Sports memorabilia and display method

【技術分野】
【０００１】
本発明は、スポーツ記念品に関し、特に多層的、三次元的形態を表すスポーツ記念品および展示用具に関するものである。 さらに本発明は、スポーツに関係する記念品の展示方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
スポーツに関係する記念品の蒐集および展示は従来からポピュラーな趣味となっており、現在でもかかる記念品に対する要求は極度に高くなっている。 従来、かかる物品は一般に、画像が印刷され、彫りこまれ、浮彫りにされ、またはスタンプされたカード等のような平面的な形状のものを含んでいた。 それに加えて、野球のボール、バットまたはその他のスポーツに関連するものを含む、展示を目的としたものがある。 後者は伝統的に、展示品の保護を兼ねて外部から観ることができるプラスチック容器内に展示されてきた。 しかしながら、これらの展示用容器は一般に、内容物の魅力を引きたたせるものではなく、それらが注目されるスポーツの性格を強調するものでもなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を克服した、展示、投資または商取引のための蒐集可能な物品を提供することにある。
【０００４】
本発明のさらなる目的は、繰り返し観察した後であっても、なお観察者がその物品に興味を示す多層的視覚効果を創り出す形態の蒐集可能な物品を提供することにある。
【０００５】
本発明のさらなる目的は、展示された物品に対する欲求を強調する態様を備えた展示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
これらおよびその他の目的を達成するために、本発明によれば、展示されるべきスポーツ関連対象物を少なくとも部分的に閉じ込める容器を備えたスポーツ記念品が提供される。 上記容器は、その内部に保持された対象物の外部からの観察を可能にするために、その少なくとも十分に大きな領域部分に亘って透明である。 この容器は、容器内に展示された対象物が関連するスポーツのプレーに使用するのに適した特定の形式のボールの外観を備えている。 このような外観を得るために、このボールは、容器の外表面または透明部分の内表面が所望の印象を与えるように、肌理（きめ）出し、シルクスクリーン捺染、着色等が施され、あるいはボール構造の表面の詳細な特徴に相似かつ特徴付けられた模様の浮彫りが施されている。 対象物とそれを取り囲む容器とは、展示効果を増幅する多層的視覚効果を備え、かつ観察者側により大きな興味をそそらせ、観る楽しみを芽生えさせる。 スポーツ記念品を構成しかつスポーツのプレーに使用されるボールであると認識し得る容器を、例えば野球では実物大に形成することができ、あるいは象徴される特定のボールに対応して拡大または縮小された大きさに形成することができる。 例えば、ゴルフボールを象った容器では寸法を拡大することができ、例えばバスケットボールを象った容器では、所望の効果と最適の展示パラメータを得るために、対応して縮小することができる。
【０００７】
本発明の実施例においては、スポーツ記念品が上述した概要に沿って構成される。 容器内に収容された展示対象物は、例えば、愉快な、模擬的な、知識を与える情景を表すために、要求に応じて配列された単数または複数のスポーツ選手を表す三次元的な人形である。 その情景は、単純なものは、ピッチャーの投球に対してバットを振るかのようにホームプレートに立つ野球選手を示し、より複雑なものは、フィールド上に陣形を取った数人のプレーヤを含む過去のスーパーボールにおける有名なプレーのような、スポーツイベントにおけるスポーツ動作またはキーイベントを示す。 中空の、好ましくは空気が満たされた容器内に予め設定された情景が閉じ込められているので、本発明の実施例による記念品の容器内に保持された対象物にはユーザが触る必要がなく、容器の内部および容器内の対象物に埃が積もったり結露したりしないように、容器は効果的に密封される。 展示対象物はまた、ワールドシリーズの切符の半券、チーム・リング、チームの写真、選手の自筆サイン、特別なスコアカード等であってもよい。 対象物は、容器内で対象物が移動しないように容器に固定される。 さらにこの容器は、対象物に関する記述、および／または示された情景に含まれるプレーヤに関する論評が外部から見えるように記載された基部を効果的に備えている。 基部自体は透明である必要がなく、基部の表面が観察者から見える位置にボール形状の容器をひっくり返したときに、基部は、外部から見える情報データを提供するための領域としての付随的な役割を有し、かつ特に容器が展示優先の直立した位置にあるときに、上方から容器の透明領域を通して観察されるフィールドのような、対象物の基台としての役割を有する。 さらに、容器が底面を下にして置かれたときに、容器がそれ自体で正しい姿勢を保つように、基部に重みを付けることができる。 かかる重み付けは、基部全体の密度を高くすることによって、例えばより重い材料を発泡材料内に埋め込むことによって、あるいは基部の相対的サイズを大きくすることによって達成される。
【０００８】
別の実施例によれば、上述した容器は、特定の容器デザインによって示唆された種類のボールに関連するスポーツに興味を持ったユーザが選んだ対象物を収容しかつ展示するための保護容器としての機能を有する。 この実施例においては、対象物が、例えばワールドシリーズの切符の半券、チーム・リング、チームの写真、自筆のサイン、特別なスコアカード等である。 容器は周囲を壁によって画成された内部空間にユーザがアクセスできるような構造を有している。 かかるアクセス可能性を実現する構造の一例において、容器は、ドーム型の透明な上方観察部と、この上方部に対して相互に締まり嵌め、スナップ嵌め、螺合および適当な嵌合によって結合される基部とを効果的に備えている。
【０００９】
本発明の上述の目的および他の目的、特徴および利点は、類似の要素には類似の符号が付された添付の図面に関連した下記の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１０】
図面、特に図１および図２を参照すると、本発明の実施例によるスポーツ記念品が全体として符号１０で示されている。 記念品１０は、展示されるべきスポーツ関連の対象物１を少なくとも部分的に閉じ込めるように形成されかつ配置された容器１を備えている。 対象物２は、例えば図１に示されているように、バットを構えてバッターボックスに立っている野球選手の人形のような興味の対象物である。 図示された実施例では、容器１が対象物２を完全に閉じ込めており、これによって、埃の堆積や容器内部の結露が防止されるように、内部空間が外部から効果的に遮断されている。
【００１１】
容器１は、少なくとも十分な領域に亘って透明にされて、内部にある対象物２を外部から観察することが可能であり、図１の実施例においては、かかる領域が透明なドーム状の上方部３を効果的に構成している。 容器１はさらに、卓上の置物としての展示品の底部に位置する基部４を効果的に備えている。 対象物および／または対象物に関する付帯事項を説明する記述５が、基部４の外部に面する表面から見える、基部４によって画成された領域内に効果的に付されている。 さらに、この領域は、望ましければ、自筆のサインまたはユーザによって追加された情報を効果的に書き込むのに適した構成を有する部分となっている。 透明である必要のない基部４自体は、ボール形状の容器１を基部４の表面が観察者から見える位置にひっくり返したときに、基部４は、外部から見える情報データまたはその他の標識を提供するための領域としての付随的な役割を有し、かつ特に容器が展示優先の直立した位置にあるときに、容器１の透明なドーム型上方部３を通して外部から観察されるプレーイングフィールド（例えば図１に示されているように、バッターボックスおよびホームプレートを示すことが可能な）のような、対象物２の基台としての役割を有する。
【００１２】
本発明の実施例によれば、容器１は、容器内に展示された対象物に関するスポーツをプレーするのに使用されるのに適した特定の種類のボールの外観を与えられている。 図１および図２に示された実施例においては、ボール構造は対象物２に対応する野球のボール構造となっている。 かかる外観を得るために、容器１の外表面または透明な部分３の内部に所望の視覚的印象を与えるような肌理出し、シルクスクリーン捺染または印刷が施され、あるいは縫い目６およびかかるボール構造に特有の特徴ある表面に似せた浮彫りが施されている。 対象物２と周囲の容器１との組合わせにより、展示効果を増幅する多層的視覚効果が提供され、観察者側により大きな興味をそそらせ、観る楽しみを芽生えさせる。
【００１３】
スポーツに使用されるボールの大半は球状であり、上述の実施例はかかる典型的な形状を有する一般的な構造を表している。 しかしながら、本発明は、非球状の外形を有するボール構造の用途にも適合する。 図３および図４を参照すると、フットボールに似せて形成されたスポーツ記念品２０の実施例が示されている。 図示の実施例において、このスポーツ記念品２０は、透明な観察部２３と基部２４とに分かれている。 基部２４は、前述の実施例のように円形ではなく、むしろ細長く、この特定の実施例においては、注目すべきフットボールゲームの記念すべきフットボールフィールドの情景がミニチュアで再現されている対象物２２のための基台としての機能を有する。 基部２４の外面には、プレーに関連する情報またはその他の興味のある論評が効果的に記されている。 基部２４は、容器２１が展示面上で転がらないようにしっかりと置かれるようにするために、平らな中央領域２４ａを効果的に備えている。
【００１４】
容器１，２１、基部４，２４および対象物２，２２を含む上述した実施例による記念品１０，２０の種々の部品は、例えば通常の多くの成形法および製作法のいずれを用いても実際に作成することができる。 部材の少なくともその一部は、射出成形法を用いて作成するのに適した熱可塑性樹脂からなるのが効果的である。 図１および図２に示す記念品１０は、基部４および対象物２が一体に、そして透明部分３が二つの部分に分れて、例えば射出成形によって作成される。 対象物２の望ましい表面細部、またはこの対象物２のための基台としての役割を有する基部４のプレ−イングフィールドに似せたラインのような表面は、成形された種々のパーツの組付けに先立って塗装される。 次にパーツは、例えば超音波融着、または成形済みパーツの固定に利用されるその他の手法を用いて一体化される。 図１および図２の実施例に示されているように、野球のボールの外観は、プラスチックの射出成形時に金型内面の適切な形状によって容易に施される、実物のボールの縫い目６に対応する外面に盛り上がった浮彫りを配置することによって効果的に得られる。 同様に、皮革および縫い目２６を表す肌理（きめ）出しが、図３および４の実施例のフットボールにおいて同様の手段によって施される。 透明部分３，２３を透過する光は、縫い目６，２６の領域で屈折して多層構造によって生じた興味深い効果を付け加える。
【００１５】
上述の実施例はともに、ユーザが選んだものではない展示対象物を含む物品に関するものである。 しかしながら、本発明の有用性および範囲は、多層次元を備えることによって展示された物品の価値を高める役割を有する容器によってユーザが対象物の高められた性質を決定することができる展示用具にまで拡張されるべきものである。 図５ａおよび図６を参照すると、単に例示のために野球のボールを用いたそのようなスポーツ記念品展示用具３０が示されている。 このスポーツ記念品展示用具３０は、選択した対象物を挿入して展示することができるようにユーザが内部空間にアクセスできることを除いては、上述した実施例と略同様の構成を有する。 このために、容器３１は、観察部３３と基部３４とが分離可能に構成されている。 容器３１の分離が可能な相互結合構造が採用され、図示された実施例では、観察部３３と基部３４との双方にねじ溝３７ａおよび３７ｂがそれぞれ設けられている。 図示された実施例は、カードまたはその他の展示品を支えるための随意的な物品支持体３９をも備えている。 容器３１の開閉を容易にするために、掴み易くするための平らな部分、または図６に示されているような窪み３４ａが効果的に設けられている。
【００１６】
図５ｂは、写真、切符の半券、またはその他の平面状物品の保護展示を意図した展示用具の実施例に関するものである。 この実施例は、基部３４の構成を除いては、図５ａの構成を採用している。 この実施例によれば、異なる構成を有する基部３４´が、切符の半券、写真、自筆のサイン、またはその他の類似のもののような平面状の物品３８を滑り込ませるのに適した、物品支持体３９´の透明領域に形成された受容スロット３９ａを有する変形された物品支持体３９´を備えている。
【００１７】
図５ａ，５ｂおよび図６に示された実施例は、観察部と基部とのねじ込みによる結合構造を採用しているが、本発明から離れることなしに、他のいかなる一時的な固定手段をも用いることができることに注目されたい。 かかる手段は、例えば締まり嵌め、バヨネットマウンティング等である。 特定の用途に応じて特定の構造が選択される。 例えば、実施例が、細長い形状の基部を有するフットボールとして構成される場合には、ねじ込みを用いた固定は好ましくなく、多分、締まり嵌めが目的に適していよう。 さらに、一方の容器部分に、他方の容器部分に形成されたスロットに係合する留め具を設けた結合構造も採用できる。
【００１８】
かかる実施例が図７に全体として符号４０で示されており、容器４１は観察部４３と基部４４とを備え、弾性的に変形可能な材料で形成され、かつ観察部４３の適当な位置に形成されたスロット４８に係合可能な留め具４７が基部４４上に設けられている。 観察部４３を基部４４から分離させるために、留め具４７が矢示のように内方へ弾性的に撓められると、これによってスロット４８との係合が解除される。 再組立てに際しては、留め具４７がスロット４８内にパチンと係入する。
【００１９】
図８を参照すると、スポーツ記念品展示用具の別の実施例が全体として符号５０で示されている。 図８の実施例によるスポーツ記念品展示用具５０は、図５ａおよび図６の要素に対応する類似の構成を有する観察部５３および基部５４を含む分離可能なパーツを備えた容器５１を有する。 しかしながら、観察部５３および基部５４に加えて、このスポーツ記念品展示用具５０は、このスポーツ記念品展示用具５０の他の部材から独立した取外し可能なディスク５９を有し、このディスク５９は、目的に適合するように適当な肌理を有するかまたはコーティングされた予め用意された面上にスポーツ名選手の自筆のサインを載せるための物品支持体としての役割を有する。 かかる面を提供することは，従来から知られているので、より詳細な説明は省略する。 取外し可能なディスク５９を用いると、自筆のサインを載せて展示することが制限されないのみでなく、ユーザが施した、記述された、浮彫りにされた、さもなければ可視的に記録された内容を後の展示のためにその上面および／または下面に収容することができ、それをスポーツ記念品展示用具５０から取り外すと、かかる可視的情報の追加が便利になる。 交換時には、取外し可能なディスク５９は、観察部５３および基部５４が互いに係合された場合に、例えば観察部５３と基部５４との対向面間に係止されて保持される態様で固定される。
【００２０】
発明の開示のための実施例は、特に野球およびフットボールに関連する対象物に関するものであるが、本発明の意図された範囲から離れることなしに、バスケットボール、ゴルフ、テニス、サッカー、バレーボール等を含むその他の興味の対象物も含まれる。 さらに、透明部分３（２３，３３，４３および５３）が単一のドーム領域として図示されているが、不透明または半透明領域によって分離されかつ複数の角度から内部を観察することができる２個またはそれ以上の不連続の透明部分を備えることもできることに注目されたい。
【００２１】
以上、本発明の好ましい実施例について図面を参照して説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲で規定された範囲または精神から離れることなしに、種々の変形変更が可能なことは当業者であれば理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】ベースボールに関連する対象物に関する本発明によるスポーツ記念品の実施例の透視的側面図である。
【図２】図１のスポーツ記念品の底面図である。
【図３】フットボールに関連する対象物に関する本発明によるスポーツ記念品の別の実施例の透視的側面図である。
【図４】図３のスポーツ記念品の底面図である。
【図５ａ】本発明によるスポーツ記念品のさらに別の実施例である、ユーザによって選択された野球関連対象物を収容しかつ展示するための保護容器の部分的断面で示された分解側面図である。
【図５ｂ】保護展示のために写真、切符半券、または他の平面状の物体を収容するのに適した物品支持体を備えた、図５ａの基部とは別の実施例の基部の断面図である。
【図６】図５ａのスポーツ記念品の平面図である。
【図７】ユーザによって選択された対象物を収容し展示するのに適したスポーツ記念品展示用具の別の実施例の部分的断面図である。
【図８】スポーツ記念品展示用具のさらに別の実施例の断面側面図である。
【符号の説明】
【００２３】
１，２１，３１，４１，５１ 容器２，２２ 対象物３，２３，３３，４３，５３ 透明部分（観察部）
４，２４，３４，４４，５４ 基部６，２６ 縫い目１０，２０ スポーツ記念品３０，４０，５０ スポーツ記念品展示用具