抗菌剤組成物およびこれを用いた清拭シート

申请号 JP2013096572 申请日 2013-05-01 公开(公告)号 JP2014218443A 公开(公告)日 2014-11-20
申请人 有限会社岡田技研; Okada Giken:Kk; 株式会社猪川商店; Inokawa Shoten:Kk; 发明人 OKADA TORU; MATSUOKA KAZUYUKI; ISHIKAWA TATSUO; TAKAHASHI SHINJI;
摘要 【課題】抗菌性に優れかつヒトの皮膚に対する刺激性も少なく安全な抗菌剤組成物であって、基布に含浸して使用した場合にも高い抗菌性を示す抗菌剤組成物を提供する。【解決手段】下記の成分(A)及び(B)からなる抗菌剤組成物。(A)ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル(B)ジアルキルジメチルアンモニウムハライドおよび塩酸アルキルジアミノエチルグリシンから選ばれた少なくとも一種の化合物また、上記の抗菌剤組成物を基布に含浸させてなる抗菌剤清拭シート。【選択図】なし
权利要求
  • 下記の成分(A)及び(B)からなる抗菌剤組成物。
    (A)ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル (B)ジアルキルジメチルアンモニウムハライドおよび塩酸アルキルジアミノエチルグリシンから選ばれた少なくとも一種の化合物
  • ジアルキルジメチルアンモニウムハライド及び塩酸アルキルジアミノエチルグリシンのアルキル基の炭素数が7〜15である請求項1の抗菌剤組物。
  • 請求項1又は2の抗菌剤組成物を基布に含浸させてなる清拭シート。
  • 基布が不織布、織布、コットン又は紙である請求項3の清拭シート。
  • (A)ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル (B)ジデシルジメチルアンモニウムクロライドおよび塩酸ドデシルジアミノエチルグリシンから選ばれた少なくとも一種の化合物からなる抗菌剤組成物を基布に含浸させてなる請求項4又は5の清拭シート。
  • 说明书全文

    本発明は皮膚への刺激性が少ない抗菌剤組成物、及びこの抗菌剤組成物を不織布等に含浸させてなる清拭シートに関する。

    近年、公衆衛生意識の高まりにより、抗菌剤物質を含浸させた清拭シートを用いて身体を拭いたり、生活周辺用品物、例えば便器等を拭き取ることが広く行われている。 また、美容用フェスマスクにおいては、美顔剤に抗菌物質を添加し、これを不織布に含浸し使用に供されている。
    現在、このような用途に向けた抗菌剤としては、ヒドロキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール、安息香酸が多用されている。

    しかしながら、これらの抗菌剤はいずれもヒトの皮膚への刺激性が高く、より刺激性の少なく安全な抗菌剤を用いたお手拭、清拭シートの開発が望まれている。 安全で刺激性の少ない抗菌剤としては、これまでも様々な提案がある。 例えば特開2002-523339号にはブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルと2−メチルイソチアゾリン−3オンの組み合わせた抗菌剤が開示されている。 特開2008-119433号には塩化ベンザルコニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩とブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルを配合した紙おしぼりが、また、特開2012-24520号にはブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルと塩化ベンザルコニウム、グリコール類を不織布に洗浄剤とともに含浸させた清拭シートが提案されている。

    本発明者らは、このような抗菌剤を基布に含浸したシートの抗菌効果について検討した。 その結果、抗菌剤液自体については必要な抗菌作用を備えているにもかかわらず、これを含浸したシートでは十分な抗菌作用が得られずに抗菌剤が有効に作用していないことが判明した。 このような基布に含浸させた抗菌剤の効果の低下に対しては、これを補うためにより多くの抗菌剤を基布に含浸させる必要がある。 しかしながら、化粧品製剤においては、これら抗菌剤成分は薬事法の化粧品基準により配合上限が定められていて制限があり、抗菌剤をシートに含浸した場合には十分な抗菌性能が得られない等の問題がある。

    特開2002-523339号公報

    特開2008-119433号公報

    特開2012-24520号公報

    本発明の目的は、基布に含浸して使用した場合にも十分な抗菌性を示し、かつヒトの皮膚に対する刺激性も少なく安全な抗菌剤組成物を提供することにある。 また、本発明は該抗菌剤組成物を含浸させてなる清拭シートを提供するものである。

    本発明は、下記の成分(A)及び(B):
    (A)ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル
    (B)ジアルキルジメチルアンモニウムハライドおよび塩酸アルキルジアミノエチルグリシンから選ばれた少なくとも一種の化合物からなる抗菌剤組成物を提供するものである。 成分(A)、成分(B)のアルキル基の炭素数は7〜15であるのが好ましい。
    また、本発明は上記抗菌剤組成物を基布に含浸した清拭シートを提供するものである。 基布としては、不織布、織布、コットン又は紙が好ましい。

    本発明の抗菌剤組成物は優れた抗菌性を有し、特に基布に含浸して用いた場合にも抗菌作用の低下が少なく、少量の配合でも顕著な効果を示す。 この抗菌剤組成物は、優れた抗菌性を有しつつヒトの皮膚に対する刺激性も少ない安全な抗菌剤組成物である。 このため、抗菌剤の配合量が規制される化粧品、トイレタリー分野においても有効な抗菌性を人体への安全性を十分に配慮しつつ達成することができる。

    以下、本発明について更に詳細に説明をする。
    本発明の抗菌剤組成物は(A)ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルと、
    (B)ジアルキルジメチルアンモニウムハライドおよび塩酸アルキルジアミノエチルグリシンから選ばれた少なくとも一種の化合物からなり、これら複数成分の配合による相乗効果により優れた抗菌効果が得られる。
    本発明の抗菌剤組成物に配合される成分(A)ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルは市販品として容易に入手できる。

    本発明の抗菌剤組成物の配合成分(B)であるジアルキルジメチルアンモニウムハライドにおいて、アルキル基の炭素数は7〜15であり、好ましくは炭素数9〜14である。 当該アルキル基は直鎖又は分岐鎖であってよく、2つのアルキル基は同一であってもよく、異なっていてもよい。 前記アルキル基の炭素数がこの範囲をはずれると抗菌性能が低下する。
    この原因は明らかではないが、カチオン性4級アンモニウム塩が抗菌性を発揮する作用機構として、第一段階で菌体の細胞表面のアニオン部分に抗菌剤のカチオン部分が吸着し、第二段階で抗菌剤のアルキル基(疎部)が細胞表面の疎水部と親和性を示し、細胞膜の生物活性にダメージを与え、第三段階でダメージを受けた菌体が溶菌作用により死滅すると言われており、アルキル基の炭素数が6以下では菌体の疎水部との親和性が悪く、また、炭素数16以上では抗菌剤の単位重量当たりのカチオン部分が減少する為に抗菌作用が低下するのではないかと考えられる。

    ジアルキルジメチルアンモニウムハライドは、塩化物、臭化物、ヨウ化物のいずれであってもよいが、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。

    上記ジアルキルジメチルアンモニウムハライドの具体例としては ジヘプタジメチルアンモニウムクロライド、ジオクタジメチルアンモニウムクロライド、ジノニルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジウンデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジトリデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジペンタデシルジメチルアンモニウムクロライド、デシルウンデシルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライド、デシルイソノニルジメチルクロライドなどが挙げられる。

    これらの成分(B)のうち、より好ましくはアルキル基の炭素数が10〜14の化合物であり、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジウンデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジトリデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムクロライドである。
    ジアルキルジメチルアンモニウムハライドは、単独、あるいは、複数を混合して用いてもよい。

    本発明の抗菌剤組成物に配合される成分(B)の他の1つである塩酸アルキルジアミノエチルグリシンにおいて、アルキル基の炭素数は7〜15、好ましくは炭素数9〜14であり、アルキル基は直鎖又は分岐鎖であってよく、2つのアルキル基は同一であってもよく、異なっていてもよい。
    塩酸アルキルジアミノエチルグリシンの具体例としては、塩酸ヘプタジアミノエチルグリシン、塩酸オクタジアミノエチルグリシン、塩酸ノニルジアミノエチルグリシン、塩酸デシルジアミノエチルグリシン、塩酸ウンデシルジアミノエチルグリシン、塩酸ドデシルジアミノエチルグリシン、塩酸トリデシルジアミノエチルグリシン、塩酸テトラデシルジアミノエチルグリシン、塩酸ヘプタデシルジアミノエチルグリシン、塩酸イソノニルジアミノエチルグリシンなどが挙げられる。
    これらの成分のうち、より好ましくはアルキル基が10〜14の化合物で塩酸デシルジアミノエチルグリシン、塩酸ウンデシルジアミノエチルグリシン、塩酸ドデシルジアミノエチルグリシン、塩酸トリデシルジアミノエチルグリシン、塩酸テトラデシルジアミノエチルグリシンである。
    本発明の抗菌剤組成物には、これらを単独で配合してもよく、複数を混合して用いてもよい。

    上記の成分(A)、成分(B)の組み合わせのうち、特に好ましい組み合わせとして、成分(A)ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルに、成分(B)としてジデシルジメチルアンモニウムクロライドおよび/又は塩酸ドデシルジアミノエチルグリシンを組み合わせ、この抗菌剤組成物を基布に含浸させてなる清拭シートとするのが好ましい。

    本発明の抗菌剤組成物には、その性能を低下させない範囲で、上記の成分に加えて、水性溶剤、油性溶剤、洗浄性を目的に界面活性剤、消臭剤、消炎剤、清涼剤、制汗剤、香料等を配合することができる。

    本発明の抗菌剤組成物は、種々の基布、あるいは繊維性基材に含浸させて、手拭きを含めた清拭シートとすることができる。
    かかる本発明の清拭シートに用いられる基布としては、かかるシートの基布として従来公知のものがいずれも用いられてよく、前記の抗菌剤組成物を含浸できるものならば特に限定されない。 一般的には不織布、織布、コットン、紙等が挙げられ、水解性、非水解性のいずれであっても良い。 特に好ましい基布としては不織布である。 不織布の原料としては、木綿、レーヨン等の天然繊維(セルロース系);ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維;アセテート等の半合成繊維等があり、また、これらの繊維を組み合わせた数多くの不織布を用いてよい。
    本発明に用いられる不織布はいずれのものであっても良いが、適度な吸水性を有し、また、使用時に適度な水脱離能が有り、弾性を有し、しなやかな風合いをもつものが適する。 このような性状を有する物としては、レーヨン、或いはレーヨン又はセルロースと合成繊維 (例えばポリエステル、ポリオレフィン、ナイロン等)からなる不織布があげられる。 使用目的に応じ適宜の水吸収能、水脱離能を有する基布を選択すれば良い。

    本発明の清拭シートの調製にあたり、基布への抗菌剤組成物の含浸量は、水吸収能、水脱離能 用途等を考慮し適宜選択すればよいが、一般的には基布重量に対し100〜300%程度が好ましい。

    基布への抗菌剤組成物の含浸方法としては、抗菌剤組成物を含有する液をスプレーする方法、抗菌剤組成物を含有する液中に基布を浸漬して含浸させる等の従来公知の方法がいずれも採用されてよく特に限定されない。

    つぎに実施例及び比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
    以下の試験においては、抗菌剤組成物を基布に担持させ抗菌性を評価した。
    抗菌性能試験 JIS L-1902 に準じる 使用細菌 大腸菌、黄色ブドウ球菌 使用カビ 黒かび 抗菌性能はハロー法により評価した。

    <実施例1>
    ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル6%溶液(Glycacil-2000,マツモト交商社品)3000mgを容器に採り、次にジデシルジメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液(DDC-50:三洋化成社品)9.4gを加え精製水により1Lにして抗菌剤組成物を調製した。 この抗菌剤組成物を、不織布(目付38g/m 、レ−ヨン/ポリエステル製:クラレ社品)に対して、不織布重量の2倍量を含浸させ抗菌シートを調製した。 このシートを抗菌試験に付した結果を表1に示す。

    <実施例2>
    実施例1のジデシルジメチルアンモニウムクロライドを塩酸アルキルジアミノエチルグリシン40%水溶液(レポンT-2:三洋化成社品)5gに変更した以外は実施例1と同様にして抗菌シートを調製した。 このシートを抗菌試験に付した結果を表1に示す。

    <実施例3>
    ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル6%溶液(Glycacil-2000,マツモト交商社品)1667mg、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液(DDC-50:三洋化成社品)9.4g、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン40%水溶液(レポンT-2:三洋化成社品)5gを用いた以外は実施例1と同様にして抗菌シートを調製した。 このシートを抗菌試験に付した結果を表1に示す。

    <実施例4>
    ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル6%溶液(Glycacil-2000,マツモト交商社品)1667mg、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液(DDC-50 : 三洋化成社品)4g、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン40%水溶液(レポンT-2:三洋化成社品)10gを用いた以外は実施例1と同様にして抗菌シートを調製した。 このシートを抗菌試験に付した結果を表1に示す。

    <比較例1>
    ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル6%溶液(Glycacil-2000,マツモト交商社品)3000mgを容器に採り精製水により1Lにして抗菌剤組成物を調製した。 この抗菌剤組成物を、実施例1と同一の不織布を用いて含浸処理を行い、抗菌シートを調製した。 このシートを抗菌試験に付した結果を表1に示す。

    <比較例2>
    比較例1のブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルをジデシルジメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液(DDC-50:三洋化成社品)9.4gに変更した以外は比較例1と同様にして抗菌シートを調製した。 このシートを抗菌試験に付した結果を表1に示す。

    <比較例3>
    比較例1のブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルを塩酸アルキルジアミノエチルグリシン40%水溶液(レポンT-2:三洋化成社品)5gに変更した以外は比較例1と同様にして抗菌シートを調製した。 このシートを抗菌試験に付した結果を表1に示す。

    <比較例4>
    ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル6%溶液(Glycacil-2000,マツモト交商社品)3000mgを容器に採り、次に塩化ベンザコニウムの51%水溶液(カチオン-G50:三洋化成社品)を化粧品使用の上限値になるように980mg加え精製水により1Lにして抗菌剤組成物を調製した。 その他は比較例1と同様にして抗菌シートを調製した。 このシートを抗菌試験に付した結果を表1に示す。

    <比較例5>
    ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル6%溶液(Glycacil-2000,マツモト交商社品)3000mgを容器に採り、次にラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(東京化成社品)4.7gを加え精製水により1Lにして抗菌剤組成物を調製した。 その他は比較例1と同様にして抗菌シートを調製した。 このシートを抗菌試験に付した結果を表1に示す。

    抗菌性に優れかつヒトの皮膚に対する刺激性も少なく安全な抗菌剤組成物である。 この抗菌剤組成物を基布に含浸させた清拭シートは高い抗菌性を有する。

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