拭き取りシート

申请号 JP2016552076 申请日 2015-09-29 公开(公告)号 JPWO2016052527A1 公开(公告)日 2017-08-31
申请人 クラレクラフレックス株式会社; 株式会社マンダム; 发明人 徹 落合; 徹 落合; 和之 中山; 和之 中山; 直晃 守谷; 直晃 守谷; 純人 清岡; 純人 清岡; 正人 岸本; 正人 岸本; 格 嶋田; 格 嶋田; 清水 真由美; 真由美 清水;
摘要 2種類のセルロース繊維を含む不織布と、不織布中に含浸され、 水 およびエタノールを含む含浸液とを含み、KFX法による加圧下湿潤時表面試験により測定された40μm以上の凹凸数が10〜30個の範囲内であり、前記不織布の目付量が30〜100g/m2である拭き取りシートによって、比較的高濃度の低級アルコールを含浸させながら、高い液保持性を有し、かつ、ゴシゴシ感やハリ・コシが向上された拭き取りシートを提供することができる。
权利要求

2種類のセルロース繊維を含む不織布と、不織布中に含浸され、およびエタノールを含む含浸液とを含み、KFX法による加圧下湿潤時表面試験により測定された40μm以上の凹凸数が10〜30個の範囲内であり、前記不織布の目付量が30〜100g/m2である、拭き取りシート。前記含浸液を含まない状態の不織布における縦横どちらか一方または両方における表面の凹凸の間隔が0.5〜3.5mmである、請求項1に記載の拭き取りシート。KFX法による保持液吐き出し試験により測定された放出率が20〜50%の範囲内である、請求項1または2に記載の拭き取りシート。前記不織布を構成する2種類のセルロース繊維のうち一方がレーヨンであり、他方がリヨセルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の拭き取りシート。前記不織布が、熱融着繊維をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の拭き取りシート。前記不織布が、合計で100重量%となるように、10〜80重量%のレーヨン、10〜80重量%のリヨセルおよび5〜30重量%の熱融着繊維を含む、請求項5に記載の拭き取りシート。前記不織布の見かけ密度が0.05〜0.15g/cm3である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の拭き取りシート。対人用のウェット拭き取りシートである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の拭き取りシート。人の体を拭くための拭き取りシートである、請求項8に記載の拭き取りシート。不織布と、前記不織布中に含浸された含浸液とを含む拭き取りシートであって、 前記不織布が、合計で100重量%となるように、10〜80重量%のレーヨン、10〜80重量%のリヨセルおよび5〜30重量%の熱融着繊維を含み、 前記不織布がスパンレース不織布であり、 前記不織布の目付量が30〜100g/m2であり、 前記レーヨンの繊度が2.0〜5.0dtex、前記リヨセルの繊度が0.9〜3.3dtex、前記熱融着繊維の繊度が1.2〜2.2dtexであり、 前記含浸液が、水、および30〜70重量%のエタノールを含み、 前記含浸液を含まない状態の不織布における縦横どちらか一方または両方における表面の凹凸の間隔が0.5〜3.5mmである、拭き取りシート。前記不織布100重量部に対する、前記含浸液の質量割合が250〜500重量部である、請求項10に記載の拭き取りシート。対人用のウェット拭き取りシートである、請求項10または11に記載の拭き取りシート。人の体を拭くための拭き取りシートである、請求項12に記載の拭き取りシート。

说明书全文

本発明は、2種類のセルロース繊維を含む不織布と、不織布中に含浸された含浸液とを含む拭き取りシートに関する。

人体用の、液体が含浸されたウェットタイプの不織布としては、たとえば顔、ボディのべたつき、汚れを除去するための身体用拭き取りシート、メイク汚れを除去するためのクレンジングシート、顔の保湿を目的としたフェイスマスクなどが汎用されている。これらの中でも、クレンジングシート、フェイスマスクには、滑りが良く、軟らかい感触が求められるため、これらの用途には、一般的に、レーヨン、コットンなどのセルロース繊維を主たる素材としたスパンレース不織布が用いられる。たとえば、特開2007−177373号公報(特許文献1)には、二種以上のセルロース繊維を用いたスパンレース不織布からなるウェットシート用のシート基材が開示されている。

一方、身体用拭き取りシートの中には、全身を拭き取る際の使用性の観点から、ハリ・コシの特性が求められるものがある。また、しっかりと拭き取った実感を得る観点から、拭き取る際にゴシゴシとした感触(ゴシゴシ感)が得られるという特性が求められるものがある。上述したゴシゴシ感やハリ・コシを向上させる手段としては、繊維同士をアクリル系の接着剤などで接着したスパンボンド不織布を用いることが知られている。このようなゴシゴシ感に着目したウェットワイパー用不織布として、たとえば特開2013−167028号公報(特許文献2)には、熱融着性バインダー繊維および特定のパルプ繊維を、繊維同士が高圧柱状流により三次元的に絡合され、かつ、熱融着バインダー繊維の溶融による固着部位を有するウェットワイパー用不織布が開示されている。

一般的に、身体用拭き取りシートの含浸液は、使用時の爽快感および清涼感、さらには速乾性の観点から、低級アルコール(主にエタノール)を比較的高濃度に含む。このため、身体用拭き取りシートの基材となる不織布に含まれる接着剤成分が経時的に含浸液に溶解することにより異臭が発生したり、含浸液に含まれる有効成分(殺菌成分、防腐剤など)の分解を引き起こす場合があり、安定性に問題がある場合がある。さらに、接着剤成分の溶解に伴い、身体用拭き取りシートのゴシゴシ感やハリ・コシの低下が引き起こされる場合もある。

また、ポリプロピレンなどのオレフィン系繊維を主とした不織布を用いて、シートのゴシゴシ感やハリ・コシを向上させる手段も知られている。しかし、このようなオレフィン系繊維を主として用いた不織布は、含浸液の保持性に乏しいため、身体を拭いている際にすぐに乾いてしまい、身体用拭き取りシートとしては、十分な拭き取り性が得られない問題がある。

さらに、合成短繊維および親水性短繊維が混綿され、構成繊維同士が三次元的に絡合され、特定の比率を有するように構成された不織布に液体を含浸させた湿潤シートも知られている(たとえば、特開2001−336056号公報(特許文献3))。しかし、特許文献3では、上述のようなゴシゴシ感については何ら言及されていない。

特開2007−177373号公報

特開2013−167028号公報

特開2001−336056号公報

上述のように、従来知られたゴシゴシ感やハリ・コシを向上させる手段は、いずれも、比較的高濃度の低級アルコールを含浸させ、かつ、高い液保持性を有することが必要な用途には適さないものであり、本用途に適した拭き取りシートは未だ得られていない。

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、比較的高濃度の低級アルコールを含浸させながら、高い液保持性を有し、かつ、ゴシゴシ感やハリ・コシが向上された拭き取りシートを提供することである。

本発明の拭き取りシートは、2種類のセルロース繊維を含む不織布と、不織布中に含浸され、水およびエタノールを含む含浸液とを含み、KFX法による加圧下湿潤時表面試験により測定された40μm以上の凹凸数が10〜30個の範囲内であり、前記不織布の目付量は30〜100g/m2であることを特徴とする。

本発明の拭き取りシートは、前記含浸液を含まない状態の不織布における縦横どちらか一方または両方における表面の凹凸の間隔が0.5〜3.5mmであることが好ましい。

本発明の拭き取りシートは、KFX法による保持液吐き出し試験により測定された放出率が20〜50%の範囲内であることが好ましい。

本発明の拭き取りシートにおいて、前記不織布を構成する2種類のセルロース繊維のうち一方がレーヨンであり、他方がリヨセルであることが好ましい。

本発明の拭き取りシートにおいて、前記不織布が熱融着繊維をさらに含むことが好ましく、この場合、前記不織布は、合計で100重量%となるように、10〜80重量%のレーヨン、10〜80重量%のリヨセルおよび5〜30重量%の熱融着繊維を含むことがより好ましい。

本発明の拭き取りシートにおいて、前記不織布の見かけ密度は0.05〜0.15g/cm3であることが好ましい。

本発明の拭き取りシートは、対人用のウェット拭き取りシートであることが好ましく、人の体を拭くための拭き取りシートであることがより好ましい。

また、本明細書は、本発明の効果を発揮する特定の実施態様の拭き取りシートとして、不織布と、前記不織布中に含浸された含浸液とを含む拭き取りシートであって、前記不織布が、合計で100重量%となるように、10〜80重量%のレーヨン、10〜80重量%のリヨセルおよび5〜30重量%の熱融着繊維を含み、前記不織布がスパンレース不織布であり、前記不織布の目付量が30〜100g/m2であり、前記レーヨンの繊度が2.0〜5.0dtex、前記リヨセルの繊度が0.9〜3.3dtex、前記熱融着繊維の繊度が1.2〜2.2dtexであり、前記含浸液が、水、および30〜70重量%のエタノールを含み、前記含浸液を含まない状態の不織布における縦横どちらか一方または両方における表面の凹凸の間隔が0.5〜3.5mmである拭き取りシート(以下、特に、「本発明の実施態様Aの拭き取りシート」と称する場合がある)についても提供する。このような本発明の実施態様Aの拭き取りシートも、本明細書に記載の発明に含まれる。

本発明の実施態様Aの拭き取りシートにおいて、前記不織布100重量部に対する、前記含浸液の質量割合が250〜500重量部であることが好ましい。

本発明の実施態様Aの拭き取りシートは、対人用のウェット拭き取りシートであることが好ましく、人の体を拭くための拭き取りシートであることがより好ましい。

本発明の拭き取りシートは、セルロース繊維を用いたスパンレース不織布でありながら、低級アルコールを比較的高濃度に含む含浸液に適用でき、高い液保持性を有するという前提条件を満たしながら、なおかつ、ゴシゴシ感やハリ・コシが向上された拭き取りシートを提供することができる。

本発明の拭き取りシートは、2種類のセルロース繊維を含む不織布と、不織布中に含浸された含浸液とを含み、KFX法による加圧下湿潤時表面試験により測定された40μm以上の凹凸数が10〜30個の範囲内であり、前記不織布の目付量は30〜100g/m2であることを特徴とする。このような性質を有する本発明の拭き取りシートによれば、セルロース繊維を用いたスパンレース不織布でありながら、低級アルコールを比較的高濃度に含む含浸液に適用でき、高い液保持性を有するという前提条件を満たしながら、なおかつ、ゴシゴシ感やハリ・コシが向上された拭き取りシートを提供することができる。

本発明の拭き取りシートにおいて、上述したKFX法による加圧下湿潤時表面試験により測定された40μm以上の凹凸数が10個未満である場合には、肌に対する刺激が少なくなる。また、上述したKFX法による加圧下湿潤時表面試験により測定された40μm以上の凹凸数が30個を超える場合には、肌に対する刺激が多すぎて痛みになる。適度な拭き心地を得るためには、KFX法による加圧下湿潤時表面試験により測定された40μm以上の凹凸数は15〜25個の範囲内であることが好ましい。なお、このようなKFX法による加圧下湿潤時表面試験により測定された40μm以上の凹凸数が10〜30個の範囲内である不織布は、実施例にて詳述するような繊維の構成とし、かつ、製造の際に、縦横どちらか一方向または両方における表面の凹凸の間隔(柄間隔)が後述する範囲内となるような条件で高圧水流の噴射による交絡処理を行なうことで好適に製造することができる。

本発明の拭き取りシートを構成する不織布は、その目付量が30〜100g/m2の範囲内、好ましくは40〜80g/m2の範囲内である。不織布の目付量が30g/m2未満である場合には、形態安定性が低下し、実使用時に拭き取りシートの丸まりなどが発生しやすくなる傾向にあり、また、不織布の目付量が100g/m2を超える場合には、拭き取りシート一枚あたりに使用する繊維量、含浸液の量が多くなりコスト面で不利となる傾向にあるためである。本発明の拭き取りシートを構成する不織布の目付量は、JIS L1906に準じ、温度20℃、湿度65%の標準状態にサンプルを24時間放置後、幅方向1m×長さ方向1mの試料を採取し、天秤を用いて重量(g)を測定し、重量(g)の小数点以下を四捨五入して算出された値を指す。

本発明の拭き取りシートは、含浸液を含まない(ドライな)状態の不織布における縦横どちらか一方向または両方における表面の凹凸の間隔(ピッチ)(柄間隔)が0.5〜3.5mmの範囲内であることが好ましい。ここで、本発明の拭き取りシートにおいて、「縦方向」は、不織布製造時のウェブの進行方向を指し、「横方向」は同一平面上において上記縦方向に対し垂直な方向を指す。含浸液を含まない状態の不織布の表面の凹凸の間隔が0.5mm未満である場合には、凹凸の連続性が高すぎて肌に対する刺激が得られにくくなってしまう傾向にあり、また、3.5mmを超える場合には、凹凸の連続間隔が大きく、肌に対する適度な連続的な刺激が得られにくくなってしまう傾向にある。肌に対する、より適度な刺激が得られる観点からは、含浸液を含まない状態の不織布の表面の凹凸の間隔は、1.5〜2.8mmの範囲内であることが好ましい。

また本発明の拭き取りシートは、KFX法による保持液吐き出し試験(保持液が水の場合)により測定された放出率が20〜50%の範囲内であることが好ましい。KFX法による保持液吐き出し試験により測定された放出率が20〜50%の範囲内であることで、拭き取り時に適度な液感を得ることができるという利点がある。KFX法による保持液吐き出し試験により測定された数値が20%未満である場合には、拭き取りによる爽快感が得られにくい傾向にあり、また、KFX法による保持液吐き出し試験により測定された数値が50%を超える場合には、液だれして取扱いにくくなってしまう傾向にある。適度に含浸液を排出して肌に爽快感を与えると共に液だれしないという観点からは、本発明の拭き取りシートは、KFX法による保持液吐き出し試験により測定された放出率が25〜45%の範囲内であることがより好ましい。

本発明に用いられるセルロース繊維としては、天然セルロース繊維、再生セルロース繊維、精製セルロース繊維などが好適な例として挙げられる。具体的には、コットン、麻、羊毛、パルプなどの天然セルロース繊維、レーヨン、キュプラなどの再生セルロース繊維、リヨセルなどの精製セルロース繊維などが挙げられる。中でも、吸液性と不織布の形態安定性の観点から、不織布を構成する2種類のセルロース繊維のうち一方がレーヨンであり、他方がリヨセルであることが好ましい。これらのセルロース繊維を組み合わせて用いることにより、これらのうちのいずれかのセルロース繊維とこれら以外のセルロース繊維とを組み合わせた場合、ならびに、これらの以外のセルロース繊維を組み合わせた場合とは異なり、入手の容易さ、取扱いの容易さ、混綿の容易さなどの利点がある。

本発明において用いられる2種類のセルロース繊維は、その繊度は特に制限されるものではないが、そのうち一方のセルロース繊維(たとえばレーヨン)の繊度は、好ましくは2.0〜5.0dtexの範囲内であり、より好ましくは3.0〜4.0dtexの範囲内である。一方のセルロース繊維(たとえばレーヨン)の繊度が2.0dtex未満である場合には、好適なゴシゴシ感を与える凹凸が小さくなるという傾向にあり、また、一方のセルロース繊維(たとえばレーヨン)の繊度が5.0dtexを超える場合には、拭き取りシートの凹凸が多くなり、肌に与える刺激が強すぎるためである。また、2種類のセルロース繊維のうち、残る他方のセルロース繊維(たとえばリヨセル)の繊度は、好ましくは0.9〜3.3dtexの範囲内であり、より好ましくは1.2〜2.5dtexの範囲内である。他方のセルロース繊維(たとえばリヨセル)の繊度が0.9dtex未満である場合には、ゴシゴシ感が減少する傾向にあり、また、他方のセルロース繊維(たとえばリヨセル)の繊度が3.3dtexを超える場合には、肌に対する刺激が強すぎる傾向にあるためである。

本発明の拭き取りシートを構成する不織布は、上述した2種類のセルロース繊維以外に熱融着繊維をさらに含んでいることが好ましい。熱融着繊維をさらに含むことで、拭き取りシートの形態安定性を向上できるという利点がある。本発明に用いられる熱融着繊維は、単繊維の他、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)などの複合繊維が挙げられる。特に、芯鞘複合繊維は、不織布表面に皮膜を形成しにくいので、不織布表面のセルロース繊維が露出した状態を保持したまま、物理的強度を向上させると共に、拭き取り時の繊維脱落を防止することができ、好ましい。

熱融着繊維としては、たとえば、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせが挙げられる。

本発明の拭き取りシートを構成する不織布に好適に用いられる熱融着繊維は、その繊度については特に制限されないが、1.2〜2.2dtexの範囲内であることが好ましく、1.5〜2.0dtexの範囲内であることがより好ましい。熱融着繊維の繊度が1.2dtex未満である場合には、拭き取りシートの物性に大きく影響を与えないが、ウェブ形成時のカード通過性が低下する傾向にあるためであり、また、熱融着繊維の繊度が2.2dtexを超える場合には、接着交点の減少により形態安定性が低下するという傾向にあるためである。

本発明の拭き取りシートを構成する不織布において、熱融着繊維の不織布に対する総含有量は特に制限されないが、5〜30質量%の範囲内であることが好ましく、15〜25質量%の範囲内であることがより好ましい。熱融着繊維の不織布に対する総含有量が5質量%未満である場合には、拭き取りシートの形態安定性が低下する傾向にあり、また、30質量%を超える場合には、保液性が低下する傾向にある。

より好適には、本発明の拭き取りシートを構成する不織布は、合計で100重量%となるように、10〜80重量%のレーヨン、10〜80重量%のリヨセルおよび5〜30重量%の熱融着繊維を含む。それぞれこれらの範囲内の含有量で2種類のセルロース繊維、熱融着繊維を含むことで、得られた拭き取りシートにおいて要求される性能である、保液性および形態安定性を同時に満たすことができるという利点がある。

本発明の拭き取りシートを構成する不織布は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、上述した2種類のセルロース繊維および熱融着繊維以外の繊維を含んでいても勿論よい。このような繊維としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、これらのコポリマーなどのポリエステル系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリル、モダクリルなどのアクリル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ウレタン繊維などの合成繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維などの半合成繊維などが挙げられる。これらの繊維を構成するポリマーは、ホモポリマー、変性ポリマー、ブレンド、共重合体などのかたちでも利用することができる。

また本発明の拭き取りシートを構成する不織布は、その見かけ密度について特に制限されないが、0.05〜0.15g/cm3の範囲内であることが好ましく、0.07〜0.13g/cm3の範囲内であることがより好ましい。不織布の見かけ密度が0.05g/cm3未満である場合には、形態安定性が低下する傾向にあり、また、不織布の見かけ密度が0.15g/cm3を超える場合には、保液性が低下する傾向にある。本発明の拭き取りシートを構成する不織布の見かけ密度は、目付量(g/m2)と厚み(mm)より計算して求めることができる(不織布の見かけ密度(g/cm3)=目付量(g/m2)/厚み(mm)/1000)。不織布の厚みは、剃刀(フェザー安全剃刀(株)製「フェザー剃刀S片刃」)を用いて、サンプルを面に垂直にMD方向に切断し、デジタル顕微鏡((株)キーエンス(KEYENCE)製デジタルマイクロスコープ(DIGITAL MICROSCOPE) VHX−900)にて試料の断面を観察することにより測定することができる。

本発明の拭き取りシートは、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その層構成に特に制限はない。すなわち、単層構造からなる不織布であってもよいし、2層、3層といった多層構造であっても構わない。多層構造とした場合、各層の繊維配合は同じでも変更しても構わない。

不織布としては、たとえば乾式スパンレース不織布、湿式スパンレース不織布、エアレイド不織布、エアスルー不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布などの各種の不織布を好適に用いることができる。これらの不織布のうち、生体適合性を有する液体の含浸性能、保持性能、風合いなどの観点から、乾式スパンレース不織布または湿式スパンレース不織布が好ましい。

本発明の拭き取りシートにおいて、含浸液は、水と、エタノールとを必須の成分として含有する。含浸液は、さらに、殺菌成分、清涼成分を含有することが好ましい。含浸液は、その他の添加成分を含有してもよい。

含浸液に含まれる水としては、精製水が好ましい。含浸液中の、水の含有量は、特に限定されないが、含浸液100質量%に対して、30〜70質量%が好ましく、より好ましくは35〜65質量%、さらに好ましくは40〜60質量%である。

含浸液中の、エタノールの含有量は、含浸液100質量%に対して、30〜70質量%が好ましく、より好ましくは35〜65質量%、さらに好ましくは40〜60質量%である。上記含有量が30質量%以上であることにより、速乾性、清涼感が向上し、また清涼成分や殺菌成分などの溶解安定性も向上する。一方、上記含有量が70質量%を超えると、エタノールの強い刺激臭による不快感が発生し、また含浸液の熱による膨張が発生して容器の密閉性に影響を与える場合がある。

上記殺菌成分としては、特に限定されないが、たとえば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、フェノール、トリクロロカルバニリド、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、サリチル酸、ソルビン酸、塩化リゾチームなどが挙げられる。含浸液中の、殺菌成分の含有量は、特に限定されないが、含浸液100質量%に対して、0.05〜1.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。

上記清涼成分としては、特に限定されないが、たとえば、l−メントール、l−メンチルグリセリルエーテル、ユーカリプトール、カンファー、乳酸メンチル、サリチル酸メンチル、ボルネオールなどが挙げられる。含浸液中の、清涼成分の含有量は、特に限定されないが、含浸液100質量%に対して、0.05〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3.0質量%である。

上記その他添加成分としては、特に限定されないが、たとえば、多価アルコール、ポリフェノール類や植物抽出物などの保湿成分;制汗成分;消臭成分;界面活性剤;抗炎症剤;粉体;紫外線吸収剤;金属イオン封鎖剤;香料;酸化防止剤;ビタミン類;動植物抽出物;pH調整剤;炭素数3〜5の低級アルコールなどが挙げられる。

上記多価アルコールとしては、特に限定されないが、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール(1,3−ブタンジオール)、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、グリセリン(1,2,3−プロパントリオール)、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、マルチトール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドなどが挙げられる。中でも、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールが好ましい。多価アルコールは、保湿効果を向上させる。上記ポリエチレングリコールの数平均分子量は、特に限定されないが、保湿効果とべたつき抑制の観点から、200〜30000が好ましく、より好ましくは4000〜30000である。

上記制汗成分としては、特に限定されないが、たとえば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛などが挙げられる。含浸液中の、制汗成分の含有量は、特に限定されないが、含浸液100質量%に対して、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5.0質量%である。

上記消臭成分としては、特に限定されないが、たとえば、酸化亜鉛などの金属酸化物、シリカ、アルキルジエタノールアミド、ヒドロキシアパタイト、茶抽出物、柿抽出物などが挙げられる。

上記界面活性剤としては、特に限定されないが、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。中でも、ノニオン界面活性剤が好ましい。上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、およびこれらのアルキレンオキシド付加物;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルなどが挙げられる。中でも、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。上記硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加物としては、たとえば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、たとえば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテルなどが挙げられる。

含浸液の製造方法は、特に限定されず、公知の製造方法を用いることができる。たとえば、各成分を混合し、パドルミキサーで攪拌し、各成分を均一化する方法が挙げられる。

本発明の拭き取りシートは、本発明の効果を阻害しない範囲で、不織布に、慣用の添加剤、例えば、安定剤(銅化合物などの熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤など)、微粒子、着色剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、難燃剤、消臭剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤は、不織布を構成する繊維中に含まれていてもよく、不織布の表面に担持されていてもよい。

本発明の拭き取りシートは、対人用のウェット拭き取りシートとしての用途に好適であり、中でも、人の体を拭くための拭き取りシートであることが特に好適である。

以下に、本発明の具体的な実施態様の一例である、本発明の実施態様Aの拭き取りシートを示す。本発明の実施態様Aの拭き取りシートは、不織布と、該不織布中に含浸された含浸液とを含む拭き取りシートであって、上記不織布が、合計で100重量%となるように、10〜80重量%のレーヨン、10〜80重量%のリヨセルおよび5〜30重量%の熱融着繊維を含み、上記不織布がスパンレース不織布であり、上記不織布の目付量が30〜100g/m2であり、上記レーヨンの繊度が2.0〜5.0dtex、上記リヨセルの繊度が0.9〜3.3dtex、上記熱融着繊維の繊度が1.2〜2.2dtexであり、上記含浸液が、水、及び30〜70重量%のエタノールを含み、前記含浸液を含まない状態の不織布における縦横どちらか一方または両方における表面の凹凸の間隔は、0.5〜3.5mmであることを特徴とする拭き取りシートである。当該構成を有する拭き取りシートは、上述したような本発明の効果を発揮し得る。このような本発明の実施態様Aの拭き取りシートは、上述した本発明の拭き取りシートの発明とは独立に、本明細書に記載の発明に含まれる。

本発明の実施態様Aの拭き取りシートにおいて、上記熱融着繊維は、本発明に用いられる熱融着繊維として、上述されている熱融着繊維が挙げられる。本発明の実施態様Aの拭き取りシートにおけるレーヨン、リヨセル、熱融着繊維の好ましい含有量、繊度などについては、上述した本発明の拭き取りシートと同様である。

即ち、本発明の実施態様Aの拭き取りシートを構成する不織布は、合計で100重量%となるように、10〜80重量%のレーヨン、10〜80重量%のリヨセルおよび5〜30重量%の熱融着繊維を含む。上記レーヨンの含有量は、15〜60重量%が好ましく、より好ましくは20〜40重量%である。上記リヨセルの含有量は、20〜70重量%が好ましく、より好ましくは40〜60重量%である。上記熱融着繊維の含有量は、10〜25重量%が好ましい。また、本発明の実施態様Aの拭き取りシートを構成する不織布の目付量は、30〜100g/m2であり、好ましくは40〜80g/m2である。

また、本発明の実施態様Aの拭き取りシートを構成する不織布において、レーヨンの繊度は2.0〜5.0dtexであり、好ましくは3.0〜4.0dtexである。リヨセルの繊度は0.9〜3.3dtexであり、好ましくは1.2〜2.5dtexである。熱融着繊維の繊度は1.2〜2.2dtexであり、好ましくは1.5〜2.0dtexである。

本発明の実施態様Aの拭き取りシートにおいて、上記含浸液は、本発明に用いられる含浸液として上述されている含浸液の中でも、特に、水、及び30〜70重量%のエタノールを含む含浸液である。

上記含浸液中のエタノールの含有量は、含浸液100重量%に対して、30〜70質量%が好ましく、より好ましくは35〜65質量%、さらに好ましくは40〜60質量%である。また、上記含浸液中の水の含有量は、含浸液100重量%に対して、30〜70質量%が好ましく、より好ましくは35〜65質量%、さらに好ましくは40〜60質量%である。

本発明の実施態様Aの拭き取りシートにおいて、前記不織布100重量部に対する、前記含浸液の質量割合は250〜500重量部が好ましく、より好ましくは270〜450重量部である。上記質量割合が250重量部以上であることにより、拭き取り性能や使用感が向上する。一方、上記質量割合が500重量部を超えると、拭き取り時に肌が濡れすぎるため、使用感や速乾性が低下する場合がある。

本発明の実施態様Aの拭き取りシートにおいて、含浸液を含まない状態における不織布の縦横どちらか一方または両方における表面の凹凸の間隔は、0.5〜3.5mmであり、好ましくは1.5〜2.8mmである。

以下に実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例により何等限定されるものではない。なお本発明における不織布の物性は以下の方法により測定されたものを意味する。

[目付量] JIS L1906に準じ、温度20℃、湿度65%の標準状態にサンプルを24時間放置後、幅方向1m×長さ方向1mの試料を採取し、天秤を用いて重量(g)を測定する。得られた重量(g)の小数点以下を四捨五入して目付とした。

[厚み] 剃刀(フェザー安全剃刀(株)製「フェザー剃刃S片刃」)を用いて、サンプルを面に垂直にMD方向に切断し、デジタル顕微鏡[(株)キーエンス(KEYENCE)製デジタルマイクロスコープ(DIGITAL MICROSCOPE) VHX−900]にて試料の断面を観察し厚さを計測した。

[見かけ密度] 目付(g/m2)と厚み(mm)より算出した(不織布の見かけ密度(g/cm3)=目付(g/m2)/厚み(mm)/1000)。

[表面の凹凸の間隔(柄間隔)] 得られた不織布をデジタル顕微鏡((株)キーエンス(KEYENCE)製デジタルマイクロスコープ(DIGITAL MICROSCOPE) VHX−900)にて試料の表面を観察し、縦方向、横方向に関する表面の凹凸の間隔(ピッチ)を測定した。

[破断強、破断伸度] 得られた不織布について、定速伸長形引張試験機(株式会社島津製作所製「AG−IS」)を用いて、JIS L 1913「一般不織布試験方法」の6.3.2に従って、縦方向から45度傾けて裁断し、エタノール50質量%水溶液にて湿潤させた試験片の破断時の引張強さ(N/5cm)、伸度(%)を測定した。試験片が浸漬される水の温度は20℃とした。

[表面凹凸数] 得られた不織布について、25cm(MD)×20cm(CD)に裁断した原反にエタノール50質量%水溶液を自重に対して300質量%含浸させたシートを自動化表面試験機(KES−FB4−AUTO−A、カトーテック社製)に設置し、試料張力(400g)、荷重(10g)、表面測定試料移動速度(1mm/sec)で粗さ測定を行なった(加圧下湿潤時表面試験(KFX法))。そこから100mm間に含まれる40μm以上の凹凸の数(表面凹凸数)をカウントした。

[保水性] JIS L1907 7.2吸水率に準じて測定した。試験片を5cmに切り出して重量を測定する(Ag)。その試験片を、水に30秒浸した。浸漬後、試験片の一辺をつまんで液から取り出し、1分後の重量(Bg)を測定した。保液率(C%)は下記式 C(%)=[(B−A)/A]×100 にて算出される。

[放出性(水)] 上記の方法により保水したシートを線圧0.1kgf/cmで絞り、シート重量(Dg)を測定し、放出量[(B−D)g]を得た。放出率(E%)は下記式 E(%)=[(B−D)/(B−A)]×100 にて算出される。

[形態安定性(カンチレバー)] JIS L 1913 6.7.3に従い、カンチレバー法によって突き出た長さを測定した。ただし、ウェブの進行に対して45度の方向に裁断し、エタノール50質量%水溶液に300%含浸させたシートを使用した。

[ゴシゴシ感] (1)サンプルの作製 得られた不織布を、縦(不織布の長手方向)10cm×横(不織布の幅方向)20cmの長方形に切り出し、(ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム/ポリプロピレン積層シート)製の袋に入れた。次いで、下記の含浸液を、不織布100重量部に対して含浸液300重量部となるように、上記袋に入れて、不織布に含浸させた。上記袋を密閉して、25℃の雰囲気下に3日間静置して、拭き取りシート(含浸液が含浸された不織布)のサンプルを作製した。

<含浸液> 95%エタノール 50.0重量% イソプロピルメチルフェノール 0.2重量% l−メントール 0.3重量% 精製水 49.5重量% 合計 100.0重量% (2)評価 3人の専門評価パネルにより評価を行なった。上記で得られた拭き取りシートのサンプルで、手の甲を3往復拭いて、その際の感触を以下の判定基準で評価した。

<判定基準> 5:ゴシゴシとした摩擦感を強く感じた、 4:ゴシゴシとした摩擦感を明確に感じた、 3:ゴシゴシとした摩擦感が僅かにしか感じられなかった、 2:やわらかな摩擦感しか感じられなかった、 1:摩擦感が弱く、滑るような感触であった。

[実施例1] 2種類のセルロース繊維として、繊度3.3dtexのビスコースレーヨン(ホープ、オーミケンシ社製)(以下、「セルロース繊維−1」と呼称する)および繊度1.7dtexのリヨセル(テンセル(登録商標)、レンチング社製、ダル)(以下、「セルロース繊維−2」と呼称する)を用い、これを繊度1.7dtexの熱融着繊維(芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンの芯鞘複合繊維、HR−NTW、宇部エクシモ社製)と、重量比で、30:50:20となるように均一に混綿し、CADでセミランダムウェブを作製した。次いで、このカードウェブを開口率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置して速度50m/分で長手方向に連続的に移送すると同時に、上方から高圧水流を噴射して交絡処理を行なって、交絡した繊維ウェブ(不織布)を製造した。この交絡処理に当たっては、穴径0.10mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル2本を使用し(隣接するノズル間の距離20cm)、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を6.5MPa、2列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を7.0MPaとして行なった(表WJ)。

もう一方の面には開口率25%、穴径0.3mmのパンチングドラム支持体上に載置して速度50m/分で長手方向に連続的に移送すると同時に、上方から高圧水流を噴射して交絡処理を行なって、交絡した繊維ウェブ(不織布)を製造した。この交絡処理に当たっては、穴径0.10mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル1本を使用し、1列目のノズルから噴射した高圧水流の水圧を7.0MPaとして行なった(裏WJ−1)。先程と同じ面から繊維径0.90mm、メッシュ10(本/inch)、平織りの全体に平坦なネット支持体に載置して連続的に移送すると共に高圧水流を噴射して交絡処理を行なってネットの凹凸を不織布の表面に転写した。この交絡処理は、穴径0.10mmのオリフィスをウェブの幅方向に沿って0.6mmの間隔で設けてあるノズル3本を使用して、いずれも高圧水流の水圧6.0MPaの条件下で行なった(裏WJ−2)。さらに135℃で乾燥した。

得られた不織布は、単一層であり、目付量が44.8g/m2、厚みが0.37mm、見かけ密度が0.12g/cm3であった。また、得られた不織布についての各種の評価結果を表1に示す。

[実施例2] WJ処理の条件を以下のように変え、速度を5.0m/分で行なったこと以外は実施例1と同様に行なった。

(WJ処理) 表WJ …3.0MPa−4.0MPa 裏WJ−1 …5.0MPa 裏WJ−2 …3.0MPa−4.0MPa−5.0MPa 得られた不織布は、単一層であり、目付量が45.3g/m2、厚みが0.45mm、見かけ密度が0.10g/cm3であった。得られた不織布についての各種の評価結果を表1に示す。

[実施例3] セルロース繊維−1とセルロース繊維−2と熱融着繊維とを重量比で、80:15:5となるように混合し、ネットとして繊維径1.20mm、メッシュ12本/inch、平織りを用い、以下の条件でWJ処理を行ない、速度を5.0m/分としたこと以外は実施例1と同様に行なった。

(WJ処理) 表WJ …3.0MPa−5.0MPa 裏WJ−1 …7.0MPa 裏WJ−2 …3.0MPa−5.0MPa−7.0MPa 得られた不織布は、単一層であり、目付量が91.0g/m2、厚みが0.70mm、見かけ密度が0.13g/cm3であった。得られた不織布についての各種の評価結果を表1に示す。

[実施例4] セルロース繊維−1とセルロース繊維−2と熱融着繊維とを重量比で、60:20:20となるように混合し、ネットとして(H25)繊維径0.65mm、メッシュ25本/inch、平織りを用い、以下の条件でWJ処理を行ない、速度を5.0m/分としたこと以外は実施例1と同様に行なった。

(WJ処理) 表WJ …2.0MPa 裏WJ−1 …3.0MPa 裏WJ−2 …2.0MPa−3.0MPa 得られた不織布は、単一層であり、目付量が32.0g/m2、厚みが0.31mm、見かけ密度が0.10g/cm3であった。得られた不織布についての各種の評価結果を表1に示す。

[実施例5] セルロース繊維−1とセルロース繊維−2と熱融着繊維とを重量比で、20:70:10となるように混合し、以下の条件でWJ処理を行ない、速度を5.0m/分としたこと以外は実施例1と同様に行なった。

(WJ処理) 表WJ …3.0MPa−4.0MPa 裏WJ−1 …5.0MPa 裏WJ−2 …3.0MPa−4.0MPa−5.0MPa 得られた不織布は、単一層であり、目付量が45.2g/m2、厚みが0.48mm、見かけ密度が0.09g/cm3であった。得られた不織布についての各種の評価結果を表1に示す。

[比較例1] セルロース繊維−1のみを用い、ネットとして繊維径1.00mm、メッシュ6本/inch、平織りを用い、以下の条件でWJ処理を行ない、速度を5.0m/分としたこと以外は実施例1と同様に行なった。

(WJ処理) 表WJ …3.0MPa−5.0MPa 裏WJ−1 …7.0MPa 裏WJ−2 …3.0MPa−5.0MPa−7.0MPa 得られた不織布は、単一層であり、目付量が24.3g/m2、厚みが0.24mm、見かけ密度が0.10g/cm3であった。得られた不織布についての各種の評価結果を表2に示す。

[比較例2] セルロース繊維−2と熱融着繊維とを重量比で60:40となるように混合し、ネットとして繊維径0.20mm、76本/inch、平織りを用い、以下の条件でWJ処理を行ない、速度を5.0m/分としたこと以外は実施例1と同様に行なった。

(WJ処理) 表WJ …3.0MPa−5.0MPa 裏WJ−1 …7.0MPa 裏WJ−2 …3.0MPa−5.0MPa−7.0MPa 得られた不織布は、単一層であり、目付量が118.4g/m2、厚みが0.85mm、見かけ密度が0.14g/cm3であった。得られた不織布についての各種の評価結果を表2に示す。

[比較例3] 繊度1.6dtexのPET繊維(T471、東レ社製)のみを用い、以下の条件でWJ処理を行ない、速度を5.0m/分としたこと以外は実施例1と同様に行なった。

(WJ処理) 表WJ …3.0MPa−4.0MPa 裏WJ−1 …5.0MPa 裏WJ−2 …3.0MPa−4.0MPa−5.0MPa 得られた不織布は、単一層であり、目付量が44.3g/m2、厚みが0.56mm、見かけ密度が0.08g/cm3であった。得られた不織布についての各種の評価結果を表2に示す。

[比較例4] ネットとして繊維径0.20mm、メッシュ76本/inch、平織りを用い、WJ処理の条件を以下のように変え、速度を5.0m/分で行なったこと以外は実施例1と同様に行なった。

(WJ処理) 表WJ …3.0MPa−4.0MPa 裏WJ−1 …5.0MPa 裏WJ−2 …3.0MPa−4.0MPa−5.0MPa 得られた不織布は、単一層であり、目付量が51.3g/m2、厚みが0.49mm、見かけ密度が0.10g/cm3であった。得られた不織布についての各種の評価結果を表2に示す。

[比較例5] ネットとして繊維径0.90mm、10本/inch、平織りを用い、WJ処理の条件を以下のように変え、速度を5.0m/分で行なったこと以外は実施例1と同様に行なった。

(WJ処理) 表WJ …2.0MPa 裏WJ−1 …3.0MPa 裏WJ−2 …2.0MPa−3.0MPa 得られた不織布は、単一層であり、目付量が26.1g/m2、厚みが0.25mm、見かけ密度が0.10g/cm3であった。得られた不織布についての各種の評価結果を表2に示す。

[比較例6] PETスパンボンド(エルタス、旭化成社製)を用いて比較例6とした。各種の評価結果を表2に示す。

[比較例7] スパンレース法で作製されたコットンスパンレース(コットエース、ユニチカ(株)製)を比較例7とした。各種の評価結果を表2に示す。

[比較例8] ベンリーゼ(旭化成(株)製)を比較例8とした。各種の評価結果を表2に示す。

[比較例9] セルロース繊維−1として、繊度3.3dtexのビスコースレーヨンに換えて繊度1.7dtexのビスコースレーヨン(ホープ、オーミケンシ社製)を用い、当該セルロース繊維−1とセルロース繊維−2と熱融着繊維とを重量比で、60:20:20となるように混合し、ネットとして繊維径0.65mm、25本/inch、平織りを用い、以下の条件でWJ処理を行ない、速度を5.0m/分としたこと以外は実施例1と同様に行なった。

(WJ処理) 表WJ …2.0MPa 裏WJ−1 …3.0MPa 裏WJ−2 …2.0MPa−3.0MPa 得られた不織布は、単一層であり、目付量が35.8g/m2、厚みが0.32mm、見かけ密度が0.11g/cm3であった。得られた不織布についての各種の評価結果を表2に示す。

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