固定技術用の接着剤における生物由来の固体充填材 |
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申请号 | JP2016505727 | 申请日 | 2014-03-21 | 公开(公告)号 | JP6345234B2 | 公开(公告)日 | 2018-06-20 |
申请人 | フィッシャーヴェルケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト; fischerwerke GmbH & Co. KG; | 发明人 | ユルゲン グリューン; マーティン フォーゲル; クリスティアン シュレンク; クリスティアン ヴァイネルト; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | 孔、又は間隙におけるアンカー要素を接着するための、1種以上の反応性合成樹脂成分(A)および1種以上の充填材を含む固定領域用の多成分系合成樹脂接着剤において、 前記反応性合成樹脂成分(A)中に、 ・下記式のエポキシ(メタ)アクリレート: [前記式中、nは1以上の数を表す]、及び/又は ・下記式のエトキシ化された芳香族ジオールの(メタ)アクリレート: [式中、a及びbはそれぞれ相互に独立して、0以上の数を表すが、ただし少なくとも一方の値が0より大きい]、及び/又は ・プロポキシ化された芳香族ジオールの(メタ)アクリレート、その際、上記式の[−O−CH2−CH2−]は、[−O−CH2−CH2−CH2−]となる、及び/又は ・1種以上のウレタン(メタ)アクリレート を包含し、かつ 前記充填材が、生物由来の充填材として、糠、糖、(多)糖類、アルキル(ポリ)グリコシド、タンニン、リグニン、リグニンスルホネート、ラテックス、植物果実の核若しくは殻の粉砕物若しくは粉末、生物由来の炭、又はこれら2種類以上の混合物を包含することを特徴とする、 前記合成樹脂接着剤。前記生物由来の充填材として、木炭を包含することを特徴とする、請求項1に記載の合成樹脂接着剤。前記生物由来の充填材として、オリーブ核粉砕物、ココナッツ殻粉砕物、くるみ殻の粉砕物、ヘーゼルナッツ殻粉砕物、アーモンド粉砕物、モモ核粉砕物、アンズ核粉砕物、又はサクランボ核粉砕物、又はこれら2種の混合物を包含することを特徴とする、請求項1に記載の合成樹脂接着剤。前記生物由来の充填材として、オリーブ核粉砕物、又はココナッツ殻粉砕物、又はこれらの混合物を包含することを特徴とする、請求項3に記載の合成樹脂接着剤。前記生物由来の充填材の割合は、合成樹脂接着剤に対して、合計で5〜80質量%であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の合成樹脂接着剤。反応性合成樹脂成分(A)と、硬化剤成分(B)とを有する二成分キットであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の合成樹脂接着剤。前記生物由来の充填材を、前記合成樹脂成分(A)中に含有することを特徴とする、請求項6に記載の合成樹脂接着剤。前記硬化剤成分(B)として、開始剤として過酸化物を有する硬化剤成分を包含することを特徴とする、請求項6に記載の合成樹脂接着剤。アミン系促進剤、重合防止剤(ラジカル硬化可能な反応性樹脂の場合のみ)、反応性希釈剤、チキソトロープ剤、さらなる充填材から選択される1種以上のさらなる添加剤、及び可塑剤、非反応性の希釈剤、反応性希釈剤、可撓化剤、安定剤、レオロジー助剤、湿潤分散剤、及び着色助剤から選択されるさらなる別の添加剤を包含することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の合成樹脂接着剤。スタチックミキサを有する、又は有さない2チャンバカートリッジ式の二成分系であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の合成樹脂接着剤。孔又は間隙でアンカー材をモルタル充填するための、請求項1から4までのいずれか1項に記載の合成樹脂接着剤の使用であって、前記合成樹脂接着剤、及びアンカー材を孔又は間隙に、また亀裂のある基材に導入し、前記合成樹脂接着剤を硬化させる、前記使用。アンカー要素、及び孔又は間隙をモルタル充填するための方法であって、アンカー材をモルタル充填するために、請求項1から4までのいずれか1項に記載の合成樹脂接着剤を使用し、前記合成樹脂接着剤及び前記アンカー材を孔又は間隙に導入し、前記合成樹脂接着剤を硬化させる、前記方法。請求項1から4までのいずれか1項で挙げた生物由来の充填材の使用であって、請求項1から4までのいずれか1項に記載の合成樹脂接着剤を製造するための、前記使用。 |
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说明书全文 | 本発明は、固定領域用、特に孔(例えば穿孔)、又は間隙において、充填材、及び任意でさらなる添加剤を用いてアンカー要素を接着するための、多成分系の合成樹脂接着剤、並びに後述する本発明のさらなる対象に関する。 多種多様なポリマー結合剤成分をベースとした一連の固定用モルタル系(合成樹脂接着剤、例えば注入型のもの)が知られており、一成分系、二成分系、又は多成分系を形成しているが、こうした固定用モルタル系は、アンカー材(例えばくさび、アンカーポールなど)を、それぞれ固定された土台(例えば壁材又はコンクリート)における孔(例えば穿孔)、又は間隙にモルタル充填するために用いられる。ここでアンカー材には、さらなる建材(例えば上張り要素)を固定することができる。アンカー材のモルタル充填は、一方では合成樹脂とアンカー要素及び/又は孔若しくは間隙の濡れた面との間の物質結合の意味合いでの接着効果に基づき、他方では形状結合(例えば合成モルタルでアンカー要素及び/又は孔若しくは亀裂の突出部又は貫入部を取り囲むことによるアンダーカット)に基づく。 合成樹脂及びプラスチックの分野では、環境的、経済的、そして法律的に好ましいという理由から、化石成分の有機結合炭素(例えば石油、褐炭、石炭から得られるもの)の割合を低減させるという要求が存在する。 バイオマス又は生物圏に基づく(再生可能な、持続可能な、生物系の)、又は「生物由来」の炭素原料は、資源の節約になり、長期間にわたって維持可能なため、特に興味が持たれている。 生物系原料の割合を評価するためには通常、生物系の炭素の割合を、14C法により検出して測定する。炭素同位測定の比はまた、製造工程によって特定可能なため、化石由来のバイオマスと、生物由来のバイオマスとの区別は可能である。 生物系の製品は、完全に、又は少なくとも部分的に生物系の原料から成り得る。また、さらなる添加剤、無機物質、又は化石材料、又はこれら2種以上が含有されていてよい。 生物系の割合を有する製品を統一的に認証可能にする努力がなされている。その例は、TUEV Rheinland(ドイツ国ベルリン在、DIN CERTCO)のASTM 6866による生物系製品の認証プログラムであり、これにより認証のための指標として「生物系・・・% DIN試験済み」が得られ、例えば「生物系50〜85% DIN試験済み」となる。 このような認証を得るためには、最低限の要求事項が2つ設定されている:まず、強熱損失量として特定可能な有機材料の最小含分が、少なくとも50質量%でなければならない。 その一方で、生物系の炭素含分が20質量%を超えなければならない。「生物系20〜50% DIN試験済み」という認証では、その割合は20〜50%でなければならず、「生物系50〜85% DIN試験済み」では、その割合は50〜85%でなければならず、「生物系85%超 DIN試験済み」では、その割合は85%超でなければならない。この含分は、50%超であるのが好ましい。 製品の試験は、(たいていは、製造元又は販売元自身が)製造又は販売/購入により試料を取得して試験する。最初の試験の後、定期的なチェックが行われる。 ここで強熱損失量は、公知の方法によって測定できる。強熱損失量は、有機材料の量に相当する。試験材料の既知質量m0を灰にし、得られた固体残渣の質量mfを測定し、m0から引く。この値が、試験材料の揮発性割合又は有機割合に相当する。強熱損失量が高いということは、試料における有機物質の割合が高いということである。含有される炭素が酸化され、二酸化炭素として放出されるからである。この測定は例えば、DIN EN 14775、又はDIN 18128によって行うことができる。 生物系の炭素割合は、ASTM 6866(Standard Test Method for Determining the Biobased Content of Solid, Liquid and Gaseous Samples Using Radiocarbon Analysis)に基づき測定する(ASTM International, D6866:2008, Methode A)。 フェノール樹脂系の接着剤又は糊を用いる文献が多数あり(本発明による目的には適していない)、このうち典型的なものとしては、US 4,311,621(添加剤としてクルミ殻、又はココナッツ殻とクルミ殻を用いた木材結合剤、飽和水蒸気で前処理)と、US 2,781,286(植物の殻粉砕物の充填材、例えば石果、例えばクルミ殻)が挙げられる。 EP 1 978 061 A1とEP 2 164 886 Aは、架橋可能なシリル基と光重合防止剤を有する硬化可能なビニルポリマー材料に関し、この材料は充填材として特に、クルミ殻を包含することができる。樹脂としてはとりわけ、(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル(UP)、スチレンなどが挙げられ、接着剤と封止剤が重要となる。WO 2009/009009 A2は、遊離ラジカル阻害特性を有する天然産生充填材(特に木粉)を用いる(メタ)アクリレート接着剤に関し(酸素捕捉剤はTPP)、ここではリグニン含有充填材の阻害特性が明示的に指摘されており、このため酸素捕捉剤(Oxgen-Scavenger)が必要であると記載されている。EP 1 832 638 A1は、特殊なポリアクリレートを有し、架橋剤としてイソシアネートを有する、ポリアクリレート系ホットメルト接着剤に関する。有機の充填材は例えば、クルミ殻である。WO 2008/024444 A2は、タンパク質又はリグニン含有添加剤を有する、ポリアミドアミン・エピハロヒドリン樹脂系の接着剤に関し、木材由来のセルロース材料が、リグノセルロース材料として、また粉末としてもあげられている。US 3,419,507は、炭水化物充填材とクルミ殻粉砕物を有するラテック系接着剤を挙げている。 Simitzis, J.らは、European Polymer Journal (1996), 32(7), 857〜863で、廃棄生成物であるオリーブ石果を充填材として、一成分系のNovolak/ヘキサメチレンテトラミン系のベークライト状システムに入れ、活性エネルギーと周波数係数を上昇させている。 Sobukawa. T、及びKanazawa, H.は、Mokuzai Kogyo (1980) 35(396), 110〜115で、ココナッツ殻、小麦粉、又は炭酸カルシウムを、木材用ビニルポリウレタン系接着剤における充填材として用いることを記載しており、上記充填材の添加により、熱水における接着剤の溶解速度を低下させること、また上記充填材の添加により結合強度を低下させることを記載している。 よって従来技術は、本発明のものとは異なる課題と解決法に関する。 様々な粉砕物について試験した。穀物、木材、及び特定の他の粉砕物は、残りの樹脂成分を完全に吸い取ってしまうため、添加剤のパーセンテージは非常に僅かであり、それから材料を加工して固体にする(例えば後述の実施例参照)。 しかしながら意外なことに、生物由来の(固体)充填材、例えば粉砕物、糠若しくはふすま、糖、(多)糖類(その変性体、例えばカルボキシメチルセルロースを含む)、植物繊維、アルキル(ポリ)グリシド(例えばSeppic社のSimulsol)、タンニン、リグニン、リグニンスルホネート、若しくはラテックス、又はこれら2種以上の混合物、特に植物核若しくは植物殻の粉砕物若しくは粉末、及び植物から得られる炭(又はこれら2種以上の混合物、若しくは上記生物由来材料との混合物)を充填材として、冒頭で挙げた多成分系合成樹脂接着剤において(多量であっても)、これらの特性に否定的な作用をもたらすことなく使用可能であり、それどころか肯定的な効果をもたらすことが判明した。 生物由来の(非化石性)充填材が(生物由来の)材料であるため、これらの粉砕物、糠、砂糖、(多)糖類、植物繊維、アルキル(ポリ)グリシド(例えばSeppic社のSimulsol)、タンニン、リグニン、リグニンスルホネート、若しくはラテックス、又はこれら2種以上の混合物、特に植物核若しくは植物殻の粉砕物若しくは粉末、及び植物から得られる炭(又はこれら2種以上の混合物、若しくは上記生物由来材料との混合物)によって、上記多成分系合成樹脂接着材における生物由来材料の割合が向上し、無機充填材料に代えて生物由来の充填材を用いることによって、実質的に、又はそもそも、引張値の減少にはつながらない(引張値の測定方法については、典型的な接着剤とは異なり、実施例で挙げる手法を用いることができる)。 よって本発明は第一の実施形態において、冒頭で挙げた多成分系合成樹脂接着剤に関し、その特徴は、この接着剤が、生物由来の(固体)充填材を前述の生物由来材料の形で、特に植物果実の核粉砕物若しくは殻粉砕物、又は植物果実の核粉末若しくは殻粉末、及び/又は生物由来の炭、又はこれら2種類以上の混合物を包含することである。 本発明の実施態様はまた、アンカー材をモルタル充填するために本発明による多成分合成樹脂接着剤を使用する、アンカー材要素、及び孔若しくは間隙をモルタル充填するための適切な方法及び手法であり、ここで合成樹脂接着剤、及びアンカー材は順次、特にまず合成樹脂接着剤、それからアンカー材、又は(少なくとも実質的に)同時に、孔若しくは間隙において基材へと(亀裂のある基材、例えば亀裂の入ったコンクリートであっても)導入できる。 本発明のさらなる態様はまた、上記生物由来の材料、特に植物果実の生物由来の核若しくは殻の粉砕物若しくは粉末、及び/又は生物由来の炭、又はこれら2種類以上の混合物を、多成分系合成樹脂接着剤のため、特に本発明による目的のために、充填材として用いる使用に関し、ここで好適には相応する充填材が、このような原料に添加される。 以下の定義は、特定の用語又は記号、及び本発明の特別な実施形態を説明するために用いられ、ここで前述、又は後述する本発明の実施態様において、それぞれの、複数の、若しくは全ての用語又は記号は、特別な定義によって置き換えることができ、これにより本発明の特別な実施態様となる。 生物由来とは好適には、充填材(又は他の生物由来成分)が、植物、若しくは植物性及び/又は動物性の、特に植物性材料から得られることを言う。 質量に関してパーセンテージ(質量%)で記載する場合、特に記載しない限り、この記載は、本発明による合成樹脂接着剤の反応体と添加剤の総質量を言う(つまり、混合後に硬化させる材料中に存在する成分、及び/又は包装無しの前駆体(同様に充填材として硬化性若しくは硬化された材料の総質量に算入可能なケース若しくはシートの場合は除く)、及び他の想定され得る部分、例えばスタチックミキサ、カートリッジカバーなどは含まない)。 (メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート、又はこれらの混合物を言う。 生物由来の充填材(材料)は例えば、粉砕物、糠、砂糖、(多)糖類、植物繊維、アルキル(ポリ)グリシド(例えばSeppic社のSimulsol)、タンニン、リグニン、リグニンスルホネート、若しくはラテックス、又はこれら2種以上の混合物、特に植物の核若しくは殻から得られる粉砕物若しくは粉末、及び植物から得られる炭(又はこれら2種以上の混合物、若しくは上記生物由来材料との混合物)である。 生物由来の充填材として好ましい植物果実由来の核若しくは殻の粉砕物、又はこれらの粉末とは、硬質の殻若しくは核を有する果実の粉砕物、例えばナッツ若しくは石果、例えば特にオリーブの核粉砕物、ココナッツの殻粉砕物、又は(さらには)クルミ殻粉砕物であり、またヘーゼルナッツの殻粉砕物、アーモンド粉砕物、モモの核粉砕物、アンズの核粉砕物、又はサクランボの核粉砕物である。 植物炭は好適には、木炭(例えば焼炭)、例えば樹木若しくは灌木、又はこれらの成分から得られるもの、例えば木材廃棄物、又は特殊な樹木(例えばヘーゼルナッツ、シナノキ、ブナ、ハンノキ、クロウメモドキ、若しくはブドウの木)の炭、又は医薬用の炭(活性炭の形でもよい)である。疎水性の炭が有利なことがある。木材廃棄物をコークス化して得られる炭を用いることが有利なことがある。 生物材料、特に生物由来の核又は殻の粉砕物は例えば、5〜80質量%、例えば10〜55質量%の割合で添加する。適切な割合の例は、10〜35質量%の範囲にあり、別の例では、36〜60質量%の範囲であり得る。 「包含する」又は「含む」とは、上記成分若しくは特徴に加えて別のものが存在し得ることを表す。つまり、使用する際に挙げる成分又は特徴の限定列挙を意味する「含有する」とは異なって、非限定列挙である。 「さらに」という付加語は、その特徴が、この付加語なしでもより好ましくあり得ることを意味する。 「及び/又は」とは、記載した特徴/物質がそれぞれ単独で、又は記載したそれぞれの特徴/物質2種以上の組み合わせで存在し得ることを意味する。 「1つの」とは通常(ここで直接用いるように文中で数として認識可能である場合を除き)、不定冠詞であり、特に「少なくとも1つ」(1、2、又はそれより多く)であることを意味する。 合成樹脂としてはまず、エポキシ系又はラジカル硬化可能な(すなわち、ラジカル形成剤(硬化剤)の添加後に硬化する)反応性合成樹脂(それぞれ相応する硬化剤(硬化剤成分)によって硬化可能なもの)が用いられ(硬化可能な成分)、それは例えば後述のものである。 エポキシ系合成樹脂 本発明による多成分合成樹脂接着剤において使用する際に使用可能な、エポキシ系反応性合成樹脂は、エポキシ成分、好適にはグリシジル化合物系のもの、好適には平均グリシジル基官能性が1.5以上のもの、特に2以上のもの(例えば2〜10)であり、これらは任意でさらなるグリシジルエーテルを反応性希釈剤として包含できる。エポキシ成分のエポキシドとは好適には、少なくとも1種の多価アルコール若しくはフェノール(例えばNovolak、ビスフェノールF、若しくはビスフェノールA)のポリ(「ジ−」を含む)グリシジルエーテル、又はこれらのエポキシドの混合物であり、これは例えば、相応する多価アルコールと、エピクロロヒドリンとの反応によって得られるものである。その例はトリメチロールプロパン−トリグリシジルエーテル、Novolak−エポキシ樹脂、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン樹脂、及び/又はビスフェノールF−エピクロロヒドリン樹脂であり、例えば平均分子量が2000以下のものである。エポキシ樹脂は例えば、エポキシド当量が120〜2000、好適には150〜400であり、特に155〜195、例えば165〜185である。注入型合成モルタル系の反応体と添加剤の合計質量の割合は、好適には5〜100質量%未満、特に10〜80質量%、10〜70質量%、又は10〜60質量%である。このようなエポキシ成分2種以上の混合物もまた、可能である。適切なエポキシ樹脂、反応性希釈剤、及び硬化剤はまた、Lee H、及びNeville K著、"Handbook of Epoxy Resins" (New. York: McGraw-Hill), 1982年に見られる(これらの化合物は、ここで引用により本願に組み込むものとする)。 好適には、本発明の全ての実施態様において、使用の際に硬化させるためには、熱及び/又は光(例えば紫外線)を外から供給する必要がない。これはつまり、反応が特に、周辺温度で(例えば−20〜45℃の温度、例えば23℃で)進行し、熱若しくは光を供給する装置や材料によって、さらなる熱又は光線を必要としないということである。 「エポキシ系」とは特に、本発明による合成樹脂接着剤が、これまでに挙げた成分に加えて、さらに別の通常の含有物質(例えば添加剤又はその他の前述若しくは後述の構成成分)を包含することができることを意味する。これらのさらなる含有物質は例えば、合計で最大80質量%、好適には0.01〜65質量%の量で存在し得る。「〜系」と明示的に言及していない場合もまた、このような通常の含有物質が包含されている。 さらなる含有物質の重要な例は、促進剤、非反応性希釈剤、反応性希釈剤、チキソトロープ剤、上記充填材以外のさらなる充填材、及びさらなる添加剤である。 促進剤としては例えば、t−アミン、例えばイミダゾール若しくはt−アミノフェノール、例えば2,4,6−トリメチルアミノメチルフェノール、オルガノホスフィン、又はルイス塩基若しくはルイス酸、例えばリン酸エステル、又はこれら2種以上の混合物が、1成分中に、又は(特に多成分系の場合)又は複数の成分中に、好ましくはそのつど1つの硬化剤成分中に、反応体及び注入型合成モルタル系の添加剤に対して、例えば0.001〜15質量%の質量割合で包含されていてよい。 非反応性希釈剤としては例えば、植物油、例えばひまし油を添加することができ、その割合は例えば3〜60質量%、例えば4〜55質量%である。 チキソトロープ剤としては通常、レオロジー助剤を使用し、それは例えば焼成(特に例えば、表面処理により疎水化された)ケイ酸である。これらは例えば、0.001〜50質量%、例えば0.5〜20質量%の質量割合で添加することができる。 さらなる充填材としては、通常の充填材、特にセメント(例えばポートランドセメント、又はアルミナセメント)、白亜、砂、珪砂、石英粉砕物など、又は他のこれらの混合物が使用され(これらは粉末として、粒状で、又は成形体の形で添加することができる)、ここで充填材はさらに、又は特にシラン化されていてもよい。 さらなる充填材は、1種以上の成分中、例えば本発明による多成分系キットの成分中、例えば相応する二成分系キットの一成分若しくは二成分の成分中に、存在していてよい。さらなる充填材の割合は好適には、0〜90質量%、例えば10〜90質量%である。さらに、又は代替的に、水硬性硬化充填材、例えば石膏、生石灰、又はセメント(例えばアルミナセメント若しくはポートランドセメント)、水ガラス、若しくは他の活性水酸化アルミニウム、又はこれらの2種以上を添加することができる。 さらなる添加剤、例えば可塑剤、非反応性希釈剤、可撓化剤、安定剤、レオロジー助剤、湿潤分散剤、着色助剤、例えば色素、若しくは特に顔料など、又はこれらの2種以上の混合物を、例えば様々な成分を着色するため、これらの成分の完全混合を良好に制御するために、添加することもできる。このようなさらなる添加剤は好適には、合計で0〜90質量%、例えば0〜40質量%という質量割合で添加されていてよい。 エポキシドの定義で挙げた、芳香族基含有エポキシドよりも粘度が低い化合物(例えばトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、若しくはヘキサンジオールジグリシジルエーテル、若しくはグリシジルプロピルメトキシシラン)は、反応性希釈剤として使用することもでき、その質量割合は例えば0.1〜90質量%、例えば0.5〜75質量%、又は1〜40質量%である。 硬化剤は、エポキシ硬化に慣用の化合物(重付加における反応相手)を少なくとも1種包含する。ここで「硬化剤」とは好適には、充填材(特に、本発明による生物由来の充填材)を添加して、又は添加せずに、エポキシ硬化のために慣用の化合物少なくとも1種、及び/又はさらなる添加剤(例えば水、粘調剤)、及び/又はさらなる添加物質(例えば着色剤)などであり、言い換えると、完全な硬化剤成分である。硬化剤は別個の成分として、及び/又は(特に保護された形で、すなわち例えばマイクロカプセル化された形で)、また反応性樹脂調製物において(硬化性成分として、すなわち硬化剤との混合後に、マイクロカプセルのカバーが開いた後に、重合により硬化するものとして)、混入することができる。通常の添加剤を添加することができ、それは例えば充填材(特に先に定義のもの)、及び/又は(特に、ペースト若しくはエマルジョンを製造するための)溶剤、例えばベンジルアルコール、及び/又は水である。 エポキシ硬化に慣用の化合物(付加重合時に反応相手として作用するもの)は特に、アミノ、イミノ、メルカプトから選択される基を2個以上有するもの、例えば相応するアミン(これが好ましい)、チオール、若しくはアミノチオール、又はこれら2種以上の混合物、例えばLee H及びNeville K著、"Handbook of Epoxy Resins" (New. York: McGraw-Hill), 1982年が挙げられ(これについてはここで引用により本願に組み込まれるものとする)、例えば前述のジアミン若しくはポリアミン、及び/又はジチオール若しくはポリチオールである。 本発明の特別な実施態様では、エポキシ硬化のために慣用の化合物は、エポキシ系であるか、又はいずれもゴム変性を有さない。 (一般的に)エポキシ硬化に慣用の化合物には、本発明の実施態様において例えば、以下のものが含まれる: ・ジアミン若しくはポリアミン、例えば特に脂肪族(例えばエチレンジアミン)、脂環式及び芳香族のジアミン若しくはポリアミン、アミドアミン、アミン付加物、ポリエーテルジアミン、又はポリフェニル/ポリメチレンポリアミン、マンニッヒ塩基、ポリアミドなど(ここでマンニッヒ塩基、特にWO 2005/090433で開示されたもの、特に3p最後〜6p第二段落で開示されたもの、例えば例1、又は特に例2で開示されたもの、これらは引用により本願に組み込まれるものとする)単独で、又は1種以上のさらなるジアミン若しくはポリアミンとの混合物で、 ・ジチオール若しくはポリチオール、特に二官能性チオール若しくは多官能性チオール、例えばジメルカプト−α,ω−C1〜C12アルカン、4,4’−ジメルカプトジシクロヘキシルメタン、ジメルカプトジフェニルメタンなど、 ・さらに、脂肪族アミノール、例えば特にヒドロキシ低級アルキルアミン、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、若しくは3−アミノプロパノール、又は芳香族アミノール、例えば2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、若しくは4−アミノフェノール。 エポキシ硬化のために慣用の化合物2種以上の混合物もまた、使用できる、及び/又は包含されていてよい。 エポキシ硬化に慣用の化合物が存在する場合、その量は好適には、反応体と合成樹脂接着剤(例えば注入型合成樹脂系)の硬化すべき材料の添加剤の総質量に対して最大95質量%、好適には2〜70質量%で存在する。 本発明による多成分系合成樹脂接着剤の硬化剤成分に対して、相応する化合物の割合は、本発明の好ましい1つの実施態様において1〜95質量%であり、例えば4〜95質量%、5〜90質量%、又は10〜80質量%である。 本発明による多成分系の硬化剤成分の場合、さらなる添加剤はまた、「硬化剤」の構成要素であってよく、その例は水、有機溶剤(例えばベンジルアルコール)、充填材(例えば上記のもの)、及びさらなる上記添加剤であり、その質量割合は例えば、合計で0.01〜70質量%、例えば1〜40質量%である。 ラジカル硬化性の反応性合成樹脂 ラジカル硬化性の反応性合成樹脂とはまず、ラジカル硬化性の不飽和反応性樹脂系のもの、また別個の成分として存在するラジカル形成性硬化剤である。 好適には、本発明の全ての実施態様において硬化させるためには、使用の際に熱及び/又は光(例えば紫外線)を外から供給する必要がない。これはつまり、反応が特に、周辺温度で(例えば−20〜45℃の温度、例えば23℃で)進行し、熱若しくは光をもたらす装置や材料によって、さらなる熱又は光線を必要としないということである。 ラジカル硬化性の不飽和反応性樹脂とはまず、ラジカルにより硬化する成分(これは例えば硬化剤の添加前に硬化可能なものを含む)として、不飽和(例えばオレフィン性)基を有する有機化合物を包含するか、又は特に、1分子につき不飽和(オレフィン)基を2個以上有するものから成る化合物であると理解されるべきであり、特に、不飽和カルボン酸基を有する硬化可能なエステルを含む。好適には、それぞれプロポキシ化若しくは特にエトキシ化された芳香族のジオール、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、又はNovolakのメタクリレート(特にジメタクリレート)、エポキシ(メタ)アクリレート、特にジエポキシド若しくはポリエポキシド、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、又はNovolakのジグリシジルエーテル及び/又はポリグリシジルエーテルと、不飽和カルボン酸、例えばC2〜C7アルケンカルボン酸、例えば特に(メタ)アクリル酸、ウレタン(メタ)アクリレート、及び/又は尿素(メタ)アクリレート(これには、オリゴマー変性体又はポリマー変性体も含まれる)、及び/又は不飽和ポリエステル樹脂などと反応生成物形態、又はこれらの硬化可能な不飽和有機成分2種以上であり、その質量割合は例えば、0.1〜90質量%、例えば0.5〜75質量%、又は1〜40質量%、又は40〜65質量%である。 本発明の特別な実施態様において存在若しくは使用するエポキシ(メタ)アクリレートの例は、下記式のもの: であるか、又は一般的に下記式のビスフェノールA−ジグリシジルエーテルを製造する際の予備連鎖反応を考慮したもの、 であり、前記式中、nは1以上の数である(様々なnの値を有する多様な分子の混合物が存在し、上記式によって表される場合にはまた、平均値として整数にならない場合もあり得る)。これらはまた、以下で「ビニルエステル」と呼ぶことがある。 本発明の特別な実施態様において存在又は使用するプロポキシ化、若しくは特にエトキシ化された芳香族ジオール、例えばビスフェノールA−(メタ)アクリレート(特にジ(メタ)アクリレート)、ビスフェノールF−(メタ)アクリレート(特にジ(メタ)アクリレート)、又はNovolak−(メタ)アクリレート(特にジ(メタ)アクリレート)の例は、下記式: のものであるか、又は 一般的により高度のエトキシ化度を考慮すると、 であり、ここでa及びbはそれぞれ相互に独立して、0より大きい数であるが、好適には少なくとも一方の値が0より大きく、好適には双方ともに1以上である(様々な(a及びb)の値を有する多様な分子の混合物が存在し、上記式によって表される場合、平均値として整数とならない場合もあり得、別個に考慮された各分子でのみ、それぞれ整数となる)。これらもまた、以下で「ビニルエステル」と呼ぶことがある。 ここでさらなる含有物質の重要な例は、アミン系促進剤、防止剤、非反応性希釈剤、反応性希釈剤、チキソトロープ剤、(先に挙げたものとは異なる、すなわちそれ以外の)充填材、及び/又はさらなる添加剤である。 アミン系促進剤としては、活性が充分に高いものが考慮され、特に(好適には第三級、特にヒドロキシアルキルアミノ基置換された)芳香族アミンであって、エポキシアルキル化されたアニリン、トルイジン、又はキシリジン、例えばエトキシ化されたトルイジン、アニリン、若しくはキシリジン、例えばN,N−ビス(ヒドロキシプロピル若しくはヒドロキシエチル)−トルイジン、若しくはN,N−ビス(ヒドロキシプロピル若しくはヒドロキシエチル)−キシリジン、例えばN,N−ビス(ヒドロキシプロピル若しくはヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)キシリジン、及び極めて特に相応する高級アルコキシ化された工業的生成物から成る群から選択されるものである。このような促進剤は1種以上であり得る。これらの促進剤はその割合(濃度)が、好適には0.05〜10質量%、特に0.1〜5質量%である。 防止剤としては例えば、非フェノール系の(嫌気性)、及び/又はフェノール系防止剤が添加できる。 フェノール系防止剤として考慮されるのは(しばしば市販のラジカル硬化性反応性樹脂の成分として予め混和されているが、存在しなくてもよい)、(アルキル化されていない、又はアルキル化された)ヒドロキノン、例えばヒドロキノン、さらにはモノメチルヒドロキノン、ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、(アルキル化されていない、又はアルキル化された)フェノール、例えば4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、(アルキル化されていない、又はアルキル化された)ブレンツカテキン、例えばt−ブチルブレンツカテキン、3,5−ジ−t−ブチル−1,2−ベンゼンジオール、又は特に4−メトキシフェノール、又はこれら2種以上の混合物である。これらは好適には、割合が最大1質量%、特に0.0001〜0.5質量%であり、例えば0.01〜0.1質量%である。 非フェノール系若しくは嫌気性(すなわち、フェノール系防止剤とは異なり、酸素無しでも作用する)防止剤(特に、硬化時間がほとんど影響を受けないもの)として好適には、フェノチアジン、又は有機ニトロキシラジカルが考慮される。有機ニトロキシラジカルとしては例えば、DE 199 56 509に記載されたもの(特に、ここに記載された化合物は引用により本願に組み込まれるものとする)が添加でき、それは特に、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール(4−OH−TEMPO、又はTEMPOL)である。非フェノール系防止剤の質量割合は好適には、反応性樹脂調製物に対して、1ppm(質量%)〜2質量%の範囲、特に例えば10ppm〜1質量%の範囲である。 非反応性希釈剤としては例えば、植物油、例えばひまし油、若しくはさらにバイオアルコール、及び脂肪酸、及び脂肪酸エステル、又はこれら2種以上の混合物を添加することができ、その割合は例えば3〜60質量%、例えば4〜55質量%である。 チキソトロープ剤としては通常、チキソトロープ剤由来のレオロジー助剤(例えば焼成ケイ酸)を使用することができる。これらは例えば、0.01〜50質量%、例えば0.5〜20質量%の質量割合で添加することができる。 さらなる充填材としては(本発明による粉砕物及び粉末に加えて)、通常の充填材、特にセメント(例えばポートランドセメント、又はアルミナセメント)、白亜、砂、珪砂、石英粉砕物など、又は他のこれらの混合物が使用され(これらは粉末として、粒状で、又は成形体の形で添加することができる)、ここで充填材はさらに、又は特にシラン化されていてよい。充填材は、本発明による多成分系合成樹脂接着剤の1種以上の成分中に、例えば相応する二成分キットの片方若しくは両方の成分中に存在していてよい。充填材の割合は好適には、0〜90質量%、例えば10〜50質量%(ここでアンカー要素を導入する際に破壊されるカバー材料(例えば破砕ガラス、若しくは破砕プラスチック)、例えばケースのガラス破片は、充填材として算入できる)。さらに、又は1種以上の充填材に代えて、水硬性充填材、例えば石膏、生石灰、又はセメント(例えばアルミナセメント、又はポートランドセメント)、水ガラス、若しくは活性水酸化アルミニウム、又はこれら2種以上を添加することができる。 さらなる添加剤、例えば可塑剤、非反応性希釈剤、可撓化剤、安定剤、レオロジー助剤、湿潤分散剤、着色助剤、例えば色素、若しくは特に顔料など、又はこれらの2種以上の混合物は、例えば様々な成分を着色するため、これらの成分の完全混合を良好に制御するために、添加されていてよい。このようなさらなる添加剤は好適には、合計で0〜90質量%、例えば0〜40質量%という質量割合で添加されていてよい。 「反応性希釈剤」としては、例えば好ましいビニルエステルに、1種以上の(低粘度)ラジカル硬化性不飽和反応性希釈剤も添加でき、これはまず、ラジカル硬化性((例えば硬化剤の添加前に)硬化可能なものを含む)成分として、不飽和(例えばオレフィン性)基を有する化合物を有する有機化合物を包含するか、又は特に以下のような化合物から成ると理解されるべきである:例えば、特に(メタ)アクリレートモノマー、若しくは(メタ)アクリルアミドモノマー、例えばアクリル酸及び/又はメタクリル酸、又は好適にはこれらのエステル((メタ)アクリレートと呼ばれる)若しくはアミド、特に(メタ)アクリレート、例えばモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、又はポリ(メタ)アクリレート(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えばヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含む)、(メタ)アクリレート基を1〜10個有するアルキル(メタ)アクリレート、例えばモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサ(メタ)アクリレート、又はポリ(メタ)アクリレート、例えばアルキルジ(メタ)アクリレート若しくはアルキルトリ(メタ)アクリレート、例えば1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート若しくは特に1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ポリグリセリンポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、ビシクロアルキル(メタ)アクリレート、又はヘテロシクリル(メタ)アクリレート(ここでシクロアルキル若しくはビシクロアルキルは、環に炭素原子を5〜7個有し、かつヘテロシクリルは環原子を5個又は6個有し、かつN、O、及びSから選択される環ヘテロ原子を1個又は2個有し、例えばテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、又はイソボルニル(メタ)アクリレート、又はアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート、又はさらにスチロール、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルオール、t−ブチルスチレン、及び/又はジビニルベンゼン;又はこれらの2種以上の混合物、ラジカル硬化性の不飽和反応性樹脂とともに並行して硬化する構成要素として想定されていてよく、その質量割合は、例えば0.1〜90質量%、例えば0.5〜75質量%、又は1〜40質量%である。 硬化剤は少なくとも1種の過酸化物を、本来の開始剤として包含する。ここで「硬化剤」とは好適には、前述の、及び後述する純粋な開始剤、又は粘稠化された開始剤(充填材の添加あり、又は無しで)、及び/又はさらなる充填材、例えば水、粘調剤、及び/又はさらなる添加物質、例えば色素、顔料、添加剤などであり、言い換えると、完全な硬化剤成分である。粘稠化のためには、さらなる添加剤、例えば石膏、白亜、焼成ケイ酸、フタレート、クロロパラフィンなどが添加できる。これに加えてまた、さらなる充填材及び/又は(特に、ペースト又はエマルジョンを製造するための)溶剤(非反応性希釈剤、例えば液状の(例えばエポキシ化された若しくはヒドロキシ基含有)油)、例えばひまし油、又は水、粘稠剤、充填材(例えば上述のもの)、及び上記のさらなる添加剤が添加でき、ここで水は、加水分解性基を包含するシランを縮合させるための硬化剤として使用できる。全ての添加剤の割合は例えば、合計で0.1(特に10)〜99.5質量%、例えば1(特に10)〜99.1質量%であり得る。 硬化剤成分に対して、開始剤(本来の硬化剤)の割合は、本発明の好ましい実施態様において、0.5〜90質量%、特に0.9〜30質量%であり得る。 本発明による反応性樹脂調製物を硬化させるための硬化剤としては、ラジカル重合の場合、例えばラジカル形成性過酸化物、例えば有機過酸化物、例えばジアシルペルオキシド、例えばジベンゾイルペルオキシド、ケトンペルオキシド、例えばメチルエチルケトンペルオキシド、若しくはシクロヘキサノンペルオキシド、又はアルキルペルエステル、例えばt−ブチルペルベンゾエート、無機過酸化物、例えば過硫酸塩若しくは過ホウ酸塩、並びにこれらの混合物が使用できる。 本発明による合成樹脂接着剤における硬化剤の割合は好適には、包装を含まない全ての反応体及び添加剤の重量(質量)に対して、1〜60質量%の範囲、例えば2〜50質量%であり、ここで過酸化物の割合は、同様に属する全ての反応性樹脂調製物の質量に対して(100%)、0.1質量%以上、特に好ましい実施態様では0.1〜1質量%未満であり、さらにまた1〜10質量%であり得る。 ラジカル硬化性の不飽和反応性樹脂(又はその成分の合計量)は例えば、質量割合が5〜99.5質量%、例えば10〜98.5質量%、例えば10〜89.5質量%である。 「〜系」とはここでも、本発明による合成樹脂接着剤が、先に挙げた成分に加えて、さらに別の通常の含有物質(例えば添加剤又はその他の前述若しくは後述の構成成分)を包含することができることを意味する。これらのさらなる含有物質は合わせて例えば、合計で最大80質量%、好適には0.01〜65質量%、存在し得る。「〜系」と明示的に言及していない場合もまた、このような通常の含有物質が包含されている。 孔又は間隙とは、固定された(特に既にそれ自体が完成した)土台(基材)、特に建材又はコンクリート、場合によってはまた亀裂のある基材、例えば亀裂が入ったコンクリートに存在し、かつ少なくとも片側から到達可能な孔又は間隙であると理解されるべきであり、例えば穿孔、又はさらに無機モルタル材料若しくは上塗り材料(例えばセメント若しくは石膏)を用いたモルタル充填の際に残された領域などである。 本発明の特別な態様において、硬化性成分とそれに付随する硬化剤(硬化剤成分)は、相互に別個に二成分系又は多成分系内に保管されており、それからこれらを所望の場所(例えば孔若しくは溝、例えば穿孔内)で相互に混合する。 本発明による注入型合成樹脂系は、多成分系として(例えば複数成分キット)想定されており、またそのままでも使用される。 多成分キットとは特に、二成分又は(さらに)多成分キット(好適には二成分キット)であり、成分(A)は1種以上のラジカル硬化性(ラジカル形成剤(硬化剤)の添加後に硬化する)反応性合成樹脂、又はエポキシ系の反応性合成樹脂1種以上を包含し(前述、及び後述の通り)、それぞれ付随する硬化剤(成分B)は、前述、又は以下で定義する通りであり、ここでさらなる添加剤は、前記成分の片方又は両方に存在していてよく、好適には2チャンバ式、又は多数チャンバ式装置であると理解され、ここで相互に反応性の成分(A)及び(B)、及び任意でさらなる別個の成分が含有されており、これによりこれらの構成成分は、貯蔵の間に(特に硬化しながら)相互に反応することがなく、好適にはこれらの構成成分は適用前に相互に接触しないのだが、これによって成分(A)及び(B)、及び任意でさらなる成分は、所望の箇所で(例えば孔の前又は孔の中)固定するために混合し、必要であれば導入し、これによりそこで硬化反応を起こすことができる。またケース(例えばプラスチック製、セラミック製、又は特にガラス製のもの)も適しており、この中で成分が破壊可能な隔壁又は組み込まれた別個の破壊可能な容器によって相互に別個に配置されており、また相互に接続されたケース(例えばアンプル)、並びに特に多成分又は特に二成分のカートリッジ(同様に特に好ましい)も適しており、これらのチャンバでは、本発明による合成樹脂接着剤の複数の又は好適には2つの成分(特に成分(A)及び(B))が、使用前の保管のために前述及び後述する組成で、含有されており、ここで好適にはスタチックミキサが、相応するキットに付属している。 包装材料(例えばシート、カートリッジ(スタチックミキサも)、又はプラスチックケース)は同様に有利には、生物由来の炭素割合が高い、又は完全に生物由来の炭素割合で実施されていてよく、例えば相応するポリアミド製である。 本発明による合成樹脂接着剤は、所望の箇所で付随する(混合前に反応を阻害する別個の)成分の混合を混合することによって、特に孔のそば、及び/又は孔のすぐ前、又は(例えば特にスタチックミキサを有するカートリッジを用いた場合)孔のすぐ前、及び/又は(特に、相応するケース若しくはアンプルを破壊する場合)孔若しくは間隙の内部、例えば穿孔で使用できる。 「モルタル充填」とは特に、金属製アンカー材(例えばアンダーカットアンカー、ねじ棒、ねじ、穿孔アンカー、ボルト)を、(物質結合及び/又は形状結合により)固定することと理解されるか、又はさらなる別の材料(例えばプラスチック又は木材)製のアンカー材料を、固体の(好適には既にそれ自体で完成している)基材、例えばコンクリート若しくは壁材、特に人工的に得られる建材の構成部材である限り、特に壁材、屋根、壁、床材、プレート、支柱など(例えば、コンクリート、天然石、中実な石材若しくは有孔石材製の壁材、さらにはプラスチック又は木材)、特に孔(例えば穿孔)に固定することと理解される。このアンカー材によって例えば、手すり、被覆要素、例えばプレート、ファサード要素、又は他の構造要素が固定できる。 「2種以上の混合物」と言う場合、これには特に、特に好ましいとして挙げた上記成分少なくとも1種と、別の成分少なくとも1種(特に、同様に好ましい成分として挙げたもの)との混合物が包含される。 「それ自体で完成している」とは特に、あり得る表面変性(例えば被覆、例えば上塗り若しくは塗装)などを除いて、基材が既に完成されており(例えば石材又は壁として)、まず接着剤と同時には作製されないか、又は接着剤から成ることを言う。言い換えれば、この場合接着剤は、それ自体は既に完成した基材ではない。 1種以上のアンカー材の導入は好適には、既に短時間、好適には30分間以下、本発明による固定用モルタルの成分を混合した後に行う。さらに説明すると、アンカー材を固定したい所望の箇所で成分を混合、及び導入することによって、複数の、実質的には並行で、及び/又は時間的に僅かしかずれることなく反応が進行する。最終的な硬化は、その場で行う。 以下の試験系によって(特に、例えば実施例のようにさらに特定する)、接合応力について以下の範囲が見られる:10N/mm2超、例えば10〜100N/mm2、例えば12〜50N/mm2、例えば15〜30N/mm2である。 接合応力は、コンクリート製(C20/C25)アンカーロッドM12の引張試験によって測定され、設置深さは95mm、20℃で60分硬化させた後の穿孔直径は14mmである。 本発明の特別な実施態様はまた、請求項と要約に記載した変法に関し、請求項、及び要約は、ここで引用することによって、本願に組み込まれるものとする。 以下の実施例は、本発明の説明に役立つものであり、本願を何ら限定するものではないものの、同様に本願の実施形態である(ここでまた、上記特定の各成分はそれぞれ、前述及び後述の本発明の対象において一般的な1つ、複数、又は全ての用語の代わりとなってよく、これが本発明の特定の実施態様を規定する)。 略号 ・EOBADMA:エトキシ化されたビスフェノールA−ジメタクリレート ・BDDMA:ブタンジオールジメタクリレート ・t−BBC:t−ブチルブレンツカテキン ・FIS V: FIS V 360 S:ドイツ国Waldachtal在、fischerwerke GmbH & Co. KG 例1:EOBADMA66.67%、及びBDDMA33.33%から成るベース樹脂中に、粉砕物を相当する量で混入し、Brookfield社製の粘度計により23℃で粘度を測定する。20回転/分で約10,000mPasで3アームを、そしてさらに10回転/分で7アームを使用した。
以下の材料を使用した(充填材、商品名、製造元の順): ・オリーブの核粉砕物 Olivenkernmehl M200 Voelklingen在、A+S BioTec社 ・ココナッツの殻粉砕物 Coconit 200 Hamburg在、Mahlwerk Neubauer-Friedrich Geffers GmbH社、 ・植物ペレット Rehofix MK300、Rosenberg在、J. Rettenmaier & Soehne GmbH & Co.社 ・硬質木材粉末、Jeluxyl HaHo 120/f.及びArbocel Type C 750、Rosenberg在、JELU-WERK J. Ehrler GmbH & Co. KG ・セルロース原料、FP、Rosenberg在、J. Rettenmaier & Soehne GmbH & Co.社 ・針葉樹製の木材繊維、Lignocel C120、Rosenberg在、J. Rettenmaier & Soehne GmbH & Co.社。 良好な充填度は粉砕物のみによって達成され、他の充填材は既に、非常に低い充填度で既に消費不能なモルタルにつながってしまうことが明らかである。 機械的な特性 ゲル化時間の測定、並びに圧力試験体と引張試験体の製造は、標準的なモルタル(液状成分であるBDDMA/E2BADMAが76.6%、生物系充填材(上記表における2段目のモルタル)23.4%)を製造し、これにアミン系促進剤を0.7%添加した。 それぞれのモルタル50gを、ジベンゾールペルオキシド含分が5.3質量%である硬化剤9.1gと混合し、試験体を作製した。 引張試験の結果:試験体1BAについてDIN EN ISO 527に従い測定
結果:全ての充填材について、良好〜非常に良好な引張強度が確認され、ここで粉砕物については上記範囲にあるか、又はオリーブ核粉砕物の場合が最も高い。引張強度における伸び率は、粉砕物が最も高かった。 ゲル化時間: 測定のため、モルタル50.0gと硬化剤9.1gを上述のように秤量し、1分間均質化し、それから固定化は23±1℃で測定した。
この結果により、実質的にゲル化時間は同じであることが分かる(従って、阻害作用又は充填材の種類への影響を示すものはない)。 例2:処方例1
このモルタルは、密度が1.58g/ccmであり、23℃での粘度が160Pa*sである(Brookfield社製の7アーム型、10回転/分)。生物性炭素含分は、50.5%である。
この硬化剤は、密度が1.50g/ccmであり、23℃での粘度が120Pa*sである(Brookfield社製の7アーム型、10回転/分)。生物性炭素含分は、88.9%である。 接合応力の測定: バイオポリアミド6.10(生物性炭素58%)製の5:1の同軸カートリッジを、モルタル約390g及び硬化剤約74gで充填する。注入するモルタル(硬化剤成分、すなわち成分B)、及びモルタル成分1(成分Aと併せて)は、生物性炭素含分が56.5%である。 引張値: 接合応力は、コンクリート製(C20/C25)アンカーロッドM12の引張試験によって測定され、設置深さは95mm、20℃で60分硬化させた後の穿孔直径が14mmである。接合応力は、18.6N/mm2である。 処方例2:
このモルタルは、密度が1.56g/ccmであり、23℃での粘度が145Pa*sである(Brookfield社製の7アーム型、10回転/分)。生物性炭素含分は、51%である。 接合応力の測定: バイオポリアミド6.10(生物性炭素58%)製の5:1の同軸カートリッジを、モルタル成分約385g及び硬化剤成分1約74gで充填する。注入するモルタル(硬化剤成分、すなわち成分B)、及びモルタル成分1(例1の成分Aと併せて)は、生物性炭素含分が56.9%である。ここで接合応力は、18.3N/mm2である。 例3:
このモルタルは、密度が1.31g/ccmであり、23℃での粘度が140Pa*sである(Brookfield社製の7アーム型、10回転/分)。生物性炭素含分は、39%である。
この硬化剤は、密度が1.28g/ccmであり、23℃での粘度が160Pa*sである(Brookfield社製の7アーム型、10回転/分)。生物性炭素含分は、38%である。 接合応力の測定: 生物性ポリアミド6.10(生物性炭素58%)製の3:1の同軸カートリッジを、モルタル約393g及び硬化剤約130gで充填する。測定された接合応力は、24.7N/mm2である。 |