专利类型 |
发明专利 |
法律事件 |
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专利有效性 |
公开 |
当前状态 |
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申请号 |
JP22598098
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申请日 |
1998-08-10 |
公开(公告)号 |
JP2000063185A |
公开(公告)日 |
2000-02-29 |
申请人 |
Sekisui Chem Co Ltd;
積水化学工業株式会社;
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申请人类型 |
企业 |
发明人 |
FUKUYAMA KAZUYUKI;
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第一发明人 |
FUKUYAMA KAZUYUKI
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权利人 |
Sekisui Chem Co Ltd,積水化学工業株式会社 |
权利人类型 |
企业 |
当前权利人 |
Sekisui Chem Co Ltd,積水化学工業株式会社 |
当前权利人类型 |
企业 |
省份 |
当前专利权人所在省份: |
城市 |
当前专利权人所在城市: |
具体地址 |
当前专利权人所在详细地址: |
邮编 |
当前专利权人邮编: |
主IPC国际分类 |
B32B27/30
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所有IPC国际分类 |
B32B27/30
; B28B1/14
; B28B1/16
; C04B26/06
; C04B40/06
; C04B41/61
; C04B41/72
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专利引用数量 |
0 |
专利被引用数量 |
0 |
专利权利要求数量 |
0 |
专利文献类型 |
A |
专利代理机构 |
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专利代理人 |
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摘要 |
PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain a concrete surface hardening-retarding tape capable of easily removing a non-hardened concrete stain leaked on the surface of a tile by laminating an adhesive layer comprising a suspension polymerization type acrylic adhesive, a water-soluble polymer and a concrete hardening retarder to one surface of a synthetic resin substrate. SOLUTION: This concrete surface hardening-retarding tape is obtained by laminating an adhesive layer comprising 100 pts.wt. of a suspension polymerization type acrylic adhesive having a weight-average mol.wt. of 500,000-5,000,000, 0.5-20 pts.wt. of a water-soluble polymer and 0.05-50 pts.wt. of a concrete hardening retarder to one surface of a synthetic resin substrate. The suspension type acrylic adhesive is preferably obtained by the suspension polymerization of a vinylic monomer composition comprising 100 pts.wt. of an alkyl (meth)acrylate wherein the alkyl group has 1 to 12 carbon atoms, 1-50 pts.wt. of a vinylic monomer containing a polar group, and 0.1-20 pts.wt. of a polyfunctional vinylic monomer. Even when absorbing water and moisture, the adhesive layer is hardly swollen and scarcely causes the deterioration in the cohesive force of the adhesive. COPYRIGHT: (C)2000,JPO |
权利要求 |
【特許請求の範囲】 【請求項1】 合成樹脂基材の一面に、懸濁重合型アクリル系粘着剤、水溶性高分子およびコンクリート硬化遅延剤からなる粘着剤層が積層されていることを特徴とするコンクリート表面硬化遅延テープ。 【請求項2】 合成樹脂基材の一面に、重量平均分子量が50万〜500万の懸濁重合型アクリル系粘着剤10 0重量部、水溶性高分子0.5〜20重量部およびコンクリート硬化遅延剤0.05〜50重量部からなる粘着剤層が積層されていることを特徴とする請求項1記載のコンクリート表面硬化遅延テープ。 【請求項3】 懸濁重合型アクリル系粘着剤が、アルキル基の炭素数が1〜12の範囲にあるアルキル(メタ) アクリレート100重量部、極性基含有ビニルモノマー1〜50重量部および多官能性ビニルモノマー0.1〜 20重量部からなるビニルモノマー組成物を懸濁重合により共重合したものであることを特徴とする請求項1および2記載のコンクリート表面硬化遅延テープ。 |
说明书全文 |
【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート表面硬化遅延テープに関し、特に、プレキャストコンクリート板(PC板)にタイルを先付けする際に用いられ、タイル表面の汚れを容易に除去することを可能としたり、或いはコンクリート表面に直接適用して、骨材洗い出しを容易とし得るコンクリート表面硬化遅延テープに関する。 なお、本明細書ではセメント、モルタルなどの硬化物を「コンクリート」と総称するものとする。 【0002】 【従来の技術】従来から、ビルなどの建造物において美観を高めるために、外壁にタイルが多用されている。 しかしながら、コンクリートの壁面を形成した後に、現場にてタイル貼りを施工するには、多数の作業者を必要とし、かつ長時間に渡る作業が強いられるものであった。 【0003】そこで、最近では予めタイルが貼り付けられたコンクリートパネルを工場で製造し、現場において組み立てる方法、すなわちタイル先付け工法が採用されている。 このタイル先付け工法は、一般に、必要な数のタイルをマトリックス状に貼りつけたタイルパックを製作し、これを型枠内面にセットする。 次に、型枠内にコンクリート組成物を打設し、養生する。 しかる後、コンクリートが硬化した後に、型枠を解体してPC板を得るというものである。 【0004】ところで、タイル先付け工法では、しばしばコンクリート組成物を打設した後、コンクリート組成物の一部が目地部分からタイル表面に漏洩し硬化することがあり、そのため、硬化後に型枠を解体した後、タイル表面に漏洩したコンクリート硬化物を除去しなければならなかった。 【0005】しかしながら、硬化後のコンクリートが非常に硬いと同時にタイル表面に傷を付けてはならないため、機械的にコンクリート硬化物を除去することも難しく、皮スキ、カッターナイフなどの工具を用いて人手により削り取らなければならず煩雑なものであった。 【0006】そこで、硬化遅延剤を使用することでタイル表面で硬化したコンクリート汚れを容易に除去する方法が提案されている(例えば、特開平8−118325 号公報など)。 【0007】すなわち、特開平8−118325号公報に開示されている方法は、まず、硬化遅延剤を含有する粘着剤を積層した粘着テープの粘着面に、タイルを所定の間隔を保って貼り付けた後、目地部に目地止め部材をセットすることによりタイルパックを作成し、型枠内にセットした後、コンクリート組成物を打設し、コンクリートが硬化した後脱型し、その後、上記粘着テープを剥離するというものであり、この際にタイルの間隙や表面に浸出したコンクリート組成物は未硬化状態であり、たわしなどでこすりつつ水洗いすることにより容易に除去することができるというものであった。 【0008】しかしながら、粘着剤のベースポリマーとしてエマルジョン型粘着剤を使用しているため耐水性の点で劣ることがある。 特に、コンクリート組成物中の多量の水分やコンクリート組成物を早期に硬化養生させるための蒸気を吸収し膨潤することがあり、このため粘着剤の凝集力が低下し、タイル表面に粘着剤が付着し、水洗いでは十分に除去できないという問題点があった。 【0009】また、コンクリート表面を洗い出して骨材を露出させる場合にも、上述の如き問題は避けられるものではなかった。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、タイル先付け工法において、タイル表面に対して良好な接着性を示し、コンクリートが硬化した後に剥離した際にタイル表面に粘着剤が残ることがなく、タイル表面に漏洩したコンクリート未硬化物の汚れを容易に除去することができるコンクリート表面硬化遅延テープを提供することにある。 また、コンクリート表面の洗い出しによる骨材露出に用いた場合にも好適なコンクリート表面硬化遅延テープを提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達成するために成されたものであり、その構成は、合成樹脂基材の一面に、重量平均分子量が50万〜500万の懸濁重合型アクリル系粘着剤100重量部、水溶性高分子0.5〜20重量部およびコンクリート硬化遅延剤0.03〜7重量部からなる粘着剤層が積層されていることを特徴とするコンクリート表面硬化遅延テープである。 【0012】以下に、各構成要件について詳細に説明する。 合成樹脂基材 本発明で使用される合成樹脂基材は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、 ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂からなるフィルムを用いることができ、これらのフィルムを積層したものであってもよい。 また、上記フィルムは、延伸されたものでも、延伸されてないものでもよい。 【0013】合成樹脂基材の厚みは、薄くなるとコシが弱く、タイルパックにした場合持ち運びなどの取り扱いが難しくなり、また厚くなると合成樹脂基材をロール状に巻いた時に外径が大きくなり、長尺化が困難となり、 使用し難くなるため、15〜200μm程度とすることが好ましい。 【0014】 粘着剤 本発明で使用される粘着剤は、重量平均分子量が50万〜500万の懸濁重合型アクリル系粘着剤100重量部、水溶性高分子0.5〜20重量部およびコンクリート硬化遅延剤0.03〜7重量部からなるものである。 【0015】 懸濁重合型アクリル系粘着剤 本発明で使用される懸濁重合型アクリル系粘着剤とは、 通常、公知のアクリル系共重合体の懸濁重合型粘着剤を意味する。 上記懸濁重合型アクリル系粘着剤はアクリル系共重合体が水中に分散したものであり、このため、後述する水性ポリマーやオキシカルボン酸もしくはその塩を容易に均一混合することができ、更に、懸濁重合型粘着剤は粒子内で架橋しているため、高い凝集力を有しており、コンクリートの打設に使用した場合でも糊残りという問題が少なく、好適である。 【0016】上記アクリル系共重合体としては、アルキル基の炭素数が1〜12の範囲にあるアルキル(メタ) アクリレート、極性基含有ビニルモノマーおよび多官能性ビニルモノマーとを共重合させた重合体が好ましい。 【0017】上記アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、 n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは併用されてもよい。 【0018】上記極性基含有ビニルモノマーとしては、 例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有ビニルモノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ) アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有ビニルモノマー;酢酸ビニル、 スチレン、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリルなどの高いガラス転移点を有するビニルモノマー;テトラフルフリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの低いガラス転移点を有するモノマーなどが挙げられ、これらは併用されてもよい。 【0019】上記極性基含有ビニルモノマーの含有量は、少なくなるとタイルに対する粘着力が不足することがあり、多くなるとタイルに対する粘着性が大きくなりすぎ、脱型後の剥離が困難になることがあるため、上記アルキル(メタ)アクリレート100重量部に対し1〜 50重量部にするのが好ましく、より好ましくは3〜3 0重量部である。 【0020】また、多官能ビニルモノマーを添加することにより、粒子内で架橋させることが可能である。 上記多官能性ビニルモノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ) アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられ、これらは併用されてもよい。 【0021】上記多官能性ビニルモノマーの添加量は、 少なくなると凝集力の低下に伴い、タイルなどへ糊残りし易くなり、多くなると充分な感圧接着性が得られず、 タイルなどとの密着性が低下することがあるため、上記アルキル(メタ)アクリレート100重量部に対し0. 1〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜1 0重量部である。 また、この場合の粘着剤層全体のゲル分率は、テトラヒドロフランに浸漬した場合において3 0〜90%が好ましい。 【0022】懸濁重合型アクリル系粘着剤は、高速攪拌混合機中で水、所望の割合で混合されたビニルモノマー混合物、サスペンジョン安定剤および開始剤を十分に攪拌混合し懸濁したものに加熱条件下で攪拌しながら重合することにより得られる。 【0023】上記サスペンジョン安定剤は、攪拌によって油滴状に分散させたものが衝突により合着しないようにする目的で添加されるものであり、水溶性高分子と難溶性微粉末状の無機化合物に大別される。 上記水溶性高分子としては、例えば、ゼラチン、トラガカントゴム、 デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドンなどが挙げられ、上記難溶性微粉末状の無機化合物としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、粘土などが挙げられる。 【0024】上記開始剤としては、通常、水に対して不溶性であり、かつビニルモノマー組成物に対して易溶性のものが使用され、例えば、(1)メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、P−クロロベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、 1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル) ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類;1,1−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、 1,1−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどのパーオキシケタール類;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレートなどのアルキルパーエステル類;ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート類などの有機過酸化物、(2)2,2'−アゾビス−イソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1'−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、4,4'−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド、2,2'−アゾビス−(2−アミノプロパン)ジヒドロクロライドなどのアゾビス系化合物などが挙げられる。 【0025】本発明で使用される懸濁重合型アクリル系粘着剤中に主成分として含まれるアクリル系共重合体の重量平均分子量は、小さくなると粘着剤の凝集力が低下し、剥離時の糊残りやタイルパックにした後にタイルの落下が起きることがあり、大きくなるとコンクリート硬化遅延剤であるオキシカルボン酸もしくはその塩との均一混合が難しくなるため、50万〜500万に限定され、好ましくは80万〜400万である。 【0026】 水溶性高分子 本発明で使用される水溶性高分子は、懸濁重合型アクリル系粘着剤とコンクリート硬化遅延剤との相溶性を向上させる目的で添加され、例えば、(1)澱粉、ふのり、 アルギン酸ナトリウム、にかわ、ゼラチン、卵白、アラビアゴム、プルランなどの天然水溶性高分子;(2)カルボキシル澱粉、ブリティッシュゴム、ジアルデヒド澱粉、デキストリン、カチオン澱粉、ビスコース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの半合成水溶性高分子;(3)ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体などの合成水溶性高分子;(4)ポリリン酸ナトリウム、水ガラスなどの無機水溶性高分子などを挙げることができ、 これらを2種以上適宜配合し、混合したものであってよい。 【0027】上記水溶性高分子の添加量は、少なくなるとコンクリート硬化遅延剤の相溶性が低下し、部分的に硬化遅延が異なることがあり、多くなると粘着剤層の凝集力が低下し、糊残りを起こすことがあるため、固形分換算において懸濁重合型アクリル系粘着剤100重量部に対して0.5〜20重量部が好ましく、より好ましくは0.7〜15重量部、特に好ましくは1.0〜12重量部である。 【0028】 コンクリート硬化遅延剤 上記コンクリート硬化遅延剤としては、従来より公知の適宜のコンクリート硬化遅延剤を用いることができ、例えば、(1)グルコン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、ガラクトン酸のようなオキシカルボン酸、あるいはこれらの塩;(2)ピルビン酸などのケトカルボン酸およびその塩;(3)ソルビトール、アラビトールなどの糖アルコール類;(4)グルコース、マンノース、サッカロースなどの糖類;(5)その他、珪弗化ナトリウム、珪弗化マグネシウム、硝酸鉛、リン酸ナトリウム、 フミン酸ナトリウムなどを挙げることができる。 【0029】上記オキシカルボン酸もしくはその塩(1)は、粘着剤中に含有させておくことにより未硬化のコンクリート組成物中に含まれる水分によって粘着剤層の表面に溶出し易くコンクリート硬化遅延剤として特に有効であり、更に他のコンクリート硬化遅延剤と比較して相溶性がよいため、粘着剤中に添加した場合、高い粘着力を発現できるという理由から好適である。 具体的には、グルコン酸ナトリウムとして「ディスパライトD V」(商品名、共栄社化学社製)、「ジョイノン」(商品名、山宗化学社製)、「ソフトコート」(商品名、デンカグレース社製)などの市販品を例示することができる。 【0030】上記コンクリート硬化遅延剤の添加量は、 少なくなると粘着剤層の厚みが小さい場合にはコンクリート表面の凝結を遅延させる効果が低下しやすくなり、 多くなると粘着力が低下する傾向にあり、かつ粘着剤層の厚みが大きい場合にコンクリートの表面層だけでなく目地などの内部まで硬化を遅延させる場合があるため、 固形分換算において懸濁重合型アクリル系粘着剤100 重量部に対して0.05〜50重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜30重量部、特に好ましくは0.5 〜20重量部である。 【0031】上記コンクリート硬化遅延剤の混合方法は特に限定されるものではないが、少量の水に溶解した後、懸濁重合型アクリル系粘着剤中に攪拌混合機を用いて徐々に添加混合することが一般的である。 【0032】 他の添加物 上記粘着剤には、他の性能を低下させない範囲において、他の添加剤が添加されてもよく、例えば、粘着付与樹脂、濡れ向上剤、増粘剤、消泡剤、凍結防止剤、皮張り防止剤、顔料などが挙げられる。 【0033】 積層方法 上記粘着剤の積層方法は特に限定されるものではなく、 例えば、合成樹脂基材の一面に直接塗工した後乾燥してもよいし、また、離型処理された工程紙上に一旦塗工した後乾燥したものを転写することにより積層してもよい。 【0034】上記粘着剤層の厚みは、薄くなるとコンクリート表面の硬化を遅延させる効果が低下することがあり、逆に厚くなると粘着テープ化が困難となると同時に、コンクリートの表面層だけでなく内部まで硬化が遅延する場合があるため、好ましくは15〜80μmとされる。 【0035】なお、本発明のコンクリート表面硬化遅延テープの粘着剤積層面には必要に応じて剥離紙(剥離ライナー)が積層されていてもよい。 また、本発明のコンクリート表面硬化遅延テープの他の面には、タイルパックを型枠に固定する目的で他の粘着剤が予め積層されていてもよく、上記他の粘着剤種については型枠との密着性が得られれば特に限定されるものではない。 【0036】 コンクリート表面硬化遅延テープの使用形 態 本発明のコンクリート表面硬化遅延テープをプレキャスト板の製造に適用する方法の一例を説明する。 まず、パック台の上にタイルをマトリックス状に並べる。 この際、所定寸法の目地部を正確に形成するとともに、該目地部には仮目地材を埋設する。 次いで、タイル表面に上記コンクリート硬化遅延剤を含有する粘着剤が接するようにコンクリート表面硬化遅延テープを貼り付けてタイルパックを得、これをタイルの裏面が内側を向くように型枠内にセットする。 しかる後、コンクリート組成物を型に打設し、養生を行い、コンクリートを硬化させる。 コンクリート硬化後、型枠を外し、しかる後上記コンクリート表面硬化遅延テープを剥離する。 【0037】このとき、タイルの目地部分からコンクリート組成物が漏洩することがあるが、上記粘着剤層中にコンクリート硬化遅延剤が含有されているため硬化があまり進行していない。 従って、タイル表面に付着したコンクリート組成物などは、水流などにより水洗いすることにより容易にかつ確実に除去することができる。 【0038】なお、コンクリート表面硬化遅延テープをセットするには、例えば、前述のように他面に予め粘着剤層を設けておいてもよいし、また予め型枠に両面テープを貼り付けておき、その上からコンクリート表面硬化遅延テープを重ね貼りしてもよい。 【0039】なお、別法として、本発明のコンクリート表面硬化遅延テープをコンクリート硬化遅延剤を含有する粘着剤が内側に向くように型枠の内部にセットし、粘着剤層が設けられた面上にタイルの化粧面が接するように複数枚のタイルをマトリックス状に貼り付けてもよい。 【0040】また、骨材洗い出しに適用する場合は、硬化遅延粘着剤層が内側に向くようにコンクリート表面硬化遅延テープを型枠にセットした後、コンクリートを打設すればよい。 【0041】 【作用】本発明のコンクリート表面硬化遅延テープは、 粘着剤のベースポリマーとして懸濁重合型アクリル系粘着剤を使用しているため、高い凝集力を有し、良好な耐水性を示す。 このため、水分や蒸気を吸収し膨潤しにくく、粘着剤の凝集力が低下しにくいものとなっており、 糊残りといった問題がほとんどないものとなっている。 【0042】 【実施例】 【0043】以下、本発明の非限定的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。 【0044】(懸濁重合型アクリル系粘着剤の製造)冷却管付きセパラブルフラスコ中に、ブチルアクリレート50重量部、2−エチルヘキシルアクリレート50重量部、アクリル酸3重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート0.5重量部およびベンゾイルパーオキサイド0.5重量部からなるモノマー組成物100重量部に対して、サスペンジョン安定剤としてポリビニルアルコール0.3重量部、純水を150重量部添加し、高速攪拌混合機中で十分に攪拌混合し懸濁し、かつ更に攪拌しながら70℃のウオーターバスに浸漬することにより懸濁重合し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量が100万の懸濁重合型アクリル系粘着剤を得た。 【0045】(実施例1〜7、比較例1〜2)延伸ポリプロピレンフィルムからなる合成樹脂基材(商品名「P Eラミクロス」、萩原工業社製、厚み40μm)の一面に、固形分換算で上記懸濁重合型アクリル系粘着剤もしくはエマルジョン型アクリル系粘着剤(商品名「エスダイン#7110」、積水化学社製、重量平均分子量10 0万以上)100重量部に対し、表1の配合に従い、水溶性高分子およびグルコン酸ナトリウム(商品名「ディスパライトDV」、共栄社化学社製)を添加し溶解した粘着剤溶液を、乾燥後の厚みが30μmとなるように塗布し、乾燥することによりコンクリート表面硬化遅延テープを得た。 【0046】上記実施例および比較例で使用した水溶性高分子は、ポリエチレンイミン(品番「グレードSP2 00」、日本触媒社製)、ポリビニルアルコール、メチルセルロース(商品名「マーポローズPS」、松本油脂社製)である。 【0047】〔評価〕実施例および比較例で得られたコンクリート表面硬化遅延テープに関して、以下の評価項目について測定・観察し、その結果を表1および表2に示した。 【0048】 タイル表面に対する180°ピール粘着 力 実施例および比較例で得られたコンクリート表面硬化遅延テープを25mm幅にカットし、タイル(商品名「ディアサンド」、イナックス社製、サイズ:縦95mm× 横45mm×厚さ6mm)の装飾面縦方向に粘着面を貼付し、2kgの圧着ローラーにて2往復させて圧着し、 23℃の恒温室で30分間放置した後、引張り試験機を用いてタイル表面に対する180°ピール粘着力を測定した。 【0049】 タイル表面への糊残りの有無 実施例および比較例で得られたコンクリート表面硬化遅延テープの粘着面に4枚のタイル(サイズ45mm×4 5mm)を6mmずつ間隔を空けて正方形になるように貼付して配置し、更にタイルの目地部およびタイルの周囲にポリエチレンフォーム(サイズ幅5mm×高さ5m m)を配置することにより108mm×108mmのタイルパックを作製した。 【0050】次いで、上記タイルパックを鉄製の型枠内にタイルが内側を向くように配置し両面テープにより固定し、その中にポルトランドセメント320重量部、砂831重量部、砂利1026重量部、減水剤3.2重量部および水144重量部からなるコンクリート組成物を高さ100mmまで充填し、80℃×90%RHの恒温恒湿槽で3時間熟成後、23℃×65%RHの条件下で24時間養生することにより硬化させた後、型枠から脱型しタイル先付けプレキャスト板を得た。 その後、コンクリート表面硬化遅延テープを剥離し、タイル表面への糊残りの有無を観察した【0051】 タイル表面の洗浄性 上記で得られたタイル先付けプレキャスト板の表面からコンクリート表面硬化遅延テープを剥離した後のタイル表面におけるノロ(コンクリート組成物の未硬化物もしくは硬化物)の有無と、ノロがあった場合に水圧50 0g/cm 2で1分間放水洗浄した場合の洗浄性を目視で観察し以下の評価基準に従って評価した。 【0052】(評価基準) ○・・・放水で完全に洗浄可能△・・・放水のみでは困難で、たわしで擦ることにより洗浄可能×・・・ノロの硬化物があり、洗浄不可能【0053】 硬化遅延深さ 実施例および比較例で得られたコンクリート表面硬化遅延テープを100mm×100mmにカットし、その粘着面にステンレス製円筒状枠(内径70mm、高さ20 mm)を配置し、その中にで使用したコンクリート組成物を充填し23℃×65%RHの条件下で48時間養生することにより硬化させた。 次いで、硬化したコンクリートを脱型した後、コンクリート表面硬化遅延テープを剥離し、粘着面に接していた部分を水道水で洗浄した。 洗浄前のコンクリート高さ(a)と洗浄後のコンクリート高さ(b)の差を硬化遅延深さとした。 単位はm mである。 【0054】 【表1】 【0055】 【発明の効果】請求項1記載の発明のコンクリート表面硬化遅延テープでは、懸濁重合型アクリル系粘着剤を使用しているため、高い凝集力を有する粘着剤層となっており、タイル表面への接着性が高く、容易にタイルパックを製造することができ、また、持ち運びの際にタイルが落下するといった不具合のないものとなっている。 また、上記タイルパックを使用してタイル先付けプレキャスト板を製造した後に、粘着テープを剥離してもタイル表面には殆ど糊残りがないものとなっている。 更に、タイル表面にコンクリートが染み出すことがほとんどなく、たとえ僅かにあったとしても放水によって簡単に除去できるものとなっており、意匠面であるタイル表面を傷つけることがない。 請求項2および3記載の発明のコンクリート表面硬化遅延テープは、上記構成を有するため、タイル先付けプレキャスト板を製造した後のタイル表面への糊残りやタイル表面のコンクリート未硬化物の洗浄が更に優れたものとなっている。 また、請求項1〜
3記載の発明のコンクリート表面硬化遅延テープは、コンクリート表面に対する遅延深さがほとんど均一なものとなっているため、コンクリート表面の洗い出しによる骨材露出に用いた場合にも均一に硬化を遅らせることができる。 |