紡機における吸引ダクト

申请号 JP2015196885 申请日 2015-10-02 公开(公告)号 JP2017066572A 公开(公告)日 2017-04-06
申请人 株式会社豊田自動織機; 发明人 河合 泰之;
摘要 【課題】一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間の隙間を介した内部へのエアの流入を抑制しつつも、ダクト形成体同士の連結部分を接着すること無く、ダクト形成体同士の長手方向の相対 位置 を位置決めすること。 【解決手段】吸引ダクト30は、エアの吸引流の方向に向かうにつれて先細になる挿入テーパ部34aを有する環状の弾性シール部材34を備えている。一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間は挿入テーパ部34aによってシールされる。また、挿入テーパ部34aが一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に喰い込むことで生じる楔効果により、一方のダクト形成体31に対して他方のダクト形成体31がそれ以上引き込まれなくなり、ダクト形成体31同士の長手方向の相対位置が位置決めされる。 【選択図】図3
权利要求

筒状のダクト形成体を複数有し、前記ダクト形成体同士は、一方のダクト形成体の長手方向の一端部の内側に他方のダクト形成体の長手方向の他端部を嵌め込むことで連結されており、内部に負圧が作用している紡機における吸引ダクトであって、 前記負圧によるエアの吸引流の方向は、前記ダクト形成体の一端部から他端部に向かっており、 前記一方のダクト形成体の一端部の内周面と前記他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に挿入されるとともに前記エアの吸引流の方向に向かうにつれて先細になる挿入テーパ部を有する環状の弾性シール部材を備えたことを特徴とする紡機における吸引ダクト。前記ダクト形成体の一端部の内周面は、前記一端部の開口に向かうにつれて末広がりとなる開口テーパ部を有し、 前記挿入テーパ部が前記一方のダクト形成体の一端部の内周面と前記他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に挿入される前の自然状態である前記挿入テーパ部のテーパ度は、前記開口テーパ部のテーパ角度よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の紡機における吸引ダクト。前記弾性シール部材は、前記挿入テーパ部に連続するとともに前記挿入テーパ部よりも厚みのある剛性補強部を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紡機における吸引ダクト。前記弾性シール部材は、前記挿入テーパ部と前記剛性補強部との間に段差部を有していることを特徴とする請求項3に記載の紡機における吸引ダクト。前記弾性シール部材における前記ダクト形成体と密着する面に複数の環状溝を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の紡機における吸引ダクト。

说明书全文

本発明は、紡機における吸引ダクトに関する。

紡機においては、ドラフト装置から送られてくる繊維束が糸切れすると、繊維束がフロントボトムローラ等に巻き付いたりして、その後の糸継ぎ作業に支障をきたすことがある。よって、紡機には、糸切れした繊維束をエアによって吸引除去するニューマクリアラ装置(以下、「ニューマ装置」と記載する)が配備されている(例えば特許文献1)。ニューマ装置は、機台長手方向に延設されたニューマダクト(吸引ダクト)を備えている。ニューマダクトには、フロントボトムローラに向けて延びる吸引パイプが設けられている。

ニューマダクトは、筒状のダクト形成体を複数有している。ダクト形成体同士は、一方のダクト形成体の長手方向の一端部の内側に他方のダクト形成体の長手方向の他端部を嵌め込むことで連結されている。ニューマダクト内には、負圧源から負圧が作用しており、糸切れした繊維束は、吸引パイプに発生するエアの吸引流により吸引除去される。

また、ドラフトされた繊維束を撚り掛けの前に予め集束し、毛羽の低減等の糸品質の向上を目的とした繊維束集束装置が従来から知られている(例えば特許文献2)。繊維束集束装置は、複数錘に対応する所定長さに形成された吸引パイプを備えている。吸引パイプにおける繊維束が通過する位置には、吸引孔が設けられている。吸引パイプは、複数の接続管を介して筒状の吸引ダクトに接続されている。吸引ダクトは、複数錘に対応する所定長さに形成されている。繊維束集束装置の吸引ダクトも、上述したニューマ装置のニューマダクトと同様に、筒状のダクト形成体を複数有し、ダクト形成体同士は、一方のダクト形成体の長手方向の一端部の内側に他方のダクト形成体の長手方向の他端部を嵌め込むことで連結されている。吸引ダクト内には、負圧源から負圧が作用しており、繊維束集束装置を通過する繊維束は、吸引パイプの吸引孔に発生するエアの吸引流により集束される。

特開平11−12862号公報

特開2005−171476号公報

このような、紡機における吸引ダクトにおいては、一方のダクト形成体の一端部の内側に他方のダクト形成体の他端部を嵌め込むことで、ダクト形成体同士を連結しているため、一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間には隙間が生じる。よって、この隙間を介して内部へエアが流入してしまう虞がある。

また、ダクト形成体が、吸引ダクト内に作用する負圧によって引き寄せられて、ダクト形成体同士の長手方向の相対位置が、予め定められた所定の相対位置からずれてしまう虞がある。ダクト形成体同士の長手方向の相対位置を位置決めするために、ダクト形成体同士の連結部分を接着することが考えられるが、ダクト形成体同士の連結部分を接着すると、ダクト形成体同士を分解する必要が生じた場合に、容易に分解することができなくなってしまう。

本発明の目的は、一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間の隙間を介した内部へのエアの流入を抑制しつつも、ダクト形成体同士の連結部分を接着すること無く、ダクト形成体同士の長手方向の相対位置を位置決めすることができる紡機における吸引ダクトを提供することにある。

上記課題を解決する紡機における吸引ダクトは、筒状のダクト形成体を複数有し、前記ダクト形成体同士は、一方のダクト形成体の長手方向の一端部の内側に他方のダクト形成体の長手方向の他端部を嵌め込むことで連結されており、内部に負圧が作用している紡機における吸引ダクトであって、前記負圧によるエアの吸引流の方向は、前記ダクト形成体の一端部から他端部に向かっており、前記一方のダクト形成体の一端部の内周面と前記他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に挿入されるとともに前記エアの吸引流の方向に向かうにつれて先細になる挿入テーパ部を有する環状の弾性シール部材を備えた。

これによれば、一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に挿入テーパ部が挿入されることにより、一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間が挿入テーパ部によってシールされる。また、負圧によるエアの吸引流の方向は、ダクト形成体の一端部から他端部に向かっているため、エアの吸引流による吸引作用によって、一方のダクト形成体に対して他方のダクト形成体が引き込まれようとする。このとき、挿入テーパ部が一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に喰い込むことで生じる楔効果により、一方のダクト形成体に対して他方のダクト形成体がそれ以上引き込まれなくなり、ダクト形成体同士の長手方向の相対位置が位置決めされる。したがって、一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間の隙間を介した内部へのエアの流入を抑制しつつも、ダクト形成体同士の連結部分を接着すること無く、ダクト形成体同士の長手方向の相対位置を位置決めすることができる。

上記紡機における吸引ダクトにおいて、前記ダクト形成体の一端部の内周面は、前記一端部の開口に向かうにつれて末広がりとなる開口テーパ部を有し、前記挿入テーパ部が前記一方のダクト形成体の一端部の内周面と前記他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に挿入される前の自然状態である前記挿入テーパ部のテーパ度は、前記開口テーパ部のテーパ角度よりも大きいことが好ましい。

ダクト形成体の一端部の内周面には、一端部の開口に向かうにつれて末広がりとなる開口テーパ部が形成されている場合がある。この場合であっても、挿入テーパ部を一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に挿入したときに、挿入テーパ部を一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に喰い込ませることができる。

上記紡機における吸引ダクトにおいて、前記弾性シール部材は、前記挿入テーパ部に連続するとともに前記挿入テーパ部よりも厚みのある剛性補強部を有していることが好ましい。

例えば、弾性シール部材における挿入テーパ部に連続する部位の厚みが、挿入テーパ部よりも薄い場合を考える。この場合、弾性シール部材における挿入テーパ部に連続する部位を押し込んで、挿入テーパ部を一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に挿入しようとしても、弾性シール部材における挿入テーパ部に連続する部位が撓み易い。よって、一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に挿入テーパ部を挿入し難い。そこで、弾性シール部材が剛性補強部を有することで、挿入テーパ部を一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に挿入する際に、剛性補強部を押し込んでも、剛性補強部が撓み難い。よって、一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に挿入テーパ部を挿入し易くすることができる。

上記紡機における吸引ダクトにおいて、前記弾性シール部材は、前記挿入テーパ部と前記剛性補強部との間に段差部を有していることが好ましい。 これによれば、弾性シール部材にエアの吸引流による吸引作用が作用して、弾性シール部材が引き込まれたとしても、段差部が、一方のダクト形成体の一端部の開口端縁に当接するため、弾性シール部材がそれ以上引き込まれなくなる。よって、ダクト形成体同士の長手方向の相対位置がずれてしまうことを回避することができる。

上記紡機における吸引ダクトにおいて、前記弾性シール部材における前記ダクト形成体と密着する面に複数の環状溝を設けたことが好ましい。 これによれば、複数の環状溝がラビリンスシールとして機能するため、一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間の隙間を介した内部へのエアの流入をさらに抑制し易くすることができる。

この発明によれば、一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間の隙間を介した内部へのエアの流入を抑制しつつも、ダクト形成体同士の連結部分を接着すること無く、ダクト形成体同士の長手方向の相対位置を位置決めすることができる。

(a)は実施形態における繊維束集束装置の一部を示す模式図、(b)は吸引パイプの部分斜視図。

繊維束集束装置を模式的に示す斜視図。

ダクト形成体同士の連結部分を示す断面図。

(a)は弾性シール部材の断面図、(b)はダクト形成体の一端部を示す断面図。

別の実施形態におけるダクト形成体同士の連結部分を拡大して示す断面図。

別の実施形態におけるダクト形成体同士の連結部分を拡大して示す断面図。

以下、紡機における吸引ダクトを繊維束集束装置の吸引ダクトに具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。 図1(a)に示すように、繊維束集束装置10は、ドラフト装置11の最終送出ローラ対12よりも繊維束Fの流れ方向の下流側に設けられている。繊維束集束装置10は、送出部13、吸引パイプ14、通気搬送ベルト15及びガイド部16を備えている。送出部13は、最終送出ローラ対12のフロントボトムローラ12aと平行に配設されたボトムニップローラ13aと、ボトムニップローラ13aに通気搬送ベルト15を介して押圧されるトップニップローラ13bとで構成されている。トップニップローラ13bは、最終送出ローラ対12のフロントトップローラ12bと同様に2錘毎に、支持部材17を介してウエイティングアーム(図示せず)に支持されている。

吸引パイプ14は、ボトムニップローラ13aとトップニップローラ13bとによるニップ点に対して繊維束Fの流れ方向の上流側に設けられている。通気搬送ベルト15は、例えば、適度な通気性を確保できる織布により形成されている。通気搬送ベルト15は、吸引パイプ14、ガイド部16及びボトムニップローラ13aに巻き掛けられた状態で回転されて繊維束Fを搬送する。

吸引パイプ14、ガイド部16及びボトムニップローラ13aは、複数錘(例えば、8錘)と対応する所定長さに形成されている。また、ガイド部16の下方近傍には、糸切れ時にドラフト装置11から送出される繊維束Fを吸引する作用をなすシングルタイプのニューマ装置の吸引ノズル18の先端がそれぞれ配設されている。吸引ノズル18の基端は、機台長手方向に延設された全錘共通のニューマダクト(図示せず)に接続されている。

図1(b)に示すように、吸引パイプ14は、外側に凸となるように湾曲形成された案内面14aを有し、案内面14aには吸引パイプ14の長手方向と交差する方向に延びる吸引孔14hが吸引パイプ14の長手方向において所定ピッチ(紡機の錘ピッチ)で複数形成されている。吸引パイプ14は、案内面14aが繊維束Fの通過経路と対応する状態で繊維束集束装置10に組み付けられ、通気搬送ベルト15の一部が案内面14aに巻き掛けられている。

図2に示すように、繊維束集束装置10は、機台長手方向に延設された中継ダクト19を複数備えている。複数の中継ダクト19は、機台長手方向に並設されている。複数の中継ダクト19における機台長手方向に対して直交する両側には、複数の吸引パイプ14が機台長手方向に並設されている。各吸引パイプ14は、2つの接続管20を介して中継ダクト19に接続されている。各中継ダクト19は、片側24錘、両側48錘に対応する長さに形成されている。したがって、各中継ダクト19における機台長手方向に対して直交する両側には、吸引パイプ14が3つずつ配置されている。

また、繊維束集束装置10は、機台長手方向に延設された円筒状の吸引ダクト30を備えている。吸引ダクト30は、樹脂製である円筒状のダクト形成体31を複数有する。複数のダクト形成体31同士は互いに連結されている。各ダクト形成体31は、各中継ダクト19に対応する長さに形成されている。各ダクト形成体31と各中継ダクト19とは2つの接続管21を介して接続されている。吸引ダクト30の端部には、負圧源22が連結されている。負圧源22としては、例えばファンをモータで駆動するファンモータが使用されている。そして、負圧源22により、吸引ダクト30の内部に負圧が作用している。負圧によるエアの吸引流の方向(図2において矢印X1で示す方向)は、ダクト形成体31の長手方向の一端部32から他端部33に向かっている。

紡機が運転されると、繊維束Fはドラフト装置11でドラフトされた後、最終送出ローラ対12から繊維束集束装置10へ案内される。ボトムニップローラ13a及びトップニップローラ13bは最終送出ローラ対12の表面速度と略同等の速度で回転され、繊維束Fは適度な緊張状態でボトムニップローラ13a及びトップニップローラ13bのニップ点(送り出しニップ点)を過ぎた後、転向して撚り掛けを受けながら下流側へ移動する。

また、吸引ダクト30の内部に作用する負圧によって生じる吸引作用が、接続管21、中継ダクト19、接続管20を介して吸引パイプ14に及んで、吸引孔14hに発生するエアの吸引流が通気搬送ベルト15を介して繊維束Fに作用する。そして、繊維束Fが吸引孔14hと対応する位置に吸引集束された状態で移動する。したがって、繊維束集束装置10が設けられていない紡機に比較して、毛羽の発生が抑制されて糸質が改善される。

次に、吸引ダクト30におけるダクト形成体31同士の連結部分について詳しく説明する。 図3に示すように、ダクト形成体31の一端部32は、他端部33よりも拡径しており、一端部32の内径は、他端部33の外形よりも大きい。一端部32の内周面は、一端部32の開口に向かうにつれて末広がりとなる開口テーパ部32aを有している。ダクト形成体31同士は、一方のダクト形成体31の長手方向の一端部32の内側に他方のダクト形成体31の長手方向の他端部33を嵌め込むことで連結されている。

吸引ダクト30は、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に挿入されるとともにエアの吸引流の方向(図3において矢印X1で示す方向)に向かうにつれて先細になる挿入テーパ部34aを有する環状の弾性シール部材34を備えている。弾性シール部材34は、例えば、ゴムやエラストマー等から形成されている。弾性シール部材34は、他方のダクト形成体31の他端部33の外周面に装着されており、弾性シール部材34の内周面は、他方のダクト形成体31の他端部33の外周面に密着している。

弾性シール部材34は、挿入テーパ部34aに連続するとともに挿入テーパ部34aよりも厚みのある剛性補強部34bを有している。剛性補強部34bの厚みは、弾性シール部材34の軸方向において一定である。また、剛性補強部34bにおける弾性シール部材34の軸方向に沿った長さL1は、挿入テーパ部34aにおける弾性シール部材34の軸方向に沿った長さL2よりも長くなっている。さらに、弾性シール部材34は、挿入テーパ部34aと剛性補強部34bとの間に円環状の段差部34cを有している。段差部34cは、弾性シール部材34の径方向に沿って延びている。

図4(a)及び(b)に示すように、挿入テーパ部34aが一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に挿入される前の自然状態である挿入テーパ部34aのテーパ角度θ1は、開口テーパ部32aのテーパ角度θ2よりも大きい。

次に、本実施形態の作用について説明する。 図3に示すように、一方のダクト形成体31の一端部32の内側に、弾性シール部材34が予め装着された他方のダクト形成体31の他端部33を嵌め込む。そして、剛性補強部34bを押し込んで、挿入テーパ部34aを一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間の奥まで挿入する。これにより、挿入テーパ部34aの外周面と一方のダクト形成体31の一端部32の内周面とが密着し、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間が挿入テーパ部34aによってシールされる。

また、負圧によるエアの吸引流の方向は、ダクト形成体31の一端部32から他端部33に向かっているため、エアの吸引流による吸引作用によって、一方のダクト形成体31に対して他方のダクト形成体31が引き込まれようとする。このとき、挿入テーパ部34aが一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に喰い込むことで生じる楔効果により、一方のダクト形成体31に対して他方のダクト形成体31がそれ以上引き込まれなくなる。これにより、ダクト形成体31同士の長手方向の相対位置が位置決めされる。

ダクト形成体31同士を分解する必要が生じた場合には、挿入テーパ部34aが、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間から引き抜かれるように、剛性補強部34bを操作して、弾性シール部材34を引き抜く。これにより、ダクト形成体31同士が容易に分解される。

上記実施形態では以下の効果を得ることができる。 (1)吸引ダクト30は、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に挿入されるとともにエアの吸引流の方向に向かうにつれて先細になる挿入テーパ部34aを有する環状の弾性シール部材34を備えている。これによれば、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に挿入テーパ部34aが挿入されることにより、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間が挿入テーパ部34aによってシールされる。また、挿入テーパ部34aが一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に喰い込むことで生じる楔効果により、一方のダクト形成体31に対して他方のダクト形成体31がそれ以上引き込まれなくなり、ダクト形成体31同士の長手方向の相対位置が位置決めされる。したがって、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間の隙間を介した内部へのエアの流入を抑制しつつも、ダクト形成体31同士の連結部分を接着すること無く、ダクト形成体31同士の長手方向の相対位置を位置決めすることができる。

(2)挿入テーパ部34aが一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に挿入される前の自然状態である挿入テーパ部34aのテーパ角度θ1は、開口テーパ部32aのテーパ角度θ2よりも大きい。ダクト形成体31の一端部32の内周面には、一端部32の開口に向かうにつれて末広がりとなる開口テーパ部32aが形成されている場合がある。この場合であっても、挿入テーパ部34aを一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に挿入したときに、挿入テーパ部34aを一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に喰い込ませることができる。

(3)弾性シール部材34は、挿入テーパ部34aに連続するとともに挿入テーパ部34aよりも厚みのある剛性補強部34bを有している。例えば、弾性シール部材34における挿入テーパ部34aに連続する部位の厚みが、挿入テーパ部34aよりも薄い場合を考える。この場合、弾性シール部材34における挿入テーパ部34aに連続する部位を押し込んで、挿入テーパ部34aを一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に挿入しようとしても、弾性シール部材34における挿入テーパ部34aに連続する部位が撓み易い。よって、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に挿入テーパ部34aを挿入し難い。そこで、弾性シール部材34が剛性補強部34bを有することで、挿入テーパ部34aを一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に挿入する際に、剛性補強部34bを押し込んでも、剛性補強部34bが撓み難い。よって、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に挿入テーパ部34aを挿入し易くすることができる。

(4)弾性シール部材34は、挿入テーパ部34aと剛性補強部34bとの間に段差部34cを有している。これによれば、弾性シール部材34にエアの吸引流による吸引作用が作用して、弾性シール部材34が引き込まれたとしても、段差部34cが、一方のダクト形成体31の一端部32の開口端縁に当接するため、弾性シール部材34がそれ以上引き込まれなくなる。よって、ダクト形成体31同士の長手方向の相対位置がずれてしまうことを回避することができる。

(5)弾性シール部材34にエアの吸引流による吸引作用が作用して、弾性シール部材34が引き込まれ、段差部34cが、一方のダクト形成体31の一端部32の開口端縁に当接すると、一方のダクト形成体31の一端部32の開口端縁と段差部34cとの間がシールされる。これによれば、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間の隙間を介した内部へのエアの流入をさらに抑制することができる。

(6)一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に挿入テーパ部34aを挿入したときに、挿入テーパ部34aの外周面と一方のダクト形成体31の一端部32の内周面との間に隙間が残っている場合がある。この場合であっても、弾性シール部材34にエアの吸引流による吸引作用が作用することにより、挿入テーパ部34aが一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に喰い込む。よって、挿入テーパ部34aの外周面と一方のダクト形成体31の一端部32の内周面とが密着し、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間を挿入テーパ部34aによってシールすることができる。

(7)剛性補強部34bにおける弾性シール部材34の軸方向に沿った長さL1は、挿入テーパ部34aにおける弾性シール部材34の軸方向に沿った長さL2よりも長くなっている。これによれば、例えば、剛性補強部34bにおける弾性シール部材34の軸方向に沿った長さL1が、挿入テーパ部34aにおける弾性シール部材34の軸方向に沿った長さL2よりも短い場合に比べて、剛性補強部34bの剛性を高めることができる。その結果、挿入テーパ部34aを一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間に挿入する際に、剛性補強部34bを押し込んでも、剛性補強部34bが撓み難い。

(8)ダクト形成体31同士を分解する必要が生じた場合には、挿入テーパ部34aが、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間から引き抜かれるように、剛性補強部34bを操作して、弾性シール部材34を引き抜く。これにより、ダクト形成体31同士を容易に分解することができる。これによれば、新たなダクト形成体31を追加することも容易に行うことができる。

なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。 ○ 図5に示すように、弾性シール部材34におけるダクト形成体31と密着する面に複数の環状溝34dを設けてもよい。弾性シール部材34の内周面は、他方のダクト形成体31の他端部33の外周面に密着する面である。そして、弾性シール部材34の内周面には、複数の環状溝34dが弾性シール部材34の軸方向に並んで形成されている。これによれば、複数の環状溝34dがラビリンスシールとして機能するため、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間の隙間を介した内部へのエアの流入をさらに抑制し易くすることができる。また、弾性シール部材34が劣化していき、他方のダクト形成体31の他端部の外周面との密着性が低下してしまったとしても、複数の環状溝34dがラビリンスシールとして機能することで、弾性シール部材34の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間のシール性を確保することができる。

○ 図5に示す実施形態において、挿入テーパ部34aの外周面に、複数の環状溝34dをさらに形成してもよい。挿入テーパ部34aの外周面は、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面に密着する面である。これによれば、複数の環状溝34dがラビリンスシールとして機能するため、一方のダクト形成体31の一端部32の内周面と他方のダクト形成体31の他端部33の外周面との間の隙間を介した内部へのエアの流入をさらに抑制し易くすることができる。

○ 実施形態において、挿入テーパ部34aの外周面に、複数の環状溝34dを形成してもよい。 ○ 図6に示すように、弾性シール部材34において、挿入テーパ部34aと剛性補強部34bとの間に段差部34cが形成されていなくてもよく、挿入テーパ部34aと剛性補強部34bと直接繋がっていてもよい。

○ 実施形態において、弾性シール部材34が、剛性補強部34bを有していなくてもよく、弾性シール部材34全体が挿入テーパ部34aにより形成されていてもよい。 ○ 実施形態において、挿入テーパ部34aのテーパ角度θ1と、開口テーパ部32aのテーパ角度θ2とが同じ角度であってもよい。

○ 実施形態において、剛性補強部34bにおける弾性シール部材34の軸方向に沿った長さL1と、挿入テーパ部34aにおける弾性シール部材34の軸方向に沿った長さL2とが同じ長さであってもよい。

○ 実施形態において、ダクト形成体31の一端部32の内周面が、一端部32の開口に向かうにつれて末広がりとなる開口テーパ部32aになっていなくてもよく、ダクト形成体31の軸方向に沿って直線状に延びていてもよい。

○ 実施形態において、各ダクト形成体31は、各中継ダクト19に対応する長さに形成されていたが、これに限らず、ダクト形成体31の長さは適宜変更してもよい。 ○ 実施形態において、吸引ダクト30は、例えば、四角筒状であってもよく、その形状は、筒状であれば特に限定されるものではない。

○ 実施形態において、ダクト形成体31は、例えば、金属製であってもよく、その材質は特に限定されるものではない。 ○ 実施形態において、負圧源22として、例えば、真空ポンプを用いてもよい。

○ 実施形態において、紡機における吸引ダクトをニューマ装置のニューマダクトに具体化してもよい。そして、ニューマダクトを構成する一方のダクト形成体の一端部の内周面と他方のダクト形成体の他端部の外周面との間に、弾性シール部材34の挿入テーパ部34aを挿入してもよい。

30…吸引ダクト、31…ダクト形成体、32…一端部、32a…開口テーパ部、33…他端部、34…弾性シール部材、34a…挿入テーパ部、34b…剛性補強部、34c…段差部、34d…環状溝。

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