Filter and apparatus for removing foreign substance employing same

专利类型 发明专利 法律事件
专利有效性 有效专利 当前状态
申请号 JP30577998 申请日 1998-10-27
公开(公告)号 JP2000126518A 公开(公告)日 2000-05-09
申请人 Shin Nippon Koki Co Ltd; 新日本工機株式会社; 申请人类型 企业
发明人 TOMIOKA KOICHI; 第一发明人 TOMIOKA KOICHI
权利人 Shin Nippon Koki Co Ltd,新日本工機株式会社 权利人类型 企业
当前权利人 Shin Nippon Koki Co Ltd,新日本工機株式会社 当前权利人类型 企业
省份 当前专利权人所在省份: 城市 当前专利权人所在城市:
具体地址 当前专利权人所在详细地址: 邮编 当前专利权人邮编:
主IPC国际分类 B01D29/39 所有IPC国际分类 B01D29/39B01D35/02B01D39/14B03C5/02
专利引用数量 0 专利被引用数量 1
专利权利要求数量 0 专利文献类型 A
专利代理机构 专利代理人
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To make clogging of a filter, which removes foreign substances of a working fluid of a hydraulic actuator, hardly occur and to efficiently remove fine foreign substances by the filter.
SOLUTION: A filter layer constituted of circularly formed primary filter layers 201, 201' and secondary filter layers 202, 202' is arranged symmetrically on a core material 203 and the outer periphery 206 of the respective primary filter layers 201, 201' and secondary filter layers 202, 202' is firmly closed. The primary filter layers 201, 201' are formed in the upstream side in relation to the flow of a fluid and adsorb and remove solid foreign substances mixed in the fluid by static electricity generated by friction with the fluid and the secondary filter layers 202, 202' are formed in the downstream side of the primary filter layers 201, 201' in the fluid flow direction and are made of materials (nonwoven fabrics of polyester long fibers) different from those (wool presses felt) of the primary filter layers.
COPYRIGHT: (C)2000,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 環状に成型された2組のろ過層の間に液体の流路を有する心材を挟み込み、各ろ過層の外周近傍を固着させて略円盤状に成形したことを特徴とするフィルタ。
  • 【請求項2】 被ろ過液体は、フィルタの外部からろ過層を透過してフィルタ内部に流入することを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
  • 【請求項3】 各ろ過層の外側にその外形を保つための保護部材が設けられ、被ろ過液体は、フィルタ内部からろ過層を透過してフィルタ外部に流出することを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
  • 【請求項4】 前記ろ過層は、少なくとも液体の流れに対して上流側に設けられ、液体との摩擦により生じた静電気により当該液体中に混入している固形夾雑物を吸着除去する1次フィルタ層と、液体の流れに対して1次フィルタ層よりも下流に設けられ、1次フィルタ層と異なる材質からなる2次フィルタ層を具備することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフィルタ。
  • 【請求項5】 環状に成型された少なくとも1次フィルタ層及び2次フィルタ層を含むろ過層を、液体の流路を有する心材を中心として対称に配置し、各1次フィルタ層及び2次フィルタ層の外周近傍を密着させてなる略円盤状のフィルタであって、1次フィルタ層は液体の流れに対して上流側に設けられ、液体との摩擦により生じた静電気により当該液体中に混入している固形夾雑物を吸着除去し、2次フィルタ層は液体の流れに対して1次フィルタ層よりも下流に設けられ、1次フィルタ層と異なる材質からなることを特徴とするフィルタ。
  • 【請求項6】 各ろ過層の1次フィルタ層と2次フィルタ層の間に吸水フィルタ層を挟持したことを特徴とする請求項4又は5記載のフィルタ。
  • 【請求項7】 1次フィルタ層は羊毛プレスフェルトであることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のフィルタ。
  • 【請求項8】 2次フィルタ層はポリエステル長繊維不織布であることを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載のフィルタ。
  • 【請求項9】 心材は、前記円盤状の中心軸を中心とする環状部及び少なくとも前記中心軸から放射方向に伸びた腕部を有することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のフィルタ。
  • 【請求項10】 心材は、さらに前記中心軸を中心とする円の円周方向に伸びた枝部を有することを特徴とする請求項9記載のフィルタ。
  • 【請求項11】 心材は、液体との摩擦により帯電する樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のフィルタ。
  • 【請求項12】 吸水フィルタ層は樹脂含浸紙であることを特徴とする請求項6記載のフィルタ。
  • 【請求項13】 筐体内部において、略円盤状のフィルタを複数段所定方向に積み重ねてなる夾雑物除去装置であって、前記フィルタは、環状に成型された少なくとも1次フィルタ層及び2次フィルタ層を含むろ過層を、液体の流路を有する心材を中心として対称に配置し、各1
    次フィルタ層及び2次フィルタ層の外周近傍を密着させてなり、1次フィルタ層は液体の流れに対して上流側に設けられ、液体との摩擦により生じた静電気により当該液体中に混入している固形夾雑物を吸着除去し、2次フィルタ層は液体の流れに対して1次フィルタ層よりも下流に設けられ、1次フィルタ層と異なる材質からなることを特徴とする夾雑物除去装置。
  • 【請求項14】 液体は、筐体の外部から筐体の内部に流入され、フィルタのろ過層を透過してフィルタ内部の液体の流路を経て筐体外部に排出されることを特徴とする請求項13記載の夾雑物除去装置。
  • 【請求項15】 液体は、筐体の外部から連通管を経てフィルタ内部に流入され、フィルタのろ過層を透過して一旦筐体内部に流れ、さらに筐体外部に排出されることを特徴とする請求項13記載の夾雑物除去装置。
  • 【請求項16】 前記フィルタのうち少なくとも1つは、各ろ過層の1次フィルタ層と2次フィルタ層の間に吸水フィルタ層を挟持したことを特徴とする請求項13
    から15のいずれかに記載の夾雑物除去装置。
  • 【請求項17】 各フィルタ間にスペーサを設けたことを特徴とする請求項15記載の夾雑物除去装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧を用いたアクチュエータ等において、作動油中の微粒夾雑物除去に用いられるフィルタ及びそれを用いた夾雑物除去装置に関する。

    【0002】

    【従来の技術】油圧を用いたアクチュエータ等において、作動油の長寿命化及び装置の劣化防止等のために、
    油圧系統中にオンライン又はオフラインでフィルタ又はフィルタを用いた夾雑物除去装置を設け、作動油中の微粒夾雑物(汚染物)を除去することが行われている。

    【0003】従来から市販されているフィルタには、表層ろ過フィルタと深層ろ過フィルタがある。 表層ろ過フィルタはフィルタ層が薄く、専らフィルタ表面で微粒夾雑物を除去する。 深層ろ過フィルタはフィルタ層が厚く、液体(作動油)がフィルタを透過する際にフィルタ層に徐々に吸着される。 表層ろ過フィルタとしては、フィルタの表面積を大きくするために、例えばポリエステル等の織布を蛇腹状に折りたたんだものをドラム等の周囲に巻き付けて使用される。 一方、深層ろ過フィルタとしては、変型を防止するために、例えば図8に示すように、パルプやコットンリンタ等を所定形状(例えば円盤状)に圧縮成型して使用される。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】一般に、深層ろ過フィルタでは、例えば図8に示すように被ろ過液がフィルタのろ過層を透過する際、被ろ過液の圧がフィルタ自体に加わるため、ろ過層を可撓性材料で形成すると、圧力でフィルタ自体が変型し、フィルタ内部の空間の容積が小さくなったり、吸着容積が小さくなるおそれがある。
    従って、上記従来の深層ろ過フィルタでは、その所定形状を維持するために圧縮後は可撓性が非常に小さくなる材料を用いて圧縮成型されていた。 そのため、フィルタの材料として圧縮成型可能なものしか使用できず、また複数種類の材料を積層することが困難であると言う問題点を有していた。

    【0005】本発明は、上記従来例の問題点を解決するためになされたものであり、圧縮成型することなく、任意の材料を任意の組み合わせで使用可能なフィルタ及びそれを用いた夾雑物除去装置を提供することを目的としている。

    【0006】

    【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のフィルタは、環状に成型された2組のろ過層の間に液体の流路を有する心材を挟み込み、各ろ過層の外周近傍を固着させて略円盤状に成形したことを特徴とする。

    【0007】上記構成において、被ろ過液体は、フィルタの外部からろ過層を透過してフィルタ内部に流入するように構成しても良い。

    【0008】または、各ろ過層の外側にその外形を保つための保護部材が設けられ、被ろ過液体は、フィルタ内部からろ過層を透過してフィルタ外部に流出するように構成しても良い。

    【0009】また、前記ろ過層は、少なくとも液体の流れに対して上流側に設けられ、液体との摩擦により生じた静電気により当該液体中に混入している固形夾雑物を吸着除去する1次フィルタ層と、液体の流れに対して1
    次フィルタ層よりも下流に設けられ、1次フィルタ層と異なる材質からなる2次フィルタ層を具備するように構成しても良い。

    【0010】また、本発明の別のフィルタは、環状に成型された少なくとも1次フィルタ層及び2次フィルタ層を含むろ過層を、液体の流路を有する心材を中心として対称に配置し、各1次フィルタ層及び2次フィルタ層の外周近傍を密着させてなる略円盤状のフィルタであって、1次フィルタ層は液体の流れに対して上流側に設けられ、液体との摩擦により生じた静電気により当該液体中に混入している固形夾雑物を吸着除去し、2次フィルタ層は液体の流れに対して1次フィルタ層よりも下流に設けられ、1次フィルタ層と異なる材質からなることを特徴とする。

    【0011】上記各構成において、各ろ過層の1次フィルタ層と2次フィルタ層の間に吸フィルタ層を挟持しても良い。

    【0012】また、1次フィルタ層として羊毛プレスフェルトを用いても良い。

    【0013】また、2次フィルタ層としてポリエステル長繊維不織布を用いても良い。

    【0014】また、心材を、前記円盤状の中心軸を中心とする環状部及び少なくとも前記中心軸から放射方向に伸びた腕部を有するように構成しても良い。

    【0015】また、心材を、さらに前記中心軸を中心とする円の円周方向に伸びた枝部を有するように構成しても良い。

    【0016】また、心材を、液体との摩擦により帯電する樹脂材料で形成しても良い。

    【0017】また、吸水フィルタ層として樹脂含浸紙を用いても良い。

    【0018】一方、本発明の夾雑物除去装置は、筐体内部において、略円盤状のフィルタを複数段所定方向に積み重ねてなる夾雑物除去装置であって、前記フィルタは、環状に成型された少なくとも1次フィルタ層及び2
    次フィルタ層を含むろ過層を、液体の流路を有する心材を中心として対称に配置し、各1次フィルタ層及び2次フィルタ層の外周近傍を密着させてなり、1次フィルタ層は液体の流れに対して上流側に設けられ、液体との摩擦により生じた静電気により当該液体中に混入している固形夾雑物を吸着除去し、2次フィルタ層は液体の流れに対して1次フィルタ層よりも下流に設けられ、1次フィルタ層と異なる材質からなることを特徴とする。

    【0019】上記構成において、液体は、筐体の外部から筐体の内部に流入され、フィルタのろ過層を透過してフィルタ内部の液体の流路を経て筐体外部に排出されるように構成しても良い。

    【0020】または、液体は、筐体の外部から連通管を経てフィルタ内部に流入され、フィルタのろ過層を透過して一旦筐体内部に流れ、さらに筐体外部に排出されるように構成しても良い。

    【0021】また、前記フィルタのうち少なくとも1つは、各ろ過層の1次フィルタ層と2次フィルタ層の間に吸水フィルタ層を挟持するように構成しても良い。

    【0022】また、各フィルタ間にスペーサを設けても良い。

    【0023】

    【発明の実施の形態】はじめに、フィルタや夾雑物除去装置の一般的な使用例を図1に示す。 図1は油圧アクチュエータとして油圧シリンダを用い、夾雑物除去装置をオフラインで使用する例を示す。 オイルタンク1は、油圧回路を循環してきた夾雑物を含んだ作動油が回収される汚濁油タンク1aと、夾雑物除去装置100を経由して夾雑物が除去された清浄油タンク1bからなる。

    【0024】吸油管2は清浄油タンク1b側に設けられており、ポンプ4を駆動することにより、清浄油タンク1b中の清浄油(作動油)が吸引される。 吸引された作動油はオンラインで設けられたフィルタ3及び5を透過して弁6に供給される。 弁6を制御することにより油圧シリンダ7a,7bが駆動され、所定の駆動力が発生される。 油圧シリンダ7a,7bから排出された作動油はフィルタ8を透過して排出管9から汚濁油タンク1aに排出される。

    【0025】通常、汚濁液タンク1aから清浄油タンク1bへは、夾雑物の少ない上澄み液のみが供給される。
    また、ポンプ4や油圧シリンダ7a、7bの駆動に伴って発生する金属粉等の夾雑物は、オンラインで設けられたフィルタ3,5,8等により除去されると共に、汚濁油タンク1aの底部に沈殿する。

    【0026】一方、ドレインコック10は常時開いており、ポンプ11を連続駆動して汚濁油を夾雑物除去装置100に供給する。 夾雑物除去装置100により夾雑物が除去された清浄油は、排出管12を経て清浄油タンク1bに戻される。

    【0027】次に、本発明のフィルタを用いた夾雑物除去装置の構成を図2に示す。 夾雑物除去装置100の筐体101は、例えば中心軸Lを中心とする略回転対称なドーム状である。 筐体101の内部102の底面には、
    中心軸Lを中心とする環状の台座103が形成されている。 台座103の凹部104には、中心軸Lを中心とする支柱105がねじ等により固定されている。 筐体10
    1の側面には、中心軸Lに略直交する方向に流入管10
    6及び流出管107が設けられている。 台座103の凹部104と流出管107とは連通管108により連通されている。 また、台座103の上端部には、環状の下部フランジ109が固定されている。

    【0028】支柱105の周囲には、支柱105の外径よりも大きな内径を有する略円盤状のフィルタ200及び300が所定段数積み重ねられた状態で、支柱105
    に嵌装されている。 下部フランジ109側(下側)から例えば2段のフィルタ300は、固形の夾雑物だけでなく水分も除去するように、その他のフィルタ200と構成が異なる。 フィルタ200及び300の詳細な構成については後述する。 各フィルタ200及び300の内部は、支柱105の周囲に形成された環状又は筒状の空間110を介して連通されている。

    【0029】積み重ねられたフィルタ200,300の最上部には、フィルタ200,300の内部空間110
    を封鎖するための上部フランジ111が嵌装されている。 また、支柱105の上部には雄ねじが形成されており、雄ねじにナット112を螺合させることにより、上部フランジ111及びフィルタ200,300を固定している。

    【0030】夾雑物除去装置100の外部から流入管1
    06を介して筐体101の内部102に流入された作動油は、図中矢印で示すように、筐体101の内部102
    を循環すると共に、各フィルタ200,300のろ過層を透過して各フィルタ200,300の内部空間110
    に流入する。 さらに、連通管108を通って流出管10
    7から装置の外部に流出する。 作動油が各フィルタ20
    0,300を透過する際、各フィルタ200,300のろ過層により固形の夾雑物が吸着されると共に、特にフィルタ300では液体である水分も吸収される。

    【0031】次に、本発明のフィルタの第1の実施形態の構成を図3に示す。 第1の実施形態では、作動油はフィルタ200の外部からろ過層を透過して内部に流れる。 フィルタ200は、前述のように略円盤状であり、
    中心軸Lに対して略回転対称体である。 同時に、中心軸Lに直交する面Mに対しても略対称である。 また、フィルタ200は、中心に設けられた心材203と、面Mに対して対称に設けられたろ過層を構成する1次フィルタ層201,201'及び2次フィルタ層202,202'
    とで構成されている。 1次フィルタ層201,201'
    が外側(作動液の流れ方向の上流側)で、2次フィルタ層202,202'が内側(作動液の流れ方向の下流側)に位置する。

    【0032】1次フィルタ層201,201'と2次フィルタ層202,202'とはそれぞれ略密着するように設けられており、外周部近傍206において接着剤等により接合されている。 一方、心材203は、フィルタ200の内部空間(液体の流路)を確保するためのスペーサとして機能し、2次フィルタ層202,202'同士が圧力により密着するのを防止する。 また、心材20
    3には、中央部の円形の空間204に連通するための貫通穴205が中心軸Lに対して略直交するように設けられている。

    【0033】1次フィルタ層201,201'の材料としては、例えば厚さ1〜20mm程度の羊毛プレスフェルトを用いる。 羊毛プレスフェルトは、専ら敷物の材料として周知であり、過去に精密フィルタの材料として使用された実績は皆無であると思われる。 実際、羊毛プレスフェルトの目は、従来フィルタの材料として使用されているものと比較して非常に粗いので、例えば粒径が2
    5μm以下のような微細な夾雑物を捕集できるとは考えにくい。

    【0034】ところが、実際には羊毛プレスフェルトを用いることにより、作動油中の微小夾雑物が非常に良く除去される。 その原理は以下のように考えられる。 まず、作動油がフィルタ200を透過する際、作動油の分子が羊毛繊維表面と接触し、摩擦により発生する微弱な静電気により羊毛繊維が帯電する。 作動油中に含まれている微小夾雑物は、静電吸着により羊毛繊維表面に吸着される。 その結果、羊毛プレスフェルトの目の粗さとは無関係に、それよりも遙かに小さい微小夾雑物が作動油中から除去される。 羊毛プレスフェルトの体積抵抗率は10 13 Ω/cm程度であり、弱帯電物質である。 なお、
    1次フィルタ層201,201'の材料としては羊毛プレスフェルトには必ずしも限定されず、体積抵抗率が少なくとも10 12 Ω/cm以上の材料であれば使用可能である。

    【0035】1次フィルタ層201,201'の一例として、直径270mm、厚さ6mmの羊毛プレスフェルトを用いてフィルタ200を製作し、これを15段積み重ねて夾雑物除去装置100を製造した場合、1次フィルタ層201全体(30枚)として約4リットルの内部空間(夾雑物の吸着可能な空間)が生じる。 すなわち、
    フィルタ200又は夾雑物除去装置100を長期間使用することが可能であることがわかる。

    【0036】2次フィルタ層202,202'は、1次フィルタ層201,201'の材料である羊毛プレスフェルトから脱落した繊維を捕集すると共に、1次フィルタ層201,201'を透過した微小夾雑物を捕集するために設けられている。 2次フィルタ層202,20
    2'の材料としては、例えばポリエステル長繊維不織布を用い、部分的に熱圧着することにより繊維の脱落を防止している。 2次フィルタ層202,202'は、通常1次フィルタ層201,201'にそれぞれ1枚ずつ張り合わせるが、精密ろ過を行う場合は2枚以上重ねて張り合わせても良い。

    【0037】1次フィルタ層201,201'の材料である羊毛プレスフェルトは可撓性を有し、それ自体で所定の形状を維持することは困難である。 同様に、2次フィルタ層202,202'の材料であるポリエステル長繊維不織布も可撓性を有し、それ自体で所定の形状を維持することは困難である。 しかしながら、心材203を用いることにより、図3に示すような略円盤状の形状を維持することが可能となる。

    【0038】心材203の材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂や鉄等の金属を用いることができる。 例えば樹脂材料の場合は射出成型等により、金属材料の場合は板状材料のプレス成形により、
    それぞれ加工する。 前述のように、心材203はフィルタ200の内部空間を確保するためのスペーサとして機能するので、1次フィルタ層201,201'及び2次フィルタ層202,202'を透過した作動油が流れるための流路を確保する必要がある。 そのため、心材20
    3は、例えば図4(a)又は(b)に示すような平面形状を有している。 図4(a)では、中心軸Lに対して放射状の腕部及びLを中心とする同心円状の枝部が形成されている。 一方、図4(b)では、中心軸Lに対して放射状にのみ腕部が形成されている。

    【0039】前述のように、心材203の材料としては特に限定されないけれども、樹脂を用いた場合、1次フィルタ層201,201'と同様に、作動油が心材20
    3の表面と接触することにより、摩擦により微弱な静電気が発生し、心材203が帯電する。 1次フィルタ層2
    01,201'及び2次フィルタ層202,202'を透過した微小夾雑物は、静電吸着により心材203の表面に吸着される。 その結果、夾雑物除去効果を向上させることが可能となる。 なお、PETの体積抵抗率は10 16
    Ω/cm以上であり、通常の帯電物質である。

    【0040】心材203の樹脂材料としては、PETの他に、キャストナイロン、ポリカーボネイト、ポリプロピレン、アクリル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアセタール、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ロア(商品名:筒中プラスチック)、ピーク(商品名:日本ポリペンコ)等を用いることができる。 なお、使用後の焼却処分を考慮すると、塩化ビニール系樹脂は好ましくない。

    【0041】次に、本発明のフィルタの第2の実施形態の構成を図5に示す。 第2の実施形態では、作動油はフィルタ300の外部からろ過層を透過して内部に流れる。 フィルタ300も同様に略円盤状であり、中心軸L
    に対して略回転対称体である。 同時に、中心軸Lに直交する面Mに対しても略対称である。 また、フィルタ30
    0は、中心に設けられた心材303と、面Mに対して対称に設けられたろ過層を構成する1次フィルタ層30
    1,301'、2次フィルタ層302,302'及び1次フィルタ層301,301'と2次フィルタ層302,
    302'に挟持されるように設けられた吸水フィルタ層307,307'とで構成されている。 1次フィルタ層301,301'と2次フィルタ層302,302'は、
    外周部近傍306において接着剤等により接合されている。

    【0042】1次フィルタ層301,301'、2次フィルタ層302,302'及び心材303は、それぞれ上記フィルタ200で用いた1次フィルタ層201,2
    01'、2次フィルタ層202,202'及び心材203
    と実質的に同じものである。 吸水フィルタ層307,3
    07'としては、例えば樹脂含浸紙(パルプ100%)
    を積層したものを用いる。 なお、吸水フィルタ層30
    7,307'は、水分だけでなく、固形の夾雑物も捕集しうることは言うまでもない。

    【0043】上記フィルタ200の場合と同様に、心材303は、フィルタ300の内部空間を確保するためのスペーサとして機能し、2次フィルタ層302,30
    2'同士が圧力により密着するのを防止する。 また、心材303には、中央部の円形の空間304に連通するための貫通穴305が中心軸Lに対して略直交するように設けられている。

    【0044】周知のように、水は油よりも比重が大きいので、夾雑物除去装置100の筐体101の内部では、
    下部の台座103の近傍に沈殿すると考えられる。 そのため、前述のように、下部フランジ109側(下側)から例えば2段に、吸水フィルタ層を含むフィルタ300
    を配置している。 なお、フィルタ200と300の組み合わせやその使用数は上記説明の場合に限定されず、夾雑物除去装置100が用いられる状況に応じて、適宜変更すればよい。

    【0045】また、上記夾雑物除去装置100では、ナット112及び上部フランジ111を取り外すことにより、フィルタ200,300を取り外すことが可能である。 従って、吸水フィルタ層307,307'が水分の吸収により膨潤した場合、フィルタ300のみを交換することも可能である。

    【0046】なお、本出願人は、上記第1及び第2の実施形態のフィルタ200,300を試作し、図2に示す夾雑物除去装置に装着して実験したところ、NAS5級(25μm以下の微小夾雑物が100ml中に約900
    0個以下)という非常に優れた夾雑物除去能力が得られることを確認した。

    【0047】次に、本発明のフィルタの第3の実施形態の構成を図6に示す。 第3の実施形態のフィルタは、上記第1及び第2の実施形態のフィルタとは逆に、作動油はフィルタ200の内部からろ過層を透過して外部に流れる。

    【0048】フィルタ200も同様に円盤状であり、中心軸Lに対して略回転対称体である。 同時に、中心軸L
    に直交する面Mに対しても略対称である。 また、フィルタ200は、中心に設けられた心材203と、面Mに対して対称に設けられた1次フィルタ層201,201'
    及び2次フィルタ層202,202'とで構成されている。 但し、1次フィルタ層201,201'と2次フィルタ層202,202'の配置が異なり、1次フィルタ層201,201'が内側(作動液の流れ方向の上流側)で、2次フィルタ層202,202'が外側(作動液の流れ方向の下流側)に位置する。

    【0049】1次フィルタ層201,201'と2次フィルタ層202,202'とはそれぞれ略密着するように設けられており、外周部近傍206において接着剤等により接合されている。 一方、心材203は、フィルタ200の内部空間を確保するためのスペーサとして機能し、2次フィルタ層202,202'同士が圧力により密着するのを防止する。 また、心材203には、中央部の円形の空間204に連通するための貫通穴205が中心軸Lに対して略直交するように設けられている。 2次フィルタ層202,202'の外側には、隣接する他のフィルタ200,300の2次フィルタ層202,20
    2'又は302,302'と密着するのを防止するためのスペーサ207,207'が設けられている。

    【0050】第3の実施形態における1次フィルタ層2
    01,201'及び2次フィルタ層202,202'の材料は、それぞれ上記第1の実施形態における1次フィルタ層201,201'及び2次フィルタ層202,20
    2'の材料と実質的に同じものである。 また、心材20
    3も第1の実施形態における心材203と実質的に同一である。 また、スペーサ207,207'の平面形状は、例えば図4(a)又は(b)に示すような心材20
    3の平面形状と同様であってもよい。

    【0051】次に、本発明のフィルタの第4の実施形態の構成を図7に示す。 第4の実施形態では、作動油はフィルタ300の内部からろ過層を透過して外部に流れる。 第4の実施形態のフィルタ300も略円盤状であり、中心軸Lに対して略回転対称体である。 同時に、中心軸Lに直交する面Mに対しても略対称である。 また、
    フィルタ300は、中心に設けられた心材303と、面Mに対して対称に設けられた1次フィルタ層301,3
    01'、2次フィルタ層302,302'及び1次フィルタ層301,301'と2次フィルタ層302,302'
    に挟持されるように設けられた吸水フィルタ層307,
    307'、2次フィルタ層302,302'の外側には設けらたスペーサ308,308'とで構成されている。

    【0052】上記第3の実施形態のフィルタ200と同様に、1次フィルタ層301,301'が内側(作動液の流れ方向の上流側)で、2次フィルタ層302,30
    2'が外側(作動液の流れ方向の下流側)に位置する。
    1次フィルタ層301,301'と2次フィルタ層30
    2,302'は、外周部近傍306において接着剤等により接合されている。

    【0053】1次フィルタ層301,301'、2次フィルタ層302,302'及び吸水フィルタ層307,
    307'の材料は、それぞれ第2の実施形態における1
    次フィルタ層301,301'、2次フィルタ層30
    2,302'及び吸水フィルタ層307,307'の材料と実質的に同一であり、心材303も第2の実施形態における心材303と実質的に同一である。 心材303には、中央部の円形の空間304に連通するための貫通穴305が中心軸Lに対して略直交するように設けられている。 また、スペーサ308,308'はフィルタ20
    0におけるスペーサ207,207'と実質的に同一である。

    【0054】以上のように構成された第3及び第4の実施形態のフィルタ200,300を用いた夾雑物除去装置100では、上記第1の及び第2実施形態のフィルタ200,300を用いた夾雑物除去装置100と異なる特徴を有する。 すなわち、夾雑物を含む作動液は各フィルタ200,300の内部空間から、各フィルタ20
    0,300のろ過層を透過して夾雑物除去装置100の筐体101の内部102に流れるので、除去された夾雑物はフィルタ200,300の内側に残留する。 換言すれば、夾雑物除去装置100の筐体101の内側には、
    夾雑物による汚れはほとんどない。 その結果、フィルタ200,300の交換の際、夾雑物で汚染された廃油が配管を通じてオイルタンク1の汚濁油タンク1aや清浄油タンク1bに混入するおそれが非常に小さくなる。

    【0055】なお、第3及び第4の実施形態では、スペーサ207,207',308,308'は2次フィルタ層202,202'、302,302'に接着する必要がないので、フィルタ200,300の交換の際再使用可能であり、コストダウンをはかることができる。 また、
    未使用時において1次フィルタ層201と201'及び301と301'とが密着しないように、スペーサ20
    7,207',308,308'の形状を工夫することにより、心材203,303を省略することも可能である。

    【0056】また、上記各実施形態では、油圧アクチュエータ等に用いられる作動油中の夾雑物を除去する場合について説明したが、本発明のフィルタの用途はこれに限定されず、切削機械における加工油中の夾雑物の除去等にも使用することが可能である。 さらに、夾雑物を除去される液体は油に限定されず、水等のその他の液体であっても良い。

    【0057】また、上記各実施形態では、フィルタ20
    0,300のろ過層として、1次フィルタ層201,2
    01',301,301'、2次フィルタ層202,20
    2',302,302'及び必要に応じて吸水フィルタ層307,307'を設けたが、これらの構成には限定されず、さらに他のフィルタ層を設けても良い。 また、各層の材料も上記実施形態に例示列挙したものに限定されず、それ以外の材料を用いることができることは言うまでもない。

    【0058】

    【発明の効果】以上説明したように、本発明のフィルタによれば、環状に成型された2組のろ過層の間に液体の流路を有する心材を挟み込み、各ろ過層の外周近傍を密着させて略円盤状に成形したことを特徴とするので、可撓性を有する材料をろ過層の材料として用いた場合であっても、圧縮成型等の特殊な加工を行うことなく、所定の形状を維持すること、特にフィルタ内部の液体の流路を確保することが可能となる。 また、ろ過層の材料として可撓性を有する材料であっても使用することができ、
    所望するフィルタの性能にあわせて任意の材料を使用することが可能となる。 また、使用する材料の層数や組み合わせも限定されない。

    【0059】また、被ろ過液体をフィルタの外部からろ過層を透過してフィルタ内部に流入するように構成した場合、液体の圧力によりろ過層が密着する方向に変型されようとするが、心材によりろ過層の変型が阻止され、
    一定の液体の流路が確保される。

    【0060】また、被ろ過液体をフィルタ内部から過層を透過してフィルタ外部に流出するように構成した場合、液体の圧力によりろ過層が隣接する他の部材に密着する方向に変型されようとするが、各ろ過層の外側にそれぞれ保護部材を設けることにより、ろ過層の所定形状が維持され、ろ過層が他の部材に密着することはない。
    その結果、一定のろ過面積が確保され、液体のろ過を継続的に行うことが可能となる。

    【0061】また、本発明の別のフィルタによれば、環状に成型された少なくとも1次フィルタ層及び2次フィルタ層を含むろ過層を、液体の流路を有する心材を中心として対称に配置し、各1次フィルタ層及び2次フィルタ層の外周近傍を密着させてなる略円盤状のフィルタであって、1次フィルタ層は液体の流れに対して上流側に設けられ、液体との摩擦により生じた静電気により当該液体中に混入している固形夾雑物を吸着除去し、2次フィルタ層は液体の流れに対して1次フィルタ層よりも下流に設けられ、1次フィルタ層と異なる材質からなるので、上記フィルタをろ過層として用いた円盤状のフィルタを構成することができ、優れた夾雑物除去効果を有しつつ、従来の夾雑物除去装置に使用されているフィルタと置き換えることも可能である。 また、この円盤状フィルタを複数使用することにより、夾雑物を吸着可能な空間の割合が大きくなり、大量の夾雑物を吸着することができ、長期間の使用に耐えることができる。

    【0062】また、各ろ過層の1次フィルタ層と2次フィルタ層の間に吸水フィルタ層を挟持させることにより、例えば夾雑物を除去される液体が油の場合に、油中に混入した水分を除去することが可能となる。

    【0063】一方、本発明の夾雑物除去装置によれば、
    上記フィルタを複数段重ねて筐体内部に配置して使用するので、夾雑物を吸着しうる容積が非常に大きく、長期間フィルタを交換することなく、例えば油圧アクチュエータの作動液の品質を一定(例えば、前述のようにNA
    S5級程度)に維持することが可能となる。 その結果、
    廃液の発生量が非常に少なくなり、環境汚染を防止することが可能になる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 夾雑物除去装置の一般的な使用例を示す図である。

    【図2】 本発明のフィルタを使用した夾雑物除去装置の一構成例を示す断面図である。

    【図3】 本発明のフィルタの第1の実施形態の構成を示す断面図である。

    【図4】 (a)及び(b)はそれぞれ第1の実施形態のフィルタに適する心材の形状を示す平面図である。

    【図5】 本発明のフィルタの第2の実施形態の構成を示す断面図である。

    【図6】 本発明のフィルタの第3の実施形態の構成を示す断面図である。

    【図7】 本発明のフィルタの第4の実施形態の構成を示す断面図である。

    【図8】 従来の深層ろ過フィルタの構成を示す図である。

    【符号の説明】

    100:夾雑物除去装置 101:筐体 102:筐体の内部 200:フィルタ 201,201':1次フィルタ層 202,202':2次フィルタ層 203:心材 300:フィルタ 301,301':1次フィルタ層 302,302':2次フィルタ層 303:心材 307,307':吸水フィルタ層 308,308':スペーサ

    フロントページの続き Fターム(参考) 4D019 AA03 AA04 BA12 BA13 BA17 BB03 BB04 BB05 BB10 BC01 CA05 CB04 DA02 4D054 AA01 AA20 FA02 FA03 FB09 FB20 4D064 AA23 AA40 BK03 BK05 BM22 BM37

    QQ群二维码
    意见反馈