Production method and its application of the tannin-rich powder

申请号 JP2002064178 申请日 2002-03-08 公开(公告)号 JP4683258B2 公开(公告)日 2011-05-18
申请人 モナシュ・ユニヴァーシティ; 株式会社ウッドワン; 发明人 ハインツ テオドール ウールヘル ピーター; ジャン フイチェン; ローソン フランク; 祐昌 中本; 啓子 小野; 義和 矢崎; 浩之 矢野; 敏彦 角田;
摘要 The present invention provides a method of producing powder with a high tannin content, the method including pulverizing a tannin-containing plant such as bark of radiata pine (Pinus radiata) and classifying the pulverized material into fine particles having a desired particle size, for example, fine particles having a particle diameter of 100 to 1,000 mu m or less, and powder with a high tannin content produced by such a method. The thus obtained powder with a high tannin content exhibits excellent characteristics when used as an adhesive, a binder, etc. for wood materials.
权利要求
  • 乾燥した、ラジアータ松の少なくとも外皮を有する樹皮を、 先ず分取する粒子より大きい粒径である、粒径1.6mm以下に粉砕し、得られた粉砕物を分級して該粉砕のときに生じた63μm以下の微細粒子を分取することからなる、該樹皮そのもののタンニン含有率よりも高含有率のタンニン高含有粉末を製造する方法。
  • 乾燥した、アカシアマンギュウムの少なくとも外皮を有する樹皮を先ず分取する粒子より大きい粒径である、粒径0.5mm以下に粉砕し、得られた粉砕物を分級して該粉砕のときに生じた63μm以下の微細粒子を分取することからなる、該樹皮そのもののタンニン含有率よりも高含有率のタンニン高含有粉末を製造する方法。
  • 請求項 1又は2に記載した製造方法により得られたタンニン高含有粉末。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、天然のタンニン含有植物資源から木質材の接着剤等に使用できるタンニン高含有粉末を製造する方法及び該製法によって得られるタンニン高含有粉末粉末に関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    植物中には種々の成分が含まれているが、、水性溶媒、低級アルコール等の溶媒で抽出すると接着剤や結合剤、医薬品等として使用できる通常タンニンと呼ばれている物質が得られることは知られている。
    タンニンを接着剤や結合剤、成形物の原料として利用する場合、タンニン含有量の多い植物資源、例えばマングローブ、アカシア、ラジアータ松、松、カラ松、ケブラコ、ユーカリ、カシ、ツガなどの樹皮や木部を適当な粒子サイズに粉砕し、水や水系溶媒あるいは低級アルコール等の有機溶媒でタンニンを抽出して濾別し、そのタンニン濾液を濃縮して高濃度タンニン溶液として利用したり、またはこれを乾燥して粉末タンニンとして利用している。
    【0003】
    タンニンを効率良く抽出するためには、抽出溶媒が被抽出物である植物資源中に十分にかつ速やかに浸透するようになるべく小さい粒子に粉砕することが有利である。 しかし、樹皮等の植物資源の種類に応じて、粉砕後の粒子サイズ分布は異なるが、抽出後の濾過工程において、例えば、タンニン溶液の濾過に適している孔径20〜60μmのフィルターを用いると、フィルターの目詰まりを生じて効果的な濾過が出来ないという問題を生じさせる微細な微粒子粉末が多量に生じるというものがある。
    従来は、この粉砕後の微細粒子を除去して抽出を行っていたが、単に除去するだけでは原料損失が大きく、また廃棄したとき環境汚染を生じるという問題もあった。
    【0004】
    【発明が解決しようとする課題】
    このような粉砕後の微細粒子画分を有効に利用することが本発明の大きな目的である。
    【0005】
    【課題を解決するための手段】
    本発明者らは、従来のタンニン抽出に適する粒度に植物資源を粉砕したときに生じる上記微細粒子を有効利用するために、この微細粒子を従来法に従ってメタノールでタンニンを抽出し、そのタンニン純度(抽出物中に含まれるアルデヒドと反応するタンニンの割合)を調べたところ、微細粒子からのメタノール抽出物は収率が高く、しかもそのタンニン純度も非常に高いことがわかった。
    したがって、この粉砕されて、分級された微細粒子の粉末画分を、抽出を行わずに接着剤の主剤として糊液を調製し、試験を実施したところ、従来のタンニン接着剤と同等あるいは同等以上の接着を得ることができた。
    【0006】
    さらに、この機械的に粉砕されて、分級された微細粒子の粉末画分を従来のタンニンに増量剤(フィラー)や増強剤等として添加して接着剤を調製しても、従来のタンニン接着剤と同等あるいは同等以上の接着力を得ることができた。
    同様に合成フェノール樹脂接着剤にフィラーや増強剤等として添加した場合もフェノール樹脂接着剤の接着力や耐水性の向上が認められた。
    【0007】
    【発明の実施の形態】
    本発明は、特に限定されることなく種々のタンニン含有植物資源に適用できる。 したがって植物資源として、従来よりタンニンの抽出に用いられている植物が好ましく、さらに接着剤、結合剤、成形物等として利用できる特性を有する微細粉末画分を得るためには、タンニンを多量に含有するマングローブ、アカシア、ラジアータ松、松、カラ松、ユーカリ、カシ、ツガ及びケブラコの樹皮や木部などが望ましく、特に樹皮が資源の利用及び得られるタンニン高含有粉末の観点で好ましい。
    【0008】
    植物資源の粉砕に際しては、タンニン高含有植物資源、例えば森林資源の場合は、樹皮などをそのまま又は適当な含水率に調整したのち、ハンマーミル、ワイリーミル、ボールミル、ローラミルあるいは高速回転粉砕機などで1mm以下の粒子サイズに粉砕したり、または繊維状に解繊して使用する。
    粉砕は、特に限定されないが、好ましくは粉砕時に高温にならない方法で、しかも短時間に行うとよい。
    【0009】
    1mm以下に粉砕された植物資源は、分級装置へフィードされ、回転ドラムスクリーンやシーブシェーカーのような篩い分け装置や重力分級、慣性力分級あるいは遠心力分級のような乾式分級装置で10〜1000μm、好ましくは100μm以下、より好ましくは50〜80μm以下の微細粒子粉末に分級する。
    分級は、特には限定されないが、好ましくは分級時には、短時間にしかも高温にならない方法で、主に粒子サイズで機械的に分級できる方法で行うとよい。
    さらに植物資源の種類や粉砕後の形状に応じて、タンニン高含有粒子サイズの画分が異なるため、分級の粒子サイズも特には限定されないが、接着剤や結合剤、成形物等にそのまま利用される微細粉末の粒子サイズは、好ましくは100μm以下、更に好ましくは60〜70μm以下がよい。 100〜1000μmの画分はタンニンを抽出する工程へ使用してもよい。
    分級後の粒子は、その後の用途に応じて更に粉砕してもよい。
    【0010】
    本発明によって得られるタンニン高含有微細粉末をメタノール抽出すると、その抽出物中のアルデヒドと反応するタンニン含量(純度)は、タンニンがすべてカテキンであると仮定して、カテキン100%(重量:以下同じ)を標品とした場合のアルデヒドとの反応沈殿物の生成理論値が106.8%に対して、80%以上、好ましくは90%以上のものである。
    接着剤及び結合剤として利用される際にタンニン高含有微細粉末と水溶液との混液は、塗布装置のエクストルーダーあるいはフローコーターにおける塗布適性粘度である6,000mPa・s以下であることが望ましく、かつフェノール樹脂同等の接着強度が得られる固形分35〜45%の溶液が適している。 本発明によって得られるタンニン高含有微細粉末で調製した接着剤は塗布性に加えて、加工性良好で、試験木片についての接着強度も高く木部破断も観察される。 また、本発明によって得られるタンニン高含有微細粉末をタンニン接着剤や他の樹脂、例えば合成ホルムアルデヒド系樹脂へ添加してもよく、タンニンあるいは合成樹脂:タンニン高含有粉末=1:99〜99:1の範囲で配合できる。
    【0011】
    本発明の方法によって得られる微細粒子が、タンニン高含量である理由についてその詳細は不明であるが、植物資源のタンニンが高含量である部分は他の部分よりも粉砕されやすいものと推測される。 それ故、通常のタンニン抽出作業において、抽出後の濾過に適する大きさに粉砕するときに生じる微細粒子分を使用してもよく、また、ラジアータパインの樹皮の外皮ように、含有量を測定してあらかじめタンニン高含有量部分であることがわかっている部分を粉砕して使用してもよい。
    【0012】
    【実施例】
    以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 殊に、ここではラジアータ松とアカシアマンギウム樹皮を外皮と内皮とに分けて、このなかでタンニンを多く含む外皮についての実験例を説明しているが、樹皮を外皮と内皮に分けないで樹皮をそのまま粉砕し、所定の粒度に分級してタンニン高含有樹皮微細粉末を得ることもできる。 なお、以下の実施例において、特記しない限り、%及び部は重量%、重量部を示す。
    【0013】
    実施例1
    タンニンを含有する植物資源としては、木材加工工程で大量に廃棄排出されるラジアータ松の樹皮を用いて、特願2001−101823に示す方法によりコルク質でタンニン含有量の多い外皮と繊維質でタンニン含有量の少ない内皮に分離する。 分離されたラジアータ松外皮を、含水量20%以下に乾燥した後、ハンマーミルで1.6mmスクリーンをパスするように粉砕した。 1.6mm以下に粉砕した外皮粉末を、38、45、53、63、75、90及び106μmの7つの篩(Endecotts BS410)を設置したシブシェーカー(Fisher-Wheeler Sieve Shaker )で8つの粒子サイズ画分に分級した。
    【0014】
    上記7種類の篩で得られた8つの粒子サイズ画分をメタノールで15分間抽出してタンニン−メタノール抽出液を得た。 この抽出液からメタノールを蒸発させてタンニン濃縮液を得、該濃縮液を凍結乾燥によってタンニン粉末を得る。 このメタノール抽出による抽出物(タンニン粉末)の樹皮全乾重量に対する収率及びそのタンニン純度を表1に示す。 表1からわかるように、分級収率の高い画分は106μm以上と53〜63μmであり、さらにメタノール抽出物収率が高い画分は63μm以下であった。 また、タンニン純度が最も高いのは、53〜63μmの外皮粉末画分であった。 この63μm以下の微細粉末は、従来のタンニン抽出において孔径20〜60μmのフィルターで濾過を行う際に、目詰まりを起こす原因となる。
    【0015】

    【0016】


    得られた53〜63μmサイズの外皮粉末が40%になるように水を加えてスラリーを調整し、この樹皮粉末100部に対して、水酸化ナトリウム0.5部、パラホルムアルデヒド10部の割合で配合して接着剤(ラジアータ松外皮粉末接着剤)を調製した。 この接着剤の配合例及び糊液粘度を表2に示す。


    63μmより大きいサイズの外皮粉末からはメタノール抽出してタンニン−メタノール抽出液を得、得られたタンニン−メタノール抽出液からメタノールを蒸発させ、さらに凍結乾燥してタンニン粉末を得た。 このタンニン粉末を用いて同様に表2による配合でタンニン接着剤(ラジアータ松外皮タンニン接着剤)を得た。


    表2からわかるように53−63μmサイズの外皮粉末による接着剤は、ヤシ殻粉、小麦粉またはマカデミアナッツ殻粉の様な増量剤を添加しなくても、従来のタンニン接着剤の粘度と同等であり、エクストルーダーやフローコーターなどの塗布装置による適性粘度500〜6,000mPa・sの範囲にあることがわかった。

    なお、表中「部」は「重量部」を示す。


    【0017】


    【0018】


    表2により配合した各接着剤の常態及び煮沸接着力試験結果を表3に示す。 表3からわかるように、常態及び煮沸条件下において接着力及び木部破断率ともに従来のタンニン接着剤またはフェノール樹脂接着剤と同等ないしそれ以上の接着力を示した。


    接着力試験は、日本農林規格(JAS)に従って行った。 試験片としてラジアータ松ロータリー単板を使用し、塗布量150〜200g/m

    2で接着剤を塗布し、冷圧0.8MPaで5分間、熱圧では140℃、1.0MPaで7分間圧締して接着した。 接着したまま(常態)と水による煮沸を72時間行ったもの(煮沸)について各試験片10個について行いその平均値を示した。


    なお、表3中の接着力試験の欄において、上の行の数値は接着力(kgf/cm

    2 )を示し、下の行の括弧内の数値は木部破断率(%)を示す(以下の表において同じ)。


    【0019】


    【0020】


    実施例2


    実施例1で得られたラジアータ松外皮のタンニン高含有画分53−63μm粉末を、樹皮をメタノール抽出して得られたタンニン粉末あるいは市販のフェノール樹脂と配合して接着剤を調製し、その接着力を試験した。 接着剤の配合例及び固形分40%における接着剤糊液配合後の粘度を表4に示す。


    表4からわかるように、外皮粉末を使用した糊液は塗布可能な粘度を示している。


    さらに表4により配合した接着剤の常態及び煮沸接着力試験結果を表5に示す。 表5からわかるように、常態及び煮沸条件下において接着力及び木部破断率ともに従来のタンニン接着剤またはフェノール樹脂接着剤と同等ないしそれ以上の接着力を示した。


    【0021】


    【0022】


    【0023】


    実施例3


    植物資源には、アカシア樹皮を用いて、タンニン含有量の多い外皮とタンニン含有量の少ない内皮に分離する。 分離したアカシア外皮を、40℃で10〜15%含水率量に乾燥したのち、ワイリーミルで0.5mmスクリーンを用いて粉砕した。 これによって粉砕されたアカシア外皮の粉末を63、125、250、500μmの篩を設置したシーブシェーカーに投入し適当な時間分級した。


    上記4種類の篩で得られた5つの粒度画分をメタノールで30℃の温浴下で1時間抽出してタンニン−メタノール抽出液を得る。 この抽出液からメタノールを蒸発させて、少量の水を添加後、凍結乾燥によってタンニン粉末を得る。 このメタノール抽出による抽出物(タンニン粉末)の樹皮全乾重量に対する収率及び純度を表6に示す。


    表6からわかるように、従来のタンニン抽出において孔径20〜60μmのフィルターで濾過を行う際に、目詰まりを起こす原因となる63μm以下の樹皮粒度画分がメタノールによるタンニン収率及び純度が高いことがわかる。


    【0024】


    【0025】


    さらに得られた63μm以下の樹脂粉末の固形分が40%になるようにスラリーを調整し、この外皮粉末を100部として、水酸化ナトリウム0.9部、パラホルムアルデヒド10部を加え接着剤とした。 接着剤の配合例及び糊液粘度を表7に示す。


    63μm以上の外皮粉末から、メタノール抽出してタンニン−メタノール抽出液を得る。 得られたタンニン−メタノール抽出液からメタノールを蒸発させて、さらに少量の水分添加後、凍結乾燥してタンニン粉末を得た。 同様に表7による配合でタンニン接着剤を得た。


    表7からわかるように粒度63μm以下の外皮粉末による接着剤は、ヤシ殻粉または小麦粉の増量剤を添加しなくても、従来のタンニン接着剤の粘度と同等であり、エクストルーダーやフローコーターなどの塗布装置による適性粘度500〜6,000mPa・sの範囲にあることがわかった。


    【0026】


    【0027】


    表7により配合した接着剤の常態、温水及び煮沸接着力試験結果を表8に示す。 接着力試験は、JISK6851に従って行った。 表8からわかるように、樹皮粉末接着剤は、常態、温水及び煮沸条件下において接着力及び木部破断率ともに従来のアカシアタンニン接着剤またはフェノール樹脂接着剤と同等ないしそれ以上の接着力を示した。


    【0028】


    【0029】


    実施例4


    植物資源には、アカシア樹皮を用いて、タンニン含有量の多い外皮とタンニン含有量の少ない内皮に分離する。 分離したアカシア外皮を、40℃で10〜15%含水率量に乾燥したのち、ワイリーミルで0.5mmスクリーンを用いて粉砕した。 これによって粉砕されたアカシア外皮粉末のうち、63μmの篩を通過したものを用いて、成形物を製造した。 アカシア外皮粉末5gに0.5gのパラホルムアルデヒドを加え、よく混合した後、直径50mmの円筒状金型に入れ、圧締圧力100MPa、温度160℃で30分間圧締し、厚さ約2mmの成形物を得た。 得られた成形物の密度は、約1.4g/cm3であった。


    成形物から、幅10mm、長さ40mmのサンプルを作製し、中央集中荷重方式で曲げ強度特性を求めた。 曲げヤング率、曲げ強度は、それぞれ4〜5GPa、40〜50mPaであった。 この曲げ強度特性は、外皮粉末に対し木粉(粒径:63μm以下)を30%加えることで、30〜40%増大した。 また、外皮粉末成形物の1時間の煮沸による吸水率および厚さ膨潤率は、それぞれ3〜4%および4〜5%であった。 耐水性は、比較として作製した木粉を50%含むノボラックタイプのフェノール樹脂成形物の値とほぼ等しく、アカシア外皮粉末成形物は、優れた耐水性を有していることがわかった。


    【0030】


    実施例5


    ホルムアルデヒドキャッチ効果を測定した。


    市販フェノール樹脂接着剤を用い、添加剤として本発明によるラジアータ松外皮粉末(53〜63μm)あるいは従来のマカデミアナッツ穀粉を加えてそれぞれ接着剤糊液を調製し、ラジアータ松単板4.0m/m厚を用いて5plyの合板を作製した。 接着剤の配合条件を表9に示す。


    作製した合板から切り出した各試験材で、JASに従ってホルムアルデヒド放散量を測定し比較した。 その結果、本発明のラジアータ松外皮粉末を添加した接着剤で積層した合板(開発品)の試験材は、ホルムアルデヒドの放散量が極めて少なく、JASの規定でFCO(0.5mg/l)以下を大きくクリヤーした。


    各試験材の結果を表9に示す。 表中、従来品はナッツ殻を加えた接着剤で積層した合板を示す。


    【0031】


    【0032】


    【発明の効果】


    本発明は、タンニンを含有する植物資源を粉砕し、ある粒度以下の微細粒子を分級するだけでタンニン高含有物を得ることができ、得られたタンニン高含有粉末はそのタンニン含有量によって異なるが、従来のタンニン粉末と同様に、接着剤、結合剤等として使用でき、又それ自体で成形物を得ることもできるので、従来のタンニンの製造方法のような抽出、濃縮、乾燥等の工程も不要であるなどの種々の利点を有する。

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