【技術分野】 【0001】 本発明は、吸脂性皮膚脂取り製品に関する。 本発明は特に、吸脂性皮膚用脂取り製品の、必要量だけ取出し可能なパッケージに関する。 【背景技術】 【0002】 かなり多量の脂が、顔、特に鼻、頬、および額の皮膚から浮出す。 清潔さを保ち、てかりを減らし、化粧品およびその他の皮膚用製品の伸びを改良するために、あらゆる過剰な表面脂または皮脂を除去することが重要である。 石鹸および水はある程度機能するが、洗顔することができない場合が常にある。 これらの顔面の脂を除去する乾燥方法は、薄い吸脂性脂取り材料の使用を包含する。 顔面の脂を除去するための吸脂性脂取りシートもまた、当業界において記載されてきた。 これらの脂取りシートは一般に、薄く、形状適合性があり、非研磨性でなければならず、工業用油吸収性材料とは関連しない考察が必要である。 【0003】 従来の紙型脂取りシートが、顔面の脂を除去するために用いられてきた。 例えば植物繊維、合成パルプ、またはケナフを用いた天然または合成紙が用いられてきた。 しかしながら、これらの吸脂紙は、これらの繊維の硬質で剛性な性質によって皮膚に刺激を与えることが多い。 これらの平滑性を改良するために、これらの紙は連続的にカレンダ加工され、および/または例えば炭酸カルシウムおよびにじみ止め剤などの粉末でコーティングされてきた。 しかしながらカレンダ加工は必ずしも永久的なものではなく、表面繊維は、かなり多量のバインダーまたはにじみ止め剤が用いられなければ、再び粗い表面になることがあり、このことは脂の吸収を減少させる。 紙の脂取りシートはまた、その効果に関してあまりよく表示しないが、その理由は、紙は一般に、脂または皮脂を吸収した時に外見を有意に変えるわけではないからである。 【0004】 吸脂紙の改良は、特開平4−45591号に記載されている。 これは、多孔質球形ビーズを吸脂紙の表面へ接着させて、カレンダ、または例えば炭酸カルシウム粉末などの粉末を用いた紙のコーティングによって引起こされる問題を解決することを教示している。 これらのビーズはまた、主張によれば、これらの紙が皮脂を吸収する能力を高めるためにも用いられるとされている。 特開平6−319664号は、次のようにして製造された高密度吸脂紙を開示している。 すなわち、(a)主要成分として植物繊維を含むパルプ材料と、(b)無機充填剤とを混合し、ついで製紙を行なって、0.7g/cm 2またはそれ以上の坪量の紙を形成する。 しかしながら、これらの特許公報に開示されている吸脂紙は、依然として脂または皮脂を吸収する能力が限定されており、脂が吸収された時この紙の不透明性または色の変化がほとんどないので、表示機能がほとんどない。 脂の除去を確認するのが難しいということは、脂除去用紙の使用者が、メーキャップ等がしっかりと付けられるように吸脂紙を用いる時に、使用者の顔面から皮脂が除去されたかどうか、またはどれだけ多く除去されたかを評価することができないということを意味する。 【0005】 皮脂用の吸脂紙も、特公昭56−8606号または米国特許第4,643,939号に開示されている。 これは、麻繊維と10〜70重量%のポリオレフィン樹脂繊維とを混合し、12〜50g/cm 2の坪量を有する紙を製造することによって製造された化粧用吸脂紙を記載している。 この紙は、主張によれば、脂を吸収した時に透明になるが、依然として従来の製紙技術が必要であり、感触がザラザラするであろう。 実開平5−18392号は、例えば粘土粒子、シリカの微粒子、および粉末繊維などの無機または有機粉末物質の滑らかな表面コーティングを有する吸脂紙を含む吸脂性合成紙を開示している。 これらの吸脂紙は、主張によれば、脂を吸収した時に紙を透明にすることによってなんからの脂表示効果を有し、したがって吸脂を確認するとされている。 しかしながら粉末コーティングは、これらの紙への吸脂力を低下させ、吸脂後、このタイプの脂除去用紙の外見において明らかな変化を達成することは依然として難しい。 【0006】 特開平9−335451号(WO99/29220号)は、多孔質熱可塑性フィルムからできている脂取りシートを開示している。 この吸脂性脂取りフィルムは、これらの吸脂紙よりも高い吸脂力を有し、また吸脂紙と比較した場合、脂取り後の脂除去の確認においても優れている。 この良好な脂除去表示機能の理由は、これらの多孔質熱可塑性フィルムが光の不規則な反映によって、吸脂の前は低い光透過率を示すが、光透過率はフィルムの微小孔が脂で満たされた後、実質的に増加し、フィルムの不透明度または光透過率、したがって外見において大きい変化を生じるということであると考えられる。 不透明度のこの変化は、使用者に対して、皮膚からの脂または皮脂の除去を明白に確認させる。 さらには紙製品とは異なって、これらのフィルムベースの脂取りシートは、柔らかく、形状適合性があり、滑らかで、皮膚に刺激を与えない。 脂の除去後、皮膚から除去された脂によって悪化することがある同じ脂取りシートで皮膚に化粧品を付けるか、または処理することが望まれることが多い。 【0007】 欧州特許第1,066,826号は、吸脂層および水性皮膚洗浄層を有する皮膚洗浄シートを提案している。 多孔質熱可塑性フィルムが、可能な吸脂層として開示されているが、好ましい吸脂物質は、例えばシリカなどの粉末を含む不織布親油性繊維布である。 この水性皮膚洗浄層はまた、好ましくはローションまたは洗浄液を含む不織布である。 保脂層と水性皮膚洗浄層とを分離しているのは、液体不浸透層であり、これは部分的には、保脂層から皮膚洗浄層への脂の移動を防ぐ。 この構成は複雑で高価である。 【0008】 例えばWO99/29220号に記載されているように、明らかな脂表示機能を有する吸脂性脂取りシートであって、パッケージから容易に必要量だけ取出し可能であり、この脂取りシートが、脂によって汚染されうる層を反対面に有することも可能であり、この層が皮膚からの脂の除去後に使用可能である吸脂性脂取りシートを形成することが、本発明の目的である。 【発明の開示】 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明は、使用者の皮膚または毛髪を拭取るのに適した多数の吸脂性脂取り材料のパッケージを目的とする。 多数の脂取りシートが、上に重なった配列に配置され、個々の脂取りシート(wipe)は、熱可塑性材料の少なくとも1つの吸脂性多孔質フィルムを含んでいる。 一般にこの脂取りシートは、約65以下の当初透明度を有し、この多孔質支持体は、脂が負荷された時に少なくとも10(本明細書において定義されている)だけ透明度を変える。 さらにはこの脂取り多孔質フィルムは、多孔質またはパターンコーティング材料の層、または脂によって汚染されうる層を1つの面に有する。 このマクロ多孔質またはパターンコーティング層は、脂の除去後、吸脂性多孔質フィルム中に吸収された脂による脂汚染を伴なわずに、皮膚または毛髪に用いることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本発明は一般に、熱可塑性フィルム多孔質材料の吸脂性脂取りシートの必要量だけ取出し可能なパッケージを目的とする。 個々の脂取りシートは、積重ねられた配列でパッケージに入っている。 積重ねられたとは、1枚の脂取りシートの1つの面が、パッケージ中の隣接脂取りシート上の1つの面の全部または実質的な部分と連続的に接触して、1つの面の全部または実質的な部分の上にあるということを意味する。 一般にこのパッケージは、少なくとも2枚以上の個々の脂取りシート、好ましくは10〜1,000枚を含む。 【0011】 図1を参照すると、本発明による脂取りシートの必要量だけ取出し可能なパッケージは、吸脂性脂取り材料の個々の脂取りシート44を含む、必要量だけ取出し可能なパッケージ40から構成されうる。 このパッケージ40は一般に、一般的に互いに対して平行な上部壁46と底部壁49、および2つの側壁47を含む。 前縁部48が備えられ、この場合、後縁部がフラップ45として形成され、これは、パッケージ40の上面46の上に折り下げることができる。 フラップ45は、当業界において知られているように備えられた接着剤等の使用によって、パッケージ40と係合しうる。 あるいはまた、スロット41の中に係合しうるタブ42を、マクロ機械型の閉鎖として用いることができる。 当業界において知られているほかの従来の方法は、脂取りシートの取出し口52を覆うように、フラップ45を定位置に保持するための、粘着性材料、フックおよびループ留め具、一体の蝶番、スナップ等の使用を包含する。 この必要量だけ取出し可能なパッケージ40は、取出し口52を含んでおり、これによって使用者は、個々の脂取りシートをつかみ、これを使用のためにパッケージ40から引出すことができる。 一般にこの取出し口52は、その最大寸法が、必要量だけ取出し可能な吸脂性脂取り材料または脂取りシートの最大の長さまたは幅の寸法よりも小さい。 【0012】 本発明の個々の吸脂性脂取りシートには、エンボスパターンが備えられていてもよい。 このエンボスされた区域は、熱可塑性脂取り材料の多孔質構造を少なくとも一部崩壊させる。 このエンボスは、エンボス区域におけるこの脂取りシートの透明度を高める。 全体的効果は目に見えるパターンであり、この場合、エンボス区域は、非エンボス区域によって形成された脂取り面の平面の下にあり、例えば5〜50ミクロンだけ、脂取りシートの外面の下にある。 このことは、パッケージにおいて、上に重なっているかまたは下にある脂取りシートに対する、脂取りシートの表面全体の接触を減少させる。 隣接脂取りシート間のこの表面接触の減少は、脂取りシート間の接着レベルを減少させることによって、パッケージにおける脂取りシートの必要量だけ取出しうる可能性を高める。 このことは、この脂取りシートが親水性であるか、または親水性にされる場合に特に効果的である。 このパターン化エンボスはまた、脂取りシートの剛性を減少させ、この脂取りシートのテキスチャーおよび感触を改良する。 このエンボスパターンの透明度の増加はまた、吸脂後に脂取りシートがどのような外見であるべきかについて視覚的基準を与える。 図5および6に示されているように、この場合脂取りシート30は、非エンボス区域33と比較して相対的に透明なエンボス要素31を有する。 脂を吸収するために用いられる部分32は、使用後、エンボス区域31に類似する(すなわちこれらは、同じレベルまたは同様なレベルの透明度を有する)。 【0013】 エンボスパターンは、連続および/または連結エンボス要素、例えばグリッド、連結線、またはランダム連結パターン等であってもよい。 これらのパターンは、脂取りシートの縁部まで伸びていてもよいであろう。 このことは、必要量だけの取出し可能性を実質的に改良する。 あるいはまたエンボスパターンは、離散要素、例えばドット、不連結パターン等であってもよいであろう。 このエンボスパターンは、少なくともパッケージにおける隣接脂取りシートと連続接触している脂取りシートの外面の部分において、脂取りシートの表面積の1〜50%、好ましくは脂取りシートの表面積の2〜25%に対して、従来の技術によって形成することができる。 このエンボスパターンの個々のエンボス要素は一般に、その最も狭い寸法において幅0.1〜10mm、好ましくは0.2〜5mmである。 幅が広すぎるエンボス要素は、脂取りシートの吸脂力を減少させるであろう。 小さすぎるエンボス要素は見えにくく、必要量だけの取出し可能性を有意に増加させないであろう。 一般にエンボスは、約50pli〜約500pliの範囲の圧力で生じる。 このことは、エンボス区域に、脂取りシートの非エンボス区域よりも少なくとも30パーセントポイント、好ましくは脂取りシートの非エンボス区域よりも少なくとも35パーセントポイント多い透明度を備えさせる。 異なる接着面積の場合、好ましい圧力は、個々の接着点上に一定のpsiを維持するために、%面積の比を掛けることによって得ることができる。 エンボス装置の温度は一般に、約40℃〜170℃の範囲内にある。 【0014】 吸脂性脂取りシートは、多孔質熱可塑性フィルム材料である。 好ましい実施態様において、これは、熱可塑性材料からできている多孔質ストレッチまたは延伸フィルムである。 ついでこの多孔質熱可塑性材料は、1つの面の少なくとも一部分に脂汚染可能層として、マクロ細孔または不連続剤または材料でコーティングされる。 【0015】 第一実施態様の多孔質フィルム材料の単位面積あたりの間隙容量の多孔度は、好ましくは等式: 単位面積あたりの間隙容量=[フィルム厚さ(cm)×1(cm)×1(cm)×空隙率(%)]/100(式中、空隙率は、多孔質フィルム中の空隙のパーセンテージである) によって計算された場合、0.0001〜0.005cm 3の範囲内にある。 【0016】 「空隙率」はより具体的には、この多孔質フィルムの空隙のすべてが、対応空隙のないフィルムに対して、このフィルムと同じ組成の材料で満たされた時の、充填材料の量のパーセンテージとして規定される。 この多孔質フィルムの空隙率は好ましくは5〜50%の範囲内にあり、厚さは好ましくは5〜200μmの範囲内にある。 【0017】 多孔質延伸フィルムは、出発物質として熱可塑性材料を用いて、様々な異なる方法によって製造することができる。 1つの好ましい方法において、このフィルムは、半透明結晶性熱可塑性樹脂に充填剤を添加し、例えば吹込み押出しまたは注型などの従来の方法を用いてフィルムを形成し、ついでこのフィルムを延伸してその中に細かい空隙を作ることによって製造される。 あるいはまたいくつかの樹脂、特にポリテトラフルオロエチレンを用いた場合、充填剤を用いない急速延伸によって、多孔質網状構造を作り出すことができる。 これらの多孔質延伸熱可塑性フィルムは、従来の紙の脂除去用脂取りシートと比較して、この脂取りシートの容積を構成する大きい割合の空隙を有し、単位面積あたりの皮膚の脂の優れた吸収を有する。 同様に熱可塑性フィルムは、多くの細かい空隙の均一な分布を備えた構造を有するので、これは、皮膚表面から皮膚の脂を拭取る前に、細孔構造による光散乱によって不透明に見える。 しかしながら吸脂後、脂が空隙または細孔を満たし、したがって光散乱の程度を妨げるかまたは減少させる。 このことは、フィルムを形成する熱可塑性樹脂のもとの不透明または半透明な性質とともに、吸脂効果を、透明度または不透明度の変化によって明白に評価することを可能にする。 【0018】 多孔質延伸熱可塑性フィルムの製造のためにフィルム形成材料として用いることができる、一般に半透明な結晶性熱可塑性樹脂の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリテトラフルオロエチレン、およびエチレン−プロピレンブロックコポリマーが含まれるが、これらに限定されるわけではない。 【0019】 細かい空隙を生じるために、上記熱可塑性樹脂とともに用いることができる好ましい非微粒子充填剤の例には、鉱油、石油ゼリー、低分子量ポリエチレン、ソフトカーボワックス、およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるわけではない。 これらの非微粒子充填剤は、脂を吸収した時に透明性を示すので好ましい。 鉱油は、比較的低コストなので、これらの充填剤の中でも好ましい。 しかしながら、さらには従来の微粒子ベースの充填剤も、多孔質フィルムを形成するために用いることができる。 例えばタルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム等である。 【0020】 上記充填剤は、フィルムの製造に用いられる出発熱可塑性樹脂中で、広い範囲で様々に変えられてもよい。 用いられる充填剤の量は好ましくは、出発熱可塑性原料の20〜60重量%、より好ましくは25〜40重量%である。 出発原料に添加される充填剤の量が20重量%未満であるならば、延伸後に結果として生じるフィルムの空隙率は減少され、したがって吸脂量を低下させるが、一方、これが60重量%を超えるならば、柔軟性凝集性フィルムを製造することはさらに難しくなる。 【0021】 多孔質延伸熱可塑性フィルムの製造において、熱可塑性樹脂および充填剤に加えて、必要に応じてほかの添加剤も添加することができる。 例えば、カルボン酸、スルホン酸、およびホスホン酸などの有機酸、および有機アルコールである。 その他の適切な添加剤として、例えば無機および有機顔料、芳香剤、界面活性剤、帯電防止剤、核形成剤等も挙げることができる。 好ましい実施態様において、脂取りシートは適切な溶融添加剤またはコーティングまたは表面処理によって親水性にすることができる。 【0022】 主要出発原料と任意添加剤とが溶融され、および/または組合わされて、フィルムを形成し、充填剤含有熱可塑性フィルムを生じる。 溶融および混合工程、およびその後のフィルム形成工程は、既知の方法にしたがって実施されてもよい。 適切な溶融混合方法の一例は、ニーダーを用いる混練であり、適切なフィルム形成方法の例は、吹込みフィルム方法および注型方法である。 例えば吹込みフィルム方法は、主要出発材料等を溶融混合し、ついで円形ダイからこれを膨らませることによってチューブ形状フィルムを生じうる。 注型方法は、主要出発原料等を溶融混合し、ついでこれをダイから平滑なまたはパターン付きの冷却ロール(冷ロール)上に押出すことによってフィルムを生じうる。 この注型方法の変形形態において、非微粒子添加剤および/または充填剤は、冷却ロール上へのこの溶融混合物の押出し後、適切な溶剤を用いて洗浄または抽出することによって除去されてもよい。 【0023】 ついでこの形成された熱可塑性フィルムが延伸されて、これに細かい空隙を備えさせる。 フィルム形成のように、延伸はまた、一軸延伸または二軸延伸などの既知の方法にしたがって実施されてもよい。 例えば二軸延伸の場合、長さ方向の延伸は、駆動ロールの速度を変えることによって達成することができ、幅方向の延伸は、フィルムの両端をクリップまたはクランプで保持しつつ、幅方向の機械的引っ張りによって達成することができる。 【0024】 フィルム延伸の条件は特に制限されていないが、延伸は好ましくは、5〜50%の範囲の空隙率および5〜200μmの範囲の延伸フィルム厚さを生じるように実施される。 フィルムの延伸時の空隙率が5%未満であるならば、吸脂量は減少するであろうが、一方、これが50%を超えるならば、吸脂量は多すぎて、吸脂効果を明白に評価することが難しくなる。 同様に、フィルム厚さが5μm未満であるならば、吸脂力の量は低すぎ、フィルムは顔面に接着する傾向があり、取扱いがより難しくなるが、一方、これが200μmを超えるならば、吸脂力の量は大きすぎて、フィルムは使用者の皮膚に対して硬くてザラザラした感触になることがある。 【0025】 熱可塑性フィルムについての延伸比は通常、1.5〜3.0の範囲内にあるのが好ましい。 延伸比が1.5未満であるならば、吸脂に対して十分な空隙を得ることは難しくなるが、一方、これが3.0を超えるならば、空隙率は大きくなりすぎ、多すぎる吸脂を生じうるであろう。 【0026】 フィルムの延伸によって形成された空隙の平均サイズは通常、0.2〜5μmの範囲内にあるのが好ましい。 空隙サイズが0.2μm未満であるならば、透明度において明らかな変化を生じるのに十分な皮膚の脂を迅速に吸収することは不可能になるが、一方で、これが5μmを超えるならば、透明度において目に見える変化を可能にするのに必要な吸脂量は、大きくなりすぎることがある。 【0027】 上記のように、多孔質延伸熱可塑性フィルムの単位面積あたりの間隙容量は、上記等式によって計算された場合、好ましくは0.0001〜0.005cm 3の範囲内にあり、より好ましくは0.0002〜0.001cm 3の範囲内にある。 フィルムの間隙容量が0.001cm 3未満であるならば、使用者が脂除去用脂取りシートを保持するのは難しくなるが、一方で、これが0.005cm 3を超えるならば、吸脂量は大きすぎ、吸脂効果を明白に評価することは難しくなる。 【0028】 本発明の吸脂性脂取りシートは一般に、例えば人の皮膚上に存在するであろう中程度の量の脂(例えば0〜8mg/cm 2 )のみを吸収した後、不透明から半透明に変わる能力を特徴とする。 これらの吸脂性脂取りシートは、化粧用脂取りシートとして特に有用であるが、その理由は、普通の皮脂腺から排出されたレベルの皮膚の脂を吸収した後、これらは半透明に変わり、このようにして望ましくない脂が除去されたこと、およびメーキャップまたはその他の皮膚トリートメントを付けることができることを示すからである。 脂表示効果は、約65%以下、好ましくは60%以下の当初透明度を有し、比較的低いレベルの脂負荷(例えば6mg/cm 2 )で約10パーセントポイント以上、好ましくは20パーセントポイント以上だけ透明度を変化させる能力を有する吸脂性脂取りシートによって与えられる。 ウエブの透明性に対する皮膚吸脂の効果は、ASTMD1003の手順にしたがって、ガーディナー・ヘイズ・ガード・プラス・ヘイズメーター(Gardiner Haze Guard Plus Hazemeter)を用いて測定された。 ウエブの透明度は、吸脂の前後に測定され、パーセント(%)として報告される。 0の値の透明度は、光透過が無いことを示している。 脂を吸収した時、透明度の値は増加し、ウエブが皮膚の脂を吸収したという表示を使用者に与える。 変化が高ければ高いほど、吸収の表示は大きくなる。 皮膚の脂が吸収されたという有効な表示を使用者に与えるためには、約10〜20パーセントポイントよりも大きい変化が一般に必要である。 これらの吸脂性脂取りシートはさらに、脂の除去後、脂が使用者へ、または脂取りシートの反対面上に備えられた機能的コーティングまたは層へ戻されないような、加圧下の保脂能力も特徴とする。 一般にこの保脂能力は、100g/cm 2の圧力で、飽和において吸収された脂の50〜100%、好ましくは80〜100%を保持する能力を特徴とする。 脂の飽和は、実施例に記載されているように、「吸収された脂」として規定される。 【0029】 個々の脂取り材料は一般に、ティシュー型のペーパーについて通常知られているように、互いに分離され、積重ねられるかまたは折畳まれた配列等として提供される。 折畳みは、v折り、z折り等によるインターリービング配列によって提供することができる。 この型の折畳みの場合、隣接脂取りシートの反対側の重なり合った末端は、上部脂取りシートの取出しを補助し、下部脂取りシートを、その後の使用のために取出し口を通って摩擦によって引っ張り上げて取り出すことによって、下部脂取りシートを係合可能な形態で供給する。 【0030】 吸脂性脂取りシート54についての必要量だけ取出し可能なパッケージ配列の代替実施態様が、図3に示されている。 上部壁部分56には、取出し口スロット53が備えられ、これを通って吸脂性脂取り材料の脂取りシートをつかむことができる。 この実施態様において、脂取り材料の個々の脂取りシートは、上部脂取りシートが、下部脂取りシートを、取出し口53を通って引っ張り上げることができるように相互連結されていなければならない。 この相互連結は、上記のようにインターリービング的に折畳まれている別々の脂取りシートによって行なうことができる。 あるいはまたこれらの脂取りシートは、上記のような分離可能な脂取りシートであってもよいであろう。 例えば、分離可能な脂取りシートは、フランジブル連結によって相互連結されていてもよい。 図2の実施態様におけるフラップのように、可動フラップ55が側壁部分に備えられている。 【0031】 図4は、好ましくはプラスチックの剛性フレーム容器60を用いて形成された吸脂性脂取りシートの、必要量だけ取出し可能なパッケージの代替実施態様を示している。 個々の脂取り材料64が、容器60の中に入れられており、この容器は、一般に一体の蝶番によって可動である可動フラップ65を含む上部壁66を有する。 クラスプ63が、フラップ65の最も外側の端部に備えられており、このクラスプ63は、底部壁69と係合して、容器60の閉鎖を与える。 側壁67は、上部壁66および下部壁69と組合わされて、容器60中に脂取りシート64を入れている。 末端下部68は好ましくは閉鎖されている。 この実施態様において、別個の吸脂性材料の個々の脂取りシートは一般に、好ましくは同一の広がりをもつ脂取りシートの上に重なった積み重ねにおいて別々の脂取りシートとして積重ねられているであろう。 使用者は、個々の脂取りシートをつかみ、上部脂取りシートを直下の脂取りシートから分離するために、指の摩擦力を用いて容器から別々に各々の1枚を取り出すであろう。 ついで個々の脂取りシートは、使用者の顔を拭って皮膚の脂を除去するために用いられるであろう。 使用後、この脂取りシートは、容易な処分のために小容積形状に容易に圧縮される。 【0032】 個々の別個の脂取りシートは、あらゆる適切なサイズのものであってもよい。 しかしながら一般に大部分の用途のためには、これらの脂取りシートは、10〜100cm 2 、好ましくは20〜50cm 2の全体の表面積を有するであろう。 したがって、これらの脂取りシートは、パッケージへの挿入に適したサイズを有するであろう。 このパッケージは、使用者の財布またはポケットに容易に入れることができるであろう。 必要量だけ取出し可能な容器を形成する材料は一般に重要でなく、適切な紙、プラスチック、紙フィルムラミネート等から形成されていてもよい。 これらのティシューの形状は一般に長方形であるが、その他の適切な形状、例えば卵形、円形等が用いられてもよい。 【0033】 図2に示されているような本発明の吸脂性脂取りシート1は、吸脂性多孔質フィルム2を含み、これは直接(中間バリヤー層を伴なわず)1つの面に追加層3を貼り付けている。 この追加層3は、あらゆる適切な活性または非活性成分または作用物質を含んでいてもよく、あるいはこれらによるコーティングであってもよい。 あるいはまた追加層3は、マクロ多孔質支持体等を含んでいてもよく、これは活性または非活性成分または作用物質を含んでいてもよい。 このマクロ多孔質支持体は、吸脂性多孔質フィルムに直接積層されるかまたは接着される。 この追加層3は、脂によって汚染されうる(「汚染可能である」)ことを特徴とする。 これは、脂が、その層中に存在するならば、この層および/またはその成分または作用物質の有効性または有用性等を妨げうることを意味する。 脂汚染または汚染可能であることには、例えば次のような作用が含まれるであろう。 すなわち、粉末の汚れ、マクロ多孔質または不連続層を通る脂の皮膚への戻り、脂による活性剤の物理的コーティング、脂と作用物質(例えば石鹸)との化学反応等である。 活性または非活性成分または作用物質は、多孔質フィルムへ直接コーティングされてもよく、あるいは層として多孔質フィルムに接着しているマクロ多孔質支持体中に組込まれてもよく、あるいはその上にコーティングされてもよい。 特に有用なものは、脂除去および洗浄中およびその後に、皮膚または毛髪へ様々な利点をもたらすのに有用な様々な活性成分または作用物質である。 これらの活性剤または非活性剤は、連続または不連続コーティングとして吸脂性多孔質フィルム上にコーティングされてもよい。 これらの活性剤または非活性剤はまた、マクロ多孔質支持体(使用される場合)上にコーティングされてもよい。 乾燥または湿潤形態のこれらの作用物質のコーティングは、従来の技術によって実施されてもよい。 この技術には、適切なものとして、溶媒スロットコーティング、浸漬コーティング、噴霧コーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、溶融コーティング、トランスファーコーティング等が含まれる。 【0034】 本発明において有用な活性成分または活性剤は、これらの治療的利点、またはこれらの前提とされている作用の仕方によってカテゴリーに分けることができる。 しかしながら本発明において有用な活性成分は、あるいくつかの場合1つ以上の治療的利点を与えることができ、あるいは1つ以上の作用の仕方によって機能しうると理解すべきである。 次の活性成分が、本発明の脂汚染可能層として、あるいはこの層における使用のために用いることができる。 にきび防止活性物質:有用なにきび防止活性物質の例には、角質溶解物質、例えばサリチル酸(o−ヒドロキシ安息香酸)、サリチル酸の誘導体、レチノイド、例えばレチノイン酸およびその誘導体(例えばシスおよびトランス);硫黄含有DおよびLアミノ酸、およびこれらの誘導体および塩、リポ酸;抗生物質および抗菌薬;皮脂阻止物質(sebostat)、例えばフラボノイド;および胆汁酸塩、例えば硫酸シムノール(scymnol sulfate)およびその誘導体、デオキシコレート、およびコレートが含まれる。 シワ防止および皮膚萎縮防止活性物質:シワ防止および皮膚萎縮防止活性物質の例には、レチノイン酸およびその誘導体(例えばシスおよびトランス);レチノール;レチニルエステル;ナイアシンアミド、サリチル酸およびこれらの誘導体;硫黄含有DおよびLアミノ酸およびこれらの誘導体および塩、チオール、ヒドロキシ酸フィチン酸、リポ酸;リゾホスファチジン酸、および皮膚剥離剤(例えばフェノール等)が含まれる。 非ステロイド系抗炎症活性物質(NSAID):NSAIDの例には、次のものが含まれる。 すなわち、プロピオン酸誘導体;酢酸誘導体;フェナミン酸(fenamic acid)誘導体;ビフェニルカルボン酸誘導体;およびオキシカム(oxicam)である。 局所麻酔薬:局所麻酔薬の例には、ベンゾカイン、リドカイン、ブピバカイン、クロルプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メピバカイン、テトラカイン、ジクロナイン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン、プラモキシン、フェノール、およびこれらの製薬的に許容しうる塩が含まれる。 人工日焼け剤および促進剤:人工日焼け剤および促進剤の例には、ジヒドロキシアセタオン、チロシン、チロシンエステル、例えばエチルチロシネート、およびホスホDOPAが含まれる。 日焼け止め活性物質:本発明の組成物において有用な日焼け止め剤の例は、次のものからなる群から選択されるものである。 すなわち、2−エチルヘキシルp−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシルN,N−ジメチル−p−アミノベンゾエート、p−アミノ安息香酸、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、オクトクリレン、オキシベンゾン、ホモメンチルサリチレート、オクチルサリチレート、4,4'−メトキシ−t−ブチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、3−ベンジリデンカンファー、3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、酸化鉄、およびこれらの混合物である。 その他の既知の活性剤、例えば抗生物質または防腐剤も用いることができる。 【0035】 脂の汚染可能層作用物質はまた、皮膚効果または美しさを与えうる、あるいは皮膚を修正するか、またはこの層のその他の要素を修正しうる広い範囲のその他の成分を含んでいてもよい。 非限定的な例には、精油、皮膚感覚物質、皮膚鎮静剤、充填剤、研磨剤、吸収剤、ケーキング防止剤、酸化防止剤、ビタミン、バインダー、生物添加剤、緩衝剤、バルキング剤、界面活性剤、キレート化剤、顔料または着色料、化粧用アストリンゼント、化粧用殺生剤、粉末化粧品、変性剤、アストリンゼント、外用鎮痛剤、香料成分、湿潤剤、乳白剤、pH調節剤、保存料、推進薬、還元剤、および皮膚洗浄剤が含まれる。 【0036】 好ましくは皮膚洗浄剤は、1つ以上の界面活性剤を含む。 これらの界面活性剤は好ましくは泡立て界面活性剤である。 本明細書で用いられている「泡立て界面活性剤」とは、水と組合わされ、機械的に攪拌された時に、フォームまたは泡を発生させる界面活性剤を意味する。 非常に多様な泡立て界面活性剤が、本発明において有用であり、これには、アニオン性泡立て界面活性剤、非イオン性泡立て界面活性剤、カチオン性泡立て界面活性剤、両性泡立て界面活性剤、およびこれらの混合物からなる群から選択されるものが含まれる。 これらの界面活性剤は、脂の汚染可能層(この場合、これは一般に乾燥している)を含んでいてもよく、あるいは湿潤または乾燥形態において、マクロ多孔質支持体中に組込まれてもよい。 【0037】 多孔質吸脂性フィルムはまた、脂汚染を受ける不織布または同様なマクロ多孔質支持体に直接接合されてもよい。 これらのマクロ多孔質材料は、脂汚染可能である。 これは好ましくは、一般に10〜100g/m 2 、好ましくは10〜50g/m 2の低坪量不織ウエブである。 このウエブは、脂によって汚染されうる。 マクロ多孔質とは、約10〜300ミクロン、好ましくは10〜200ミクロン、最も好ましくは10〜100ミクロンの平均孔径を有する多孔質材料を意味する。 適切な不織ウエブは、凝集性繊維ウエブ、例えばスパンレースウエブ、カードウエブ、またはスパンボンドまたはメルブローンウエブなどのスパン繊維ウエブである。 特に好ましくは、熱可塑性マイクロファイバーから形成されたメルトブローンウエブである。 マクロ多孔質ウエブは、所望の最終用途に応じて、疎水性であってもよく、あるいは親水性であってもよい。 メルトブローンウエブの調製に有用な代表的装置は、次のものに記載されている。 すなわち、ウエンテ・ヴァン(Wente Van)A.、「極細熱可塑性繊維(Superfine Thermoplastic Fibers)」、Industrial Engineering Chemistry,第48巻、1342ページ以降(1956)、またはウエンテ.V.A.;ブーン(Boone),C. D. ;およびフルハーティー(Fluharty),E. L. による「極細有機繊維の製造(Manufacture of Superfine Organic Fibers)」というタイトルの、1954年5月25日に出版されたネイバル・リサーチ・ラボラトリーズ(Naval Research Laboratories)のレポート第4364号である。 この基本的設計への修正例は、米国特許第4,818,463号;第3,825,379号;第4,907,174号、および第4,986,743号において説明されている。 ポリマーが、メルト押出し機から、一組の横に並んだダイオリフィスおよび中央ダイキャビティーに導入される。 この繊維形成熱可塑性ポリマーは、ダイオリフィスから、加熱空気の繊細化(attenuating)気流中に押出される。 この繊細化気流は高速度に維持され、オリフィスまたはスロットからこのダイオリフィスセットのいずれかの側に出て行く。 この高速空気は一般に、2つの周辺キャビティーからスロットに供給される。 加熱空気は一般に、ほぼポリマー溶融の温度以上である(例えば溶融温度より20〜30℃高い)。 ダイオリフィスから出て行く繊維は、スロットからの高速加熱空気によって繊細化され、ダイからある距離にある、例えばベルトなどのコレクター上に収集される。 このコレクター距離は一般に、10〜25cmであり、様々なポリマーについての様々な好ましい距離は、ポリマーの結晶性挙動、どれほど迅速にこれが完全に非粘着性条件またはその他のプロセス条件になるまで急冷されるかに依る。 【0038】 これらのウエブは、繊維形成熱可塑性材料から形成されている。 この材料には、例えばポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリブチレン;ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、またはポリブチレンテレフタレート;ポリウレタンまたはポリアミド、例えばナイロン6またはナイロン66が含まれる。 これらのマイクロファイバーは好ましくは、50マイクロメートル未満の平均直径を有し、好ましくは10マイクロメートル以下の平均直径を有する。 より小さい平均繊維直径は、より小さい直径のオリフィスを用いて、および/またはポリマー流量を減少させることによって、またはコレクターの背後のガスの引出しを増加することによって得ることができる。 【0039】 不織布層は、パターンまたはランダム配置された接着剤、断続的な熱または超音波接着によって、または不織布上にフィルムを、またはフィルム上に不織布を直接形成することによって、多孔質フィルム脂取り材料へ断続的に接合することができる。 多孔質フィルムが不織布上に形成されるならば、その場合には不織布は一般に、フィルムの延伸によって多孔質構造の形成を可能にするように、延伸可能でなければならない。 フィルムが不織布またはその他のマクロ多孔質ウエブに熱接着されるならば、この接着区域は一般に、50パーセント未満、好ましくは25パーセント未満、および1パーセント超である。 上記のような活性剤または皮膚修正剤は、従来の手段、例えばコーティング、接着剤、またはバインダー、またはウエブ構造中への機械的エントラップメントによって、不織ウエブ中に組込むことができる。 活性剤または皮膚修正剤は、溶剤から塗布されるならば乾燥されてもよく、あるいは例えば非蒸発性溶剤によって湿潤しているか、あるいは適切な溶剤で再湿潤されてもよいであろう。 不織布が湿潤しているならば、このパッケージは、蒸発を防ぐために再シール可能でなければならず、あるいはこれらの脂取りシートは、個々の使い捨てパッケージ中に包装されている。 【実施例】 【0040】 テスト方法保脂顔面の脂取りシートは、良好な保脂能力を有することが重要である。 脂取りシートの使用者は一般的に、例えば成分を脂取りシートから皮膚に送り出すために、脂取りシートを皮膚に対して押付ける。 吸収された脂の全部または一部が脂取りシートから放出されるならば、この脂は皮膚に戻されるか、または使用者の指または手の上に広げられる。 脂はまた、皮膚または毛髪に送り出される成分または活性物質の転移、効力、および機能を妨げることがある。 人間の顔面の拭取りの間吸収される脂を保持する脂取りシートの能力が、次の手順を用いて測定された。 脂取りシートの2cm×2cm片を、厚さおよび重量について測定した。 サンプルを、鉱油浴中に1分間入れ、その後これを、ピンセットを用いて取出し、重力によって滴らせ、両面をペーパーティシューで静かに拭って、あらゆる表面脂を除去し、ついで重量を測定して、サンプルがどれだけ多くの脂を吸収したかを測定し、これを、吸収された脂(乾燥サンプルベース1gあたりの脂グラム)として表1に報告する。 ついでこのサンプルを、2cm×2cm鋼板の下に直接置いた。 2,000グラムの重しを、この鋼板の上に1分間置いて、脂取りシートの使用中に用いられるような指の圧力を模し、その後サンプルを取出し、重量を測定した。 保脂率%は、サンプル重量の差を前後に調べ、この差を1から差引き、ついでこの結果を当初湿潤サンプル重量で割り、ついで100を掛けて、この結果をパーセントとして表わす。 【0041】 皮膚の汚染積層またはコーティングされた脂取り材料の非吸脂側を使用している時に、脂が使用者の指を汚染したかどうかについて、視覚測定を行なった。 一滴の鉱油を脂取りシートの吸脂側(微孔質フィルム)または脂取りシートの非コーティング側に置き、1分間染み込ませ、その後過剰分をペーパーティシューで拭取った。 ついで非吸脂側を、約100グラム/cm 2の圧力を用いてヒトのテスト被験者の内腕の皮膚に対して押付け、成分を送り出すか、または汗を除去した。 「あり」は、拭取り後に脂が指に観察されたことを示す。 「なし」は、拭取り後に脂が観察されなかったことを示す。 【0042】 粉末転移粉末コーティングされた材料についての粉末の転移の質について、視覚的測定を行なった。 一滴の鉱油を脂取りシートの吸脂側(微孔質フィルム)に置き、1分間染み込ませ、その後過剰分を拭取った。 指の圧力を用いて、ついでサンプルの粉末コーティングされた側を、(脂飽和部位において、約100グラム/cm 2の圧力を用いて)黒い厚紙の支持体に対して拭取った。 本発明のサンプルは、むらになったり汚れたりせず、良好で均一な粉末送り出しを示したが、その理由は、吸収された脂が、使用中、フィルム中に十分に保持されたからである。 低い保脂を有する材料は、フィルムからの脂汚染によって、かなり大きいむらおよび汚れを伴なって低い粉末転移を示した。 【0043】 微孔質支持体3M多孔質フィルムPCT出願WO99/29220号の実施例1に記載されているものと同様な微孔質フィルムを調製した。 これは次の組成を有する:5D45ポリプロピレン(62.9%、ユニオン・カーバイド・カンパニー(Union Carbide Co.))、鉱油(35.0%、ホワイトオイル#31、アモコ・オイル・アンド・ケミカル・カンパニー(Amoco Oil & Chemical Co.))、#7グリーン銅フタロシアニン顔料(1.0%、CI#74260、サン・ケミカル・カンパニー(Sun Chemical Co.))。 この微孔質フィルムは、37ミクロンの厚さおよび30%の空隙率を有していた。 【0044】 アモコ多孔質フィルム50ミクロンアプトラ(Aptra)(登録商標)クラシック(Classic)、ジョージア州アトランタBPアモコ(BP Amoco Atlanta,Georgia)。 【0045】 テフロン多孔質フィルム44ミクロンPTFE ペンシルベニア州フィースタービル、テトラテック・コーポレーション(Tetratec.Corp,Feasterville,Pennsylvania) 【0046】 実施例1 上記の微孔質フィルムを、30グラム/m 2ポリプロピレンメルトブローンマイクロファイバー不織ウエブへ熱的に積層して、顔用脂取りシートを調製した。 本発明において有用なメルトブローン親水性ウエブは、米国特許第3,849,241号(ブティン(Butin)ら)および第5,064,578号(インスレイ(Insley)ら)に記載されているように、あるいは微粒子物質を含むマイクロファイバーウエブ、例えば米国特許第3,971,373号(ブラウン(Braun))、第4,100,324号(アンダーソン(Anderson))、および第4,429,001号(コルピン(Kolpin)ら)に開示されているものから調製することができる。 特に、ウエンテ、「極細熱可塑性繊維」、48 INDUS. ENG'G CHEM. 1342(1956)、またはウエンテら、「極細有機繊維の製造」(ネイバル・リサーチ・ラボラトリーズ・レポート第4364号、1954)に記載されている方法と同様な方法を、本発明の不織ウエブの調製に用いることができる。 しかしながら、溶融添加剤として本発明に用いられている界面活性剤の熱不安定性の潜在性のために、例えば米国特許第4,933,229号(インスレイら)および第5,064,578号(インスレイら)に一般的に記載されているように、ダイを出る直前に、ポリマーメルト中に界面活性剤を組込むことが好ましい。 不織ウエブは、エクソン・ケミカル・カンパニー(Exxon Chemical Company)から入手しうるエスコレン(Escorene)3746Gポリプロピレン、および70%ラウリシジン(Lauricidin)(グリセロールモノラウレート)と30%スパン(Span)20(ソルビトールモノラウレート)とからなる界面活性剤を用いて調製した。 5%の丸い点接着パターンを用いて、66℃の温度、3.5kg/cm 2のニップ圧で微孔質フィルムを不織ウエブに積層した。 その結果生じたラミネートは、乾燥脂および汗取り用顔面脂取りシートとして機能し、この場合使用者は、微孔質フィルム側を用いて皮膚の脂を除去し、この脂取りシートをひっくり返して不織布側を用いて汗を除去することができる。 【0047】 実施例2 上記のような微孔質フィルムを、70%レーヨン繊維と30%ポリプロピレン繊維とからできている34g/m 2スパンレース不織ウエブへ熱的に積層して、顔用脂取りシートを調製した。 このラミネートの不織布側を、水/エタノール(15%)混合物を用いて噴霧によって含浸した。 5%の丸い点接着パターンを用いて、66℃の温度、3.5kg/cm 2のニップ圧で微孔質フィルムを不織ウエブに積層した。 その結果生じたラミネートは、湿潤脂および汗取り用顔面脂取りシートとして機能し、この場合、使用者は、微孔質フィルム側を用いて皮膚の脂を除去し、この脂取りシートをひっくり返して、不織布側を用いて汗およびほこりを除去する。 この不織ウエブには、追加の機能のために、乾燥または湿潤香料、洗浄剤、感触剤(sensate)、活性剤等を装入することができるであろう。 【0048】 実施例3 次の乾燥成分をイソプロピルアルコール中9%固体で用いて、実施例1のように顔用脂取りシートを調製した: 34.06%セリサイト(Sericite)TKC(アルミニウムカリウムシリケート) 17.03%タルクJA−46R(水和マグネシウムシリケート) 8.55%ウレタンD−400粉末(ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトン) 0.20%レッドタロックス(Tarox)酸化第二鉄顔料0.40%イエロータロックス酸化第二鉄顔料0.02%ブラックタロックス酸化第二鉄顔料39.74%レオドールスーパー(Rheodole Super)SP−L10(ソルビトールモノラウレート) ついでコーティングされた微孔質フィルムを、テスト前24時間空気乾燥させた。 フィルム上の乾燥粉末重量は、2.50g/m 2であった。 その結果生じた脂取りシートを用いて皮脂を吸収し、マットな外見のために皮膚に粉末を送り出すことができる。 この粉末は、皮脂吸収剤または制御剤を包含する追加の化粧品および活性成分を送り出すように配合することができる。 【0049】 実施例4 実質的に乾燥した洗浄脂取りシートとしての本発明の脂取りシートの使用を立証するために、次の洗浄配合物を水中20%固体として用いて、顔用拭取り紙を実施例3のようにコーティングした: 20%コカミドプロピルベタイン(ベルベテックス(Velvetex)BA−35、ヘンケル(Henkel))。 ついでコーティングされた微孔質フィルムを、テスト前24時間空気乾燥させた。 フィルム上の乾燥石鹸重量は、1.50g/m 2であった。 その結果生じた実質的に乾燥した脂取りシートは、水で湿潤させて消費者によって容易に活性化される。 【0050】 比較例C1:日本国のコーセー株式会社から入手しうる、商品として入手可能な顔面脂除去ペーパーティシュー。 C2:日本国のボディーショップ株式会社から入手しうる、商品として入手可能な顔面脂除去ライスペーパーティシュー。 C3:不織布吸脂層、バリヤーフィルム、および親水性湿潤不織布層のラミネートからなる、ビオレオイルコントロール・アンド・リフレッシングシートとして日本国の花王株式会社から入手しうる、商品として入手可能な顔面脂除去ティシュー。 C4:エステー・ローダー(Estee Lauder)からオイルコントロールブロッティングペーパーとして入手しうる、商品として入手可能な粉末コーティング顔面脂除去ペーパーティシュー。 C5:資生堂からピュアネスオイルブロッティングペーパーとして入手しうる、商品として入手可能な粉末コーティング顔面脂除去ペーパーティシュー。 【0051】 下記の表1は、本発明のコーティングまたはラミネート用支持体として有用な、3つの商品として入手可能な微孔質フィルムの吸脂および保脂特性を示す。 【0052】 【表1】
【0053】 下記の表2は、上記の5つの商品として入手可能な顔用脂取りシートの吸脂および保脂特性を示す。
【0054】
【表2】
【0055】
下記の表3は、本発明の脂取りシートの4例、およびこれらの皮膚汚染、および粉末転移属性を示している。
【0056】
【表3】
【0057】
上記の表は、吸脂層として微孔質フィルムを含む顔用脂取りシートが、紙および不織布吸脂製品と比較した時、単位容積あたりの良好な吸脂力、および高い保脂能力を有することを示している。 本発明の脂取りシートは、既に洗浄された皮膚または使用者の手または指からの脂を介して送り出された成分、例えば粉末および洗浄剤の汚染を伴なわずに、多様な成分を使用者の皮膚に送り出すのに適している。 本発明の脂取りシートは、既に洗浄された皮膚からの脂を介して送り出された成分または追加層の汚染を伴なわずに、コーティング形態または積層形態において、非常に多様な成分を使用者の皮膚に送り出すのに適している。 使用者の手または指の汚染も、この発明の脂取りシートが、高い保脂能力を有するので防止される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】吸脂性脂取りシートの必要量だけ取出し可能なパッケージの斜視図である。
【図2】本発明の吸脂性脂取りシートの側面図である。
【図3】第二実施態様による吸脂性脂取りシートの必要量だけ取出し可能なパッケージの斜視図である。
【図4】第三実施態様による吸脂性脂取りシートの必要量だけ取出し可能なパッケージの斜視図である。
【図5】使用中の本発明の脂取りシートの斜視図である。
【図6】本発明の脂取りシートの使用後の平面図である。
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