专利类型 | 发明专利 | 法律事件 | |
专利有效性 | 有效专利 | 当前状态 | |
申请号 | JP2019188244 | 申请日 | 2019-10-11 |
公开(公告)号 | JP6699793B1 | 公开(公告)日 | 2020-05-27 |
申请人 | 王子ホールディングス株式会社; | 申请人类型 | 企业 |
发明人 | 眞田 祥平; 塩田 隼介; 佐藤 壮; 川浪 悠生; 盤指 豪; 小関 良樹; | 第一发明人 | 眞田 祥平 |
权利人 | 王子ホールディングス株式会社 | 权利人类型 | 企业 |
当前权利人 | 王子ホールディングス株式会社 | 当前权利人类型 | 企业 |
省份 | 当前专利权人所在省份: | 城市 | 当前专利权人所在城市: |
具体地址 | 当前专利权人所在详细地址:東京都中央区銀座4丁目7番5号 | 邮编 | 当前专利权人邮编: |
主IPC国际分类 | B31F5/00 | 所有IPC国际分类 | B31F5/00 ; B32B3/28 |
专利引用数量 | 3 | 专利被引用数量 | 0 |
专利权利要求数量 | 16 | 专利文献类型 | B1 |
专利代理机构 | 专利代理人 | 真田 有; | |
摘要 | 【課題】継手部の識別性を確保する。 【解決手段】蛇腹折りのダンボール材1は、連続するダンボールにおいて矩形状のシート2が第一方向CDに沿って直線状に延在する折目Fのそれぞれにおいて第二方向MDへ折り返され、第三方向TDに沿ってシート2が積み重ねられている。このダンボール材1は、ダンボールを構成する少なくとも一部の資材11,12どうしをダンボールの連続する方向に継ぎ合わせて連続させる継手部3と、継手部3の存在を識別させるマーキング部5と、を備えている。 【選択図】図2 | ||
权利要求 | 連続するダンボールにおいて矩形状のシートが第一方向に沿って直線状に延在する折目のそれぞれにおいて前記折目の沿う平面で前記第一方向に直交する第二方向へ折り返され、前記第一方向および前記第二方向の双方に直交する第三方向に沿って前記シートが積み重ねられた蛇腹折りのダンボール材であって、 前記ダンボールを構成する少なくとも一部の資材どうしを前記ダンボールの連続する方向に継ぎ合わせて連続させる継手部と、 前記継手部の存在を識別させるマーキング部と、を備え、 前記マーキング部は、前記継手部に連設された状態で前記シートから延出するフラップ部を備えた ことを特徴とするダンボール材。連続するダンボールにおいて矩形状のシートが第一方向に沿って直線状に延在する折目のそれぞれにおいて前記折目の沿う平面で前記第一方向に直交する第二方向へ折り返され、前記第一方向および前記第二方向の双方に直交する第三方向に沿って前記シートが積み重ねられた蛇腹折りのダンボール材であって、 前記ダンボールを構成する少なくとも一部の資材どうしを前記ダンボールの連続する方向に継ぎ合わせて連続させる継手部と、 前記継手部の存在を識別させるマーキング部と、を備え、 前記マーキング部は、前記継手部に対して取り外し自在に設けられたフラップ部を備えた ことを特徴とするダンボール材。前記マーキング部は、前記継手部の存在を知覚させる色,図柄および質感の少なくとも一つが設定されたデザインを有する ことを特徴とする請求項1または2に記載のダンボール材。前記マーキング部は、前記継手部の存在を知覚させる色が設定されたデザインを有し、前記デザインの前記色が前記シートの色に対して補色である ことを特徴とする請求項1または2に記載のダンボール材。前記マーキング部は、前記継手部の存在を光学的に検知させる識別子を有する ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のダンボール材。前記マーキング部は、金属材料を含有した ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のダンボール材。前記第三方向の一側に設けられた複数の前記折目で前記一側に設けられた前記シートが連設された第一のダンボール材と前記第三方向の他側に設けられた複数の前記折目で前記他側に設けられた前記シートが連設された第二のダンボール材とに分割された状態で前記第一のダンボール材と前記第二のダンボール材とが不連続に設けられた分割構造を備え、 前記継手部は、前記第一のダンボール材において前記他側における第一の端縁と前記第二のダンボール材において前記一側における第二の端縁とを継ぎ合わせて前記分割構造で分割された状態の前記第一のダンボール材と前記第二のダンボール材とを連続させるシート継手部を有する ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のダンボール材。前記シート継手部は、前記第一の端縁と前記第二の端縁とに跨がって前記第一の端縁および前記第二の端縁に貼り付けられるテープ部材を有する ことを特徴とする請求項7に記載のダンボール材。前記シート継手部の表面は、前記シートの表面よりも大きな摩擦係数に設定された ことを特徴とする請求項7または8に記載のダンボール材。前記継手部は、前記ダンボールを構成する原紙どうしを継ぎ合わせて連続させる原紙継手部を有する ことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のダンボール材。前記原紙継手部は、前記原紙の一つであるライナどうしを継ぎ合わせて連続させるライナ継手部を有する ことを特徴とする請求項10に記載のダンボール材。前記原紙継手部は、前記原紙の一つである中芯どうしを継ぎ合わせて連続させる中芯継手部を有する ことを特徴とする請求項10または11に記載のダンボール材。前記マーキング部は、少なくとも一部が前記第一方向の端部に露出する ことを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載のダンボール材。前記マーキング部は、前記折目に設けられた ことを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載のダンボール材。前記継手部は、前記第二方向の中間部に配置され、前記継手部の設けられていない箇所の前記シートよりも大きい厚み寸法に設定された ことを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載のダンボール材。前記継手部は、前記第三方向の位置が異なる複数の箇所に配置された ことを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載のダンボール材。 |
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说明书全文 | 本発明は、蛇腹折りのダンボール材に関する。 製函用資材として、蛇腹折り(「ファンフォールド」とも称される)のダンボール材が知られている。ダンボール材には連続する矩形状のシート間に折目が設けられ、この折目でシートが交互に折り返されている。このような蛇腹折りのダンボール材では、連続するシートが上下に積み重ねられ、直方体状の荷姿に折り畳まれている。 上記のダンボール材は、包装対象のサイズに応じて最適な大きさの箱を製造する製函システム(「自動包装システム」,「三辺可変システム」,「三辺自動梱包」,「オンデマンド包装」などとも称される)の包装資材に用いられる。 このダンボール材において折目を介してシートが連続する枚数が多いほど、製函システムにダンボール材を補充する作業やこのダンボール材を製函システムの経路に沿って配置(いわゆる「紙通し」)する作業などを低減させることができ、生産性の向上に資する。 そこで、ダンボール材の連続する寸法を確保する技術が提案されている。たとえば、分離したシートどうしを継手部で継ぎ合わせて蛇腹折りのダンボール材を製造する技術が提案されている(特許文献1参照)。 特開2019-38262号公報
ところで、上記のような継手部は、継ぎ合わせられた跡によって見栄えの低下を招くおそれがあり、他の部位に対して強度や剛性といった物性が異なるおそれもある。このような継手部を含む領域が製函されると、見栄えや精度の不十分な箱が製函されうる。そのため、製函される箱に要求された仕様や製函システムの諸元に応じて、箱に組み立てられる領域に継手部を含めるか否かが判断される。 よって、ダンボール材における継手部の識別性を確保するうえで改善の余地がある。 本件は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、ダンボール材における継手部の識別性を確保することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。 ここで開示するダンボール材は、連続するダンボールにおいて矩形状のシートが第一方向に沿って直線状に延在する折目のそれぞれにおいて前記折目の沿う平面で前記第一方向に直交する第二方向へ折り返され、前記第一方向および前記第二方向の双方に直交する第三方向に沿って前記シートが積み重ねられた蛇腹折りのダンボール材である。 本ダンボール材は、前記ダンボールを構成する少なくとも一部の資材どうしを前記ダンボールの連続する方向に継ぎ合わせて連続させる継手部と、前記継手部の存在を識別させるマーキング部と、を備えている。前記マーキング部は、前記継手部に連設された状態で前記シートから延出するフラップ部を備えている。または、前記継手部に対して取り外し自在に設けられたフラップ部を備えている。 本件のダンボール材によれば、継手部の識別性を確保することができる。 蛇腹折りのダンボール材を示す斜視図である。 シート継手部を説明する斜視図である。 原紙継手部を説明する模式図である。 第一搬送物(搬送物)を示す斜視図である。 第二搬送物(搬送物)を示す分解斜視図である。
以下、実施形態としてのダンボール材および搬送物を説明する。 本実施形態のダンボール材は、連続するダンボールにおいて矩形状のシートが折り畳まれた蛇腹折りの製函用資材である。このダンボール材には、以下に列挙する種々のダンボールを採用することができる。 ・両面ダンボール:中芯に対して両側にライナが設けられたダンボール ・片面ダンボール:中芯に対して片側にライナが設けられたダンボール 上記の両面ダンボールには、一つの中芯および二つのライナのそれぞれに対応する三つの原紙(資材)から構成されたシングルフルートのダンボールのほか、いわゆる「複両面ダンボール」や「複々両面ダンボール」のように三つ以上の中芯(一つ以上の中ライナを含む)および二つのライナのそれぞれに対応する五つ以上の原紙から構成されたマルチフルートのダンボールも含まれる。本実施形態では、シングルフルートの両面ダンボールからなるダンボール材を主に例示する。 ダンボール材が製函されると、ダンボール箱となる。詳細に言えば、製函システムの製函用資材に用いられたダンボール材は、シートが順繰りに送り出されるフィード工程,送り出されたシートが箱の展開パターンに切り抜かれるカット工程,箱の形状に折り立てられるフォールド工程といった種々の工程を経てダンボール箱に製函される。なお、ダンボール箱を組み立てる製函システムは、特に制限されないが、たとえば自動包装システムの全自動システムである「CMC社製のカートンラップ1000」,「Neopost社製のCVP−500」,「オーエスマシーナリー社製のTXP−600」や、半自動システムの「Pack Size社製のEM7」,「Panotec社製のCompack」を用いることができる。 本実施形態では、下記の方向I,IIが以下の表1に示すように対応する例を挙げ、ダンボール材は水平面に載置されたものとする。 ・方向 I :水平面に載置されたダンボール材における方向 ・方向II:ダンボール材を製造する途中の半製品における方向
縦方向(第一方向,図中には「CD」と記す)および横方向(第二方向,図中には「MD」と記す)は水平に沿う方向であり、シート(折目)の沿う平面が延在する方向である。これらの縦方向と横方向とは互いに直交する。高さ方向(第三方向,図中には「TD」と記す)は、鉛直方向に沿う方向であり、縦方向および横方向の双方に直交する。この高さ方向は、シートが重ね合わせられる方向に対応する。 MD(Machine Direction)方向は、「流れ方向」とも称され、ダンボール材の製造過程が上流から下流へ進捗する方向である。CD(Cross Direction)方向は、MD方向の沿う平面においてMD方向に直交する方向である。TD(Transverse Direction)方向は、MD方向およびCD方向の双方に直交する方向である。 そのほか、特に断らない限り、本実施形態の「数値X〜数値Y」なる表現は、数値X以上であって数値Y以下の範囲を意味する。 上記のダンボール材が製函用資材として製造されると、製函システムに搬送される。このように搬送される物が本実施形態の搬送物である。この搬送物には、ダンボール材の搬送性を確保するため、下記のパレットおよびカバー部材も含まれている。 ・ パレット :ダンボール材の載置された荷役台 ・カバー部材:ダンボール材を被覆する部材 [I.一実施形態] 下記の一実施形態では、ダンボール材および搬送物の構成を項目[1]で述べ、項目[1]の構成による作用および効果を項目[2]で述べる。 [1.構成] 本項目[1]では、ダンボール材の基本的な構成を小項目[1−1]で述べ、ダンボール材の継ぎ合わせに関する構成を小項目[1−2]で詳述する。その後、ダンボール材を含む搬送物のうち主にパレットやカバー部材の構成を小項目[1−3]で述べる。 [1−1.ダンボール材の基本] 本項目[1−1]では、ダンボール材が折り畳まれた構造(以下「折畳構造」と称する)を説明し、その後にダンボール材の基本的なパラメータを説明する。 <折畳構造> 図1に示すように、ダンボール材1は、直方体状をなす製函用資材である。 このダンボール材1は、載置された状態において、以下に示す二種の面部1S,1Tが外部に向いた面状の部位をなす。これらの面部1S,1Tは、開口を下向きにしたガゼット袋に沿った向きに延在する。 ・筒面部1S:高さ方向に沿って延在する面部 ・頂面部1T:縦方向および横方向の双方に沿って上部(高さ方向の一側)に延在す る面部 ダンボール材1では、連続する矩形状のシート2(図1では一部のみに符合を付す)が折目F(図1では一部のみに符合を付す)で折り返され、折り返されたシート2が高さ方向に積み重ねられている。 このように折り畳まれたダンボール材1には、筒面部1Sのうち縦方向および高さ方向の双方に沿う一対の側面に、複数の折目Fが縦方向に沿って直線状に延在する。 ここで、連続する三つのシート2(図1では二点鎖線で示す)に着目して、ダンボール材1の折畳構造を説明する。 ・第一シート21:第二シート22の一側に連続するシート2 ・第二シート22:第一シート21と第三シート23との双方に連続するシート2 ・第三シート23:第二シート22の他側に連続するシート2 第一シート21と第二シート22との間に第一折目FIが設けられ、第一折目FIを介してシート21,22が連続している。第二シート22と第三シート23との間に第二折目FIIが設けられ、第二折目FIIを介してシート22,23が連続している。 第一折目FIは、第一シート21に対して横方向の一方(図1では右方)へ向けて第二シート22が折り返される折目Fであり、ダンボール材1における横方向の他方(図1では左方)に配置される。第二折目FIIは、第二シート22に対して横方向の他方(図1では左方)へ向けて第三シート23が折り返される折目Fであり、ダンボール材1における横方向の一方(図1では右方)に配置される。 第一シート21では、横方向(折目Fと交差する方向)に延在する第一端縁E1(図1には手前側の端縁のみに符号を付す)にダンボールの波目10が露出する。同様に、第二シート22には、横方向(折目Fと交差する方向)に延在する第二端縁E2(図1には手前側の端縁のみに符号を付す)にダンボールの波目10が露出する。 第一シート21および第二シート22からなるシート対20では、第一端縁E1と第二端縁E2とが高さ方向に隣り合って配置される。 上記の折畳構造を有するダンボール材1によれば、ロール状に巻回することの困難な資材であっても直方体状に折り畳むことができる。すなわち、ロール状に巻回可能な資材よりも高い強度をもつダンボールのシート2をコンパクトな荷姿にすることができる。このように強度の確保されたシート2が折り畳まれたダンボール材1は、強度の要求される箱を製造する製函システムの包装資材に用いて好適である。 そのほか、折目Fは、ダンボールの波目10に沿って設けられている。言い換えれば、MD方向に対して垂直な波目10のダンボール材1が製造される。 <基本的なパラメータ> 本項目では、ダンボール材1のサイズ,シート2の厚み寸法などの基本的なパラメータを述べる。 ——サイズ—— ダンボール材1のサイズは、下記の寸法L1〜L3から定まる。 ・ 縦寸法L1 :縦方向の寸法(第一寸法) ・ 横寸法L2 :横方向の寸法(第二寸法) ・高さ寸法L3:高さ方向の寸法(第三寸法) 上記の寸法L1〜L3は、小さいほど製造される箱のサイズや形状の制約が大きくなるおそれがあり、大きいほど運搬や納入といった作業性が低下するおそれがある。これらの観点より、寸法L1〜L3は、下記の表2に示す範囲であることが好ましい。
——厚み寸法—— ダンボール材1におけるシート2には、厚み寸法が5[mm]のAフルート,厚み寸法が3[mm]のBフルート,厚み寸法が4[mm]のCフルート,任意の2種類のフルートを組み合わせたダブルフルート(厚み寸法は6〜10[mm])といったさまざまな規格の厚み寸法を採用することができ、規格化されていない厚み寸法を採用してもよい。 厚み寸法が大きいほど、緩衝性が向上する傾向にあるものの、シート2の強度によっては潰れやすい傾向もある。これらの傾向を考慮して、ダンボール材1のシート2に用いられる厚み寸法は、1[mm]〜10[mm]であることが好ましく、3[mm]〜8[mm]であることがより好ましい。 ——その他—— そのほか、ダンボール材1における折目Fの本数をN[本]とおけば、シート2の枚数はN+1[枚]である。この場合には、N+1[段]のシート2がダンボール材1において重ね合わせられている。 更に言えば、一枚のシート2に対応する一段あたりの高さ寸法は、ダンボール材1の高さ寸法L3をシート2の段数N+1で除算することで算出可能である。このようにして算出された一段あたりの高さ寸法は、ダンボール材1におけるシート2の厚み寸法に対応する。 たとえば、ダンボール材1の段数としては、たとえば10〜1000[段]のさまざまな段数が挙げられる。 上記のような高さ寸法L3と段数との関係より、ダンボール材1における折目Fの本数Nに設定される好ましい範囲を算出することができる。具体的に言えば、シート2の厚み寸法で好ましい範囲の高さ寸法L3を除算した値から「1」を減算した値の範囲は、折目Fの本数Nに設定される好ましい範囲として近似することができる。 なお、ダンボール材1に用いられるシート2には、任意の坪量を設定することができる。シート2に採用される坪量の範囲としては、50〜1500[g/m2]の範囲が挙げられ、好ましくは100〜1000[g/m2]の範囲が挙げられ、より好ましくは200〜800[g/m2]の範囲が挙げられ、さらに好ましくは200〜600[g/m2]の範囲が挙げられる。 上記の坪量に、縦寸法L1および横寸法L2とシート2の段数N+1とを乗算すれば、ダンボール材1の重量が算出される。 [1−2.ダンボール材の詳細] 本実施形態のダンボール材1には、ダンボール材1の連続する寸法を確保するために、構成資材(ダンボールを構成する少なくとも一部の資材)どうしを継ぎ合わせて連続させる継手部が設けられている。継手部によって、シート2やシート2を構成する各種の原紙といった構成資材どうしがダンボールの連続する方向に継ぎ合わせられている。 このダンボール材1には、継手部の存在を識別させるマーキング部も配備されている。 本項目では、以下に示す二種の継手部を例に挙げて説明する ・シート継手部:分割された状態のダンボール材1どうしを継ぎ合わせる継手部 ・ 原紙継手部 :ダンボールを構成する原紙どうしを継ぎ合わせる継手部 以下、シート継手部,原紙継手部の順に説明し、その後に継手部に付設されたマーキング部を説明する。 <シート継手部> 図2に示すように、シート継手部3は、ダンボール材1が分割された構造(以下「分割構造」と称する)Dを前提とし、分割構造Dで分割された不連続な部材のシート2どうしを継ぎ合わせて連続させている。 分割構造Dによって、ダンボール材1が第一のダンボール材11と第二のダンボール材12との別部材に分割され、ダンボール材11,12どうしが不連続に設けられている。これらのダンボール材11,12を資材としてダンボール材1が構成されている。 第一のダンボール材11は、ダンボール材1において上側(第三方向の一側)に設けられた複数の折目Fで、ダンボール材1において上側に設けられたシート2が連設されている。反対に、第二のダンボール材11は、ダンボール材1において下側(第三方向の他側)に設けられた複数の折目Fで、ダンボール材1において下側に設けられたシート2が連設されている。 第一のダンボール材11における下側には、縦方向に延在する第一の端縁1Eが設けられている。また、第二のダンボール材12における上側には、縦方向に延在する第二の端縁2Eが設けられている。これらの端縁1E,2Eは、隣接あるいは対向して配置されている。 端縁1E,2Eの配置箇所は、図2に例示するようにダンボール材1において横方向の中間部に限らず、横方向の端部(すなわち折目Fの箇所)であってもよい。この場合には端縁1E,2Eの配置箇所に応じて、ダンボール材1における横方向の中間部や横方向の端部にシート継手部3が配置される。 また、ダンボール材1が分割構造Dによって三つ以上のダンボール材に分割されていてもよい。この場合には、分割構造Dによる分割数に応じた複数の箇所に端縁1E,2Eが設けられ、高さ方向の異なる複数の箇所にシート継手部3が設けられる。 ここで例示するシート継手部3には、端縁1E,2Eに跨がって端縁1E,2Eの双方に貼り付けられたテープ部材が設けられている。このテープ部材は、縦方向に沿って延在し、端縁1E,2Eの周囲に対して少なくとも一部に貼り付けられる。 シート継手部3のテープ部材が貼り付けられる手順の一例としては、下記の手順A1,A2が挙げられる。 ・手順A1:テープ部材の長手方向中間部を端縁1E,2Eに対して上側および下側 の一方において全領域に貼り付ける ・手順A2:手順A1の後に端縁1E,2Eから縦方向に延出する長手方向端部を折 り返して端縁1E,2Eに対して上側および下側の他方に貼り付ける さらに、シート継手部3の表面(ひょうめん)は、シート2の表面(ひょうめん)よりも大きな摩擦係数に設定されている。このような摩擦係数の大小は、以下に例を挙げる手法a,b,c,dによって設定可能である。 ・手法a:シート継手部3に用いられるテープ部材を選定する手法 ・手法b:シート継手部3に用いられるテープ部材の表面を加工する手法 ・手法c:シート2に用いられるライナを選定する手法 ・手法d:シート2のライナに対して表面を加工する手法 上記のようにシート継手部3に用いられたテープ部材で継ぎ合わせられる端縁1E,2Eが厚み方向(すなわち高さ方向)に圧縮されていなければ、テープ部材に厚みが存在することから、シート2よりもテープ部材の厚み分だけシート継手部3の厚み寸法が大きい。すなわち、シート継手部3の設けられていない箇所のシート2よりもシート継手部3のほうが厚み寸法が大きい。ただし、端縁1E,2Eが厚み方向に圧縮されていれば、端縁1E,2Eの圧縮度合いによってはシート2よりもシート継手部3の厚み寸法が小さくなりうる。 <原紙継手部> 図3に示すように、原紙継手部4は、ダンボール材1のシート2が複数の原紙9から構成された構造を前提とし、ダンボール材1の連続する方向(MD方向に対応する方向)に原紙9の少なくとも一部どうしを継ぎ合わせている。 原紙9には、表ライナ9aおよび裏ライナ9bならびに中芯9cが含まれ、ライナ9a,9bの間には中芯9cが介装されている。中芯9cは、縦方向から視て波形に形成されており、波形の山部が表ライナ9aに接着され、波形の谷部が裏ライナ9bに接着されている。中芯9cと接着されたライナ9a,9bは、折目Fの箇所を除いて平面状に設けられている。 ここでは、以下に列挙する三種を原紙継手部4の例に挙げる。 ・表ライナ継手部4A:表ライナ9aどうしを継ぎ合わせる原紙継手部4 ・裏ライナ継手部4B:裏ライナ9bどうしを継ぎ合わせる原紙継手部4 ・ 中芯継手部4C :中芯9cどうしを継ぎ合わせる原紙継手部4 上記の継手部4A,4B,4Cでは、継ぎ合わせられる原紙9どうしが重ね合わせられて貼り合せられている。このような原紙9どうしの継ぎ合わせは、ダンボール材1が製造される過程(すなわちダンボールの製造途中)において実施される。 上記の貼り合せには、「名称:ボンドテープ、品番:WF833(コニシ株式会社)」や「名称:クラフト粘着テープ、品番:KS−NO.111−BK50P、幅40mm(菊水テープ株式会社)」といったテープを用いることができる。 なお、ライナ継手部4A,4Bでは、ライナ9a,9bの重ね合わせられた分だけライナ継手部4A,4Bやシート継手部3の設けられていないシート2よりも厚み寸法がやや大きい。 継手部4A,4B,4Cのそれぞれは、ダンボール材1において一箇所に配置されるのに限らず複数の箇所に配置されてもよい。継手部4A,4B,4Cのそれぞれが複数の場合、継手部4A,4B,4Cのそれぞれは、ダンボール材1において横方向の中間部や端部といった種々の箇所に配置されていてもよく、高さ方向の異なる箇所に配置されていてもよい。 <マーキング部> つぎに、上記のシート継手部3あるいは原紙継手部4に設けられたマーキング部を説明する。 以下の説明では、図2を参照して、シート継手部3にマーキング部5が付設された例を挙げ、マーキング部5に用いられる六つの態様を例示する。下記の六態様は、何れか一つの態様がマーキング部5に用いられてもよいし、複数の態様がマーキング部5に併用されてもよい。これら六態様のマーキング部5は、シート継手部3に限らず原紙継手部4にも適用することができる。 ——第一態様—— 第一態様のマーキング部5には、シート継手部3の存在を知覚させるデザインが用いられている。 ここでいう「デザイン」とは、シート継手部3の存在を知覚させる色,図柄および質感の少なくとも一つが設定されたものである。デザインを構成する色,図柄,質感は、シート継手部3の識別性を高める観点から、シート継手部3の周辺の色,図柄,質感と異なるほど好ましい。 マーキング部5に用いられるデザインの一例としては、シート継手部3に用いられるテープ部材の色にシート2とは異なる色を採用した形態が挙げられる。マーキング部5の識別性を高める観点からは、シート2の色に対して色相環の遠い色(好ましくはシート2の色の補色)をテープ部材に採用することが好ましい。 そのほか、シート継手部3のテープ部材に図柄が付されていれば、図柄の設定されたデザインがマーキング部5に用いられる。シート継手部3のテープ部材がシート2とは異なる質感であれば、質感の設定されたデザインがマーキング部5に用いられる。 ——第二態様—— 第二態様のマーキング部5には、シート継手部3の存在を光学的に検知させる識別子が用いられている。 ここでいう「識別子」は、少なくとも光学的なセンサ(装置)によって検知可能なものであればよく、オペレータ(作業員)によって視認可能なものに限定されず、オペレータによって視認不能なものであってもよい。識別子としては、バーコードや記号などが挙げられる。 マーキング部5に用いられる識別子の一例としては、シート継手部3に用いられるテープ部材にバーコードの印刷された形態が挙げられる。 ——第三態様—— 第三態様のマーキング部5には、金属材料が含有されている。 ここでいう「金属材料」は、少なくとも金属材料を検知するセンサ(装置)によって検知可能な形態でマーキング部5に含有されていればよく、オペレータによる知覚の可否や光学的なセンサによる検知の可否は不問である。金属材料に例としては、アルミニウム,アルミガラス,ステンレス,鉛,銅といった種々の材料が挙げられる。耐熱性や耐久性を確保する観点からは、アルミ系の金属材料をマーキング部5に用いることが好ましい。 マーキング部5に金属材料が含有された一例としては、シート継手部3に用いられるテープ部材にアルミ系のテープを使用した形態が挙げられる。 ——第四態様—— 第四態様のマーキング部5は、ダンボール材1において縦方向の端部に露出して設けられている。このマーキング部5は、視認可能であれば、ダンボール材1を縦方向から視たときの外観の一部をなす。 上記のように露出するマーキング部5の一例としては、シート継手部3に用いられるテープ部材の一部がシート2における縦方向の端面(段目の露出する面)を縦方向の外側から覆うように配置された形態が挙げられる。 このマーキング部5には、図2に二点鎖線で示すように、シート継手部3に連設された状態でシート2から延出するフラップ部5fが設けられている。 上記のように延出するフラップ部5fの一例としては、シート継手部3に用いられるテープ部材の一部どうしがシート2に対して縦方向の外側で貼り合せられた形態が挙げられる。 ——第五態様—— 第五態様のマーキング部5は、フラップ部5fがシート継手部3に対して取り外し自在に設けられている。 このように取り外し自在なフラップ部5fの一例としては、付箋のように貼付だけでなく剥離も可能なシート片がシート継手部3のテープ部材に対して取り付けられた形態が挙げられる。 また、ダンボール材1においてシート2に対して固定されていない挟装片がシート2に挟まれた形態も取り外し自在なフラップ部5fの例に挙げられる。ダンボール材1のシート2を書籍の頁に準えれば、挟装片は栞に準えられる。 ——第六態様—— 第六態様のマーキング部5は、ダンボール材1の折目Fに設けられている。言い換えれば、ダンボール材1において横方向の端部にマーキング部5が露出して設けられている。このマーキング部5は、視認可能であれば、ダンボール材1を横方向から視たときの外観の一部をなす。このような折目Fのマーキング部5は、ダンボール材1において横方向の端部に配置されたシート継手部3に付設される。 [1−3.搬送物] 本実施形態では、上記のダンボール材1を含む搬送物として、カバー部材で被覆される領域の異なる第一搬送物および第二搬送物の二種を例に挙げて説明する。なお、第一搬送物および第二搬送物は、被覆される領域が相違する点を除いて同様に構成されている。具体的には、第一搬送物および第二搬送物に用いられるダンボール材1のほかパレットが共通している。 以下、第一搬送物および第二搬送物に共通して用いられるパレットを説明し、その後に第一搬送物,第二搬送物のそれぞれに特有の構成を説明する。 <パレット> 図4,図5に示すように、パレットPは、ダンボール材1の積み込みや荷下ろしといった搬送に関する荷役作業の向上を図る部材であり、ダンボール材1に対して下側(高さ方向の他側)に配置されている。 このパレットPは、高さ方向の領域によって、下側の本体部PLと上側の上体部PUとに大別される。これらの本体部PLおよび上体部PUは一体に形成されている。 本体部PLおよび上体部PUには、フォークリフトによる荷役作業用に、フォークリフトのフォークが挿抜される一対の空間Sが設けられている。ここでは、以下に示す三種の空間Sが設けられたパレットPを例説する。 ・第一下部空間S1:本体部PLで縦方向に貫通する空間S ・第二下部空間S2:本体部PLで横方向に貫通する空間S ・ 溝部S3 :上体部PUで縦方向に延在する空間S 本体部PLは、上記のように二種の下部空間S1,S2が設けられており、いわゆる「両面式四方差しパレット」に対応した形状をなす部位である。 上体部PUは、上記のように溝部S3が設けられており、いわゆる「単面式二方差しパレット」のデッキボードが下側に配置された形状をなす部位である。 溝部S3のそれぞれは、本体部PLに対してダンボール材1側に設けられた一対(複数)の突条Rどうしの間に設けられている。言い換えれば、縦方向に延在する突条Rが溝部S3を介して横方向に離間して並設されている。これらの突条Rにおける上面RUにダンボール材1が載置される。 なお、図4,図5に例示する向きに限らず、少なくとも高さ方向に直交する方向に空間Sが延在していてもよい。 上記のように設けられたパレットPには、つぎに説明する搬送物C1,C2のダンボール材1が載置されている。ここで説明する搬送物C1,C2は、パレットPに対して縦方向および横方向の少なくとも何れかの方向(第三方向と直交する方向)に延出した状態のダンボール材1が載置されている。このようにパレットPからはみ出したダンボール材1は、上面視でパレットPの領域に収まるダンボール材と比較すれば、荷崩れしやすい不安定な状態と言える。 <第一搬送物> 図4に示すように、第一搬送物C1は、ダンボール材1の筒面部1Sのみがカバー部材F1(第一カバー部材)で被覆されている。なお、カバー部材F1は、パレットPに載置される前のダンボール材1(ダンボール材1単体)を被覆してもよいし、パレットPに載置された後のダンボール材1を被覆してもよい。パレットPに載置されたダンボール材1に対するカバー部材F1の被覆態様は、ダンボール材1の筒面部1Sのみを被覆する態様であってもよいし、筒面部1Sに加えてパレットPを巻き込んで被覆する態様であってもよい。パレットPも巻き込んで被覆するカバー部材F1によれば、搬送時の衝撃などでダンボール材1がよりズレにくく、搬送性が向上する。 カバー部材F1は、その基本的な機能であるところのダンボール材1を保護する機能(すなわち「保護性」)を担う。詳細に言えば、ダンボール材1の防水性,防塵性といったダンボール材1に対する汚損を防ぐ機能(すなわち「防汚性」)をカバー部材F1が担い、ダンボール材1の荷崩れを防ぐ機能もカバー部材F1が担う。 このカバー部材F1には、透明または半透明の部材が用いられている。 具体的には、透明のストレッチフィルムがカバー部材F1に用いられている。ストレッチフィルムとは、他種のフィルムと比較して伸張性に長けたフィルムであり、たとえばポリエチレン樹脂から製造される。さらに、ストレッチフィルムは、自己粘着性を有し、引き裂きやすい性質(いわゆる「易引き裂き性」)も有する。このストレッチフィルムには、「Super Telite Slim(司化成製)」を用いることができる。 ここで説明するカバー部材F1は、ダンボール材1の高さ寸法L3(図1参照)よりも小さい巾寸法の帯状体である。このような帯状に連続するカバー部材F1は、ダンボール材1に対して筒面部1Sの周囲(第三方向に交差する方向)から巻回された状態をなし、筒面部1Sに対して圧着した状態をなす。 詳細に言えば、カバー部材F1は、少なくとも一部が重ね合わせられた状態で筒面部1Sに対して巻回されている。平たく言えば、ダンボール材1の筒面部1Sに対してカバー部材F1がぐるぐる巻きにされている。 上記のカバー部材F1によってダンボール材1の筒面部1Sは被覆されるものの、頂面部1Tはカバー部材F1で被覆されておらず露出している。 このように筒面部1Sのみがカバー部材F1で被覆された第一搬送物C1に対し、つぎに説明する第二搬送物C2は頂面部1Tも被覆されている。 <第二搬送物> 図5に示すように、第二搬送物C2は、ダンボール材1の筒面部1Sおよび頂面部1Tがカバー部材F2(第二カバー部材)で被覆されている。 カバー部材F2には、上述した第一搬送物C1のカバー部材F1と同様に、透明あるいは半透明のストレッチフィルムが用いられている。 一方、カバー部材F2には、上述のカバー部材F1のように平面状をなす形態ではなく立体状の形態が採用されている。具体的には、ダンボール材1の筒面部1Sおよび頂面部1Tのそれぞれに対応する面状の部位が設けられた有底の四角筒状に予め形成されたガゼット体がカバー部材F2に用いられる。 このガゼット体は、ダンボール材1のなす直方体と相似形状に設定されている。詳細に言えば、カバー部材F2に用いられるガゼット体は、内部にダンボール材1を収容可能な大きさに伸長可能であって、自然状態(非伸長状態)ではダンボール材1のなす直方体よりも小さいサイズに設定されている。 上記のようにカバー部材F2の形状およびサイズが設定されるため、下記の手順B1,B2でダンボール材1に対してカバー部材F2を装着すれば、筒面部1Sおよび頂面部1Tに対して密着した状態のカバー部材F2でダンボール材1が被覆される。 ・手順B1:ダンボール材1に対して伸長状態のカバー部材F2を被せる ・手順B2:手順B1の後にカバー部材F2の伸長状態を解除する [2.作用および効果] 本実施形態は、上述のように構成されるため、下記のような作用および効果を得ることができる。 本項目[2]では、小項目[2−1]でダンボール材1の継ぎ合わせに関して述べ、小項目[2−2]で搬送物C1,C2について述べる。 [2−1.ダンボール材] 本項目では、マーキング部5による作用および効果を述べ、その後に継手部3,4による作用および効果を述べる。 <マーキング部> ところで、ダンボール材において構成資材どうしを継ぎ合わせて連続させる継手部は、継ぎ合わせられた跡によって見栄えの低下を招くおそれがあり、他の部位に対して強度や剛性といった物性が異なるおそれもある。このような継手部を含む領域が製函されると、見栄えや精度の不十分な箱が製函されうる。そのため、製函される箱に要求された仕様や製函システムの諸元に応じて、箱に組み立てられる領域に継手部を含めるか否かが判断される。 よって、ダンボール材における継手部の識別性を確保するうえで改善の余地がある。 (1)これに対し、本実施形態のダンボール材1によれば、継手部3,4の存在を識別させるマーキング部5が設けられているため、継手部3,4の識別性を確保することができる。 (2)継手部3,4の存在を知覚させる色,図柄および質感の少なくとも一つが設定されたデザインのマーキング部5によれば、ダンボール材1のオペレータにマーキング部5を視覚的あるいは触覚的に認識させて継手部3,4の存在を知覚させることができる。この点からも、継手部3,4の識別性を確保することができる。 (3)継手部3,4の存在を光学的に検知させる識別子が設けられたマーキング部5によれば、光学的なセンサによってマーキング部5を検知することで継手部3,4の存在も検知することができる。また、マーキング部5に金属材料が含有されていれば、金属材料を検知するセンサによってマーキング部5を検知することで継手部3,4の存在も検知することができる。 さらに、視認不能な識別子や視認不能な状態で含有された金属材料がマーキング部5に用いられていれば、ダンボール材1の外観を確保するのに寄与する。 (4)ダンボール材1において縦方向の端部に露出したマーキング部5によれば、ダンボール材1に対して縦方向の外側からマーキング部5を識別しやすくすることができる。このマーキング部5が視認可能であれば、ダンボール材1に対して縦方向の外側からオペレータが継手部3,4の位置を識別することができる。このマーキング部5が視認不能であっても、ダンボール材1に対して縦方向の外側からセンサによって継手部3,4の位置を識別することができ、このセンサの識別精度を確保することもできる。 (5)継手部3,4に連設された状態でシート2から延出するフラップ部5fが設けられたマーキング部5によれば、マーキング部5を顕在させることができ、継手部3,4の識別性を向上させることができる。 (6)フラップ部5fが継手部3,4に対して取り外し自在に設けられたマーキング部5によれば、このフラップ部5fによって継手部3,4の存在が識別された後に、フラップ部5fを容易に取り外すことができる。そのため、製函システムへのフラップ部5fの進入を回避することができる。よって、継手部3,4の識別性を確保しつつ製函システムの不具合を抑えることもできる。 (7)ダンボール材1の折目Fに設けられたマーキング部5によれば、ダンボール材1に対して横方向の外側からマーキング部5を識別しやすくすることができる。このマーキング部5が視認可能であれば、ダンボール材1に対して横方向の外側からオペレータが継手部3,4の位置を識別することができる。このマーキング部5が視認不能であっても、ダンボール材1に対して横方向の外側からセンサによって継手部3,4の位置を識別することができ、このセンサの識別精度を確保することもできる。 <継手部> (1)分割された状態のダンボール材11,12どうしを継ぎ合わせて連続させるシート継手部3によれば、各ダンボール材11,12で連続する寸法を足し合わせた寸法にダンボール材1の連続する寸法を伸ばすことができる。このシート継手部3にはテープ部材が用いられていることから、ダンボール材11,12の端縁1E,2Eどうしを簡易な構成で容易に継ぎ合わせることができる。 また、ダンボール材1の連続する方向に原紙9の少なくとも一部どうしを継ぎ合わせる原紙継手部4によれば、ダンボール材1として製造される平面状のダンボールが連続する寸法を伸ばすことができる。言い換えれば、半製品のダンボールの連続する寸法が原紙切れによって制限されるのを回避することができる。具体的には、ライナ継手部4A,4Bによってライナ用原紙の寸法制限を回避することができ、中芯継手部4Cによって中芯用原紙の寸法制限を回避することができる。 これらの継手部3,4が高さ方向の異なる複数の箇所に配置されていれば、ダンボール材1の連続する寸法を更に伸ばすことができる。 上記のようにしてダンボール材1の連続する寸法が確保されることにより、製函システムにダンボール材を補充する作業やこのダンボール材を製函システムの経路に沿って配置する作業などを低減させることができ、生産性を向上させることができる。 (2)シート継手部3の表面がシート2の表面よりも大きな摩擦係数に設定されていることから、シート継手部3の表面と接触するシート2の表面との摩擦力が確保される。よって、ダンボール材1の安定性を高めるのに寄与し、ダンボール材1の荷崩れを抑えるのに資する。 (3)横方向の中間部に配置された継手部3,4のほうが継手部3,4を除いた箇所のシート2よりも厚み寸法が大きければ、ダンボール材1において横方向の中間部がたわんだり凹んだりするのを抑えることができる。延いては、シート2の折れや割れの発生も抑えることができる。 [2−2.搬送物] 本項目では、カバー部材F1,F2による作用および効果を述べ、その後にパレットPによる作用および効果を述べる。 <カバー部材> ところで、ダンボール材のみを搬送する場合には、ダンボール材に搬送用のとっかかりが乏しいため、ダンボール材だけの搬送は困難である。仮にダンボール材だけを搬送したとしても、搬送時の振動あるいは衝撃によってダンボール材の荷崩れを招くおそれがあり、ダンボール材を安定して搬送するのは困難である。 さらに、蛇腹折りされたダンボール材は折目を介して連続しているため、枚葉状のシートが積層されたダンボール材と比べ、折目の位置する面状の部位をはじめとした端面部のズレの調整が困難である。端面部がズレたままで搬送されるダンボール材は不安定であるり、搬送時の振動あるいは衝撃によってダンボール材の荷崩れを招くおそれがある。 よって、ダンボール材の搬送性を確保するうえで改善の余地がある。 (1)これに対し、本実施形態の搬送物C1,C2によれば、ダンボール材1がパレットPに載置されることから、パレットPを介してダンボール材1の積み込みや荷下ろしといった搬送に関する荷役作業の効率を確保することができる。そのうえ、ダンボール材1の筒面部1Sがカバー部材F1,F2で被覆されることから、少なくとも筒面部1Sをカバー部材F1,F2で保護することができ、シート2(上記の端面部)のズレを抑えてダンボール材1の荷崩れも抑えられる。 このようにして、ダンボール材1の保護性および安全性を両立したうえで荷役作業の効率が確保されることで、搬送物C1,C2の搬送性を確保することができる。 (2)第一搬送物C1によれば、ダンボール材1に対して筒面部1Sの周囲からカバー部材F1が巻回された状態をなすことから、オペレータの手作業によってカバー部材F1でダンボール材1を被覆することができる。そのため、ダンボール材1をカバー部材F1で被覆するラッピング装置を用意することなく第一搬送物C1を扱うことができる。 このカバー部材F1は、少なくとも一部が重ね合わせられた状態で筒面部1Sに対して巻回されていることから、ダンボール材1の保護性や安定性を高めることができる。 (3)第二搬送物C2によれば、ダンボール材1の筒面部1Sだけでなく頂面部1Tもカバー部材F2で被覆されることから、頂面部1Tも保護することができる。 このカバー部材F2には、ダンボール材1の筒面部1Sおよび頂面部1Tのそれぞれに対応する面状の部位が設けられた有底の四角筒状に予め形成されたガゼット体が用いられる。このことから、手順B1,B2で述べたようにダンボール材1に対して上からカバー部材F2を覆い被せるだけでダンボール材1をカバー部材F2で被覆することができ、被覆作業の効率を高めることができる。 (4)カバー部材F1,F2が透明あるいは半透明であることから、カバー部材F1,F2で被覆されたダンボール材1を視認することができ、ダンボール材1の品質管理に資する。 (5)カバー部材F1,F2にストレッチフィルムが用いられていることから、伸長した状態でカバー部材F1,F2をダンボール材1に巻回したり覆い被せたりすることで、カバー部材F1,F2をダンボール材1に密着させることができる。この点からも、ダンボール材1の保護性や安全性を高めるのに寄与する。 <パレット> (1)パレットPには、突条Rどうしの間に溝部S3が設けられていることから、溝部S3に差し込まれたフォークリフトのフォークでダンボール材1およびカバー部材F1,F2を直接扱うことができる。この点からも、搬送物C1,C2の搬送性を確保することができる。 (2)そのほか、搬送物C1,C2には、パレットPに対して縦方向および横方向の少なくとも何れかの方向に延出した状態のダンボール材1が載置されている。このように荷崩れしやすい不安定な状態のダンボール材1であっても、上記のカバー部材F1,F2によってダンボール材1の安定性を確保することができる。 [II.変形例] 上述の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。 たとえば、ダンボール材が製函システム用の資材である場合には、意図的に形成された切れ込みやミシン目などの追加加工が折目に施されていないことが好ましく、ダンボール材におけるライナの表層に設けられる罫線を起点(たとえば罫線を内側)に180[°]折り返される箇所が折目であることが好ましい。一方、ダンボール材が製函システム用以外の資材である場合には、切れ込みやミシン目などの加工が折目に施されていてもよい。 シート継手部や原紙継手部は、ダンボール材に混在していてもよく、テープ部材や両面テープに代えてまたは加えて以下に例を挙げる構成X,Y,Zが採用されてもよい。 ・構成X:端縁どうしが粘着剤や接着剤で貼り合せられた構成, ・構成Y:端縁どうしが圧着された構成 ・構成Z:ステープラで端縁どうしが継ぎ合わせられた構成 翻って、搬送物のダンボール材には、継手部が設けられていなくてもよい。 パレットには、上述のように本体部および上体部の設けられたパレットに限らず、いわゆる「両面式二方差しのパレット」や「単面式四方差のパレット」といったさまざまな公知のパレットを用いてもよい。 カバー部材には、ストレッチフィルムに限らず、公知のフィルムを用いることができる。更に言えば、フィルムに限らず、紙製,ゴム製あるいは金属製といったフィルム製以外のカバー部材を用いることができ、種々の材料を組み合わせた複合材料のカバー部材を用いてもよい。 そのほか、第一搬送物のカバー部材と第二搬送物のカバー部材とを併用してもよいし、 第一搬送物に用いられるような帯状のカバー部材でダンボール材の頂面部やこれに対向する底面部が被覆されていてもよい。 なお、分割構造で分割されたダンボール材の端縁は、少なくとも隣接あるいは対向して配置されていればよく、縦方向に限らず任意の方向に延在していてもよい。 あるいは、ダンボール材は、上述のようにパレットから延出するサイズに限らず、上面視でパレットと一致するサイズ(すなわちパレットの縦方向および横方向と同寸法)であってもよいし、上面視でパレットの領域に収まるサイズ(すなわちパレットの縦方向および横方向よりも小さい寸法)であってもよい。これらのようなサイズが採用された場合には、ダンボール材の安定性を高めることができ、搬送性の向上に資する。 [III.付記] 以上の実施形態に関し、ダンボール材の継ぎ合わせに関する付記を項目[1]に開示し、搬送物に関する付記を項目[2]に開示する。 [1.ダンボール材] 〔付記1A〕 連続するダンボールにおいて矩形状のシートが第一方向に沿って直線状に延在する折目のそれぞれにおいて前記折目の沿う平面で前記第一方向に直交する第二方向へ折り返され、前記第一方向および前記第二方向の双方に直交する第三方向に沿って前記シートが積み重ねられた蛇腹折りのダンボール材であって、 前記ダンボールを構成する少なくとも一部の資材どうしを前記ダンボールの連続する方向に継ぎ合わせて連続させる継手部と、 前記継手部の存在を識別させるマーキング部と、を備えた ことを特徴とするダンボール材。 〔付記2A〕 前記マーキング部は、前記継手部の存在を知覚させる色,図柄および質感の少なくとも一つが設定されたデザインを有する ことを特徴とする付記1Aに記載のダンボール材。 〔付記3A〕 前記マーキング部は、前記継手部の存在を光学的に検知させる識別子を有する ことを特徴とする付記1Aまたは2Aに記載のダンボール材。 〔付記4A〕 前記マーキング部は、金属材料を含有した ことを特徴とする付記1A〜3Aの何れか1項に記載のダンボール材。 〔付記5A〕 前記第三方向の一側に設けられた複数の前記折目で前記一側に設けられた前記シートが連設された第一のダンボール材と前記第三方向の他側に設けられた複数の前記折目で前記他側に設けられた前記シートが連設された第二のダンボール材とに分割された状態で前記第一のダンボール材と前記第二のダンボール材とが不連続に設けられた分割構造を備え、 前記継手部は、前記第一のダンボール材において前記他側における第一の端縁と前記第二のダンボール材において前記一側における第二の端縁とを継ぎ合わせて前記分割構造で分割された状態の前記第一のダンボール材と前記第二のダンボール材とを連続させるシート継手部を有する ことを特徴とする付記1A〜4Aの何れか1項に記載のダンボール材。 〔付記6A〕 前記シート継手部は、前記第一の端縁と前記第二の端縁とに跨がって前記第一の端縁および前記第二の端縁に貼り付けられるテープ部材を有する ことを特徴とする付記5Aに記載のダンボール材。 〔付記7A〕 前記シート継手部の表面は、前記シートの表面よりも大きな摩擦係数に設定された ことを特徴とする付記5Aまたは6Aに記載のダンボール材。 〔付記8A〕 前記継手部は、前記ダンボールを構成する原紙どうしを継ぎ合わせて連続させる原紙継手部を有する ことを特徴とする付記1A〜7Aの何れか1項に記載のダンボール材。 〔付記9A〕 前記原紙継手部は、前記原紙の一つであるライナどうしを継ぎ合わせて連続させるライナ継手部を有する ことを特徴とする付記8Aに記載のダンボール材。 〔付記10A〕 前記原紙継手部は、前記原紙の一つである中芯どうしを継ぎ合わせて連続させる中芯継手部を有する ことを特徴とする付記8Aまたは9Aに記載のダンボール材。 〔付記11A〕 前記マーキング部は、少なくとも一部が前記第一方向の端部に露出する ことを特徴とする付記1A〜10Aの何れか1項に記載のダンボール材。 〔付記12A〕 前記マーキング部は、前記継手部に連設された状態で前記シートから延出するフラップ部を備えた ことを特徴とする付記1A〜11Aの何れか1項に記載のダンボール材。 〔付記13A〕 前記フラップ部は、前記継手部に対して取り外し自在に設けられた ことを特徴とする付記12Aに記載のダンボール材。 〔付記14A〕 前記マーキング部は、前記折目に設けられた ことを特徴とする付記1A〜13Aの何れか1項に記載のダンボール材。 〔付記15A〕 前記継手部は、前記第二方向の中間部に配置され、前記継手部の設けられていない箇所の前記シートよりも大きい厚み寸法に設定された ことを特徴とする付記1A〜14Aの何れか1項に記載のダンボール材。 〔付記16A〕 前記継手部は、前記第三方向の位置が異なる複数の箇所に配置された ことを特徴とする付記1A〜15Aの何れか1項に記載のダンボール材。 [2.搬送物] 〔付記1B〕 連続するダンボールにおいて矩形状のシートが第一方向に沿って直線状に延在する折目のそれぞれにおいて前記折目の沿う平面で前記第一方向に直交する第二方向へ折り返され、前記第一方向および前記第二方向の双方に直交する第三方向に沿って前記シートが積み重ねられた蛇腹折りのダンボール材と、 前記ダンボール材の載置されたパレットと、 前記ダンボール材において前記第三方向に沿って面状に延在する筒面部を被覆するカバー部材と、を備えた ことを特徴とする搬送物。 〔付記2B〕 前記カバー部材は、前記ダンボール材に対して前記第三方向に交差する方向に巻回された状態をなす ことを特徴とする付記1Bに記載の搬送物。 〔付記3B〕 前記カバー部材は、少なくとも一部が重ね合わせられた状態をなす ことを特徴とする付記1Bまたは2Bに記載の搬送物。 〔付記4B〕 前記カバー部材は、前記ダンボール材において前記パレットとは反対側で前記第一方向および前記第二方向に沿って面状に延在する頂面部を被覆する ことを特徴とする付記1B〜3Bの何れか1項に記載の搬送物。 〔付記5B〕 前記カバー部材は、前記ダンボール材の前記筒面部および前記頂面部のそれぞれに対応する面状の部位が設けられた有底の四角筒状に予め形成されたガゼット体が前記ダンボール材に覆い被せられた状態をなす ことを特徴とする付記4Bに記載の搬送物。 〔付記6B〕 前記カバー部材は、透明または半透明である ことを特徴とする付記1B〜5Bの何れか1項に記載の搬送物。 〔付記7B〕 前記カバー部材は、ストレッチフィルムであり、前記ダンボール材に対して圧着した状態をなす ことを特徴とする付記1B〜6Bの何れか1項に記載の搬送物。 〔付記8B〕 前記パレットは、前記第三方向と直交する方向に貫通する一対の空間が設けられた本体部に対して前記ダンボール材側に設けられた複数の突条どうしの間に前記第三方向と直交する方向に延在する一対の溝部が設けられた ことを特徴とする付記1B〜7Bの何れか1項に記載の搬送物。 〔付記9B〕 前記ダンボール材の少なくとも一部は、前記第三方向と直交する方向に前記パレットから延出した状態に載置された ことを特徴とする付記1B〜8Bの何れか1項に記載の搬送物。 1 ダンボール材 11 第一のダンボール材 12 第二のダンボール材 1E,2E 端縁 1S 筒面部 1T 頂面部 10 段目(波目) 2 シート 20 シート対 21 第一シート 22 第二シート 23 第三シート 3 シート継手部(継手部) 4 原紙継手部(継手部) 4A,4B ライナ継手部 4C 中芯継手部 5 マーキング部 5f フラップ部 9 原紙(資材) 9a 表ライナ 9b 裏ライナ 9c 中芯 C1 第一搬送物(搬送物) C2 第二搬送物(搬送物) D 分割構造 F 折目 F1,F2 カバー部材 L1 縦寸法(第一寸法) L2 横寸法(第二寸法) L3 高さ寸法(第三寸法) P パレット PL 本体部 PU 上部 R 突条 RU 上面 S 空間 S1 第一下部空間 S2 第二下部空間 S3 溝部 |