Food freshness holding low temperature zone forming apparatus

申请号 JP2003576876 申请日 2003-03-18 公开(公告)号 JP4007962B2 公开(公告)日 2007-11-14
申请人 株式会社前川製作所; 发明人 浩幸 中川; 泰博 平尾; 耕作 西田; 一夫 針生;
摘要
权利要求
  • 食肉・水産加工工場等の食品工場や、水産物・青果卸売り市場における食品の移送と一時的保管のための食品鮮度保持用低温ゾーン形成装置において、
    冷却媒体としてブラインを冷却板内部に循環させることにより、生鮮食品を載置する上側冷却面温度を0℃〜−20℃付近の温度帯に保持するフラット冷却板と、該フラット冷却板周囲を囲堯する囲壁とを具え、該囲壁に囲まれる冷却板上の内部空間の上方が開放されている上部開放型筐体を有し、
    前記フラット冷却板の上側冷却面との熱接触と自然対流により3℃以下の氷蔵温度から凍結維持の温度帯の冷気を保持する低温ゾーンを前記内部空間に形成するとともに、該フラット冷却板と囲壁に設けた水平界面形成手段により形成した水平界面を介して、前記低温ゾーンと、その上方に位置し、外気によって形成される暖気領域とを遮断することを特徴とする食品鮮度保持用低温ゾーン形成装置。
  • 前記囲壁を互いに対面する四囲隔壁で構成するとともに、該四壁の一壁側に、低温ゾーンの上方に位置する暖気領域の暖気を吸引する吸込口と吸引ファンを設け、一方前記一壁と対面する他壁側の低温ゾーンと対面する位置に整流板を設け、該整流板を経由して整流された冷気を前記低温ゾーンへ送るようにしたことを特徴とする請求項1記載の食品鮮度保持用低温ゾーン形成装置。
  • フラット冷却板の下側伝熱面に、該伝熱面より冷熱を得る挟域空気流路よりなる冷気生成室を設け、該冷気生成室の一側入口に暖気領域に通ずる吸込口と吸引ファンを設けた一壁側通路と連通し、前記冷気生成室の他側出口には前記整流板を設けた他壁側通路と連通させたことを特徴とする請求項2記載の食品鮮度保持用低温ゾーン形成装置。
  • 前記フラット冷却板は、裏面に別の冷却パネルを設け該パネルにより形成された冷気を床面上の低温ゾーンに強制導入して全体を冷やし、所定の温度帯よりなる温度成層を形成させる構成としたことを特徴とする請求項1記載の食品鮮度保持用低温ゾーン形成装置。
  • 前記囲壁を互いに対面する四囲隔壁とフラット冷却板の上側冷却面との熱接触と自然対流により3℃以下の氷蔵温度から凍結維持の温度帯の冷気を保持する低温ゾーンを形成する構成としたことを特徴とする請求項1記載の食品鮮度保持用低温ゾーン形成装置。
  • 前記フラット冷却板が形成された上部開放型筐体の床面の長手方向に沿ってローラコンベアよりなる搬送部を設けるとともに、該搬送部以外の部位に俎板状テーブルを形成するフラット冷却板が位置する構成としたことを特徴とする請求項1記載の食品鮮度保持用低温ゾーン形成装置。
  • 前記囲壁を互いに対面する四囲隔壁で構成するとともに、該四囲隔壁は、ローラコンベアの搬送方向上流側と下流側壁面を、外側への倒伏可能の構造、若しくは着脱可能の収納構造としたことを特徴とする請求項1記載の食品鮮度保持用低温ゾーン形成装置。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、食肉・産加工工場等の食品工場のみならず、水産物・青果卸売り市場における食材の移送と一時的保管等に必要な低温ゾーン形成装置に関し、特に水産物等の食品を扱う卸売り市場において、水産物市場への搬入後、市場での売買、市場からの発送に至るまでの間、前記水産物の鮮度を保持する必要があり、そのために設けられた移動又は固定テーブル上に低温ゾーンを形成して前記水産物を陳列する水産物等の食料品の鮮度保持用低温ゾーン形成装置に関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    水産卸売り市場などの産地市場での競りは、例えば魚市場における一般漁船においては、魚の陸揚げ、選別、洗浄を行い、競り場の床面に直接船別、魚種別に一山約40cm四方に魚体を並べて競り準備を行なっている。 競り区域は約300mにもわたり、最終競りが終了するまでにはかなりの時間を必要としている。 さらに時間経過とともに、日差しなどにより、魚体の乾燥、魚体の昇温が進み鮮度低下の問題を生じている。
    また、卸売り市場においては短時間の内に水産生鮮物の集荷、分類、貯蔵、売買、搬送、荷捌きが行なわれるが、その間水産生鮮物の殆ど又はその全部が外気に曝され、荷主より買い主へ移送される。 その間排気ガス、細菌類を含む汚染雰囲気に曝されており、特に水産物の場合は、鮮度保持、及び食品の安全の管理の点からも上記汚染雰囲気より独立させた雰囲気を持つ低温ゾーニング内に収納されたなかで売買処理が行なわれることが望まれている。
    則ち卸売り市場では、衛生対策及び鮮度保持を目的とした低温保管施設が求められている。
    【0003】
    上記低温ゾーン形成装置に関しては、直接対応する提案はあまり例がないが、例えば開口部に冷風によるエアカーテンを形成する構成とした冷凍装置に係わる提案が実開平01−28778号公報になされている。
    上記提案は、 生鮮食品の出し入れ用開口部にエアカーテンを備えた冷凍装置に関し、特にエアカーテンを形成する循環空気を冷却するための冷房と除霜に関するものである。
    その構成は、図9に示すように、ショーケース51には、内部に生鮮食品を収納するための貯蔵室52が設けられるとともに、上面の生鮮食品の出入れをする開口部53が設けられ、該開口部53の両側には冷気流54を吸い込むエア吸入口55と前記冷気流54を吹き出すエア吹出口56とが対向して形成されている。
    前記エア吸入口55から貯蔵室52の底部裏側を通ってエア吹出口56に至る通風路57内には、循環空気を送る送風機58、除霜時に循環空気を冷却するための冷凍機の熱交換器59及び通常運転時に循環空気を冷却する蒸発器60が配設され、また、床置き台61内には冷凍機の凝縮器62及び圧縮機63が配設されている。
    そして通常運転時には冷凍機の冷媒回路は、圧縮機63、凝縮器62、熱交換器59、図示していない膨張弁を経由して蒸発器60で冷気を生成し圧縮機63へ戻る回路が形成され、圧縮機63で圧縮された高圧高温ガスは凝縮器62で放熱し液化し、さらに熱交換器59で過冷却され前記膨張弁を経由し蒸発器60で循環空気の冷却を行なっている。
    そして、除霜時には冷媒は、圧縮機63、凝縮器62、蒸発器60、熱交換器59を経由して圧縮機63へ還流する。 この際、圧縮機63及び凝縮器62を経由して得られた液冷媒が着霜した蒸発器60をその顕熱で除霜する。 該除霜によって過冷却された液冷媒は、図示していない膨張弁を経由して前記熱交換器59で蒸発し循環空気を冷却している。
    本提案によれば通常運転時の冷媒経路を反転させて除霜時の冷媒経路を形成させているため、蒸発器を除霜しながら循環空気を冷却する構成としており、除霜時の庫内温度の上昇を防いでいる。
    そして、前記開口部に冷風によるエアカーテンを設け常時使用できる構成としており、前記水産物の鮮度保持の機能を持っている。
    【0004】
    上記提案以外に、最近開示された提案には、食肉・水産加工工場等の食品工場における食材、食品搬送の捌きにおける移送に使用される低温食品搬送ベルトコンベア装置に関するもの、例えば、特開平11−287545公報に開示がある。
    上記提案は、図10に示すように、低温食品搬送用ベルトコンベア72の搬送方向Sに沿って左右両側に冷蔵空間Rを創製する冷風吹出口74aと吸込口74bを備え、前記ベルトコンベア72を挟んで対向して設けられている。
    ベルトコンベア72の上側の往路コンベア72aと下側の復路コンベア72bの間には冷却部75を設け、該冷却部で冷却された冷風を前記冷風吹出口74aに送気し、ベルトコンベア72の上面である往路コンベア72aの上面に噴射し、吸込口74bから吸い込ませ冷気を循環させている。
    上記構成によりベルトコンベア72の往路側表面に冷蔵空間Rを創製させるとともに、その裏側にも所定の温度で冷却する構成にしてある。
    上記提案は、食肉・水産加工工場等の食品工場のみならず、水産物・青果卸売り市場における食材の移送と一時的保管等に必要な食品鮮度保持用低温ゾーン形成装置に適応するものである。
    また、前記外部の汚染雰囲気より遮断した低温雰囲気を形成する温度成層式ゾーニング形成システムについては、直接関連する提案は見受けられないが、温度成層による蓄熱槽の提案は従来よりあり、例えば、空調機等の熱交換器に供給する冷水または温水を蓄える蓄熱槽として、温度成層型蓄熱槽を使用するようにしたもので、温度の違いによる異なる水の密度差を利用して、温度が高く密度の小さい水と、温度が低く密度の大きい水とを混合させずに成層化して蓄える構成にしてある。
    【0005】
    又、上記以外に最近開示された提案には、土間競りに起因する漁獲物の衛生上及び品質上の問題点を解決して衛生的保管を可能にした漁獲物の陳列保管装置及び陳列保管方法が特開2000−14315に開示されている。
    上記提案は図11に示すように、表面に漁獲物を陳列可能な冷却板78aの内部にブライン通路78bが設けられた冷却部と、該冷却部の底部に取り付けられた断熱部79とで構成され、ブライン通路に食品用ブラインを供給して冷却板を冷却するようにした陳列保管装置Aが開示され、魚市場に設置し、陳列保管装置上で漁獲物の流通工程を行う構成にしてある。
    【0006】
    一方、上記提案にも見られるように、市場内で要求される生鮮食品保管施設としては、随時移管できる箱型空間内において、該空間内の外気を含む暖気を追い出し、代わりに冷気を送り込み、当該箱型空間内に均等な温度分布を持つ冷気雰囲気に急速に置換する必要がある。
    上記置換換気方法としては、従来より知られている、室内に供給される空調空気と、室内の発熱による熱負荷によって暖められた空気との温度差から生ずる温度成層を利用して、床面付近の居住域や作業域を新鮮な空気で満たす方法があり、該換気方法とその装置に関する提案が特開平06−185780公報になされている。
    該提案では、図12に示すように、室内80の下方床面近傍の置換換気用吹出口81から室内空気より低い温度に設定された空調空気82を低速で吹き出させるとともに、天井付近にて高速エアジェット流83を発生させ、該ジェット流により天井付近の室内空気を排気孔より排出させ、効率的換気を行うようにしている。
    【0007】
    上記実開平01−28778に記載の先行技術は、収納した水産物等の生鮮食品にエアカーテン用の冷風があたるため、 生鮮食品の表面が乾燥するという問題を内蔵する。
    また、前記生鮮食品である水産物を収納する貯蔵室の裏側に空気の吸込部、吹出部、及びファンなどを内蔵するため、洗浄が煩雑となり困難を伴う問題がある。
    また、該提案は外気遮断用に冷風によるエアカーテンの使用に関するもので、内部収納庫の低温保持に関する記載は無い。
    また、冷気の循環機構(熱交換部、ファン、吸込部、吹出部)を持つ構成としているため、陳列台の寸法に制限があり、市場の構造や使い勝手に応じた配置に困難を伴う問題がある。
    【0008】
    また、上記特開平11−287545に記載の先行技術は、低温加工食品の搬送用ベルトコンベア上に冷風の吹き出しによる冷蔵空間を形成するようにしたものであるが、前記特許文献1と同様の問題点を内蔵する。
    また、上記特開2000−14315の先行技術は冷却板を使用した低温保管に係わるものである。 漁獲物等の水産物を冷却板の上に載置するのみで、載置される周辺空気の効率的低温ゾーン化については何ら記載が無い。
    また、上記特開平06−185780の先行技術は、公知の温度成層を利用した室内空気の置換に関するもので、水産物等の生鮮食品を低温保管する低温ゾーンに関するものでない。
    【0009】
    ところで、前記したように、最近の中央卸売り市場、主として水産物、青果などの生鮮食品を取り扱う卸売り市場においては、衛生対策、鮮度保持を目的とした低温保管施設が要求されており、プレハブ冷蔵庫や低温ゾーニングの施設の設置が行なわれ始めている。
    又、上記以外に、常設される設備でなく簡単に撤去、設置できる漁獲物の陳列に係わる提案が本願発明者等によりなされている。
    上記提案は、競り場の四方をパネルで囲い、箱型空間内を冷気で満たすようにした陳列保管装置である。
    このゾーニングによる冷却システムは冷気を回収しない開放型局所冷却システムであるので、冷却能率に改善の余地があり、一方、低温保管施設の必要性は増していることから、さらに安価、簡易、高効率のものが待望されている。
    現在市場内での水産物等の生鮮食品の取り扱いにおいて、入荷から出荷までの作業が常温下で行なわれることが多く、前記したように衛生上・鮮度保持上の改善が強く望まれている。
    現在、競り場の低温化については、競り場全体を箱型に大型化する試みもあるが、この場合は入荷、競り前準備、下見、出荷等の長時間の作業を低温下で行なう必要があり、低温下で作業をする作業者の健康維持の問題もある。
    【0010】
    【発明が解決しようとする課題】
    本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、主として水産物等の生鮮食品を取り扱う卸売り市場において、
    上記生鮮食品の卸売り市場への搬入と、市場での売買と、市場からの発送に至るまでの間、該生鮮食品の鮮度を保持して所定の競り売り等の処理をする、移動又は固定テーブル上に汚染雰囲気より隔離した低温ゾーンを形成する食品鮮度保持用低温ゾーン形成装置の提供を目的とするものである。
    【0011】
    【課題を解決するための手段】
    (1) そこで、本発明は、
    食肉・水産加工工場等の食品工場や、水産物・青果卸売り市場における食品の移送と一時的保管のための食品鮮度保持用低温ゾーン形成装置において、
    冷却媒体としてブラインを冷却板内部に循環させることにより、生鮮食品を載置する上側冷却面温度を0℃〜−20℃付近の温度帯に保持するフラット冷却板と、該フラット冷却板周囲を囲堯する囲壁とを具え、該囲壁に囲まれる冷却板上の内部空間の上方が開放されている上部開放型筐体を有し、
    前記フラット冷却板の上側冷却面との熱接触と自然対流により3℃以下の氷蔵温度から凍結維持の温度帯の冷気を保持する低温ゾーンを前記内部空間に形成するとともに、該フラット冷却板と囲壁に設けた水平界面形成手段により形成した水平界面を介して、前記低温ゾーンと、その上方に位置し、外気によって形成される暖気領域とを遮断することを特徴とする。
    上記本発明は、温度成層の概念を水産物等の生鮮食品載置する競り市用の上部開放型筐体の箱型空間に導入したもので、四囲を隔壁で囲まれた該箱型空間の床面上に鉛直方向に温度分布を持つ温度成層よりなる低温ゾーンを形成させ、該ゾーン内に前記生鮮食品載置するようにしたものである。
    上記温度成層よりなる低温ゾーンの形成により、低温ゾーン内の冷気は上部の暖気領域にその動きが遮断され、外部への発散もなく効率的に維持できるとともに、特に収納される水産物は殆ど動きの無い停滞状の低温空間に置かれるため品質毀損の問題は無い。
    また、汚染された外気よりなる暖気領域からのその下部の低温ゾーンへの侵入はその界面により遮断されるため、外気汚染の問題もない。
    【0012】
    (2) また、 前記囲壁を互いに対面する四囲隔壁で構成するとともに、該四壁の一壁側に、低温ゾーンの上方に位置する暖気領域の暖気を吸引する吸込口と吸引ファンを設け、一方前記一壁と対面する他壁側の低温ゾーンと対面する位置に整流板を設け、該整流板を経由して整流された冷気を前記低温ゾーンへ送るようにしたことを特徴とする。
    上記発明は、箱型空間内の床面上に形成された低温ゾーンへの外部よりの冷気や冷風の導入により形成される冷気導入式温度成層低温ゾーンについて記載したものである。
    上記冷気の導入に際しては、導入する冷気の導入速度によりその態様は変わり、低速導入の場合は低温ゾーンでの鉛直温度分布に大きな影響を与えることなく静かな対流のもとに冷気層の交換が行なわれるが、導入速度が大きいときは新たな冷気層が形成される。
    なお、外気を直接冷却して導入する場合は、清浄化する必要がある。
    この外部よりの清浄冷気や冷風の導入は、当該低温ゾーン内への載置する前記生鮮食品の取り替えや出入による気温の変化や空気の汚染に対する意味からも必要である。
    【0013】
    (3) また、上記本発明における低温ゾーンへの冷気導入は、常時は低速導入を行い、必要に応じて強制導入に切り換え、所定の温度帯よりなる温度成層を形成させる構成が好ましい。
    上記発明は、前記低温ゾーンへの冷気の導入を強制導入により行い、筐体下部空間の全体を冷やし、強制的に新たな温度帯よりなる低温ゾーンを形成して強制対応できる構成について記載したものである。
    【0014】
    (4) また、 前記囲壁を互いに対面する四囲隔壁で構成するとともに、該四壁の一壁側に、低温ゾーンの上方に位置する暖気領域の暖気を吸引する吸込口と吸引ファンを設け、一方前記一壁と対面する他壁側の低温ゾーンと対面する位置に整流板を設け、該整流板を経由して整流された冷気を前記低温ゾーンへ送るようにしたことを特徴とする。
    上記発明は、 フラット冷却板の上側冷却面と四囲隔壁に囲まれた上部開放型筐体の前記床面上の箱型空間に本発明の冷気導入式温度成層による低温ゾーンの形成の手段について記載したもので、
    箱型空間を形成する前記開放型筐体のフラット冷却板に両面伝熱型の冷却用熱交換器として形成し 、その片方の伝熱面で前記床面の冷却を行い、他の伝熱面で床面裏面に設けた冷気生成室の熱交換を行う構成としたもので、前記低温ゾーンの上部に位置する暖気領域より暖気を前記冷気生成室に導入して前記低温ゾーンへの冷気導入用の冷気を形成して冷気層の交換をさせたものである。
    なお、前記冷気生成室へ導入する暖気は、導入の手前で清浄化する手段を設ける方が良い。
    【0015】
    (5) また、上記本発明フラット冷却板の下側伝熱面に、該伝熱面より冷熱を得る挟域空気流路よりなる冷気生成室12を設け、該冷気生成室の一側入口に暖気領域に通ずる吸込口と吸引ファンを設けた一壁側通路と連通し、前記冷気生成室の他側出口には前記整流板を設けた他壁側通路と連通させたことを特徴とする。
    上記発明は、前記熱交換器の代わりに、両面に伝熱面を有するフラット冷却板を使用した場合の冷気導入式温度成層形成による低温ゾーンの構成について記載したものである。
    【0016】
    (6) また、上記本発明は前記フラット冷却板は、裏面に別の冷却パネルを設け該パネルにより形成された冷気を床面上の低温ゾーンに強制導入して全体を冷やし、所定の温度帯よりなる温度成層を形成させる構成としたことを特徴とする。
    上記発明は、強制対応可能の温度成層による低温ゾーンの形成手段につき記載したもので、床面裏面に設けた冷却パネルにより低温ゾーンを冷気の強制導入により、低温ゾーンの空域全体を冷やし、新たな冷気層を短時間のうちに形成させ、強制対応できるようにしたものである。
    【0017】
    (7) また、上記本発明は前記囲壁を互いに対面する四囲隔壁とフラット冷却板の上側冷却面との熱接触と自然対流により3℃以下の氷蔵温度から凍結維持の温度帯の冷気を保持する低温ゾーンを形成する構成が好ましい。
    【0018】
    (8) また、上記本発明は前記囲壁を互いに対面する四囲隔壁とフラット冷却板の上側冷却面との熱接触と自然対流により3℃以下の氷蔵温度から凍結維持の温度帯の冷気を保持する低温ゾーンを形成する構成し、具体的には四囲隔壁の内壁面とともにフラット冷却板により構成し、該四囲隔壁の冷却板により形成された下降冷気と床面冷却面による冷気層との間の対流により形成される低温ゾーンとその上側に形成される温度の高い暖気領域とにより、温度成層を形成する構成が好ましい。
    上記発明は、前記冷気導入式温度成層による低温ゾーンの形成とは別の対流式温度成層による低温ゾーンの形成について記載したものである。
    則ち、対流式温度成層による低温ゾーンは、上部開放型筐体の床面に設けた冷却板だけでなく、四囲を囲む隔壁に設けたフラット冷却板の使用により形成される。
    この場合は、隔壁に設けたフラット冷却板により、該冷却板に沿っての下降冷気流を形成し、該気流と床面冷却面に形成された冷気層とにより、自然対流を惹起させるとともに、鉛直方向に厚みのある低温ゾーンの形成を可能としたものである。
    また、自然対流によるため、上記したようにファンを用いることなく低温ゾーンが形成できるため、外気の捲き込みはなく、ユニットクーラに見られるフィンへの着霜による冷却効率低下の問題もない。
    【0019】
    (9) また、上記本発明における前記四囲隔壁の内壁面は横方向の長手方向の内壁面にフラット冷却板を設ける構成が好ましい。
    【0020】
    (10) また、上記本発明は前記フラット冷却板が形成された上部開放型筐体の床面の長手方向に沿ってローラコンベアよりなる搬送部を設けるとともに、該搬送部以外の部位に俎板状テーブルを形成するフラット冷却板が位置する構成としたことを特徴とする。
    上記発明は、低温ゾーンを形成する底面の構成について記載したもので、矩形状に形成された底面の一部にローラコンベアを設けたもので、外部との間の生鮮食品の出し入れの効率化と人手による交叉汚染の削減を図ったもので、また前記ローラコンベアに併設させて俎板状テーブルを形成するフラット冷却板を設け、該冷却板を俎板代わりに使用して競り市前の加工用切断に使用する。
    【0021】
    (11) また、上記本発明は前記囲壁を互いに対面する四囲隔壁で構成するとともに、該四囲隔壁は、ローラコンベアの搬送方向上流側と下流側壁面を、外側への倒伏可能の構造、若しくは着脱可能の収納構造とし 、低温保管時点で前記倒伏を復帰させ、床面との密接結合により低温ゾーンの再設定可能とした構成が好ましい。
    上記発明は、低温ゾーンを形成する上部解放型筐体の側壁の構造について記載したもので、下部取り付け部を支点にして外側へ倒伏させ、外部との間の生鮮食品収の出し入れを可能とするとともに、着脱可能の構造により洗浄作業の効率化を図っている。
    そして、ローラコンベアに直の側壁を着脱可能の構造とし、前記ローラコンベアを連結させ、使用状況に応じてその長さを適宜加減して競り市場全域の長さに対応させる構成にしても良い。
    なお、上記ローラコンベアの取り付けにより重量水産物の移動が容易で、競り効率を上げることができる。
    【0022】
    (12) また、上記本発明における前記低温ゾーンは、冷却用熱交換器又はフラット冷却板の冷熱源の温度制御により、前記冷却用熱交換器又はフラット冷却板の冷却温度を加減して、水産鮮魚物の氷蔵温度から凍結維持温度まで制御可能とする構成が好ましい。
    上記発明は、低温ゾーンの温度の設定手段について記載したもので、
    上記低温ゾーンの温度は競り市場で扱う生鮮食品の内容により種々その態様を替え得る構成にしてあり、食品の低温保存に利用する温度帯で、例えば約3℃以下のチルド帯の低温に保持することによりボツリヌス菌の毒素生産限界やエルシニア菌の繁殖限界以下に抑える氷蔵温度から、冷凍食品の凍結維持温度までの温度制御を可能とするのが良い。
    【0023】
    (13) また、上記本発明における前記低温ゾーンは、該低温ゾーンへの冷気の導入部に、整流板を設ける構成が好ましい。
    上記発明は、前記上部開放型筐体に形成された低温ゾーンへの冷気導入口の構成に付き記載したもので、導入される冷気が乱流状態での導入吹を防止する整流板を設けるのが良い。
    【0024】
    (14) また、上記本発明における、前記床面が一の伝熱面で形成され、他の伝熱面で床面の裏面を形成する冷却用熱交換器又はフラット冷却板の裏面側伝熱面には、厚みの薄い空気流路よりなる空調室を設けるとともに、前記伝熱面には凹凸、フィン、ブラスト処理をした構成が好ましい。
    上記発明は、低温ゾーンを形成する上部開放型筐体の床面を形成する、冷却用熱交換器又はフラット冷却板の裏面側伝熱面に形成された空調室の構成について記載されたもので、伝熱面との間の伝熱効率をあげるための高速流体形成のための流路の断面構造を、厚みの薄い狭隘流路を形成するとともに、伝熱面の構成も接触面積を増やすための凹凸構造、フィン付設構造、ブラスト処理構造のものが良い。
    【0025】
    (15) また、上記本発明の前記床面または該床面と隔壁の両者に設けた冷却用熱交換器又はフラット冷却板は、それらを備えた上部開放型筐体の床面の下部空間に格納した冷熱機、又は外部に設けた集中冷凍機を冷熱源とし、該冷熱源よりのブライン配管により冷却用ブラインの供給を受ける構成が好ましい。
    【0026】
    (16) また、上記本発明における前記床面または該床面と隔壁の両者に設けた冷却用熱交換器又はフラット冷却板は、内蔵するブライン配管の端部に装着したコネクタに、前記フラット冷却板の着脱時に前記ブライン配管内のブラインの漏出を防止する遮断弁を付設する構成が好ましい。
    上記発明は、低温ゾーンを形成する上部開放型筐体の床面を形成する、冷却用熱交換器又はフラット冷却板や、四囲隔壁に設けたフラット冷却板に内蔵するブライン配管構造とそれの冷熱源について記載したもので、冷却用媒体には食品安全上プロピレングリコールや塩水を使用し、冷熱源は筐体下部にブラインクーラを格納するか、又はコンデンシングユニットを別に分離して設け、負荷配管系統は各冷却体毎に例えばカプラ等のタッチコネクタを使用しそれぞれが分離出来る構造とするとともに、分離した冷却体の配管端部には自動遮断弁を設け、分離した後でもブラインを残存させ、ブラインの漏出を防止する構造としてある。
    【0027】
    (17) また、上記本発明における前記上部開放型筐体は、前記低温ゾーンへの日差しを防止する日除けシートを設ける構成が好ましい。
    【0028】
    (18) また、上記本発明における前記上部開放型筐体は、部足部にキャスタなどを設けるとともに、冷気導入式温度成層による低温ゾーン形成装置には、床面の高さを、生鮮食品の載せ降ろし可能の高さにすることが好ましい。
    上記発明は、低温ゾーンを形成する生鮮食品載置用の上部開放型筐体に移動性を持たせるために、脚部にキャスタを設けるとともに、床面の高さは小物水産物の陳列を主とする冷気導入式温度成層による低温ゾーン形成装置の場合は、作業員の腰の高さとして積載作業の効率化を図っても良い。
    【0029】
    【発明の実施の形態】
    以下、本発明の実施例の形態を、図示例と共に説明する。 ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、形状、その相対的位置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。 以下図面に基づいて本発明の詳細を説明する。
    【0030】
    図1は本発明の冷気導入式温度成層を有する低温ゾーン形成装置の一実施例の強制対応型温度成層式低温ゾーン形成装置の概略構成を示す断面図で、図2(A)は図1の低温ゾーン形成装置をブラインクーラよりなる冷熱源により並列運転する場合を示す図で、(B)は図1の低温ゾーン形成装置における陳列用水産物(以降ワーク言う)搬入の状況を示す図である。
    図3は本発明の対流式温度成層を有する低温ゾーン形成装置の基本構成を示す模式図で、図4は、図3に示す低温ゾーン形成装置の一実施例の概略構成を示す図で、(A)は上から見た平面図で、(B)は(A)の正面図、(C)は(B)の一部切り欠きよりなる側面図である。
    図5(A)は図4の低温ゾーン形成装置の単体使用の場合を示す図で、(B)は複数基を連結使用した場合を示す図である。
    図6は図4に示す対流式温度成層を有する低温ゾーン形成装置の冷却試験における各温度の経時変化を示す図で、図7は図6の冷却試験における冷却開始後1.5時間後の各温度変化を示す図であり、図8は図6の冷却試験におけるテーブルの高さ方向の温度分布を示す図である。
    【0031】
    図1に見るように、本発明の冷気導入式の強制対応型温度成層による低温ゾーン形成装置 25は、床面の高さHを作業員のワークの搬入を容易にするため、生鮮食品の載せ降ろし可能の高さに設定するとともに、キャスタ20aを有する高床式構造体20の上部に構成する。
    該構造体20の上部には四囲に内側隔壁13aと外側隔壁13を持つ上部開放型筐体10を設け、前記内側隔壁13aと外側隔壁13との間の床面である伝熱面11a上の空間に冷気導入式の強制対応型温度成層を形成させている。
    該強制対応型温度成層は、床面である伝熱面11a上に低温空気領域よりなる低温ゾーン15とその上部に水平状の界面17を介して前記低温ゾーンより温度が高く外気と同等の温度を有する暖気領域16とより、形成されている。
    そして上記低温ゾーン15により陳列台空間を形成させ、該陳列台に水産物等のワークである競り売り生鮮食品を収納し、該生鮮食品を低温保管して競り売りに掛ける構成にしてある。
    そして、前記ワークの入れ換え時には、又は使用開始時には、冷気の強制導入により新たな冷気層よりなる低温ゾーンを形成して強制対応可能の構成にしてある。
    【0032】
    なお、前記床面である伝熱面11aは、両面フラット冷却板11の上側伝熱面で構成し、床面上に略停滞状に滞留する空気を冷却して前記低温ゾーン15を形成する。
    そして、フラット冷却板11の下側伝熱面11bには該伝熱面より冷熱を得る厚みの薄い狭隘空気流路よりなる冷気生成室12を設け、該冷気生成室12の右側入口に 暖気領域16に通ずる吸込口18aと変速ファン18を設け、前記冷気生成室12の左側出口には整流板19を設け、新たな冷気層を形成し、強制対応型を構成とする。
    則ち、強制対応時には、前記暖気領域16より変速ファン18を介して高速吸い込みをさせ、さらに適当な清浄手段を経由させた暖気を冷気生成室12に導入して、前記下側伝熱面11bにより冷却された冷気を形成する。 ついで、形成された冷気は左側出口より整流板19を経由して整流された冷気を低温ゾーン15へ送り、低温空間の全体を急速に冷却して新たな冷気層に入れ換える。
    なお、前記冷気生成室12に設けてある空気流路は深さの浅い狭隘流路により構成し、下側伝熱面11bよりの伝熱効率を上げるとともに、伝熱面にも凹凸やフィンやブラッシング処理をする構成にしてある。
    なお、前記冷気の強制導入とワークの入れ換え終了後は、前記ファン18を低速運転に切り換え、冷気の低速導入を行う構成にしてある。
    【0033】
    なお、前記フラット冷却板11の冷媒には、食品安全上プロピレングリコールや塩水を使用し、冷熱は筐体下部に格納した冷凍機21より受けるか、又は図2(A)に示すように別途設けた集中式コンデンシングユニットよりなるブラインクーラ21aより冷熱の供給を受け、冷気導入式の強制型温度成層による低温ゾーン形成装置 25の複数基を冷却ブライン管路21bを介して並列運転可能の構成にする。
    なお、 低温ゾーン形成装置 25の横方向の隔壁22は図2の(B)に示すように矢印A方向に倒伏可能の構造とし、ワーク搬入時には、図に見るように、隔壁22を倒伏させ、 生鮮食品の載せ降ろし可能の高さ(作業員の腰の高さに相当)の床面を形成するフラット冷却板11上に小物生鮮食品であるワークの収納を容易に行なえる構成にしてある。
    【0034】
    また、図3には本発明の別の発明の対流式温度成層の構成を模式図に示してあるが、図に見るように、本発明の対流式温度成層は、卸売り市場内に設けた可動又は固定の架台ないし土間を含む台座上に、上部開放型筐体40を設け、該開放型筐体40の内部の床面を形成するフラット冷却板31a上の筐体内部空間に低温ゾーン43を形成し、外気が形成する暖気領域44をその水平界面44aを介して遮断するとともに、自然対流45により、低温ゾーン43を前記フラット冷却板31a上に形成させたもので、前記低温ゾーン43は水産物の鮮度維持に最適の3℃以下の氷蔵温度から凍結維持の温度帯を保持する構成とする。
    上記水平界面44aの上側に形成された暖気領域44と低温ゾーン43とによる対流式温度成層の形成は、下記構成により可能としたものである。
    【0035】
    則ち、上部開放型筐体40の床面と内壁面にフラット伝熱面を備えたフラット冷却板33a、33bを設ける構成としたもので、該冷却板にはブラインを冷却媒体として循環させ、冷却面温度を0℃〜−20℃付近の温度帯に保持する構成とし、
    前記それぞれの冷却面を介して外気温度より低温で密度の高い低温層が形成され、該高密度低温層はゆるやかに下降して低密度の高温外気層(暖気領域)の暖気を巻き込むことなく自然対流45を起こし、界面44aを持つ暖気領域44と低温ゾーン43とにより対流式温度成層を形成する。
    【0036】
    上記構成により、暖気領域44の汚染外気を巻き込むことなく低温ゾーン43を形成し、水産物等の生鮮食品を筐体の床面が形成するテーブル上に収納し鮮度保持を図ることができる。
    また、冷風吹き込みによる低温ゾーンの形成を行なわない構成により着霜等による冷却効率の低下を防止出来、また吹き込み冷風による収納生鮮食品の劣化を防止できる。
    【0037】
    なお、上記低温ゾーン43は、ポツリヌス菌の毒素生産限界とエルシニア菌繁殖限界を下回る3℃以下の0℃付近のチルド温度帯に設定し、収容する水産物の氷蔵を行うとともに凍結保持をして水産物の保管管理を可能とする構成にする。
    【0038】
    そして、図4(A)、(B)、(C)に見るように、本発明の対流式温度成層低温ゾーン形成装置は、台車30aを持ち、外壁を断熱材で覆った開放型筐体30と、別途設けたブラインチリングユニット30bと、ブライン配管路30cとより構成する。
    開放型筐体30は、図4(A)に見るように、床の中央に設けたローラコンベア35と、該コンベア35に併設したフラット冷却板31、31と、筐体30の横方向の長手側壁33、33の内面側に設けたフラット冷却板33a、33bと、よりなるフラット冷却板群とより構成する。
    【0039】
    なお、上記横方向の側壁33、33は外側への倒伏可能の構造とし、蝶番38を介して矢印方向B方向に倒伏しロータリストッパ39で土間に接地する構成にするとともに、
    また、図5(A)に示すように縦方向の側壁32、32は着脱可能の構造とし、図5(B)に示す斜視図に見るように、複数の低温ゾーン形成装置を連結使用できる。
    【0040】
    上記各フラット冷却板はそれぞれ冷ブラインを充満させるフラットタンク又は内面の冷ブライン流路を備えた薄型プレート状容器よりなり、前記フラットタンク又はプレート状容器は、冷ブラインの流入、流出用端部に設けた自動遮断弁を介して、タッチコネクタにより、図4(B)に示すブライン配管路30cを形成する。
    【0041】
    上記ブライン配管路30cは、図4(A)の仮想点線図、及び図5(A)に示すブラインチリングユニット30bと、筐体30の下部に設けたブライン受け口37aとブライン出口37bと、図示していない配管管路とで循環路を形成して、冷ブラインを矢印方向に循環する構成にしてある。
    そして、前記ブライン受け口37a、ブライン出口37bは、例えばロックカプラプラグを使用し、着脱可能の構成にしてある。
    【0042】
    前記筐体30の床面は、前記したように、中央横方向にローラコンベア35を設けてあるため、競り市の際の水産物等の生鮮食品の搬入搬出時には前記したように、縦方向の側壁32、32を外し、効率良く、且つ衛生的に交叉汚染を防止するなかで搬入、売買、搬出を可能とするとともに、市場の生鮮食品の流れの効率化を図ることができる。
    また、競り市前の水産物等生鮮食品の切断等の加工の際は、加工側の横方向の側壁を外して前記ローラコンベア35により搬入した生鮮食品をフラット冷却板上に取り出し、該冷却板を俎板代わりに使用して加工をし、直ちに競り市に掛けることができるようにしてある。
    【0043】
    なお、着脱又は倒伏させる前記フラット冷却板は、それぞれのブライン流入端及び流出端には自動遮断弁を設ける構成にしてあるため、フラット冷却板の着脱又は倒伏時には前記冷却板内のブラインの漏出を防止し、着脱時にもその冷却機能を暫らくは持続する蓄冷効果を持つ構成にしてある。
    【0044】
    上記構成により、簡単な構造と着脱又は外側への倒伏可能の側壁構造により、 生鮮食品の搬入、搬出の効率化と洗浄の効率化を図るとともに、食品の安全管理を可能にしている。
    また、前記ブラインは、食品添加物のプロピレングリコールまたは食塩水を使用し、食塩水の場合は漏洩しても食品に危害を与えることは無い。
    【0045】
    試験機について、テーブル上に生鮮食品を載せない無負荷状態で行なった冷却試験結果を下記に示す。
    試験機のテーブルの大きさ;1400mm×2000mm
    a、図6は、冷却開始後のブライン温度の変化に対し、各部位の温度変化の概略を示す図で、A;テーブル上の温度
    B;テーブルより高さ100mmの低温ゾーンの温度
    C;テーブルより高さ200mmの低温ゾーンの温度
    D;テーブルより高さ300mmの低温ゾーンの温度
    E;隔壁上部の温度 なお、ブライン温度は、−1℃〜1℃、−3℃〜−1℃、−6℃〜−3.5℃と変化させた。
    又、試験開始後400分後に側壁の片方を開いて7.5分後に復帰させた時のテーブル上の低温ゾーンの温度変化を示してあるが16分後には復帰している。
    b、図7には、試験開始後1.5時間後のテーブルの高さ方向の温度分布を示す図である。
    この場合のテーブル温度は0℃で、気温21.6℃に対しテーブル面から200mm高さ以下の部分については12℃以下に、300mmの高さでは13℃〜16℃に冷却されることを示している。
    又冷却した側壁から最も離れた中央位置の温度が高くなる傾向を示している。
    c、図8には、テーブル高さ方向の温度分布をフラット冷却板温度をパラメータとしたデータを示す。
    なお、本図ではテーブル面から400mm高さまでの部分について温度成層が線形になると仮定したときの温度分布を細線で示してある。
    本結果から100mm高さでは線形の分布よりも温度が高くなり、200mmの高さでは略線形分布と同温度で、300mm高さでは線形分布よりも3℃程度低くなっている。
    これは、図3に示すように対流による温度成層によるものと考えられる。
    上記結果より本テーブル構造においては、200mm高さ以下において10℃以下となる低温ゾーンを形成していることを示している。
    d、なお、試験の結果より、本テーブルの場合の熱負荷は1m 当たりのブライン循環ポンプ熱量を加算した値で、下記結果が得られた。
    ブライン温度 0℃:504W/m
    ブライン温度 −2℃:540W/m
    ブライン温度 −5℃:576W/m
    【0046】
    【発明の効果】
    本発明は、上記構成により下記効果を奏する。
    a、卸売り市場において、水産物等の生鮮食品の入荷より競りを経由し出荷までの全工程において、所定の競り売り等の処理をする間、移動又は固定テーブル上に汚染雰囲気より隔離した温度成層式低温ゾーンを形成して生鮮食品の鮮度維持を図り、低温保管ができる。
    b、上記温度成層式低温ゾーンの形成により外気を巻き込むことなく低温雰囲気を形成するため、前記外気を巻き込んだ冷気流により魚体に損傷を与えることがない。
    c、対流式温度成層を使用した低温ゾーンの場合は冷風の吹き込み式に比較して着霜による冷却効率の低下が無い。
    d、 フラット冷却板におけるブラインの蓄冷効果によりブライン配管を外しても冷凍機能を持続できる。
    e、上部開放型筐体の縦横の側壁及び底に設けたローラコンベア以外の内面に平滑伝熱面を有するフラット冷却板を設ける構成とし、前記コンベア側の側壁を着脱可能の構造としたため、所用の長さに連結して、卸売り市場における生鮮食品の搬入、売買、搬出を一括して行うことができ、市場における生鮮食品の流れに対し効率化を図ることができる。
    f、上記平滑伝熱面を有するフラット冷却板のテーブル面への使用により、 生鮮食品加工特に截断が可能である。
    g、構造が簡単で、且つ側壁は着脱又は外側倒伏可能の構造としたため、洗浄が容易で、安全衛生上の管理をより確実に行うことができる。
    h、冷却用ブラインに食品添加用のプロピレングリコールや食塩水を使用したため、ブラインの漏洩による食品の汚染を皆無とすることができる。
    i、ブライン配管に自動遮断弁付きタッチコネクタを使用したため、側壁の着脱時におけるブラインの漏洩を最小限に抑えることができる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】 本発明の冷気導入式温度成層を有する低温ゾーン形成装置の一実施例の強制対応型温度成層式低温ゾーン形成装置の概略構成を示す図である。
    【図2】 (A)は図1の低温ゾーン形成装置をブラインクーラよりなる冷熱源により並列運転する場合を示す図で、(B)は図1の低温ゾーン形成装置における生鮮水産物(以降ワーク言う)搬入の状況を示す図である。
    【図3】 本発明の対流式温度成層を有する低温ゾーン形成装置の基本構成を示す模式図である。
    【図4】 図3に示す低温ゾーン形成装置の一実施例の概略構成を示す図で、(A)は上から見た平面図で、(B)は(A)の正面図、(C)は(B)の一部切り欠きよりなる側面図である。
    【図5】 (A)は図4の低温ゾーン形成装置の単体使用の場合を示す図で、(B)は複数基を連結使用した場合を示す図である。
    【図6】 図4に示す対流式温度成層低温ゾーン形成装置冷却試験における各温度の経時変化を示す図である。
    【図7】 図6の冷却試験における、冷却開始後1.5時間後の各温度変化を示す図である。
    【図8】 図6の冷却試験における、テーブル高さ方向の温度分布を示す図である。
    【図9】 従来のエアカーテンを有する冷凍装置の概略構成を示す図である。
    【図10】 従来の低温食品搬送用ベルトの概略構成を示す図である。
    【図11】 従来の水産物陳列装置の概略構成を示す斜視図である。
    【図12】 従来の居住空間の空気入れ替えに温度成層を利用した場合の概略構成を示す図である。
    【符号の説明】
    25 低温ゾーン形成装置10 内側隔壁13aと外側隔壁13を持つ上部開放型筐体11 フラット冷却板11b 下側伝熱面11a 上側伝熱面12 冷気生成室15 低温ゾーン16 暖気領域17 水平状の界面18 変速ファン19 整流板

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