発明の詳細な説明 [技術分野] 本発明は、その当初に焼いた特質を長時間にわたって保持するために予め焼いた練り生地製品を暖めてその乾燥を制御する方法と装置を対象とする。 詳細には、本装置と方法は、クッキーやその他の焼いた練り生地製品などの予め焼いた物品の水分を制御して、その当初に焼いた二重の口当りを維持するために長い期間にわたってその所望の乾燥分布を与える。
予め焼いた製品について、販売用に展示している間高い品質を維持するためには、これらの製品を貯蔵中に正確な条件の下で取り扱わなければならない。 これらの製品は通常展示期間の大部分にわたって加熱され、販売および消費のために準備済の暖められた焼き製品が提供される。 これは、歯ごたえおよび口触りを含む口当り特質に関しては重大な結果を有する。 予め焼いた練り生地製品は販売のためにさまざまな方式で展示される。 多くのこの種の製品は、水分を維持するために密封された箱または袋の中に入れて販売されている。 しかし、このような密封された容器では、結果的に、ある一定期間にわたって焼き製品における水分の平衡が生ずる。 水分は水分の多い1つまたは複数の部分から水分の少ない部分へ移動するので、焼いた後に存在する水分勾配は時間が経つとなくなってしまう。 これは結果的に、湿っぽいか、またはせいぜい均一に湿りがあって軟らかい焼き製品となる傾向があり、これらはある一定期間の貯蔵の後に焼きたての性質を持たず、すなわちパリパリして噛みごたえのある性質にはならないであろう。 その他の予め焼いた製品が、少なくとも一方の側が空気に開放されていることが多い大きなガラス展示ケースの中で販売されている。 一般的にこのような展示ケースでは、水分が空気中に蒸発するので、時間が経つと予め焼いた製品から水分がかなりまたは全部さえも失われるという結果になる。 製品は水分が完全に乾燥してしまうので硬くなる。 これは特に加熱される展示ケースでは真実であり、このような加熱は、焼いた製品を顧客により魅力的に見せるために多くのこの種の展示ケースで使用されている白熱灯照明に長期間さらされることから、簡単に生ずる可能性がある。 焼いた製品を伝導と対流を用いて同時に加熱および展示するための既存の装置が、ピザのために利用可能であり、チーズを軟らかい少なくとも部分的に溶融した形で、すなわち145°F(63℃)から160°F(71℃)までの範囲内に保つために十分な温度で作動する。 さらに、焼いた製品を暖めるためのこれらの従来型装置は多くが、一般的にこれらの製品を、製品に正確に合ったワイヤ・ラックまたは丸いピザ皿の上に載せて配置している。 少なくともいくつかのこの種の従来技術による装置は、熱源の近くに置かれた温度計を有し、少なくとも最上部のピザを直接加熱するために、囲いの頂部で熱源を使用している。 この形式のこの種のいくつかの装置がWisco Industries, Inc. によって販売されている。 米国特許第5132520号は、パンおよび小さな甘パンをきつね色に焼いて、これらを熱い状態で保持するために使用される装置を開示している。 米国特許第6098529号および同第6159514号は、製造されたドーナツを高温光源と低温光源の両方を使用して展示するための加熱された展示販売ケースを開示している。 この参照文献は、85°F(29℃)から110°F(43℃)までにある温度まである程度の加熱が生ずることを開示している。 要するに、消費者が製品を買って消費するように誘うために、ある期間にわたって予め焼いた製品の焼きたての分布を維持することができる、この製品の展示を容易にするための装置または方法は現存しない。 ある期間にわたって予め焼いた製品の焼きたての分布を維持することは困難であるにもかかわらず、小売業者やその消費者はこのような製品を望んでいる。 したがって、便利さの向上、経済的真実性のため、および調理の楽しさのために、所望の感覚受容性の特性を劣化させることなく焼きたての性質を維持する入手可能な予め焼いた製品を有することが望ましい。
したがって、焼きたて製品の性質を保持するこのような焼いた安定性のある製品を提供するための設備と方法が必要とされている。 本発明は、既存の設備と方法の先に述べた欠点を持たないこの種の設備と方法を教示する。
本発明は、予め焼いた練り生地製品を制御された乾燥条件の下で展示し暖めるための展示販売ケースに関する。 この展示販売ケースは、囲いであって、内部空間を画定する1つまたは複数の壁部材を有し、壁部材の1つの少なくとも一部分が透明であり、また内部空間にアクセスするための開口と、所定の平均水分レベルを含む1つまたは複数の予め焼いた練り生地製品を支持するための少なくとも1つの支持表面と、囲いの内部空間内の使用者がアクセスし得る位置に各支持表面を取り付けて位置付けるための、囲いに付属する少なくとも1つの取付け構造とを有する囲いと、囲いの中に加熱された空気を供給するための熱源とを備える。 支持表面は予め焼いた製品の少なくとも一部分に接触するので、この部分は加熱された空気との直接接触から保護され、このために焼いた製品における水分の乾燥は制御されて、製品の感覚受容性の性質および/または口当りの性質を、焼きたての製品と本質的に同じレベルに少なくとも2時間維持する。 焼いた製品が比較的平らな基底部分と頂部分を有し、各支持表面が平らな上部表面を有するトレー部材を含み、この上部表面は焼いた製品の基底部分を支持してこれに接触しているので、これらの基底部分は囲い内の加熱された空気から保護され、焼いた製品の頂部分の速度とは異なる速度で乾燥することは有利である。 トレー部材を囲いの中に置く場合に便利なように、トレー部材はその少なくとも1つの側にリップ延長部を含む。 このリップはまた、焼いた製品がトレー部材から滑って離れることを防止する助けになる。 したがって、トレー部材を取付け構造の上に取外し可能に取り付けて、この上に製品を置くことと掃除することを容易にすることができる。 囲いは前壁と後壁とを含むことが好ましく、熱源は、焼いた製品を照明するための光ならびに囲い中の空気を暖めるための熱を発生する電気照明を含む。 電気照明は、光と加熱された空気を実質的に均等にトレー部材とその上の焼いた製品に当てるために、囲いの内部に対称に配置された電球にすることもできる。 これらの電球は一般に約30W〜250W、好ましくは75W〜130Wの合計ワット数を有し、トレー部材から約8〜15cm、好ましくは14cm離して置かれている。 望むならば、熱源を囲い内の空気を加熱するための加熱素子にすることもできる。 製品の直接伝導加熱は、トレーの中に熱源を配設することによって少なくとも部分的に達成することはできるが、加熱素子を焼いた製品およびトレーから十分に離して位置付け、素子によるトレー上の製品の直接加熱を実質的に避けるようにすることが好ましい。 このような直接加熱は焼いた製品を焼き過ぎて、すっかり乾燥させてしまう可能性がある。 また熱源は、焼いた製品がその感覚受容性の性質および/または口当りの性質を少なくとも6時間保持するように、囲いの内部空間を約95°F(35℃)から150°F(66℃)までにある設定温度に維持するために作動しなければならない。 好ましい実施例では、温度は、囲い全体にわたって所望の設定温度の約10°F(約5.6℃)以内、または約5°F(約2.8℃)以内にある。 囲い内の熱制御をさらによくするために、展示販売ケースはさらに、加熱された空気を所定の時点で所望の温度の約5°F(約2.8℃)以内に維持することができる温度制御システムを含む。 温度は所定の時点で所望の温度の約2°F(約1.1℃)以内で一定に維持されることが好ましい。 これは、実際の温度の設定点からの差に比例する誤差信号を提供する比例制御装置を使用することによって達成することができる。 一般に比例制御装置は、比例回路と熱感度器とによって制御される固体整流器を備え、一定温度を維持するために必要な正確な量の電力を提供する。 また、囲いの中の温度を正確に監視するために、少なくとも1つの温度計を囲いの各開口および各熱源から十分に離して配置することができる。 本発明はまた、予め焼いたクッキーを制御された乾燥条件の下で展示し暖めるためのクッキー展示販売ケースに関する。 この装置は、囲いであって、内部空間と、内部空間にアクセスするためのドアなどの少なくとも1つの開口と、約5〜9重量パーセントの所定の水分レベルを含有する1つまたは複数の予め焼いたクッキーを支持するための少なくとも1つの支持表面と、囲いの内部空間内における使用者がアクセスし得る位置に各支持表面を取り付けて位置付けるための、囲いに付属する構造とを有する囲いと、囲いの中に加熱された空気を提供するための熱源とを含み、支持表面はクッキーの少なくとも一部分に接触するので、この部分は加熱された空気との直接接触から保護され、こうしてクッキー内の水分の乾燥は制御されて、暖められたクッキーの感覚受容性の性質および/または口当りの性質を、焼きたてのクッキーと本質的に同じレベルに少なくとも2時間維持する。 好ましくは、囲いは、熱源を受けいれて隠すための屋根構造を含み、垂直壁は、前壁と、一対の側壁と、前壁と側壁との間に配設された後壁とを含み、複数の壁が少なくとも部分的に透明に作られており、さまざまな角度から内部の焼いた製品が容易に見えるようにする。 また屋根構造は、少なくとも1つの外側表面において中のクッキーに関する広告を受けいれるようになっており、この広告は使用者に見える。 本発明の別の態様は、予め焼いた練り生地製品を制御された乾燥条件の下で展示し暖めるための方法に関する。 この方法は、支持表面が焼いた製品の少なくとも一部分に接触するように、所定の平均水分レベルを含む予め焼いた練り生地製品を、囲まれた空間内の支持表面の上に準備するステップと、囲まれた空間内に加熱された空気を供給し、こうして焼いた製品の支持された部分が加熱された空気との直接接触から保護されて、焼いた製品からの水分の乾燥を制御し、感覚受容性の性質および/または口当りの性質を、焼きたての製品と本質的に同じレベルに少なくとも2時間維持するステップとを含む。 加熱された空気は囲まれた空間の中で循環し、焼いた製品の制御された乾燥における助けとなる。 焼いた製品がその感覚受容性の性質および/または口当りの性質を少なくとも6時間保持するように、内部空間が約95°F(35℃)から150°F(66℃)までにある温度に維持されることは有利である。 代替案として、本方法は、支持表面が予め焼いたクッキーの少なくとも一部分に接触するように、所定の平均水分レベルを含む予め焼いたクッキーを、囲まれた空間内の支持表面の上に準備するステップと、焼いたクッキーからの水分の乾燥を制御し、感覚受容性の性質および/または口当りの性質を、焼きたてのクッキーと本質的に同じレベルに少なくとも2時間維持するために、焼いたクッキーの支持された部分が加熱された空気との直接接触から保護されるように、囲まれた空間内に加熱された空気を供給するステップとを含む。 本発明の別の態様は、複数の予め焼いた製品において水分勾配を提供するための方法に関する。 この方法は、予め焼いた製品を囲いの中の支持部材上に配置し、支持部材は各製品の基底部の少なくとも一部分に接触して、製品からの水分の損失を阻止するステップと、囲いの内部で加熱された気体を循環させて、複数の焼いた製品における水分勾配を少なくとも約2時間提供するステップとを含む。 さらに、加熱された気体は加熱された空気であることが好ましい。 各製品の基部の少なくとも約34パーセントが支持部材に接触し、囲いは、この水分勾配を達成するために、囲いからの水分損失を減少するように構成され配置されている。 気体を所定の温度に加熱して、予め焼いた製品を暖めることもでき、各製品の基部の少なくとも約50パーセントが支持部材に接触することが好ましい。 好ましい実施例では、各製品の基部の少なくとも約75パーセント、または少なくとも約100パーセントが支持部材に接触する。 本発明では、暖めようとする焼いた製品は、中央部分と中央部分の周りに外側部分とを有し、こうして暖める数時間の間、焼いた製品の中央部分で少なくとも約8パーセントの含水量と、焼いた製品の外側部分で約7パーセント以下の含水量とを保持する。 中央部分は一般的に、製品の面積または容積の最も内側の33〜66%を占め、外側部分は製品の面積または容積の最も外側の17〜33%を占める。 水分勾配は、囲いの中において約6時間の後に、中央部分で少なくとも約7.5パーセントの含水量を、また外側部分で約4パーセント以下の含水量を含むことが好ましい。 焼いた製品が約2〜5インチ(約5〜13cm)の直径の実質的に丸いクッキーであれば、中央部分は約3/4インチ〜1・1/4インチ(約1.9cm〜3.2cm)の幅であり、外側部分は、クッキーの周囲から測って約1/4〜3/4インチ(約0.6〜1.9cm)の直径を有する帯状部である。 本発明はまた、二重の口当り、すなわちパリパリ感と噛みごたえ、および焼いた後に約6.5〜10重量パーセント含水率の平均水分レベルを有し、焼いた後の少なくとも約2〜8時間の間、二重の口当りを有し、平均水分レベルを保持する焼いたクッキーにも関する。 このクッキーの二重の口当りは、クッキーの中央部において少なくとも約3/4インチ(約1.9cm)の直径を有する中央ゾーンと、クッキーの縁部近くで中央ゾーンの周りにある少なくとも約1/4インチ(約6.3mm)の幅を有する帯の外側ゾーンからなり、外側ゾーンは中央ゾーンよりも低い水分を有する。 本発明は、予め焼いた練り生地製品を制御された乾燥条件の下で展示し暖めるためのモジューラ展示販売システムに関する。 この装置は展示販売部分と暖熱部分から構成されている。 展示販売ケースは一般に、内部空間を画定する1つまたは複数の壁部材であって、壁部材の1つの少なくとも一部分が透明である壁部材と、内部空間にアクセスするための開口と、所定の平均水分レベルを含む1つまたは複数の予め焼いた練り生地製品を支持するための少なくとも1つの支持表面と、囲いの内部空間内の使用者がアクセスし得る位置に各支持表面を取り付けて位置付けるための、囲いに付属する少なくとも1つの取付け構造とを有し、囲いの中に加熱された空気を供給するための熱源とを有する囲いである。 したがって、支持表面は予め焼いた製品の少なくとも一部分に接触するので、この部分は加熱された空気との直接接触から保護され、このために焼いた製品における水分の乾燥は制御されて、製品の感覚受容性の性質および/または口当りの性質を、焼きたての製品と本質的に同じレベルに少なくとも2時間維持する。 暖熱部分は、展示販売ケースに隣接して配設された暖熱区画である。 展示販売ケースは暖熱区画の上に配設されることが好ましい。 暖熱区画が、約300°F〜475°F(約149℃〜246℃)にある温度で作動して、予め焼いた冷凍クッキーを約10分以内で解凍して暖める熱源を含むことは有利である。 暖熱区画が、約350°F〜425°F(約177℃〜218℃)にある温度で作動して、冷凍クッキーを約5分以内で解凍して暖める熱源を含むことが好ましい。 暖熱区画は、暖かい焼いた製品を暖めて展示するために展示販売ケースの中でも使用される少なくとも1つの支持表面を受けいれるように、寸法決定され構成されている。 暖熱区画は、解凍サイクルが完了したことを操作者に警告するために、少なくとも1つの自動サイクリング用制御装置を含むこともできる。 さらにまた、この制御装置は、区画が開いた後に解凍した焼き物品の支持表面を放出することなどによって、加熱サイクルが完了したときに暖熱区画を開くこともできる。 安全確保と安全性のために、制御装置は、加熱サイクルが完了したときに可聴または可視アラームを始動することができる。 本発明の別の態様は、予め焼いて冷凍した練り生地製品を制御された乾燥条件の下で展示し暖めるための方法に関する。 この方法は、各冷凍練り生地製品の基部の少なくとも一部分に接触する支持表面の上で冷凍練り生地製品を解凍するステップであって、この解凍は約300°F〜475°F(約149℃〜246℃)にある温度で約10分間以内実施され、冷凍練り生地製品を暖めて、この中に所望の水分分布を保持するステップと、暖めた練り生地製品を囲まれた空間の支持表面の上に展示して、焼いた製品からの水分の乾燥を制御し、感覚受容性の性質および/または口当りの性質を、焼きたての製品と本質的に同じレベルに少なくとも2時間維持するために、焼いた製品の支持された部分が加熱された空気との直接接触から保護されるように、囲まれた空間内に加熱された空気を供給するステップとを含む。 焼いた製品が、感覚受容性の性質および/または口当りの性質を少なくとも6時間保持するように、内部空間が約95°F(35℃)から150°F(66℃)までにある温度に維持されることは有利である。 望むならば、加熱された空気を囲まれた空間の中で循環させて、焼いた製品の制御された乾燥に助力し、冷凍された焼き製品のすべてのウォームアップ時間を減らすことができる。 そうであれば、加熱された空気は囲まれた空間の中を循環して、約6時間までの期間にわたって複数の焼いた製品内の水分分布を提供する。 各製品の基部の少なくとも34パーセント、好ましくは少なくとも50%が支持表面に接触し、囲いはその水分勾配を達成するために製品からの水分の損失を減らすように構成され配置されている。 気体は所定の温度にまで加熱されて、予め焼いた製品を暖め、各製品の基部の少なくとも約50パーセントが支持部材に接触することは好ましい。 好ましい実施例では、各製品の基部の少なくとも約75パーセント、または理想的には少なくとも約100パーセントが支持部材に接触する。 本発明では、暖めようとする焼き製品は、中央部分と中央部分の周りに外側部分とを有し、こうして、焼いた製品の中央部分で少なくとも約8パーセントの含水量と、焼いた製品の外側部分で約7パーセント以下の含水量とを維持する。 中央部分は一般的に、製品の面積または容積の最も内側の33〜66%を占め、外側部分は製品の面積または容積の最も外側の17〜33%を占める。 水分勾配は、囲いの中において約6時間の後に、中央部分で少なくとも約7.5パーセントの含水量を、また外側部分で約4パーセント以下の含水量を含むことが好ましい。 焼いた製品が約3〜5インチ(約7.6〜13cm)の直径の実質的に丸いクッキーであれば、中央部分は約3/4インチ〜1・1/4インチ(約1.9cm〜3.2cm)の幅であり、外側部分は、クッキーの周囲から測って約1/4〜3/4インチ(約0.6〜1.9cm)の直径を有する帯状部である。 本発明のさらなる特性と利点は、下記の図面に関連して行った以下の詳細な説明から確かめることができる。
本発明が、クッキー、ブラウニー、マフィンなどの予め焼いた練り生地製品を制御された乾燥条件の下で展示し温めるための装置と方法とを提供することは有利である。 本装置が焼いた甘い練り生地製品を展示し暖めるために使用されることは好ましい。 本発明によって、望むならば、集中食品製造センターにおいて製造され、その後本発明による製品を展示して販売しようとする小売業者に配分される焼き製品である製品供給販売を、可能かつ容易にする。 この装置は、焼いた製品を展示するための加工を含み、展示中にこれらの製品を、実質的に焼きたての状態に、すなわち製品の乾燥を制御することによって維持する。 特に、この制御された乾燥は、焼いた製品の中に水分勾配を作り出すことによって達成される。 クッキーについては、制御された乾燥によって、焼いた製品における水分の均衡は妨げられ、クッキーがよりパリパリ感があってより乾燥した外側ゾーンと、より噛みごたえがあって湿った中央ゾーンとを、すなわち二重の口当りを保持することができる。 これはまた、焼いた製品における口当りに変化を持たせるために2つまたはそれ以上の練り生地配合を使用する必要性を排除する。 本装置は一般的に、焼いた製品を加熱してその制御された乾燥をもたらす熱源を含む。 一実施例では、本発明は、予め焼いた練り生地製品を、オーブンを必要とすることなく暖めて展示する。 囲いは一般的に、内部空間を画定する1つまたは複数の壁部材であって、壁部材の1つの少なくとも一部分が透明である壁部材と、内部空間にアクセスするための開口と、所定の平均水分レベルを含む1つまたは複数の予め焼いた練り生地製品を支持するための少なくとも1つの支持表面と、囲いの内部空間内の使用者がアクセスし得る位置に各支持表面を取り付けて位置付けるための、囲いに付属する少なくとも1つの取付け構造とを有する。 壁部材は、どの適当な材料によっても形成することができる。 少なくとも1つの壁が、囲いを開く必要なしに顧客が中にある美味しい逸品を見るよう誘うために透明であることは好ましく、これによって囲いにアクセスする回数を最小限に抑えられる。 チャンバをあまりに頻繁に開くと、水分がチャンバから逃げて乾燥が加速されることになる。 しかし、1つまたは複数の小さなエア・ギャップを囲いの中に含むことができる。 好ましい一実施例では、少なくとも3枚または4枚の壁部材が透明であるか、または少なくとも客が中の焼いた製品を見ることができる程度に十分に透明である。 別の好ましい実施例では、1つの小さなエア・ギャップが、開口の少なくとも1つと壁部材との間に存在して、暖められた焼き製品から芳香が周囲の大気に出ることができる。 エア・ギャップを例えば、1つまたは複数の壁部材における1つまたは複数の孔にすることもできる。 開口を開けるたびに追加の芳香が逃げるが、このエア・ギャップによって、顧客が焼いた製品を、開口を開く必要なしに嗅ぐことができるのは有利である。 エア・ギャップは少量の芳香が逃げることができるよう十分に寸法決めすべきであるが、囲いの中の水分すべてを実質的に保持するために十分に小さくすべきである。 焼いた製品にアクセスするための開口は、一般的に、買いたい場合に製品への急速かつ容易なアクセスを可能にするために、蝶番式または滑動式のドアである。 他の形式の適当な開口も当業者には容易に理解されよう。 ある好ましい開口は、焼いた製品を顧客が見て所望の焼いた製品を掴むために開口を開くことができるように、囲いの透明な壁部材と同じ側にドアを有することである。 別の好ましい実施例は、小売業者が追加の焼いた製品を加えるために、反対側の壁部材または隣接壁部材に第2開口を有することである。 焼いた製品の展示販売ケースが顧客によって空になると、製品の入れ替えを一度にいくつか行うことができ、またはトレー全体を除去して、焼いた製品の新しいトレーを装荷することができる。 部屋の隅位置に展示販売ケースの置くと、アクセスを簡単にするために隣接壁部材に第2開口を置く必要があるが、反対側の壁部材は第2ドアのための好ましい位置である。 少なくとも1つの支持表面は一般的には、少なくとも実質的には平面である表面を含む。 1つまたは複数の表面は一般的には、トレーまたはシートであって、その上で囲い内の焼いた製品が提示する。 この表面は、例えば正方形または矩形の形状を有する囲いの中に合うように形状化され寸法決めされている。 各表面は、任意に上向きまたは下向きに曲げてリップまたは切欠きを形成することができる少なくとも1つの縁部を有する。 上向きのリップを傾けて、焼いた品物が表面から滑るか落ちることを阻止または防ぐことができる。 下向きのリップまたは切欠きを表面の上で傾けて、適切に位置付けられた表面を囲い内でリップまたはワイヤ取付け組立品に対して動作可能に結びつけることなどによって、囲い内における表面の位置付けを助けることができる。 いずれかの方向または両方向の複数のリップまたは切欠きを同様の効果のために使用することもできる。 支持表面は、リップが存在しない切欠き隅部を有することもできる。 この実施例は、3つ以上の縁部が接合する点を省き、展示販売ケースにおける使用の合間における支持表面に掃除を容易にする。 好ましい一実施例では、囲いは2の表面を含み、この上にさまざまな焼いた品物を展示する。 例えば、クッキーを1つの表面の上に配置し、ブラウニーをもう1つの表面に配置する。 好ましい一実施例では、表面は、その間を十分に離隔させて重なった様式で配設され、この上に配置された焼き製品を顧客が見てアクセスすることができるようにする。 支持表面は他の装置で製品を焼くために使用されるトレーにすることもでき、このトレーは製品焼きに使用された後に除去されて本発明による展示販売ケースに移され、焼いた製品を個別に展示販売ケースに置く必要はない。 代替案として、支持表面をシートまたはワイヤ・ラックにすることができ、この上に予め焼いた製品を個別に配置し、その後、シートまたはラックを囲いの中に置く。 これらの実施例は、第2支持表面の上などの、囲いの中にある製品の制御された乾燥に影響するような長時間にわたって囲いを周辺大気に開放された状態に保つ必要性をなくす助けになることができる。 支持表面またはトレーをある角度に傾斜して、焼いた製品が消費者により明白に見えるようにすることも望ましく、この傾斜は対流熱の伝達も向上させる。 予め焼いた練り生地製品が、その中で所定の平均水分レベルを有することは好ましい。 当初の水分を、暖められた製品が感覚受容性の性質および/または口当りの性質をなおも示しながら、展示販売ケースにおける滞留時間に応じて必然的に発生するその後の水分損失を考慮して調節することができる。 製品がクッキーである一実施例では、クッキーは、最初に焼いた後および貯蔵中に平均で約6〜10重量パーセントの水分、好ましくは5〜8重量パーセントの水分を含む。 初期水分レベルを、調理法において、および製品焼き中に水によって制御することができる。 これらの初期水分レベルがここに指摘するようにクッキーの冷凍によって達成されることは好ましい。 冷凍は一般的に、焼いた製品が正しく包装される場合には、初期の水分を大きく変えるものではない。 予め焼いたクッキーの縁部は、展示販売ケースにおける1時間の滞留時間の後に、約5〜6重量パーセントの水分を有することが好ましい。 予め焼いたクッキーの中央ゾーンは、暖める前は約7〜10重量パーセントの水分を有するが、好ましいある実施例では、中央ゾーンは、暖める前は約8〜9重量パーセントの水分を有する。 初期水分は、焼いた直後に製品中に存在する水分のレベルを示し、本発明は、包装中およびその後の展示と販売のために暖める前の製品における水分損失防止を助けるために、焼いた約1時間以内に、好ましくは約1/2時間以内に包装された、焼いた製品を使用することが好ましい。 予め焼いた製品はまた包装された後即座に冷蔵されることが好ましい。 予め焼いた製品の冷凍もまた、製品内の水分および水分分布の保持を容易にする。 したがって、二重の口当りが望まれる製品は一般的に、焼いた後約4日以内、好ましくは約1日以内、さらに好ましくは約6〜8時間以内冷凍される。 このような急速な冷凍は、焼いた製品の水分の平衡を防止する。 冷凍はまた、凝縮を減少させ予め焼いた製品の包装物内部における可能な結霜を防止または避けるために十分な時間にわたって行われるべきである。 したがって、冷却と冷凍には少なくとも約30分間をとるべきである。 焼き製品の特定の調理法は決定的なものではないが、ある特定の脂肪や湿潤剤砂糖の使用、ならびに焼き製品の寸法と形状の変更は、特にこの説明を参照して当業者には理解されるように、展示と販売のために暖められるときに、焼き製品における所望の水分分布を変えることができる。 例えば、調理法は上述のように焼いた後に直ちに冷凍される焼いた製品のために重要性は低いが、水分を結合させて移動を防止する砂糖は、二重の口当りを有する製品を容易にするために望ましい。 1つの特に適切な焼き製品の形成は、市販のTollhouse(登録商標)チョコレート小片包装物、ならびにその妥当な変形について利用可能なクッキー調理法である。 囲いの中の少なくとも1つの表面は、それ自体囲いにつながった少なくとも1つの取付け構造と動作可能に連結されている。 1つまたは複数の取付け構造は、囲いの内部空間における使用者がアクセスできる個所に各支持表面を取り付けて位置付けるために配設されている。 例えば、取付け構造自体を、支持表面と一般的にその上に配置された焼き製品とを受けいれて支持するために、囲いの壁に任意に固定されたワイヤ・ラックにすることができる。 好ましい一実施例では、取付け構造は、展示販売ケースの中央部分にワイヤ・ケースを必要としないように支持表面を案内して受けいれるために、囲いの少なくとも2つの対向する壁に固定された少なくとも1つのリップまたは縁部を含む。 ワイヤ・ラックのないリップだけの使用は望ましい。 それは、不注意な店員が支持表面を無視して、焼いた製品をあまりにも速く乾燥させてしまう開放ワイヤ・ラックの上に焼いた製品を置くおそれがあるためである。 取付け構造としてリップを使用することによって、使用者はクッキーを支持表面の上に配置して、この表面を囲いの中に設置することを強いられる。 展示販売ケースはまた、囲いの中に加熱された空気を提供するための熱源も含む。 この熱源は、白熱灯、従来型の熱ランプ、加熱コイルなど、およびこれらの組合せなどの、当業者には入手可能であるどのような適当な熱源にもすることができる。 白熱灯と加熱コイルは、多過ぎて速過ぎる焼き製品の加熱を避けるためにさらによく調節できるので好ましい。 熱源を、囲いの頂部におけるケージの中に置くことができ、この場合、熱源が災害で故障した場合にケージは負傷を防止する。 囲いの頂部における白熱形式の熱源は、このような災害による故障を避けるためのPTFE被覆電球(TEFRON(登録商標))、好ましくは熱をより対称的な加熱パターンに向けるための指向性電球、またはこれらの組合せを含む。 電球の位置、個数、およびワット数は、本明細書における説明に基づいて当業者が容易に決定できるように、囲いの寸法によって設計されることが必要である。 熱源には、少なくとも2個の白熱電球が含まれることが好ましい。 ある実施例では、各電球は約30W〜250W、好ましくは約75W〜150W、さらに好ましくは100〜130Wであり、トレー部材などの支持表面から約8〜15cm、好ましくは14cmに位置する。 図1は、従来形式の加熱を使用する本発明による展示販売ケースを示す。 図1において、熱源5が囲い18の壁12、14、16の上方のハウジング10内に配置されていることは好ましい。 ハウジング10は、囲い18と周辺大気との間の水分移動を阻止するために、壁12、14、16に少なくとも実質的に封止されていることが好ましい。 ハウジング10は、消費者が展示販売ケースの仕組みではなく、焼き製品20、22、24、26を注視するように、不透明であることが好ましい。 囲い18を覆って配設されたハウジング10にすることの他の利益は、付属の囲い18における焼き製品20、22、24、26に関する広告(図示せず)を受けいれるようにハウジング10を設計できることである。 囲い内における乾燥制御を支援し、実質的に均一な温度を容易にするために、1つまたは複数のファン、ポンプ、または囲い内の空気を移動させる方法を使用することは任意であるが好ましい。 1つまたは複数のこのような空気移動装置(図示せず)をハウジング10の中または近くに配設することは好ましい。 各入口40のために少なくとも2つの出口30、35があって、暖められた空気がこれらの出口30、35から出ると、暖められた空気が囲い18の中へ均一に分散させるのに役立つことは好ましい。 別の好ましい実施例では、加熱すべき戻り空気のために1つの入口40と、囲い18の中に入る暖められた空気のために2つの出口30、35があって、予め焼いた製品20、22、24、26を暖める。 ある実施例では、熱源5は、支持表面45、50の上方の直線(図示せず)に対称形のパターンで配設された発熱ランプを含み、こうして支持表面上の焼き製品に輻射によって実質的に一様な加熱をもたらす。 好ましい一実施例では、熱源5は支持表面45、50によって直線から出て配設された発熱ランプを含み、こうして焼き製品20、22、24、26を加熱するための輻射の適用を阻止する。 この実施例では、1つまたは複数の空気移動装置は、焼き製品を確実煮対流加熱することを必要とされ、これは焼き製品の実質的に一様な加熱を容易にする。 加熱の少なくとも実質的に全部または全部のための対流加熱が、装置における焼き製品の過剰な乾燥を避けるために望まれることを理解されたい。 理論に束縛されることなく、対流は焼き製品の皮の上に薄い固い水分障壁を他の暖熱形式よりも大きな程度に形成すると思われる。 この皮は、焼き製品の中央ゾーンからの水分移動を阻止すると考えられる。 2つの追加実施例では、熱源は焼き製品の上方または下方に配設された加熱コイルを含む。 いずれの実施例においてもコイルは均一に配置されることが好ましく、対称な、したがって一様な熱パターンを焼き製品に提供する。 好ましくは、図2に示すように、1つまたは複数のコイルが、1つまたは複数の取付け構造または1つまたは複数の支持表面45、50の内部で、焼き製品20、22、24、26の下に配設されている。 図2Aは、図2における支持表面45の切欠図であり、コイル60、62、64、66、68を示す。 この設計では、1つのエア・ギャップがこれらの加熱コイルの頂部と焼き製品を上に配置した表面との間にあることは好ましい。 エア・ギャップは、加熱素子60、62、64、66、68と支持表面上の焼き製品との間で約0.5インチ〜1インチ(約25mm〜13cm)にすることができる。 他の、ただし好ましさは劣る実施例では、リングまたは他の可とう性加熱装置を支持表面自体の中に埋め込むことができる。 これによって、加熱装置の形状は焼き製品の形状に、例えば円形や長方形に合致して、過剰加熱することなく焼き製品のみを加熱することができる。 トレーは焼き製品の底表面を支持するために設計されているが、積み重ねはトレー上で製品を誤って位置付けることがある。 トレーを単に一部加熱域を伴って設計すると、製品の中には適切に加熱されず暖熱されないものも出てくる。 したがって、これらの事例では対流加熱が好ましい。 展示販売ケースの囲いにおける焼き製品の対流加熱は、次のパラメータを有する。 囲い内の空気流のレイノルズ数は、容認されない水分損失につながる大きな乱流物質移動を防ぐために約2300以下であることが好ましい。 レイノルズ数は約1150〜2300であることが好ましい。 約10cm(すなわち4インチ)幅の焼き製品のためには、囲い内の好ましい空気速度は、乾燥を制御しながら対流加熱を容易にするために約0.1m/秒〜1m/秒である。 さらに好ましい実施例では、囲い内の好ましい空気速度は約0.2m/秒〜0.5m/秒(約40fpm〜100fpm)である。 したがって、熱対流がこのような空気速度を発生しない場合には、1つまたは複数のファン、ポンプ、またはその他の周知の装置を装置の中に含めて、空気速度を確実に適切なものにすることができる。 熱源の形式に関係なく、展示販売ケース上の温度ダイアルまたは制御可能な温度設定部を除外することが好ましい。 この加熱温度設定部は、店員や小売業者が、焼き製品を過度に急速に乾燥し切ってしまうような高過ぎる熱にしないように、工場設定されることが好ましい。 支持表面の1つは予め焼いた各製品の少なくとも一部分に接触し、この部分を加熱された空気との直接接触から保護し、こうして焼き製品における水分の乾燥は制御されて、製品の感覚受容性の性質を焼きたての製品と本質的に同じレベルに少なくとも2時間維持する。 ある好ましい実施例では、この性質は少なくとも約4時間維持され、別の好ましい実施例では、この性質は少なくとも約6時間実質的に維持される。 支持表面は焼いた各製品の下側の少なくとも約34パーセントを覆うことが好ましい。 ある好ましい実施例では、支持表面は焼いた各製品の下側の少なくとも約50パーセントを覆い、少なくとも約75パーセントではさらに好ましく、別の好ましい実施例では、支持表面は焼いた各製品の下側の少なくとも約95パーセントを覆う。 最も好ましい実施例では、各焼き製品の底部表面全体が支持表面と接触して、暖めようとする焼き製品の中央ゾーンからの水分移動を最小限に抑える。 例えば、支持表面における直径約3mm以下(約7mm 2以下)の孔またはギャップは、直径10cmのクッキーの過剰乾燥に大きな助けとなることを阻止するのに十分に小さいことがわかった。 展示販売ケースは一般的に、消費者に望ましい十分な水分分布を保持するように、焼き製品の乾燥を制御する。 ある製品については、製品の外側部分はより低い水分を有するが、中央および内側部分はより高い水分を有する。 概して内側部分は、製品の面積または容積の33〜66%の最内部分、好ましくは40〜50%の最内部分を示す。 外側部分は、製品の面積または容積の17〜33%の最外部分、好ましくは20〜25%の最外部分を示す。 好ましい一実施例では、約5〜12.5cm(2〜5インチ)の全体直径を有する円形の焼き製品については、焼き製品の中央ゾーンは約2〜3cm(約3/4〜1・1/4インチ)の幅を有すると理解することができ、一方外側ゾーンは丸いクッキーの外周から測って約0.6〜1.6cm(約1/4〜3/4インチ)の直径を有すると理解することができる。 この形式の焼きクッキーについては、経時的な所望の水分を、少なくとも約6時間にわたる焼き製品の外側ゾーンから水分の約15パーセント〜70パーセント、好ましくは約30パーセント〜60パーセントの水分損失とみなすことができ、この実施例の中央ゾーンについては、水分損失は少なくとも約6時間にわたって、約20パーセント以下、好ましくは約15パーセント以下、さらに好ましくは10パーセント以下である。 この制御された乾燥は、いくらかさらに乾燥してさらにパリパリになる焼き製品の外側ゾーンを提供するが、所望の感覚受容性の性質および/または口当りの性質を消費者に提供する比較的湿潤で噛みごたえのある中央ゾーンを維持する。 好ましい一実施例では、焼き製品が、例えばクッキーまたはブラウニーにおいて、チョコレートまたはピーナッツ・バター・チップス、または類似の含有物を含む場合には、焼き製品は十分な「チョコレート引張り力」を保持し、消費者に所望の外観と口当りを提供する。 チョコレート引張り力は、チョコレート・チップは存在するが引張りに抵抗するほどの粘性はない個所で焼き製品が引き離されるとき、チョコレートの架橋を作るために十分に粘性になる、ある一定形式のチョコレートの能力を指すものとして当業者にはよく理解されている。 過度に加熱されたチップは溶融状態になり、十分に加熱されていないチップは引き離すには過度に固体状態である。 チョコレート・プルを示すこれらのチップは、本質的に正しい温度に維持されている。 所望の水分分布を測定する他の方法は、時間経過における焼き製品の堅さに関するものである。 丸い予め焼いた製品を暖めるときのパリパリ質/軟質の境界は、本発明の機器において焼き製品から水分が出るにつれて、ある制御された速度で時間と共に内方へ移動する。 これに対して、製品が単に周辺条件の下に置かれているときには、水分は焼き製品全体にわたって均衡するので、パリパリ質/軟質の境界は一般的に丸い製品の縁部にある。 従来の暖熱装置は、パリパリ質/軟質の境界を過度に速く焼き製品の中央部分に移動させ、この結果まずい製品となる。 パリパリ質/軟質の境界の決定を助ける焼き製品の堅さは、英国サリー州GodalmingのStable Micro Systemsから市販されているテクスチャ・アナライザ形式TA−XT2を使用して測定することができる。 この装置は一般的に、本発明の機器において暖められる焼き製品における堅さまたは応力を測定するために、4〜6個のプロングによって使用することができる。 本発明の機器において暖められる予め焼いた製品における応力は次のようになることができる。 すなわち、外側ゾーンについては、応力は一般的に暖熱の1時間後に少なくとも約50g/mm 2であり、暖熱の6時間後には少なくとも約150g/mm 2 、好ましくは少なくとも約200g/mm 2であり、中央ゾーンは、1時間後に約25g/mm 2以下、暖熱の6時間後には約45g/mm 2以下の水分を有する。 応力は、暖熱の1時間後に外側ゾーンにおいては中央ゾーンと比較して約3〜5倍大きく、暖熱の6時間後には約5〜7倍大きいことが好ましい。 ある実施例では、展示販売ケースを、異なる形式の焼き製品、例えばクッキーおよび、ブラウニー、マフィン、クロワッサン、デーニシュなどの内の1つを暖めるために使用することができる。 クッキーが他の形式の焼き製品とは異なる水分分布を有することが一般的に望まれている。 したがって、二重の口当りが望まれるクッキーまたはその他の製品を1つの支持表面、すなわち第1棚に置くことができ、他の1つまたは複数の製品を第2支持表面、すなわち第2棚に置くことができる。 鋭い勾配を持つ水分分布ではなく、ブラウニーなどのもっと均一の水分分布を望む場合には、焼き製品の上にカバーを置いて、(ファンから、または加熱によって自然に発生する対流の結果として)チャンバを通って流れる加熱された空気との接触を防止することができる。 カバーは、展示販売ケース内での対流に対する影響を最小限に抑えるために低い輪郭を有するものであることが好ましい。 したがってカバーは、単一の口当りを有する製品の頂部を通り越すだけが必要で、例えばブラウニーについては高さ約1インチ(2.54cm)のカバーが適当となるはずである。 カバーは、カバー内の水分を捕捉して、そうでなければブラウニーまたはその他の焼き製品の縁部で発生する乾燥を防止するために作用する。 カバーを多孔質にすることもでき、すなわち、多少の水分損失が望まれる場合には1つまたは複数の孔または開口を有することができ、または水分損失を最小限に抑えようとする場合には、完全に封止することができる。 予め焼いた練り生地製品の中に制御された乾燥をもたらすことが望まれるときには、製品を、本発明の展示販売ケースに置く少し前に冷蔵保存、好ましくは冷凍保存しなければならない。 [少し前]とは2時間以内、好ましくは約1時間以内を意味し、さらに好ましくは焼いた練り生地製品をフリーザから引き出して、任意に例えば10分間までの間オーブンの中で解凍して暖めた直後に、展示販売ケースの中に即座に置く。 二重の口当りと制御された乾燥が望まれる焼いた練り生地製品を、水分は均衡になろうとするので、特に周辺条件の下で、軟らかくなり過ぎるまで解凍してはならず、したがって、焼きたての水分分布は展示販売ケースにおける暖熱中には得られないと思われる。 ある実施例では、本機器は次の寸法によって製造することができる。 サイズとしては、幅を約12〜24インチ(約30〜60cm)、深さを約12〜24インチ(約30〜60cm)、高さを約20〜30インチ(約51〜76cm)(壁上の任意選択のハウジングを含まず)にすることができる。 他の寸法値も可能であるが、12〜48個の2オンス(57g)の焼き製品を機器のどこかに置くことが望まれる。 熱源は、囲いを約95°F〜150°F(約35℃〜66℃)、好ましくは約110°F〜130°F(約43℃〜54℃)にある温度に加熱するように設計されている。 さまざまな実施例では、設備は約110°F〜115°F(約43℃〜46℃)、約115°F〜120°F(約46℃〜49℃)、約120°F〜125°F(約49℃〜52℃)、および約125°F〜130°F(約52℃〜54℃)の初望の囲い温度を達成するように設計されている。 囲いにおける温度は、実質的に一定または完全に一定に保持されるように制御されることが好ましい。 温度は囲い全体にわたってあらゆる個所で少なくとも実質的に一定に保持されることが好ましく、これは囲いの任意であるが好ましい空気循環とサイズと形状の結果である。 時間を通じて温度を実質的に一定になるように制御するために、温度を制御するためのどの適当な装置も使用することができ、例えば、操作者が制御する温度計と結合された従来型のバイメタル・スプリング式恒温器(制御装置)を使用することができる。 このシステムは一般的に、所望の固定された温度の約10°F(5.5℃)以内に保たれた温度を提供する。 所望の温度の約15°F(8.3℃)以内に保たれた温度を達成できるだけの従来型のシステムもある。 しかし、温度はこの変形よりも一定であることが好ましい。 特に好ましい温度制御装置には「電子制御装置」形式もあり、これにはOven IndustriesおよびChurchill Engineeringから市販のものも含まれ、これらの各々は、熱を所望の温度の4°F(2.2℃)以内、また2°F(1.1℃)以内にさえも、より正確に制御する。 比例制御装置が、設定点からのセンサ温度の差に比例する信号に基づいて電力を調整し、これらは一般的に固体整流器に統合されて、実質的に一定の温度が重要なときに、より一定の温度を提供する。 ある好ましい実施例では、整流器と共に使用される温度計およびいずれかの制御装置が、開口を持たない壁の近くに配設されている。 温度計が、熱源および1つまたは複数の開口から十分に離れて配設されて、不正確に変化する読みを有することを防止することも好ましく、すなわち温度計は加熱コイルまたは電球の近くにないことが好ましい。 本発明はまた図3に示す展示販売システム100も含み、これはモジューラ装置100を含み、上述の展示販売ケース110は、展示販売ケース110よりも高い温度を有する暖熱区画120と共にまとめられている。 展示販売ケース110は、冷凍された焼き製品を、これらは適当な二重の口当りを有し、消費に適するようになる前に、約30〜60分間にわたって暖めることを理解されたい。 このモジューラ・システムでは、予め焼いた冷凍クッキーを、暖熱区画120の中で約10分間以下、好ましくは約5分間以内、さらに好ましくは約1〜3分間解凍し急速に暖めることができ、焼き製品のより速い販売を可能にする。 暖熱区画120は、ここに説明するように展示販売ケース110において使用される同じ寸法の支持表面45、50を受けいれるように寸法決定され構成されることが好ましい。 例えば暖熱区画120は、トレーまたはシート45、50を急速な解凍のために挿入することができる1つまたは複数のスロットまたは引出しにすることができる。 焼き製品を、暖熱区画の中に容易に置かれる支持表面の上に、暖熱を開始するためには十分であるが、焼き製品中の所望の水分勾配を壊すには不十分な時間、配置することができる。 いったん十分な暖熱が起こると、支持表面を暖熱区画から除去して、展示販売ケースの中に置いて、展示、販売、および消費のためにゆっくり暖めることができる。 展示販売システムは、これが暖熱区画を覆って配設されて展示販売ケースを消費者のために容易にアクセス可能に保つように、配置されることが好ましい。 この実施例が、注文が多いときにクッキーなどの冷凍された焼き製品を急速に暖めるための個別オーブンの必要性を除き、オーブンが置かれたキッチンにおける別の区域から焼き製品を運搬する必要性を除き、オーブン空間または時間を拘束するか、またはオーブンの設定値を他の代表的な使用値から変える必要性を除くことは便利であり、オーブンが経済性、電気、空間、またはその他の観点から利用できない小売店またはコンビニエンス・ストアにおいて使用することができる。 暖熱区画は一般的に、約275°F〜500°F(約135℃〜260℃)における温度で、好ましくは約300°F〜475°F(約149℃〜246℃)における温度で作動し、ある実施例では、これは対流加熱によって行われる。 好ましい一実施例では、暖熱区画は約350°F〜475°F(約177℃〜246℃)で作動できる。 暖熱区画は、加熱サイクルが完了したときに区画が自動的に開いて解凍した焼き物品の支持表面を放出するように、自動サイクリング用制御装置を含むことができる。 これは過剰乾燥を防止し、ならびに店員が設備を操作することを助ける。 代替案として、アラームを設置して、加熱サイクルが終わると自動的にベルまたはブザーを鳴らすことができる。 展示販売システムの別の利益は、暖熱区画からの熱が上昇して上の展示販売区画の温度を維持し、これがシステムを運用するエネルギー費をさらに低下させることである。 展示販売ケースの中に冷凍焼き製品を置くことは、焼き製品が十分に解凍されて消費のために準備済になる焼きたて特性が得られるまで、短い待ち時間、例えば15分間、30分間、60分間などが必要である。 製品がまず暖熱区画において急速に解凍されると、展示および販売のために製品を展示販売ケースの中に移動させることができる。 正しく暖められた場合には、暖熱区画は、焼き製品が展示販売ケースの中ではるかに短い時間の後に適正な焼きたての水分分布を伴って消費のために準備済になるように、焼き製品の準備を促進することができる。 便宜上、展示販売ケースと暖熱区画は両方とも同じサイズのトレーを受けいれるように構成されている。 これらのトレーは、暖める前に冷凍製品をまず支持するために使用することができ、次いで展示販売ケースで焼き製品を支持することができる。 こうして、製品をトレーの上に置き、暖熱区画の中で暖め、それからトレーを簡単に展示販売ケースへ移すことができる。 本発明を、下記の実施例によってさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 ただし実施例においてすべてのパーセンテージおよび部分は重量ベースによる表示である。 実施例1 クッキーの従来技術による解凍と供給直径4インチ(10cm)のクッキーを予め焼いて冷凍した。 これらのクッキーを周囲条件の下で解凍し、外側ゾーン、中央ゾーン、およびこれらの間の中間ゾーンにおける水分を経時的に測定した。
実証したように、従来技術によるクッキーには外側ゾーンからの不十分な乾燥または水分損失が見られた。 したがって、周囲条件と平衡した後に解凍され供給されただけのクッキーは、最も望ましい水分分布を持っていない。 実施例2 ワイヤ・ラックを使用する従来技術の機器直径4インチ(10cm)のクッキーを予め焼いて冷凍した。 これらのクッキーを、クッキーを暖めて展示するために使用される従来機器において、開放ワイヤ・ラックの上に置いた。 ワイヤ・ラックにはワイヤ間の約78%の開放面積があった。 実施例1と同じゾーンの定義を用いて、外側ゾーン、中央ゾーン、およびこれらの間の中間ゾーンにおける水分を経時的に測定した。
実証したように、従来技術によって暖められた冷凍クッキーには、中央ゾーンからの過度の乾燥または水分損失が見られた。 外側ゾーンは6時間後に大きな、しかし容認できる量の水分を損失した。 したがって、暖められている予め焼いた製品に十分に接触せず保護しない装置において暖められたクッキーは、望ましい水分分布を持っていない。 実施例3 本発明の第1実施例によって準備されたクッキー直径4インチ(10cm)のクッキーを予め焼いて冷凍した。 これらのクッキーを、クッキーを暖めて展示するために使用される本発明による機器において、固体トレーの上に置いた。 固体トレーは開放面積を持たず(0%)、機器では、加熱のために抵抗加熱素子(例えばキャルロッド)を使用し、クッキーを直接見ることはなかった。 したがって、機器はファンを使用し、ランプによって暖められた空気をクッキーの上および周りに吹き付けることによって間接加熱を行った。 実施例1と同じゾーンの定義を用いて、クッキーの水分を、外側ゾーン、中央ゾーン、およびこれらの間の中間ゾーンにおいて経時的に測定した。
実証したように、本発明による機器を使用した方法は、6時間まで経っても焼き製品において所望の水分分布を示した。 外側ゾーンは十分な水分を損失してパリパリ感のあるより乾いた縁部をもたらし、中央ゾーンは十分な水分を保持して噛みごたえのある湿潤な中央部分をもたらした。 実施例4 本発明の第2実施例によって準備されたクッキー直径4インチ(10cm)のクッキーを予め焼いて冷凍した。 これらのクッキーを、クッキーを暖めて展示するために使用される本発明による別の機器において、固体トレーの上に置いた。 固体トレーは0%のオープン領域を有し、装置はトレー下の対流加熱を使用してクッキーを暖めた。 伝導加熱コイルとトレーとの間には小さなエア・ギャップが設けられ、クッキーが置かれたトレーの下側のより均一な加熱を容易にした。 ファンは使用されなかった。 実施例1と同じゾーンの定義を用いて、クッキーの水分を、外側ゾーン、中央ゾーン、およびこれらの間の中間ゾーンにおいて経時的に測定した。
実証したように、本発明によるこの第2機器は、6時間まで経っても焼き製品において所望の水分分布を示した。 やはり、外側ゾーンは十分な水分を損失してパリパリ感のあるより乾いた縁部をもたらし、中央ゾーンは十分な水分を保持して噛みごたえのある湿潤な中央部分をもたらした。 本明細書で使用されている「約」という用語は、概して、ある数値範囲内における両方の数を指すものと理解されたい。 さらにまた、ここでのすべての数値範囲はその範囲内における各整数全体を含むものと理解されたい。 「実質的に」の用語が使用されているある実施例では、この用語は一般に、引用された値の少なくとも約90パーセント、好ましくは少なくとも約95パーセント、さらに好ましくは引用された値の少なくとも約99パーセントを意味するものと定義される。 これに対応して、値はこの値の約110パーセント以上にはならず、好ましくは値の約115パーセント以下、さらに好ましくは値の約101パーセント以下である。 したがって、例えば温度が95°F(35℃)であって「実質的に均一」である場合には、これはこの温度の約90パーセント以下ではなく、または約110パーセント以上ではないことになる。 本明細書で使用されている「焼いた」という用語は、水分勾配を中に作り出すために調理された練り生地製品を指す。 本発明は本明細書に図示および説明されたような正確な構成に限定されないものであると理解されたい。 例えば、詳細な説明にしたがって本発明を行う構成または方法において使用するために、さまざまな材料が適当になりうることは明らかなはずである。 したがって、本明細書に述べた開示内容から当業者によって、または開示内容からの日常の実験によって容易に達成可能な得策の変更はすべて、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神と範囲の中にあると考えられる。
本発明による対流形式の展示販売ケースを示す図である。 本発明による伝導形式の展示販売ケースを示す図である。 伝導形式の展示販売ケースにおいて使用できる支持表面の切欠図である。 本発明による展示販売ケースと暖熱区画とを有するモジューラ展示販売システムを示す図である。 |