昇降洗面台

申请号 JP2014119766 申请日 2014-06-10 公开(公告)号 JP5822172B1 公开(公告)日 2015-11-24
申请人 株式会社シブタニ; オリックス・リビング株式会社; 发明人 田中 敦士; 森川 悦明;
摘要 【課題】所定の高さ 位置 に調整することが出来る洗面台を提供する。 【解決手段】洗面台3の両側下面部に取着され、高さ調整溝41’が設けられた一対の移動ブラケット41と、支持パネル2に取着され、高さ調整溝41’が摺接係合される支軸423を突設した一対の固定ブラケット42とを組付けし、高さ調整溝41’を、複数のセット溝とこれらに連通する昇降溝とで形成し、昇降溝を介して洗面台3を任意のセット溝にセット可能に構成する。 【選択図】図2
权利要求

床面に立設される両側の支持パネル間に配設される洗面台を、支持手段を介して任意の高さ位置に昇降調整可能に支持するに、 前記支持手段は、洗面台の両側下面部に取着された一対の移動ブラケットと、前記支持パネルに取着され移動ブラケットを対面して支持受けする一対の固定ブラケットとで構成されると共に、 前記移動ブラケットに、所定のピッチ幅を存して先端側が垂直線上となるよう上下方向に配列される複数のセット溝と、各セット溝をその後端側で縦方向に連通せしめる昇降溝とで形成せしめた高さ調整溝を設ける一方、 前記固定ブラケットに、前記高さ調整溝に挿通係入されてセット溝に係止される支軸を突設せしめ、 前記移動ブラケットを、前記支軸が係入された昇降溝を介して任意のセット溝に対し選択的に係止させて支持受けされるよう昇降移動可能な状態で固定ブラケットに組付けして、 前記洗面台を、一のセット溝へのセット位置から前記支軸に案内させながら前方に引出し操作し、当該引出し空間を昇降領域として設定せしめ、他の一のセット溝に押し込み操作することで、その高さ位置を多段階的に昇降調整してセット可能に構成し、任意のセット位置で前記組付け状態に復帰可能に固定せしめてあることを特徴とする昇降洗面台。請求項1において、前記昇降溝は、上方に向けて段差状に傾斜せしめて形成され、前記隣設する直上の各セット溝への挿入位置で、前記支軸に受け止めされて洗面台の落下を規制する受け部が設けられると共に、各セット溝は、上段側ほど横幅が長溝に形成されていることを特徴とする昇降洗面台。請求項1または2において、前記セット溝は、上方に向けて傾斜せしめて緩やかな勾配をもって形成され、各セット溝への挿入位置から前記洗面台の自重でその先端側のセット位置に誘導案内されて係止されるよう構成されていることを特徴とする昇降洗面台。請求項3において、前記洗面台は、上方への傾動を伴って引出し操作され、下方への傾動を伴って押し込み操作されることを特徴とする昇降洗面台。請求項1乃至4の何れかにおいて、前記移動ブラケットと固定ブラケットは、左右方向への揺動を可能に組付けられていることを特徴とする昇降洗面台。請求項1乃至5の何れかにおいて、前記洗面台を前記組付け状態に復帰可能に固定するに、前記移動ブラケットに縦方向に固定用長孔を穿設し、該移動ブラケットを、前記固定用長孔を介して前記固定ブラケットにビス固定することで復帰可能に構成してあることを特徴とする昇降洗面台。請求項1乃至6の何れかにおいて、前記高さ調整溝は、前記移動ブラケットの前後に組みとして形成され、前記支軸は、前記高さ調整溝の対応位置となる前記固定ブラケットに組みとして設けられ、前記洗面台を分担支持してあることを特徴とする昇降洗面台。

说明书全文

本発明は、高齢者や車椅子を利用する居住者が住居する賃貸等のマンションや一般住宅などに設置され、居住者に適合した高さ位置に調整セットした状態を維持して使用し続ける固定型の昇降洗面台に関する。

一般に、この種の昇降洗面台には、利用者の使い勝手に応じてその都度高さ位置を昇降調節して使用することのできる可動型タイプのもの(例えば、特許文献2参照)と、予め居住者の使い易い高さ位置に手動で昇降調整セットしておき、その状態を維持して使用する固定型タイプのもの(例えば、特許文献1参照)がある。 可動型タイプのものは、電動式、油圧式、圧式などの昇降駆動機構を用いて操作スイッチにより昇降操作して、使用する者の体型や洗面姿勢に合わせてその都度高さ調整できるので、利便性に優れているものの構造が複雑となり高価なものとなってしまうという問題点がある。 一方、固定型タイプのものは、常時高さ調整するものでないため昇降駆動機構などが不要となり昇降構造も簡素化され安価に製造できる点で優れている。

ところで、固定型タイプのものとしては、特許文献1に開示されたものが知られているが、このものは、洗面スタンド(3)の両側板(15、15)にナット(19)を縦方向に所定のピッチ幅をもって複数埋設しておき、洗面台(21)の両側に設けた固定部(41)に穿設された挿通孔(43)を介してビス固定する構造となっている。 しかしながら、洗面台は約20kgを超える程度の重さがあり、高さ調整する際に、両腕で洗面台を支える作業者と、狭い洗面台の下に入り込んでビス固定する作業者とを必要とし、しかも、洗面台の固定部(41)が両側板(15、15)に噛み合うなど水平姿勢を維持することが難しく、この状態で挿通孔(43)と埋設ナット(19)との孔位置合わせをして、4個所のビス止め作業やビス外し作業を行わなければならず、作業性が劣るという欠点があるばかりか、ビスを外した状態では洗面台がフリーな状態となり、噛み合い状態を修正する際などに、誤って洗面台を落下させて排水設備等を損傷させてしまう危惧があり、甚だしくはビス固定する作業者を負傷させてしまう危険性がある。

また、特に、高齢者向け賃貸マンションなどにおいては、部屋数も多くこの様な作業性に劣り、危険性の伴う取付け方法を用いては、全ての部屋の洗面台を、個々の入居者に応じた高さ位置に調整セットして設置するには、多大な作業時間を要するだけでなく、複数人の作業者が必要となり、設置コストが増大し構造的な安価性も無くなってしまうため、そのまま採用することが困難であるばかりか、洗面台自体の荷重や利用者が手を添えるなどの付加荷重をネジ(57)だけで受け止め支持しているため、長年の使用によってネジ(57)と埋設ナット(19)とが噛み合ってしまうなどビス外し作業に支障を来す危惧がある。

実登3182516号公報

実開平06−000255号公報

本発明は、上記の如き問題点を一掃すべく創案されたものであって、洗面台を予め居住者の使い易い高さ位置に手動で昇降調整してセットするものでありながら、昇降駆動機構を用いてその都度昇降操作できる可動型タイプのものに比し、構造が簡素化され安価に提供できることは勿論、固定ブラケットに突設された支軸が移動ブラケットの高さ調整溝に挿通係入され、両者が確りと抜け止めされた状態で組付けられ、昇降調整時に洗面台を落下させてしまう危惧を一掃し、安全性が確保された状態で調整作業が行えると共に、昇降調整は、洗面台をその前側に立って前方に引出し操作し持ち上げた状態で、昇降溝のセット溝側の周面を支軸に沿わせて摺接係合させながら移動することにより、セット溝への挿入位置で摺接係合が解かれ、僅かに押し込まれる状態を目視によらず感覚的に認識でき、そのまま押し込み操作するだけで高さ調整セットが行え、一人の作業者により短時間でセット作業を行うことのできる昇降洗面台を提供することを目的とする。

上記課題を解決するために本発明の昇降洗面台は、床面に立設される両側の支持パネル間に配設される洗面台を、支持手段を介して任意の高さ位置に昇降調整可能に支持するに、前記支持手段は、洗面台の両側下面部に取着された一対の移動ブラケットと、前記支持パネルに取着され移動ブラケットを対面して支持受けする一対の固定ブラケットとで構成されると共に、前記移動ブラケットに、所定のピッチ幅を存して先端側が垂直線上となるよう上下方向に配列される複数のセット溝と、各セット溝をその後端側で縦方向に連通せしめる昇降溝とで形成せしめた高さ調整溝を設ける一方、前記固定ブラケットに、前記高さ調整溝に挿通係入されてセット溝に係止される支軸を突設せしめ、前記移動ブラケットを、前記支軸が係入された昇降溝を介して任意のセット溝に対し選択的に係止させて支持受けされるよう昇降移動可能な状態で固定ブラケットに組付けし、前記洗面台を、一のセット溝へのセット位置から前記支軸に案内させながら前方に引出し操作し、当該引出し空間を昇降領域として設定せしめ、他の一のセット溝に押し込み操作することで、その高さ位置を多段階的に昇降調整してセット可能に構成し、任意のセット位置で前記組付け状態に復帰可能に固定せしめてあることを特徴とするものである。

本発明は、洗面台を予め居住者の使い易い高さ位置に手動で昇降調整してセットするものでありながら、昇降駆動機構を用いてその都度昇降操作できる可動型タイプのものに比し、構造が簡素化され安価に提供できることは勿論、固定ブラケットに突設された支軸が移動ブラケットの高さ調整溝に挿通係入され、両者が確りと抜け止めされた状態で組付けられ、昇降調整時に洗面台を落下させてしまう危惧を一掃し、安全性が確保された状態で調整作業が行えると共に、昇降調整は、洗面台をその前側に立って前方に引出し操作し持ち上げた状態で、昇降溝のセット溝側の周面を支軸に沿わせて摺接係合させながら上昇または下降移動することにより、移動開始の起点となるセット溝位置から隣設するセット溝への挿入位置で摺接係合が解かれ、僅かに押し込まれる状態を目視によらず感覚的に認識することができ、そのまま押し込み操作するだけで高さ調整セットが行えるだけでなく、昇降溝のセット溝と対向する側の周面を支軸に沿わせて摺接係合させながら最上段から最下段間の昇降ストロークの全域を往復移動することもでき、一人の作業者により短時間でセット作業を容易に行うことができる。 その結果、洗面台の前面側への引出し空間を、昇降領域として利用した設定ができることから、昇降溝の前後何れかの周面を支軸に沿わせた摺接係合を選択的に使い分けしながらセット作業が行えるばかりか、昇降溝を上方に向けて段差状に傾斜せしめて引出し幅を異ならしめるなど可変設定することができ、昇降領域を有効利用した更なる操作性と安全性の向上が図られた形状設定が可能となり、しかも、入居時に居住者を同伴させて所望のセット溝位置を順次に選択しながら、かつ、各セット溝位置で洗面台を持ち上げた状態から開放され、作業者が手を離した状態で居住者に応じた最適な高さ位置を確認しつつセット操作を行うことができるようになり、作業者の労軽減と設置個所が多い高齢者向け賃貸マンションなどにおける施工に要する工期の短縮を図ることができる。

本発明の実施形態にかかる昇降洗面台を示し、(A)はその平面図、(B)は一部破断正面図である。

本発明の実施形態にかかる昇降洗面台の取付け状態を示し、(A)はその中央断面図、(B)は支持手段の側断面図である。

昇降洗面台の支持手段による取付け状態を示す断面図である。

支持手段による移動ブラケットと固定ブラケットの組付け状態を示す分解斜視図である。

移動ブラケットの高さ調整溝を示した説明図である。

本発明の実施形態にかかる昇降洗面台の高さ調整による移動状態を説明するもので、(A)は中間位置からの引出し操作した状態を示す説明図、(B1)は(A)の状態位置から上昇させて押し込み操作した状態を示す説明図、(B2)はその移動奇跡を示した説明図、(C1)は(A)の状態位置から下降させて押し込み操作した状態を示す説明図、(C2)はその移動奇跡を示した説明図、(D)は洗面台の昇降ストロークを示す説明図である。

以下、本発明の実施の形態を好適な実施の形態として例示する昇降洗面台を図面に基づいて詳細に説明する。図1の(A)は昇降洗面台の平面図、(B)は一部破断正面図、図2の(A)は中央断面図、(B)は支持手段の側断面図、図3は支持手段による取付け状態を示す断面図、図4は移動ブラケットと固定ブラケットの組付け状態を示す分解斜視図である。 これらの図に示されるように、床面に立設される壁パネル1と両側の支持パネル2、2間に洗面台3が配設されており、洗面台3は支持手段4を介して任意の高さ位置に昇降調整可能に支持固定され、昇降に対応できるよう給水用フレキシブル管や排水用フレキシブル管等所定の設備を備える。

支持手段4は、洗面台3の両側下面部に取着された一対の移動ブラケット41と、支持パネル2に取着され移動ブラケット41を対面して支持受けする一対の固定ブラケット42とで構成され、使用時には化粧カバー5が装着される。 移動ブラケット41は、板厚4mmの金属板で、洗面台3の下面部にビス固定により取着される取付け片411と、この取付け片411から下方に折曲された垂下片412とで側面視L字状に一体形成され、垂下片412には、所定のピッチ幅を存して先端側が垂直線上となるよう洗面台3の前側に向けて5段に上下方向に配列される複数のセット溝413…と、各セット溝413…をその後端側(壁パネル1側)で縦方向に連通せしめる昇降溝414とからなる高さ調整溝41’が、前後2個所に17.3mmの溝幅をもって組みとして打ち抜き形成されて設けられている。また、高さ調整溝41’、41’間には縦方向に固定用長孔415が穿設されている

一方、固定ブラケット42は、板厚3.2mmの金属板で、支持パネル2にビス固定により取着される取付け片421と、この取付け片421から支持パネル2面と離間するよう上方に段差状に折曲された立上り片422とで一体形成され、立上り片422には、高さ調整溝41’に挿通係入されて、セット溝413の先端側位置となる対応位置に係止される支軸423、423が前後2個所に組みとして突設され、洗面台3を分担支持している。 支軸423は、中心にタップ孔加工がなされた直径が16mmの円柱状の鋼製材にて形成され、約9mmの突出幅をもって固定ブラケット42に溶着されている。

移動ブラケット41は、高さ調整溝41’に支軸423を挿通係入させ、セット溝413に係止された状態で支持受けされ、セット溝413と昇降溝414の打ち抜き幅(溝幅)よりも大径のワッシャ61と共に固定ビス6により支軸423のタップ孔に螺入固定され、支軸423の先端が5mm程度突出した左右方向に揺動可能な抜け止め状態で固定ブラケット42に組付け装着される。これにより、洗面台3を、一のセット溝413へのセット位置から前方に引出し操作し、支軸423が係入された昇降溝414を介して任意に選択した他の一のセット溝413の先端側に押し込み操作された状態で支軸423に係止させる、所謂、当該引出し空間を昇降溝414が形成される昇降領域として設定せしめることにより、多段階的に昇降調整できるようになっており、所定のセット位置で固定用長孔415を介して固定ビス62により固定ブラケット42に固定される。この固定ビス62を外すことにより揺動および昇降可能な組付け状態に復帰することができる。

図5は、高さ調整溝を示した説明図である。この図に示すように、高さ調整溝41’の昇降溝414は、洗面台3の前面側への引出し空間に設定された昇降領域において、最下段のセット溝413から上方に向け、その上段側のセット溝413ほど洗面台3の引出し方向に離間する、謂わば、洗面台3の各セット位置からの引き出し幅を異ならしめた設定が行えるようノ字状かつ段差状に傾斜せしめて形成され、これに付随して各セット溝413…の横幅(溝長さ)も上段側ほど長溝に形成されている。つまり、昇降溝414は、垂直や直線状ものであっても良いが、本実施例では、そのセット溝413側の周面を、垂直面を存して隣設する直上の各セット溝413…への挿入位置で、支軸423に受け止めされる受け部414aが形成されており、昇降溝414のセット溝413と対向する側の周面を、垂直面(湾曲面であっても良い)を存して各セット溝413…への挿入部位に傾斜部414bを形成することにより、昇降溝414のセット溝413側の周面と、これと対向する側の周面形状を異ならしめて形成されている。このように構成すると、受け部414aによって洗面台3が昇降ストロークSを一気に降下してしまうことを規制することができ安全性が向上され、かつ、各挿入位置への位置決めがなされ作業性を向上することができると共に、昇降溝414の前後何れかの周面を、支軸423に対して引接と押接とを選択的に使い分けし、その起伏に沿わせた摺接係合をさせながら昇降操作を行うことができる。

各セット溝413…のピッチ間隔は、セット溝413の先端側のセット位置が40mmの幅に設定されており、160mmの範囲となる昇降ストロークS間で洗面台3の高さを5段階のセット位置に変更調整できるようになっている。 また、各セット溝413…は、下方に20度の緩やかな勾配をもって後端側が昇降溝414と連通した状態、つまり、昇降溝414から上方に向けて傾斜し、上段側ほど横幅(溝長さ)が長溝に形成され、各セット溝413…における洗面台3の引き出し幅(セット位置から昇降溝414への移動幅)を異ならしめた態様で設定されている。これにより、洗面台3が上方への傾動を伴って引出し操作され、セット溝413への挿入位置となる昇降溝414の受け部414aを支軸423にセットした状態とすると、洗面台3はその自重で下方への傾動を伴いつつセット溝413の先端側のセット位置に誘導案内されて係止されるよう構成されている。なお、セット溝413の数、ピッチ間隔は適宜変更できることは勿論、昇降溝414をノ字状に傾斜せしめて段差状に形成したが、中央のセット溝413を最長の溝幅に設定し、く字状に傾斜せしめて形成するなど、洗面台3の前面側への引き出し空間を昇降領域として利用できる形状のものであれば良い。

次に、洗面台3の高さ調整の操作手順を図6に基づいて説明する。先ず、図(A)に示すように、洗面台3がセット溝413の中間位置で支軸423にセットされた状態を移動開始の起点とし、その高さ位置から洗面台3を上昇操作するには、その前側に立って(a)に示す受け部414aの位置まで前方へ引出すと、洗面台3はセット溝413の上方への傾斜勾配に沿って上方への傾動を伴って引き出される。この状態から図(B1)に示すように、洗面台3を持ち上げ、更に(b)の位置となる傾斜部414bまで引出し操作して支軸423に当接させる。次いで、垂直面に摺接係合させながら直下の受け部414aまたは傾斜部414bの(c)の位置まで上昇させ、セット溝413の先端側となる(d)の位置まで下方への傾動を伴いつつ押し込み操作することにより、図(B2)に示す支軸423の円周面(円弧面)に対する(a)〜(d)に至る移動奇跡に沿った上昇操作により高さ位置を調整することができる。

また、同様に図(A)の(a)に示す受け部414aの位置まで上方への傾動を伴いつつ前方へ引出された洗面台3を下降操作するには、この状態から図(C1)に示すように、洗面台3を持ち上げ、更に(b)の位置となる傾斜部414bまで引出し操作して支軸423に当接させる。次いで、洗面台3を垂直面に摺接係合させながら、(b)の位置となる受け部414aまで下降操作して支軸423に当接させ、セット溝413の先端側となる(d)の位置まで下方への傾動を伴いつつ押し込み操作することにより、図(C2)に示す支軸423の円周面(円弧面)に対する(a)〜(d)に至る移動奇跡に沿った下降操作により高さ位置を調整することができる。なお、洗面台3の持ち上げ操作にはガラスなどを吸着して運搬するハンド吸着盤を用いると便利である。

この昇降操作の際、(b)の位置となる傾斜部414bまで引出された洗面台3を引出し方向に力を加えたまま昇降操作すると、セット溝413と対向する側の昇降溝414の周面(垂直面)が支軸423に当接案内され、その起伏形状に沿って支軸423の円周面(円弧面)に摺接係合(従節)させながら、最下段から最上段までの昇降ストロークSの全域を往復移動により摺動させることができる。その際、支軸423との当接状態が各傾斜部414bの位置で垂直面と異なる当接状態、つまり、上昇時には傾斜部414bに突き当たり一旦ホールドされ、その傾斜勾配に沿った引出し方向とは逆の力押し方向に力が作用し、持ち上げ力が重くなる感触を受け、下降時には傾斜部414bの傾斜勾配に沿って引出し方向と同方向に力が作用し、持ち上げ力が軽くなる感触を受けることができる。つまり、各傾斜部414bの位置まで順次移動すると、カチ、カチと一旦ホールドされる当接音や当接感触を受けるので、当該位置がセット溝413の挿入位置であることを感覚的に認識することができ、そのまま押し込み操作するだけで洗面台3を視認によらず所望の高さ位置へのセット操作を行うことができる。

また、昇降操作の際、(b)の位置となる傾斜部414bまで引出された洗面台3を、垂直面で僅かに押し方向に力を加えて昇降させると、セット溝413側の昇降溝414の周面(垂直面)が支軸423に当接案内され、その状態で上昇操作すると、隣設する下段のセット溝413の挿入位置で支軸423への摺接係合が解かれ、傾斜するセット溝413内に自然に押し込み誘導される摺動がなされ、下降操作すると、隣設する上段のセット溝413の挿入位置となる支軸423が受け部414aに当接し、そのまま傾斜するセット溝413内に自然に押し込み誘導される摺動がなされる。つまり、セット溝413の挿入位置における支軸423に対する摺接係合の解除と、受け部414aとの当接を、当接音を含め感覚的に認識することができ、そのまま押し込み操作するだけで洗面台3を視認によらず所望の高さ位置へのセット操作を行うことができる。

この様に、セット溝413側となる昇降溝414の周面、又はセット溝413と対向する側の昇降溝414の周面の何れかの側を支軸423の円周面(円弧面)に沿わせて摺接係合させながら高さ調整が行えるので、例えば、傾斜部414b側の周面を利用して最下段のセット溝413まで移動して高さ位置をセットおき、これを移動開始の起点とし受け部414a側の周面を利用して、直上の受け部414aを支軸423に当接させ直上のセット溝413にセットした状態で、一旦手を離して使い易すい高さ位置を確認し、この確認操作を順次行いながら最適な高さ位置を設定することができる。また、両者の周面を適宜に選択利用して複合的な摺接作用を使い分けしながら、押し引き方向への当接力を加減しつつ昇降操作できるので、洗面台3の高さ調整操作を、一人の作業者により容易かつ短時間でセット作業が行えるようになっている。

叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、いま所定の高さ位置にセットされた洗面台3を、手動による昇降操作により所望の高さ位置に変更調整するのであるが、本発明における洗面台3は、床面に立設される両側の支持パネル2,2間に、洗面台3の両側下面部に取着された一対の移動ブラケット41と、支持パネル2に取着され移動ブラケット41を対面して支持受けする一対の固定ブラケット42とで構成される支持手段4を介して任意の高さ位置に昇降調整可能に支持するにあたり、移動ブラケット41には、所定のピッチ幅を存して先端側が垂直線上となるよう上下方向に配列される複数のセット溝413…と、各セット溝413…をその後端側で縦方向に連通せしめる昇降溝414とで形成せしめた高さ調整溝41’を設ける一方、固定ブラケット42には、高さ調整溝41’に挿通係入されてセット溝413に係止される支軸423を突設せしめ、移動ブラケット41を、支軸423が係入された昇降溝414を介して任意のセット溝413に対し選択的に係止させて支持受けされるよう昇降移動可能な状態で固定ブラケット42に組付けし、洗面台3を、一のセット溝413へのセット位置から支軸423に案内させながら前方に引出し操作し、当該引出し空間を昇降領域として設定せしめ、他の一のセット溝413に押し込み操作することで、その高さ位置を多段階的に昇降調整してセット可能に構成し、移動ブラケット41と固定ブラケット42を任意のセット位置で前記組付け状態に復帰可能に固定するようになっている。

この様に構成すると、洗面台3を予め居住者の使い易い高さ位置に手動で昇降調整してセットするものでありながら、昇降駆動機構を用いてその都度昇降操作できる可動型タイプのものに比し、構造が簡素化され安価に提供できることは勿論、固定ブラケット42に突設された支軸423が移動ブラケット41の高さ調整溝41’に挿通係入され、両者が確りと抜け止めされた状態で組付けられ、昇降調整時に洗面台3を落下させてしまう危惧を一掃し、安全性が確保された状態で調整作業が行えると共に、昇降調整は、洗面台3をその前側に立って前方に引出し操作し持ち上げた状態で、昇降溝414のセット溝413側の周面を支軸423に沿わせて摺接係合させながら上昇または下降移動することにより、移動開始の起点となるセット溝413位置から隣設するセット溝413への挿入位置で摺接係合が解かれ、僅かに押し込まれる状態を目視によらず、当接音を含め感覚的に認識することができ、そのまま押し込み操作するだけで高さ調整セットが行えるだけでなく、昇降溝414のセット溝413と対向する側の周面を支軸423の円周面(円弧面)に沿わせて摺接係合させながら最上段から最下段間の昇降ストロークSの全域を往復移動することもでき、一人の作業者により短時間でセット作業を容易に行うことができる。

その結果、洗面台3の前面側への引出し空間を昇降領域として利用した設定ができることから、昇降溝414の前後何れかの周面を支軸423に沿わせた摺接係合を選択的に使い分けしながらセット作業が行えるばかりか、昇降溝414を上方に向けて段差状に傾斜せしめて引出し幅を異ならしめるなど可変設定することができ、昇降領域を有効利用した高さ調整溝41’の形状設定が可能となり、受け部414aや傾斜部414bなどによる更なる操作性と安全性の向上が図られたものとして製作でき、しかも、入居時に居住者を同伴させて所望のセット溝413の位置を順次に選択しながら、かつ、各セット溝413…位置で洗面台3を持ち上げた状態から開放され、作業者が手を離した状態で居住者に応じた最適な高さ位置を確認しつつセット操作を行うことができるようになり、作業者の労力軽減と設置個所が多い高齢者向け賃貸マンションなどにおける施工に要する工期の短縮を図ることができる。

また、昇降溝414は、上方に向けて段差状に傾斜せしめて形成され、隣設する直上の各セット溝413…への挿入位置で、支軸423に受け止めされて洗面台3の落下を規制する受け部414aが設けられると共に、各セット溝413…は、上段側ほど横幅が長溝に形成されていることにより、昇降操作時に持ち上げた洗面台3を誤って手を滑らせるなどより手を離しても、直上の受け部414aが支軸423に受け止めされて最上段のセット溝413まで一気に降下してしまうことが防止されるだけでなく、セット溝413側となる昇降溝414の周面を支軸423に沿わせて摺接係合させながら高さ調整が行えるようになり、最下段のセット溝413にセットした状態を移動開始の起点とし、受け部414a側の周面を利用して、直上の受け部414aを支軸423に当接させ直上のセット溝413にセットして、一旦手を離して使い易すい高さ位置を確認し、この確認操作を順次行いながら最適な高さ位置を設定することができ、高さ調整の作業中、洗面台3を常時持ち上げておく必要が無くなり労力の軽減が図られ、一人の作業者により容易かつ短時間でセット作業を行うことができる。

また、セット溝413は、上方に向けて傾斜せしめて緩やかな勾配をもって形成され、各セット溝413…への挿入位置から洗面台3の自重でその先端側のセット位置に誘導案内されて係止されるよう構成されているので、セット溝413…への挿入位置となる受け部414aが支軸423に受け止めされた状態から、ゆっくりと持ち上げ力を緩めていくだけで、セット溝413の先端側が支軸423に係止されたセット位置に位置決めされ、手を離してもセット位置の位置ズレが防止されると共に、不用意な位置ズレがあったとしても自動的に適正なセット位置に修正され、洗面台3の水平姿勢を維持することができる。 しかも、洗面台3は、上方への傾動を伴って引出し操作でき、かつ、下方への傾動を伴って押し込み操作できるので、受け部414aまでの引出し操作時や、受け部414aからの押し込み操作時には、持ち上げ力を然程必要とせず、昇降溝414内を昇降移動する際にのみ持ち上げ力を必要とすればよく、高さ調整の作業中、洗面台3を常時持ち上げておく必要が無くなり労力の軽減が図られ、一人の作業者により容易かつ短時間でセット作業を行うことができる。

また、移動ブラケット41と固定ブラケット42は、左右方向への揺動を可能に組付けられているので、高さ調整溝41’のセット溝413や昇降溝414を支軸423に対してスムーズに摺接係合させることができ、操作性が向上されると共に、高さ調整時に、セット溝413と支軸423とのセット位置への位置決めが左右同時に行われなくとも、両者が噛み合って洗面台3が動かなくなってしまうこともなく、洗面台3の水平姿勢を維持しながら適正なセット位置へのセット作業を行うことができる。

また、洗面台3を高さ調整可能な組付け状態に復帰可能に固定するにあたり、移動ブラケット41に縦方向に固定用長孔415を穿設し、移動ブラケット41を、固定用長孔415を介して固定ブラケット42に固定ビス62により固定することで復帰可能に構成してあるので、この固定ビス62を外すことにより揺動および昇降操作が可能な組付け状態に容易に復帰することができる。なお、洗面台3の固定手段は、移動ブラケット41と固定ブラケット42とのビス固定によらず、移動ブラケット41を支持パネル2に直接固定したり、別途部材を介して固定ブラケット42や支持パネル2などに固定するようにしても良く、要は、洗面台3を昇降操作が可能な組付け状態に復帰できる固定構造のものであれば良い。

また、高さ調整溝41’は、移動ブラケット41の前後に組みとして形成され、支軸423は、高さ調整溝41’の対応位置となる固定ブラケット42に組みとして設けられ、洗面台3が分担支持されているので、洗面台3をセットした状態で、洗面台3自体の付加荷重をセット位置で均等に受け止めて支持することができると共に、利用者が手を添えるなどの付加荷重を受けても、セット溝413が支軸423に確りと係止された状態が維持され、上下方向等への荷重分散が図られ、長年の使用によっても昇降操作に支障を来すことがない。

1 壁パネル 2 支持パネル 3 洗面台 4 支持手段 41 移動ブラケット 411 取付け片 412 垂下片 41’ 高さ調整溝 413 セット溝 414 昇降溝 414a 受け部 414b 傾斜部 415 固定用長孔 42 固定ブラケット 421 取付け片 422 立上り片 423 支軸 5 化粧カバー 6 固定ビス 61 ワッシャ 62 固定ビス S 昇降ストローク

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