半透明のデジタル表示システム

関連出願の相互参照 本出願は、2011年3月2日に出願された米国仮特許出願第61/448,455号の優先権を主張し、その開示内容の全体を参照により本願明細書に明示的に組み込むものとする。

連邦政府による資金提供を受けた研究の記載 該当せず

共同研究契約の当事者 該当せず

付属者の参照 該当せず

本発明の分野は、全般的にはデジタル表示システムに関し、特に、ガラスパッケージを有する半透明のデジタル表示システムに関する。

今日、消費者相手の小売環境においては、消費者の「購入時点」または「製品選択時点」に消費者の眼前にメッセージを表示したいという要望がブランド側および小売業者側にある。小売、銀行業務、クイックサービスレストラン(QSR:quick service restaurant)、接待業など(および家庭外公告全般)においては、このメッセージ伝達は歴史的には紙ベースのサイネージであったが、近年、消費者の注意を引くために、ひいては消費者に消費者の眼前にあるメッセージまたは製品広報宣伝に気付かせるために、グラフィックス、動画、インタラクティブ性、およびより動的な視覚表示を用いることによって、より動的なメッセージを消費者に送るためにデジタルサイネージ(プラズマまたはLCD表示装置と、メディアプレーヤと、ネットワーク接続とで構成)へと発展してきた。

この方法は効果があった。ただし、LCDパネルおよびそのハードウェアの本質により、小売現場および家庭外環境におけるデジタルサイネージの使用はLCDパネルの機能方法によって制限される。第一に、LCDパネルはメッセージを消費者に提示するための視覚表示技術として設計されているが、LCDパネルが不透明であるため、LCDパネルの背後にある製品または物体が遮られる。従来のLCDパネルは、パネルの背後にある何れの製品の眺めも遮り、「視線」の課題を小売環境内に引き起こすので、その効果的使用には限界がある。よって、改良されたデジタル表示システムが当該技術分野において必要とされている。

上記の従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服するデジタル表示システムおよび方法が開示される。透明な外側保護パネルと、透明な内側保護パネルと、外側および内側保護パネルの間に配置された半透明のデジタル映像表示装置とを組み合わせて備えるデジタル表示システムが開示される。半透明のデジタル映像表示装置に表示されたフルモーションビデオが外側保護パネルを通して目視され、かつ内側保護パネルの背後に配置された商品が半透明のデジタル映像表示装置を通して目視可能であるように、一体型メディアプレーヤが半透明のデジタル映像表示装置に作動的に接続される。

透明な外側保護パネルと、透明な内側保護パネルと、外側および内側保護パネルの間に配置された半透明のデジタル映像表示装置と、半透明の映像表示装置に固定されたガラスパネルを含む光ガイドとを組み合わせて備えたデジタル表示システムがさらに開示される。ガラスパネルは、光を反射するための微粒子をその内部に含む。微粒子に当たって外側保護パネルを通って外に反射される光をガラスパネル内に供給するための光源がガラスパネルの端縁に隣接する。半透明のデジタル映像表示装置に表示されたフルモーションビデオが外側保護パネルを通して目視され、かつ内側保護パネルの背後に配置された商品が半透明のデジタル映像表示装置を通して目視可能であるように、メディアプレーヤが半透明のデジタル映像表示装置に作動的に接続される。

透明な外側保護パネルと、透明な内側保護パネルと、外側および内側保護パネルの間に配置された半透明のLCD映像表示装置と、半透明のLCD映像表示装置に接着されたガラスパネルを含む光ガイドとを組み合わせて備えるデジタル表示システムがさらに開示される。ガラスパネルは、光を反射するための微粒子をその内部に含む。見た目に一様な照明をLCD映像表示装置と外側保護パネルとを通してもたらすために、微粒子に当たって外側保護パネルを通って外に反射される光をガラスパネル内に供給するための少なくとも1つのLEDが隣接して設けられる。半透明のLCD映像表示装置に表示された高解像度かつカラーのフルモーションビデオが外側保護パネルを通して目視され、かつ内側保護パネルの背後に配置された商品が半透明のLCD映像表示装置を通して目視可能であるように、メディアプレーヤが半透明のLCD映像表示装置に作動的に接続される。フレームが外側および内側保護パネルの周囲を取り囲み、半透明のLCD映像表示装置とメディアプレーヤとはフレームおよび外側および内側保護パネルの内側に密閉される。

前述の開示内容および好適な実施形態についての以下のより詳細な説明から、本発明はデジタル表示システムの技術分野および技術に有意な進歩をもたらすことが当業者には明らかであろう。この点に関して特に重要な点は、消費者の視線を遮らずに費用効率の良い方法で所望されるように消費者に注目させるシステムおよび方法のために本発明がもたらす将来性である。さまざまな好適な実施形態のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明を読まれることによりより深く理解されるであろう。

本発明の上記および他の特徴は、以下の説明および図面を参照されると明らかになるであろう。

本発明による半透明のデジタル表示システムを組み込んだ二枚ガラス扉の縦型冷却庫の斜視図である。

一方のガラス扉が部分的に開かれている図1の縦型冷却庫の斜視図である。

半透明のデジタル表示システムの構成要素を示す図1および図2の冷却庫の一方の扉の概略図である。

着脱可能なメディアプレーヤの領域における図3の扉の部分を示す概略拡大図である。

線5−5に沿った図3の扉の概略断面図である。

図1および図2の冷却庫のデジタル表示システムの概略図である。

半透明のデジタル表示システムの代替実施形態を示す、図18と同様の概略図である。

本発明の別の実施形態による半透明のデジタル表示システムを組み込んだ二枚ガラス扉の縦型冷凍庫の斜視図である。

本発明のさらに別の実施形態による半透明のデジタル表示システムを組み込んだ構造的ガラス窓の斜視図である。

添付の図面は必ずしも正確な縮尺ではなく、本発明の基本原理を例示するさまざまな好適な特徴の多少簡略化された表現を提示していることを理解されたい。本願明細書に開示されているようなデジタル表示システムの具体的な設計上の特徴、例えばさまざまな構成要素の具体的寸法および形状、は意図された特定用途および使用環境によってある程度決定される。図示されている各実施形態の特定の特徴は、可視化および明確な理解をもたらすために、他の特徴に比して拡大または変形されている。特に、細い、または薄い、特徴は、例えば明確化または説明のために、太く、または厚く、されていることもある。方向および位置へのあらゆる言及は、特に明記されていない限り、図面に示されているデジタル表示システムの向きを指している。

本願明細書に開示されている改良されたデジタル表示システムおよび方法については多くの使用方法および設計変形例が可能であることは当業者、すなわちこの技術分野の知識または経験のある者、には明らかであろう。さまざまな代替実施形態および好適な実施形態についての以下の詳細な説明は、ガラス製陳列器および構造的ガラスの具体的用途に関する本発明の一般的原理を説明するものである。他の用途に適した他の実施形態は、この開示を読まれた当業者には明らかであろう。

図1及び図2は、本発明による半透明のデジタル表示システム12を有する二枚ガラス扉の縦型冷却庫または冷蔵庫10を示す。図示されている冷却庫10は、陳列されている製品を望ましい温度に維持するために適した冷蔵システムによって冷却される内部空間14を有する。図示されている内部空間14は、製品18をその上に保持するための棚を複数備えている。図示されている内部空間14は、内部空間14の照明に適した光源をさらに備えている。図示されている冷却庫10は、本発明による半透明のデジタル表示システム12を1つずつ備えた2つの蝶着扉20を有する。あるいは、冷却庫10の扉20の数はこれより少なくても多くてもよく、および/または扉20の総数より少ない数の扉に半透明のデジタル表示システム12を設けることも可能であることに注目されたい。冷却庫10が複数の半透明のデジタル表示システム12を有する場合、および/または冷却庫10が複数存在する場合は、半透明のデジタル表示システム12を互いに独立させることも、または消費者に「隊列」体験をもたらすために互いに連携させることもできる。複数の冷却庫扉20が連携して1つのデジタル画像を5枚、10枚、または50枚もの扉20にわたって表示し、消費者に1つの扉20で検索させ、別の扉20で製品をハイライトすることによって、以下に詳細に説明するような大画面のインタラクティブ型コンシューマメディアを複数の扉20によって提供することができる。

図示されている冷却庫10は、冷却された内部空間14内の棚16に配置されたビールの形態の製品または商品18を有する。さらに、ビールの動画広告が半透明のデジタル表示システム12に表示されるので、消費者は広告を見ると共に、半透明のデジタル表示システム12上の広告を通して扉20の背後の冷却庫10内の棚16にある製品18を見ることができる。図示されているデジタル表示システム12は、フルモーションビデオを表示できるほか、静止画像、静止画像のスライドショー、またはこれらの如何なる組み合わせでも表示可能である。消費者をさらに引き付けるために、図示されている半透明のデジタル表示システム12は、販売促進用クーポン、製品の映像、ソーシャルメディア上のやり取りのための二次元QRなどを表示できる。

電源22との電気通信と中央管理サーバ24との無線によるデータ通信だけで完全に機能できる完全に自立式のパッケージを形成するために、図示されているデジタル表示システム12は、図3〜図6に示されているように、冷却庫の扉20に組み込まれる。図示されている半透明のデジタル表示システム12は、透明な外側保護パネルまたはシート26と、透明な内側保護パネルまたはシート28と、外側および内側保護パネル26、28の間に配置された半透明のデジタル映像表示装置30と、半透明のデジタル映像表示装置30に作動的に接続される一体型メディアプレーヤ32とを組み合わせて備え、半透明のデジタル映像表示装置30に表示された高解像度かつフルカラーのフルモーションビデオが外側保護パネル26を通して目視され、さらに内側保護パネル28の背後に配置された商品が半透明のデジタル映像表示装置30を通して目視可能であるようになっている。

外側および内側保護パネル26、28はガラスを備えることが好ましいが、他の何れか適した材料を代わりに利用することもできる。図示されている冷却庫扉20は、単一の外側保護パネル26と単一の内側保護層28とを含むが、代わりに複数の外側保護パネル26を存在させることもでき、および/または代わりに複数の内側保護パネル28を存在させることもできることに注目されたい。図示されている内側および外側保護パネル26、28は、その間に空間34を形成するために互いに離隔され、フレーム36が外側および内側保護パネル26、28の周囲を取り囲んでいる。フレーム36は、保護パネル26、28の外縁を取り囲み、保護パネル26、28間の間隙34を閉じて密封する。フレーム36は金属で形成されることが好ましいが、代わりに他の何れか適した材料で形成することもできる。半透明のデジタル映像表示装置30とこれに付属の電子機器(メディアプレーヤ32など)は、後で詳細に説明するように、内側および外側保護パネル26、28の間の空間または間隙34に配置される。保護パネル26、28の間の間隙34には、不活性ガス、例えばアルゴンなど、が充填されることが好ましい。図示されている冷却庫扉20は、適した蝶番38を一方の側に、および取っ手40を反対側にさらに備えているが、代わりに冷却庫扉20を他の何れか適した構成にすることも可能であることに注目されたい。

図示されている半透明のデジタル映像表示装置30はLCD映像表示装置またはパネルであるが、代わりに他の何れか適した種類のデジタル映像表示装置を利用することもできる。半透明のLCD映像表示装置は、伝統的なLCDバックライトの代わりに、液晶光学フィルムを含むことができる。半透明のデジタル映像表示装置30は、半透明のデジタル映像表示装置30の背後に配置された製品または商品18を半透明のデジタル映像表示装置30を通して見ることができるように、表示装置30に電源が投入されると反対側まで見通せるという点でシースルーである。適した半透明のLCD映像パネルは、サムスン(Samsung)社およびLGエレクトロニクス(LG Electronics)社から入手可能である。図示されている冷却庫扉20は、保護パネルより小型の単一の半透明縦長矩形LCD映像パネルを有するが、複数の半透明LCD映像パネルを代わりに使用することも、他の適した形状、サイズ、および向きの半透明LCD映像パネルを代わりに使用することも、および/または半透明LCD映像パネルをフレーム36全体に延在させることもできることに注目されたい。

図示されている半透明のデジタル映像表示装置30は、外側および内側保護パネル26、28の間の密閉空間34に配置される。図示されている半透明のデジタル映像表示装置30は、半透明のデジタル映像表示装置30を空間34内に位置付けて支持するために、フレーム36から延在して半透明のデジタル映像表示装置30の4辺に配置されたスペーサ42によって空間34内に支持される。なお、半透明のデジタル映像表示装置30は、代わりに他の何れか適した方法でも支持可能であることに注目されたい。図示されている扉20は、半透明のデジタル映像表示装置30の周囲の保護パネル26、28を通して内部空間34が見られないように、保護パネル26、28の内側に配置された遮蔽体44を備えている。なお、半透明のデジタル映像表示装置30がフレーム36まで延在する場合は、遮蔽体44は不要であることに注目されたい。また、遮蔽体44をスペーサ42に一体化すること、および/またはスペーサ42によって形成すること、も可能であることに注目されたい。外側および内側保護パネル26、28の間の密閉空間34には、半透明のデジタル映像表示装置30に作動的に接続される表示パネルの電力および信号制御盤46がさらに配置される。

図示されているメディアプレーヤ32は、外側および内側保護パネル26、28の間の密閉空間34に配置され、一体化されたメモリと一体化された無線通信システムとを有する。メモリはフラッシュまたはソリッドステート式の記憶装置にすることができ、通信システムは無線アンテナが埋め込まれた無線装置(例えば、802.11またはセルラー3G/4G)とすることができる。ただし、他の何れか適したメモリ、および/または通信システム、を代わりに利用可能であることに注目されたい。例えば、無線接続の代わりに有線接続の使用も可能である。メディアプレーヤ32は、(例えばIntel AtomまたはARMベースのプロセッサによって駆動される)エンベデッドストレージ付きのシングルボードコンピュータのメディア・プレーヤ(Media Player)ハードウェアを含むことができる。オペレーティングシステムソフトウェアがメディアプレーヤ32上に設けられる。このオペレーティングシステムソフトウェアは、例えばマイクロソフト・ウインドウズ(Microsoft Windows(登録商標))またはリナックス(登録商標)(Linux(登録商標))などの標準的なオペレーティングシステムとすることができる。メディアファイルの受け取り、メディアファイルの再生、および再生履歴を将来監査するための再生情報の記録を行うためのアプリケーションソフトウェアもメディアプレーヤ32上に設けられる。アプリケーションソフトウェアは、例えば、米国オハイオ州デイトンのストラタキャッシュ社(STRATACACHE,Inc.)から入手可能なアクティビア・フォー・メディア(ActiVia for Media)などの標準的なメディアプレーヤソフトウェアとすることができる。図示されているメディアプレーヤ32は、ケーブル48によって電力および信号制御盤46に接続される。ケーブル48は、例えば、HDMI(登録商標)またはLVDSケーブルなど、何れか適した標準的なケーブルとすることができる。

図示されているデジタル表示システム12は、外側および内側保護パネル26、28の間の密閉空間34に配置されたDC電力バス50をさらに備える。DC電力バス50は、半透明のデジタル映像表示装置30の電力および信号制御盤46およびメディアプレーヤ32の両方に継続的に電力を供給する。DC電力バス50は、ケーブル52、54によって電力および信号制御盤46およびメディアプレーヤ32に電気的に接続される。ケーブル52、54は何れか適した標準的な電力ケーブルとすることができる。DC電力バス50は、何れか適した方法で電源22から受電するようになっている。図示されているDC電力バス50は、扉の蝶番38を貫通して延在するケーブル56を介して電源22から受電するが、代わりに他の何れか適した方法を利用することもできる。

図4に最も良く示されているように、図示されているメディアプレーヤ32は、容易に使用可能であるように、スロットを有する基部または受け部58と、このスロットに挿抜可能な着脱可能部60とを備える。半透明のデジタル映像表示装置30の電力および信号制御盤46とDC電力バス50とはそれぞれ基部58に固定ケーブル接続され、全ての電子機器(メモリ、無線装置、その他)は着脱可能部60の内部に配置される。図示されているフレーム36は、着脱可能なメディアプレーヤ60へのアクセスを可能にするために、取り外し可能な扉62を備える。なお、着脱可能なメディアプレーヤ60へのアクセスが扉20の密閉された内部空間34に悪影響を及ぼさないように、基部58はフレーム36に適切に固定されて封止されることに注目されたい。この「スロット付き」メディアプレーヤ構造により、スロット付き「受け部」インタフェース58から半透明のデジタル映像表示装置30の電力および信号制御盤46までの永久接続ケーブル48を有する半透明のデジタル映像表示装置30に接続された、または近接した、スロット内にメディアプレーヤ60を滑り込ませることができる。この着脱可能性は、メディアプレーヤの使用および交換/アップグレードを容易にする。無線装置がメディアプレーヤ32に組み込まれるので、イーサネット(登録商標)ケーブルなどの外部ケーブルをメディアプレーヤ32に接続する必要がなくなり、無線装置の使用および交換/アップグレードも容易になる。

なお、図示されている冷却庫扉20の形態の半透明の表示システム12は完全に自立型のパッケージであることに注目されたい。外囲器に内蔵されているインテリジェントメディアプレーヤ32は、メディアプレーヤ32の自立を扉20内で可能にするので、外部ケーブル、メディアプレーヤインタフェース、または密閉された扉20内へのケーブル接続を必要とする他の装置を一切必要としない。他の複数の用途において、この自立型パッケージは、ネットワーク接続をもたらすための当該ユニットへの二次ケーブルの接続を不要にする。必要な接続は、電源22への単一の接続だけである。

半透明のデジタル映像表示装置30上の映像のための音響を提供することが望ましい場合は、図3および図6に最も良く示されているように、オーディオスピーカ64を内部空間34内に設けることができる。図示されているスピーカ64は、扉20の底部のフレーム36に設けられている。図示されているスピーカ64は、ケーブルによってメディアプレーヤ32に接続されるが、他の何れか適した接続を代わりに設けることもできる。

半透明のデジタル映像表示装置30とのタッチによるインタラクティブ性を提供することが望ましい場合は、図3および図6に最も良く示されているように、赤外線センサまたはタッチ検出システム68を設けることができる。図示されている赤外線タッチ検出システム68は、フレーム36で囲まれた扉部分に組み込まれているが、他の何れか適した構成を代わりに利用することもできる。システム68は、適したケーブル70などによってメディアプレーヤ32に作動的に接続される。センサまたはタッチ検出システム68により、消費者はデジタル映像表示装置30上で実行されているアプリケーションまたはコンテンツとのやり取りがタッチインタフェースを介して可能になる。タッチインタフェースシステム68は、製品、レシピ、クーポン、または他の消費者誘惑物に対する検索機能を消費者に特定の扉上で実行させることができる。なお、他の何れか適したタッチインタフェースシステム68、例えばタッチパッドまたはキーパッドなど、も代わりに利用可能であることに注目されたい。

半透明のデジタル映像表示装置30との身振りによるインタラクティブ性を提供することが望ましい場合は、図3および図6に最も良く示されているように、消費者に面するカメラ72を代わりに設けることができる。図示されているカメラ72は、消費者を見下ろすように、扉20の最上部のフレーム36に配置されているが、他の何れか適した構成を代わりに利用することもできる。消費者に面するカメラ72は、マイクロUSBカメラなどとすることができ、適したケーブル74などによってメディアプレーヤ32に作動的に接続可能である。カメラインタフェースシステム72により、消費者は身振り、例えば手を振るなど、によってデジタル映像表示装置30上で実行されているアプリケーションまたはコンテンツとやり取りできる。身振り用カメラインタフェース72は、製品、レシピ、クーポン、または他の消費者誘惑物に対する検索機能を特定の扉上で消費者に実行させることができる。視聴率測定ソフトウェアなどをメディアプレーヤ32に実行させることができる。このソフトウェアは、例えば、米国オハイオ州デイトンのストラタキャッシュ社から入手可能なオーディエンス・メジャメント(Audience Measurement)とすることができる。なお、他の何れか適した身振り用インタフェース72も代わりに利用可能であることに注目されたい。

複数の商品18が半透明のデジタル映像表示装置30の背後に存在する条件下では、これら商品18が半透明のデジタル映像表示装置30を通る光を遮断して商品18を見え難くしうる。商品18が暗色または黒色の場合は特にそうである。この問題は、光源76と共に光ガイド78を設けて製品18と半透明のデジタル映像表示装置30との間に光を供給することによって解決可能である。図7に最も良く示されているように、光源が設けられた透明な特殊ガラスパネルまたは板80の形態の光ガイド78に半透明のデジタル映像表示装置30を固定することができる。光源は、ガラス板80の少なくとも1つの端縁に光を供給するガラス板80には、光をガラス板80の両面から外に反射する微粒子82が埋め込まれている。適したガラス板80は、コーニング社(Corning Inc.)から入手可能である。図示されている光源76は、少なくとも1つのLEDであるが、他の何れか適した光源76を代わりに利用可能である。光源76は、電力ケーブルによって電力用DCバス50に、および/またはメディアプレーヤ32に、接続可能である。

半透明のデジタル映像表示装置30は、クリーンルーム環境内の真空室において、適した化学的接合剤84を用いて化学的に特殊ガラス板80に接合されることが好ましい。この化学的接合に先立つガラス板80の準備は、ガラス板80の全ての端面を研磨することと、光をガラス板80の中心に向かって内側に反射させるための反射フィルムまたはテープ86をガラス板80の各端縁に貼り付けることとを含む。半透明のデジタル映像表示装置30がガラス板80に接合されたら、端縁の光源76を(被観察面の外側に)取り付ける。これにより、光がガラス板80の中を運ばれ、微粒子82に当たってガラスパネル80の面から外側に反射されるので、光を外側保護パネル26を通して観察者側に均一または一様に分散させることができる。したがって、追加の光が半透明のデジタル映像表示装置30を通って導かれるので、消費者が追加の光の発生点を見ることなく、または半透明のデジタル映像表示装置30の背後の製品18への消費者の視線を遮ることなく、導かれた光が消費者の体験に加えられる。

図8は、本発明による半透明のデジタル表示システム12を有する二枚ガラス扉の縦型冷凍庫88を示す。図示されている縦型冷凍庫88は、ガラスパネルを通して製品を目視できる他の種類の製品陳列器にも半透明の表示システム12を組み込み可能であることを示す。図示されている冷凍庫88は上記の冷却庫12とほぼ同じであるが、上記の冷却庫10のように冷却された製品18ではなく、冷凍された製品18用に冷凍庫88が設計されている点が異なる。図示されている冷凍庫88は、消費者が冷凍食品の広告を見ると共に、半透明のデジタル映像表示装置30上の広告を通して扉20の背後にある冷凍庫88内の棚16にある冷凍食品18を見ることができるように、冷凍食品の広告を半透明のデジタル映像表示装置30に表示可能であることを示している。

図9は、本発明による半透明のデジタル表示システム12を有する構造的窓90を示す。図示されている窓90は、半透明のデジタル表示システム12を窓、扉などの固定式の構造的ガラス組立体に組み込み可能であることを示している。図示されている窓90は、上記の冷却庫扉20とほぼ同じであるが、表示扉20ではなく、固定式の表示窓90になっている点が異なる。図示されている窓90は、消費者が静止広告を見ると共に、半透明のデジタル映像表示装置30上の広告を通して窓90の背後に配置された消費財18を見ることができるように、静止広告を半透明のデジタル映像表示装置30に表示可能であることを示している。

上記の開示内容から、本発明による半透明のデジタル表示システム12は、如何なるガラス製外囲器にも組み込み可能であること、例えば、冷凍庫、冷却庫、宝石ケース、酒類ケース、化粧品ケースのような製品陳列用ケース、または入口扉、窓、ドライブスルー窓、出納窓口などの構造的ガラスなどに組み込み可能であること、が明らかであろう。

上記の実施形態および変形例の何れの特徴または属性も、上記の実施形態および変形例の他の何れの特徴および属性とも所望どおりに組み合わせて使用可能である。

前述の開示内容および特定の好適な実施形態の詳細な説明から、本発明の真の範囲および精神から逸脱することなく、さまざまな変更、追加、および他の代替実施形態が可能であることは明らかであろう。記載の各実施形態は本発明の原理およびその実用的用途を最良に例示するために選択および説明されているので、当業者は、考えられる特定用途に適するように、本発明をさまざまな実施形態で、およびさまざまな変更と共に、使用可能である。このような変更および変形例の全ては、これらが公正、法的、かつ公平に認められる利益に従って解釈された場合に、添付の特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲に含まれる。