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メタン発酵生成物の処理方法

阅读:353发布:2024-01-21

专利汇可以提供メタン発酵生成物の処理方法专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】単一の反応槽で、硫化 水 素の存在下、硫黄 酸化 細菌による硫化水素の酸化と、硝化細菌によるアンモニアの酸化とを同時に行えるメタン発酵生成物の処理方法を提供する。 【解決手段】メタン発酵生成物の処理方法は、メタン発酵生成物であるバイオガス2と消化液3とを硫黄酸化細菌と硝化細菌とが共存する単一の反応槽4に供給し、好気条件下、バイオガス2中の硫化水素を硫黄酸化細菌により酸化し、消化液3中のアンモニアを硝化細菌により酸化する。硝化細菌は順次回分式反応槽11を用いて所定の硫化物負荷速度により馴養された硝化細菌であり、256mg−SL −1 d −1 以下の硫化物負荷速度下、硫化水素とアンモニアとを同時に処理する。 【選択図】 図1,下面是メタン発酵生成物の処理方法专利的具体信息内容。

有機性廃棄物のメタン発酵における生成物であるバイオガスと第1の消化液とを硫黄酸化細菌と硝化細菌とが共存する単一の反応槽に供給し、好気条件下、該バイオガス中の硫化素を該硫黄酸化細菌により酸化する一方、該第1の消化液中のアンモニアを該硝化細菌により酸化するメタン発酵生成物の処理方法であって、 前記硝化細菌は順次回分式反応槽を用いて所定の硫化物負荷速度により馴養された硝化細菌であり、256mg−S L−1d−1以下の範囲の硫化物負荷速度下でアンモニアを酸化することを特徴とするメタン発酵生成物の処理方法。請求項1記載のメタン発酵生成物の処理方法において、前記硝化細菌は、128mg−S L−1d−1以下の範囲の硫化物負荷速度下でアンモニアを酸化することを特徴とするメタン発酵生成物の処理方法。請求項1又は請求項2記載のメタン発酵生成物の処理方法において、硫黄酸化細菌と硝化細菌とが共存する単一の反応槽として順次回分式反応槽を用いることを特徴とするメタン発酵生成物の処理方法。請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のメタン発酵生成物の処理方法において、前記硝化細菌として、アンモニアを亜硝酸に酸化する細菌のみを用いるか、又はアンモニアを亜硝酸に酸化する細菌と亜硝酸を硝酸に酸化する細菌とを用いることを特徴とするメタン発酵生成物の処理方法。請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のメタン発酵生成物の処理方法において、前記反応槽で前記硝化細菌によりアンモニアが酸化された第2の消化液を無希釈のまま培地とし微細藻類の培養を行うことを特徴とするメタン発酵生成物の処理方法。請求項5記載のメタン発酵生成物の処理方法において、前記微細藻類を培養する際に該微細藻類の光合成により生成した酸素を前記反応槽に供給し、前記硫黄酸化細菌及び前記硝化細菌の酸素源とすることを特徴とするメタン発酵生成物の処理方法。

说明书全文

本発明は、メタン発酵生成物の処理方法に関する。

近年、畜糞、生ゴミ、廃等の有機性廃棄物を処理するために、該有機性廃棄物を基質として嫌気性菌によりメタン発酵させることが検討されている。前記メタン発酵によれば、その生成物としてバイオガスと消化液とが得られ、バイオガスは発電等の燃料に用いることができ、消化液は微細藻類の栄養源として該微細藻類の培養に用いることができるので、省エネルギーとなるものと考えられる。

ところが、前記バイオガスは、主成分のメタンガスの他に硫化水素を含有し、該硫化水素により機器が腐食されるので、発電等のエネルギーに用いるには硫化水素を除去する必要がある。また、前記消化液は、含有するアンモニアが微細藻類の成長を阻害するので、微細藻類の培養に用いるには多量の水により希釈するかアンモニアを除去する必要がある。

そこで、前記有機性廃棄物や廃水をメタン発酵により処理する際の発酵生成物であるバイオガス中の硫化水素の除去と、消化液中のアンモニアの除去とをそれぞれ別の反応槽を設けて行う方法が知られている。この場合、前記硫化水素は例えば好気条件下で硫黄酸化細菌により生物学的に硫酸態硫黄に酸化することにより前記バイオガスから除去することができ、前記アンモニアは好気条件下で例えば硝化細菌により生物学的に硝酸態窒素に酸化することにより前記消化液から除去することができる。しかし、前記方法では、硫化水素の処理とアンモニアの処理とにそれぞれ別の反応槽を必要とするので、処理に要するコストが増大するという問題がある。

前記問題を解決するために、消化液中のアンモニアを硝化細菌により酸化して硝酸態窒素とする反応槽に硫黄酸化細菌を共存させる一方、バイオガスから除去された硫化水素を該反応槽に供給し、硫化水素の酸化とアンモニアの酸化とを1つの処理槽で行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

特開2009−24079号公報(請求項1、2参照)

しかしながら、消化液中のアンモニアを硝化細菌により酸化して硝酸態窒素とする反応槽に硫黄酸化細菌を共存させ、該反応槽に硫化水素を供給すると、硝化細菌のアンモニアを酸化する作用が硫化水素により阻害されるという不都合がある。

本発明は、かかる不都合を解消して、単一の反応槽で、硫化水素の存在下、硫黄酸化細菌による硫化水素の酸化と、硝化細菌によるアンモニアの酸化とを同時に行うことができるメタン発酵生成物の処理方法を提供することを目的とする。

かかる目的を達成するために、本発明のメタン発酵生成物の処理方法は、有機性廃棄物のメタン発酵における生成物であるバイオガスと第1の消化液とを硫黄酸化細菌と硝化細菌とが共存する単一の反応槽に供給し、好気条件下、該バイオガス中の硫化水素を該硫黄酸化細菌により酸化する一方、該第1の消化液中のアンモニアを該硝化細菌により酸化するメタン発酵生成物の処理方法であって、前記硝化細菌は順次回分式反応槽を用いて所定の硫化物負荷速度により馴養された硝化細菌であり、256mg−SL−1d−1以下、好ましくは128mg−SL−1d−1以下の範囲の硫化物負荷速度下でアンモニアを酸化することを特徴とする。

本発明のメタン発酵生成物の処理方法では、有機性廃棄物のメタン発酵における生成物であるバイオガスと第1の消化液とを硫黄酸化細菌と硝化細菌とが共存する単一の反応槽に供給し、好気条件下、該バイオガス中の硫化水素を該硫黄酸化細菌により酸化する一方、該第1の消化液中のアンモニアを該硝化細菌により酸化するときに、前記硝化細菌として順次回分式反応槽を用いて所定の硫化物負荷速度により馴養された硝化細菌を用いる。

本発明者らの検討によれば、前記硝化細菌は順次回分式反応槽を用いて所定の硫化物負荷速度により馴養することにより、高い硫化物耐性を得ることができ、硫化水素による硫化物負荷速度が256mg−SL−1d−1以下の範囲であれば、硫化水素に阻害されることなくアンモニアを酸化することができ、128mg−SL−1d−1以下の範囲であれば、より確実に硫化水素に阻害されることなくアンモニアを酸化することができる。

前記順次回分式反応槽とは、基質の供給、反応、汚泥沈降、上澄み液の排水のサイクルを繰り返し行う処理に用いる反応槽であり、本発明のメタン発酵生成物の処理方法では、前記バイオガス及び前記第1の消化液を基質とする。前記順次回分式反応槽は、前記反応中には排水を行わず、前記汚泥沈降により汚泥が除かれた上澄み液のみが排水対象となるため、硝化細菌の菌体を高濃度で保持することができ、硫化物負荷速度を段階的に高くして硝化細菌を馴養することにより、高い硫化物耐性を備える硝化細菌を得ることができるものと考えられる。

従って、本発明のメタン発酵生成物の処理方法によれば、硫黄酸化細菌と前記のようにして馴養された硝化細菌とが共存する単一の反応槽において、硫化水素の存在下で、硫黄酸化細菌による硫化水素の酸化と、該硝化細菌によるアンモニアの酸化とを同時に行うことができる。

また、本発明のメタン発酵生成物の処理方法では、硫黄酸化細菌と硝化細菌とが共存する単一の反応槽自体を順次回分式反応槽とすることが好ましい。また、前記単一の反応槽は、前記順次回分式反応槽に代えて、連続攪拌槽型反応槽、固定床型反応槽、流動床型反応槽等の反応槽とすることもできる。

ところで、硝化細菌によるアンモニアの一般的な酸化は、アンモニアを亜硝酸に酸化する細菌(アンモニア酸化細菌)によるアンモニア(NH4+)を亜硝酸(NO2)に酸化する過程と、亜硝酸を硝酸に酸化する細菌(亜硝酸酸化細菌)による亜硝酸(NO2)を硝酸(NO3)に酸化する過程とからなることが知られている。

そこで、本発明のメタン発酵生成物の処理方法においては、前記硝化細菌として、アンモニアを亜硝酸に酸化する細菌のみを用いるか、又はアンモニアを亜硝酸に酸化する細菌と亜硝酸を硝酸に酸化する細菌とを用いることができる。

また、本発明のメタン発酵生成物の処理方法では、前記反応槽で前記硝化細菌によりアンモニアが酸化された第2の消化液を培地として微細藻類の培養を行うことが好ましい。前記反応槽から得られる第2の消化液は、前記硝化細菌によりアンモニアが酸化されているので、微細藻類の成長を阻害するアンモニアを実質的に含んでいない。従って、前記反応槽から得られる第2の消化液を無希釈のまま直接前記微細藻類の培養に用いることができるため水の消費を省き、さらに省エネルギーかつ低コストとすることができる。

前述のようにして前記微細藻類の培養を行うときには、該微細藻類の光合成により酸素が生成される。そこで、本発明のメタン発酵生成物の処理方法では、前記微細藻類を培養する際に該微細藻類の光合成により生成した酸素を前記反応槽に供給し、前記硫黄酸化細菌及び前記硝化細菌の酸素源とすることが好ましい。このようにすることにより、前記反応槽内を好気条件とするために、該反応槽内に供給される酸素の少なくとも一部を前記光合成により生成した酸素で置き換えることができ、系外から供給する酸素を低減して、さらに省エネルギーかつ低コストとすることができる。

本発明のメタン発酵生成物の処理方法を示すブロック図。

本発明に用いる順次回分式反応槽の構成を示す斜視図。

図2に示す順次回分式反応槽を用いる硝化細菌の馴養方法を示すグラフ。

Aは、順次回分式反応槽を用い、128mg−S L

−1 d

−1以下の範囲の硫化物負荷速度下に硫化物負荷速度を段階的に高くしてバイオガス及び第1の消化液を処理したときの排水される第2の消化液に含まれるNH

4

+、NO

2

、NO

3

の各濃度及びNH

4

+除去率の経時変化を示すグラフ、Bは、Aに対応する排水される第2の消化液に含まれるHS

、SO

4

2−の各濃度及びHS

除去率の経時変化を示すグラフ。

Aは、順次回分式反応槽を用い、256mg−S L

−1 d

−1以下の範囲の硫化物負荷速度下に硫化物負荷速度を段階的に高くしてバイオガス及び第1の消化液を処理したときの排水される第2の消化液に含まれるNH

4

+、NO

2

、NO

3

の各濃度及びNH

4

+除去率の経時変化を示すグラフ、Bは、Aに対応する排水される第2の消化液に含まれるHS

、SO

4

2−の各濃度及びHS

除去率の経時変化を示すグラフ。

本発明のメタン発酵生成物の処理方法により得られた第2の消化液を用いて微細藻類の培養を行ったときの微細藻類の量の経時変化を示すグラフ。

次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。

図1に示すように、本実施形態のメタン発酵生成物の処理方法は、まず、メタン発酵槽1で、畜糞、生ゴミ等の有機性廃棄物や食品加工廃水、浸出液等の有機性廃水を基質として、嫌気性菌によりメタン発酵を行わせる。前記嫌気性菌としては、例えば、下水汚泥を処理対象としたメタン発酵処理施設から入手した嫌気性消化汚泥を用いることができる。

メタン発酵槽1はそれ自体公知の装置を用いることができ、メタン発酵もそれ自体公知の方法により行うことができる。この結果、メタン発酵の生成物として、メタンガスを主成分とし硫化水素を含有するバイオガス2と、アンモニアを含有する第1の消化液3とが得られる。

メタン発酵の生成物であるバイオガス2と第1の消化液3とは、次いで、硫黄酸化細菌と硝化細菌とが共存する共存系処理槽4に送られる。尚、図1では、液体の流れを実線で、気体の流れを破線で示している。

前記硫黄酸化細菌としては、例えば、チオバチルス、チオスリックス、ベギアトア、チオマリヌス、シュードモナスス、ヒフォミクロビウム、パラコッカス等を用いることができる。また、前記硝化細菌としては、アンモニアを亜硝酸に酸化する細菌のみを用いるか、又はアンモニアを亜硝酸に酸化する細菌と亜硝酸を硝酸に酸化する細菌とを用いることができる。前記アンモニア酸化細菌としては、例えば、ニトロソモナス、ニトロソロブス、ニトロソコッカス、ニトロソスピラ等を用いることができ、前記亜硝酸酸化細菌としては、例えば、ニトロスピラ、ニトロバクター、ニトロコッカス、ニトロスピナ等を用いることができる。また、前記硝化細菌としては、前記アンモニア酸化細菌と亜硝酸酸化細菌との両方の働きを兼ね備えるものを用いてもよい。また、前記硫黄酸化細菌及び前記硝化細菌としては、廃水処理施設等から入手した好気性汚泥等を用いることもできる。

共存系処理槽4では、前記硫黄酸化細菌及び前記硝化細菌による好気反応の結果、バイオガス2由来の硫化水素(H2S)が前記硫黄酸化細菌により酸化(脱硫)されて硫酸イオン(SO42−)等の硫化物酸化物が生成される一方、第1の消化液3由来のアンモニア(NH4+)が前記硝化細菌により酸化(硝化)されて、亜硝酸態窒素(NO2)又は硝酸態窒素(NO3)が生成される。

ここで、前記硝化細菌によるアンモニアの酸化は、硫化水素により阻害されることが懸念される。しかし、本実施形態のメタン発酵生成物の処理方法では、前記硝化細菌として、順次回分式反応槽を用い、硫化物負荷速度を段階的に高くして馴養することにより硫化物耐性を向上させた好気性汚泥を用いることにより、256mg−SL−1d−1以下、好ましくは128mg−SL−1d−1以下の範囲の硫化物負荷速度下で、該硝化細菌によりアンモニアを硝酸イオン又は亜硝酸イオンに酸化することができる。

前記好気反応の結果、硫化水素及びアンモニアを実質的に含有せず、硫酸イオン(SO42−)等の硫化物酸化物及び亜硝酸態窒素(NO2)又は硝酸態窒素(NO3)を含有する第2の消化液5と、メタンガスを主成分とし硫化水素を実質的に含有しない脱硫ガス6とが生成する。次に、第2の消化液5は共存系処理槽4から取り出され、無希釈のまま微細藻類培養槽7に供給されて、微細藻類の培養に利用される。一方、脱硫ガス6は、共存系処理槽4から取り出され、発電等に利用される。

微細藻類培養槽7で培養される前記微細藻類としては、例えば、クロレラ、ドナリエラ、セネデスムス、ユーグレナ、スピルリナ、ヘマトコッカス、ボツリオコッカス、クラミドモナス、クリプテコディニウム、シュードコリシスチス、テトラセルミス、キートセラス、ナンノクロロプシス、ファエオダクチルム、スケレトネマ、ニッチア、イソクリシス、タラシオシラ、パブロバ等を挙げることができる。

前記微細藻類の培養は、それ自体公知の方法により行うことができ、該微細藻類は光合成を行って増殖する。増殖した前記微細藻類を含有する懸濁液8は、固液分離することにより固形分としての微細藻類を得ることができ、該微細藻類は藻類バイオマスとして、健康食品、飼料等の原料に用いることができる。

一方、微細藻類培養槽7で前記光合成により生成した酸素9を共存系処理槽4に供給することにより、共存系処理槽4内を好気的条件とするために供給される曝気用空気の少なくとも一部を該酸素9で置き換えることができる。

共存系処理槽4は、例えば、図2に示す順次回分式反応槽11を用いることができる。順次回分式反応槽11は、バイオガス2と第1の消化液3を基質12として収容する槽本体13と、槽本体13にバイオガス2を供給するバイオガス供給導管14と、槽本体13に第1の消化液3を供給する消化液供給導管15と、空気等の酸素を含む気体を供給する酸素供給導管16と、槽本体13から上澄み液(第2の消化液5)を排出する排液導管17と、槽本体13から脱硫ガス6を排気する排気導管18と、基質12を撹拌する撹拌装置19とを備えている。

槽本体13は密閉されており、バイオガス供給導管14は槽本体13の底部近傍で基質12中に開口しており、消化液供給導管15は基質12の液面上に開口している。また、酸素供給導管16は、バイオガス供給導管14に沿って配設されて、槽本体13の底部近傍で基質12中に開口しており、排液導管17は基質12の上部液面下に開口している。また、排気導管18は基質12の液面の上方に開口している。撹拌装置19としては、攪拌羽等を用いることができる。

順次回分式反応槽11は、基質12の供給を反応時間中に長時間をかけて徐々に行うことで、基質負荷の一時的な増大を避けることができ、阻害物質を含有する基質12の処理に適すとされる。

共存系処理槽4として、順次回分式反応槽11を用いるときには、まず、バイオガス供給導管14からバイオガス2を、消化液供給導管14から第1の消化液3を、それぞれ所定量ずつ槽本体13に供給する一方、酸素供給導管16から所定量の空気等の酸素を含む気体を槽本体13に供給しつつ、撹拌装置19の撹拌下に、前記硫黄酸化細菌及び前記硝化細菌による好気反応を所定時間行う。

前記好気反応によれば、バイオガス2由来の硫化水素(H2S)が前記硫黄酸化細菌により酸化されて硫酸イオン(SO42−)等の硫化物酸化物となる一方、第1の消化液3由来のアンモニア(NH4+)が前記硝化細菌により酸化されて亜硝酸態窒素(NO2)又は硝酸態窒素(NO3)となる。前記好気反応の間に、硫化水素(H2S)が前記硫黄酸化細菌により酸化されたバイオガス2は、メタンガスを主成分とし硫化水素を実質的に含有しない脱硫ガス6となり、基質12の液面上の空間を経て、排気導管18により槽本体13から排気される。

前記好気反応の終了後、撹拌装置19の撹拌を停止すると、前記好気性汚泥が槽本体13の底部に沈降する一方、硫化水素及びアンモニアを実質的に含有せず、硫酸イオン(SO42−)等の硫化物酸化物及び亜硝酸態窒素(NO2)又は硝酸態窒素(NO3)を含有する第2の消化液5が上澄み液を形成し、排液導管17により槽本体13から排水される。

本実施形態のメタン発酵液の処理方法では、順次回分式反応槽11を、例えば、基質供給及び好気反応23.5時間、汚泥沈降20分、排水及び排気10分の24時間周期で運転することができる。また、水理学的滞留時間は、例えば、3日とすることができる。

また、順次回分式反応槽11を用いて、前記硝化細菌(好気性汚泥)の馴養を行うときには、図3に示すように、硫化物負荷速度を0〜256mg−SL−1d−1まで段階的に大きくすることを除いて、基質12の処理と同様にして行うことができる。硫化物負荷速度を大きくして行く場合の各段階は、18日間以上とすることが、前記硝化細菌(好気性硝化汚泥)に各段階における硫化物負荷速度に対応する硫化物耐性を付与する上で好ましい。

次に、本発明の実施例及び比較例を示す。

〔実施例1〕 本実施例では、有効容積2.1Lの順次回分式反応槽11に、前記硫黄酸化細菌と前記硝化細菌とを含む好気性汚泥(し尿・生活排水処理施設、メタン発酵脱水ろ液処理施設等の廃水処理施設等から入手)を収容し、基質12としてメタン発酵処理施設から入手したメタン発酵消化液(アンモニアをNH4+として約870mg−NL−1含有、アンモニア負荷速度290mg−NL−1d−1、本発明の第1の消化液に相当する)に、硫化水素を含有するバイオガス2の代替として所定の硫化物負荷濃度の硫化水素ナトリウム(NaHS)溶液を添加したものを供給して、水理学的滞留時間3日、温度30℃、pH7.5、溶存酸素濃度約3.0mgL−1とし、基質供給及び好気反応23.5時間、汚泥沈降20分、排水及び排気10分の24時間周期で152日間運転した。

本実施例では、前記メタン発酵消化液にNaHS溶液を添加した基質12がメタン発酵生成物に相当する。

また、本実施例では、前記運転中、最初の48日間は硫化物負荷濃度0mg−S L−1 d−1、次の24日間は硫化物負荷濃度32mg−SL−1d−1、次の24日間は硫化物負荷濃度64mg−SL−1d−1、次の18日間は硫化物負荷濃度128mg−SL−1d−1として、段階的に硫化物負荷濃度を大きくして前記硝化細菌(好気性汚泥)の馴養を行った。そして、前記馴養後、該馴養により硫化物耐性が向上した前記硝化細菌(好気性汚泥)を用い、硫化物負荷濃度128mg−SL−1d−1で38日間運転し、模擬的にメタン発酵生成物の処理を行った。

本実施例では、供給した基質と、前記24時間周期ごとに排水される第2の消化液5とに含まれるNH4+、NO2、NO3の各濃度を測定し、NH4+の濃度から次式によりNH4+除去率を算出した。

NH4+除去率(%)= ((基質のNH4+濃度−排水のNH4+濃度)/基質のNH4+濃度)×100 結果を図4Aに示す。

また、供給した基質と、前記24時間周期ごとに排水される第2の消化液5とに含まれるHS、SO42−の各濃度を測定し、HSの濃度から次式によりHS除去率を算出した。

HS除去率(%)= ((基質のHS濃度−排水のHS濃度)/基質のHS濃度)×100 結果を図4Bに示す。

図4Aから、実施例1のメタン発酵生成物の処理方法によれば、前述のように段階的に硫化物負荷濃度を大きくして96日間の馴養を行った硝化細菌を用いることにより、128mg−SL−1d−1以下の範囲の硫化物負荷速度下でアンモニア(NH4+)及び亜硝酸態窒素(NO2)の残存がなく、硝酸態窒素(NO3)のみ残存しており、アンモニア(NH4+)が硝酸態窒素(NO3)に酸化されていることがわかる。一方、図4Bから、実施例1のメタン発酵生成物の処理方法によれば、前記アンモニアの酸化と同時に、128mg−SL−1d−1以下の範囲の硫化物負荷速度下で硫化水素(HS)の残存がなく、硫酸イオン(SO42−)が残存しており、硫化水素(HS)が硫酸イオン(SO42−)等の硫化物酸化物に酸化されていることがわかる。

従って、図4A、4Bから、実施例1のメタン発酵生成物の処理方法によれば、単一の反応槽で、128mg−S L−1d−1以下の範囲の硫化物負荷速度下、硫黄酸化細菌による硫化水素の酸化と、硝化細菌によるアンモニアの酸化とを同時に行うことができることが明らかである。

〔実施例2〕 本実施例では、有効容積2.1Lの順次回分式反応槽11を実施例1と全く同一の24時間周期で140日間運転し、最初の18日間は硫化物負荷濃度0mg−SL−1d−1、次の30日間は硫化物負荷濃度32mg−SL−1d−1、次の24日間は硫化物負荷濃度64mg−SL−1d−1、次の24日間は硫化物負荷濃度128mg−SL−1d−1、次の44日間は硫化物負荷濃度256mg−SL−1d−1として、段階的に硫化物負荷濃度を大きくして前記硝化細菌(好気性汚泥)の馴養を行った以外は、実施例1と全く同一にして模擬的にメタン発酵生成物の処理を行った。

また、本実施例では、供給した基質と、前記24時間周期ごとに排水される第2の消化液5とに含まれるNH4+、NO2、NO3の各濃度を測定し、NH4+の濃度から実施例1と同一にしてNH4+除去率を算出した。結果を図5Aに示す。

また、供給した基質と、前記24時間周期ごとに排水される第2の消化液5とに含まれるHS、SO42−の各濃度を測定し、HSの濃度から実施例1と同一にしてHS除去率を算出した。結果を図5Bに示す。

図5Aから、実施例2のメタン発酵生成物の処理方法によれば、前述のように段階的に硫化物負荷濃度を大きくして96日間の馴養を行った硝化細菌を用いることにより、266mg−SL−1d−1以下の範囲の硫化物負荷速度下では一時的にアンモニア(NH4+)の残存が認められるものの、その後はアンモニア(NH4+)の残存がなく、亜硝酸態窒素(NO2)及び硝酸態窒素(NO3)が残存しており、アンモニア(NH4+)が亜硝酸態窒素(NO2)又は硝酸態窒素(NO3)に酸化されていることがわかる。一方、図5Bから、実施例2のメタン発酵生成物の処理方法では、前記アンモニアの酸化と同時に、256mg−SL−1d−1以下の範囲の硫化物負荷速度下で硫化水素(HS)の残存がなく、硫酸イオン(SO42−)が残存しており、硫化水素(HS)が硫酸イオン(SO42−)等の硫化物酸化物に酸化されていることがわかる。

従って、図5A、5Bから、実施例2のメタン発酵生成物の処理方法によれば、単一の反応槽で、256mg−S L−1d−1以下の範囲の硫化物負荷速度下、硫黄酸化細菌による硫化水素の酸化と、硝化細菌によるアンモニアの酸化とを同時に行うことができることが明らかである。

〔実施例3〕 本実施例では、10mL試験管に、初期pHをHClを用いて7.5に調整した培地6mLに、微細藻類(Chlorella sorokiniana (NIES 2173株))を播種し、25℃の温度、100μmol−photons m−2 s−1の光量子束密度下で、1日2回撹拌して培養した。

前記培地としては、硝化後消化液(実施例2で得られた93日目の排液、本発明の第2の消化液に相当)、C培地(国立研究開発法人国立環境研究所微生物系統保存施設(NIESコレクション)で前記微細藻類の保存に使用している人工培地)、無処理消化液(実施例1及び実施例2で用いたものと同一のメタン発酵処理施設から入手したメタン発酵消化液(本発明の第1の消化液に相当)を本発明のメタン発酵生成物の処理方法により処理していない消化液)を無希釈、3倍希釈、6倍希釈、10倍希釈したものの6種を用いた。無処理消化液の希釈には超純水を使用した。なお、全ての培地に微細藻類の炭素源としてNaHCO3を4.2gL−1となるように添加し、C培地以外の培地にはC培地の構成成分であるMgSO4・7H2O及び微量金属溶液(PIVmetals)をC培地と同じ濃度で添加した。

次に、前記各培地で培養した微細藻類の濃度を1日毎に波長750nmの光線の吸光度を指標として測定した。結果を図6に示す。

図6から、前記培地として、硝化後消化液を用いたものでは、C培地を用いたものと同等の濃度となり、同等に増殖することを示すのに対し、無処理消化液を無希釈、3倍希釈、6倍希釈、10倍希釈して用いたものはC培地を用いたものに比較して濃度が低く、増殖が抑制されていることがわかる。

従って、本発明のメタン発酵生成物の処理方法によれば、硫黄酸化細菌と硝化細菌とが共存する単一の反応槽で前記硝化細菌によりアンモニアが酸化された第2の消化液を無希釈のまま培地とし微細藻類の培養に用いることができることが明らかである。

1…メタン発酵槽、 2…バイオガス、 3…第1の消化液、 4…共存系処理槽、 5…第2の消化液、 6…脱硫ガス、 7…微細藻類培養槽、 9…酸素、 11…順次回分式反応槽。

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