植物育成剤製造装置及びその運転方法

专利类型 发明专利 法律事件
专利有效性 公开 当前状态
申请号 JP2017021060 申请日 2017-02-08
公开(公告)号 JP2018127378A 公开(公告)日 2018-08-16
申请人 株式会社日立製作所; 申请人类型 企业
发明人 菅澤 貢; 第一发明人 菅澤 貢
权利人 株式会社日立製作所 权利人类型 企业
当前权利人 株式会社日立製作所 当前权利人类型 企业
省份 当前专利权人所在省份: 城市 当前专利权人所在城市:
具体地址 当前专利权人所在详细地址:東京都千代田区丸の内一丁目6番6号 邮编 当前专利权人邮编:
主IPC国际分类 C05D1/00 所有IPC国际分类 C05D1/00C05F11/06
专利引用数量 0 专利被引用数量 0
专利权利要求数量 6 专利文献类型 A
专利代理机构 专利代理人 ポレール特許業務法人;
摘要 【課題】 肥料 として高濃度 植物 育成剤を高効率に得られる植物育成剤製造装置及びその運転方法の提供 【解決手段】ダンピングボックス4からの一定量の竹チップと、循環 水 タンク6からの一定量の循環水を投入し、攪拌を行う溶出タンク8,58、攪拌後の竹チップと循環水が移送され竹チップの沈降を促す沈降タンク66、沈降タンク66からの竹チップと循環水を分離する脱水機17、脱水機17からの循環水を保管する循環水タンク6、循環水タンク6からの循環水を保管する溶出液タンク14、竹チップと循環水を溶出タンク8,58に投入から循環水タンク6に循環水を回収する迄の一連の処理を制御し、前記処理を繰り返し実行とともに、循環水タンク6内の循環水についての所定条件成立により、循環水を溶出液タンク14に移す制御を行う制御装置を備え、溶出液タンク14内の循環水を植物育成剤として得る植物育成剤製造装置 【選択図】図2
权利要求

ダンピングボックスからの一定量の竹チップと、循環タンクからの一定量の循環水を投入されて、攪拌を行う溶出タンクと、攪拌後の竹チップと循環水が移送され、竹チップの沈降を促す沈降タンクと、該沈降タンクからの竹チップと循環水を分離する脱水機と、脱水機からの循環水を保管する前記循環水タンクと、循環水タンクからの循環水を保管する溶出液タンクと、 竹チップと循環水を前記溶出タンクに投入、攪拌し、前記沈降タンクに移送し、前記脱水機において分離し、前記循環水タンクに循環水を回収するまでの一連の処理を制御し、当該一連の処理を繰り返し実行せしめるとともに、前記循環水タンク内の循環水についての所定条件成立により、循環水を前記溶出液タンクに移す制御を行う制御装置を備え、 前記溶出液タンク内の循環水を植物育成剤として得ることを特徴とする植物育成剤製造装置。請求項1に記載の植物育成剤製造装置であって、 前記溶出タンクは複数組を備えており、交互に竹チップと循環水が投入されることを特徴とする植物育成剤製造装置。請求項1に記載の植物育成剤製造装置であって、 前記沈降タンクは、仕切りによる二重室構造となっており、循環水が投入される内部室に生じた表面波うちが、外部室側に伝播しないようにされていることを特徴とする植物育成剤製造装置。請求項1に記載の植物育成剤製造装置であって、 前記循環水タンク内の循環水についての所定条件とは、前記循環水タンク内の循環水のカリウム濃度が所定濃度に達したことであることを特徴とする植物育成剤製造装置。請求項1に記載の植物育成剤製造装置であって、 前記循環水タンク内の循環水についての所定条件とは、 前記循環水タンクに循環水を回収するまでの一連の処理の繰り返し回数が所定回数に達したことであることを特徴とする植物育成剤製造装置。ダンピングボックスからの一定量の竹チップと、循環水タンクからの一定量の循環水を投入されて、攪拌を行う溶出タンクと、攪拌後の竹チップと循環水が移送され、竹チップの沈降を促す沈降タンクと、該沈降タンクからの竹チップと循環水を分離する脱水機と、脱水機からの循環水を保管する前記循環水タンクと、循環水タンクからの循環水を保管する溶出液タンクとを備え、 竹チップと循環水を前記溶出タンクに投入、攪拌し、前記沈降タンクに移送し、前記脱水機において分離し、前記循環水タンクに循環水を回収するまでの一連の処理を繰り返し実行せしめ、前記循環水タンク内の循環水についての所定条件成立により、循環水を前記溶出液タンクに移し、前記溶出液タンク内の循環水を植物育成剤として得ることを特徴とする植物育成剤製造装置の運転方法。

说明书全文

本発明は、草本系バイオマスとして、例えば竹を用いて肥料として植物育成剤を製造するための植物育成剤製造装置及びその運転方法に関する。

本発明は、草本系バイオマスを対象としているが、以下の説明においては代表例として竹の場合について説明する。

竹はアジアを中心に多量に生息しているが、プラスッチックなどの普及により、その利用用途はアジアの一部で足場材として利用されている以外に、多量に消費する技術が無いのが実情である。また日本では、輸入竹の子の進出により、国内の孟宗竹の需要が低下し、西日本を中心に放置された竹林が林野、田畑に侵食し、生態系の変化なども伴って「竹害」と呼ばれるくらい深刻な問題となっている。

近年、草本系バイオマスを用いてエネルギーを確保し、あるいは草本系バイオマスから肥料などを生成するという観点から、多くの検討がなされている。この点に関連して、例えば特許文献1では、草本系バイオマスとして例えば竹について、竹を燃料に改質し、さらには竹から肥料を得ることを可能とする「植物性バイオ燃料改質方法、システム及び生産方法」が提案されている。

竹は昔から民生用としてお土産や調度品、あるいは家庭用器材などに多く使用されている身近な素材であるが、これを工業的に燃焼に用い、さらには改質して肥料としての活用を図るような検討については多くなされていなかったというのが実情である。然るに、竹の工業的な利用が促進されれば、上記の課題は解消され、かつ豊富なエネルギー源を確保できることになる。

特許第5753959号

上記特許文献1に記載の手法は、要するに微粒化した竹を常圧のに浸し、竹を脱水し、脱水された竹を燃料として利用し、脱水により得られた溶液を肥料として利用するものであり、これによれば、竹に含まれるカリウムなどは肥料として抽出され、竹そのものは燃料として抽出することが可能であるとしたものである。

本発明は、特許文献1に記載の手法のうち、肥料を得る側の処理の改良に関わるものである。この場合に、特許文献1に記載の肥料作成手法では、脱水により得られた溶液を個体の肥料とするためには、溶液を煮詰める必要があり、このために要する熱エネルギーが無視しえないものであった。例えば、竹から得た燃料を使用するにしても、燃料の多くを肥料作成のための熱エネルギーとして利用する必要があり、システム全体としては効率の良くないシステムとならざるを得ないものであった。

以上のことから本発明においては、肥料として高濃度の植物育成剤を高効率に得ることができる植物育成剤製造装置及びその運転方法を提供することを目的としている。

以上のことから本発明においては、「ダンピングボックスからの一定量の竹チップと、循環水タンクからの一定量の循環水を投入されて、攪拌を行う溶出タンクと、攪拌後の竹チップと循環水が移送され、竹チップの沈降を促す沈降タンクと、沈降タンクからの竹チップと循環水を分離する脱水機と、脱水機からの循環水を保管する循環水タンクと、循環水タンクからの循環水を保管する溶出液タンクと、 竹チップと循環水を溶出タンクに投入、攪拌し、沈降タンクに移送し、脱水機において分離し、循環水タンクに循環水を回収するまでの一連の処理を制御し、当該一連の処理を繰り返し実行せしめるとともに、前記循環水タンク内の循環水についての所定条件成立により、循環水を前記溶出液タンクに移す制御を行う制御装置を備え、 前記溶出液タンク内の循環水を植物育成剤として得ることを特徴とする植物育成剤製造装置。」としたものである。

また本発明においては、「ダンピングボックスからの一定量の竹チップと、循環水タンクからの一定量の循環水を投入されて、攪拌を行う溶出タンクと、攪拌後の竹チップと循環水が移送され、竹チップの沈降を促す沈降タンクと、沈降タンクからの竹チップと循環水を分離する脱水機と、脱水機からの循環水を保管する循環水タンクと、循環水タンクからの循環水を保管する溶出液タンクとを備え、 竹チップと循環水を溶出タンクに投入、攪拌し、沈降タンクに移送し、脱水機において分離し、循環水タンクに循環水を回収するまでの一連の処理を繰り返し実行せしめ、循環水タンク内の循環水についての所定条件成立により、循環水を溶出液タンクに移し、溶出液タンク内の循環水を植物育成剤として得ることを特徴とする植物育成剤製造装置の運転方法。」としたものである。

本発明によれば、肥料として高濃度の植物育成剤を高効率に得ることができる。

竹の溶出液利用回数と溶液中のカリウム濃度の関係を整理した図。

本発明の実施例に係る植物育成剤製造装置の構成例を示す図。

2台の溶出タンク8、58の処理過程を説明するための図。

植物育成剤製造装置の主要な設備機器についての一連の動作順序を示した図。

以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。

まず、本発明で採用可能な草本系バイオマスを明らかにしておく。これらは特許文献1に例示されたものが採用可能であり、具体的には以下のようなものである。

これらは例えば、空果房(EFB)、果肉ファイバー、パーム椰子の剪定枝、パーム椰子の古木(トランク)、又はファルカタの殻、樹皮(バーク)、ファルカタの剪定枝、ファルカタの古木、或いはユーカリ、アカシア、アブラギリ、マングローブの樹皮(バーク)、木質チップ取得後の心材、剪定枝、或いはバナナの空果房、バナナの剪定枝、バナナの葉、バナナの古木、又はパイナップル、竹類など。褐炭、泥炭、亜瀝青炭など塩基成分の高い物にも適用可能となる。更に藻などの水中植物類、野菜などであるが、以後の説明では竹の例で説明する。

本発明者らは、竹について各種の実験を行った。図1は、実験の一例として、竹の溶出液利用回数(横軸)と溶液中のカリウム濃度(縦軸)の関係を整理したものである。

図1の実験は、カリウム濃度が7100(ppm)の竹について、溶出液を再利用してどこまでカリウムが溶出するのかを確認した結果を示している。この結果、溶出液の再利用により、再利用回数が21回の時に最大で、溶液中のカリウムが濃度6500(ppm)まで上昇し、以後は飽和傾向を示すことが確認できた。

本発明者らは、一般的な知見として当初、原料中の約半分の濃度程度で溶出は飽和するものと予想していたが、実験結果はこの予想を裏切るものであった。この予想は、竹の細胞膜にカリウムが多量に含まれていると想定したものであったが、実験結果からはむしろ竹の水分中に多くのカリウムが含まれていると推定することが妥当であり、約50%の竹水分中にカリウムが存在していると推定すれば、図1に示す高濃度でのカリウム溶出が理解できる。

本発明は、係る新知見に基づいたものであり、竹から肥料を得るにしても、固体状の肥料とするのではなく、高濃度の溶液としての肥料として、植物育成剤を得ることに着目したものである。この場合には、乾燥に要する熱エネルギーが不用であることから必然的に高効率なプラントにできることは言うまでもない。

本発明により得られた高濃度の溶液について、植物の育成を助ける植物育成剤として適切なものであることを確認するために、第三者機関である公益財団法人肥料検定協会に溶出液の植物栽培効果確認試験及び有害物質有無の分析試験を依頼した結果、有害物質は検出されなかった。また栽培試験では、一般肥料を添加した状態で小松菜の栽培試験を実施した結果、管理竹林を想定し1haに200tの竹を伐採し、溶出液200tを散布した場合を基準量とし、2、3、4倍の濃度で確認した結果、小松菜重量で1.2から1.4倍の重量且つ丈も1乃至2cm高くなり、育成効果が認められた。また、収穫期に竹の溶出液が無い小松菜は葉先が変色したのに対して、溶出液を与えた小松菜は変色が無く良好であった。

肥料は国の定めた濃度及び製造方法となるが、竹の溶出液はそのまま散布することで植物育成を助ける効果があることが確認できたことで都道府県が定める特殊肥料申請が可能である。

図2は、本発明の実施例に係る植物育成剤製造装置の構成例を示す図である。図2には、チップ化された竹を搬入し、最終的に溶出液として植物育成剤を得るプロセスの系統構成例が示されている。

図2の上段左上側から順次説明する。左上に示したダンピングボックス4にチップ化された竹(以下竹チップという)が搬入される。搬入は直接、間接を問わず、例えば直接搬入としては、ダンピングボックス4を含む図2のプラントが竹伐採現場近傍に設置されており、2.5m程度に定尺された竹1を竹フィーダ2に載せ、竹チッパー3により細断し、輸送ホース80などを用いた圧送により、ダンピングボックス4に送ることが考えられる。間接搬入としては、ダンピングボックス4を含む図2のプラントを竹伐採現場近傍に設置できない場合に、竹伐採現場でチップ化した竹を運搬カー43に積載して輸送し、ダンピングボックス4に投入することが考えられる。

直接搬入または間接搬入された細断された竹は、ダンピングボックス4内に落下し貯留される。ダンピングボックス4内部の竹は、一方に偏らないように供給フィーダ18により均一化される。また貯留された竹には、乾燥防止の観点から散水ノズル74から散水が行われる。

ダンピングボックス4の下部には、2台の溶出タンク8、58が備えられている。ダンピングボックス4と溶出タンク8の間には、上部側の一次ダンパ44と下部側の二次ダンパ46の間に計量スペース45が形成されている。同様に、ダンピングボックス4と溶出タンク8の間には、上部側の一次ダンパ62と下部側の二次ダンパ64の間に計量スペース63が形成されている。

この機構によれば、最初に一次ダンパ44が開放されて竹チップが計量スペース45に落下し、計量スペース45内に竹チップが充填された後に一次ダンパ44が閉じられる。その後二次ダンパ46が開放されて、計量スペース45の容積で定まる一定量の竹チップが溶出タンク8に投入される。同様にして、一次ダンパ62が開放されて竹チップが計量スペース63に落下し、計量スペース63内に竹チップが充填された後に一次ダンパ62が閉じられる。その後二次ダンパ64が開放されて、計量スペース63の容積で定まる一定量の竹チップが溶出タンク58に投入される。

なお、計量スペース45、63は蛇腹構造となっており、長さを調整することで投入する竹チップ量を調整できるようになっている。これにより竹種類で異なるかさ比重などの変動分を調整すると共に処理量の微調整を行えるようになっている。

2台の溶出タンク8、58には、循環水タンク6から循環水ポンプ7で取り出された循環水が、それぞれ給水弁57と65を経由して供給されている。給水弁57と65は、所定の一定時間だけ開放するように制御されることで、溶出タンク8、58内には規定量の循環水が投入される。

また2台の溶出タンク8、58内には、排出ポンプ11、61が設置されており常に運転されている。排出ポンプ11、61の出口には三方弁9、59が設けられている。三方弁9、59は、弁口a、b、cを有しており、常時は排出ポンプ11、61の弁口aと攪拌用ノズル10、60側の弁口bが開放することで、溶出タンク8、58内の溶出液をタンク内で循環させている。これにより、常に溶出液を溶出タンク8、58内に戻し、内部の攪拌を行い、竹の粒子が溶出タンク8、58の底部に停滞しないようにしている。また三方弁9、59は、溶出液を溶出タンク8、58の外部に排出するときには、排出ポンプ11、61の弁口aと沈降タンク66側の弁口cが開放することで、溶出タンク8、58内の溶出液を沈降タンク66に送出する。

かくして、2台の溶出タンク8、58内には、一定量の竹チップと規定量の循環水が投入され、内部での攪拌と滞留により竹の塩素、カリウムが十分水と接触し溶出して、溶出液となる。溶出液は、一定量の竹チップと規定量の循環水の投入、および所定量の溶出液送出が相互に制御されることにより、所定濃度を維持している。

図3は、2台の溶出タンク8、58の処理過程を説明するための図である。ここでは、溶出タンク8について、一定量の竹チップと規定量の循環水の投入が完了し、従って二次ダンパ46と給水弁57が閉じている時刻t1から20分間、三方弁9の弁口aとbを開放して溶出液を溶出タンク8内に戻し、内部の攪拌を行い、竹の粒子が溶出タンク8の底部に停滞しないようにする溶出処理過程を実行する。

20分後の時刻t2において、引き続いて溶出タンク8について、三方弁9が切替わり、開いていた弁口bを閉じ、弁口aとcを開放して、溶出完了した溶出液を溶出タンク8から沈降タンク66へと排出する排出行程が実行される。溶液は10分以内に排出可能なように排水ポンプ11の容量が決められている。

さらに溶出タンク8について、排出工程の10分が経過した時刻t3において、三方弁9は、開いていた弁口cを閉じ、弁口aとbを開放する態様に切り替わる。それと同時に、給水弁57が開き、時刻t4までの10分間で溶出タンク8内に水を張る。その動作に連動して二次ダンパ46が開き、計量スペース45に溜まっていた竹チップが溶出タンク8内に供給される。二次ダンパ46は水張り完了の10秒前に閉止し、一次ダンパ44が開放される。この一次ダンパ44は、排出工程10秒前まで開状態を保持する。

これにより、溶出タンク8は20分間の溶出工程、10分間の排出行程、10分間の水張工程による合計40分間の工程を一巡して休止状態に入る。

他方、溶出タンク58は、溶出タンク8における水張開始の時刻t3を溶出工程開始の時刻t1´と位置付けて、溶出タンク8における上記一連の処理と同じ処理を、同様に実行する。この結果、図3に示すように、溶出タンク8から沈降タンク66への溶出液の送出は1時間ごとに行われる。また溶出タンク58から沈降タンク66への溶出液の送出も1時間ごとに行われ、結果として沈降タンク66には30分間隔で交互に溶出液が送出されてくることになる。この場合の溶出液の濃度は、一定量の竹チップと規定量の循環水の投入並びに時間制御により、一定濃度に確保される。

以上の動作を溶出タンク8側と溶出タンク58側で交互に繰り返す。この動作過程で溶出タンク8、58とも水張りしない期間がある。この時には、図3下部に示す循環水ポンプ7の循環水の行先が無くなることから、循環水循環弁67を開放し、循環水ポンプ7からの循環水の行先を循環水タンク6とする循環経路を確保する。

図2にもどり、次に、沈降タンク66に送られた溶出液は、攪拌を行わない沈降タンク66内で、溶出液中の竹成分が1分程度で底部に沈降する。沈降タンク66内は、仕切りによる二重室構造となっており、溶出液が投入される内部室66Aに生じた表面波うちが、外部室66B側に伝播しないようにしている。外部室66Bの表面側には循環水タンク6に液側のみを戻す上澄み回収ライン56が設けられている。

他方、沈降タンク66に沈降した竹チップは、沈降チップロータリーバルブ55で抜き取られ、スクリューフィーダ16で脱水器17へ送られる。このとき、脱水器17の入り口にはリンス水が投入され、脱水器17の前段でリンス水により竹チップをすすぐ処理を行う。リンス水は、リンス水タンク19からリンス水ポンプ20で送られ、リンス水流量計22で規定量となるようリンス水弁21により調整される。なお、リンス水ポンプ20で送られたリンス水の一部は、分岐されて散水ノズル弁77により流量調整された散水として、散水ノズル74からダンピングボックス4内の竹チップに散水される。

脱水器17では、沈降タンク66に沈降した竹チップについて、これを脱水して、脱水チップと脱水液に分離する。このため脱水器17には、例えば0.3mm孔のスクリーンを備えており、脱水液側には竹チップのうち0.3mm以下の粒子が混ざり、脱水チップ側は0.3mm以上の竹チップのみが排出される。

このようにして脱水器17において、脱水チップと脱水液に分離されるが、以後の処理について、脱水液を取扱うのが図2の下段に示したプロセスである。ここでは、脱水チップを取扱うプロセス3ついての説明を省略し、脱水液を取扱う図2下段のプロセスについて説明を行う。

図2の下段には、植物育成剤製造装置において使用する水回りの設備を表している。水回りの処理のために、3種類のタンクと液体を区別して使用している。

タンクの1つ目はリンス水タンク19であり、リンス水ポンプ20で取り出したリンス水をスクリューフィーダ16に提供して竹チップを濯ぎ、あるいは散水ノズル74から散水として竹チップに与える。なお、リンス水タンク19内にはリンス水タンク水位調整弁24が設置されて、タンク内から取り出したと同量の工業用水を補充している。

タンクの2つ目は循環水タンク6であり、溶出タンク8、58に循環水を提供している。また溶出タンク8、58に循環水を供給しない時間帯では循環水循環弁67によるタンク内への戻し処理を行っている。また、循環水タンク6内には循環水タンク水位調整弁25が設置されて、タンク内から取り出したと同量の工業用水を補充している。

循環水タンク6には、設備の各所に供給した循環水が戻ってくる戻りラインが形成されている。その一つは沈降タンク66からの上澄み回収ライン56である。沈降タンク66からの上澄みは、不純物を含んでいないのでそのまま循環水タンク6内に戻される。脱水器17からの脱水水も循環水タンク6に戻される。なお、乾いて浮遊する竹チップは最終的に循環水タンク6の中で浮遊するため、浮遊物かき取り装置75により循環水タンク6の外へ改質不適物76として払いだす。

タンクの3つ目は溶出液タンク14である。溶出液タンク14には植物育成剤製造装置内の各所からの溶出液が導入されている。溶出液タンク14に蓄積された溶出液は、排出されて植物育成剤輸送車43へと抜き出されて、使用先に提供される。各所からの溶出液は、溶出タンク8、58のオーバーフロー液であり、循環水タンク6からの抜き取り水である。

図1において、循環水タンク6には、脱水器17より排出された脱水水が蓄積されており、適宜循環されて再利用がされている。このとき、循環水ポンプ7の出口には、循環水カリウム・塩素分析計12が設けられており、循環水中のカリウムと塩素を連続分析している。このカリウム又は塩素が管理値を超えると、循環水抜き取り弁13が開動作し、循環水を溶出液タンク14に排出する。また循環水タンク6には循環水レベル計38が設置されており、循環水タンク6内のレベルが規定レベル以上に上昇した場合は、循環水抜き取り弁13を強制的に開動作して循環水タンク6のレベルを下げるように作動している。また循環水タンク6には溶出タンク8、58のオーバーフロー液が導入されている。これら一連の動作により、植物育成剤製造装置内の水系統は、所定レベル、所定濃度などの状態に維持されている。

なお、循環水抜き取り弁13が開動作して循環水を溶出液タンク14に排出する条件としては、例えば循環水カリウム・塩素分析計12が検知したカリウムについて図1の濃度6000(ppm)を管理値として動作させ、あるいは図1の特性から濃度6000(ppm)の管理値に到達する程度の溶出液再利用回数に応じて動作させるものであってもよい。

なお、竹はチップのまま放置すると徐々に乾燥する。乾燥した竹は、水に浮くため内部まで水が入らず、結果としてカリウム類を溶出することが出来ない。このため図1のダンピングボックス4では、その内部の竹チップが乾燥しないように竹チップに散水する。この系統は、リンス水ポンプ20の出口から分岐し、散水ノズル74へと送られ、ダンピングボックス4内の竹チップが乾燥し無いように、散水ノズル弁77により定期的に散水を行う系統である。

また、乾いて浮遊する竹チップは、最終的に循環水タンク6の中で浮遊するため、循環水タンク6に浮遊物かき取り装置75を配置し、浮遊物かき取り装置75により循環水タンク6の外へと払いだす。払い出された浮遊物は、改質不適物76として貯留され一定量溜まれば竹林に散布して竹の育成剤として使用するのがよい。

図4は、図2に示した植物育成剤製造装置の主要な設備機器についての一連の動作順序を示した図であり、横軸に時間、縦軸に植物育成剤製造装置の主要な設備機器とその処理を示している。

縦軸に示す植物育成剤製造装置の主要な設備機器としては、ダンピングボックス4、溶出タンク8、58、沈降タンク66、脱水機17、循環水タンク6、溶出液タンク14を示している。

横軸の時間は、処理周期Tにより区分されており、各処理周期のうち奇数の添え字を付した処理周期T1、T3などは溶出タンク8による処理を、各処理周期のうち偶数の添え字を付した処理周期T2、T4などは溶出タンク58による処理を行う期間である。

図示の事例では、最初の周期T1の時に溶出タンク8にダンピングボックス4から一定量の竹チップを投入し、また溶出タンク8に循環水タンク6から一定量の循環水が投入される。なお、最初の周期の時、循環水は工業用水とされるのがよい。溶出タンク8内で攪拌された一定量の竹チップと一定量の循環水は、沈降タンク66に移送され、これらの過程を通じて工業用水はカリウムが溶出した溶出液を含む循環水となる。脱水機17において、竹チップと循環水は分離され、竹チップは植物育成剤製造装置の系外に排出され、例えば燃料として利用される。脱水機で分離された循環水は、沈降タンク66からの循環水と共に、循環水タンク6に回収される。

次の周期T2では、溶出タンク58にダンピングボックス4から一定量の竹チップを投入し、また溶出タンク58に循環水タンク6から一定量の循環水が投入される。この時の循環水は、最初の周期T1の時に、循環水タンク6に回収された循環水であり、カリウムが溶出した溶出液を含む循環水となっている。溶出タンク58内で攪拌された一定量の竹チップと一定量の循環水は、沈降タンク66に移送され、これらの過程を通じて工業用水はカリウムがさらに溶出し、濃度を増した溶出液を含む循環水となる。脱水機17において、竹チップと循環水は分離され、竹チップは植物育成剤製造装置の系外に排出され、例えば燃料として利用される。脱水機で分離された循環水は、沈降タンク66からの循環水と共に、循環水タンク6に回収される。

以後、溶出タンク8、58を交互に使用することで、循環水タンク6に回収された循環水は、カリウムが溶出し濃度を増した溶出液を含む循環水となってくる。図4に示すように、材料としての竹チップは、その都度新しいものが投入されて、排出されていくが、循環水は、溶出タンク8または58⇒沈降タンク66⇒脱水機17⇒循環水タンク6⇒溶出タンク8または58で形成される再循環ラインにより循環し、順次その濃度を増していく。

かくして、例えば周期Tnにおいて、循環水タンク6内の循環水について、循環水カリウム・塩素分析計12が検知したカリウム濃度は、管理値である6000(ppm)に達したものとする。このとき、循環水タンク6内の循環水は溶出液タンク14に移送される。なお、管理値の管理は、図1の特性に基づいて、溶出液再利用回数の観点から行うものであってもよい。循環水を溶出液タンク14に移送後は、循環水タンク6には再度工業用水が投入され、再利用に供される。

以上要するに本発明においては、「ダンピングボックス4からの一定量の竹チップと、循環水タンク6からの一定量の循環水を投入されて、攪拌を行う溶出タンク8、58と、攪拌後の竹チップと循環水が移送され、竹チップの沈降を促す沈降タンク66と、沈降タンク66からの竹チップと循環水を分離する脱水機17と、脱水機17からの循環水を保管する前記循環水タンク6と、循環水タンク6からの循環水を保管する溶出液タンク14と、 竹チップと循環水を溶出タンクに投入、攪拌し、沈降タンク66に移送し、脱水機17において分離し、循環水タンク6に循環水を回収するまでの一連の処理を制御し、当該一連の処理を繰り返し実行せしめるとともに、循環水タンク6内の循環水についての所定条件成立により、循環水を溶出液タンク8、58に移す制御を行う制御装置(図2には図示せず)を備え、 溶出液タンク内の循環水を植物育成剤として得る植物育成剤製造装置。」を構成したものである。

この場合に、循環水タンク内の循環水についての所定条件とは、循環水タンク内の循環水のカリウム濃度が所定濃度に達したことであり、あるいは循環水タンクに循環水を回収するまでの一連の処理の繰り返し回数が所定回数に達したことである。

なお、本発明の考え方を広く草本系バイオマスに適用する場合には、その種別に応じて溶出液利用回数と溶液中のカリウム濃度が相違するものと考えられることから、図1の実験を各草本系バイオマスで実施し、その場合の溶出液利用回数や溶液中のカリウム濃度を確認の上で、管理値を適切に定める必要があることは言うまでもない。

1:竹 2:竹供給フィーダ 3:竹チッパー 4:ダンピングボックス 5:竹脱水チップロータリーバルブ 6:循環水タンク 7:循環水ポンプ 8、58:溶出タンク 9、59:三方弁 10、60:攪拌用ノズル 11、61:排出ポンプ 12:循環水カリウム・塩素分析計 13:循環水抜き取り弁 14:溶出液タンク 15:溶液タンクレベル計 16:スクリューフィーダ 17:脱水器 19:リンス水タンク 20:リンス水ポンプ 21:リンス弁 22:リンス水流量計 24:リンス水タンク水位調節弁 25:循環水タンク水位調節弁 43:運搬カー 44、62:一次ダンパ 45、63:計量スペース 46、64:二次ダンパ 56:上澄み回収ライン 66:沈降タンク 67:循環水循環弁

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