Wet wipes package

申请号 JP2011114884 申请日 2011-05-23 公开(公告)号 JP2012206781A 公开(公告)日 2012-10-25
申请人 Kikuo Yamada; 菊夫 山田; 发明人 YAMADA KIKUO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a compact wet wipes package, wherein wet wipes can be easily drawn from a storage container, and the production cost can be kept low.SOLUTION: This wet wipes package is provided with: a wet wipes folded body 2 which is continuously folded and stacked, and in which dividing units 4 are formed at predetermined intervals; an airtight storage container which is formed to store the wet wipes folded body 2 and comprises an opening from which stored wet wipes 2a are to be drawn outward and which is divided at dividing units 4 of the stored wet tissue folded body 2; a base plate 10 which is attached to the opening and is formed with a pinching hole 12 through which the wet wipes 2a are pinched and drawn outward; a drawing hole 13 which is linked with the pinching hole 12 and functions to divide the wet wipes 2a at the dividing unit 4; and openable lid 17 which can hermetically close the pinching hole 12 and the drawing hole 13.
权利要求
  • 連続して折り畳み状に積層され、所定間隔毎に分断部が形成されてなるウェットティッシュ折り畳み体と、
    前記ウェットティッシュ折り畳み体を収納可能に形成するとともに、収納されたウェットティッシュ折り畳み体の分断部において分断されるウェットティッシュを外方へ引き出すための開口部が形成された気密性のある収納容器と、
    前記開口部に取り付けられており、前記ウェットティッシュを外方に摘み出すための摘み用孔が形成された基板と、
    前記摘み用孔と連通し、前記分断部で前記ウェットティッシュを分断するための取り出し用孔と、
    前記摘み用孔及び取り出し用孔を密閉できる開閉自在な蓋体と、を備えたことを特徴とするウェットティッシュ包装体。
  • 取り出し用孔は、引き出されるウェットティッシュに摩擦抵抗を付与するように構成されている請求項1記載のウェットティッシュ包装体。
  • 取り出し用孔が基板に開口形成されている請求項1又は2記載のウェットティッシュ包装体。
  • 取り出し用孔には、該取り出し用孔の内方に向かって突出する突出部が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のウェットティッシュ包装体。
  • 取り出し用孔には、突出部と対向する位置に突起が形成されている請求項4記載のウェットティッシュ包装体。
  • 取り出し用孔は、弾性材料からなる取り出し用孔形成部に形成されている請求項1〜5のいずれかに記載のウェットティッシュ包装体。
  • 取り出し用孔は、該取り出し用孔を通過するウェットティッシュの厚さに応じて孔径が変化するように構成されている請求項6記載のウェットティッシュ包装体。
  • 基板には、取り出し用孔形成部を取り付ける取付部が形成されており、
    取り出し用孔形成部には、前記取付部に取り付けるための孔部が形成されており、
    取付部には、前記孔部に圧入可能なボスが形成されている請求項6又は7記載のウェットティッシュ包装体。
  • 取り出し用孔形成部には、該取り出し用孔形成部の外周から外側に突出するリブが形成されており、
    取付部には、前記リブを係止可能な係止孔が形成されている請求項6〜8のいずれかに記載のウェットティッシュ包装体。
  • 取り出し用孔形成部を取付部に取付固定する固定部材を備え、
    前記固定部材は、ボスが挿通可能な固定孔が開口形成され、該固定部材の外周から外側に突出する突起部が形成されており、
    取付部には、前記突出部が係止可能な係止孔が形成されている請求項6〜8のいずれかに記載のウェットティッシュ包装体。
  • 摘み用孔は、取り出し用孔に向けて延び且つ前記取り出し用孔に連通する延長部を有し、この延長部は、前記取り出し用孔に向かうに従い順次先細り状に形成されている請求項1〜10のいずれかに記載のウェットティッシュ包装体。
  • 说明书全文

    本発明は、ウェットティッシュを収納容器に収納してなるウェットティッシュ包装体に関する。

    従来から、お手拭用、又は乳幼児、病人若しくは老人のお尻拭き用に利用されるウェットティッシュが広く知られている。 ウェットティッシュは、基布に薬液等を含浸させたもので、通常は、基布が薬液等で濡れた状態を維持することができるように、密封された収納容器内に収納されている。 収納容器としては、円筒形状をしたボトルタイプのものが従来から広く利用されている(例えば、特許文献1、2)。

    図33に示すように、特許文献1に記載されているウェットティッシュ収納体201は、薬液等が含浸されたロール状のウェットティッシュ202と、このウェットティッシュ202を収納するボトルタイプの収納容器203とから構成されている。 ロール状のウェットティッシュ202は、薄帯状のウェットティッシュを巻いたもので、ミシン目等により形成された分断部204が一定の間隔で幅方向に設けられている。 収納容器203は、容器本体205の上部に容器蓋体206が螺合等によって取り外し可能に取り付けられており、内部にロール状のウェットティッシュ202が収納できるようになっている。 容器蓋体206には中央に略円形の小孔207が設けられており、小孔207からウェットティッシュ202が引っ張り出されるようになっている。 この小孔207は、ロール状のウェットティッシュ202の先端を収納容器203内から引き出す際に、この引き出されたウェットティッシュ202に対して、該引き出されたウェットティッシュ202が分断部204で分断される大きさの抵抗を付与する大きさに形成されている。 また、容器蓋体206には、収納容器203内を密閉するための開閉蓋208が開閉自在に取り付けられている。

    また、特許文献2に記載されているウェットティッシュの収納容器は、ロール状のウェットティッシュを収納できるように構成されており、上部には上蓋が取り付けられている。 上蓋の上面には、ロール状のウェットティッシュの先端を摘んで取り出すための取出口、取り出したウェットティッシュを切り離すための切離口、これら取出口と切離口との間を連結して、取出口から取り出されたウェットティッシュを切離口まで案内するための連結口が形成されている。

    実開平4−56638号公報

    特開2007−217054号公報

    特許文献1に記載のウェットティッシュ包装体は、小孔の孔径を小さくすることによって、ウェットティッシュに対して、該ウェットティッシュが分断部で分断される大きさの抵抗力を付与することができるように構成されている。 そのため、ロール状のウェットティッシュの先端を小孔に通すのが容易ではなく、該ウェットティッシュの先端を外方へ取り出すことが容易に行えないという問題があった。 また、特許文献1に記載のウェットティッシュ包装体の場合、外方へ引き出されたウェットティッシュは、小孔を通過する際に小孔によって絞られて皺が寄った状態で取り出される。 そのため、使用者は、ウェットティッシュを取り出す毎に絞られた状態のウェットティッシュを広げなければならず、該ウェットティッシュを取り出してから拭き取りを行うまでの作業が増加してしまい、非常に作業性が悪いという問題もあった。

    特許文献2に記載の収納容器も、ウェットティッシュに対して、該ウェットティッシュが分断部で切り離される大きさの抵抗力を付与できるように切離口の孔径を小さく形成しており、引き出されたウェットティッシュは皺が寄った状態で外方へ取り出される。 そのため、使用者は、ウェットティッシュを取り出す毎に絞られた状態のウェットティッシュを広げなければならず、ウェットティッシュを取り出してから拭き取りを行うまでの作業が増加してしまい、作業性が非常に悪かった。 また、特許文献2に記載の収納容器は、ウェットティッシュを取り出す取出口と、ウェットティッシュを切り離す切離口とが別に形成されており、収納容器内に収納されるウェットティッシュはロール状であるため、使用者が取出口からウェットティッシュを取り出し、さらにそのウェットティッシュを取出口から切離口へ移動させて、切離口から外方へ取り出されるようにしなければならず、この作業が新たに付加されることで作業の煩雑性が増加するという問題があった。

    また、一般に、ボトルタイプのウェットティッシュ包装体は、ロール状のウェットティッシュを縦置きにして収納容器内に収納していたので、収納容器をコンパクト化することが困難であるという問題があった。 また、ボトルタイプのウェットティッシュ包装体は、収納容器が大型化してしまい、製造時のコストも高くなってしまうという問題もあった。

    本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、収納容器からウェットティッシュを容易に取り出すことができ、かつ製造時のコストを低く抑えたコンパクトなウェットティッシュ包装体を提供することを目的とする。

    本発明は、
    (1)連続して折り畳み状に積層され、所定間隔毎に分断部が形成されてなるウェットティッシュ折り畳み体と、前記ウェットティッシュ折り畳み体を収納可能に形成するとともに、収納されたウェットティッシュ折り畳み体の分断部において分断されるウェットティッシュを外方へ引き出すための開口部が形成された気密性のある収納容器と、前記開口部に取り付けられており、前記ウェットティッシュを外方に摘み出すための摘み用孔が形成された基板と、前記摘み用孔と連通し、前記分断部で前記ウェットティッシュを分断するための取り出し用孔と、前記摘み用孔及び取り出し用孔を密閉できる開閉自在な蓋体と、を備えたことを特徴とするウェットティッシュ包装体、
    (2)取り出し用孔は、引き出されるウェットティッシュに摩擦抵抗を付与するように構成されている上記(1)記載のウェットティッシュ包装体、
    (3)取り出し用孔が基板に開口形成されている上記(1)又は(2)記載のウェットティッシュ包装体、
    (4)取り出し用孔には、該取り出し用孔の内方に向かって突出する突出部が形成されている上記(1)〜(3)のいずれかに記載のウェットティッシュ包装体、
    (5)取り出し用孔には、突出部と対向する位置に突起が形成されている上記(4)記載のウェットティッシュ包装体、
    (6)取り出し用孔は、弾性材料からなる取り出し用孔形成部に形成されている上記(1)〜(5)のいずれかに記載のウェットティッシュ包装体、
    (7)取り出し用孔は、該取り出し用孔を通過するウェットティッシュの厚さに応じて孔径が変化するように構成されている上記(6)記載のウェットティッシュ包装体、
    (8)基板には、取り出し用孔形成部を取り付ける取付部が形成されており、取り出し用孔形成部には、前記取付部に取り付けるための孔部が形成されており、取付部には、前記孔部に圧入可能なボスが形成されている上記(6)又は(7)記載のウェットティッシュ包装体、
    (9)取り出し用孔形成部には、該取り出し用孔形成部の外周から外側に突出するリブが形成されており、取付部には、前記リブが係止可能な係止孔が形成されている上記(6)〜(8)のいずれかに記載のウェットティッシュ包装体、
    (10)取り出し用孔形成部を取付部に取付固定する固定部材を備え、前記固定部材は、ボスが挿通可能な固定孔が開口形成され、該固定部材の外周から外側に突出する突起部が形成されており、取付部には、前記突出部が係止可能な係止孔が形成されている上記(6)〜(8)のいずれかに記載のウェットティッシュ包装体、
    (11)摘み用孔は、取り出し用孔に向けて延び且つ前記取り出し用孔に連通する延長部を有し、この延長部は、前記取り出し用孔に向かうに従い順次先細り状に形成されている上記(1)〜(10)のいずれかに記載のウェットティッシュ包装体、
    を要旨とする。

    本発明に係るウェットティッシュ包装体は、連続して折り畳み状に積層され、所定間隔毎に分断部が形成されてなるウェットティッシュ折り畳み体と、前記ウェットティッシュ折り畳み体を収納可能に形成するとともに、収納されたウェットティッシュ折り畳み体の分断部において分断されるウェットティッシュを外方へ引き出すための開口部が形成された気密性のある収納容器と、前記開口部に取り付けられており、前記ウェットティッシュを外方に摘み出すための摘み用孔が形成された基板と、前記摘み用孔と連通し、前記分断部で前記ウェットティッシュを分断するための取り出し用孔と、前記摘み用孔及び取り出し用孔を密閉できる開閉自在な蓋体とから構成されているので、ウェットティッシュの先端を摘みやすく、且つ確実に分断部で分断することが可能になる。 また、摘み用孔から引き出したウェットティッシュは、上方向に引き上げることによって摘み用孔から取り出し用孔へと引き出される位置が移動するので、該ウェットティッシュが引き出される位置を使用者が摘み用孔から取り出し用孔へ移動させる手間や作業の煩雑性を軽減することも可能になる。

    また、本発明に係るウェットティッシュ包装体は、ウェットティッシュ折り畳み体を収納容器内に収納しているので、ウェットティッシュの先端を摘んで引き出す際にウェットティッシュが捩れ等を生じずに引き出される。 そのため、引き出されて分断されたウェットティッシュに皺が寄らず、引き出した後にウェットティッシュを展開する手間を軽減することも可能になる。

    また、本発明に係るウェットティッシュ包装体は、ウェットティッシュを引き上げて分断部で分断した後は、収納容器内に収納されたウェットティッシュ折り畳み体の先端(以下、ウェットティッシュの先端とも言う。)が取り出し用孔から飛び出した状態を維持する。 そのため、使用者が次回ウェットティッシュを引き出す際の作業も効率的に行うことが可能になり、その都度ウェットティッシュの先端を摘んで引き出すというような煩わしさを解消することが可能になる。

    また、本発明に係るウェットティッシュ包装体は、ウェットティッシュ折り畳み体を収納容器内に引き出し可能に収納されているので、ウェットティッシュ包装体全体の大きさを小型化することが可能になる。 また、ウェットティッシュ包装体を全体的に小型化することにより、該ウェットティッシュ包装体の製造コストを大幅に低減することが可能になる。

    本発明の第1の実施の形態に係るウェットティッシュ包装体の外観構成を表す外観斜視図であり、(a)は蓋体を閉じた状態を表した図、(b)は蓋体を開けた状態を表した図である。

    (a)は、図1(a)のA−A´線断面図、(b)は、図1(a)のB−B´線断面図である。

    ウェットティッシュ折り畳み体の構成を表した図であり、(a)は、ウェットティッシュ折り畳み体の分断部の構成を表した部分拡大図、(b)は、ウェットティッシュ折り畳み体の分断部の位置を説明するための説明図である。

    ウェットティッシュ折り畳み体の別の形態を模式的に示す模式図であり、(a)は、Z折りと呼ばれる折り方をしたウェットティッシュ折り畳み体を表した図、(b)は、WZ折りと呼ばれる折り方をしたウェットティッシュ折り畳み体を表した図である。

    基板の構成を表した平面図である。

    袋体の内部からウェットティッシュを取り出す際の作用を説明する説明図で、(a)は、袋体の内部からウェットティッシュの先端を摘み出す図、(b)は、摘み出したウェットティッシュを上方へ引き出す図である。

    本発明の第2の実施の形態に係るウェットティッシュ包装体の外観構成を表す外観斜視図であり、(a)は蓋体を閉じた状態を表した図、(b)は蓋体を開けた状態を表した図である。

    摘み孔が形成され、取り出し用孔形成部材が設けられている部分の構成を表した拡大斜視図である。

    摘み孔が形成され、取り出し用孔形成部材が設けられている部分の構成を表した分解斜視図である。

    取り出し孔形成部材の構成を表した断面図である。

    摘み孔が形成され、取り出し孔形成部材が設けられている部分を表した平面図である。

    図10のA部分を表した拡大図である。

    図10のA部分を表した拡大図であり、本実施の形態の変形例の突出部の構成を表した図である。

    取り出し用孔からウェットティッシュを取り出す際の作用を説明する説明図で、(a)は、ウェットティッシュを取り出している図、(b)は、ウェットティッシュの分断部が取り出し用孔を通過している時の図、(c)は、ウェットティッシュを取り出し終えた後の状態を表す図である。

    本実施の形態の第1変形例に係る取り出し用孔形成部の構成を表した斜視図である。

    本実施の形態の第2変形例に係る取り出し用孔形成部の構成を表した図で(a)は当該部分の外観構成を表した外観斜視図、(b)は当該部分の構成を表した分解斜視図である。

    本実施の形態に係る取り出し用孔形成部材の変形例を表した図である。

    本発明の第3の実施の形態に係るウェットティッシュ包装体の外観構成を表す外観斜視図である。

    基板の裏面側の構成を表した分解斜視図である。

    取り出し用孔形成部材の構成を表した外観斜視図であり、(a)は上方向からの外観斜視図、(b)は下方向からの外観斜視図である。

    本発明の第4の実施の形態に係るウェットティッシュ包装体に適用される基板の外観構成を表す外観斜視図である。

    基板の裏面側の構成を表した分解斜視図である。

    取り出し用孔形成部材の構成を表した外観斜視図であり、(a)は上方向からの外観斜視図、(b)は下方向からの外観斜視図である。

    (a)は、図21のC−C´線断面図、(b)は、図21のD−D´線断面図である。

    本発明の第5の実施の形態に係るウェットティッシュ包装体に適用される基板の外観構成を表す外観斜視図である。

    基板の裏面側の構成を表した分解斜視図である。

    取り出し用孔形成部材の構成を表した外観斜視図であり、(a)は上方向からの外観斜視図、(b)は下方向からの外観斜視図である。

    (a)は、図25のE−E´線断面図、(b)は、図25のF−F´線断面図である。

    本発明の第6の実施の形態に係るウェットティッシュ包装体に適用される基板の外観構成を表す外観斜視図である。

    基板の裏面側の構成を表した分解斜視図である。

    取り出し用孔形成部材の構成を表した外観斜視図であり、(a)は上方向からの外観斜視図、(b)は下方向からの外観斜視図である。

    (a)は、図29のG−G´線断面図、(b)は、図29のH−H´線断面図である。

    従来例に係るウェットティッシュ包装体の外観構成を表した外観斜視図である。

    本発明に係るウェットティッシュ包装体の第1の実施の形態の構成について、図1から図5に基づいて説明する。 図1は、本発明の実施の形態に係るウェットティッシュ包装体の外観構成を表す外観斜視図であり、(a)は蓋体を閉じた状態を表した図、(b)は蓋体を開けた状態を表した図、図2は、本実施の形態のウェットティッシュ包装体の断面図であり、(a)は図1(a)のA−A´線断面図、(b)は図1(a)のB−B´線断面図、図3は、本実施の形態に係るウェットティッシュ折り畳み体の構成を表した図であり、(a)は、ウェットティッシュ折り畳み体の分断部の構成を表した部分拡大図、(b)は、ウェットティッシュ折り畳み体の分断部の位置を説明するための説明図、図4は、ウェットティッシュ折り畳み体の別の形態を模式的に示す模式図であり、(a)は、Z折りと呼ばれる折り方をしたウェットティッシュ折り畳み体を表した図、(b)は、WZ折りと呼ばれる折り方をしたウェットティッシュ折り畳み体を表した図、図5は、基板の構成を表した正面図である。 なお、本明細書における上下前後左右は、図1に示す上下前後左右方向を言うものとする。 また、本明細書における「ウェットティッシュの先端」とは、収納容器内に収納されたウェットティッシュ折り畳み体において、基板に形成された摘み孔に近い側の端部を言うものとする。 なお、本明細書においては、収納容器の一形態として袋体を用いた例について説明するが、収納容器としては袋体以外のものを使用してもよい。

    図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体1は、ウェットティッシュ折り畳み体2が袋体3の内部に収納されて構成されている。 ウェットティッシュ折り畳み体2は、基布に薬液等を含浸させたものである。 このウェットティッシュ折り畳み体2は、複数の折り返し部としての第1の折り返し部5及び第2の折り返し部6
    を有し、連続して折り畳み状に積層されて構成されている。 また、ウェットティッシュ折り畳み体2には、分断部4(図3参照)が所定間隔毎に複数設けられている。 なお、本明細書では、ウェットティッシュ2aとは、ウェットティッシュ折り畳み体2から分断部4において分断されるものを意味する。 なお、本明細書におけるウェットティッシュ2aは、ウェットティッシュ折り畳み体2から分断されたシート状のものを意味するが、ウェットティッシュ折り畳み体2から分断される前の状態のもののことを言う場合もある。

    分断部4は、ウェットティッシュ2aが引き出される際に、該ウェットティッシュ2aに付与される引っ張り張力により分断することができるように形成されている。 図3(a)に示すように、分断部4は、ウェットティッシュ折り畳み体2の幅方向に一定の間隔で複数の空間4aが形成されており、これら空間4aの間に、ウェットティッシュ折り畳み体2を繋ぐ繋ぎ部4bが形成されている。 本実施の形態では、この繋ぎ部4bは、ウェットティッシュ折り畳み体2の幅方向に対して3箇所に形成されているが、この繋ぎ部4bの数や形状はこれに限定されるものではない。 また、分断部4は、引っ張り張力が作用した時に分断されるように構成されていればよく、例えば、空間4aと繋ぎ部4bとの間隔を短くしてミシン目状に形成してもよいし、これ以外の形状であってもよい。

    ここで、他の形態の分断部を有するウェットティッシュ折り畳み体の構成の一例を図4に基づいて説明する。 図4は、別の形態の分断部を有するウェットティッシュ折り畳み体の構成を示す模式図であり、(a)は、Z折りと呼ばれる折り方をしたウェットティッシュ折り畳み体、(b)は、WZ折りと呼ばれる折り方をしたウェットティッシュ折り畳み体の構成を表している。 なお、ウェットティッシュ折り畳み体の折り構成は、ウェットティッシュが引き上げられた時に次のウェットティシュが順次連続して引き上げられてポップアップされるように構成されていればよく、上記したZ折りやWZ折りのみならず、W折りやこれら以外の折り構成であってもよい。

    図4(a)に示すように、Z折りの折り構成を有するウェットティッシュ折り畳み体151は、Z状に折られたウェットティッシュを複数積層して構成されている。 また、このウェットティッシュ折り畳み体151は、ウェットティッシュ152の終端152aの上面と、次のウェットティッシュ153の始端153aの下面とが重なり合うように積層されており、ウェットティッシュ152を引き出すと、このウェットティッシュ152の終端152aが次のウェットティッシュ153の始端153aを引き上げるように作用し、そして次のウェットティッシュ153の始端153aが図示しない取り出し口から袋体の外部に引き出された時に、これらウェットティッシュ152の終端152aと次のウェットティッシュ153の始端153aとが分離するように構成されている。

    図4(b)に示すように、WZ折りされたウェットティッシュ折り畳み体155は、Z字状に折られたウェットティッシュ156と、W字状に折られたウェットティッシュ157とを交互に積層して構成されている。 図3(b)の場合には、Z折りされたウェットティッシュ156の終端156aの上面と、次に位置するW折りされたウェットティッシュ157の始端157aの下面とが重なり合うように積層されており、Z折りされたウェットティッシュ156を引き出すと、このウェットティッシュ156の終端156aが次のW折りされたウェットティッシュ157の始端157aを引き上げるように作用し、そして、このW折りされたウェットティッシュ157の始端157aが図示しない取り出し口から袋体の外部に引き出された時に、これらZ折りされたウェットティッシュ156の終端156aと次のW折りされたウェットティッシュ157の始端157aとが分離するように構成されている。 なお、W折りされたウェットティッシュ157を引き出した後にZ折りされたウェットティッシュ158の始端158aが引き出される時も同様の作用によって引き上げられる。

    図3(b)は、ウェットティッシュ折り畳み体2の分断部4が該ウェットティッシュ折り畳み体2のどの位置に位置するかを表した説明図である。 この図では、黒丸で示した箇所が分断部4の位置を表す。 図3(b)に示すように、ウェットティッシュ折り畳み体2は、分断部4が第1の折り返し部5と第2の折り返し部6との間の中央部に位置し、且つ上下方向の関係では、分断部4があるものと分断部4がないものとが交互に位置するように構成される。

    なお、ウェットティッシュ折り畳み体2の構成はこれに限定されるものではなく、袋体3に収納可能な構成であればどのような形状にしてもよい。 例えば、本実施の形態では、分断部4の位置が第1の折り返し部5と第2の折り返し部6との間の中央部に位置するようにしているが、中央部以外の場所に分断部4を配置するようにしてもよい。 また、分断部4を第1の折り返し部5又は第2の折り返し部6が形成される位置に配置してもよい。 さらには、本実施の形態では、ウェットティッシュ折り畳み体2の上下方向の関係では分断部4のあるものと分断部4のないものとが交互に位置するように構成されているが、分断部4のあるものが上下に重なるように折り畳んでもよい。 また、分断部4が、第1の折り返し部5の形成される位置と第2の折り返し部6の形成される位置との両方の位置にあってもよい。

    また、本実施の形態では、ウェットティッシュ折り畳み体2を横方向に折り畳んだ構成にしているが、縦方向に折り畳んだ後、横方向に折り畳んだ構成にしてもよい。 横方向に折り畳む前に縦方向に折り畳むことで、ウェットティッシュ折り畳み体2をよりコンパクトな袋体3内に収納することができ、携帯性を向上させることが可能になる。

    なお、ウェットティッシュ折り畳み体2に用いられる基材としては、従来から公知のものを種々用いてよい。 また、本実施の形態のウェットティッシュ折り畳み体2の基材に含浸される薬液等も、従来から公知のものを種々用いてよい。

    袋体3は、ウェットティッシュ折り畳み体2を内部に収納するためのものである。 図1に示すように、袋体3は、前後両端がヒートシール等によって気密に封止されている。 また、袋体3は、気密性を有する可撓性のあるプラスチックフィルム等により、例えばピロー形状の袋状に形成されている。

    図2に示すように、袋体3は、内層7と外層8の2層で構成されている。 内層7には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、セロハン等のプラスチックからなるフィルム若しくはこれら2種以上からなる積層フィルムまたはこれらの単体フィルム、積層フィルムにアルミ箔を積層してなる複合フィルム等が用いられ、外層8には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが用いられる。 なお、本実施の形態では、袋体3が内層7及び外層8の2層から構成されているが、これに限定されるものではなく、3層以上の多層にしてもよいし、1層で構成してもよい。 また、内層7及び外層8に用いられる材質は、上記したものに限定される趣旨ではない。

    また、図1及び図2に示すように、袋体3には開口部9が形成されており、この開口部9に基板10が取り付けられている。 基板10は、袋体3の内部にホットメルト等の方法で取り付けられている。 この基板10は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂材料で成型された板状の部材である。 図2及び図5に示すように、基板10は、中央に凹部11を有しており、この凹部11の底部には摘み用孔12及び取り出し用孔13が開口形成されている。 なお、図5における符号14は、袋体3の内面とヒートシール等で溶着される溶着面である。

    摘み用孔12は、ウェットティッシュ2aを外方に摘み出すための孔である。 図5に示すように、摘み用孔12は凹部11の右側に形成されており、袋体3の内部に収納されたウェットティッシュ2aを摘むことが可能な大きさに開口形成されている。 また、摘み用孔12は延長部12aを有している。 延長部12aは、取り出し用孔13に向けて延び、且つ取り出し用孔13に連通するように形成されており、この延長部12aは、取り出し用孔13に向かうに従い順次先細り状になるように形成されている。

    取り出し用孔13は、ウェットティッシュ折り畳み体2を分断部4に沿って分断するためのものである。 この取り出し用孔13は、摘み用孔12の延長部12aと連通し、引き出されるウェットティッシュ2aに摩擦抵抗を付与することができるように構成されている。 また、取り出し用孔13は、二つの円を部分的に重ね合わせた形に形成されており、これら二つの円を重ね合わせて取り出し用孔13の内方に向けて突出する部分には、突出部15が形成される。 突出部15には、該突出部15を前後方向に分割するように延長部12aが形成されており、本実施の形態では、突出部15は二つの突部15a,15bにより構成されている。 この突出部15は、取り出し用孔13内から引き出されるウェットティッシュ折り畳み体2が摘み用孔12へ移動しないようにするとともに、引き出されるウェットティッシュ折り畳み体2に付与する摩擦抵抗を増加するためのものである。

    また、取り出し用孔13には、突出部15と対向する位置に、取り出し用孔13の内方に向けて突出する突起16が形成されている。 突起16は、引き出されるウェットティッシュ折り畳み体2に付与する摩擦抵抗を増加するためのものである。 なお、図5中の符号13aは、取り出し用孔13から前後方向に延出形成されたスリットである。

    なお、突出部15は、ウェットティッシュ折り畳み体2に付与する摩擦抵抗を増加することができ、かつ取り出し用孔13内から引き出されるウェットティッシュ折り畳み体2が摘み用孔12へ移動するのを防止することができればよく、その形状及び大きさは限定されない。 また、突起16は、ウェットティッシュ折り畳み体2に付与する摩擦抵抗を増加することができれば、形状や大きさは限定されない。

    図1及び図2に示すように、袋体3の上面には蓋体17が設けられている。 蓋体17は、基板10に設けた摘み用孔12及び取り出し用孔13を密閉できるように開閉自在に設けられたもので、袋体3の上面にホットメルト等の方法で設けられている。 この蓋体17は、柔軟性を有する可撓性を有するフィルムやシート状のもので形成されている。 蓋体17の下面には粘着層(図示せず)が形成されており、袋体3の上面に貼り付けたときに、袋体3の内部が密閉されるようになっている。 この粘着層は、例えばアクリル系の糊材、可塑性を含んだポリ塩化ビニル組成物、エチレン−酢酸ビニル共重合体に塩化ビニルモノマーがクラフト重合されたクラフト共重合体などのクラフトマーを主体としたもののような感圧型接着剤が挙げられるが、上記したものに限定されない。 蓋体17の形状は、本実施の形態では、図1に示すように前方に摘みが付いた長方形状をしているが、摘み用孔12及び取り出し用孔13を密閉できればよく、その形状は限定されるものではない。

    次に、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体1において、袋体3からウェットティッシュ折り畳み体2を取り出す際の作用について、図6に基づいて説明する。 図6は、袋体3からウェットティッシュ折り畳み体2を取り出す際の作用を示した図で、(a)図は、使用者がウェットティッシュ折り畳み体2を摘んだ状態を表す図、(b)図は、使用者が、摘んだウェットティッシュ折り畳み体2を上方向に引き出している状態を表す図である。

    図6(a)に示すように、ウェットティッシュ2aの先端が袋体3の外部に飛び出ていない場合には、使用者は、摘み用孔12から袋体3の内部に指を挿入して、袋体3に収納されたウェットティッシュ2aの先端を摘み上げ、摘み用孔12からウェットティッシュ2aの先端を袋体3の外部へ引っ張り上げて引き出す。 このとき、摘み用孔12は、ウェットティッシュ2aの先端を摘むことが可能な大きさに開口形成されているので、使用者が指を袋体3内部に挿入しやすく、かつウェットティッシュ2aを容易に摘むことができ、使用者がウェットティッシュ2aの先端を引っ張り上げて引き出す作業も容易に行うことができる。

    ウェットティッシュ2aには、使用者が引っ張り上げることによって上向きの力が作用する。 このとき、ウェットティッシュ折り畳み体2は袋体3内にて収納されているので、使用者によって上向きの力が加えられると、その力の一部は、引っ張り上げられたウェットティッシュ2aを左右方向に移動させる方向の力として作用する。 そのため、ウェットティッシュ2aは、図6(b)に示すように、摘み用孔12から上方へ向けて引っ張り上げて引き出されると、図6(b)中のA方向へ移動しながら上方へ引っ張り上げられ、袋体3の外方へ引き出される。

    ウェットティッシュ2aは、摘み用孔12から取り出し用孔13へ向かって移動する場合には、摘み用孔12の延長部12aによって案内されながら、取り出し用孔13へと移動する。 取り出し用孔13まで移動したウェットティッシュ2aは、突出部15によって、取り出し用孔13から摘み用孔12へ移動することを阻止され、その後は、取り出し用孔13から引き出されるようになる。 このとき、取り出し用孔13の大きさは摘み用孔12よりも小さく形成されており、さらに突出部15と突起16との間の隙間が狭くなるように形成されているために、ウェットティッシュ2aは強い抵抗力を受けながら上方へ引っ張り上げられる。 また、このときの抵抗力は、突出部15及び突起16によって増加する。

    そして、ウェットティッシュ2aは、所定長さだけ引っ張り上げられると、分断部4が取り出し用孔13を通過する。 このとき、分断部4に作用する力は、該分断部4以外の場所に作用する力に比べて大きくなる。 そのため、ウェットティッシュ2aは、分断部4が取り出し用孔13を通過した直後に、該分断部4で分断されて、一枚のシート状のウェットティッシュ2aとして取り出される。

    このとき、分断された分断部4よりも下方に位置しているウェットティッシュ2aは、先端部が取り出し用孔13から所定長さだけ飛び出ており、取り出し用孔13、突出部15及び突起16はウェットティッシュ2aが所定長さだけ飛び出た状態を維持する。 そのため、使用者が次回ウェットティッシュ2aを袋体3の外方へ引き出す際は、取り出し用孔13から飛び出ているウェットティッシュ2aの先端を上方へ引っ張り上げればよく、より簡単にシート状のウェットティッシュ2aを得ることが可能になる。

    シート状のウェットティッシュ2aを取り出した後、引き続きウェットティッシュ2aを取り出さない場合には、蓋体17を袋体3の上面に貼り付けて蓋をする。 このとき、蓋体17は、粘着層によって袋体3の上面に貼り付けられるので、袋体3内の気密を維持することができ、ウェットティッシュ折り畳み体2に含浸された薬液等が揮発しないようにすることができる。 また、ウェットティッシュ2aのうち、取り出し用孔13から飛び出た部分は、基板10に形成された凹部11の内部に収納することができる。 そのため、蓋体17を袋体3の上面に貼り付けた際に、袋体3と蓋体17との間に隙間が生じ、該薬液等が揮発するおそれを確実に防止することが可能になる。

    本実施の形態のウェットティッシュ包装体1は、取り出し用孔13に突出部15及び突起16を設けており、これら突出部15及び突起16の間隔が狭くなるようにしているので、取り出し用孔13の孔径を必要以上に小さくしなくても、ウェットティッシュ2aに対して十分な抵抗力を付与することができる。 そのため、引っ張り上げたウェットティッシュ2aが絞られて皺が寄った状態にならず、使用者が使用しやすい状態を維持しながら、引っ張り上げることができる。 したがって、本実施の形態のウェットティッシュ包装体1によれば、使用者が使用する際の手間を省くことができ、使用時の煩雑さを大幅に解消することが可能になる。

    また、本実施の形態のウェットティッシュ包装体1は、ウェットティッシュ2aを複数の折り返し部を有して折り畳まれたウェットティッシュ折り畳み体2として構成しているので、ウェットティッシュ包装体1全体の大きさを小型化することができ、製造時のコストを大幅に低減することが可能になる。

    次に、本発明に係るウェットティッシュ包装体の第2の実施の形態について、図7〜図14に基づいて説明する。 なお、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体21が先に説明したものと同一の構成である部分については説明を省略し、符号も同一のものを使用する。 なお、本実施の形態では、Z折りやWZ折り、W折りされたウェットティッシュの端部同士を重ね合わせて積層することにより分断部を形成したウェットティッシュ折り畳み体を用いた例を説明するが、これ以外の構成のウェットティッシュ折り畳み体を使用してもよい。

    本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体21は、ウェットティッシュ折り畳み体22が収納容器としての袋体23内に収納されて構成されている。 図7(a),(b)に示すように、袋体23には開口部24が形成されており、この開口部24にはホットメルト等の任意な方法によって基板25が取り付けられている。 基板25は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂材料によって、従来から公知の方法を任意に使用して成型された部材で、中央に凹部26が形成されており、凹部26には、摘み用孔27、取付孔28、及び上壁部29が形成されている。 また、基板25には蓋体30が開閉自在に形成されている。 なお、凹部26よりも外周側において平面状に形成されている符号31で示す部分は、袋体23に対してホットメルト等の任意な方法で取り付けるための溶着面である。

    摘み用孔27は、ウェットティッシュ22aを外方に摘み出すための孔である。 この摘み用孔27は、袋体23の内部に収納されたウェットティッシュ折り畳み体22のウェットティッシュ22aを摘むことが可能な大きさに開口形成されている。 また、摘み用孔27は延長部27aを有している。 延長部27aは、取付孔28に向けて延出し、且つ取付孔28に連通するように形成されている。 また、延長部27aは、取付孔28へ向かうに従い順次先細り状になるように形成されている。

    取付孔28は、後述する取り出し用孔形成部材32を取り付けるためのもので、基板25上に開口形成されている。 図8に示すように、この取付孔28は、摘み用孔27と連通するように形成されるとともに、取り出し用孔形成部材32が係止されるような大きさに形成されている。

    上壁部29は、ウェットティッシュ包装体21を上方から見た場合に、凹部26内に円形状に形成されている。 上壁部29は、蓋体30を閉じた時に、該蓋体30に形成されている蓋壁部30aと気密性を保持するように嵌合し、袋体23内の気密性を確保することができるように構成されている。 この上壁部29は、外径が蓋壁部30aの内径と略同じか、又は若干小さくなるように形成されており、蓋体30が閉じられた時に、上壁部29の外周面と蓋壁部30aの内周面とが接するように構成されている。 また、この上壁部29は、高さが凹部26の深さよりも低くなるように立設されている。 なお、上壁部29は、内径を蓋壁部30aの外径とほぼ同じか、又は若干大きくなるように形成し、蓋体30が閉じられた時に、上壁部29の内周面と蓋壁部30aの外周面とが接するように構成してもよい。

    取り出し用孔形成部材32は、本発明の取り出し用孔形成部を構成するもので、基板25よりも柔らかい材料からなる弾性部材で形成されている。 この取り出し用孔形成部材32は、従来から公知の弾性材料を任意に適用することができるが、弾性変形のしやすさの観点から、天然ゴム、合成ゴム等のゴム材料、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、又はビニール樹脂等の弾性材料により形成されていることが好ましい。 また、合成ゴムを使用する場合には、シリコンゴムやウレタンゴム等を使用することが好ましい。

    図9〜図11に示すように、取り出し用孔形成部材32は、側面の中央部に第1凹部33が形成され、第1凹部33の上下両端部には、該第1凹部33に対して突出する第1突出部34と第2突出部35が形成されている。 また、取り出し用孔形成部材32の中央部には、該取り出し用孔形成部材32を平面視した場合に略円形状となるように形成された取り出し用孔36が形成されるとともに、この取り出し用孔36から外周面までスリット37が形成されている。 また、取り出し用孔形成部材32は、下部から上部に向けて第2凹部26が形成されている。 また、取り出し用孔形成部材32は、基板25の取付孔28に係止される。 係止された取り出し用孔形成部材32は、第1突出部34と第2突出部35との間に形成された第1凹部33に基板25の端部が入り込み、第1突出部34の下面が基板25の上面と対向し、第2突出部35の上面が基板25の下面と対向することで、取り出し用孔形成部材32が基板25に対して上下動しないように配置され、さらに第1凹部33の外周面と取付孔28の内周面とが対向することで、取り出し用孔形成部材32が基板25に対して前後左右方向に動かないように配置される。

    図12に示すように、このように配置された取り出し用孔形成部材32は、摘み用孔27の延長部27aと取り出し用孔形成部材32のスリット37とが同じ位置に位置するように配置され、摘み用孔27と取り出し用孔36とが延長部27a及びスリット37によって連通するように構成される。 このとき、延長部27aにおける取付孔28に連通する端部の該延長部27aの幅W1をスリット37の幅W2よりも狭くして、突出部38を形成することが好ましい。 突出部38を形成することで、取り出し用孔36から引き出されているウェットティッシュ22aが摘み用孔27へ向けて移動するのを防止することができ、ウェットティッシュ22aを確実に分断部4で分断することが可能になる。

    突出部38の位置は、取り出し用孔形成部材32において、取り出し用孔36とスリット37との境界部分から突出部38の先端までの距離L1が10mm以下であることが好ましく、6mm以下であることがより好ましい。 このような位置に突出部38を配置することで、ウェットティッシュ22aが取り出し用孔36を通過する際に、該ウェットティッシュ22aから突出部38に付与される力が過剰にならず、ウェットティッシュ22aが通過する際に突出部38がめくりあがって、取り出し用孔36から摘み用孔27への移動を許容する誘導路となることを防止することができ、ウェットティッシュ22aが取り出し用孔36から摘み用孔27へ移動するのを確実に防止することが可能になる。

    なお、本実施の形態では、この突出部38の端部は、摘み用孔27の中心と取り出し用孔36の中心とを結ぶ線分と直の関係になる方向に形成されているが、例えば図13に示すように、突出部38が取り出し用孔36の内方に向かって突出するように形成してもよい。 この場合には、取り出し用孔36を通過するウェットティッシュ22aに対して、より強い抵抗力を付加することができ、ウェットティッシュ22aの分断部4における分断をより確実に行うことが可能になる。

    次に、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体21において、取り出し用孔36からウェットティッシュ22aを取り出す際の作用について、図14に基づいて説明する。 先の第1の実施の形態におけるウェットティッシュ包装体1と同様に、ウェットティッシュ22aの先端が袋体23の外部に飛び出ていない場合には、使用者は、摘み用孔27から袋体23の内部に指を挿入して、袋体23に収納されたウェットティッシュ22aの先端を摘み上げ、摘み用孔27からウェットティッシュ22aの先端を袋体23の外部へ引き出す。 このとき、摘み用孔27は、ウェットティッシュ22aの先端を摘むことが可能な大きさに開口形成されているので、使用者が指を袋体23の内部に挿入しやすく、かつウェットティッシュ22aを容易に摘むことができ、使用者がウェットティッシュ22aの先端を容易に引き出すことが可能になる。

    また、本実施の形態は、第1の実施の形態におけるウェットティッシュ2aと同様に、ウェットティッシュ折り畳み体22が袋体23内に収納されているので、使用者がウェットティッシュ22aの先端を引き上げることによって該ウェットティッシュ22aに上向きの力が作用すると、その力の一部が引き出されたウェットティッシュ22aを左右方向へ移動させる方向の力として作用する。 そのため、ウェットティッシュ22aは、摘み用孔27から上向きに引き出されると、それと同時に摘み用孔27から取り出し用孔36へ向けて移動する。

    図14(a)に示すように、使用者がウェットティッシュ22aを取り出し用孔36から取り出す際は、ウェットティッシュ22aが取り出し用孔36から上方向(図14(a)中のA方向)に向けて引き出されることによって、取り出し用孔形成部材32に対して上方向に力Fが付与され、該取り出し用孔形成部材32において取り出し用孔36が形成されている部分が図14(a)中のB方向へ弾性変形する。 ここで、例えばウェットティッシュ22aが引き出されるうちに、ウェットティッシュ22aの先端と先端が重ね合わさった分断部4が取り出し用孔36を通過する。 この時は、取り出し用孔36を通過するウェットティッシュ22aの厚さが厚くなるが、本実施の形態の取り出し用孔形成部材32は、基板25よりも柔らかい材料で形成された弾性部材で形成されているので、この取り出し用孔36を通過するウェットティッシュ22aの厚みに応じて孔径が任意に拡縮する。 そのため、例えば図14(a)に示すように、ウェットティッシュ22aの分断部4以外の部分が通過している場合には、取り出し用孔36の孔径はd1となり、図14(b)に示すように、ウェットティッシュ22aの分断部4が通過している場合には、取り出し用孔36の孔径が、d1よりも大径のd2となるように変形する。

    また、使用者がウェットティッシュ22aを引き出す動作を終えた場合には、ウェットティッシュ22aから取り出し用孔形成部材32に対して上方向の力が付与されなくなる。 そのため、取り出し用孔形成部材32は図14(c)中のC方向に弾性変形し、取り出し用孔36の孔径がd1よりも小径のd3となる。 このとき、取り出し用孔36の孔径がd3となり、ウェットティッシュ22aが引き出されている時の孔径d1又はd2よりも小径なので、ウェットティッシュ22aに対して摩擦抵抗を付与し、袋体23内に落下しようとするウェットティッシュ22aの先端が飛び出た状態(いわゆるポップアップされた状態)を維持することが可能になる。

    このように、本実施の形態のウェットティッシュ包装体21によれば、摘み孔と取り出し用孔36を形成することで、使用者は、ウェットティッシュ2aに皺が寄らない状態を維持しながらウェットティッシュ22aを容易に取り出すことができ、ウェットティッシュ2aを引き出す際の煩雑さや使用時の煩雑さを大幅に解消することが可能になる。 また、本実施の形態のウェットティッシュ包装体21によれば、取り出し用孔36が弾性材料からなる取り出し用孔形成部に形成されており、取り出し用孔36の孔径が該取り出し用孔36を通過するウェットティッシュ22aの厚さに応じて変化するように構成されているので、ウェットティッシュ22aを引き出す際に、該ウェットティッシュ22aの厚みの変化によって生じる抵抗感の変化を使用者に感じさせないようにすることができるとともに、ウェットティッシュ22aの引き出しをスムーズに行うようにすることが可能になる。

    なお、取り出し用孔形成部材32の形状は、上記したものに限定されず、これ以外の構成でもよい。 例えば、図10に示す取り出し用孔形成部材32は、第1凹部33の上下に第1突出部34と第2突出部35を形成するように構成しているが、第1凹部33の下側に第2突出部35のみを形成するように構成してもよい。 この場合には、例えば、第1凹部33の外径を取付孔28の内径よりも若干大きくなるように形成しておき、取り出し用孔形成部材32を取付孔28に係止させる際に、該取り出し用孔形成部材32が縮む方向へ弾性変形するように形成すればよいし、取り出し用孔形成部材32が取付孔28に係止可能であれば、これ以外の方法で係止できるように構成してもよい。 また、取り出し用孔形成部材32は、上記した作用が得られるものであれば、これ以外の構成であってもよい。

    また、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体21は、基板25とは別体の取り出し用孔形成部材32を取付孔28に係止するように構成されているが、図15に示すように、取り出し用孔形成部材32を基板25に一体成型してもよい。 以下においては、図15に基づいて、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体の第1の変形例について説明する。 なお、本変形例においても、先に説明したと同様の構成の部分については説明を省略し、符号も同一のものを使用する。

    本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体21は、取り出し用孔形成部41が基板25に一体成型されている。 この取り出し用孔形成部41は、基板25よりも柔らかい弾性材料で形成されている。 この取り出し用孔形成部41には、従来から公知の弾性材料を任意に適用することができるが、弾性変形しやすさの観点からは、天然ゴム、合成ゴム等のゴム材料、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、又はビニール樹脂等の弾性材料により形成されていることが好ましい。 また、合成ゴムを使用する場合には、シリコンゴムやウレタンゴム等を使用することが好ましい。 取り出し用孔形成部41を基板25に一体成型する方法は、例えば二色成形やインサート成形のように、従来から公知の方法を任意に選択して使用してよい。

    このように、基板25に対して取り出し用孔形成部41を一体成型することによっても、本実施の形態において先に説明したと同様に作用し、効果を得ることが可能になる。 また、本変形例では、基板25に対して取り出し用孔形成部41を一体成型しているので、取り出し用孔形成部41の肉厚を全体的に変更することができ、より弾性変形しやすく構成することも可能になる。

    また、本実施の形態では、基板25に対して該基板25とは別体の取り出し用孔形成部材32を係止させて該取り出し用孔形成部材32を固定するように構成しているが、図16に示すように、取り出し用孔形成部材32の周囲を覆うようにカバー部材42を取り付けてもよい。 以下においては、図16に基づいて、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体21の第2の変形例について説明する。 なお、本変形例においても、先に説明したと同様の構成の部分については説明を省略し、符号も同一のものを使用する。

    図16(a)に示すように、本変形例に係るウェットティッシュ包装体21は、基板25に取り付けられた取り出し用孔形成部材32を覆うようにカバー部材42が取り付けられている。 このカバー部材42は、取り出し用孔形成部材32を位置決めするためのものである。 このカバー部材42は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂材料で成型された部材である。 なお、カバー部材42は、基板25と同じ材質のものを用いてもよいし、基板25とは異なる材質のものを用いてもよい。

    図16(b)に示すように、カバー部材42は、取付孔28に取り付けられた取り出し用孔形成部材32を覆うことが可能な形状に形成されており、下方に延出する爪部材42aが4か所に形成されている。 基板25には、この爪部材42aが挿通される貫通孔43が形成されており、該貫通孔43を挿通した爪部材42aが、基板25の下方において係合するように構成されている。 また、カバー部材42は、基板25に取り付けた時に、延長部27a及び取り出し用孔36よりも大きな幅で切り欠かれた切欠き部44が形成されている。 また、図示はしていないが、カバー部材42には、取り出し用孔形成部材32の位置決めが可能な位置決め部材が形成されている。 この位置決め部材は、例えばカバー部材42の裏面側から下方に突出するピンにより形成し、カバー部材42を基板25に係合固定した時に、取り出し用孔形成部材32の上方から該取り出し用孔形成部材32を押さえつけるような力を付与するように構成されている。 なお、この位置決め部材の形状は、取り出し用孔形成部材32の位置決めをすることができるものであれば、上記した以外の構成であってもよい。

    本変形例に係るウェットティッシュ包装体21によれば、本実施の形態において先に説明したと同様に作用し、同様の効果を得ることが可能になる。 また、本変形例では、カバー部材42によって取り出し用孔形成部材32をカバーするとともに、取り出し用孔形成部材32の位置決めを行うので、ウェットティッシュ22aを取り出す作業を行っている間に、取り出し用孔形成部材32のスリット37の位置と、摘み用孔27の延長部27aの位置との間の位置決めを正確に行い、さらにその位置を維持することが可能になる。 そのため、本変形例に係るウェットティッシュ包装体21によれば、長期間に亘ってウェットティッシュ包装体21を使用する間にスリット37と摘み用孔27の延長部27aとの間にずれが生じて、摘み用孔27から取り出したウェットティッシュ22aが取り出し用孔36へ移動しなくなるというような不具合を確実に解消することが可能になり、使用者の作業性を長期間に亘って維持することが可能になる。

    なお、本実施の形態においては、取り出し用孔36が、取り出し用孔形成部材32を平面視した場合に略円形状となるように形成したが、ウェットティッシュが引き出される際に弾性変形しやすく、かつウェットティッシュを確実に分断部で分断できれば、上記した形状に限定されるものではない。 例えば、取り出し用孔形成部材は、図17に示すような形状であってもよいし、これら以外の形状であってもよい。 以下においては、取り出し用孔形成部材の変形例の形状について説明する。 なお、取り出し用孔形成部材の変形例に係る構成を説明する際の上下左右は、図17に示す方向を言うものとする。

    図17(a)に示すように、取り出し用孔形成部材45の第1の変形例に係る取り出し用孔は、中央部に略円形状の中央孔45aが開口形成されており、この中央孔45aの左右方向に長孔部45bが設けられている。 また、中央孔45aの下方には、スリット45cが設けられている。 このスリットは、取り出し用孔形成部材45の外周縁まで設けられており、基板に取り付けられた際に、摘み用孔の延長部を通過するウェットティッシュがスリット45cを通過して中央孔45a及び長孔部45bに到達するように形成されている。 取り出し用孔45をこのように構成することで、取り出し用孔形成部材45全体としては弾性変形しやすく、かつウェットティッシュとの接触面積を増加してウェットティッシュを分断部で確実に分断することが可能になる。

    図17(b)に示すように、取り出し用孔形成部材46の第2の変形例に係る取り出し用孔は、3つの長孔部46aにより形成されている。 これら長孔部46aは、それぞれが120°間隔で位置するように形成されている。 また、スリット46bは、3つの長孔部46aが交わる中央部46cから取り出し用孔形成部材46の外周縁まで設けられている。 取り出し用孔をこのように形成することでも、取り出し用孔形成部材46全体としては弾性変形しやすく、かつウェットティッシュとの接触面積を増加してウェットティッシュを分断部で確実に分断することが可能になる。

    図17(c)に示すように、取り出し用孔形成部材47の第3の変形例に係る取り出し用孔は、3つのスリット47aが90°間隔で交わるように形成されており、取り出し用孔形成部材47の外周縁まで延びるスリット47bは、これら3つのスリット47aが交わる点から延出するように形成されている。 このように取り出し孔を形成すると、取り出し用孔形成部材47として弾性変形しやすくすることができ、さらにウェットティッシュが通過する部分の断面積を少なくすることができるので、該スリット47aを通過するウェットティッシュに対して、より適切な抵抗力を付与することができ、より確実にウェットティッシュを分断部で分断することが可能になる。

    図17(d)に示すように、取り出し用孔形成部材48の第4の変形例に係る取り出し用孔48aは四角形状に形成されている。 この取り出し用孔48aは、長方形状でもよいし、正方形状であってもよい。 また、取り出し用孔48aの下部からは、該取り出し用孔48aから取り出し用孔形成部材48の外周縁まで延びるスリット48bが設けられている。 取り出し用孔をこのような形状にすることによっても、取り出し用孔形成部材48全体として弾性変形しやすく、かつ取り出し用孔48aを通過するウェットティッシュを確実に分断部で分断することが可能になる。

    次に、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体51の第3の実施の形態について、図18〜図20に基づいて説明する。 なお、本実施の形態においても、先に説明したと同様の構成については説明を省略し、また符号も同一のものを使用する。 なお、本実施の形態では、Z折りやWZ折り、W折りされたウェットティッシュの端部同士を重ね合わせて積層することにより分断部を形成したウェットティッシュ折り畳み体を用いた例を説明するが、これ以外の構成のウェットティッシュ折り畳み体を使用してもよい。

    図18及び図19に示すように、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体51は、摘み用孔52と取付孔53とが基板54に開口形成されており、これら摘み用孔52及び取付孔53は摘み用孔52の延長部52aで連通するように構成されている。 また、取付孔53には、該取付孔53の内方に向かって突出する突出部55が形成されている。 この突出部55は、後述する取り出し孔形成部材を取付孔53に取り付けた際に、この取り出し孔形成部材に形成された取り出し用孔62を通過するウェットティッシュ22aが摘み孔へ移動するのを防ぐためのものである。

    取付孔53の周囲には、該取付孔53を覆うようにカバー部56が形成されている。 カバー部56は、延長部52aが形成されている部分(以下、この部分のことを開口部57という)を除く取付孔53の周囲を囲むように壁状部58が立設し、その上端部からは取付孔53の内径方向に向けて延出形成された天井部59が形成されている。 天井部59は、内径が後述する取り出し孔形成部材の外径よりも小さくなるように形成されており、下面側から係止された取り出し用孔形成部材61が上方向に抜け出ないように構成されている。 また、カバー部56は、取付孔53を挟んで開口部57と対向する位置に固定用孔60が開口形成されている。 この固定用孔60は、取り出し用孔形成部材61に形成されている後述する固定用片63が係止できる大きさに形成されている。

    図19及び図20に示すように、取り出し用孔形成部材61は、本発明の取り出し用孔形成部を構成するもので、基板54よりも柔らかい材料からなる弾性部材で形成されている。 取り出し用孔形成部材61は、従来から公知の弾性材料を任意に適用することができるが、弾性変形しやすさの観点から、天然ゴム、合成ゴム等のゴム材料、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、又はビニール樹脂等の弾性材料により形成されていることが好ましい。 また、合成ゴムを使用する場合には、シリコンゴムやウレタンゴム等を使用することが好ましい。

    この取り出し用孔形成部材61には、略中央部に取り出し用孔62が開口形成されており、また取り出し用孔62を挟んで対向する位置に、固定用片63とスリット64が形成されている。 固定用片63は、カバー部56の固定用孔60に係止することができるような形状に形成されており、本実施の形態では図19及び図20(a)に示すように取り出し用孔形成部材61から突出するように形成されている。 また、スリット64は、取り出し用孔62から外周に向けて設けられている。 スリット64と外周縁61aが交わる箇所には、突出部55との干渉を避けるように形成された切り欠き部65が形成されている。 図20(b)に示すように、取り出し用孔形成部材61の下面側には、凹部66が形成されており、取り出し用孔62が形成されている箇所における該取り出し用孔形成部材61の肉厚が薄肉となるように形成されている。

    このように、本実施の形態のウェットティッシュ包装体51によれば、摘み用孔52と取り出し用孔62を形成することで、使用者は、ウェットティッシュに皺が寄らない状態を維持しながらウェットティッシュを容易に取り出すことができ、ウェットティッシュを引き出す際の煩雑さや使用時の煩雑さを大幅に解消することが可能になる。 また、本実施の形態のウェットティッシュ包装体51によれば、取り出し用孔62が弾性材料からなる取り出し用孔形成部に形成されており、取り出し用孔62の孔径が該取り出し用孔62を通過するウェットティッシュの厚さに応じて変化するように構成されているので、ウェットティッシュを引き出す際に、該ウェットティッシュの厚みの変化によって生じる抵抗感の変化を使用者に感じさせないようにすることができるとともに、ウェットティッシュの引き出しをスムーズに行うようにすることが可能になる。

    また、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体51によれば、第1及び第2の実施の形態において説明した上記効果に加えて、取り出し用孔形成部材61に固定用片63が形成され、カバー部56に固定用孔60が形成されているので、固定用片63を固定用孔60に係止することのみによって、カバー部56に取り出し用孔形成部材61を係止することができる。 したがって、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体51によれば、製造時の取付等における作業の効率化を向上させることが可能になる。

    また、カバー部56の固定用孔60に取り出し用孔形成部材61の固定用片63を係止することによって取り出し用孔形成部材61を取付固定することにより、取り出し用孔形成部材61の位置決めも行うことができる。 そのため、取り出し用孔形成部材61のスリット64の位置と、摘み用孔52の延長部52aの位置との間の位置決めを正確に行い、さらにその位置を維持することが可能になる。 そのため、実施の形態に係るウェットティッシュ包装体51によれば、長期間に亘ってウェットティッシュ包装体51を使用する間にスリット64と摘み用孔52の延長部52aとの間にずれが生じて、摘み用孔52から取り出したウェットティッシュが取り出し用孔62へ移動しなくなるというような不具合を確実に解消することが可能になり、使用者の作業性を長期間に亘って維持することが可能になる。

    次に、本発明に係るウェットティッシュ包装体の第4の実施の形態について、図21〜図24に基づいて説明する。 図21は、本発明の第4の実施の形態に係るウェットティッシュ包装体に適用される基板71の外観構成を表す外観斜視図、図22は、基板71の裏面側の構成を表した分解斜視図、図23は、取り出し用孔形成部材83の構成を表した外観斜視図であり、(a)は上方向からの外観斜視図、(b)は下方向からの外観斜視図、図24は、本実施の形態に係る基板71の断面図であり、(a)は図20のC−C´線断面図、(b)は、図20のD−D´線断面図である。 なお、本実施の形態においては、袋体及びウェットティッシュ折り畳み体の構成は先に説明した第1の実施の形態のものと同じであり、上蓋の構成は第2の実施の形態のものと同じであるから、これらの説明及び図示は省略する。 また、本実施の形態では、Z折りやWZ折り、W折りされたウェットティッシュの端部同士を重ね合わせて積層することにより分断部を形成したウェットティッシュ折り畳み体を用いてもよいし、ミシン目等のように、部分的に連続する部分を形成したウェットティッシュ折り畳み体を用いてもよい。

    基板71は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂材料によって形成されており、従来から公知の成型方法で成型されている。 図21に示すように、基板71は、楕円形に形成されており、ホットメルト等の任意な方法で袋体に取り付けるための溶着面72が周縁に形成されている。 また、溶着面72よりも内側には、該溶着面72よりも落ち込んだ凹部73が形成されている。 凹部73には、摘み用孔74と、開口孔75が形成されており、これら摘み用孔74及び開口孔75の周囲を取り囲むように上壁部76が形成されている。 また、凹部73には、開口孔75の周囲に複数の係止孔77が形成されている。

    図22及び図23に示すように、基板71の下面側は、上面側に凹部73を形成することに伴って、該凹部73が形成されている部分78が突状に突出するように形成されている。 また、上記した摘み用孔74は、基板71を貫通するように形成されているため、基板71の下面からも視認することができるようになっている。 さらに、摘み用孔74の延長部82の先端には、取り出し用孔形成部としての取り出し用孔形成部材83を取付固定するための取付部79が形成されている。 取付部79は、下壁部80及び複数のボス81から構成されている。 下壁部80は、延長部82が形成されている箇所を除いた開口孔75の周囲を囲むように楕円形状に形成されている。 また、下壁部80には、基板71の下面から所定距離離れた位置まで、上記した係止孔77が形成されている。 この係止孔77は、基板71の上面と、下壁部80の内周面との間が連通するように形成されており、基板71の下面側に取り付けられる取り出し用孔形成部材83のリブ84が係止可能な大きさに形成されている。 上記した通り、係止孔77は、取り出し用孔形成部材83のリブ84と対応する複数の箇所に開口形成されている。

    開口孔75は、略楕円形状に開口形成されており、摘み用孔74の延長部82と繋がる箇所には、開口孔75の内方に向けて突出する突出部85が形成されている。 突出部85は、二つの突部86によって形成されている。 これら二つの突部86は、取り出し用孔形成部材83に形成された取り出し用孔87からウェットティッシュを取り出す際に、ウェットティッシュが取り出し用孔87から摘み用孔74へ向けて移動するのを防止するためのものである。 この開口孔75は、取り出し用孔形成部材83の上端面が露出するように開口形成することが好ましい。 このように開口形成することで、ウェットティッシュを引き出す際等のように取り出し用孔形成部材83に力が加わった場合に、該取り出し用孔形成部材83が弾性変形しやすくなり、よりスムーズに、かつソフトなタッチでウェットティシュを引き出すことができる。

    なお、本実施の形態では、この突部86は、曲線状に形成されているが、突部86の形状は尖った形状にしてもよいし、これら以外の形状であってもよい。 また、本実施の形態では、開口孔75を楕円形に形成しているが、例えば円形のような、楕円形以外の形状であってもよい。

    取り出し用孔形成部材83は、本発明の取り出し用孔形成部を構成するもので、基板71よりも柔らかい弾性材料で形成されている。 この取り出し用孔形成部材83は、従来から公知の弾性材料を任意に適用することができるが、弾性変形のしやすさの観点から、天然ゴム、合成ゴム等のゴム材料、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、又はビニール樹脂等の弾性材料により形成されていることが好ましい。 また、合成ゴムを使用する場合には、シリコンゴムやウレタンゴム等を使用することが好ましい。

    図22及び図23に示すように、取り出し用孔形成部材83は、外形が楕円形に形成されており、外周面の上部には、複数のリブ84が外周側に突出するように形成されている。 リブ84は、基板71の取付部79に形成された係止孔77と対応する位置に形成されており、本実施の形態では5個のリブ84が形成されている。 図23(b)に示すように、取り出し用孔形成部材83は、周縁部88の肉厚が、該周縁部88よりも中央側に形成された中央部89の肉厚よりも厚くなるように形成されている。 また、この周縁部88には複数の貫通孔90が形成されている。 貫通孔90は、基板71に形成された複数のボス81と対応する位置に形成されており、本実施の形態では6個の貫通孔90が形成されている。 また、貫通孔90は、ボス81の内径と同じ又は該内径よりも小径となるように形成されており、取り出し用孔形成部材83が外れにくくなるように形成されている。 なお、図23(b)に示すように、後述するスリット91が形成されている部分は、外周端に至るまで薄肉となるように形成されている。

    取り出し用孔形成部材83には、中央部89に取り出し用孔87が貫通形成されており、この取り出し用孔87と取り出し用孔形成部材83の外周端との間にスリット91が形成されている。 このスリット91は、取り出し用孔形成部材83が基板71の取付部79に取り付けられた時に、摘み用孔74の延長部82に形成されているスリット状の隙間と連続するような位置に形成されている。

    図24に示すのは基板71の断面図であり、(a)は、図21におけるC−C´線断面、(b)は、図21におけるD−D´線断面を表したものである。 図24(a)に示すように、取り出し用孔形成部材83が基板71の取付部79に取り付けられている時は、取り出し用孔形成部材83の貫通孔90内にボス81が挿入され、かつ図24(b)に示すように、取り出し用孔形成部材83のリブ84が係止して固定されている。 また、図24に示すように、基板71に形成された突出部85は、基板71の下面側に取り付けられた取り出し用孔形成部材83の上面よりも上方に位置するように構成されている。

    このように、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体では、複数の貫通孔のそれぞれに、対応する各ボスを挿入し、さらに複数の係止孔のそれぞれに、対応する各リブを係止させることによって、取り出し用孔形成部材の基板に対する位置決めが確実に行われる。 特に、本実施の形態においては、基板に形成された摘み用孔の延長部と取り出し用孔形成部材に形成されたスリットは、これら延長部に形成されたウェットティッシュを移動させる空間とスリットに形成されたウェットティッシュを移動させる空間とが連続的になるように配置する必要があるが、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体によれば、各貫通孔に対するボスの挿入と、各係止孔に対するリブの係止によって、その位置決め精度も飛躍的に向上する。

    したがって、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体によれば、摘み用孔と取り出し用孔を形成することで、使用者は、ウェットティッシュに皺が寄らない状態を維持しながらウェットティッシュを容易に取り出すことができ、ウェットティッシュを引き出す際の煩雑さや使用時の煩雑さを大幅に解消することが可能になる。 また、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体によれば、取り出し用孔が弾性材料からなる取り出し用孔形成部に形成されており、取り出し用孔の孔径が該取り出し用孔を通過するウェットティッシュを引き出す際に、該ウェットティッシュの厚みの変化によって生じる抵抗感の変化を使用者に感じさせないようにすることができるとともに、ウェットティッシュの引き出しをスムーズに行うことが可能になる。

    また、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体は、基板に取り出し用孔形成部材を取り付ける際に、基板のボスを取り出し用孔形成部材の貫通孔に挿入し、さらに取り出し用孔形成部材のリブを基板の係止孔に係止している。 さらに、取り出し用孔形成部材は弾性変形しやすい材料で形成されており、貫通孔の内径はボスの外径よりも小さくなるように形成されている。 したがって、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体によれば、ボスを貫通孔内に圧入することのみによって、取り出し用孔形成部材を基板に対して確実に取付固定することができ、さらに取り出し用孔形成部材のリブを基板の係止孔に係止することによって、下向きの力が加わった際における取り出し用孔形成部材の脱落を確実に防止することが可能になり、使用者が脱落した取り出し用孔形成部材を再度取り付けなければならない、というような煩雑さを解消することが可能になる。

    また、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体によれば、取り出し用孔形成部材を上記した簡単な方法で基板に取り付けることができ、また貫通孔にボスを挿入することで、取付用孔形成部材の位置決めを行うこともできるので、製造時の取付作業の効率化を向上させることができ、ウェットティッシュ包装体の製造効率をより向上させることが可能になる。

    次に、本発明の実施の形態に係るウェットティッシュ包装体の第5の実施の形態について、図25〜図28に基づいて説明する。 図25は、本発明の第5の実施の形態に係るウェットティッシュ包装体に適用される基板の外観構成を表す外観斜視図、図26は、基板の裏面側の構成を表した分解斜視図、図27は、取り出し用孔形成部材の構成を表した外観斜視図であり、(a)は上方向からの外観斜視図、(b)は下方向からの外観斜視図であり、図28は、基板の断面図であり、(a)は図25のE−E´線断面図、(b)は図25のF−F´線断面図である。 なお、本実施の形態についても、袋体及びウェットティッシュ折り畳み体の構成は先に説明した第1の実施の形態のものと同じであり、上蓋の構成は第2の実施の形態のものと同じであるから、これらの説明及び図示は省略する。 また、本実施の形態では、Z折りやWZ折り、W折りされたウェットティッシュの端部同士を重ね合わせて積層することにより分断部を形成したウェットティッシュ折り畳み体を用いてもよいし、ミシン目等のように、部分的に連続する部分を形成したウェットティッシュ折り畳み体を用いてもよい。

    図25及び図26に示すように、基板101は、楕円形に形成されており、ホットメルト等の任意な方法で袋体に取り付けるための溶着面102が周縁に形成されている。 溶着面102よりも内側には、該溶着面102よりも落ち込んだ凹部103が形成されている。 凹部103には、摘み用孔104と、取り出し用孔形成部を構成する開口孔105及び後述する取り出し用孔形成部材106が取り付けられる取付部107が形成され、これら取付部107並びに開口孔105及び取付部107の周囲を囲むように上壁部108が形成されている。

    取付部107は、後述する取り出し用孔形成部材106を取り付けるためのもので、開口孔105の周囲に立設された側壁部108と、側壁部108の上端から内側に所定寸法だけ伸びた平壁部109と、これら側壁部108及び水平壁部109に形成された係止孔110と、水平壁部109の下面から下向きに延出形成された複数のボス111とを備えている。

    側壁部108は、取付部107の延出部が形成されている部分を除き、開口孔105の周囲を囲むように形成されている。 側壁部108は、内径が開口孔105の内径と同径に形成されており、取り出し用孔形成部材106の外径と同径か、該取り出し用孔形成部材106の外径よりも小さくなるように形成されている。 水平壁部109は、取付部107に取り付けられた取り出し用孔形成部材106が上方に抜けないようにするためのもので、側壁部108の上端部から開口孔105の内径側に向かって所定寸法だけ延出するように形成されている。 このとき、水平壁部109は、取り付けられた取り出し用孔形成部材106の上面の一部のみを覆うように形成されていることが好ましい。 このように形成することで、ウェットティッシュが引き出された際に、取り出し用孔形成部材106が弾性変形しやすい状態を維持することができるからである。

    係止孔110は側壁部108に複数設けられている。 本実施の形態における係止孔110は、側壁部108の壁厚と同じか、それ以上の切り欠きを基板101の下面側と水平壁部109の上端面との間に設け、側壁部108を切り欠くことによって形成されている。 この係止孔110は、取り出し用孔形成部材106のリブ112が係止可能な大きさに形成されている。 なお、本実施の形態で示した係止孔110の構成は一例であり、取り出し用孔形成部材106のリブ112が係止できる構成であれば他の構成であってもよい。

    ボス111は、取り出し用孔形成部材106に形成された貫通孔113内に挿入し、該取り出し用孔形成部材106を取付部107に取付固定するためのものである。 本実施の形態では、水平壁部109の下面から所定間隔開けて6本のボス111が形成されている。 このボス111は、外径が取り出し用孔形成部材106の貫通孔113よりも大きくなるように形成されている。

    開口孔105は、略楕円形状に開口形成されており、摘み用孔104を構成する延長部114と繋がる箇所には、開口孔105の内方に向けて突出する突出部115が形成されている。 突出部115は、二つの突部116によって形成されており、これら突部116は、本実施の形態では先端が尖った形状となるように形成されている。 なお、本実施の形態では、突部116の先端は尖った形状として形成されているが、これら突部116は、取り出し用孔形成部材106に形成された取り出し用孔119から引き出されるウェットティッシュが摘み用孔104の方へ移動することを防止できれば、他の形状であってもよい。

    取り出し用孔形成部材106は、本発明の取り出し用孔形成部を構成するもので、基板101よりも柔らかい弾性材料で形成されている。 この取り出し用孔形成部材106は、先に説明した第4の実施の形態と同様のものを任意に適用し、従来から公知の方法で形成されている。

    図26及び図27に示すように、取り出し用孔形成部材106は、外形が楕円形に形成されており、外周面の上部には、複数のリブ112が形成されている。 リブ112は、本実施の形態では5カ所に形成されており、いずれのリブ112も、取り出し用孔形成部材106の上面よりも若干高くなるように形成されている。 また、これらリブ112は、取り出し用孔形成部材106の外周面よりも内径側へ若干入り込むように形成されている。

    図27(b)に示すように、取り出し用孔形成部材106は、周縁部117の肉厚が、該周縁部117よりも中央側に形成された中央部118の肉厚よりも厚くなるように形成されている。 また、この周縁部117には、6個の貫通孔113が形成されている。 貫通孔113は、上記した複数のボス111と対応する位置に形成されており、内径がボス111の外径よりも小さくなるように形成されている。 なお、図27(b)に示すように、後述するスリット120が形成されている部分は、外周端に至るまで薄肉となるように形成されている。

    取り出し用孔形成部材106には、中央部118に取り出し用孔119が貫通形成されており、この取り出し用孔119と取り出し用孔形成部材106の外周端との間にスリット120が形成されている。 このスリット120は、取り出し用孔形成部材106が基板101の取付部107に取り付けられた時に、摘み用孔104の延長部114に形成されているスリット状の隙間と連続する位置に形成されている。

    このように形成された取付部107に取り出し用孔形成部材106が取り付けられた時の構成を図28に基づいて説明する。 図28は、基板101及び取り出し用孔形成部材106の断面図であり、(a)は、図25におけるE−E´線断面、(b)は、図25におけるF−F´線断面を表したものである。 図28(a)に示すように、取り出し用孔形成部材106が基板101の取付部107に取り付けられている時は、取り出し用孔形成部材106の貫通孔113内にボス111が挿入され、かつ図28(b)に示すように、取り出し用孔形成部材106のリブ112が係止孔110に係止されて固定されている。 また、図28(a)に示すように、基板101に形成された突出部115は、取付部107に取り付けられた取り出し用孔形成部材106の下面よりも下方に位置するように構成されている。

    このように、本実施の形態のウェットティッシュ包装体では、基板の凹部に取り出し用孔形成部材を取り付ける取付部を有し、取付部を基板の上面から上方に立設された側壁部と、側壁部の上端部から開口孔の内径方向に向けて延出する水平壁部と、水平壁部の下面から下方向に向けて延出する複数のボスとから構成したので、取り出し用孔形成部材の基板に対する位置決めが確実に行われる。 本実施の形態のウェットティッシュ包装体によれば、各貫通孔に対するボスの挿入と、各係止孔に対するリブの係止とによって、取付部に取り付けられる際の取り出し用孔形成部材の位置決め精度を飛躍的に向上することができ、取付部の延長部と、取り出し用孔形成部材に形成されているスリットとが連続するように精度よく配置することが可能になる。 また、取り出し用孔形成部材をこのように配置し、さらにスリットが形成されている薄肉の部分の位置が基板の突出部よりも上方に位置するので、ウェットティッシュが取り出し孔から引き出される際に、取り出し用孔形成部材をより弾性変形しやすくすることができ、ウェットティッシュを引き出す際に、該ウェットティッシュの厚みの変化によって生じる抵抗感の変化を使用者により感じさせないようにすることができるとともに、ウェットティッシュの引き出しをよりスムーズに行うことが可能になる。

    また、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体は、基板に取り出し用孔形成部材を取り付ける際に、取付部に形成したボスを取り出し用孔形成部材の貫通孔に挿入し、さらに取り出し用孔形成部材のリブを係止孔に係止しているので、さらにより下向きの力が加わった時における取り出し用孔形成部材の脱落をより確実に防止することが可能になる。 また、これにより、脱落した取り出し用孔形成部材を使用者が再度取り付けるというようなことが解消されるので、ウェットティッシュ包装体を使用する際の煩雑さを解消することが可能になる。

    また、本実施の形態に係るウェットティッシュ包装体によれば、取り出し用孔形成部材を上記した簡単な方法で基板に取り付けることができ、また貫通孔にボスを挿入することで、取付用孔形成部材の位置決めを行うこともできるので、製造時の取付作業の効率化を向上させることができ、ウェットティッシュ包装体の製造効率をより向上させることが可能になる。

    なお、本実施の形態では、リブを係止孔に係止させる構成のみを有する例について説明したが、取付部に取り付けられた取り出し用孔形成部材の脱落を防止することが出来れば他の構成であってもよい。 例えば、基板の下面側から取付部の内周側に爪状の突起を形成することで、取り出し用孔形成部材の脱落をより確実にすることができる。 また、取り出し用孔形成部材にも、この爪状の突起が形成されている位置と対応する位置に、突起が嵌め込まれるような切欠部を形成することで、さらにより取り出し用孔形成部材の固定を確実にすることができ、取り出し用孔形成部材の脱落をより確実に防止することが可能になる。

    次に、本発明の実施の形態に係るウェットティッシュ包装体の第6の実施の形態について、図29〜図32に基づいて説明する。 図29は、本発明の第6の実施の形態に係るウェットティッシュ包装体に適用される基板の外観構成を表す外観斜視図、図30は、基板の裏面側の構成を表した分解斜視図、図31は、取り出し用孔形成部材の構成を表した外観斜視図であり、(a)は上方向からの外観斜視図、(b)は下方向からの外観斜視図であり、図32は、基板の断面図であり、(a)は図29のG−G´線断面図、(b)は図29のH−H´線断面図である。 なお、本実施の形態についても、袋体及びウェットティッシュ折り畳み体の構成は先に説明した第1の実施の形態のものと同じであり、上蓋の構成は第2の実施の形態のものと同じであるから、これらの説明及び図示は省略する。 また、本実施の形態では、Z折りやWZ折り、W折りされたウェットティッシュの端部同士を重ね合わせて積層することにより分断部を形成したウェットティッシュ折り畳み体を用いてもよいし、ミシン目等のように、部分的に連続する部分を形成したウェットティッシュ折り畳み体を用いてもよい。

    図29及び図30に示すように、基板121は楕円形に形成されており、ホットメルト等の任意な方法で袋体に取り付けるための溶着面122が周縁に形成されている。 溶着面122よりも内側には、該溶着面122よりも落ち込んだ凹部123が形成されている。 本実施の形態の凹部123は、摘み用孔124が形成されている箇所と、後述する取り出し用孔形成部材133が取付可能な取付部125が設けられている箇所とで段差が形成されており、取り出し用孔形成部材133が取り付けられる箇所が、取付部125が形成されている箇所よりも高くなるように形成されている。 また、凹部123には、これら取付部125及び取付部125が形成されている箇所の周囲を囲むように、上壁部126が形成されている。

    図30に示すように、基板121の下面側には、該基板121の上面側に凹部123を形成することに伴って、該凹部123が形成されている部分が凸状に突出するように形成されている。 この凸状に突出形成された部分には、摘み用孔124が形成されており、この突出形成された部分から一段下がったところ(表面から見ると、一段上がったところ)には、取り出し用孔形成部材133が取り付けられる取付部125が形成されている。 取付部125は、基板121の下面から見た場合には、摘み用孔124が形成されている箇所よりも一段凹むように形成されており、基板121の上面側とまで貫通する半月状の開口孔127が開口形成されている。 この開口孔127は、基板121の裏面側から見た場合に凹んで形成されている領域よりも狭い領域となるように形成されており、この部分にて基板121の下面が形成されている箇所には、一定間隔をあけて11個のボス128が基板121の下方向へ向けて突出形成されている。 また、取付部125には、後述する取り付け部材に形成されたリブを嵌め込むための係止孔129が一定間隔で設けられている。

    基板121の下面側において摘み用孔124の延長部130が形成されている箇所には、下面側において一段凹んだ箇所に向けて突出する突出部131が形成されている。 この突出部131は、基板121に取り付けられた取り出し用孔形成部材133の取り出し用孔137からウェットティッシュを引き抜く際に、引き抜かれているウェットティッシュが取り出し用孔137から取付部125へと移動するのを防止するためのものである。 この突出部131は、延長部130を挟んで形成された二つの突部132から構成されている。 突出部131は、これら二つの突部132を合わせて半円状になるように形成されているが、突出部131はウェットティッシュが取り出し用孔137から取付部125へ移動するのを防止することが出来ればよく、その形状が限定されるものではない。

    取り出し用孔形成部材133は、本発明の取り出し用孔137形成部を構成するもので、基板121よりも柔らかい弾性材料で形成されている。 この取り出し用孔形成部材133は、従来から公知の方法を任意に使用して形成することができ、また取り出し用孔形成部材133に用いられる材料も、上記した第4の実施の形態において説明したものと同様のものを任意に選択して使用してよい。

    図30及び図31に示すように、取り出し用穴形成部材113は、外形が略半月状に形成されており、裏面側の周縁部134の肉厚が、該周縁部134よりも中央側に形成された中央部135の肉厚よりも厚くなるように形成されている。 この周縁部134には11個の貫通孔136が形成されており、これら貫通孔136は、取り出し用孔形成部材133が取り付けられる際、取付部125に形成されたボス128が挿通可能な位置に形成されている。 また、取り出し用孔形成部材133には、中央部135に取り出し用孔137が貫通形成されており、この取り出し用孔137と取り出し用孔形成部材133の外周端との間にはスリット138が形成されている。 このスリット138は、取り出し用孔形成部材133が基板121の取付部125に取り付けられた時に、取付部125の延長部130に形成されている先細り状の隙間と連続する位置に形成されている。

    図30及び図31に示すように、取り出し用孔137は、二つの円を部分的に重ね合わせた形に形成されており、これら二つの円を重ね合わせることによって突出形成される部分には、突出部131が形成されている。 この突出部131は、取り出し用孔137内を通過するウェットティッシュに対して付与する摩擦抵抗力をより大きくするためのもので、上記したスリット138と対向する位置に形成されている。 なお、本実施の形態では、取り出し用孔137の形状が、二つの円を部分的に重ね合わせた形状としているが、一つの円で形成した孔であってもよいし、これ以外の形状でもよい。 また、本実施の形態における取り出し用孔形成部材133は、中央部135と周縁部134とが同じ肉厚となるように形成してもよい。 この時の取り出し用穴形成部材の肉厚は、任意に決定してもよい。

    固定部材139は、取付部125に取り付けられた取り出し用孔形成部材133の脱落を防止するために設けられており、本実施の形態では、プラスチック材料等の硬質なもので形成されている。 図29に示すように、固定部材139は、外周形状が取り出し用孔形成部材133と略同一の形状となるように形成されており、その外周面から所定間隔をあけて複数の突起部140が突出成型されている。 突起部140は、係止孔129と係止可能で、かつ係止された状態を維持することが可能な形状に形成されている。 また、固定部材139は、取付用孔形成部材133の厚肉部134の幅と略同じ幅で形成されており、取り出し用孔形成部材133の貫通孔136と同じ間隔で固定孔141が開口形成されている。 この固定孔141は、内径がボス128の外径と略同寸法となるように形成されている。

    このように形成された基板121の取付部125に取り出し用孔形成部材133及び固定部材139が取り付けられた時の構成を図32に基づいて説明する。 図32は、取り出し用孔形成部材133及び固定部材139を取り付けた基板121の断面図であり、(a)は、図29におけるG−G´線断面、(b)は、図29におけるH−H´線断面を表したものである。 図32(a)に示すように、取り出し用孔形成部材133は、基板121の下方から取り付けられる。 取り出し用孔形成部材133は、貫通孔136内にボス128が挿通された時、貫通孔136の内径はボス128の外径と同じか、又はボス128の外径よりも小さくなるように形成されているので、ボス128が貫通孔136内に挿入されることで、取り出し用孔形成部材133は取付部125に取り付けられた状態が維持される。

    また、固定部材139は、取付部125において取り出し用孔形成部材133の下に取付固定される。 固定部材139は、ボス128が固定孔141内を挿通するように配置されるとともに、突起部140が係止孔129に係止される。 このとき、固定部材139は、外形の大きさが取付部125の内周方向の大きさと略同じか、又は取付部125の大きさよりも若干小さく形成されているものの、突起部140が形成されている箇所においては、取付部125よりも大きくなるように形成されている。 そのため、固定部材139は、取付部125に取り付けられるときは、弾性変形させながら取付部125内へ押し込み、さらに取付部125の内周よりも若干外側に広がるように形成された係止孔129と係止する。 したがって、固定部材139が取付部125に取り付けられると、突起部140が係止孔129内に係止することによって、固定部材139が固定部125に固定された状態が維持され、取り出し用孔形成部材133が脱落しないように構成することができる。
    また、図32(a)に示すように、基板121に形成された突出部131は、取付部125に取り付けられた取り出し用孔形成部材133の下面よりも下方に位置するように構成されている。

    このように、本実施の形態のウェットティッシュ包装体では、基板の下面側に取付部を形成するとともに、この取付部に形成されたボスを形成し、さらに、取り出し用孔形成部材の貫通孔に挿通させ、固定部材を弾性変形させながら固定部に押し込んで、突起部を係止孔内に係止して、固定部材を固定部に取り付けるように構成したので、上記した第5の実施の形態における効果に加え、基板と固定部材を共通化することができ、取り出し用孔形成部材の膜厚を変更することのみによって、ウェットティッシュの取り出し性能を容易に変更することができる。 したがって、本実施の形態のウェットティッシュ包装体によれば、ウェットティッシュの取り出し性能を容易に変更することができ、かつこの変更による製造時のコストを飛躍的に低減することが可能になる。

    また、本実施の形態のウェットティッシュ包装体では、リブを取り出し用孔形成部材の貫通孔内に挿通させるので、ウェットティッシュを引き出す際等に付与される引っ張り力によって、取り出し用孔形成部材がウェットティッシュとともに抜け出ることをも防止することが可能になる。

    なお、本明細書においては、第2の実施の形態に係る取り出し用孔形成部材は円形状に形成し、第2の実施の形態の第1の変形例に係る取り出し用孔形成部材は四角形状に形成し、第2の変形例に係る取り出し用孔形成部材は円形状に形成しているが、取り出し用孔形成部材の形状は任意に決定してよく、例えば楕円形状やその他の多角形状にしてもよいし、またこれ以外の形状にしてもよい。 同様に、第3の実施の形態に係る取り出し用孔形成部材の形状も、円形状以外の形状にしてもよく、また第4〜第6の実施の形態に係る取り出し用孔形成部材の形状も、楕円形状以外の形状、例えば円形状やそれ以外の形状にしてもよい。 すなわち、取り出し用孔形成部材は、ウェットティッシュが引き出される際に弾性変形しやすいものであって、ウェットティッシュをスムーズに引き出すことができ、かつウェットティッシュを確実に分断部で分断できれば、上記した形状に限定されるものではない。

    また、本明細書の第2の実施の形態から第6の実施の形態においては、弾性材料で形成した取り出し用孔形成部材に取り出し用孔を開口形成しており、取り出し用孔全体が弾性部材に囲まれる形で形成されているが、孔の一部が弾性変形可能な弾性材料で形成され、それ以外の他の部分は弾性変形しない硬質の材料で形成してもよい。 なお、弾性材料と硬質の材料とによって取り出し用孔を形成する場合には、弾性材料で形成されている部分が硬質の材料で形成されている部分の半分以上であることが好ましい。

    なお、本明細書における第1〜第3の実施の形態は、本発明に係るウェットティッシュ包装体の一形態であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。

    1,21,51 ウェットティッシュ包装体2 ウェットティッシュ折り畳み体2a ウェットティッシュ3,23 袋体4 分断部5 第1の折り返し部6 第2の折り返し部9 開口部10,25,54,71,101,121 基板12,27,52,74,104,124 摘み用孔12a,27a,52a,82,114,130 延長部13,36,62,87,119,137 取り出し用孔15,55,85,115,131 突出部16,86,116,132 突起17,30 蓋体28 取付孔32,83,106,133 取り出し用孔形成部材84,112 リブ90,113,136 貫通孔139 固定部材

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