コイル状および非コイル状ナノファイバー撚糸およびポリマーファイバーのねじりおよび引張アクチュエータ

申请号 JP2017224377 申请日 2017-11-22 公开(公告)号 JP6438557B2 公开(公告)日 2018-12-12
申请人 ザ ボード オブ リージェンツ,ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム; 发明人 リ,ナ; ヘインズ,カーター・エス; リマ,マルシオ・ディー; ジャング・ドゥ・アンドレード,モニカ; ファーン,シャオリ; オー,ジヨン; コズロフ,ミハイル・イー; ゴクテペ,ファトマ; ゴクテペ,オゼル; スー,ドンソク; バウマン,レイ・エイチ;
摘要
权利要求

ねじりファイバーアクチュエータであって: 第1のポリマーファイバー直径を示す第1のポリマーファイバーであって、前記第1のポリマーファイバーは: 撚ポリマーファイバーを形成する第1の方向の第1の複数の撚り; コイルのそれぞれが平均コイル直径を有する、前記撚ポリマーファイバー内の第2の方向の複数のコイル; を含むように構成される、前記前記第1のポリマーファイバー;及び 前記第1のポリマーファイバーと連通しているねじり戻しばね; を含む、前記ねじりファイバーアクチュエータ。前記第1の方向及び前記第2の方向が同一である、請求項1に記載のねじりファイバーアクチュエータ。前記第1の方向及び前記第2の方向が反対の方向である、請求項1に記載のねじりファイバーアクチュエータ。前記複数のコイルのそれぞれのコイルが、コイルの内径及びコイルの外径の平均であり、前記第1のポリマーファイバー直径の1.7倍以下である平均コイル直径を有する、請求項1に記載のねじりファイバーアクチュエータ。前記ねじり戻しばねが、前記第1の方向と反対の第3の方向に前記第1のポリマーファイバーと諸撚りされた第2のファイバーを含む、請求項1に記載のねじりファイバーアクチュエータ。請求項1に記載のねじりファイバーアクチュエータであって: 前記第1の方向の第2の複数の撚りを含むように構成される第2のポリマーファイバーであって、前記第2のポリマーファイバーは前記第1の方向と反対の第3の方向に前記第1のポリマーファイバーと諸撚りされて、ヘテロキラル諸撚り糸を形成する、前記第2のポリマーファイバーをさらに含み、 前記第2のポリマーファイバーが前記ねじり戻しばねである、前記ねじりファイバーアクチュエータ。前記第1のポリマーファイバーと接触する伝導体をさらに含む、請求項1に記載のねじりファイバーアクチュエータ。前記第1のポリマーファイバー及び前記ねじり戻しばねの少なくとも一つと接続したローターをさらに含む、請求項1に記載のねじりファイバーアクチュエータ。ねじりナノファイバーアクチュエータであって: 糸直径を有する第1のカーボンナノファイバー糸であって: 撚カーボンナノファイバー糸を形成する第1の方向の複数の撚り; コイルのそれぞれが前記糸直径より大きい平均コイル直径を有する、前記撚カーボンナノファイバー糸内の複数のコイル; を含む、前記第1のカーボンナノファイバー糸:及び 前記第1のカーボンナノファイバー糸と連通しているねじり戻しばね; を含む、前記ねじりナノファイバーアクチュエータ。前記第1のカーボンナノファイバー糸内のゲストをさらに含み、前記ゲスト及び前記第1のカーボンナノファイバー糸が第1のハイブリッド糸を形成する、請求項9に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。前記ゲストが、前記第1のカーボンナノファイバー糸を非作動状態から作動状態に変化させる容積変化の能を有し、前記ゲストの前記容積変化は少なくとも7.7%であり、前記容積変化は前記第1のカーボンナノファイバー糸の回転トルクをもたらす、請求項10に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。前記第1のハイブリッド糸が71°/mmから100°/mmまでのねじり作動を有する、請求項10に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。前記ゲストがワックスである、請求項10に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。前記ゲストがポリジアセチレンである、請求項10に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。前記ねじり戻しばねが、ワックスに浸透させた前記カーボンナノファイバー糸のセグメントを含む、請求項9に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。ねじり作動が最大で30°/mmを含む、請求項15に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。前記第1のカーボンナノファイバー糸と諸撚りされて2本諸撚りヘテロキラル糸を形成する第2の糸をさらに含む、請求項9に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。前記2本諸撚りヘテロキラル糸が、前記2本諸撚りヘテロキラル糸の全体にわたるワックス浸透材をさらに含む、請求項17に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。ねじり作動が最大で30°/mmである、請求項18に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。前記2本諸撚りヘテロキラル糸が、前記2本諸撚りヘテロキラル糸の半分の範囲内のワックス浸透材をさらに含む、請求項17に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。ねじり作動が最大で12.6°/mmである、請求項20に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。前記第1のカーボンナノファイバー糸がホモキラルカーボンナノファイバー糸を含み、前記ホモキラルカーボンナノファイバー糸の第1の半分は前記複数の撚りを含み、前記ホモキラルカーボンナノファイバー糸の第2の半分は、非作動であり、前記ねじり戻しばねを含む、請求項14に記載のねじりナノファイバーアクチュエータ。

说明书全文

関連出願の相互参照 本出願は、2012年8月1日に出願された米国特許出願第61/678,340号、名称「Coiled And Non−Coiled Nanofibers Yarn Torsional And Tensile Actuators」、および2013年3月14日に出願された第61/784,126号、名称「Coiled And Non−Coiled Twisted Nanofiber Yarn And Polymer Fiber Torsional And Tensile Actuators」に対する優先権を主張するものであり、これらの特許出願は、本発明の所有者によって共同所有される。これらの特許出願は、全ての目的に対して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

政府権益 本発明は、本発明は、米空軍研究局によって授与された認可番号FA9550−09−1−0537およびFA9550−12−1−0211、米空軍によって授与された認可番号AOARD−10−4067、ならびに米海軍研究事務所によって授与されたMURI認可番号N00014−08−1−0654の下で、政府支援によってなされたものである。政府は、本発明において一定の権利を有する。本発明はまた、認可番号AT−0029によってRobert A.Welch Foundationからも支援された。

好適に繋がれたナノファイバー撚紡績糸および撚ファイバーは、液体電解質または固体電解質のいずれかの存在を必要とすることなく、高度に可逆的な、電気的に、光子的に、熱的に、または化学的に駆動されるねじりまたは引張作動を提供する。糸をコイル状にすることまたはファイバーをコイル状にすることは、糸もしくはファイバーの撚り掛けまたは諸撚りのいずれかにより、作動中に寸法を変化させるゲストを糸に充填するときに、アクチュエータの引張ストロークを飛躍的に増加させる。

電気的、化学的、熱的、または光子的エネルギーを機械的エネルギーに変換するアクチュエータ材料および機構は、1世紀以上にわたって探求されている。それにもかかわらず、人類は、生来の筋肉の不思議な特性を再現することに殆ど成功しておらず、大部分の先進の義肢、外骨格、および人型ロボットには、必要とされている能が極めて不足していることを意味している。

おそらく、極めて多くの根本的に異なるタイプのアクチュエータに対して、カーボンナノチューブ以外の他のいかなる材料も説明されていない。実証された電気駆動および燃料駆動のナノチューブアクチュエータは、最大で数パーセントのアクチュエータストローク、および生来の筋肉よりも数百倍高い応力の発生を提供する。ナノチューブシート内での電気化学ガスの発生を使用する、大ストロークの空気式ナノチューブアクチュエータが実証された。他の研究において、ナノチューブは、誘電体、イオン伝導体、光反応材料、形状記憶材料、および液晶ポリマーのような他の作動材料の応答を大幅に改善するために、電極として、または添加物として使用されている。 下記は、カーボンナノチューブに基づく、そのような多様なタイプのアクチュエータの例を提供する。2つのナノチューブ間の静電引力および斥力が、カンチレバーに基づくナノピンセット[P.Kim、C.M.Lieber、Science 286、2148−2150(1999)]、ならびに機械に基づくスイッチおよび論理素子[T.Rue ckes、K.Kim、E.Joselevich、G.Y.Tseng、C.−L.Cheung、C.M.Lieber、Science 289、94−97(2000);V.V.Deshpande、H.−Y.Chiu、H.W.Ch.Postma、C.Miko、L.Forro、M.Bockrath、Nano Letters 6、1092−1095(2006)]に使用された。マクロスケールにおいて、電気駆動のカーボンナノチューブアクチュエータ[R.H.Baughman et al.,Science 284、1340−1344(1999);U.Vohrer、I.Kolaric、M.H.Haque、S.Roth、U.Detlaff−Weglikowska、Carbon 42、1159−1162(2004);S.Gupta、M.Hughes、A.H.H.Windle、J.Robertson、J.Appl.Phys.95、2038−2042(2004)]、および燃料駆動のカーボンナノチューブアクチュエータ[V.H.Ebron et al.,Science 311、1580−1583(2006)]は、数パーセントのアクチュエータストローク、および生来の筋肉よりも数百倍高い応力発生を提供した。実証された大ストロークの空気式ナノチューブアクチュエータは、ナノチューブシート内での電気化学ガスの発生を使用した[G.M.Spinks et al.,Advanced Materials 14、1728−1732(2002)]。有機ポリマーとのカーボンナノチューブ複合材は、光反応アクチュエータ[S.V.Ahir、E.M.Terentjev、Nature Materials 4、491−495(2005)]、形状記憶アクチュエータ[H.Koerner、G.Price、N.A.Pearce、M.Alexander、R.A.Vaia、Nature Materials 3、115−120(2004)]、および電気機械アクチュエータ[S.Courty、J.Mine、A.R.Tajbakhsh、E.M.Terentjev、Europhysics Letts.64、654−660(2003)]を提供した。これまでの研究はまた、熱的に駆動される形状記憶材料としてのポリマー充填カーボンナノチューブ非撚糸の使用も実証したが、可逆作動は達成されなかった[P.Miaudet et al.,Science 318、1294−1296(2007)]。他の研究では、熱作動材料を電気加熱してカンチレバーの撓みを提供するために、分散カーボンナノチューブまたはナノチューブシートを使用した[A.T.Sellinger、D.H.Wang、L.−S.Tan、R.A.Vaia、Adv.Mater.22、3430(2010);L.Chen、C.Liu、K.Liu、C.Meng、C.Hu、J.Wang、S.Fan、ACS Nano 5、1588(2011);およびY.Hu、W.Chen、L.H.Lu、J.H.Liu、C.R.Chang、ACS Nano 4、3498−3502(2010)]。上で説明されるカーボンナノチューブ人工筋肉、ならびに従来技術の任意のタイプの人工筋肉には、大きな制限が存在する。そのような制限としては、応答の遅さ、発生ストロークもしくは力の少なさ、サイクル寿命の短さ、アクチュエータの応答におけるヒステリシス、電解質の使用、または動作の温度範囲の狭さ、および殆ど場合、(エネルギー変換効率の低さのような)これらのおよび他の制限のいくつかの組み合わせが挙げられる。

従来技術の筋肉が動作することができなかった極端な温度(ほぼ0K〜1900Kを超える)で動作することができる、カーボンナノチューブ人工エアロゲルシートに基づく人工筋肉が開発された。そのような人工筋肉は、ある方向において4×104%/sおよび250%を超え得るストローク速度およびストロークを提供し、また、同じ重量および長さの生来の筋肉の場合よりも30倍を超える大きさの力を発生する[A.E.Aliev et al.,Science 323、1575−1578(2009)およびA.E.Aliev et al.,PCT国際特許出願第WO2010/019942A2号(2010)]。残念なことに、そのようなカーボンナノチューブ筋肉は、一般的に、数千ボルトの印加電圧を使用し、また、重荷重を支持することができる筋肉を提供するために、厚さ方向に拡大することができない。

電気化学的に駆動される多層カーボンナノチューブ(MWNT)糸の筋肉[J.Foroughi et al.,Science 334、494−497(2011)]は、形状記憶合金[A.C.Keefe、G.P.Carman、Smart Mater.Struct.9、665−672(2000)]、強誘電体セラミック[J.Kim、B.Kang、Smart Mater.Struct.10、750−757(2001)]、または導電性ポリマー[Y.Fang、T.J.Pence、X.Tan、IEEE/ASME Trans.Mechatronics 16、656−664(2011)]に基づく従来のねじり筋肉よりも、長さあたり千倍を超える回転を発生することができる。作動撚紡績糸は、1.2秒で590回転/分までパドルを高速化し[J.Foroughi et al.,Science 334、494−497(2011)]、また、大型電気モーターの重量能力と同程度の糸重量あたりのトルクおよび機械動力の発生を提供することができる。しかしながら、これらの利点にはコストがかかる。作動は、電気化学二重層電荷注入中に、イオン流入によって発生する糸容積の変化によって生じるので、システム全体の重量性能が、電解質、カウンター電極、およびデバイスパッケージ化の必要性によって低下し、作動糸よりもはるかに多いアクチュエータ重量を加える。液体電解質もまた、動作温度および電圧、ならびに作動速度および展開の可能性を制限する。

いくつかの本発明の実施形態において、本発明は、引張およびねじり作動を生成する容積の変化を発生させるために、糸の中に固体ゲスト材料を使用することによって、電解質、カウンター電極、および特別なパッケージ化の必要性を排除する。本明細書で使用されるとき、「引張作動」という用語は、作動ステップ中にアクチュエータが長さ方向に伸長するか、収縮するかに関わらず、アクチュエータの長さ方向における作動を意味する。ハイブリッドナノチューブ筋肉において、撚紡績ナノチューブは、固体状態および溶融状態でこの作動ゲストを閉じ込め、ねじり作動および高められた引張作動を可能にする機械的強度および螺旋形の幾何学形状を提供する。糸アクチュエータ構造は、ねじりまたは引張作動を最大にするようにエンジニアリングされる。可逆的な作動は、電気的に、光子的に、または化学的に駆動される。

さらに、本発明の実施形態に関して、出願人は、高サイクル寿命、大ストローク、かつ高速ねじりおよび引張の人工筋肉の実証を提供した。すなわち、 (1)作動要素としてニートまたはハイブリッドなナノチューブ撚紡績糸だけを含む。 (2)いかなる電解質またはカウンター電極も必要とせず、低電圧で動作する。 (3)電気的に、化学的に、および光子的に駆動することができる。 (4)2百万を超える可逆ねじり作動サイクルを達成し、ハイブリッド糸筋肉は、平均11,500回転/分でローターを回転させる。この回転速度は、電気化学カーボンナノチューブ筋肉について我々が以前に実証したものよりも20倍速く、また、形状記憶合金、強誘電体セラミック、また導電性ポリマーに基づく以前の筋肉よりも20,000倍以上速い。 (5)(a)以前の電気化学ねじり筋肉よりも5倍高く、(b)大型電気モーターよりも僅かに高い、筋肉重量あたりの重量トルクを発生する。 (6)140万サイクル以上にわたって1,200サイクル/分で3%の引張収縮を達成する。 (7)生来の骨格筋肉よりも85倍高い、27.9kW/kgの筋収縮中の平均出力密度を達成する。作動および逆作動双方の場合を含めて、4.2kW/kgの収縮出力密度を実証したが、これは、一般的な内燃エンジンのパワーウェイトレシオの4倍である。 (8)10%の最大引張収縮を実証した。 (9)上記(3)〜(8)の実証は、撚紡績ナノチューブホストが容積拡大ゲストを閉じ込めているハイブリッド筋肉に関するものであるが、本発明の出願人はまた、白熱温度 まで電熱的に加熱されるニートなナノチューブ撚紡績糸のためのねじりおよび引張作動も実証した。これらのニートな筋肉は、7.3%の引張収縮を提供する一方で、他のいかなる高仕事容量アクチュエータも耐えることができない極端な温度で、重荷重を持ち上げる。 (10)実証は、ねじりモーター、収縮筋肉、および機械的に作動させるために感知プロセスのエネルギーを取り込むセンサを含む。

従来技術のナノファイバー糸筋肉と比較して、アクチュエータ性能を飛躍的に高めるために、複雑なコイル状ファイバーの幾何学形状を使用する。

いくつかの本発明の実施形態では、熱安定性の高さ、転移幅および温度の同調性、相転移および熱膨張に関連付けられる容積変化の大きさ、およびカーボンナノチューブを湿潤させるそれらの能力のため、カーボンナノチューブ糸のプロトタイプゲストとして、パラフィンワックスが使用される。そのようなワックスは、熱的または電熱的に駆動されるアクチュエータとして長い間研究され、商業的に展開されている。[E.T.Carlen、C.H.Mastrangelo、Journal of Microelectromech.Syst.11、165(2002)]。作動ワックスをカーボンナノチューブ糸のナノサイズ気孔の中に閉じ込めることによって、出願人は、従来の油圧および外部加熱システムを回避し、筋肉様の幾何学形状を直接使用しており、高い表面積/容積ならびに熱伝導性および電気伝導性が応答速度を高め、螺旋形の幾何学的形状がねじり回転および引張収縮の双方を可能にする。

いくつかの他の本発明の実施形態では、ねじり作動、引張作動、またはそれらの組み合わせを提供する高性能な人工筋肉を得るために、撚り挿入および随意にファイバーをコイル状にすることを、釣り糸および縫い糸に使用される高強度ポリエチレンおよびナイロンのような、通常のポリマーファイバーに適用する。本発明の実施形態のナノファイバー糸のように、(1)作動には電気化学プロセスが必要とされないので、電解質、カウンター電極、および特別なパッケージ化に対する必要性も排除され、(2)撚ったおよびコイル状のポリマーファイバーに対して、可逆的な作動を、電気的、光子的、熱的、または化学的に駆動することができる。

コストおよび性能はどちらも、大きな利点を撚およびコイル状ポリマーファイバーに提供する。形状記憶金属のワイヤは、電熱作動中に、巨大な応力および大ストロークを発生し、高速な収縮を提供することができるが、そのような人工筋肉は、非常に高価であり、一般的な高性能NiTiワイヤのコストは、約1400ドル/ポンドおよび1.50ドル/mである。対照的に、ポリマー筋肉の前駆体である市販のポリマーファイバーは、安価(一般的に2.50ドル/ポンド)であり、また、市販のファイバーを人工筋肉に変化するために必要とされるプロセス(導体の撚り挿入および随意の組み込み)は、安価である。

また、競合する形状記憶金属アクチュエータは、重く、ヒステリシス作動を提供するが、これは、印加荷重が一定であるときに、作動がサイクル内の履歴に依存するので、該アクチュエータを正確に制御することを困難にしている。熱的に駆動される形状記憶ポリマーファイバーおよびポリマー充填非撚カーボンナノチューブファイバーは、特大のストロークおよび収縮仕事容量を提供する[P.Miaudet et al.,Science 318、1294−1296(2007)]が、殆ど非可逆的な作動を提供する。有機導電性ポリマーの電気化学的に駆動されるファイバーも、大ストロークを提供するが、サイクル性が不十分であり、また、電解質閉じ込めシステムを必要とし、これは、システムの重量およびコストを増加させる。本発明の実施形態は、そのような問題の全てを排除する。

本発明は、ねじりおよび/または引張作動を生成するために人工筋肉としての役割を果たす、ナノファイバー撚紡績糸および撚り挿入したポリマーファイバーを含む。

本発明はさらに、電気的に、光子的に、熱的に、化学的に、または他の手段によって駆動されたときにねじりおよび/または引張作動を発生させる、ナノファイバー撚紡績糸および撚ポリマーファイバーを含むアクチュエータ(人工筋肉)を有する。そのような人工筋肉は、非コイル状またはコイル状の糸またはポリマーファイバーを利用し、ニートであること、またはゲストを含むことができる。本発明はまた、これらの人工筋肉を含むデバイスも含む。

上記では、以下の本発明の詳細な説明をよりよく理解し得るように、本発明の特徴および技術的な利点をかなり広く概説した。以下、本発明の特許請求の範囲の主題を形成する本発明のさらなる特徴および利点を説明する。当業者は、開示される概念および具体的な実施形態が、本発明の同じ目的を達成するために、改変のための、または他の構造を設計するための基礎として容易に用いられ得ることを理解されたい。当業者はまた、そのような同等の構造が、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲から逸脱するものではないことも理解されたい。

また、本発明は、以下の説明に記載される、または図面で示される構造の詳細に、および構成要素の配設にその用途が限定されないことも理解されたい。本発明は、他の実施形態に対応することができ、また、様々な方法で実践および実行することができる。また、本明細書で用いられる語法および用語は、説明を目的とするものであり、限定するものとみなすべきではないことも理解されたい。

本発明ならびにその利点のより完全な理解のために、以下、添付図面と関連してなされる、下記説明を参照する。

ナノファイバー糸を示し、両端部を繋いで完全に浸透させたホモキラル糸(図1A)、両端部を繋いで下半分を浸透させたホモキラル糸(図1B)、一端部を繋いで完全に浸透させたホモキラル糸(図1C)、および両端部を繋いで完全に浸透させたヘテロキラル糸(図1D)の引張荷重および随意のパドル位置を示す図である。ホモキラル糸とは、1つのキラリティ(糸の撚り方向とコイルの撚り方向とが異なり得る)を有する糸であり、ヘテロキラル糸は、異なるセグメントが反対のキラリティを有する糸である。描写されている糸は、それぞれ、コイル状糸、非コイル状糸、4本諸撚糸、および2本諸撚糸である。矢印は、熱作動中に観察されるパドルの回転方向を示す。赤色および緑色の糸端部アタッチメントは、繋ぎ目であり、それらが端部の回転を制止することを意味し、−赤色のアタッチメントも同様に、並進変位を制止する。カーボンナノチューブ糸を示し、パラフィンワックスを完全に浸透させたホモキラルコイル状糸(図1E)、ニートな2本諸撚糸(図1F)、およびニートな4本諸撚糸(図1G)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。フェルマー糸(図1H)、二重アルキメデス糸(図1I)、およびゲストを浸透させた4本諸撚りフェルマー糸(図1J)の理想的な断面を示す図である。

(図1Aの構成に関して)初期直径が130μmで、(前駆体シートスタックの長さあたり)およそ4,000ターン/mの撚りが挿入され、また、印加応力が6.8MPaの、両端部を繋いだコイル状ホモキラル二重アルキメデス糸に関する、パラフィンワックスの浸透前(黒色)および浸透後(赤色)の温度に対する引張作動歪みの依存性を測定したグラフである。挿入画:初期直径16μm、撚りがおよそ20,000ターン/m、および印加応力が4.8MPaの非コイル状フェルマー糸に関する、パラフィンワックスの浸透前(黒色)および浸透後(赤色)の対応する作動データ。閉じた記号および開いた記号は、それぞれ、温度を上昇させた場合、および降下させた場合である。

(図1Aの構成に関して)直径115μmで、およそ4,000ターン/mの撚りが挿入された、両端部を繋いだニートなコイル状ホモキラル二重アルキメデスカーボンナノチューブ糸に関する、印加電力の関数としての、真空における収縮中の電熱引張作動歪みおよび仕事容量のグラフである。挿入画:この糸に関する引張作動対推定温度(左側)、および10gの荷重を持ち上げている白熱糸の写真。閉じた記号および開いた記号は、それぞれ、温度を上昇させた場合、および降下させた場合である。

(図1Aの構成に関して)両端部を繋いだホモキラルの、パラフィンワックスを充填したカーボンナノチューブ糸に関する、電熱引張作動のグラフである。図3Aのデータは、14.3MPaの応力を提供した荷重を持ち上げている間、18.3V/cm、20Hzの矩形波電圧によって50%のデューティサイクルで駆動された、直径11.5μmで、およそ25,000ターン/mの撚りを有するコイル状フェルマー糸に関する、140万の可逆サイクル後の引張作動歪み対時間を示す。図3Bは、500msの周期を有する15ms、32V/cmの方形波電圧パルスによって3%のデューティサイクルで駆動したときの、109MPaの印加引張応力を有する図3Aの糸の場合の引張作動を示す。図3Dは、5.5MPaの引張応力を支持し、50msのパルス持続期間および2.5sの周期を有する15V/cmの方形波によって駆動されたときの、前駆体シートスタック長あたり3,990ターン/mの撚りが挿入された図3Cの糸に関する、引張歪対時間を示す。

図3Cは、異なるレベルの撚りが挿入された直径150μmの二重アルキメデス糸に関する、ジュール加熱(0.189V/cm)によって生成される、定常引張作動の応力依存性および収縮仕事(それぞれ、黒色および青色のデータ点)を示す。

両端部を繋いだ、パラフィンワックスを充填したカーボンナノチューブ糸に関する、電熱ねじり作動のグラフである。図4Aは、(図1Bの構成に関して)50%デューティサイクルおよび41MPaの印加荷重を使用して、15Hz、40V/cmの矩形波電圧によって励起したときの、長さ3.9cmで、半分浸透させたホモキラルフェルマー糸(直径10μmおよびおよそ22,000ターン/mの撚り)に関する、平均毎分回転数対サイクル数を示す。グラフ上の各点は、120サイクルにわたる平均速度を表す。挿入画:1つの全サイクルに関する回転および回転速度対時間。平均回転速度は、ほぼ2百万サイクルにわたっておよそ11,500回転/分であった。

図4Bは、図4Aの糸を使用するが、より重いパドルを展開したときの、異なる引張荷重に対する印加電力の関数としての、平均毎分回転数を示す。挿入画:応力51.5MPaの場合の、回転角および速度対時間。平均速度は、7,600回転/分であった。

図4Cは、(図1Dの構成に関して)スタック長あたりおよそ3,000ターン/mの撚りが挿入された、直径100μm、長さ6.4cmの完全に浸透させたヘテロキラル二重アルキメデス糸に関する、静的トルク対印加電力を示す。挿入画:トルク測定に使用されるグレコローマンカタパルトの構成(下部)、およびワックスを浸透させた糸の表面に適用されるパラフィンフレークの溶融温度を示す写真(左上)。

図1Aの構成のニートなホモキラルカーボンナノチューブフェルマー糸に関する、挿入された撚りの関数としての、引張作動のグラフである。各撚り角度について糸の測定長に正規化したときの、糸の収縮を得るために印加した定常電力は一定(85±2.6mW/cm)であったので、糸の重量あたりの入力電力も一定であった。機械的荷重は、繋がれていない糸についてSEMによって測定した直径13.5μmの糸に関して、一定であり、また、72MPaの応力に対応した。線は、視覚用のガイドである。

20,000の±500ターン/mの撚りが挿入され、パラフィンワックスを浸透させる前(それぞれ、17.5±0.5μmおよび16.4±0.9μm)および浸透させた後(それぞれ、18.1±0.9μmおよび16.2±1.1μm)にほぼ同じ直径を有する、ホモキラル非コイル状カーボンナノチューブフェルマー糸(図6A)および二重アルキメデスカーボンナノチューブ糸(図6B)に関する、印加応力に対する引張作動(左軸)および長さ(右軸)のグラフである。図1Aの構成を使用し、長さあたりの電力は、各荷重について35±2mW/cmになるように調整したが、パラフィンワックスの完全な溶融が起こった温度(約83℃)をはるかに超える温度まで作動を提供した。線は、視覚用のガイドである。

同上。

ねじりアクチュエータのために配置した平構成の具体例を示す図である。図7Aは、外側面との接触が、取り付けられた端部重量の回転を制止するが、それでも、この機械的荷重の上下運動を可能にする、両端部を繋いで部分的に浸透させた糸モーターの変形例を示す。

図7Bは、一端部を繋いで完全に浸透させた糸に基づくねじりモーターを示す。この場合、取り付けられた機械的重量は、回転および上下並進の双方を行うことができる。

温度の上昇および降下(それぞれ、開いた記号および閉じた記号)に関する、ニートなヘテロキラル2本諸撚りフェルマー糸の、ワックスを充填した後の真空中(青色の三角形)および空気中(青色の丸)の、電力の関数としての、定常状態のねじり回転を示す図である。挿入画は、ヘテロキラルSZ−ZS糸を作製するために結ばれた、SZおよびZSセグメントの構造を示すSEM顕微鏡写真である。パドルは、図1Dで使用した両端部を繋いだ構成のSZセグメントとZSセグメントとの間に設置した。線は、視覚用のガイドである。

測定装置を示す図(図9A)であり、また、25,000ターン/mの撚りが挿入された直径8μmのホモキラルフェルマーカーボンナノチューブ糸の場合の、アセトニトリルおよびヘキサンにおける糸の浸透深さに関して観察されるパドルの回転角度の依存性のグラフ(図9B)である。閉じた記号および開いた記号は、それぞれ、液体充填および除去に関するものである。線は、視覚用のガイドである。

同上。

非撚モノフィラメントナイロンファイバー(左側)、完全なコイル化を提供するために撚りを挿入した後の該ファイバー(中央)、およびSZ諸撚り後の該コイル状ファイバー(右側)の光学画像である。

フォレストから引き出したMWNTシートストリップを螺旋状に巻き付けたモノフィラメントナイロンファイバー(図11)、次いで、MWNTシートストリップを巻き付けた高度にコイル状のナイロンファイバーを提供するために撚りを挿入した(図12)走査電子顕微鏡(SEM)画像である。

同上。

図1Aの構成におけるコイル状ナイロンファイバー筋肉について、熱機械分析(TMA)が、低走査速度、温度中に、ヒステリシスを殆どまたは全く示さないことを示す図であり、これは、高走査速度での明瞭なヒステリシスが、ポリマーファイバーと熱電対温度センサとの間の温度遅延によるアーチファクトであることを示唆している。

筋肉に巻き付けたMWNTシートを使用して電熱的に加熱されているコイル状ナイロンファイバー筋肉について、百万サイクル以上の後で、アクチュエータのストロークにいかなる顕著な変化もないことを示す図である。ファイバーは、図12に示される構造を有し、図1Aのアクチュエータの構成を使用した。グラフは、両端部を繋いだコイル状糸を、1Hzで作動させて21.5MPaの荷重を持ち上げたときの、ストローク対サイクル数を表す。挿入画は、この印加荷重下で、非可逆的なポリマーのクリープがあること、および該クリープがサイクル数の増加とともに減少することを示す。各点は、1,000サイクルの平均を表す。

フォレストから引き出したMWNTシートストリップを二重螺旋状に巻き付ける前(図15A)およびその後(図15B)のコイル状ナイロンファイバーの光学顕微鏡写真である。

同上。

図15BのMWNTを巻き付けたコイル状ナイロンファイバーについて、該コイル状ナイロンファイバー筋肉の荷重が21.7MPaの引張荷重下にあるときの(a)印加電圧、(b)電気抵抗、(c)温度、および(d)発生した歪みの依存性を示す図である。図1Aの筋肉の構成を使用した。ファイバーの直径が大きく、加熱中に印加される電力が低く、また、ファイバーを冷却するための特別な受動的手段または能動的手段が配置されないときに該大径ファイバーに対する冷却が遅れるので、ファイバーの時間応答は遅い。

糸ゲストがシリコーンゴムである、コイル状二重アルキメデスカーボンナノチューブハイブリッド糸筋肉に関する、時間の関数としての作動を示す図である。電熱作動は、周期矩形波電気パルス加熱を使用することによって得たものであり、図1Aの筋肉の構成を使用した。

マンドレルを中心にファイバーをコイル状にするための装置の概略図であり、また、および主なプロセス変数、すなわち、マンドレル直径(D)、ファイバーに適用される長さあたりのターン数(r)、マンドレルに適用されるコイル化の長さあたりの撚り(R)、ファイバーに印加される力(F)、およびファイバーとマンドレルの軸との間の角度(θ)を示す図(図18A)、直径0.4mmのマンドレルに巻き付けることによってコイル状にした、直径860μmのナイロン6モノフィラメントの光学顕微鏡写真(図18B)、直径2.7mmのマンドレルに巻き付けることによってコイル状にした、直径860μmのナイロン6モノフィラメントの光学顕微鏡写真(図18C)である。

室温で収縮状態であり、一方で、50gの圧縮荷重を支持しているときの(図19A)、およびコイル長の可逆的な膨張を提供することによって該圧縮荷重を持ち上げるために熱風を使用して加熱した後の(図19B)、マンドレルに巻き付けたコイル状ナイロン6モノフィラメントファイバー(正の熱膨張を有する)を示す写真である。コイル状構造は、直径2.7mmのマンドレルに860μmのナイロン6モノフィラメントを巻き付けることによって作製した。

非撚ナイロンフィラメント(図20A)およびコイル状ナイロンフィラメント(図20B)の作動性能の熱機械分析(TMA)グラフである。図20A〜20Bは、それぞれ、アクチュエータを周期的に20℃と180℃との間で加熱および冷却したときに観察された、作動歪みを表す。図20A〜20Bの挿入画は、そのような条件下での対応する引張弾性率を示す。

同上。

コイル状SZナイロンファイバー筋肉を使用して作製した種々の編組構造の写真であり、これらは、ナイロンファイバーを撚って完全なコイルを生成し、次いで、コイル状ナイロンファイバーをSZ諸撚りして、トルクバランスさせた2本諸撚り構造を生成することによって製作される。図21Aは、非撚ナイロン6モノフィラメントに由来する4つのSZポリマーファイバー筋肉から作製した平坦な編組織物を示す。図21Bは、8つの無被覆SZナイロン6糸筋肉を編組することによって作製した、丸い編組ロープを示す。図21Cは、MWNTを被覆したSZナイロン6糸筋肉から作製した、丸い編組構造を示す。図21Dは、市販の銀を被覆したナイロン6,6マルチフィラメントファイバーをSZナイロン筋肉に変換することによって構築した、平織編組構造を示す。8つのそのようなコイル状SZ筋肉ファイバーを平織物の縦糸方向に組み込み、一方で、綿糸を横糸方向に組み込んだ。

ポリエチレンテレフタレートポリマーファイバーから編組されるマッキベン型編組に関する、非作動状態(図22Aの「オフ」状態)および電熱作動状態(図22Bの「オン」状態)の写真である。マッキベン型編組の中央に位置する図21Cの丸い編組ナイロン筋肉(8つの編組MWNTの被覆したSZナイロン筋肉で構成される)の電熱収縮作動が、マッキベン型編組を収縮させ、その小孔を開かせる。電熱作動の結果としての気孔領域の増加は、16%である。図22C及び22Dは、ノイズのない可逆的な電熱作動のための、1つのコイル状で両端部を繋いだ2本諸撚りでSZ撚りして銀を被覆したナイロンファイバー筋肉を使用することによって得られた、それぞれ、閉位置および開位置にあるシャッターを示す。シャッターは、ファイバー作動中に、閉位置(図22Cの垂直方向対して15°の薄板の傾斜)から90°(図22Dの全開位置)まで開く。

周囲温度の変化を使用したシャッターの可逆的な開閉のための、正の熱膨張を有する、マンドレルでコイル化したナイロン6モノフィラメントファイバーの使用を示す図である。図23Aは、室温で閉位置のシャッターを示し、図23Bは、およそ80℃の環境温度での開いた膨張状態のシャッターを示す(図23B)。中間温度への曝露は、中程度のシャッター閉鎖を提供する。

本発明は、唯一のまたは主要な作動材料としてナノファイバー撚紡績糸または撚りを挿入したポリマーファイバーを含む、機械的アクチュエータに関する。大部分の従来の機械的アクチュエータと異なり、作動材料の特性の変化が作動を引き起こす。この理由から、また、動作中の他の類似点のため、我々は、これらの機械的アクチュエータを人工筋肉と称する。

人工筋肉は、60年以上にわたって実際的関心事であるが、殆どのタイプが商業的に開発されなかった。代表的な問題としては、応答の遅さ、発生する歪み/力の低さ、サイクル寿命の短さ、電解質の使用、およびエネルギー効率の低さが挙げられる。我々は、高速で強力な大ストロークのねじりおよび引張作動を提供する、電解質を含まない筋肉として有用な位相的複雑さを有する、ゲストを充填したカーボンナノチューブ撚紡績糸を設計した。百万を超える可逆的なねじりおよび引張作動サイクルが実証され、筋肉は、平均11,500回転/分でローターを回転させ、または1,200サイクル/分で3%の引張収縮を提供する。この回転速度は、人工筋肉について以前に実証されたものよりも20倍高く、筋肉収縮中の27.9kW/kgの電力密度は、生来の骨格筋よりも85倍高い。電気的に、化学的に、および光子的に駆動される糸ゲストの寸法変化によるハイブリッド糸の作動は、螺旋形の糸ホストのねじり回転および収縮を発生させる。実証は、ねじりモーター、収縮筋肉、および機械的に作動させるために感知プロセスのエネルギーを取り込むセンサを含む。

本発明の実施形態の人工筋肉は、ナノファイバー撚紡績糸を含む。本発明の実施形態の目的で、「ナノファイバー」は、1000nm未満の最小側部を有するファイバーとして定義される。主に100nm未満または10nm未満のナノファイバーの最小横方向寸法を有する、電気的に相互接続されるナノファイバーのネットワークは、特に、異なる本発明の実施形態に有用であり得る。ナノリボンは、特定のタイプのナノファイバーであるとみなされる。

本発明の種々の実施形態の作製および/または使用を下で論じているが、本発明は、様々な具体的な文脈に組み込むまれ得る数多くの適用可能な発明的概念を提供するものであると認識されたい。本明細書で論じられる具体的な実施形態は、本発明を作製および/または使用するための単に実例となる具体的な方法であり、本発明の範囲を限定することを意図しない。

ナノファイバー撚紡績糸の構成および構造 アクチュエータ材料は、最適には、糸の形態であるか、または編組織物または編組もしくは諸撚り撚紡績糸等のナノファイバー撚紡績糸を含む材料の形態である、ナノファイバー撚紡績のネットワークを含む。種々のナノファイバーならびにナノファイバーの合成および製作プロセスは、異なるタイプのナノファイバーの混合物およびナノファイバーと他の材料との混合物であり得るように、有用に展開することができる。1つの重要な例として、特にハイブリッド作動糸について、静電紡績によって生成される配向されたナノファイバーは、静電紡績中またはその後に、糸に撚紡績することができる。別の重要な例として 、フォレストから引き出したカーボンナノチューブシートの中のナノチューブは、テンプレート(セラミックまたは金属等)としての別の材料で被覆することができ、次いで、作動糸を作製するために撚紡績することができる(ハイブリッド作動糸を作製するために、有用にゲストを浸透させることができる)[M.D.Lima et al.,Science 331、51−55(2011)]。意図する筋肉の展開に応じて、このプロセスのナノチューブテンプレートは、随意に、撚紡績の前またはその後に除去することができる。

それらの強度、電気伝導性、および機械的強度のため、カーボンナノチューブ(CNT)は、本発明の実施形態に特に好ましい。特に有用なタイプのCNTとしては、カーボン多層ナノチューブ(MWNT)、カーボン数層ナノチューブ(FWNT)、およびカーボン単層ナノチューブ(SWNT)が挙げられる。そのようなSWNTおよびFWNTは、ナノチューブの直径が、SWNTまたはFWNTをリボンに縮めさせるのに十分大きいときであっても、本発明の実施形態に有用である。

グラフェンシートのナノリボンを含むナノファイバー撚紡績糸は、本発明の実施形態を作動させるために特に有用である。高アスペクト比のナノファイバーとしてそのようなグラフェンリボンを作製するための1つの好適な方法は、カーボンナノチューブを解体することである[D.M.Kosynkin et al.,Nature 458、872−876(2009)]。この解体プロセスは、CNT配列(CNTシート等)が糸に撚紡績される前またはその後に達成することができる。

固体状態および液体状態の双方の処理方法を使用して、本発明に有用であるナノファイバー撚糸を生成することができる。有用な溶液紡績方法のいくつかの例は、ポリマー凝集に基づく紡績、およびポリマー凝集剤を含まない、溶液に基づく紡績方法である[B.Vigolo et al.,Science 290、1331(2000);L.M.Ericson et al.,Science 305、1447(2004);S.Kumar et al.,Macromolecules35、9039(2002);およびA.B.Dalton et al.,Nature 423、703(2003)]。本発明の実施形態に有用なナノファイバー撚糸を提供するために、糸の溶液紡績中またはその後に糸撚りを挿入しなければならない。加えて、溶液紡績の後に糸の中に残留する凝集剤(ポリマー等)を使用して溶液紡績する場合、一般的に、本発明の実施形態の撚紡績糸を作製するためにそのような糸を使用する前にそのような凝集剤を除去することが有用である。

撚糸を作製するために溶液紡績を使用する際のそのような複雑さ、ならびに溶液紡績のためのCNT分散中のCNT長さの低下のため、紡績に適したナノチューブアセンブリを直接もたらす、化学蒸着法が好ましい。液体中のCNTの分散を含まないそのような紡績方法は、液体が処理中またはその後に展開されるかどうかに関わらず、固体状態紡績と称される。結果として生じる糸は、全般的に、溶液紡績によって得られるニートな糸よりも強く、また、より高い撚りの挿入に適応することができる。最初のそのような固体状態紡績方法は、浮遊触媒を使用したナノチューブの化学蒸着(CVD)合成、およびその後の糸の引き出し、収集したCNTエアロゲルへの撚りの挿入を含んでいた[Y.Li、I.A.Kinloch、A.H.Windle、Science 304、276(2004)]。その後の、撚りに基づく紡績方法は、CVDによって基材上に合成されたナノチューブフォレストから引き出したナノチューブエアロゲルシートへの撚りの挿入を含んでいた。そのような撚り挿入は、CNTフォレストからのシートの引き出し中[M.Zhang、K.R.Atkinson、R.H.Baughman、Science 306、1358−1361(2004)]に、またはCNTフォレストからシートもしくはシートスタックを引き出した後[M.D.Lima et al.,Science 33 1、51−55(2011)]に行うことができる。

別途指示されない限り、実施例1〜9で説明される人工筋肉糸は、最初に以下の方法を使用して、非コイル状およびコイル状CNT撚紡績糸を作製することによって製作した。撚紡績糸を生成するための引き出し可能なカーボンMWNTフォレストは、カーボン前駆体としてアセチレン(C2H2)ガスを使用して、鉄触媒によって被覆したシリコンウエハ上に化学蒸着させることによって成長させた[M.Zhang、K.R.Atkinson、R.H.Baughman、Science 306、1358−1361(2004)]。高さおよそ350μmのフォレストの透過および走査電子顕微鏡(SEM)画像は、MWNTがおよそ9nmの外径を有し、約6つの層を含み、また、大きい束を形成することを示している。熱重量分析は、引き出したナノチューブの不燃性材料の量が1重量%未満であり、残留する触媒の量に上限を設けていることを示している。

小径および大径の糸を作製したが、撚りの挿入は、3つの異なるスクロール幾何学形状、すなわち、フェルマー、アルキメデス、および二重アルキメデスをもたらした[M.D.Lima et al.,Science 331、51−55(2011)]。小径の糸は、フォレストからのシートの引き出し中に対称形の撚りを挿入することによって、またはフォレストと1つの剛性端部支持体もしくは2つの剛性端部支持体との間に懸架される予め引き出したナノチューブシートに作製した。端部拘束の違いのため、これらの方法は、前者の場合のフォレストに接続されたシートについて、フェルマースクロール(図1H)を提供し、また、後者の場合について、二重アルキメデススクロール(図1I)を提供したが、ここでは、2つの剛性ロッド支持体を使用した。糸の直径は、引き出したフォレストの幅を約0.5cm〜約5cmで変化させることによって、約10μm〜約30μmに好都合に変動させることができる。さらに大きい直径の二重アルキメデス糸は、一般的に、剛性ロッド間で20〜40枚のMWNTシート(幅1.0cm〜2.5cmおよび長さ5〜17cm)を積み重ね、そして、電気モーターを使用して撚りを挿入し、一方で、シートスタックの一端部が、回転を制止するために繋いだ5gの錘を支持することによって製作した。長さ5cmのシートスタックを、二重アルキメデス構造を有する長さ4.5cmの糸に縮めさせるために、およそ150ターン必要であった。撚りの挿入中の非対称応力の導入は、そのようなフェルマー糸および二重アルキメデス糸をアルキメデス糸に変換することができる[M.D.Lima et al.,Science 331、51−55(2011)]。

フォレストからのシート引き出し中に直接紡績されたフェルマー糸を、浸漬駆動によるねじり作動、ポリジアセチレンハイブリッド糸筋肉、2本諸撚り糸筋肉、および非諸撚りワックス充填ねじり筋肉に使用した。図2Aの挿入画、図3A−3B、図4A−4B、図5、および図6A−6Bのフェルマー糸は、フォレストからある長さのナノチューブシートを引き出し、次いで、モーターおよび剛性支持体を介して、シートの一端部に撚りを挿入し、一方で、もう一方の端部をMWNTフォレストから自由に引き出すことを可能にすることによって製作した。別途注記のない限り、挿入された撚りは、最終的な糸の長さ対して正規化される。これらの他の事例について、殆どの場合において二重アルキメデス糸を形成するために撚りがシートスタックに挿入され、撚りは、シートスタックの長さに正規化した。

最終的な糸の長さあたりの挿入される撚りの量(T)および最終的な糸の直径(d)は、重要なパラメータであり、それらは、フェルマー糸について、糸表面のナノチューブの配向と糸の方向との間のバイアス角度(α)を決定する。別途指示されない限り、dおよびαはどちらも、解撚するのを制止するために張力下で両端部を繋いだ糸に関して、SEM顕微鏡検査によって測定した。フェルマー糸について、理論的関係α=tan−1(πdT)は、実現した糸構造の複雑な性質にもかかわらず、観測値と一致するが、撚りの挿 入中のシートのプリーツ加工等のプロセスのため、確率的要素を含む[M.D.Lima et al.,Science 331、51−55(2011)]。対照的に、(各アルキメデススクロールに撚りを提供する初期のターン数に対する)2つのアルキメデススクロールを二重アルキメデススクロールに諸撚りすることによって挿入されるターン数は、糸のエネルギー論の結論であるので、dおよびTだけからαを予測するための厳密な位相式は存在しない。糸の全てのセグメントが対応する構造レベルで同じキラリティを有する場合、その糸は、ホモキラルと呼ばれる。

撚り挿入の方向に従って、糸は、S糸またはZ糸に分類される(それぞれ、時計回りおよび反時計回りの撚りの挿入)。糸の全てのセグメントが対応する構造レベルで同じキラリティを有する場合、その糸は、ホモキラルと呼ばれる。これは、例えば、SZ2本諸撚り糸(諸撚りによるS撚りおよび各諸撚り内のZ撚りを伴う)がホモキラルであることを意味する。糸が同じ構造レベルで異なるキラリティを有するセグメントを有する場合、その糸は、ヘテロキラルと呼ばれる。ここに記載されているヘテロキラル糸について、異なるキラリティの糸セグメントは、本質的に互いに鏡像である(図8の挿入画を参照されたい)。

ここで使用される「挿入された撚り」という用語(あるときには、連結数と呼ばれる)は、内部の糸の撚りおよびコイル化による撚りの合計である。他の構造用語と同様に、「糸の直径」は、それがコイル状のまたは諸撚りした構造内にあり、それによって、「コイル状の糸の直径」または「諸撚りした糸の直径」と区別されるときであっても、構成要素の糸の直径を指す。

撚り掛けMWNT糸は、通常の織物糸、ゴムバンド、およびDNA分子に関して、(「よじれ」と呼ばれる)コイル化を引き起こす。出願人は、そのようなコイル化、ならびに諸撚糸におけるコイル化を、コイル化していない糸と比較して、引張ストロークおよび仕事能力を飛躍的に増幅させるために使用できることを発見した。コイル状糸(図1E)は、一般的に、糸がその元の長さの30〜40%に収縮するまで追加的な撚りを挿入することによって、定荷重下で、非コイル状の撚紡績糸から製作した。共通の方向で、幅9mm、長さ15cmの40枚のシートのスタックにおける撚りの挿入によって、4gの荷重下で作製した二重アルキメデス糸について、コイル化は、およそ580ターンで始まり、およそ620ターンの後に糸は完全にコイル化した。完全なコイル化が起こるまで撚りを挿入することで(糸の端部の近傍は除く)、糸の長さの60%の収縮を生成した。

4本諸撚り糸(図1Gおよび図1J)は、諸撚りのS撚りを4つの同じ並列配置し、S撚りした、単一諸撚りフェルマー糸に挿入することによって製作した。2本諸撚り糸(図1F)は、以下のように製作した、すなわち、約30%の追加のS撚りを、1メートルあたり20,000ターンの初期撚りを有する直径11μmのフェルマーS糸に挿入することによって、ZS糸を得た。次いで、この高度に撚った糸をそれ自体の上に折り畳み、よって、諸撚りによってS撚りの一部をZ撚りに変換した。SZ糸も同様に作製した。

コイル状糸という用語は、本明細書で、全般的に、このコイル化が(図1Eのような)単純な糸の撚り掛けまたは(図1Fの2本諸撚り糸および図1Gの4本諸撚り糸のような)糸の諸撚り等のプロセスの結果であるかどうかに関わらず、いくつかの糸の部分において少なくともほぼ螺旋形状を有する糸を指す。

用途の必要性に応じて、ナノファイバー撚紡績糸の製作に使用されるナノファイバーシートは、随意に、撚りの挿入前に高密度化することができる。また、撚紡績によって生成されるナノファイバー糸は、随意に、撚りの挿入後またはその間に高密度化することができる。シートの高密度化を引き起こすための特に好都合な方法は、液体浸透およびその後 の液体蒸発プロセスによる表面張力効果を使用することによるものである。

ナノファイバー、特にポリマーナノファイバーの電気紡績は、ハイブリッド糸筋肉のための有用なホストを提供するナノファイバー撚紡績糸への有用な代替の道筋を提供する。1つ本発明の実施形態において、そのようなナノファイバーは、最初に、文献[L.S.Carnell et al.,Macromolecules 41、5345−5349(2008);D.Li、Y.Xia、Advanced Materials 16、1151−1170(2004);P.Katta、M.Alessandro、R.D.Ramsier、G.G.Chase、Nano Letters 4、2215−2218(2004)];S.F.Fennessey、R.J.Farris、Polymer 45、4217−4225(2004)]で説明される電気紡績方法を使用して、配向されたナノファイバーのシートに電気紡績される。カーボンナノチューブシートの場合のように、そのようなナノファイバーシートを糸に撚紡績することができる。カーボンナノチューブ筋肉に使用されるゲストは、撚紡績前にシート上にゲストを蒸着させることによって、または撚紡績後にゲストを組み込むことによって、ホスト糸内に提供することができる。

紡績中に撚りを糸に導入するために、種々の既知の撚り挿入方法を使用することができる。そのような方法としては、リング紡績、ミュール紡績、キャップ紡績、オープンエンド紡績、ボルテックス紡績、および疑似撚紡績技術が挙げられるが、それらに限定されない[E.Oxtoby、Spun Yarn Technology、Butterworths、1987、およびC.A.Lawrence、Fundamentals of Spun Yarn Technology、CRC Press、2002]を参照されたい。

ナノファイバーを含む撚紡績糸は、選択された本発明の実施形態に特に有用である。1つの理由は、ナノスケールで起こる巨大な界面エネルギーにおいて、ハイブリッド糸筋肉における溶融ゲストの好都合な閉じ込めを可能にすることである。例えば、作動ワックスを充填した糸の中の溶融ワックスが冷却されたときに微小な容積の減少ΔVw/Vwを受けると考える。糸の容積が減少することなくこのワックスの容積の変化が起こった場合、ナノチューブ−パラフィンの界面エネルギー(γnp)は、(γna−γnp)(ΔVw/Vw)Anのエネルギーコストで、ナノチューブ−空気の界面エネルギー(γna)と置き換えられる。式中、Anは、ナノチューブの重量表面積である。約18mJ/m2のγna−γnp[R.Zhou et al.,Nanotecnology 21、345701(2010)]、約97m2/gのAn[P.Potschke、S.Pegel、M.Claes、D.Bonduel、Macromol.Rapid Commun.28、244(2008)]、および約0.2のΔVw/Vwを使用すると、液体ワックスの容積の増加につれてナノチューブ糸を圧縮するために、約0.35kJ/kgのエネルギーが利用可能である。加熱および対応するワックスの膨張によるその後の糸の作動中に、この糸の弾性エネルギーが段階的に放出され、それによって、−観察されるように−作動サイクル全体にわたって溶融ワックスと糸の容積との間の一致を維持する。この分析は、糸の表面の過剰なワックスならびにワックスの蒸発が引張ストロークを減少させることを正しく予測している。

超大径および超小径のナノファイバー撚糸はどちらも、本発明の実施形態に有用である。しかしながら、(1)全般的に、糸の直径の増加とともに糸の表面積対容積の比率が減少するにつれて、熱作動を逆にするための周囲空気中での自己冷却速度が増加すること、および(2)ナノファイバー糸の荷重担持能力は、全般的に、糸の直径の増加とともに増加すること、を認識されたい。直径約4μm〜約50μmの単一諸撚りカーボンナノチューブ糸は、高さ約400μmのカーボンナノチューブフォレストから直接撚紡績すること ができ、フォレスト高さの増加およびフォレスト密度の増加は、所与の幅のフォレストを紡績することによって得ることができる糸の直径を増加させる。高さ約400μmのカーボンナノチューブフォレストからのシートは、直径数百ミクロンの単一諸撚り糸を生成するために、予め引き出し、スタックし、次いで、撚紡績することができる。そのような直径は、撚りの挿入前に、糸を諸撚りすることによって、およびゲストを組み込むことによって飛躍的に増加させることができる。特殊な手法を使用することによって、直径約100nmまでのカーボンナノチューブ糸を、カーボンナノチューブフォレストから撚紡績することができる[W.Li、C.Jayasinghe、V.Shanov、M.Schulz、Materials 4、1519−1527(2011)]。また、ミクロンスケールおよびより小さいスケールの本発明の実施形態の用途については、2本のナノワイヤの自己撚りで、ナノスケールの諸撚糸構造を生成することができることも重要である[X.Y.Ji、M.Q.Zhao、F.Wei、X.Q.Feng、Appl.Phys.Lett.100、263104(2012)]。

調査した引張およびねじりアクチュエータは、ハイブリッド糸の構造を安定させるために、それによって、その後の2百万を超えることもある可逆的な作動サイクルの評価中の、高度に可逆的な動作を可能にするために、少なくとも30の初期トレーニングサイクルを受けた。熱的に駆動される筋肉の場合、そのようなトレーニングサイクルは、一般的に、筋肉が展開される場所の最高温度までであった。

ナノファイバー糸筋肉へのゲストの組み込み ゲスト作動材料をホスト糸に組み込むための方法としては、例えば、溶融および溶液浸透(その後に原位置重合化を行うことができる)、ならびにバイスクローリングが挙げられ、ゲストは、撚りの挿入前にMWNTシート上に蒸着される[M.D.Lima et al.,Science 331、51(2011)]。ハイブリッドカーボンナノチューブ糸を作製するために使用される方法のいくつかは、実施例1〜4で説明される。パラフィンワックスは、熱安定性の高さ、転移幅および温度の同調性、相転移および熱膨張に関連付けられる容積変化の大きさ、およびカーボンナノチューブ糸を湿潤させるそれらの能力のため、好適なゲストである。

いくつかの本発明の実施形態に適用されるように、バイスクローリング方法[M.D.Lima et al.,Science 331、51−55(2011)およびM.D.Lima et al.,PCT特許出願第WO2011005375(A2)号]は、(1)フォレストからの直接撚りに基づく紡績によって生じるカーボンナノチューブシートウェッジ上への、または(2)フォレストからのシート引き出しによって得られた自己懸架ナノチューブシートまたはシートスタック上へのゲスト材料の蒸着を含む。種々のホストナノファイバーウェブ(すなわち、シート)も、上記の1.0項で説明されるように、有用に展開することができる。ゲスト材料の蒸着は、ゲストおよびホストの層状スタックをもたらすことができる従来の方法を使用して達成することができる。より全般的には、本発明の実施形態に有用であるナノファイバーウェブは、カーボンナノチューブ以外のナノファイバーを含むことができ、そのようなウェブは、静電紡績等のシート引き出し以外のプロセスによって生成することができる[L.S.Carnell et al.,Macromolecules 41、5345−5349(2008);D.Li、Y.Xia、Advanced Materials 16、1151−1170(2004);P.Katta、M.Alessandro、R.D.Ramsier、G.G.Chase、Nano Letters 4、2215−2218(2004)];S.F.Fennessey、R.J.Farris、Polymer 45、4217−4225(2004)]。

本発明のいくつかの実施形態では、好ましくは、液体含まない蒸着が使用される。静電 粉末被覆ガンを使用した、キャリアガスからナノチューブウェブ(すなわち、シートまたはシートウェッジ)上へのゲストの静電蒸着は、高速かつ制御可能であり、−帯電したゲスト粒子と接地または逆帯電したターゲットウェブとの間の引力は、蒸着領域にわたるゲスト粒子の均一な蒸着層の形成を補助する。

他の液体を含まないバイスクローリングプロセスは、電子ビーム蒸発によるゲスト材料の蒸発、スパッタリング、化学蒸着、プラズマCVD、乾燥粉末エアブラシ蒸着、またはガスの反応によるそれらの形成直後のガス分散ゲストナノ粒子の蒸着を含む。

電気泳動析出、ゲストナノ粒子を取り込むためにフィルタとしてナノチューブシートスタックを使用する溶液濾過に基づく蒸着、ドロップキャスティング、およびインクジェット印刷等の、液体状態および擬似液体状態のゲスト蒸着も有効である。

ゲストのインクジェット印刷は、1μg/cm2等の低い面密度を有する自己支持の個別ナノチューブシートの場合にも有効であり、また、1つ以上のゲスト材料のパターン化された蒸着を提供するために好都合に使用することができ、−それによって、糸の長さおよび糸の直径に沿ったゲストの組成の操作された変動につながる。そのような不均一なゲスト蒸着は、糸の長さに沿った作動を変動させるために使用することができる。

濾過方法では、(a)固体状態で製作したナノチューブシートストリップを濾紙の上に配置し、(b)液体分散ナノ粒子/ナノファイバーを濾過によってナノチューブストリップ上に蒸着させ、(c)濾紙を溶媒によって溶解し、そして(d)二層リボンスタックに対する撚りに基づく紡績を液体槽中で達成した[M.D.Lima et al.,Science 331、51−55(2011)]。この方法は、超音波処理等によって液体分散させることができる任意のゲストナノ材料について実践することができる。

シートまたはシートウェッジの片側の均一な被覆が、(一方のシートエッジに隣接する等)シート表面の一部分だけに行ったゲストの被覆と置き換えられ、単一のアルキメデススクロールが肉眼的に観察されるように撚りが非対称的に適用されたときに、コア−シェルの糸構造は、(選好的に応力が加えられたウェッジに部分的に依存して)ゲストがコアまたはシェルのコリドーにだけあるような結果になる[M.D.Lima et al.,Science 331、51−55(2011)]。第1のゲストによって覆われないシート領域上に第2のゲストを蒸着させることによって、第2のゲストは、糸のシースを塞ぐことができ、一方で、第1のゲストは、糸のコアを塞ぐ。このコア−シースバイスクローリング技術[M.D.Lima et al.,Scienci 331、51−55(2011)]は、燃料駆動される引張およびねじり筋肉を作製するために本発明の実施形態に展開される。熱を生成するために燃料および酸化剤の反応を可能にする触媒は、好ましくは、糸のシースにあり、加熱されたときに容積が変化するゲストは、好ましくは、糸のコアにある。

熱的に、電熱的に、および光熱的に駆動される撚紡績筋肉のための、容積が変化するゲストの選択は、固体状態の相転移、固体溶融相転移、および相転移領域から除去される温度領域における固体状態および液体状態の熱膨張係数による容積の変化に応じて行われる。パラフィンワックスは、温度、および熱的な寸法変化の鋭さの双方が高度に調整可能であるという利点を提供する。また、これらのワックスは、非中毒性でもある。ポリエチレングリコールおよび脂肪酸のような他の長鎖分子も、有用に展開することができる。そのような分子、および熱エネルギー貯蔵のために展開可能である分子[S.Mondal、Applied Thermal Engineering 28、1536−1550(2008)]等は、相転移の高いエンタルピーが、通常、大きい容積変化と関連付けられるので、撚紡績筋肉におけるゲストとして使用することができる。関連付けられる大き い容積変化を有することができる固体状態の転移によって無秩序な回転が導入されるので、有機回転子結晶(そのような長鎖分子のいくつかを分類することができる)が有用である[J.M.Pringle、P.C.Howlett、D.R.MacFarlane、M.Forsyth、Journal of Materials Chemistry 20、2056−2062(2010);G.Annat、J.Adebahr、I.R.McKinnon、D.R.MacFarlane、M.Forsyth、Solid State Ionics 178、1065−1071(2007);J.Font、J.Muntasell、E.Cesari、Materials Research Bulletin 30、839−844(1995)]。低揮発性のため、イオン結晶であるプラスチック結晶が特に有用である。比較的低い温度での作動に関する1つの例は、テトラエチルアンモニウムジシアナミドであり[J.M.Pringle、P.C.Howlett、D.R.MacFarlane、M.Forsyth、Journal of Materials Chemistry 20、2056−2062(2010);G.Annat、J.Adebahr、I.R.McKinnon、D.R.MacFarlane、M.Forsyth、Solid State Ionics 178、1065−1071(2007)]、これは、17〜20℃で起こる固体状態の相転移で、急激な5.7%の容積膨張を受ける。

ゲスト材料を液体の形態で調製し、後で固体化させることができる用途では、依然として低い程度の挿入された撚りを有するときにナノファイバー糸を浸透させることが有用である。これは、低撚ナノファイバー糸が撚りの挿入によって依然として完全に高密度化されていないので、ナノファイバー間には比較的多量の空隙容積があり、好都合である。この大きい空隙容積(総糸容積のパーセントとして測定したもの)は、糸ゲストの大きい体積パーセントの組み込みを可能にし、それによって、作動を増幅する。この低撚浸透法は、例えば、ナノファイバー撚糸に前駆体液体樹脂として吸収され、次いで、ポリマー化されるナノファイバー糸ゲストに、または溶融状態である間にナノファイバー撚糸に浸透され、次いで、固体化されるポリマーまたはポリマー混合物に適用することができる。樹脂の硬化後またはポリマーの固体化後に、ゲストを充填した糸が依然として十分な柔軟性を保持している場合、該糸を完全にコイル状にするために、より多くの撚りを、それによって得られるハイブリッド糸に印加することができる。ホストナノファイバー糸をコイル状にした後にゲスト材料が適用される場合、糸ではさらに少ない空隙しか利用することができなくなり、したがって、組み込むことができるゲスト材料がより少なくなる。95%のシリコーンゴムを含有する二重アルキメデス糸は、このようにして調製した(実施例21)。シリコーンゴムは、熱、電熱、または光熱作動に対して大きい有効作動温度範囲(−55℃〜300℃)および大きい直線的熱膨張(3×10−4/K)を有するので、ハイブリッド糸に基づく引張アクチュエータのゲスト材料として非常に適している。この低撚浸透方法を使用して組み込むことができるゲスト材料の高い容積パーセントのため、非常に大きいアクチュエータストロークを得ることができる。この低撚浸透方法を使用することで、シリコーンゴムゲストを含有するコイル状カーボンナノチューブ糸の電気パルス加熱について、5MPaの引張荷重下で最高34%の引張収縮が得られた(図17)。

ハイブリッドナノファイバー糸筋肉は、随意に、(a)コイル化に必要とされるよりも少ない撚りを挿入し、(b)溶融ポリマーまたは未硬化ポリマー樹脂を浸透させ、(c)ポリマーを固体化するまたはポリマー樹脂を硬化させ、そして(d)糸のコイル化を引き起こすのに十分な撚りを挿入するプロセスによって作製することができる。実際に、溶融ポリマーまたは未硬化ポリマー樹脂を浸透させる前に挿入される撚りは、全てまたは大部分を、一方向に撚り、次いで、反対方向に解撚することによって得られるような、疑似撚りとすることができる。

それによって非コイル状およびコイル状シリコーンゴム糸について達成されるシリコー ンゴムの重量パーセントは、約95%であった。2g/cm3未満の密度を有するゲストを含有するハイブリッドナノファイバー糸について、ゲストが充填される好適な容積は、約50%を超え、より好ましくは、ゲストが充填される容積は、約85%を超える。また、液体ゲストまたは液体ゲスト前駆体をホスト糸に浸透させる事例において、ゲストが充填される好適な容積は、約50%を超え、より好ましくは、ゲストが充填される容積は、約85%を超える。しかしながら、用途の必要性がハイブリッド糸のストロークを高めることではなく、ハイブリッド糸の強度を高めることである場合、より低い容積パーセントのゲストの充填を有用に展開することができる。容積重量は、糸ゲストに浸透させる前に撚ったホストナノファイバー糸に挿入される撚りの程度を変動させることによって、用途の必要性に従って変更することができる。

引張およびねじり作動に対する作動糸の構成ならびにキラリティの効果 本発明について行われる実験、および実験結果を説明するために理論的分析に基づいて、我々は、糸に関するねじりまたは引張作動を最適化する構成を説明することができるが、該構成は、(1)ゲストの浸透が糸全体または糸の長さの半分に沿って行われること、(2)糸が、ホモキラル(1つのキラリティ)であるか、またはヘテロキラル(反対のキラリティを有する等しい長さのセグメントを伴う)であること、および(3)浸透させた全ての糸が同じ作動条件を受けること、を除いて同じである。それらの相互接続部にローターを有する、反対のキラリティの糸セグメント(SおよびZ等)(図1D)は、回転を提供するためにそのようなセグメントを加算的に動作させるので、パドルに対する初期トルクを最大にする。図1Cの一方を繋いだ構成は、図1Dの構成の2倍のねじり回転を提供するが、初期トルクは半分であるので、どちらの構成も、等しいねじり仕事容量を提供する。両端部を繋いだホモキラル糸(図1B)の1つのセグメントの作動は、作動糸を解撚するときに非作動糸を撚るエネルギーコストのため、図1Dのヘテロキラル糸よりも少ない回転を発生する。図1Cの構成のように、非諸撚糸を有する図1Dの構成は、他の糸セグメントにおいてS撚りがZ撚りを打ち消すことを防止するために、固体ゲストによって内部的に拘束されない限り、可逆的な作動を提供しない。そのような同じ構成は、特に糸のコイル化をもたらす撚りを含む、撚りが挿入されたポリマー糸によってねじりまたは引張作動が提供される、本発明の実施形態に有用に展開することができる。

より詳細な分析は、最初に、ねじり作動について提供される。図1Cのホモキラル作動糸が、初期温度から最終的な作動温度まで加熱されたときに、糸の長さあたりの回転Δθ(度/mm)を発生すると考える。繋いだ端部から糸の自由端までの任意の距離xでの回転は、φ(x)=xΔθであり、パドルが位置する糸の端部でφ(L)=LΔθである。図1Dでセグメント長さL/2を有するヘテロキラル糸の、糸の中間点でのパドルの回転は、図1Cのホモキラル糸の端部に懸架されるパドルの回転の半分になる。しかしながら、S糸およびZ糸の双方が図1Dのパドルに対して等しいトルクを提供するので、この構成においてパドル回転を加速する初期トルクは、図1Cのホモキラル構成の初期トルクの2倍になる。それでも、このトルクは、図1Dのヘテロキラル糸の場合にはLΔθ/2回転の後に、また、図1Cのホモキラル糸の場合にはLΔθ回転の後に消滅するので、どちらの場合においてもねじり仕事を達成する能力は同じである。

組み合わせたねじりストロークおよびねじり仕事能力の観点から、図1Bの半分浸透させたホモキラル糸構造は、最も劣った性能を提供する。作動糸セグメントを解撚することによって発生するねじり回転の半分は、非作動糸セグメントを撚り上げるために使用しなければならないので、作動中のL/2作動長さによって生成されるパドルの回転は、LΔθ/4だけであり、この回転が起こったときに正味トルクが消滅する。この半分浸透させた図1Bの構成が、ゲストの溶融点未満のねじり作動を最適化しない場合であっても、ねじり戻しばね(ナノファイバー糸である必要はない)を有するこの構成および類似する構成は、ゲストの完全溶融温度を超えたときに高度に可逆的なねじりおよび引張作動の双方 を提供することができる単一の諸撚糸のための唯一の構成である。

しかしながら、高度に可逆的なねじりおよび引張作動の組み合わせは、糸が2本諸撚りである場合にゲストが完全に溶融したときであっても、図1C〜1Dの構成について得ることができる(糸の中のS撚りは、ZS糸のための撚りのため、Z撚りを伴い、反対のことがZS糸にも当てはまる)。この可逆性の起源は、諸撚りのため増加した撚りを提供するように糸が作動したときに、諸撚糸のそれぞれの撚りを同時に減少させ、それによって、可逆性を維持するように作用する復元力を提供することである。

本観察は、単一諸撚り作動糸セグメントが作動中に収縮するにつれてそれらが解撚することを示しているので、引張収縮を最大にする糸の構成は、ねじり作動を最大にする構成ではない。ΔL/Lの引張収縮を提供する、図1Aの両端部を繋いだ作動糸を考える。図1Cのように繋ぎを解いたときに、作動中のホモキラル糸が解撚することで、引張収縮を部分的に打ち消す伸長を提供する。作動糸セグメントの解撚中の膨張は、非作動糸セグメントの撚り上げ中の収縮によって補われるので、この望ましくない伸長は、図1Bの両端部を繋いで半分浸透させた糸を使用することによって回避することができる。図1Dのヘテロキラル糸の構成は、作動中に双方の糸セグメントが解撚し、それによって、熱作動中の所望の収縮を部分的に打ち消す伸長を提供するので、特に糸の直径およびねじり回転が大きいときに、容積膨張ゲストの引張性能を減少させた。

定荷重下で撚りを挿入している間のフェルマー糸の収縮に関する実験は、非コイル状カーボンナノチューブ糸を生成するために撚りを挿入した端部付近で、引張歪と挿入された撚りとのパーセント比率(長さ1mmあたりの角度)が、−0.231d%/mm°であることを示し、ここで、dは、糸の直径である。糸のバイアス角度が22〜32°であり、糸の直径が9.6〜15μmである場合のそのような測定値は、(図1Cまたは図1Dの構成において)100°/mmのねじり回転を受ける直径10〜100μmの単一諸撚りフェルマー糸が、それぞれ、0.23%および2.3%の解撚のため、引張膨張成分を低下させることが予想される。単一諸撚り撚紡績糸に関する引張作動の場合のように、図1Aおよび図1Bの構成だけが、作動中にゲストが完全に流体になったときに、完全に可逆的な引張作動を維持することができる。

糸セグメントの長さが等しく、ローター(すなわち、パドル)が糸の中央または糸の端部にあるという上の仮定は、上の考察に対するあらゆる不必要な複雑さを回避するために行ったものである。用途の必要性応じて、ローターは、糸の中央にある必要はない。実際に、多数のローターを糸長に沿って展開することができる。加えて、非作動糸の長さは、多くの場合において、ねじり戻しばねだけとしての役割を果たすので、そのような非作動糸の長さは、ナノファイバーを含まない糸またはファイバーを含む種々の材料で作製される、ねじり戻しばねと置き換えることができる。最終的に、異なる糸セグメントが作動される事例について、そのような糸セグメントは、反対のキラリティを有する必要がないか、または同じ材料で作製する必要もない。例えば、一方の作動する2本諸撚り糸セグメントは、Z糸撚りおよび糸諸撚りのS撚りを有し得、一方で、もう一方の作動する2本諸撚り糸セグメントは、S糸撚りおよび糸諸撚りのS撚りを有することができる。別の例として、一方の作動するセグメントは、n本諸撚り糸であり得、もう一方の糸セグメントは、m本諸撚り糸であり得る(ここで、nおよびmは、異なる正の整数である)。実際に、作動糸は、随意に、熱作動する形状記憶ポリマーまたは形状記憶金属ワイヤ等の、作動非糸セグメントを含むことができる。同様に、撚ポリマーファイバー筋肉は、随意に、他のタイプの筋肉と組み合わせることができる。

図1A〜1Dの構成は、作動中に一定の引張荷重を示すが、多くの実際的用途において、引張荷重は、作動中に変動する。これは、例えば、そのような構成での一定の機械的引 張荷重に対する糸筋肉の取り付けが、その反対側の端部が自由に並進しないばねへの糸筋肉の取り付けと置き換えられる場合に当てはまるであろう。このばねは、片持ちばねを含む、種々のタイプとすることができる。

また、図1A〜1Dの構成は、ローターのねじり変位、引張変位、またはそのような変位の組み合わせを可能にするように設計されているが、糸筋肉はまた、ねじり変位または並進変位の提供を必要とすることなく、トルクを提供するために、または力を発生させるために有用に展開することもできることを理解されたい。

ナノファイバー糸筋肉の性能 調査した引張およびねじりアクチュエータは、ハイブリッド糸の構造を安定させるために、それによって、その後の2百万を超えることもある可逆的な作動サイクルの評価中の、高度に可逆的な動作を可能にするために、少なくとも30の初期トレーニングサイクルを受けた。作動糸のカタパルトとしての使用の説明(実施例12、および最大発生トルクの関連する特徴付け)ならびに実施例18および実施例19の結果を除いて、全てのアクチュエータの測定は、等張であり、それは、作動中に一定の機械力が糸に印加されたことを意味する。報告された重量仕事および電力能力は、作動糸の総重量に対して正規化される。実施例5〜19および実施例21のアクチュエータの測定結果は、撚カーボンナノチューブ糸に関するものである。

実施例5は、ゲスト(本実施例ではパラフィンワックス)を浸透させたときに、糸のコイル化が、全ての糸について熱引張収縮を大幅に高めることを示した。3.8MPaの引張応力下でニートなコイル状糸を周囲温度から白熱温度(約2,560℃)まで加熱することで、0.16kJ/kgの仕事能力に相当する7.3%の可逆的な糸の収縮を提供した(図2B)。

実施例6は、電熱作動中にその自重を17,700回持ち上げた、両端部を繋いでパラフィンワックスを充填したコイル状フェルマー糸を使用した、140万を超えるサイクルにわたって、1分あたり1,200サイクルおよび3%のストロークが実証されたことを示した(図3A)。十分に分離させた25msのパルスを印加することで、一般的な内燃エンジンのパワーウェイトレシオの4倍である4.2kW/kgの平均電力出力で、この収縮中に、1.58%の初期収縮および0.104kJ/kgの機械的エネルギーを得た。

実施例7は、印加電圧および機械的荷重を増加させ、一方で、電熱作動に使用されるパルス持続期間を減少させることによって、引張アクチュエータとしての実施例6の糸筋肉の性能を最適化することができることを示した。この実施例7の図3Bは、15msにわたって32V/cmが印加されたときに、30msで糸がその質量を175,000回持ち上げた、一連の作動を示した。収縮中の仕事(0.836kJ/kg)は、27.9kW/kgの電力出力を提供したが、これは、哺乳類の骨格筋のピーク出力(0.323kW/kg)の85倍であり、また、以前のカーボンナノチューブ筋肉の最大測定電力密度の約30倍である[J.Foroughi et al.,Science 334、494(2011)]。

実施例7および図3Cは、ワックスハイブリッド糸の収縮中にストロークまたは仕事を最大にする、最適な量のコイル化があることを示した。中間撚りを有するコイル状フェルマー糸について、5.7MPaの応力で、5.6%の最大収縮が観察された。コイル状糸にさらに6.8%の撚りを加えることで、最大収縮応力(5.1%の歪みについて16.4MPa)および最大測定収縮仕事(84MPaで1.36kJ/kg)を増加させたが、これは、生来の筋肉の仕事容量の29倍である。十分に分離させた50ms、15V/ cmパルスを印加することによって、直径150μm、部分的コイル状の二重アルキメデス糸について、5.5MPaの応力下で10%の収縮が実現された(図3D)。この糸の断面積は、図3Aおよび図3Bの糸の断面積よりも170倍大きく、周囲空気中での受動的冷却はあまり効果的ではなく、冷却時間は、約25msから約2.5sに増加し、その結果、加熱および冷却時間の双方を考慮したときに、低い収縮電力密度(0.12kW/kg)をもたらす。

図1Aの構成のニートなフェルマー糸に関する実施例8は、撚りの重要性および電熱収縮に関する結果として生じるバイアス角度の増加を示した(図5)。

実施例9糸の中間点でパドルを回転させた、直径10μmの両端部を繋いで半分をワックスに浸透させたホモキラルフェルマー糸(図1Bの構成)に関する、2百万サイクルにわたる超高速で高度に可逆的なねじり作動を実証した。ハイブリッド糸は、1分あたり全サイクル平均11,500回転に対して、−最初に一方向へ、次いで、反対方向へ−、16.5倍重いパドルを加速した(図4A)。作動温度がワックスの完全な溶融温度をはるかに超えていたが、ねじり戻しばね(図1Bの非作動糸セグメント)の存在のため、高いサイクル寿命をもたらした。図4Bは、高度に可逆的な百万サイクルにわたって150倍重いパドルを回転させた類似する糸に関して、入力電力および印加引張荷重に対するねじり回転の依存性を示す。荷重を増加させることで、回転速度が、平均5,500回転/分から最大平均7,900の回転/分まで増加した。電気加熱を100Wの白熱ランプからの光パルスを使用した加熱と置き換えることによって、半分ワックスに浸透させた糸に関して、可逆的なねじり作動(12.6°/mm)も駆動した。

実施例10は、両端部を繋いだホモキラル糸のねじり作動に対するワックス浸透の効果を特徴付けたものであり、糸の半分が作動し、もう半分は、大部分がねじり戻しばねとして機能する。ワックスを含有する糸の構成は、図1Bの場合と全く同じであり、また、電力が糸の長さの半分だけに印加されたことを除いて2つの糸セグメントが同等であることだけが非浸透糸の構成と異なる。これらの比較実施例では、同じ機械的荷重が印加され、作動を達成するために使用した電圧は、同じであった。いくつかのねじり作動回転が、ニートな糸について観察されたが(4.9°/mm)、この回転は、その後にパラフィンワックスを糸セグメントの1つに浸透させたときに観察された71.2°/mmの電熱ねじり作動と比較して低かった。

実施例11は、(非諸撚りヘテロキラル糸の代わりに)2本諸撚りヘテロキラル糸の使用が、図1Dの構成について、可逆的な電熱ねじり作動を可能にすることを実証した。SZ糸は、1メートルあたり20,000ターンの初期撚りを有する直径11μmのフェルマーZ糸に約30%の追加の撚りを挿入することによって得た。この高度に撚った糸は、次いで、それ自体の上に折り畳み、よって、諸撚りのため、Z撚りの一部をS撚りに変換した。ZS糸も同様に作製した。次いで、これらの糸は、ともに結び、その結び目の位置にパドルを取り付けた。結果として生じる2本諸撚りSZ−ZS糸構造は、直径20μmであった。入力電力測定値の関数としてのねじり作動の定常状態測定は(図8)、(1)ワックスを充填し、ワックスの溶融点を超えて作動させた、または(2)ニートであり、真空中で白熱温度まで作動させた、ヘテロキラル2本諸撚りフェルマー糸に関して、可逆的なねじり回転が図1Dの構成をもたらすことを示した。これらの実験の印加応力は、ニートな糸について3.2MPaであり、ワックスを充填した糸について5.8MPaであった。ワックスを充填したSZ−ZS糸についてここで達成された最大ねじり作動(68°/mm)は、図1Bの構成の実施例10の半分浸透させたホモキラル糸の場合(71.2°/mm)とほぼ同じであるが、真空中のニートなSZ−ZS糸は、30°/mmのねじり作動(これに対して、空気中の図10の半分浸透させたニートなホモキラル糸の場合は、4.9°/mm)を提供した。ナノチューブねじりアクチュエータに対しては低いが 、ニートな糸に対するこの30°/mmのねじり作動は、形状記憶合金、強誘電体セラミック、または導電性ポリマーについて以前に報告された最大値の200倍である。1Hzの周波数および20%のデューティサイクルを伴う9.7V/cmの電圧パルスを使用して、白熱温度まで真空中で駆動したときの、このニートな2本諸撚り糸については、ねじり作動も調査した。毎分510回転の平均速度によって、27°/mmの回転が観察された。この可逆的な構成は、糸が作動サイクルにおける全ての点で固体ゲストを含有しないときに、図1Dの構成におけるヘテロキラル単一諸撚り糸の作動の可逆性が不足するのと対照的である。後者の場合、2つの糸セグメントにおける反対の撚りの永続的な打ち消しが作動中に起こり、それによって、サイクル中のねじり回転の永続的な延長および減少をもたらす。

実施例12は、パラフィンワックスを浸透させたコイル状カーボンナノチューブ糸が巨大な特定のトルクを発生させることができること、およびこのトルクを、物体を投げるために使用できることを実証した。スタック長さあたりおよそ3,000のターン/mの撚りが挿入された、直径100μmで長さ6.4cmの完全に浸透させたヘテロキラル二重アルキメデス糸について測定した静的特定トルク対印加電力は、図4Cに示される。この直径100μmの糸について、8.42N・m/kgの最大特定トルクを発生したが、これは、電気化学的に駆動されるナノチューブ糸について実証されたもの場合も5倍高く[J.Foroughi et al.,Science 334、494−497(2011)]、また、大型電気モーター(最大6N・m/kg)の場合よりも若干高い。

実施例13は、パラフィンワックスに代わる容積膨張ゲストを含有するハイブリッド糸に関する、電熱的に駆動されるねじり作動を実証した。これは、CH3(CH2)11C≡C−C≡C(CH2)8COOHについて実証され、実施例2で説明されるように、これをフェルマー撚紡績糸(d=9μmおよびα=26°)に浸透させ、1,4−付加によって光重合化して、ポリジアセチレン(PDA)を生成した。第1の調査した水平構成(図7A、図1Bの構成に類似する)について、両端部を繋いだホモキラルフェルマー糸が、定荷重を支持した(2MPa、非作動糸の断面に対して正規化されたとき)。13mW/cmの入力電力が印加されたときに、ジュール加熱中の作動糸の解撚につれて、100°/mmの可逆的なパドルの回転が生成された。高度に可逆的な作動は、5,000を超えるオン/オフサイクルにわたって実証したが、これが最大値であった。一端部を繋いだ構成に関する追加的な実施例13の結果は、糸の内部のポリジアセチレンが、冷却中に糸の容積が減少するときにねじり作動を逆にすることを可能にするための、内部ねじりばねとして機能することを示した。対応するニートな糸は、戻しばねを有しないので、可逆的なねじり作動を提供しなかった。この青色−赤色相転移での数パーセントの容積の増加、および63℃で不完全に重合したモノマーが溶融することによる大きな容積の変化のため、図1Bの両端部を繋いで半分浸透させた糸の構成に関して、80℃未満までの作動について、100°/mmの可逆的なねじり回転が得られた。より高い温度に対する作動は、おそらくは非可逆的な相転移のため、十分に可逆的でなかった。

実施例14は、実施例4のパラジウムハイブリッドカーボンナノチューブ糸に関して、吸収によって駆動される作動を実証した。0.022MPa印加引張応力を使用したねじり作動の特徴付けのために、図1Dの構成を展開した。可逆的なねじり作動は、水素吸収中にその自由端で千倍重いパドルを回転させた、二重アルキメデスの糸内のナノチューブ束上の厚さ60nmのパラジウム層上での水素の吸収および脱離によって駆動した。アクチュエータを含む真空チャンバの中へ0.05atmのH2を注入することで、約6s以内でパドルを1.5回転させたが、これは、水素曝露と真空との間の繰り返しサイクル中の類似する時間尺度で、完全に逆になった。厚さ10μmのPd合金層の寸法変化を利用した、カンチレバーに基づくアクチュエータは、以前に実証されているが[M.Mizumoto、T.Ohgai、A.Kagawa、J.of Alloys and Co mpounds 482、416−419(2009)]、応答時間は数十分単位であった。糸の100倍速い応答速度は、糸の小孔およびPd被覆の薄さによって生じる。そのような糸アクチュエータは、目標とした水素圧力を超えたときに入口を素早く閉じる、インテリジェント筋肉として使用することができる。

実施例15は、図9Aのアクチュエータ試験構成を使用して、液体の吸収および離脱も、図9Bで示されるように、作動を駆動することを実証したが、両端部を繋いだフェルマー糸のねじり作動は、液体への浸漬長さの関数として示される。湿潤液体における両端部を繋いだホモキラル糸の浸漬深さを変動させることによって、殆ど可逆的なねじり回転が得られた。初期のトレーニング期間の後、図9Bのデータは、パドル回転角(φ)が、糸の浸漬深さの関数であることを示し、アセトニトリルおよびヘキサンについて、それぞれ、49.6±3.4および35.3±1.7度/mmの近似傾斜を有する。

実施例16は、実施例3で説明される方法を使用して、ポリエチレングリコール(PEG)を部分的に浸透させた、両端部を繋いだホモキラル非コイル状フェルマー糸のねじり作動を実験的に実証した。溶融中に容積が10%膨張するので、PEGをカーボンナノチューブ糸のゲストとして選択した[L.J.Ravin、T.Higuchi、J.Am.Pharm.Assoc.46、732−738(1957)]。図1Bの構成を使用することで、糸の全長に沿って2.4mAの方形波電流パルス(3.4Hzの周波数および25%のデューティサイクル)を印加することによって、PEGの溶融温度を超える温度に対する作動を生成した。作動中の相当電力は、16mW/cPmであり、作動中に印加した引張応力は、23Maであった(非作動糸の断面に正規化したとき)。このパルス状電力入力を使用することで、(浸透させた糸セグメントを、最初に、加熱中に解撚し、次いで、自己冷却中に再度撚る、作動サイクル中に)毎分1,040回転の最大回転速度および37°/mmのねじり回転が得られた。観察した最大サイクル数(10万サイクル)まで、いかなる作動の悪化も観察されなかった。

電気加熱に代わるものとして、実施例17は、パラフィンを含有するカーボンナノチューブハイブリッド糸のねじりおよび引張作動を、手動でスイッチのオン(1.6〜2s)およびオフ(0.3〜0.5s)を行った100Wの白色光ランプによる白熱加熱によって生成することができることを実証した。図1Bの構成を使用することで、パラフィンワックスを半分浸透させた、両端部を繋いだホモキラルフェルマー糸(直径約15μm、約20,000ターン/mの撚りを挿入)に関して、12.6°/mmの可逆的なねじり作動が得られた。この糸セグメントを光子的に加熱することによって引き起こしたねじり作動中に、可逆的な引張収縮が、パラフィンを含有する糸セグメントの解撚と同時に起こった。

実施例18および19は、高周波として増幅されたストロークを達成するために、それぞれ、レバーアームおよび片持ちアームの使用を実証した。パラフィンワックスを完全に浸透させた、両端部を繋いだホモキラルコイル状フェルマー糸は、作動を提供した。剛性レバーアームおよび長さ73mmのワックスハイブリッド筋肉を使用することで、6.7Hzで10,4mmおよび10Hzで3.5mmの変位が実証された。ワイヤカンチレバーおよび同じワックスハイブリッド筋肉を使用することで、75Hzで3.4mmのカンチレバー変位が達成された。超小型飛行機の飛行を達成するためにこれらのハイブリッド撚紡績糸を使用することに関連して、これらの周波数が、昆虫の飛行に使用される範囲(一般的に、5〜200Hz)であることに留意されたい。

高速かつ高い特定の仕事および電力能力を提供する、高サイクル寿命の非電気化学ねじりおよび引張筋肉を可能にすることに加えて、本発明の実施形態は、二重層電荷注入によって動作する従来技術の人工筋肉[J.Foroughi et al.,Scienc e 334、494−497(2011)]の性能を改善する。そのような改善は、電気化学的な二重層荷電に使用される非コイル状糸を、撚り掛け糸によって生成されるよじりの結果としてコイル状にされる糸、または糸の諸撚りの結果としてコイル状にされる糸と置き換えることを含む。このコイル化は、電気化学的に二重層荷電される人工筋肉のために得られる引張アクチュエータのストロークを増加させる。そのような以前の電気化学的筋肉は、作動中の永続的な解撚のため、一端部を繋いだ構成またはヘテロキラル構成のどちらを使用しても可逆的に動作させることができなかったが、本発明の実施形態は、どちらの場合(図1Cおよび図1Dの構成)においても、可逆的な作動を得ることができることを示す。この後者の改善は、作動糸の内部の液体が作動を提供する容積変化を提供しているときであっても可逆的な作動を得るために、好適に諸撚りした糸を展開することができるという今回の発見によって生じる。そのような好適に諸撚した糸(SZおよびZS糸等)は、糸のコイルを解くことが、諸撚りした糸内の撚りの増加と関連付けられる糸である。コイル化による撚りと糸内の撚りとのこの釣合いは、一端部を繋いだヘテロキラル構成の可逆性を可能にするために、ねじり戻しばねのように作用する。

撚りを挿入した非コイル状およびコイル状ポリマーファイバー筋肉の製作 撚りを挿入した非コイル状およびコイル状ポリマーファイバー筋肉を作製するための前駆体として使用されるポリマーファイバーは、よく知られている方法を使用して作製することができ、−多くの場合、釣り糸または縫い糸として使用される−市販の高強度ファイバー(シングルフィラメントまたはマルチフィラメント)を使用することに利点が見出されている。この現在の選択の理由は、コストであるが、コストは、そのような糸が既に数多くの用途に対して商業的に広く使用されているという事実によって低減される。また、出願人は、種々の市販のファイバーを、加熱したときに10%を超える可逆的な収縮を提供する人工筋肉に変換してきたが、筋肉前駆体としては、それらの強度の高さ、特に作動中に実現可能な収縮の高さ、および比較的低コストでの商業的入手可能性のため、高い機械的強度を有する高分子量ポリエチレン(PE)およびナイロン6またはナイロン6,6ファイバーが特に好ましい。

本発明の実施形態のカーボンナノチューブ糸筋肉のように、撚りは、そのような高強度ポリマーファイバーに挿入される。この撚りは、キラルファイバーを作製し、該キラルファイバーがねじり人工筋肉として機能することを可能にする。最も重要なことは、出願人が、アクチュエータの引張ストロークを最大にするために、非常に多くの撚り(初期ファイバーの長さ1メートルあたりのターン数で測定)を挿入したことであり、そのような撚りのいくつかがファイバーのコイル化に変換される。このコイル化は、形状記憶金属ワイヤのストロークを増幅するために使用されるコイル化よりもはるかにコンパクトである。いくつかの好適な本発明の実施形態において、平均コイル直径(すなわち、コイルの内径および外径の平均)と、ファイバー直径との比率は、約1.7未満であるが、NiTiばねの場合、この比率は、4を超える。実際に、NiTi形状記憶ワイヤをより低い直径比率に撚ろうとしたが、ワイヤの破損をもたらした。マルテンサイトを超えてオーステナイト相転移まで加熱したときに、非コイル状形状記憶金属ワイヤは収縮し、この収縮がコイル状形状記憶ワイヤの熱収縮に反映されるが、研究した非撚ポリマーファイバーは、正または負のファイバー方向の熱膨張係数を有する。調査した高度に配向したファイバーの熱膨張係数の動向とは関係なく、ファイバーの撚りおよびファイバーのコイル化の双方について同じ方向に自動的なコイル化をもたらす撚りの挿入の後に、隣接するコイルが接触していない限り、コイル状ファーバーは、加熱されたときに収縮する。この後者の場合、コイル状ファイバーは、作動中の温度上昇の結果として、膨張させることができる。

撚りは、ファイバーの上端部を回転電気モーターのシャフトに取り付け、ファイバーの下端部をその回転を抑止する錘に取り付けることによって、最も簡単にポリマーファイバーに挿入される。ファイバーのコイル化は、全般的に、ファイバーの長さに沿った1つ以 上の場所に凝集し、次いで、その長さを通して伝播する。印加される重量は、重要であり、また、所与のファイバーに対して狭い範囲にわたって調整可能であるが、−重量が少な過ぎると撚りの挿入中にファイバーがもつれ、重量が多過ぎると撚っている間にファイバーが破損する。この印加重量の範囲において、隣接するファイバコイルは、接触している。そのようなコイルの接触は、作動中の収縮を妨げるので、コイルを分離させるために、作動中により大きい重量が印加される。あるいは、コイルを分離させるために、ファイバーを意図して部分的に解撚すれば、より小さい重量を印加することができ、これは、通常、コイルの数を減少させることなく起こる。そのようにコイル化したファイバーは、相対的な端部の回転が可能であれば、部分的にコイルが解ける。熱的にアニーリングすることは、コイル状ファイバーをヒートセットすることができるが、その後の相当な引張応力の印加は、それでも、端部の回転が可能であれば、コイル化を消滅させる。コイルを撚りに変換することによってコイルの数が減少する、両端部を繋いだファイバーに、低温で十分に高い荷重を印加することが可能であるが、これは、ファイバーが破損するため、高温ではあまり成功しない。一例として、30gの荷重下の直径130μmのナイロン6(Coats and Clark製0.005サイズのモノフィラメント)について、ファイバーのコイル化を開始する前に挿入された撚りの密度は、2046ターン/m±3%であり、コイル化を終了する前に挿入された撚りの合計は、3286ターン/m±4%であり、挿入された撚りの合計3653ターン/m±3%は、コイル状ファイバーを破損させる。

図10(中央)は、高度にコイル状のナイロン6人工筋肉ファイバーの光学画像を示す。トルクバランスした構造を提供することによって、コイル解除に対してこのファイバーを安定させるために、同じ撚り方向(右巻きのZ撚り等)を有する2本のファイバーを、諸撚りのための反対方向の撚り(S撚り)を使用することによって、ともに諸撚りした。それによってトルクを安定させたSZナイロン糸ファイバー筋肉は、図10(右)に示される。それによって安定すると、諸撚りした、高度にコイル状のファイバーは、織物または編組に容易に編むことができる。そのようなファイバー筋肉は、ファイバー、諸撚りファイバー、および編組構造レベル上の階層構造を有する。階層構造の利用は、ファイバー内の複雑な分子配列まで広がり、ポリマー微結晶の鎖方向よりも10倍負である、ファイバー方向における負の熱膨張を生成することができる[C.L.Choy、F.C.Chen、およびK.Young、J.of Polym.Sci.;Polym.Phys.Ed.19、335−352(1981)]。

ファイバーのコイル化の始まり直下のファイバーの光学顕微鏡写真は、螺旋形の表面特徴を示し(初期ファイバーにおけるファイバー方向の線に由来する)、ファイバー方向に対するそのバイアス角度は次式で表される。

式中、rは、ファイバー中心からの距離であり、Tは、ファイバーの長さあたりのターンにおける挿入された撚りである。

ポリマーファイバー筋肉を生成するための代替の処理方法として、撚ポリマーファイバーを毛管または任意の類似する円筒状もしくは非円筒状のマンドレルに螺旋状に巻き付け、その後に、随意に、このマンドレルから解放することができる。それによって得られるコイル状ファイバーの加熱中の作動は、マンドレルの周りのポリマーファイバーの撚りおよびポリマーファイバーのコイル化の相対的な方向に応じて、収縮または膨張とすることができることが分かっている。ポリマーファイバーの撚り密度が臨界レベルを超え、ファイバーの撚りおよびファイバーのコイル化が同じキラル方向(S撚りまたはZ撚り)である場合、加熱は、コイルの収縮を提供することができるが、反対のキラル方向である場合、加熱は、コイルの膨張を提供することができる。

図18Aは、ポリマーファイバーの撚りおよびファイバーのコイル化をマンドレルの周りに同時に導入するためのプロセスを概略的に示し、図18B〜18Cは、マンドレルに巻き付けることによって作製されるコイル状ポリマーファイバーの例を示す。コイルおよびファイバーの双方の正確なコイルの形状ならびに撚りの角度および方向は、制御することができ、コイルの幾何学形状は、熱アニーリングによって設定することができる。マンドレルによるコイル化の主な変数は、マンドレルの直径(D)、ファイバーに印加される長さあたりのターン数(r)、マンドレルに適用されるコイル化の長さあたりの撚り(R)、ファイバーに印加される力(F)、およびファイバーとマンドレルの軸との角度(θ)である。これらのプロセス変数は、コイルの直径、コイルターン間の間隔、ならびにコイル状ポリマーファイバー筋肉のバイアス角度およびキラリティの制御を可能にする。大径のコイルは、より高いストロークを生成するが、持ち上げ能力を低減させる。実施例27および28は、負または正のコイルの熱膨張が得られるようにコイル状糸の構造を、また、コイル化した筋肉が収縮または膨張中に仕事をしたときのマンドレルでコイル化した筋肉の性能を大きく変化させるための方法を提供する。

上で説明されるマンドレルでコイル化するプロセスでは、ファイバーおよびコイルの撚る方向を独立して選択することが可能である。これは、荷重下で、何もなければ拘束されないファイバーに撚りが適用されるときには不可能である。ファイバーの撚りおよびコイル化は、同じ方向または反対方向とすることができ、この方向は、加熱時のコイルの変位方向を決定し、ファイバーおよびコイルがどちらも同じ撚り方向を有するとき、糸に挿入される撚り密度が臨界レベルを超えた場合、加熱中に収縮するコイルを生成する。コイルおよびファイバーが反対のキラリティを有するとき、コイルは、加熱中に膨張する。このコイルの膨張はまた、引張作動にも使用することができ、仕事サイクルのうちのコイル膨張部分の間に仕事が達成される。ここでも、実施例27で説明されるように、コイルの直径が大きいほど、ストロークが大きくなる。

電気伝導性の筋肉構成要素は、化学的に、光子的に、(マイクロ波吸収によって)電磁的に、または周囲温度の変化によって駆動される、ポリマーファイバー筋肉またはハイブリッドナノファイバー糸筋肉に必要とされないが、ポリマーファイバーまたはナノファイバー糸自体が電子伝導体(本質的に電子伝導性の有機ポリマー金属またはカーボンナノファイバー糸等)でない限り、電熱作動を提供するために、伝導体が必要とされる。この伝導体は、例えば、高強度ポリマーファイバー上の伝導性被覆(金属またはカーボン被覆等)、単一または複数の金属ワイヤ、非撚ポリマーファイバー筋肉、コイル状ポリマーファイバー筋肉、または撚ったが非コイル状のポリマーファイバー筋肉に螺旋状に巻き付けた電子伝導性ナノファイバー、筋肉ファイバーの外部にある電子伝導体(作動織物に織られた金属ワイヤ等)、または筋肉配列の内部(作動ポリマーファイバーの編組の内部等)にある電子伝導体とすることができる。現在評価されている(銀を被覆したナイロン6,6である)Shieldex Fiberのような、電気伝導性被覆を含む市販の高強度ポリマーファイバーを展開することができる。ファイバーの長さあたりの低い抵抗は、非常に低い電圧を印加している間の電熱作動中の高速加熱を可能にする。加えて、電子伝導性カーボンまたはカーボン複合材で被覆されるポリマーファイバーを有用に展開することができる。

結合剤中に銀の粉末(随意に、銀ナノファイバーまたは銀フレークを含む)を含有するもの、または結合剤中の電子伝導性カーボン(カーボンナノチューブおよびグラフェンフレークを含む)の形態のもの等の、電子伝導性のペーストおよびインクを、随意に、電熱作動を可能にするための被覆として展開することができる。電子伝導性のコイル状ポリマーファイバーの調製について、これらの電子伝導体は、非撚ファイバー、撚ったが非コイル状のファイバー、またはコイル状ファイバーのいずれかに適用することができる。

高伝導性ナノファイバーを非撚ポリマーファイバーに、または撚ったもしくはコイル状ポリマーファイバーに巻き付けることによって、電熱的に作動されるか、または光熱的に作動されるポリマーファイバー筋肉の調製は、有用な本発明の実施形態である。巻き付けられたナノファイバーとしてカーボンナノチューブを展開することは、特に有用である。そのようなカーボンナノチューブは、随意に、カーボンナノチューブフォレストからシートリボンとして引き出し、ポリマー筋肉ファイバーに螺旋状に巻き付けることができる。図11は、フォレストから引き出したMWNTシートストリップを螺旋状に巻き付けたモノフィラメントナイロンファイバーのSEM画像を示す。図12は、MWNTシートストリップを巻き付けた高度にコイル状のナイロンファイバーを提供するために、撚りを挿入した後に、このMWNTシートを被覆したナイロンファイバーのSEM画像を示す。図15A〜15Bは、フォレストから引き出したMWNTシートストリップを螺旋状に巻き付ける前(図15A)およびその後(図15B)のコイル状ナイロンファイバーの光学顕微鏡写真である。この場合、MWNTシートの巻き付けは、2つの螺旋巻き付け方向でコイル状糸に行った。図16は、図15BのMWNTを巻き付けたコイル状ナイロンファイバーについて得られた電熱作動を示す。高熱伝導性の電子伝導体(ならびに、環境への熱の輸送を高めるための、この電子伝導体の小孔)は、作動を逆にする冷却のために必要とされる時間を減少させるために有用に展開することができる。

非撚ポリマーファイバー筋肉は、全般的に、コイル状ポリマーファイバー筋肉よりも少ないアクチュエータの収縮を提供するが、そのような非撚ポリマーファイバー筋肉は、ポリマーファイバーが大きい負の熱膨張係数(好ましくは、約−10−4/℃)を有し、非撚ポリマーファイバーに電子伝導性ナノファイバーシートリボンが巻き付けられた場合に、電熱的に作動する筋肉に有用である。このナノファイバーリボンシートは、好ましくは、カーボンナノチューブリボンシートであり、このカーボンナノチューブリボンシートは、好ましくは、カーボンナノチューブフォレストから引き出される。カーボンナノチューブリボンシートの起源とは関係なく、カーボンナノチューブの光吸収を、光熱作動を高めるために使用して有用に展開することができる。

非撚および撚ポリマーファイバー筋肉のための特に好適なポリマーは、高強度の機械的に引き出したナイロン6、ナイロン6,6、ポリエチレン、特にゲルスパンポリエチレン、ポリフッ化ビニリデンである。それらの高強度のため、そのような好適なポリマーファイバーの全ては、しばしば、釣り糸または縫い糸に使用される。ポリマーファイバー人工筋肉への変換に好適なそのようなポリマーファイバーとしては、モノフィラメント、マルチフィラメント(フィラメント間に随意の溶接または他の接合方法を伴う)、および中空コアマルチフィラメントポリマーファイバーであるファイバーが挙げられる。ポリマーマルチフィラメントファイバーは、随意に、電気紡績または遠心紡績によって製作されるもの等の、ナノスケールの直径を有するポリマーフィラメントを含むことができる。また、糸マルチフィラメントは、随意に、異なるポリマーのものとすることができる。

重要なことに、アクチュエータサイクルのうちの仕事部分中に最大電力出力を発生させるために、正の熱膨張を有するコイルは、好ましくは、膨張中に機械的仕事を行うように動作すべきであり、負の熱膨張を有するコイルは、好ましくは、膨張中に機械的仕事を行うように動作すべきである。その理由は、加熱速度(電力入力によって制御される)が、冷却速度(周囲条件によって制御される)よりもはるかに高くなり得ることである。しかしながら、用途の様式が電力密度の最適化を必要としないとき、膨張もしくは収縮中の、またはそれらの組み合わせの間の仕事は、温度変化の結果としての織物の小孔を変化させること変化等の性能目標を実現するために使用することができる。

加熱速度(したがって、作動サイクルのうちの仕事部分中の電力出力)を最大にするた めに、それでも局所的な過熱を回避しながら、作動中のプロファイルされた印加電圧、電流、または電力入力を展開することが有用であり得る。本明細書の方策は、いかなる局所的な過熱の危険性もなく、作動の開始時に加熱速度を最大にし、次いで、過熱が問題を起こし得るときに加熱を低減させることである。

高度に可逆的で長いサイクル寿命の動作に対して調査した引張およびねじりアクチュエータは、ハイブリッドナノファイバー糸の構造またはポリマーファイバー構造を安定させるために、大部分が、通常少なくとも30の初期トレーニングサイクルを受け、それによって、その後の数百万の可逆的な作動サイクルにわたる使用中に、高度に可逆的な動作を可能にする。熱的に駆動される筋肉の場合、そのようなトレーニングサイクルは、一般的に、筋肉が展開される場所の最高温度までであった。

撚りを挿入したコイル状ポリマーファイバー筋肉の性能 熱作動。別途支持されない限り、ここおよび他の場所で、応力を得るために力を正規化することは、ファイバーの直径に対するものであり、ファイバーの直径は、初期非撚ファイバーの直径である。これが行われるのは、コイル状ファイバーのコイルの直径およびファイバーの直径を正確に測定することが困難であり、また、報告されている大部分の測定値が等圧(一定の印加重量)であるからであり、よって、ファイバーの応力は、作動中に変動する。

コイル化の前およびその後のファイバーの熱膨張に関する熱機械分析の測定結果は、直径305μmのナイロン6モノフィラメント縫い糸(The Thread Exchange、12mil)に関して、それぞれ、図20Aおよび20Bに示される。温度の上昇および降下の走査に重なりが不十分であるのは、ヒステリシスによるものではなく、代わりに、大きい温度走査速度(10℃/分)およびファイバーの温度とTMAの熱電対によって測定した温度との間の対応する遅延によるものである。

上のナイロン6ファイバーの20〜200℃の可逆的な熱収縮は、ファイバーのコイル化の結果として2%〜30%増加し、15のストローク増幅定数を提供した。このストローク増幅定数(SAF)は、周囲条件および荷重条件の同じ変化に対する、撚りの挿入後と撚りの挿入前とのアクチュエータストロークのパーセントでの比率である。コイル状マルチフィラメントナイロン6,6ファイバーは、ナイロン6,6が寸法的に安定しているより高い温度によって可能になる、より広い温度範囲(20〜200℃)を使用したときに、同程度の量(23%)収縮し、それによって、10のSAFを提供する。ゲル紡績したポリエチレンポリマーファイバーの有用な寸法安定性の最高温度は非常に低い(およそ130℃)が、そのようなファイバーのより高い弾性係数および強度は、重荷重を持ち上げ、熱的に駆動される人工筋肉として特に有用であり、また、エネルギー効率の向上を提供する。非コイル状およびコイル状Spectraポリエチレンは、それぞれ、20〜130℃で1.4%および19%の熱収縮を提供し、14のSAFに対応する。

自由な状態(すなわち、マンドレルの使用を伴わない)でコイル状にしたポリマーファイバー筋肉の場合、約5を超えるSAFが好ましく、約10を超えるSAFがより好ましい。また、自由な状態でコイル状にしたポリマーファイバー筋肉は、撚りを挿入する前に、ポリマーファイバー方向に負の熱膨張係数を有することも好ましい。

他の調査したファイバーは、一定の引張荷重下で撚りを挿入したとき、コイル化前に正または負の縦方向熱膨張係数を有したが、該ファイバーは全て、ファイバーの撚りおよびファイバーのコイル化が同じキラル方向である限り、コイル状にしたときに、コイルの軸方向において負の熱膨張係数を提供した。大径(640μm)のナイロン6モノフィラメント釣り糸(Berkley Trilene 30ポンドテスト)は、16MPaの荷 重下で撚ったときに、(25〜130℃で)1.8×10−4/Kの初期平均半径方向熱膨張を有したが、ファイバーのコイル化のオンセット時に、2.2×10−4/Kまで僅かに増加した(撚りは、540ターン/mであり、初期ファイバー長さのうち1%だけをコイル状にした)。長さ収縮定数(LCF)は、コイル状または非コイル状ファイバーの初期ファイバー長さと最終的な長さとの比率であり、この僅かにコイル状のポリマーファイバーについて、1.16であった。

形状記憶筋肉のような一次相変化を使用する筋肉に勝る、我々の熱膨張に基づく筋肉の鍵となる利点は、得られるヒステリシスが実質的に存在しないことである。このヒステリシスは、NiTi形状記憶ワイヤの場合、20℃を容易に超える可能性があり、アクチュエータ制御を非常に複雑にする。図13で示されるように、我々の測定装置は、ファイバーの温度と記録した温度との差のため、人為的なヒステリシスを導入しているが、この影響を最小にするために走査速度を低減させることは、ナイロンアクチュエータのヒステリシスが小さいかまたは存在しないことを示している。0.3℃/分の走査速度で、2℃未満のヒステリシスが観察可能である。このようにヒステリシスが存在しないことは、形状記憶ワイヤの温度に対する応答と比較してはるかに直線的である応答と組み合わせて、そのようなコイル状ポリマーファイバー筋肉を、連続する制御範囲が所望されるロボット工学および人工義肢の用途に十分に適したものにしている。

電熱引張作動。電気作動に関して最初に説明された結果は、フォレストから引き出したカーボンナノチューブストリップを螺旋状に巻き付け、次いで、4.5のLCFまでコイル状にした、直径76μmのナイロン6モノフィラメント縫い糸(The Thread Exchange,Inc.,サイズ003、5Tex)に関するものである[M.Zhang、S.Fang、A.A.Zakhidov、S.B.Lee、A.E.Aliev、C.D.Williams、K.R.Atkinson、およびR.H.Baughman、Science 309、1215−1219(2005)]。周期的な作動を得るために、volt/cmおよび20%のデューティサイクルの1Hzの方形波電位を印加した。図14のデータは、ファイバー応力が22MPaであるときに、このコイル状ファイバーが、百万サイクル以上にわたって10%収縮することがきることを示す。コイル状ファイバーは、クリープを受けたが(挿入画を参照されたい)、このクリープは、百万サイクルにわたって2%未満であり、クリープ速度は、サイクルの増加とともに減少し、また、ストロークにおけるいかなる顕著な非可逆性もなかった。

引張収縮中に隣接するコイルが接触し始めるように、熱収縮する高度にコイル状のポリマーファイバー筋肉に印加される荷重を低いレベルまで低減させたとき、ストロークは、大きさが低減し、最終的には正になり、ファイバーの半径方向熱膨張にほぼ等しくなる。Iコイル状ファイバーの撚りの量が撚りの除去によって減少した場合、作動中の引張収縮に必要とされる最小荷重もそれに応じて減少する。

収縮中に行われる仕事は、一般的に、コイル状ファイバー筋肉が破損する機械的荷重まで増加する。観察した収縮中の重量仕事(実施例30)は、生来の筋肉について得ることができる重量仕事の5.5倍であった[D.R.Peterson、J.D.Bronzino、Biomechanics:Principles and Applications(CRC Press、Boca Raton、2008)]さらに印象的なことに、平均出力電力(25.5kW/kg)は、哺乳類の骨格筋(0.323kW/kg)のピークの出力の79倍であった[D.R.Peterson、J.D.Bronzino、Biomechanics:Principles and Applications(CRC Press、Boca Raton、2008)]。

そのような電熱的に駆動される人工筋肉の筋肉サイクル速度は、筋肉の冷却に必要とさ れるときに限定される。全ての他の熱的または電気化学的に駆動される人工筋肉のように、このサイクルタイムは、アクチュエータファイバーの直径の増加とともに増加する。この応答時間は、周囲温度の変化を使用して、緩やかに変動する温度変化からエネルギーを採取するとき、または着用者の快適さを提供するために小孔を変化させる衣類織物を提供するときのように、熱サイクル時間が長いときには重要でないが、電熱的に駆動される作動の全サイクル中に出力電力を最大にするときには重要である。

種々の能動的または受動的な冷却方法を用いることによって、サイクル時間を大幅に削減することができる。例えば、2本諸撚りでコイル状の銀めっきしたファイバー(170μmの初期非撚直径を有する)は、水に浸漬したときに、10.8MPaの応力下で、5Hzで約10%のストロークを生成した。同様に、ヘリウム中での受動的動作または強制対流による能動的冷却は、厚いファイバーの高速作動を可能にすることができる。

光熱引張作動。薄いコイル状ファイバーは、光を使用して、光熱的に駆動されたときに、高速引張作動を提供する。例えば、直径76μmのコイル状モノフィラメントナイロン6ファイバー(The Thread Exchange,Inc.3 mil、5000ターン/mの撚りが購入前に挿入されている)は、ファイバーから2.5cmに位置する250Wの白熱ランプによって照明されたときに、1秒で7%収縮して、26MPaの荷重を持ち上げた。コイルは、この応力で接触しておらず、LCFは、2.5であった。

化学的に駆動される引張作動。触媒白金黒粒子の蒸着を含むCNTシートをナイロン6ファイバーに巻き付け、次いで、ファイバーのコイル化を導入することによって、化学的に駆動される筋肉を生成した。この筋肉は、燃料を酸化剤と組み合わせることによって放出される熱、または単一の流体成分の化学変換によって生成される熱のように(水に対する30%のH2O2水溶液中の過酸化水素のPt触媒による変換のように)、種々の熱化学反応によって放出される熱によって駆動することができる。

電熱ねじり作動。初期測定のために、垂直に懸架したポリマー糸の自由端部にパドルを取り付け、該糸は、ファイバーのコイル化の開始直下に、またはファイバーのコイル化の完了後に撚ったものである。いずれの場合においても、熱的に、電熱的に、光子的に、または化学的に駆動されたときに、ねじり作動が観察された。しかしながら、このねじり戻しばねが存在しない状態で、作動は、十分に可逆的でなかった−非コイル状ファイバーの場合は、ファイバーの解撚に対応し、完全なコイル状ファイバーの場合は、コイル化の解撚に対応する、加熱中のねじりアクチュエータストロークは、サイクル中に急速に減少した。

両端部を繋いでいない状態であっても、釣り糸および縫い糸(および他の類似のポリマーファイバー)のための高度に可逆的なねじり作動を提供するために、Sコイル化を使用して2本のZ撚ファイバーを諸撚りしてSZ2本諸撚りファイバーを生成することによって、トルクバランスした構造でファイバーのコイル化を提供した。ファイバーの諸撚りのファイバーのZ撚りおよびS撚りの合計を保存しなければならないので、高度に可逆的なねじり作動が得られた−作動の逆転中のコイル化は、ファイバー内の撚りの解放を逆にするためのねじり戻しばねとして作用する。得られるトルクを最大にするために、等しい長さのSZおよびZSセグメントを含むファイバーを、該セグメントの中間点に取り付けたローターとともに展開した。それによって発生した重量トルクは、2.5〜6N・m/kgの範囲であり、該範囲は、市販の大型電気モーターに一般的である。

コイル状撚ナノファイバー糸およびコイル状撚ポリマーファイバーの適用 実現された引張ストロークおよび仕事ならびに電力密度は、コイル状ハイブリッド糸に対して非常に高いので、そのような高サイクル寿命の筋肉は、多様な用途に使用すること ができる。主要な競合するNiTi形状記憶金属のアクチュエータは、高ヒステリシスなアクチュエータストロークを有するので、アクチュエータの変位の制御は、サイクル内の履歴に対する作動の依存性によって、非常に複雑である。この履歴依存性は、図2Aのワックスハイブリッド糸の結果については小さく、また、溶融状態の間にニートな糸または任意のワックスを充填した糸のサイクルについては無視することができる。また、このヒステリシスは、コイル状にしたものを含む、撚りを挿入したポリマーファイバーに対して小さくすることができる。

形状記憶金属は、ねじりアクチュエータとして開発されてきたが、ねじり作動(0.15°/mm)[A.C.Keefe、G.P.Carman、Smart Mater.Struct.9、665(2000)]は、ワックスハイブリッド糸(実施例10で71°/mm)およびポリジアセチレンハイブリッド糸(実施例13で100°/mm)について、または撚りを挿入したポリマーファイバーについて本明細書で実証されるものよりもはるかに小さい。潜在的により長いサイクル寿命とともに、改善された制御および大きい回転作動は、現在形状記憶合金が用いられている、医療デバイスにおけるナノファイバー糸筋肉および撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉、ロボット、ならびにシャッターの有用性に加えて、超小型弁、混合器、スマートフォン用レンズ、位置決め装置、および玩具への拡張性も示す。実施例22は、窓のシャッターの開口を制御するためのノイズレスアクチュエータとしての、単一コイル状の2本諸撚りでSZ撚りの銀を被覆したナイロンファイバーを示し、図22C〜22Dは、閉位置と開位置との間で可逆的に作動させたシャッターの写真を提供する。

実施例38および図23A〜23Bは、周囲温度の変化に応じてシャッターを開閉するための、マンドレルでコイル状にした2本のナイロン6モノフィラメントファイバーの使用を示す。ナイロン糸およびマンドレルによるコイル化における反対方向の撚りの挿入の結果として、このコイル状ナイロンファイバーの筋肉は、正の熱膨張係数を有する。圧縮荷重下で仕事を行うように動作することで、そのようなナイロン筋肉は、温度が増加するにつれて、シャッターを段階的に開く。実施例22および実施例38のシャッターの構成は、空気の流れまたは光の通過を制御するために使用することができる。

ナノファイバー糸筋肉および撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉はまた、マクロまたはマイクロサイズのポンプ、弁駆動装置、および流体混合器として使用することもできる。そのような混合器は、化学分析または化学合成が極小領域デバイスにおいて効率的に行われる、「チップ上の化学研究室」に有用になるであろう。以前の電気化学的に駆動されるカーボンナノチューブ糸のマイクロ流体混合器[J.Foroughi et al.,Science 334、494(2011)]と異なり、本発明の実施形態の糸ねじり筋肉またはポリマーファイバー筋肉には、いかなるカウンター電極または電解質も必要とされない。マイクロスケールまたはより小さいスケールに関して、実証されたねじり作動は、高感度の電気化学分析物分析で使用される電極を回転させるために使用することができ、それによって、さらに大きくさらに多くの高価な通常のモーターの必要性を排除する。

撚紡績糸筋肉および撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉はさらに、従来の電子リレーのための、および自動車のドアのロックを作動させる等の目的のための作動を提供するために使用される分厚い電磁石を排除するために使用することができる。

撚紡績糸の筋肉および撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉の柔軟性は、所与の長さのナノファイバー糸またはポリマーファイバーアセンブリ(さらに長い長さの作動糸が含まれる)のために実現されるストロークを増幅するために利用することができる。この増幅は、単に2つの平行な固定ピンに作動糸(または撚ポリマーファイバー)を巻き付け、 一方の糸の端部を固定し、反対側の糸の端部を引張作動を伝達するために使用することによって達成することができる。しかしながら、摩擦を最小にするために、そのようなピンは、独立した糸をファイバーサイズのプーリーで支持することができる。

糸およびファイバーの柔軟性ならびに結び性はまた、テンセグリティー構造のモーフィングを可能にするために、そのような引張作動ナノファイバー糸および撚りを挿入したポリマーファイバーを使用することによっても利用することができる。この場合、ナノファイバーハイブリッド糸または撚りを挿入したポリマーファイバーは、構造的モーフィングを可能にするように、テンセグリティー構造に使用されるロッドの間に端部対端部の接続性を提供することができる。あるいは、そのような構造において中空ロッドを使用し、そこから糸またはファイバーが現れる対向するロッドの両端部に作動ナノファイバーハイブリッド糸または撚りを挿入したファイバーを別のロッドに接続することによって、テンセグリティー構造のモーフィングの振幅を増加させることができる。ポリマーファイバー筋肉またはナノファイバー糸筋肉の可逆的な作動または非可逆的な作動は、折り紙のように折り畳まれた構造、および対応する機構に基づく構造のような、種々の他のモーフィング構造のための作動を提供するために使用することができる(Handbook of Compliant Mechanisms、L.L.Howell、S.P.Magleby、およびB.M.Olsen編集、John Wiley and Sons,Inc.,2013)。コイル状ポリマーファイバー筋肉およびコイル状ナノファイバー糸筋肉は、構造を可逆的または非可逆的に開閉するために使用することができ、−空間で展開したときに開く折り畳まれた太陽電池配列のように、−該構造をよりコンパクトにするために折り畳まれる。この展開は、電熱的に、または周囲温度の変化もしくは光への曝露を利用することによって達成することができる。

撚紡績ナノファイバー筋肉および撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉の引張作動は、ポンプ注入される流体を含有する折り畳み可能な管の周りに独立して作動可能なナノファイバー糸または撚ポリマーファイバーセグメントを構成し、そして、ポンプ注入を得るためにそのような糸またはポリマーファイバーセグメントを順次的に作動させることによって、蠕動ポンプのためのマイクロおよびマクロスケールに、好都合に展開することができる。

光学デバイスアプリケーションは、他の本発明の実施形態を提供する。実施例は、(パドルのねじり回転による)超高速光学シャッター、レーザースペックルを低減させるための光拡散体の転位、他の光学素子を転位もしくは回転させるための手段、または(対応するレンズの機械的変形等によって)レンズの焦点距離を変化させるための手段を提供する、撚紡績ナノファイバー糸および糸アセンブリ、ならびに撚りを挿入したファイバーおよびファイバーアセンブリである。ナノファイバー糸または撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉の引張またはねじり作動は、異なる色を出現させるためにピクセルを回転させることによって、または同じ効果を達成する転位によって、サイン上のピクセルを変化させるために使用することができる。

ナノファイバー糸筋肉および撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉はまた、アクチュエータの変位が触覚情報を提供する、触覚デバイスで使用することもできる。この触覚フィードバックは、ロボットデバイスを使用して遠隔操作で手術を行うときに外科医が着用する手袋等において、ユーザの手または指を通すことができる。別の用途において、そのような人工筋肉は、リフレッシュ可能なブライユディスプレイのばね荷重式ピンを押し下げるために使用することができる。

ハイブリッド撚紡績糸および撚りを挿入したファイバーのねじりおよび引張作動は、局所的規模およびより大規模のスマート表面を作動させるために展開することができる。例 えば、引張動作は、ばね荷重式ピン(随意に、円筒状、ブレード形状、または他のさらに複雑な形状のものとすることができる)を可逆的に後退させることができ、それによって、表面の凸凹を変化させる。海洋船舶の表面から海洋生物を除去するために、ピンの伸長および収縮の1つ以上のサイクルを使用することができる。また、ミクロンサイズまたはより大きいパドルの回転を、表面の凸凹を変化させるために利用することもできる。凸凹が制御されるそのような作動表面は、流体の境界層に影響を及ぼし、それによって、船舶、航空機、および陸上車両等に対するさらに効率的なおよび/または制御された挙動を可能にするために使用することができる。親水性または疎水的なパドル表面が外部にあるようなパドルのねじり回転のような、そのような作動はまた、表面エネルギーを変化させるために使用することもできる。そのような表面エネルギーの変化はまた、ピンの可逆的な伸長および収縮によって有用に達成することもできる。

生来の筋肉および熱的な形状記憶金属の筋肉のように、熱的に作動するナノファイバーの筋肉および撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉は、筋肉の収縮を維持し、対応する引張力を発生させるために、エネルギー入力を必要とする。熱的な筋肉について、この維持エネルギーは、筋肉の外部の温度が作動させる筋肉よりも低いときに、筋肉の温度を一定に保つために必要とされるエネルギーに対応する。誘電的な筋肉および電気化学的な筋肉には類似する問題が存在するが、そのような場合、必要とされる維持エネルギーは、電気的自己放電による電気エネルギーを置き換えるためのものである。この維持エネルギーの問題は、収縮の仕事が達成された直後に作動が逆になったときには起こらず、また、力または収縮の程度を維持するためにラッチを使用することによって回避することができる。そのようなラッチ機構は、文献で説明されており、複数の作動サイクルの作動ストロークを組み合わせることによって任意に大量のアクチュエータストロークを増加させることができる、シャクトリムシアクチュエータ機構が挙げられる[「Fuel Powered Actuators and Methods of Using Same」、R.H.Baughman、V.H.Ebron、Z.Yang、D.J.Seyer、M.Kozlov、J.Oh、H.Xie、J.Razal、J.P.Ferraris、A.G.MacDiarmid、W.A.A.Macaulay、米国特許第8,096,119B2号]。

小径ハイブリッド糸筋肉は、収縮の仕事がサイクル時間全体に対して正規化されるときであっても、巨大な重量電力密度を提供するが(実施例6から、4.2kW/kgを実証したが、これは、一般的な内燃エンジンのパワーウェイトレシオの4倍である)、絶対仕事および電力出力は、糸の直径が増加するか、または多数の糸が並列に配置されない限り、低い状態である。しかしながら、実施例7は、糸の直径を大幅に増加させると、周囲空気中での冷却速度が減少することを示している。この問題は、作動を逆にするために能動冷却を使用することによって、または作動の熱を迅速に吸収する取り囲む周囲温度媒体を使用することによって、ナノファイバー糸および撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉の双方について改善することができる。水は、冷却するための1つのそのような有用な媒体である。受動的に冷却するための他の有用な選択肢は、水素およびヘリウムのような高熱拡散率のガスである。順作動を提供するためのその後の水素と空気(または酸素)との混合に備えての、作動サイクルのうちの冷却部分中の水素の注入は、冷却を加速するので、周囲水素を使用した冷却は、水素/空気混合物によって駆動される撚紡績筋肉に対する自然な適合を提供する。

ハイブリッドナノファイバー糸筋肉および撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉は、(設計に応じて)環境条件を検出し、可逆的または非可逆的な引張または回転応答を提供する、インテリジェントセンサとして有用である。1つの実施例は、実施例14の可逆的に作動する水素感知アクチュエータである。バイスクロール状糸の中の生物学的に機能化したゲストは、自己駆動の感知および/または制御の目的で、分析物に応答することがで きる。ハイブリッドナノファイバー筋肉内のゲストの選択は、環境における放射線もしくは化学物質に対する統合的時間−温度曝露または統合的曝露のような、曝露を統合するセンサを作動させるために必要とされる可逆的な作動または非可逆的な作動を提供するように設計することができる。特定のセンサの必要性を満たすことが可能なゲストの範囲は膨大であるので、機械作動を提供する可逆的および非可逆的の双方の(すなわち、統合的)感知のための性能を最適化することが可能である。ゲストの選択に関連して、文献は、温度もしくは温度履歴または化学物質もしくは放射線曝露の関数として、可逆的または非可逆的な容積変化を受ける材料のホストを説明している。

ポリマーファイバーおよびナノファイバーハイブリッド糸筋肉の非可逆的な時間−温度依存性の作動は、ワクチンおよび他の医薬製品のような、過度に熱に曝露された製品の包装が開くのを妨げるために使用することができる。糸またはファイバーの容積膨張は、医薬製品の容器のふたが開くのを妨げる摩擦を提供するために使用することができる。あるいは、この作動は、ひねって開けるふたが開くのを妨げるピンを解放することができる。

コイル状ポリマーファイバー筋肉およびナノファイバー糸筋肉は、(製品の温度を調節するために)周囲温度に応じて小孔を開閉する段ボール箱のような、スマート包装材料の作動に使用することができる。

コイル状のニートなカーボンナノチューブ糸が、不活性雰囲気中で室温から白熱温度(約2,560℃)までの電熱加熱に応じて、実証された7.3%の可逆的な収縮(実施例5および図2B)を提供する能力は、そのような筋肉が、いかなる他の高強度な筋肉も動作することができない温度で行う有用性を示す。そのような筋肉は、弁の開閉等の作動を提供するためのインテリジェント材料として直接作用するように、周囲温度の変化によって自己駆動することができる。実施例10、実施例11、および図8で示されるように、温度の変化はまた、ニートなカーボンナノチューブ糸に対するねじり作動(実施例11のSZ−ZS糸について、真空中での静的測定中に最大30°/mm)も提供することができ、該ねじり作動は、温度の測定および制御の双方の目的に有用である。真空中のニートな2本諸撚りカーボンナノチューブ糸の白熱温度に対する電気パルスの測定値は、27°/mmの回転および毎分510回転の平均回転速度を提供した(実施例11)。

達成可能な筋肉のねじりおよび引張ストロークは、通常、比較的小さいが、室温未満でのコイル状のニートな糸および撚りを挿入したポリマーファイバーの寸法変化は、温度を示すため、および弁の開閉のような機能的応答を直接提供するための双方に使用することができる。この弁制御は、引張作動、ねじり作動、またはそれらの組み合わせを提供するためにナノファイバー糸筋肉またはポリマーファイバー筋肉を使用することによって、任意の温度範囲で得ることができる。

周囲温度の変化を使用する代わりに、放射線(および特に光)の吸収による加熱は、撚ポリマーファイバー筋肉またはナノファイバー撚紡績糸筋肉のねじり作動を提供することができる。カーボンナノチューブは、ほぼ完全に黒体の吸収装置であるので、光学的加熱が容易に起こる。実施例9は、100Wの白熱ランプからの光パルスを使用して加熱することによって、半分ワックスを浸透させたフェルマー糸を作動させたときに、12.6°/mmの可逆的なねじり作動を実証した。可逆的なねじりおよび引張の光作動はまた、ハイブリッドナノファイバー撚紡績糸筋肉内のナノファイバー糸のホストもしくはゲスト(またはそれらの組み合わせ)、または撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉の中のポリマーの可逆的な光反応によって得ることもできる。可逆的な引張およびねじりの光作動(光熱加熱、光反応、またはそれらの組み合わせを使用する)は、家およびオフィス、温室、ならびに太陽電池ファーム等の空間に対する太陽光照明を自動的に制御するために使用することができる。最も簡単には、ハイブリッドナノファイバー糸筋肉または撚りを挿入 したポリマーファイバー筋肉の可逆的な引張作動は、窓のブラインドまたはシャッターを開閉するために使用することができる。熱的に駆動される筋肉は、窓寸法のほぼ全体に広げることができ、また、プーリーを使用してストロークを増幅することができるので、小さい温度変化を使用して、いかなる音も立てることなく、またはいかなる電気エネルギーも消費することなく、ブラインドおよびシャッターを段階的に開閉することができ、これは、現在使用されている、ブラインドおよびシャッターを開閉する高価なモーターと異なる。加えて、そのような光機械作動は、マイクロおよびマクロ光学デバイスのための作動を提供するために使用することもできる。

周囲温度の変化を通しての熱作動、光曝露の変化による光作動、周囲化学環境(周囲湿度を含む)の変化を使用した化学機械作動は、ナノファイバー糸または撚りを挿入したポリマーファイバーの作動によって機械エネルギーを発生させるために使用することができる。この機械エネルギーは、電気コイルの配設の中で永久磁石を回転させる、または筋肉が発生した歪みを圧電素子または強誘電体素子に印加する等の手段を使用することによって、電気エネルギーとして採取することができる。この採取したエネルギーは、例えば、無線センサに電力を供給するために使用することができる。

ポリマーファイバーおよびハイブリッド糸筋肉は、(カーボンナノチューブの組み込み等によって)組織および血液を通して光が運搬される近赤外線領域で高度に吸収することができるので、このエネルギーの採取は、(エネルギー採取装置を血液および組織から分離させるが、それでも冷却のために血液循環を使用すること等によって)血液および組織の過熱が回避される限り、人間の体内で達成することができる。

衣類内でのナノファイバー糸の作動は、可変小孔を提供することができ、膨張または収縮するゲスト材料は、糸の長さ、糸の直径、および/またはコイルの直径を変化させて、織物の孔を開閉し、それによって、快適さを高め、または化学的または熱的な脅威からの保護を提供する。この織物の小孔の開閉はまた、ミクロンサイズのパドルの回転によっても達成することができ、該パドルは、織物の表面に対して平行または垂直であるように、作動糸に取り付けられ、織物に埋め込まれる。本発明の実施形態の教示は、温度の上昇とともに膨張または収縮するナノファイバーハイブリッド糸および撚りを挿入したポリマーファイバーを提供するので、従来通りに利用可能な織りを使用した織物の設計が助長され、よって、織物は、温度の上昇とともに孔を開閉する。挿入されたファイバーの撚りがコイルの撚りと反対方向である、好適にヒートセットされたコイル状ポリマーファイバー筋肉の使用は、加熱されたときに長さが増加するファイバーを提供するための最も好都合な手段であるが、その理由は、ハイブリッドナノファイバー糸のそのような性能を達成するために、大きい負の体積膨張係数(材料には稀)を有するゲストの使用、またはナノファイバーの撚りおよびコイル化のための反対方向の撚りの挿入の使用、ならびにナノファイバー糸のコイル化に起因するハイブリッドナノファイバーの撚りおよび反対の撚りの部分的な打ち消しによる非可逆的な作動を回避する凍結ゲスト構造の使用を必要とすることである。パラフィンワックスのようなゲスト材料は、温度が上昇し過ぎたときにエネルギーを吸収し、温度が降下したときに該エネルギーを解放することによって、よく知られている、温度変化に対する緩和機能を同時に提供することができる。

織物の中のナノファイバー糸筋肉および撚ポリマーファイバー筋肉は、周囲温度の変化、環境中の化学物質の変化の結果として、または光もしくは他の放射線への曝露(よって、該筋肉が自己駆動される)によって作動させることができ、または該筋肉は、抵抗加熱によって電気的に作動させることができる。織物の糸のそのような電気的に駆動される作動は、随意に、周囲条件(消防士には高過ぎる温度、または安全でない化学的もしくは生物学的環境等)を検出することによって制御することができる。形状記憶ワイヤは、織物の引張収縮を提供するために展開することができるが、該ワイヤのコストおよび不快に感 じる感触は、織物および他の編組構造の実現を制限している。対照的に、伝導性および非伝導性ナイロンの双方のスプールは、安価に入手することができ、衣類で広く使用され、また、本発明の実施形態によって、作動時に収縮または膨張を提供する高ストロークの人工筋肉に容易に処理される。

ハイブリッド撚紡績糸筋肉または撚りを挿入したポリマーファイバーは、アクチュエータ用途のために、織物に織り込むか、または縫い込むことができる。ナノファイバー糸または撚ポリマーファイバー筋肉は、織物の中の糸またはファイバーの大部分または一部を構成することができる。織物の作動における所望の異方性に応じて、そのような作動糸またはファイバーは、大部分を(平織物の横糸方向または縦糸方向のような)1つの繊維方向に、または全ての糸およびファイバーの方向に配置することができる。異なる撚紡績糸または撚りを挿入したポリマーファイバーは、随意に、環境中の異なる薬剤、光、または異なる周囲温度に曝露することに応じて作動する能力を織物に提供する等の目的で、織物に展開することができる。

織物のナノファイバー糸またはポリマーファイバー筋肉のこの作動は、環境の温度または化学条件に応じて、織物の孔を可逆的または非可逆的に開閉するために使用することができ、それによって、そのような織物に由来する衣類を、着用者の快適さおよび安全性を高めるために動的に使用することを可能にする。平織物の縦糸方向のファイバーは、本質的に直線状とすることができ、一方で、横糸方向のファイバーは、(横糸のファイバーの上および下に)上下するので、機械的仕事を行うために作動ファイバー配列を使用すること(一方で、同時に、最小に熱的に相互作用する並列の熱作動するファイバーの展開によって生じる得る高速な糸の冷却による利益)が目標であるときには、作動糸を縦糸方向に展開することが好ましくなり得る。一方で、平織物の横糸方向および縦糸方向の双方における(および3次元織物等の、より複雑な織り方のための方向の多様性に対する)作動ポリマーファイバーまたはナノファイバー糸の展開は、熱的または化学的環境条件に応じて小孔を変化させる織物を作製する等の目的で、有用に展開することができる。衣類での使用に加えて、温度に応じて小孔を変化させる織物は、快適さを調整するテントに使用することができる。

ポリマーファイバーまたはナノファイバー糸筋肉作動によって引き起こされる寸法の変化は、密着する衣服、水中潜水用スーツ、または宇宙服のいずれであっても、そのような衣類への好都合な進入を可能にするように密着する衣服に展開することができる。そのような目的には、光膨張(スーツに進入したときに、後で弛緩する)またはスーツが体温または他の使用温度に到達したときの熱収縮等の、種々の機構を展開することができる。

作動ナノファイバー撚紡績糸および撚りを挿入したポリマーファイバーはまた、編組することもでき、該編組は、取り囲む液体、取り囲む周囲空気、または他の取り囲むガスとの熱的な接触を増加させる有用な目的を果たすことができる。そのような熱的接触の増加は、作動を逆にするためのナノファイバー糸またはポリマーファイバーの冷却速度を増加させるために使用することができる。加えて、熱作動を逆にする加速冷却を得るために、中空の編組ナノファイバー撚紡績糸筋肉構造および撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉構造を有用に展開することができる。これを達成するための1つの手段は、冷却液体またはガスに編組構造のコアを通過させることである。別の手段は、熱パイプとして中空編組のコアを使用することである−加熱された筋肉との接触による、熱パイプ上の液体凝結場所への液体の蒸発は、作動の逆転を加速する。実際に、中空編組は、独立して作動するセグメントを備えることができる。この場合、作動の逆転中の一方の編組セグメントから、電熱的に作動しようとしているもう一方の編組セグメントへの熱の伝達は、第2の編組セグメントを作動させるために必要とされる電気エネルギーを低減させることができる。これらの熱パイプの動作には、ウイッキング手段が必要とされ、該手段は、編組コアの一 部分において多孔性で湿潤可能な材料、またはウイッキングを提供することができる中空編組内の溝の場所によって提供することができる。

加えて、中空編組構造は、編組の撚紡績糸の燃料で駆動される作動のために展開することができる。この場合、(空気および水素またはメタノールのような)燃料および酸化剤は、編組コアに輸送され、該編組コアには、燃焼に使用される触媒が配置される。あるいは、随意に相互作用しない、または最小限に相互作用する、単一の化学成分または複数の化学成分の随意に触媒された発熱性の化学変換が、化学熱作動を駆動することができる。より全般的には、人工筋肉糸または撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉は、織り、組み、または編み構造等の、個々にまたは配列の一部として作用するかどうかに関わらず、燃料を使用して作動させることができる。

ポリマーファイバー筋肉およびハイブリッド糸筋肉は、年輩者のためのコンパニオンロボットに使用されもの等の、人型ロボットの魅力的な顔ジェスチャーを提供するために有用に提供することができる。通常の人間の感情(幸福、驚き、悲しみ、恐怖等)を表すためには、30の顔筋肉が必要とされるが、ロボットに使用される現在のモーターは、その仕事を行うことができない。

より全般的には、人間の体内には630を超える筋肉があり、現在使用されているモーターまたは油圧デバイスは、人型ロボットまたは義肢デバイスのための該筋肉の機能を提供することができない。一方で、本コイル状ポリマーファイバーおよびナノファイバー糸は、人間の毛髪程度に細くすることができ、巨大なストロークを提供することができ、また、仕事をするために容易に並列に配列することができる。非常に細く、熱的に駆動されるポリマー筋肉ファイバーまたはナノファイバー糸ハイブリッド筋肉を使用するときに、得ることができる高速な冷却速度における問題は、配列の中で多数のファイバーを使用し、そのようなファイバーのいくつかだけを選択的に作動させ、一方で、他のファイバーが自然に冷却することを可能にすることによって対処することができる。あるいは、(能動的に冷却することができるように)冷却速度を加速するために、(水のような)取り囲む流体または(ヘリウムのような)ガスを使用することができる。

別の用途の実施形態として、密着する衣類のポリマー筋肉ファイバーまたはナノファイバー糸ハイブリッド筋肉は、増幅された機械的応答を虚弱者の微弱な運動に提供するために、外骨格のように使用することができる。

数多くの用途が高度に可逆的なアクチュエータ応答を必要とするが、他の用途は、非可逆的な引張またはねじり作動を利用する。後者の1つの例は、腐敗し易い製品の熱曝露状態を監視するために使用される、時間−温度指示器である。指示材料の非可逆的な時間−温度応答の特徴を、同じ熱環境にある腐敗し易い製品の劣化速度に一致させることによって、時間−温度指示器を、腐敗し易い製品(ワクチン等)が、許容できない製品の劣化をもたらす熱履歴に曝露されたことを知らせるために使用することができる。非可逆的な筋肉は、非可逆的な回転または引張作動の応答を提供するために、ナノファイバー糸の中のゲスト材料の非可逆的な寸法変化を使用することができる。例えば、ハイブリッド糸の引張アクチュエータの応答は、(ワクチンの残りの有効寿命を示す等の)製品品質に関する熱曝露の重大度を示すために、熱曝露時計の針を偏向させることができる。あるいは、ポインタの糸で駆動されるねじり回転は、指示応答を提供することができる。この場合、指示パドルを閉じ込めることによって、「使用可または使用不可」の応答を提供することができ、よって、ゲストの寸法変化によって臨界トルクが生じ、該臨界トルクが、異なる色のパドルの側部が見えるようにパドルを反転させるまで、パドルの片側(ある色を有する)が見える。熱的に重合可能なジアセチレンの重合の速度論が、(ワクチンのような)数多くの重要な腐敗し易い製品の速度論に一致するので[米国特許第3,999,946号 ]、また、選択されたジアセチレンが、重合中の大きい寸法変化(置換基−CH2OSO2C6H5CH3を有する対称性ジアセチレンの重合方向において4.9%)[R.H.Baughman、J.Chem.Phys.68、3110−3117(1978)]を提供することができるので、そのようなジアセチレンは、そのような糸に基づく時間−温度の指示デバイスのためのゲストとして有用である。

数多くのタイプまたは製品の品質が、製品が冷凍されたかどうか(および製品が冷凍された回数)に依存するので、ハイブリッドナノファイバー糸筋肉または撚りを挿入したポリマーファイバーは、同様に、自己駆動される冷凍指示器として展開することができる。例えば、(パラフィンの選択によって選択される温度で)可逆的な作動を提供するために、パラフィンワックスを浸透させたナノチューブ糸を使用することで、「凍結時計」の針は、製品の凍結−解凍の曝露回数を計数することができる。

作動中の糸の抵抗の変化は、指示器の応答を提供するための、ならびにより全般的には、可逆的なアクチュエータのストロークを制御するための手段を提供するための追加的な機構を提供するために使用することができる。より具体的には、時間−温度の履歴用途または温度もしくは化学物質の感知について、作動したハイブリッドナノファイバー糸の非可逆的な抵抗変化を、遠隔で電子的に読み出し可能な指示器の応答を提供するために、RFID(無線周波数識別)タグで使用することができる。あるいは、引張またはねじり作動を使用して、RFIDタグのアンテナの抵抗または容量を変化させ、それによって、遠隔で読み出し可能な応答を提供することができる。

ハイブリッドナノファイバー糸筋肉のように、撚りを挿入したポリマーファイバーは、非可逆的な引張またはねじり作動を提供することができ、該作動は、時間−温度指示器デバイスを、または化学物質もしくは放射線曝露を積算し、それによって、非可逆的な機械的応答を提供するデバイスを統合するのに有用である。そのような用途を実現するために、撚りを挿入したポリマーファイバーの中のポリマーは、指示器が対象とする熱、照射、または化学物質曝露において不安定であるように選択することができる。例えば、共役ジアセチレン基を含有するポリマーは、好適に高い温度または化学線(UV、γ線、x線、またはイオン化粒子等)に曝露されたときの1,4−付加反応によってさらに重合することが知られている。この反応と関連付けられる寸法変化は、必要とされる非可逆的な指示器の応答を提供することができ、該応答は、引張作動またはねじり回転による作動とすることができる。

より全般的には、撚りは、時間−温度指示器における監視の対象となる温度よりもはるかに低い温度で、ポリマーファイバーに挿入することができる。可逆的な筋肉の熱応答を提供する筋肉のトレーニングが回避される場合(時間−温度監視の対象となる温度まで加熱することによる、ファイバーの機械的歪みのアニーリング等)、その後のそのような温度への糸の曝露は、指示器の応答を提供する、非可逆的な作動を提供することができる。同様に、複数の結合剤と反応する環境における化学物質の統合検出については、そのような結合剤(オレフィンおよびアセチレン基等)を含有する、撚りを挿入したポリマーファイバーを選択することができる。ナノファイバー糸および撚りを挿入したポリマーファイバーのコイル化は、可逆的および非可逆的な引張作動の双方を増幅することができるので、そのようなコイル状ナノファイバーおよび撚りを挿入したポリマーファイバーは、引張作動を提供するために使用される非可逆的な曝露を統合した筋肉に好適である。両端部を繋いだときにだけ可逆的なねじり作動を提供する、ナノファイバー撚糸の筋肉または撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉ついて一端部を繋ぐことは、ねじり指示器の応答を提供する曝露積算筋肉を提供するための特に好都合な手段である。

糸の熱アクチュエータは、引張作動だけしか行えなかった以前の燃料で駆動される形状 記憶金属アクチュエータのように、燃料で駆動することができる[「Fuel Powered Actuators and Methods of Using Same」、R.H.Baughman、V.H.Ebron、Z.Yang、D.J.Seyer、M.Kozlov、J.Oh、H.Xie、J.Razal、J.P.Ferraris、A.G.MacDiarmid、W.A.A.Macaulay、米国特許第8,096,119B2号]。燃料で駆動される撚紡績ハイブリッド筋肉を提供するための1つの本発明の実施形態は、(水素またはメタノールと空気のような)燃料と酸化剤を組み合わせることによって熱を発生させるための、糸のコアに容積が変化するゲストを含み、また、糸のシェルに(PtまたはPt合金のような)触媒粒子を含む糸を提供するためのものである。バイスクローリングプロセス[M.D.Lima et al.,Science 331、51−55(2011)]は、そのようなシース−コア構造を有する撚紡績筋肉を提供するために、好都合に使用することができる。これは、容積が変化するホスト材料をフォレストから引き出したシートまたはシートスタックの一方の拡張領域側に蒸着させ、触媒粒子を残りのシート領域に蒸着させ、次いで、触媒が糸のシースの中にあり、容積が変化するゲストが糸のコアの中にあるように非対称的に撚りを挿入することによって達成される。同様に、そのような容積が変化するゲストおよび触媒の非対称的な蒸着は、ナノチューブフォレストからナノチューブ糸を直接紡績する間、撚りの挿入中に形成されるシートウェッジに蒸着させることができる。実施例25で示されるように、化学的に駆動される可逆的な作動は、非可逆的な作動を提供する筋肉の構成および/または筋肉のタイプを選択することによって、非可逆的な作動に変化させることができる。実施例25で使用される構成は、一端部を繋いでいる単一諸撚りでコイル状のナイロン筋肉のための非可逆的作動を提供するためのものである。

従来技術の研究[J.Foroughi et al.,Science 334、494(2011)]は、ねじり機械エネルギーを電気エネルギーに変換するために、以前に説明された電気化学ナノチューブ糸筋肉を逆に駆動することができることを示唆した。機械エネルギーを電気エネルギーに変換するために電気化学プロセスを使用する代わりに、本発明の実施形態では、ハイブリッドナノファイバー糸およびポリマーファイバー人工筋肉について全く異なる手法が使用される。出願人は、周囲温度、入射光強度、または(湿度を含む)化学環境の変動と関連付けられるエネルギーを採取して、ハイブリッドナノファイバー糸またはポリマーファイバー人工筋肉の引張作動を引き起こす。出願人は、次いで、接触電極を有する圧電体もしくは強誘電体を変形させるために、もしくは電界でバイアスされるエラストマー材料に基づくキャパシタを変形させるために、引張またはねじり作動等を使用するプロセスによって、または取り囲む電子コイルに対して永久磁石を回転させるために(または電気コイルが静磁界に対して回転する逆プロセスのために)人工筋肉のねじり作動を使用することによって、この機械エネルギーを電気エネルギーとして採取する。機械エネルギーを電気エネルギーに変換するための手段は、多様であり、また、よく知られているので、本技術の新規性は、そのような周囲の変動によって機械エネルギーを発生させるために、ハイブリッドナノファイバー撚紡績糸または撚ポリマーファイバー人工筋肉を使用することである。

撚紡績糸および撚ポリマーファイバーによって提供される作動は、糸およびファイバーの糸条およびロープ、ならびに他の構造等の糸およびポリマーファイバーアセンブリの熱膨張および順応性に影響を及ぼすために使用することができる。例えば、数多くの用途において、一方の構造材料の正の熱膨張をもう一方の構造材料の負の熱膨張で補償することが所望される。コイル化を挿入することで、ニートなナノファイバー撚紡績糸の熱膨張を約10倍以上の大きさで制御可能に増加させることを可能にするという本発見は、正の熱と負の熱とを一致させることを可能にし、よって、所望の熱膨張(ほぼゼロの熱膨張を含む)を得ることができる。パラフィンのような材料を撚紡績糸に浸透させることで、さらに多くの負の熱膨張を行わせることができるので、ハイブリッド撚紡績糸はまた、特に本 用途にも有用である。さらに、撚りを挿入したポリマーファイバーは、大きい制御可能な負の熱膨張を提供し、該熱膨張は、糸のコイル化によって調整することおよび大幅に高めることができるので、そのような撚りを挿入したポリマーファイバー糸は、ファイバーアセンブリ(ならびに糸およびファイバーのアセンブリ)または複合体について、ほぼゼロの熱膨張が求められる用途等に特に有用である。

ハイブリッド撚紡績糸内の固体ゲストの溶融は、糸の引張係数を可逆的に減少させる(また、それに応じて、糸の順応性を増加させる)。したがって、このタイプの作動は、超小型飛行機の翼の剛性または人工筋肉の剛性を変動させる等の、種々の目的に使用することができる。

より全般的には、異なるタイプの作動ナノファイバーハイブリッド糸および異なるタイプの撚りを挿入したポリマーファイバーの組み合わせは、全体的なストロークおよび順応性に関して、操作された応答を提供するために、並列動作または所与のアクチュエータ長さの範囲内での動作のために組み合わせることができる。電熱作動の場合、アクチュエータの長さにおける、または異なる並列アクチュエータの長さのための、異なるセグメントへの独立した電気的接続部は、ボールを受けている人型ロボットのもの等の、用途の必要性に従ってストロークおよび順応性を調整するために使用することができる。そのような組み合わせはまた、環境的に駆動される人工筋肉のための応答調整も可能にする。

ナノファイバー糸およびポリマーファイバー筋肉が定荷重下で作動するときに筋肉ストロークで観察された低程度のヒステリシスは、形状記憶金属の場合と対照的に、筋肉ストロークの制御を助長する。これは、実施例23で実証され、該実施例は、位置決めの誤りを最小にするために、従来の比例積分微分コントローラ(PIDコントローラ)を使用する。この、低いまたは存在しないヒステリシスは、実施例33において、非並列コイル状ポリマーファイバーまたはハイブリッドナノファイバー糸筋肉もしくは筋肉セグメントの配設を使用することによって、荷重の2次元変位を提供するために使用される。

ハイブリッドナノファイバー糸筋肉またはポリマーファイバー筋肉に機械的に連結された電熱作動のために電気加熱素子を使用することによって、加熱素子の抵抗を測定することによって筋肉ストロークを決定するために、該加熱素子の抵抗を展開することができる。そのような用途について、電気加熱素子の抵抗は、好ましくは、温度の影響を受けず、筋肉の歪みの影響を受ける。そのような好適な電気加熱素子の一例は、ポリマーファイバー筋肉またはハイブリッドナノファイバー糸筋肉に巻き付けられる、カーボンナノチューブシートである。同様に、そのような巻き付けたカーボンナノチューブシートまたは類似の要素は、光熱的もしくは化学的に駆動される作動によって提供される、または周囲温度もしくは化学環境(環境湿度を含む)の変化によって駆動される等の、非電気的に駆動される筋肉作動について筋肉ストロークを測定するために使用することができる。

本発明の実施形態のポリマーファイバー筋肉またはナノファイバー糸筋肉はまた、実施例24で示されるように、電気的または光熱的に駆動されたときに、熱音響的に音を発生させるために使用することもできる。そのような用途について、音発生素子(ポリマーファイバー筋肉、ハイブリッドナノファイバー糸筋肉、またはニートなナノファイバー糸筋肉に巻き付けられるカーボンナノチューブシート等)は、音響周波数で加熱および冷却することができる、高い多孔性および十分に低い熱慣性を有するべきである。この音は、随意に、筋肉の活性を検出する手段を提供するように、検出することができる。実施例24の事例に関して、ナノファイバー層は、一般的にはるかに大量の下層のポリマーファイバー筋肉よりもはるかに速く加熱および冷却することができるので、ナノファイバー伝導性層が駆動される周波数は、ナノファイバーを巻き付けて撚りを挿入したポリマーファイバー筋肉が電熱的に作動される周波数よりもはるかに高くすることができる。例えば、筋肉 の電熱作動に必要とされるジュール熱を生成するために、DC方形波電圧パルスを印加する代わりに、はるかに高い周波数(しかし、類似する平方2乗平均振幅を有する)の音声信号電圧を印加することができる。ナノファイバーシートが最初に加熱されておらず、筋肉の作動中に該シートの温度が上昇する場合に起こる周波数倍増を処理する、音響信号を考慮すると、筋肉支持ナノファイバーシートは、(例えば、「筋肉が作動している」と保存している)音響メッセージを放送することができる。

加えて、筋肉として展開されていないときであっても、ポリマーファイバーまたはナノファイバー糸筋肉の構成を有する素子を、音を発生させるために使用することができる。そのような熱音響的に音を発生させるファイバーまたは糸要素は、増加した音の強さを提供するために、および(配列の中の異なる糸またはファイバーに入力される電気信号の相対位相を変動させることによって)音の発生方向の操縦を提供するために、並列または非並列の糸またはポリマーの配列を動作させることができる。

そのような音を発生させるファイバーまたは糸要素はまた、周囲ノイズに対して異なる位相で動作させたときに、該周囲ノイズを打ち消すために使用することもできる。

随意に、直流バイアスを、そのような熱音響ナノファイバー糸またはポリマーファイバー要素に印加することができ、よって、音の発生は、入力交流と同じ周波数であり、−それによって、いかなるDCバイアスも印加されないときに起こる入力周波数に対して出力される可聴周波数を2倍にすることを回避する。対象となる機能が専ら機械的作動であるときであっても、およそ所望のアクチュエータストロークであるアクチュエータストロークの振動を提供するために、そのような直流デバイスを有用に印加することができる。

さらなる用途の実施形態として、撚ポリマーファイバー筋肉およびナノファイバー撚紡績糸筋肉の引張またはねじり作動を、望ましくない並進または回転運動を打ち消すために使用することができる。本実施形態は、望ましくない並進または回転運動に反作用する、筋肉が発生させるトルクまたは引張力の印加によって動作する。

本発明の追加的な情報は、M.D.Lima他の「Electrically,Chemically,and Photonically Powered Torsional and Tensile Actuation of Hybrid Carbon Nanotube Yarn Muscles」、Science、338、928−932(2012)に含まれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

本明細書で提供される実施例は、本発明の実施形態のいくつかをより完全に例示するためのものである。当業者は、以下の実施例で開示される技法が、本発明の実践において良好に機能することが出願人によって発見された技術を代表すること、したがって、本発明を実践するために例示的な様式を構成するとみなすことができることを理解されたい。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、開示される特定の実施形態において数多くの変更を行うことができるが、それでも、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、同じまたは類似する結果を得ることができることを認識されたい。

実施例1 この実施例1は、パラフィンワックスゲストを含有する糸筋肉の製作を説明した。我々は、(缶詰化および蝋燭に使用されるワックスのような)他の市販のワックスについて類似した結果を得たが、別途指示されない限り、説明される結果は、将来の研究者達が容易に入手できる可能性が高いワックス(Sigma−Aldrich製411671ワックス)に関するものであり、該ワックスは、アルカンの混合物を含む。第3項における結果 は、このワックスが約83℃で完全に溶融し、固体状態転移中に30〜90℃で約20%膨張して溶融し、そして、90〜210℃で約10%の追加的な容積の膨張を提供することを示す。

MWNT糸は、一般的に、「熱線法」を使用してパラフィンワックスが浸透され、該方法では、両端部を繋いだ撚紡績糸を、一定の引張荷重下で、パラフィンワックスの溶融点を超えるまで電気的に加熱し、次いで、少量の固体パラフィンと接触させた。加熱した糸を固体パラフィンのフレークまたは溶融パラフィンの液滴と接触させると、パラフィンは、糸を通して迅速に広がった。直径100μmのMWNT糸について、約3V/cmの印加電圧が、Aldrich製パラフィンワックスの浸透を可能にするのに十分であった。糸の表面の過剰なパラフィンは、作動を劣化させるので、いかなる過剰なパラフィンも糸の表面に観察されなくなるまで、糸をパラフィンの蒸発温度(約233℃)を超えるまで電気的に加熱した。この第2のステップの必要性は、溶融した液滴を加熱した糸に多数印加し、過剰なパラフィンが糸の表面に蓄積する前にこのプロセスを停止することによって回避することができる。フォレストからの引き出し中に直接撚紡績した全てのフェルマー糸に使用した別のワックス浸透方法は、一定の引張荷重下(破壊応力の約10%)で、両端部を繋いだ紡績したままの糸を溶融したパラフィンの中へゆっくりと(約0.1cm/s)浸漬することである。糸の断面のSEM顕微鏡検査は、上のゆっくりした浸漬方法を使用したワックス浸透によって、ニートな糸の小孔が大幅に排除されたことを示す。

実施例2 この実施例2は、ポリジアセチレンゲストを含有する糸筋肉の製作を説明した。利用したジアセチレン(DA)は、10,12−ペンタコサジイン酸[CH3(CH2)11C≡C−C≡C(CH2)8COOH]であり、Alfa Aesar Co.,Ltd.から購入し、受領したまま使用した。紡績したままの両端部を繋いだフェルマー糸(直径9μm、20,000ターン/mの撚りを挿入)を、最初に、1時間、8MのDAテトラヒドロフラン溶液に浸漬し、次いで、DAを浸透させた糸を溶液から取り出し、そして、繋いだままの状態で、室温で一晩乾燥した。原位置でDAをポリジアセチレン(PDA)に重合するために、UV光(30WのUVランプからの254nm)を使用した。重合時間は、一般的に、約3分であり、該重合は、糸に暗青色を発色させた。しかしながら、1つにはナノチューブおよびジアセチレンの吸収が糸の内部でのUV光の深い浸透を妨げるので、重合は不完全であった。

実施例3 この実施例3は、ポリエチレングリコールゲストを含有するハイブリッド糸筋肉の製作を説明した。約6000の平均分子量および60〜63℃の溶融温度範囲を有する、ポリエチレングリコール(PEG)、H(OCH2CH2)nOHを、Sigma Aldrich社からフレークとして入手し(Bio−Ultrra 6000)、受領したまま使用した。直径13μmのフェルマー糸(15,000ターン/mの撚りを挿入)を、約100℃で30分間、PEGの溶融槽に浸漬することによって、PEGを該糸セグメントの下半分に浸透させた。次いで、両端部を繋いだ糸を、PEG浴槽から取り出し、室温まで冷却させた。PEGを充填した糸セグメントの直径は17μmであり、バイアス角度は、31°であった。

実施例4 この実施例4は、パラジウムゲストを含有する糸筋肉の製作を説明した。電子ビーム蒸着(CHA−50電子ビーム蒸発器)を使用して、剛性ロッドによって支持された、2つの共配向されたMWNTシートのスタック内の個々のナノチューブおよびナノチューブ束を、最初に、(均一なPd蒸着を確実にするために)厚さ約5nmのTiバッファ層で被覆し、次いで、厚さ60、80、120、または140nmのPd層で被覆した。層の厚 さは、同じ環境にある平面基材上の蒸着層の厚さに対応する公称値である。次いで、シートスタックを撚紡績(100〜200ターン/m)して、二重アルキメデス構造を有する直径144μmの糸を得た。糸の可逆的な作動を得るためには60nmのPd層が十分であり、より薄い被覆は、糸に撚りを挿入する難しさを不所望に増加させた。

実施例5 この実施例5は、糸のコイル化が、ニートなカーボンナノチューブ糸およびパラフィンワックスを浸透させたカーボンナノチューブ糸の双方について、引張作動を飛躍的に増加させることを示した。ワックスの浸透前およびその後のコイル状二重アルキメデス糸の引張収縮対温度は、図2Aにおいて非コイル状フェルマー糸の対応するデータ(挿入画)と比較される。ワックスの浸透は、糸のコイル化を行ったときに、全ての糸について引張収縮を大幅に高めた。作動の荷重依存性の差にもかかわらず、類似した直径および撚り角度を有する非コイル状のフェルマー糸および二重アルキメデス糸について、類似した引張ストロークが得られた(図6)。3.8MPaの引張応力下でニートなコイル状糸を周囲温度から白熱温度(約2,560℃)まで加熱することで、0.16kJ/kgの仕事能力に相当する7.3%の可逆的な糸の収縮を提供した(図2B)。糸のコイル化が引張作動ストロークを大幅に高めたので、コイル状糸(図1E)が、引張作動に関する下の研究の大部分の焦点となる。

実施例6 この実施例6において、その自重を17,700回持ち上げた、両端部を繋いでパラフィンワックスを充填したコイル状フェルマー糸を使用した、140万を超えるサイクルにわたって、注目に値する1分あたり1,200サイクルおよび3%のストロークでの引張作動が実証されたことを示した(図3A)。この高い速度は、50%のデューティサイクルで、20Hz、18.3V/cmの方形波電圧を長さ3.8cm、重量2.25μg/cmの糸に印加することによって生じた。25msの高速な受動的冷却は、小径の糸およびコイル(それぞれ、11.5μmおよび20μm)によって生じたものである。十分に分離させた25msのパルスを印加することで、(一般的な内燃エンジンのパワーウェイトレシオの4倍である)4.2kW/kgの平均電力出力で、この収縮中に、1.58%の初期収縮および0.104kJ/kgの機械的エネルギーを得た。

実施例7 この実施例7は、印加電圧および機械的荷重を増加させ、一方で、パルス持続期間を減少させることによって、引張アクチュエータとしての実施例6の糸の性能を最適化することができることを示した。図3Bは、15msにわたって32V/cmが印加されたときに、30msで糸がその質量を175,000回持ち上げる、一連の作動を示す。収縮中の仕事(0.836kJ/kg)は、27.9kW/kgの電力出力を提供したが、これは、哺乳類の骨格筋のピーク出力(0.323kW/kg)の85倍であり、また、以前のカーボンナノチューブ筋肉の最大測定電力密度の約30倍である[J.Foroughi et al.,Science 334、494(2011)]。しかしながら、高い印加電力は、過熱および遅いパラフィン蒸発を引き起こすことによって、サイクル寿命を低減させる。 収縮中のアクチュエータのストロークおよび仕事容量は、全般に、同時に最大にすることはできないが、印加荷重を最適化することによって独立して最大にすることができる。図3Cは、ワックスを浸透させた直径150μmの両端部を繋いだ二重アルキメデス糸に異なる量の撚りを挿入した場合の、アクチュエータのストロークおよび仕事容量の応力依存性を示す。コイル化を引き起こすための十分な撚りを有する糸に関して大幅に高められる可逆的な収縮は、ワックスの蒸発温度直下まで定常状態で電気加熱することによって生じた。高い応力を印加することは、初期状態(引張およびねじり変形に対して、固体ワックスが構造補強を提供する)よりも、収縮状態(溶融ワックスを含有する)の方が糸のヤ ング率が低く、それに応じて、荷重下での弾性伸びが大きいため、ストロークを減少させる。高度にコイル化した糸のストロークは、低い応力で減少し(図3C)、それは、収縮を妨げる隣接するコイルのごく近くと整合する。 図3Cは、ワックスハイブリッド糸の収縮中にストロークまたは仕事を最大にする、最適な量のコイル化があることを示した。中間撚りを有するコイル状フェルマー糸について、5.7MPaの応力で、5.6%の最大収縮が観察された。コイル状糸にさらに6.8%の撚りを加えることで、最大収縮応力(5.1%の歪みについて16.4MPa)および最大測定収縮仕事(84MPaで1.36kJ/kg)を増加させたが、これは、生来の筋肉の仕事容量の29倍である。その後に撚りを41%減少させることで、コイル化を排除し、最大収縮および収縮仕事を低い値まで低減させた(それぞれ、0.7%および0.31kJ/kg)。十分に分離させた50ms、15V/cmパルスを印加することによって、直径150μm、部分的コイル状の二重アルキメデス糸について、5.5MPaの応力下で10%の収縮が実現された(図3D)。この糸の断面積は、図3Aおよび図3Bの糸の断面積よりも170倍大きく、周囲空気中での受動的冷却はあまり効果的ではなく、冷却時間は、約25msから約2.5sに増加し、その結果、加熱および冷却時間の双方を考慮したときに、低い収縮電力密度(0.12kW/kg)をもたらす。

実施例8 この実施例8において、図1Aの構成のニートなフェルマー糸の引張作動対撚りの挿入に関する実験データは、熱収縮に関する撚りの重要性および結果として生じるバイアス角度の増加を示す(図5)。挿入する撚りをおよそ9,650ターン/mからおよそ28,130ターン/mに増加させることによって、一定の印加電力での引張作動は、約2.8倍(約0.03%から約0.086%に)増加した。しかしながら、コイル化の開始が(33,800ターン/mで)初めて観察されたときに、熱収縮が約4.5%減少したが、これはおそらく、コイル化が殆どなく、弾性係数の減少に対する導入したコイル化の影響が殆どないときに収縮を提供する際の、非コイル状糸セグメントの優位性に起因するものである。

実施例9 この実施例9において、糸の中間点でパドルを回転させた(図1Bの構成)、長さ6.9cmで直径10μmの両端部を繋いで半分をワックスに浸透させたホモキラルフェルマー糸に関して、2百万サイクルにわたって超高速で高度に可逆的なねじり作動を実証された。ハイブリッド糸は、1分あたり全サイクル平均11,500回転に対して、−最初に一方向へ、次いで、反対方向へ−、16.5倍重いパドルを加速した(図4A)。作動温度は、Tmfをはるかに超えていたが、ねじり戻しばね(図1Bの非作動糸セグメント)の存在のため、高いサイクル寿命をもたらした。図4Bは、高度に可逆的な百万サイクルにわたって150倍重いパドルを回転させた類似する糸に関して、入力電力および印加引張荷重に対するねじり回転の依存性を示す。荷重を増加させることで、回転速度が、5,500回転/分から最大7,900の回転/分まで増加した。電気加熱を100Wの白熱ランプからの光パルスを使用した加熱と置き換えることによって、半分ワックスに浸透させた糸に関して、可逆的なねじり作動(12.6°/mm)も駆動した。

実施例10 この実施例10は、両端部を繋いだホモキラル糸のねじり作動に対するワックス浸透の効果を特徴付けており、糸の半分が作動し、もう半分は、大部分がねじり戻しばねとして機能する。利用した直径16μmのフェルマー糸は、15,000ターン/mの撚りを挿入し、35°のバイアス角度を有した。ワックスを含有する糸の構成は、図1Bの場合と全く同じであり、また、電力が糸の長さの半分だけに印加されたことを除いて2つの糸セグメントが同等であることだけが非浸透糸の構成と異なる。これらの比較実施例では、同 じ機械的荷重が印加され、作動を達成するために使用した電圧は、同じであった(11.6V/cm)。いくつかのねじり作動回転が、ニートな糸について観察された(4.9°/mm)、これは、低温および高温の糸セグメントの間のねじりおよび引張弾性係数における僅かな差に起因し得るが、この回転は、その後にパラフィンワックスを糸セグメントの1つに浸透させたときに観察された71.2°/mmのねじり作動と比較して低かった。

実施例11 この実施例11は、(非諸撚りヘテロキラル糸の代わりに)2本諸撚りヘテロキラル糸の使用が、図1Dの構成について、可逆的な電熱ねじり作動を可能にすることを実証した。SZ糸は、1メートルあたり20,000ターンの初期撚りを有する直径11μmのフェルマーZ糸に約30%の追加の撚りを挿入することによって得た。この高度に撚った糸は、次いで、それ自体の上に折り畳み、よって、諸撚りのため、Z撚りの一部をS撚りに変換した。ZS糸も同様に作製した。次いで、これらの糸は、ともに結び、その結び目の位置にパドルを取り付けた。結果として生じる2本諸撚りSZ−ZS糸構造は、直径20μmであった。

入力電力測定値の関数としてのねじり作動の定常状態測定は(図8)、(1)ワックスを充填し、ワックスの溶融点を超えて作動させた、または(2)ニートであり、真空中で白熱温度まで作動させた、ヘテロキラル2本諸撚りフェルマー糸に関して、可逆的なねじり回転が図1Dの構成をもたらすことを示す。これらの実験の印加応力は、ニートな糸について3.2MPaであり、ワックスを充填した糸について5.8MPaであった。ワックスを充填したSZ−ZS糸についてここで達成された最大ねじり作動(68°/mm)は、図1Bの構成の実施例10の半分浸透させたホモキラル糸の場合(71.2°/mm)とほぼ同じであるが、真空中のニートなSZ−ZS糸は、30°/mmのねじり作動(これに対して、空気中の図10の半分浸透させたホモキラル糸の場合は、4.9°/mm)を提供した。この後者の差は、少なくとも部分的に、高温に対する作動によって生じるニートな糸に関する作動の向上を示す(これは、現在、多孔性のニートな糸について対流エネルギー損失を排除するために、真空を使用することによってワックスを充填した糸の場合と同じ電力で可能になる)。ナノチューブねじりアクチュエータに対しては低いが、ニートな糸に対するこの30°/mmのねじり作動は、形状記憶合金、強誘電体セラミック、または導電性ポリマーについて以前に報告された最大値の200倍である。1Hzの周波数および20%のデューティサイクルを伴う9.7V/cmの電圧パルスを使用して、白熱温度まで真空中で駆動したときの、このニートな2本諸撚り糸については、ねじり作動を調査した。毎分510回転の平均速度によって、27°/mmの回転が観察された。

この可逆的な構成は、糸が作動サイクルにおける全ての点で固体ゲストを含有しないときに、図1Dの構成におけるヘテロキラル単一諸撚り糸の作動の可逆性が不足するのと対照的である。後者の場合、2つの糸セグメントにおける反対の撚りの永続的な打ち消しが作動中に起こり、それによって、サイクル中のねじり回転の永続的な延長および減少をもたらす。

実施例12 この実施例12は、パラフィンワックスを浸透させたコイル状カーボンナノチューブ糸が巨大な特定のトルクを発生させることができること、およびこのトルクを、物体を投げるために使用できることを実証した。スタック長さあたりおよそ3,000のターン/mの撚りが挿入された、直径100μmで長さ6.4cmの完全に浸透させたヘテロキラル二重アルキメデス糸について測定した静的特定トルク対印加電力は、図4Cに示される。この直径100μmの糸について、8.42N・m/kgの最大特定トルクを発生したが 、これは、電気化学的に駆動されるナノチューブ糸について実証されたもの場合も5倍高く[J.Foroughi et al.,Science 334、494−497(2011)]、また、大型電気モーター(最大6N・m/kg)の場合よりも若干高い。このトルクは、ヘテロキラル糸の中央接合点に取り付けられた金属パドル(長さ23mm)によって働かせた力を測定するためのデジタル微量天秤を使用して決定した。パドルは、水平位置で、力の測定中に微量天秤のプレートに押し付けた。作動電圧がゼロであるときにいかなる力も微量天秤に印加されないように、実験の開始時に、糸の中のワックスを(電気加熱によって)溶融させ、金属パドルが微量天秤のプレートと接触している間に再び固体化させた。この同じパラフィンワックスを浸透させたヘテロキラル糸を使用して、小型のグレコローマン式カタパルトの腕(図4C、下部挿入画)を300°回転させることによって投射物を投げた。最大ねじり作動温度は、ワックスの溶融が完了する温度を超えたが、カタパルトの可逆的な動作を達成した。

実施例13 この実施例13において、出願人はまた、他の容積膨張ゲストを含有するハイブリッド糸に関して、熱的に駆動される可逆的なねじり作動も実証した。これは、現在、CH3(CH2)11C≡C−C≡C(CH2)8COOHについて実証され、実施例2で説明されるように、これをフェルマー撚紡績糸(d=9μmおよびα=26°)に浸透させ、1,4−付加によって光重合化して、ポリジアセチレン(PDA)を生成した。色が変化するカーボンナノチューブ糸を作製するために使用される関連するポリジアセチレンのように[H.Peng et al.,Nature Nanotech.4、738(2009)]、生成されるポリジアセチレンは、多色性であり、高過ぎる温度に到達しない限り可逆的に、約57℃で青色−赤色相転移を提供する。しかしながら、非重合モノマーは、約63℃で溶融し、追加的な糸の膨張を生成するので、部分的な重合度は、複雑化の要因である。

第1の調査した水平構成(図7A、図1Bの構成に類似する)について、両端部を繋いだホモキラルフェルマー糸が、定荷重を支持した(2MPa、非作動糸の断面に対して正規化されたとき)。ねじり作動に使用されるPDAを含有する糸セグメントは、長さ3cmであり、糸の総長さは、7cmであったが、そのうちの6cmは、ワイヤのアイホール支持体の前に位置し、糸の長さの残りは、スロット重量を垂直に支持し、自由に回転できなかった(しかし、作動糸セグメントが収縮および膨張するときには垂直に移動した)。したがって、浸透させていない糸の長さは、ねじり戻しばねとして作用する。この構成および第2の説明される構成の双方について、ジュール加熱は、糸の端部と金属製アイホール支持体との間に電圧を印加することによるものであった。2mAのDC電流が糸に印加されたときに(13mW/cmの入力電力に相当する)、ジュール加熱中の作動糸の解撚につれて、100°/mmの可逆的なパドルの回転が生成された。高度に可逆的な作動は、5,000を超えるオン/オフサイクルにわたって実証したが、これが最大値であった。

一端部を繋いだ構成(図7B、図1Cに類似する)のときであっても、完全に浸透させたPDAハイブリッド糸は、非重合モノマーの溶融点を超えて加熱されたときであっても可逆的なねじり回転を提供することができる。2mAのDC電流が長さ3cmでジアセチレンを浸透させた糸セグメントに印加されたときに、パドルは、作動糸の解撚に対応する方向に回転し、次いで、この回転は、電気加熱を止めたときに逆になった。これは、糸の内部のポリジアセチレンが、冷却中に糸の容積が減少するときにねじり作動を逆にすることを可能にするための、内部ねじりばねとして機能することを示す。対応するニートな糸は、戻しばねを有しないので、可逆的なねじり作動を提供しなかい。

この青色−赤色相転移での数パーセントの容積の増加、および63℃で不完全に重合し たモノマーが溶融することによる大きな容積の変化のため、図1Bの両端部を繋いで半分浸透させた糸の構成に関して、80℃未満までの作動について、100°/mmの可逆的なねじり回転が得られた。より高い温度に対する作動は、おそらくは非可逆的な相転移のため、十分に可逆的でなかった。

実施例14 この実施例14は、実施例4のパラジウムハイブリッドカーボンナノチューブ糸に関して、吸収によって駆動される作動を実証した。0.022MPa印加引張応力を使用したねじり作動の特徴付けのために、図1Dの構成を展開した。可逆的なねじり作動は、二重アルキメデスの糸内のナノチューブ束上の厚さ60nmのパラジウム層上での水素の吸収および脱離によって駆動した。この直径144μmの糸は、90重量%のパラジウムを含有していたので、結果として生じる高いねじり剛性は、撚りの挿入を最大200ターン/mに制限した。それでも、一端部を繋いだ糸は、水素吸収中にその自由端で千倍重いパドルを回転させた。アクチュエータを含む真空チャンバの中へ0.05atmのH2を注入することで、約6s以内でパドルを1.5回転させたが、これは、水素曝露と真空との間の繰り返しサイクル中の類似する時間尺度で、完全に逆になった。厚さ10μmのPd合金層の寸法変化を利用した、カンチレバーに基づくアクチュエータは、以前に実証されているが[M.Mizumoto、T.Ohgai、A.Kagawa、J.of Alloys and Compounds 482、416−419(2009)]、応答時間は数十分単位であった。糸の100倍速い応答速度は、糸の小孔およびPd被覆の薄さによって生じる。そのような糸アクチュエータは、目標とした水素圧力を超えたときに入口を素早く閉じる、インテリジェント筋肉として使用することができる。

実施例15 この実施例15は、液体の吸収および離脱も、図9で示されるように、作動を駆動することを実証したが、両端部を繋いだフェルマー糸のねじり作動は、液体への浸漬長さの関数として示される。湿潤液体における両端部を繋いだホモキラル糸の浸漬深さを変動させることによって、殆ど可逆的なねじり回転が得られた。図9Aのアクチュエータ試験構成が展開され、糸の総長さは、80mmであり、作動を記録するために使用したパドルは、ほぼ糸の中間にあり、糸の頂端部は、軟質ロッド支持体に取り付け、また、糸の底部は、固定された直径20mmのガラスバイアルの底部に強固に取り付けた。調査したフェルマー糸は、およそ25,000ターン/mの撚りが挿入され、初期の糸の直径が8μmであり、バイアス角度が32°であった。マイラーパドルは、幅3.5mm、高さ2mm、および厚さ0.1μm、および重量1.0mgであり、これは、糸の総重量の約100倍であった。

アクチュエータの応答は、最初に約4cm3の試験液体をガラスに射出することによってトレーニングし、約12mmの糸の浸漬深さを提供した。パドルの回転が停止し、トルクバランスを示した後に、液体を約0.1mL/sで除去したが、これは、糸の浸漬深さにおいて0.3mm/sに相当する。液体の充填/除去手順は、糸の浸漬に対するパドル回転角の依存性について可逆度を確実にするために、3回繰り返した。このトレーニング期間の後、図9Bのデータは、パドル回転角(φ)が、糸の浸漬深さの関数であることを示し、アセトニトリルおよびヘキサンについて、それぞれ、49.6±3.4および35.3±1.7度/mmの近似傾斜を有する。

実施例16 この実施例16は、実施例3で説明される方法を使用して、ポリエチレングリコール(PEG)を部分的に浸透させた、両端部を繋いだホモキラル非コイル状フェルマー糸のねじり作動を実験的に実証した。溶融中に容積が10%膨張するので、PEGをカーボンナノチューブ糸のゲストとして選択した[L.J.Ravin、T.Higuchi、J. Am.Pharm.Assoc.46、732(1957)]。糸の直径は、17μm、挿入した撚りの量は、15,000ターン/m、およびバイアス角度は、31°であった。糸の総長さは、5.2cmであり、糸の一端部の長さ2.6cmの区間にPEGを浸透させ、パドルは、図1Bのように、浸透させた糸セグメントと浸透させていない糸セグメントとの間の接合部とした。このパドルは、浸透させた糸セグメントよりも92倍重く、長方形のカプトンテープストリップ(長さ3.7mm、幅1.1mm、および厚さ130μm)であった。ねじり作動は、高速ムービーカメラ(240フレーム/s)を使用して記録し、データは、パドル回転角の時間依存性のフレーム毎の分析によって得た。

図1Bの構成を使用することで、糸の全長に沿って2.4mAの方形波電流パルス(3.4Hzの周波数および25%のデューティサイクル)を印加することによって、PEGの溶融温度を超える温度に対する作動を生成した。作動中の相当電力は、16mW/cmであり、作動中に印加した引張応力は、23MPaであった(非作動糸の断面に正規化したとき)。このパルス状電力入力を使用することで、(浸透させた糸セグメントを、最初に、加熱中に解撚し、次いで、自己冷却中に再度撚る、作動サイクル中に)毎分1,040回転の最大回転速度および37°/mmのねじり回転が得られた。観察した最大サイクル数(10万サイクル)まで、いかなる作動の悪化も観察されなかった。

実施例17 電気加熱に代わるものとして、この実施例17は、パラフィンを含有するカーボンナノチューブハイブリッド糸のねじりおよび引張作動を、手動でスイッチのオン(1.6〜2s)およびオフ(0.3〜0.5s)を行った100Wの白色光ランプによる白熱加熱によって生成することができることを実証した。図1Bの構成を使用することで、パラフィンワックスを半分浸透させた、両端部を繋いだホモキラルフェルマー糸(直径約15μm、約20,000ターン/mの撚りを挿入)に関して、12.6°/mmの可逆的なねじり作動が得られた。この糸セグメントを光子的に加熱することによって引き起こしたねじり作動中に、可逆的な引張収縮が、パラフィンを含有する糸セグメントの解撚と同時に起こった。

実施例18 この実施例18は、(実施例1で説明される方法を使用して)パラフィンワックスを完全に浸透させて両端部を繋いだホモキラルコイル状フェルマー糸に関して、高周波数で大ストロークの引張作動を達成するための、レバーアームの使用を実証した。コイル内の糸の直径は、約22μmであり、コイルの直径は、約37μmであった。糸の総長さは、約15.2MPaの応力を印加したときに、7.3cmであった。剛性レバーアームは、長さ50mmのアルミニウム管(外径0.159cmおよび内径0.088cm)、重量0.196gであり、ロッドの一端部を中心に自由に枢動した。作動糸によって発生する力は、0.06の機械的利益を提供するために、(糸の端部に取り付けたアルミニウムリングを使用して)枢動点から3mmの距離に印加した。パラフィンの溶融温度を超える温度に対する作動を、糸の全長に沿って(5〜10Hzの周波数および50%のデューティサイクルで)約13V/cmの電圧を印加することによって生成した。このパルス状電力入力を使用して、5Hzの印加周波数について、11.9mmの最大垂直変位を得た。枢動点から5mmに作動力を印加し(0.1の機械的利益に相当)、6.7および10Hzのより高い印加周波数を使用すると、この変位は、それぞれ、10.4mmおよび3.5mmに減少した。

実施例19 この実施例19は、パラフィンワックスを完全に浸透させた、両端部を繋いだホモキラルコイル状フェルマー糸に関する、増幅された高周波引張作動を実証した。糸筋肉および糸の構成(図1A)は、実施例18のものと同じであった。この実施例のように、作動糸 の一端部を、アルミニウムリングに結ぶことによって取り付けた。しかしながら、この実施例19において、糸筋肉によって発生する力は、(取り付けられたアルミニウムリングを介して)約0.04g/cmの線密度を有する直径254μmおよび長さ60mmの強化ワイヤカンチレバーに印加された。ワイヤへの取り付け点がカンチレバー基部から20mmであったので、機械的利益は0.33であった。糸筋肉の中のパラフィンワックスの溶融温度を超える温度に対する作動は、糸の全長に沿って(75Hzの周波数および50%のデューティサイクルで)約13V/cmの電圧を印加することによって生成した。このパルス状電力入力を使用して、75Hzで、3.43mmのカンチレバー先端部の最大垂直変位を得た。

実施例20 この実施例20は、糸ゲストの容積変化を作動糸の容積変化と実験的かつ理論的に関連付ける、光学顕微鏡検査によって記録した動画を使用して、等張の電熱引張作動中に糸の全長の変化を測定したときの糸の構造の変化を特徴付けた。ワックスを充填した非コイル状二重アルキメデス糸を、図1A構成において両端部を繋いだ。この150μmの糸は、35°のバイアス角度を有し、スタック長さあたり2,500ターン/mの撚りが挿入された。印加荷重は、13.4MPaであり、123mW/cmの電力を印加して、作動定常状態と非作動定常状態との間をサイクルさせた。我々は、作動中に、糸の全量が0.585±0.003%収縮したときに、糸の直径が4.06±1.87%増加し、それによって、作動中に糸の容積が7.7±2.6%増加したことを示したことを観察した。ナノチューブの容積から予期されるように、周囲温度から約210℃までのこの糸のパーセント容積変化は、約30%であるワックスのパーセント容積変化よりもはるかに小さかった。

上の結果との比較のために、作動中の糸のパーセント容積変化(ΔVy/Vy)は、束状のナノチューブの密度(ρb)、作動前のワックスの初期密度(ρw)、ワックスである糸重量の割合(Fw)、および作動中のワックス容積の微小な変化(ΔVw/Vw)から計算した。結果は、以下の通りである。

六角形に密集した6つの壁を有する直径9nmのナノチューブを含む代表的な束を近似させることによって、ρb=1.65g/cm3のナノチューブの束密度が計算された。固体ワックスの密度に0.9g/cm3を使用すると、ρwb=0.54である。直径180μmの二重アルキメデス糸における測定したワックスの重量割合(0.28)および30〜210℃で測定したΔVw/Vw(30%)について、計算した糸の容積変化は、12.6%であったが、これは、上で測定した値(7.7±2.6%)の2つの標準偏差の範囲内である。

実施例21 この実施例21は、ポリマーを充填したコイル状カーボンナノチューブ糸の引張アクチュエータとしての使用、ならびに、糸の撚りが低い状態で樹脂を浸透させ、その後にこの樹脂を重合させ、次いで、糸のコイル化を生成するために必要とされる高い撚りを挿入することによる、引張ストロークの向上を実証する。幅2.5cmおよび長さ15cmのフォレストから引き出した4つのMWNTシートのスタックに(5gの荷重下で)100〜200ターン/mの撚りを挿入することによって、直径300μmのホスト二重アルキメデスカーボンナノチューブ糸が生成された。次いで、この低撚ホスト糸には、シリコーンゴム樹脂(Silicones,Inc.製の2成分SiLocone cps 1200)を浸透させた。シリコーンゴムを(室温で約24時間にわたって)硬化させた後に、 複合糸を、完全にコイル状になるまで約0.2MPa張力下で撚った。糸の最終的な直径は、約270μmであった。この低撚浸透方法は、非常に高い重量および容積パーセントのゲスト材料を含有する、コイル状ハイブリッド糸を製作することを可能にする。上で説明されるシリコーンゴム/カーボンナノチューブ糸について、シリコーンゴムの重量パーセントは、約95%であった。このゲストを高充填した糸の結果として、ゲストの大きい熱膨張が生じ、また、浸透前のコイル化の使用により、電熱作動中に、巨大な引張収縮が生じた。電熱加熱時(0.2秒、5V/cmの方形波パルスを使用した)に、コイル状ハイブリッドナノチューブ糸は、5MPaの応力の下で、最大35%可逆的に収縮した(図10)。

実施例22 この実施例22は、窓のシャッターの開口を制御するためのノイズレスアクチュエータとしての、単一コイル状、2本諸撚り、SZ撚りで、銀を被覆したナイロンファイバーの使用を実証し、図22C〜22Dに写真を示す。前駆体は、市販の直径200μmの銀を被覆した非撚ファイバーとし、990ターン/mの撚りを挿入した。ナイロン筋肉は、両端部を繋いだ。長さ28cmのコイル状ファイバーについて、25秒のサイクル(オン7秒およびオフ18秒)中にブラインドを開閉するために使用した動作電圧は、15Vの方形波であった。コイル状ファイバーの長さの変化は、200gの印加荷重下で、2cmの収縮(7.1%の収縮)であったが、これは、シャッターを閉鎖位置に戻すために使用した。この収縮を使用することで、シャッターは、ファイバーの作動中に、閉位置(垂直方向に対して15°の薄板の傾斜)から90°(全開位置)まで開く。周囲温度の変化を使用することによるこの熱作動の展開は、周囲温度での関連する変化に対するストロークを増幅するためのプーリー構成を展開することができた。発生させる力を増加させることが必要である場合、並列に動作する多数のコイル状ファイバーを展開することができる。

実施例23 この実施例23は、制御ループを介したアクチュエータ位置の正確な制御を実証した。使用するコントローラは、比例積分微分コントローラ(PIDコントローラ)であったが、これは、産業的な制御システムに広く使用されているようなタイプのコントローラである。このPIDコントローラは、測定されたプロセス変量(現在位置)と所望の設定点との差として、「誤り」値を計算する。コントローラは、現在の印加電圧、電流、または電力であるプロセス制御入力を調整することによって、位置決めにおける誤りを最小にしようとする。

形状記憶アクチュエータのヒステリシス挙動は、制御システムを複雑にするが、この問題は、調査したコイル状ポリマーファイバーについては起こらなかった。コイル状カーボンナノチューブシートを巻き付けたナイロンアクチュエータの変位を正確に制御する、簡単なPIDループを実現した。変位は、Omega LD701非接触変位センサによって測定し、入力/出力は、NI PCI−6040E取り込みカードを介してコンピュータに接続した。Labviewに基づくPIDループは、変位を0.1mm内で制御した。このシステムは、最高2Hzで正確にユーザ定義の正弦波を生成するのに十分頑健であった。

実施例24 この実施例24において、ポリマーワイヤ筋肉を覆うCNTラップは、電熱作動中に、熱音響効果を介して音を生成することを実証した。CNTシートを巻き付けたコイル状ナイロンアクチュエータ(127μm、Coats and Clark製D67透明ナイロン)を調製した。DC電圧を印加する代わりに、同程度の2乗平均平方根(RMS)振幅の5kHzの交流正弦波電圧を印加して、作動を誘導した。CNTシートの高い表面積および低い熱容量のため、ポリマーワイヤ筋肉の熱作動は、10kHzで可聴音を生成し た。出力周波数は、正および負の双方の電圧でのジュール加熱による入力周波数の2倍であった。

実施例25 この実施例25は、一端部を繋いだナイロンファイバーアクチュエータの化学燃料に対する非可逆的応答を実証した。127μmのCoats and Clark製D67ナイロンフィラメントに、蒸着させたPt黒触媒粒子(Alfa Aesar 12755)を含有するCNTシートを巻き付けた。次いで、完全にコイル状になるまで、フィラメントを撚った。このプロセスは、ナイロンのかなりの塑性変形を引き起こし、よって、全ての弾性的に記憶された撚りが除去されたときであっても、フィラメントは、そのコイル形状を保持した。メタノールのビーカーの上に(一方の筋肉の端部を拘束しない状態で)配置されたときに、白金表面上でのメタノール蒸気と酸素との反応は、アクチュエータを加熱した。これは、コイル状構造の非可逆的な解撚を引き起こし、到達した温度を表す。

実施例26 この実施例26は、撚りを挿入し、次いで、コイルの軸に対して反対方向のバイアス角度を有するカーボンMWNTシートストリップを螺旋状に巻き付けることによって完全にコイル状にしたナノファイバーに関して、両端部を繋いだ引張作動を実証する。そのようなMWNTシートストリップを二重螺旋状に巻き付ける前およびその後の、コイル状ナイロンファイバーの光学顕微鏡写真は、図15A〜15Bに示される。

コイル状ナノファイバー筋肉は、2ステップのプロセスを使用することによって、直径約230μmで市販のマルチフィラメントナイロン縫い糸(Coats&Clark)から調製した。最初に、繋がれていないときにその形状を保持することができる、コイル状で撚りを挿入したナイロンファイバー(図15A)を製作した。これを達成するために、スレッドが完全にコイル状になるまで、ある長さの前駆体縫い糸に35MPaの応力および撚りを与えた。初期ポリマーファイバーの長さは、コイル状構造の長さよりも4〜5倍長かった。このコイル状構造の形状を安定させるために、約5分間、ナイロンガラス転移温度を超えるまで、コイル状スレッドを熱風ヒートガンで加熱した。そのように調製したポリマーファイバーは、繋ぎを解いて荷重を除去した後に、コイル状構造を保持した。

2番目の調製ステップでは、コイル状ファイバーに、複数層のフォレストから引き出したMWNTシートストリップを巻き付けた。この手順において、ファイバーは、MWNTシートを固定フォレストから引き出し、ファイバーの長さに沿って並進させながら、一定の速度で回転させた。コイル状ナイロンファイバー(スレッド)巻き付けに対するMWNTシートストリップの巻き付けは、順方向に2回行い、次いで、逆方向に2回行って、コイル状ファイバー糸の軸に対して対照的に諸撚りされる螺旋状に巻き付けたシートリボンを提供した。MWNTシートを巻き付ける前およびその後のコイル状ファイバーの光学顕微鏡画像は、それぞれ、図15Aおよび15Bに示される。

両端部を繋いだ作動測定について、調製したポリマーファイバー筋肉の一端部を、1つの電気的接続部としての役割を果たす固定金属ロッドに取り付け、筋肉の反対の端部を、第2の糸の繋ぎ目を提供する第2の電気的接続部としての役割を果たす薄く柔軟な金属ワイヤに接続した。21.7MPaを提供する錘でポリマー筋肉に荷重を与えた後に、初期非撚スレッドの断面に対して正規化したときに、ポリマーファイバー筋肉は、固定ロッドと金属ワイヤとの間に印加された変動振幅の方形波電圧を使用してジュール加熱することによって作動させた。作動中の筋肉の表面温度は、熱電対を使用して、アクチュエータサイクル中に時間の関数として記録した。また、Keithleyソースメーターを使用して、アクチュエータサイクル中のMWNTジュール加熱器の抵抗も記録した。ジュール加熱することによって誘導されるポリマーファイバー筋肉の作動は、ビデオカメラを装備し た顕微鏡によって検出した。21.7MPaの応力で荷重を与えた筋肉に関する印加電圧、電気抵抗、温度、および発生した歪みの代表的な時間依存性は、図16に示される。筋肉は、加熱されたときに、最高26%可逆的に収縮した。

実施例27 この実施例27は、コイル方向に負の熱膨張を有する、両端を繋いで、マンドレルでコイル状にした熱ポリマーファイバー筋肉の引張作動を説明する。このポリマーファイバー人工筋肉を調製するために、直径860μmのナイロン6モノフィラメントを、最初に、200gの荷重下で、コイル化のオンセットの直前まで撚った。次いで、それを、ファイバーの撚りと同じ方向に、マンドレルに巻き付けた。次いで、コイル状ポリマーファイバーを、構造をセットするために、150℃で20分間熱アニールした。直径0.4mmのマンドレルを使用して作製したポリマーコイルは、(ヒートガンからの熱風を使用して)140℃まで加熱したときに、3.5MPaの荷重下で、29%の収縮を提供した。直径2.7mmのマンドレルを使用してコイルの直径を増加させることによって、1MPaの荷重下で、140℃で最高49%の収縮が達成された。

実施例28 この実施例28は、マンドレル上でのコイル化に使用される方法の結果としての、正の熱膨張を有するコイル状ポリマーファイバー糸を使用する、熱的に駆動される人工筋肉を説明する。この筋肉は、収縮するときではなく、膨張するときに、機械的仕事を行うように動作する。直径860μmのナイロン6モノフィラメントファイバーを、最初に、200gの荷重下で、コイル化のオンセットの直前まで撚った。次いで、この撚ファイバーを、挿入されたファイバーの撚りと反対方向に、直径2.7mmのマンドレルに巻き付けた。このコイルは、(片持ち梁によって支持された)50gの圧縮荷重下で、コイルガイドとしてコイル中心でガラスロッドを使用することによって位置付けた(図19A〜19B)。作動を提供するための加熱は、ヒートガンからの熱風を使用することによって提供した。コイル状ポリマー筋肉は、低面および上面との摩擦によって両端部を繋いだ。作動筋肉の温度を監視するために、筋肉コイルの内部に位置付けた薄い熱電対を使用した。およそ140℃まで加熱した時点で、コイル状ポリマーファイバー筋肉は、可逆的な膨張を示し、一方で、50gの荷重を持ち上げ、コイル状筋肉の長さの55%を超えた。

実施例29 この実施例29は、水槽への浸漬によって可能にされる高速作動を実証した。銀めっきした6,6(Shieldex Trading,Inc.,117/17−2ply、製品番号:206121011717)をコイル状にし、2本諸撚りして、安定した高ストロークのSZ筋肉を形成した。10.8MPaの100gの荷重を印加し、アクチュエータおよび荷重はどちらも、脱イオン水の浴槽の中に浸漬した。そのような条件において、共振が見出され、急速な受動的冷却は、5Hzの速度での電熱作動および約7%のストロークを可能にした。

実施例30 この実施例30は、コイル状ポリエチレンアクチュエータの収縮中の、効率および電力密度を測定した。ポリエチレンファイバー(SpiderWire StealthBraid6ポンドテスト)は、CNTシートを巻き付け、完全にコイル化されるまで撚った。長さ10cm、重量8.5mgの試料を使用した。熱放散を制限するために、10msにわたって390Vの急速パルスによって加熱したときに、アクチュエータは、166mJを消費した。それに応じて、アクチュエータは、600gの錘を0.37mmを持ち上げ、重力に対して2.18mJの仕事(0.26kJ/kg)を表した。これは、収縮中に1.32%のエネルギー効率および25.6kW/kg電力密度に達する。

実施例31 この実施例31は、ナイロンおよびポリエチレン以外のポリマーファイバーに基づくアクチュエータを実証した。Kevlar、Nomex、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、およびポリエステルを、室温と作動温度との間での加熱および冷却サイクルによって、TMA(TA Instruments Q400EM)を介して測定した。KevlarおよびNomexはどちらも、負の熱膨張係数を有する。撚る前に、Kevlarは、300℃まで加熱した時点で、0.3%収縮し、一方で、Nomexは、280℃まで加熱したときに殆ど収縮を呈さなかった(0.02%未満)。コイル状にしたときに、KevlarおよびNomexは、それぞれ、350℃および280℃まで加熱すると、10%および3.5%収縮した。対照的に、PVDFおよびポリエステルは、全ての温度にわたって負の熱膨張を普遍的に呈するというわけではない。撚る前に、PVDFは、70℃まで加熱したときに長さが最高0.2%膨張し、その後に、135℃で、その元々の長さの0.9%収縮した。ポリエステルは、単に正の熱膨張を呈し、230℃まで加熱したときに、0.4%膨張した。しかしながら、PVDFおよびポリエステルについては、コイル状にすると、どちらの材料も加熱によって収縮し、それぞれ、135℃および230℃まで加熱した時点で10%および16%のストロークを提供した。全てのコイル状試料は、回転を防止するために、両端部を繋いだ。

実施例32 この実施例32は、CNTシートストリップを螺旋状にファイバー基材に巻き付けるための方法を実証した。有限長さの試料について、ファイバーは、2つのモーターの間で支持した。紡績可能なCNTフォレストから引き出したCNTシートは、特定の送り角度で取り付け、該送り角度は、必要とされる巻き付け厚さに応じて変動させた。ファイバーを回転させ、ファイバーの長さに沿ってファイバーまたはフォレストを並進させることによって、CNTシートストリップの均一な被覆を一定の送り角度で適用した。より低い抵抗またはより高いシート面密度が必要とされるとき、追加的な巻き付けを、同じまたは異なるバイアス角度で適用することができた。この手法はまた、ファイバーの周りにCNTフォレストを巻き付ける紡績装置を通してファイバー基材を引き出すことによって、連続するファイバーの巻き付けを可能にするようにも拡張した。

実施例33 この実施例33は、非並列ポリマーファイバーまたはハイブリッドナノファイバー糸筋肉または筋肉セグメントを使用することによって、荷重の2次元変位を提供するための単純な設計を実証した。CNTを巻き付けたコイル状ナイロンアクチュエータ(127μmのCoats and Clark製D67透明ナイロンフィラメント前駆体から製作)を、糸の中間で50gの荷重を懸架して、2つの支持体の間で保持した。支持体間の間隔は、アクチュエータが角度90度のV字形を形成し、頂点で荷重を支持するように調製した。電極は、各支持体に取り付けられ、中央で50gの錘に取り付けられ、よって、V字形の各脚部を独立して加熱することができた。各脚部に等しい電圧を印加することで、錘を垂直に持ち上げ、一方で、異なる電圧を印加することで、錘を水平に移動させることを可能にした。この挙動は、酸、塩基、および指示薬容器の間で毛管を移動させるために使用し、溶液の自動化された分注および混合を実証した。

この実施例の配列と同じ配列を使用して、機械的荷重の3次元変位を提供することが提供することができる。例えば、1つのV字形の作動ポリマーファイバー(独立して脚部を有する)を使用する代わりに、独立して制御される第3の方向の変位を提供するように、2つの作動ポリマーファイバー(同じく、独立して対応できる脚部を有する)を展開することができる。V字形の第2の糸筋肉は、随意に、第1のV字形の糸筋肉と同様に構成することができるが、第1のV字形の糸筋肉に対して90°に配向することができる。そのような2Dおよび3Dの筋肉構成は、マクロスケール、マイクロスケール、もしくはナノ スケールでの、ナノもしくはマイクロ顕微鏡検査のためのプローブの変位、またはSEM(走査電子顕微鏡)顕微鏡検査もしくはTEM(透過電子顕微鏡)顕微鏡検査の移動もしくは傾斜を含む、多様な用途に使用することができる。傾斜に対する能力は、傾斜する部材上の1つを超える場所に筋肉を取り付けることによって提供することができる。

実施例34 この実施例34は、コイル状で2本諸撚りのSZ撚ナイロンファイバーの筋肉(モノフィラメントまたはマルチフィラメントであり、また、伝導性被覆を有するか、もしくは有しない)から作製される、種々の編組構造または平織編組構造の熱作動および電熱作動を実験的に実証する。

最初に説明した結果について、8本のMWNTリボンシートを巻き付けたコイル状の2本諸撚りSZナイロン6ファイバーを、平編組織物に組み立てた。作動ファイバー筋肉の前駆体ファイバーは、市販の直径130μmのナイロン6ナノフィラメント(Coatsand Clark製0.005サイズのモノフィラメント)であった。このファイバーには、撚りを挿入し(3280ターン/m、30gの錘を使用して張力を提供した)、次いで、撚ったファイバーをそれ自体の上に折り畳み、SZ2本諸撚り糸を作製した。2本諸撚りSZ糸には、MWNTシートストリップを5回巻き付けた層を提供するように、フォレストから引き出したMNWTシートストリップを螺旋状に巻き付けた。このMWNT被覆プロセスの前に、2本諸撚りSZ糸の外径は、538μm±2%であり、このプロセスの後、直径は、567μm±3%に増加した。5層のMNWTを被覆した後の2本諸撚りポリマーファイバーの代表的なファイバー抵抗は、682Ω/cmであり、この抵抗は、8本の巻き付けたSZナイロン6ファイバーを並列に動作させる平編組構造について、167Ω/cmまで減少した。

作動は、100mAの方形波電流を使用して、520gの定荷重下で行った(オン3秒、オフ5秒)。長さ12cmの織物試料について、13.3%のストロークに対応する、1.6cmの変位が観察された。第2の平編組織物(図21Aに示す)を、4本の非被覆コイル状2本諸撚りSZナイロン6モノフィラメントから同様に作製したが、該織物は、環境的に提供される加熱または光熱加熱によって作動させることができた。

円形の編組ロープ(図21Cに示す)を、8本の上で説明したMWNTを被覆したSZ撚ナイロン6糸筋肉を編組することによって作製した。編組構造全体の抵抗は、83Ω/cmであった。作動は、5.5V/cmの方形波電圧を使用して、550gの定荷重下で行った(オン3秒およびオフ5秒)。長さ7.29cmの編組について、電熱加熱中に、13.7%のストロークに相当する、1cmの収縮が観察された。別の円形の編組を、MWNT電子伝導体を組み込まずに、8本のSZ撚ナイロン6糸を編組することによって同様に作製した。この編組(図21Bに示す)は、直接的な熱的加熱または光熱加熱によって作動させることができた。

10本の非被覆SZ2本諸撚りコイル状ナイロンファイバー(上で説明されるように調製)を縦糸方向に組み込み、綿糸を横糸方向に組み込むことによって、平織物を作製した。この織物は、直接的な熱的加熱によって作動させることができる。別の平織構造(図21Dに示す)を、最初に、市販の銀を被覆したナイロン6,6マルチフィラメントファイバーをSZ2本諸撚りコイル状ナイロン筋肉に変換することによって作製した。そのような8本のコイル状筋肉ファイバーを平織物の縦糸方向に組み込み、一方で、綿糸を横糸方向に組み込んだ。縦糸方向における織物の抵抗は、60Ω/cmであった。作動は、長さ6.25cmの縦糸方向の織物を使用して、1.3kgの定荷重下で行った。90Vの方形波電圧を印加したとき(オン6秒およびオフ25秒)に、12.6%のストロークに相当する、7.9mmの変位が観測された。

実施例35 この実施例35は、電熱的または熱的に駆動されるナイロンファイバー筋肉がマッキベン編組織物の小孔を開閉させる、「呼吸する筋肉」を実証した。利用したCNTを被覆したSZ2本諸撚りコイル状ナイロン筋肉は、実施例34で説明されるように作製した。8本のそのような筋肉をともに編組してアクチュエータを作製し、マッキベン編組の内部に配置した。この8本の筋肉に基づく編組を、350gの荷重下で、(40Vの方形波電圧を使用し、オン5秒およびオフ20秒で)電熱的に作動させたときに、織物の孔領域は、(図22Aおよび図21Aの写真を比較して示されるように)最高16%可逆的に増加した。

実施例36 この実施例36は、コイル化の撚り方向がファイバー内の撚り方向と同じである、ヒートセットしたSSナイロンファイバーの熱作動に対する撚り密度の影響を調査する。直径300umの、マンドレルでコイル状にしたナイロンファイバーをヒートセットするために、オーブンを使用し(150℃で30分間)、その後に、ヒートガンからの熱風を使用して、熱作動を提供した。同じ印加荷重について、撚り密度が170ターン/m未満のヒートセットしたSSコイル状ナイロン糸(例えば、0、100、120、および150ターン/mのファイバー撚り密度を有するコイル)は、150℃を超えるヒートセット温度まで加熱すると、非可逆的に伸長し、170ターン/mを超える撚り密度(例えば、200ターン/m)を有するコイル状ナイロンは、加熱したときに、ほぼ可逆的に収縮し、冷却したときには、伸長する。したがって、臨界撚り密度は、約170ターン/mのファイバー撚りである。

実施例37 この実施例37は、温度の変化による機械エネルギーとして熱エネルギーを採取するための、コイル状ナイロンファイバー筋肉の使用、およびこの機械エネルギーを電気エネルギーに変換するための、5つの片持ち圧電プレートの使用を概念的に実証した。この電気エネルギーは、ナイロンファイバーの筋肉を圧電カンチレバーの自由端部に取り付けることによって発生させた。本実施例における利便性のため、コイル状ナイロンファイバー筋肉の温度変化を電気的に生成したが、周囲温度の変化によって生じる熱エネルギーを採取するために、同一の配設を使用することができる。

実施例38 この実施例38は、環境温度の変化に基づいて光または気流を調節するための、ポリマー筋肉で駆動されるシステムの使用を実証する。本出願の実施形態は、圧縮下にある間に膨張したときに機械的仕事を行うために正の熱膨張を有するマンドレルでコイル状にしたナイロン筋肉を使用し、温度が上昇したときに小孔を増加させるスマート織物に使用することもできる実施形態である。直径860μmのナイロン6モノフィラメントファイバーを、最初に、200gの荷重下で、コイル化のオンセットの直前まで撚った。次いで、この撚ファイバーを、挿入されたファイバーの撚りと反対方向に、直径2.7mmのマンドレルに巻き付け、そして、80℃の適用温度よりも高い温度でヒートセットした。このようにして、2本のコイルを調製した。このコイルは、2本の金属ロッドの周りに位置付けられ、該ロッドは、該コイルの運動のためのガイドとしての役割を果たした。ヒートガンからの熱風を使用しておよそ80℃まで加熱した時点で、コイルが膨張し、コイルのターンの間を通るナイロンフィラメントによって支持される一組のプラスチック管を離れさせた(図23A)。自然冷却時に、コイルは、それらの元の位置に戻り(図23B)、それによってシャッターを閉じる。

本発明の種々の特徴 本発明は、ナノファイバーに基づく糸アクチュエータ(人工筋肉等)を含む。本発明はさらに、電気的に、光子的に、化学的に、吸収によって、または他の手段によって駆動されたときに、ねじりおよび/または引張作動を発生する、ナノファイバー撚紡績糸または撚り挿入したポリマーファイバーを含むアクチュエータ(人工筋肉)を含む。これらの人工筋肉は、非コイル状またはコイル状糸を利用し、また、ニートであり得るか、またはゲストを含み得る。本発明はまた、これらの人工筋肉を含むデバイスも含む。

本明細書で引用される全ての特許、特許出願、および出版物の開示は、それらが本明細書に記載されるものを補足する、例示的、手続き的、または他の詳細を提供する限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。上で説明される実施形態の上で説明される一定の構造、機能、および動作は、本発明を実践するために必要ではなく、単に例示的な一実施形態または実施形態の完全性のために説明に含まれることが理解されるであろう。加えて、上で説明される引用した特許および出版物に記載される特定の構造、機能、および動作は、本発明と併せて実践することができるが、それらは、実践に必須ではないことが理解されるであろう。したがって、本発明は、本発明の趣旨および範囲から実際に逸脱することなく、具体的に説明されるもの以外で実践され得ることを理解されたい。

本発明の実施形態を示し、説明してきたが、当業者は、本発明の趣旨および教示を逸脱することなく、それらの変更を行うことができる。説明される実施形態および本明細書で提供される実施例は、例示的なものに過ぎず、限定することを意図しない。本明細書で開示される本発明の多くの変形および修正が可能であり、それらは、本発明の範囲内にある。故に、保護の範囲は、上で提示される説明によって限定されない。 本発明の具体的態様は以下のとおりである。 [1]非電気化学アクチュエータであって、 (a)第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントであって、ナノファイバー、ならびに加熱、放射線への曝露、化学物質または化学混合物への曝露、およびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される変化プロセスによって容積の大きな変化を受けるように動作可能である作動糸ゲストを含む、第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントと、 (b)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントに直接的または間接的に連結される、第1のアタッチメントと、を備え、 (i)前記非電気化学アクチュエータは、引張作動、ねじり作動、引張およびねじり作動の同時に使用可能な組み合わせ、ならびにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される作動を提供するように動作可能であり、 (ii)前記第1のアタッチメントは、前記作動が前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントによって少なくとも部分的に生成される、前記作動の利用を可能にするように動作可能である、非電気化学アクチュエータ。 [2](a)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントは、長さを有し、 (b)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントの実質的に全長は、前記作動糸ゲストを含む、[1]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [3](a)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントを電気的に加熱するために、加熱設備が前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントに動作可能に接続され、 (b)前記作動糸ゲストは、前記加熱設備によって加熱されたときに、容積の大きな変化を受けるように動作可能であり、 (c)前記加熱設備は、定期的な加熱、非定期的な加熱、ならびに定期的な加熱および非定期的な加熱の双方から成る群から選択される加熱を行うように動作可能である、[1]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [4]前記作動糸ゲストは、少なくとも大部分が可逆的である、容積の大きな変化を受けるように動作可能である、[1]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [5]前記作動糸ゲストの前記大部分が可逆的である容積の変化は、前記作動糸ゲストが前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントの中の前記ナノファイバーと接触しているときに、大きなヒステリシスの存在を伴わずに起こるように動作可能である、[4]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [6]前記作動糸ゲストは、(a)前記作動糸ゲストの化学的加熱を生成する曝露、および(b)前記作動糸ゲストによる化学的吸収を生成する曝露から成る群から選択される化学的曝露によって生じる容積の変化に対して動作可能である、[4]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [7](a)前記非電気化学アクチュエータは、ねじりアクチュエータであり、 (b)前記第1のアタッチメントは、パドルおよびねじりレバーアームから成る群から選択される第1のねじりアタッチメントである、[1]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [8]パドルおよびねじりレバーアームから成る群から選択される1つを超えるねじりアタッチメントを備え、全てのねじりアタッチメントが、前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントに直接的または間接的に連結される、[7]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [9]第1の端部および第2の端部を有する第2のセグメントをさらに備え、 (a)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントは、第1の端部および第2の端部を有し、 (b)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントの前記第2の端部は、前記第2のセグメントの前記第1端部に接続され、 (c)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントの前記第1の端部および前記第2のセグメントの前記第2の端部は、ねじり回転を制止するためにねじって繋がれ、 (d)前記ねじりアタッチメントの少なくとも1つは、前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントの前記第2の端部と、前記第2のセグメントの前記第1の端部との間の機械的接続部に近接する、[7]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [10]前記第2のセグメントは、実質的に非作動であり、また、ねじりばねとして作用するように動作可能である、[9]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [11]前記第2のセグメントは、第2の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントであり、該第2の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントは、作動糸ゲストを備え、また、前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントの前記第2の端部と前記第2のセグメントの前記第1の端部との間の接続部でねじり回転を提供するように作動し、該ねじり回転は、前記第1の作動ナノファイバー糸セグメントによってこの接続部に提供される方向と同じ方向である、[9]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [12](a)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントは、単一諸撚糸、2本諸撚糸、および4本諸撚糸から成る群から選択される糸であり、 (b)前記2本諸撚糸の中の諸撚りのそれぞれ、およびそれぞれまたは前記4本諸撚糸の中の諸撚りは、同じ挿入ねじり方向を有し、 (c)これらの諸撚りをともに諸撚りするための撚り方向は、前記2本諸撚糸および前記4本諸撚糸の各諸撚りにおける撚り方向と反対である、[2]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [13]前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントの前記諸撚りのそれぞれは、作動糸ゲストで実質的に充填される、[12]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [14](a)前記第2のセグメントは、実質的にいかなる作動糸ゲストも含まない、実質的に非作動ナノファイバー糸セグメントであり、 (b)前記第2の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントおよび前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントは、同程度の長さを有し、 (c)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントおよび前記第2の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントは、機能的に実質的に同一の糸に由来する、[10]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [15](a)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントは、前記ねじりアクチュエータの中で実質的に唯一の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントであり、 (b)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントは、前記作動糸ゲストで実質的に充填され、 (c)前記非電気化学アクチュエータはさらに、前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントのねじり作動を生成するために、少なくとも1つの手段を備え、前記手段は、(1)前記作動糸ゲストを電気的に加熱することを可能にするワイヤ接続部、(2)前記作動糸ゲストの光熱加熱または前記作動糸ゲストの光反応のうちの少なくとも1つを可能にするように動作可能である、放射線源および放射線経路、(3)前記糸ゲストの化学的曝露を可能にするように動作可能である、前記作動糸ゲストに対する化学物質源および化学的経路、および(4)それらの組み合わせ、から成る群から選択される、[14]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [16](a)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントは、前記作動糸ゲストで実質的に充填される、第1の2本諸撚りナノファイバー撚紡績糸セグメントであり、 (b)前記第2の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントは、前記作動糸ゲストで実質的に充填される、第2の2本諸撚りナノファイバー撚紡績糸セグメントであり、 (c)前記第1の2本諸撚りナノファイバー撚紡績糸セグメントおよび前記第2の2本諸撚りナノファイバー撚紡績糸セグメントのそれぞれは、前記2本の糸の諸撚り内の一方の糸の撚り方向、およびそのような諸撚りを諸撚りするための反対の撚り方向を有し、 (d)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントの前記諸撚りのための撚り方向は、前記第2の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントの前記諸撚りのための撚り方向と反対である、[11]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [17]前記ナノファイバーは、電気ジュール加熱を使用した電熱作動を可能にするのに十分な電気伝導率を有する、電子伝導性ナノファイバーを含む、[1]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [18]前記ナノファイバーは、多層カーボンナノチューブ、数層カーボンナノチューブ、リボン、グラフェンナノリボン、その誘導体に縮めさせた十分に大きいナノチューブ直径を有する単層カーボンナノチューブまたは数層ナノチューブ、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、[1]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [19]前記ナノファイバーは、静電紡績プロセスによって作製されるナノファイバーを含む、[1]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [20](a)前記ナノファイバーは、電気絶縁ポリマーナノファイバーであり、 (b)そのような電気絶縁ポリマーナノファイバーが熱作動を提供するように動作可能に加熱するための加熱設備が提供される、[19]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [21]前記加熱設備は、前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントに巻き付けられた電子伝導体を備え、よって、電熱作動を動作可能にする、[20]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [22]この電子伝導体は、前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントの周りに螺旋状に巻き付けられる、カーボンナノチューブシートストリップである、[21]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [23]前記作動糸ゲストは、パラフィンワックス、ポリエチレングリコール、長鎖脂肪酸、有機回転子結晶、シリコーンゴム、パラジウム、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、[1]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [24]前記作動糸ゲストは、異なる固体相の間、固体状態と液体状態の間、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される様式で、作動中に転換することができる、[1]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [25]前記非電気化学アクチュエータは、物体の機械的変位、機械的仕事の達成、引張力の発生、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される作動を提供するように動作可能である、[1]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [26](a)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントは、コイル状にされ、 (b)前記第1のナノファイバー撚紡績糸は、糸の実質的に全長にわたって作動糸ゲストを含む、[25]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [27]前記作動糸ゲストの容積変化は、少なくとも大部分が可逆的である、[25]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [28]前記作動糸ゲストの前記大部分の可逆的な容積変化は、大きなヒステリシスの存在を伴わずに生じさせるように動作可能である、[27]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [29](a)前記非電気化学アクチュエータは、高度に可逆的なねじりおよび引張作動を同時に提供するように動作可能であり、 (b)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントは、前記作動糸ゲストで実質的に充填され、 (c)前記作動糸ゲストは、前記変化プロセスによって容積の大きな変化を可逆的に受けるように動作可能であり、 (d)前記非電気化学アクチュエータは、引張荷重下にあり、長さを変化させることができ、また、 (1)第1のセグメント端部での転位および回転を実質的に防止するために、前記第1のセグメント端部に繋がれ、前記繋ぎ目から離れた位置に前記糸セグメントの長さに沿って取り付けられるパドルまたはねじりレバーを支持し、また、作動中に固体状態から液体状態に完全に変化するように動作可能ではない固体作動糸ゲストを含む、コイル状もしくは非コイル状で単一諸撚りの作動ナノファイバー撚紡績糸セグメント、または2本諸撚り作動ナノファイバー撚紡績糸セグメント、 (2)作動糸ゲストを含み、前記第1の端部での回転を実質的に防止するように前記第1の端部に繋がれ、また、前記第2の端部上で、ねじりばねとして作用する実質的に作動しない要素の第1の端部に取り付けられ、前記実質的に作動しない要素の前記第2の端部が、前記第2の端部の回転を防止するように繋がれ、前記2つの繋ぎ目のうちの1つが、端部の転移を制止し、パドルまたはねじりレバーアームが、前記作動ナノファイバー糸と前記実質的に作動しない要素との間の接続部に近接して取り付けられる、コイル状もしくは非コイル状で単一諸撚りの作動ナノファイバー撚紡績糸セグメント、または2本諸撚り作動ナノファイバー撚紡績糸セグメント、 (3)どちらも前記作動糸ゲストを含む、2つの機械的に接続された2本諸撚り作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントであって、(i)前記2つの機械的に接続された2本諸撚り糸セグメントの個々の諸撚りのそれぞれが、同じ糸の撚り方向を有し、(ii)前記2本諸撚り糸セグメントのそれぞれが、糸の撚りおよび糸の諸撚りについて反対の撚り方向を有し、(iii)前記第1の機械的に接続された2本諸撚り糸セグメントの前記糸の撚り方向が、前記第2の機械的に接続された2本諸撚り糸セグメントの前記糸の撚り方向と反対であり、(iv)前記2つの機械的に接続された2本諸撚り糸セグメントの間の前記接続部から最も遠く離れている2本諸撚り糸セグメントの端部が、ねじり回転を防止するように繋がれ、(v)そのような端部の繋ぎ目の1つが、端部の転位を制止し、(vi)パドルまたはねじりレバーアームが、前記2つの機械的に接続された2本諸撚り糸セグメントの間の機械的接続部に、またはその近くに取り付けられる、2つの機械的に接続された2本諸撚り作動ナノファイバー撚紡績糸セグメント、のうちの少なくとも1つを備える、[1]に記載の非電気化学アクチュエータ。 [30]プロセスであって、 (a)ナノファイバー撚紡績糸を生成するステップであって、(1)配向されたナノファイバーを含むナノファイバー非撚糸、(2)配向されたナノファイバーのリボン、および(3)撚紡績糸を生成するように収束する配向されたナノファイバーのリボンから成る群から選択されるナノファイバー配列にねじりを挿入することによって、ナノファイバー撚紡績糸を生成するステップと、 (b)前記作動糸ゲストまたはその前駆体を前記撚紡績糸に浸透させることによって、作動糸ゲストまたはその前駆体を導入するステップと、 (c)加熱、放射線への曝露、化学物質もしくは化学混合物への曝露、およびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される変化プロセスによって容積の大きな変化を受けるように動作可能である、前記作動糸ゲストを含む作動ナノファイバー撚紡績糸を形成するステップと、を含む、プロセス。 [31]前記形成するステップは、前記作動糸ゲストを含む前記作動ナノファイバー撚紡績糸を形成するために、前記作動糸ゲストまたはその前駆体を変換することを含む、[30]に記載のプロセス。 [32]プロセスであって、 (a)(1)配向されたナノファイバーのリボン、および(2)糸へ収束する配向されたナノファイバーのリボンから成る群から選択されるナノファイバー配列を形成するステップと、 (b)作動糸ゲストまたはその前駆体を前記ナノファイバー配列に蒸着することによって、作動糸ゲストまたはその前駆体を導入するステップと、 (c)ナノファイバー糸を形成するために前記ナノファイバー配列にねじりを挿入するステップであって、該ナノファイバー糸は、(1)加熱、放射線への曝露、化学物質もしくは化学混合物への曝露、およびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される変化プロセスによって容積の大きな変化を受けるように動作可能である、作動糸ゲストを含む作動ナノファイバー撚紡績糸、または(2)加熱、放射線への曝露、化学物質もしくは化学混合物への曝露、およびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される変化プロセスによって容積の大きな変化を受けるように動作可能である、作動糸ゲストを含む作動ナノファイバー撚紡績糸に変換することができる、前駆体ナノファイバー撚紡績糸のいずれかである、ナノファイバー配列にねじりを挿入するステップと、を含む、プロセス。 [33]前記プロセスのステップは、同時またはほぼ同時に起こり得る、[30]、[31]、または[32]に記載のプロセス。 [34](a)前記配向されたナノファイバーは、(1)静電紡績、(2)カーボンナノチューブフォレストからのカーボンナノチューブの引き出し、(3)浮遊触媒で生成したカーボンナノチューブから形成されるエアロゲルからのカーボンナノチューブの引き出し、(4)液体中のナノファイバーの分散体からの溶液紡績、(5)配向されたグラフェンナノリボンを提供するための、配向された多層カーボンナノチューブの解体、および(6)配向されたカーボンナノチューブ上への材料のテンプレート化、から成る群から選択される方法によって直接的または間接的に生成される、[30]〜[32]または[33]に記載のプロセス。 [35]前記テンプレート化プロセスはさらに、前記配向されたカーボンナノチューブを酸化的に除去することを含む、[34]に記載のプロセス。 [36](a)前記作動糸ゲストまたは前記その前駆体を導入する前記ステップは、高い空隙容積割合を有する低撚りまたは疑似ナノファイバー撚糸に行われ、 (b)前記プロセスはさらに、所定の撚り挿入状態を前記作動ナノファイバー撚紡績糸に提供するために、追加的な撚りを使用することを含む、[30]、[31]、または[33]に記載のプロセス。 [37]前記作動ナノファイバー撚紡績糸は、(a)ゲストを含まないナノファイバー糸に対して、疑似撚りまたは糸をコイル状にするのに必要とされるよりも少ない撚りを挿入すること、(b)溶融ポリマーまたは未硬化ポリマー樹脂を前記ゲストを含まない糸に浸透させること、(c)前記浸透させた糸に対して、糸をコイル状にするのに十分な撚りを挿入すること、および(d)前記ポリマーを固化させることまたは前記ポリマー樹脂を硬化させること、から成る群から選択される方法によって作製される、コイル状の熱作動ナノファイバー撚紡績糸である、[30]または[31]に記載のプロセス。 [38]引張作動、ねじり作動、引張およびねじり作動の同時に使用可能な組み合わせ、ならびにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される作動を提供するように動作可能な非電気化学アクチュエータを備える、作動センサであって、前記非電気化学アクチュエータは、 (a)第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントであって、ナノファイバー、ならびに加熱、放射線への曝露、化学物質または化学混合物への曝露、およびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される変化プロセスによって容積の大きな変化を受けるように動作可能である作動糸ゲストを含む、第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントと、 (b)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントに直接的または間接的に連結される、第1のアタッチメントと、を備え、前記第1のアタッチメントは、前記作動が前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントによって少なくとも部分的に生成される、前記作動の利用を可能にするように動作可能である、作動センサ。 [39](a)前記作動センサは、作動糸ゲストの高度に可逆的な容積変化による前記作動を利用するように動作可能であり、 (b)前記作動は、(1)制御目的で、表示または使用される温度または化学的曝露の連続的に変動する値、(2)制御目的で、表示様式で記録または使用される温度の極値、または(3)制御目的で、表示様式で計数または使用される特定の温度の下限または上限を超えた回数、から成る群から選択される情報を得ることを可能にする、[38]に記載の作動センサ。 [40]前記作動は、所望のセンサ機能に対する前記作動センサの動作に関連する時間尺度に関して実質的に非ヒステリシスである、[38]に記載の作動センサ。 [41](a)前記作動センサは、曝露効果を統合するように動作可能であり、 (b)前記作動センサは、作動糸ゲストの高度に非可逆的な容積変化による前記作動を利用するように動作可能であり、 (c)前記作動は、温度曝露または化学的曝露の効果を統合すること、およびそのような統合された効果が制御目的で表示または使用されることを可能にすること、から成る群から選択されるプロセスを行うことを可能にするように動作可能である、[38]に記載の作動センサ。 [42]熱的に駆動される非電気化学引張アクチュエータであって、 (a)コイル状カーボンナノファイバー撚紡績糸と、 (b)前記コイル状カーボンナノファイバー撚紡績糸のかなりの長さを加熱するための加熱設備と、 (c)前記コイル状カーボンナノファイバー撚紡績糸に動作可能に接続されるアタッチメントであって、前記コイル状カーボンナノファイバー撚紡績糸が、(1)物体の機械的変位、(2)機械的仕事の達成、(3)引張力の発生、および(4)それらの任意の組み合わせ、から成る群彼選択される作動を提供するように動作可能であることを可能にする、アタッチメントと、を備え、 (i)前記コイル状カーボンナノファイバー撚紡績糸は、いかなる作動ゲストも実質的に含まず、 (ii)前記コイル状カーボンナノファイバー撚紡績糸は、第1の端部および第2の端部を有し、 (iii)前記第1の端部および前記第2の端部の相対的なねじり回転を制止するように、前記第1の端部が繋がれ、また、前記第2の端部が繋がれる、熱的に駆動される非電気化学引張アクチュエータ。 [43]アクチュエータシステムであって、 (a)[42]に記載の熱的に駆動される非電気化学引張アクチュエータと、 (b)(1)真空、(2)不活性雰囲気、および(3)他の不活性流体から成る群から選択される周囲環境と、を備え、前記周囲環境は、作動中に実質的に加熱するように動作可能である前記コイル状カーボンナノファイバー撚紡績糸の領域を取り囲む、アクチュエータシステム。 [44]前記取り囲む不活性雰囲気は、ヘリウムガスを含む、[43]に記載のアクチュエータシステム。 [45]前記作動を提供する温度の変化は、以下、(i)周囲温度の変化、(ii)電気加熱によって引き起こされる温度の変化、および(iii)電磁放射によって引き起こされる加熱、のうちの1つによって動作可能に引き起こされる、[42]に記載の熱的に駆動される非電気化学引張アクチュエータ。 [46]前記温度の変化は、前記コイル状カーボンナノファイバー撚紡績糸のかなりの部分が白熱する、少なくとも最高温度までである、[45]に記載の熱的に駆動される非電気化学引張アクチュエータ。 [47]前記温度の変化は、前記コイル状カーボンナノファイバー撚紡績糸の全長にわたって提供される、[45]に記載の熱的に駆動される非電気化学引張アクチュエータ。 [48]前記コイル状カーボンナノファイバー撚紡績糸は、(i)糸の撚りを糸のコイルに変換した撚り掛けによってコイル状にされる、単一の諸撚糸、および(ii)前記諸撚りのそれぞれが諸撚りによってコイル状にされる、諸撚糸のうちの少なくとも1つを含む、[45]に記載の熱的に駆動される非電気化学引張アクチュエータ。 [49]前記コイル状カーボンナノファイバー撚紡績糸は、多層カーボンナノチューブ、数層カーボンナノチューブ、単層カーボンナノチューブ、リボン、グラフェンナノリボン、その誘導体に縮めさせた十分に大きいナノチューブ直径を有する単層カーボンナノチューブもしくは数層カーボンナノチューブ、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、ナノファイバーを含む、[42]に記載の熱的に駆動される非電気化学引張アクチュエータ。 [50]コイル状ポリマーファイバーを含む、コイル状ポリマーファイバーアクチュエータであって、 (a)前記コイル状ポリマーファイバーは、 (1)高強度で高度に鎖配向した前駆体ポリマーファイバーを選択することであって、前記前駆体ポリマーファイバーは、シングルフィラメントまたはマルチフィラメントである、選択することと、 (2)前記コイル状ポリマーファイバーを形成するために、撚り方法によって撚りを挿入することであって、前記撚り方法は、 (i)コイル化が起こるまで、前記前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入することと、 (ii)コイル化を生成しないレベルまで前記前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入し、次いで、前記最初に挿入された撚りに、同じまたは反対方向にコイル化を挿入すること、から成る群から選択される、挿入することと、を含むプロセスから作製され、 (b)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータは、熱的に駆動される非電気化学コイル状ポリマーファイバーアクチュエータである、コイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [51]前記撚りは、前記コイル状ポリマーアクチュエータの実質的に全長に沿ってコイル化を生成するように挿入される、[50]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [52]第1の端部および第2の端部を備え、前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの前記第1の端部および第2の端部は、前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの作動中に、前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの前記第1の端部と前記第2の端部との間での相対的な回転を制止するために、ねじって繋がれる、[50]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [53](a)前記撚り方法は、コイル化が起こるまで、前記前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入することを含み、 (b)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータは、前記コイル状ポリマーファイバーの中の隣接するコイルが熱作動プロセス範囲の実質的に全体にわたって接触していない、少なくとも十分な機械的引張荷重を印加することによって加熱したときに、最適な引張収縮を提供するように動作可能である、[51]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [54]前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータは、前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの引張による機械的破損もたらさない最大引張荷重下で動作可能である、[53]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [55]作動を逆にするための冷却時間を減少させる手段をさらに含み、前記手段は、(i)ヘリウム含有雰囲気中で前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータを動作させること、(ii)水素含有雰囲気中で前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータを動作させること、(iii)水槽中で前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータを動作させること、および(iv)流動流体を使用して能動的活性冷却を提供すること、から成る群から選択される、[50]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [56](a)前記撚り方法は、コイル化を生成しないレベルまで前記前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入し、次いで、前記最初に挿入された撚りに、同じまたは反対方向にコイル化を挿入することを含み、 (b)前記コイル化を挿入することは、前記撚ポリマーファイバーをマンドレルに巻き付けることを含む、[50]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [57]前記マンドレルから前記コイル状ポリマーファイバーを除去することをさらに含む、[56]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [58](a)前記マンドレルの周りのコイル化方向は、前記ポリマーファイバー前駆体の撚り方向と反対であり、 (b)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータは、前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの長さの膨張を提供する加熱中の熱作動のために動作可能であり、 (c)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータは、前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータが作動サイクルの加熱部分中に長さが膨張するように、前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータが機械的作用を提供するように動作可能であるように構成される、[56]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [59]前記ポリマーファイバー前駆体は、前記前駆体ポリマーファイバーのファイバー方向に正の熱膨張係数を有する、[58]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [60](a)前記マンドレルの周りのコイル化方向は、前記ポリマーファイバー前駆体の撚りと同じ方向であり、 (b)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータは、前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの長さの収縮を提供する加熱中の熱的な作動のために動作可能であり、 (c)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータは、前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータが作動サイクルの加熱部分中に長さが収縮するように、前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータが機械的作用を提供するように動作可能であるように構成される、[56]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [61]前記ポリマーファイバー前駆体は、前記前駆体ポリマーファイバーのファイバー方向に負の熱膨張係数を有する、[60]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [62]前記前駆体ポリマーファイバーは、ポリマーナノファイバーを含む、[55]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [63]前記コイル状ポリマーファイバーを作製する前記プロセスはさらに、少なくとも部分的にヒートセットを提供するために、前記ポリマーファイバーを熱アニールすることを含み、前記熱アニーリングは、前記撚りを挿入するステップ中もしくはその後、または前記コイル化ステップ中もしくはその後に起こる、[50]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [64]前記前駆体ポリマーファイバーは、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、ポリマーファイバーを含む、[50]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [65](a)前記コイル状ポリマーアクチュエータは、温度変化の結果として引張収縮または引張膨張を提供するように動作可能であり、 (b)前記温度変化は、(1)周囲温度の変化による加熱、(2)電気ジュール加熱、(3)放射線によって引き起こされる加熱、(4)化学反応によって生成される加熱、および(5)それらの組み合わせ、から成る群から選択される加熱によって提供される、[50]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [66]アクチュエータシステムであって、 (a)[50]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータと、 (b) (1)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの電気加熱を可能にするワイヤ接続部、 (2)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの光熱加熱を可能にする放射線源および放射線経路、ならびに (3)その反応によって前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの加熱を生成する化学物質を送達するための送達システム、のうちの少なくとも1つと、を備える、アクチュエータシステム。 [67](1)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの前記コイル状ポリマーファイバー上の電気伝導性被覆であって、前記撚り方法の前、その間、またはその後に適用される、電気伝導性被覆、 (2)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータのポリマーコイル上の電気伝導性被覆であって、前記コイルの形成中またはその後に適用される、電気伝導性被覆、 (3)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの前記コイル状ポリマーファイバーに巻き付けられる、電気伝導性ワイヤ、糸、またはシートストリップ、 (4)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータのコイルに巻き付けられる、電気伝導性ワイヤ、糸、またはシートストリップ、 (5)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの前記コイル状ポリマーファイバーに巻き付けられる、電気伝導性ナノファイバー、 (6)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータのコイルに巻き付けられる、電気伝導電性ナノファイバー、 (7)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの前記コイル状ポリマーファイバー内の電子伝導性構成要素、および (8)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータに近接する、電気加熱器、から成る群から選択される加熱要素を使用した電気加熱による熱作動のための加熱設備をさらに備える、[66]に記載のアクチュエータシステム。 [68]前記加熱要素は、(1)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの前記コイル状ポリマーファイバー上の、または前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータのコイル上の金属被覆、カーボン被覆、カーボン複合被覆、または導電性インクもしくはペースト被覆、(2)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの前記コイル状ポリマーファイバーまたは前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータのコイルに巻き付けられるカーボンナノチューブシートストリップ、(3)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータを含む織物に共挿入される電気伝導性ワイヤ、(5)2つ以上のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータを含む編組の内部にある電子伝導体、および(6)それらの組み合わせ、から成る群から選択される要素を含む、[66]に記載のアクチュエータシステム。 [69]前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータは、放射線の吸収によって少なくとも部分的に熱的に作用するように動作可能であり、前記吸収を高めるように動作可能な吸収促進物質が提供される、[65]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [70]前記吸収促進物質は、(1)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの前記コイル状ポリマーファイバー、(2)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータのコイル、または(3)それらの双方、に巻き付けられるカーボンナノチューブシートストリップである、[69]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [71] (a)前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータは、化学反応によって生成される加熱の結果として作動するように動作可能であり、 (b)前記化学反応は、燃料を酸化剤と組み合わせること、または単一の流体成分の前記化学反応によって動作可能に生じる、[65]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [72]前記化学反応のための触媒は、前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータの前記コイル状ポリマーファイバーまたは前記コイル状ポリマーファイバーアクチュエータのコイルの表面またはその近くに提供される、[65]に記載のコイル状ポリマーファイバーアクチュエータ。 [73]前駆体ポリマーファイバーをポリマーファイバーアクチュエータのためのコイル状ポリマーファイバーに変換するためのプロセスであって、 (a)高強度で高度に鎖配向した前駆体ポリマーファイバーを選択することであって、前記前駆体ポリマーファイバーは、シングルフィラメントまたはマルチフィラメントである、選択することと、 (b)前記コイル状ポリマーファイバーを形成するために、撚り方法によって撚りを挿入することであって、前記撚り方法は、 (1)前記前駆体ポリマーファイバーに機械的引張荷重が印加されている間に、コイル化を生成するために、前記前駆体ポリマーファイバーに十分な撚りを挿入すること、 (2)前記機械的引張荷重を印加されている間にコイル化を生成するには少な過ぎる撚りを前駆体ポリマーファイバーに挿入し、その後に、結果とし生じる非コイル状ポリマーファイバーをマンドレルに巻き付けること、および (3)それらの組み合わせ、から成る群から選択される、プロセス。 [74]前記前駆体ポリマーファイバーは、作動ゲストまたはナノファイバーのどちらも実質的に含まない、[73]に記載のプロセス。 [75]前記前駆体ポリマーファイバーは、ポリマーナノファイバーを実質的に含む、[73]に記載のプロセス。 [76]前記撚り方法は、この前駆体ポリマーファイバーに機械的引張荷重が印加されている間に、前記前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入することを含み、前記印加される機械的荷重は、前記前駆体ポリマーファイバーをもつれさせることが可能な前記引張荷重を超え、かつ前記前駆体ポリマーファイバーが破損する前記引張荷重未満である、[73]に記載のプロセス。 [77]前記機械的引張荷重は、前記前駆体ポリマーファイバーへの印加重量によって生じ、撚りは、前記前駆体ポリマーファイバーの一端部には撚りが印加され、一方で、前記前駆体ポリマーファイバー端部の前記第2の端部の回転は阻止される、[76]に記載のプロセス。 [78]前記挿入される撚りの量は、前記撚ポリマーファイバーの実質的に全長に沿ってコイル化を生成するのに十分である、[76]に記載のプロセス。 [79]前記コイル状ポリマーファイバーは、約1.7未満である、平均コイル直径(前記コイル状ポリマーファイバーのコイル内径および外径の平均)とファイバー直径との比率を有する、[78]に記載のプロセス。 [80]前記コイル状ポリマーファイバーのコイルを分離させ、よって、所望の引張荷重が印加された状態で前記コイル状ポリマーファイバーの作動中に、隣接するコイル間の接触が起こらないように、撚り脱挿入プロセスがその後に適用される、[76]に記載のプロセス。 [81]前記コイル状ポリマーファイバーは、(i)電気的な、(ii)光子的な、(iii)熱的な、(iv)化学的な、(v)吸収による、および(vi)それらの組み合わせによる、から成る群から選択される供給源によって駆動されたときに、(a)引張作動、(b)ねじり作動、および(c)それらの組み合わせ、から成る群から選択される作動を発生させることができる、[73]に記載のプロセス。 [82]前記前駆体ポリマーは、ナイロン、ポリエチレン、およびポリフッ化ビニリデンから成る群から選択されるファイバーを含む、[73]に記載のプロセス。 [83]前記前駆体ポリマーファイバーは、釣り糸に使用される機械的特性を有する有機合成ポリマーを含む、[73]に記載のプロセス。 [84]前記撚り方法は、前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入することであって、前記撚りの挿入は、前記引張荷重が印加された状態で前記前駆体ポリマーファイバーのコイル化を提供するのに不十分である、撚りを挿入することと、前記コイル状ポリマーファイバーを形成するために、前記撚りが挿入された前駆体ポリマーファイバーをマンドレルに巻き付けることと、を含む、[73]に記載のプロセス。 [85]前記コイル状ポリマーファイバーをヒートセットするために、熱アニーリングが適用される、[73]に記載のプロセス。 [86]反対方向のファイバーの撚りおよびファイバーの諸撚りを使用することによってともに諸撚りされる、同じ撚り方向を有する2本の撚ったシングルまたはマルチフィラメントファイバーを含む、熱作動2本諸撚りポリマーファイバー。 [87]1つを超える[86]に記載の熱作動2本諸撚りファイバーを含む、熱作動ファイバー。 [88]前記2本諸撚りポリマーファイバーは、実質的にトルクバランスされる、[86]に記載の熱作動2本諸撚りポリマーファイバー。 [89]各シングルまたはマルチフィラメントファイバーは、シングルフィラメントまたはマルチフィラメントの高強度で高度に鎖配向した前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入するプロセスによって作製され、前記撚りの挿入は、ファイバーのコイル化を生成するのに十分であるか、またはファイバーのコイル化を生成するのに不十分である、[86]に記載の熱作動2本諸撚りポリマーファイバー。 [90]1本を超える[86]に記載の熱作動2本諸撚りポリマーファイバーを含む織物または編組であって、[86]に記載の熱作動2本諸撚りポリマーファイバーのため、前記織物または前記編組は、本質的部分において熱作動するように動作可能である、織物または編組。 [91](a)前記織物または編組は、温度変化に応じて、(1)機械的作用の達成、(2)力の発生、(3)織物または編組寸法の変化、(4)織物または編組の小孔の開閉、ならびに(5)それらの組み合わせ、から成る群から選択される作動を達成するよう熱的に作動するように動作可能であり、 (b)前記温度変化は、電気または光熱加熱によって生じる周囲温度の変化または温度変化に応じ得る、[90]に記載の織物または編組。 [92]前記ファイバーは、熱的に駆動されるねじり作動を提供するように動作可能である、[86]に記載の熱作動2本諸撚りポリマーファイバー。 [93]ポリマーファイバー作動要素を含む、非電気化学的で熱的に駆動されるアクチュエータであって、 (a)前記ポリマーファイバー作動要素は、シングルフィラメントまたはマルチフィラメントであり、 (b)前記ポリマーファイバー作動要素は、高強度で高度に鎖配向したポリマーファイバーであり、 (c)前記ポリマーファイバー作動要素は、電子伝導性ナノファイバーが螺旋状に巻き付けられる、非電気化学的で熱的に駆動されるアクチュエータ。 [94]前記螺旋状に巻き付けられたナノファイバーは、少なくとも1つの螺旋状に巻き付けられたカーボンナノチューブシートの中にある、[93]に記載の非電気化学的で熱的に駆動されるアクチュエータ。 [95]前記非電気化学的で熱的に駆動されるアクチュエータは、抵抗加熱によって熱的に駆動され、また、前記電子伝導性ナノファイバーの電気伝導性を使用した抵抗加熱によって熱的に駆動されるように動作可能である、[93]に記載の非電気化学的で熱的に駆動されるアクチュエータ。 [96]高強度で高度に鎖配向したポリマーファイバーは、ナイロン6、ナイロン6,6、およびポリフッ化ビニリデンから成る群から選択されるポリマーを含む、[93]に記載の非電気化学的で熱的に駆動されるアクチュエータ。 [97]前記ポリマーファイバー作動要素は、(1)撚った非コイル状であるか、または(2)撚っていない非コイル状である、[93]に記載の非電気化学的で熱的に駆動されるアクチュエータ。 [98]撚ポリマーファイバー作動要素を含む非電気化学ねじりアクチュエータであって、 (a)前記撚ポリマーファイバー作動要素は、加熱されたときに、ねじれて作動するように動作可能であり、 (b)前記撚ポリマーファイバー作動要素は、撚り方法を適用することによって、シングルフィラメントまたはマルチフィラメントの高強度で高度に鎖配向した前駆体ポリマーファイバーから生成され、前記撚り方法は、 (1)前記挿入された撚りは、前記ポリマーファイバーのコイル化を生成するために必要とされる撚り未満である、撚りを挿入すること、 (2)コイル化が起こるまで、前記前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入すること、 (3)実質的にファイバーの全長に沿ってコイル化が起こるまで、前記前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入すること、 (4)同じ方向で、前記駆動体ポリマーファイバーおよび第2の前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入し、次いで、前記挿入された撚りと反対方向の諸撚りを使用することによって2本諸撚りファイバーを作製するために、これらの2つの撚ポリマーファイバーを諸撚りすること、から成る群から選択される、非電気化学ねじりアクチュエータ。 [99]前記撚ポリマーファイバー作動要素は、2本諸撚りファイバーであり、さらに、前記撚ポリマーファイバー作動要素に動作可能に取り付けられるローターを備える、[98]に記載の非電気化学ねじりアクチュエータ。 [100](a)前記撚ポリマーファイバー作動要素は、2本の前記2本諸撚りファイバーを含み、 (b)前記第1の2本諸撚りファイバーは、SZ構造を有し、前記第2の2本諸撚りファイバーは、ZS構造を有し、これらの2本の2本諸撚りファイバーは、ともに取り付け点に取り付けられ、 (c)前記撚ポリマーファイバー作動要素に動作可能に接続されるローターは、前記取り付け点に、またはそれに近接して配置される、[98]に記載の非電気化学ねじりアクチュエータ。 [101]熱的、電熱的、光子的、および化学的から成る群から選択される供給源によって動作可能に駆動される、[98]に記載の非電気化学ねじりアクチュエータ。 [102]熱的に駆動されるように動作可能である非電気化学ポリマーファイバーアクチュエータを備える物品であって、 (a)前記ポリマーファイバーアクチュエータは、 (i)高強度で高度に鎖配向した前駆体ポリマーファイバーを選択することであって、前記前駆体ポリマーファイバーは、シングルフィラメントまたはマルチフィラメントである、選択することと、 (ii)方法を適用することであって、 (1)ファイバーのコイル化を生成するのに不十分である、撚りを前記前駆体ポリマーファイバーに挿入すること、 (2)コイル化が起こるまで、前記前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入すること、 (3)実質的にファイバーの全長に沿ってコイル化が起こるまで、前記前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入すること、 (4)コイル化を生成しないレベルまで前記前駆体ポリマーファイバーに撚りを挿入し、次いで、前記最初に挿入された撚りに、同じまたは反対方向にコイル化を挿入するためにマンドレルを使用すること、 (5)2本諸撚りファイバーを作製するために前記ステップ(1)または(2)を使用して撚りを挿入することによって作製されるポリマーファイバーを諸撚りすることであって、前記諸撚り方向は、撚りを挿入する方向の反対である、ポリマーファイバーを諸撚りすること、および (6)それらの組み合わせ、から成る群から選択される、方法を適用することと、を含むプロセスによって生成され、 (b)前記物品は、熱的に作動するように動作可能であり、 (c)前記物品は、(i)織物または編組、(ii)光透過または気流を調節するためにシャッターまたはブラインドを開閉するための機械的機構、(iii)医療デバイスまたは玩具のための機械的駆動装置、(iv)マクロまたはマイクロサイズのポンプ、弁駆動装置、または流体混合器、(v)電子回路を開閉するための、またはロックを開閉するための機械的リレー、(vi)高感度の電気化学的分析物分析で使用される回転電極のためのねじり駆動装置、(vii)光デバイスのための機械的駆動装置、(viii)光学シャッターを開閉する、光拡散体を並進もしくは回転させる、順応レンズの焦点距離を変化させる変形を提供する、またはディスプレイ上の画像の変化を提供するために前記ディスプレイ上の画素を回転もしくは並進させる、光学デバイスのための機械的駆動装置、(ix)触覚情報を提供する機械的駆動装置、(x)外科用手袋またはブライユディスプレイの触覚デバイスのための触覚情報を提供する機械的駆動装置、(xi)表面構造の変化を可能にするスマート表面のための機械的駆動システム、(xii)外骨格、義肢、またはロボットのための機械的駆動システム、(xiii)人型ロボットの現実的な顔表現を提供するための機械的駆動システム、(xiv)周囲温度に応じて孔を開閉するかまたは小孔を変化させる温度感受性材料のためのスマートパッケージング、光熱加熱によって生じる周囲温度または温度に応じて弁を開閉する機械的システム、(xvi)太陽の方向に対する太陽電池の方向を制御する、光熱加熱または電気加熱を使用した機械的駆動装置、(xvii)光熱的に作動するマイクロデバイス、(xviii)電気エネルギーとして採取される機械的エネルギーを生成するために温度の変動を使用する、熱的または光熱的に作動するエネルギー採取装置、(xix)衣服への進入を促進するために熱作動が使用される、密着する衣服、(xx)調整可能な順応性が電熱作動によって提供される、前記調整可能な順応性を提供するためのデバイス、および(xxi)並進または回転位置決め装置、から成る群から選択される、非電気化学ポリマーファイバーアクチュエータを備える物品。 [103]非電気化学アクチュエータを備える物品であって (a)前記非電気化学アクチュエータは、引張作動、ねじり作動、引張およびねじり作動の同時に使用可能な組み合わせ、ならびにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される作動を提供するように動作可能であり、 (b)前記非電気化学アクチュエータは、 (1)第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントであって、加熱、放射線への曝露、化学物質または化学混合物への曝露、およびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される変化プロセスによって容積の大きな変化を受けるように動作可能である作動糸ゲストを含む、第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントと、 (2)前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントに直接的または間接的に連結される、アタッチメントと、を備え、 (i)その非電気化学アクチュエータは、引張作動、ねじり作動、引張およびねじり作動の同時に使用可能な組み合わせ、ならびにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される作動を提供するように動作可能であり、 (ii)前記第1のアタッチメントは、前記作動が前記第1の作動ナノファイバー撚紡績糸セグメントによって少なくとも部分的に生成される、前記作動の利用を可能にするように動作可能であり、 (c)前記物品は、(i)化学的に作動する織物または編組の熱的に、光子的に、(ii)光透過または気流を調節するためにシャッターまたはブラインドを開閉するための、熱的に作動する、または光子的に作動する機械的機構、(iii)医療デバイスまたは玩具のための、熱的にまたは光子的に作動する機械的駆動装置、(iv)熱的にまたは光子的に作動するマクロまたはマイクロサイズのポンプ、弁駆動装置、または流体混合器、(v)電子回路を開閉するための、またはロックを開閉するための、熱的に作動する機械的リレー、(vi)高感度の電気化学的分析物分析で使用される回転電極のための、熱的に作動するねじり駆動装置、(vii)光デバイスのための、熱的にまたは光子的に作動する駆動装置、(viii)光学シャッターを開閉する、光拡散体を並進もしくは回転させる、順応レンズの焦点距離を変化させる変形を提供する、またはディスプレイ上の画像の変化を提供するために前記ディスプレイ上の画素を回転もしくは並進させる、光学デバイスのための、熱的にまたは光子的に作動する駆動装置、(ix)触覚情報を提供する、熱的に作動する機械的駆動システム、(x)外科用手袋またはブライユディスプレイの触覚デバイスのための触覚情報を提供する、熱的に作動する機械的駆動システム、(xi)表面構造の変化を可能にするスマート表面のための、熱的にまたは光子的に作動する機械的駆動システム、(xii)外骨格、義肢、またはロボットのための、熱的に作動する機械的駆動システム、(xiii)人型ロボットの現実的な顔表現を提供するための、熱的に作動する機械的駆動システム、(xiv)周囲温度に応じて孔を開閉するかまたは小孔を変化させる温度感受性材料のための、熱的に作動するスマートパッケージング、(xv)周囲温度、光熱加熱によって生じる温度、または光反応に応じて弁を開閉する、熱的にまたは光子的に作動する機械的システム、(xvi)太陽の方向に対する太陽電池の方向を制御する、熱的にまたは光子的に作動する機械的駆動装置、(xvii)光子的に作動するマイクロデバイス、(xviii)電気エネルギーとして採取される機械的エネルギーを生成するために光熱加熱によって生成される周囲温度の変化または温度の変化を使用する、熱的にまたは光熱的に作動するエネルギー採取装置、(xviii)衣服への進入を促進するために熱作動が使用される、熱的に作動する密着する衣服、(xix)調整可能な順応性が電熱作動によって提供される、前記調整可能な順応性を提供するための、熱的に作動するデバイス、(xx)熱的にまたは光子的に作動する並進または回転位置決め装置、(xxi)化学的に作動する医療デバイス、および(xxii)機械的に作動させるために前記感知プロセスのエネルギーを取り込む、熱的に、化学物質吸収によって、または化学反応によって駆動される作動センサ、から成る群から選択される、非電気化学アクチュエータを備える物品。

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