照明装置、棚板ユニット、およびショーケース

申请号 JP2013505896 申请日 2012-03-12 公开(公告)号 JP5794295B2 公开(公告)日 2015-10-14
申请人 コニカミノルタ株式会社; 发明人 清水 佳恵; 谷尻 靖;
摘要
权利要求

所定の方向に間隔をおいて配設する複数の点状光源と、該光源から出射する光を前記所定の方向と直交する方向に導光する導光経路と、導光された光を所定方向に射出する射出部と、を備える照明光学系を有し、 前記導光経路を、空気層を挟んで対向する第一、第二反射面から構成し、前記射出部を、入射面と射出面を有するキャップ部材から構成し、 前記点状光源の隣り合う光源からの光束が互いに前記射出面の位置で重なり合うことを特徴とする照明装置。前記点状光源から前記入射面に至る最短の光路長をL1とし、前記点状光源の配置ピッチをPとし、前記点状光源の指向半値幅をθ1としたときに、 L1>P/2tanθ1(式1) を満たすことを特徴とする請求項1記載の照明装置。前記導光経路を介して導光される方向と、前記射出面の垂線とのなす角θ2をブリュースタ角よりも大きな角度としたことを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。前記導光経路を介して導光される方向と、前記入射面の垂線とのなす角θ3を、前記角θ2よりも大きな角度としたことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。前記導光経路を介して導光される方向と、前記入射面の垂線とのなす角θ3を、前記角θ2よりも小さな角度とし、前記キャップ部材は、前記入射面と前記射出面に加えて第三の面を有し、前記入射面から入射した光が前記射出面で全反射して前記第三の面に向かい、該第三の面側に設ける反射部で反射した後で、前記射出面から射出することを特徴とする請求項3に記載の照明装置。前記射出面に所定の拡散特性を有する拡散部を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の照明装置。前記入射面に所定の拡散特性を有する拡散部を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の照明装置。前記第二反射面に所定の拡散特性を有する拡散部を設けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の照明装置。前記第三の面に所定の拡散特性を有する拡散部を設けたことを特徴とする請求項5に記載の照明装置。前記拡散特性は、前記点状光源配列方向の拡散度が、前記点状光源配列方向と直交する方向の拡散度に比べて大きいことを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の照明装置。前記拡散特性は、前記点状光源配列方向に、所定角度範囲の拡散度を有することを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の照明装置。前記導光経路は、前記点状光源からの光を異なる二方向に分岐して導光する第一導光経路と第二導光経路を有し、それぞれの導光経路に、前記第一、第二反射面、および、前記キャップ部材を共に設け、それぞれのキャップ部材が有する前記入射面に至る最短光路長が前記L1であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。前記導光経路は、前記点状光源からの光を異なる二方向に分岐して導光する第一導光経路と第二導光経路を有し、それぞれの導光経路に、前記第一、第二反射面を設け、いずれか一方の導光経路に前記キャップ部材を設け、他方の導光経路に当該導光経路に直交する射出面を有する第二のキャップ部材を設け、それぞれのキャップ部材が有する前記入射面に至る最短光路長が前記L1であることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。前記点状光源を前記導光経路に直交する位置に設け、前記点状光源からの光を前記第一、第二導光経路に分岐する光束分岐部を設けたことを特徴とする請求項12または13に記載の照明装置。前記点状光源からの光を前記分岐部に導く入射導光経路を設け、該入射導光経路の前記点状光源を挟む両側にそれぞれ第三、第四反射面を設けたことを特徴とする請求項14に記載の照明装置。前記点状光源はLED光源からなることを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の照明装置。請求項1から16のいずれかに記載した照明装置を先端部に設けたことを特徴とする棚板ユニット。請求項17に記載された棚板ユニットを複数段備えたことを特徴とするショーケース。所定の間隔で配置される複数の点状光源を有し、前記点状光源から出射する光を導光経路を介して射出部まで導光し、当該射出部から照明光として射出する照明装置であって、 前記導光経路は、対向して配設される第一反射面と第二反射面とから形成され、前記点状光源の配置ピッチに応じた所定の光路長離れた所定の部位に異方性拡散部を備え、隣り合う前記点状光源から出射する光の所定強度部分の光束が重なった後で、所定方向に所定角度拡散した光を射出すると共に、 前記第二反射面を、前記点状光源が出射する光を前記射出部に向けて反射する側の反射面とし、当該第二反射面に前記異方性拡散部を設けたことを特徴とする照明装置。所定の間隔で配置される複数の点状光源を有し、前記点状光源から出射する光を導光経路を介して射出部まで導光し、当該射出部から照明光として射出する照明装置であって、 前記導光経路は、対向して配設される第一反射面と第二反射面とから形成され、前記点状光源の配置ピッチに応じた所定の光路長離れた所定の部位に異方性拡散部を備え、隣り合う前記点状光源から出射する光の所定強度部分の光束が重なった後で、所定方向に所定角度拡散した光を射出すると共に、 前記導光経路は、前記点状光源からの光を異なる二方向に分岐して導光する第一導光経路と第二導光経路を有し、それぞれの導光経路に、前記第一反射面、前記第二反射面、および、前記射出部を設けたことを特徴とする照明装置。前記射出部は、透光性部材から形成される射出面であることを特徴とする請求項19または20に記載の照明装置。前記異方性拡散部は、前記点状光源が配置される長手方向により大きな拡散特性を有することを特徴とする請求項19から21のいずれかに記載の照明装置。前記点状光源の隣り合う光源からの強度30%以上の光が重なるように、前記点状光源から前記異方性拡散部までの光路長が設定されていることを特徴とする請求項19から22のいずれかに記載の照明装置。前記点状光源から前記異方性拡散部に至る最短の光路長をL1とし、前記点状光源の配置ピッチをPとし、前記点状光源の指向角半値幅をθ1としたときに、 L1>P/2tanθ1(式1) を満たすことを特徴とする請求項19から23のいずれかに記載の照明装置。前記射出面に前記異方性拡散部を設けたことを特徴とする請求項21に記載の照明装置。前記第二反射面の、前記射出部に対向した部位に前記異方性拡散部を設けたことを特徴とする請求項19から24のいずれかに記載の照明装置。前記異方性拡散部に至る最短の光路長L1を前記点状光源の配置ピッチP程度としたことを特徴とする請求項24から26のいずれかに記載の照明装置。前記第二反射面は、該反射面で反射した光束を前記点状光源から前記射出部に直接導光される光束に重ね合わせるように設置されることを特徴とする請求項19から27のいずれかに記載の照明装置。前記導光経路を屈折率が1より大きな導光素子で構成し、この導光素子に前記点状光源が出射する光を入射する入射面と、光束を射出する射出面と、前記入射面に入射した光束を前記射出面まで導光する相対向した反射面と、を設け、前記射出面もしくは前記反射面の少なくとも一方に前記異方性拡散部を設けたことを特徴とする請求項20に記載の照明装置。前記点状光源を所定間隔で複数並設する長手方向に沿って長寸の前記反射面と前記射出面を有し、物品を陳列する棚板の前端部に沿って設置すると共に、前記射出面を前記棚板上に陳列する商品に向けて傾斜させていることを特徴とする請求項29に記載の照明装置。前記棚板を複数段備えるショーケースのそれぞれの棚板に装着し、棚板の上下を同時に照明することを特徴とする請求項30に記載の照明装置。

说明书全文

本発明は、照明装置、棚板照明装置およびこの棚板照明装置を備えたショーケースに関し、例えば、ショーケース等に配設され、ショーケースに陳列される商品の照明に好適な照明装置、および、棚板の先端にプライスレールを備えるショーケース等に配設され、棚板上に陳列される商品の照明に好適な棚板照明装置、この棚板照明装置を備えた棚板ユニットおよびショーケースに関する。

従来から、ショーケースに配設され、ショーケースに陳列された商品を照明するものとして、蛍光灯が広く用いられている。蛍光灯は、一般に電気エネルギーを可視放射、赤外放射、紫外放射に変換し、可視光線を放射することで、照明として用いるものである。その際、熱損失が生じるため、蛍光灯自体のみならず、当該蛍光灯による輻射熱によって、陳列された商品が加熱されるという問題があり、ショーケース用の照明装置の光源としては、必ずしも好ましいものとはいえない。

近年、発光効率の向上や発光量の増加と共に、寿命が長く消費電が小さくて、環境にやさしいとされるLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を用いた照明装置が実用化されつつある。また、青色LEDチップが開発されて以来、この青色LEDチップと、このLEDチップからの光に励起されて所定波長の励起光を発光する蛍光体と、を組み合わせて白色発光する白色LED光源や、青色LEDチップと緑色LEDチップと赤色LEDチップとの三原色のLEDチップを用いて白色光を合成する白色LED光源が開発されている。

そのために、照明装置として、この白色LED光源を配設したLED照明装置が用いられている。特に、ショーケースなどの陳列棚の照明装置として、消費電力が小さく、発熱も小さいLED光源を用いることが模索されており、例えば、棚板先端に配置し、棚上に陳列された商品を照明するLED照明を設けたショーケースが既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。

この特許文献1に記載されたショーケースは、商品の落下を防止するために設置するガードを透光性の板材から構成し、LED照明装置からの光をガード上端部から棚上の商品に向けて照射している。

また、陳列棚の先端に設けられたプライスレール内にLED光源を配設して、光源の手前側に設けた反射板を介して棚の上下を照射するとしたショーケースが既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。

特開2010−82115号公報

特開2010−78251号公報

棚板用の照明装置は、商品上で照度ムラのない均一な照明が望まれる。点状光源であるLEDを光源として用いる場合、均一な照明を実現するためには、LEDの配置ピッチと指向(配光角)に応じて、光学光路長を確保し、照明装置の射出面における照度が均一化されることが望ましい。

しかし、特許文献1に記載されたショーケースのように、透光性の板材からなる導光体を用いる場合、光路は媒質で満たされており、光源の近傍に屈折面となる平面を配置することになるため、入射面が平面の場合、入射面での屈折により、媒質中では配光角が見かけ上小さくなり、LED配列方向における輝度を均一にするためには、光路を中空とする場合と比較して長く確保しなければならない。

そのために、棚板先端に配設され、棚板の上下方向に導光経路を有する照明装置を用いる場合は、この導光光路、すなわち、照明装置の上下幅を広くしなければならない。このように、棚板先端に上下幅の広い照明装置を配設すると、棚上に陳列された商品の下部が隠され、商品購入者が商品を観察するときの妨げとなって好ましくない。

また、棚板に陳列する商品のサイズに応じて、適当な範囲を効果的に照明できるように配光制御が容易な棚板照明装置が好ましいので、コンパクト化が可能であると共に、所定範囲を効果的に照明可能な棚板照明装置が望ましい。

すなわち、特許文献1に記載されたショーケースでは、ガードを透光性の板材製として、このガードを通してLED光源から出射する光を棚上の商品に向けて照射しているので、射出光が大きく散乱してしまい暗くなってしまい、均一に効率よく照明することができない問題が生じる。また、拡散性が弱い反射し易い表面を有している商品を照明すると点状光源の光源が写り込んで観察者が眩しくなる問題や、商品の見栄えを悪くする問題が生じる。

また、特許文献2に記載されたショーケースのように、一つのLED光源で棚の上下を同時に照明する構成では、少ない光源数で効率よく照明できるため、ある程度の照度を確保しながら光源の部品点数を抑えることができコスト削減図ることができる。しかし、棚の手前側に設置した反射板からの反射光により、商品の照明を行っているため、光源から射出された光の向きを変えて商品を照明しているのみであり、積極的に照明光の指向性制御や配光制御を行うことができない。

従って、乳パックや飲料ボトルなど背の高い商品を棚に陳列した際には、上側からの照明光も下側からの照明光も、綺麗な商標やロゴが印刷された商品の中程当りに届き難くなり、消費者の視覚に訴えて購買意欲を喚起させる効果が小さくなる虞が生じる。

また、低コスト化と意匠性を向上させるためには、点状光源から出射する光を所定範囲に拡散し所望の方向に効率よく導光可能なコンパクトな構成の照明装置を用いることが好ましい。

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、複数の点状光源からの光を配光制御して所望の特定方向に明るく効率よく均一に照明可能で、且つ、光源が均一で商品に写り込んでも眩しくなく、商品の見栄えを悪くしない効果的な照明が可能な照明装置を提供し、棚板を備えるショーケースに用いる棚板照明装置において、コンパクト化が可能で所定範囲を効果的に照明可能な棚板照明装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために本発明は、所定の間隔で配置される複数の点状光源を有し、前記点状光源から出射する光を導光経路を介して射出部まで導光し、当該射出部から照明光として射出する照明装置であって、前記導光経路は、対向して配設される第一反射面と第二反射面とから形成され、前記点状光源の配置ピッチに応じた所定の光路長離れた所定の部位に異方性拡散部を備え、隣り合う前記点状光源から出射する光の所定強度部分の光束が重なった後で、所定方向に所定角度拡散した光を射出することを特徴としている。

上記の構成によると、隣り合う点状光源同士の光束が重なった後、さらに、所定方向に拡散して射出するので、均一な照明光として射出することができる。そのために、点状光源の光を配光制御して所望の特定方向に明るく効率よく均一に照明可能で、且つ、光源が均一で商品に写り込んでも眩しくなく、商品の見栄えを悪くしない効果的な照明が可能な照明装置を得ることができる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記射出部は、透光性部材から形成される射出面であることを特徴としている。この構成によると、点状光源から射出部に至る導光経路を、第一反射面と第二反射面と射出面で封止することができる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記異方性拡散部は、前記点状光源が配置される長手方向により大きな拡散特性を有することを特徴としている。この構成によると、所定間隔で離散配置される複数の点状光源が出射する光を重ねて効率よく分散することで、離散的に配置された点状光源から均一な照明光を射出することができる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記点状光源の隣り合う光源からの強度30%以上の光が重なるように、前記点状光源から前記異方性拡散部までの光路長が設定されていることを特徴としている。この構成によると、拡散部上で隣り合う点状光源からの光束が重なるので、射出面での輝度ムラを抑制した光源とすることができる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記点状光源から前記異方性拡散部に至る最短の光路長をL1とし、前記点状光源の配置ピッチをPとし、前記点状光源の指向角半値幅をθ1としたときに、L1>P/2tanθ1(式1)を満たすことを特徴としている。この構成によると、この条件式を満たす最短光路を確保することで、隣り合う点状光源からの強度1/2の光が重なり混ざり合った光となって、射出面での輝度ムラを抑制して略一定の輝度にすることができる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記射出面に前記異方性拡散部を設けたことを特徴としている。この構成によると、光源から最も離れた面に拡散部を設けることで、光源から拡散部に至る光路長を最大に確保でき、より小型で均一な照明が可能となる照明装置を実現することができる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記第二反射面を、前記点状光源が出射する光を前記射出部に向けて反射する側の反射面とし、当該第二反射面に前記異方性拡散部を設けたことを特徴としている。この構成によると、射出部に向けて光束を導光する反射面に拡散部を設けるので、所定の角度範囲に拡散しながら射出部に導光でき、射出部に拡散部を設けなくても、均一な照明が可能となる照明装置を実現することができる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記第二反射面の、前記射出部に対向した部位に前記異方性拡散部を設けたことを特徴としている。この構成によると、繰り返し拡散して反射しないので、発散角をむやみに大きくせず、複数の点状光源の輝度ムラを軽減して均一な照明が可能となる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記異方性拡散部に至る最短の光路長L1を前記点状光源の配置ピッチP程度としたことを特徴としている。この構成によると、点状光源の配置ピッチと同程度の距離に拡散部を配設するので、照明装置をむやみに大きくすることなく、十分小型でありながら拡散効果を発揮することができる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記第二反射面は、該反射面で反射した光束を前記点状光源から前記射出部に直接導光される光束に重ね合わせるように設置されることを特徴としている。この構成によると、特定方向を高強度に照明可能な照明装置を得ることができる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記導光経路は、前記点状光源からの光を異なる二方向に分岐して導光する第一導光経路と第二導光経路を有し、それぞれの導光経路に、前記第一、第二反射面、および、前記射出面を設けたことを特徴としている。この構成によると、異なる二方向(例えば、棚板の上下)を同時に均一に照明可能な照明装置を得ることができる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記導光経路を屈折率が1より大きな導光素子で構成し、この導光素子に前記点状光源が出射する光を入射する入射面と、光束を射出する射出面と、前記入射面に入射した光束を前記射出面まで導光する相対向した反射面と、を設け、前記射出面もしくは前記反射面の少なくとも一方に前記異方性拡散部を設けたことを特徴としている。この構成によると、導光素子で導光経路を形成するので、中空で空気層を用いて導光経路を形成するのと比較して、導光経路が長くなるので、光源から離れた部位を照明でき、上下の幅の大きな棚板用の照明装置として好適となる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記点状光源を所定間隔で複数並設する長手方向に沿って長寸の前記反射面と前記射出面を有し、物品を陳列する棚板の前端部に沿って設置すると共に、前記射出面を前記棚板上に陳列する商品に向けて傾斜させていることを特徴としている。この構成によると、棚板上に陳列した商品を効率よく均一に照明可能で、観察者が商品を観察容易な照明装置となる。

また本発明は上記構成の照明装置において、前記棚板を複数段備えるショーケースのそれぞれの棚板に装着し、棚板の上下を同時に照明することを特徴としている。この構成によると、例えば、棚板の上下を同時に照明することができ、ショーケースに陳列する商品を効率よく均一に照明可能な照明装置となる。

また本発明は、棚板を備えるショーケースに用いる棚板照明装置であって、前記棚板の長手方向に間隔をおいて配設する複数の点状光源と、該光源から出射する光を前記長手方向と直交する方向に導光する導光経路と、導光された光を所定方向に射出する射出部と、を備える照明光学系を有し、前記導光経路を、空気層を挟んで対向する第一、第二反射面から構成し、前記射出部を、入射面と射出面を有するキャップ部材から構成し、前記点状光源の隣り合う光源からの光束が互いに前記射出面の位置で重なり合うことを特徴としている。

上記の構成によると、隣り合う点状光源からの光束が、キャップ部材の射出面の位置で棚板の長手方向に対して、互いに重なり合うために、長手方向に対して均一な照明が可能となる。また空気層を導光経路としているので、短い光路長で点状光源からの光が混ざり合い、混ざり合った光はキャップ部材から所定方向に射出される。そのために、コンパクト化が可能で所定範囲を効果的に照明可能な棚板照明装置を得ることができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記点状光源から前記入射面に至る最短の光路長をL1とし、前記点状光源の配置ピッチをPとし、前記点状光源の指向角半値幅をθ1としたときに、 L1>P/2tanθ1(式1) を満たすことを特徴としている。この構成によると、点状光源から射出部に至る光路長が、配置ピッチPで配設される点状光源から出射する光の強度が1/2となる指向角半値幅に応じた長さ以上とされるので、隣り合う点状光源からの強度1/2となる光が重なり混ざり合った光となり、光の強度が略同一レベルとなる照明光を射出することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記導光経路を介して導光される方向と、前記射出面の垂線とのなす角θ2をブリュースタ角よりも大きな角度としたことを特徴としている。この構成によると、キャップ部材を、ブリュースタ角以上の角度で傾けることにより、対向する第一、第二反射面のうち、観察者側の反射面高さが、商品側反射面高さより高くして、観察者側の反射面に当ってキャップ部材より射出される光は商品側に向けて射出される。また、商品側反射面に当った光束、および、反射面に当らず直接キャップ部材に入射した光は、射出面にブリュースタ角よりも大きな角度で入射することになるので、フレネル反射により棚側に射出する照明光を、観察者側に射出する照明光と比較して大きくすることができ、商品を効率的に照明できるだけでなく、観察者が商品を観察するときの眩しさを低減することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記導光経路を介して導光される方向と、前記入射面の垂線とのなす角θ3を、前記角θ2よりも大きな角度としたことを特徴としている。この構成によると、キャップ部材を、入射面の角度と射出面の角度が異なる楔形状として、導光される光の配光中心を商品側の上方(棚からの高さが高い位置)に向けることができ、棚上の商品の前面を広範囲に照明することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記導光経路を介して導光される方向と、前記入射面の垂線とのなす角θ3を、前記角θ2よりも小さな角度とし、前記キャップ部材は、前記入射面と前記射出面に加えて第三の面を有し、前記入射面から入射した光が前記射出面で全反射して前記第三の面に向かい、該第三の面側に設ける反射部で反射した後で、前記射出面から射出することを特徴としている。この構成によると、入射面と射出面と第三の面を有するキャップ部材を用いて、導光される光の配光中心を商品側の低い位置に向けることができ、棚上の背の低い商品を効率的に照明することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記射出面に所定の拡散特性を有する拡散部を設けたことを特徴としている。この構成によると、光源から最も離れた面に拡散部を設けることで、光源から拡散部に至る光路長を最大に確保でき、離散的に配設された点状光源を用いても、小型でありながら、輝度の均一な照明装置を実現することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記入射面に所定の拡散特性を有する拡散部を設けたことを特徴としている。この構成によると、外面である射出面は平面とし、入射面を拡散面化して拡散部を設けることで、外面は平面で汚れが付き難く掃除も容易となる。また、射出面近傍に配置される入射面に拡散部を設けることで、離散的に配設された点状光源を用いても、小型でありながら、輝度の均一な照明装置を実現することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、棚板から遠い側の第二反射面に所定の拡散特性を有する拡散部を設けたことを特徴としている。この構成によると、第二反射面を介して導光しながら拡散することで、点状光源の配列方向の輝度ムラさせた後、キャップ部材の各面における屈折などにより配光制御し、点状光源の配列方向の輝度が均一で、商品を効率的に照明可能な照明装置を実現することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記第三の面に所定の拡散特性を有する拡散部を設けたことを特徴としている。この構成によると、入射面と射出面を平面とすることで、照明光を効率的に第三の面まで導いた後、輝度が均一な照明光として、配光制御できる照明装置を実現することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記拡散特性は、前記点状光源配列方向の拡散度が、前記点状光源配列方向と直交する方向の拡散度に比べて大きいことを特徴としている。この構成によると、複数の点状光源を配設した方向に大きく拡散し、離散的に配設された点状光源を用いても、離散的な配置に起因する輝度ムラを低減して輝度の均一な照明装置を実現することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記拡散特性は、前記点状光源配列方向に、所定角度範囲の拡散度を有することを特徴としている。この構成によると、点状光源配列方向と直交する方向に対する配光制御の効果を維持した状態で、複数の点状光源を配設した方向に大きく拡散し、離散的に配設された点状光源を用いても、離散的な配置に起因する輝度ムラを低減して輝度の均一な照明装置を実現することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記導光経路は、前記点状光源からの光を異なる二方向に分岐して導光する第一導光経路と第二導光経路を有し、それぞれの導光経路に、前記第一、第二反射面、および、前記キャップ部材を共に設け、それぞれのキャップ部材が有する前記入射面に至る最短光路長が前記L1であることを特徴としている。この構成によると、例えば、棚板の上面側に陳列された商品の前面を照明する上向き照明と、下の棚板に陳列された商品の上部を照明する下向き照明とを同時に行うと共に、それぞれ、離散的な配置に起因する輝度ムラを低減して輝度の均一な照明装置を実現することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記導光経路は、前記点状光源からの光を異なる二方向に分岐して導光する第一導光経路と第二導光経路を有し、それぞれの導光経路に、前記第一、第二反射面を設け、いずれか一方の導光経路に前記キャップ部材を設け、他方の導光経路に当該導光経路に直交する射出面を有する第二のキャップ部材を設け、それぞれのキャップ部材が有する前記入射面に至る最短光路長が前記L1であることを特徴としている。この構成によると、例えば、この棚板照明装置を取り付けた棚板の下向き照明側に第二のキャップ部材を介して、真下に向けて照明光を射出する照明装置を実現することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記点状光源を前記導光経路に直交する位置に設け、前記点状光源からの光を前記第一、第二導光経路に分岐する光束分岐部を設けたことを特徴としている。この構成によると、光束分岐部を介して、一つの点状光源からの光を第一、第二導光経路に効率よく導光可能となり、例えば、棚板の上下を同時に均一に照明可能な照明装置を実現することができる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記点状光源からの光を前記光束分岐部に導く入射導光経路を設け、該入射導光経路の前記点状光源を挟む両側にそれぞれ第三、第四反射面を設けたことを特徴としている。この構成によると、分岐部に至る光路長を取ることで、棚板の上下幅に相当する光学経路の幅を小さくでき、さらに、照明装置のコンパクト化を図ることが可能となる。

また本発明は上記構成の棚板照明装置において、前記点状光源はLED光源からなることを特徴としている。この構成によると、高照度で、消費電力が小さく、発熱も小さいLED光源を用いて、高効率の棚板照明装置を実現することができる。

また本発明は、請求項15から30のいずれかに記載した棚板照明装置を先端部に設けた棚板ユニットであることを特徴としている。この構成によると、コンパクト化が可能で所定範囲を効果的に照明可能な棚板照明装置を用いることで、棚板上に陳列された商品を効率的に高品位に照明できる照明機能を有する棚板ユニットを得ることができる。

また本発明は、請求項31に記載された棚板ユニットを複数段備えるショーケースであることを特徴としている。この構成によると、棚板の商品を効率的に高品位に照明できる照明機能を有する棚板ユニットを用いることで、少ない点状光源で棚板の商品を効率的に高品位に照明でき、棚板上に陳列された商品を、均一な輝度で照明可能なショーケースを得ることができる。

本発明によれば、点状光源の配置ピッチに応じた所定の光路長離れた所定の部位に異方性拡散部を設け、隣り合う点状光源から出射する光の所定強度部分が重なった後で、所定方向に所定角度拡散した光を射出する構成としているので、点状光源の光を配光制御して所望の特定方向に明るく効率よく均一に照明可能で、且つ、光源が均一で商品に写り込んでも眩しくなく、商品の見栄えを悪くしない効果的な照明が可能な照明装置を得ることができる。また、棚板を備えるショーケースに用いる棚板照明装置において、コンパクト化が可能で所定範囲を効果的に照明可能な棚板照明装置を得ることができる。

本発明に係る第一実施形態の照明装置の概要を示す概略断面図である。

第一実施形態の照明装置の概略正面図である。

本発明に係る第二実施形態の照明装置の概要を示す概略断面図である。

本発明に係る第三実施形態の照明装置の概要を示す概略断面図である。

本発明に係る第四実施形態の照明装置の概要を示す概略断面図である。

本発明に係る第五実施形態の照明装置の概要を示す概略断面図である。

本発明に係る第六実施形態の照明装置の概要を示す概略断面図である。

本発明に係る第七実施形態の照明装置の概要を示す概略断面図である。

棚板に本発明に係る照明装置を装着したショーケースの一例を示す概略断面構成図である。

第一実施形態の棚板照明装置を示す概略断面図である。

図10の棚板照明装置の光路長と点状光源の配置ピッチと点状光源の指向角半値幅との関係を示す概略説明図である。

図10の棚板照明装置の入射面輝度を説明する図である。

図10の棚板照明装置のキャップ部材における入射角度と反射率の関係を示す図である。

図10の棚板照明装置が照射する照明光の輝度分布を示す図である。

第二実施形態の棚板照明装置を示す概略断面図である。

図15の棚板照明装置が照射する照明光の輝度分布を示す図である。

第二実施形態の棚板照明装置の変形例を示す概略断面図である。

第三実施形態の棚板照明装置を示す概略断面図である。

図18の棚板照明装置が照射する照明光の輝度分布を示す図である。

第四実施形態の棚板照明装置を示す概略断面図である。

第五実施形態の棚板照明装置を示す概略断面図である。

第六実施形態の棚板照明装置を示す概略断面図である。

第七実施形態の棚板照明装置を示す概略断面図である。

棚板の上部を照明する棚板照明装置を備えた棚板ユニットを示す概略断面図である。

棚板の上下を同時に照明する棚板照明装置を備えた棚板ユニットを示す概略断面図である。

複数段の棚板を有するショーケースの一例を示す側面図である。

以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。また、同一構成部材については同一の符号を用い、詳細な説明は適宜省略する。

まず、本発明に係る照明装置について図1〜図9を用いて説明する。本発明に係る照明装置は、例えば、棚板に陳列された商品などを照明するためのものであり、棚板の前端の長手方向に沿って、所定の間隔で配置される複数の点状光源を有し、前記点状光源から出射する光を導光経路を介して射出部まで導光し、射出部から射出して所定方向を照明する照明装置である。

また、導光経路は、対向して配設される第一反射面と第二反射面とから形成され、点状光源の配置ピッチに応じた所定の光路長離れた所定の部位に異方性拡散部を備え、隣り合う前記点状光源から出射する光の所定強度部分が重なった後で、所定方向に所定角度拡散した光を射出する構成としている。

上記した構成であれば、隣り合う点状光源同士の光束が重なった後、さらに、所定方向に拡散して射出するので、均一な照明光として射出することができる。そのために、点状光源の光を配光制御して所望の特定方向に明るく効率よく均一に照明可能で、且つ、光源が均一で商品に写り込んでも眩しくなく、商品の見栄えを悪くしない効果的な照明が可能な照明装置を得ることができる。

まず、図1、図2を用いて本発明に係る照明装置の第一実施形態について説明する。図1に示すように、照明装置1Aは点状光源2と、対向して配設される第一反射面11と第二反射面12とで形成される導光経路10Aと、射出部30を備えた構成とされる。この射出部30は、導光経路10Aを導光された光が所定の方向に射出される構成であればよく、開放端でも所定の透光性部材や導光素子を用いてもよい。本実施形態では、透光性部材を配設した。すなわち、射出部30は、透光性部材から形成される射出面13である。

また、第一反射面11と第二反射面12とで形成される導光経路10Aは、点状光源2から図示する上方に向かう方向とされ、射出面13から、少し傾いた(例えば、商品方向に傾いた)特定方向(図中の矢印A方向)に高強度に射出される。

点状光源2は、例えば、基板21(図8参照)にLEDを搭載したチップ型のLED光源であって、青色LEDチップと、このLEDチップからの光に励起されて所定波長の励起光を発光する蛍光体と、を組み合わせて白色発光する白色LED光源を用いる。基板21は、例えば、棚板の全幅を均一に照明するために、棚板の幅程度の長さとされ、この上に点状光源2となるLED光源を所定ピッチで複数個搭載している。ただし、棚幅が広い場合は、複数の基板に分け、それぞれを電気的に接続する構成としてもよい。

そのために、図2に示すように、照明装置1Aは点状光源2を所定間隔で複数並設する長手方向に沿って長尺とされ、長寸の反射面(第一反射面11と第二反射面12)と射出面13を有している。

また、所定間隔で複数配置される点状光源2が出射する光を均一にするためには、この並設方向に、隣り合う光源同士の光を重ね合わせると共に、所定角度範囲に拡散させて射出することが好ましい。そのために、本実施形態では、射出面13に拡散部14(異方性拡散部)を設ける構成としている。

このような構成であれば、光源から最も離れた面に異方性拡散部14を設けることで、光源から異方性拡散部14に至る光路長を最大に確保でき、より小型で均一な照明が可能となる照明装置1Aを実現することができて好ましい。

また、異方性拡散部14は、点状光源2が配置される長手方向により大きな拡散特性を有することが好ましい。この構成であれば、所定間隔で離散配置される複数の点状光源2が出射する光を重ねて効率よく分散することで、離散的に配置された点状光源2を用いても、均一な面光源としての照明光を射出することができる。

例えば、異方性拡散部14は、点状光源2の配列方向(例えば、平方向)により大きな拡散度(例えば、40度)を有し、これと直交する方向(例えば、垂直方向)には小さな拡散度(例えば、1度)のみ拡散する一方向拡散部とされる。このような構成であれば、垂直方向には拡散せずに所定角度範囲を高照度に照明し、点状光源2が並設される水平方向(長手方向)は、異方性拡散部14により拡散されて、隣り合う光源同士の光が混ぜ合わされて均一化された直線状の二次光源となる。

異方性拡散部14は、射出面13以外の面に設けてもよく、例えば、導光される光束を射出面13に向けて反射する第二反射面12に設けてもよい。この構成であれば、射出面13に向けて光束を導光する反射面(第二反射面12)に異方性拡散部14を設けるので、所定の角度範囲に拡散しながら射出面13に導光でき、射出面13に異方性拡散部14を設けなくても、均一な照明が可能となる照明装置を実現することができる。

また、第二反射面12に異方性拡散部14を設ける場合は、第二反射面12の、射出部に対向した部位に設けることが好ましい。この構成であれば、射出される直前に拡散するので、繰り返し拡散して反射せず、発散角をむやみに大きくせず、複数の点状光源の輝度ムラを軽減して均一な照明が可能となって好ましい。

この異方性拡散部14は、例えば透光性部材の表面に、サブミクロンから数十ミクロンの微細でランダムな凹凸表面を形成して設けることができる。また、この凹凸形状の大きさや配設状態により、所望の拡散度を得ることができる。

例えば、微細でランダムな凹凸形状をストライプ状にし、その垂直方向には、微細な凹凸形状のない形状とすることで、一方向に大きく拡散し、その垂直方向には殆んど拡散しない拡散部材を得ることができる。また、1ミクロン程度の比較的微細なサイズの凹凸形状で大きな拡散度となり、10ミクロン程度の比較的大きな凹凸形状にすれば、数度の小さな拡散度となる。

また、透光性部材の表面に微細な凹凸表面を設けて異方性拡散部14を形成する方法以外の方法でもよく、例えば、所定の拡散度を発揮する拡散シートや拡散フィルムを所定部位に貼付する構成としてもよい。

このような異方性拡散部14を用いて、隣り合う点状光源2が出射する光の輝度を揃えるためには、隣り合う点状光源2の所定強度の光が重なった後で拡散して、均一に混ざり合わせることが好ましいので、隣り合う点状光源2からの強度30%以上の光が重なることが好ましい。さらに、点状光源2から異方性拡散部14に至る最短の光路長をL1とし、点状光源2の配置ピッチをPとし、点状光源2の指向角半値幅をθ1としたときに、 L1>P/2tanθ1(式1) を満たすことが好ましい。この構成であれば、この条件式を満たす最短光路を確保することで、隣り合う点状光源からの強度1/2の光が重なり混ざり合った光となって、射出面での輝度ムラを抑制して略一定の輝度にすることができる。

例えば、指向角半値幅θ1が60°のLED光源を点状光源2として用いたとき、点状光源2から異方性拡散部14に至る最短光路長L1は0.3P程度でよい。この構成であれば、隣り合う点状光源2からの強度1/2の光が重なる最短の光路長を確保することができ、短光路で小型のコンパクトな構成の照明装置を得ることができて好ましい。

また、本実施形態では、点状光源2から異方性拡散部14までの距離を配置ピッチPの半分に設定し、拡散部14上で、点状光源2の強度半値以上の光束が互いに重なり合うように設定し均一な照明が可能な照明装置としている。

例えば、強度半値(指向角半値幅θ1)が±60度の点状光源2を配置ピッチ20mmとしたときに、点状光源2から拡散部14までの最短距離を10mmとしている。(式1)によれば、最短光路長L1は、7mm程度であるが、これよりも長い10mmとしているので、強度半値の光束が重なる構成となる。

また、図1に示すように、点状光源2から直接射出部30に導光して射出される光束R1aと、第二反射面12で反射した後、射出部3に導光して射出される光束R1bとが重なるようにしている。すなわち、第二反射面12は、該反射面で反射した光束を点状光源2から射出部30に直接導光される光束に重ね合わせるように設置されることが好ましい。この構成であれば、特定方向(図中の矢印A方向)を高強度に照明可能な照明装置を得ることができる。

また、第一反射面11で反射された後に第二反射面12で反射されて拡散部14に導かれる光束R1cも照明光となる。反射回数の異なる光束は光路長が異なり、これら光束が混ぜ合わされるので光源配列方向に均一な二次光源とすることができ、照明対象を均一に照明することができる。

異方性拡散部として、A方向を高強度に照明するために一方向拡散部を用いたが、これに限るものではなく、例えば、やや広めに照明する場合は、点状光源2の配列の垂直な方向に10度程度拡散させてもよい。ただし、拡散度を大きくすると暗くなるので、少なくとも配列方向の拡散度よりも小さい拡散度に設定することで効率よく高強度に特定方向を照明することができる。

点状光源2は、例えば、青色LEDと青色を受けて黄色を励起する黄色蛍光体を用いた白色LED光源である。また、白色LED光源に限らず点状光源であればよく、赤青緑の三原色LEDによる白色LED光源や、白色でないLED光源を用いてもよい。

また、第一、第二反射面を傾斜させて、所定方向を高強度に照明するように配光制御してもよく、例えば図中の破線に示すように、傾斜した第一反射面11aを用いることで、この面で反射する光をさらにA方向に向かわせるようにして、特定方向をさらに高強度に照明することができる。

また、点状光源2が発する光を異なる二方向にそれぞれ導光可能な照明装置を用いて所定の二方向(例えば、棚板の上下)を同時に照明することも可能であるので、この具体的な構成について、図3、図4を用いてそれぞれ説明する。

図3は第二実施形態の照明装置1Bを示している。この照明装置1Bの導光経路は、点状光源2からの光を異なる二方向に分岐して導光する第一導光経路10Baと第二導光経路10Bbを有し、それぞれの導光経路に、第一、第二反射面、および、射出面を設けた構成としている。このような構成であれば、異なる二方向(例えば、棚板の上下)を同時に均一に照明可能な照明装置を得ることができて好ましい。

例えば、第一導光経路10Baと第二導光経路10Bbとの分岐部となる第二反射面12B(第二反射面12Baと第二反射面12Bbを合わせた総称)の略中央部に点状光源2を設置し、この点状光源2に対向する第一反射面側に光束を上下に分岐する分岐反射面15を設ける。

分岐反射面15は、点状光源2からの光を図の上側に向けて反射する第一分岐反射面15aと、下側に向けて反射する第二分岐反射面15bとが、例えば、90°のV字状に交差した反射面である。

そのために、点状光源2から出射した光は、第一分岐反射面15aにより図の上側に向けて反射され、第一反射面11Baと第二反射面12Bとで反射され上側照明を行う第一射出面13Baから、主に矢印A方向に向けて射出される。また、第二分岐反射面15bより図の下側に向けて反射された光は、第一反射面11Bbと第二反射面12Bとで反射され下側照明を行う第二射出面13Bbから、主に矢印B方向に向けて射出される。

また本実施形態では、第一、第二反射面と射出面で形成される導光経路を、例えば、点状光源2からの直接上側の射出面13Baに向かう光が矢印A方向を向くように設定し、第一分岐反射面15aで反射され直接射出される光や、第一分岐反射面15aで反射した後、さらに第一反射面11Baや第二反射面12Bで反射した光などが、矢印A方向に概ね重なるように設定している。

また、この実施形態でも、第一射出面13Baに異方性拡散部14を設けている。この異方性拡散部14は、例えば、点状光源2の配列方向には80度拡散し、その垂直方向には30度拡散するようにしている。

このように、垂直方向にも30度程度拡散させることで、第一射出面13Baから射出される光束は図示するように、点状光源2が並設される方向と直交する方向にも所定角度拡散して射出され、面状に均一に混ぜ合わされた照明光を射出する。

また、点状光源2から異方性拡散部14までの最短距離は、光源ピッチが20mmのときに、この略30%に当る7mmに設定している。この構成であれば、点状光源2から拡散部14に至る最短光路長は7mm以上となるので、前述した強度半値以上の光束が互いに重なり合って均一な照明が可能に設定された照明装置1Bとなる。

下側の射出面13Bbに異方性拡散部14を設けてもよいが、この照明装置1Bが、ただ単に、棚板に下側に向けて照明光を射出すればよい場合は、特に異方性拡散部14を設ける必要はない。

また、図4に示す第三実施形態の照明装置1Cのように、第一反射面側に点状光源2を設置し、第二反射面側に分岐反射面15を設けてもよい。分岐反射面15は、点状光源2からの光を図の上側に向けて反射する第一分岐反射面15aと、下側に向けて反射する第二分岐反射面15bとが、例えば、90°のV字状に交差している。

この構成であっても、点状光源2から出射した光は、第一分岐反射面15aにより図の上側に向けて反射され、第一反射面11Caと第二反射面12Caとで反射され射出面13Caから、主に矢印A方向に向けて高強度に射出される。また、第二分岐反射面15bより図の下側に向けて反射された光は、第一反射面11Cbと第二反射面12Cbとで反射され射出面13Cbから、主に矢印B方向に向けて高強度に射出される。

また、上側の射出面13Caに光を所定方向屈折して射出する屈折体4を設け、点状光源2から出射した光のうち、第一分岐反射面15aにより図の上側に向けて反射されて直接射出される光が、この屈折体4を介して矢印A方向に向けて効率よく射出されるようにしている。

また、本実施形態では、射出面13Caの裏面側に異方性拡散部14を設けた構成としている。また、この異方性拡散部14は、例えば、点状光源2の配列方向には80度拡散し、その垂直方向には60度拡散するようにしている。このように、垂直方向の拡散度が大きくても、屈折体4を設けているので、この屈折体4の全反射と傾斜配置により射出方向を制限でき、特定方向である矢印A方向付近を高強度に照明することができる。

また、導光素子を用いて導光経路を形成してもよく、この実施形態について図5〜図8を用いて説明する。

図5に示す第四実施形態の照明装置1Dは、屈折率が1より大きな導光素子3(例えば、屈折率が約1.5のPMMA:アクリル)を用いた例を示す。また、点状光源2からの光が入射する入射面31と、光を射出する射出面32と、入射面31から入射した光束を射出面32まで導光するように対向して配設される一対の反射面(第一反射面33、第二反射面34)を有する。

また、異方性拡散部14を、例えば、第二反射面34の射出面32に対向する部位に設けた構成としている。このように、射出面32に対向する部位にのみ異方性拡散部14を設けることで、拡散により光束の発散角をむやみに大きくせず、複数の点状光源2の輝度ムラ、導光素子内面での反射回数の異なる光束の輝度ムラを軽減している。

また、入射面31から直接、あるいは、第一反射面33で反射され直接射出面32に導かれる光は、射出面32が第一反射面33や第二反射面34に対して平行に近い角度(例えば、10〜30°好ましくは15°傾斜させる)なので、射出面32で全反射され、第二反射面34で射出面32に向けて反射する往復反射を繰り返した後、射出面32で全反射から外れたものから順次射出する。

また、異方性拡散部14は、例えば、点状光源2の配列方向に80度拡散し、その垂直方向により小さな拡散角度で拡散する拡散部としている。この垂直方向の拡散度は10〜60度程度でよい。例えば、垂直方向の拡散度が60度であっても、前述したように、導光素子3の全反射により射出方向が制限されるので、60度の拡散方向では拡散度が小さくなり、特定の矢印A方向を高強度に照明できる。

すなわち、射出面32の傾斜角度を、第二反射面34に平行に近い角度の15°程度に設定することで、射出面32より斜め方向に射出して射出面32の法線方向から、例えば45°傾斜した特定方向付近に高強度の光を射出し、第二反射面34に垂直な方向に射出する光は殆んど射出せず、特定の矢印A方向のみを高強度で照明するように制御できる。

また、第二反射面34に異方性拡散部14を設けているので、射出部32から大きく斜め方向に射出される光束の屈折時色分散による色ムラを射出前の拡散により抑えることができる。また、対向する反射面間で反射回数の異なる光は、異方性拡散部14によって射出面32への入射角度や射出位置が少しずつ異なるので、互いに混ぜ合わされて大きく拡散することなく均一に射出する。

第一反射面33および第二反射面34で全反射しない光は、例えば、各反射面の裏面にアルミ製カバーを配置して、カバーにより反射される光が導光素子3に再入射するように構成する。このためには、アルミ製カバーに白色塗装の白色反射処理やミラー処理を施した反射部材を配置してもよいし、アルミ製カバーに替えて、反射面にミラー処理やミラーフィルムを貼付してもよい。

本実施形態では、導光素子3で導光経路を形成するので、中空で空気層を用いて導光経路を形成するのと比較して、導光経路が長くなる。そのために、光源から離れた位置に射出部を設け、光源から離れた部位を照明でき、上下の幅の大きな棚板用の照明装置として好適となる。

図6に示す第五実施形態の照明装置1Eは、前述した導光素子3と略同形状の導光素子3Aを上下一対用いた構成として、点状光源2からの光を異なる二方向に分岐して導光するようにしたものである。

そのために、点状光源2に対向し所定角度傾斜した入射面31Aa、31Abが光束を異なる二方向に分岐する光束分岐面となる。すなわち、点状光源2から出射す入射面31Aaから図の上方に向けて導光される光は、射出面32Aaから特定方向の矢印A方向に射出され、入射面31Abから図の下方に向けて導光される光は、射出面32Abから特定方向の矢印B方向に射出される。

このように、点状光源2から出射する光束を異なる二方向に分割して、各々の光束がA方向およびB方向を照明するので、効率よく高強度に限定された特定方向を照明できる。また、点状光源2がレンズ付きLED光源のように所定の角度範囲に集光された光源であっても、異方性拡散部14を、例えば、第二反射面34Aの広い部分に設けることで、大きな角度に拡散して、十分に均一な照明ができる照明装置を得ることができる。

また、第二反射面34Aの広い部分に設けるので、本実施形態では、異方性拡散部14として、光源配列方向に30度、その垂直方向に0.5度の拡散度を有した拡散部を用いている。

また、一対二個組み合わせることに替えて、一対二個を組み合わせた形状の一体型の導光素子を用いることもできる。例えば、断面T型の導光素子を用いて異なる二方向に分岐して導光することができる。また、断面T型の導光素子を用いると、光源から射出面に至る光路長を長く確保できるので、照明装置の小型化やコンパクト化にとって有効である。この実施形態について、図7を用いて説明する。

図7には第六実施形態の照明装置1Fを示す。この照明装置1Fは断面T型の一体形状とされる導光素子3Bを備えていて、異なる二方向、例えば上下に分岐した第一導光経路10Faと第二導光経路10Fbを有し、さらに、点状光源2からの光を第一、第二導光経路に導く入射導光経路10Fcを有する。

また、反射面に相当する部位にそれぞれ反射部材を設け、全ての光を射出面に導光する反射面を形成するように構成している。例えば、第一反射面11F、第二反射面12F、入射反射面(上側入射反射面17a、下側入射反射面17b)を設ける。また、点状光源2を紙面に垂直な方向に複数離散配置し、射出面(第一射出面32Ba、第二射出面32Bb)を第二反射面12Fに対する傾斜角度を約10°としている。

このように、断面T型の導光素子3Bを用いることで、光源から射出面に至る光路長を長く取ることができ、隣り合う点状光源からの光が混ぜ合わされて均一な照明光を得ることができる。また、例えば、第二反射面12Fに異方性拡散部14を設けて、さらに良好に混ぜ合わせるようにしてもよい。

この異方性拡散部14は、例えば、光源配列方向に60度の拡散度を有する一方向拡散部とする。また、第二反射面12Fの、それぞれ射出面に近い部分のみに設けるようにしてもよい。

また、本実施形態では、入射面31BをV字状に形成し、第一入射面31Baと第二入射面31Bbを、例えば、それぞれ20°傾斜させた面とする。そして、第一入射面31Baから入射し、上側入射反射面17aを介して第二導光経路10Fbから図の下方に向かう図中の矢印Bに示す射出光と、第二入射面31Bbから入射し、下側入射反射面17bを介して第一導光経路10Faから図の上方に向かう図中の矢印Aに示す射出光を生成する。

上記の構成は、導光経路を屈折率が1より大きな導光素子3Bで構成し、この導光素子3Bに点状光源2が出射する光を入射する入射面と、光束を射出する射出面と、入射面に入射した光束を射出面まで導光する相対向した反射面と、を設け、射出面もしくは反射面の少なくとも一方に異方性拡散部を設けた構成となる。そのために、導光素子3Bで導光経路を形成することで、中空で空気層を用いて導光経路を形成するのと比較して、導光経路が長くなり、光源から離れた部位を照明でき、上下の幅の大きな棚板5用の照明装置として好適となる。

すなわち、この照明装置1Fを、商品ショーケース等の複数段の棚板に設けることにより、上下から棚板上の商品を照明することができ、影が少なく、効率よく、明るい照明とすることができる。また、これにより、商品購入者の購買意欲が増すという効果を発揮する。

また、ショーケース等の棚板の取り付ける照明装置として図8に示す第七実施形態の照明装置1Gを用いることができる。この照明装置1Gは、平板状の中間部に光束を上下に分岐するV溝35を備えて一体化された導光素子3Cを介して棚板の上下を同時に照明している。

この照明装置1Gは、棚板5の先端に装着するホルダ6とステー7を介して点状光源2を実装した基板21と導光素子3Cと第二反射面12Gを取り付けた構成である。また、基板21に対向する面を含む導光素子3Cの所定部位に第一反射面11Gを装着してもよい。

また、第一傾斜面35aと第二傾斜面35bを有するV溝35に対向する位置に点状光源2が配設されており、この点状光源2から出射した光は、第一傾斜面35aにより上方に向けて反射され、第一導光経路10Gaを経由して棚板の上側照明を行う第一射出面32Caから特定方向の図中の矢印A方向に射出される光束と、第二傾斜面35bにより下方に向けて反射され、第二導光経路10Gbを経由して棚板の下側照明を行う第二射出面32Cbから広範囲の図中の矢印B1方向に射出される光束とに分岐される。

また、導光素子3Cの外側に反射機能を有する第二反射面12Gを設け、第一射出面32Caは、この第二反射面12Gに平行に近い傾斜角度(約10度)とし、特定方向の図中の矢印A方向を主に照明するようにしている。なお、本実施形態では、下側照明を行う第二射出面32Cbを水平(第二反射面12Gに垂直)に形成し、照明光を下側に大きく散乱するようにしている。

そのために、この第二射出面32Cbを介して、下段の棚板に向けて光を大きく散乱して広く照明し、下段の棚板に陳列された商品の上面を効果的に照明することができる。また、第一射出面32Caを介して、棚板の斜め上方に向けて特定方向を照明し、棚板に陳列された商品の前面を効果的に照明することができる。また、この第一射出面32Caに異方性拡散部14を設けることで、所定間隔で設置される複数の点状光源2からの光がさらに良好に混ぜ合わせて均一な照明光を得ることができる。

上記したように、斜め上方の特定方向に向かう照明光により、棚板5に載置される商品Mの物体表面を効果的に照明し、棚板5の下側の広い範囲を照明する照明光により、棚板5の下側の棚板に載置された商品の上部を効果的に照明する。つまり、複数段の棚板に本実施形態に係る照明装置1Gを設けることにより、上下から棚板上の物体を照明できるので、影が少なく、効率よく明るい照明とすることができる。

また、棚板の前端に設置して棚板の上下を同時に照明する照明装置1E〜1Gを適宜組み合わせて用いることも可能である。

例えば、図9に示すショーケースSCのように、台座101と本体枠102と冷却機103を備え、陳列室に複数の棚板5A、5B、5Cを設け、それぞれの棚板の前端に棚板用の照明装置1(1E〜1G)を装着した構成では、棚板5Aに装着した照明装置1(1E〜1G)が、棚板5Aに載置された商品の前面領域を照明する照明光RA1と、棚板5Bに載置された商品の上側領域を照明する照明光RB1を、それぞれ均一に射出する。

また、棚板5Bに装着した照明装置1は、棚板5Bに載置された商品の前面領域を照明する照明光RA2と、棚板5Cの商品の上側領域を照明する照明光RB2を均一に射出し、棚板5Cに装着した照明装置1は、棚板5Cに載置された商品の前面領域を照明する照明光RA3と、棚板5Cの下にある商品の上側領域を照明する照明光RB3をそれぞれ均一に射出する。

このように、棚板5を複数段備えるショーケースSCのそれぞれの棚板5に本実施形態に係る照明装置1(1E〜1G)を装着して、棚板5の上下を同時に照明することで、ショーケースSCに陳列する商品を効率よく均一に照明可能な照明装置となる。

なお、点状光源としてチップ型のLED光源を用いた実施形態例としたが、その他の点状光源であってもよく、例えば、レンズ付きや砲弾型のLED光源を用いてもよい。

上記したように、本発明に係る照明装置によれば、点状光源の配置ピッチに応じた所定の光路長離れた所定の部位に異方性拡散部を設け、隣り合う点状光源から出射する光の所定強度部分が重なった後で、所定方向に所定角度拡散した光を射出する構成としているので、点状光源の光を配光制御して所望の特定方向に明るく効率よく均一に照明可能で、且つ、光源が均一で商品に写り込んでも眩しくなく、商品の見栄えを悪くしない効果的な照明が可能な照明装置を得ることができる。

また、異方性拡散部は、点状光源が配置される長手方向により大きな拡散特性を有するようにしているので、所定間隔で離散配置される複数の点状光源が出射する光を重ねて効率よく分散することで、離散的に配置された点状光源から均一な照明光を射出することができる。

また、点状光源としてLED光源を用いているので、高照度で、消費電力が小さく、発熱も小さいLED光源を用いて、高効率の照明装置を実現することができる。

次に、図10を用いて本発明に係る棚板照明装置の第一実施形態について説明する。図10に示す棚板照明装置1AAは、棚板を備えるショーケースに用いる照明装置であって、棚板の長手方向に間隔をおいて配設する複数の点状光源2と、該光源から出射する光を長手方向と直交する方向に導光する導光経路10AAと、導光された光を所定方向に射出する射出部と、を備える照明光学系を有する。また、導光経路10AAを、空気層を挟んで対向する第一、第二反射面から構成し、射出部を、入射面と射出面を有するキャップ部材3AAから構成している。

すなわち、点状光源2は、図面の垂直方向を長手方向として所定の間隔をおいて複数配設されており、第一反射面11AA、第二反射面12AAもこの長手方向に延設された長尺な反射面とされ、例えば、ショーケースなどの棚板の前端に直接装着して棚板上に陳列された商品を照明する棚板照明装置1AAとされる。

また、この第一実施形態の棚板照明装置1AAが備えるキャップ部材3AAは、図に示すように、対向する第一、第二反射面の上端部に傾斜して配設される平板状の透光性部材(例えば、屈折率が約1.5のPMMA:アクリル)からなる。すなわち、キャップ部材3AAが備える入射面31AAと射出面32AAとは平行であり、棚板上に陳列される商品に向かうように傾斜している。例えば、導光経路10AAを介して導光される方向と、射出面32AAの垂線とのなす角θ2が約65°傾いている。

上記したように、この棚板照明装置1AAは、空気層を挟んで対向する第一、第二反射面から構成される導光経路10AAを備えているので、空気層を導光経路としており、大きな配光角を有し、短い距離で隣り合う点状光源2からの光が混ざり合う構成となる。また、キャップ部材3AAは、隣り合う点状光源2からの光束が、キャップ部材3AAの射出面32AAの位置で互いに重なり合うように設けられる。

このような構成であれば、隣り合う点状光源2からの光束が、キャップ部材3AAの射出面32AAの位置で棚板の長手方向に対して、互いに重なり合うために、長手方向に対して均一な照明が可能となる。また空気層を導光経路としているので、短い光路長で点状光源2からの光が混ざり合い、混ざり合った光はキャップ部材3AAから所定方向に射出される。そのために、コンパクト化が可能で所定範囲を効果的に照明可能な棚板照明装置1AAを得ることができる。

また、点状光源2から入射面31AAに至る最短の光路長をL1とし、点状光源2の配置ピッチをPとし、点状光源2の指向角半値幅をθ1としたときに、 L1>P/2tanθ1(式1) を満たす位置にキャップ部材3AAを配設している。

このような構成であれば、隣り合う点状光源2が発する光の強度が1/2になる光が重なり混ざり合った後で、入射面31AAに入射して射出面32AAから射出する構成となるので、均一に混ざり合うと共に、光の強度が略同一レベルとなる照明光を射出することができて好ましい。

点状光源2は、例えば、基板21にLEDを搭載したチップ型のLED光源であって、青色LEDチップと、このLEDチップからの光に励起されて所定波長の励起光を発光する蛍光体と、を組み合わせて白色発光する白色LED光源を用いる。基板21は、例えば、棚板の全幅を均一に照明するために、棚板の幅程度の長さとされ、この上に点状光源2となるLED光源を所定ピッチで複数個搭載している。ただし、棚幅が広い場合は、複数の基板に分け、それぞれを電気的に接続する構成としてもよい。

また、指向角半値幅θ1が約60°のLED光源を用いて、隣り合う光源の配置ピッチPを50mmとしたときの光路長と点状光源の配置ピッチと点状光源の指向角半値幅との関係について図11を用いて説明する。

図11に示すように、キャップ部材3AAの入射面31AAは、隣り合う点状光源2が配置ピッチP=50mmで配置されているときの、指向角半値幅θ1の光線DaとDbが重なり混ざり合った後の位置に配設されている。

すなわち、指向角半値幅θ1の光線DaとDbは、距離L0の位置(P/2tanθ1に相当する位置)で重なり混ざり合い、入射面31AAはL0よりも長い光路長L1を有する。そのために、入射面31AAからキャップ部材3AAに入射する光は、それぞれの点状光源2が発する光の1/2の強度の光が重なり混ざり合った光となって、長手方向の輝度ムラが削減された光を均一に射出する構成となる。

例えば、図12に示すように、入射面31AAに入射する入射面輝度は、隣り合う一方の点状光源2が発する光の輝度Raと他方の点状光源2が発する光の輝度Rbとが混ざり合った略一様な輝度Rの光束を合成する。

すなわち、(式1)の条件を満足する位置にキャップ部材3AAを配設することで、入射面31AA位置での点状光源2の配列方向の輝度が略均一になることが判った。言い換えれば、点状光源2から射出部に至る光路長が、配置ピッチPで配設される点状光源2から出射する光の強度が1/2となる指向角半値幅に応じた長さ以上とされるので、隣り合う点状光源からの強度1/2となる光が重なり混ざり合った光となり、光の強度が略同一レベルとなる照明光を射出することができる。

上記したように、キャップ部材までを中空とすることにより、短い距離で離散的に配置された点状光源からの光を配列方向において均一にすることができる。また、光源からキャップ部材3AAまでの光路長を短くできるので、棚板の先端に装着する際に、光を導光する上下方向の長さを小さくしてコンパクトにでき、棚板に装着するプライスレールの幅と略同等の幅で構成することができ、商品購入者の観察の邪魔にならず、ショーケースの意匠を考慮した場合も好適な棚板照明装置となって好ましい。

また、導光経路を介して導光される方向と、射出面32AAの垂線とのなす角θ2はブリュースタ角よりも大きな角度であることが好ましい。対向する第一、第二反射面のうち、観察者側の反射面高さが、商品側反射面高さより高くして、キャップ部材3AAを、ブリュースタ角以上の角度で傾けることにより、観察者側の反射面に当ってキャップ部材3AAより射出される光は商品側に向けて射出される。

また、商品側反射面に当った光束、および、反射面に当らず直接キャップ部材に入射した光束は、射出面にブリュースタ角よりも大きな角度で入射することになるので、フレネル反射により棚側に射出する照明光を、観察者側に射出する照明光と比較して大きくすることができ、商品を効率的に照明できるだけでなく、観察者が商品を観察するときの眩しさを低減することができて好ましい。

これは、図13に示すフレネル反射の入射角度と反射率との関係から判るように、屈折率が1.5の媒質に入射する光は、約60°よりも入射角が大きくなると、すなわち、ブリュースタ角(約60°)よりも大きくなると、反射率は急激に増加するからである。この図13には、屈折率n=1.5の媒質に入射するp波の反射率(p反射率)とs波の反射率(s反射率)とこれらの平均反射率を示している。

一方、棚板の先端に装着し、棚の上方に向かって、主に商品のフェイス面を照明するための照明装置では、照明光の配光中心が、真上よりも少し棚板側に傾いている状態が望ましい。真上よりも観察者側へ照明光が射出されると、観察者は照明光が眩しくて商品を良好に観察できない。また、配光中心が棚板側へ大きく傾くと、商品の下部のみを明るく照らす照明となってしまい、フェイス面全体を均一に良好に照明することは困難である。

本実施形態のキャップ部材3AAは、入射面31AAと射出面32AAとが平行であり、射出面32AAの導光方向に対する傾き角θ2が約65°であるので、入射面31AAの傾き角θ3も約65°である。すなわち、点状光源2から真上に向かって直接キャップ部材3AAに到達した強い光は、65°の入射角でキャップ部材3AA(入射面31AA)に入射し、65°の射出角でキャップ部材3AA(射出面32AA)から射出される。

点状光源2から直接キャップ部材3AAに到達した光を含む入射角65°以上でキャップ部材3AAに入射する光は、それぞれの入射角に応じた反射率で反射され、光路に戻される。ブリュースタ角以下の角度でキャップ部材3AAに入射した光は、略反射されることなく、入射面31AAおよび射出面32AAで屈折されて、棚板側へと射出される。

キャップ部材3AAの傾きは、これを取り付ける第一反射面11、第二反射面12の高さにより決定される。従って、棚板側の第一反射面11AAの上端部よりも、第二反射面12AAの上端部が高い位置になっている。対向する反射面間で反射しながらキャップ部材3AAまで導光された光は、キャップ部材3AAから射出される直前では、ほとんどの光が第二反射面12AAで反射され、棚板側への傾きを持った状態でキャップ入射面に入射し、棚板上方へと射出される。

このような形態のキャップ部材3AAを備える棚板照明装置1AAの放射輝度特性について図14を用いて説明する。

図に示す横軸は、導光される真上方向を0°とし、棚板に向かう時計周りの角度を正の方向とする放射角θAを示す。従って、0°が真上、90°が棚板と平行方向、負の角度は観察者側へと射出される光を意味する。この図から、5°の位置に第一の輝度ピークR1を持ち、30°付近に第二の輝度ピークR2を持つような配光特性を有していることが判る。

すなわち、本実施形態に係る棚板照明装置1AAは、棚板上に陳列された商品のフェイス面を上方まで良好に照明できることが判る。また、観察者へ特に低い角度で射出される照明光はほぼないので、観察者は、眩しいことなく快適に商品を観察することができる。

次に、図15を用いて第二実施形態の棚板照明装置1BAについて説明する。

この棚板照明装置1BAは、前述した棚板照明装置1AAが備える平行平板状のキャップ部材3AAに替えて、楔形状のキャップ部材3BAを備えた点が異なる。また、その他の構成は、棚板照明装置1AAと同じであるので、ここでは詳述しない。

楔形状のキャップ部材3BAは、入射面31BAの傾き角と射出面32BAの傾き角が異なっていることを意味し、本実施形態では、入射面31BAの傾き角θ3bを55°とし、射出面32BAの傾き角θ2bを30°としている。つまり、入射面の傾きより射出面の傾きが小さい楔形状の断面を有する。

従って、点状光源2からの射出光のうち、最も輝度の高い真上に向かう光は、第一、第二反射面に当ることなく直接キャップ部材3BAの入射面31BAに到達し、楔形状のキャップ部材3BAを介して棚板側へ曲げられて射出される。

このような形態のキャップ部材3BAを備える棚板照明装置1BAの放射輝度特性について図16を用いて説明する。最も輝度の高い照明光は、真上から棚板側へ約20°傾いたところに輝度ピークR3を有する。これにより、商品のフェイス面を上方まで均一に良好に照明することができるよう配光制御された照明装置を提供することができる。

また、所定の面に光を所定角度範囲に拡散する拡散部を設けて、さらに均一な面状の照明光を生成することが可能である。例えば、入射面31BAに、複数の点状光源2を配置する長手方向に、所定の散乱特性(例えば、σ15°のガウス散乱特性)を有する拡散部14を設ける。

このような構成であれば、キャップ部材3BAの入射面31BAで略均一に広がった照明光を散乱し、点状光源2の配列方向に略均一な面状の二次光源を作成できる。従って、棚上に陳列される商品の表面状態が光沢面、鏡面であったとしても、観察者が商品表面を介して点状の光源を観察することなく、観察者が移動して観察位置が動いた時にギラツキが生じない良好な照明装置を提供できる。

また、断面L型の導光経路を用いて、光源から射出面に至る光路長を確保することが可能である。例えば、図17に示すように、第一反射面11CAと第二反射面12CAとで形成される導光経路と直交する入射導光経路を有して断面L型となる導光経路10CAを有する変形例の棚板照明装置1CAとする。

この棚板照明装置1CAは、点状光源2を観察者側に向かって射出するように基板21を配設し、点状光源2を挟む上下両側に反射面17(17a、17b)を設けて入射導光経路を形成している。また、点状光源2からの光をキャップ部材3CAに向かう方向に反射する45°の傾きを有する傾斜反射面15CAを設けている。

このような構成とすることで、導光経路をL型に折りたたむことができ、照明装置の上下幅をさらに小さくでき、さらなるコンパクト化が可能となる。そのために、棚板の上下幅が小さな薄い場合に有効な棚板照明装置1CAとなる。

次に、さらに異なる形状のキャップ部材を装着した第三実施形態の棚板照明装置1DAについて、図18を用いて説明する。

この棚板照明装置1DAは、前述した棚板照明装置1AAが備える平行平板状のキャップ部材3AAに替えて、断面が三角形状もしくは台形状のキャップ部材3DAを備えた点が異なる。また、その他の構成は、棚板照明装置1AAと同じであるので、ここでは詳述しない。

このキャップ部材3DAは、入射面31DAと射出面32DAの他に、第二反射面12DAに沿う第三の面33DAを有する。また、本実施形態では、入射面31DAの傾き角θ3dを0°として水平とし、射出面32DAの傾き角θ2dは、キャップ部材3AAと同じく65°としている。つまり、射出面32DAで一旦第三の面33DAに向けて反射した光を、この第三の面33DAの後方にある第二反射面12DAにより反射して再度キャップ部材3DA内に入射して射出面32DAから射出する。

従って、点状光源2からの光は、直接、又は、第一、第二反射面で反射しながら導光されキャップ部材3DAの入射面31DAに到達する。キャップ部材3DA内に入射した光は、その多くが射出面32DAで第三の面33DAに向かって全反射される。第三の面33DAを透過した光は、第二の反射面12DAで反射した後、第三の面33DAからキャップ部材内へ入射して、射出面32DAから屈折して射出する。

このような形態のキャップ部材3DAを備える棚板照明装置1DAの放射輝度特性について図19を用いて説明する。この輝度特性は、先に示したキャップ部材3AA〜3CAの輝度特性と異なり、真上方向から棚板側へ約55°傾いた方向に輝度ピークR4を有することが判る。これは、ハムなどの薄い商品を棚上に平積みして陳列する場合、商品の高さが低いので、棚先端に配置される照明装置の配光特性は、棚板の奥に向かう方向に輝度ピークを有する方が望ましく、本実施形態は、そのような陳列状態に好適な照明装置を提供することができる。

ここで、第三の面33DAは、点状光源2の配列方向(棚板照明装置の長手方向)に、σ15°のガウス散乱特性を有し、この配列方向と直交する方向(棚板照明装置の上下の幅方向)に、σ1°のガウス散乱特性を有する散乱面としての微細構造が形成されている。すなわち、第三の面33DAに拡散部14が設けられている。この拡散部14を形成する微細構造は、キャップ部材成型時に一体に構成することが可能である。

このように、点状光源の配列方向の拡散特性を大きくすることにより、第三の面33DAが面状の二次光源となり、拡散特性の低い表面(容易に反射する表面)を有する商品を棚上に陳列しても、商品の表面を介して点状の光源を観察することなく、照明のギラツキ感を抑制することができる。また、棚板照明装置の上下の幅方向の拡散角を小さくすることにより、必要以上に照明光が広がるのを抑制して、効率的に配光制御された照明装置を提供できる。

また、点状光源2が発する光を上下にそれぞれ導光可能な棚板照明装置を用いて棚板の上下方向を同時に照明することも可能であるので、この具体的な構成について、図20A〜図20Dを用いてそれぞれ説明する。

まず、図20Aを用いて第四実施形態の棚板照明装置1EAについて説明する。

この棚板照明装置1EAは、例えば上側に向かう導光経路(第一導光経路10EAa)と下側に向かう導光経路(第二導光経路10EAb)を有する。また、第一導光経路10EAaの射出部に第一のキャップ部材3EAaを設け、第二導光経路10EAbの射出部に第二のキャップ部材3EAbを設けている。点状光源2は、これらの第一、第二導光経路の中間部に配設され、観察者側に向けて、すなわち、第二反射面12EAに向けて射出するように、その発光部が配置されている。

点状光源2に対向して設けられる第二反射面12EAは、上下の導光経路をカバーする程度の大きさを有しており、点状光源2が発する光は、対向する第二反射面12EAで反射して、それぞれ第一導光経路10EAaと第二導光経路10EAbに分岐される。また、第一導光経路10EAaでは、第一反射面11EA(第一上部反射面11EAa)と第二反射面12EAとで反射しながらキャップ部材3EAaまで導光され、第二導光経路10EAbでは、第一反射面11EA(第一下部反射面11EAb)と第二反射面12EAとで反射しながらキャップ部材3EAbまで導光される。

すなわち、棚板照明装置1EAの導光経路は、点状光源2からの光を異なる二方向に分岐して導光する第一導光経路10EAaと第二導光経路10EAbを有し、それぞれの導光経路に、第一、第二反射面、および、キャップ部材を共に設けている。また、それぞれのキャップ部材が有する入射面に至る最短光路長は、強度が1/2となる光が混ざり合う前述した光路長L1であることが好ましい。この構成であれば、例えば、棚板の上面側に陳列された商品の前面を照明する上向き照明と、下の棚板に陳列された商品の上部を照明する下向き照明とを同時に行うと共に、それぞれ、離散的な配置に起因する輝度ムラを低減して輝度の均一な照明装置を実現することができる。

また、点状光源2からの光を下側に射出する射出部に配設する第二のキャップ部材3EAbは、図に示すような水平に配設される平行平板からなるものでも、商品方向に傾斜した平行平板でも、商品方向に射出する射出面を備えた楔形状であってもよく、棚板の下側の所望の領域部分を効果的に照明可能なキャップ部材を用いることができる。

図に示すような水平に配設される平行平板からなる第二のキャップ部材3EAbであれば、棚板の直下に輝度中心を有し、前後をバランスよく照明するような配光制御を行うことができる。

また、点状光源2と対向する第二反射面12EAは、所定の角度で散乱する散乱特性(例えば、σ15°のガウス散乱特性)を備えた反射面であることが好ましい。すなわち、第二反射面12EAに拡散部14を設けることが好ましい。この構成であれば、点状光源2から出射した光は、第二反射面12EAで拡散反射され、上下に分割されて、それぞれ射出部に配設されたキャップ部材に向けて導光される。

下側の第二のキャップ部材3EAbは、商品方向に向かうようには配光制御されないが、導光経路中のゴミやほこり、水分の侵入を防ぐことができ有効である。

すなわち、この導光経路は、点状光源2からの光を異なる二方向に分岐して導光する第一導光経路10EAaと第二導光経路10EAbを有し、それぞれの導光経路に、第一、第二反射面を設け、いずれか一方の導光経路に、商品側に射出するように傾斜したキャップ部材3EAaを設け、他方の導光経路に当該導光経路に直交する射出面を有する第二のキャップ部材3EAbを設け、それぞれのキャップ部材が有する入射面に至る最短光路長が前記L1とされる。このような構成であれば、例えば、この棚板照明装置1EAを取り付けた棚板の下側を照明する際に、第二のキャップ部材3EAbを介して、真下に向けて照明光を射出する照明装置を実現することができて好ましい。

次に、図20Bを用いて第五実施形態の棚板照明装置1FAについて説明する。

この棚板照明装置1FAは、前述した棚板照明装置1EAと同様に上下に分岐した第一導光経路10FAaと第二導光経路10FAbを有する。ただし、点状光源2と対向する部位に点状光源2から出射した光を効率的に分岐する光束分岐部16を設けた点が異なる。それ以外の構成は同様であるので、ここでは詳述しない。

光束分岐部16は、光束を効率的に上下に分岐するために、上向きに45°傾いた第一傾斜反射面16aと下向きに45°傾いた第二傾斜反射面16bを備えた断面山型とされる。そのために、点状光源2から出射した光のうち第一傾斜反射面16aで上向きに反射した光は、上側に向かう第一導光経路10FAaを導光され上側のキャップ部材3FAaから所定方向に配光制御されて射出される。また、点状光源2から出射した光のうち第二傾斜反射面16bで下向きに反射した光は、下側に向かう第二導光経路10FAbを導光され下側の第二のキャップ部材3FAbから所定方向に配光制御されて射出される。

また、第一導光経路10FAaでは、第二反射面12FAと第一反射面11FA(第一上部反射面11FAa)とで反射しながらキャップ部材3FAaまで導光され、第二導光経路10FAbでは、第一反射面11FA(第一下部反射面11FAb)と第二反射面12FAとで反射しながらキャップ部材3FAbまで導光される。

ここで、上側照明に用いるキャップ部材3FAaは、例えば、図に示すように楔形状とされ、商品方向に向かう照明光として配光制御されている。また、このキャップ部材3FAaの入射面31FAaを、所定の角度で散乱する散乱特性(例えば、σ15°のガウス散乱特性)を備えた透過面とする。すなわち、入射面31FAaに拡散部14を設ける構成とすると、均一な光を発光可能な面状の二次光源を形成できる。キャップ部材3FAaの射出面から射出された照明光は、真上から棚板上に陳列された商品に向かう方向に輝度ピークを有するように配光制御される。

下側照明に用いる第二のキャップ部材3FAbは、例えば、図に示すような水平に配設される平行平板からなり、棚板の直下に輝度中心を有し、前後をバランスよく照明するような配光制御を行う。また、この第二のキャップ部材3FAbの射出面32FAbを、所定の角度で散乱する散乱特性(例えば、σ15°のガウス散乱特性)を備えた透過面とする。すなわち、射出面32FAbに拡散部14を設けると、均一な光を発光可能な面状の二次光源を形成できて好ましい。

すなわち、この棚板照明装置1FAは、点状光源2を上下の第一、第二導光経路に直交する位置に設け、点状光源2からの光を第一、第二導光経路に分岐する光束分岐部16を設けた構成である。この構成であれば、光束分岐部16を介して、一つの点状光源2からの光を第一、第二導光経路に効率よく導光可能となり、例えば、棚板の上下を同時に均一に照明可能な照明装置を実現することができて好ましい。

上記した所定の角度で散乱する散乱特性を有する拡散透過面は、キャップ部材を成型する際に、一体成型することができる。また、所定の散乱特性を有する拡散シートや拡散フィルムを所定の面に貼り付ける構成としてもよい。

次に、図20Cを用いて第六実施形態の棚板照明装置1GAについて説明する。

この棚板照明装置1GAは、前述した棚板照明装置1EAと同様に上下に分岐した第一導光経路10GAaと第二導光経路10GAbを有する。また、点状光源2と対向する部位に点状光源2が出射した光を効率的に分岐する光束分岐部16を設けた点は、前述した棚板照明装置1FAと同様であるので、ここでは詳述しない。ただし、点状光源2が出射する光を効率的に光束分岐部16に導くために、点状光源2を挟む上下両側に入射反射面17を設けた点が異なる。

入射反射面17は、上側入射反射面17aと下側入射反射面17bを備えており、点状光源2が出射した光のうちこの反射面に向かう光を効率よく光束分岐部16に向けて反射する。すなわち、点状光源2からの光は、対向する部位に設けられた光束分岐部16に直接当って上下に分岐される光束と、上下の反射面で反射しながら導光され光束分岐部16で反射される光束と、上下の反射面で反射された後、直接第二反射面12GAで反射されて上下のキャップ入射面に向かう光束と、が合成されてキャップ射出面から射出される。

また、本実施形態では、上側照明に用いるキャップ部材3GAaも下側に用いるキャップ部材3GAbも共に平行平板からなる透光部材を用いている。また、共に、その入射面が、所定の角度で散乱する散乱特性(例えば、σ15°のガウス散乱特性)を備えた透過面としている。すなわち、キャップ分材の入射面に拡散部14を設ける構成としている。

入射反射面17を備える構成であれば、点状光源2を挟み互いに対向する反射面17を追加することにより、第一反射面11GA(11GAa、11GAb)や第二反射面12GAの上下の幅が短くても、光源から射出部に至る光路長を長くとることができる。すなわち、棚板照明装置1GAの上下幅が小さくても、隣り合う点状光源2が出射する光を均一に混ざり合わせる光路長を確保でき、上側照明と下側照明の両方共に、点状光源2の配列方向のムラのない良好な照明装置を実現できる。

すなわち、この棚板照明装置1GAは、点状光源2からの光を分岐部16に導く入射導光経路10GAcを設け、該入射導光経路10GAcの点状光源2を挟む両側に第三反射面(上側入射反射面17a)と第四反射面(下側入射反射面17b)を設けた構成である。この構成であれば、分岐部16に至る光路長を取ることで、棚板の上下幅に相当する光学経路の幅を小さくでき、さらに、照明装置のコンパクト化を図ることが可能となって好ましい。

次に、図20Dを用いて第七実施形態の棚板照明装置1HAについて説明する。

この棚板照明装置1HAは、前述した棚板照明装置1GAと同様に、上下に分岐した第一導光経路10HAaと第二導光経路10HAbを有し、光束分岐部16を有し、点状光源2を挟む上下両側に入射反射面を有する。ただし、下側照明に用いるキャップ部材3HAbを、前述した第三の面を有する台形形状とした点が異なる。また、上下方向の導光経路を形成する第一反射面11HA(11HAa、11HAb)と第二反射面12HAに拡散部14を設けて拡散反射面とした点も異なる。

例えば、上側照明に用いるキャップ部材3HAaを、平行平板からなる、もしくは、わずかに傾斜した楔形状からなる透光性部材から構成して、真上から15°〜20°棚板の商品側に傾いた方向に輝度ピークを有するように配光制御する。また、下側照明は、第三の面を有する第二のキャップ部材3HAbを用いて、真下から棚板方向に60°傾いた方向に輝度ピークを有するように配光制御する。

また、第一反射面11HA(第一上部反射面11HAaと第一下部反射面11HAb)と第二反射面12HAを、例えば、金属面に白塗装した拡散反射面として、所定の角度で散乱する散乱特性(例えば、σ10°のガウス散乱特性)を備えた反射面としている。

このような構成であれば、上側照明は、商品のフェイス面を広範囲に亘って均一に良好に照明できる。また、下側照明は、棚板の奥まで広範囲に照明できる。従って、本実施形態に係る棚板照明装置1HAを取り付けた棚板を複数段設置することにより、全ての棚において、棚先端に陳列された商品のフェイス面と、棚の奥まで並べられた商品とを共に良好に照明することができ、観察者(お客)は、商品面上に影のない状態で、良好に商品を観察し選択することができる。

キャップ部材(3AA〜3HA)は前述したように屈折率1以上の透明体で構成される。本実施形態では、屈折率が約1.5のPMMA製としたが、これ以外の材質からなる透光性部材でもよく、用途に応じて、ガラス材料、PMMA以外のアクリルやポリカなどの透明樹脂を用いてもよい。

また、点状光源2が出射する光を所定の角度範囲に散乱する拡散部14は、例えば、キャップ部材の射出面に設けることができる。この構成であれば、光源から最も離れた面を拡散面化することで、光源と拡散面の光路長を最大に確保でき、離散的に配設された点状光源を用いても、小型でありながら、輝度の均一な照明装置を実現することができる。

また、キャップ部材の入射面に拡散部14を設けてもよく、この構成であれば、外面である射出面は平面とし、入射面を拡散面化することで、外面は平面で汚れが付き難く掃除も容易となる。また、射出面近傍に配置される入射面を拡散面とすることで、離散的に配設された点状光源を用いても、小型でありながら、輝度の均一な照明装置を実現することができる。

また、導光経路を形成する第一反射面や第二反射面を拡散面として拡散部14を形成してもよく、この構成であれば、導光しながら拡散することで、点状光源の配列方向の輝度ムラさせた後、キャップ部材の各面における屈折などにより配光制御し、点状光源の配列方向の輝度が均一で、商品を効率的に照明可能な照明装置を実現することができる。

また、キャップ部材の第三の面を拡散面として拡散部14を設けてもよく、この構成であれば、入射面と射出面を平面とすることで、照明光を効率的に第三の面まで導いた後、輝度が均一な照明光として、配光制御できる照明装置を実現することができる。

また、これらの拡散部14が備える拡散特性は、点状光源配列方向の拡散度が、点状光源配列方向と直交する方向の拡散度に比べて大きいことが好ましい。このような構成であれば、複数の点状光源を配設した方向に大きく拡散し、離散的に配設された点状光源を用いても、離散的な配置に起因する輝度ムラを低減して輝度の均一な照明装置を実現することができる。

また、このような拡散特性は、点状光源配列方向に、所定角度範囲の拡散度を有することが好ましい。このような構成であれば、点状光源配列方向と直交する方向に対する配光制御の効果を維持した状態で、複数の点状光源を配設した方向に大きく拡散し、離散的に配設された点状光源を用いても、離散的な配置に起因する輝度ムラを低減して輝度の均一な照明装置を実現することができる。

次に、前述した棚板照明装置1AA〜1HAを備えた棚板ユニットについて図21および図22を用いて説明する。

図21には、棚板5の上部を照明する棚板照明装置(例えば1AA)を備えた棚板ユニット50を示している。この棚板照明装置1AAは、棚板5の前端5aと該棚板に取り付けるプライスレール4との間に設けられている。

このように、棚板5に棚板照明装置1AAを取り付けて一体化したユニット構成とすることで、棚板をショーケース本体に設置した後、棚板照明装置を取り付ける手間を省くことができる。本実施形態に係る棚板照明装置1AAは厚み、上下幅共に小さく、軽量に構成することが可能であるため、予め、棚板と一体化した棚板ユニット50として取り扱いが容易なって好ましい。

点状光源2は、一枚の基板21上に略一列に等間隔で配置されており、同じ基板21上に駆動回路用の電装部品も設置されている。また、この電装部品に電源供給用の配線が接続されている。この配線は、例えば、棚板本体取付け部まで棚板裏面側に固定され、棚板取付け部において、本体電源供給用の配線とコネクタを介して接続される。

また、図22に示すように、棚板の上下を同時に照明する棚板照明装置(例えば1HA)を備えた棚板ユニット50Aであれば、商品M1のフェイス面と上部を同時に照明して観察容易となるので、棚板5に陳列された商品M1を高品位に照明できて好ましい。

特に、前述した棚板照明装置1HAを用いると、下側照明の照明光の配光中心を棚板奥側に傾けることができ、棚の奥まで良好に照明できるので、棚板先端側の商品が売れた後も、奥側の商品も良好に観察できて好ましい。

上記したように、棚板照明装置(1AA〜1HA)を先端部に設けた棚板ユニット50、50Aであれば、棚板に陳列された商品を高品位に照明できる。また、このような棚板ユニットを複数段備えるショーケースであれば、少ない点状光源で棚板の商品を効率的に高品位に照明でき、観察者が商品を観察するときの眩しさを低減した棚板照明装置を装着した棚板ユニットを用いることで、棚板上に陳列された商品を、均一な輝度で照明可能なショーケースを得ることができて好ましい。

例えば、図23に示すように、棚板5と棚板照明装置(例えば1HA)が一体化された棚板ユニット50Aを複数段備えた構成のショーケースSCとする。

棚板照明装置1AA〜1HA(例えば1HA)はコンパクトな構成であって上下幅も小さくできるので、観察者(商品の購入者)は、照明装置に邪魔されることなく商品の前面を良好に観察できる。また、背の高い商品であっても、棚板先端から上方に向かって照明する照明装置を用いることにより、商品のフェイス面、特に、下側まで良好に観察できる。さらに、棚板先端から上下に向かって照明する照明装置を用いることにより、商品のフェイス面および上側を良好に観察できる。

特に、前述した棚板照明装置1HAを用いると、棚の奥まで良好に照明できるので、背の高い商品を陳列していても、奥側の商品を良好に観察できて好ましい。

上側照明は、射出面近くに被照明物体の面が配置されることが多いため、広範囲に照明することが求められる。一方、下側照明は、棚板照明装置が取り付けられる棚板の一段下の棚板に載置された物体の上部を照明するため、被照明物体と距離があることが多い。そのために、下側照明の配光中心を後ろ側に傾けることにより、棚板の奥まで並べられた物体を上側から照明することが可能となる。すなわち、物体表面を正面から照明すると同時に、上方から奥の方まで照明でき、棚に載置された商品などを容易に観察できる。

導光経路を形成する反射面や入射面や射出面のいずれかを拡散面化して所定角度範囲に拡散する拡散部14を設けることにより、複数の点状光源(LED光源)の色ムラや照度ムラを改善し、より均一な高品位な棚板照明装置を実現することができる。

すなわち、所定の面に所定の拡散特性を有する拡散部14を設けることで、所定の角度範囲に拡散され反射された光を射出面に導き、色ムラや照度ムラを低減した照明光を射出することが可能となる。このように、所定の部位に、入射した光を所定角度範囲に拡散しながら射出する拡散部14を設けていることが好ましい。このような構成であれば、所定角度範囲に拡散された光が射出面から射出されるので、照度ムラや色ムラを改善した照明光を射出することができる。

上記したように本実施形態に係る棚板照明装置は、空気層を導光経路としているので、大きな配光角を有し、短い距離で隣り合う点状光源からの光が混ざり合うので好ましい。また、隣り合う点状光源からの光束が、キャップ部材の射出面の位置で棚板の長手方向に対して、互いに重なり合うために、長手方向に対して均一な照明が可能となる。

また、点状光源から射出部に至る光路長が、配置ピッチPで配設される点状光源から出射する光の強度が1/2となる指向角半値幅に応じた長さ以上とされるので、隣り合う点状光源からの強度1/2の光が混ざり合った光となって、光の強度が略同一レベルとなる照明光を射出部から射出することができる。

そのために、コンパクト化が可能で所定範囲を効果的に照明可能な棚板照明装置を得ることができて好ましい。また、棚板と棚板照明鼠位置を一体化した構成の棚板ユニットであれば、取り扱いが容易となって好ましい。また、この棚板ユニットを上下に複数段設けたショーケースであれば、棚板上に陳列された商品を棚板の上下から均一に照明可能となって好ましい。

また、点状光源としてLED光源を用いているので、高照度で、消費電力が小さく、発熱も小さいLED光源を用いて、高効率の棚板照明装置を実現することができる。

上記したように、本発明に係る棚板照明措置は、中空の導光経路を介して導光し、所定の方向に輝度ピークを有する長手方向に均一な照明光を射出するので、小型軽量でありながら、棚上の商品を効率的に照明できると同時に、観察者が眩しくないショーケースに最適な照明装置を提供することができる。

本発明に係る照明装置および棚板照明装置は、上下に複数の棚板を備える多段式のショーケースに用いる照明装置に好適に適用することができる。

1A〜1G 照明装置 1AA〜1HA 棚板照明装置 2 点状光源(LED光源) 3、3A〜3C 導光素子 3AA〜3HAb キャップ部材 5 棚板 10A〜10G 導光経路 11、11B〜11G、11AA〜11HAb 第一反射面 12、12B〜12G、12AA〜12HA 第二反射面 13、13B、13C 射出面 14 拡散部、異方性拡散部 15 分岐反射面 16 光束分岐部 17 入射反射面(点状光源を挟む上下の) 30 射出部 31 入射面 32 射出面 33 第一反射面 33DA 第三の面 34 第二反射面 50、50A 棚板ユニット R1〜R4 輝度ピーク R、Ra、Rb 輝度 SC ショーケース

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