【0001】 【発明の分野】 本発明はキノイド加硫剤(quinoid curing agents)の配合(compounding)に関する。 更に特定的には、本発明は加硫剤を有機極性溶媒中に予備溶解し、その後ドライゴムブレンド(dry rubber blend)内に加硫剤を混合及び沈殿させることに関する。 得られるブレンドは種々の用途のための「A」成分(“A”component)である。 好ましい用途は釘(nails)のような道路破片(road debris)から生じるパンク(punctures)をシールするためのチューブレスニューマチックタイヤのためのシーラント(sealant)である。 【0002】 【発明の背景】 ニューマチックタイヤのためのシーラント組成物に関する多くの特許があるが、3つの特許:米国特許第4,116,895号、第4,426,468号及び第4,616,048号はこの分野に関する基本的情報を与える。 シーラント組成物のためのしばしば使用される加硫剤(curative)は、一般にキノイドと架橋活性化剤を含んでなるキノイド型系である。 キノイド及びそれらの活性化剤は米国特許第4,426,468号(′468、5欄、28行乃至6欄、5行)に記載されている。 米国特許第4,616,048号(′048)には、′468特許の架橋活性化剤は共加硫剤「B」(cocuring agent “B”)として記載されており、そして随意の(optional)極性溶媒促進剤の概念が導入されている(5欄、33行乃至6欄、8行)。 ′468特許は5欄28〜29行においてキノイド加硫系はニトロソ基を介した架橋に依存することを説明している。 【0003】 米国特許第4,116,895号(′895)の6欄、4〜13行において、著者は架橋の量があまりにも低ければ高温でのシール性能は効果がなく、あまりにも高い架橋密度もまたシーラントが機能するのを妨げることを説明している。 【0004】 ′468特許、2欄、32行乃至3欄、18行において、著者は、タイヤシーラントが3つの性質:引張強さ、伸び及び架橋密度の最適化から利益を得ることを説明している。 ′468特許の実施例は、3つの性質をタイヤシーラント性能の種々の面といかに相関させうるかを説明する。 ′468特許においては、キノイドはシクロヘキサノン中に希釈され、次いで約50重量%固体でヘキサン中に予備混合されているブチルゴム及びピコタック成分(Piccotac component)に加えられる。 【0005】 ′048特許はキノイドの均一な微細なディスパージョンをもたらす、ゴム組成物中にキノイド加硫剤を分散させる方法を教示している。 ′048特許の実施例(7欄、49行乃至8欄、20行)において、キノイドはテトラヒドロフラン中の界面活性剤を伴う5重量%溶液として構成され、次いでこれはヘキサンに予備溶解させたゴムの大部分と混合される。 これは、溶媒中のゴムの混合期間中溶解した溶液としてのキノイドの添加が微細なディスパージョンとしてのキノイド加硫剤の沈殿を生じさせるという詳細な説明(4欄、31行乃至5欄6行)と合致している。 5欄、39〜42行は、キノイドの溶媒がキノイドのための合理的に良好な溶媒でなければならないのみならずそれはゴムセメント中のマスターバッチ溶媒と相容性でなければならないことを特定している。 ′048特許の表IIは、「溶液法」が「慣用の混合」により製造されるサンプルに対してサンプルの最大トルクを増加させ、そして最大トルクに到達する時間を減少させることを示している。 これらの結果は、キノイドが微細に分散させれらるとき加硫剤としてより有効であることを示唆する。 表IIAにおいて、「溶液法」はより低い膨潤比(swell ratios)及びより高い溶媒透明性をもたらし、これはより有効な且つ均一な架橋と関係がある。 表IIIBにおいて、「溶液法」は高められた溶媒透明性及びより少ないミクロゲルを生じさせ、これはより均一な架橋を示す。 【0006】 【発明の要約】 従って、本発明の観点は、ゴムを溶解するのに非極性有機溶媒の使用を排除する、ゴム組成物中にキノイド加硫剤を分散させる改良された方法を提供することである。 非極性有機溶媒の排除は最終製品から非極性有機溶媒を除去するという費用のかかる段階を排除する。 更に、この改良された方法は、単一の極性有機溶媒のみを使用しそして回収するが、米国特許第4,616,048号の方法は分離及び再循環が困難な極性溶媒及び非極性溶媒のブレンドを回収している。 【0007】 本発明の他の観点は上記のとおりゴム組成物中にキノイド加硫剤を分散させ、それにより均一な微細な分布が得られることである。 【0008】 本発明の更なる観点は、上記のとおりゴム組成物中にキノイド加硫剤を分散させ、それにより最大シーリング有効性のために必須の粘着性、弾性、コンプライアンス及び凝集強度(cohesive strength)を包含する性質の釣り合った組み合わせを達成することである。 【0009】 本発明のこれらの観点及び他の観点は本発明を詳細に説明する下記の記述から明らかになるであろう。 【0010】 一般に、シーラント組成物のためのキノイド加硫剤を溶液配合する方法は、 (a)少なくとも1種のキノイド加硫剤を可溶化有機極性溶媒に加え、そして溶液を形成し、(b)該キノイド加硫剤溶液をゴムブレンドに加え、そして該加硫剤を該ブレンド中に混合及び沈殿させて混合物を形成し、それにより該加硫剤の均一な微細なディスパージョンを形成し、そして(c)該混合物から該有機極性溶媒を除去して、該分散したキノイド加硫剤の数平均粒度(number average particle size)が10ミクロンより小さくそして該キノイド加硫剤が加えられるとき該ゴムブレンドが10重量%未満の非極性溶媒を含む、ドライシーラント成分を形成する段階を含んでなる。 【0011】 【発明の詳細な記述】 本発明に従えば、キノイド加硫剤は、ゴム組成物、特に典型的には「A」成分と呼ばれるゴム混合物中に容易に且つ均一に分散させられる。 この方法は先行技術に対する改良である。 何故ならばそれはゴムの粘度を減少させるのに以前に使用された非極性有機溶媒の使用なしに小さなキノイド粒子の均一なディスパージョンを達成するからである。 更に、本発明は、典型的には「B」成分における過酸化物共加硫剤の使用にも関する。 A及びB成分の添加は、約15℃〜約150℃の温度で容易に加硫しそしてその後架橋密度が、たとえ空気及び/又は高められた温度にさらされるとしても、有意に増減しない組成物をもたらす。 【0012】 本発明のゴム又はシーラントゴムコンパウンドは一般に少なくとも1種の高分子量エラストマー並びに少なくとも1種の液体エラストマー型粘着付与剤を含有する。 典型的には、本発明で利用することができる高分子量エラストマーは、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、ポリブタジエン、部分水素化ポリブタジエン、ブチルゴム、ハロブチルゴム、例えばクロロ−又はブロモブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンコポリマー、スチレンブタジエンコポリマー、天然ゴム、又はシスポリイソプレン等を包含する。 種々の他の慣用の高分子量ゴムを使用することができるが、上記エラストマーの2種又はそれより多くの混合物も使用することができる。 該高分子量エラストマーの数平均分子量は少なくとも約50,000であり、そして望ましくは少なくとも約100,000である。 エラストマー及びゴムという用語は、本明細書では互換的に使用されるであろう。 これは、ゴム100重量部を基準として他の成分を特定する(phr)場合に特に当てはまる。 【0013】 本発明で利用される粘着付与剤は相対的に低分子量のゴム状ポリマー、例えば、約500〜約5,000の数平均分子量を有しそしてしばしば室温で(即ち約20℃〜約25℃)で液体であるゴム状ポリマーである。 これらは高分子量エラストマーとともにゴムと考えられるであろう。 【0014】 エチレン−プロピレンコポリマー(EP)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、ポリブタジエン(PBD)、水素化PBD、ブチルゴム(BR)、ポリプロピレン(例えばアタクチック)、アクリロニトリルブタジエンコポリマー(ANB)、スチレン−ブタジエンコポリマー(SBR)、合成ポリテルペン、熱可塑性オレフィン、水素化ロジンのペンタエリトリトールエステル、水素化ロジンのトリエチレングリコールエステル、ビニルトルエンコポリマー、アルキル芳香族化合物、クマリン−インデン、解重合された天然ゴム(DPR)及びポリブテンを包含する多くの構造型の液体形態の低分子量ポリマーが有用である。 ポリブテンはそれらのコスト、入手可能性及び性質のため特に有用である。 このようなポリブテンは好ましくは約1000を越える数平均分子量を有する。 その理由はこれは隣接するタイヤ部品への移行の可能性を最小にするという効果を有するからである。 それは好ましくはイソブチレンに富んだ流れを金属ハロゲン化物触媒で重合することにより製造され、そして好ましくはポリイソブチレンに似たポリマー主鎖構造を有する。 極めて好適なポリブテンはAmocoから商標インドポール(Indopol)、例えばインドポールH−300及びインドポールH−1900の下に入手可能である。 製造者はこれらのインドポールはイソブチレンに似たポリマー主鎖構造を有しそしてインドポールH−300及びインドポールH−1900はそれぞれ210°Fで(ASTM D−445)約625〜675から約4069〜4382センチストークの範囲の粘度を有することを示している。 同じ材料の数平均分子量(Mn)は蒸気圧浸透圧法により決定してそれぞれ約1290〜約2300である。 上記の商業的に入手可能な粘着付与剤の外に、Herculesにより製造されるピコタック(Piccotac)B BHTの如き脂肪族型の粘着付与剤も利用することができる。 【0015】 一般に、本発明のシーラントゴムコンパウンドの約55〜約90重量%は粘着付与剤であり、約65又は75%〜約90%が好ましい。 従って高分子量ゴムコンパウンドの量は約10重量%〜約45重量%であり、約10%〜約25又は35%が好ましい。 該重量は高分子量ゴム及び低分子量ゴムの全重量を基準としている。 【0016】 この方法において、高分子量エラストマー及び低分子量ポリマーは、キノイド加硫剤の溶液が加えられる前に非極性溶媒中に予備溶解される必要はない。 従って、クレームはキノイド加硫剤が加えられるとき、10、5、1又は0.1重量%より少ない非極性溶媒がゴムブレンド中に存在している状況に限定される。 非極性有機溶媒という用語は普通に使用されそして良く理解された用語であるが、本願の目的には、それは4〜30個の炭素原子の線状、分岐状及び環状アルカン又はアルケン、ナフテン系化合物を包含する6〜20個の炭素原子の芳香族化合物及び特定された化合物と同様な溶解度パラメーターの他の非極性炭化水素化合物を包含する。 【0017】 キノイド加硫剤は一般にいかなる適当なキノンジオキシム化合物も包含する。 キノイド剤の量は、一般に以下に記載するとおり、全ドライ成分(ドライシーラント成分又は成分A)100重量部当たり約0.1〜約5.0重量部の量で利用される。 望ましい量は該ドライシーラント成分100部当たり0.2〜約2.0重量部であり、好ましい量はドライシーラント成分100部当たり0.3〜約1.0重量部である。 適当なキノイド化合物は、p−キノンジオキシム、p−キノンジオキシムジアセテート、p−キノンジオキシムジカプロエート、p−キノンジオキシムジラウレート、p−キノンジオキシムジステアレート、p−キノンジオキシムジクロトネート、p−キノンジオキシムジナフテネート、p−キノンジオキシムスクシネート、p−キノンジオキシムアジペート、p−キノンジオキシムジフロエート(difuroate)、p−キノンジオキシムジベンゾエート、p−キノンジオキシムジ(o−クロロベンゾエート)、p−キノンジオキシムジ(p−クロロベンゾエート)、p−キノンジオキシムジ(p−ビトロベンゾエート)、p−キノンジオキシムジ(m−ビトロベンゾエート)、p−キノンジオキシムジ(3,5−ジニトロベンゾエート)、p−キノンジオキシムジ(p−メトキシベンゾエート)、p−キノンジオキシムジ(n−アミルオキシベンゾエート)、p−キノンジオキシムジ(m−ブロモベンゾエート)、p−キノンジオキシムジ−(フェニルアセテート)、p−キノンジオキシムジシンナメート、p−キノンジオキシムジ−(N−フェニルカルバメート)、キノンジオキシムのビスエトキシメチルエーテル、キノンジオキシムのモノ亜鉛塩、キノンジオキシムのジ亜鉛塩、キノンジオキシムの塩化亜鉛複塩、キノンジオキシムのモノ水銀塩、キノンジオキシムのジ水銀塩、キノンジオキシムの塩化水銀(II)複塩、キノンジオキシムのモノ−塩化バリウム複塩、キノンジオキシムのモノ−銅(II)塩、キノンジオキシムのモノ−鉛塩、キノンジオキシムのモノ−バリウム塩、キノンジオキシムのモノ−マグネシウム塩、キノンジオキシムのモノ−カルシウム塩、p−キノンジオキシムの銀塩、1,4−ナフトキノンジオキシム、クロロメチルキノンジオキシム、2,6−ジメチル1,4−キノンジオキシム、2−フェニル−1,4−キノンジオキシム、チモキノンジオキシム、2−クロロ−p−キノンジオキシム、チモキノンジオキシムジベンゾエート、チモキノンジオキシムジアセテート、p−キノンジオキシムホスホクロリド等及びそれらの混合物を包含する。 好ましいキノイド化合物はp−ベンゾキノンジオキシムである。 【0018】 シーラント組成物のドライ成分は製造の一部としての蒸発により除去される極性有機溶媒以外の成分「A」のすべてを含んでなる。 望ましくは、ドライ成分はドライ成分の全重量を基準として5重量%未満の全溶媒(極性及び非極性)、好ましくは1重量%未満を含む。 【0019】 本発明のシーラント組成物の製造は一般に下記のとおりである。 最初に、混合されたゴムマスターバッチを製造する。 シーラントは一般にEPDMの如き高分子量エラストマー及び或る量の種々の低分子量粘着付与剤を含む。 シーラントは通常は強化剤、例えばカーボンブラック又は下記するとおりの他の適当な作用物質(agents)も含有する。 シーラントは望ましくはシグマブレード混練押出機(sigma blade kneader extruder)、ブラベンダープラストグラフ、他の押出機(例えば、二軸スクリュー)等の如き高剪断ミキサーにおいて混合される。 【0020】 更に十分に以下に説明されるとおり有機極性溶媒に溶解されているキノイド加硫剤を通常僅かな熱で、撹拌下にそして場合により真空下でミキサーに加えて、キノイドをゴム中に非常に微細な粒子として分散及び沈殿させる。 上記の材料の混合物を一般にゴム混合物又はブレンドと呼ぶ。 次いでゴムブレンドを、加熱すること及び/又はそれに真空をかけることにより以下に更に十分に記載されるとおり脱溶媒させて(desolventized)揮発性極性溶媒を除去する。 脱溶媒された溶液を一般に「ドライシーラント成分」又は成分「A」と呼ぶ。 ドライシーラント成分は必要とされるまでいかなる適当な方法でも貯蔵することができる。 【0021】 本発明に従えば、キノイド化合物はゴム又はゴムマスターバッチに加えられる前に適当な有機極性溶媒[可溶化溶媒(solubilizing solvent)]に溶解される。 可溶化溶媒の量はキノイド化合物がそれに可溶性であるような量である。 一般に、キノイドの量は飽和溶液までであるが飽和溶液より少なく、そして通常有機極性溶媒の(即ち該溶媒100重量部を基準として)10重量%まで、そして一般に1%以上である。 溶媒はキノイド加硫剤を合理的な濃度に容易に溶解しなければならない。 場合により、溶解しないいかなるキノイド化合物もろ過の如き方法により除去することができる。 適当なキノイド可溶化溶媒の例はシクロヘキサノン、フラン、ジオキサン、ジオキソラン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO);ジメチルホルムアミド、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、及びテトラヒドロフラン等を包含する。 好ましい溶媒はテトラヒドロフランである。 これらの溶媒の大部分は揮発性であり、それによりそれらは熱及び/又は真空によって除去する(stripped off)ことができる。 【0022】 有機極性溶媒中に可溶化されたキノイド加硫剤は、次いで上記したマスターバッチブレンドに投入される(charged)か又は添加されて好ましくは高剪断混合又は撹拌下にゴムブレンドを形成する。 キノイド溶液の添加は、キノイドの非常に微細なディスパージョンを混合期間中にゴム混合物中に沈殿させるような方法で行われる。 沈殿したキノイド加硫剤は15ミクロンより小さい、望ましくは10ミクロンより小さい、好ましくは5ミクロンより小さい数平均粒度(number average particle size)を有するべきである。 可溶化されたキノイドは、その均一な又は均質な分布が得られるように、ゴムと完全に混合されることが重要である。 ゴムへのキノイドの添加の方法は、沈殿したキノイドを更なるキノイド溶液の添加部位から遠ざかるように迅速に輸送して、ゴムへのキノイドの添加期間中にキノイド結晶のサイズが認められる程に成長しないようにすることが望ましい。 1つの有効な方法は、ゴムの高剪断点付近で活発に混合されたゴムに微細な噴霧又は流れとしてキノイド溶液を加えることである。 ゴムセメントに可溶化されたキノイド加硫剤を加えるのにいかなる数の方法も利用することができるけれども、使用されるべき混合装置に従ってキノイド溶液の添加の速度に関して、キノイド化合物の早すぎる沈殿を回避するように注意するべきである。 一般に、混合は約20℃〜約135又は150℃の温度、好ましくは約25℃〜約100又は135℃の温度で行われる。 【0023】 更に、ゴムブレンドを製造するのに利用することができる他の成分は種々の強化剤を包含する。 適当な作用物質はカーボンブラックの如き微細に分割されたカーボンを包含する。 他の適当な強化剤は酸化亜鉛、水酸化アルミニウム(aluminum hydrate)、リトポン、白亜、クレー、水和シリカ、ケイ酸カルシウム、シリコアルミネート(silicoaluminates)、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムを包含する。 このような強化剤の量は該ドライシーラント成分100重量部当たり約0.1〜約50重量部、望ましくは約1〜約20重量部である。 【0024】 他の望ましい成分は界面活性剤である。 界面活性剤はそれらがゴムに加えられる前にキノイド及び極性有機溶媒溶液とブレンドされることが好ましいが必要ではない。 界面活性剤は小さなキノイド粒子の成長を安定化させると考えられる。 一般に、レシチンの如き適当ないかなる界面活性剤も利用することができる。 界面活性剤の量は該ドライシーラント成分の全重量を基準として0.001〜約2重量%である。 他の界面活性剤は慣用のアニオン性及び非イオン性界面活性剤、例えば種々のカルボン酸塩、例えば普通のセッケン(common soap);ナフテネート;種々の硫酸エステル、例えばアルキルサルフエート、硫酸化オイル;種々のエーテルサルフェート、例えばナトリウムポリエチレンオキシドサルフェート;種々のスルホネート、例えばアルキル及びアルキル−アリールスルホネート;種々のホスフェート及びホスホネート、例えばアルキルホスフェート及びアルキルホスホネート;種々のエーテル;種々のエステル;及び種々のアミドを包含する。 【0025】 「B」共加硫剤成分又は過酸化物成分は一般に下記の如くして製造される。 加硫剤を「A」ブレンドに加えて後、キノイド加硫系は熱及び早すぎる架橋に対してより鋭敏である。 下記するとおり所望の過酸化物は、それらが室温で固体であるならば、通常15ミクロン未満、望ましくは10ミクロン未満、好ましくは5ミクロン未満の数平均粒度を有する。 このような微細な粒子過酸化物を容器に加える。 上記した如く、低分子量粘着付与剤も加えられそして一般に種々の成分の担体として働く。 粘着付与剤の量は一般に該「B」成分の全重量を基準として約20重量部〜約50重量部の範囲にある。 【0026】 「B」成分に加えることができる他の随意の成分は、「B」成分100重量部当たり約0.0又は0.1〜約20重量部、望ましくは約0.5〜約15重量部の量で利用されることができる極性溶媒促進剤である。 あるいはこれらは「A」成分に加えるか又は「A」成分中に存在させることができる。 本発明においては、過酸化物加硫化合物は「B」成分に加える前に極性溶媒促進剤中に予備分散させるか又はそれに順次に又は一緒に加えることが好ましい。 適当な極性溶媒促進剤は水、第一級、第二級及び第三級アルコール及びポリオール、例えば1〜12個の炭素原子を含む脂肪族、環状脂肪族及び芳香族アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、n−オクタノール、n−ヘプタノール、n−ヘキサノール、イソオクタノール、2,2−ジメチル−ヘキサン−6−オール、t−アミルアルコール、4−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ブタンジオール、プロピレングリコール及びエチレングリコール;ケトン、例えばエチルメチルケトン及びシクロヘキサノン;アルデヒド、例えばベンズアルデヒド、アセトアルデヒド及びプロピオンアルデヒド;エーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン及びジエチルエーテル;アルキル及び芳香族ニトリル、例えばプロピオニトリル及びベンゾニトリル;酸、例えばリン酸、酢酸及びプロピオン酸;水性塩基、例えばNaOH;及びエステル、例えばジメチルスクシネート及びジエチルスクシネートを包含する。 二極性非プロトン性化合物、例えばジアルキルホルムアミド、ジアルキルアセトアミド及びジアルキルスルホキシド、例えばジメチルスルホキシドもまた有用である。 これらの促進剤の混合物を利用することができる。 上記極性促進剤は粘度を調整する働きをすることもできる。 成分「B」が「A」成分と容易に混合されるような粘度を成分Bが有するように、種々の化合物が十分な量の粘着付与剤と一緒に混合される。 【0027】 「A」成分と「B」成分の混合物は、これらの化合物が一旦一緒に混合されるとそれらはその後間もなく最終製品に適用されるという要件の下で任意の適当な混合装置で達成されるA及びB成分を混合した後の適用時間は典型的には約25〜約130℃の温度で0.1〜30分、更に望ましくは0.1〜10分、好ましくは0.1〜5分である。 一般に、押出機は、シーラント組成物が混合されそして非常に短い期間にニューマチックタイヤの内側部分に直接適用されるように利用される。 【0028】 ここで「B」成分に関して言及すると、それは有機過酸化物共加硫剤を含有する。 有機過酸化物の非排他的リストは、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシピバレート、過酸化2,4−ジクロロ−ベンゾイル、過酸化デカノイル、過酸化プロピオニル、ヒドロキシヘプチルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)、過安息香酸t−ブチル、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、3,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイル−ペルオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド、p−メンタンヒドロ−ペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ラウロイル、過安息香酸t−アミル又はそれらの混合物を包含する。 好ましい有機過酸化物は過酸化ベンゾイル及び過安息香酸t−ブチルである。 2種又はそれより多くの上記過酸化物の混合物を使用することもできる。 他の有用な過酸化物加硫剤が当業者に知られている。 【0029】 取り扱いにおける安全及び便利さの理由で不活性充填剤担体上に過酸化物共加硫剤を支持することが通常望ましい。 上記した過酸化物加硫剤のための固体支持体として利用することができる典型的な材料はトウモロコシデンプン、コムギデンプンベース、クレー及び無機リン酸塩ベース、例えばリン酸カルシウムを包含し、このような材料は極めて微細な粒度であるべきであるる本発明で利用することができる典型的な商業的に入手可能な支持された過酸化物は、コムギデンプンベース上に支持された約33%の過酸化ベンゾイルを含有する、Penwalt Chemicalsからのルペルコ(LUPERCO)AA、及び無機リン酸塩ベース上に支持された約35%の過酸化ベンゾイルであるPenwalt Chemicalsからのルペルコ(LUPERCO)ACPを包含する。 当業者には周知のとおり、上記した過酸化物の如き過酸化物は、それらが純粋であろうと、不活性充填剤上に支持されていようと、ポリマーと組み合わされていようと、最大の注意を払って取り扱うべきである。 過酸化物が分解するか又は激しく反応する傾向は、それらを使用する際に注意と熟練の訓練を必要とし、そして熟練した職人はそれらを使用する前にそれらの性質に完全に習熟するであろう。 【0030】 利用される過酸化物のモル基準での量は一般にキノイド加硫剤より多い。 かくして、キノイド加硫剤1モル当たり過酸化物化合物0.5〜約10.0モル、好ましくは約1.0〜約5.0モルが利用される。 かくして、全シーラント組成物100重量部当たり過酸化物約0.05〜約10重量部、更に望ましくは約0.1〜約8重量部、好ましくは約0.3〜約5重量部が利用される。 シーラントは、本発明の配合方法に従って製造される場合には、一般に有効なシーリング性能に必須の物理的性質とレオロジー的性質の必要とされる釣り合いを達成するという利点を有する。 更に、加硫剤及び共加硫剤は均一に且つ効果的に分散させられるので、利用されるそれらの全体の量を減少させることができ、その結果より低いシーラントコスト及び優れた老化安定性が得られる。 他の利点は、製品の再現性が均一で一貫性がある結果、シーラントをタイヤに適用する際により高いプロセス制御が得られるということである。 タイヤの外に、シーラント材料はコーキングコンパウンド、屋根ふき接着剤(roofing adhesive)及びコンタクト接着剤に利用することができる。 【0031】 タイヤへのシーラント材料の適用は、例えばブラッシング、押出コーティング等の如きいかなる慣用の方法でも行うことができる。 セメント噴霧は溶媒蒸気により生じる問題及び危険により利用されないのが望ましい。 タイヤ又は他の物品に適用されるとシーラントは加硫することができる。 加硫は周囲の温度即ち約15℃から約125又は150℃で行うことができ、約60℃〜約100、135又は150℃が好ましい。 【0032】 本発明は下記の実施例を参照するとより良く理解されるであろう。 【0033】 【実施例】 下記の実施例はこの開示の方法がヘキサン又は他の非極性溶媒を使用することなく米国特許第4,616,048号のシーラント製造方法と同等な性質を有するシーラントを形成することができることを説明する。 米国特許第4,616,048号はヘキサン及びテトラヒドロフランを使用することなく得られるシーラントの性質も説明している。 ヘキサンは米国特許第4,616,048号においては必要な成分であった。 【0034】 実施例1 本発明に従う部分Aの製造 シグマブレードを備えた5Lの混練押出機(kneader−extruder)(MXE−6,Jaygo Inc.)に、EPDM(Royalene)0.546kgを108℃で加えた。 混合を20分間続け、その時間にわたり温度は130℃に上昇しそしてEPDMは1つの塊になった。 次いでカーボンブラック(N326)0.18kgを導入した。 30分後、粉末がミキサー中に残っておりそして低分子量インドポール(Indpol)H300(ポリ(イソブチレン)、Mn=1290、粘度=210°Fで627〜675センチストーク(ASTM D−4451))0.395kgを加えた。 これを130℃で30分間ブレンドしそして追加の0.395kgのインドポールH−300を加えた。 混合を75分間続けそして0.885kgのインドポールH−1900(ポリ(イソブチレン)、Mn=2300、粘度=210°Fで4069〜4382センチストーク(ASTM D−445))を導入した。 次いで、混練押出機に追加の0.885kgのインドポールH−1900を加えた。 75分後、ミキサー温度は50℃に調節された。 テトラヒドロフラン0.450kgに溶解したベンゾキノンジオキシム0.0175kg、ピコタックB−BHT0.192kg及びレシチン0.0175kgの溶液をワットマン定性媒体急速ろ紙(Whatman Qualitative medium fast filter paper)を通してろ過しそして窒素パージ下にミキサーに加えてドライアイストラップにガス抜きした(venting)。 ろ過は粒度を最適化する(非可溶性粒子を排除する)ためであり、そして追加のベンゾキノンジオキシムを加えて非可溶性部分を置き換えた。 テトラヒドロフランを25分にわたり除去した。 次いでミキサーを110℃に加熱しそしてバッチを0.25インチのダイを通して押し出した。 【0035】 実施例2 EPDM/カーボンブラックマスターバッチの製造 シグマブレードを備えた300gブラベンダーにEPDM(Royalene)225.68を加えた。 混合を60rpm及び110℃で開始した。 30秒後、カーボンブラック(N326)を加えた。 混合を温度が170℃に達したとき総計5分間続けた。 次いで生成物をブラベンダーから取り出した。 【0036】 実施例3 EPDM/カーボンブラックマスターバッチを使用する部分Aの製造 シグマブレードを備えた5Lの混練押出機(MXE−6、Jaygo Inc)にEPDM/カーボンブラックマスターバッチ(実施例2からの)0.726kgを94℃で加えそして130℃に加熱した。 10分後、0.395kgの低分子量インドポールH−300を加えた。 これを130℃で30分間ブレンドし、そして追加の0.395kgのインドポールH−300を加えた。 混合を110分続け、そして0.885kgのインドポールH−1900を導入した。 次いで混練押出機に追加の0.885kgのインドポールH−1900を加えた。 40分後、ピコタックB−BHT0.192kgを加えそして25分間ブレンドした。 次いでミキサー温度を50℃に調節した。 テトラヒドロフラン0.450kg中に溶解したベンゾキノンジオキシム0.0175kg及びレシチン0.0175kgの溶液をワットマン紙を通してろ過し(不溶性キノイドを可溶性キノイドで置き換える)、そして窒素パージ下にミキサーに加えてドライアイストラップにガス抜きした。 テトラヒドロフランを40分にわたって除去した。 次いでミキサーを110℃に加熱しそしてバッチを0.25インチのダイを通して押し出した。 【0037】 実施例4 H−300中のカーボンブラックのディスパージョンを有する部分Aの製造 シグマブレードを備えた5Lの混練押出機(MXE−6、Jaygo Inc)にEPDM(Royalene)0.546kgを113℃で加えた。 混合を30分間続け、その時間にわたって温度を130℃に上昇させそしてEPDMは1つの塊になった。 次いでH−300(0.97kg)中に分散したカーボンブラック(N326)を導入した。 205分後、1.77kgのインドポールH−1900を加えた。 これを130℃で55分間ブレンドし、そしてピコタックB−BHT0.92kgを導入した。 5分後、ミキサー温度を50℃に調節した。 25分後、テトラヒドロフラン0.450kg中に溶解したベンゾキノンジオキシム0.0175kg及びレシチン0.0175kgの溶液を前記の如くしてワットマン紙を通してろ過し、そして窒素パージ下にミキサーに加えてドライアイストラップにガス抜きした。 テトラヒテトラヒドロフランを30分にわたり除去した。 次いでミキサーを30分間110℃に加熱し、そしてバッチを0.25インチのダイを通して押し出した。 【0038】 実施例5 本発明に従う固体ペレットとして加えられた部分A−ピコタックB−BHTの製造 シグマブレードを備えた5Lの混練押出機(MXE−6、Jaygo Inc)にEPDM(Royalene)0.546kgを80℃で加えた。 混合を25分間続け、その時間にわたって温度を130℃に上昇させそしてEPDMは1つの塊になった。 次いでカーボンブラック(N326)0.18kgを導入した。 30分後、粉末がミキサー中に残っており、そして0.79kgの低分子量インドポールH−300を加えた。 混合を45分間続け、そしてピコタックB−BHT0.29kgを導入した。 10分後、1.77kgのインドポールH−1900を加えた。 次いでレシチン0.0175kgを加えそして温度を50℃に調節した。 25分後、テトラヒドロフラン0.360kg中に溶解したベンゾキノンジオキシム0.0175kgの溶液を前記の如くしてろ過し、そして窒素パージ下にミキサーに加えてドライアイストラップにガス抜きした。 テトラヒドロフランを60分にわたって除去した。 次いでミキサーを110℃に30分間加熱しそしてバッチを0.25インチのダイを通して押し出した。 【0039】 実施例6 部分Aの製造−溶液合成 部分Aを米国特許第4,616,048号(7欄、53行〜8欄4行及び更に特定的には表I、B欄の処方)に記載の如くして製造した。 【0040】 実施例7 タイヤシーラントの加硫 60rpm及び65℃で操作するプラベンダープラスチコーダーに、40.5gの実施例1を加えた。 3分後、トルクを測定しそして米国特許第4,616,048号(8欄5〜10行及び表IB欄)に記載の方法により製造された部分B4.5gを加えた。 部分Bはオクタノール11.1重量%、過安息香酸t−ブチル10.8重量%、H300、28.7重量%、及びルペルコAA(コムギデンプン上の過酸化ベンゾイル33重量%である)49.3重量%を含有していた。 部分Bの量は部分A及び部分Bの合わせた重量を基準として10重量であった。 混合を最大トルクが達成されるまで続けた。 最小、最大及びトルク上昇を表Iに報告する。 次いでサンプルを室温に冷却させそしてそのサンプル1gを室温でシクロヘキサノン中で72時間膨潤させた。 それは膨潤した状態で重量を計った。 次いでサンプルを真空オーブン中で110℃で一定重量になるまで乾燥した。 膨潤した重量対乾燥重量の割合を表IIにおいて膨潤比(Swell Ratio)として記録した。 「A」成分中のベンゾキノンジオキシム粒子の数平均サイズを表IIIに報告する。 【0041】 実施例8〜11 タイヤシーラントの加硫 実施例1の材料を実施例3、4、5及び6の材料で置き換えて実施例7の方法を行ってそれぞれ実施例8〜11を発生させた。 【0042】 【表1】
【0043】 【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
表Iは実施例7〜10における非極性溶媒の排除によりヘキサンを含むことに帰される費用なしに匹敵する程度の加硫が得られることを示す。
【0046】
表IIは抽出可能物の量はヘキサンにより又はヘキサンなしで制御されうることを示す。
【0047】
表IIIは高分子量エラストマーを溶解するのにヘキサンを使用しない方法で非常に小さい数平均粒度が達成されることを示す。 実施例番号11は、その実施例のベンゾキノンジオキシム溶液がろ過されなかったことにより大きな粒度のベンゾキノンジオキシムを有していたのかも知れない。
【0048】
特許法規に従って最善の様式及び好ましい態様が記載されているが、本発明の範囲はそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲により限定される。
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