綾巻きパッケージを製造する繊維機械のサクション装置における負圧を最適化するための方法

申请号 JP2014034952 申请日 2014-02-26 公开(公告)号 JP6351300B2 公开(公告)日 2018-07-04
申请人 ザウラー ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト; Saurer Germany GmbH & Co. KG; 发明人 トアステン フォアヒェ;
摘要
权利要求

サクションエアー需要が変化する複数の作業個所を備えている綾巻きパッケージを製造する繊維機械における、サクションユニットを有するサクション装置における負圧を最適化するための方法であって、 前記サクションエアー需要を満たすために、前記負圧が基本需要を満たす所定のレベル以下に低下しないように、且つ、 糸継ぎサイクルにおける修復のためにサクションエアー需要が高められることになる糸切れ又は糸の切断が通知された際に、作業需要として所定値分高められた負圧が提供されるように、前記サクションユニットのサクション能の調整が制御装置を介して行われる、サクション装置における負圧を最適化するための方法において、 巻き取りパッケージ側の糸端部の発見に成功したことをセンサにより検出し、 成功信号を前記サクション装置の前記制御装置に伝送し、 続いて、前記制御装置において、該当する作業個所に対する高められたサクションエアー需要に関する要求を解除する、 ことを特徴とする、サクション装置における負圧を最適化するための方法。前記制御装置は、前記繊維機械の中央制御ユニットに組み込まれている、請求項1に記載の方法。

说明书全文

本発明は、サクションエアー需要が変化する複数の作業個所を備えている、綾巻きパッケージを製造する繊維機械におけるサクションユニットを有するサクション装置における負圧を最適化するための方法に関し、この方法では、サクションエアー需要を満たすために、負圧は基本需要を満たす所定のレベル以下に低下してはならず、またサクションユニットのサクション能の調整は制御装置を介して行われ、この調整は、糸継ぎサイクルにおける修復のためにサクションエアー需要が高められることになる糸切れ又は糸の切断が通知された際に、作業需要として所定値分高められた負圧が提供されるように行われる。

綾巻きパッケージを製造する繊維機械、例えば巻取機は以前より公知であり、また通常の場合、一列に並んで配置されている、複数の同種の作業個所から構成されている。

それらの作業個所においては、相対的に少ない紡績糸材料を有しているコップが、後の製造工程において必要とされる大体積の綾巻きパッケージへと巻き返される。

それらの作業個所はそれぞれ種々の糸処理装置又は糸監視装置、並びに、それらの糸処理装置又は糸監視装置と接続されている作業個所コンピュータを有している。個々の作業個所コンピュータ自体は、有利にはバス線路を介して、綾巻き機の中央制御ユニットに接続されている。

それらの作業工程の内の多くの工程、例えば糸切れ後の上糸の発見、又は過度に多くの糸継ぎに起因する大量の糸の吸い込み等はサクションエアーを必要とする。更に巻取機の運転時には、例えば埃、繊維及び粉塵を吸い込むために、サクションエアーに対する一定の需要が存在する。一定の所要サクションエアーを静的負圧と称する。負圧の上昇によって絶対圧力は更に低下し、一方、負圧の低下によって絶対圧力は大気圧の値へと上昇する。

特許文献1によれば、繊維機械のサクション装置における負圧を制御するための方法が開示されている。この刊行物においては、変化する需要に負圧をより良好に適合させることを課題として挙げている。例えば、綾巻きパッケージへの巻き取りの際に糸が裂けると、そのイベントがサクションユニットの制御装置へと通知され、静的負圧が所定の値だけ作業負圧へと高められる。それと同時に、糸切れを修復するための作業工程が開始される。つまり、吸込ノズルが綾巻きパッケージの領域における糸吸込み位置へと旋回され、上糸を吸い込み、続いてその吸い込んだ上糸を糸継ぎ装置へと供給し、それによって糸端部を相互に再び結合させることができる。もっとも、吸込ノズルによって上糸を吸い込めなかった場合(場合によっては何度試みても吸い込めなかった場合)には、作業負圧が所定の値だけ更に高められ、上糸の検出が再度試みられることになる。この刊行物においては、一つ又は複数の更なる作業個所が時間的に同時に、発生したイベントに起因する、高められた負圧の需要を制御装置に通知すると、作業負圧が更に高められ、それにより各作業個所に所要負圧が存在することが開示されている。

従来技術によるこの方法の欠点は、イベントが処理されるまで、高められたサクションエアー需要が維持されることである。

連続的に糸継ぎが複数回実施されることが多い。そのように糸継ぎが頻発すると生地表面の外見に悪影響を及ぼす虞があるので、紡績糸品質を向上させるためには、糸の所定の長さに関する紡ぎ回数についての限界値を超えた際に、パッケージの低品質の部分が繰り出されて切り取られる。例えば、巻き付けられた紡績糸の最後の50メートルが切り取られる場合、糸切れの検出によって開始されるサクション負圧の上昇は、相応の量の糸が吸い込まれ、糸継ぎ部が形成され、巻取機が再び通常の生産モードへと移行するまで維持される。

DE 195 11 960 C2

本発明の課題は、綾巻きパッケージを製造する繊維機械におけるサクションユニットを有するサクション装置における負圧需要を最適化する方法を提供することである。

この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴部分に記載されている構成によって解決される。

有利な実施の形態は従属請求項に記載されている。

この課題を解決するために、請求項1に係る発明によれば、巻き取りパッケージ側の糸端部の発見に成功したことがセンサにより検出され、成功信号がサクション装置の制御装置に伝送され、続いて、制御装置においては、該当する作業個所に対する高められたサクションエアー需要に関する要求が解除される。本発明でもって達成される利点は、特に、このやり方に基づき、高められたサクション能力が実際に必要とされる長さの時間でしか提供されないということである。

種々の作業個所のサクションエアー需要は、上糸の同一の検出割合を達成するために異なっている。例えば、上糸の検出を最初に試みた際に既に上糸の検出に成功しており、また要求を行った作業個所がただ一つである場合、このためには、必要に応じて作業個所の個別の調整に依存して、高められたファン能力は必要とされない。もっとも、その最初の試み時に上糸が検出されない場合、有利には後続の試みに関して、高められたファン能力についての要求が制御装置に出力される。サクションエアー需要のこの適合は、回転数変化および/またはトルク要求の変化によって行われる。サクション装置におけるサクションエアーの制御方式自体は本願発明の対象ではなく、別の特許明細書(例えばDE 38 23 289 C2又はDE 195 11 960 2)において既に詳細に説明されているので、ここでは更なる説明は省略する。

従来技術では実際のところ、高められた負圧は、作業個所に発生するイベントの実際の処理時間よりも長い時間必要とされていた。発生するイベントを処理するための作業工程をより詳細に考察すると、通常の場合、その作業工程を複数の部分作業ステップに分割できることが分かる。例えば吸込ノズルによって上糸を検出するために、最初だけ高められた負圧、即ち作業負圧が必要とされる。従来技術においては、イベントが完全に処理され、巻取機が再び「通常モード」で更に動作し、その後に初めて静的負圧へと切換えられるまで、高められたサクションエアー需要が維持されるが、本発明では、糸の発見に続く、糸継ぎサイクルの後続の部分作業ステップでは高められた負圧は必要されないという認識を基礎としている。

サイクル全体の処理のためにサクション負圧が高められている期間が比較的長いことに基づき、従来技術では種々の作業個所のそれらの期間が頻繁に重畳する。例えば、60スピンドルの繊維機械では実際のところ、常に少なくとも一つの作業個所が糸継ぎサイクルにあるので、その種の繊維機械の運転時間のほぼ全てにおいて、高められたサクション負圧が提供されていた。

サクションエアーを要求する時間が大幅に短縮されている発明を使用することによって、総じて、静的負圧しか必要とされない時間の割合が著しく高められる。

サクション能力を高められた負圧の遮断時点に関して静的負圧に合わせて最適化することによって、機械の生産性又は紡績糸の品質に悪影響を及ぼすことなく、エネルギ消費量を低減することができ、ひいてはコストを低下させることができる。特に、エネルギコストが運転コストの大部分を占めている現状では、コストの低下はより経済的な生産を実現するための重要な手段である。また、エネルギ消費量がより少なくなることによって環境が保護される。

有利には、請求項2によれば、制御装置が繊維機械の中央制御ユニットに組み込まれている。個々の各作業個所は中央の制御ユニットと接続されているので、この構造は、綾巻きパッケージを製造する繊維機械全体に対して制御装置が一つあれば十分であることを保証している。各作業個所に局所的に記憶されている、動作サイクルにわたるサクションエアー需要特性がそれぞれ中央制御ユニットにおいて考慮される。

以下では、図面に示した実施例に基づき本発明を詳細に説明する。

綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業個所における、イベントの経過並びに所属の本発明による負圧経過を示す。

綾巻きパッケージを製造する繊維機械の作業個所における、時間的にずれて発生する二つのイベントの経過並びに所属の本発明による負圧経過を示す。

図1には、作業個所における複数のイベントの経過Eが時間tにわたりプロットされている。この実施例において、イベントEは糸切れ及び巻取機におけるその修復である。時点1において糸切れが発生する。糸が巻き付けられる綾巻きパッケージは、この綾巻きパッケージを駆動させるパッケージ駆動ローラから離され、時間bの間に減速される。綾巻きパッケージは時点2において静止すると、糸切れを修復するための工程が開始される。時点3では、吸込ノズルが、上糸を綾巻きパッケージから吸い込むための位置にあり、他方ではそれと同時に、負圧を供給可能なグリッパ管が、繰り出し位置に配置されている蓄えパッケージ(コップ)に由来する下糸を収容する。期間S1は、イベント、即ち糸継ぎサイクルを処理するための全ての部分ステップを含んでいる。期間S2の間にのみ、糸の検出に成功するために、高められたサクションエアー需要が存在する。時点4では、上糸の検出が成功したこと、また高められたサクションエアー需要はもはや存在しないことがシグナリングされる。期間S3の間に吸込ノズルもグリッパ管も糸継ぎ装置の領域における糸引き渡し位置へと旋回され、糸端部が糸継ぎ装置の糸継ぎ管内に挿入される。糸クランプ装置の閉鎖、切断及び準備も、糸継ぎを行うための糸端部の空気式の渦動も、静的負圧において品質が損なわれることなく行われる。時点5においては、イベントの処理が終了している。この時点5は、巻取り工程が再開される時点6と一致する。この時点において、綾巻きパッケージの巻取り速度が上昇される。

下側に示されている曲線は、同一のスケーリングでの時間グラフtにおける、サクションユニットの制御の結果から得られる負圧曲線UPを表している。イベントの開始並びに個々のイベントのステップの一部には、その上に示したグラフと同一の参照番号を付している。

時点1において糸切れが発生してイベントEが開始されると、該当する作業個所に対する付加的なサクションエアーの需要が制御装置に伝送される。この時点以降に負圧が上昇する。つまり絶対圧力が低下する。時点3において糸の吸込みが開始されるときには、高められたサクション負圧に達している。時点7においては、高められた負圧はもはや必要されないことが制御装置に伝送される。従って、負圧が再び低下し、時点8においては静的負圧の本来のレベルに達している。

期間S3の間は、高められたサクション能力はもはや要求されず、それによってこの期間中は従来技術に比べてエネルギが著しく節約されている。

図2には、第1のイベントの処理中に別のイベントが発生している時間経過を表すイベント曲線Eが示されている。このイベント曲線Eはイベント・時間グラフとして表されている。このグラフの下には、サクション装置の対応する負圧曲線UPが同一の時間軸tにわたり示されている。

図1に関連させて既に詳細に説明した、時点1において発生したイベントEを処理している間に、時点9においては別の作業個所での更なる糸切れが発生している。期間cでは、対応する綾巻きパッケージを減速させることが必要になる。この減速工程は時点10において終了しており、糸切れを修復するための工程が開始される。時点11においては吸込ノズルによる上糸の検出が開始され、時点12においては糸の検出に成功することにより検出工程が終了している。期間m1は、イベントを処理するための全ての部分ステップを含んでおり、これに対し期間m2は、上糸を検出するために、その作業個所における高められたサクションエアー需要が存在している期間を表す。期間m3の間に、糸継ぎ部の形成を含む別の部分ステップが行われる。時点13においてはイベントが、全ての部分ステップと共に完全に処理されており、それと同時に時点14においては、巻取り工程が開始され、また綾巻きパッケージが巻取り速度へと加速される。

負圧経過UPは、図1を参照して既に説明したように、時点8において再び静的負圧レベルに達している。時点10において糸切れが発生すると、その作業個所は高められたファン能力を即座に要求する。時点11においては、時点1におけるイベントEを処理するための負圧とは異なる、局所的に記憶されている、その作業個所の動作サイクルにわたるサクションエアー需要特性に基づき余り高くない負圧しか必要としない所定の高さの負圧レベルが達成されている。時点15においては、高められたファン能力の要求がその作業個所に対しても解除される。絶対的な負圧は低下し、時点16においては再び静的負圧レベルに達している。

局所的に記憶されているサクションエアー需要特性に基づき静的負圧でもって上糸を発見できることは図示していない。何故ならば、この場合には、上糸を発見するためにも、対応する作業個所における高められたサクションエアー需要も存在しないからである。

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