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表面改質炭酸カルシウム及び粉砕天然炭酸カルシウムを含む顔料組成物

阅读:675发布:2020-05-08

专利汇可以提供表面改質炭酸カルシウム及び粉砕天然炭酸カルシウムを含む顔料組成物专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且本発明は、特定の比率の粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)と表面改質炭酸カルシウム(MCC)とのブレンドを含み、それぞれが特定の粒度5分布を有する 水 性顔料組成物に関する。本発明の顔料組成物の製造方法も開示されている。本発明の顔料組成物は、塗料又はコーティングに使用することができる。,下面是表面改質炭酸カルシウム及び粉砕天然炭酸カルシウムを含む顔料組成物专利的具体信息内容。

性顔料組成物であって、 (i)重量中央粒径d50が1.5μm以下及び重量基準粒径d98が5μm以下である粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)、並びに (ii)CO2及び1つ以上のH3O+イオン供与体で処理された、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び/又は沈降炭酸カルシウム(PCC)の反応生成物である表面改質炭酸カルシウム(MCC)であって、前記CO2がインサイチュで前記H3O+イオン供与体処理により形成され、及び/又は外部供給源から供給され、1.3μm以下の体積中央粒径d50及び10μm以下の体積基準粒径d98を有する表面改質炭酸カルシウム(MCC) を含み、 前記粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、乾燥重量に基づいて95:5〜5:95の比で前記水性顔料組成物中に存在し、前記水性顔料組成物が、前記水性顔料組成物の総重量に基づいて、50〜85重量%の総固形分を有することを特徴とする、水性顔料組成物。前記粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)が、 (i)0.05〜1.5μm、好ましくは0.1〜1.3μm、より好ましくは0.2〜1μm、最も好ましくは0.5〜0.9μmの範囲の重量中央粒径d50、 (ii)3〜5μm、好ましくは3.2〜4.8μm、より好ましくは3.5〜4.5μm、最も好ましくは3.8〜4.2μmの範囲の重量基準粒径d98、及び/又は (iii)3以上、好ましくは4以上、最も好ましくは4.5〜6.5の範囲の重量基準粒径比d98/d50 を有することを特徴とする、請求項1に記載の水性顔料組成物。前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、 (i)0.05〜1.3μm、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.2〜0.9μm、最も好ましくは0.3〜0.7μmの範囲の体積中央粒径d50、 (ii)3〜10μm、好ましくは3.5〜8μm、より好ましくは4〜6μm、最も好ましくは4.5〜5.5μmの範囲の体積基準粒径d98、及び/又は (iii)10以下、好ましくは6以下、最も好ましくは3.5〜5.5の範囲の体積基準粒径比d98/d50 を有することを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の水性顔料組成物。前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、ISO 9277:2010に従って窒素とBETメソッドを使用して測定したとき、20〜200m2/g、好ましくは25〜100m2/g、最も好ましくは30〜50m2/gの範囲の比表面積を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の水性顔料組成物。前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、水銀ポロシメトリー測定から計算されたとき、0.08〜1.80cm3/g、好ましくは0.10〜1.50cm3/g、最も好ましくは0.18〜1.30cm3/gの範囲の粒子内圧入比細孔体積を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の水性顔料組成物。前記粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、それぞれ乾燥重量に基づいて、前記水性顔料組成物中に90:10〜30:70の比で、好ましくは88:12〜60:40、例えば85:15の比で存在することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の水性顔料組成物。それぞれ前記水性顔料組成物の総重量に基づいて、55〜80重量%、好ましくは60〜78重量%、最も好ましくは65〜75重量%の総固形分を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の水性顔料組成物。水性顔料組成物の調製方法であって、 (a)重量中央粒径d50が1.5μm以下、及び重量基準粒径d98が5μm以下である粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)の水性懸濁液を供給するステップ、 (b)CO2及び1つ以上のH3O+イオン供与体で処理された、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び/又は沈降炭酸カルシウム(PCC)の反応生成物である表面改質炭酸カルシウム(MCC)の水性懸濁液を供給するステップであって、前記CO2がインサイチュで前記H3O+イオン供与体処理により形成され、及び/又は外部供給源から供給され、前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、1.3μm以下の体積中央粒径d50及び10μm以下の体積基準粒径d98を有する、ステップ、 (c)ステップ(a)で供給された前記水性懸濁液とステップ(b)で供給された前記水性懸濁液とを接触させて、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)を含む水性顔料組成物を得るステップ、並びに (d)任意選択で、ステップ(c)の前記水性顔料組成物の固形分を調整するステップ を含み、 前記粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、乾燥重量に基づいて95:5〜5:95の比で前記水性顔料組成物中に存在し、前記水性顔料組成物が、前記水性顔料組成物の総重量に基づいて、50〜85重量%の総固形分を有することを特徴とする、方法。ステップa)の前記粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)が、 (i)0.05〜1.5μm、好ましくは0.1〜1.3μm、より好ましくは0.2〜1μm、最も好ましくは0.5〜0.9μmの範囲の重量中央粒径d50、 (ii)3〜5μm、好ましくは3.2〜4.8μm、より好ましくは3.5〜4.5μm、最も好ましくは3.8〜4.2μmの範囲の重量基準粒径d98、及び/又は (iii)3以上、好ましくは4以上、最も好ましくは4.5〜6.5の範囲の重量基準粒径比d98/d50 を有することを特徴とする、請求項8に記載の方法。ステップ(b)の前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、 (i)0.05〜1.3μm、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.2〜0.9μm、最も好ましくは0.3〜0.7μmの範囲の体積中央粒径d50、 (ii)3〜10μm、好ましくは3.5〜8μm、より好ましくは4〜6μm、最も好ましくは4.5〜5.5μmの範囲の体積基準粒径d98、及び/又は (iii)10以下、好ましくは6以下、最も好ましくは3.5〜5.5の範囲の体積基準粒径比d98/d50 を有することを特徴とする、請求項8又は9のいずれかに記載の方法。ステップ(b)の前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、ISO 9277:2010に従って窒素とBETメソッドを使用して測定したとき、20〜200m2/g、好ましくは25〜100m2/g、最も好ましくは30〜50m2/gの範囲の比表面積を有することを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の方法。ステップ(b)の前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、水銀ポロシメトリー測定から計算されたとき、0.08〜1.80cm3/g、好ましくは0.10〜1.50cm3/g、最も好ましくは0.18〜1.30cm3/gの範囲の粒子内圧入比細孔体積を有することを特徴とする、請求項8〜11のいずれかに記載の方法。前記粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、それぞれ乾燥重量に基づいて、前記水性顔料組成物中に90:10〜30:70の比で、好ましくは88:12〜60:40、例えば85:15の比で存在することを特徴とする、請求項8〜12のいずれかに記載の方法。前記水性顔料組成物が、それぞれ前記水性顔料組成物の総重量に基づいて、55〜80重量%、好ましくは60〜78重量%、最も好ましくは65〜75重量%の総固形分を有することを特徴とする、請求項8〜13のいずれかに記載の方法。塗料又はコーティングにおける、請求項1〜7のいずれかに記載の水性顔料組成物の使用。二酸化チタンエンハンサーとしての、請求項1〜7のいずれかに記載の水性顔料組成物の使用。請求項1〜7のいずれかに記載の水性顔料組成物を含む塗料又はコーティング。

说明书全文

本発明は、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)と表面改質炭酸カルシウム(MCC)とのブレンドを含む性顔料組成物に関する。本発明はさらに、本発明の顔料組成物の製造方法、並びに塗料及びコーティングにおけるその使用に関する。

塗料及びコーティングの分野で一般的に使用される顔料には、例えば、粘土、雲母、シリカ、タルク、二酸化チタン、又は粉砕天然炭酸カルシウム又は合成炭酸カルシウムなどの異なる種類の炭酸カルシウム、及び前述の炭酸カルシウムの表面改質バリアントが含まれる。

不透明な塗料又はコートの場合、高い不透明度と高いコントラストを提供する顔料が一般的に好まれる。さらなる所望の特性には、例えば、高い白色度、低い黄色度、及び良好な艶消し特性が含まれ得る。

これらの目標を達成するために、高性能顔料(特に二酸化チタン又は表面改質炭酸カルシウム)がよく必要とされるため、対応する塗料又はコーティングを高コストで製造しなければならない。したがって、不透明度、コントラストなどの点でより効率的な顔料が一般的に必要であるか、より低コストで塗料及びコーティングの製造に使用できる代替顔料が一般的に必要である。

この点に関して、EP2684916A1は、攪拌条件下で少なくとも1つの水溶性酸及び二酸化炭素の存在する中、炭酸カルシウム含有鉱物スラリーから表面改質炭酸カルシウムを製造する方法を開示している。表面改質炭酸カルシウムは、塗料やコーティングの艶消し剤として使用できる。

同様に、EP2264108A1及びEP2264109A1は、それぞれ強酸及び中強酸から強酸、及び二酸化炭素を使用して表面改質炭酸カルシウムを調製する方法を開示している。

炭酸塩ベースの顔料組成物中の表面改質炭酸カルシウムはまた、従来の粉砕天然炭酸カルシウムと比較して高価であり、その量をさらに減らすためEP3085742A1は、表面改質炭酸カルシウム粒子(MCC)と沈降炭酸カルシウム含有粒子(PCC)のブレンドを提案している。水性スラリー又は対応する乾燥顔料スラリーの形態のブレンドは、紙、紙コーティング、ティッシュペーパー、デジタル写真用紙、塗料、コーティング、接着剤、プラスチック、廃水処理剤又は廃水処理剤に使用できる。

さらなる代替として、US2014/0158022A1は、塗料及びコーティングで使用するための鉱物組成物におけるカオリン/炭酸カルシウムブレンドの使用を開示している。前記混合物は、粒子の88から98%の間が2ミクロンより小さくなるべきで、10から30%の間のみが0.2ミクロンより小さくなるべきであるカオリン、及び粒子の88から96%の間が2ミクロン未満になるべきで、4から14%の間が0.2ミクロン未満になるべき炭酸カルシウムを含む。

しかし、より優れた性能(例えば、不透明度又はコントラスト比、白色度、黄色度又は艶消し特性に関して)を提供するか、より低コストで製造できる代替顔料及び顔料組成物に対する継続的なニーズが依然としてある。そのような代替顔料及び対応する組成物は、例えば、二酸化チタンなどの確立された高性能顔料のエンハンサーとして使用することができる。

欧州特許出願公開第2684916号明細書

欧州特許出願公開第2264108号明細書

欧州特許出願公開第2264109号明細書

欧州特許出願公開第3085742号明細書

米国特許出願公開第2014/0158022号明細書

したがって、本発明の1つの目的は、改善された光学特性を有する顔料又は顔料組成物を提供することである。特に、本発明の目的は、塗料又はコーティングに適用されたときに改善された光学特性を有する顔料又は顔料組成物を提供することである。

特定の目的の1つは、改善された不透明度又は改善されたコントラスト特性を提供する顔料、顔料組成物及び対応する塗料又はコーティングの提供である。

さらに別の目的は、黄色度(好ましくは黄色度の低下)及び白色度(好ましくは白色度の向上)に関して改善された特性を有する顔料、顔料組成物及び対応する塗料又はコーティングの提供に見られ得る。

本発明のさらに別の目的は、従来式の(高性能)顔料と比較して低コストで製造できるか、低コストで使用できる顔料、顔料組成物及び対応する塗料又はコーティングの提供に見られ得る。したがって、例えば不透明度、コントラスト比、黄色度又は艶消し特性などの最終生成物の光学特性に悪影響を与えることなく、既知の(高性能)顔料のエンハンサーとして使用できる顔料又は顔料組成物を提供することで、別の目的が見られ得る。

別の特定の目的は、既知の第2(高性能)顔料とともに第1顔料として使用できる顔料又は対応する組成物の提供に見ることができ、それによりその既知の第2顔料の光学特性を向上させる。したがって、本発明の別の目的は、対応する塗料及びコーティングの光学特性を維持又は改善しながら、従来式の(高性能)顔料の全体的な消費及びコストを削減することである。

塗料又はコーティングで使用するための既知の顔料又は顔料組成物の調製は、通常、材料を乾燥させるための生産性が低く、エネルギー消費が高いため、エネルギーとコストを非常に要する。結果として、従来式の顔料組成物は、通常、比較的多量の水を含む水性懸濁液の形で得られる。同様に、高い固形分を有する既存の顔料組成物は、典型的には高い粘度を有する。したがって、本発明の別の目的は、許容できる粘度又は低い粘度で高固形分を有する顔料又は顔料組成物を提供することに見られ得る。

前述及び他の問題は、本明細書の独立請求項で定義される主題によって解決され得る。

本発明の第1の態様は、水性顔料組成物であって、 (i)重量中央粒径d50が1.5μm以下及び重量基準粒径d98が5μm以下である粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)、並びに (ii)CO2及び1つ以上のH3O+イオン供与体で処理された、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び/又は沈降炭酸カルシウム(PCC)の反応生成物である表面改質炭酸カルシウム(MCC)であって、CO2がインサイチュでH3O+イオン供与体処理により形成され、及び/又は外部供給源から供給され、1.3μm以下の体積中央粒径d50及び10μm以下の体積基準粒径d98を有する表面改質炭酸カルシウム(MCC) を含み、 粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、乾燥重量に基づいて95:5〜5:95の比で水性顔料組成物中に存在し、水性顔料組成物は水性顔料組成物の総重量に基づいて、50〜85重量%の総固形分を有することを特徴とする、水性顔料組成物に関する。

驚くべきことに、本発明者らは、第1顔料が粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)であり、第2顔料が表面改質炭酸カルシウム(MCC)である2つの炭酸カルシウム顔料のブレンドを含む水性顔料組成物が、例えばコントラスト比、黄色度及び艶消し特性の点で、従来の粉砕炭酸カルシウムと比較して改善された光学特性を提供することを見出した。ブレンドに含まれる炭酸カルシウム顔料は両方とも、特定の粒度分布を持っている:粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、重量中央粒径d50が1.5μm以下及び重量基準粒径d98が5μm以下及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)の体積中央粒径d50が1.3μm以下及び体積基準粒径d98は10μm以下である。本発明によれば、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、95:5〜5:95の比で水性顔料組成物中に存在する。本発明者らはさらに、本発明の水性組成物が、高固形分及び良好な粘度でも塗料及びコーティング組成物に使用される場合、良好な光学特性を提供することを発見した。水性顔料組成物は、水性顔料組成物の総重量に基づいて、50〜85重量%の総固形分を有する。驚くべきことに、本発明の顔料組成物は、二酸化チタン消費量の削減を可能にする二酸化チタンエンハンサーとして使用することができるが、同時に、満足できる又は改善された光学特性(例えば、コントラスト比、黄色度及び艶消し特性)を達成することができる。

したがって、本発明の別の態様は、水性顔料組成物の調製方法であって、 (a)重量中央粒径d50が1.5μm以下、及び重量基準粒径d98が5μm以下である粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)の水性懸濁液を供給するステップ、 (b)CO2及び1つ以上のH3O+イオン供与体で処理された、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び/又は沈降炭酸カルシウム(PCC)の反応生成物である表面改質炭酸カルシウム(MCC)の水性懸濁液を供給するステップであって、CO2がインサイチュでH3O+イオン供与体処理により形成され、及び/又は外部供給源から供給され、表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、1.3μm以下の体積中央粒径d50及び10μm以下の体積基準粒径d98を有する、ステップ、、 (c)ステップ(a)で供給された水性懸濁液とステップ(b)で供給された水性懸濁液とを接触させて、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)を含む水性顔料組成物を得るステップ、並びに (d)任意選択で、ステップ(c)の水性顔料組成物の固形分を調整するステップ を含み、 粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、乾燥重量に基づいて95:5〜5:95の比で水性顔料組成物中に存在し、水性顔料組成物が水性顔料組成物の総重量に基づいて、50〜85重量%の総固形分を有することを特徴とする、方法に関する。

本発明のさらに別の態様は、塗料又はコーティングにおける本発明の水性顔料組成物の使用に関する。

本発明のさらに別の態様は、二酸化チタンエンハンサーとしての本発明の水性顔料の使用に関する。

本発明のさらに別の態様は、水性顔料組成物を含む塗料又はコーティングに関する。

本願を通して使用される以下の用語は、以下に示される意味を有するものとする: 本明細書で使用される「粉砕天然炭酸カルシウム」(GNCC)という用語は、湿式及び/又は乾式粉砕ステップで処理された天然炭酸カルシウム含有鉱物(例えば、チョーク、石灰岩、大理石又はドロマイト)から得られた粒子状物質、例えば押しつぶし及び/又は粉砕など、及び任意に、例えばサイクロン又は分類器によるスクリーニング及び/又は分別などのさらなるステップに供されているものを示す。

本発明の意味における「沈降炭酸カルシウム」(PCC)は、一般に、水性環境における二酸化炭素と水酸化カルシウム(水和石灰)の反応後の沈降により、又は水中のカルシウム源及び炭酸塩源の沈殿により得られる合成材料である。さらに、沈降炭酸カルシウムは、水性環境にカルシウム塩及び炭酸塩、例えば塩化カルシウム及び炭酸ナトリウムを導入した生成物でもあり得る。PCCには、バテライト、カルサイト、又はアラゴナイトの結晶形があり得る。PCCは、例えば、欧州特許出願公開第2447213号明細書、欧州特許出願公開第2524898号明細書、欧州特許出願公開第2371766号明細書、欧州特許出願公開第2840065号明細書、又は国際公開第2013/142473号に記載されている。

本発明による「表面改質炭酸カルシウム」は、CO2及び1つ以上のH3O+イオン供与体で処理された、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び/又は沈降炭酸カルシウム(PCC)の反応生成物であり、CO2がH3O+イオン供与体処理によるインサイチュで形成される、及び/又は外部供給源から供給される。本発明の文脈でのH3O+イオン供与体は、ブレンステッド酸及び/又は酸塩である。

本願の意味における「微粒子」という用語は、複数の粒子から構成される材料を示す。前記複数の粒子は、例えば、その粒度分布(d98、d50など)によって定義されてもよい。

本明細書における表面改質炭酸カルシウムの「粒度」は、体積基準の粒径分布dxとして説明される。その中で、値dxは、粒子のx体積%がdxより小さい直径を有する直径を表す。これは、例えば、値d20は、全粒子の20vol%がその粒度よりも小さい粒度であることを意味する。したがって、値d50は体積中央粒径である。つまり、全粒子の50vol%がその粒度より小さく、値d98は体積トップカットと呼ばれ、すべての粒子の98vol%がその粒度より小さい粒度である。

本明細書の表面改質炭酸カルシウム(例えば、粉砕天然炭酸カルシウム)以外の粒子状物質の「粒度」は、粒度dxの重量基準の分布によって説明される。その中で、値dxは、粒子のx重量%がdxより小さい直径を有する直径を表す。これは、例えば、値d20は、全粒子の20wt%がその粒度よりも小さい粒度であることを意味する。したがって、値d50は重量中央粒径である。つまり、全粒子の50wt%が粒度より小さく、値d98は重量トップカットと呼ばれ、すべての粒子の98wt%がその粒度より小さい粒度である。

本文書を通して、表面改質炭酸カルシウム又は他の材料の「比表面積」(m2/g)は、BETメソッド(吸着ガスとして窒素を使用)を使用して判定される。

本発明の目的では、「多孔性」又は「細孔体積」は、粒子内圧入比細孔体積を示す。

本発明の文脈において、「細孔」という用語は、粒子間及び/又は粒子内に見られる空間、すなわち、粉末または圧縮物におけるように、粒子が最近傍接触(粒子間細孔)の下で一緒に詰まっているときに形成される空間、及び/又は多孔質粒子内の空隙(粒子内細孔)であって、液体で飽和した場合に圧下でその液体の通過を可能にし、及び/又は表面湿潤液体の吸収を支持するものを表すと理解されるべきである。

本発明の意味における「懸濁液」又は「スラリー」は、例えば水などの液体媒体中の少なくとも1つの不溶性固体、及び任意にさらなる添加剤を含む混合物を指し、通常、大量の固体を含み、したがって、より粘性が高く(粘度が高い)、形成元の液体媒体よりも密度が高くなり得る。

本発明の目的では、用語「粘度」は、ブルックフィールド粘度を示す。

「水不溶性」材料とは、100gの前記材料を100gの脱イオン水と混合し、大気圧下20℃で孔径0.2μmのフィルターでろ過して液体のろ液を回収するときに、周囲圧力で前記液体のろ液100gを95〜100℃で蒸発させた後に固体材料1g以下の回収をもたらす材料として定義される。したがって、「水溶性」材料は、100gの前記材料を100gの脱イオン水と混合し、大気圧下20℃で孔径0.2μmのフィルターでろ過して液体のろ液を回収するときに、周囲圧力で前記液体のろ液100gを95〜100℃で蒸発させた後に固体材料1g超の回収をもたらす材料として定義される。

本発明による「固体」という用語は、標準周囲温度及び圧力(SATP)下で固体である材料を指し、298.15K(25℃)の温度及び正確に1バールの絶対圧力を示す。固体は、粉末、錠剤、顆粒、フレークなどの形態であってもよい。したがって、「液体媒体」という用語は、298.15K(25℃)の温度と正確に1バールの絶対圧力を示す標準的な周囲温度と圧力(SATP)の下で液体である材料を示す。

本発明の意味における「二酸化チタンエンハンサー」は、二酸化チタン顔料と一緒に使用される場合、二酸化チタンの光学特性を改善することができる顔料である。好ましくは、前述の改善された光学特性には、不透明度、コントラスト比、艶消し特性、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。

単数名詞に言及するときに不定冠詞又は定冠詞、例えば「a」、「an」、又は「the」が使用される場合、これには、特に明記されていない限り、その名詞の複数形が含まれる。

「含む(comprising)」という用語が本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、他の要素を除外しない。本発明の目的では、「からなる」という用語は、「含む」という用語の好ましい実施形態であると見なされる。以下、ある群が少なくとも特定の数の実施形態を含むと定義される場合、これはまた、好ましくはこれらの実施形態のみからなる群を開示すると理解されるべきである。

「得ることができる」又は「定義することができる」と「得られた」又は「定義された」というような用語は互換的に使用される。これは、例えば、文脈が明確に別の意味を指示していない限り、「得られた」という用語は、例えば、ある実施形態が「得られた」という用語に続く一連の工程によって得られなければならないことを意味しないが、そのような限定された理解は、好ましい実施形態として「得られた」又は「定義された」という用語に常に含まれることを意味する。

「含む(including)」又は「有する(having)」という用語が使用されるときはいつでも、これらの用語は、上で定義された「含む(comprising)」と同等であることを意味する。

以下、本発明の水性顔料組成物の好ましい実施形態について説明する。これらの詳細及び実施形態は、本発明の組成物を調製する方法、二酸化チタンエンハンサーとしてのその使用、及び塗料及びコーティングにおけるその使用にも適用されることを理解されたい。

本発明の第1の実施形態では、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)が、 (i)0.05〜1.5μm、好ましくは0.1〜1.3μm、より好ましくは0.2〜1μm、最も好ましくは0.5〜0.9μmの範囲の重量中央粒径d50、 (ii)3〜5μm、好ましくは3.2〜4.8μm、より好ましくは3.5〜4.5μm、最も好ましくは3.8〜4.2μmの範囲の重量基準粒径d98、及び/又は (iii)3以上、好ましくは4以上、最も好ましくは4.5〜6.5の範囲の重量基準粒径比d98/d50 を有する。

本発明の別の実施形態では、顔料組成物の表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、 (i)0.05〜1.3μm、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.2〜0.9μm、最も好ましくは0.3〜0.7μmの範囲の体積中央粒径d50、 (ii)3〜10μm、好ましくは3.5〜8μm、より好ましくは4〜6μm、最も好ましくは4.5〜5.5μmの範囲の体積基準粒径d98、及び/又は (iii)10以下、好ましくは6以下、最も好ましくは3.5〜5.5の範囲の体積基準粒径比d98/d50 を有する。

本発明のさらに別の実施形態では、顔料組成物の表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、ISO 9277:2010に従って窒素とBETメソッドを使用して測定したとき、20〜200m2/g、好ましくは25〜100m2/g、最も好ましくは30〜50m2/gの範囲の比表面積を有する。

本発明のさらに別の実施形態において、顔料組成物の表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、水銀ポロシメトリー測定から計算されたとき、0.08〜1.80cm3/g、好ましくは0.10〜1.50cm3/g、最も好ましくは0.18〜1.30cm3/gの範囲の粒子内圧入比細孔体積を有する。

本発明の別の実施形態において、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、それぞれ乾燥重量に基づいて、本発明の水性顔料組成物中に90:10〜30:70の比で、好ましくは88:12〜60:40、例えば85:15の比で存在する。

本発明の別の実施形態では、本発明の水性顔料組成物は、それぞれ水性顔料組成物の総重量に基づいて、55〜80重量%、好ましくは60〜78重量%、最も好ましくは65〜75重量%の総固形分を有する。

一実施形態では、本発明の方法のステップ(a)の粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、 (i)0.05〜1.5μm、好ましくは0.1〜1.3μm、より好ましくは0.2〜1μm、最も好ましくは0.5〜0.9μmの範囲の重量中央粒径d50、 (ii)3〜5μm、好ましくは3.2〜4.8μm、より好ましくは3.5〜4.5μm、最も好ましくは3.8〜4.2μmの範囲の重量基準粒径d98、及び/又は (iii)3以上、好ましくは4以上、最も好ましくは4.5〜6.5の範囲の重量基準粒径比d98/d50 を有する。

別の実施形態では、本発明の方法のステップ(b)の表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、 (i)0.05〜1.3μm、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.2〜0.9μm、最も好ましくは0.3〜0.7μmの範囲の体積中央粒径d50、 (ii)3〜10μm、好ましくは3.5〜8μm、より好ましくは4〜6μm、最も好ましくは4.5〜5.5μmの範囲の体積基準粒径d98、及び/又は (iii)10以下、好ましくは6以下、最も好ましくは3.5〜5.5の範囲の体積基準粒径比d98/d50 を有する。

さらに別の実施形態では、本発明の方法のステップ(b)の表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、ISO 9277:2010に従って窒素とBETメソッドを使用して測定したとき、20〜200m2/g、好ましくは25〜100m2/g、最も好ましくは30〜50m2/gの範囲の比表面積を有する。

さらに別の実施形態において、本発明の方法のステップ(b)の表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、水銀ポロシメトリー測定から計算されたとき、0.08〜1.80cm3/g、好ましくは0.10〜1.50cm3/g、最も好ましくは0.18〜1.30cm3/gの範囲の粒子内圧入比細孔体積を有する。

別の実施形態において、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、それぞれ乾燥重量に基づいて、本発明の方法の水性顔料組成物中に90:10〜30:70の比で、好ましくは88:12〜60:40、例えば85:15の比で存在する。

さらに別の実施形態では、本発明の方法の水性顔料組成物は、それぞれ水性顔料組成物総重量に基づいて、55〜80重量%、好ましくは60〜78重量%、最も好ましくは65〜75重量%の総固形分を有する。

<(A)粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)> 本発明の水性顔料組成物は、天然炭酸カルシウム含有鉱物(例えばチョーク、石灰岩、大理石、ドロマイト)から、例えば、圧砕及び/又は粉砕などの湿式及び/又は乾式粉砕ステップで得ることができる粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)を含む。

本発明の一実施形態では、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、粉砕炭酸カルシウム含有鉱物であり、好ましくは、炭酸カルシウム含有鉱物は、チョーク、石灰岩、大理石、ドロマイト及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、炭酸カルシウム含有鉱物は、チョーク、石灰岩又は大理石、さらにより好ましくは石灰岩又は大理石、最も好ましくは大理石である。

粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、異なる種類の粉砕天然炭酸カルシウムの1つ又は混合物であり得ることが理解される。

本発明の一実施形態において、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、1種類の粉砕天然炭酸カルシウムを含み、好ましくはそれからなる。代替として、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、2種類以上の粉砕天然炭酸カルシウムを含むか、好ましくはそれからなる。例えば、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、2種又は3種の粉砕天然炭酸カルシウムを含むか、好ましくはそれからなる。好ましくは、表面改質炭酸カルシウムは、一種の粉砕天然炭酸カルシウムを含み、より好ましくはそれからなる。

本発明の顔料組成物に使用される粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、特定の粒度分布を有し、重量中央粒径d50は1.5μm以下であり、重量基準粒径d98は5μm以下である。本発明の顔料組成物に使用される粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、超微粉砕天然炭酸カルシウム(UF−GNCC)とも呼ばれ得る。

一般に、本発明で使用される重量中央粒径d50が1.5μm以下であり、重量基準粒径d98が5μm以下である粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、当技術分野に公知の任意の適切な粉砕方法によって得ることができ、乾式粉砕、湿式粉砕、又はその両方、湿式粉砕及び乾式粉砕ステップの組み合わせが使用され得る。

一実施形態によれば、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、湿式粉砕天然炭酸カルシウムである。別の実施形態において、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、乾燥粉砕天然炭酸カルシウムである。

粉砕ステップは、任意の従来の粉砕装置を用いて、例えば、二次物体との衝突から微細化が主に生じるような条件下で、すなわち、ボールミル、ロッドミル、振動ミル、ロール粉砕機、遠心衝撃ミル、垂直ビーズミル、摩滅ミル、ピンミル、ハンマーミル、粉砕機、シュレッダー、デクランパー、ナイフカッター、又は当業者に知られている他のそのような機器のうちの1つ以上において、実施することができる。粉砕ステップはまた、自生粉砕が起こるような条件下で、及び/又は水平ボールミル粉砕、及び/又は当業者に知られている他のそのような方法で実施することができる。

一実施形態では、粉砕は、垂直又は水平ボールミル、好ましくは垂直ボールミルで実施される。そのような垂直及び水平ボールミルは、通常、例えば欧州特許出願公開第0607840号明細書に記載されているような、複数のパドル及び/又は攪拌ディスクを備えた軸方向に高速回転する攪拌機シャフトを含む、垂直又は水平に配置された円筒状粉砕室からなる。

炭酸カルシウム含有鉱物の粉砕は、前述の粉砕方法又は装置の少なくとも1つを使用することによって実行できることに留意されたい。しかし、前述の方法の任意の組み合わせ、又は前述の粉砕装置の任意のシリーズを使用することも可能である。

粉砕ステップに続いて、粉砕炭酸カルシウム含有鉱物は、任意選択で、分級ステップの使用により、それぞれ異なる粒子分布を有する2つ以上の画分に分割してもよい。一般的に分級ステップは、特定の粒度分布を有する供給画分を、別の粉砕サイクルにかけられ得る粗い画分と、最終生成物として使用され得る細かい画分に分割するのに役立つ。この目的のために、遠心分離機又はサイクロン(例えば、ハイドロサイクロン)などの重力に基づく装置と前述の装置の任意の組み合わせと同様に、スクリーニング装置が使用されてもよい。

すでに上で示したように、本発明の顔料組成物に使用される粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、1.5μm以下の重量中央粒径d50及び5μm以下の重量基準粒径d98を有する超微粉砕天然炭酸カルシウム(UF−GNCC)である。

特定の重量基準d50(粒度の中央値)又はd98(トップカット)という用語で定義される粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)の粒度分布は、本発明の顔料組成物及びその調製される塗料又はコーティングの望ましい光学特性に、例えば、不透明度、コントラスト比、黄色度又は艶消し特性の観点で影響を与える可能性がある。粒度分布は、水性組成物である本発明の顔料組成物の粘度にも影響を及ぼし得る。

したがって、本発明のいくつかの実施形態では、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、0.05〜1.5μm、好ましくは0.1〜1.3μm、より好ましくは0.2〜1μm、最も好ましくは0.5〜0.9μmの範囲の重量中央粒径d50を有してもよい。

追加的又は代替的に、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、3〜5μm、好ましくは3.2〜4.8μm、より好ましくは3.5〜4.5μm、最も好ましくは3.8〜4.2μmの範囲の重量基準粒径d98を有してもよい。

上記のように、d50とd98の両方が、本発明の顔料組成物、それから調製される塗料又はコーティングの所望の光学特性、又は本発明の顔料組成物の粘度に影響を与える可能性がある。したがって、追加的又は代替的に、重量基準粒径比d98/d50に関して、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)の粒度分布を定義することが適切な場合がある。前記比は、例えば、高い値が広い分布曲線を表すことを意味する粒度分布の急峻さを示す。

したがって、いくつかの実施形態では、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、3以上、好ましくは4以上、最も好ましくは4.5〜6の範囲の重量基準粒径比d98/d50を有してもよい。

追加的又は代替的に、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、同様に所望の光学特性に影響を与える可能性がある比表面積によって特徴付けられてもよい。したがって、一実施形態では、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、ISO 9277:2010に準拠した窒素及びBETメソッドを使用して測定したときに、1〜75m2/g、好ましくは2〜50m2/g、より好ましくは5〜25m2/g、さらにより好ましくは8〜20m2/g、最も好ましくは9〜15m2/gの比表面積を有する。

任意選択で、本発明の水性顔料組成物に使用される粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、当業者に公知の任意の適切な疎水化剤、例えば、ステアリン酸などの6〜24個の鎖状炭素原子を有する脂肪酸で表面処理されてもよい。しかし、好ましい実施形態では、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は無処理である。

粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC、より正確にはUF−GNCC)が水性懸濁液又はスラリーの形で使用される場合、前記懸濁液又はスラリーは、分散剤によって任意に安定化されてもよい。当業者に知られている従来式の分散剤を使用することができる。好ましい分散剤は、ポリアクリル酸及び/又はカルボキシメチルセルロースから構成される。一実施形態では、分散剤は、部分的又は完全に中和されたポリアクリレートを含むポリアクリレートベースの分散剤である。

<(B)表面改質炭酸カルシウム> 本発明の水性顔料組成物は、表面改質炭酸カルシウム(MCC)をさらに含む。表面改質炭酸カルシウムは、官能化炭酸カルシウム(FCC)又は表面反応炭酸カルシウム(SRCC)と呼ばれることもある。

表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、1つ又は異なる種類の表面改質炭酸カルシウムの混合物であり得ることが理解される。本発明の一実施形態では、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、表面改質炭酸カルシウムの一種を含む、好ましくはそれからなる。代替として、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、2種類以上の表面改質炭酸カルシウムを含むか、好ましくはそれからなる。例えば、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、2種又は3種の表面改質炭酸カルシウムを含むか、好ましくはそれからなる。好ましくは、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、1種類の表面改質炭酸カルシウムを含むか、より好ましくはそれからなる。

表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、CO2及び1つ以上のH3O+イオン供与体で処理された、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び/又は沈降炭酸カルシウム(PCC)の反応生成物であり、CO2がH3O+イオン供与体処理によるインサイチュで形成される、及び/又は外部供給源から供給される。粉砕天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムとCO2及び1つ以上のH3O+イオン供与体との反応により、表面改質炭酸カルシウムは、GNCC又はPCC及び少なくとも1つの水不溶性カルシウム塩を含む場合がある。

本発明の好ましい実施形態では、前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び/又は沈降炭酸カルシウム(PCC)と、前記GNCC及び/又はPCCの表面の少なくとも一部に存在する少なくとも1つの水不溶性カルシウム塩とを含む。より好ましくは、前記表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、表面改質炭酸カルシウム(MCC)の総乾燥重量に基づいて、1〜50重量%の範囲の粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び/又は沈降炭酸カルシウム(PCC)の総量を含む。

本発明の文脈におけるH3O+イオン供与体は、ブレンステッド酸及び/又は酸塩である。

本発明の好ましい実施形態では、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、 (a)粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)又は沈降炭酸カルシウム(PCC)の懸濁液を供給するステップ、 (b)20℃で0以下のpKa値を有する、又は20℃で0〜2.5のpKa値を有する少なくとも1つの酸をステップ(a)で供給された懸濁液に添加するステップ、及び (c)ステップ(b)の前、最中、又は後に、ステップ(a)で供給された懸濁液をCO2で処理するステップ を含む方法によって得られる。

別の実施形態によれば、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、以下のステップを含む方法によって得られる: (a)粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)又は沈降炭酸カルシウム(PCC)を供給するステップ、 (b)少なくとも1つの水溶性酸を供給するステップ、 (c)気体のCO2を供給するステップ、及び (d)ステップ(a)で供給される前記GNCC又はPCC、ステップ(b)で供給された少なくとも1つの酸、及びステップ(c)で供給された気体CO2と接触させるステップ を含み、 (i)ステップ(b)で供給された少なくとも1つの酸は、その第1の利用可能な水素のイオン化に関連して、20℃で2.5超7以下のpKaを備え、対応するアニオンが、水溶性カルシウム塩を形成できるこの第1の利用可能な水素の損失を形成し、 (ii)ステップ(b)で供給される少なくとも1つの水溶性酸とステップ(a)で供給されるGNCC又はPCCを接触させた後、水素含有塩の場合は20℃で7を超えるpKaを備え、第1の利用可能な水素のイオン化に関連する少なくとも1つの水溶性塩、及び水不溶性カルシウム塩を形成できるその塩アニオンがさらに供給される ことを特徴とする。

炭酸カルシウムの源、例えば粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)は、好ましくは、大理石、チョーク、石灰岩、及びそれらの混合物を含む群から選択される炭酸カルシウム含有鉱物から選択される。天然炭酸カルシウムは、炭酸マグネシウム、アルミノシリケートなどの天然に存在する成分をさらに含んでもよい。一実施形態によれば、GNCCなどの天然炭酸カルシウムは、炭酸カルシウム又はそれらの混合物のアラゴナイト、バテライト又はカルサイト鉱物結晶形を含む。

一般に、粉砕天然炭酸カルシウムの粉砕は、乾式又は湿式粉砕方法で実施でき、二次物体との衝突から精製が主に生じるような条件下で、任意の従来の粉砕装置、例えば、ボールミル、ロッドミル、振動ミル、ロール粉砕機、遠心衝撃ミル、垂直ビーズミル、摩滅ミル、ピンミル、ハンマーミル、粉砕機、シュレッダー、デクランパー、ナイフカッター、又は当業者に知られている他のそのような機器のうちの1つ以上において、実施することができる。粉砕天然炭酸カルシウムが湿式粉砕炭酸カルシウムを含む場合、粉砕ステップは、自生粉砕が起こるような条件下で、及び/又は水平ボールミル粉砕、及び/又は当業者に知られている他のそのような方法で実施することができる。このようにして得られた湿式処理された粉砕天然炭酸カルシウムは、周知の方法、例えば、凝集、ろ過、又は乾燥前の強制蒸発により洗浄及び脱水させる。乾燥の後続のステップ(必要な場合)は、スプレー乾燥などの単一のステップで、又は少なくとも2つのステップで実行することができる。また、そのような鉱物材料は、不純物を除去するために選鉱ステップ(浮選、漂白又は磁気分離ステップなど)を受けることが一般的である。

すでに上記で示したように、本発明の意味における沈降炭酸カルシウム(PCC)は、一般に、水性環境でのCO2と水酸化カルシウムの反応後の沈殿によって、又はカルシウム及び炭酸イオン、例えばCaCl2とNa2CO3の沈殿によって、溶液から得られる合成材料である。PCCを生産する別の可能な方法は、石灰ソーダ方法、又はPCCがアンモニア生産の副産物であるソルベイ方法である。沈降炭酸カルシウムは、カルサイト、アラゴナイト、バテライトの3つの主要な結晶形で存在し、これらの結晶形のそれぞれには多くの異なる多形体(晶癖)がある。カルサイトは、斜面体(S−PCC)、菱面体晶(R−PCC)、六角柱、ピナコイド、コロイド(C−PCC)、立方体、及びプリズム(P−PCC)などの典型的な晶癖を持つ三角構造を備えている。アラゴナイトは、双晶六角プリズム結晶の典型的な晶癖を持つ斜方晶構造、さらに薄い細長いプリズム、湾曲した刃状、急なピラミッド状、チーゼル形の結晶、分岐ツリー、サンゴ又は虫のような形の多様な種類がある。バテライトは六方晶系に属する。得られた水性PCCスラリーは、機械的に脱水し、乾燥させることができる。

本発明の一実施形態によれば、沈降炭酸カルシウムは、炭酸カルシウム又はそれらの混合物のアラゴナイト、バテライト又はカルサイト鉱物結晶形を含む。

沈降炭酸カルシウムは、天然炭酸カルシウムを粉砕するために使用される上記と同じ手段により、CO2及び少なくとも1つのH3O+イオン供与体での処理の前に粉砕されてもよい。

本発明の一実施形態によれば、表面改質炭酸カルシウム(MCC)を調製するために使用される天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムは、0.05〜10.0μm、好ましくは0.2〜5.0μm、より好ましくは0.4〜3.0μm、最も好ましくは0.6〜1.2μm、特に0.7μmの重量中央粒径d50を有する粒子の形態である。本発明のさらなる実施形態によれば、天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムは、0.15〜55μm、好ましくは1〜40μm、より好ましくは2〜25μm、最も好ましくは3〜15μm、特に4μm重量基準のトップカット粒径d98を有する粒子の形態である。

表面改質炭酸カルシウム(MCC)を調製するための天然又は沈降炭酸カルシウムは、乾燥状態で使用するか、水に懸濁して使用できる。好ましくは、対応する水性スラリーは、前記スラリーの総重量に基づいて、1〜90重量%、より好ましくは3〜60重量%、さらにより好ましくは5〜40重量%、最も好ましくは10〜25重量%の範囲内の天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムの含有量を有する。

表面改質炭酸カルシウムの調製に使用される1つ以上のH3O+イオン供与体は、調製条件下でH3O+イオンを生成する任意の強酸、中強酸、弱酸、又はそれらの混合物であり得る。本発明によれば、少なくとも1つのH3O+イオン供与体はまた酸塩であってもよく、調製条件下でH3O+イオンを生成する。

一実施形態によれば、少なくとも1つのH3O+イオン供与体は、20℃で0以下のpKaを有する強酸である。

別の実施形態によれば、少なくとも1つのH3O+イオン供与体は、20℃で0〜2.5のpKa値を有する中強酸である。20℃でのpKaが0以下である場合、酸は好ましくは硫酸、塩酸、又はそれらの混合物から選択される。20℃でのpKaが0〜2.5である場合、H3O+イオン供与体は、H2SO3、H3PO4、シュウ酸、又はそれらの混合物から選択されることが好ましい。また、少なくとも1つのH3O+イオン供与体は、Li+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+などの対応するカチオンによって少なくとも部分的に中和され得、例えば、Li+、Na+、K+、又はHPO42−などの対応するカチオンによって少なくとも部分的に中和されるHSO4、H2PO4などの酸塩であり得る。少なくとも1つのH3O+イオン供与体は、1つ以上の酸と1つ以上の酸塩との混合物でもあり得る。

さらに別の実施形態によれば、少なくとも1つのH3O+イオン供与体は、20℃で測定した場合、第1の利用可能な水素のイオン化に関連する、2.5より大きく7以下のpKa値を有し、水溶性カルシウム塩を形成することができる対応するアニオンを有する弱酸である。続いて、水素含有塩の場合、20℃で測定した場合に、第1の利用可能な水素のイオン化に関連する7以上のpKaを持つ少なくとも1つの水溶性塩と、さらに、水不溶性カルシウム塩を形成できるその塩アニオンが供給される。より好ましい実施形態によれば、弱酸は20℃で2.5超〜5のpKa値を有し、より好ましくは、弱酸は酢酸、ギ酸、プロパン酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。前記水溶性塩の例示的なカチオンは、カリウム、ナトリウム、リチウム及びそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましい実施形態では、前記カチオンはナトリウム又はカリウムである。前記水溶性塩の例示的なアニオンは、ホスフェート、リン酸二水素、リン酸一水素、オキザレート、シリケート、それらの混合物及びそれらの水和物からなる群から選択される。より好ましい実施形態では、前記アニオンは、ホスフェート、リン酸二水素、リン酸一水素、それらの混合物及びそれらの水和物からなる群から選択される。最も好ましい実施形態では、前記アニオンは、リン酸二水素、リン酸一水素、それらの混合物及びそれらの水和物からなる群から選択される。水溶性塩の添加は、滴下又は一段階で実施され得る。滴下添加の場合、この添加は好ましくは10分以内に行われる。前記塩を一段階で添加することがより好ましい。

本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのH3O+イオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、少なくとも1つのH3O+イオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸、Li+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+などの対応するカチオンによって少なくとも部分的に中和される、例えば、Li+、Na+、K+、又はHPO42−などの対応するカチオンによって少なくとも部分的に中和されるH2PO4及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、少なくとも1つの酸は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、シュウ酸、又はそれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましいH3O+イオン供与体はリン酸である。

1つ以上のH3O+イオン供与体は、濃縮溶液又はより希釈された溶液として懸濁液に添加できる。好ましくは、天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムに対するH3O+イオン供与体のモル比は0.01〜4、より好ましくは0.02〜2、さらにより好ましくは0.05〜1、最も好ましくは0.1〜0.58である。

別の好ましい実施形態では、少なくとも1つのH3O+イオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸及びそれらの混合物からなる群から選択され、天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムに対するH3O+イオン供与体のモル比は、0.01〜4、より好ましくは0.02〜2、さらにより好ましくは0.05〜1、最も好ましくは0.1〜0.58である。

特に好ましい実施形態では、少なくとも1つのH3O+イオン供与体はリン酸とクエン酸の混合物であり、より好ましくはH3O+イオン供与体の天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムに対するモル比は0.01〜4、より好ましくは0.02〜2、さらにより好ましくは0.05〜1、最も好ましくは0.1〜0.58である。

すでに上で示したように、GNCC又はPCCを少なくとも1つのH3O+イオン供与体及びCO2で処理すると、少なくとも1つの水不溶性カルシウム塩の形成につながる可能性がある。したがって、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、GNCC及び/又はPCCと、炭酸カルシウム以外の少なくとも1つの水不溶性カルシウム塩を含んでもよい。一実施形態において、前記少なくとも1つの水不溶性カルシウム塩は、前記GNCC又はPCCの表面の少なくとも一部に存在する。

リン酸、H2PO4、又はHPO42−をH3O+イオン供与体として使用すると、ヒドロキシルアパタイトが形成されるに至る場合がある。したがって、好ましい実施形態では、少なくとも1つの水不溶性カルシウム塩はヒドロキシルアパタイトである。

同様に、他のH3O+イオン供与体を使用すると、表面改質炭酸カルシウムの表面の少なくとも一部に、炭酸カルシウム以外の対応する水不溶性カルシウム塩が形成されるに至る場合がある。したがって、一実施形態では、少なくとも1つの水不溶性カルシウム塩は、リン酸八カルシウム、ヒドロキシルアパタイト、クロラパタイト、フルオロアパタイト、炭酸アパタイト及びそれらの混合物からなる群から選択される。

天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムを懸濁する前に、H3O+イオン供与体を水に加えることもできる。

次のステップでは、天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムをCO2で処理する。硫酸又は塩酸などの強酸が、天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムのH3O+イオン供与体処理に使用される場合、CO2が自動的に形成される。代替的又は追加的に、CO2は外部供給源から供給できる。

H3O+イオン供与体処理とCO2による処理を同時に実行できる。これは、強酸又は中強酸を使用する場合である。最初にH3O+イオン供与体処理を、例えば20℃で0〜2.5の範囲のpKaを備える中強酸で実行することもできる。それにおいては、CO2がインサイチュで形成されるため、CO2処理はH3O+イオン供与体処理と同時に自動的に実行され、外部供給源から供給されるCO2による追加の処理が続く。

好ましくは、懸濁液中の気体CO2の濃度は、体積に関して、比(懸濁液の体積):(気体CO2の体積)が、1:0.05〜1:20、さらにより好ましくは1:0.05〜1:5である。

好ましい実施形態では、H3O+イオン供与体処理ステップ及び/又はCO2処理ステップは、少なくとも1回、より好ましくは数回繰り返される。一実施形態によれば、少なくとも1つのH3O+イオン供与体は、少なくとも約5分間、好ましくは少なくとも約10分間、典型的には約10〜約20分間、より好ましくは約30分間、さらにより好ましくは、約45分、場合によっては約1時間以上添加される。

H3O+イオン供与体処理及びCO2処理に続いて、20℃で測定した水性懸濁液のpHは、当然、6.0を超える、好ましくは6.5を超える、より好ましくは7.0を超える、さらにより好ましくは7.5を超える値に達し、それにより、表面改質天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムを、6.0を超える、好ましくは6.5を超える、より好ましくは7.0を超える、さらにより好ましくは7.5を超えるpHを有する水性懸濁液として調製する。

表面改質天然炭酸カルシウムの調製に関するさらなる詳細は、国際公開第00/39222号、国際公開第2004/083316号、国際公開第2005/121257号、国際公開第2009/074492、欧州特許出願公開第2264108号明細書、欧州特許出願公開第2264109号明細書及び米国特許出願公開第2004/0020410号明細書にて開示されており、これらの参考文献の内容は本願に含まれる。

同様に、表面反応の沈降炭酸カルシウムを得ることができる。国際公開第2009/074492号から詳細にわかるように、水性媒体において表面反応の沈降炭酸カルシウムのスラリーを形成するために、表面反応の沈降炭酸カルシウムは、水性媒体に可溶化し、水不溶性カルシウム塩を形成することができるH3O+イオン及びアニオンと、沈降炭酸カルシウムとを接触させることで得られる。この場合、前記表面反応の沈降炭酸カルシウムは、沈降炭酸カルシウムの少なくとも一部の表面に形成された前記アニオンの不溶性の少なくとも部分的に結晶性のカルシウム塩を含む。

前記可溶化カルシウムイオンは、H3O+イオンによる沈降炭酸カルシウムの溶解時に自然に生成される可溶化カルシウムイオンに比べて過剰の可溶化カルシウムイオンに対応し、前記H3O+イオンは、アニオンに対する対イオンの形でのみ、すなわち酸又は非カルシウム酸塩の形、及び任意のさらなるカルシウムイオン又はカルシウムイオン発生源の不在下でのアニオンの添加を介して供給される。

前記過剰の可溶化カルシウムイオンは、可溶性中性又は酸性カルシウム塩の添加によって、又は可溶性中性又は酸性カルシウム塩をインサイチュで生成する酸又は中性又は酸性非カルシウム塩の添加によって供給されることが好ましい。

前記H3O+イオンは、前記アニオンの酸又は酸塩の添加、又は前記過剰な可溶化カルシウムイオンの全部又は一部を同時に供給するのに同時に役立つ酸又は酸塩の添加によって供給され得る。

表面反応の天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムの調製のさらに好ましい実施形態では、シリケート、シリカ、水酸化アルミニウム、アルカリ土類アルミン酸、例えばアルミン酸ナトリウム又はアルミン酸カリウム、酸化マグネシウム、硫酸アルミニウム又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物の存在下で、天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムを酸及び/又はCO2と反応させる。好ましくは、少なくとも1つのシリケートは、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、又はアルカリ土類金属シリケートから選択される。

別の好ましい実施形態では、前記少なくとも1つの化合物は硫酸アルミニウム六水和物である。特に好ましい実施形態において、前記少なくとも1つの化合物は硫酸アルミニウム六水和物であり、少なくとも1つのH3O+イオン供与体は、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸及びそれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくは、天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムに対する前記H3O+イオン供与体のモル比は、0.01〜4、より好ましくは0.02〜2、さらにより好ましくは0.05〜1、最も好ましくは0.1〜0.58である。

上記の成分は、酸及び/又はCO2を加える前に、天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムを含む水性懸濁液に加えることができる。

代替的に、天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムと酸及びCO2との反応がすでに始まっている間に、上記の成分を天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムの水性懸濁液に加えることができる。少なくとも1つのシリケート及び/又はシリカ及び/又は水酸化アルミニウム及び/又はアルカリ土類アルミン酸塩成分の存在下での表面反応の天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムの調製に関するさらなる詳細は、国際公開第2004/083316号に開示されている。この参考文献の内容は、本願に含まれている。

表面改質された炭酸カルシウムは、懸濁状態に保つことができ、任意に分散剤によりさらに安定化することができる。当業者に知られている従来式の分散剤を使用することができる。好ましい分散剤は、ポリアクリル酸及び/又はカルボキシメチルセルロースから構成される。一実施形態では、分散剤は、部分的又は完全に中和されたポリアクリレートを含むポリアクリレートベースの分散剤である。

代替的に、上記の水性懸濁液を乾燥させ、それにより、顆粒又は粉末の形態の表面反応の天然炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムの固体(すなわち、乾燥又は液体形態でないほどの少量の水しか含まない)を得ることができる。

好ましい実施形態では、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、ISO 9277:2010に従って窒素とBETメソッドを使用して測定したとき、20〜200m2/g、好ましくは25〜100m2/g、最も好ましくは30〜50m2/gの比表面積を有する。さらなる実施形態において、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、ISO 9277:2010に従って窒素とBETメソッドを使用して測定したとき、120m2/g以下、より好ましくは60〜120m2/g、最も好ましくは70〜105m2/gの比表面積を有する。例えば、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、ISO 9277:2010に従って窒素とBETメソッドを使用して測定したとき、75〜100m2/gの比表面積を有することができる。

また、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)の場合のように、特定の重量基準d50(粒度の中央値)又はd98(トップカット)という用語で定義される表面改質炭酸カルシウム(MCC)の粒度分布は、本発明の顔料組成物及びその調製される塗料又はコーティングの望ましい光学特性に、例えば、不透明度、コントラスト比、黄色度又は艶消し特性の観点で影響を与える可能性がある。粒度分布は、水性組成物である本発明の顔料組成物の粘度にも影響を及ぼし得る。

表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、1.3μm以下の体積中央粒径d50によって定義される。本発明のいくつかの実施形態では、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、0.05〜1.3μm、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.2〜0.9μm、最も好ましくは0.3〜0.7μmの範囲の体積中央粒径d50を有してもよい。

さらに、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、体積基準粒径d98が10μm以下で定義される。本発明のいくつかの実施形態では、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、3〜10μm、好ましくは3.5〜8μm、より好ましくは4〜6μm、最も好ましくは4.5〜5.5μmの範囲の体積基準粒径d98を有してもよい。

上記のように、d50とd98の両方が、本発明の顔料組成物、それから調製される塗料又はコーティングの所望の光学特性、又は本発明の顔料組成物の粘度に影響を与える可能性がある。したがって、追加的又は代替的に、体積基準粒径比d98/d50に関して、表面改質炭酸カルシウム(MCC)の粒度分布を定義することが適切である場合がある。前記比は、例えば、低い値が狭い分布曲線を表すことを意味する、粒度分布の急峻さを示す。

したがって、いくつかの実施形態において、表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、10以下、好ましくは6以下、最も好ましくは3.5〜5.5の範囲の体積基準粒径比d98/d50を有し得る。

別の実施形態によれば、本発明で使用される表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、水銀ポロシメトリー測定から計算されたとき、0.08〜1.80cm3/g、好ましくは0.10〜1.50cm3/g、最も好ましくは0.18〜1.30cm3/gの範囲の粒子内圧入比細孔体積を有する。

表面改質炭酸カルシウム(MCC)の粒子内孔径は、水銀ポロシメトリー測定で測定して、好ましくは0.03〜1.3μm、より好ましくは0.04〜1.1μm、最も好ましくは0.05〜1.05μmの範囲にある。

<(C)水性顔料組成物> 本発明による水性顔料組成物は、 (i)上で開示されたように、重量中央粒径d50が1.5μm以下、及び重量基準粒径d98が5μm以下である粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)、並びに (ii)CO2及び1つ以上のH3O+イオン供与体で処理された、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び/又は沈降炭酸カルシウム(PCC)の反応生成物である表面改質炭酸カルシウム(MCC)であって、CO2がインサイチュでH3O+イオン供与体処理により形成され、及び/又は外部供給源から供給され、1.3μm以下の体積中央粒径d50及び10μm以下の体積基準粒径d98を有する表面改質炭酸カルシウム(MCC) を含む。

粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、乾燥重量に基づいて、95:5〜5:95の比で水性顔料組成物中に存在する。前述の比は、例えば不透明度、コントラスト比、黄色度又は艶消し特性に関して、本発明の顔料組成物及びそれから調製された塗料又はコーティングの所望の光学特性に影響を及ぼす可能性がある。

本発明者らは、驚くべきことに、例えば従来式の炭酸カルシウム顔料と比較して、本発明の顔料組成物を使用することにより、前述の光学特性を改善できることを見出した。本発明の顔料組成物は、他の高性能顔料の光学特性を高めるために使用することもでき、それにより、同等の又は改善された性能での塗料及びコーティングの調製の総コストを削減する。

特に有用な実施形態において、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、それぞれ乾燥重量に基づいて、水性顔料組成物中に90:10〜30:70の比で、好ましくは88:12〜60:40、例えば85:15の比で存在する。粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)と表面改質炭酸カルシウム(MCC)の比は、本明細書に開示された範囲内で変化し、それにより良好な光学性能と適切な取り扱い性(例えば粘度に関して)を保証することができる。

本発明の顔料組成物の総固形分は比較的高く、組成物の総重量に基づいて50〜85重量%の範囲である。上記の粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)と表面改質炭酸カルシウム(MCC)の比は、特定の固形分範囲内で良好な取り扱い性(粘度など)を保証する。

さらなる実施形態では、水性顔料組成物は、それぞれ水性顔料組成物の総重量に基づいて、55〜80重量%、好ましくは60〜78重量%、最も好ましくは65〜75重量%の総固形分を有する。

その良好な取り扱い性(例えば粘度)と組み合わせたその良好な光学特性を考慮すると、本発明の顔料組成物は、塗料及びコーティングでの使用に特に適している。

したがって、本発明の一態様は、塗料又はコーティングにおける本発明の水性顔料組成物の使用、及び本発明の水性顔料組成物を含むこれらの塗料又はコーティング自体に関する。より低いコストでの良好な光学特性により、別の態様は、二酸化チタンエンハンサーとしての本発明の水性顔料組成物の使用に関する。

本発明の別の態様は、塗料又はコーティングにおける、以下に記載の方法により得ることができる本発明の水性顔料組成物の使用、及び以下に記載の方法により得ることができる本発明の水性顔料組成物を含むこれらの塗料又はコーティング自体に関する。より低いコストでの良好な光学特性により、別の態様は、二酸化チタンエンハンサーとして以下に記載される方法により得ることができる本発明の水性顔料組成物の使用に関する。

本発明のさらに別の態様は、本発明の水性顔料組成物を乾燥させることにより得ることができる顔料組成物、又は以下に記載される方法により得ることができる本発明の水性顔料組成物に関する。

<(D)水性顔料組成物の調製方法> 本発明はさらに、上記に開示された水性顔料組成物の調製方法に関する。この方法は、 (a)重量中央粒径d50が1.5μm以下、及び重量基準粒径d98が5μm以下である粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)の水性懸濁液を供給するステップ、 (b)CO2及び1つ以上のH3O+イオン供与体で処理された、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び/又は沈降炭酸カルシウム(PCC)の反応生成物である表面改質炭酸カルシウム(MCC)の水性懸濁液を供給するステップであって、CO2がインサイチュでH3O+イオン供与体処理により形成され、及び/又は外部供給源から供給され、表面改質炭酸カルシウム(MCC)が1.3μm以下の体積中央粒径d50及び10μm以下の体積基準粒径d98を有する、ステップ、 (c)ステップ(a)で供給された水性懸濁液とステップ(b)で供給された水性懸濁液とを接触させて、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)を含む水性顔料組成物を得るステップ、並びに (d)任意選択で、ステップ(c)の水性顔料組成物の固形分を調整するステップ を含み、 粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)が、乾燥重量に基づいて95:5〜5:95の比で水性顔料組成物中に存在し、水性顔料組成物は水性顔料組成物の総重量に基づいて、50〜85重量%の総固形分を有することを特徴とする。

したがって、当業者は、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)、表面改質炭酸カルシウム(MCC)に関して上で論じた詳細及び実施形態、並びに水性顔料組成物に関する詳細及び実施形態が、そのまま、本発明の顔料組成物を調製するための本発明の方法に適宜適用されることを理解する。

さらなる実施形態において、本発明の方法のステップ(a)で供給される粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)の水性懸濁液及び/又はステップ(b)で供給される表面改質炭酸カルシウム(MCC)の水性懸濁液は、水性懸濁液の総重量に基づいて、少なくとも5重量%、好ましくは5〜85重量%、より好ましくは10〜50重量%、最も好ましくは15〜35重量%の固形分を有する。

本発明の方法のさらに別の実施形態では、ステップ(d)は脱水ステップである。本発明の意味における「脱水」という用語は、熱及び/又は機械的による方法を使用することにより得られる水分含有量の減少及び固形分の増加を意味する。

脱水ステップ(d)は、水性スラリーを含む炭酸カルシウムの水分含有量を低減するための、当業者に知られているいずれかの熱及び/又は機械による方法によって、実施することができる。例えば、脱水ステップ(d)は、好ましくは、濾過、遠心分離、沈殿タンクでの沈降、蒸発などにより、好ましくはジェット又はスプレー乾燥により、機械又は熱により実施することができる。

別の態様によれば、本発明は、ステップ(a)〜(c)又はステップ(a)〜(d)を含む本発明の方法により得ることができる水性顔料組成物を対象とする。

本発明による方法は、任意の乾燥ステップ(e)をさらに含んでもよい。前記乾燥ステップでは、接触ステップ(c)又は脱水ステップ(d)で得られた水性顔料組成物を乾燥して、粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)と表面改質炭酸カルシウム(MCC)の乾燥ブレンドを得る。

したがって、さらに別の態様によれば、本発明は、(a)〜(c)及び(e)、又はステップ(a)〜(e)を含む本発明の方法により得ることができる水性顔料組成物を対象とする。

粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC)及び表面改質炭酸カルシウム(MCC)の前記乾燥ブレンドを得るために適用される乾燥方法は、当業者に周知の任意の種類の乾燥方法であり得る。

本発明の範囲及び利点は、本発明の実施形態を例示することを意図した以下の実施例に基づいてよりよく理解することができる。

<(A)分析方法> 本願を通して定義され、以下の実施例で言及されるすべてのパラメータは、以下の測定方法に基づいている。

粒度分布 本明細書における表面改質炭酸カルシウム(MCC)の粒度は、体積基準粒径分布dxとして説明される。体積基準中央粒径d50及び体積基準トップカットd98は、Malvern Mastersizer 2000レーザー回折システム(Malvern Instruments Plc.、英国)を使用して測定された。測定によって得られた生データは、1.57の粒子屈折率と0.005の吸収率で、Mieの理論を使用して分析された。これらの方法及び機器は、当業者に知られており、充填剤及び顔料の粒度分布を判定するために一般的に使用されている。

本明細書では、表面改質炭酸カルシウム(例えば、粉砕天然炭酸カルシウム、GNCC)以外の粒子状物質の粒度を、重量基準の粒度分布dxとして説明する。重量により決定される中央粒径d50及びトップカットd98は、重力場における沈降挙動の分析である沈降法によって測定された。測定は、米国Micromeritics Instrument CorporationのSedigraph(商標)5120を使用して行った。この方法及び機器は、当業者に知られており、充填剤及び顔料の粒度分布を判定するために一般的に使用されている。測定は、0.1重量%Na4P2O7の水溶液で実施した。高速スターラーを使用してサンプルを分散させ、超音波処理した。

BET比表面積(SSA) 本文書を通して、比表面積(m2/g)は、当業者に周知のBETメソッド(ISO 9277:2010、吸着ガスとして窒素を使用)を使用して判定された。次に、比表面積と対応するサンプルの質量(g)を掛け合わせることにより、充填材料の総表面積(m2)を得た。

ポロシメトリー 比細孔体積は、ラプラスのスロート直径0.004μmに相当する水銀414mPa(60000psi)の最大印加圧力を備えるMicromeritics Autopore V 9620水銀ポロシメーターを使用した水銀圧入ポロシメトリー測定を使用して測定される。各圧力ステップで使用される平衡時間は20秒である。サンプル材料は、分析のために3cm3の室の粉末浸透計に密封されている。データは、ソフトウェアPore−Comp(Gane, P.A.C.,Kettle,J.P.,Matthews,G.P.and Ridgway,C.J.,“Void Space Structure of Compressible Polymer Spheres and Consolidated Calcium Carbonate Paper−Coating Formulations”,Industrial and Engineering Chemistry Research,1996,35(5),1753−1764)を使用して、水銀圧縮、浸透計拡張、及びサンプル材料の弾性圧縮について修正されている。

累積圧入データに見られる総細孔体積は、214μmから約1〜4μmまでの圧入データが2つの領域に分離でき、サンプルの凝集体構造間での粗い充填が強く寄与していることを示している。これらの直径未満では、粒子自体の微粒子間充填がある。また、それらに粒子内細孔がある場合、この領域は二峰性に見え、水銀によって圧入された比細孔体積を、モード転換点よりも細かい、すなわち、二峰性の変曲点よりも細かい細孔に取り込むことにより、比粒子内細孔体積を画定する。これらの3つの領域の合計は、粉末の総細孔体積を示すが、分布の粗い細孔端での粉末の元のサンプルの圧縮/沈降に大きく依存する。

累積圧入曲線の一次導関数を得ることにより、必然的に細孔遮蔽を含む等価ラプラス直径に基づく細孔サイズ分布が明らかになる。微分曲線は、粗い凝集体細孔構造領域、粒子間細孔領域、及び存在する場合は、粒子内細孔領域を明確に示している。粒子内の細孔径の範囲がわかっていると、残りの粒子間及び凝集体間の細孔体積を総細孔体積から差し引いて、単位質量あたりの細孔の体積(比細孔体積)で表す内部細孔のみの所望の細孔体積を提供することができる。当然、同じ減算の原理が、対象の他の細孔サイズの領域の分離にも適用される。

ブルックフィールド粘度 ブルックフィールド粘度は、Brookfield RVスピンドルセットの適切なスピンドルを使用して、24℃±3℃、100rpmで、Brookfield DV−III Ultra粘度計によって測定され、mPa・sで指定される。スピンドルがサンプルに挿入されると、100rpmの一定の回転速度で測定が開始された。報告されたブルックフィールド粘度の値は、測定開始から60秒後に表示された値だった。氏の技術的知識に基づいて、当業者は、測定する粘度範囲に適したBrookfield RVスピンドルセットからスピンドルを選択する。例えば、粘度範囲が200から800mPa・sの間の場合、スピンドル番号3が使用でき、粘度範囲が400から1600mPa・sの間の場合、スピンドル番号4が使用でき、粘度範囲が800から3200mPa・sの間の場合スピンドル番号5が使用でき、粘度範囲が1000から2000000mPa・sの間の場合、スピンドル番号6が使用でき、粘度範囲が4000から8000000mPa・sの間の場合スピンドル番号7が使用できる。

固形分 懸濁液の固形分(「乾燥重量」とも呼ばれる)は、Moisture Analyser MJ33(Mettler−Toledo、スイス)を使用して、次の設定で測定した:乾燥温度150℃、質量が30秒間で1mg超変化しない場合は自動スイッチオフ、5gの懸濁液を標準的に乾燥。

Rx、Rx、及びRz 本願で示される色値Rx、Ry、Rzは、Lenetaコントラストカードの白と黒のフィールド上で判定され、DIN 53 140に従ってフランスのモントルイユのDatacolor社のSpectraflash SF 450 X分光光度計を使用して測定される。

コントラスト比 コントラスト比の値は、10±0.5m2/lの拡散率でISO 2814に従って判定される。コントラスト比は、次の式で説明されるように計算される。

Ry(黒)とRy(白)は、上記の色値の測定によって取得される。

黄色度指数 黄色度指数は、DIN 6167に従って測定される。

光沢値 光沢値は、コントラストカード上に150μmのコーターギャップにより調製された塗装面で、DIN 67 530に従って記載された角度で測定される。使用されるコントラストカードは、Leneta社によって販売され、スイスのステファにあるノバマートによって販売されている、3−B−H、サイズ7−5/8×11−3/8(194×289mm)のフォームのLenetaコントラストカードである。光沢は、ドイツのGeretsriedにあるByk Gardner社の光沢測定装置で測定される。光沢は、光沢測定デバイスで5枚のLenetaカードを測定することで得られ(各測定1回)、平均値はデバイスによって計算され、デバイスのディスプレイから導出できる。

<(B)実施例> 以下の実施例は、いかなる様にも特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。

材料 <無色ベース塗料> 無色のベースペイント(表1)を使用して、さまざまな顔料を含むさまざまな塗料を調製した。ベース塗料の構成は次のとおりである。

無色のテスト用ベース塗料に使用される成分とその機能は、当業者に知られており、以下の表2に列挙している。

<超微粉砕天然炭酸カルシウム(UF−GNCC)> 重量中央粒径d50が0.7μm及び重量基準粒径d98が4μm、2μm未満の粒子が90%の粉砕した大理石の水性懸濁液を使用した。水性懸濁液の固形分は78重量%であった。

<粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC−1)> 重量中央粒径d50が1.6μm及び10μmの重量基準粒径d98、45μmのふるい(ISO 787/7)上の残留物が20ppmの粉砕した大理石の水性懸濁液を比較材料として使用した。水性懸濁液の固形分は78.4重量%であった。

<粉砕天然炭酸カルシウム(GNCC−2)> さらなる比較材料として、重量中央粒径d50が5.7μm及び重量基準粒径d98が30μmの粉砕した大理石の水性懸濁液を使用した。水性懸濁液の固形分は78重量%であった。

<表面改質炭酸カルシウム(MCC)> 表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、2μm未満(セディグラフ)90%の重量基準粒度分布を有するHustadmarmor Norwayの粉砕大理石炭酸カルシウムの固形分を、水性懸濁液の総重量に基づいて22重量%の固形分が得られるように調整することによって得られた混合容器内の粉砕炭酸カルシウムの水性懸濁液10リットルから得られた。加えて、30重量%のリン酸を含む溶液が調製された。スラリーを混合しながら、リン酸溶溶液0.83kgを55℃の温度で10分間かけて前記懸濁液に加えた。最後に、このリン酸の添加後、固形分を調整する前にスラリーをさらに5分間攪拌した。

表面改質炭酸カルシウム(MCC)は、1.06μmの体積中央粒径d50、4.95μmの体積基準のd98、及び38.5m2/g(BET、窒素)の比表面積を示した。固形分は、47〜67重量%の範囲に調整された(以下の試験セクションで提供する詳細を参照)。

試験 <顔料組成物の調製> 1.容器内にGNCCの懸濁液を供給する 2.ディゾルバーの下に容器を置く 3.1000〜1100rpmで攪拌しながらMCCの懸濁液を添加する 4.約10分間攪拌する

UF−GNCC及びMCCを使用して調製された本発明の顔料組成物を以下に要約する:

<塗料の調製> 各々最終顔料体積濃度(PVC)が70%のさまざまな塗料を、ディゾルバーを使用して、攪拌条件下で、無色のベース塗料と上記のさまざまな水性顔料組成物を混合することにより調製した(約10分、1000〜1100rpm)。必要に応じて、水を加えて顔料の体積濃度を調整した。対応する混合比は、以下の表3に示されている。

比較塗料は、上記の材料(UF−GNCC、GNCC−1、GNCC−2)を使用して同様の方法で調製した。

<結果> 本発明の顔料組成物及び比較顔料を使用することにより調製された塗料の光学特性及び粘度を表3に要約する。示されたパラメータを判定するために使用される方法は上に説明されている。

表3に示される光学特性から収集されるように、本発明の顔料組成物から調製された塗料は、特にコントラスト比及び艶消し特性に関して、満足のいく、良好な、又はさらに改善された光学特性を示す。

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