との間の望ましくない相対的なずれを少なくとも減少させるために有利である。図2及び図3に示す典型的な実施形態において、第1部分20の結束構造25、即ち結束緯糸26と結束経糸27は補強構造15の一つの面のみに隣接するが、へり止めすることはしない。結束構造25は、少なくとも一つの第1部分20においては補強経糸17を補強緯糸16と固定することには要求されない。

図8及び図9は、織物パーツ10を製造するための織機40の概略図である。織機40は、その上を経糸17、27が供給されるバックレスト41を備える。最初に、経糸17、27は経糸キーパー42とドロップワイヤ43を通過する。続いて、それぞれが複数の綜絖(ヘドル)を有するいくつかの綜絖シャフトが配されている。綜絖は杼口を開けるために上下の垂直方向に動くことができる。この典型的な実施形態では、織機40は結束構造25で絡み織りを作るための絡みシステムを備える。代替的に、より簡単な織り結束のための通常の綜絖及び綜絖シャフトを用いることができる。

地経糸36bは、第1の綜絖シャフト44の綜絖によりガイドされる。絡み経糸36aは、第2の綜絖シャフト45の絡み織りハーネスの中にガイドされる。このような絡みシステムは例えば特許文献4に記載されており、その限りにおいて参照する。この場合、半絡み結束が作られる。しかし完全絡み結束を作るための絡み織りハーネスを用いることもできる。

少なくとも一つの第1部分20内の補強経糸17と補強緯糸16との間の結束のタイプにより、いくつかの第3の綜絖シャフト4が配される。補強経糸17の一部は第3の綜絖シャフト46のそれぞれの中の綜絖によりガイドされるがその部分は図8及び図9に示す概略図では明瞭さのために特に図示はしていない。補強経糸17をガイドするための第3の綜絖シャフト46に用いる綜絖は、例えば特許文献5に記載されているように構成することができる。

綜絖シャフト44、45、46に続いて、経糸17、36a、36bは、織物端に対して挿入された緯糸16、26を隣接させるために設けられた筬(リード)47を通過する。製造された織物地は織物地止め48により引き出され、巻き取られる。

織物パーツ10の製造において、綜絖シャフト44、45、46は緯糸挿入の間、所定の杼口位置、例えば上部杼口又は下部杼口にある。もしも補強構造15においてリンネル織りを有する第1部分20を製造する場合は、第1部分20を通過するすべての第2の補強経糸17は上部杼口にあり、緯糸方向Sから見たときに間にある補強経糸17は下部杼口にある。補強緯糸16の各緯糸挿入に続き、補強経糸17は杼口を交換する。

補強緯糸16を挿入する間に第2部分21を製造する場合、この第2部分21を通って延存するすべての補強経糸17は上部杼口又は下部杼口のいずれかにとどまる。これは補強緯糸16が補強経糸17の下又は上に落とされるものか否かによって決まる。

第2部分21内又は第1部分20内でも補強構造15を結束するため、第1の織りシャフト44は、実施例のように上部杼口の地経糸36bに位置する。絡み経糸36aと補強経糸17は他の綜絖シャフト45、46を経由して下部杼口内に位置する(図8)。製造する絡み結束に応じて、第2の綜絖シャフト45の絡み織りハーネスは結束緯糸26の前及び/又は後ろに交差位置を形成する。

第1部分20及び第2部分21は、経糸方向K及び/又は緯糸方向Sに交互になるか又は互いに隣接する。

図8及び図9に示す概略図の代替として、織物パーツ10の製造にジャカード織機を用いることができる。ジャカード織機では、すべての経糸17、27をそれぞれ所望の杼口位置へ動かすために制御可能な重りを用いることができ、それにより多くの種類の織りタイプを製造することができる。緯糸方向Sのみならず経糸方向Kのどのような所望の順序及び組合せの第1部分20及び第2部分21も、ジャカード織機により特に簡単に製造できる。

織物パーツ10を用いて、例えば図10に示すようなシート状の複合材料要素11を製造することができる。織物パーツ10は第1ロール50から織物ウェブの形で巻き戻されて、織物層13を形成する。第2ロール51は複合材料を製造するための可塑性フィルム52を供給できる。織物層13と可塑性フィルム52は例えば二重ベルトプレス53に供給されそこで圧力及び/又は熱の作用で結合され、複合材料が製造される。複合材料が二重ベルトプレス53の器具に接着するのを防ぐために、織物層13と可塑性フィルム52は二重ベルトプレスの上流側で二つの保護層54の間に配置され、これらの層は二重ベルトプレス53の通過後に、二つの矢印Pに示すように再び除去される。

二重ベルトプレス53の下流側で保護層54を除去した後、複合材料はステーション55でトリミングされ、次の切断ステーションで所望の長さに切断されうる。

この結果、シート状の複合材料要素11が製造される。これはまた有機シートとも称する。

図11は、シート状の複合材料要素11を3次元の複合材料体12に再成形する概略図である。複合材料要素11は最初に加熱ステーション60で加熱される。加熱された状態で複合材料要素11は例えばプレスのような再成形装置61に搬送され、再成形器具により所望の形状を与えられる。この再成形プロセスはいくつかのプレス工程でも行うことができる。所望の未成形の状態で、複合材料は冷却され、最終的に、冷却後に、複合材料体12の形で取り出される。

複合材料体12を製造する上記プロセスの代替として、少なくとも一つの織物パーツ10をまず所望の3次元形状にドレープを有して成形することもでき、その結果いわゆる前成形体62が製造される。再成形された織物パーツ10又は前成形体62は、次に例えば結束構造25内の結束繊維糸28の熱溶融接着特性を活性化することにより、及び/又はさらなるバインダを用いることにより、固定される。図12に示すように、前成形体62は続いて型63内に配置できる。型63を閉じた後、流動性の可塑性材料、例えば樹脂を型63に導入する。可塑性材料を型63内に入れるため、例えば型63から空気を抜き、流動性可塑性材料を加圧して圧力差を生じさせ、流動性可塑性材料を型内に押し込み、又は注入する。図12は、可塑性材料の型63内への注入を制御するバルブ64の実施例を示す概略図である。

型を閉じた状態で可塑性材料を硬化して、複合材料要素11又は複合材料体12の可塑性基材が形成される。硬化する間、型内の可塑性材料に圧力をかけてもよい。硬化後、型63を開け、できあがった複合材料体12を取り出すことができる。この方法はまた「樹脂トランスファー成形」とも呼ぶ。

代替的に、前成形体62を1以上の可塑性フィルムに結合することができる。

本発明は、複合材料要素11又は複合材料体12を製造するために特に意図され設計された織物パーツ10に関する。織物パーツ10は、補強繊維糸18から作られる補強経糸16及び補強緯糸17の補強構造15を含む。結束経糸27及び結束緯糸26からなる結束構造25をさらに提供する。結束糸26、27は結束繊維糸28から作られる。補強構造15は少なくとも一つの第1部分20を有し、そこでは補強糸16、17が互いに直接織り合わされ、それにより結束される。これにより、複合材料は織物パーツ10の少なくとも一つの第1部分20が配置された領域において高い機械的荷重に耐えることができる。さらに、補強構造15は少なくとも一つの第2部分21を有し、そこでは補強糸16、17は結束されない交差位置22を形成し、好ましくはまっすぐにされた状態で互いに重ね合わされる。こうして補強構造15は少なくとも一つの第2部分21において重ね合わせ構造を構成する。この重ね合わせ構造は、結束構造25の結束糸26、27によって囲まれる。そうするために、結束経糸27は少なくとも一つの第2部分21において結束緯糸26と結束位置35を形成し、その位置でその糸は補強構造15を貫通する。第2部分21にある補強構造15の重ね合わせ構造は、その領域において特に良好なドレープ性と再成形能力を確保する。この第2部分内でまっすぐにされて延存する補強糸16、17により良好な機械的面内特性を示す。

10 織物パーツ 11 複合材料要素 12 複合材料体 13 織物層 15 補強構造 16 補強緯糸 17 補強経糸 18 補強繊維糸 20 第1部分 21 第2部分 22 交差位置 25 結束構造 26 結束緯糸 27 結束経糸 28 結束繊維糸 29 コア 30 コート 35 結束位置 36 経糸ペア 36a 絡み経糸 36b 地経糸 40 織機 41 バックレスト 42 経糸キーパー 43 ドロップワイヤ 44 第1の綜絖シャフト 45 第2の綜絖シャフト 46 第3の綜絖シャフト 47 筬 48 織物地止め 50 第1ロール 51 第2ロール 52 可塑性フィルム 53 二重ベルトプレス 54 保護層 55 ステーション 56 切断ステーション 60 加熱ステーション 61 再成形装置 K 経糸方向 P 矢印 S 緯糸方向

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