照明装置、この照明装置を備えた棚板ユニットおよびショーケース

申请号 JP2013517969 申请日 2012-05-21 公开(公告)号 JPWO2012165190A1 公开(公告)日 2015-02-23
申请人 コニカミノルタ株式会社; 发明人 佳恵 清水; 佳恵 清水;
摘要 棚板を備えるショーケースに用いる照明装置において、棚板に陳列する商品を効率的に照明可能な配光特性と、防 水 ・防塵機能を有する照明装置を提供し、この照明装置を備えて、商品を高効率に照明可能で水や埃が入り込まず、安定して照明可能な棚板ユニットおよびショーケースを提供する。 光源 2からの光を反射しながら射出部まで導光し、射出部から所定方向に向けて射出すると共に、射出部を防水カバー7で覆い、導光経路を介して導光される導光方向と、防水カバーの外面の垂線との成す 角 度&thetas;1が、ブリュースター角よりも大きな角度とされ、防水カバーの外面が商品側に向かって傾斜した構成の照明装置1(1A〜1D)とし、棚板5にこの照明装置1(1A〜1D)を取り付けて一体化した棚板ユニット50、50Aとし、この棚板ユニットを複数段備えるショーケースSCとした。
权利要求
  • 棚板の先端に装着され、前記棚板の正面から観察した時の幅方向に沿って配設される光源と、該光源から出射された光が入射する入射面と、該入射面から入射した光を前記幅方向と直交する方向に導光する導光経路と、導光された光を前記棚板上に陳列された商品側に向けて射出する第一射出面と、を備える導光体を有し、前記棚板上に陳列される商品を照明する照明装置であって、
    前記導光体は、前記導光経路を形成する相対向した第一面と第二面とを有し、前記第一射出面側に、空気層を挟んで透光性と防水性を有する防水カバーを設置し、当該防水カバーの外面を前記商品側に向かって傾斜させ、前記導光経路を介して導光される導光方向と、前記防水カバーの外面の垂線との成す角度θ1を、前記防水カバーのブリュースター角よりも大きな角度としたことを特徴とする照明装置。
  • 前記導光経路を介して導光される導光方向と、前記第一射出面の垂線とのなす角θ2をブリュースター角よりも大きな角度で、前記商品側に傾けたことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  • 前記第一面の外側に空気層を挟んで第一反射面を設け、前記第二面外側に空気層を挟んで第二反射面を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
  • 前記θ1およびθ2は80°よりも小さいことを特徴とする請求項2または3に記載の照明装置。
  • 前記θ2を前記θ1よりも大きな角度とし、形成された空間部に前記防水カバーを保持する筐体を配置したことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の照明装置。
  • 前記第一面の前記第一射出面に近接した領域に所定の拡散特性を有する拡散部を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の照明装置。
  • 前記導光体は、前記光源からの光を異なる二方向に分岐する光路分岐部を備え、前記導光経路として、前記光を、前記第一射出面に向けて導光する第一導光経路と、該第一導光経路と逆方向に導光する第二導光経路を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の照明装置。
  • 前記導光体は前記棚板の正面から観察した時の幅方向に複数に分割され、前記防水カバーは前記幅方向に一体に形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の照明装置。
  • 前記光源は、前記棚板の正面から観察した時の幅方向に沿って配設される複数のLED光源からなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の照明装置。
  • 請求項1から9のいずれかに記載した照明装置を先端部に設けたことを特徴とする棚板ユニット。
  • 請求項10に記載された棚板ユニットを複数段備えたことを特徴とするショーケース。
  • 说明书全文

    本発明は、棚板用の照明装置およびこの照明装置を備えたショーケースに関し、例えば、棚板の先端に配設され、棚板上に陳列される商品の照明に好適な照明装置、この照明装置を備えた棚板ユニットおよびショーケースに関する。

    従来から、ショーケースに配設され、ショーケースに陳列された商品を照明するものとして、蛍光灯が広く用いられている。 蛍光灯は、一般に電気エネルギーを可視放射、赤外放射、紫外放射に変換し、可視光線を放射することで、照明として用いるものである。 その際、熱損失が生じるため、蛍光灯自体のみならず、当該蛍光灯による輻射熱によって、陳列された商品が加熱されるという問題があり、ショーケース用の照明装置の光源としては、必ずしも好ましいものとはいえない。

    近年、発光効率の向上や発光量の増加と共に、寿命が長く消費電が小さくて、環境にやさしいとされるLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を用いた照明装置が実用化されつつある。 また、青色LEDチップが開発されて以来、この青色LEDチップと、このLEDチップからの光に励起されて所定波長の励起光を発光する蛍光体と、を組み合わせて白色発光する白色LED光源や、青色LEDチップと緑色LEDチップと赤色LEDチップとの三原色のLEDチップを用いて白色光を合成する白色LED光源が開発されている。

    そのために、照明装置として、この白色LED光源を配設したLED照明装置が用いられている。 特に、ショーケースなどの陳列棚の照明装置として、消費電力が小さく、発熱も小さいLED光源を用いることが模索されており、例えば、棚板先端に配置し、棚上に陳列された商品を照明するLED照明を設けたショーケースが既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。

    この特許文献1に記載されたショーケースは、商品の落下を防止するために設置するガードを透光性の板材から構成し、LED照明装置からの光をガード上端部から棚上の商品に向けて照射している。

    特開2010−82115号公報

    棚板用の照明装置は、商品上で照度ムラのない均一な照明が望まれる。 また、ショーケースなどの棚板用の照明装置としては、その設置場所により、や埃がかかる可能性が高い。 また、導光体であるガードは外部に露出しているために、傷付きやすい。 導光体表面に水滴、埃が付いたり傷付いたりすると、その部分で光が導光経路から射出され、照明のムラが発生して好ましくない。

    しかし、特許文献1に記載されたショーケースは、落下防止用のガードを照明装置の導光体として使用しているために、ガードが露出しており、傷付きやすく、水や埃も付きやすくなっており、防水性や防塵性の観点からは好ましくない。

    また、ガードの上端面から射出される高輝度の照明光が観察者側に向かうために、観察者は眩しく、快適に商品を観察することができない。

    そのために、ショーケースなどの棚板の先端に装着して用いる照明装置は、棚板に陳列する商品を効率的に照明可能な配光特性を有し、さらに、防水・防塵機能を有することが好ましく、観察者が眩しくなく、容易に観察でき、清掃時に水や埃が入らずに容易に清掃可能で安定して照明可能な棚板ユニットおよびショーケースであることが好ましい。

    本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、棚板の先端に装着して用いる照明装置において、棚板に陳列する商品を効率的に照明可能な配光特性と、防水・防塵機能を有する照明装置を提供し、この照明装置を備えて、商品を高効率に照明可能で水や埃が入り込まず、安定して照明可能な棚板ユニットおよびショーケースを提供することを目的とする。

    上記目的を達成するために本発明は、棚板の先端に装着され、前記棚板の正面から観察したときの幅方向に沿って配設される光源と、該光源から出射された光が入射する入射面と、該入射面から入射した光を前記幅方向と直交する方向に導光する導光経路と、導光された光を前記棚板上に陳列された商品側に向けて射出する第一射出面と、を備える導光体を有し、前記棚板上に陳列される商品を照明する照明装置であって、前記導光体は、前記導光経路を形成する相対向した第一面と第二面とを有し、前記第一射出面側に、空気層を挟んで透光性と防水性を有する防水カバーを設置し、当該防水カバーの外面を前記商品側に向かって傾斜させ、前記導光経路を介して導光される導光方向と、前記防水カバーの外面の垂線との成す度θ1を、前記防水カバーのブリュースター角よりも大きな角度としたことを特徴としている。

    上記の構成によると、棚板上に陳列された商品側を照明する第一射出面に防水カバーを設けているので、光源部や装置内部への水や埃の入り込みを防止できる。 また、導光経路を導光体の第一面と第二面とで形成しているので、この第一面と第二面とで全反射させながら射出面まで導光でき、光源からの光を高効率に導光して射出することができる。 また、防水カバーの傾きを、カバー材料のブリュースター角よりも大きな角度商品側に傾けることで、照明光を高効率で商品側に向けて配光制御でき、棚板上に陳列される商品を効率よく照明できると共に、観察者側に向かう光を低減することができる。 そのために、観察者が眩しくなく、棚板に陳列する商品を効率的に照明可能な配光特性と、防水・防塵機能を有する照明装置を得ることができる。

    また本発明は上記構成の照明装置において、前記導光経路を介して導光される導光方向と、前記第一射出面の垂線とのなす角θ2をブリュースター角よりも大きな角度で、前記商品側に傾けたことを特徴としている。 この構成によると、防水カバーだけでなく、導光体の射出面を、キャップ部材を、ブリュースター角よりも大きな角度、商品側に傾けることで、棚板上に陳列される商品をより効率的に照明でき、観察者が商品を観察するときの眩しさをさらに低減することができる。

    また本発明は上記構成の照明装置において、前記第一面の外側に空気層を挟んで第一反射面を設け、前記第二面外側に空気層を挟んで第二反射面を設けたことを特徴としている。 この構成によると、導光経路中に全反射条件から外れて外部に射出される光を、導光経路に戻して、効率よく射出面まで導光することができる。

    また本発明は上記構成の照明装置において、前記θ1およびθ2は80°よりも小さいことを特徴としている。 この構成によると、θ1やθ2が80°よりも大きいと、同行経路の上下幅に対して、射出面の上下幅を大きくすることが必要となるので、θ1およびθ2を80°よりも小さくすることで、照明装置のサイズをコンパクトにできる。

    また本発明は上記構成の照明装置において、前記θ2を前記θ1よりも大きな角度とし、形成された空間部に前記防水カバーを保持する筐体を配置したことを特徴としている。 この構成によると、この筐体に防水カバーを取り付けて、内部に水や埃を入り込ませないように封止することができ、防水性を高めることができる。

    また本発明は上記構成の板照明装置において、前記第一面の前記第一射出面に近接した領域に所定の拡散特性を有する拡散部を設けたことを特徴としている。 この構成によると、射出直前の光束を所定範囲拡散して射出面に向けて反射するので、均一な照明光を生成できる。 すなわち、高効率で配光特性を維持したまま導光でき、均一な照明光を射出することができる。

    また本発明は上記構成の照明装置において、前記導光体は、前記光源からの光を異なる二方向に分岐する光路分岐部を備え、前記導光経路として、前記光を、前記第一射出面に向けて導光する第一導光経路と、該第一導光経路と逆方向に導光する第二導光経路を有することを特徴としている。 この構成によると、第一導光経路を介して棚板の上側を照明し、第二導光経路を介して棚板の下側を照明できる。 すなわち、棚板の上下を同時に照明可能な照明装置を実現できる。 また、上側に設ける防水カバーにより、水や埃の入り込みを防止することができる。

    また本発明は上記構成の照明装置において、前記導光体は前記棚板の正面から観察した時の幅方向に複数に分割され、前記防水カバーは前記幅方向に一体に形成されていることを特徴としている。 この構成によると、導光体を所定の幅の集合体として作製できるので、製造コストを削減できる。 また、防水カバーは長手方向(棚板の正面から観察したときの幅方向)に一体であるので、導光体間の隙間からの水や埃の入り込みを十分防止することができる。

    また本発明は上記構成の照明装置において、前記光源は、前記棚板の正面から観察した時の幅方向に沿って配設される複数のLED光源からなることを特徴としている。 この構成によると、高照度で消費電力が小さく、発熱も小さい高効率の照明装置を実現することができる。

    また本発明は、上記照明装置を先端部に設けた棚板ユニットであることを特徴としている。 この構成によると、観察者が眩しくなく、商品を高効率に照明可能で水や埃が入り込まず、安定して照明可能な棚板ユニットを得ることができる。

    また本発明は、上記棚板ユニットを複数段備えるショーケースであることを特徴としている。 この構成によると、複数段の棚に陳列された商品を高効率に照明可能で水や埃が入り込まず、安定して照明可能なショーケースを得ることができる。

    本発明によれば、商品側に向けて照明光を射出する第一射出面に透光性と防水性を有する防水カバーを設けているので、この射出面から水や埃が入り込まない。 また、防水カバーの傾きを、カバー材料のブリュースター角よりも大きな角度商品側に傾けることで、照明光を高効率で商品側に向けて配光制御でき、棚板上に陳列される商品を効率よく照明でき、観察者側に向かう光を低減することができる。 そのために、観察者が眩しくなく、棚板に陳列する商品を効率的に照明可能な配光特性と、防水・防塵機能を有する照明装置を得ることができる。 また、この照明装置を用いて、観察者が眩しくなく、商品を高効率に照明可能で水や埃が入り込まず、安定して照明可能な棚板ユニットおよびショーケースを得ることができる。

    本発明に係る照明装置を装着した棚板を示す概略断面図である。

    第一実施形態の照明装置の構成を示す概略断面図である。

    屈折率1.5の透光性部材における入射角度と反射率の関係を示す図である。

    第一実施形態の照明装置の照明光の輝度分布を示す図である。

    拡散部における光束の拡散状態を示す概略断面図である。

    第二実施形態の照明装置を示す概略断面図である。

    第二実施形態の照明装置の照明光の輝度分布を示す図である。

    第三実施形態の照明装置を示す概略断面図である。

    第三実施形態の照明装置を示す概略断面図である。

    導光体の構成を示す概略斜視図である。

    第四実施形態の照明装置を示す概略断面図である。

    棚板の上下を同時に照明する照明装置を備えた棚板ユニットを示す概略断面図である。

    複数段の棚板を有するショーケースの一例を示す側面図である。

    以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。 また、同一構成部材については同一の符号を用い、詳細な説明は適宜省略する。

    本発明に係る照明装置1は、例えば、図1に示すように、棚板5の先端に装着され、棚板5上に陳列する商品を照明するために用いられる。 また、プライスレール4を備えたショーケースなどの場合は、棚板5の先端5aと、プライスレール4との間に装着される。

    次に、図2を用いて本発明に係る照明装置の第一実施形態について説明する。 図2に示す照明装置1Aは、棚板の長手方向(正面から観察したときの幅方向に相当し、以降、棚板の幅方向と称する)に沿って配設される光源2と、該光源2から出射された光が入射する入射面31と、該入射面から入射した光を前記幅方向と直交する方向に導光する導光経路10Aと、導光された光を棚板上に陳列された商品側に向けて射出する第一射出面32と、を備える導光体3Aを有する。

    導光体3Aは、導光経路10Aを形成する相対向する第一面34aと第二面34bとを有する。 また、第一射出面32は、棚板上に陳列された商品に向かって傾斜しており、外側に空気層を挟んで配置され透光性と防水性を有する防水カバー7を設置している。 また、防水カバー7の外面を商品側に向かって傾斜させ、導光経路10Aを介して導光される導光方向と、防水カバー7の外面の垂線との成す角度θ1を、防水カバー7のブリュースター角よりも大きな角度としている。

    ここで用いる光源2は、棚板の幅方向に照明光を射出する光源であればよく、例えば、線状の光源(冷陰極管)や棚板の幅方向に間隔をおいて配設する複数の点状光源(LED)を用いることができる。 また、導光体3Aの入射面31は下向きに、第一射出面32は上向きに配置され、この入射面31に対向するように光源2が配設されていて、光源2からの光は、略鉛直方向に配置される導光経路10Aに沿って上向きに導光され、防水カバー7の外面7aから、商品側に向けて射出される。

    光源2がLED光源であれば、棚板の幅方向に基板21を配設し、この基板21に複数のチップ型のLED光源を搭載する。 また、例えば、青色LEDチップと、このLEDチップからの光に励起されて所定波長の励起光を発光する蛍光体と、を組み合わせて白色発光する白色LED光源を用いる。 基板21は、例えば、棚板の全幅を均一に照明するために、棚板の幅程度の長さとされ、この上にLED光源を所定ピッチで複数個搭載している。 ただし、棚幅が広い場合は、複数の基板に分け、それぞれを電気的に接続する構成としてもよい。

    また、導光経路10Aを形成する相対向する第一面34aと第二面34bの外側には、それぞれ空気層を挟んで第一反射面11と第二反射面12とが設置され、この第一反射面11と第二反射面12の上部に防水カバー7が取り付けられている。

    導光体3Aは、可視光を透過する透明な材料(例えば、屈折率が約1.5のPMMA:アクリル)からなる。 光源2から出射された光束は、第一面34aと第二面34bとの間を全反射しながら第一射出面32に向けて導光される。 また、全反射角から外れた光束は、第一反射面11と第二反射面12とで反射され、再び導光体3A内に戻されて、全ての光束を、第一射出面32から射出している。

    第一反射面11および第二反射面12は、導光体3Aを収容するフレームの内面を、例えば、アルミ製板金に白色塗装の白色反射処理やミラー処理を施した反射面として形成する。 また、アルミ製板金に替えて樹脂材を用いて、その内面にミラー処理やミラーフィルムを貼付してもよい。

    防水カバー7は、第一反射面11と第二反射面12を備えるフレームの上部を覆うように配置され、上からの水の浸入を防ぐように構成されている。 そのために、底面部に設ける基板21上にLED光源を設置して使用する場合、基板21部およびLED光源部への水の浸入を防ぐことで、短絡(ショート)やLEDの劣化などを防ぐことができる。

    また、この第一実施形態の照明装置1Aが備える防水カバー7は、図に示すように、相対向して設置される第一反射面11と第二反射面12の上端部に傾斜して配設される平板状の透光性部材(例えば、可視光透過率が高く、耐薬品性も高いポリカーボネート、および、防傷のためのハードコートを施したもの)からなる。 すなわち、防水カバー7が備える入射面(内面)と射出面(外面7a)とは略平行であり、棚板上に陳列される商品に向かうように傾斜している。 例えば、導光経路10Aを介して導光される方向と、外面7aの垂線とのなす角θ1が約65°傾いている。

    また、観察者側の第一面34aの第一射出面32に近接した領域に所定の拡散特性を有する拡散部14を設けている。 所定の拡散特性とは、拡散角度σが5°〜20°(例えば、σ10°のガウス散乱特性)程度が好ましい。 拡散角度が大き過ぎると、照明光が広角度に発散してしまい、無駄な領域まで照明し照明効率が低下する。

    このように、射出面に近接した領域に所定の拡散特性を有する拡散部14を設けた構成であれば、射出直前の光束を所定範囲拡散して射出面に向けて反射するので、均一な照明光を生成できる。 すなわち、高効率で配光特性を維持したまま導光でき、均一な照明光を射出することができる。

    また、第一面34aと第二面34b、または、第一反射面11と第二反射面12を、拡散反射面として、所定の領域に設ける拡散部14の拡散角度を小さくできるようにしてもよい。

    このような構成であれば、光源2から射出された光は、導光体入射面31から導光体に入射し、導光体の全反射条件を満たす光線は導光体内部を全反射しながら第一射出面32まで導光される。 また、全反射条件を満足しない光線は、拡散反射面である第1および第2反射面間で拡散反射しながら第一射出面32まで導光される。

    第1反射面11および第2反射面12が鏡面のとき、導光体の拡散領域に到達する光線の略全てが光源2から射出された状態を保存しているために、照明の均一化、色ムラの低減を図るためには、拡散部14の拡散度を大きくする必要がある。

    特に、観察者側の反射面(第1反射面11)により、照明光を商品側へ効率よく射出すると同時に、全反射条件を外れた照明光が観察者側へ射出し、観察者が眩しくなることを防ぐことができる。 また、不要な照明光を射出しないことにより照明装置の省エネ化も可能となる。

    全反射は略100%の反射率を有するため、光を効率的に入射面から射出面へと導光することができる。 一方、反射面による面間反射で光源部から射出部へ導光する場合は、反射面の反射率が全反射と比較して低いことから、導光光のエネルギーの減衰が、全反射に比べて大きい。

    すなわち、導光経路10Aに導光体3Aを配置し、導光体3Aの全反射条件を満たす光線は全反射させて導光させることにより効率よく、光源2からの光を射出部へと導くことができる。

    第一射出面32まで到達した光は、屈折して射出され、空気層を介して第一射出面32と略平行に配置された防水カバー7に入射し、防水カバー外面7aから射出し、照明光として、棚板上に陳列された商品を照明する。

    屈折面における入射角が大きい場合、界面におけるフレネル反射を考慮しなければならないことが知られている。 これは、図3に示すフレネル反射の入射角度と反射率との関係から判るように、屈折率が1.5の媒質に入射する光は、約60°よりも入射角が大きくなると、すなわち、ブリュースター角(約60°)よりも大きくなると、反射率は急激に増加するからである。 この図3には、屈折率n=1.5の媒質に入射するp波の反射率(p反射率)とs波の反射率(s反射率)とこれらの平均反射率を示している。

    言い換えれば、屈折率1.5の媒質から空気中(屈折率1.0)へ射出される光線を考えると、この射出角がブリュースター角以上になると、光の射出効率が急激に低下する。

    一方、棚板の先端に設置し、棚の上方に向かって、主に商品のフェイス面を照明するための照明装置では、照明光の配光中心が、真上よりも少し棚板側に傾いている状態が好ましい。 直上よりも観察者側へ照明光が射出されると、観察者は照明光が眩しくて商品を良好に観察できない。 また、配光中心が棚板側へ大きく傾くと、商品の下部のみを明るく照らす照明となってしまい、フェイス面全体を均一に良好に照明することは難しい。

    本実施形態では、鉛直方向と防水カバー7の射出面(外面7a)の垂線とのなす角θ1が約65°であり、鉛直方向と第一射出面32の垂線とのなす角θ2も約65°としている。 このように、θ1、θ2ともに、ブリュースター角より、大きな角度を持たせることにより、射出角度が負、すなわち観察者側へ向かう照明光を低減することができる。

    このような形態の防水カバー7を備える照明装置1Aの放射輝度特性について図4を用いて説明する。

    図に示す横軸は、導光される真上方向を0°とし、棚板に向かう時計周りの角度を正の方向とする放射角θAを示す。 また、縦軸に輝度(相対値)を示す。 従って、0°が真上、90°が棚板と平行方向、負の角度は観察者側へと射出される光を意味する。 この図から、本実施形態の照明装置1Aは、鉛直方向から約30°傾いた位置に輝度ピークR1を有し、0°<θA<90°の範囲、すなわち棚板上に陳列された商品を良好に照明できる配光特性を有していることが判る。

    棚板先端に取り付けた小型(棚板厚さと同等レベルの高さを有する)照明装置を用いて棚板上の商品を照明する場合、フェイス面(垂直面)照度を均一とするためには、放射輝度の角度特性がsinθの二乗に反比例することが好ましい。 これは、照明装置とフェイス面との距離がsinθに略比例するからである。

    本実施形態では、30°付近に輝度ピークR1を有し、90°に向かうにつれて次第に輝度が低下していることから、棚板から上方60°の範囲で、棚板上のフェイス面照度を均一にできることが判る。 言い換えれば、棚板先端に配置しても商品観察の邪魔にならない小型の照明装置で、上方の広い範囲を照明可能な照明装置を実現できることが判る。

    また、θA<0°、即ち観察者側へ射出される光は略ないので、観察者は、眩しくなく快適に商品を観察することができる。

    図5に示すように、第1面の第一射出面32に対向する領域に拡散部14を設けているので、射出直前の反射面で拡散し、光源2からの光線LAは第一射出面32および防水カバー7から光線LA1、LA2として所定の角度範囲で射出する。 また、一部の光線LA3は、第一射出面32で全反射し、再び導光体内に導かれる。 すなわち、光源2からの光は、拡散部14に至るまでは全反射により高効率で導光し、射出直前で照明光を均一にして、照明光の均一化、色分散による色ムラの低減を図ることができる。

    特に光源として白色LED光源を用いるとき、一般に白色LED光源は、青色LEDチップと、このLEDチップからの光に励起されて所定波長の励起光を発光する蛍光体とを組み合わせて白色発光するタイプか、青色LEDチップと緑色LEDチップと赤色LEDチップとの三原色のLEDチップを用いて白色光を合成するタイプであるため、複数の波長に離散的に発光ピークを有することになり、屈折角度の大きな配置で使用する場合には、色分散による色ムラが強度ムラとして目だって観察される。

    しかし、射出前に拡散部により射出面への入射角度を一定の角度範囲でランダムにしておれば、平均化され、色ムラが観察されないレベルまで低減することができる。

    上記したように、本実施形態に係る照明装置1Aによれば、商品側に向けて照明光を射出する第一射出面に防水カバー7を設けているので、光源部や装置内部への水や埃の入り込みを防止できる。 また、防水カバー7の傾きを、カバー材料のブリュースター角よりも大きな角度商品側に傾けることで、照明光を高効率で商品側に向けて配光制御でき、棚板上に陳列される商品を効率よく照明できると共に、観察者側に向かう光を低減することができる。 そのために、観察者が眩しくなく、棚板に陳列する商品を効率的に照明可能な配光特性と、防水・防塵機能を有する棚板照明装置を得ることができる。

    次に、図6を用いて第二実施形態の照明装置1Bについて説明する。

    照明装置1Bは、断面長方形状で略水平な射出面32Bを有する導光体3Bを備える。 その他の構成については、先に説明した照明装置1Aと同様であり、相違する部分を主に説明する。 光源2から射出され、導光体3Bに入射し、導光体中を射出面32Bまで導かれた光は、略鉛直方向に配光中心を有する光束として、導光体3Bと防水カバー7の間の楔状の空気層へ射出される。

    また、本実施形態では、防水カバー7の射出面の垂線と鉛直方向との成す角θ1を約70°としている。 70°でも防水カバー7材のブリュースター角(約60°)よりも大きい角度であり、防水カバー7から射出される光束は、その配光中心が棚板側に傾いている。

    導光体3Bの射出面32Bから射出される光束は、その一部が観察者側へ射出され空気層を介して第1反射面11に至るが、この第1反射面11で拡散反射されて防水カバー7に向かう構成となる。 そのために、この光束が棚板側に向けて射出されるので、棚板側をより効率的に照明することができる。 射出面32Bから射出された光束は防水カバー7から棚板上の商品に向けて射出されるので、この射出面32Bも本発明の第一射出面に相当する。 そのために、以降第一射出面32Bとして説明する。

    また、所定の面に光を所定角度範囲に拡散する拡散部を設けて、さらに均一な面状の照明光を生成することが可能である。 例えば、第一射出面32Bに近接した第一面、および、第一射出面32B自体に、所定の散乱特性(例えば、σ15°のガウス散乱特性)を有する拡散部14を設ける。

    このような構成であれば、導光体3Bの第一射出面32Bで拡散し、光源2からの光を所定の角度範囲で射出する。 また、光源2からの光は、拡散部14に至るまでは全反射により高効率で導光し、射出直前で所定の角度範囲に拡散して照明光を均一にし、照明光の均一化、色分散による色ムラの低減を図ることができる。

    このような形態の照明装置1Bの放射輝度特性について図7を用いて説明する。

    図に示す横軸は、前述したように導光される真上方向を0°とし、棚板に向かう時計周りの角度を正の方向とする放射角θAを示す。 この図から、導光体の射出面を略水平とした本実施形態の照明装置1Bは、棚板側に大きな角度(50°〜100°)で射出する光が低減し、結果、防水カバー7から射出する照明光の射出最大角度(輝度ピークR2)は90°以下であり、照明装置1Aと比較して、θ>30°の範囲でよりsinθの二乗に反比例する輝度特性を有する。

    従って、棚板面近傍で急激に照度が上がることがなく、棚板上に陳列された商品のフェイス面をより均一に照明することができる。

    上記した照明装置1Bであっても、射出面側に防水カバー7を設けているので、光源部や導光経路内への水や埃の入り込みを防止できる。 また、防水カバー7の傾きを、カバー材料のブリュースター角よりも大きな角度商品側に傾けることで、照明光を高効率で商品側に向けて配光制御でき、棚板上に陳列される商品を効率よく照明できると共に、観察者側に向かう光を低減することができる。 そのために、観察者が眩しくなく、棚板に陳列する商品を効率的に照明可能な配光特性と、防水・防塵機能を有する棚板照明装置を得ることができる。

    次に、図8および図9を用いて第三実施形態の照明装置1Cについて説明する。

    この照明装置1Cは、前述した照明装置1Aが備える導光体3Aに替えて、光源2からの光を異なる二方向に分岐する光路分岐部を備え、導光経路として、防水カバーを配置する上向きに導光する第一導光経路と、該第一導光経路と逆向きの下向きに導光する第二導光経路を有する導光体3Cを用いた点が異なる。

    また、この導光体3Cは、断面T型の一体形状とされる。 すなわち、異なる二方向、例えば上下に分岐した第一導光経路10Caと第二導光経路10Cbを有し、さらに、光源2からの光を第一、第二導光経路に導く入射導光経路10Ccを有する。

    この構成によると、第一導光経路10Caを介して棚板の上側を照明し、第二導光経路10Cbを介して棚板の下側を照明できる。 すなわち、棚板の上下を同時に照明可能な照明装置を実現できる。 また、上側に設ける防水カバー7により、導光経路内への水や埃の入り込みを防止することができる。

    また、上下二方向から同時に照明することにより、棚板上に陳列された商品のフェイス面をより均一に照明することが可能であり、二方向から照明することで影もできにくい。

    光源2、例えばLED光源は基板21に固定され、棚板の幅方向に一列に配列された複数のLEDを有する。 また、光源2からの光を異なる二方向に分岐する光路分岐部を介して、棚板の上下を同時に照明できる。

    断面T型の軸部に相当する入射部31Cをフレーム13Cを用いて保持し、このフレーム13Cに光源2を搭載する基板21を固定する。 導光体3C、フレーム13C、および、基板21は、図面を貫通する方向を長手方向とする長尺部材とされ、例えば、LED光源からなる光源2が長手方向に複数並設された構成とされる。 また、フレーム13Cは、導光体3Cの入射部31Cを保持する上反射板13Caと下反射板13Cbを備える。

    また、入射部31Cは、光源2に対向する面にV溝状の入射面を備えており、異なる二方向に光束を分岐する第一入射面31Caと第二入射面31CbとがV溝状に交差している。 すなわち、入射面の光源2に対向する位置に、略V型断面の屈折面を設けて光束分岐部を形成している。 このような構成であれば、光源2が射出する光を、直接受けて異なる二方向に分岐するので、それぞれの射出面(第一射出面32C、第二射出面33C)に効率的に導光することができて好ましい。

    また、入射部31Cに対向する面(第一面34Ca)側に第一反射板11Cを取り付け、この第一反射板11Cと対向する位置にある背面部に第二反射板12Cを取り付けていて、この第一反射板11Cと第二反射板12Cとで、導光体3Cの第一導光経路10Caを構成する胴体部を挟持する。

    導光体3Cは,屈折率1以上の透明体で構成される。 本実施形態では、屈折率が約1.5のPMMA製としたが、これ以外の材質からなる導光体でもよく、用途に応じて、ガラス材料、PMMA以外のアクリルやポリカーボネートなどの透明樹脂を用いてもよい。

    導光体3Cと全ての部材(反射板)の間は空気層であり、導光体中を導光する光は、導光体3Cの屈折率に応じ、全反射条件を満足する場合は、導光体面で全反射し、全反射条件を満足しない場合は、一旦導光体3Cから出た後、反射板面で反射し、再び導光体中に戻り、射出面に向かって導光される。 反射板の表面にミラーシートを貼り付けてもよい。 反射板面の反射率を上げることにより、より効率的に導光することができる。

    V型断面の光束分岐部を形成する第一入射面31Caと第二入射面31Cbの交差角度は例えば120度である。 この交差角度は、光源2の発光面サイズや発光角、導光体3Cの厚み、照明光の射出方向などにより、90〜150度の範囲で設定される。 この光束分岐部を介して、光源2から射出された光は、V溝形状の入射面で、直進方向から屈折され、直進方向に対し、異なる二方向に(例えば、上側と下側に向かう光に)分岐され、導光体中を射出面に向かって導光される。

    異なる二方向に分岐され上側に向かい、上側の射出面から棚板上の商品に向けて照明光が射出されるので、この上側の射出面が第一射出面32Cである。 また、下側に向かう照明光は、第二射出面33Cから下側の商品に向けて射出される。

    図中に、照明光の主な光線を破線で示す。 光線L1は、光源2から射出し、第一入射面31Caで屈折し、上反射板13Caに当らず第一面に到達し、第一面外側の第一反射板11Cで反射された後、第二反射板12Cとの間で繰り返し反射して第一射出面32Cに導かれ、屈折して照明ユニットの後上方に向かって射出される。

    光線L2は、光源2から射出し、第二入射面31Cbで屈折し、下反射板13Cbに当らず第一面に到達し、第一面外側の第一反射板11Cで反射された後、下側射出面となる第二射出面33Cに導かれ、屈折して照明ユニットの後下方に向かって射出される。

    光線L3は、光源2から射出し、第二入射面31Cbで屈折し、下反射板13Cbで全反射して第一面に到達する。 その後、光線L1と略同様の振る舞いにより第一射出面32Cに導かれ、屈折して射出される。

    光線L4は、光源2から射出し、第一入射面31Caで屈折し、上反射板13Caで全反射して第一面に到達する。 その後、一旦第二射出面33Caで反射し、再度第一面で反射した後第二射出面33Cに導かれ、屈折して照明ユニットの後下方に向かって射出される。

    そのために、上反射板13Caと下反射板13Cbの間隔および長さを最適に設定することにより、光線L1と同様の振る舞いをする光束と、光線L3と同様の振る舞いをする光束の配光特性が、共に所望の照明光配光特性となるように制御することにより、光源2から射出された光を無駄なく、効率的に照明光として用いることができ、高効率の明るい照明装置を実現することができる。 光線L2と光線L4の振る舞いについても同様である。

    また、本実施形態では、鉛直方向と防水カバー7Cの射出面(外面7Ca)の垂線との成す角度θ1は約65°とし、鉛直方向と導光体の第一射出面32Cの垂線との成す角度θ2は約75°としている。 また、鉛直方向と導光体の第二射出面33Cの垂線との成す角度θ2Aも約75°としている。

    従って、いずれの角度も防水カバー、導光体のブリュースター角より大きく、棚板側を高効率に、また、広範囲に照明することが可能である。

    上記したように、本実施形態では、角度θ1は約65°とし、角度θ2は約75°としているので、防水カバー7Cと第一射出面32Cとの間隔が、下方にいくに従って広く形成される。 そのために、この形成された空間部に防水カバー7Cを保持する筐体(フレーム13Cの一部)を配置することができる。 例えば、フレーム13Cに突設係合部13Cdを設け、この突設係合部13Cdに防水カバー7Cに設ける下部湾曲部7Caを嵌め込むようにする。 このような構成であれば、上側から防水カバー7Cに掛かった水がフレーム内部や基板側に浸入することを防止できる。 すなわち、フレーム13Cに防水カバー7Cを取り付けて、装置内部や基板側に水や埃を入り込ませないように封止することができ、防水性と防塵性を高めることができる。

    また、防水カバー7Cの上側、上部屈曲部7Cbは、導光体3Cの上側を覆うと共に、前カバー(第一反射板11C)と導光体3Cの間に挿入され保持される。 このように、防水カバー7Cを前カバー(第一反射板11C)と導光体3Cの間に挿入することにより、上側から防水カバー7Cに掛かった水は、前カバーと導光体3Cの隙間に入り込むが、前カバーと導光体3Cの間を伝って、図中の矢印Eに示すように下側に排出される。

    前カバーの内面、つまり、第一反射板11Cの内面は、所定の拡散特性を有する反射面としている。 例えば、金属製カバーの内面を白塗装したもので構成できる。 この拡散反射面は、例えば、ガウス散乱拡散角度σが10°〜30°程度に設定されることが好ましい。 拡散角度が大き過ぎると、照明光が広角度に発散してしまい、無駄な領域まで照明し照明効率が下がるだけでなく、商品を観察している観察者側へ向かい、商品観察を邪魔する不要な照明となる場合が生じる。

    導光体3Cの面(第一面34Ca)も拡散面であることが好ましい。 この拡散面は、導光体表面に細かい凹凸を構成することにより形成することができる。 また、この拡散特性も、前述した前カバー内面と同程度の拡散特性であればよい。

    上側の第一射出面32C、および、下側の第二射出面33Cからの照明光は、その多くが射出面で大きく屈折する。 従って、導光体材料の色分散により、照明光に色ムラが発生することがある。 また、一度射出面に当っても全反射して第一面側に異なる角度で向かい、再度反射されて射出面より射出する光束も存在する。

    射出面での全反射回数の違いにより、射出面からの射出方向が大きく異なるため、照度ムラが発生する。 第一反射板11Cの内面と導光体の第一面34Caを拡散面化することにより、これらの色ムラや照度ムラを改善し、より均一な高品位な照明装置を実現することができる。

    図9に示すように、導光体3Cの上端面35Cは平面部が設けられ、上側を前カバー、第一反射板11Cの延設面11Caで覆っている。 この照明装置1Cを棚板用の照明装置として用いたとき、観察者の視線よりも下側に配置される照明装置から、照明光が上側に向かって射出されると、観察者が眩しく、棚板上の物体(陳列された商品)の観察を妨げるからである。

    導光体3Cの下端面36Cは平面部が設けられ、照明光を下側にも射出する。 棚板の先端位置が、下段に従って手前に配置される棚板では、上下後方にのみ射出される照明光のみでは、物体の上前面を高品位に照明することができない。 下方のみ直下にも照明光を射出することにより、下段をより高品位に照明することができる。

    導光体3Cは、図10の斜視図に示すように、略T字形状の断面を有する長尺な構成であり、その長さは略棚板の幅程度に設定される。 棚板の全幅を均一に照明するために、例えば、複数のLED光源が、長手方向に一定の間隔で配列されている。 LEDを搭載する基板も、棚板の全幅程度の長さを有する。 棚幅が広い場合は、複数の基板に分割して、それぞれを電気的に接続してもよい。

    LEDの間隔は、略前カバーの高さ(第一反射板11Cの幅)程度に設定される。 一般に、LEDの間隔を広くとるとLEDの個数を減らすことができ、コストダウンできる。 しかし、LEDの間隔が広くなればなるほど、LED配列方向の照明光に照度ムラができるため、照明光の光路長と同等以下に設定する必要がある。

    本実施形態では、断面がT字形状であるために、光源から射出面までの光路長は、照明ユニットの上下幅よりも長く確保できている。 従って、照明ユニットのサイズを上下方向に薄型に設定しても、LED間隔を広く設定することが可能となり、コストダウンにも有利な構成である。

    照明ユニットの両サイドは、サイドカバー15で覆われ、導光体の左右端面から外部に照明光が射出されない構成となっている。 サイドカバー15の内面は反射面であり、サイドカバー15に到達した照明光は再度導光体内部に戻され、いずれかの反射面で反射した後、射出面より照明光として射出される。

    導光体3Cを用いた本実施形態の照明光学系は、上下方向に非対称である。 上側のみに背面反射面(第二反射板12C)を有し、光源から射出面までの光路を長く確保している。 上側の照明光は、被照明体との距離が近くなる場合が多いため、照明装置内で照明光を均一にしておく必要があるからである。

    また、背面反射面(第二反射板12C)の後方が棚板の端面に接するようにして、棚板に固定することにより、照明光学系から射出される光を、効率的に照明対象に導くことができる。

    照明装置の幅が広い場合、導光体3Cは、図に示すように幅方向に分割してもよい。 例えば、導光体3CAと導光体3CBに二分割する。 また二分割以上の複数分割構成でもよく、分割構成とすることで、複数タイプの幅の棚板に対応する際に、導光体の個数を変えるだけで変更が可能となる。 また、導光体を成型により製造する場合は、小型に分割したほうが容易に成型できる。

    導光体3Cを分割構成としても、防水カバーは一体でよい。 すなわち、導光体は長手方向(棚板の正面から観察したときの幅方向)に複数に分割され、防水カバーは長手方向(棚板の正面から観察したときの幅方向)に一体に形成されている。 この構成であれば、導光体を所定の幅の集合体として作製できるので、製造コストを削減できる。 また、防水カバーは長手方向に一体であるので、導光体間の隙間からの水や埃の入り込みを十分防止することができる。

    次に、図11を用いて第四実施形態の照明装置1Dについて説明する。

    この照明装置1Dは、前述した照明装置1Cが備えるフレーム13Cに替えてフレーム13Dを用い、防水カバー7Cに替えて防水カバー7Dを用い、導光体3Dを用いた点が異なる。 また、その他の構成は、照明装置1Cと同じであるので、ここでは詳述しない。

    この防水カバー7Dは、導光体3Dの上側の第一射出面32Dと下側の第二射出面33Dを一体に覆う形状とされる。 すなわち、防水カバー7Dは、第一射出面32D部を覆う上側カバー部7Daと、第二射出面33Dを覆う下側カバー部7Dbと、これらを一体に連結する連結板部7Dcを備えている。

    連結板部7Dcは、導光体3Dの第一面と前カバー(第一反射板11D)との間に挿入され挟持される。 従って、防水カバー7Dの上から掛かった水のうち、導光体3Dと前カバーの間に浸入したものは、この隙間を通って下側に排水される。

    また、フレーム13Dに第一係合部13Ddと第二係合部13Deを設け、防水カバー7Dに、第一係合部13Ddに嵌合して係合する上側係合部7Ddと、第二係合部13Deに嵌合して係合する下側係合部7Deを設けて、前カバーをフレーム13Dにネジ固定する際に、前カバーとフレーム13Dとで挟み込んで固定する構成としている。

    すなわち、防水カバー7Dの上端と下端の両端は、固定時にフレーム13Dに押し付けられて固定されるので、より密閉する構成となり防水性能を上げることができる。

    また、本実施形態では、鉛直方向と防水カバー7Dの上側射出面(上側カバー部7Daの外面)の垂線との成す角度θ1は約75°とし、鉛直方向と導光板の第一射出面32Dの垂線との成す角度θ2は74°〜75°としている。 また、鉛直方向と防水カバー7Dの下側射出面(下側カバー部7Dbの外面)の垂線との成す角度θ1Aも約75°とし、鉛直方向と導光体の第二射出面33Dの垂線との成す角度θ2Aも74°〜75°としている。

    従って、いずれの角度も防水カバー、導光体のブリュースター角(約60°)より大きく、棚板側を高効率に、また、広範囲に照明することが可能である。

    次に、前述した照明装置1(1A〜1D)を備えた棚板ユニットおよびショーケースについて図1および図12、図13を用いて説明する。

    図1には、棚板5の上部を照明する照明装置1(1A〜1D:例えば1A)を備えた棚板ユニット50を示している。 この照明装置1(1A)は、棚板5の前端5aと棚板に取り付けるプライスレール4との間に装着されている。

    このように、棚板5に照明装置1(1A)を取り付けて一体化したユニット構成とすることで、棚板5をショーケース本体に設置した後、照明装置を取り付ける手間を省くことができる。 本実施形態に係る照明装置1(1A)は厚み、上下幅共に小さく、軽量に構成することが可能であるため、予め、棚板と一体化した棚板ユニット50として取り扱いが容易である。

    光源2(図2参照)は、例えば、複数のLEDが一枚の基板21上に略一列に等間隔で配置されており、同じ基板21上に駆動回路用の電装部品も設置されている。 基板21からは、電源供給用の配線(不図示、リード線など)が棚板裏面側に伸びている。 電源供給用の配線は、棚板本体取付け部まで棚板裏面側に固定され、棚板取付け部において、本体電源供給用の配線と、コネクタを介して接続される。

    照明装置1(1A)は照明ユニットの上下幅を小さく構成できるので、観察者は、照明ユニットに邪魔されることなく商品を良好に観察できる。 このように、棚板先端から上方に向かって照明する照明装置を用いることで、商品のフェイス面、特に下側まで、良好に観察することができる。

    また、図12に示すように、棚板先端から上下に向かって照明する照明装置1(1C、1D:例えば1C)を備えた棚板ユニット50Aでは、商品のフェイス面および上側を良好に観察できる。 すなわち、上の段の棚板5Aの先端に取り付けた照明装置1(1C)は、棚板5Aの上方に向かう配光中心の照明光RA1と、棚板5Aの下方に向かう配光中心の照明光RB1とを有し、下の段の棚板5Bの先端に取り付けた照明装置1(1C)は、棚板5Bの上方に向かう配光中心の照明光RA2と、棚板5Bの下方に向かう配光中心の照明光RB2とを有する。

    そして、照明光RA1により棚板5Aに陳列された商品M1のフェイス面を照明し、照明光RA2と照明光RB1とで、棚板5Bに陳列された商品M2のフェイス面と上部を同時に照明して観察容易となる。 また、照明光RB1の配光中心をフェイス面から棚板奥側へと傾けることにより、棚板先端部だけでなく、棚の奥まで良好に照明できるので、棚板先端付近の商品が売れた後も、奥の商品を良好に観察できる。

    上記したように、照明装置1(1A〜1D)を先端部に設けた棚板ユニット50、50Aであれば、棚板に陳列された商品を高品位に照明できる。 また、このような棚板ユニットを複数段備えるショーケースであれば、棚板上に陳列された商品を、観察容易に照明可能なショーケースを得ることができて好ましい。

    例えば、図13に示すように、棚板5と照明装置1(1C、1D)が一体化された棚板ユニット50Aを複数段備えた構成のショーケースSCとする。

    照明装置1(1C、1D)はコンパクトな構成であって上下幅も小さくできるので、観察者(商品の購入者)は、照明装置に邪魔されることなく商品の前面を良好に観察できる。 また、背の高い商品であっても、棚板先端から上方に向かって照明する照明装置を用いることにより、商品のフェイス面、特に、下側まで良好に観察できる。 さらに、棚板先端から上下に向かって照明する照明装置を用いることにより、商品のフェイス面および上側を良好に観察できる。

    上側照明は、射出面近くに被照明物体の面が配置されることが多いため、広範囲に照明することが求められる。 一方、下側照明は、照明装置が取り付けられる棚板の一段下の棚板に載置された物体の上部を照明するため、被照明物体と距離があることが多い。 そのために、下側照明の配光中心を後ろ側に傾けることにより、棚板の奥まで並べられた物体を上側から照明することが可能となる。 すなわち、物体表面を正面から照明すると同時に、上方から奥の方まで照明でき、棚に載置された商品などを容易に観察できる。

    また、本発明に係る照明装置1(1A〜1D)は、商品側に向けて照明光を射出する第一射出面に透光性と防水性を有する防水カバーを設けているので、埃が入り込まない。 また、防水カバーの傾きを、カバー材料のブリュースター角よりも大きな角度商品側に傾けることで、照明光を高効率で商品側に向けて配光制御でき、棚板上に陳列される商品を効率よく照明でき、観察者側に向かう光を低減することができる。 そのために、観察者が眩しくなく、棚板に陳列する商品を効率的に照明可能な配光特性と、防水・防塵機能を有する照明装置を得ることができる。 また、この照明装置を用いて、観察者が眩しくなく、商品を高効率に照明可能で水や埃が入り込まず、安定して照明可能な棚板ユニットおよびショーケースを得ることができる。

    また、導光経路を形成する反射面や入射面や射出面のいずれかを拡散面化して所定角度範囲に拡散する拡散部14を設けることにより、光源(LED光源)の色ムラや照度ムラを改善し、より均一な高品位な照明装置を実現することができる。

    また、棚板と照明装置を一体化した構成の棚板ユニットであれば、取り扱いが容易となって好ましい。 また、この棚板ユニットを上下に複数段設けたショーケースであれば、棚板上に陳列された商品を棚板の上下から均一に照明可能となって好ましい。

    また、光源として、高照度で、消費電力が小さく、発熱も小さいLED光源を用いることで、高効率の棚板用の照明装置を実現することができる。

    上記したように、本発明に係る照明措置は、光路中に導光体を配置して効率的に導光し、防水カバーを取り付け、防水カバーの射出面の傾きをブリュースター角以上に傾けることで、商品側を効率的に照明できる配光特性を有する。 そのために、光の利用効率が高く、さらに商品側を効率的に照明可能な配光特性と、防水・防塵機能を併せ持つショーケースに好適な明装置となる。

    そのために、本発明に係る照明装置は、上下に複数の棚板を備える多段式のショーケースに用いる照明装置に好適に適用することができる。

    1〜1D 照明装置 2 光源(LED光源)
    3A〜3D 導光体 5 棚板 7〜7D 防水カバー 11 第一反射面 12 第二反射面 13 フレーム 14 拡散部 21 基板 31 入射面 32〜32D 第一射出面 50、50A 棚板ユニット SC ショーケース

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