Surface finish and / or joining method

申请号 JP2007556196 申请日 2006-02-08 公开(公告)号 JP2008532736A 公开(公告)日 2008-08-21
申请人 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー; 发明人 サルニコブ,ドミトリー; エー. ジョージ,クレイトン;
摘要 ポリマー複合物品を表面仕上げし、かつ/または物品と被着体(例えば、第2ポリマー複合物品)を接合する(例えば、結合によって、または同時硬化によって)方法であって、(a)硬化または硬化性ポリマー複合物品を提供する工程と、(b)(1)少なくとも1種類の熱硬化性樹脂と、(2)少なくとも1種類のエラストマーを含有する、少なくとも1種類の、予め形成された、実質的に非官能性の粒状改質剤と、を含む硬化性組成物を提供する工程と、(c)物品の少なくとも1つの表面の少なくとも一部に、組成物を直接または間接的に塗布する工程と、を含む方法。
权利要求
  • (a)硬化または硬化性ポリマー複合物品を提供する工程と、
    (b)(1)少なくとも1種類の熱硬化性樹脂と、
    (2)少なくとも1種類のエラストマーを含む、少なくとも1種類の、予め形成された、実質的に非官能性の粒状改質剤と、
    を含む硬化性組成物を提供する工程と、
    (c)前記物品の少なくとも1つの表面の少なくとも一部に前記組成物を直接または間接的に塗布する工程と、
    を含む、方法。
  • 前記物品が、硬化ポリマー複合物品である、請求項1に記載の方法。
  • 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、およびその混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  • 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である、請求項3に記載の方法。
  • 前記改質剤が、コア・シェル型ポリマー改質剤である、請求項1に記載の方法。
  • 前記コア・シェル型ポリマー改質剤が、ポリアクリレートシェルおよび合成ゴムコアを有する、請求項5に記載の方法。
  • 前記改質剤が、微粒子の形態である、請求項1に記載の方法。
  • 前記改質剤が、前記硬化性組成物の全重量を基準にして、濃度約2〜約30重量%で前記硬化性組成物中に含有される、請求項1に記載の方法。
  • 前記方法が、前記組成物が前記物品と前記被着体との間に挟まれるように、少なくとも1つの被着体の少なくとも1つの表面の少なくとも一部と前記組成物とを接触させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記被着体が、ポリマー複合物品、保護物品、塗装交換システム、および避雷システムのうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
  • 前記塗装交換システムが塗装交換アップリケを含み、かつ前記避雷システムが避雷アップリケを含む、請求項10に記載の方法。
  • 前記方法が、前記組成物を少なくとも部分的に硬化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記方法が、前記組成物を少なくとも部分的に硬化することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  • 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、かつ前記改質剤がコア・シェル型ポリマー改質剤である、請求項1に記載の方法。
  • (a)ポリマー複合物品および被着体のうちの少なくとも1つに硬化性組成物の未硬化材料を塗布する工程であって、前記硬化性組成物が、
    (1)少なくとも1種類の熱硬化性樹脂と、
    (2)少なくとも1種類のエラストマーを含む、少なくとも1種類の、予め形成された、実質的に非官能性の粒状改質剤と、
    を含む工程と、
    (b)前記物品と前記被着体との間に前記硬化性組成物の前記未硬化材料を挟む工程と、
    (c)前記組成物を硬化して、前記物品と前記被着体との接合を形成する工程と、
    を含む方法。
  • (a)硬化または硬化性ポリマー複合物品と、
    (b)(1)少なくとも1種類の熱硬化性樹脂と、
    (2)少なくとも1種類のエラストマーを含む、少なくとも1種類の、予め形成された、実質的に非官能性の粒状改質剤と、
    を含む、硬化または硬化性組成物と、
    を含む構造であって、前記組成物が、前記物品の少なくとも1つの表面の少なくとも一部と接触している、構造。
  • 前記物品が、硬化ポリマー複合物品である、請求項16に記載の構造。
  • 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂、およびその混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の構造。
  • 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である、請求項18に記載の構造。
  • 前記改質剤が、コア・シェル型ポリマー改質剤である、請求項16に記載の構造。
  • 前記コア・シェル型ポリマー改質剤が、ポリアクリレートシェルおよび合成ゴムコアを有する、請求項20に記載の構造。
  • 前記改質剤が、微粒子の形態である、請求項16に記載の構造。
  • 前記改質剤が、前記組成物の全重量を基準にして、濃度約2〜約30重量%で前記硬化または硬化性組成物中に含有される、請求項16に記載の構造。
  • 前記組成物が、少なくとも部分的に硬化される、請求項16に記載の構造。
  • 前記構造が、前記硬化組成物を含む少なくとも1つの接合によって前記物品に接合される、少なくとも1つの被着体をさらに含む接合構造である、請求項16に記載の構造。
  • 前記被着体が、ポリマー複合物品、保護物品、塗装交換システム、および避雷システムのうちの少なくとも1つを含む、請求項25に記載の構造。
  • 前記塗装交換システムが塗装交換アップリケを含み、かつ前記避雷システムが避雷アップリケを含む、請求項26に記載の構造。
  • 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、かつ前記改質剤がコア・シェル型ポリマー改質剤である、請求項16に記載の構造。
  • 说明书全文

    本発明は、ポリマー複合物品を表面仕上げする方法、およびかかる物品と様々な基材を接合する(例えば、結合によって、または同時硬化によって)方法に関する。 他の態様において、本発明は、表面仕上げ構造およびそれによって作製された接合構造にも関する。

    車両、コンピューターケース、建築物、器具等の組立てでの使用を含む多くの構造用途において接着剤が使用されている。 例えば、溶接、ナット、ボルト、およびリベットなどの従来の接合技術の代わりに、またはそれらを補って、車両の組立て(例えば、自動車および航空機の組立て)には構造用接着剤が使用されている。

    エポキシ樹脂は、硬化剤と反応して高性能硬化樹脂を生成するモノマーまたはプレポリマーである。 硬化樹脂は、多くの望ましい化学的および物理的特性(例えば、耐熱性、耐薬品性、接着保持(adhesion retention)、低収縮、耐摩耗性、および高絶縁耐力)を示し、電気絶縁の保護コーティングとして、複合マトリックス樹脂として、および構造用接着剤として広く使用されている(例えば、建築および電子技術産業において)。

    しばしば、硬化エポキシ樹脂は、比較的高い温度で丈夫であるように、比較的高いガラス転移温度(T g )を有することが望ましい。 ガラス転移温度を高める一般的な方法は、高度の架橋を導入することによる方法であった。

    高架橋密度を有する硬化樹脂には欠点がある。 例えば、かかる樹脂は一般に、非常に脆い(つまり、あまり靭性または延性ではない)。 したがって、脆性を低減し、靱性を高めるために、種々の樹脂不溶性改質剤を組み込むことが必要であるか、または望ましい場合が多かった(それによって、耐衝撃性、ならびに振動および疲労荷重から生じる破損に対する耐性が高められる)。

    脆性の問題を有することに加えて、硬化樹脂は時に、望ましくない吸湿性を示し(特に、高濃度の極性基を用いた場合に)、その結果、構造用接着剤の性能が低下する。

    このように、本発明者らは、例えば、車両組立て産業などの種々の産業の変化する要望を満たすために、より高性能の接着剤が引き続き必要とされていると認識している。 特に、航空機産業におけるポリマー複合部品の接合については、本発明者らは、結合前のかなりの湿度の存在下でさえ、高性能の接合を提供することができる接合方法が必要とされていると認識している。

    簡潔には、一態様において、本発明は、ポリマー複合物品を表面仕上げし(例えば、表面の欠陥を低減または解消し、より塗装可能な表面を提供するために)、かつ/または物品と被着体(例えば、第2ポリマー複合物品)を接合する(例えば、結合によって、または同時硬化によって)方法を提供する。 この方法は、
    (a)硬化または硬化性ポリマー複合物品を提供する工程と、
    (b)(1)少なくとも1種類の熱硬化性樹脂と、
    (2)少なくとも1種類のエラストマーを含む、少なくとも1種類の、予め形成された実質的に非官能性の粒状改質剤と、
    を含む硬化性組成物を提供する工程と、
    (c)物品の少なくとも1つの表面(好ましくは、複合材表面)の少なくとも一部に組成物を直接または間接的に塗布する工程と、
    を含む。

    好ましくは、物品は、硬化ポリマー複合物品であり、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であり、かつ/または改質剤は、コア・シェル型ポリマーである。 この方法は好ましくは、組成物が物品と被着体との間に挟まれるように、少なくとも1つの被着体の少なくとも1つの表面の少なくとも一部を組成物と接触させること、および/または組成物を少なくとも部分的に硬化させることをさらに含む。

    特定の種類の粒状改質剤を含有する熱硬化性組成物を表面仕上げ材料として使用し、かつ/またはポリマー複合部品と種々の被着体(例えば、他の硬化または硬化性ポリマー複合部品を含む)との高性能の接合を形成することができることが発見されている。 意外なことに、かかる組成物は、結合前の湿度の負の作用(例えば、表面仕上げまたは接合の時点での物品の含率の負の作用を含む)に耐える能力を示す。

    かかる負の作用としては、凝集強さの低減(例えば、ガラス転移温度(T g )の低下による)、硬化速度の低下、および/または靱性の低減(例えば、モフォロジーの変化による)が挙げられる。 航空宇宙産業で通常使用される構造用接着剤に対して、この組成物は、結合前にコンディショニング(例えば、乾燥)する必要なく、著しく向上した性能特性の保持を示す。

    したがって、本発明の方法の少なくとも一部の実施形態は、結合前のかなりの湿度の存在下でさえ、高性能の接合を提供することができる接合方法の当技術分野での上記の要求を満たす。 かかる接合を提供する能力によって、確実かつ一貫した部品製造が可能となり、航空機の組立てにおいて、費用がかかる予備形成部品(および部品組立て領域)の制限的な温度および湿度制御を行う必要が低減される。

    他の態様において、本発明は、
    (a)硬化または硬化性ポリマー複合物品と;
    (b)(1)少なくとも1種類の熱硬化性樹脂と、
    (2)少なくとも1種類のエラストマーを含む、少なくとも1種類の、予備形成された、実質的に非官能性の粒状改質剤と、
    を含む硬化または硬化性組成物と;
    を含む、表面仕上げまたは接合構造であって、その組成物が、物品の少なくとも1つの表面(好ましくは、複合材表面)の少なくとも一部と接触している、表面仕上げまたは接合構造も提供する。 好ましくは、その構造は、硬化組成物を含む少なくとも1つの接合によって物品に接合された、少なくとも1つの被着体をさらに含む接合構造である。

    定義 本出願で使用される:
    「硬化」とは、重合を起こし、かつ/または架橋を起こすこと(例えば、密度、粘度、モジュラス、色、pH、屈折率、または他の物理的特性または化学的特性の変化によって証明される)を意味し;
    「同時硬化」とは(硬化性組成物を使用することによる、ポリマー複合物品と被着体の接合に関して)、硬化性組成物の少なくとも部分的な硬化と、物品および/または被着体の少なくとも部分的な硬化とを同時に起こすことを意味し;
    「結合」とは(硬化性組成物を使用することによる、ポリマー複合物品と被着体の接合に関して)、同時硬化以外の技術による接合を意味し;
    「硬化(した)」とは、樹脂がその意図される目的のために機能することが可能となるように、熱硬化性樹脂の十分な数の主な重合性または架橋性官能基(例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基)が化学反応によって消費されることを意味し;
    「予備形成(された)」とは(熱硬化性樹脂を含む硬化性組成物の成分としての粒状改質剤に関して)、硬化中および硬化後にその分離性(discreteness)を実質的に維持する個々の粒子としての熱硬化性樹脂の硬化を開始する前に形成されたことを意味し;
    「実質的に非官能性」とは(熱硬化性樹脂を含む硬化性組成物の成分としての粒状改質剤に関して)、熱硬化性樹脂との(1)接触および(2)化学反応の両方が可能である官能基を本質的に保持しないことを意味する。

    ポリマー複合物品 ポリマー複合物品(時に、複合部品とも呼ばれる)は公知であり、有機樹脂マトリックス(例えば、硬化してガラス状網状構造ポリマーを形成することができる熱硬化性樹脂を含む)に埋め込まれた強化用繊維(例えば、炭素またはガラス)を含む物品が挙げられる。 ポリマー複合物品は、硬化性(つまり、未硬化または部分硬化)樹脂含浸繊維または織物の1つまたは複数の層(かかる単一層または多層構造は「プレプレグ」と呼ばれる)のように単純であるか、あるいは、金属または非金属ハニカムコアおよびプレプレグまたは硬化プレプレグを含むサンドイッチ構造のように複雑である。 構造的用途で一般に使用される物品としては、フラップ、アリロン(aliron)、レードーム、水平安定板または垂直安定板、翼、および航空機の他の部分を作製するために使用される、複合材ストリンガー、複合材スキン等が挙げられる。

    複合物品の製造に使用される適切な熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、硬化性イミド樹脂(特に、マレイミド樹脂であるが、例えば、市販のK−3ポリイミド(デュポン社(duPont)から市販)およびアセチレン、ジアセチレン、フェニルエチニル、ノルボルネン、ナドイミド、またはベンゾシクロブタンなどの反応性末端基を有するポリイミドも含む)、ビニルエステル樹脂およびアクリル樹脂(例えば、ポリオールの(メタ)アクリル酸エステルまたはアミド、エポキシド、アミン)、ビスベンゾシクロブタン樹脂、シアン酸エステル樹脂、フェノール樹脂(ニトリルフェノール樹脂を含む)等、およびその混合物が挙げられる。 樹脂は、モノマーまたはプレポリマーの形で使用することができる。 熱可塑性樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリ(エーテル−エーテル−ケトン)(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、等、およびその混合物)も使用することができる。

    好ましい樹脂としては、熱硬化性樹脂(さらに好ましくは、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂等、およびその混合物)が挙げられる。 その加工性、耐熱性および耐環境性から、エポキシ樹脂が最も好ましい。

    複合物品の製造に使用される適切な強化用繊維(好ましくは、強化用連続繊維)としては、有機繊維および無機繊維の両方(例えば、炭素またはグラファイト繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ホウ素繊維、炭化ケイ素繊維、セルロース繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維等、およびその組み合わせ)が挙げられる。 費用、物理的性質、および加工性を考慮すると、炭素、ガラス、またはポリアミドの繊維が好ましい。 かかる繊維は、例えば、個々の連続繊維の一方向配列、織物、編物、ヤーン、ロービング、編組構造、または不織マットの形をとり得る。 一般に、組成物は、構造的用途の要求に応じて、例えば、繊維を約30〜約80(好ましくは、約45〜約70)体積%含有し得る。

    有用な繊維含有樹脂組成物はさらに、硬化剤、硬化促進剤、触媒、架橋剤、染料、難燃剤、顔料、耐衝撃性改良剤(例えば、ゴムまたは熱可塑性樹脂)、流れ調整剤等、およびその混合物などの添加剤を含むことができる。

    複合物品は、例えば、樹脂のトランスファー成形、フィラメントの巻取り、トウの配置、樹脂注入プロセス、および従来のプレプレグプロセスなどの様々な従来のプロセスによって製造することができる。 プレプレグは、繊維の配列(または織物)を樹脂で(または揮発性有機液体中の樹脂のブレンドまたは溶液で)含浸し、次いで含浸されたテープまたは織物を積重ねることによって製造することができる。 次いで、圧力をかけるか、または真空にし(またはどちらも)、閉じ込められた空気を除去すると共に熱を加えることによって、得られたプレプレグを硬化させる。

    航空宇宙産業および自動車産業の複合部品を製造するために広く使用されている樹脂トランスファー成形プロセスによって、複合部品も製造することができる。 このプロセスでは、最初に繊維を予備形成物に成形し、次いでそれを金型で最終部品形状に圧縮する。 次いで、樹脂を金型にポンプ注入し、熱硬化させる。 樹脂粘度が低いことによって、かかる樹脂が、予備形成物の歪みなく、短時間で圧縮予備形成物を通って流れることができる点から、このプロセスは容易になる。

    フィラメント巻取りプロセスは一般に、円形または楕円形断面形状を有するシリンダーまたは他の複合材を製造するために使用される。 このプロセスにおいて、樹脂浴(好ましくは、低粘度樹脂を含有する)にトウを通し、含浸されたトウを直ぐにマンドレルに巻き付けることによって、トウ繊維またはトウの配列を樹脂で含浸することができる。 次いで、得られた複合材を熱硬化させる。

    引抜成形プロセス(一定断面の部品を製造するために使用される連続プロセス)を使用して、複合材を製造することもできる。 かかるプロセスでは、連続繊維の大きな配列を最初に、樹脂浴(好ましくは、低粘度樹脂を含有する)に浸す。 加熱ダイを通して、得られた湿潤アレイを引き抜き、閉じ込められた空気を搾り出し、樹脂を硬化させる。

    硬化性組成物(1)熱硬化性樹脂 本発明の方法の硬化性組成物の製造に使用するのに適している樹脂としては、熱硬化性樹脂が挙げられる。 かかる樹脂を熱または放射線にさらすことによって硬化させ、ガラス状網状構造ポリマーを形成することができる。 適切な樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、硬化性イミド樹脂(特に、マレイミド樹脂であるが、例えば、市販のK−3ポリイミド(デュポン社(duPont)から市販)およびアセチレン、ジアセチレン、フェニルエチニル、ノルボルネン、ナドイミド、またはベンゾシクロブタンなどの反応性末端基を有するポリイミドも含む)、ビニルエステル樹脂およびアクリル樹脂(例えば、ポリオールの(メタ)アクリル酸エステルまたはアミド、エポキシド、アミン)、ビスベンゾシクロブタン樹脂、シアン酸エステル樹脂等、およびその混合物が挙げられる。 樹脂は、モノマーまたはプレポリマーの形で使用することができる。 好ましい樹脂としては、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、シアン酸エステル樹脂等、およびその混合物が挙げられる。 その加工性、耐熱性、および耐環境性から、エポキシ樹脂が特に好ましい。

    エポキシ樹脂は、当技術分野でよく知られており、以下の構造:

    の1つまたは複数のエポキシ基を含有する、化合物または化合物の混合物を含む。 その化合物は、飽和または不飽和、脂肪族、脂環式、芳香族、または複素環式であるか、またはその組み合わせを含む。 2つ以上のエポキシ基を含有する化合物(つまり、ポリエポキシド)が好ましい。

    本発明の方法の硬化性組成物で使用することができるポリエポキシドとしては、例えば、脂肪族および芳香族ポリエポキシドの両方が挙げられるが、芳香族ポリエポキシドが、高温用途に好ましい。 芳香族ポリエポキシドは、少なくとも1つの芳香族環構造(例えば、ベンゼン環)および2つ以上のエポキシ基を含有する化合物である。 好ましい芳香族ポリエポキシドとしては、多価フェノールのポリグリシジルエーテル(例えば、ビスフェノールA誘導体樹脂、エポキシクレゾール−ノボラック樹脂、ビスフェノールF誘導体樹脂、エポキシフェノール−ノボラック樹脂)、芳香族カルボン酸のグリシジルエステル、芳香族アミンのグリシジルアミン等、およびその混合物が挙げられる。 最も好ましい芳香族ポリエポキシドは、多価フェノールのポリグリシジルエーテルである。

    硬化性組成物において用いることができる脂肪族ポリエポキシドの代表的な例としては、3',4'−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
    2−(3',4'−エポキシシクロヘキシル)−5,1''−スピロ−3'',4''−エポキシシクロヘキサン−1,3−ジオキサン、
    ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、
    二量体リノール酸のジグリシジルエステル、
    1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ブタン、
    4−(1,2−エポキシエチル)−1,2−エポキシシクロヘキサン、
    2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、グリセロールまたは水素化4,4'−ジヒドロキシジフェニル−ジメチルメタン等の脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル等、およびその混合物が挙げられる。

    硬化性組成物において用いることができる芳香族ポリエポキシドの代表的な例としては、芳香族カルボン酸のグリシジルエステル(例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、トリメリト酸トリグリシジルエステル、ピロメリト酸テトラグリシジルエステル等、およびその混合物);N−グリシジルアミノベンゼン(例えば、N,N−ジグリシジルベンゼンアミン、
    ビス(N,N−ジグリシジル−4−アミノフェニル)メタン、
    1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼン、
    N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシベンゼンアミン等、およびその混合物);多価フェノールのポリグリシジル誘導体(例えば、2,2−ビス−[4−ヒドロキシフェニル]プロパン、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、
    4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、
    4,4'−ジヒドロキシジフェニルジメチルメタン、
    4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルメタン、
    4,4'−ジヒドロキシジフェニルメチルメタン、
    4,4'−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、
    4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジメチルジフェニルプロパン、
    4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、およびトリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタンなどの多価フェノールのポリグリシジルエーテル);ノボラックのポリグリシジルエーテル(酸触媒の存在下での、一価または多価フェノールとアルデヒドとの反応生成物)および米国特許第3,018,262号明細書(Schoeder(シェーダー))および米国特許第3,298,998号明細書(Coover(クーバー)ら)に記載の誘導体、ならびにリー(Lee)およびネビル(Neville)、ニューヨークのマグローヒル・ブック社(McGraw−Hill Book Co.,New York)(1967)による「the Handbook of Epoxy Resins」および「Epoxy Resins Chemistry and Technology」、第2版、C. メイ(C.May)編、ニューヨークのマーセル・デッカー社(Marcel Dekker,Inc.,New York)(1988)に記載の誘導体等;およびその混合物が挙げられる。 硬化性組成物で使用される多価フェノールのポリグリシジルエーテルの好ましい種類は、炭素環式ペンダント基を有するビスフェノールのジグリシジルエーテル(例えば、米国特許第3,298,998号明細書(Coover(クーバー)ら)に記載されている)である。 かかる化合物の例としては、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]ノルカンファンおよび2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]デカヒドロ−1,4,5,8−ジメタノフタレンが挙げられる。 好ましい化合物としては、ジシクロペンタジエン含有ポリエポキシド(例えば、ニューヨーク州ブルースターのハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ・アメリカ社(Huntsman Advanced Materials Americas,Inc.,Brewster,New York)から市販されているタクティクス(TACTIX)756およびタクティクス(TACTIX)556)が挙げられる。

    適切なエポキシ樹脂は、例えば、米国特許第4,522,958号明細書(ダス(Das)ら)に記載のようにエピクロロヒドリンをポリオールと反応させることによって、ならびに上記のリー(Lee)およびネビル(Neville)によって記載の他の方法によって、製造することができる。 多くのエポキシ樹脂が市販されている。

    本発明の方法の硬化性組成物で使用するのに適しているマレイミド樹脂としては、ビスマレイミド、ポリマレイミドおよびポリアミノビスマレイミドが挙げられる。 かかるマレイミドは好都合なことに、無水マレイン酸または置換無水マレイン酸をジまたはポリアミンと合わせることによって合成することができる。 例えば、米国特許第3,562,223号明細書(バーゲン(Bargain)ら)、米国特許第3,627,780号明細書(ボナール(Bonnard)ら)、米国特許第3,839,358号明細書(バーゲン(Bargain)ら)、米国特許第4,468,497号明細書(ベックリー(Beckley)ら)に記載の方法によって製造することができるN,N'−ビスマレイミドが好ましく、その多くが市販されている。

    適切なN,N'−ビスマレイミドの代表的な例としては、1,2−エタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、1,4−ベンゼンジアミン、4,4'−メチレンビスベンゼンアミン、2−メチル−1,4−ベンゼンジアミン、3,3'−メチレンビスベンゼンアミン、3,3'−スルホニルビスベンゼンアミン、4,4'−スルホニルビスベンゼンアミン、3,3'−オキシビスベンゼンアミン、4,4'−オキシビスベンゼンアミン、4,4'−メチレンビスシクロヘキサンアミン、1,3−ベンゼンジメタンアミン、1,4−ベンゼンジメタンアミン、4,4'−シクロヘキサンビスベンゼンアミンのN,N'−ビスマレイミド等、およびその混合物が挙げられる。

    ビスマレイミドと共に使用される共反応物としては、多種多様な不飽和有機化合物のいずれか、特に複数の不飽和、エチレン性不飽和、アセチレン性不飽和、またはその両方を有する有機化合物が挙げられる。 その例としては、アクリル酸およびアミドおよびそのエステル誘導体、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、およびメチルメタクリレート;ジシアノエチレン;テトラシアノエチレン;アリルアルコール;2,2'−ジアリルビスフェノールA;2,2'−ジプロペニルビスフェノールA;ジアリルフタレート;トリアリルイソシアヌレート;トリアリルシアヌレート;N−ビニル−2−ピロリジノン;N−ビニルカプロラクタム;エチレングリコールジメタクリレート;ジエチレングリコールジメタクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート;トリメチロールプロパントリメタクリレート;ペンタエリトリトールテトラメタクリレート;4−アリル−2−メトキシフェノール;トリアリルトリメリテート;ジビニルベンゼン;ジシクロペンタジエニルアクリレート;ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート;1,4−ブタンジオールジビニルエーテル;1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン;スチレン;α−メチルスチレン;クロロスチレン;p−フェニルスチレン;p−メチルスチレン;t−ブチルスチレン;フェニルビニルエーテル等;およびその混合物が挙げられる。 ビス(アルケニルフェノール)と組み合わせてビスマレイミドを用いた樹脂システムが特に興味深い。 この種類の代表的な樹脂システムの説明が、米国特許第4,100,140号明細書(ザヒール(Zahir)ら)に記載されている。 特に好ましい成分は、4,4'−ビスマレイミドジフェニルメタンおよびo,o'−ジアリルビスフェノールAである。

    本発明の方法の硬化性組成物で使用するのに適しているシアン酸エステル樹脂は、塩化シアンまたは臭化シアンをアルコールまたはフェノールと合わせることによって製造することができる。 ポリシアヌレートを製造するための、かかる樹脂の製造および多環化三量化でのその使用は、米国特許第4,157,360号明細書(チャン(Chung)ら)に記載されている。 適切なシアン酸エステル樹脂の代表的な例としては、1,2−ジシアナトベンゼン、1,3−ジシアナトベンゼン、1,4−ジシアナトベンゼン、2,2'−ジシアナトジフェニルメタン、3,3'−ジシアナトジフェニルメタン、4,4'−ジシアナトジフェニルメタン、およびビフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールSから製造されるジシアネート等、およびその混合物が挙げられる。 三官能性以上のシアン酸エステル樹脂も適している。

    (2)粒状改質剤 本発明の方法の硬化性組成物の製造に使用するのに適している粒状改質剤としては、少なくとも1種類のエラストマーを含有する、予備形成された、実質的に非官能性の粒状改質剤が挙げられる。 かかる改質剤は好ましくは、ゴム相(例えば、約0℃以下(好ましくは、約−20℃以下)のガラス転移温度(T g )を有する)および熱可塑性またはガラス相(例えば、約25℃を超える(好ましくは、約50℃を超える)ガラス転移温度を有する)の両方を含む。 ゴム相は任意に架橋される。 改質剤は実質的に非官能性であるが、改質剤の吸湿性(例えば、熱重量分析(TGA)によって証明される)が著しく影響を受けない程度に、少量の反応性官能基を許容することができる。

    有用な粒状改質剤は、広範囲の粒径(熱硬化性樹脂に添加する前に測定される)のいずれかを有し得る。 しかしながら、多くの用途で、微粒子が有効に使用される。 好ましい粒子は、少なくとも約0.1ミクロン、0.2ミクロン、または2ミクロンから、約10ミクロン、50ミクロン、100ミクロン、200ミクロン、または500ミクロンまでの平均直径を有する(特定の用途に望まれる特性に応じて、いずれの下限粒径も、いずれかの上限粒径と対になる)。 (本明細書において使用される、「直径」という用途は、実質的に球形の粒子の直径を意味するだけでなく、非球形粒子の最長寸法も意味する)。 粒状改質剤は予備形成されることから、その粒径は、予め決定されているが、熱硬化性樹脂に添加した際に(例えば、膨潤のために)粒径に多少の変化が起こり得る。

    適切な改質剤としては、重合熱可塑性またはガラス状シェル等、およびその混合物によって囲まれた、重合ゴム状コアを有するコア・シェル型ポリマー改質剤が挙げられる。 これらの種類の有用な改質剤は、「Polymer Toughening」、チャールズB. アレンズ(Charles B.Arends)編、第5章、131−174頁、ニューヨークのマーセル・デッカー社(Marcel Dekker,Inc.,New York)(1996)に記載されている。 有用な改質剤としては、その改質剤が、その分離性を実質的に維持すると同時に、選択された熱硬化性樹脂に少なくともある程度膨潤可能であるという条件で、上述の熱可塑性またはガラス状シェルを欠いているエラストマーポリマー改質剤も挙げられる。

    好ましい改質剤としては、コア・シェル型ポリマー改質剤等、およびその混合物が挙げられる。 ポリアクリレートまたはポリメタクリレート(以下で、ポリ(メタ)アクリレートと共通して示される)シェルおよび合成ゴムコア(最も好ましくは、ポリ(メタ)アクリレートシェルと、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、およびコポリマーを含むその組み合わせから選択されるコアと)を有するコア・シェル型ポリマー改質剤がさらに好ましい。

    有用なガラス状シェルとしては、重合アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル(好ましくは、C 1 −C 4アルキル−置換メタクリレート;さらに好ましくは、ポリメチルメタクリレートまたはアルキルメタクリレートとブチルアクリレートとのコポリマー);重合モノビニル芳香族炭化水素;アクリル酸またはメタクリル酸エステルとモノビニル芳香族炭化水素との重合混合物(例えば、メチルメタクリレートとスチレンとのコポリマー);等およびその組み合わせ;を含むシェルが挙げられる。

    有用なゴム状コアとしては、ポリアクリレート(例えば、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(アクリル酸イソオクチル)、またはエチルアクリレートとブチルアクリレートとのコポリマー);ポリシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン);重合ジエン(例えば、ポリブタジエン);ジエンとモノビニル芳香族炭化水素との重合混合物(例えば、ブタジエンとスチレンのコポリマー);ジエンとアクリルモノマーとの重合混合物(例えば、ブタジエンとアクリロニトリルのコポリマー);アクリル酸またはメタクリル酸エステルとモノビニル芳香族炭化水素との重合混合物(例えば、ブチルアクリレートとスチレンのコポリマー)等;およびその組み合わせ(例えば、アルキルメタクリレート、ブタジエン、およびスチレンのコポリマー);を含むコアが挙げられる。

    有用な改質剤としては、そのコアが架橋スチレン/ブタジエンゴムであり、シェルがポリメチルアクリレートである、メタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)コポリマーなどのコア/シェルポリマー(例えば、ペンシルバニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas,Philadelphia,PA)から市販のアクリロイド(ACRYLOID)KM653およびKM680)、ポリブタジエンを含有するコアとポリ(メチルメタクリレート)を含有するシェルとを有するポリマー(例えば、テキサス州ヒューストンのカネカ社(Kaneka Corporation,Houston,Texas)から市販のカネ・エース(KANE ACE)M511、M521、B11A、B22、B31、およびM901、ペンシルバニア州フィラデルフィアのアトフィナ社(ATOFINA,Philadelphia,PA)から市販のクリアストレングス(CLEARSTRENGTH)C223)、ポリシロキサンコアとポリアクリレートシェルとを有するポリマー(例えば、アトフィナ社(ATOFINA)から市販のクリアストレングス(CLEARSTRENGTH)S−2001およびドイツ、ミュンヘンのワッカー−ケミー社、ワッカーシリコーン社(Wacker−Chemie GmbH,Wacker Silicones,Munich,Germany)から市販のGENIOPERL P22)、ポリアクリレートコアとポリ(メチルメタクリレート)シェルとを有するポリマー(例えば、ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas)から市販のパラロイド(PARALOID)EXL2330および日本、大阪の武田薬品工業株式会社(Takeda Chemical Company,Osaka,Japan)から市販のスタフィロイド(STAPHYLOID)AC3355およびAC3395)、MBSコアとポリ(メチルメタクリレート)シェルとを有するポリマー(例えば、ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas)から市販のパラロイド(PARALOID)EXL2691A、EXL2691、およびEXL2655)等;およびその混合物が挙げられる。 好ましい改質剤としては、上記のアクリロイド(ACRYLOID)およびパラロイド(PARALOID)改質剤等;およびその混合物が挙げられる。

    (3)他の成分 硬化性組成物はさらに、例えば、可溶性熱可塑性添加剤(例えば、粘度またはレオロジーを改良して、取り扱い可能なフィルムを確保するため);硬化剤;硬化促進剤;触媒;架橋剤;染料;難燃剤;顔料;流れ調整剤;強化充填剤、繊維、または粒子(シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラスビーズ等);電気または熱伝導性粒子;スクリムまたは埋め込み担体(例えば、ガラス織布または不織布、ポリアミドまたはポリエステル布などのポリマー織布または不織布、アルミニウムまたは銅などの金属メッシュまたはフォイル);等およびその混合物などの1種または複数種の添加剤をさらに含み得る。 添加剤は例えば、部分的または完全に、組成物中に埋め込まれるか、またはその表面に保持される。 組成物自体が、担体(例えば、剥離ライナー)上に保持されることもできる。

    エポキシ樹脂は、様々な硬化剤によって硬化することができ、そのいくつかが(使用される量を計算する方法と共に)、リー(Lee)およびネビル(Neville)によって、「Handbook of Epoxy Resins」、マグローヒル(McGraw−Hill)、36−140頁、ニューヨーク(New York)(1967)に記載されている。 有用なエポキシ樹脂硬化剤としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、アミノエチルエタノールアミン等のポリアミン、ならびにジアミノジフェニルスルホン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−クロロ−4−(アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−(アミノフェニル)フルオレン等の芳香族アミン;イソフタル酸ジヒドラジドなどのヒドラジド;ジシアンジアミドなどのアミド;アジピン酸などのポリカルボン酸;無水フタル酸およびクロレンド酸無水物などの無水物;ビスフェノールAなどのポリフェノール等;およびその混合物が挙げられる。一般に、エポキシ樹脂および硬化剤は、理論量で使用されるが、硬化剤は、エポキシ樹脂の理論量の約0.1〜1.7倍の範囲の量で使用される。

    エポキシ樹脂硬化剤としては、触媒(例えば、ルイス酸および塩基;第3級アミン;ブレンステッド酸などの熱カチオン触媒;4,5−ジフェニルイミダゾールなどのイミダゾールを含むアニオン触媒;複合ルイス酸;および有機金属化合物および塩を含む光触媒)も挙げられる。 熱活性化触媒は一般に、硬化性組成物中に存在するエポキシ樹脂の量を基準にして範囲約0.05〜約5重量%の量で使用される。

    N,N'−ビスマレイミド樹脂は、例えば、米国特許第3,562,223号明細書(バーゲン(Bargain)ら)に記載の硬化剤などのジアミン硬化剤を使用して硬化することができる。 一般に、N,N'−ビスマレイミド1モルにつき、ジアミン約0.2〜約0.8モルが使用される。 N,N'−ビスマレイミドは、他のメカニズムによって、例えば芳香族オレフィン(ビス−アリルフェニルエーテル、4,4'−ビス(o−プロペニルフェノキシ)ベンゾフェノン、o,o'−ジアリルビスフェノールA等)との同時硬化または自己重合メカニズムによる熱硬化によって硬化することもできる。

    シアン酸エステル樹脂は、熱を加えることによって、かつ/またはオクタン酸亜鉛、オクタン酸スズ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸スズ、銅アセチルアセトネート、およびカテコールなどの二座配位子と鉄、コバルト、亜鉛、銅、マンガン、チタンとの錯体などの触媒を使用することによって、環化三量化することができる。 かかる触媒は一般に、シアン酸エステル樹脂100重量部につき約0.001〜約10重量部の量で使用される。

    硬化性組成物の製造 本発明の硬化性組成物は、少なくとも1種類の粒状改質剤、少なくとも1種類の樹脂、および他のいずれかの成分を合わせることによって(任意に、攪拌またはかき混ぜながら)、製造することができる。 樹脂は、液体、固体、またはその組み合わせであることができ、したがって、得られる組成物は、例えば、ペーストまたはフィルムの状態をとり得る。 その特定の配合および粘弾性に応じて、支持材料(例えば、埋め込みスクリムまたは剥離ライナー)を使用して、または使用することなく、かかるフィルムを取り扱うことができる。

    好ましくは、粒状改質剤は、実質的に凝集しないように、樹脂に十分に分散される。 所望の場合には、選択される溶媒が、組成物の成分と認め得るほどに反応することができず、かつ認め得るほどに粒状改質剤(特に、改質剤のエラストマー成分)を溶解または膨潤することができない溶媒であるという条件で、混合および分散を助けるために溶媒を使用することができる。 適切な溶媒としては、例えば、アセトン、ヘプタン、トルエン、イソプロパノール等、およびその混合物が挙げられる。

    ほとんど、または全く溶媒を使用しないことが好ましい。 溶媒なしの組成物は、穏やかな加熱を用いて、または用いることなく、成分を単に合わせることによって製造することができる。 硬化性組成物を形成するためのさらに好ましい方法において、成分は、無溶媒プロセスで合わせられ、そのプロセスでは、得られた混合物は、比較的均一な混合物が形成されるまで、加熱および攪拌される。

    粒状改質剤は一般に、組成物の全重量を基準にして濃度約2〜約30重量%で組成物中に含まれる。 好ましくは、改質剤は、組成物の全重量を基準にして濃度約5〜約20重量%で存在する。

    好ましくは、少なくとも1種類の熱または光分解活性化可能な硬化剤が、低温加工を容易にするために硬化性組成物中に含有される。 かかる硬化剤は好ましくは、硬化剤の活性化温度よりも低い温度で組成物に組み込まれる。 好ましい硬化剤としては、イミダゾール、アミド(例えば、ジシアンジアミド)、芳香族アミン、変性尿素、無水物硬化剤、ヒドラジド硬化剤、熱カチオン触媒、アニオン触媒、光触媒、およびその混合物が挙げられる。 アミド、ヒドラジド、変性尿素、芳香族アミン、およびその混合物が最も好ましい。 硬化性組成物に流れ調整剤をさらに添加することによって、所望のフィルム形成および他の流動学的特性の達成が容易になる。

    好ましい方法において、硬化性組成物は、粒状改質剤と樹脂を高温(例えば、改質剤との比較的均一な混合を容易にするために、樹脂を溶融するのに十分な温度)で合わせ、次いで得られた混合物を硬化剤の活性化または融解温度未満の温度に冷却することによって形成することができる。 次いで、硬化剤を混合物中にブレンドする。

    硬化性組成物の塗布 本発明の方法で使用される硬化性組成物は、様々な塗布方法のいずれかによって、複合物品に(および/またはその境界面で複合物品に付着される、本体である被着体に)塗布することができる。 有用な塗布方法としては、例えば、コーティング(ロール、吹付け、ブラシ、または押出し成形技術を用いた)、ラミネーション、レチキュレーション(reticulation)、真空ラミネーション、こて塗り等、およびその組み合わせが挙げられる。 塗布前に特定の形状を得るため、切断技術(例えば、打抜き、加熱切断部品を使用したゲルバー切断(Gerber cutting)、レーザー切断)も使用することができる。 組成物が塗布される表面の少なくとも1つは複合材表面である。 組成物の無溶媒塗布が好ましく、例えば、目的の表面にフィルム状の組成物をトランスファーラミネーションすることによって達成することができる。

    複合物品の表面仕上げにおいて、硬化性組成物は、例えば、トランスファーラミネーションに続いて、真空圧縮によって(組成物がフィルム状である場合)、またはこて塗りに続いて平滑化することによって(組成物がペースト状である場合)、塗布することができる。 本発明の表面仕上げ方法を用いて、表面の欠陥(ハニカム区画または繊維の織りパターンがうつることによって生じる欠陥)をカバーし、かつ比較的滑らかな塗装可能な表面を得ることができる。

    複合物品と被着体との接合において、硬化性組成物は、物品に直接塗布することができ、または、例えば、被着体に直接塗布して組成物を有する被着体を形成し、続いて組成物が物品と被着体に挟まれるように、物品と組成物を有する被着体をまとめることによって、組成物を物品に間接的に塗布することができる。 したがって、本発明の接合方法は、(a)硬化性組成物の未硬化材料(uncured mass)(例えば、フィルムまたはペースト状の)をポリマー複合物品および被着体のうちの少なくとも1つに塗布する工程と、(b)硬化性組成物の未硬化材料を物品と被着体の間に挟む工程と、(c)組成物を硬化して、物品と被着体との接合を形成する工程と、を含む。 所望の場合には、ひとまとめにする際に、物品と被着体の間に組成物(例えば、フィルム状の)を単に挿入することによって、かかる接合方法を行うことができる。

    被着体は、特定の接合用途に応じて、多種多様なポリマー複合物品、フィルム、シート、および他の表面から選択することができる。 硬化性組成物は、ポリマー複合物品と金属成分(例えば、鉄、アルミニウム、チタン、マグネシウム、銅、ステンレス鋼等、およびその合金)との接着結合、およびポリマー複合物品と非金属基材(例えば、強化および非強化熱可塑性および熱硬化性ポリマー、ならびに他の有機材料(または有機複合材料)およびガラス、セラミックスなどの無機材料)との接着結合を形成することができる。

    好ましくは、被着体は、ポリマー複合物品を含む。 さらに好ましくは、被着体は、ポリマー複合物品を含み、得られる接合構造は、車両の少なくとも一部(最も好ましくは、航空機の一部)を形成する。

    好ましい被着体としては、保護物品、塗装交換システム、および/または避雷システムを含む被着体も挙げられる。 かかる被着体は、例えば、1つまたは複数のポリマー複合材層、硬化性組成物(硬化または未硬化)の1つまたは複数の層、金属(例えば、硬化前に硬化性組成物中に任意に埋め込まれる、金属メッシュ)の1つまたは複数の層および/または1つまたは複数の保護物品、塗装交換アップリケ、および/または避雷アップリケ層を含み得る。 かかる避雷アップリケは、例えば、ポリマーフィルム(好ましくは、フルオロポリマーフィルム)、圧感接着剤(好ましくは、アクリル圧感接着剤)、および任意に圧感接着剤に埋め込まれる、または当技術分野で記載の方法のいずれかを用いてポリマーフィルムに直接結合される、金属層を含み得る。 代替方法としては、圧感接着剤(避雷アップリケの、または塗装交換アップリケの)は省くことができ、任意に熱硬化性接着剤組成物(例えば、本発明の方法で使用される硬化性組成物)に交換することができる。 有用な保護物品、塗装交換アップリケおよび避雷システムとしては、米国特許出願公開第2002/0179240号明細書(クレメンス(Clemens)ら)、米国特許第6,475,616号明細書(ディーツ(Dietz)ら)、国際特許出願公開国際公開第99/64235号パンフレット(3M社(Minnesota Mining and Manufacturing Company))、米国特許第6,177,189号明細書(ローリングズ(Rawlings)ら)、米国特許第6,790,526号明細書(バルゴ(Vargo)ら)、米国特許出願公開第2002/0081921号明細書(バルゴ(Vargo)ら)、米国特許第4,912,594号明細書(バニンク・ジュニア(Bannink,Jr.)ら)、米国特許第6,432,507号明細書(ブリック(Brick)ら)、欧州特許出願公開第1 011 182号明細書(3M社(Minnesota Mining and Manufacturing Company))に記載のものが挙げられる。

    本発明の方法は、1つまたは複数の表面仕上げ工程、1つまたは複数の接合工程、1つまたは複数のポリマー複合物品の使用、および/または1つまたは複数の被着体の使用を含み得る。

    硬化 本発明の方法で使用される硬化性組成物は、熱硬化可能である。 「熱硬化可能な」または「熱硬化性」組成物は、例えば、熱放射線(または熱)、化学線、水分または他の手段(好ましくは、熱放射線)にさらすことによって硬化し(つまり、架橋し)、実質的に不融性(つまり、熱硬化性)の材料を得ることができる組成物である。 様々な硬化手段の組み合わせ(例えば、熱と化学線の組み合わせ)も使用することができる。

    本発明の目的および利点はさらに、以下の実施例によって説明されるが、これらの実施例に記載の特定の材料およびその量、ならびに他の条件および詳細は、本発明を過度に限定するものと解釈すべきではない。

    試験方法熱重量分析(TGA)による重量減少 熱重量分析装置TGA−2950(デラウェア州ニューキャッスルのTAインスツルメンツ社(TA Instruments,New Castle,Delaware)から市販されている)を使用して、含水率について硬化ポリマー複合物品を評価した。 硬化物品をコンディショニングチャンバから取り出し(該当する場合)、プライアを用いて小片を折り、厚さ2〜3プライ、かつ重量4.968〜19.209ミリグラムの試料を得た。 15〜30分後の試験まで、これらの試料を本質的に直ちに小さな密閉バイアルに入れた。 試料を速度10℃/分にて流量40〜60ミリリットル/分の窒素雰囲気中で約25℃から200℃に加熱した。 装置に備えられたソフトウェアを使用して、この温度範囲にわたる重量減少を計算した。 その結果は重量減少(水分の)%として記録される。

    重なり(overlap)剪断強さ(OLS)
    硬化接合構造を重なり剪断強さについて評価した。 さらに具体的には、長さ7インチ(17.8cm)の硬化接合構造を得て、次いでそれを長さ方向に幅(公称)1インチ(2.54cm)の試験片に切断した。 次に、試験片の中央に長さ0.5インチ(12.7mm)の重なり部分が形成されるようにオフセットで、硬化接合構造試験片の各面上に、硬化ポリマー複合物品の厚さまで、1つの溝を幅方向に切った。 これによって、ASTM D 3165−95に記載の試験片と同様な試験片が形成され、次いで、つかみ具が約5インチ(12.7cm)離れ、各つかみ具が、試験片約1インチ(2.5cm)を掴むように、それを引張試験機(ミネソタ州イーデンプレーリーのMTSシステムズ社(MTS Systems Corporation,Eden Prairie,Minnesota)から入手可能)に位置付けた。 30,000重量ポンド(lbf)(13.3キロニュートン)のロードセルを用いた。 破損が起こるまで、掴み具分離速度0.05インチ/分(1.27mm/分)を適用した。 試験片に取り付けられた熱電対によって決定された2通りの異なる試験温度(93℃または136℃)のうちの1つで試験を行った。 試験前に、試料をその温度で10〜20分間平衡状態にした。 各硬化接合構造に関して、3つの試験片を評価し、使用して、平均値を得た。 その結果は、ポンド/平方インチ(psi)およびMPaで記録される。

    環境コンディショニング(Environmental Conditioning)
    以下の方法のうちの1つを用いて、試験前に硬化ポリマー複合物品をコンディショニングした。

    方法1:乾燥 硬化ポリマー複合物品をオーブン内で235°F(113℃)にて9日間乾燥させ、次いで物品を取り出し、約72°F(22℃)に1時間冷却し、その後それを本質的に直ぐに、熱重量分析(TGA)によって評価するか、または硬化接合構造を製造するために使用した。

    方法2:周囲 硬化ポリマー複合物品を周囲条件にて、約72°F(22℃)、相対湿度(RH)50%で21日間保管し、その後それを本質的に直ぐに、TGAによって評価した。

    方法3:湿潤 160°F(71℃)、RH100%にて温湿度チャンバー内で硬化ポリマー複合物品を9日間コンディショニングし、次いで、ベンチトップ上で約30分間室温に冷却し、その後それを本質的に直ぐに、TGAによって評価するか、または硬化接合構造を製造するために使用した。

    硬化性樹脂組成物の製造 ポリエポキシ樹脂と流れ調整剤との2種類のプレブレンドを提供し、使用して、硬化性樹脂組成物を製造した:

    プレブレンド#1:エポン(EPON)1004F 92.4グラムを150mL反応器に入れ、ポリエポキシ樹脂が本質的に完全に溶融するまで、一定の攪拌のために約200毎分回転数(rpm)でパドルブレードを用いて約230°F(110℃)に加熱した。 次いで、トワロン(TWARON)(登録商標)2091アラミド繊維流れ調整剤7.6グラムをポリエポキシ樹脂に添加し、15分間混合した。 得られた分散液を反応器から取り出し、シリコーン処理剥離ライナー上に置き、約3時間室温に冷却した。 次いで、直径0.38インチ(9.5mm)のスクリーンを有する超微粉砕型ハンマーミルを使用して、得られた固体材料を粉砕した。 最大粒径は、直径で0.38インチ(9.5mm)であった。 大部分の粒子が、かなり小さな直径を有した。

    プレブレンド#2:エポン(EPON)828 150グラムを250mL反応器に入れ、一定の攪拌のために約200rpmでパドルブレードを用いて200°F(93℃)に加熱した。 次に、P1800ポリスルホン樹脂流れ調整剤30グラムをポリエポキシ樹脂にゆっくりと添加した。 次いで、約350°F(177℃)に温度を上げ、攪拌速度を約150rpmに下げた。 これらの条件下で、実質的に均一な混合物になるまで、分散液を加熱し、攪拌した。 この混合物を室温に冷却し、粘性の透明な黄色の液体を得た。

    ポリエポキシ樹脂および上記のプレブレンドを容量200グラムのプラスチック容器に適切な比で装入し、以下の表1における種々の実施例について示される量を得た。 容器を150℃に設定された強制空気オーブン内で約15分間加熱し、その後、それを取り出し、速度2750rpmに設定された遊星形ミキサー(英国,バッキンガムシャー(Buckinghamshire,United Kingdom)のシナジー・デバイス社(Synergy Devices Limited)から市販されているスピード・ミキサー(SPEED MIXER)(登録商標)、DA 400 FVモデル)に1分間入れた。 次いで、容器およびその内容物をオーブンに戻し、約120℃で15〜20分間平衡状態にした。 次いで、強化改質剤をこのブレンドに添加し、上述のようにそれを混合し、その後、容器を遊星形ミキサーから取り出し、100℃未満に冷却した。 次いで、硬化剤を添加し、上述のようにブレンドを再び混合した。 ミキサーから取り出した後、容器の内壁から掻き落とし、続いて他のサイクルのためにミキサーに容器を戻した。 硬化性ライナー裏付接着フィルムを製造するために、得られた硬化性樹脂は本質的に直ちに使用された。

    硬化性ライナー裏付接着フィルムの製造 硬化性樹脂組成物が各ライナーのシリコーン被覆面と接触するように、上記の「硬化性樹脂組成物の製造」から得られた加熱組成物(温度約90℃(194°F))を有する)を厚さ0.005インチ(0.13mm)の2つの紙製ライナーの間にコーティングした。 各ライナーは、一方の面にシリコーンコーティング、反対面にポリエチレンコーティングを有する。 合わせた剥離ライナー総厚を超える間隙設定0.008インチ(0.20mm)およびベッドおよびナイフ温度194°F(90℃)を有する、ベッド式ナイフ(knife−over−bed)コーティングステーションを使用して、これを行った。 ライナー/硬化性接着フィルム/ライナーのサンドイッチ構造として、ライナー裏付き硬化性接着フィルムを得た。 そのフィルムは、室温(約72°F(22℃))で24時間保管され、次いで硬化性ナイロン布裏付接着フィルムを製造するために使用されるまで−20°F(−29℃)で保管された。

    硬化性ナイロン布裏付接着フィルムの製造 ライナー/硬化性接着フィルム/ライナーのサンドイッチ構造の試料を使用前に室温で平衡状態にした。 長さ約11.5インチ(29.2cm)幅約6インチ(15.2cm)のサンドイッチ構造の一方の面からライナーを除去し、両面がコロナ処理されている、面積重量0.4オンス/平方ヤード(13.6グラム/平方メートル)を有する、裏地のナイロン不織布(フロリダ州カントンメント(Cantonment,Florida)のセレックス・アドバンスト・ファブリック社(Cerex Advanced Fabrics. L.P.)から、丸いフィラメント形状を有するセレックス(Cerex)(登録商標)23布として市販されている)を露出接着剤面上に配置した。 この布は、サンドイッチ構造よりもわずかに大きなサイズであった。 ナイロン不織布上にライナーを再び配置し、得られたレイアップ(lay−up)を約140°F(60℃)の2つのゴム被覆加熱ニップローラーの間に通した。 空気供給圧力約20psi(137.9kPa)を有する空気加圧ピストンによって、上のローラーの位置および下の駆動ローラーとの接触圧力を制御した。 それに埋め込まれたナイロン不織布を有し、かつ各面上に剥離ライナーを有する硬化性接着フィルムを得た。 このようにして製造された硬化性、ナイロン布裏付接着フィルムは、以下に記載の実施例で続いて使用された。

    硬化ポリマー複合物品 硬化一方向炭素繊維強化ポリマー複合物品を2通りの異なる方法で得た。 第1の方法(以降、「ソース1」と示す)において、炭素繊維プレプレグ材料を得て、次いで記述されるように一方向炭素繊維強化ポリマー複合物品へと硬化させた。 さらに具体的には、大きさ8インチ×6インチ(20.3cm×15.2cm)の炭素繊維プレプレグ(アラバマ州ディケーターのトーレ・カーボンファイバーズ・アメリカ社(Toray Carbon Fibers America,Incorporated,Decatur,Alabama)から、面積重量190グラム/m 2および樹脂含有率35%を有する「トーレ(Toray)3900−2/T800S」として市販されている)10プライを一方向にレイアップし、得られた構造の上の外部主要面上に「ポリエステル剥離プライ布(Polyester Release Peel−Ply Fabric)」保護材料(ノースカロライナ州グリーンズボロ(Greensboro,North Carolina)のプレシジョン・ファブリック・グループ社(Precision Fabrics Group,Incorporated)から市販されている、面積重量2.5オンス/平方ヤード(8.5グラム/平方メートル)および呼び厚さ0.0055インチ(0.140mm)を有するスタイル(Style)56009、コード60001)を位置付けた。 「ポリエステル剥離プライ布」保護材料は以降、「剥離プライ(Peel−Ply)」と呼ばれる。 このレイアップを真空バッグに入れ、次いでそれをオートクレーブ内に入れた。 室温(約72°F(22℃))にて10〜15分間、部分真空約1.9インチ(48.3mm)Hgをかけ、その後、外圧を徐々に85psi(586kPa)に上げた。 次いで、真空バッグを排気し、真空を開放し、温度を5°F/分(2.8℃/分)にて350°F(177℃)に上げ、それで2時間維持した。 次いで、一方の面上に「剥離プライ」を有する硬化ポリマー複合物品を10°F/分(5.5℃/分)で室温に冷却し、その時点で圧力を放出し、適切な厚さ0.075インチ(1.9mm)(「剥離プライ」層を含まない)を有する硬化物品をオートクレーブおよび真空バッグから取り出した。

    第2の方法(以降、「ソース2」と示す)において、約12インチ×6インチ×0.075インチ(30.5cm×15.2cm×1.9mm)の硬化ポリマー複合物品を得た。 これらの硬化複合物品は、上述のプレプレグ材料および本質的に同じ方法の両方を用いて製造されている。 硬化物品は、その2つの外部主要面の一方に「剥離プライ」保護材料の層を有した。 これらの物品の厚さは、適所の「剥離プライ」なしで測定された。

    硬化接合構造の製造 上述の硬化性ナイロン布裏付接着フィルムおよび上述の硬化ポリマー複合物品のうちの2つから製造された硬化接合構造を、重なり剪断強さの評価のために提供した。 さらに具体的には、6インチ×12インチ(15.2cm×30.5cm)、または6インチ×8インチ(15.2cm×20.3cm)の2つの硬化ポリマー複合物品を「環境コンディショニング」において上述される方法の1つでコンディショニングした。 次いで、コンディショニングした物品から「剥離プライ」保護材料を除去した。 硬化性ナイロン布裏付接着フィルムの一方の面から保護ライナーを除去した後、閉じ込められた空気が押出され、露出接着剤と物品とが確実に密着するように、小さなゴムローラーを手で使用して、その面から「剥離プライ」が除去されている、コンディショニングした物品の面全体にフィルムを貼り付けた。 硬化性接着フィルムから第2ライナー(第2硬化ポリマー複合物品から「剥離プライ」)を除去した後、第2複合物品の新たに露出された面を露出接着剤面と接触させて配置し、硬化性接着フィルムの各面上に硬化ポリマー複合物品とのサンドイッチ集成体を得た。 物品およびフィルムはすべて同じ長さおよび幅を有する。 次いで、圧感接着剤テープを使用して、得られた集成体を各端で共に固定し、真空テーブル上に完全真空にて15分間置いた。 次いで、以下の方法で集成体をオートクレーブ内で硬化させた。 真空をかけて圧力を約1.9インチ(48.3mm)Hgに下げた後、外圧約45psi(310kPa)をかけ、用いられる特定の接着フィルムに応じて、速度4.5°F/分(2.5℃/分)にて、オートクレーブの温度をおよそ室温(72°F(22℃))から250°F(121℃)または350°F(177℃)へと加熱した。 圧力が約15psi(103.4kPa)に達したら、真空を開放した。 速度5°F/分(2.8℃/分)、にて室温に冷却する前に、最終温度および圧力を120分間維持し、その時点で、圧力を放出し、硬化接合構造を得た。

    表面仕上げ層を有する硬化複合物品 アルミニウムパネル表面を微細なスチールウールで磨き、次いで、メチルエチルケトン(MEK)で洗浄した。 マスキングテープをパネル表面の外縁に貼り付け、次いで、パネル表面を剥離剤ロックタイト(Loctite)(登録商標)フレコート(Frekote)(登録商標)700−NC剥離剤(Release Agent)(コネチカット州ロッキーヒルのロックタイト社(Loctite Corporation,Rocky Hill,Connecticut)から市販の水性剥離剤)で拭い、空気乾燥させ、その後、マスキングテープを除去した。 次いで、得られた剥離コーティングを250°Fで30〜60分間硬化させた。 室温に冷却した後、糸屑を含まない布(ジョージア州ロズウェルのキンバリー・クラーク社(Kimberly−Clark Corporation,Rosswell,Georgia)から市販のキムワイプ(Kimwipes)(登録商標)EX−L)でパネル表面を磨いた。 次に、一方の面から紙製ライナーを除去した後、その新たに露出された面が、マスキングが剥がされた縁の内側の研磨パネルと接触するように、約8インチ×6インチ(20.3cm×15.2cm)の硬化性ナイロン布裏付接着フィルムを位置付けた。 ゴムローラーを使用して、接着フィルムをロールダウンした。 接着フィルムの第2の上面から紙製ライナーを除去し、接着フィルムの露出した上面に約8インチ×6インチ(20.3cm×15.2cm)の硬化複合物品を配置した。 次いで、この集成体を真空テーブル上に完全真空にて15分間置いた。 次に、集成体を真空バッグ内に入れ、以下の方法でオートクレーブ内で硬化させた。 真空をかけて圧力を約1.9インチ(48.3mm)Hgに下げた後、外圧約45psi(310kPa)をかけ、用いられる特定の接着フィルムに応じて、速度4.5°F/分(2.5℃/分)にて、オートクレーブの温度をおよそ室温(72°F(22℃))から250°F(121℃)または350°F(177℃)へと加熱した。 圧力が約15psi(103.4kPa)に達したら、真空を開放した。 速度5°F/分(2.8℃/分)にて室温に冷却する前に、最終温度および圧力を120分間維持し、その時点で、圧力を放出し、アルミニウムパネルから除去すると、一方の面上に表面仕上げ層を有する硬化複合物品が得られた。 表面仕上げ層を有する硬化複合物品を一般的外観(例えば、均一性および表面平滑性に関する)およびピンホール(例えば、品質およびサイズに関する)について、視覚的に目で評価した。 評価される各物品の特性それぞれについて、1(最低)〜10(最高)の値を割り当てた。

    避雷システムを有する硬化複合物品 アルミニウムパネル表面を微細なスチールウールで磨き、次いで、メチルエチルケトン(MEK)で洗浄し、糸屑を含まない布(ジョージア州ロズウェルのキンバリー・クラーク社(Kimberly−Clark Corporation,Rosswell,Georgia)から市販のキムワイプ(Kimwipes)(登録商標)EX−L)で磨いた。 透明なダイニオン(DYNEON)(登録商標)THV500(ミネソタ州オークデールのダイニオン社(3M社の全額出資子会社)(Dyneon,Oakdale,Minnesota)から市販されているテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデンターポリマー)97(重量)%および米国特許第6,475,616号明細書(ディーツ(Dietz)ら)の実施例1に記載の灰色着色ダイニオン(DYNEON)(登録商標)THV200 3(重量)%を有するペレットの均一な混合物を共押出しすることによって、両面がエッチングされた灰色のフルオロポリマーフィルムを提供した。 溶剤型アクリル圧感接着剤をフルオロポリマーフィルムの一方の面に塗布し、乾燥させて、厚さ0.0003インチ(約0.008mm)の接着剤層を得た。 次に、アルミニウムメッシュ(部品番号1.5AL6−075F、面積重量0.0075ポンド/平方フィート(36.6グラム/平方メートル)および全厚0.0015インチ(0.038mm)を有し、コネチカット州ノガタック(Naugatuck,Connecticut)のデクスメット社(Dexmet Corporation)から市販されている)を室温にてアクリル接着剤面上に貼り合せた。 溶剤型アクリル圧感接着剤の第2層をアルミニウムメッシュの上に塗布し、乾燥させ、一方の面に埋め込まれたアルミニウムメッシュを有するアクリル圧感接着剤層を有するフルオロポリマーフィルムを得た。 メッシュを含む接着剤層の総厚は、約0.003インチ(0.08mm)であった。 低密度ポリエチレン(LDPE)保護ライナーを接着剤層上に配置した。

    外側に向いている保護ライナー層を有するアルミニウムパネル上に、得られた被覆フルオロポリマーフィルムを位置付けた。 次に、保護ライナーを除去して、アクリル接着剤面を露出し、350°F(177°)硬化性、ナイロン布裏付接着フィルムの一方の面から第1保護ライナーを除去して、硬化性接着フィルムの1つの表面を露出した。 2つの露出面を互いに接触させ、1つに合わせられた構造を手で上から下へ擦り、しわを取り除き、アクリル接着剤層と硬化性接着フィルムとを密着させた。 第2保護ライナーを硬化性、ナイロン布裏付接着フィルムの上面から除去し、そのそれぞれの保護ライナーを除去した後、ガラス繊維プレプレグ材料(ワシントン州ポールズボのクリティカル・マテリアルズ社(Critical Materials Incoporated,Poulsbo,Washington)から市販されている、部品番号PP500H)2プライを露出硬化性接着剤面上に配置した。 硬化性、ナイロン布裏付接着フィルムの第2シートを提供し、その一方の面から保護ライナーを除去した後、この第2シートの露出面をプレプレグ材料の第2外部露出面に手で貼り付け、上述のように手でで上から下へ擦った。 次に、第2硬化性、ナイロン布裏付接着フィルムから第2保護ライナーを除去した後、接着フィルムの露出面をフェノール樹脂で含浸したガラス布強化ハニカム構造(コネチカット州スタンフォードのヘキセル社(Hexcel Corporation,Stamford,Connecticut)から市販されているヘックスウェブ(HexWeb)(登録商標)HRP−3/16−8.0)と接触させた。 適切な保護ライナーを除去した後、硬化性ナイロンマット裏付接着フィルムのもう1つの層をハニカム構造の反対側に貼り付け、この硬化性接着フィルムの外面上に、ガラス繊維プレプレグをさらに2プライ位置付けた。 最後に、外部の露出プレプレグ面上に「剥離プライ」の層を配置した。

    次いで、圧縮のために、この集成体全体を完全真空にて5〜10分間真空テーブル上に置いた。 次いで、圧縮された集成体を真空バッグ内に入れ、以下の方法でオートクレーブ内で硬化させた。 真空をかけて圧力を約1.9インチ(48.3mm)Hgに下げた後、外圧約45psi(310kPa)をかけ、速度4.5°F/分(2.5℃/分)にて、オートクレーブの温度をおよそ室温(72°F(22℃))から350°F(177℃)へと加熱した。 圧力が約15psi(103.4kPa)に達したら、真空を開放した。 速度5°F/分(2.8℃/分)にて室温に冷却する前に、最終温度および圧力を120分間維持し、その時点で、圧力を放出し、避雷システムを有する硬化複合物品が得られた。

    実施例1〜3および比較例1〜9
    以下の表1、3、および4における実施例1〜3および比較例(CE)1〜9は、環境コンディショニングされた硬化ポリマー複合物品を互いに接合して硬化接合構造を提供することにおける種々の強化改質剤の効果を実証している。 その量は、重量部(pbw)で示され、すべての成分を合わせた量は99〜102pbwである。

    実施例1および比較例1は、250°F(121℃)の硬化サイクルを用いて、上記の「硬化接合構造の製造」に記載のように製造し、次いで、重なり剪断強さ(OLS)について200°F(93℃)で評価した。 実施例2および3、比較例2〜9は、350°F(177℃)の硬化サイクルを用いて、上記の「硬化接合構造の製造」に記載のように製造し、次いで、重なり剪断強さについて277°F(136℃)で評価した。

    硬化ポリマー複合物品の含水率 硬化ポリマー複合物品を上述の2つの方法で提供した。 環境コンディショニングした後、物品を「重量減少」の試験方法に記載のように評価した。 表における「乾燥」、「周囲」、および「湿潤」の呼称は、硬化ポリマー複合物品がさらされた環境条件を意味する。 その結果を以下の表2に示す。

    硬化接合構造の重なり剪断強さ(OLS)
    環境コンディショニングされた硬化ポリマー複合物品を実施例1〜3および比較例1〜9の接着フィルムを使用して貼り合せ、硬化接合構造を提供して、次いでそれを重なり剪断強さ(OLS)について評価した。 表における「乾燥」および「湿潤」の呼称は、接着フィルムで貼り合わされる直前に硬化ポリマー複合物品がさらされた環境条件を意味する。 保持率%を[OLS(湿潤)/OLS(乾燥)]×100として計算した。

    比較例5については、樹脂組成物、接着フィルム、および硬化接合構造は、強化改質剤の著しい相分離、重なり剪断強さ性能を損なう特徴を示すと思われた。 結果として、乾燥OLS値は低く、人為的に高い保持率値となった。

    実施例4および5、比較例10および11
    接着フィルムを使用して、その上に硬化表面仕上げ層を有する硬化複合物品を製造し、次いで、上記の「表面仕上げ層を有する硬化複合物品」にすべて記述されているように、それを一般的外観およびピンホールについて評価した。 その結果を以下の表5に示す。 AF−325(比較例11)は、特に複合表面仕上げフィルムとして販売されているエポキシ接着フィルムである。 AF−191(比較例10)は、この同じ目的に使用される場合が多い市販の接着フィルムである。

    実施例6
    上記の実施例2の接着フィルムを使用して、それに埋め込まれたアルミニウムメッシュを有する硬化複合物品を製造した。 かかる構造物は、避雷を提供する手段としての有用性を有する。 この物品は、上記の「避雷を有する硬化複合物品」に記載のように製造した。 得られた硬化複合物品は、本質的に滑らかであり、かつピンホールなどの目に見える欠陥のない表面を有した。

    本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、本発明に種々の予測不可能な変更および改変を加えることができることは、当業者には理解されよう。 本発明は、本明細書に記載の例示的な実施形態および実施例によって過度に限定されることを意図するものではなく、かつかかる実施例および実施形態は一例として示されており、本発明の範囲は、冒頭に記載の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されることを理解されたい。

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