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抗CD40抗体およびその使用

阅读:882发布:2024-01-29

专利汇可以提供抗CD40抗体およびその使用专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】ヒトCD40(hCD40)活性を中和し、CD40活性が有害である障害に罹患しているヒト被験体において、CD40を検出するため、及びCD40活性を阻害するために有用である、アゴニスト活性を実質的に有さないアンタゴニストヒト化 抗体 及びその 抗原 結合部分の提供。 【解決手段】特定の配列のトポグラフィー的領域Cys62−Phe67、Gln79−Cys83、Arg90−Thr99及びThr24−Cys37によって定義されるヒトCD40のエピトープと結合する、単離されたアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分。 【選択図】なし,下面是抗CD40抗体およびその使用专利的具体信息内容。

配列番号1のトポグラフィー的領域Cys62−Phe67、Gln79−Cys83、Arg90−Thr99およびThr24−Cys37によって定義されるヒトCD40のエピトープと結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分。アンタゴニスト抗体である、請求項1に記載の単離された抗体またはその抗原結合部分。配列番号8のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域および配列番号12のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1または2に記載の抗体またはその抗原結合部分。配列番号111のアミノ酸配列を有するCDR2を含む重鎖可変領域および配列番号11のアミノ酸配列を有するCDR2を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合部分。配列番号42のアミノ酸配列を有するCDR2を含む重鎖可変領域および配列番号11のアミノ酸配列を有するCDR2を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合部分。配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR1を含む重鎖可変領域および配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR1を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合部分。IgGアイソタイプである、請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合部分。IgG1またはIgG4アイソタイプである、請求項7に記載の抗体またはその抗原結合部分。ジャーカット細胞レポーターアッセイにおいて少なくとも50nMのIC50を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合部分。配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域および/または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を含む、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分。軽鎖可変領域が、配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含み、重鎖可変領域が、配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む、請求項10に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。重鎖可変領域が、配列番号42に記載のアミノ酸配列を有するCDR2をさらに含む、請求項10または11に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。軽鎖可変領域が、配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するCDR2をさらに含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。重鎖可変領域が、配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するCDR1をさらに含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。軽鎖可変領域が、配列番号21に記載のアミノ酸配列を有するCDR1をさらに含む、請求項10から14のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。配列番号6、42および8のCDRセットを含む重鎖可変領域ならびに配列番号21、11および12のCDRセットを含む軽鎖可変領域を含む、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分。ヒト化抗体である、請求項10から16のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。ヒトアクセプターフレームワークをさらに含む、請求項17に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。ヒトアクセプターフレームワークが、配列番号82−106からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項18に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。ヒトアクセプターフレームワークが、少なくとも1つのフレームワーク領域アミノ酸置換を含み、フレームワークのアミノ酸配列が、ヒトアクセプターフレームワークの配列と少なくとも65%同一であり、ヒトアクセプターフレームワークと同一のアミノ酸残基を少なくとも70個含む、請求項18に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。ヒトアクセプターフレームワークが、重要な残基における少なくとも1つのフレームワーク領域アミノ酸置換を含み、重要な残基が、 CDRに隣接している残基; グリコシル化部位残基; 稀な残基; ヒトCD40と相互作用できる残基; CDRと相互作用できる残基; 標準的残基; 重鎖可変領域と軽鎖可変領域との間の接触残基; バーニアゾーン内の残基;ならびに Chothiaによって定義される可変重鎖CDR1とKabatによって定義される第1の重鎖フレームワークとの間で重複する領域内の残基 からなる群から選択される、請求項18に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。重要な残基が、48H、49Hおよび36Lからなる群から選択される、請求項21に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。重要な残基置換が、可変重鎖領域内にあり、V48IまたはS49Aである、請求項22に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。重要な残基置換が、可変軽鎖領域内にあり、Y36Fである、請求項22または23に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。配列番号28に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項10から24のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。配列番号20に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項10から25のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。アゴニスト活性を実質的に有さない、請求項1から26のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。CD40の、CD40Lとの結合またはsCD40Lとの結合を阻害する、請求項1から27のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。カニクイザルCD40と結合する、請求項1から28のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。CD40の生物学的機能を調節することができる、請求項1から29のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。CD40を中和することができる、請求項1から30のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。NF−κB活性化を阻害する、請求項1から31のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。表面プラズモン共鳴によって測定される場合、少なくとも約102M−1s−1;少なくとも約103M−1s−1;少なくとも約104M−1s−1;少なくとも約105M−1s−1;および少なくとも約106M−1s−1からなる群から選択される、CD40との結合速度定数(Kon)を有する、請求項1から32のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。最大で約10−7M;最大で約10−8M;最大で約10−9M;最大で約10−10M;最大で約10−11M;最大で約10−12M;および最大で10−13Mからなる群から選択されるCD40との解離定数(KD)を有する、請求項1から33のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。ヒトIgM定常ドメイン、ヒトIgG1定常ドメイン、ヒトIgG2定常ドメイン、ヒトIgG3定常ドメイン、ヒトIgG4定常ドメイン、ヒトIgA定常ドメインまたはヒトIgE定常ドメインの重鎖免疫グロブリン定常ドメインを含む、請求項1から6および請求項9から34のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。重鎖免疫グロブリン定常領域ドメインが、ヒトIgG1定常ドメインである、請求項35に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。ヒトIgG1定常ドメインが、配列番号2または配列番号3のアミノ酸配列を含む、請求項36に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。ヒトIgカッパ定常ドメインまたはヒトIgラムダ定常ドメインを含む軽鎖免疫グロブリン定常ドメインをさらに含む、請求項1から37のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。ヒトIgカッパ定常ドメインが配列番号4のアミノ酸配列を含むかまたはヒトIgラムダ定常ドメインが配列番号81のアミノ酸配列を含む、請求項38に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。請求項1から39のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合部分と競合する、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分。配列番号6に記載のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号42に記載のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号8に記載のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号21に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号11に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2および配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含む、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分。配列番号28に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号20に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分。配列番号41に記載のアミノ酸配列もしくは配列番号41に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含む重鎖および/または配列番号40に記載のアミノ酸配列もしくは配列番号40に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含む軽鎖を含む、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分。重鎖が配列番号41に記載のアミノ酸配列を含み、軽鎖が配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む、請求項43に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分。配列番号41に記載のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、抗CD40抗体。請求項1から45のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分および医薬として許容される担体を含む、医薬組成物。請求項1から45のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分およびポリソルベートを含む、医薬組成物。ポリソルベートがポリソルベート80である、請求項47に記載の医薬組成物。ヒスチジンバッファーを含む、請求項46から48のいずれか一項に記載の医薬組成物。ポリオールを含む、請求項46から48のいずれか一項に記載の医薬組成物。ポリオールが、マンニトール、ソルビトール、トレハロースまたはスクロースからなる群から選択される、請求項46から48のいずれか一項に記載の医薬組成物。約4から約8のpHを有する、請求項46から51のいずれか一項に記載の医薬組成物。約5から約7のpHを有する、請求項52に記載の医薬組成物。凍結乾燥されたものである、請求項46から53のいずれか一項に記載の医薬組成物。請求項1から45のいずれか一項に記載のアンタゴニスト抗CD40抗体アミノ酸配列をコードする、単離された核酸。請求項55に記載の単離された核酸を含む、ベクター。pcDNA、pTT、pTT3、pEFBOS、pBV、pJVおよびpBJからなる群から選択される、請求項56に記載のベクター。請求項56または57に記載のベクターを含む、宿主細胞。原核細胞または真核細胞である、請求項58に記載の宿主細胞。真核細胞が、原生生物細胞、動物細胞、植物細胞、真菌細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、鳥類細胞または昆虫細胞である、請求項59に記載の宿主細胞。哺乳動物細胞が、CHO細胞またはCOS細胞である、請求項60に記載の宿主細胞。抗CD40抗体またはその抗原結合部分を産生する方法であって、請求項58から61のいずれか一項に記載の宿主細胞を、培養培地中、抗CD40抗体またはその抗原結合部分が産生されるのに十分な条件下で培養するステップを含む、方法。請求項62に記載の方法によって産生された、抗CD40抗体またはその抗原結合部分。ヒトCD40活性を低下させる方法であって、ヒトCD40を、請求項1から45のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合部分と接触させ、その結果、ヒトCD40活性が低下するステップを含む、方法。インビトロ方法である、請求項64に記載の方法。CD40が有害である障害を有するヒト被験体を治療するための方法であって、被験体に請求項1から45のいずれか一項に記載の抗CD40抗体またはその抗原結合部分を有効量で投与することを含む、方法。CD40活性が有害である障害を有するヒト被験体におけるヒトCD40活性を低下させる方法であって、ヒト被験体に請求項1から45のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合部分を投与し、その結果、ヒト被験体におけるヒトCD40活性が低下するステップを含む、方法。抗体またはその抗原結合部分を、被験体に第2の薬剤を投与する前に、それと同時にまたはその後に投与する、請求項66または67に記載の方法。第2の薬剤が、ヒトIL−12;PGE2;LPA;NGF;CGRP;SubP;RAGE;ヒスタミン;ヒスタミン受容体遮断薬;ブラジキニン;IL−1アルファ;IL−1ベータ;VEGF;PLGF;メトトレキサート;コルチコステロイド、グルココルチコイド受容体モジュレーター;シクロスポリン、ラパマイシン、FK506、非ステロイド性抗炎症剤、吸入されたステロイド;ベータ−アゴニスト;短時間作用性もしくは長時間作用性ベータ−アゴニスト;ロイコトリエンもしくはロイコトリエン受容体のアンタゴニスト;ADVAIR;IgE阻害剤;抗IgE抗体;XOLAIR;ホスホジエステラーゼ阻害剤;PDE4阻害剤;キサンチン;抗コリン薬;肥満細胞安定化剤;クロモリン;IL−4阻害剤;IL−5阻害剤;エオタキシン/CCR3阻害剤 ヒスタミンもしくはH1、H2、H3およびH4を含めたヒスタミン受容体のアンタゴニスト;プロスタグランジンDもしくはその受容体DP1およびCRTH2のアンタゴニスト;TNFアンタゴニスト;TNF受容体の可溶性断片;ENBREL;TNF酵素アンタゴニスト;TNF変換酵素(TACE)阻害剤;ムスカリン受容体アンタゴニスト;TGF−ベータアンタゴニスト;インターフェロンガンマ;ピルフェニドン;化学療法剤、メトトレキサート;レフルノミド;シロリムス(ラパマイシン)もしくはその類似体、CCI−779;COX2もしくはcPLA2阻害剤;NSAID;免疫調節物質;p38阻害剤;TPL−2、MK−2およびNFkB阻害剤;ブデソニド;上皮増殖因子;コルチコステロイド;シクロスポリン;スルファサラジン;アミノサリチル酸;6−メルカプトプリン;アザチオプリン;メトロニダゾール;リポキシゲナーゼ阻害薬;メサラミン;オルサラジン;バルサラジド;抗酸化剤;トロンボキサン阻害剤;IL−1受容体アンタゴニスト;抗IL−1ベータ抗体;抗IL−6抗体;増殖因子;エラスターゼ阻害剤;ピリジニル−イミダゾール化合物;LT、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL−28、IL−29、IL−30、IL−31、IL−32、IL−33、EMAP−II、GM−CSF、FGFもしくはPDGFに対する抗体もしくはアゴニスト;CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD90もしくはそれらのリガンドに対する抗体;FK506;ラパマイシン;ミコフェノール酸モフェチル;イブプロフェン;プレドニゾロン;ホスホジエステラーゼ阻害剤;アデノシンアゴニスト;抗血栓剤;補体阻害剤;アドレナリン作動薬;IRAK、NIK、IKK、p38もしくはMAPキナーゼ阻害剤;IL−1β変換酵素阻害剤;TNF−α.quadrature.変換酵素阻害剤;T細胞シグナル伝達阻害剤;メタロプロテイナーゼ阻害剤;6−メルカプトプリン;アンジオテンシン変換酵素阻害剤;可溶性サイトカイン受容体;可溶性p55 TNF受容体;可溶性p75 TNF受容体;sIL−1RI;sIL−1RII;sIL−6R;抗炎症性サイトカイン;IL−4;IL−10;IL−11;またはTGF−βと結合することができる抗体またはその断片からなる群から選択される、請求項68に記載の方法。障害が、呼吸器疾患;喘息;アレルギー性喘息および非アレルギー性喘息;感染に起因する喘息;呼吸器合胞体ウイルス(RSV)への感染に起因する喘息;慢性閉塞性疾患(COPD);気道炎症を伴う状態;好酸球増加症;線維症および過剰粘液産生;嚢胞性線維症;肺線維症;アトピー性障害;アトピー性皮膚炎;蕁麻疹;湿疹;アレルギー性鼻炎;アレルギー性胃腸炎;皮膚の炎症性状態および/または自己免疫性状態;胃腸器官の炎症性状態および/または自己免疫性状態;炎症性腸疾患(IBD);潰瘍性大腸炎;クローン病;肝臓の炎症性状態および/または自己免疫性状態;肝硬変;肝線維症;B型肝炎ウイルスおよび/またはC型肝炎ウイルスによって引き起こされる肝線維症;強皮症;腫瘍またはがん;肝細胞癌;神経膠芽腫;リンパ腫;ホジキンリンパ腫;ウイルス感染;細菌感染;寄生虫感染症;HTLV−1感染;防御1型免疫応答の発現の抑制およびワクチン接種中の防御1型免疫応答の発現の抑制からなる群から選択される、請求項66から69のいずれか一項に記載の方法。障害が、全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状ループス、ループス腎炎、サルコイドーシス、ならびに、若年性関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、ライター症候群、強直性脊椎炎および痛風性関節炎を含むがこれらに限定されない炎症性関節炎、臓器または組織移植片の拒絶反応、超急性、急性もしくは慢性の拒絶反応および/または移植片対宿主病、多発性硬化症、高IgE症候群、結節性多発性動脈炎、原発性胆汁性肝硬変、炎症性腸疾患、クローン病、セリアック病(グルテン過敏性腸症)、自己免疫性肝炎、悪性貧血、自己免疫性溶血性貧血、乾癬、強皮症、重症筋無症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、自己免疫性甲状腺炎、グレーブス病、橋本甲状腺炎、免疫複合体病、慢性疲労免疫機能障害症候群(CFIDS)、多発性筋炎および皮膚筋炎、寒冷グロブリン血症、血栓溶解、心筋症、尋常性天疱瘡、間質性肺線維症、サルコイドーシス、1型糖尿病および2型糖尿病、1型、2型、3型および4型遅延型過敏症、アレルギーまたはアレルギー性障害、治療用タンパク質に対する望ましくない/意図されたものではない免疫応答、喘息、チャーグ・ストラウス症候群(アレルギー性肉芽腫症)、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎および刺激性接触皮膚炎、化膿性汗腺炎、ぶどう膜炎、蕁麻疹、IgE依存性アレルギー、アテローム性動脈硬化症、血管炎、特発性炎症性筋疾患、溶血性疾患、アルツハイマー病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、シェーグレン症候群および乾癬のような自己免疫性疾患または炎症性疾患からなる群から選択される、請求項66から69のいずれか一項に記載の方法。抗体またはその抗原結合断片が、非経口様式、皮下様式、筋肉内様式、静脈内様式、関節内様式、気管支内様式、腹腔内様式、嚢内様式、軟骨内様式、腔内様式、腔内様式、小脳内様式、脳室内様式、結腸内様式、頸管内様式、胃内様式、肝内様式、心筋内様式、骨内様式、骨盤内様式、心膜内様式、腹腔内様式、胸膜内様式、前立腺内様式、肺内様式、直腸内様式、腎臓内様式、網膜内様式、脊髄内様式、滑液内様式、胸腔内様式、子宮内様式、膀胱内様式、ボーラス様式、膣様式、直腸様式、頬側様式、舌下様式、鼻腔内様式および経皮様式からなる群から選択される少なくとも1つの様式によって投与される、請求項66から71のいずれか一項に記載の方法。試験試料中のCD40またはその断片の存在をイムノアッセイによって決定する方法であって、イムノアッセイが、試験試料を請求項1から45のいずれか一項に記載の少なくとも1つの抗体またはその抗原結合部分および少なくとも1つの検出可能な標識と接触させることを含む、方法。(i)試験試料を少なくとも1つの抗体またはその抗原結合部分と接触させるステップであって、抗体またはその抗原結合部分がCD40またはその断片上のエピトープと結合して第1の複合体を形成するステップ、(ii)複合体を少なくとも1つの検出可能な標識と接触させるステップであって、検出可能な標識が、第1の複合体上のエピトープまたは抗体もしくはその抗原結合部分が結合していないCD40もしくはその断片上のエピトープと結合して第2の複合体を形成するステップ、および(iii)第2の複合体中の検出可能な標識によって生成されるシグナルに基づいて試験試料中のCD40またはその断片の存在を検出するステップであって、CD40またはその断片の存在が、検出可能な標識によって生成されるシグナルと直接相関するステップとをさらに含む、請求項73に記載の方法。(i)試験試料を少なくとも1つの抗体またはその抗原結合部分と接触させるステップであって、抗体またはその抗原結合部分がCD40またはその断片上のエピトープと結合して第1の複合体を形成するステップ、(ii)複合体を少なくとも1つの検出可能な標識と接触させるステップであって、検出可能な標識がCD40またはその断片と抗体またはその抗原結合部分との結合について競合して第2の複合体を形成するステップ、および(iii)第2の複合体中の検出可能な標識によって生成されるシグナルに基づいて試験試料中のCD40またはその断片の存在を検出するステップであって、CD40またはその断片の存在が、検出可能な標識によって生成されるシグナルと間接的に相関するステップをさらに含む、請求項74に記載の方法。

配列番号1のトポグラフィー的領域Cys62−Phe67、Gln79−Cys83、Arg90−Thr99およびThr24−Cys37によって定義されるヒトCD40のエピトープと結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分。

说明书全文

本発明は、本明細書によりその内容全体が本明細書に参照により組み込まれる、2015年5月29日に出願された米国仮出願第62/168,425号の優先権を主張する。

配列表 本出願は、ASCII形式で電子的に提出されており、その全体が本明細書に参照により組み込まれる、配列表を含有する。前記ASCIIコピーは、2016年5月12日に作成され、名称は117813−10420_SL.txtであり、サイズは91,019バイトである。

本発明は、CD40(CD40)抗体およびその抗原結合部分ならびに種々の疾患の予防および/または治療におけるそれらの使用に関する。

CD40は、B細胞発生、リンパ球活性化および抗原提示細胞(APC)機能において重要な役割を果たす腫瘍壊死因子(TNF)受容体ファミリーメンバーである。臓器特異的自己免疫疾患ならびに全身性エリテマトーデス(SLE)のような全身性自己免疫では、上皮、白血球および血管内皮におけるCD40発現が上昇する。CD40L/CD40シグナル伝達経路の破壊により、クローン病のような慢性炎症性疾患の患者において、IL−23およびTNFのような炎症促進サイトカインの産生が減少し、Tヘルパー細胞の分化および機能が低下し、また、マクロファージの活性化が阻害される。CD40とCD40Lの相互作用により、体液性免疫応答と細胞性免疫応答の両方が誘導される。CD40は、このリガンド−受容体対を調節して、B細胞および樹状細胞(DC)を含めたその他の抗原提示細胞(APC)を活性化する。

CD40は、広範囲の造血細胞型(リンパ球、単球、樹状細胞)および非造血細胞型(上皮、内皮、線維芽細胞)において発現する、48kDaのI型膜貫通タンパク質(van Kooten、J Leukoc Biol.2000年1月;67(1):2−17頁)である。CD40Lは、主に活性化T細胞、B細胞および血小板において発現する。CD40/CD40L生物学の理解の大部分は、APC(樹状細胞(DC)またはB細胞のいずれかにおけるCD40発現)とCD40L発現T細胞との間の相互作用によってもたらされる。休止状態のB細胞では、CD40Lとの会合により、B細胞活性化、増殖およびメモリーB細胞発生が駆動される(Kehry、Immunol.1996年4月1日;156(7):2345−8頁)。CD40シグナル伝達は、免疫グロブリンクラススイッチおよび胚中心形成にも必要である。B細胞生物学におけるCD40/CD40Lシグナル伝達経路の重要性は、胚中心を欠き、T依存性抗体応答が抑制されるCD40欠損マウスまたはCD40L欠損マウスにおいて明らかである。しかし、T非依存性IgG応答はCD40−/−マウスにおいてインタクトなままであり、これにより、これらのマウスにおいて欠如しているのが細胞間相互作用であることが示唆される。CD40欠損マウスは、T細胞区画にも欠損を有する。樹状細胞上のCD40を通じたシグナル伝達により、MHCクラスIIならびにCD80およびCD86のような種々の共刺激分子が上方制御され、DCの成熟化が促進される。成熟DCにより、IL−2およびIL−12のようなサイトカインの産生を通じてCD4+T細胞の活性化および生存が刺激される。CD40L−/−マウスにおいてT依存性体液性応答が損なわれる主要な原因は、非効率的なT細胞初回刺激であると思われる(Grewal、Nature.1995年12月7日;378(6557):617−20頁)。X連鎖高IgM症候群を有するヒトにおいて、同様のB細胞表現型が見られ得る。これらの患者は、CD40/CD40Lシグナル伝達を抑止する、CD40L遺伝子座における突然変異に起因して、原発性免疫不全症に罹患している。これらの個体では、IgMレベルが上昇しており、また、IgA、IgGおよびIgEを産生することができず、その結果、日和見感染症のリスクが上昇する(Adriana、J Clin Immunol.2008年5月;28、補遺1:S62−6頁)。

CD40シグナル伝達経路は、休止状態またはナイーブのリンパ球およびAPCの、活性化/成熟表現型への変換の中核をなす。T細胞初回刺激およびB細胞活性化はCD40/CD40Lシグナル伝達の不在下で起こり得るが、この経路は、ロバストな適応免疫応答の生成に必要である。CD40とCD40Lの会合の結果、TNF受容体関連因子(TRAF)がCD40の細胞質ドメインに動員される(Bishop、Adv Exp Med Biol.2007;597:131−51頁)。種々のTRAFタンパク質のリン酸化の結果として、標準的(canonical)NFkB経路と非標準的(non−canonical)NFkB経路の両方が活性化される。さらに、JAK3とCD40細胞質尾部の会合の結果として、STAT5活性化がもたらされ、それにより、DCの成熟化ならびにTNFおよびIFNγ産生が誘導される。TRAF6依存性PI3K活性化はDCにおける重大な生存シグナルであり、一方、TRAF2/TRAF6は、NFkB活性化およびCD80発現の上方制御において重複する機能を有する(Hostager、J Biol Chem.2003年11月14日;278(46):45382−90頁)。TRAF2、TRAF3、TRAF5およびTRAF6は全て、CD40シグナル伝達によって媒介される免疫グロブリンクラススイッチにおいて重要な役割を果たすことが示されている(Leo、Proc Natl Acad Sci U S A.1999年2月16日;96(4):1421−1426頁)。

CD40/CD40Lシグナル伝達経路は、全身性エリテマトーデス(SLE)、炎症性腸疾患(IBD)、多発性硬化症、関節リウマチおよびシェーグレン症候群を含めた多くの自己免疫疾患の病理発生に関係づけられている(LawおよびGrewal、Adv Exp Med Biol.2009;647:8−36頁)。腎臓、腸および関節を含めた、慢性自己免疫による損傷を受けた組織におけるマクロファージ、内皮、上皮およびB細胞において、CD40発現が上昇する(Borcherding、Am J Pathol.2010年4月;176(4):1816−27頁、;Sawada−Hase、Am J Gastroenterol.2000年6月;95(6):1516−23頁)。SLE、IBDおよびシェーグレン症候群に罹患している患者では、炎症負荷と一致して、可溶性CD40Lが上昇する。

慢性小腸炎におけるCD40/CD40L経路に関する最古の証拠の一部は、抗CD40L mAbにより齧歯類が実験的大腸炎から保護される前臨床モデルから得られたものである(de Jong、Gastroenterology.2000年9月;119(3):715−23頁;Liu、J Immunol.2000 Jun 1;164(11):6005−14頁;Stuber、J Exp Med 1996年2月1日、183(2):693−8頁)。疾患活動性スコアの減少は、消化管における炎症促進性サイトカイン産生の減少および慢性的な体重減少からの保護に関連付けられた。CD40またはCD40Lが遺伝的に欠損した動物において同様の結果が観察された(de Jong、Gastroenterology.2000年9月;119(3):715−23頁)。それでも疾患の発症後にマウスを抗CD40L mAbで処置することが疾患活動性を低下させるのに有効であり、これにより、この経路が慢性炎症性疾患の維持のために重大であることが示唆される。さらに、CD40アゴニスト抗体は、リンパ球を欠くマウスにおいて小腸炎を駆動するのに十分である(Uhlig、Immunity.2006年8月;25(2):309−18頁)。CD40 siRNAを使用したごく最近のデータによっても、大腸炎におけるCD40シグナル伝達の重要な役割が指摘されている(Arranz、J Control Release.2013年2月10日;165(3):163−72頁)。クローン病では、固有層単球および上皮は高レベルのCD40を発現し、CD40+単球は末梢血に濃縮される。さらに、CD40遺伝子座の多型が、IBDへの易罹患性に関連付けられている。抗TNF抗体を用いて治療されたクローン病患者において、転写プロファイリングにより、適切な薬物治療応答を有する患者ではCD40 mRNAレベルが低下することが示された。しかし、TNF阻害剤に対する反応が不十分な患者ではCD40 mRNAレベルは変化せず、これにより、これらの患者における炎症がCD40依存性TNF非依存性経路により促進される可能性があることが示唆される。試験により、CD40媒介性シグナル伝達の阻害がIBDならびにその他の自己免疫疾患の病理発生において重要であることが示唆される。したがって、クローン病のような慢性炎症性疾患および障害を治療するために、治療目的で使用することができるアンタゴニスト抗CD40抗体およびその抗原結合部分が依然として必要とされている。

van Kooten、J Leukoc Biol.2000年1月;67(1):2−17頁

Kehry、Immunol.1996年4月1日;156(7):2345−8頁

Grewal、Nature.1995年12月7日;378(6557):617−20頁

Adriana、J Clin Immunol.2008年5月;28、補遺1:S62−6頁

Bishop、Adv Exp Med Biol.2007;597:131−51頁

Hostager、J Biol Chem.2003年11月14日;278(46):45382−90頁

Leo、Proc Natl Acad Sci U S A.1999年2月16日;96(4):1421−1426頁

LawおよびGrewal、Adv Exp Med Biol.2009;647:8−36頁

Borcherding、Am J Pathol.2010年4月;176(4):1816−27頁

Sawada−Hase、Am J Gastroenterol.2000年6月;95(6):1516−23頁

de Jong、Gastroenterology.2000年9月;119(3):715−23頁

Liu、J Immunol.2000 Jun 1;164(11):6005−14頁

Stuber、J Exp Med 1996年2月1日、183(2):693−8頁

Uhlig、Immunity.2006年8月;25(2):309−18頁

Arranz、J Control Release.2013年2月10日;165(3):163−72頁

(発明の要旨) 本発明は、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分に関する。本発明の抗体として、それだけには限らないが、ヒトCD40と結合することができ、アゴニスト活性を実質的に有さないアンタゴニストヒト化抗体およびその抗原結合部分が挙げられる。

第1の態様では、本発明は、配列番号1のトポグラフィー的(topographic)領域Cys62−Phe67、Gln79−Cys83、Arg90−Thr99およびThr24−Cys37によって定義されるヒトCD40のエピトープと結合する、単離された抗体またはその抗原結合部分を特徴とする。一実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、アンタゴニスト抗体である。一実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、アゴニスト活性を実質的に有さないアンタゴニスト抗体である。

別の実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号8のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域および配列番号12のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。さらなる実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号111のアミノ酸配列を有するCDR2を含む重鎖可変領域および配列番号11のアミノ酸配列を有するCDR2を含む軽鎖可変領域を含む。別のさらなる実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号42のアミノ酸配列を有するCDR2を含む重鎖可変領域および配列番号11のアミノ酸配列を有するCDR2を含む軽鎖可変領域を含む。別の実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、配列番号6のアミノ酸配列を有するCDR1を含む重鎖可変領域および配列番号21のアミノ酸配列を有するCDR1を含む軽鎖可変領域を含む。

一実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、IgGアイソタイプである。さらなる関連する実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、IgG1またはIgG4アイソタイプである。

一実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、ジャーカット細胞レポーターアッセイにおいて少なくとも50nMのIC50を有する。

別の態様では、本発明は、配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域および/または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を含む、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分を特徴とする。一実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分の軽鎖可変領域は、配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含み、重鎖可変領域は、配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む。別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分の重鎖可変領域は、配列番号42に記載のアミノ酸配列を有するCDR2をさらに含む。別のさらなる実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分の軽鎖可変領域は、配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するCDR2をさらに含む。別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分の重鎖可変領域は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するCDR1をさらに含む。別のさらなる実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分の軽鎖可変領域は、配列番号21に記載のアミノ酸配列を有するCDR1をさらに含む。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号6、42および8のCDRセットを含む重鎖可変領域ならびに配列番号21、11および12のCDRセットを含む軽鎖可変領域を含む。

一実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、ヒト化されたものである。さらなる実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、ヒトアクセプターフレームワークをさらに含む。さらなる関連する実施形態では、ヒトアクセプターフレームワークは、配列番号82−106から選択されるアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、ヒトアクセプターフレームワークは、少なくとも1つのフレームワーク領域アミノ酸置換を含み、フレームワークのアミノ酸配列は、前記ヒトアクセプターフレームワークの配列と少なくとも65%同一であり、前記ヒトアクセプターフレームワークと同一であるアミノ酸残基を少なくとも70個含む。さらなる実施形態では、ヒトアクセプターフレームワークは、重要な残基に少なくとも1つのフレームワーク領域アミノ酸置換を含み、前記重要な残基が、以下から選択される: CDRに隣接する残基; グリコシル化部位残基; 希な残基; ヒトCD40と相互作用できる残基; CDRと相互作用できる残基; 標準的残基; 重鎖可変領域と軽鎖可変領域との間の接触残基; バーニアゾーン(Vernier zone)内の残基;および Chothiaによって定義される可変重鎖CDR1とKabatによって定義される第1の重鎖フレームワークとの間で重複する領域内の残基。

さらなる関連する実施形態では、重要な残基は、48H、49Hおよび36Lから選択される。一実施形態では、重要な残基置換は、可変重鎖領域におけるものであり、V48IまたはS49Aである。別の実施形態では、重要な残基置換は、可変軽鎖領域におけるものであり、Y36Fである。

一実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号28に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号20に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。

一実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、アゴニスト活性を実質的に有さない。別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、CD40のCD40リガンド(CD40L)との結合または可溶性CD40リガンド(sCD40L)との結合を阻害する。別のさらなる実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、カニクイザル(cyno)CD40と結合する。一実施形態では、抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、ヒトCD40およびカニクイザルCD40を結合するが、ラットCD40、ウサギCD40またはマウスCD40を結合しない。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、CD40の生物学的機能を調節することができる。さらなる実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、CD40を中和することができる。さらに別のさらなる実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、NF−κB活性化を阻害する。

一実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、表面プラズモン共鳴によって測定される、少なくとも約102M−1s−1;少なくとも約103M−1s−1;少なくとも約104M−1s−1;少なくとも約105M−1s−1;および少なくとも約106M−1s−1から選択される、CD40との結合速度定数(Kon)を有する。 別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、最大で約10−7M;最大で約10−8M;最大で約10−9M;最大で約10−10M;最大で約10−11M;最大で約10−12M;および最大で10−13Mからなる群から選択される、CD40との解離定数(KD)を有する。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、ヒトIgM定常ドメイン、ヒトIgG1定常ドメイン、ヒトIgG2定常ドメイン、ヒトIgG3定常ドメイン、ヒトIgG4定常ドメイン、ヒトIgA定常ドメインまたはヒトIgE定常ドメインの重鎖免疫グロブリン定常ドメインを含む。関連する実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分の重鎖免疫グロブリン定常領域ドメインは、ヒトIgG1定常ドメインである。さらなる関連する実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分のヒトIgG1定常ドメインは、配列番号2または配列番号3のアミノ酸配列を含む。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、ヒトIgカッパ定常ドメインまたはヒトIgラムダ定常ドメインを含む軽鎖免疫グロブリン定常ドメインをさらに含む。関連する実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分のヒトIgカッパ定常ドメインが配列番号4のアミノ酸配列を含むか、またはヒトIgラムダ定常ドメインが配列番号81のアミノ酸配列を含む。

本発明は、特定の実施形態では、本明細書に記載の態様および実施形態のいずれかに記載されている抗体またはその抗原結合部分と競合するアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分も特徴とする。

別の態様では、本発明は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含む重鎖CDR1、配列番号42に記載のアミノ酸配列を含む重鎖CDR2、配列番号8に記載のアミノ酸配列を含む重鎖CDR3、配列番号21に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR1、配列番号11に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR2および配列番号12に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3を含むアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分を特徴とする。

別の態様では、本発明は、配列番号28に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号20に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含むアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分を特徴とする。別の態様では、本発明は、配列番号28に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび/または配列番号20に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含むアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分を特徴とする。

別の態様では、本発明は、配列番号41に記載のアミノ酸配列もしくは配列番号41に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含む重鎖および/または配列番号40に記載のアミノ酸配列もしくは配列番号40に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有する配列を含む軽鎖を含むアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分を特徴とする。一実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分の重鎖は、配列番号41に記載のアミノ酸配列を含み、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分の軽鎖は、配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む。

別の態様では、本発明は、配列番号41に記載のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗CD40抗体を特徴とする。

一実施形態では、本発明の抗体またはその抗原結合部分は、組換え抗体またはその抗原結合部分である。

本発明は、特定の実施形態では、本明細書に記載の態様および実施形態のいずれかに記載されている抗CD40抗体またはその抗原結合部分および医薬として許容される担体を含む医薬組成物も特徴とする。

本発明は、その他の特定の実施形態では、本明細書に記載の態様および実施形態のいずれかに記載されている抗CD40抗体またはその抗原結合部分およびポリソルベートを含む医薬組成物も特徴とする。さらなる関連する実施形態では、ポリソルベートは、ポリソルベート80である。

別の実施形態では、医薬組成物は、ヒスチジンバッファーを含む。

別のさらなる実施形態では、医薬組成物は、ポリオールを含む。関連する実施形態では、ポリオールは、マンニトール、ソルビトール、トレハロースまたはスクロースから選択される。

別の実施形態では、医薬組成物は、約4から約8のpHを有する。関連する実施形態では、医薬組成物は、約5から約7のpHを有する。

別の実施形態では、医薬組成物は凍結乾燥されたものである。

本発明は、その他の実施形態では、本明細書に記載の態様および実施形態のいずれか1つのアンタゴニスト抗CD40抗体アミノ酸配列をコードする単離された核酸も特徴とする。さらなる実施形態では、本発明は、単離された核酸を含むベクターを特徴とする。関連する実施形態では、ベクターは、pcDNAベクター、pTTベクター、pTT3ベクター、pEFBOSベクター、pBVベクター、pJVベクターおよびpBJベクターから選択される。

別の実施形態では、宿主細胞は、ベクターを含む。関連する実施形態では、宿主細胞は、原核細胞または真核細胞である。さらなる実施形態では、真核細胞は、原生生物細胞、動物細胞、植物細胞、真菌細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、鳥類細胞または昆虫細胞である。別のさらなる実施形態では、哺乳動物細胞は、CHO細胞またはCOS細胞である。

本発明は、特定の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分を産生する方法であって、本明細書に記載の態様および実施形態のいずれか1つの宿主細胞を、培養培地中、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分が産生されるのに十分な条件下で培養するステップを含む方法も特徴とする。さらなる実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分を当該方法によって産生する。

本発明は、その他の実施形態では、ヒトCD40活性を低下させる方法であって、ヒトCD40を本明細書に記載の態様および実施形態のいずれか1つの抗体またはその抗原結合部分と接触させ、その結果、ヒトCD40活性が低下するステップを含む方法も特徴とする。さらなる実施形態では、この方法は、インビトロ方法である。

本発明は、その他の特定の実施形態では、CD40が有害である障害を有するヒト被験体を治療するための方法であって、被験体に本明細書に記載の態様および実施形態のいずれか1つの抗CD40抗体またはその抗原結合部分を有効量で投与するステップを含む方法も特徴とする。

本発明は、その他の実施形態では、CD40活性が有害である障害を有するヒト被験体におけるヒトCD40活性を低下させる方法であって、ヒト被験体に本明細書に記載の態様および実施形態のいずれか1つの抗体またはその抗原結合部分を投与し、その結果、ヒト被験体におけるヒトCD40活性が低下するステップを含む方法も特徴とする。

さらなる実施形態では、被験体に第2の薬剤を投与する前に、それと同時にまたはその後に、抗体またはその抗原結合部分を投与する。さらなる関連する実施形態では、第2の薬剤は、ヒトIL−12;PGE2;LPA;NGF;CGRP;SubP;RAGE;ヒスタミン;ヒスタミン受容体遮断薬;ブラジキニン;IL−1アルファ;IL−1ベータ;VEGF;PLGF;メトトレキサート;コルチコステロイド、グルココルチコイド受容体モジュレーター;シクロスポリン、ラパマイシン、FK506、非ステロイド性抗炎症剤、吸入されたステロイド;ベータ−アゴニスト;短時間作用性もしくは長時間作用性ベータ−アゴニスト;ロイコトリエンもしくはロイコトリエン受容体のアンタゴニスト;ADVAIR;IgE阻害剤;抗IgE抗体;XOLAIR;ホスホジエステラーゼ阻害剤;PDE4阻害剤;キサンチン;抗コリン薬;肥満細胞−安定化剤;クロモリン;IL−4阻害剤;IL−5阻害剤;エオタキシン/CCR3阻害剤 ヒスタミンもしくはH1、H2、H3およびH4を含めたヒスタミン受容体のアンタゴニスト;プロスタグランジンDもしくはその受容体DP1およびCRTH2のアンタゴニスト;TNFアンタゴニスト;TNF受容体の可溶性断片;ENBREL;TNF酵素アンタゴニスト;TNF変換酵素(TACE)阻害剤;ムスカリン受容体アンタゴニスト;TGF−ベータアンタゴニスト;インターフェロンガンマ;ピルフェニドン;化学療法剤、メトトレキサート;レフルノミド;シロリムス(ラパマイシン)もしくはその類似体、CCI−779;COX2もしくはcPLA2阻害剤;NSAID;免疫調節物質;p38阻害剤;TPL−2、MK−2およびNFkB阻害剤;ブデソニド;上皮増殖因子;コルチコステロイド;シクロスポリン;スルファサラジン;アミノサリチル酸;6−メルカプトプリン;アザチオプリン;メトロニダゾール;リポキシゲナーゼ阻害薬;メサラミン;オルサラジン;バルサラジド;抗酸化剤;トロンボキサン阻害剤;IL−1受容体アンタゴニスト;抗IL−1ベータ抗体;抗IL−6抗体;増殖因子;エラスターゼ阻害剤;ピリジニル−イミダゾール化合物;LT、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL−28、IL−29、IL−30、IL−31、IL−32、IL−33、EMAP−II、GM−CSF、FGFもしくはPDGFに対する抗体もしくはアゴニスト;CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD90もしくはそれらのリガンドに対する抗体;FK506;ラパマイシン;ミコフェノール酸モフェチル;イブプロフェン;プレドニゾロン;ホスホジエステラーゼ阻害剤;アデノシンアゴニスト;抗血栓剤;補体阻害剤;アドレナリン作動薬;IRAK、NIK、IKK、p38もしくはMAPキナーゼ阻害剤;IL−1β変換酵素阻害剤;TNF−α.quadrature.変換酵素阻害剤;T細胞シグナル伝達阻害剤;メタロプロテイナーゼ阻害剤;6−メルカプトプリン;アンジオテンシン変換酵素阻害剤;可溶性サイトカイン受容体;可溶性p55 TNF受容体;可溶性p75 TNF受容体;sIL−1RI;sIL−1RII;sIL−6R;抗炎症性サイトカイン;IL−4;IL−10;IL−11;またはTGF−βと結合することができる抗体またはその断片から選択される。

さらなる実施形態では、障害は、呼吸器疾患;喘息;アレルギー性喘息および非アレルギー性喘息;感染に起因する喘息;呼吸器合胞体ウイルス(RSV)への感染に起因する喘息;慢性閉塞性疾患(COPD);気道炎症を伴う状態;好酸球増加症;線維症および過剰粘液産生;嚢胞性線維症;肺線維症;アトピー性障害;アトピー性皮膚炎;蕁麻疹;湿疹;アレルギー性鼻炎;アレルギー性胃腸炎;皮膚の炎症性状態および/または自己免疫性状態;胃腸器官の炎症性状態および/または自己免疫性状態;炎症性腸疾患(IBD);潰瘍性大腸炎;クローン病;肝臓の炎症性状態および/または自己免疫性状態;肝硬変;肝線維症;B型肝炎ウイルスおよび/またはC型肝炎ウイルスによって引き起こされる肝線維症;強皮症;腫瘍またはがん;肝細胞癌;神経膠芽腫;リンパ腫;ホジキンリンパ腫;ウイルス感染;細菌感染;寄生虫感染症;HTLV−1感染;防御1型免疫応答の発現の抑制およびワクチン接種中の防御1型免疫応答の発現の抑制から選択される。

別のさらなる実施形態では、障害は、全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状ループス、ループス腎炎、サルコイドーシス、ならびに、若年性関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、ライター症候群、強直性脊椎炎および痛風性関節炎を含むがこれらに限定されない炎症性関節炎、臓器または組織移植片の拒絶反応、超急性、急性もしくは慢性の拒絶反応および/または移植片対宿主病、多発性硬化症、高IgE症候群、結節性多発性動脈炎、原発性胆汁性肝硬変、炎症性腸疾患、クローン病、セリアック病(グルテン過敏性腸症)、自己免疫性肝炎、悪性貧血、自己免疫性溶血性貧血、乾癬、強皮症、重症筋無症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、自己免疫性甲状腺炎、グレーブス病、橋本甲状腺炎、免疫複合体病、慢性疲労免疫機能障害症候群(CFIDS)、多発性筋炎および皮膚筋炎、寒冷グロブリン血症、血栓溶解、心筋症、尋常性天疱瘡、間質性肺線維症、サルコイドーシス、1型糖尿病および2型糖尿病、1型、2型、3型および4型遅延型過敏症、アレルギーまたはアレルギー性障害、治療用タンパク質に対する望ましくない/意図されたものではない免疫応答、喘息、チャーグ・ストラウス症候群(アレルギー性肉芽腫症)、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎および刺激性接触皮膚炎、蕁麻疹、IgE依存性アレルギー、アテローム性動脈硬化症、血管炎、特発性炎症性筋疾患、溶血性疾患、アルツハイマー病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、シェーグレン症候群ならびに乾癬のような自己免疫性疾患または炎症性疾患から選択される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、炎症性腸疾患(IBD)を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、潰瘍性大腸炎を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、クローン病を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、全身性エリテマトーデス(SLE)を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、サルコイドーシスを治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、若年性関節炎を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、関節リウマチを治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、乾癬性関節炎を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、強直性脊椎炎を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、化膿性汗腺炎を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、ぶどう膜炎を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、シェーグレン症候群を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、乾癬を治療するために使用される。

別のさらなる実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、非経口様式、皮下様式、筋肉内様式、静脈内様式、関節内様式、気管支内様式、腹腔内様式、嚢内様式、軟骨内様式、腔内(intracavitary)様式、腔内(intracelial)様式、小脳内様式、脳室内様式、結腸内様式、頸管内様式、胃内様式、肝内様式、心筋内様式、骨内(intraosteal)様式、骨盤内様式、心膜内様式、腹腔内様式、胸膜内様式、前立腺内様式、肺内様式、直腸内様式、腎臓内様式、網膜内様式、脊髄内様式、滑液内様式、胸腔内様式、子宮内様式、膀胱内様式、ボーラス様式、膣様式、直腸様式、頬側様式、舌下様式、鼻腔内様式および経皮様式から選択される少なくとも1つの様式によって投与される。

本発明は、その他の特定の実施形態では、試験試料中のCD40またはその断片の存在をイムノアッセイによって決定する方法であって、イムノアッセイが、試験試料を本明細書に記載の態様および実施形態のいずれかの少なくとも1つの抗体またはその抗原結合部分ならびに少なくとも1つの検出可能な標識と接触させることを含む方法も特徴とする。さらなる実施形態では、方法は、(i)試験試料を少なくとも1つの抗体またはその抗原結合部分と接触させるステップであって、抗体またはその抗原結合部分がCD40またはその断片上のエピトープと結合して第1の複合体を形成するステップ、(ii)複合体を少なくとも1つの検出可能な標識と接触させるステップであって、検出可能な標識が第1の複合体上のエピトープまたは抗体もしくはその抗原結合部分が結合していないCD40もしくはその断片上のエピトープと結合して第2の複合体を形成するステップ、および(iii)第2の複合体中の検出可能な標識によって生成されるシグナルに基づいて試験試料中のCD40またはその断片の存在を検出するステップであって、CD40またはその断片の存在が、検出可能な標識によって生成されるシグナルと直接相関するステップを、さらに含む。さらなる関連する実施形態では、方法は、(i)試験試料を少なくとも1つの抗体またはその抗原結合部分と接触させるステップであって、抗体またはその抗原結合部分がCD40またはその断片上のエピトープと結合して第1の複合体を形成するステップ、(ii)複合体を少なくとも1つの検出可能な標識と接触させるステップであって、抗体またはその抗原結合部分との結合について、検出可能な標識がCD40またはその断片と競合して、第2の複合体を形成するステップ、および(iii)第2の複合体中の検出可能な標識によって生成されるシグナルに基づいて試験試料中のCD40またはその断片の存在を検出するステップであって、CD40またはその断片の存在が、検出可能な標識によって生成されるシグナルと間接的に相関するステップを、さらに含む。

一実施形態では、本発明は、結合領域、例えば、本明細書に記載のCDRを含むDVD−Igを提供する。一実施形態では、本発明のDVD−Igは、4つのポリペプチド鎖を含み、2つのポリペプチド鎖は、VD1−(X1)n−VD2−C−(X2)n(式中、VD1は第1の重鎖可変ドメインであり、VD2は第2の重鎖可変ドメインであり、Cは重鎖定常ドメインであり、X1は、リンカーであるが、ただし、CH1ではなく、X2は、Fc領域である)を含み、2つのポリペプチド鎖は、VD1−(X1)n−VD2−C−(X2)n(式中、VD1は、第1の軽鎖可変ドメインであり、VD2は、第2の軽鎖可変ドメインであり、Cは、軽鎖定常ドメインであり、X1は、リンカーであるが、ただし、CH1ではなく、X2は、Fc領域を含まず、nは0または1である)を含み;前記結合タンパク質の前記4つのポリペプチド鎖は、4つの機能的な抗原結合部位を形成する。一実施形態では、DVDの第1(および/または第2)の重鎖は、配列番号6、42および8に記載のCDRセットを含む。一実施形態では、第1(および/または第2)の軽鎖可変領域は、配列番号21、11および12に記載のCDRセットを含む。一実施形態では、本発明のDVD−Igは、単一特異性であり、huCD40と結合する。別の実施形態では、本発明のDVD−Igは、多重特異性であり、CD40および第2の分子標的に結合する。

キメラ抗体(抗体1(Ab1))対アゴニスト対照ならびに公知のアンタゴニスト抗体(4D11(Astellas)およびBib(Boehringer))のアンタゴニスト活性を示すグラフである。

図1Aと同じアゴニストおよびアンタゴニスト対照を使用したアゴニストアッセイにおける、同じキメラ抗体Ab1の活性を示すグラフである。

ヒト化抗体Ab101のアゴニスト活性を抗体4D11、抗体BIb、IgG抗体(対照)およびアゴニスト対照抗体(2141)と比較して示すグラフである。

ヒト化抗体Ab101のアンタゴニスト活性を抗体4D11、抗体BIb、IgG抗体(対照)およびアゴニスト対照抗体(2141)と比較して示すグラフである。

ヒト化抗体Ab101のインビボ試験からの結果を示すグラフである。ヒトPBMCをIg対照、CTLA4−Ig融合物またはAb101抗体と組み合わせて受けたhuscidマウスにおけるIgG産生を示すグラフである。

ヒト化抗体Ab101のインビボ試験からの結果を示すグラフである。図3Aと同じ薬剤を投与した同じマウスモデルにおけるB細胞生存を示すグラフである。

抗ヒトCD40マウス抗体アンタゴニストとアラインメントコンセンサス配列のアミノ酸配列アラインメントを示す図である。抗体3(Ab3)(配列番号48)、Ab1(配列番号9)および抗体2(Ab2)(配列番号76)の可変軽鎖と可変軽鎖コンセンサス配列(配列番号116)の配列アラインメントを示す。

抗ヒトCD40マウス抗体アンタゴニストとアラインメントコンセンサス配列のアミノ酸配列アラインメントを示す図である。Ab3(配列番号44)、Ab1(配列番号5)およびAb2(配列番号75)の可変重鎖と可変重鎖コンセンサス配列(配列番号117)の配列アラインメントを示す。

実施例7に記載の単球活性化アッセイにおける、ヒトCD40に対するAb102の代表的な中和力(アンタゴニスト活性)を示すグラフである。単球活性化は、各アッセイ内のTNF濃度の上昇と一致する。

実施例7に記載の単球活性化アッセイにおける、ヒトCD40に対するAb102の代表的なアゴニスト活性を示すグラフである。単球活性化は、各アッセイ内のTNF濃度の上昇と一致する。

抗体138(Ab138)の予防的投与に伴う内視鏡検査スコアの用量反応性阻害を示すグラフである。抗体138を、15mg/kg、5mg/kg、1.5mg/kgおよび0.5mg/kgの用量で試験した。IgG陰性対照を使用した。抗p40IL−12/23による処置を陽性対照として使用した。疾患は、動物に移入されたCD45Rbhi細胞によって媒介される。RBlowは陰性対照群を指す。CD45RBlow細胞は疾患を媒介しない。

抗体138(Ab138)の投与を用いた、結腸内のIBA1+マクロファージを決定するための免疫組織化学的分析の結果を示すグラフである。結腸切片の組織学的分析により、マクロファージの減少(炎症の一般的な測定基準)が示された。IgG陰性対照を使用した。抗p40IL−12/23による処置を陽性対照として使用した。

大腸炎のT細胞移入モデルにおける、最後の投薬の96時間後(C

troughと同等)の循環抗体138(Ab138)の血清中レベルを示すグラフである。血清中レベルは用量反応性であることが示された。抗p40IL−12/23による処置を陽性対照として使用した。0.5mg/kg群の動物1匹のみが、測定可能なレベルのAb138を有した。

大腸炎マウスモデルにおける、抗体138の投与後の内視鏡検査結果を示すグラフである。抗体138(Ab138)による処置を細胞注射の3週間後、内視鏡的疾患の確認後に開始し、MEDAI合計スコアの用量反応性阻害が認められた。最高用量(15mg/kg)で統計的有意性に達した(図9A)。

抗体138の投与後の組織学的検査結果を示すグラフである。骨髄炎の測定基準としての結腸内のIBA1+マクロファージの組織学的分析が図9Bに示されている。

ビヒクルのみで処置した対照動物(実線)と比較して、Ab102(破線)では、抗KLH IgMおよび抗KLH IgGが抑制されることを示す結果を示すグラフである。カニクイザル(2匹/性別/群)にAb102を0mg/kg(ビヒクルのみ)または10mg/kgの投与量で5週間にわたって皮下(SC)投与した。8日目にキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)を全ての動物に投与した。KLH投与に対して(KLH日数)−11日目、−7日目、0日目、4日目、7日目、10日目、14日目および21日目に各動物から血清試料を採取した。

MRL/lprマウスにおいて、抗CD40抗体138による処置によりタンパク尿が予防されることを示すグラフである。マウスに、15mg/kgの抗体を1週間に2回、5mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回または15mg/kgの抗体を1週間に1回、投薬した。リン酸緩衝生理食塩(PBS)ビヒクル単独での投与を対照として使用した。タンパク尿をパーセント尿中タンパク質<300mg/dLとして決定した。

抗CD40抗体138による処置により、MRL/lprマウスの生存が延長されることを示す結果を示すグラフである。動物に、15mg/kgの抗体を1週間に2回、5mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回または15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬した。ビヒクル単独での投与を対照として使用した。パーセント生存を経時的に示した。

抗CD40抗体138による処置により、腎炎の発生が予防されることを示す結果を示すグラフである。図12Aは、15mg/kgの抗体を1週間に2回、5mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回または15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬されたマウスにおける、29日目および63日目の、糸球体疾患に対する抗体138の効果を示す。PBSビヒクル単独での投与を対照として使用した。糸球体疾患を0−4の尺度で評価した。糸球体疾患の重症度は加齢MRLマウスで悪化したことから、抗体138の糸球体疾患の最小化に関する有効性は5mg/kgおよび15mg/kgで維持された。血管周囲の炎症を以下の基準に基づいて尺度0−4にスコア化した:0−少数の希なリンパ球まで;1−少数のリンパ球が緩い凝集体を形成している;2−リンパ球がばらばらの小さな凝集体を形成している;3−リンパ球の分極した凝集体が隣接する静脈の内腔内に隆起しているが、弓状動脈を完全に包囲できていない;4−リンパ球凝集体が弓状動脈の外膜を完全に包囲し、その中に広がっている。

抗CD40抗体による処置により、腎炎の発生が予防されることを示す結果を示すグラフである。図12Bは、15mg/kgの抗体を1週間に2回、5mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回または15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬されたマウスにおける、29日目および63日目の、腎臓血管周囲(PV)炎に対する抗体138の効果を示す結果を示す。PBSビヒクル単独での投与を対照として使用した。抗CD40抗体は、5mg/kgおよび15mg/kgで、29日目および63日目において、腎臓における血管周囲(PV)浸潤を低減するのに有効であった。

抗CD40抗体138による処置により、腎炎の発生が予防されることを示すグラフである。図12Cは、15mg/kgの抗体を1週間に2回、5mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回または15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬されたマウスにおける、29日目および60日目の、尿細管間質性炎(TI)に対する抗体138の効果を示す。PBSビヒクル単独での投与を対照として使用した。TIは、疾患の初期に低減した。

抗CD40抗体138による処置により、唾液腺炎が予防されることを示すグラフである。図13Aは、15mg/kgの抗体を1週間に2回、5mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回または15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬されたマウスにおける、29日目および60日目の、唾液腺炎に対する抗体138の効果を示す。PBSビヒクル単独での投与を対照として使用した。管周囲炎を以下の基準に基づいて尺度0−4にスコア化した:0−少数の希な白血球まで;1−少数の白血球が緩い凝集体を形成している;2−白血球がばらばらの小さな凝集体を形成している;3−管を完全に包囲する白血球の分極した凝集体;4−白血球凝集体が唾液腺の腺実質内に広がっている。

抗CD40抗体138による処置により、関節の炎症が予防されることを示すグラフである。図13Bは、15mg/kgの抗体を1週間に2回、5mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回または15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬されたマウスにおける、29日目および60日目の、関節の炎症に対する抗体138の効果を示す。PBSビヒクル単独での投与を対照として使用した。マウス当たり2本の足のそれぞれについて、関節の炎症を以下の基準に基づいて0−4の尺度にスコア化した:0−炎症なし;1−関節腔内に少数の白血球;2−関節腔内にいくつもの白血球、軽度の滑液増殖を伴う;3−白血球により関節腔が膨張しており、中程度の滑液増殖を伴う;4−白血球および滑液増殖が全ての関節腔内に広がり、合体しており、顕著な骨浸食および/または増殖が伴う。スコアを合算すると、マウス当たり可能性のある総スコアは8である。

抗CD40抗体138により、脾臓において濾胞型ヘルパーT細胞(Tfh)および胚中心(GC)B細胞の増大が予防される(フローサイトメトリーによって決定される)ことを示す4つのグラフ(i−iv)のパネルである。マウスに、15mg/kgの抗体を1週間に2回、5mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回または15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬した。PBSビヒクル単独での投与を対照として使用した。パネル(i)は、29日目における脾臓内のTfh細胞の数を示す。パネル(ii)は、63日目における脾臓内のTfh細胞の数を示す。パネル(iii)は、29日目における脾臓内のGC B細胞の数を示す。パネル(iv)は、63日目における脾臓内のGC B細胞の数を示す。

抗CD40抗体138による処置により、29日目において、総循環IgGレベルの上昇が予防されることを示すグラフである。マウスに、15mg/kgの抗体を1週間に2回、5mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回および15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬した。PBSビヒクル単独での投与を対照として使用した。

抗CD40抗体138による処置により、63日目において、総循環IgGレベルの上昇が予防されることを示すグラフである。マウスに、15mg/kgの抗体を1週間に2回、5mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回および15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬した。PBSビヒクル単独での投与を対照として使用した。

29日目における、抗二本鎖DNA(抗dsDNA)力価に対する抗CD40抗体138による処置の効果を示すグラフである。マウスに、15mg/kgの抗体を1週間に2回、5mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回または15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬した。PBSビヒクル単独での投与を対照として使用した。29日目に、抗dsDNA力価を決定した。

63日目における、抗二本鎖DNA(抗dsDNA)力価に対する抗CD40抗体138による処置を示すグラフである。マウスに、15mg/kgの抗体を1週間に2回、5mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回または15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬した。PBSビヒクル単独での投与を対照として使用した。63日目に、抗dsDNA力価を決定した。

抗CD40抗体138の予防的投薬により、タンパク尿が予防されることを示すグラフである。マウスにおいて26週齢時に予防的処置を開始し、タンパク尿のマウスは試験から除外した。マウスに、15mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回または15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬した。PBSビヒクル単独での投与を対照として使用した。タンパク尿を、パーセント尿中タンパク質<300mg/dLとして決定した。

SLEマウスモデルを使用して、抗CD40抗体138の予防的投薬により生存が延長されることを示すグラフである。マウスにおいて、26週齢時に予防的処置を開始し、タンパク尿のマウスは試験から除外した。マウスに、15mg/kgの抗体を1週間に2回、1.5mg/kgの抗体を1週間に2回または15mg/kg抗体を1週間に1回、投薬した。PBSビヒクル単独での投与を対照として使用した。36週齢にわたってパーセント生存を評価した。

抗体138を15mg/kg、IP、1週間に2回の用量で用いて処置されたマウスでは、尿中タンパク質のグレード(mg/dL相当)によって示される通り、経時的に低タンパク尿が発生したことを示すグラフである。ビヒクルPBSの投与、IP、1週間に2回を対照として使用した。プレドニゾロンを10mg/kgの用量で経口的に(PO)、1日1回(SID)与えた。ビヒクルPBS無処置対照マウスとプレドニゾロンで処置されたマウスのいずれでも低タンパク尿は発生しなかった。タンパク尿の閾値は、300mg/dLで示される。

抗体138を15mg/kg、IP、1週間に2回の用量で用いて処置されたマウスにおける、タンパク尿からの回復率を示すグラフである。パーセント正常尿中タンパク質によって決定されるタンパク尿からの回復率に基づいて、タンパク尿からの回復までの平均時間は、23±7日であった。ビヒクルPBSの投与、IP、1週間に2回を対照として使用した。プレドニゾロンを10mg/kgの用量で経口的に(PO)、1日1回(SID)与えた。

パーセント生存によって示される通り、抗CD40抗体138を15mg/kg、IP、1週間に2回の用量で用いて処置されたマウスの生存が有意に延長されることを示すグラフである。ビヒクルPBSの投与、IP、1週間に2回を対照として使用した。プレドニゾロンを経口的に(PO)1日1回(SID)与えた。

抗体138を15mg/kg、IP、1週間に2回、1.5mg/kg 1週間に2回、15mg/kg 1週間に1回の用量で用いた予防的処置により、唾液の産生が保護されることを示すグラフである。ビヒクルPBSを対照として使用した。プレドニゾロンを10mg/kgの用量で投与した。疾患を有さない若年マウスである7週齢のNZBWF−1マウスにおける唾液の産生をさらなる比較として使用した。唾液の量(mg)を決定した。抗CD40で処置されたマウスによる唾液の産生は、比較的に均一であった。

抗CD40抗体138を15mg/kg、IP、1週間に2回、1.5mg/kg 1週間に2回、15mg/kg 1週間に1回の用量で用いた予防的処置により、唾液体積が保護されることを示すグラフである。ビヒクルPBSを対照として使用した。プレドニゾロンを10mg/kgの用量で投与した。唾液体積/体重(mg/gm)を決定した。抗CD40抗体で処置されたマウスによる唾液の産生は、無処置対照マウスにおけるものよりも有意に多かった。

抗CD40抗体138を15mg/kgの用量で用いた治療的処置により、唾液の産生が保護されることを示すグラフである。プレドニゾロンを10mg/kgの用量で投与した。11週齢のマウスにおける唾液の産生をさらなる比較として使用した。唾液の量(mg)を決定した。

抗CD40抗体138を15mg/kgの用量で用いた治療的処置により、唾液の産生が保護されることを示すグラフである。プレドニゾロンを10mg/kgの用量で投与した。11週齢のマウスにおける唾液の産生をさらなる比較として使用した。唾液体積/体重(mg/gm)を決定した。

本発明は、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分およびその使用に関する。本発明の種々の態様は、抗体および抗体断片およびその医薬組成物ならびにそのような抗体および断片を作製するための核酸、組換え発現ベクターおよび宿主細胞に関する。インビトロまたはインビボのいずれかにおいて、ヒトCD40を検出するため、ヒトCD40/CD40L活性を阻害するため;および慢性炎症性疾患およびクローン病のような疾患または障害を予防または治療するための、本発明の抗体の使用方法も本発明に包含される。

本明細書において別段の定義のない限り、本発明に関連して使用される科学用語および技術用語は、当業者によって一般に理解されている意味を有する。用語の意味および範囲は、明確でなければならないが、任意の潜在的に曖昧な事象では、本明細書において提供される定義は、あらゆる辞書の定義または付帯的な定義よりも優先される。さらに、文脈によって別段に必要とされない限り、単数の用語は、複数を含むものとし、複数の用語は、単数を含むものとする。本出願では、「または」の使用は、別段の記述のない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含んでいる(including)」ならびに「含む(includes)」および「含まれる(included)」などのその他の形態の使用は、限定的ではない。また、「要素」または「成分」などの用語は、別段の記述のない限り、1つのユニットを含む要素および成分ならびに2以上のサブユニットを含む要素および成分の両方を包含する。

一般に、本明細書に記載される細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学ならびにタンパク質および核酸の化学およびハイブリダイゼーションに関連して使用される命名法ならびにその技術は、当技術分野で周知のものであり、当技術分野でよく使用されるものである。本発明の方法および技術は、別段の指示のない限り、一般に、当技術分野で周知の従来法に従って、また、本明細書を通じて引用されて論じられる種々の一般的な参考文献およびより特定の参考文献に記載されるように、実施される。酵素反応および精製技術は、製造業者の仕様書に従って、当技術分野で一般に遂行されるように、または本明細書に記載されるように実施される。本明細書に記載される分析化学、合成有機化学ならびに医薬品化学および製薬化学に関連して使用される命名法ならびにその実験室手順および技術は、当技術分野で周知のものであり、当技術分野でよく使用されるものである。標準技術は、化学合成、化学分析、医薬品、製剤および送達ならびに患者の治療のために使用されている。

本発明がより容易に理解され得るように、選択用語が以下に定義される。

用語「ポリペプチド」とは、本明細書で使用される場合、アミノ酸の任意のポリマー鎖を指す。用語「ペプチド」および「タンパク質」は、用語ポリペプチドと同義的に使用され、アミノ酸のポリマー鎖も指す。用語「ポリペプチド」は、天然または人工のタンパク質、タンパク質断片およびタンパク質配列のポリペプチド類似体を包含する。ポリペプチドは単量体であってもポリマーであってもよい。

用語「単離されたタンパク質」または「単離されたポリペプチド」は、その起源または供給源に基づいて、その天然状態でそれに付随する天然に会合している成分と会合していないタンパク質またはポリペプチドであり、実質的に、同一種に由来するその他のタンパク質を含まず、異なる種に由来する細胞によって発現されるか、または天然には生じない。したがって、化学的に合成されたポリペプチドまたはそれが天然に生じる細胞とは異なる細胞系において合成されたポリペプチドは、その天然に会合している成分から「単離」される。タンパク質はまた、当技術分野で周知のタンパク質精製技術を使用する単離によって天然に会合している成分を実質的に含まないようにされ得る。単離されたポリペプチドの例は、単離された抗体またはその抗原結合部分である。

用語「回収すること」とは、本明細書で使用される場合、例えば、当技術分野で周知のタンパク質精製技術を使用する単離によって、ポリペプチドなどの化学種を、天然に会合している成分を実質的に含まないようにするプロセスを指す。

「ヒトCD40」および「ヒトCD40野生型」という用語(本明細書では、hCD40、hCD40wtと省略される)は、本明細書で使用される場合、I型膜貫通タンパク質を指す。一実施形態では、用語ヒトCD40は、標準の組換え発現方法によって調製され得る組換えヒトCD40(rhCD40)を包含することが意図されている。表1には、当技術分野で公知であるヒトCD40のアミノ酸配列(すなわち、配列番号1)およびその細胞外ドメインのアミノ酸配列(すなわち、配列番号107)が提供される。

「生物活性」とは、本明細書で使用される場合、CD40受容体の全ての固有の生物学的特性を指す。CD40の生物学的特性として、それだけには限らないが、CD40Lとの結合;B細胞発生への関与;リンパ球活性化への関与;抗原提示細胞機能への関与;樹状細胞、マクロファージおよびB細胞の活性の調節;マクロファージおよび樹状細胞における炎症性サイトカインの産生の誘導;抗原提示の上方制御;T細胞刺激の上方制御;およびB細胞における免疫グロブリンクラススイッチの促進が挙げられる。

用語「特異的結合」または「特異的に結合すること」は、本明細書で使用される場合、抗体、タンパク質またはペプチドの、第2の化学種との相互作用に関連して、相互作用が、化学種上の特定の構造(例えば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存していること、例えば、抗体が、タンパク質一般とではなく、特定のタンパク質構造を認識し、結合することを意味する。抗体が、エピトープ「A」に対して特異的である場合には、標識された「A」および抗体を含有する反応物中のエピトープA(または遊離の、標識されていないA)を含有する分子の存在は、抗体と結合している標識されたAの量を低減する。

「アゴニスト」という用語は、本明細書で使用される場合、目的の分子、例えばCD40と接触させた場合に、アゴニストの不在下で観察された活性または機能の規模と比較して、分子の特定の活性または機能の規模の増大を引き起こすモジュレーターを指す。

用語「アンタゴニスト」または「阻害剤」は、本明細書で使用される場合、目的の分子と接触させた場合に、アンタゴニストの不在下で観察された活性または機能の規模と比較して、分子の特定の活性または機能の規模の減少を引き起こすモジュレーターを指す。目的の特定のアンタゴニストとして、ヒトCD40(hCD40)の生物活性または免疫学的活性を遮断または調節するものが挙げられる。hCD40のアンタゴニスト抗体は、例えば、CD40Lと一緒に培養される(またはそれに曝露される)初代ヒトB細胞(B細胞をCD40L発現ヒトT細胞と一緒に培養するなど)のCD86による上方制御を阻害し得る。一実施形態では、アゴニスト活性を実質的に有さないアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、実施例7に記載のアゴニスト単球アッセイのようなアゴニストアッセイにおいて陰性対照に相当するまたは陰性対照から1標準偏差以内の活性のレベルを有すると定義される。

本発明の抗体またはその抗原結合部分は、抗体またはその抗原結合部分の不在下でのCD40活性または機能と比較して、CD40活性または機能の低下を引き起こすアンタゴニスト抗体またはその抗原結合部分である。特定の実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、アゴニスト活性を実質的に有さない、すなわち、抗体またはその抗原結合部分は、抗体またはその抗原結合部分の不在下でのCD40活性または機能と比較して、CD40活性または機能の規模の増加を引き起こさない。アゴニスト活性およびアンタゴニスト活性は、当技術分野で公知の方法を使用して、例えば、NFkB媒介性アルカリホスファターゼ(AP)と連結したヒトCD40を発現するCD40発現レポーター細胞株またはB細胞アッセイを使用して評価することもできる。さらに、一実施形態では、アゴニスト活性およびアンタゴニスト活性は、実施例7に記載のインビトロ単球アゴニストアッセイおよびインビトロ単球アンタゴニストアッセイを使用して評価され得る。

「CD40Lとの結合を阻害する」という用語は、CD40とそのリガンドであるCD40Lとの結合を妨げる抗体またはその抗原結合断片の能力を指す。そのようなCD40Lとの結合の阻害の結果、CD40のCD40Lとの結合によって媒介される生物活性が低下または消滅する。

用語「抗体」とは、本明細書で使用される場合、4つのポリペプチド鎖、2つの重(H)鎖、および2つの軽(L)鎖からなる任意の免疫グロブリン(Ig)分子またはIg分子の本質的なエピトープ結合特徴を保持する、その任意の機能的断片、突然変異体、変異体または誘導体を広く指す。このような突然変異体、変異体または誘導体抗体形式は、当技術分野で公知である。その限定されない実施形態は以下に論じられている。

全長抗体では、各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書において、HCVRまたはVHと略される)および重鎖定常領域からなる。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書において、LCVRまたはVLと略される)および軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLからなる。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域が散財している、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域にさらに細かく分けることができる。各VHおよびVLは、以下の順でアミノ末端からカルボキシ末端に配置される、3つのCDRおよび4つのFRからなる:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。免疫グロブリン分子は、任意の種類のもの(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであり得る。

抗体の「抗原結合部分」もしくは「抗原結合断片」(または単に「抗体部分」もしくは「抗体断片」)という用語は、本明細書で使用される場合、抗原(例えば、hCD40)に特異的に結合する能力を保持する、抗体の1つ以上の断片を指す。抗体の抗原−結合機能は、全長抗体の断片によって実施され得るということがわかっている。このような抗体実施形態はまた、2種以上の異なる抗原と特異的に結合する、二特異性、二重特異性または多重特異性形式であり得る。抗体の「抗原結合部分」もしくは「抗原結合断片」という用語の範囲内に包含される結合断片の例として、(i)Fab断片、VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片;(ii)F(ab’)2断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結した2つのFab断片を含む二価断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一のアームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)単一の可変ドメインを含むdAb断片(参照により本明細書に組み込むWardら、(1989年)Nature 341:544−546頁、Winterら、PCT公開番号WO 90/05144 A1);および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。さらに、Fv断片の2つのドメイン、VLおよびVHは、別個の遺伝子によってコードされるが、それらは、組換え法を使用し、VLおよびVH領域対が一価分子を形成する単一のタンパク質鎖(一本鎖Fv(scFv)としても知られる;例えば、Birdら(1988年)Science 242:423−426頁;およびHustonら(1988年)Proc.Natl.Acad.Sci. USA 85:5879−5883頁参照のこと)として製造されることを可能にする合成リンカーによって結合され得る。このような一本鎖抗体もまた、抗体の用語「抗原結合部分」もしくは「抗原結合断片」内に包含されるものとする。ダイアボディーなどの一本鎖抗体のその他の形態も包含される。ダイアボディーは、VHおよびVLドメインが単一のポリペプチド鎖上に発現されるが、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用し、それによって、ドメインが別の鎖の相補的ドメインと対形成するようにし、2つの抗原結合部位を作製する、二価の、二特異性抗体である(例えば、Holliger、P.ら(1993年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448頁; Poljak、R.J.ら(1994年)Structure 2:1121−1123頁参照のこと)。このような抗体結合部分は、当技術分野で公知である(KontermannおよびDubel編、Antibody Engineering(2001年)Springer−Verlag. New York.790頁(ISBN 3−540−41354−5))。

用語「抗体構築物」は、本明細書で使用される場合、リンカーポリペプチドまたは免疫グロブリン定常ドメインと連結した本発明の抗原結合部分を1つ以上含むポリペプチドを指す。リンカーポリペプチドは、ペプチド結合によって結合した2つ以上のアミノ酸残基を含み、1つ以上の抗原結合部分を連結するために使用される。このようなリンカーポリペプチドは、当技術分野で周知である(例えば、Holliger、P.ら(1993年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448頁;Poljak、R.J.ら(1994年)Structure 2:1121−1123頁参照のこと)。免疫グロブリン定常ドメインとは、重鎖または軽鎖定常ドメインを指す。ヒトIgG重鎖定常ドメインおよびヒトIgG軽鎖定常ドメインのアミノ酸配列は、当技術分野で公知であり、表2に表されている。

さらに、抗体またはその抗原結合部分は、抗体または抗体部分と1つ以上のその他のタンパク質またはペプチドとの共有結合または非共有結合によって形成された、より大きな免疫接着分子の一部であり得る。このような免疫接着分子の例として、四量体scFv分子を製造するためのストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanov、S.M.ら(1995年)Human Antibodies and Hybridomas 6:93−101頁)ならびに二価のビオチン化scFv分子を製造するためのシステイン残基、マーカーペプチドおよびC末端ポリヒスチジンタグの使用(Kipriyanov、S.M.ら(1994年)Mol.Immunol. 31:1047−1058頁)が挙げられる。FabおよびF(ab’)2断片などの抗体部分は、それぞれ全抗体のパパインまたはペプシン消化などの従来技術を使用して、全抗体から調製され得る。さらに、抗体、抗体部分および免疫接着分子は、本明細書に記載の標準の組換えDNA技法を使用して得られ得る。

「単離された抗体」とは、本明細書で使用される場合、異なる抗原特異性を有するその他の抗体を実質的に含まない抗体を指すものとする(例えば、hCD40と特異的に結合する単離された抗体は、hCD40以外の抗原と特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかし、hCD40と特異的に結合する単離された抗体は、その他の種に由来するCD40分子などのその他の抗原に対して交差反応性を有し得る。さらに、単離された抗体は、その他の細胞物質および/または化学物質を実質的に含まない場合がある。

用語「キメラ抗体」とは、ある種に由来する重鎖および軽鎖可変領域配列ならびに別の種に由来する定常領域配列を含む抗体、例えば、ヒト定常領域と連結しているマウス重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体を指す。

用語「CDRグラフト化抗体」とは、1つの種に由来するが、VHおよび/またはVLの1つ以上のCDR領域の配列が、別の種のCDR配列で置換されている重鎖および軽鎖可変領域配列を含む抗体、例えば、1つ以上のマウスCDR(例えば、CDR3)がヒトCDR配列で置換されている、マウス重鎖および軽鎖可変領域を有する抗体を指す。

用語「Kabat番号付け」、「Kabat定義」および「Kabat標識」は、本明細書において同義的に使用される。当技術分野で認識されるこれらの用語は、抗体の重鎖および軽鎖可変領域中のその他のアミノ酸残基よりも可変(すなわち、超可変)であるアミノ酸残基またはその抗原結合部分を番号付けるシステムを指す(Kabatら(1971年)Ann.NY Acad、Sci. 190:382−391頁およびKabat、E.A.ら(1991年)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH Publication第91−3242)。重鎖可変領域について、超可変領域は、CDR1のアミノ酸位置31−35、CDR2のアミノ酸位置50−65およびCDR3のアミノ酸位置95−102の範囲である。軽鎖可変領域については、超可変領域は、CDR1のアミノ酸位置24−34、CDR2のアミノ酸位置50−56およびCDR3のアミノ酸位置89−97の範囲である。

本明細書で使用される場合、用語「アクセプター」および「アクセプター抗体」とは、フレームワーク領域のうちの1つ以上のアミノ酸配列の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または100%を提供するまたはコードする抗体または核酸配列を指す。いくつかの実施形態では、用語「アクセプター」とは、定常領域(複数可)を提供するまたはコードする抗体アミノ酸配列または核酸配列を指す。さらに別の実施形態では、用語「アクセプター」とは、フレームワーク領域のうちの1つ以上および定常領域(複数可)を提供するまたはコードする抗体アミノ酸配列または核酸配列を指す。特定の実施形態では、用語「アクセプター」とは、1つ以上のフレームワーク領域のアミノ酸配列の少なくとも80%、好ましくは、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または100%を提供するまたはコードするヒト抗体アミノ酸または核酸配列を指す。この実施形態と一致して、アクセプターは、ヒト抗体の1つ以上の特定の位置では生じない少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個または少なくとも10個のアミノ酸残基を含有し得る。アクセプターフレームワーク領域および/またはアクセプター定常領域(複数可)は、例えば、生殖系列抗体遺伝子、成熟抗体遺伝子、機能性抗体(例えば、当技術分野で周知の抗体、開発中の抗体または市販の抗体)に由来するまたはそれらから得られる。

本明細書で使用される場合、用語「CDR」とは、抗体可変配列内の相補性決定領域を指す。重鎖および軽鎖の可変領域のそれぞれに3つのCDRがあり、これらは可変領域のそれぞれについてCDR1、CDR2およびCDR3と称される。用語「CDRセット」とは、本明細書で使用される場合、抗原と結合することができる単一の可変領域内に存在する3つのCDRの群を指す。これらのCDRの正確な境界は、異なるシステムに従って異なる定義がなされている。Kabatにより記載されているシステム(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health、Bethesda、Md.(1987年)および(1991年))は、抗体の任意の可変領域に適用可能な明白な残基の番号付けシステムを提供するだけでなく、3つのCDRを定義する正確な残基境界も提供する。これらのCDRは、KabatCDRと称することができる。Chothiaおよび共同研究者(Chothiaら、J.Mol.Biol.196:901−917頁(1987年)およびChothiaら、Nature 342:877−883頁(1989年))は、KabatCDR内の特定の下位部分が、アミノ酸配列のレベルで大きな多様性を有するにもかかわらず、ほぼ同一のペプチド骨格コンホメーションをとることを見出した。これらの下位部分は、L1、L2およびL3またはH1、H2およびH3と示され、ここで、「L」および「H」は、それぞれ軽鎖領域および重鎖領域を示す。これらの領域はChothiaCDRと称することができ、KabatCDRと重複する境界を有する。KabatCDRと重複するCDRを定義するその他の境界は、Padlan(FASEB J.9:133−139頁(1995年))およびMacCallum(J Mol Biol 262(5):732−45頁(1996年))によって記載されている。さらにその他のCDR境界定義は、上記のシステムの1つを厳密に辿らない場合もあり、それらは、特定の残基または残基の群または全CDRでさえ、抗原結合に大幅に影響を与えないという予測または実験的知見を踏まえて、短くされる場合も、長くされる場合もあるが、それでも、KabatCDRと重複する。本発明で使用される方法では、これらのシステムのいずれに従って定義されるCDRでも利用することができるが、好ましい実施形態では、KabatまたはChothiaによって定義されるCDRを使用する。

本明細書で使用される場合、用語「標準的(canonical)」残基とは、Chothiaら(どちらも参照により本明細書に組み込むJ.Mol.Biol.196:901−907頁(1987年);Chothiaら、J.Mol.Biol.227:799(1992年))によって定義される特定の標準的なCDR構造を定義する、CDRまたはフレームワーク内の残基を指す。Chothiaらによると、多くの抗体のCDRの重要な部分は、アミノ酸配列のレベルで大きな多様性があるにもかかわらず、ほぼ同一のペプチド骨格コンホメーションを有する。各標準構造は、ループを形成するアミノ酸残基の連続セグメントの1セットのペプチド骨格ねじれを主に規定する。

本明細書で使用される場合、用語「ドナー」および「ドナー抗体」とは、1つ以上のCDRを提供する抗体を指す。好ましい実施形態では、ドナー抗体は、フレームワーク領域が得られるまたはそれに由来する抗体とは異なる種に由来する抗体である。ヒト化抗体との関連で、用語「ドナー抗体」とは、1つ以上のCDRを提供する非ヒト抗体を指す。

本明細書で使用される場合、用語「フレームワーク」または「フレームワーク配列」とは、CDRを引いた可変領域の残りの配列を指す。CDR配列の正確な定義は、種々のシステムによって決定され得るので、フレームワーク配列の意味は、対応する種々の解釈を受ける。また、6つのCDR(軽鎖のCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびに重鎖のCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3)により、軽鎖および重鎖上のフレームワーク領域が各鎖上の4つの小領域(FR1、FR2、FR3およびFR4)に分けられ、CDR1がFR1とFR2との間に位置し、CDR2がFR2とFR3との間に位置し、CDR3がFR3とFR4との間に位置する。特定の小領域をFR1、FR2、FR3またはFR4として特定せずに、その他により称されるフレームワーク領域とは、単一の天然に存在する免疫グロブリン鎖の可変領域内の組み合わされたFRを表す。本明細書で使用される場合、1つのFRは、4つの小領域のうちの1つを表し、複数のFRは、フレームワーク領域を構成する4つの小領域のうちの2つ以上を表す。

ヒト重鎖および軽鎖アクセプター配列は、当技術分野で公知である。本発明の一実施形態では、ヒト重鎖および軽鎖アクセプター配列は、表3および表4に記載される配列から選択される。

本明細書において、用語「生殖系列抗体遺伝子」または「遺伝子断片」とは、特定の免疫グロブリンの発現のための遺伝子再配列および突然変異につながる成熟プロセスを受けていない、非リンパ系細胞によってコードされる免疫グロブリン配列を指す(例えば、Shapiroら、Crit.Rev.Immunol.、22(3):183−200頁(2002年);Marchalonisら、Adv Exp Med Biol. 484:13−30頁(2001年)参照のこと)。本発明の種々の実施形態によって提供される利点の1つは、生殖系列抗体遺伝子は、成熟抗体遺伝子よりも、種において個体の特徴を示す必須アミノ酸配列構造を保存する可能性が高く、したがって、その種において治療上使用される場合に外来供給源に由来すると認識される可能性が低いという認識に基づく。

本明細書において、用語「重要な」残基とは、抗体、特に、ヒト化抗体の結合特異性および/または親和性に対してより影響を与える可変領域内の特定の残基を指す。重要な残基として、CDRに隣接している残基、潜在的なグリコシル化部位(N−またはO−グリコシル化部位のいずれかであり得る)、稀な残基、抗原と相互作用できる残基、CDRと相互作用できる残基、標準的残基、重鎖可変領域と軽鎖可変領域との間の接触残基、バーニアゾーン内の残基および可変重鎖CDR1のChothia定義と第1の重鎖フレームワークのKabat定義との間で重複する領域中の残基のうち1種以上が挙げられるが、これらに限定されない。

本明細書で使用される場合、用語「ヒト化抗体」は、目的の抗原(例えば、ヒトCD40)と免疫特異的に結合し、ヒト抗体のアミノ酸配列を実質的に有するフレームワーク(FR)領域および非ヒト抗体のアミノ酸配列を実質的に有する相補性決定領域(CDR)を含む抗体またはその変異体、誘導体、類似体または断片である。本明細書において、CDRに関連して、用語「実質的に」とは、非ヒト抗体CDRのアミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するCDRを指す。ヒト化抗体は、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが、非ヒト免疫グロブリン(すなわち、ドナー抗体)のものに対応し、フレームワーク領域のすべてまたは実質的にすべてが、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである、少なくとも1つの、通常、2つの可変ドメイン(Fab、Fab’、F(ab’)2、FabC、Fv)のすべてを実質的に含む。好ましくは、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、通常、ヒト免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、軽鎖と重鎖の少なくとも可変ドメインとの両方を含有する。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3およびCH4領域を含み得る。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト化軽鎖のみを含有する。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト化重鎖のみを含有する。特定の実施形態では、ヒト化抗体は、軽鎖および/またはヒト化重鎖のヒト化可変ドメインのみを含有する。

ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを始めとする免疫グロブリンの任意のクラス、ならびに制限するものではないが、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を始めとする任意のアイソタイプから選択され得る。ヒト化抗体は、2以上のクラスまたはアイソタイプ由来の配列を含んでもよく、特定の定常ドメインは、当技術分野で周知の技術を使用して、所望のエフェクター機能を最適化するよう選択され得る。

ヒト化抗体のフレームワークおよびCDR領域は、親配列と正確に対応する必要はなく、例えば、ドナー抗体CDRまたはコンセンサスフレームワークは、少なくとも1個のアミノ酸残基の置換、挿入および/または欠失によって突然変異され、その結果、その部位でのCDRまたはフレームワーク残基が、ドナー抗体またはコンセンサスフレームワークのいずれかと対応しなくてもよい。しかし、好ましい実施形態では、このような突然変異は、大規模なものではない。普通、ヒト化抗体残基の少なくとも80%、好ましくは、少なくとも85%、より好ましくは、少なくとも90%、最も好ましくは、少なくとも95%は、親のFRおよびCDR配列のものと対応する。本明細書において、用語「コンセンサスフレームワーク」とは、コンセンサス免疫グロブリン配列中のフレームワーク領域を指す。本明細書において、用語「コンセンサス免疫グロブリン配列」とは、関連免疫グロブリン配列のファミリーにおいて最も頻繁に生じるアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列を指す(例えば、Winnaker、From Genes to Clones(Verlagsgesellschaft、Weinheim、Germany 1987年参照のこと)。免疫グロブリンのファミリーでは、コンセンサス配列中の各位置は、ファミリーにおいてその位置で最も頻繁に生じるアミノ酸によって占められている。2個のアミノ酸が等しく頻繁に生じる場合には、いずれかがコンセンサス配列中に含まれ得る。

本明細書において、「バーニア(Vernier)」ゾーンとは、FooteおよびWinter、(参照により本明細書に組み込む、1992年、J.Mol.Biol. 224:487−499頁)によって記載される、CDR構造を調整し、抗原に対する適合度を微調整し得るフレームワーク残基のサブセットを指す。バーニアゾーン残基は、CDRの根底をなす層を形成し、CDRの構造および抗体の親和性に対して影響を及ぼし得る。

用語「多価結合タンパク質」は、本明細書では、2種以上の抗原結合部位を含む結合タンパク質を示すために使用される。多価結合タンパク質は、3つ以上の抗原結合部位を有するように操作されていることが好ましく、一般に、天然に存在しない抗体である。用語「多重特異性結合タンパク質」とは、2つ以上の関連する標的または関連しない標的と結合することができる結合タンパク質を指す。

本明細書において互換的に使用される用語「二重可変ドメイン」または「DVD」もしくは「DVD−Ig」とは、2種以上の抗原結合部位を含み、四価または多価の結合タンパク質である、抗原結合タンパク質である。このようなDVDは、単一特異性、すなわち、1種の抗原と結合することができるものであってもよく、多重特異性、すなわち、2種以上の抗原と結合することができるものであってもよい。2つの重鎖DVDポリペプチドおよび2つの軽鎖DVDポリペプチドを含むDVD結合タンパク質はDVD Igと称される。DVD Igの半分はそれぞれ、重鎖DVDポリペプチドおよび軽鎖DVDポリペプチドならびに2つの抗原結合部位を含む。各結合部位は、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含み、抗原結合部位あたり、抗原結合に関与する合計6つのCDRを有する。一実施形態では、本明細書に記載のCDR(例えば、配列番号6、42および8(重鎖)ならびに21、11および12(軽鎖))が抗CD40 DVDに使用される。DVD−Ig構造の例は、当技術分野で公知であり、例えば、参照により本明細書に組み込む、米国特許第7,612,181号に記載されている。

本明細書で使用される場合、用語「中和(neutralizing)」とは、抗体またはその抗原結合部分がサイトカイン受容体と特異的に結合すると、サイトカイン受容体の生物活性が中和されることを指す。中和抗体またはその抗原結合部分は、hCD40と結合することによってhCD40の生物活性の阻害をもたらす中和抗体であることが好ましい。好ましくは、中和抗体またはその抗原結合部分は、hCD40に結合し、hCD40の生物活性を少なくとも約20%、40%、60%、80%、85%またはそれ以上低減する。中和抗体またはその抗原結合部分によるhCD40の生物活性の阻害は、当技術分野で周知のhCD40生物活性の1つ以上の指標を測定することによって評価され得る。

用語「活性」は、抗原に対する抗体、例えばhCD40抗原と結合する抗hCD40抗体の結合特異性/親和性および/または、抗体、例えば、hCD40との結合によりhCD40の生物活性(例えばCD40Lとの結合;B細胞発生への関与;リンパ球活性化への関与;抗原提示細胞機能への関与;樹状細胞、マクロファージおよびB細胞の活性の調節;マクロファージおよび樹状細胞における炎症性サイトカインの産生の誘導;抗原提示の上方制御;T細胞刺激の上方制御;およびB細胞における免疫グロブリンクラススイッチの促進)を阻害する抗hCD40抗体の中和力のような活性を含む。

本発明の抗CD40抗体の活性を評価するための例示的なアッセイとして、本明細書に記載のインビトロアッセイおよびインビボアッセイが挙げられる。詳細には、アッセイは、抗CD40抗体がアゴニスト抗体であるかアンタゴニスト抗体であるかを決定するために使用され得る。

例えば、ヒトCD40との結合およびCD40−CD40L相互作用の阻害は、ヒトCD40発現細胞株を使用して、FACS分析によってアッセイされ得る。アンタゴニスト活性およびアゴニスト活性は、NFkB媒介性アルカリホスファターゼ(AP)と連結したヒトCD40を発現するCD40発現レポーター細胞株を使用して評価され得る。シグナルがCD40を通じて受け取られると、NFkB活性化によりAPの分泌が導かれ、それを比色定量基質によって測定する。例示的なアンタゴニストアッセイとして、CD40レポーター株を、CD40Lを発現するジャーカット細胞株と一緒に(生理的リガンド相互作用をもたらすため)または可溶性CD40Lと一緒に培養することができ、抗CD40抗体のNFkBシグナルを遮断する能力を評価することができる。例示的なアゴニストアッセイとして、ヒトCD40レポーター細胞株を抗CD40抗体で処理し、NFkBシグナルを上記の通り測定することができる。

あるいは、CD40アンタゴニスト抗体を添加する前に低用量の抗IgMおよび抗IL4を用いてB細胞を活性化する、B細胞アゴニストアッセイが利用され得る。B細胞活性化の増強はCD86の上方制御として測定され得、今度はそれにより、アゴニスト活性が示される。同様に、初代ヒトB細胞をCD40/CD40L相互作用によってB細胞活性化およびCD86発現の上方制御を導くCD40L発現ヒトT細胞株と一緒に培養する、B細胞アンタゴニストアッセイが利用され得る。初代ヒトB細胞のCD86上方制御の阻害により、アンタゴニスト活性が示される。

用語「エピトープ」は、抗体またはその抗原結合部分に特異的に結合することができる任意のポリペプチド決定基を含む。特定の実施形態では、エピトープ決定基は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリルまたはスルホニルなどの分子の化学的に活性な表面基群(surface groupings)を含み、特定の実施形態では、特定の3次元構造的特徴および/または特定の荷電特徴を有し得る。種々の実施形態では、エピトープは、抗原、すなわちCD40の一次構造の直線的または連続的なエピトープ、すなわち、アミノ酸の直線的配列であり得る。あるいは、その他の実施形態では、エピトープは、抗原がその二次構造を仮定する場合、特定の3次元形状を有する立体構造エピトープであり得る。例えば、立体構造エピトープは、抗原の非直線的、すなわち非連続的なアミノ酸を含み得る。

特定の実施形態では、エピトープは抗体またはその抗原結合部分によって結合される抗原の領域である。特定の実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、タンパク質および/または高分子の複合混合物中のその標的抗原を優先的に認識する場合に、抗原と特異的に結合するといえる。

用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を含むものとする。本発明のヒト抗体は、例えば、CDR、特に、CDR3中に、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロでランダム突然変異誘発および部位特異的突然変異誘発によって誘発されるか、またはインビボ体細胞突然変異によって誘発される突然変異)を含み得る。しかし、用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖系列に由来するCDR配列が、ヒトフレームワーク配列にグラフトされている抗体を含まないものとする。

用語「組換えヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、組換え手段によって調製、発現、作製もしくは単離されたすべてのヒト抗体、例えば宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現された抗体(以下の節IICにさらに記載されている)、組換え、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体(Hoogenboom H.R.、(1997年)TIB Tech.15:62−70頁;Azzazy H.およびHighsmith W.E.、(2002年)Clin.Biochem.35:425−445頁;Gavilondo J.V.およびLarrick J.W.(2002年)BioTechniques 29:128−145頁;Hoogenboom H.およびChames P.(2000年)Immunology Today 21:371−378頁)、ヒト免疫グロブリン遺伝子にとってトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体(例えば、Taylor,L.D.ら(1992年)Nucl.Acids Res.20:6287−6295頁;Kellermann S−A.およびGreen L.L.(2002年)Current Opinion in Biotechnology 13:593−597頁;Little M.ら(2000年)Immunology Today 21:364−370頁を参照のこと)またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列のその他のDNA配列へのスプライシングを含む任意のその他の手段によって調製、発現、作製もしくは単離された抗体などを含むものとする。このような組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列由来の可変領域および定常領域を有する。しかし、特定の実施形態では、このような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列についてのトランスジェニックの動物が使用される場合には、インビボ体細胞突然変異誘発)に付され、したがって、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VHおよびVL配列に由来し、それと関連している一方で、インビボにおけるヒト抗体生殖系列レパートリー内には天然に存在しなくともよい配列である。一実施形態では、例えば、それだけには限らないが、Jermutusら、PCT公開番号第WO2005/007699 A2号に記載されているものなどのヒトIgファージライブラリーを使用することなどの、当技術分野で周知の技法を使用して作製され得る、ヒトCD40と結合することができる完全ヒト抗体が提供される。

本明細書において、用語「表面プラズモン共鳴」とは、例えば、BIAcoreシステム(Pharmacia Biosensor AB、Uppsala、Sweden and Piscataway、NJ)を使用して、バイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度の変化の検出によってリアルタイム生体特異的相互作用の分析を可能にする光学現象を指す。さらなる説明のためには、Jonsson、U.ら(1993年)Ann.Biol.Clin. 51:19−26頁;Jonsson、U.ら(1991年)Biotechniques 11:620−627頁;Johnsson、B.ら(1995年)J.Mol.Recognit. 8:125−131頁;およびJohnnson、B.ら(1991年)Anal.Biochem. 198:268−277頁参照のこと。

用語「kon」とは、本明細書で使用される場合、当技術分野で公知の、抗体/抗原複合体を形成するための、抗体の抗原との会合の結合速度定数を指すものとする。

用語「koff」とは、本明細書で使用される場合、当技術分野で公知の、抗体/抗原複合体からの抗体の解離についての解離速度定を指すものとする。

用語「KD」は、本明細書で使用される場合、当技術分野で公知の、特定の抗体−抗原相互作用の解離定数を指すものとする。

用語「標識された抗体」とは、本明細書で使用される場合、抗体またはその抗原結合部分の同定をもたらす標識が組み込まれた抗体を指す。好ましくは、標識は、例えば、放射標識されたアミノ酸の組み込みまたは印をつけたアビジン(例えば、蛍光マーカーまたは光学的方法もしくは比色法によって検出され得る酵素活性を含有するストレプトアビジン)によって検出され得るビオチニル部分のポリペプチドとの結合によって、検出可能なマーカーである。ポリペプチドのための標識の例として、それだけには限らないが、以下が挙げられる:放射性同位元素または放射性核種(例えば、3H14C35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Ho、または153Sm);蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニドホスホール)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ);化学発光マーカー;ビオチニル基;二次レポーター(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)によって認識される所定のポリペプチドエピトープ;および、ガドリニウムキレートなどの磁性物質。

本明細書において、用語「結晶」、および「結晶化された」とは、結晶の形態で存在する抗体またはその抗原結合部分を指す。結晶は、物質の固体状態の1種の形態であり、非晶質固体状態または液晶状態などのその他の形態とは異なる。結晶は、原子、イオン、分子(例えば、抗体などのタンパク質)または分子集合体(例えば、抗原/抗体複合体)の、規則正しい、反復する3次元の配置からなる。これらの3次元配置は、この分野で十分に理解されている特定の数学的関係に従って配列される。結晶中で反復される基本単位またはビルディングブロックは、非対称単位と呼ばれる。所与の、十分に定義された結晶学的対称と一致する配列中の非対称単位の反復は、結晶の「単位格子」を提供する。3次元すべてにおける規則正しい並進による単位格子の反復は結晶を提供する。Giege,R.およびDucruix,A.Barrett、Crystallization of Nucleic Acids and Proteins、a Practical Approach、第2版、201−16頁、Oxford University Press、New York、New York(1999年)を参照のこと。

用語「ポリヌクレオチド」とは、本明細書で使用される場合、リボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドのいずれかまたはいずれかの種類のヌクレオチドの修飾された形態の2つ以上のヌクレオチドのポリマー形態を指す。この用語は、DNAの一本鎖および二本鎖形態を含むが、二本鎖DNAであることが好ましい。

用語「単離されたポリヌクレオチド」とは、本明細書で使用される場合、その起源によって、ポリヌクレオチド(例えば、ゲノムのポリヌクレオチド、cDNAのポリヌクレオチド、または合成起源のポリヌクレオチド、またはそれらのいくつかの組合せ)を意味するものとし、「単離されたポリヌクレオチド」は、「単離されたポリヌクレオチド」が天然に存在する場合にともに存在するポリヌクレオチドのすべてまたは一部と会合しておらず;天然には連結していないポリヌクレオチドと作動可能に連結され;またはより長い配列の一部として天然には生じない。

用語「ベクター」とは、本明細書で使用される場合、それが連結している別の核酸を輸送することができる核酸分子を指すものとする。ベクターの1つの種類は「プラスミド」であり、これは、その中にさらなるDNAセグメントがライゲーションされ得る環状の二本鎖DNAループを指す。別の種類のベクターはウイルスベクターであり、これは、さらなるDNAセグメントがウイルスゲノム中にライゲーションされ得るものである。特定のベクターは、それらが導入されている宿主細胞において自己複製できる(例えば、細菌複製起点を有する細菌ベクターおよびエピソーム哺乳動物ベクター)。その他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入の際に宿主細胞のゲノム内に組み込まれ得、それにより、宿主ゲノムと一緒に複製される。さらに、特定のベクターは、それが作動可能に連結した遺伝子の発現を導くことができる。このようなベクターは、本明細書では「組換え発現ベクター」(または単に「発現ベクター」)と称される。一般に、組換えDNA技法において有用な発現ベクターは、多くの場合、プラスミドの形態である。本明細書では、「プラスミド」および「ベクター」は、プラスミドが、ベクターの最も一般的に使用される形態であるので、互換的に使用され得る。しかし、本発明は、同等の機能を果たす、ウイルスベクター(例えば、複製欠陥レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)などの発現ベクターのこのようなその他の形態を含むものとする。

用語「作動可能に連結された」とは、記載された成分が、それらがその意図される方法で機能するのを可能にする関係にある近位を指す。コード配列に「作動可能に連結された」制御配列は、コード配列の発現が、制御配列に適合する条件下で達成されるような方法でライゲーションされる。「作動可能に連結された」配列は、目的の遺伝子と連続している発現制御配列およびトランスで作用するすなわち目的の遺伝子からある距離をおいて制御する発現制御配列の両方を含む。本明細書において、用語「発現制御配列」とは、それらがライゲーションされているコード配列の発現およびプロセシングを達成するために必須であるポリヌクレオチド配列を指す。発現制御配列として、適当な転写開始配列、終結配列、プロモーター配列およびエンハンサー配列;スプライシングシグナルおよびポリアデニル化シグナルなどの効率的なRNAプロセシングシグナル;細胞質mRNAを安定化する配列;翻訳効率を増強する配列(すなわち、Kozakコンセンサス配列);タンパク質安定性を増強する配列;および望ましい場合には、タンパク質分泌を増強する配列が挙げられる。このような制御配列の性質は、宿主生物に応じて異なり;原核生物では、このような制御配列は、一般に、プロモーター、リボソーム結合部位および転写終結配列を含み;真核生物では、一般に、このような制御配列は、プロモーターおよび転写終結配列を含む。用語「制御配列」は、その存在が、発現およびプロセシングにとって不可欠である成分を含むものとし、また、その存在が有利であるさらなる成分、例えば、リーダー配列および融合パートナー配列も含み得る。本発明のタンパク質構築物は、発現カセット、ベクター、組換え宿主細胞ならびに組換えポリタンパク質および単一のオープンリーディングフレーム由来のタンパク質前駆体の組換え発現およびタンパク質分解プロセシングのための方法(例えば、参照により本明細書に組み込むWO2007/014162)を含めた、当技術分野で公知の発現ベクターおよび宿主細胞を使用して発現させ、精製することができる。

本明細書において定義される「形質転換」とは、それによって外因性DNAが宿主細胞に入る任意のプロセスを指す。形質転換は、当技術分野で周知の種々の方法を使用して自然条件または人工条件下で起こり得る。形質転換は、原核細胞または真核細胞の宿主細胞中に外来核酸配列を挿入するための任意の公知の方法に依存し得る。方法は、形質転換されている宿主細胞に基づいて選択され、それだけには限らないが、ウイルス感染、エレクトロポレーション、リポフェクションおよび微粒子銃を挙げることができる。このような「形質転換された」細胞は、挿入されたDNAが、自己複製プラスミドとして、または宿主染色体の一部としてのいずれかで複製できる安定に形質転換された細胞を含む。それらはまた、挿入されたDNAまたはRNAを限られた期間にわたり一時的に発現する細胞を含む。

用語「組換え宿主細胞」(または簡単に「宿主細胞」)とは、本明細書で使用される場合、外因性DNAが導入されている細胞を指すものとする。このような用語は、特定の目的の細胞だけでなく、このような細胞の後代も指すことが意図されていることが理解されるべきである。突然変異または環境の影響のいずれかによって後継の世代では特定の修飾が起こり得るので、このような後代は、実際は、親細胞と同一でない場合もあるが、本明細書において、依然として用語「宿主細胞」の範囲内に含まれる。好ましくは、宿主細胞は、生物界のいずれかから選択される原核細胞および真核細胞を含む。好ましい真核細胞は、原生生物、真菌、植物および動物細胞を含む。最も好ましくは、宿主細胞として、それだけには限らないが、原核生物細胞株大腸菌(E.Coli);哺乳動物細胞株CHO、HEK 293およびCOS;昆虫細胞株Sf9;および真菌細胞サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が挙げられる。

標準技術が、組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成および組織培養および形質転換(例えば、エレクトロポレーション、リポフェクション)のために使用され得る。酵素反応および精製技術は、製造業者の使用説明書に従って、または当技術分野で通常行われるように、または本明細書に記載されるように実施され得る。前述の技術および手順は、概して、当技術分野で周知の従来の方法に従って、本明細書を通じて引用され論じられる種々の一般的参考文献およびより特定の参考文献に記載されるように、実施され得る。例えば、いかなる目的に関しても参照により本明細書に組み込む、Sambrookら Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989年))を参照のこと。

「トランスジェニック生物」は、当技術分野で公知のようにそして本明細書で使用される場合、導入遺伝子を含有する細胞を有する生物を指し、ここで、生物(または生物の先祖)に導入された導入遺伝子は、この生物では天然に発現されないポリペプチドを発現する。「導入遺伝子」は、トランスジェニック生物が発生する細胞のゲノム中に安定に、作動可能に組み込まれ、トランスジェニック生物の1種以上の細胞種または組織においてコードされた遺伝子産物の発現を指示するDNA構築物である。

用語「調節する(regulate)」および「調節する(modulate)」は、本明細書において、同義的に使用され、目的の分子の活性(例えば、hCD40の生物活性)における変化または変更を指す。調節(modulation)は、目的の分子の特定の活性または機能の規模の増大または減少であり得る。分子の例示的活性および機能として、それだけには限らないが、結合特徴、酵素活性、細胞受容体活性化およびシグナル変換が挙げられる。

同様に、本明細書において、用語「モジュレーター」とは、目的の分子の活性または機能(例えば、hCD40の生物活性)を変化または変更できる化合物である。例えば、モジュレーターは、モジュレーターの不在下で観察された活性または機能の規模と比較して、分子の特定の活性または機能の規模の増大または減少を引き起こし得る。特定の実施形態では、モジュレーターは、分子の少なくとも1種の活性または機能の規模を減少させる阻害剤である。例示的阻害剤として、それだけには限らないが、タンパク質、ペプチド、抗体、ペプチボディー(peptibodies)、炭水化物または小さい有機分子が挙げられる。ペプチボディー(peptibodies)は、例えば、WO01/83525に記載されている。

本明細書において、用語「有効量」とは、障害もしくは1種以上のその症状の重篤度および/もしくは期間を低減もしくは寛解させる、障害の前進を防止する、障害の退縮を引き起こす、障害と関連している1種以上の症状の再発、発現、発症もしくは進行を防止する、障害を検出する、または別の治療(例えば、予防薬または治療薬)の予防的効果または治療的効果(複数可)を増強もしくは改善するのに十分である治療の量を指す。

本明細書で使用される場合、用語「非応答者」とは、TNFα阻害剤を用いた治療後のそれらの臨床疾患の状態に改善が見られないまたは改善が限られているまたは不十分である(例えば、CDAIスコアの低減がない、コルチコステロイドの使用の低減がない)、IBD(例えば、クローン病または潰瘍性大腸炎)を有する被験体を指すために使用される。一実施形態では、TNF非応答者とは、TNFα阻害剤を用いた治療後のクローン病活動指数(CDAI)スコアの100点以上の低減が実現できない、IBDを有する被験体である。一実施形態では、非応答者とは、TNFα阻害剤を用いた治療後の特定の時間枠内でクローン病活動指数(CDAI)スコアの100点以上の低減が実現できない、IBDを有する被験体である。

I.ヒトCD40(hCD40)と結合する抗体 本発明の一態様は、ヒトCD40(hCD40)を含めたCD40と結合するアンタゴニストヒト化抗体またはその抗原結合部分を提供する。本発明のその他の実施形態は、CD40と結合するマウスモノクローナル抗体またはその抗原結合部分ならびに本明細書に記載の抗CD40マウス抗体の可変領域を含むキメラ抗体を含む。本発明の抗体は、有意なアゴニスト活性を有さないアンタゴニスト抗CD40(例えば、抗ヒトCD40)抗体であることが好ましい。

1.抗体1(Ab1)に由来するヒト化抗hCD40アンタゴニスト抗体 本発明は、少なくとも一部において、アンタゴニスト特性を有し、特定の実施形態では実質的なアゴニスト活性を有さないヒト化抗CD40抗体の同定に基づく。

実施例1に記載の通り、3種のアンタゴニスト抗hCD40マウス抗体、すなわち、Ab1(配列番号9に記載のVL配列および配列番号5に記載のVH配列)、Ab2(配列番号76に記載のVL配列および配列番号75に記載のVH配列)およびAb3(配列番号48に記載のVL配列および配列番号44に記載のVH配列)が同定された。

コンセンサスCDR配列をマウスアンタゴニスト抗体Ab1、Ab2およびAb3のCDRアミノ酸配列のアラインメントに基づいて決定した。VH CDR1、CDR2およびCDR3領域についてのコンセンサスアミノ酸配列はそれぞれ配列番号78、79および80に記載されており、VL CDR1、CDR2およびCDR3アミノ酸配列についてのコンセンサスアミノ酸配列はそれぞれ配列番号108、109および110に記載されている。全ての配列が以下の表5および図4にも記載されている。

重鎖CDR1ドメインのコンセンサスアミノ酸配列は、配列番号78(G(F/Y)TF(S/T)(D/S)Y(G/T)M(N/H))として記載されている。可変重鎖CDR2ドメインのコンセンサスアミノ酸配列は、配列番号79(YI(S/N)(S/P)(G/S)(R/S)(D/S/G)(N/Y)(I/P)(Y/N)Y(A/N)(D/Q)(T/K)(V/F)K(G/D))として記載されている。可変重鎖CDR3ドメインのコンセンサスアミノ酸配列は配列番号80((S/W)(W/G)(G/Y)(Y/S)FDV)に記載されている。

可変軽鎖CDR1ドメインのコンセンサスアミノ酸配列は、配列番号108((K/R)SS(Q/K)SLL(N/H)S(G/−)N(Q/G)(K/N)(N/T)YL(T/Y))として記載されている。可変軽鎖CDR2ドメインのコンセンサスアミノ酸配列は、配列番号109((W/R)(A/M)ST(R/L)(E/A)S)として記載されている。可変軽鎖CDR3ドメインのコンセンサスアミノ酸配列は、配列番号110((Q/M)(N/Q)(D/H)(Y/L)(T/E)YPLT)として記載されている。

一実施形態では、本発明は、配列番号108のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号109のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号110のアミノ酸配列を有するCDRを含む可変軽鎖3を含み、配列番号78のアミノ酸配列を有するCDR1、配列番号79のアミノ酸配列を有するCDR2、配列番号80のアミノ酸配列を有するCDR3を含む可変重鎖を含む、抗CD40アンタゴニスト抗体またはその抗原結合部分を提供する。

マウス抗体Ab1、Ab2およびAb3の同定後、抗体Ab1およびAb3をヒト化のために選択した(下記の実施例2に記載)。表11および12に、それぞれヒト化Ab1およびAb3のCDR領域、VH領域およびVL領域のアミノ酸配列を提供する。詳細には、9種の異なるヒト化抗体をAb3に基づいて作製した(以下の実施例2および表12を参照のこと)。以下を含めた、Ab1に基づく4種の異なるヒト化抗体も作製した: A)huAb1 VH.1/VL.1(配列番号13として記載されているVHアミノ酸配列およびそれぞれ配列番号6、7および8として記載されているVH CDR1、CDR2およびCDR3配列;ならびに配列番号14として記載されているVLアミノ酸配列およびそれぞれ配列番号10、11および12として記載されているVL CDR1、CDR2およびCDR3配列); B)huAb1 VH.1A/VL.1(配列番号15として記載されているVHアミノ酸配列およびそれぞれ配列番号6、7および8として記載されているVH CDR1、CDR2およびCDR3配列;ならびに配列番号14として記載されているVLアミノ酸配列およびそれぞれ配列番号10、11および12として記載されているVL CDR1、CDR2およびCDR3配列); C)huAb1 VH.1/VL.1A(配列番号13として記載されているVHアミノ酸配列およびそれぞれ配列番号6、7および8として記載されているVH CDR1、CDR2およびCDR3配列;ならびに配列番号16として記載されているVLアミノ酸配列およびそれぞれ配列番号10、11および12として記載されているVL CDR1、CDR2およびCDR3配列);ならびに D)huAb1 VH.1A/VL.1A(配列番号15として記載されているVHアミノ酸配列およびそれぞれ配列番号6、7および8として記載されているVH CDR1、CDR2およびCDR3配列;配列番号16として記載されているVLアミノ酸配列およびそれぞれ配列番号10、11および12として記載されているVL CDR1、CDR2およびCDR3配列)。

Ab1のヒト化型を、軽鎖CDR1内の潜在的な脱アミド部位が除去されるようにさらに改変した。6種の変異huAb1抗体を分析し、これらの抗体のうち4種がCD40のアンタゴニストであると同定された。6種の抗体は、本明細書ではAb1v1、Ab1v2、Ab1v3、Ab1v4、Ab1v5およびAb1v6と称される(CDRおよび可変配列が以下の表13に提供されている)。6種のヒト化Ab1種の変異体のうち、huAb1v1が特に優れたアンタゴニスト活性を有するものとして選択された。huAb1v1の重鎖可変配列は、それぞれ配列番号6、7および8に記載されているCDR1配列、CDR2配列およびCDR3配列を有する配列番号15に提供される。huAb1v1の軽鎖可変配列は、それぞれ配列番号21、11および12に記載されているCDR1配列、CDR2配列およびCDR3配列を有する配列番号20で提供される。

抗体huAb1v1の重鎖CDR2をさらに突然変異誘発し、その結果17種の変異体がもたらされた(下記の実施例4に記載)。これらのhuAb1v1重鎖CDR2の変異体は、本明細書ではhuAb1v1CDR2v1からhuAb1v1CDR2v17と称される。huAb1v1CDR2v1からhuAb1v1CDR2v17の重鎖の配列は表16に提供され、ここで、VH huAb1v1CDR2v7がCD40に対して特に優れたアンタゴニスト活性を有するクローンとして選択され、残りはアゴニスト活性を比較的有さなかった。huAb1v1CDR2v7の重鎖可変配列は、それぞれ配列番号6、42および8に記載されているCDR1配列、CDR2配列およびCDR3配列を有する配列番号28に提供される。

huAb1v1CDR2v7 VH(それぞれ配列番号6、42および8に記載されているCDR1配列、CDR2配列およびCDR3配列を有する配列番号28のVH)およびhuAb1v1 VL(それぞれ配列番号21、11および12に記載されているCDR1配列、CDR2配列およびCDR3配列を有する配列番号20のVL)の選択後、可変領域を2種の異なるIgGバックグラウンドにクローニングし、その結果、2種の抗CD40アンタゴニスト抗体、すなわち、Ab101およびAb102がもたらされた。表6(および表19)に、これらのIgG抗体に関する本発明の特定の実施形態の全長の重鎖配列および軽鎖配列を提供する。表6では、定常領域に下線が引かれており、CDRドメインが太字になっている。

したがって、一実施形態では、本発明は、配列番号40に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖および配列番号39に記載のアミノ酸配列を有する重鎖を含むアンタゴニスト抗CD40抗体(Ab101)に関する。代替の実施形態では、本発明は、配列番号40に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖および配列番号41に記載のアミノ酸配列を有する重鎖を含むアンタゴニスト抗CD40抗体(Ab102)に関する。

したがって、本発明は、アンタゴニスト活性を有するマウス抗CD40抗体、キメラ抗CD40抗体およびヒト化抗CD40抗体を包含する。特定の実施形態では、本発明は、配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する軽鎖可変領域および/または配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を有する重鎖可変領域を含むアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分を提供する。特定の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、配列番号42に記載のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、配列番号8に記載のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3、配列番号21に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号11に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2および配列番号12に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含む。特定の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号28に記載のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインおよび配列番号20に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖可変ドメインを含む。一実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号41に記載のアミノ酸配列を有する重鎖;および配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号39に記載のアミノ酸配列を有する重鎖;および配列番号40に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。

表5、6、11、12、13、14、16、17、18および19に記載のアミノ酸配列(可変またはCDR)を有する抗体が本発明に包含される。したがって、一態様では、本発明は、(a)配列番号10、17、19または21に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域を有するアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分に関する。その代わりにまたはそれと組み合わせて、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、(a)配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号7または42に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を含む。

特定の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、(a)配列番号10に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域;ならびに(a)配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号7に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を有する。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、(a)配列番号19に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域;ならびに(a)配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号7に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を有する。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、(a)配列番号17に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域;ならびに(a)配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号7に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を有する。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、(a)配列番号21に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域;ならびに(a)配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号7に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を有する。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、(a)配列番号21に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域;ならびに(a)配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号42に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を有する。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、(a)配列番号108に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号109に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号110に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域;ならびに(a)配列番号78に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号79に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号80に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を有する。

本発明のさらに別の態様では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号5、13、15もしくは22−38に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号9、14、16、18、20もしくは43に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。

特定の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号13に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号14、16もしくは18に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号15に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号14、16、18、20もしくは43に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号28に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号20に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。

本明細書に記載の抗体、特に抗体Ab102は、CD40に対してアンタゴニスト活性を有し、実質的なアゴニスト活性は伴わない。したがって、抗体Ab102およびAb101によって認識されるエピトープと結合する抗体が本発明に包含される。特定の実施形態では、本発明は、単離された抗体またはその抗原結合部分であって、前記抗体またはその抗原結合断片が、ヒトCD40と結合した結果、配列番号1のトポグラフィー的領域Cys62−Phe67、Gln79−Cys83、Arg90−Thr99およびThr24−Cys37によって定義されるエピトープと結合したCD40が、前記抗体またはその抗原結合断片によりCD40リガンド(CD40L)との結合を阻害される、単離された抗体またはその抗原結合部分を包含する。別の態様では、本発明は、配列番号1のアミノ酸残基Cys62−Phe67(Cys62、Gly63、Glu64、Ser65、Glu66、Phe67)、Gln79−Cys83(Gln79、His80、Lys81、Tyr82、Cys83)、Arg90−Thr99(Arg90、Val91、Gln92、Gln93、Lys94、Gly95、Thr96、Ser97、Glu98およびThr99)およびThr24−Cys37(Thr24、Ala25、Cys26、Arg27、Glu28、Lys29、Gln30、Tyr31、Leu32、Ile33、Asn34、Ser35、Gln36、Cys37)のうちの3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、または全てを含むヒトCD40のエピトープと結合するヒトCD40と結合することができる抗体またはその抗原結合断片に関する。

別の実施形態では、本発明は、CD40に対するアンタゴニスト活性を有する重鎖CDR2領域を提供する。具体的には、VH CDR2アミノ酸配列YISSGRXNIYYADTVKG(配列番号112)の残基55(残基X)が、残基S55を有する親CDR2配列と比較した抗体のアンタゴニスト活性の増大において役割を果たすと同定された。HC CDR2の55位の残基Thr、Asp、Val、Leu、IleおよびMetにより、55位のその他のアミノ酸と比較して低いレベルのアンタゴニスト活性がもたらされる。一実施形態では、本発明は、配列番号111のアミノ酸配列を有するCDR2を含む重鎖可変領域および配列番号11のアミノ酸配列を有するCDR2を含む軽鎖可変領域を含むアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分を提供する。抗体可変重鎖および軽鎖に関して配列番号111と組み合わせることができるCDR1およびCDR3ドメインアミノ酸配列は、例えば表13および18を含め、全体にわたって記載されている。

さらなる実施形態では、本発明は、アンタゴニスト/アゴニストスイッチと同定された残基を有する軽鎖CDR1領域を提供する。以下の実施例3に記載の通り、残基「S」におけるVL CDR1領域KSSQSLLNSGNQKNYLT(配列番号10)の「NS」モチーフの修飾により、アンタゴニスト抗体のアゴニスト抗体へのスイッチがもたらされ得る。したがって、一実施形態では、本発明は、配列番号113(KSSQSLLNXGNQKNYLT;Xはアミノ酸残基Proではない)を含むCDR1 VL領域を有するアンタゴニスト抗CD40抗体を包含する。

用語「競合抗体」とは、本明細書では、同じ分子または安定であるが非共有結合により連結した超分子実体、好ましくは同じ分子、すなわちCD40を標的とする任意の数の抗体であって、少なくとも1つが、好ましくはその他の抗体のこの標的エピトープ(上記)への接近を立体的に妨害することによって、または標的実体におけるその他の抗体に対する標的の親和性を低下させるコンホメーションを誘導および/または安定化することによって、より好ましくは、その他の抗体の標的エピトープに十分に近い、それと重複していている、またはそれと同一である、最も好ましくはそれと重複しているまたは同一である、特にそれと同一であるエピトープと結合することによりその他の抗体の標的エピトープへの接近を直接遮断することによって別の測定可能な結合を特異的に低下させることができる抗体を指す。本明細書では、2つのエピトープは、それらの化学構造、好ましくはそれらのアミノ酸配列の一部を共有している場合、「重複している」といわれ、それらの化学構造、好ましくはそれらのアミノ酸配列が同一である場合、「同一である」といわれる。

特定の実施形態では、競合抗体またはその抗原結合部分は、本明細書で提示されている抗体のいずれかと競合する抗体またはその抗原結合部分である。一実施形態では、本発明は、本明細書に記載の抗体(例えばAb101またはAb102)と競合し得、残基Cys62−Phe67、Gln79−Cys83、Arg90−Thr99およびThr24−Cys37を含めたヒトCD40のトポグラフィー的(topographical)エピトープと結合する競合抗体を提供する。

特定の実施形態では、アゴニスト抗体は、(a)配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号7に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域;ならびに(a)配列番号74に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。

その他の特定の実施形態では、アゴニスト抗体は、(a)配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号7に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域;ならびに(a)配列番号17に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域を含む。

さらなる実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号15もしくは13に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号77もしくは43に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。

2.抗体3(Ab3)に由来するヒト化抗CD40抗体 マウスAb3の重鎖および軽鎖のヒト化型のアミノ酸配列を以下の表11に提供する。したがって、本発明は、さらに、抗体3(Ab3)由来の可変配列および/またはCDR配列を含む抗体を特徴とする。

一態様では、本発明は、(a)配列番号49に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号50に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号51に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域;ならびに(a)配列番号45に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号46に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号47に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を含むヒト化抗体またはその抗原結合部分を提供する。

したがって、一態様では、本発明は、(a)配列番号49に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号50に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号51に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域を有するアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分に関する。その代わりにまたはそれと組み合わせて、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、(a)配列番号45に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号46に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号47に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を含む。

本発明のさらに別の態様では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号44、52、54もしくは55に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号48、53、56もしくは57に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。

特定の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号44に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号48に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号52に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号53、56もしくは57に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号54に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号53、56もしくは57に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。

別の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号55に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号53、56もしくは57に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。

3.抗CD40キメラ抗体 キメラ抗体は、マウスモノクローナル抗体およびヒト免疫グロブリン定常領域に由来する可変領域を有する抗体などの抗体の異なる部分が異なる動物種に由来する分子である。キメラ抗体を製造する方法は、当技術分野で公知である。例えば、その全文が参照により本明細書に組み込まれる、Morrison、Science 229:1202頁(1985年);Oiら、BioTechniques 4:214頁(1986年);Gilliesら(1989年)、J.Immunol.Methods 125:191−202頁;米国特許第5,807,715号;同4,816,567号および同4,816,397号参照のこと。さらに、適当な生物活性のヒト抗体分子に由来する遺伝子と一緒に、適当な抗原特異性のマウス抗体分子から遺伝子をスプライシングすることによって「キメラ抗体」を製造するために開発された技術が使用され得る。例えば、そのそれぞれが参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、Morrisonら、1984年、Proc.Natl.Acad.Sci. 81:851−855頁;Neubergerら、1984年、Nature 312:604−608頁;Takedaら、1985年、Nature 314:452−454頁参照のこと。

別の態様では、本発明は、(a)配列番号10に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域;ならびに(a)配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号42に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を有するアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分に関する。特定の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号76に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および配列番号75に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を有する。

別の態様では、本発明は、(a)配列番号49に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号50に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号51に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域;ならびに(a)配列番号45に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号46に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号47に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を有するアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分に関する。特定の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号48に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および配列番号44に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を有する。

別の態様では、本発明は、(a)配列番号10に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号11に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号12に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む軽鎖可変領域;ならびに(a)配列番号6に記載のアミノ酸配列を有するCDR1;(b)配列番号7に記載のアミノ酸配列を有するCDR2;および(c)配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するCDR3を含む重鎖可変領域を有するアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分に関する。特定の実施形態では、アンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域および配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を有する。

前述の単離された抗CD40抗体CDR配列により、本発明に従って単離されたCD40抗体またはその抗原結合部分の新規ファミリーが確立され、それらとして、表5、11−13および15−18に列挙されているCDR配列を含む抗体が含まれる。hCD40に関して好ましいCD40結合および/または中和活性を有する本発明のCDRを作製するためおよび選択するために、それだけには限らないが、本明細書に具体的に記載されているものを含めた、本発明の抗体を作製し、これらの抗体のCD40結合および/または中和特性を評価するための、当技術分野で公知の標準の方法が使用され得る。

4.本発明の抗体の特徴付け 本発明の抗CD40抗体はアンタゴニスト抗体であり、例えば当技術分野で公知であり、本明細書に記載されているいくつかのインビトロおよびインビボアッセイのいずれか1つによって評価して、CD40活性を低下させるまたは中和する高い能力を示し得る。特定の実施形態では、本発明の抗CD40抗体はアンタゴニストであり、アゴニスト活性を実質的に有さない。アンタゴニスト活性およびアゴニスト活性は、本明細書に記載のものを含めた当技術分野で公知のアッセイによって決定することができる。例えば、ヒトCD40との結合およびCD40−CD40L相互作用の阻害は、ヒトCD40発現細胞株を使用してFACS分析によってアッセイされ得る。

一実施形態では、抗CD40抗体のCD40アンタゴニストまたはアゴニスト活性は、レポーター細胞株を使用して決定される。例えば、アンタゴニスト活性およびアゴニスト活性は、NFkB媒介性アルカリホスファターゼ(AP)と連結したヒトCD40を発現するCD40発現レポーター細胞株を使用して評価され得る。シグナルがCD40を通じて受け取られると、NFkB活性化によりAPの分泌が導かれ、それを比色定量基質によって測定する。例示的なアンタゴニストアッセイとして、CD40レポーター株を、CD40Lを発現するジャーカット細胞株と一緒に(生理的リガンド相互作用をもたらすため)または可溶性CD40Lと一緒に培養することができ、そこで、抗CD40抗体のNFkBシグナルを遮断する能力(標準の方法によって決定されるように、APのわずかな存在から非存在まで)を評価することができる。例示的なアゴニストアッセイとして、ヒトCD40レポーター細胞株を抗CD40抗体で処理し、上記の通りNFkBシグナルを測定することができる(陰性対照を上回るAPの存在と考えられる)。CD40レポーター細胞株の例は、HEK−Blue(商標)CD40L細胞(InvivoGen)であり、これは、CD40Lの生理活性を、CD40刺激後のNF−κB活性化の際の胚アルカリホスファターゼ(SEAP)の分泌によって測定するのに役立つ。CD40L−CD40相互作用は、QUANTI−Blue(InvivoGen)を使用してSEAPのレベルを評価することによってモニタリングされ得る。

一実施形態では、本発明の抗CD40アンタゴニスト抗体またはその抗原結合断片は、アンタゴニスト可溶性CD40Lレポーターアッセイによって決定される、0.4nM以下のIC50を有する。一実施形態では、本発明の抗CD40アンタゴニスト抗体またはその抗原結合断片は、ジャーカット細胞株におけるアンタゴニストCD40レポーターアッセイによって決定される、51nM以下のIC50を有する。一実施形態では、本発明の抗CD40アンタゴニスト抗体またはその抗原結合断片は、ジャーカット細胞株におけるアンタゴニストCD40レポーターアッセイによって決定される、3.4nM以下のIC50を有する。一実施形態では、本発明の抗CD40アンタゴニスト抗体またはその抗原結合断片は、ジャーカット細胞株におけるアンタゴニストCD40レポーターアッセイによって決定される、0.9nM以下のIC50を有する。

一実施形態では、抗CD40抗体のCD40アンタゴニストまたはアゴニスト活性は、B細胞アゴニストアッセイを使用して決定される。例えば、CD40アンタゴニスト抗体を添加する前に低用量の抗IgMおよびIL4を用いてB細胞を活性化する、B細胞アゴニストアッセイが利用され得る。B細胞活性化の増強はCD86の上方制御として測定され得、今度はそれにより、アゴニスト活性が示される。同様に、初代ヒトB細胞をCD40/CD40L相互作用によってB細胞活性化およびCD86発現の上方制御を導くCD40L発現ヒトT細胞株と一緒に培養する、B細胞アンタゴニストアッセイが利用され得る。初代ヒトB細胞のCD86上方制御の阻害により、アンタゴニスト活性が示される。

一実施形態では、抗CD40抗体のCD40アンタゴニストまたはアゴニスト活性は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(antibody−dependent cell−mediated cytotoxicity)(ADCC)媒介性アッセイを使用して決定される。アンタゴニスト活性およびアゴニスト活性は、ADCCを媒介する抗体の能力によって評価され得る。アンタゴニストCD40抗体はADCCの有効なメディエーターであり、一方、アゴニスト抗体はADCC活性を有さない。抗体依存性細胞傷害(antibody−dependent cellular cytotoxicity)(ADCC)は、これらの表面上に発現するFc受容体を介して抗体の定常領域と結合することによって標的細胞を認識するマクロファージ、NK細胞、好中球細胞などの活性化によって誘導される細胞傷害性の一種を指す。補体依存性細胞傷害(CDC)とは、抗体の抗原との結合によって起こる補体系の活性化によって誘導される細胞傷害性の一種を指す。ADCC活性およびCDC活性の低下とは、例えばハイブリドーマ4D11(受託番号FERM BP−7758)によって産生されるモノクローナル抗体のような対照抗CD40アンタゴニスト抗体と比較したこれらの活性の低下を意味する。その全体を参照により本明細書に組み込むEP1707627B1には、ADCC活性およびCDC活性を決定するためのアッセイが記載されている。

さらに、固定化された抗CD40 Abを用いて刺激した樹状細胞(DC)の生物活性が、アゴニスト活性をアッセイするために使用され得る。DCは、非リンパ系組織内のAgを拾い上げ、これらを二次リンパ器官に運搬して、危険シグナルおよび救済シグナルのような成熟化刺激に応答してT細胞を初回刺激することができる最も強力な抗原提示細胞であると考えられている。対照的に、活性化を伴わないDCによるAgの提示では、同起源のTCRを有するエフェクターT細胞の排除または二次リンパ組織における調節性T細胞の誘導がもたらされる。したがって、末梢組織における未成熟DCに対する成熟化シグナルの存在または非存在は、適応免疫応答または寛容のいずれかを誘導するスイッチとして作用する。DC成熟化のための主要なCD4+T細胞救済シグナルは、DC上に発現したCD40と活性化されたCD4+T細胞上のCD40リガンド(L)との間の相互作用によってもたらされる。したがって、CD40刺激により、CCR7の発現が上方制御されることによってDCの二次リンパ組織への遊走が誘導される。Watanabeら、2003年、J Immunol;171:5828−5836頁には、アゴニスト活性およびアンタゴニスト活性を決定するために、抗CD40抗体がDCを活性化することができるかどうかを決定するために使用され得るアッセイが記載されている。そのような例示的なアッセイとして、固定化された抗CD40 Abを用いて刺激されたBM−DC上のMHCクラスI/II Agおよび共刺激分子の発現、固定化された抗CD40 Abを用いて刺激されたBM−DCのインビボ遊走活性、固定化された抗CD40 Abを用いて刺激されたBM−DCのインビトロ遊走活性およびCCR7発現の、決定が挙げられる。

一実施形態では、抗CD40抗体またはその抗原結合部分のアゴニスト活性は、下記の実施例7に記載されたアッセイのようなインビトロ単球活性化アッセイを使用して決定される。インビトロ単球活性化アッセイは、単球を抗CD40抗体またはその抗原結合部分に曝露させ、そこで、抗体またはその抗原結合部分がCD40の活性化因子(アゴニスト)であれば、TNF産生の増加がもたらされる。実施例7に記載の通り、インビトロ単球活性化アッセイを使用すると、アゴニスト活性を実質的に有さないアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分では、TNFの産生はもたらされないまたは最小である。

一実施形態では、アゴニスト活性を実質的に有さないアンタゴニスト抗CD40抗体またはその抗原結合部分は、インビトロCD40アゴニストアッセイ、例えば、実施例7に記載のアゴニスト単球アッセイにおいて陰性対照の1標準偏差以内に入る活性を有する。

アゴニストアッセイは、そのそれぞれの全体を参照により本明細書に組み込むUS5786456、US2011/0243932およびEP1707627B1にさらに記載されている。抗体機能を試験するためのアンタゴニストアッセイは、そのそれぞれを参照により本明細書に組み込むUS7361345、US2011/0243932およびEP1707627B1にさらに記載されている。

好ましい実施形態では、単離された抗体またはその抗原結合部分は、ヒトCD40と結合し、ここで、抗体またはその抗原結合部分は、ヒトCD40から、表面プラズモン共鳴によって決定した場合に約0.1s−1以下のkoff速度定数で解離するまたはヒトCD40活性を、約1×10−6M以下のIC50で阻害する。あるいは、抗体またはその抗原結合部分は、ヒトCD40から、表面プラズモン共鳴によって決定した場合に約1×10−2s−1以下のkoff速度定数で解離し得るまたはヒトCD40活性を約1×10−7M以下のIC50で阻害し得る。あるいは、抗体またはその抗原結合部分は、ヒトCD40から、表面プラズモン共鳴によって決定した場合に約1×10−3s−1以下のkoff速度定数で解離し得るまたはヒトCD40活性を約1×10−8M以下のIC50で阻害し得る。あるいは、抗体またはその抗原結合部分は、ヒトCD40から、表面プラズモン共鳴によって決定した場合に約1×10−4s−1以下のkoff速度定数で解離し得るまたはCD40活性を約1×10−9M以下のIC50で阻害し得る。あるいは、抗体またはその抗原結合部分は、ヒトCD40から、表面プラズモン共鳴によって決定した場合に約1×10−5s−1以下のkoff速度定数で解離し得るまたはCD40を約1×10−10M以下のIC50で阻害し得る。あるいは、抗体またはその抗原結合部分は、ヒトCD40から、表面プラズモン共鳴によって決定した場合に約1×10−5s−1以下のkoff速度定数で解離し得るまたはCD40活性を約1×10−11M以下のIC50で阻害し得る。

抗体を以下の実施例に記載の通りヒト化した。フレームワーク復帰突然変異を、可変ドメインの新規合成によってまたは変異原性オリゴヌクレオチドプライマーおよびポリメラーゼ連鎖反応によってまたはCDRグラフトのそれぞれについて復帰突然変異およびその他の突然変異の種々の組合せの両方を可能にすることによってCDRグラフト化抗体配列に導入した。機能的特徴付けのためにマウスモノクローナルCD40抗体のヒト化可変領域をIgG発現ベクターにクローニングした。

特定の実施形態では、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgMまたはIgD定常領域などの重鎖定常領域を含む。好ましくは、重鎖定常領域は、IgG1重鎖定常領域またはIgG4重鎖定常領域である。さらに、抗体は、軽鎖定常領域、κ軽鎖定常領域またはλ軽鎖定常領域のいずれかを含み得る。好ましくは、抗体は、κ軽鎖定常領域を含む。または、抗体部分は、例えば、Fab断片または一本鎖Fv断片であり得る。

5.抗CD40ヒト化抗体の作製 上記の通り、ヒト化抗体は、非ヒト種に由来する1つ以上の相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子に由来するフレームワーク領域を有する所望の抗原と結合する非ヒト種抗体に由来する抗体分子である。既知ヒトIg配列は、例えば、www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez−/query.fcgi;www.atcc.org/phage/hdb.html;www.sciquest.com/;www.abcam.com/;www.antibodyresource.com/onlinecomp.html;www.public.iastate.edu/.about.pedro−/research_tools.html;www.mgen.uniheidelberg.de/SD/IT/IT.html;whfreeman.com/immunology−/CH05/kuby05.htm;www.library.thinkquest.org/12429/Immune/Antibody.html;www.hhmi.org/grants/lectures/1996/vlab/;www.path.−cam.ac.uk/.about.mrc7/mikeimages.html;www.antibodyresource.com/;mcb.harvard.edu/BioLinks−/Immunology.html.www.immunologylink.com/;pathbox.wustl.edu/.about.hcenter/index.html;www.bio−tech.ufl.edu/.about.hcl/;www.pebio.com/pa/340913−/340913.html;www.nal.usda.gov/awic/pubs/antibody/;www.m.ehimeu.acjp/.about.yasuhito−/Elisa.html;www.biodesign.com/table.asp;www.icnet.uk/axp/facs/davies/lin−ks.html;www.biotech.ufl.edu−/.about.fccl/protocol.html;www.isac−net.org/sites_geo.html;aximtl.imt.uni−marburg.de/.about.rek/AEP−Start.html;baserv.uci.kun.nl/.about.jraats/linksl.html;www.recab.uni−hd.de/immuno.bme.nwu.edu/;www.mrc−cpe.cam.ac.uk/imt−doc/public/INTRO.html;www.ibt.unam.mx/−vir/V_mice.html;imgt.cnusc.fr:8104/;www.biochem.ucl.ac.uk/.about.martin/abs/index.html;anti−body.bath.ac.uk/;abgen.cvm.tamu.edu/lab/wwwabgen.html;www.unizh.ch/.about.honegger/AHO−seminar/Slide01.html;www.cryst.bbk.ac.uk/.about.ubcg07s/;www.nimr.mrc.ac.uk/CC/ccaewg/ccaewg.htm;www.path.cam.ac.uk/.about.mrc7/humanisation/TAHHP.html;www.ibt.unam.mx/vir/structure/stat_aim.−html;www.biosci.missouri.edu/smithgp/index.html;www.cryst.bioc.cam.ac.uk/.about.fmolina/Webpages−/Pept/spottech.html;www.jerini.de/frroducts.htm;www.patents.ibm.com/ibm.html、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、U.S. Dept. Health (1983年)に開示されており、これらは、参照により本明細書に各々、全文が組み込まれる、。免疫原性を低減するまたは結合、親和性、結合速度、解離速度、アビディティー、特異性、半減期もしくは当技術分野で公知の任意のその他の適した特徴を低減、増強もしくは改変するために、このような移入された配列が使用され得る。

ヒトフレームワーク領域中のフレームワーク残基は、抗原結合を変更、好ましくは、改善するためにCDRドナー抗体に由来する対応する残基で置換され得る。これらのフレームワーク置換は、当技術分野で周知の方法によって、例えば、抗原結合にとって重要であるフレームワーク残基を同定するためのCDRおよびフレームワーク残基の相互作用のモデリングおよび特定の位置の通常のフレームワーク残基を同定するための配列比較によって同定される(例えば、参照によってその全文が本明細書に組み込まれる、Queenら、米国特許第5,585,089号;Riechmannら、Nature 332:323頁(1988年)参照のこと)。3次元免疫グロブリンモデルは一般に利用異可能であり、当業者にはよく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列のあり得る3次元立体構造を例示し、示すコンピュータプログラムが利用可能である。これらのディスプレイの観察によって、候補免疫グロブリン配列の機能における残基のあり得る役割の分析、すなわち、候補免疫グロブリンのその抗原と結合する能力に影響を及ぼす残基の分析が可能になる。このようにして、FR残基は、標的抗原(複数可)に対する親和性の増大などの所望の抗体特徴が達成されるようにコンセンサス配列および移入配列から選択され、組み合わされ得る。一般に、CDR残基は、抗原結合に影響を及ぼすことに直接に、最も実質的に関与する。抗体は、それだけには限らないが、それに列挙される参考文献を含め、参照によって各々全文が組み込まれる、Jonesら、Nature、321:522頁(1986年);Verhoeyenら、Science 239:1534頁(1988年)、Simsら、J.Immunol. 151:2296頁(1993年);ChothiaおよびLesk、J.Mol.Biol. 196:901頁(1987年)、Carterら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 89:4285頁(1992年);Prestaら、J.Immunol. 151:2623頁(1993年)、Padlan、Molecular Immunology、28(4/5):489−498頁(1991年);Studnickaら、Protein Engneering 7(6):805−814頁(1994年);Roguskaら、PNAS 91:969−973頁(1994年);PCT公開番号WO91/09967、PCT/:US98/16280、US96/18978、US91/09630、US91/05939、US94/01234、GB89/01334、GB91/01134、GB92/01755;WO90/14443、WO90/14424、WO90/14430、EP229,246、EP592,106;EP519,596、EP239,400、米国特許第5,565,332号,同5,723,323号,同5,976,862号,同5,824,514号,同5,817,483号,同5814476号、同5763192号、同5723323号、同5766886号、同5,714,352号、同6,204,023号、同6,180,370号、同5,693,762号、同5,530,101号、同5,585,089号、同5,225,539号;同4,816,567号に記載されるものなど当技術分野で公知の種々の技術を使用してヒト化され得る。

抗CD40ヒト化抗体の例は上の節1および2および下記の実施例に提供されている。

II.抗体の産生および抗体産生細胞株 本発明の抗体は、当技術分野で公知のいくつかの技術のうちいずれかによって作製され得る。

1.ハイブリドーマ技術を使用する抗CD40モノクローナル抗体 モノクローナル抗体は、ハイブリドーマの使用、組換えおよびファージディスプレイ技術またはそれらの組合せを含めた、当技術分野で公知のさまざまな技術を使用して調製され得る。例えば、モノクローナル抗体は、当技術分野で公知のものおよび例えば、Harlowら、Antibodies: A Laboratory Manual、(Cold Spring Harbor Laboratory Press、第2版 1988);Hammerlingら、Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas 563−681頁(Elsevier、N.Y.、1981年)(この参考文献は、その全文が参照により組み込まれる)に教示されるものを始めとするハイブリドーマ技術を使用して製造され得る。本明細書において、用語「モノクローナル抗体」は、ハイブリドーマ技術によって製造される抗体に制限されないということも留意されたい。用語「モノクローナル抗体」とは、任意の真核生物クローン、原核生物クローンまたはファージクローンを含めた単一クローンに由来する抗体を指すのであって、製造される方法を指すのではない。

ハイブリドーマ技術を使用して特異的抗体を製造し、スクリーニングする方法は、慣用的なものであり、当技術分野で周知である。一実施形態では、本発明は、モノクローナル抗体を作製する方法ならびに本発明の抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を培養することを含む方法によって製造された抗体を提供し、これでは、好ましくは、ハイブリドーマが、本発明の抗原を用いて免疫処置されたマウスから単離された脾細胞を、骨髄腫細胞と融合すること、次いで、融合から得られたハイブリドーマを、本発明のポリペプチドと結合できる抗体を分泌するハイブリドーマクローンについてスクリーニングすることによって作製される(実施例1を参照のこと)。手短には、マウスは、CD40抗原を用いて免疫処置され得る。好ましい一実施形態では、CD40抗原は、免疫応答を刺激するようアジュバントとともに投与される。このようなアジュバントとして、完全または不完全フロイントアジュバント、RIBI(ムラミルジペプチド)またはISCOM(免疫刺激複合体)が挙げられる。このようなアジュバントは、ポリペプチドを局所沈着に隔離することによって、ポリペプチドが迅速分散することから保護し得るか、またはこのようなアジュバントは、宿主を、マクロファージおよび免疫系のその他の成分にとって走化性である因子を分泌するよう刺激する物質を含有し得る。好ましくは、ポリペプチドが投与される場合には、免疫処置スケジュールは、数週間にわたって広がっているポリペプチドの2回以上の投与を含む。

CD40抗原を用いて動物を免疫処置した後、抗体および/または抗体を製造する細胞が動物から得られ得る。抗CD40抗体を含有する血清が、動物を出血させることまたは屠殺することによって動物から得られる。動物から得られた血清が使用され得、免疫グロブリン画分が血清から得られ得るまたは抗CD40抗体が血清から精製され得る。この方法で得られた血清または免疫グロブリンは、ポリクローナルであり、したがって、不均一な特性のアレイを有する。

免疫応答が検出されると、例えば、抗原CD40に対して特異的な抗体を、マウス血清において検出し、マウス脾臓を回収し、脾細胞を単離する。次いで、周知の技術によって脾細胞を任意の適した骨髄腫細胞、例えば、ATCCから入手可能である細胞株SP20から得た細胞に融合する。ハイブリドーマを選択し、限界希釈によってクローニングする。次いで、ハイブリドーマクローンを、CD40と結合できる抗体を分泌する細胞について当技術分野で公知の方法によってアッセイする。一般に、高レベルの抗体を含有する腹水を、陽性ハイブリドーマクローンを用いてマウスを免疫処置することによって作製できる。

別の実施形態では、抗体を産生する不死化されたハイブリドーマは、免疫処置された動物から調製され得る。免疫処置後、当技術分野で周知であるように、動物を屠殺し、脾臓B細胞を不死化された骨髄腫細胞と融合する。例えば、HarlowおよびLane、前掲参照のこと。好ましい一実施形態では、骨髄腫細胞は、免疫グロブリンポリペプチドを分泌しない(非分泌細胞株)。融合し、抗生物質選択した後、ハイブリドーマを、CD40またはその部分またはCD40を発現する細胞を使用してスクリーニングする。好ましい実施形態では、最初のスクリーニングを、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)またはラジオイムノアッセイ(RIA)、好ましくはELISAを使用して実施する。ELISAスクリーニングの例は、参照により本明細書に組み込む、WO00/37504に提供されている。

抗CD40抗体を産生するハイブリドーマを選択し、クローニングし、以下にさらに論じられる、ロバストなハイブリドーマ増殖、高い抗体産生および望ましい抗体特徴を含めた望ましい特徴についてさらにスクリーニングする。ハイブリドーマは、培養され、同系動物における免疫系を欠く動物(例えば、ヌードマウス)においてインビボで、または細胞培養においてインビトロで、拡大され得る。ハイブリドーマを選択、クローニングおよび拡大する方法は、当業者に周知である。

好ましい一実施形態では、ハイブリドーマは、上記されるマウスハイブリドーマである。別の好ましい実施形態では、ハイブリドーマは、ラット、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシまたはウマなどの非ヒト、非マウス種において産生される。別の実施形態では、ハイブリドーマは、ヒトハイブリドーマであり、これでは、ヒト非分泌性骨髄腫が、抗CD40抗体を発現するヒト細胞と融合される。

特異的エピトープを認識する抗体断片は、公知の技術によって作製され得る。例えば、本発明のFabおよびF(ab’)2断片は、パパイン(Fab断片を製造する)またはペプシン(F(ab’)2断片を製造する)などの酵素を使用する免疫グロブリン分子のタンパク質分解切断によって製造され得る。F(ab’)2断片は、可変領域、軽鎖定常領域および重鎖のCHIドメインを含有する。

2.SLAMを使用する抗CD40モノクローナル抗体 本発明の別の態様では、組換え抗体は、米国特許第5,627,052号、PCT公開番号WO92/02551およびBabcock、J.S.ら(1996年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7843−7848頁)に記載される、選択されたリンパ球抗体法(selected lymphocyte antibody method)(SLAM)と当技術分野で呼ばれる手順を使用して、単一の、単離されたリンパ球から作製される。この方法では、第1節に記載される、目的の抗体を分泌する単一細胞、例えば、免疫処置された動物のいずれか1種から得られたリンパ球が、抗原特異的溶血プラークアッセイを使用してスクリーニングされる。ここでは、抗原CD40、CD40のサブユニットまたはその断片が、ビオチンなどのリンカーを使用してヒツジ赤血球にカップリングされ、CD40に対して特異性を有する抗体を分泌する単一の細胞を同定するために使用される。目的の抗体を分泌する細胞を同定した後、重鎖および軽鎖可変領域cDNAが逆転写酵素PCRによって細胞からレスキューされ、次いで、これらの可変領域が、COSまたはCHO細胞などの哺乳動物宿主細胞において、適当な免疫グロブリン定常領域(例えば、ヒト定常領域)との関連で発現され得る。インビボで選択されたリンパ球から得られた増幅された免疫グロブリン配列を用いてトランスフェクトされた宿主細胞は、例えば、トランスフェクトされた細胞をパニングし、CD40に対する抗体を発現する細胞を単離することによって、インビトロでさらなる分析および選択を受け得る。増幅された免疫グロブリン配列は、例えば、PCT公開番号WO97/29131およびPCT公開番号WO00/56772に記載されているインビトロ親和性成熟法などによってインビトロでさらに操作され得る。

3.トランスジェニック動物を使用する抗CD40モノクローナル抗体 本発明の別の実施形態では、抗体を、CD40抗原を用いてヒト免疫グロブリン遺伝子座の一部またはすべてを含む非ヒト動物を免疫処置することによって産生する。好ましい一実施形態では、非ヒト動物は、XENOMOUSEトランスジェニックマウス(ヒト免疫グロブリン遺伝子座の大きな断片を含みかつマウス抗体産生に欠陥のある、操作されたマウス株)である。例えば、Greenら Nature Genetics 7:13−21頁(1994年)および米国特許第5,916,771号、同5,939,598号、同5,985,615号、同5,998,209号、同6,075,181号、同6,091,001号、同6,114,598号、および同6,130,364号参照のこと。1991年7月25日に発行されたWO91/10741、1994年2月3日に発行されたWO94/02602、どちらも1996年10月31日に発行されたWO96/34096およびWO96/33735、1998年4月23日に発行されたWO98/16654、1998年6月11日に発行されたWO98/24893、1998年11月12日に発行されたWO98/50433、1999年9月10日に発行されたWO99/45031、1999年10月21日に発行されたWO99/53049、2000年2月24日に発行されたWO00/09560、および2000年6月29日に発行されたWO00/37504も参照のこと。XENOMOUSEトランスジェニックマウスは、完全ヒト抗体の成人様ヒトレパートリーを産生し、抗原特異的ヒトMabを作製する。XENOMOUSEトランスジェニックマウスは、ヒト重鎖遺伝子座およびx軽鎖遺伝子座のメガベースサイズの、生殖系列立体配置YAC断片の導入によってヒト抗体レパートリーのおよそ80%を含有する。その開示内容を参照により本明細書に組み込む、Mendezら、Nature Genetics 15:146−156頁(1997年)、GreenおよびJakobovits J.Exp.Med. 188:483−495頁(1998年)参照のこと。

4.組換え抗体ライブラリーを使用する抗CD40モノクローナル抗体 本発明の抗体を作製するためにインビトロ法も使用され得、ここで、所望の結合特異性を有する抗体を同定するために、抗体ライブラリーがスクリーニングされる。このような組換え抗体ライブラリーをスクリーニングする方法は、当技術分野で周知であり、例えば、Landerら、米国特許第5,223,409号;Kangら、PCT公開番号WO92/18619;Dowerら、PCT公開番号WO91/17271;Winterら、PCT公開番号WO92/20791;Marklandら、PCT公開番号WO92/15679;Breitlingら、PCT公開番号WO93/01288;McCaffertyら、PCT公開番号WO92/01047;Garrardら、PCT公開番号WO92/09690;Fuchsら(1991年)Bio/Tecnology 9:1370−1372頁;Hayら(1992年)Hum.Antibod.Hybridomas、3:81−85頁;Huseら(1989年)Science 246:1275−1281頁;McCaffertyらNature(1990年) 348:552−554頁;Griffithsら(1993年)EMBO J 12:725−734頁;Hawkinsら(1992年)J Mol Biol 226:889−896頁;Clacksonら(1991年)Nature 352:624−628頁;Gramら(1992年)PNAS 89:3576−3580頁;Garradら(1991年)Bio/Technology 9:1373−1377頁;Hoogenboomら(1991年)Nuc Acid Res 19:4133−4137頁;ならびにBarbasら(1991年) PNAS 88:7978−7982頁、米国特許出願公開第20030186374号、およびPCT公開番号WO97/29131に記載される方法が挙げられ、各々の開示内容を参照により本明細書に組み込む。

組換え抗体ライブラリーは、CD40または細胞外ドメインなどのCD40の一部を用いて免疫処置した被験体に由来するものであり得る。または、組換え抗体ライブラリーは、ヒトCD40を用いて免疫処置されていないヒト被験体から得たヒト抗体ライブラリーなど、ナイーブな被験体すなわち、CD40を用いて免疫処置されていないものに由来し得る。本発明の抗体は、ヒトCD40を含むペプチドを用いて組換え抗体ライブラリーをスクリーニングし、それによってCD40を認識する抗体を選択することによって選択される。このようなスクリーニングおよび選択を実施する方法は、前述の段落における参考文献に記載されるなど、当技術分野で周知である。特定のKoff速度定数でヒトCD40から解離するものなど、hCD40に対して特定の結合親和性を有する本発明の抗体を選択するために、表面プラズモン共鳴の当技術分野で公知の方法が使用されて、所望のKoff速度定数を有する抗体が選択され得る。特定のIC50を有するものなど、hCD40に対して特定の中和活性を有する本発明の抗体を選択するために、hCD40活性の阻害を評価するための当技術分野で公知の標準法が使用され得る。

一態様では、本発明は、ヒトCD40と結合する単離された抗体またはその抗原結合部分に関する。好ましくは、抗体は、中和抗体である。種々の実施形態では、抗体は、組換え抗体またはモノクローナル抗体である。

例えば、本発明の抗体はまた、当技術分野で公知の種々のファージディスプレイ法を使用して作製され得る。ファージディスプレイ法では、機能的抗体ドメインは、それらをコードするポリヌクレオチド配列を保持するファージ粒子の表面にディスプレイされる。特に、このようなファージは、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインをディスプレイするために利用され得る。目的の抗原と結合する抗原結合ドメインを発現するファージは、抗原を用いて、例えば、標識された抗原または固体表面もしくはビーズに結合もしくは捕獲された抗原を使用して選択または同定され得る。これらの方法において使用されるファージは、通常、ファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIタンパク質のいずれかに組換えによって融合された、Fab、Fvまたはジスルフィドによって安定化されたFv抗体ドメインを有するファージから発現されるfdおよびM13結合ドメインを含む糸状ファージである。本発明の抗体を作製するために使用され得るファージディスプレイ法の例として、それぞれを参照によりその全体を本明細書に組み込む、Brinkmannら、J.Immunol.Methods 182:41−50頁(1995年);Amesら、J.Immunol.Methods 184:177−186頁(1995年);Kettleboroughら、Eur.J.Immunol. 24:952−958頁(1994年);Persicら、Gene 187 9−18頁(1997年);Burtonら、Advances in Immunology 57:191−280頁(1994年);PCT出願番号PCT/GB91/01134;PCT公開番号WO90/02809;WO91/10737;WO92/01047;WO92/18619;WO93/11236;WO95/15982;WO95/20401;および米国特許第5,698,426号;同5,223,409号;同5,403,484号;同5,580,717号;同5,427,908号;同5,750,753号;同5,821,047号;同5,571,698号;同5,427,908号;同5,516,637号;同5,780,225号;同5,658,727号;同5,733,743号;および同5,969,108号に開示されるものが挙げられる。

上記の参考文献に記載されるように、ファージ選択後、ファージから抗体コーディング領域が単離され、ヒト抗体または任意のその他の所望の抗原結合断片を含む全抗体を作製するために使用され、例えば、以下に詳細に記載される哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母および細菌を含めた任意の所望の宿主において発現され得る。例えば、Fab、Fab’およびF(ab’)2断片を組換え製造するための技術も、PCT公開番号WO92/22324;Mullinaxら、BioTechniques 12(6):864−869頁(1992年);およびSawaiら、AJRI 34:26−34頁(1995年);およびBetterら、Science 240:1041−1043頁(1988年)(前記文献を、参照によりその全体を本明細書に組み込む)に開示されるものなど、当技術分野で公知の方法を使用して使用され得る。一本鎖Fvおよび抗体を製造するために使用され得る技術の例として、米国特許第4,946,778号および同5,258,498号;Hustonら、Methods in Enzymology 203:46−88頁(1991年);Shuら、PNAS 90:7995−7999頁(1993年);およびSkerraら、Science 240:1038−1041頁(1988年)に記載されるものが挙げられる。

ファージディスプレイによる組換え抗体ライブラリーのスクリーニングの代替として、大きなコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングするための当技術分野で公知のその他の方法論が、本発明の二重特異性抗体の同定に適用され得る。代替発現系の1つの種類として、SzostakおよびRobertsによるPCT公開番号WO98/31700に、ならびにRoberts、R.W.およびSzostak、J.W.(1997年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:12297−12302頁に記載される、組換え抗体ライブラリーが、RNA−タンパク質融合物として発現されるものがある。この系では、ピューロマイシン(ペプチジルアクセプター抗生物質)を3’末端に保持する合成mRNAのインビトロ翻訳によって、mRNAとそれがコードするペプチドまたはタンパク質との間の共有結合融合物が作製される。したがって、特異的mRNAは、コードされたペプチドまたはタンパク質、例えば、抗体またはその部分の特性、例えば、抗体またはその部分の二重特異性抗原との結合に基づいて、mRNAの複雑な混合物(例えば、コンビナトリアルライブラリー)から濃縮され得る。このようなライブラリーのスクリーニングから回収される抗体またはその部分をコードする核酸配列は、上記の組換え手段によって(例えば、哺乳動物宿主細胞において)発現され得、さらに、突然変異が最初に選択された配列(複数可)中に導入されているmRNA−ペプチド融合物の、スクリーニングのさらなるラウンドによって、または上記の組換え抗体のインビトロでの親和性成熟のためのその他の方法によってのいずれかで、さらなる親和性成熟に付され得る。

別のアプローチでは、本発明の抗体はまた、当技術分野で公知の酵母ディスプレイ法を使用して作製され得る。酵母ディスプレイ法では、抗体ドメインを酵母細胞壁に繋ぎ止め、それらを酵母の表面上にディスプレイするために遺伝学的方法が使用される。特に、このような酵母は、レパートリーまたはコンビナトリアル抗体ライブラリー(例えば、ヒトまたはマウス)から発現される抗原結合ドメインをディスプレイするために利用され得る。本発明の抗体を作製するために使用され得る酵母ディスプレイ法の例として、参照により本明細書に組み込むWittrupら(米国特許第6,699,658号)に開示されるものが挙げられる。

5.組換えCD40抗体の製造 本発明の抗体は、当技術分野で公知のいくつかの技術のいずれかによって製造され得る。例えば、重鎖および軽鎖をコードする発現ベクター(複数可)が、標準技術によって宿主細胞中にトランスフェクトされている宿主細胞からの発現。用語「トランスフェクション」の種々の形態は、外因性DNAを原核生物または真核生物の宿主細胞に導入するためによく使用されるさまざまな技術、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラントランスフェクションなどを包含するものとする。原核生物または真核生物の宿主細胞のいずれかにおいて、本発明の抗体を発現することが可能であるが、真核細胞における抗体の発現が好ましく、哺乳動物宿主細胞においてが最も好ましいが、これは、このような真核細胞(特に、哺乳動物細胞)は、原核細胞よりも、適切に折り畳まれた免疫学的に活性な抗体を組み立て、分泌する可能性が高いためである。

本発明の組換え抗体を発現するための好ましい哺乳動物宿主細胞として、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(例えば、R.J.KaufmanおよびP.A.Sharp(1982年) Mol.Biol. 159:601−621頁に記載されたDHFR選択マーカーとともに使用される、UrlaubおよびChasin(1980年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216−4220頁に記載されたdhfr−CHO細胞を含む)、NS0骨髄腫細胞、COS細胞およびSP2細胞が挙げられる。抗体遺伝子をコードする組換え発現ベクターが哺乳動物宿主細胞に導入される場合、抗体は、宿主細胞における抗体の発現、より好ましくは、宿主細胞が増殖される培養培地への抗体の分泌を可能にするのに十分な期間、宿主細胞を培養することによって製造される。抗体は、標準タンパク質精製法を使用して培養培地から回収され得る。

宿主細胞はまた、機能的抗体断片、例えば、Fab断片またはscFv分子を製造するために使用され得る。上記の手順に対する変法は、本発明の範囲内にあるということは理解されよう。例えば、本発明の抗体の軽鎖および/または重鎖のいずれかの機能的断片をコードするDNAを用いて、宿主細胞をトランスフェクトすることが望ましいものであり得る。組換えDNA技術はまた、目的の抗原との結合にとって必須ではない、軽鎖および重鎖のいずれかまたは両方をコードするDNAの一部またはすべてを除去するためにも使用され得る。このような末端切断型DNA分子から発現された分子もまた、本発明の抗体によって包含される。さらに、標準化学的架橋法によって本発明の抗体を第2の抗体に架橋することによって、一方の重鎖および一方の軽鎖が本発明の抗体でありもう一方の重鎖および軽鎖が対象の抗原以外の抗原に対して特異的である二機能性抗体も製造され得る。

本発明の抗体またはその抗原結合部分を組換え発現するための好ましい系では、抗体重鎖および抗体軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターが、リン酸カルシウム媒介トランスフェクションによってdhfr−CHO細胞に導入される。組換え発現ベクター内では、抗体重鎖および軽鎖遺伝子は、各々、この遺伝子の高レベルの転写を駆動するためにCMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメントに作動可能に連結されている。組換え発現ベクターはまた、メトトレキサート選択/増幅を使用してベクターでトランスフェクトされているCHO細胞の選択を可能にするDHFR遺伝子を保持する。選択された形質転換体宿主細胞は、抗体重鎖および軽鎖の発現を可能にするよう培養され、無傷の抗体が培養培地から回収される。組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞をトランスフェクトし、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、培養培地から抗体を回収するために、標準分子生物学技術が使用される。さらに、本発明は、本発明の宿主細胞を、本発明の組換え抗体が合成されるまで適した培養培地中で培養することによって、本発明の組換え抗体を合成する方法を提供する。この方法は、培養培地から組換え抗体を単離することをさらに含み得る。

本発明の別の実施形態は、グリコシル化抗体またはその抗原結合部分を提供し、ここでは、抗体またはその抗原結合部分は、1個以上の炭水化物残基を含む。新生インビボタンパク質製造は、翻訳後修飾として知られるさらなるプロセシングを受け得る。特に、糖(グリコシル)残基が、酵素的に添加され得る(グリコシル化として知られるプロセス)。共有結合によって連結しているオリゴ糖側鎖を有する得られたタンパク質は、グリコシル化タンパク質または糖タンパク質として知られる。抗体は、Fcドメインならびに可変ドメイン中に1個以上の炭水化物残基を有する糖タンパク質である。Fcドメイン中の炭水化物残基は、Fcドメインのエフェクター機能に対して重要な効果を有するが、抗体の抗原結合または半減期に対しては最小の効果しか有さない(R.Jefferis、Biotechnol.Prog. 21(2005年)、11−16頁)。対照的に、可変ドメインのグリコシル化は、抗体の抗原結合活性に対して効果を有し得る。可変ドメイン中のグリコシル化は、おそらくは立体障害のために、抗体結合親和性に対して負の効果を有するか(Co、M.S.ら、Mol.Immunol.(1993年) 30:1361−1367頁)、または抗原に対する親和性の増大をもたらし得る(Wallick、S.C.ら.、Exp.Med.(1988年) 168:1099−1109頁;Wright、A.ら、EMBO J.(1991年) 10:2717−2723頁)。

本発明の一態様は、抗体またはその抗原結合部分のO−またはN−結合型グリコシル化部位が突然変異されているグリコシル化部位突然変異体の作製を対象とする。当業者ならば、標準的な周知の技術を使用してこのような突然変異体を作製できる。生物活性を保持するが、結合活性が増大または低下しているグリコシル化部位突然変異体が、本発明の別の目的である。

さらに別の実施形態では、本発明の抗体または抗原結合部分のグリコシル化が修飾される。例えば、脱グリコシル化抗体が作製され得る(すなわち、抗体がグリコシル化を欠く)。グリコシル化は、例えば、抗原に対する抗体の親和性を増大させるよう変更され得る。このような炭水化物修飾は、例えば、抗体配列内のグリコシル化の1つ以上の部位を変更することによって達成され得る。例えば、1つ以上の可変領域グリコシル化部位の除去によりその部位でのグリコシル化を起こさせない、1つ以上のアミノ酸置換がなされ得る。このような脱グリコシル化は、抗原に対する抗体の親和性を増大させ得る。このようなアプローチは、このそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込む、PCT公開番号WO2003016466A2および米国特許第5,714,350号および同第6,350,861号にさらに詳細に記載されている。

さらに、またはあるいは、フコシル残基の量が低減されている低フコシル化(hypofucosylated)抗体または二分するGlcNAc構造が増大している抗体などの、変更された種類のグリコシル化を有する本発明の修飾された抗体が作製され得る。このように変更されたグリコシル化パターンは、抗体のADCC能を高めると実証されている。このような炭水化物修飾は、例えば、グリコシル化機構が変更された宿主細胞において抗体を発現させることによって達成され得る。グリコシル化機構が変更された細胞は、当技術分野で記載されており、本発明の組換え抗体を発現させ、それによって、グリコシル化が変更された抗体を製造する宿主細胞として使用され得る。例えば、このそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込む、Shields,R.L.ら(2002年)J.Biol.Chem.277:26733−26740頁;Umanaら(1999年)Nat.Biotech.17:176−1頁ならびに欧州特許第EP 1,176,195号;PCT公開番号WO03/035835;WO99/5434280を参照のこと。

タンパク質グリコシル化は、目的のタンパク質のアミノ酸配列ならびにタンパク質が発現される宿主細胞に応じて変わる。種々の生物が、種々のグリコシル化酵素(例えば、グリコシルトランスフェラーゼおよびグリコシダーゼ)を産生し、入手可能な種々の基質(ヌクレオチド糖)を有し得る。このような要因のために、タンパク質グリコシル化パターンおよびグリコシル残基の組成物は、特定のタンパク質が発現される宿主系に応じて異なり得る。本発明において有用なグリコシル残基として、それだけには限らないが、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、n−アセチルグルコサミンおよびシアル酸が挙げられる。好ましくは、グリコシル化抗体またはその抗原結合部分は、グリコシル化パターンがヒトであるようなグリコシル残基を含む。

異なるタンパク質グリコシル化が、異なるタンパク質特徴をもたらし得ることは、当業者にとって公知である。例えば、酵母などの微生物宿主において製造され、酵母内在性経路を利用してグリコシル化された治療用タンパク質の有効性は、CHO細胞株などの哺乳動物細胞において発現された同一タンパク質のものと比較して、低減され得る。このような糖タンパク質はまた、ヒトにおいて免疫原性である場合があり、投与後のインビボ半減期の減少を示し得る。ヒトおよびその他の動物における特定の受容体は、特異的なグリコシル残基を認識し、血流からのタンパク質の迅速なクリアランスを促進し得る。その他の有害作用として、タンパク質フォールディング、溶解度、プロテアーゼに対する感受性、輸送、運搬、区画化、分泌、その他のタンパク質または因子による認識、抗原性またはアレルゲン性における変化が挙げられる。したがって、臨床医は、特定の組成およびグリコシル化のパターン、例えば、ヒト細胞においてまたは意図される対象動物の種特異的細胞において産生されるものと同一のまたは少なくとも同様のグリコシル化組成およびパターンを有する治療用タンパク質を好み得る。

宿主細胞のものとは異なるグリコシル化タンパク質を発現することは、異種グリコシル化酵素を発現するよう宿主細胞を遺伝的に修飾することによって達成され得る。臨床医は、当技術分野で公知の技術を使用して、ヒトタンパク質グリコシル化を示す抗体またはその抗原結合部分を作製し得る。例えば、酵母株は、天然に存在しないグリコシル化酵素を発現するよう遺伝的に修飾されており、その結果、これらの酵母株において産生されたグリコシル化されたタンパク質(糖タンパク質)は、動物細胞、特に、ヒト細胞のものと同一であるタンパク質グリコシル化を示す(米国特許公開第20040018590号および同20020137134号およびPCT公開番号WO/2005100584 A2)。

本発明はまた、抗体またはその抗原結合部分に加えて、このような本発明の抗体またはその抗原結合部分に特異的な抗イディオタイプ(抗Id)抗体を対象とする。抗Id抗体とは、一般に、別の抗体の抗原結合領域と関連している独特の決定基を認識する抗体である。抗Idは、抗体またはその抗原結合部分またはそのCDR含有領域を用いて動物を免疫処理することによって調製され得る。免疫処理された動物は、免疫化抗体のイディオタイプの決定基を認識し、それに応じて抗Id抗体を産生する。抗Id抗体はまた、さらに別の動物において免疫応答を誘発する「免疫原」として使用され得、いわゆる抗抗Id抗体を産生する。

さらに、目的のタンパク質は、種々のグリコシル化酵素を発現するよう遺伝子操作された結果、ライブラリーのメンバー宿主細胞が、変異体グリコシル化パターンを有する目的のタンパク質を産生する、宿主細胞のライブラリーを使用して発現され得るということは当業者によって理解されよう。次いで、臨床医は、特定の新規グリコシル化パターンを有する目的のタンパク質を選択および単離し得る。好ましくは、特に選択された新規グリコシル化パターンを有するタンパク質は、生物学的特性の改善または変更を示す。

III.アンタゴニスト抗CD40抗体の使用 本発明の抗ヒトCD40抗体またはその一部の、ヒトCD40と結合する能力を考慮すると、これらは、酵素連結免疫吸着検定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)または組織の免疫組織化学的検査などの従来のイムノアッセイを使用してヒトCD40(例えば、血清または血漿などの生体試料中の)を検出するために使用され得る。本発明は、生体試料中のヒトCD40を検出するための方法であって、生体試料を本発明の抗体または抗体部分と接触させ、ヒトCD40と結合した抗体(または抗体部分)または結合していない抗体(または抗体部分)のいずれかを検出して、それにより、生体試料中のヒトCD40を検出することを含む方法を提供する。抗体は、結合した抗体または結合していない抗体の検出を容易にするために検出可能な物質を用いて直接または間接的に標識される。適した検出可能な物質として、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質および放射性物質が挙げられる。適した酵素の例として、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;適した補欠分子族複合体の例として、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられ;適した蛍光物質の例として、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが挙げられ;発光物質の例として、ルミノールが挙げられ;適した放射性物質の例として、3H、14C、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Hoまたは153Smが挙げられる。

抗体を標識する代わりに、ヒトCD40は、生体液中で、検出可能な物質で標識されたrhCD40標準物質および標識されていない抗ヒトCD40R抗体を利用する競合イムノアッセイによってアッセイされ得る。このアッセイでは、生体試料、標識されたrhCD40標準物質および抗ヒトCD40抗体を組み合わせ、標識されていない抗体と結合した標識されたrhCD40標準物質の量が決定される。生体試料中のヒトCD40の量は、抗CD40抗体と結合した標識されたrhCD40標準物質の量に反比例する。同様に、ヒトCD40は、生体液中で、検出可能な物質で標識されたrhCD40標準物質および標識されていない抗ヒトCD40抗体を利用する競合イムノアッセイによってもアッセイされ得る。

本発明の抗体および抗体部分は、インビトロおよびインビボの両方で、ヒトCD40活性を中和できることが好ましい。したがって、本発明のこのような抗体および抗体部分は、例えば、hCD40を含有する細胞培養物において、本発明の抗体が交差反応するCD40を有する、ヒト被験体において、またはその他の哺乳動物被験体においてhCD40活性を阻害するために使用され得る。一実施形態では、本発明は、hCD40を、本発明の抗体または抗体部分と接触させ、その結果、hCD40活性が阻害されることを含む、hCD40活性を阻害する方法を提供する。例えば、hCD40を含有する、または含有すると疑われる細胞培養では、培養物においてhCD40活性を阻害するために、本発明の抗体または抗体部分が培養培地に添加され得る。

別の実施形態では、本発明は、被験体において、hCD40活性を低下させる方法を提供し、これは、CD40活性が有害である疾患または障害を患っている被験体において有利である。本発明は、このような疾患または障害を患っている被験体においてCD40活性を低下させる方法を提供し、この方法は、被験体に、本発明の抗体または抗体部分を投与し、その結果、被験体におけるCD40活性が低下されることを含む。好ましくは、CD40は、ヒトCD40であり、被験体は、ヒト被験体である。または、被験体は、本発明の抗体が結合できるCD40を発現する哺乳動物であり得る。さらに、被験体は、CD40が導入されている(例えば、CD40の投与によってまたはCD40導入遺伝子の発現によって)哺乳動物であり得る。本発明の抗体は、治療目的でヒト被験体に投与され得る。さらに、本発明の抗体は、獣医学的目的で、またはヒト疾患の動物モデルとして、抗体が結合できるCD40を発現する非ヒト哺乳動物に投与され得る。後者に関して、このような動物モデルは、本発明の抗体の治療効力を評価するのに有用であり得る(例えば、投与量のおよび投与の経時的推移の試験)。

本明細書において、用語「CD40活性が有害である障害」とは、疾患および他の障害を含むものとし、ここで、この障害は、それを患っている被験体におけるCD40活性の存在が、この障害の病態生理を担うこともしくはこの障害の悪化に寄与する一因であることがわかっているかまたはその疑いがある障害である。したがって、CD40活性が有害である障害とは、CD40活性の低下が、症状および/または障害の進行を軽減すると期待される障害である。このような障害は、障害を患っている被験体の体液におけるCD40濃度の増大(例えば、被験体の血清、血漿、滑液などにおける、CD40濃度の増大)によって証明され得、これは、例えば上記の抗CD40抗体を使用して、検出され得る。本発明の抗体およびその変異体、またはその抗原結合断片を用いて治療され得る障害の非限定的な例として、本発明の抗体の医薬組成物に関する下の節おいて考察されている障害が挙げられる。例えば、適した障害として、それだけには限らないが、全身性エリテマトーデス(SLE)、円板状ループス、ループス腎炎、サルコイドーシス、若年性関節炎、関節リウマチ、乾癬性関節炎、ライター症候群、強直性脊椎炎、痛風性関節炎、臓器または組織移植片の拒絶反応、移植片対宿主病、多発性硬化症、高IgE症候群、結節性多発性動脈炎、原発性胆汁性肝硬変、炎症性腸疾患、クローン病、セリアック病(グルテン過敏性腸症)、自己免疫性肝炎、悪性貧血、自己免疫性溶血性貧血、乾癬、強皮症、重症筋無力症、自己免疫性血小板減少性紫斑病、自己免疫性甲状腺炎、グレーブス病、橋本甲状腺炎、免疫複合体病、慢性疲労免疫機能障害症候群(CFIDS)、多発性筋炎および皮膚筋炎、寒冷グロブリン血症、血栓溶解、心筋症、尋常性天疱瘡、間質性肺線維症、サルコイドーシス、1型糖尿病および2型糖尿病、1型、2型、3型および4型遅延型過敏症、アレルギーまたはアレルギー性障害、喘息、チャーグ・ストラウス症候群(アレルギー性肉芽腫症)、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎および刺激性接触皮膚炎、蕁麻疹、IgE依存性アレルギー、アテローム性動脈硬化症、血管炎、特発性炎症性筋疾患、溶血性疾患、アルツハイマー病および慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーが挙げられる。特定の実施形態では、疾患または障害は、慢性炎症性障害である。特定の実施形態では、CD40活性が有害である障害は、それだけには限らないが、クローン病または潰瘍性大腸炎を含めた炎症性腸疾患(IBD)である。

その他の実施形態では、本発明の抗CD40抗体または抗原結合部分は、それだけには限らないが、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、化膿性汗腺炎、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、乾癬、強直性脊椎炎およびクローン病を含めた、TNFα活性が有害である障害を、治療するために使用される。一実施形態では、TNFα活性が有害である障害は、ぶどう膜炎である。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、炎症性腸疾患(IBD)を有するヒト被験体を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、潰瘍性大腸炎を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、クローン病を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、全身性エリテマトーデス(SLE)を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、サルコイドーシスを治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、若年性関節炎を有するヒト被験体を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、関節リウマチを治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、乾癬性関節炎を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、強直性脊椎炎を有するヒト被験体を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、化膿性汗腺炎を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、ぶどう膜炎を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、シェーグレン症候群を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、乾癬を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、アトピー性皮膚炎を治療するために使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、強皮症を治療するために使用される。

本発明の抗CD40 mAbsは、自然免疫応答および適応免疫応答の両方におけるCD40の中心的な役割に起因して、生物学的にナイーブな患者および抗TNF不適応答者集団のどちらの治療に関しても治療可能性を有する。本発明は、消化管における慢性炎症を維持する、TNFおよびIL−23産生ならびに接着/共刺激分子発現のようなCD40シグナル伝達抑制分子経路を、阻害することができる治療を、提供する。抗TNFで治療されたクローン病患者の発現プロファイリングに基づいて、抗CD40を用いた治療は、抗TNF応答者集団を越えて、より広範な区分のクローン病患者の治療に広がる治療可能性を有し得る。特定の実施形態では、本発明は、抗TNF療法に応答できないIBD患者の下位集団を治療する方法を提供する。そのようなIBD患者は、クローン病または潰瘍性大腸炎を有し得、例えば、それだけには限らないが、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴルまたはゴリムマブのようなTNFα阻害剤を用いた治療に対して応答できなかったまたは応答が限られていた患者である。本明細書に記載の抗CD40アンタゴニスト抗体は、クローン病または潰瘍性大腸炎を有するTNF非応答者の治療に使用され得る。特定の実施形態では、本発明は、治療患者、例えば、中程度から重度に活動性のクローン病を有し、抗TNF非応答者である成体患者を治療する方法を包含する。

本発明の抗体またはその抗原結合部分は、このような疾患を治療するために単独で、または組み合わせて使用され得る。本発明の抗体またはその抗原結合部分は、単独でまたはさらなる薬剤、例えば、治療薬と組み合わせて使用される場合があり、前記のさらなる薬剤は、その意図される目的のために当業者によって選択されるということは理解されなくてはならない。例えば、さらなる薬剤は、本発明の抗体によって治療されている疾患または状態を治療するのに有用であると技術分野で認識されている治療薬であり得る。さらなる薬剤はまた、治療用組成物に有益な性質を付与する薬剤、例えば、組成物の粘性に影響を及ぼす薬剤であり得る。本発明内に含まれる組合せは、その意図される目的にとって有用な組合せであるということは理解されなければならない。以下に示された薬剤は例示目的であって、制限であるとは意図されない。本発明の一部である組合せは、本発明の抗体および以下の一覧から選択される少なくとも1種のさらなる薬剤であり得る。組合せはまた、形成された組成物がその意図される機能を遂行し得るようなものであれば、2種以上のさらなる薬剤、例えば、2種または3種のさらなる薬剤を含み得る。

併用療法は、1種以上のさらなる治療薬、例えば、本明細書にさらに記載されている1種以上のサイトカインおよび増殖因子阻害剤、免疫抑制剤、抗炎症薬(例えば、全身性抗炎症薬)、抗線維化薬、代謝阻害剤、酵素阻害剤および/または細胞毒性剤または細胞増殖抑制薬剤、有糸分裂阻害剤、抗腫瘍抗生物質、免疫調節性薬剤、遺伝子療法のためのベクター、アルキル化剤、抗血管新生剤、代謝拮抗薬、ホウ素含有薬剤、化学保護剤、ホルモン、抗ホルモン剤、コルチコステロイド、光活性治療薬、オリゴヌクレオチド、放射性核種薬剤、トポイソメラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、または放射線増感剤と一緒に製剤化され、および/またはそれと同時投与される1種以上のCD40アンタゴニスト、例えば抗CD40抗体またはその断片を含み得る。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、炎症性腸疾患(IBD)を治療するために第2の薬剤と組み合わせて使用される。特定の実施形態では、第2の薬剤は、メサラミン、バルサラジド、アザチオプリン、6−MP、メトトレキサート、インフリキシマブ、セルトリズマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、ナタリズマブ、ベドリズマブ、ウステキヌマブまたはこれらの組合せである。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、SLEを治療するために第2の薬剤と組み合わせて使用され、第2の薬剤は、ニトロペースト(nitropaste)/ニトログリセリン、ニフェジピン、シルデナフィル、タダラフィルまたはこれらの組合せである。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、SLEを治療するために第2の薬剤と組み合わせて使用され、第2の薬剤は、コルチコステロイド、内在性ステロイド産生物質、NSAID、抗炎症剤、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)、免疫抑制剤、抗凝固薬またはこれらの組合せである。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、SLEを治療するために、コルチコステロイドと組み合わせて使用される。使用することができるコルチコステロイドの例として、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾンまたはこれらの組合せが挙げられる。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、SLEを治療するために、内在性ステロイド産生をもたらす薬剤、例えばコルチコトロピン(Acthar)と組み合わせて使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、SLEを治療するために、局所または注射療法と組み合わせて使用される。そのような療法の例として、それだけには限らないが、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、ピメクロリムスクリーム、タクロリムス軟膏、イミキモドまたはこれらの組合せが挙げられる。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、SLEを治療するために非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)と組み合わせて使用される。併用療法において使用することができるNSAIDの例として、それだけには限らないが、インドメタシン、ナブメトン、セレコキシブ、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナクまたはこれらの組合せが挙げられる。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、SLEを治療するために抗炎症薬と組み合わせて使用される。さらなる実施形態では、抗炎症薬は、アセトアミノフェンおよび/またはサリチル酸塩である。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、SLEを治療するために疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)と組み合わせて使用される。DMARDの例として、それだけには限らないが、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil)、クロロキン、メトトレキサート(Rheumatrex)、レフルノミド(Arava)、スルファサラジンまたはこれらの組合せが挙げられる。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、ベリムマブ(Benlysta)、リツキシマブ(Rituxan)、静脈内Igまたはこれらの組合せと組み合わせて使用される。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、SLEを治療するために免疫抑制剤と組み合わせて使用される。免疫抑制剤の例として、それだけには限らないが、アザチオプリン(Imuran)、シクロホスファミド(Cytoxan)、シクロスポリン、タクロリムスおよびミコフェノール酸が挙げられる。

一実施形態では、本発明の抗CD40抗体またはその抗原結合部分、例えばAb102は、SLEを治療するために抗凝固剤と組み合わせて使用される。抗凝固剤の例として、それだけには限らないが、アスピリン、ヘパリン、ワルファリンおよびエノキサパリン(Lovenox)が挙げられる。

1種以上のCD40アンタゴニスト、例えば、抗CD40抗体またはその断片と同時投与されるかおよび/または共に製剤化され得る好ましいさらなる治療剤のさらなる例。そのような組合せは、本明細書に記載のCD40関連障害を治療するために使用され得る。1種以上の抗CD40抗体またはその断片と同時投与され得、および/または一緒に製剤化され得る治療薬のさらなる例として、とりわけ、TNFアンタゴニスト(例えば、TNF受容体、例えば、p55またはp75ヒトTNF受容体またはその誘導体、例えば、75kD TNFR−IgG(75kD TNF受容体−IgG融合タンパク質、ENBREL)の可溶性断片);TNF酵素アンタゴニスト、例えば、TNF変換酵素(TACE)阻害剤;ムスカリン性受容体アンタゴニスト;TGF−ベータアンタゴニスト;インターフェロンガンマ;ピルフェニドン;化学療法剤、例えば、メトトレキセート、レフルノミド、またはシロリムス(ラパマイシン)またはその類似体、例えばCCI−779;COX2およびcPLA2阻害剤;非ステロイド性抗炎症薬(NSAID);免疫調節物質;p38阻害剤、TPL−2、MK−2およびNFkB阻害剤のうちの1つ以上が挙げられる。

その他の好ましい組合せは、サイトカイン抑制性抗炎症薬(複数可)(CSAID);その他のヒトサイトカインまたは増殖因子、例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−15、IL−16、IL−18、IL−21、IL−31、インターフェロン、EMAP−II、GM−CSF、FGF、EGF、PDGFおよびエンドセリン−1、ならびにこれらのサイトカインおよび増殖因子の受容体に対する抗体またはアンタゴニストである。本発明の抗体またはその抗原結合部分は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD90、CTLAなどの細胞表面分子またはCD154(gp39またはCD40L)を始めとするそのリガンドに対する抗体と組み合わせられ得る。

治療薬の好ましい組合せは、炎症カスケードにおける異なる点で干渉し得る;好ましい例として、キメラ、ヒト化またはヒトTNF抗体のようなTNFアンタゴニスト、アダリムマブ、(HUMIRA;D2E7;PCT公開番号WO97/29131)、CA2(レミケード)、CDP571および可溶性p55またはp75TNF受容体、その誘導体(p75TNFR1gG(エンブレル(ENBREL)またはp55TNFR1gG(レネルセプト)およびまたTNF変換酵素(TACE)阻害剤が挙げられる。同様に、IL−1阻害剤(インターロイキン−1−変換酵素阻害剤、IL−1RAなど)が同じ理由で有効であり得る。その他の好ましい組合せとして、インターロイキン4が挙げられる。

投与計画は、最適な所望の反応(例えば、治療反応または予防反応)を提供するよう調整され得る。例えば、単回ボーラスが投与される場合も、いくつかの分割用量が経時的に投与される場合も、または治療状況の危急によって、用量が比例的に減少または増加される場合もある。投与の容易さおよび投与量の均一性のために、非経口組成物を単位投与形で製剤することは特に有利である。本明細書において、単位投与形とは、治療される哺乳動物被験体のための単位投与量として適合している、物理的に別個の単位を指し;各単位は、必要な医薬担体と共に、所望の治療効果を生じるよう算出された所定の量の活性化合物を含有する。本発明の単位投与形の仕様は、(a)活性化合物の独特の特徴および達成される特定の治療効果または予防効果および(b)個体における感受性の扱いについてのこのような活性化合物の配合の技術分野に固有の制限によって決定され、それらに直接的に依存する。

投与量の値は、軽減される状態の種類および重篤度に応じて変わり得るということは留意されたい。任意の特定の被験体にとっての特定の投与計画は、個体の必要性および組成物を投与し組成物の投与を監督している人の専門的判断に従って経時的に調整されなければならないということ、および本明細書に示される投与量範囲は、単に例示的なものであって、特許請求される組成物の範囲または実施を制限しようとするものではないということは、さらに理解されなくてはならない。

別の態様では、本出願は、被験体における、CD40活性が有害である障害を治療する(例えば、治癒する、抑制する、寛解させる、発症を遅延させるもしくは予防するまたは再発(recurrence or relapse)を予防する)または予防する方法を特徴とする。方法は、被験体にCD40結合剤(特にアンタゴニスト)、例えば本明細書に記載の抗CD40抗体またはその断片を、CD40に関連する障害を治療または予防するために十分な量で投与するステップを含む。CD40アンタゴニスト、例えば抗CD40抗体またはその断片は、被験体に単独でまたは本明細書に記載のその他の治療モダリティと組み合わせて投与され得る。

別の態様では、本出願は、試料中のCD40の存在をインビトロ(例えば、血清、血漿、組織、生検などの生体試料)で検出するための方法を提供する。本主題の方法は、障害、例えば炎症性障害を診断するために使用され得る。方法は、(i)試料または対照試料を本明細書に記載の抗CD40抗体またはその断片と接触させるステップと、(ii)抗CD40抗体またはその断片と試料または対照試料との間の複合体の形成を検出するステップであって、試料中の複合体の形成に対照試料と比較して統計的に有意な変化があることにより、試料中のCD40の存在が示されるステップとを含む。

さらに別の態様では、本出願は、CD40の存在をインビボで検出するための方法を提供する(例えば、被験体におけるインビボ画像診断)。本主題の方法は、障害、例えばCD40に関連する障害を診断するために使用され得る。方法は、(i)本明細書に記載の抗CD40抗体またはその断片を、抗体または断片とCD40との結合が可能になる条件下で被験体または対照の被験体に投与するステップと、(ii)抗体または断片とCD40との間の複合体の形成を検出するステップであって、被験体における複合体の形成に対照被験体と比較して統計的に有意な変化があることにより、CD40の存在が示されるステップとを含む。

抗体エフェクター機能を変更するためのFc部分中のアミノ酸残基の置換は、当技術分野で公知である(Winterら、米国特許第5,648,260号;同5624821号)。抗体のFc部分は、いくつかの重要なエフェクター機能、例えば、サイトカイン誘導、ADCC、食作用、補体依存性細胞毒性(CDC)ならびに抗体および抗原抗体複合体の半減期/クリアランス速度を媒介する。いくつかの場合には、これらのエフェクター機能は、治療用抗体にとって望ましいものであるが、別の場合には、治療目的によって、不必要またはさらに有害であることもある。特定のヒトIgGアイソタイプ、特に、IgG1およびIgG3は、それぞれ、FcγRsおよび補体C1qとの結合によって、ADCCおよびCDCを媒介する。新生児Fc受容体(FcRn)は、抗体の循環半減期を決定する重要な成分である。さらに別の実施形態では、抗体のエフェクター機能が変更されるよう抗体の定常領域、例えば、抗体のFc領域において少なくとも1個のアミノ酸残基が置換される。

一実施形態は、本発明の抗体または抗体部分が、誘導体化されるかまたは1つ以上の機能的分子(例えば、別のペプチドまたはタンパク質)に連結されている、標識された抗体またはその抗原結合部分を提供する。例えば、本発明の標識された抗体またはその抗原結合部分は、別の分子(例えば、ストレプトアビジンコア領域またはポリヒスチジンタグ)との抗体または抗体部分の会合を媒介し得る1つ以上のその他の分子実体(例えば、別の抗体(例えば、二特異性抗体またはダイアボディー)、検出可能な薬剤、医薬品、タンパク質もしくはペプチド)および/または細胞傷害性薬剤もしくは治療用薬剤(有糸分裂阻害剤、抗腫瘍抗生物質、免疫調節剤、遺伝子療法用ベクター、アルキル化剤、抗血管新生剤、代謝拮抗薬、ホウ素含有薬剤(boron−containing agent)、化学保護剤、ホルモン、抗ホルモン剤、コルチコステロイド、光活性治療薬、オリゴヌクレオチド、放射性核種薬剤、トポイソメラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、放射線増感剤およびこれらの組合せからなる群から選択される)と、本発明の抗体または抗体部分を(化学的カップリング、遺伝子融合、非共有結合による会合またはその他によって)機能的に連結することによって、誘導体化され得る。

用いることにより本発明の抗体または抗体部分が誘導体化され得る有用な検出可能な薬剤として、蛍光化合物が挙げられる。例示的蛍光検出可能薬剤として、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5−ジメチルアミン−1−ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリトリンなどが挙げられる。抗体はまた、検出可能な酵素、例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼなどを用いて誘導体化され得る。抗体が検出可能な酵素で誘導体化される場合には、検出可能な反応生成物を生じるために酵素が用いるさらなる試薬を加えることによって、検出される。例えば、検出可能な薬剤である西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合には、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加が、検出可能である、着色された反応生成物をもたらす。抗体はまた、ビオチンで誘導体化され、アビジンまたはストレプトアビジン結合の間接的測定によって検出され得る。

本発明の別の実施形態は、結晶化抗体またはその抗原結合部分を提供する。好ましくは、本発明は、本明細書に開示される、全抗CD40抗体およびその断片の結晶ならびにこのような結晶を含む製剤および組成物に関する。一実施形態では、結晶化抗体またはその抗原結合部分は、抗体またはその抗原結合部分の可溶性対応物よりも、インビボで長い半減期を有する。別の実施形態では、抗体またはその抗原結合部分は、結晶化後に生物活性を保持する。

本発明の結晶化抗体またはその抗原結合部分は、当技術分野で公知の、参照により本明細書に組み込むWO02072636に開示される方法に従って製造され得る。

IV.医薬組成物 本発明はまた、本発明の抗体またはその抗原結合部分と、医薬上許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。

本発明の医薬組成物は、本発明の抗体または抗体部分の「治療上有効な量」または「予防上有効な量」を含み得る。「治療上有効な量」とは、必要な投薬回数及び期間において、所望の治療結果を達成するために有効な量を指す。抗体または抗体部分の治療上有効な量は、当業者によって決定され得、個体の病状、年齢、性別および体重ならびに個体における抗体または抗体部分の所望の反応を誘発する能力などの要因に従って変わり得る。治療上有効な量はまた、抗体または抗体部分の任意の毒性または有害な作用を治療上有益な作用が凌ぐものである。「予防上有効な量」とは、必要な投薬回数及び期間において、所望の予防結果を達成するために有効な量を指す。通常、予防上の用量は、被験体において疾患に先立って、または疾患の初期段階で使用されるので、予防上有効な量は、治療上有効な量よりも少ないものとなる。

本発明の抗体を含む医薬組成物は、それだけには限らないが、障害の診断、検出またはモニタリングにおいて;障害またはその1つ以上の症状の予防、治療、管理または寛解において、および/または研究において使用される。特定の実施形態では、組成物は、本発明の1種以上の抗体を含む。別の実施形態では、CD40活性が有害である障害を治療するために、医薬組成物は、本発明の1種以上の抗体および本発明の抗体以外の1種以上の予防薬または治療薬を含む。好ましくは、障害またはその1種以上の症状の予防、治療、管理または寛解のために有用であるとわかっている、またはそれにおいて使用されていた、または現在使用されている予防薬または治療薬。これらの実施形態に一致して、組成物は、担体、希釈液または賦形剤をさらに含み得る。

本発明の抗体または抗体部分は、被験体に投与するのに適した医薬組成物中に組み込まれ得る。通常、医薬組成物は、本発明の抗体または抗体部分および医薬として許容される担体を含む。本明細書において、「医薬として許容される担体」としては、生理学的に適合される、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌薬および抗真菌薬、等張剤および吸収遅延剤などが挙げられる。医薬として許容される担体の例として、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどならびにそれらの組合せのうち1種以上が挙げられる。多くの場合、組成物中に、等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコールまたは塩化ナトリウムを含むことが好ましい。医薬として許容される担体は、抗体または抗体部分の使用期限または有効性を延長もしくは増強する、湿潤剤または乳化剤、保存料またはバッファーなどの微量の補助物質をさらに含み得る。

種々の送達系が公知であり、本発明の1種以上の抗体または本発明の1種以上の抗体の組合せおよび障害または1種以上のその症状を予防、管理、治療または寛解するのに有用な予防薬または治療薬を投与するために使用され得、例えば、リポソームにおけるカプセル封入、微粒子、マイクロカプセル、抗体または抗体断片を発現できる組換え細胞、受容体媒介性エンドサイトーシス(例えば、WuおよびWu、J.Biol.Chem. 262:4429−4432頁(1987年))、レトロウイルスまたはその他のベクターの一部としての核酸の構築物などである。本発明の予防薬または治療薬を投与する方法として、それだけには限らないが、非経口投与(例えば、皮内、筋肉内の、腹腔内、静脈内および皮下)、硬膜外投与、腫瘍内投与および粘膜投与(例えば、鼻腔内および経口経路)が挙げられる。さらに、肺の投与は、例えば、吸入器または噴霧器およびエアロゾル化剤を有する製剤の使用によって使用され得る。例えば、参照によりその全文が本明細書に各々、組み込まれる、米国特許第6,019,968号、同5,985,320号、同5,985,309号、同5,934,272号、同5,874,064号、同5,855,913号、同5,290,540号、および同4,880,078号;およびPCT公開番号WO92/19244、WO97/32572、WO97/44013、WO98/31346およびWO99/66903を参照のこと。一実施形態では、本発明の抗体、併用療法または本発明の組成物は、Alkermes AIR肺薬物送達技術(Alkermes、Inc.、Cambridge、Mass.)を使用して投与される。特定の実施形態では、本発明の予防薬または治療薬は、筋肉内に、静脈内に、腫瘍内に、経口によって、鼻腔内に、肺にまたは皮下に投与される。予防薬または治療薬は、任意の従来経路によって、例えば、注入またはボーラス注射によって、上皮または皮膚粘膜内層(例えば、口腔粘膜、直腸粘膜および腸管粘膜など)を通る吸収を介して投与され得、またその他の生物学的に活性な薬剤と一緒に投与され得る。投与は、全身であっても局所であってもよい。

特定の実施形態では、本発明の予防薬または治療薬を、治療を必要とする領域に局所的に投与することが望ましいものであり得;これは、例えば、制限するものではないが、局所注入として、注射によって、またはインプラントによって達成され得、前記インプラントは、サイラスティックメンブラン、ポリマー、線維性マトリックス(例えば、TISSUEL)またはコラーゲンマトリックスなどのメンブランおよびマトリックスを含めた多孔性または非多孔性材料である。一実施形態では、有効量の、本発明の1種以上の抗体であるアンタゴニストが、障害またはその症状を予防、治療、管理および/または寛解させるために被験体に罹患領域に局所的に投与される。別の実施形態では、有効量の本発明の1種以上の抗体が、有効量の本発明の抗体以外の1種以上の治療(例えば、1種以上の予防薬または治療薬)と組み合わせて、障害またはその1種以上の症状を予防、治療、管理および/または寛解させるために被験体の罹患領域に局所的に投与される。

別の実施形態では、本発明の予防薬または治療薬は、制御放出または持続放出系で送達され得る。一実施形態では、制御放出または持続放出を達成するためにポンプが使用され得る(Langer、上記;Sefton、1987年、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng. 14:20頁;Buchwaldら、1980年、Surgery 88:507頁;Saudekら、1989年、N.Engl.J.Med. 321:574頁を参照のこと)。別の実施形態では、ポリマー材料は、本発明の治療の制御放出または持続放出を実現するために使用され得る(例えば、Medical Applications of Controlled Release、LangerおよびWise(編)、CRC Pres.、Boca Raton、Fla.(1974年);Controlled Drug Bioavailability、Drug Product Design and Performance、SmolenおよびBall(編)、Wiley、New York(1984年);RangerおよびPeppas、1983年、J.、Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23:61を参照のこと; Levyら、1985年、Science 228:190;Duringら、1989年、Ann.Neurol.25:351;Howardら、1989年、J.Neurosurg.7 1:105);米国特許第5,679,377号;米国特許第5、916,597;米国特許第5,912,015号;米国特許第5,989,463号;米国特許第5,128,326号;PCT公開番号第WO99/15154号;およびPCT公開番号第WO99/20253号も参照のこと。持続放出製剤において使用されるポリマーの例として、それだけには限らないが、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ無水物、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)およびポリオルトエステルが挙げられる。好ましい一実施形態では、持続放出製剤において使用されるポリマーは、不活性であり、漏出性の不純物を含まず、保存に対して安定であり、無菌であり、生分解性である。さらに別の実施形態は、制御放出または持続放出系は、予防標的または治療標的に近接して配置され得、したがって、全身用量の画分のみを必要とする(例えば、Goodson、In Medical Applications of Controlled Release、上記、2巻、115−138頁(1984年)参照のこと)。

制御放出系は、Langerによる概説(1990年、Science、249:1527−1533頁)において論じられている。本発明の1種以上の治療薬を含む持続放出製剤を作製するために当業者に公知の任意の技法が使用され得る。例えば、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込む、米国特許第4,526、938号、PCT公開番号WO91/05548、PCT公開番号WO96/20698、Ningら、1996年、「Intratumoral Radioimmunotheraphy of Human Colon Cancer Xenograft Using Sustained−Release Gel」、Radiotherapy&Oncology、39:179−189頁、Songら、1995年、「Antibody Mediated Lung Targeting of Long−Circulating Emulsions」、PDA Journal of Pharmaceutical Science&Technology 50:372−397頁、Cleekら、1997年、「Biodegradable Polymeric Carriers for bFGF Antibody for Cardiovascular Application」、Pro.Int’l.Symp.Control.Rel.Bioact.Mater.24:853−854頁およびLamら、1997年、「Microencapsulation of Recombinant Humanized Monoclonal Antibody for Local Delivery」、Proc.Int’l.Symp.Control Rel.Bioact.Mater.24:759−760頁を参照のこと。

特定の実施形態では、本発明の組成物が、予防薬または治療薬をコードする核酸である場合には、そのコードされる予防薬または治療薬の発現を促進するために、適当な核酸発現ベクターの一部として構築することおよび細胞内に入るようにそれを投与することによって、例えば、レトロウイルスベクターを使用することによって(米国特許第4,980,286号参照のこと)、または直接注射によって、または微粒子銃を使用することによって(例えば、a gene gun;Biolistic、DuPont)、または脂質もしくは細胞表面受容体もしくはトランスフェクト剤を用いてコーティングすることによって、または核に入ると知られているホメオボックス様ペプチドと関連して投与することによって(例えば、Joliotら、1991年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:1864−1868頁参照のこと)、核酸はインビボで投与され得る。または、核酸は、相同組換えによる発現のために細胞内に導入され、宿主細胞DNA内に組み込まれ得る。

本発明の医薬組成物は、その意図される投与経路と適合するよう製剤される。投与経路の例として、それだけには限らないが、非経口(例えば、静脈内、皮内、皮下)、経口、鼻腔内(例えば、吸入)、経皮(例えば、局所)、経粘膜および直腸投与が挙げられる。特定の実施形態では、組成物は、ヒトへの静脈内、皮下、筋肉内、経口、鼻腔内または局所投与に適している医薬組成物として、常法に従って製剤される。通常、静脈内投与用の組成物は、滅菌等張性水性バッファー中の溶液である。必要に応じて、組成物はまた、可溶化剤および注射の部位での疼痛を和らげるためリグノカムン(lignocamne)などの局所麻酔薬も含み得る。

本発明の組成物が、局所的に投与される場合には、組成物は、軟膏、クリーム、経皮パッチ、ローション、ゲル、シャンプー、スプレー、エアゾール、溶液、エマルジョンの形態または当業者に周知のその他の形態で製剤され得る。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms、第19版、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.(1995年)参照のこと。噴霧できない局所投与形には、局所適用に適合する担体または1種以上の賦形剤を含み、好ましくは、水より大きい動粘性係数を有する、粘性から半固体または固体形態が、通常使用される。適した製剤として、制限するものではなく、溶液、懸濁液、エマルジョン、クリーム、軟膏(ointment)、散剤、リニメント剤、軟膏(salves)などが挙げられ、これらは、必要に応じて、滅菌されるか、または例えば浸透圧などの種々の特性に影響を及ぼすために補助剤(例えば、保存料、安定化剤、湿潤剤、バッファーまたは塩)と混合される。その他の適した局所投与形として、好ましくは、固体または液体不活性担体と組み合わせた有効成分が、加圧された揮発性物質(例えば、ガス状噴射剤、例えば、freon)との混合物中にまたはスクイーズボトル中にパッケージされている噴霧性エアゾール製剤が挙げられる。必要に応じて、保湿剤または保水剤も、医薬組成物および投与形に添加され得る。このようなさらなる成分の例は、当技術分野で周知である。

本発明の方法が、組成物の鼻腔内投与を含む場合には、組成物は、エアゾール形態、スプレー、ミストまたは滴剤の形態で製剤され得る。特に、本発明に従って使用するための予防薬または治療薬は、適した噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適したガス)を使用して、加圧パックまたは噴霧器からエアゾールスプレーの体裁という形態で簡便に送達され得る。加圧エアゾールの場合には、投与単位は、定量を送達するためのバルブを提供することによって決定され得る。化合物およびラクトースまたはデンプンなどの適した散剤基剤の散剤ミックスを含有する、吸入器(inhaler)または吸入器(insufflator)において使用するためのカプセル剤およびカートリッジ(例えば、ゼラチンからなる)が製剤され得る。

本発明の方法が、経口投与を含む場合には、組成物は、錠剤、カプセル剤、カシェ剤、ジェルキャップ、溶液、懸濁液などの形態で経口的に製剤され得る。錠剤またはカプセル剤は、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);増量剤(例えば、ラクトース、微晶質セルロースまたはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはグリコール酸ナトリウムデンプン);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの医薬として許容される賦形剤を用い、従来の手段によって調製され得る。錠剤は、当技術分野で周知の方法によってコーティングされてもよい。経口投与のための液体製剤は、それだけには限らないが、溶液、シロップ剤または懸濁液の形態をとり得る、またはそれらは使用前に水もしくはその他の適した媒体で構成するための乾燥製剤として調製され得る。このような液体製剤は、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または硬化食用脂肪);乳化剤(例えば、レシチンまたはアラビアガム);非水性媒体(例えば、アーモンドオイル、油性エステル、エチルアルコールまたは精留植物油);および保存料(例えば、メチルまたはプロピル−p−ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)などの医薬として許容される添加剤を用い、従来の手段によって調製され得る。製剤はまた、適宜、バッファー塩、矯味剤、着色剤および甘味剤も含有し得る。経口投与用製剤は、予防薬または治療薬(複数可)の徐放、制御放出または持続放出のために適宜製剤され得る。

本発明の方法は、例えば、エアロゾル化剤を用いて製剤された組成物の吸入器または噴霧器の使用による肺の投与を含み得る。例えば、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,019,968号、同5,985,320号、同5,985,309号、同5,934,272号、同5,874,064号、同5,855,913号、同5,290,540号および同4,880,078号;およびPCT公開番号WO92/19244、WO97/32572、WO97/44013、WO98/31346およびWO99/66903参照のこと。特定の実施形態では、本発明の抗体、併用療法および/または本発明の組成物は、Alkermes AIR肺薬剤送達技術(Alkermes、Inc.、Cambridge、Mass.)を使用して投与される。

本発明の方法は、注射による(例えば、ボーラス注射または連続注入による)非経口投与用に製剤された組成物の投与を含み得る。注射用製剤は、防腐剤を加えた単位投与形で(例えば、アンプル中で、または複数用量容器中で)提示され得る。組成物は、油性または水性媒体中の懸濁液、溶液またはエマルジョンなどの形態をとり得、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤などの処方剤(formulatory agents)を含有し得る。または、有効成分は、使用前に適した媒体(例えば、滅菌発熱物質不含水)を用いて構成するための散剤形態であり得る。

本発明の方法は、デポー製剤として製剤された組成物の投与をさらに含み得る。このような長時間作用型製剤は、移植(例えば、皮下に、または筋肉内に)によって、または筋肉注射によって投与され得る。したがって、例えば、組成物は、適したポリマー物質または疎水性物質を用いて(例えば、許容されるオイル中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂を用いて、または難溶性誘導体として(例えば、難溶性塩として)製剤され得る。

本発明の方法は、中性のまたは塩の形態として製剤された組成物の投与を包含する。医薬として許容される塩として、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などから誘導されるものなどの陰イオンを用いて形成されるもの、ならびにナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するものなどの陽イオンを用いて形成されるものが挙げられる。

一般に、組成物の成分は、別個に、または単位投与形中に一緒に混合されて、例えば、活性薬剤の量を示すアンプルまたはサシェなどの密閉された容器中の無水凍結乾燥散剤または無水濃縮物として供給される。投与様式が注入である場合には、組成物は、滅菌医薬等級水または生理食塩水を含有する注入ビンを用いて分配され得る。投与様式が注射によってである場合には、滅菌注射水または生理食塩水のアンプルは、成分が投与に先立って混合され得るように提供され得る。

特に、本発明はまた、本発明の予防薬または治療薬または医薬組成物のうち1種以上が、薬剤の量を示すアンプルまたはサシェなどの密閉された容器中にパッケージングされることを提供する。一実施形態では、本発明の予防薬または治療薬または医薬組成物のうち1種以上が、密閉された容器中の無水滅菌凍結乾燥散剤または無水濃縮物として供給され、(例えば、水または生理食塩水を用いて)被験体に投与するための適当な濃度に再構成され得る。好ましくは、本発明の予防薬または治療薬または医薬組成物のうち1種以上は、少なくとも5mg、より好ましくは、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも75mgまたは少なくとも100mgの単位投与量で密閉された容器中の無水滅菌凍結乾燥散剤として供給される。本発明の凍結乾燥予防薬または治療薬または医薬組成物は、その元の容器中で、2℃から8℃の間で保存されなくてはならず、本発明の予防薬または治療薬または医薬組成物は、再構成された後、1週間以内に、好ましくは、5日以内に、72時間以内に、48時間以内に、24時間以内に、12時間以内に、6時間以内に、5時間以内に、3時間以内にまたは1時間以内に投与されなくてはならない。代替の実施形態では、本発明の予防薬または治療薬または医薬組成物のうち1種以上が、薬剤の量および濃度を示す密閉された容器中の液体形態で供給される。投与される組成物の液体形態は、密閉された容器中で、少なくとも0.25mg/ml供給されることが好ましく、より好ましくは、少なくとも0.5mg/ml、少なくとも1mg/ml、少なくとも2.5g/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/ml、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも75mg/mlまたは少なくとも100mg/mlである。液体形態は、その元の容器中で、2℃から8℃の間で保存されなくてはならない。

本発明の抗体および抗体部分は、非経口投与に適した医薬組成物中に組み込まれ得る。好ましくは、抗体または抗体部分は、0.1−250mg/mlの抗体を含有する注射用溶液として調製される。注射用溶液は、フリントまたはアンバーバイアル、アンプルまたは薬剤充填済みシリンジ中の液体または凍結乾燥投与形のいずれかからなり得る。バッファーは、pH5.0から7.0(最適には、pH6.0)のL−ヒスチジン(1−50mM)、最適には、5−10mMであり得る。その他の適したバッファーとして、それだけには限らないが、コハク酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムが挙げられる。溶液の毒性を改変するために、塩化ナトリウムが、0−300mM(最適には、液体投与形には150mM)の濃度で使用され得る。凍結乾燥投与形には、凍結保護物質、主に0−10%スクロース(最適には、0.5−1.0%)が含まれ得る。その他の適した凍結保護物質として、トレハロースおよびラクトースが挙げられる。凍結乾燥投与形には、充填剤、主に、1−10%マンニトール(最適には、2−4%)も含まれ得る。液体および凍結乾燥投与形の両方において、安定化剤、主に、1−50mM L−メチオニン(最適には、5−10mM)も使用され得る。その他の適した充填剤として、グリシン、アルギニンが挙げられ、0−0.05%ポリソルベート−80(最適には、0.005−0.01%)として含まれ得る。さらなる界面活性剤として、それだけには限らないが、ポリソルベート20およびBRIJ界面活性剤が挙げられる。非経口投与用の注射用溶液として調製された本発明の抗体および抗体部分を含む医薬組成物は、アジュバントとして有用である薬剤、例えば、吸収を増大させるよう使用されるものまたは治療用タンパク質(例えば、抗体)の分散物をさらに含み得る。特に有用なアジュバントとして、HYLENEX(組換えヒトヒアルロニダーゼ)などのヒアルロニダーゼがある。注射用溶液におけるヒアルロニダーゼの添加は、非経口投与、特に、皮下投与後のヒトバイオアベイラビリティを改善する。また、より少ない疼痛および不快感、ならびに最小の注射部位反応の発生率しか伴わずに、より大きな注射部位容積(すなわち、1ml超)を可能にする。(参照により本明細書に組み込むWO2004078140、US2006104968を参照のこと)。

一実施形態では、本発明は、本発明の抗体、例えば抗体Ab102、ヒスチジン、およびポリソルベート、例えばポリソルベート80を含む医薬組成物を包含する。一実施形態では、本発明は、配列番号41のアミノ酸を含む重鎖および配列番号40のアミノ酸を含む軽鎖を含む抗体、ヒスチジン、およびポリソルベート、例えばポリソルベート80を含む医薬組成物を包含する。特定の実施形態では、医薬組成物は凍結乾燥されたものである。

本発明の組成物は、種々の形態であり得る。これらとして、例えば、液体溶液(例えば、注射用溶液および注入用溶液)、分散物または懸濁液、錠剤、丸剤、散剤、リポソームおよび坐剤などの液体、半固体および固体投与形が挙げられる。好ましい形態は、意図される投与様式および治療適用に応じて変わる。通常好ましい組成物は、その他の抗体を用いるヒトの受動免疫処置に使用されるものと類似の組成物などの注射用溶液または注入用溶液の形態である。好ましい投与様式は、非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。好ましい一実施形態では、抗体は、静脈内注入または注射によって投与される。別の好ましい実施形態では、抗体は、筋肉内注射または皮下注射によって投与される。

治療用組成物は、通常、無菌で、製造および保存の条件下で安定でなくてはならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散物、リポソームまたは高い薬物濃度に適したその他の秩序構造として製剤され得る。滅菌注射用溶液は、適当な溶媒中の必要な量で活性化合物(すなわち、抗体または抗体部分)を、必要に応じて上記で列挙された成分のうち1種またはそれらの組合せとともに組み込むこと、続いて、濾過滅菌することによって調製され得る。一般に、分散物は、活性化合物を、基本分散媒および上記で列挙されたもののうち必要なその他の成分を含有する滅菌媒体に組み込むことによって調製される。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌凍結乾燥散剤の場合には、好ましい調製方法は、真空乾燥ならびに有効成分および先に滅菌濾過したその溶液に由来する任意のさらなる所望の成分の散剤が得られる噴霧乾燥である。溶液の適切な流動度は、例えば、レシチンなどのコーティングを使用することによって、分散物の場合には必要な粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持され得る。注射用組成物の長期吸収は、組成物中に、吸収を遅延する薬剤、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを含めることによってもたらされ得る。

多くの治療適用にとって、好ましい投与経路/様式は、皮下注射、静脈内注射または注入であるが、本発明の抗体および抗体部分は、当技術分野で公知の種々の方法によって投与され得る。投与の経路および/または様式は、所望の結果に応じて変わるということは、当業者ならば理解されよう。特定の実施形態では、活性化合物は、化合物を迅速放出から保護する担体を用い、例えば、インプラント、経皮パッチおよびマイクロカプセル化送達系を含めた制御放出製剤として調製され得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーは使用され得る。このような製剤を調製するための多数の方法が、特許権が取られているか、当業者には一般的に知られている。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems、J.R. Robinson編、Marcel Dekker、Inc.、New York、1978年を参照のこと。

特定の実施形態では、本発明の抗体または抗体部分は、例えば、不活性希釈液または吸収可能食用担体とともに経口投与され得る。化合物(および必要に応じて、その他の成分)はまた、ハードまたはソフトシェルゼラチンカプセル剤中に封入されても、錠剤に打錠されても、または被験体の食事に直接組み込まれてもよい。経口治療投与には、化合物は、賦形剤とともに組み込まれ、摂取可能な錠剤、頬側錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウェハースなどの形態で使用され得る。本発明の化合物を、非経口投与以外によって投与するには、化合物をその不活化を防ぐ物質によってコーティングするまたは化合物をその不活化を防ぐ物質と同時投与する必要があり得る。

その他の実施形態では、本発明の抗体または抗体部分は、ポリマーに基づく種とコンジュゲートされ得、その結果、前記ポリマーに基づく種により、前記本発明の抗体または抗体部分に十分なサイズが付与され得、その結果、前記本発明の抗体または抗体部分に、透過性および蓄積の増強効果(EPR効果)の利益がもたらされる(PCT公開番号第WO2006/042146A2号および米国特許公開第2004/0028687A1号、同第2009/0285757A1号および同第2011/0217363A1号および米国特許第7,695,719号も参照のこと。(これらそれぞれの全体があらゆる目的について参照により本明細書に組み込む))。

補足の活性化合物もまた、組成物中に組み込まれ得る。特定の実施形態では、本発明の抗体または抗体部分は、CD40活性が有害である障害を治療するために有用である1種以上のさらなる治療薬と共に製剤および/または同時投与される。例えば、本発明の抗hCD40抗体または抗体部分は、その他の標的と結合する1種以上のさらなる抗体(例えば、のサイトカインと結合する抗体または細胞表面分子と結合する抗体)と共に製剤および/または同時投与され得る。さらに、本発明の1種以上の抗体は、前述の治療薬のうち2種以上と組み合わせて使用され得る。このような併用療法は、より低い用量の投与される治療薬を利用することが有利であり得、したがって、種々の単剤療法と関連している潜在的な毒性または合併症を避けながら利用することが有利であり得る。

特定の実施形態では、CD40に対する抗体またはその断片は、当技術分野で公知の半減期延長媒体と連結される。このような媒体として、それだけには限らないが、Fcドメイン、ポリエチレングリコールおよびデキストランが挙げられる。このような媒体は、例えば、いかなる目的に対しても参照により本明細書に組み込む、米国出願公開第09/428082号および公開されたPCT出願番号WO99/25044に記載されている。

特定の実施形態では、本発明の抗体または本発明の別の予防薬または治療薬をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列が、遺伝子療法によって、障害またはその1種以上の症状を治療、予防、管理または寛解させるために投与される。遺伝子療法とは、発現された核酸または発現可能な核酸を被験体に投与することによって実施される治療を指す。本発明のこの実施形態では、核酸はそのコードされた抗体または予防効果もしくは治療効果を媒介する本発明の予防薬もしくは治療薬を生成する。

当技術分野で入手可能な遺伝子療法のための方法のいずれかも、本発明に従って使用され得る。遺伝子療法の方法の一般的な概説については、Goldspielら、1993年、Clinical Pharmacy 12:488−505頁;WuおよびWu、1991年、Biotherapy 3:87−95頁;Tolstoshev、1993年、Ann. Rev.Pharmacol.Toxicol. 32:573−596頁;Mulligan、Science 260:926−932頁(1993年);およびMorgan and Anderson、1993年、Ann.Rev.Biochem.、62:191−217頁;5月、1993年、TIBTECH 11(5):155−215頁を参照のこと。使用され得る組換えDNA技術の当技術分野でよく知られている方法は、Ausubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、NY(1993年);およびKriegler、Gene Transfer and Expression、A Laboratory Manual、Stockton Press、NY(1990年)に記載されている。遺伝子療法の種々の方法の詳細な説明は、参照により本明細書に組み込む、米国公開第20050042664 A1号に提供されている。

本明細書に記載された本発明の方法のその他の適した改変および適合は、明らかであり、本発明の範囲または本明細書に記載された実施形態から逸脱することなく、適した等価物を使用して行われ得るということは、当業者には容易に明らかとなる。ここで、本発明を詳細に記載したが、これは、単に例示目的で含まれるのであって、本発明を制限するものではないことが、以下の実施例を参照することによってより明確に理解される。

[実施例1]:アンタゴニスト抗ヒトCD40(hCD40)モノクローナル抗体 CD40特異的アンタゴニスト抗体を同定するために、ハイブリドーマ技術を使用してマウスモノクローナル抗CD40抗体を単離した。

手短には、マウスを、ヒトCD40抗原およびアジュバントを用いて免疫処置した。抗原を数週間にわたって数回投与することを含む免疫処置後、各免疫処置された動物由来の血清を採取した。次いで、血清を、標準のELISAおよびフローサイトメトリーアッセイを使用して試験して、CD40を検出することができる抗体を有する血清を同定した。結合アッセイに基づいてマウス血清中のCD40特異的抗体の存在が検出されたら、マウス脾臓を回収し、抗体産生細胞を標準の技法に従って単離した。次いで、脾細胞を公知の技法によって融合して抗体産生骨髄腫細胞を形成した。融合後、ハイブリドーマをELISAおよびフローサイトメトリーによってスクリーニングしてCD40遮断および中和特性を有する種々の抗体を決定した。

スクリーニング後、大多数の抗体はアゴニスト活性を有すると同定されたが、マウスモノクローナル抗体のうちの3種(Ab1、Ab2およびAb3)は、CD40に対してアンタゴニスト活性を有し、実質的なアゴニスト活性を伴わないと同定された。これらの3種のマウス抗体の重鎖および軽鎖アミノ酸配列を以下の表7−9に記載する。可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)内のCDRが太字で示されている(それぞれCDR1、CDR2およびCDR3)。

3種の抗CD40アンタゴニストマウスモノクローナル抗体(Ab1、Ab2およびAb3)に由来するCDR領域のコンセンサス配列が同定され、それが上の表5に提供されている。3種のマウス抗体の可変領域アミノ酸配列のアラインメントは、図4A(軽鎖)および4B(重鎖)においても提供される。

3種の抗体のマウス重鎖可変領域および軽鎖可変領域(VHおよびVL)を、逆転写酵素PCR(RT−PCR)を使用してクローニングした。これらのVH領域およびVL領域(上の表7−9に記載)をその後、ヒト免疫グロブリン(Ig)定常領域を含むベクターにクローニングし、次いで、哺乳動物宿主細胞においてキメラ抗体として発現させた。次いで、これらのヒトキメラ抗体(ヒト定常およびマウス可変領域)を、インビトロアッセイを使用して特徴付けて、これらがそれぞれアンタゴニストおよび/またはアゴニスト効果を有するかどうかを決定した。

FACS分析を使用して、3種のキメラ抗CD40抗体がヒト胎児由来腎臓(HEK)細胞上に発現したhuCD40またはカニクイザルCD40のいずれかと結合することができるかどうかを決定した。3種のキメラ抗体のそれぞれが、HEK細胞上に発現したヒトCD40に結合することができたが、カニクイザルCD40を認識したのはキメラ抗体のうち2種だけであり、キメラ抗体3(chAb3)はカニクイザルCD40に結合しなかった。FACS結合試験の結果が表10に要約されている。

FACS分析を使用して、3種のキメラ抗体が可溶性CD40リガンド(sCD40L)とCD40の結合を阻害することができるかどうかも決定した。CD40発現HEK細胞を使用して、IC50値を測定した。表10に記載の通り、キメラ抗体のそれぞれがCD40とそのリガンドの結合を遮断することができた。

結合アッセイに加えて、アンタゴニスト活性およびアゴニスト活性を、NFkB媒介性アルカリホスファターゼ(AP)と連結したヒトCD40を発現するCD40発現レポーター細胞株を使用して測定した。CD40発現レポーター細胞株アッセイでは、シグナルがCD40を通じて受け取られることでNFkB活性化により導かれるAPの分泌を、比色定量基質によって測定する。アンタゴニスト活性を決定するために、CD40レポーター細胞株(HEK)を、CD40Lを発現するジャーカット細胞株(生理的リガンド相互作用をもたらす)または可溶性CD40L(例えば、表10において参照されるHis−CD40L)のいずれかと一緒に培養した。抗CD40抗体のNFkBシグナルを遮断する能力を測定した。アゴニスト活性を測定するために、ヒトCD40レポーター細胞株を、抗CD40抗体を用いて直接処理し、NFkBシグナルを測定した。3種のキメラ抗体についての代表的なCD40アンタゴニストおよびアゴニストアッセイのデータが表10ならびに図1Aおよび1Bに要約されている。

表10および図1に記載の通り、抗CD40キメラ抗体は、アンタゴニスト活性を示し、検出可能なアゴニスト活性はなかった。上記の実験からの結果に基づいて、抗CD40アンタゴニスト抗体Ab1およびAb3に由来する重鎖可変領域および軽鎖可変領域をヒト化のために選択した。

[実施例2]:アンタゴニスト抗CD40抗体Ab1およびAb3のヒト化 アンタゴニスト抗CD40抗体Ab1のヒト化 ヒト化抗体をAb1の可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)CDR配列に基づいて作製した。詳細には、ヒト生殖系列配列を、Ab1のVH鎖およびVL鎖のCDRドメインが異なるヒト重鎖および軽鎖アクセプター配列にグラフト化された、CDRグラフト化されたヒト化Ab1抗体を構築するために選択した。モノクローナル抗体Ab1のVH配列およびVL配列を用いたアラインメントに基づいて、以下のヒト配列をアクセプターとして選択した: 1.重鎖アクセプター配列を構築するためのIGHV3−21*01およびIGHJ6*01 2.重鎖を構築するための代替アクセプターとしてのIGHV3−48*01およびIGHJ6*01 3.軽鎖アクセプター配列を構築するためのIGKV4−1*01およびIGKJ2*01 4.軽鎖を構築するための代替アクセプターとしてのIGKV2−40*01およびIGKJ2*01 次いで、CDRグラフト化抗体を、Ab1の対応するVH CDRおよびVL CDRを上の1−4に記載されているアクセプター配列にグラフト化することによって調製した。

フレームワーク復帰突然変異(複数可)を有するヒト化抗体を作製するために、フレームワーク突然変異を同定し、CDRグラフト化抗体に導入した。これらの突然変異を、復帰突然変異(複数可)を有する可変ドメインの新規合成およびポリメラーゼ連鎖反応における変異原性オリゴヌクレオチドプライマーを含む、標準の技法を使用して導入した。以下の通りCDRグラフト化抗体(抗体Ab1のCDRを含有する)のそれぞれについて逆突然変異およびその他の突然変異の種々の組合せを構築した。(注:下記の突然変異についての残基番号は、Kabat番号付けシステムに基づく。) CDRグラフト化抗体の重鎖については、以下のバーニアおよびVH/VL界面残基のうちの1つ以上を復帰突然変異させた:V48Iおよび/またはS49A。

CDRグラフト化抗体の軽鎖については、以下のバーニアおよびVH/VL界面残基を復帰突然変異させた:Y36F。

マウスモノクローナルAb1に由来するヒト化抗体の可変領域の説明が以下に提供される: ・ヒト化Ab1(huAb1 VH.1)は、IGHV3−21*01およびIGHJ6*01フレームワーク配列を含有するCDRグラフト化Ab1 VHである; ・ヒト化Ab1VH.1a(huAb1 VH.1A)は、以下の2つのフレームワーク復帰突然変異:V48I、S49Aを有するhuAb1 VH.1のアミノ酸配列を含むヒト化重鎖である; ・ヒト化Ab1VL.1(huAb1 VL.1)は、IGKV4−1*01およびIGKJ2*01フレームワーク配列を含有するCDRグラフト化Ab1 VLである;ならびに ・ヒト化Ab1VL.1a(huAb1 VL.1A)は、huAb1 VL.1に基づくヒト化軽鎖であり、1つの提唱されたフレームワーク復帰突然変異:Y36Fを含有する。

注:IGHV3−21_IGHJ6は、IGHV3−21*01およびIGHJ6*01に対応する可変配列を含む抗体を指す。

次いで、ヒト化可変領域を、以下の重鎖可変領域と軽鎖可変領域との組合せに基づく4種の異なるヒト化抗体の機能的特徴付けのために、IgG発現ベクターにクローニングした: A.huAb1 VH.1/VL.1 B.huAb1 VH.1A/VL.1 C.huAb1 VH.1/VL.1A D.huAb1 VH.1A/VL.1A 前述のヒト化抗体の可変領域およびCDRアミノ酸配列は、以下の表11に記載されている。

上記の通り、Ab1のVH領域およびVL領域のヒト化型のCDRは、マウスAb1抗体と同一であった。

アンタゴニスト抗CD40抗体3(Ab3)のヒト化 ヒト化抗体を、Ab3の可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)CDR配列に基づいても作製した。ヒト生殖系列配列を、Ab3のVH鎖およびVL鎖のCDRドメインが異なるヒト重鎖および軽鎖アクセプター配列にグラフト化された、CDRグラフト化されたヒト化Ab3抗体を構築するために選択した。モノクローナル抗体Ab3のVH配列およびVL配列を用いたアラインメントに基づいて、以下のヒト配列をアクセプターとして選択した: 1.重鎖アクセプター配列を構築するためのIGHV3−69*06およびIGHJ6*01 2.重鎖を構築するための代替アクセプターとしてのIGHV1−18*01およびIGHJ6*01 3.軽鎖アクセプター配列を構築するためのIGKV2−29*02およびIGKJ2*01 4.軽鎖を構築するための代替アクセプターとしてのIGKV2−28*01およびIGKJ2*01 CDRグラフト化抗体を、Ab3の対応するVH CDRおよびVL CDRを上の1−4に記載されているアクセプター配列にグラフト化することによって調製した。

フレームワーク復帰突然変異(複数可)を有するヒト化抗体を作製するために、いくつものフレームワーク突然変異を同定し、CDRグラフト化抗体に導入した。これらの突然変異を、復帰突然変異(複数可)を有する可変ドメインの新規合成およびポリメラーゼ連鎖反応における変異原性オリゴヌクレオチドプライマーを含む、標準の技法を使用して導入した。逆突然変異を含む突然変異の種々の組合せをCDRグラフト化抗体(抗体Ab3のCDRを含有する)のそれぞれについて構築した。(注:下記の突然変異についての残基番号はKabat番号付けシステムに基づく。) 重鎖Ab3については、以下のバーニアおよびVH/VL界面残基のうちの1つ以上を復帰突然変異させた:M48I、V67A、I69L。さらに、Q1Eの変化を検討した。Q1E突然変異を、ピログルタミン酸形成を防止するために導入した。

軽鎖Ab3については、以下のバーニアおよびVH/VL界面残基のうちの1つ以上を復帰突然変異させた:Y36F、L46Y。

マウスモノクローナルAb3に由来するヒト化抗体の可変領域の説明が下に記載されている: ・huAb3VH.1zは、IGHV1−69*06およびIGHJ6*01フレームワーク配列を含有するCDRグラフト化されたヒト化Ab3 VHである。

・huAb3VH.1は、ピログルタミン酸形成を防止するためのQ1E変化を有するhuAb3VH.1zに基づく ・huAb3VH.1Aは、huAb3VH.1に基づくヒト化設計であり、3つのさらなるフレームワーク復帰突然変異:M48I、V67A、I69Lを含有する。

・huAb3VH.1bは、huAb3VH.1とhuAb3VH.1Aとの間の中間の設計であり、1つの提唱されたフレームワーク復帰突然変異:I69Lを含有する。

・huAb3VL.1は、IGKV2−28*01およびIGKJ2*01フレームワーク配列を含有するCDRグラフト化されたヒト化Ab3 VLである。

・huAb3VL.1Aは、huAb3VL.1に基づくヒト化設計であり、2つのフレームワーク復帰突然変異:Y36F、L46Yを含有する。

・huAb3VL.1Bは、huAb3VL.1とhuAb3VL.1Aとの間の中間の設計である。これは、1つの提唱されたフレームワーク復帰突然変異:L46Yを含有する。

*IGHV1−69_IGHJ6は、IGHV1−69*06およびIGHJ6*01生殖系列配列で構成されることにも注意されたい。

次いで、ヒト化可変領域を、以下の重鎖可変領域と軽鎖可変領域の組合せに基づく9種の異なるヒト化抗体の機能的特徴付けのために、IgG発現ベクターにクローニングした: A.huAb3VH.1/VL.1 B.huAb3VH.1B/VL.1 C.huAb3VH.1A/VL.1 D.huAb3VH.1/VL.1A E.huAb3VH.1B/VL.1A F.huAb3VH.1A/VL.1A G.huAb3VH.1/VL.1B H.huAb3VH.1B/VL.1B I.huAb3VH.1A/VL.1B 前述のヒト化抗体の可変領域およびCDRアミノ酸配列は、以下の表12に記載されている。

上記の通り、Ab3のVH領域およびVL領域のヒト化型のCDRはマウスAb3抗体と同一であった。

Ab3はカニクイザルCD40と結合しなかったので(実施例1を参照のこと)、Ab1のヒト化型をさらなる分析ために選択した。

[実施例3]:ヒト化Ab1抗体のVL CDR1の改変 上記のヒト化Ab1 VHおよびVL抗体配列の調査により、軽鎖のCDR1において露出している潜在的な脱アミド配列モチーフ(「NS」モチーフ)が同定された。同定された「NS」モチーフ部位は、脱アミドおよび加水分解を導く可能性があり、スクシンイミド中間体およびアスパルチルASPまたはイソASPをもたらす可能性がある。したがって、配列モチーフを操作してヒト化Ab1 VL CDR1配列からなくした。「NS」モチーフの除去により、改善された抗体製造が可能になる。

ヒト化Ab1のさらなる操作により、6種の異なる抗体がもたらされた。注目すべきことに、4種はアンタゴニスト活性を保持したが、2種はアゴニスト抗体になった(huAb1v4およびhuAb1v3)。表14に示されている通り、huAb1v4およびhuAb1v3は、huCD40レポーターアッセイによって決定される、アゴニスト活性を示したが、Jurkat/レポーターアッセイにおいて決定される、アンタゴニスト活性は示さなかった。変異ヒト化Ab1抗体(huAb1v1からhuAb1v6まで)のVHアミノ酸配列およびVLアミノ酸配列ならびにCDRが下の表13に記載されている。

VL CDR1における「NS」モチーフの改変に加えて、上の表13に記載されている変異huAb1v2およびhuAb1v3は、これらのVHドメインにさらなるフレームワーク突然変異を有する。

以下の表14は、変異体結合、アゴニスト活性およびアンタゴニスト活性の要約を提供する。アッセイの説明は、上の実施例2において見出すことができる。以下の表14において、VL CDR1内の突然変異させた「NS」モチーフに下線が引かれている。表14に記載の通り、抗体huAb1v4(VL CDR1ドメインに「P」突然変異を含有する)およびhuAb1v3(VL CDR1ドメインに「L」突然変異を含有し、VH領域内にフレームワーク突然変異を含有する)は、アンタゴニスト活性を有する親抗体に由来するにもかかわらず、アゴニスト活性を示した。

ヒト化抗CD40抗体huAb1v1を、さらなる試験および改善のために選択した。

[実施例4]:抗CD40抗体huAb1v1のHC CDR2の操作 実施例3に記載の変異体から、抗体huAb1v1をさらなる分析のために選択した。この抗体の効力をさらに改善するために、HC CDR2ドメイン内に突然変異を含有するhuAb1v1重鎖(HC)の変異体を製造した。17種のさらなる変異体を作製した(名称huAb1v1CDR2v1からhuAb1v1CDR2v17)。変異体HC領域を、アゴニスト活性およびアンタゴニスト活性を決定するための活性試験のためにhuAb1v1 LC(配列番号20)と対合させた。17種の変異体重鎖を作製し、インビトロ活性試験から、一般に、変異体が、huAb1v1と比較して、それらのアンタゴニスト活性および多様な効力を保持することが示された。表15は、抗体変異体はアンタゴニスト活性を維持したが、各変異体の効力は変動したことを示す。

全てのhuAb1v1 HC変異体は、下の表16に記載されている通り、S55位において突然変異させたものである(55位に下線が引かれている)。

以下の表17は、上記のhuAb1v1変異体の、S55残基(太字/下線が引かれている)を操作した後のHC CDR2領域の比較を提供する。huAb1v1のVH CDR2領域は、配列番号15のアミノ酸残基50−66に対応する。

重鎖可変領域huAb1v1CDR2v7は、製造され、上の表15−17に記載されているその他の変異体と比較して特に有利な性質を有するので、これを選択した。特に、huAb1v1CDR2v7は、HC CDR2にS55Gと同定される突然変異を有する。詳細には、抗体huAb1v1のVL(配列番号20;表13参照)およびVH huAb1v1CDR2v7を含有する抗体が、抗体huAb1v1と比較して20倍増大したアンタゴニスト活性を有することが決定された。

huAbv1のVLおよびhuAb1v1CDR2v7のVHを、2種の異なるヒトIgG1定常領域に関して発現させた。1つのIgG1定常領域は、そのエフェクター機能が低下したので選択し(hCg1、z、非L234A、L235AまたはLALA)、その他のIgG1定常領域は、そのエフェクター機能が低下しかつFcRn結合を増強する突然変異のセットを有したので選択した(hCg1、z、非L234A、L235A−T250Q、M428LまたはLALA−QL)。以下の表18および19は、抗ヒトCD40抗体Ab101(VL huAbv1/VH huAb1v1CDR2v7/hCg1/k−LALA)およびAb102(VL huAbv1/VH huAb1v1CDR2v7/hCg1/k−LALA−QL)の重鎖および軽鎖についてのアミノ酸配列情報を提供する。各VH配列またはVL配列の個々のCDRのアミノ酸残基が太字で示されている。表19では定常領域に下線が引かれている。

[実施例5]:ヒト化アンタゴニスト抗hCD40抗体Ab101およびAb102の機能的特徴付け インビトロ分析 ヒト化抗CD40抗体Ab101およびAb102はどちらも、実施例1に記載のレポーターアッセイの所見と同様のアンタゴニスト活性を示した。残留するアゴニスト活性は、潜在的なリスクに関連するので、B細胞アゴニストアッセイを展開した。このアッセイでは、抗体をヒトB細胞におけるCD86上方制御の阻害について評価する。ヒトB細胞は、CD40を構成的に発現し、CD40を通じたシグナル伝達により、細胞表面上のCD86の上方制御によって測定される、B細胞の活性化が導かれる。B細胞を、低用量の抗IgMおよび抗IL4を用いて活性化し、CD40アンタゴニスト抗体を添加した。B細胞活性化の増強をCD86の上方制御として測定し、これは、アゴニストCD40の存在下では観察されたがアンタゴニストCD40 Abの存在下では観察されず、これにより、インビトロにおけるリード候補のアゴニスト活性が検出不可能であることが示唆される。アンタゴニスト活性を測定するために、初代ヒトB細胞を、CD40/CD40L相互作用によってB細胞活性化およびCD86発現の上方制御を導くCD40L発現ヒトT細胞株と一緒に培養した。アンタゴニストCD40の、初代ヒトB細胞のCD86上方制御を阻害する能力を測定し、それにより、図2Bに示されている通り、抗CD40抗体Ab101の強力なアンタゴニスト活性が示された。図2Aは、抗体Ab101がアゴニスト活性を有さないことを示す。特に、図2Bに記載の通り、アンタゴニスト抗体BIb(Boehringer Ingelheim)が4.213のIC50値を有し、アゴニスト抗体AD11(Astellas)が0.1906のIC50値を有したのと比較して、抗体Ab101は、1.337のIC50値を有した。したがって、抗体Ab101(および可変領域が同一であることを考慮してAb102)は、CD40の強力なアンタゴニストであり、実質的なインビトロアゴニスト活性は示さない。

インビボ分析 抗体Ab101のインビボ活性を試験するために、ヒト抗体作製およびB細胞生存のモデルを確立した。手短には、健康なドナーから単離されたヒトPBMCを免疫無防備状態のscidマウスに移入したところ、14日後に、マウス抗原に応答したヒトIgGの産生が測定可能であった。さらに、これらのマウス由来の脾細胞のFACS分析により、ヒトB細胞の生着および生存が示された。抗原特異的応答を、破傷風トキソイド(TetTox)ワクチンを用いた攻撃を含め、抗TetTox特異的IgGを測定することによって測定した(Naito、2000年;Jeurissen、2004年)。

これらのhuscidマウスを抗ヒトCD40(Ab101、5mg/kg、IP)の週に1回の投薬で処置することにより、ヒトIgG産生(図3A)およびB細胞生存(図3B)の>85%阻害がもたらされ、これにより、抗体がインビボにおいて活性であることが明白に実証される。詳細には、図3Aは、抗体Ab101が、Ig対照と比較してIgG産生を阻害することができたことを示し、図3Bは、上記のhuscidモデルにおける抗体Ab101の投与により、B細胞生存が阻害されたことを示す。

[実施例6]:Fab Ab102のエピトープ分析 Fab Ab102を使用して、Fab Ab101が結合するエピトープを決定するために結晶学的試験を実施した。上記の通り、抗体Ab101とAb102のVH配列およびVL配列は同じであり、したがって、以下の結晶構造試験におけるFab Ab102の使用は、抗体Ab101およびAb102の両方の結合特徴を表す。

Ab102 Fab単独についておよびAb101 FabとCD40抗原との複合体について結晶構造を決定した。結晶を得、IMCA−CAT 17ID beamlineでデータを収集した。Ab102 Fabの結晶構造は1.74Åの分解能まで解析され、Ab102 Fab/CD40複合体構造は2.84Åの分解能まで解析された。結晶構造により、Ab102 Fabの3D立体構造エピトープの同定がもたらされた。

Ab102 Fabの3D立体構造エピトープの同定 Ab102 FabとCD40との間の接触には、界面を安定化する重要な水素結合および疎水性相互作用の両方を伴う。分子接触の一覧(4.0Åの下で測定)を、CCP4 suite of programs中のプログラムNCONTを使用して作成した。2つの別々の結晶学的CD40単量体と対応する結合したAb102 Fabの軽鎖および重鎖との間の接触を測定した。Ab102 Fabと結晶学的CD40二量体(結晶の接触によって作製された二量体)との間にさらなる接触が観察された。この情報に基づいて、Ab102 Fab結合に関するエピトープは、CD40のCys62−Phe67、Gln79−Cys83、Arg90−Thr99、Thr24−Cys37によって定義されるトポグラフィー的領域で構成される。

材料および方法 CD40抗原の調製および精製: ヒトCD40細胞外ドメイン(アミノ酸1−193)をコードするDNA配列およびその後にインフレームで続くC末端Tevプロテアーゼ切断部位およびヘキサヒスチジンタグ(配列番号115)を、pHybEベクターにクローニングした。プラスミドを、トランスフェクション試薬ポリエチレンイミン(PEI、Polysciences Inc)をPEI:DNA比4:1で使用し、HEK293 6e細胞(MRL)に1ml当たり細胞1×106個でトランスフェクトした。トランスフェクション後24時間の時点で、トランスフェクトされた細胞培養物にトリプトン−N1を供給した(0.5%まで)。トランスフェクション後7日目に、トランスフェクトされた細胞培養を、遠心分離し、その後、0.2uのPESフィルター(Corning)を通して濾過することによって清澄化した。清澄化された培地を、10kDaの膜(GE Healthcare)を備えたKvick TFFシステムを使用してバッファーをPBS、pH7.4に換え、PBS、pH7.4で平衡化されたHisTrap FFカラム(GE Healthcare)5mlにローディングした。カラムをPBS、pH7.4中25mmのイミダゾールで洗浄し、結合したタンパク質をPBS、pH7.4中250mMのイミダゾールを用いて溶出した。溶出したタンパク質を、10kDaの分子量カットオフを有するAmicon Ultra−15遠心濾過デバイス(Millipore)を使用して濃縮し、平衡化およびランにPBS、pH7.4を用いた26/60 Superdex 200カラム(GE Healthcare)でSECによってさらに精製した。CD40を含有する画分をプールし、濃度を280nmにおける吸光度によって測定し、試料をSEC、SDS−PAGEおよび質量分析によって分析した。[CD40(h)(21−193)]−Tev−His6(配列番号115として開示されている「His6」)を一定分量にして−80℃で貯蔵した。

CD40 Ab102 Fab断片の調製および精製: CD40 Ab102のFab断片を、以下に詳述されている通り、親mAbのパパイン切断によって調製した。パパインを、PBS、pH7.4バッファー中50mMのシステインを用いて活性化した。PBS、pH7.4バッファー中mAb CD40 Ab102 [hu IgG1/k]LALA QLとパパインをパパイン対mAbの重量比1:100で混合し、37℃で1時間インキュベートした。5mMのヨードアセトアミドを用いて反応をクエンチした。混合物を10mlのMab SelectSure resin(GE Healthcare)で精製し、Fab断片をフロースルーとして採取した。Ultrafree−15 Biomax 10kDa分子量カットオフ(MWCO)遠心分離デバイス(Millipore)を使用してフロースルーを濃縮した。濃縮された混合物を、50mMのHEPES、50mMのNaCl、pH7.5バッファー中に予め平衡化した2.6cm×60cmのSephacryl 200 HiPrepカラム(GE Healthcare)で精製した。Fab断片を含有する画分(280nmにおけるUV吸収によってモニタリングされる)をプールし、−80℃で凍結させた。試料純度を分析用SEC、SDS−PAGEおよび質量分析によって評価した。

CD40/CD40 Ab102 Fab複合体調製物: 組換えヒトCD40を哺乳動物発現系において発現させ、その後、当技術分野で周知の技法を使用して精製した。組換えヒトCD40およびCD40 Ab102 Fabタンパク質を1.1:1のモル比で混合し、4℃で4時間インキュベートした。複合体試料を、50mMのHEPES、50mMのNaCl、pH7.5バッファーで予め平衡化した2.6cm×60cmのSephacryl 200 HiPrepカラム(GE Healthcare)に毎分1mlでローディングした。複合体を含有する画分(280nmにおけるUV吸収によってモニタリングされる)をプールし、Ultrafree−15 Biomax 10kDa分子量カットオフ(MWCO)遠心分離デバイス(Millipore)を使用して18mg/mlまで濃縮した。試料純度を分析用SECおよびSDS−PAGEによって評価した。

Ab102 Fab結晶化: Fabを単独で、50mMのHEPES、50mMのNaCl、pH7.5中22.5mg/mlで供給した。結晶を23℃で蒸気拡散法によって成長させた。リザーバーは、25%(w/v)PMME550、0.1MのMES、pH6.5、0.01Mの硫酸亜鉛を含有した。ドロップを、等体積のタンパク質およびリザーバー溶液を添加することによって作製した。結晶は厚い柱として成長し、これを、リザーバー溶液を使用し、10%(v/v)プロピレングリコールを添加して凍結保護した。結晶を回収し、凍結溶液に入れて振り、液体窒素中で直接凍結冷却した。1.74Åまでの回析データを、Argonne National Laboratories(Argonne IL)、Advanced Photon Sourceにおいて、17ID beamline、100Kで気体窒素の下で採取した。

Ab102 FabとCD40抗原の複合体の結晶化: Fab複合体を、50mMのHEPES、50mMのNaCl、pH7.5中18mg/mlで供給した。使用した抗原構築物は、[CD40(h)(21−193)]−TEV−6His(配列番号115として開示されている「His6」)であった。結晶を23℃で蒸気拡散法によって成長させた。リザーバーは、2Mの硫酸アンモニウム、0.1Mのリン酸クエン酸、pH4.2を含有した。等体積のタンパク質およびリザーバー溶液を添加することによってドロップを作製した。結晶は細い棒として成長し、これを、2.5Mの硫酸リチウムを使用して凍結保護した。結晶を回収し、凍結溶液に入れて振り、液体窒素中で直接凍結冷却した。2.84Åまでの回析データを、Argonne National Laboratories(Argonne IL)、Advanced Photon Sourceにおいて、17ID beamline、100Kで気体窒素の下で採取した。

Ab102 FabおよびAb102 FabとCD40の複合体の構造決定 両方の結晶構造についての回析データを、Global Phasing LtdからのプログラムautoPROCを使用して処理した。

Ab102 Fabデータセットを、以下の単位格子の寸法:a=64.65、b=130.4、c=132.6を有する空間群C2221で処理した。最も可能性の高い分子置換の解を、プログラムPHASERを使用し、以前に報告されたFab検索モデル(Protein Data Bank entry 3Q0S)を使用して決定した。1つのFab分子についての座標が分子置換の解に基づいて作製された。得られた溶液の予備精密化を、REFMACおよびプログラムBUSTERを使用して行った。反復的なタンパク質モデル構築を、プログラムCOOTならびに2Fo−FcおよびFo−Fc電子密度マップの調査を使用して行った。精密化を、BUSTERを使用した水分子の付加で終えた。最終的な精密化の統計値により、Rfree/Rwork値が0.23/0.19であることが報告された。

Ab102 FabとCD40との複合体のデータセットを、以下の単位格子の寸法:a=173.3、b=76.0、c=126.1を有する空間群P21212で処理した。最も可能性の高い分子置換の解を、プログラムPHASERを使用し、上で報告した予め解を得られてたAb102 Fabを使用して決定した。分子置換の解に基づいて、2つのFab分子についての座標が見出された。得られた溶液の予備精密化を、REFMACおよびプログラムBUSTERを使用して行った。CD40についてのモデルを、プログラムCOOTならびに2Fo−FcおよびFo−Fc電子密度マップの調査を使用して手動で構築した。精密化を、BUSTERを使用した水分子の付加で終えた。最終的な精密化の統計値により、Rfree/Rwork値が0.25/0.20であることが報告された。

[実施例7]:単球活性化アッセイにおけるAb102の中和力およびアゴニスト活性 本実施例では、以下の方法を使用し、インビトロにおけるAb102のアンタゴニスト活性およびアゴニスト活性を調査した。

アンタゴニストアッセイ:Ab102の、CD40媒介性単球活性化を遮断する能力をアンタゴニストアッセイにおいて評価した。精製された単球を、1μg/mLのMEGACD40L(Enzo)と、80ng/mLのGM−CSFおよび80ng/mLのIFNγの存在下、2×106個/mLの濃度で混合した。96ウェルU底組織培養(TC)プレートにウェル当たり50μLを添加した。試験された材料の希釈物を培養培地中に調製し、希釈物50μLをドナーから得られたヒト単球に添加した。細胞を37℃、5%CO2で2日間培養した後、上清を、Meso Scale Discovery(MSD)イムノアッセイプラットフォームを使用したサイトカイン(TNF)分析のために回収した。

アゴニストアッセイ:Ab102の、CD40を通じて単球活性化を誘導する能力を評価した。MEGACD40L(Enzo)を単球活性化についての陽性対照として使用した。精製されたヒト単球を、培養培地中、80ng/mLのGM−CSFおよび80ng/mLのIFNγの存在下、2×106個/mLまで希釈し、96ウェルU底TCプレートに50μL/ウェルを添加した。試験された材料の希釈物を培養培地中に調製し、希釈物50μLを単球に添加した。細胞を37℃、5%CO2で2日間培養した後、上清を、Meso Scale Discovery(MSD)イムノアッセイプラットフォームを使用したサイトカイン(TNF)分析のために回収した。

骨髄細胞は、クローン病の病理発生において重要な役割を果たすので、上記の単球に基づくアッセイを展開してAb102の機能活性を評価した。CD40シグナル伝達により単球の活性化、およびそれにより、TNFのような炎症性サイトカインの産生が誘導される。Ab102についての代表的な単球アンタゴニストおよびアゴニストアッセイがそれぞれ図5Aおよび5Bに示されている。図5Aに示されている通り、Ab102により、TNFの発現が濃度依存的に遮断された。アゴニストアッセイ形式では、可溶性CD40Lにより、単球からのTNFの産生が1.9nMのEC50で誘導されたが、Ab102では、200nMの濃度まででTNF産生は誘導されなかった。図5Bに記載の通り、TNFのAb102レベルは陰性対照(関連しないIgG)のものと同様であり、これにより、検出可能なTNF産生がわずかであるまたは存在しないことが示される。3者の異なるドナーから、以下の表20に示されているIC50値を有する一貫する結果が得られた。

つまり、上記のアンタゴニストアッセイおよびアゴニストアッセイの両方においてAb102を試験した結果から、Ab102が、測定可能なアゴニスト活性を有さない、アゴニスト活性を実質的に有さないアンタゴニスト抗CD40抗体であることが示された。

[実施例8]:Ab102の交差反応性 Ab102の、種々の種に由来するCD40との交差反応性を試験した。標準の技法を使用して、Alexa647で標識されたAb102では、B細胞の表面上のヒトCD40とカニクイザルCD40のどちらに対しても同様の結合速度論が実証され、以下の表21に示されている通り、EC50値はヒト細胞に対しては0.89±0.17nMであり、カニクイザル細胞に対しては1.4±0.15nMであった。Ab102のマウスCD40、ラットCD40およびウサギCD40との結合は、30μg/mL(200nM)までの濃度では検出することができなかった。

つまり、標準の結合アッセイを使用して、Ab102は、ヒトCD40およびカニクイザルCD40には結合したが、マウスCD40、ラットCD40またはウサギCD40との検出可能な結合は示されなかった。

[実施例9]:T細胞移入大腸炎を治療するための、マウス抗CD40抗体138の使用 以下の方法をインビボ試験において使用して、マウス抗CD40抗体(抗体138)の大腸炎を治療する能力を決定した。抗マウスCD40抗体138は、Ab102と同様の特徴を有し、例えば、抗体138は、Ab102と同じく実質的なアゴニスト活性を有さないアンタゴニスト抗体である。したがって、抗体138は、実施例9のマウスモデルにおけるAb102活性を表すものである。以下にインビボ大腸炎のT細胞移入モデルを記載する。

ナイーブT細胞の単離および注射 0日目に、balb/cマウスから脾臓を採取し、氷上の4%ウシ胎仔血清(完全培地)を補充したRPMI培地に入れた。単一細胞懸濁液を機械的破壊によって得、100μmの細胞濾過器を通過させて、4%ウシ胎仔血清を補充したRPMI培地(完全培地)に入れた。細胞を遠心分離(4℃、1250rpmで10分)によって採取し、Robosep Buffer(Stem Cell Technologies)中に再懸濁させた。細胞濃度を、Moxi Mini Cell Counter(Orflo)を使用して測定し、Robosepバッファー中1mL当たり細胞1×108個に調整した。CD4+T細胞を、負の選択磁気ビーズキット(Stem Cell Technologies)を使用して、製造業者の指示に従って単離した。細胞をFACSによってさらに精製して、それぞれ細胞のなかで最も鮮やかな42%および最もくすんだ12%として採取された、CD4+CD45RBhighの集団およびCD4+CD45RBlowの集団を得た。細胞を計数し、1ml当たり細胞1×106個に調整し、0.5mL(細胞1×105個)をSCIDマウスの腹腔内(IP)に注射した。

処置 次いで、マウス抗CD40抗体138を、細胞注射時(予防的処置)または疾患が内視鏡検査によって確認された後(治療的処置)に開始して、PBS中様々な用量で1週間に2回、SCIDマウス(上記)にIP投与した。さらに、いくつもの対照群を含めた。群は、1)抗体951(関連しないIgG)、PBS中15mg/kg、IP、1週間に2回、または2)抗体138(CD40Lを遮断する抗体)、IP、PBS中、1週間に2回のいずれかを受けた。さらに、T細胞移入(TCT)試験において、抗p40(IL−12/23)抗体または抗TNFモノクローナル抗体のいずれかを臨床的に意義のある対照比較物として投与した。

内視鏡検査 マウスへの細胞注射後の種々の時点で、疾患を結腸内視鏡検査によって評価した。イソフルランを用いた麻酔後、柔軟な強制飼養針を肛門にゆっくりと挿入し、PBS 300μLをゆっくりと注入して糞便ペレットを除去した。動物を麻酔から回復させ、歩き回らせて、残りのペレットすべてが通過するのを容易にした(およそ5分)。マウスを再度イソフルランで麻酔し、内視鏡検査プローブ(Karl Storz)を肛門に深さ3cmまで挿入した。写真画像を肛門縁から3cm、2cmおよび1cmの所で捕捉した。画像を後で以下の表22に詳述されている尺度を使用してスコア化した。3つの距離のそれぞれにおける各パラメータについてのスコアを合わせて、表22に示されているMurine Endoscopic Disease Activity Index(MEDAI)合計スコアをもたらした。MEDAI合計スコアを使用して得ることができる最大スコアは24であった。

治療的投薬の場合では、細胞注射の3週間後の内視鏡検査スコアリングを使用して疾患を確認し、動物を処置に関して群分けした。

組織学的検査 GI試料をカセット中に分節を伸ばした全結腸の方向に入れ、それにより結腸全体の長さの分析を可能にし、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)のために処理した。ブロックを5ミクロンに切片作製し、ガラススライドに載せた後、免疫組織化学的検査を実施して、抗IBA1抗体を使用してカルシウムイオン結合アダプター分子1(IBA1)を検出した(カタログ番号019−19741;Wako Pure Chemical Industries,Ltd.)。IBA1マーカーを使用して組織切片中のマクロファージを同定した。スライドをメチルグリーンで対比染色し、脱水し、カバーガラスに載せた。

次いで、スライドを、Vectraイメージングシステムによって4×でスキャンし、4×低拡大モザイク画像を再調査した後、20×で画像化する領域を選択した。

次いで、Vectraイメージングで再スキャンしたスライドおよび捕捉し選択した20×高拡大高分解能画像を、inFormソフトウェア(Perkin Elmer)における画像解析アルゴリズムに供した。使用されたinFormアルゴリズムセットは、3つのアルゴリズムを有する:バックグラウンド/無関係の染色を排除するための、スペクトルにより画像処理されファイルでのIBA1およびCD3についての染色の第1の閾値。その後のアルゴリズムにより、組織は対象とする組織(固有層、上皮、筋、粘膜下組織およびバックグラウンド)に分割され、第1のアルゴリズムから作成されるRGB画像でCD3またはIBA1が定量化される。

InFormデータをテキストファイルにエクスポートし、それを、組織分割データまたは細胞分割データのいずれかについての単一のデータファイルに統合した。

急性モデルにおけるアンタゴニスト活性の検証に基づいて、慢性大腸炎のモデルを使用して概念実証を確立した。ナイーブT細胞を免疫無防備状態の宿主(SCIDマウス)に移入した後の大腸炎の遮断の影響を試験するために3つの試験を行った。単一用量レベルを予防的処置様式および治療的処置様式の両方で調査し、一方、完全な用量反応を予防的様式で検査した。

細胞移入時に投与されたマウス抗CD40抗体138の用量反応 予防的に投与されたマウス抗CD40抗体138の用量反応を、大腸炎のT細胞移入モデルを使用して決定した。種々の用量(0.5mg/kg、1.5mg/kg、5mg/kgおよび15mg/kg)を含む処置を細胞移入時に開始した。1.5mg/kgまで下げた用量により、MEDAI合計スコアの最大の阻害がもたらされたが、0.5mg/kgでは有意な効果はなかった。マウス抗CD40抗体138の活性は、陽性対照として使用された抗p40IL−12/23による処置の標準用量と同等であった。結腸切片の組織学的分析により、マクロファージの減少(炎症の一般的な測定基準)が示され、これは、図6および図7に記載の通り、疾患の内視鏡的評価とよく相関するものであった。詳細には、図6には、39日目(最終スコア)における、マウス抗CD40抗体138の予防的投与に伴う内視鏡検査スコアの用量反応阻害が記載されている。図6において、RBlowは陰性対照群を指す。CD45RBlow細胞は疾患を媒介しない。この大腸炎のモデルでは、疾患は、動物に移入されたCD45RBhi細胞によって媒介される。図7には、マウスの結腸内のIBA1+マクロファージの数(組織学的に決定されたもの)が示されており、0.5mg/kgを超える用量においてマクロファージのレベルがより低く、p40陽性対照よりも低いことが記載されている。

循環マウス抗CD40抗体138のレベルを最後の投薬の96時間後に測定し(Ctroughと同等である)、図8に記載の通り、用量反応性であることが示された。最低用量レベル(0.5mg/kg)では、この群の動物1匹を除く全てで定量化の下限(LLOQ)を下回る濃度がもたらされた。

細胞移入の3週間後に投与されたマウス抗CD40抗体138の用量反応 マウス抗CD40抗体138による処置を細胞注射の3週間後、内視鏡的疾患の確認後に開始したところ、MEDAI合計スコアの用量反応性阻害が観察され、最高用量(15mg/kg)では統計的有意性に達した(図9A)。図9Bに記載の通り、骨髄炎の測定基準としての結腸内のIBA1+マクロファージの組織学的分析により、同様の結果がもたらされた。最後の投薬の72時間後に測定された抗体138の平均血清中濃度は、15mg/kgを受けた動物では191.9μg/mlであった。

[実施例10]:カニクイザルにおけるT細胞依存性抗体応答 T細胞依存性抗体応答(TDAR)アッセイをカニクイザルにおいて行った。2匹/性別/群にAb102を0mg/kg(ビヒクルのみ)または10mg/kg投与量で5週間にわたって皮下(SC)投与した。8日目に、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)を全ての動物に投与した。KLH投与に対して−11日目、−7日目、0日目、4日目、7日目、10日目、14日目および21日目に、各動物から血清試料を採取した。全ての動物を、最後の予定された血液採取が完了した後に試験設備動物コロニーに戻した(図10)。

図10に示されている通り、Ab102により、抗KLH IgMおよびIgG抗体T細胞依存性抗体応答のどちらも、ビヒクルのみで処置された動物と比較して抑制されることが見出された。

この試験における所見は、原型外来タンパク質の非経口投与後のCD40依存性IgMおよびIgG抗体産生の薬理的抑制と一致した。結果から、Ab102の使用が、自己抗体の産生が疾患の一部であるループスの治療と関連性があり得ることが示唆された。これらの所見から、カニクイザルの、前臨床的毒性学試験のための適切な種としての生物学的関連性も支持される。さらに、試験により、カニクイザルCD40との交差反応性が実証され、CD40を必要とすることが分かっている機構(T依存性抗体応答)におけるAb102のインビボ活性が示された。

[実施例11]:全身性エリテマトーデス(SLE)を治療するための、マウス抗CD40抗体138の使用 マウス抗CD40抗体138のアンタゴニスト活性が上記の急性モデルおよび大腸炎のモデル(実施例9を参照のこと)において示されたので、このマウス抗CD40抗体の有効性を全身性エリテマトーデス(SLE)のマウスモデルにおいて調査した。2種のSLEモデルを使用した:MRL/lprおよびNZB/W−F1(TheofilopoulosおよびKono.1999年、Murine lupus models:gene−specific and genome−wide studies.In Lahita R.G.編、Systemic Lupus Erythematosus、第3版、145頁に記載されている)。MRL/lprマウスおよびNZB/W−F1マウスにおいて抗CD40による処置の有効性を評価する理論的根拠は2つある。第1に、これらのモデルは、SLEの顕在化が異なる。NZB/W−F1マウスではループス腎炎および唾液腺炎を自然発症するが、MRL/lprマウスでは、腎炎および唾液腺炎に加えて関節および皮膚での徴候を発症する(Andrewsら、J.Exp.Med.148:1198−1215頁、1978年)。患者はSLEの顕在化が異なるので、両方のモデルを使用することにより、大多数のSLE患者における潜在的有効性を評価することが可能になる。第2に、MRL/lprマウスおよびNZB/W−F1マウスでは、これらの疾患の遺伝学的基礎が異なり(Perryら、J.Biomed.Biotech.2011年、Article ID 271694)、したがって、モデル間にまたがる有効性により、遺伝的に均一ではないヒトに置き換える際の信頼度が増す。

11.1.SLEのMRL/lprモデル 有効性を決定するために、マウスに、マウス抗CD40抗体138を、10週齢で開始して、以下の表23に示されている用量で、腹腔内注射(i.p.)によって投与した。本試験では、PBS注射を陰性対照として使用し、プレドニゾロンを陽性対照として使用した。

タンパク尿を週に1回Albustix(尿中タンパク質を検査するために使用される尿試験紙の商標)によってモニタリングした。図11Aに示されている通り、≧300mg/dLと定義される高タンパク尿は治療開始直後に発症し始めた。図11Aに記載の通り、63日目の試験完了までに、無処置PBS対照マウスおよび1.5mg/kgの抗CD40抗体を用いて処置されたマウスの50−60%で高タンパク尿が発症した。対照的に、その他の処置群のほぼ全てのマウスでは、試験全体を通して低タンパク尿が維持された。15mg/kgで1週間当たり1回の処置群は、PBS対照とは有意に異なった。生存もモニタリングし、図11Bに示されている通り、15mg/kgを1週間当たり1回および5mg/kgを1週間当たり2回の投薬により、無処置PBS対照動物と比較して生存が有意に延長されることが見出された。多くのマウスが、腎炎が発症する前にFaslpr突然変異によって引き起こされるリンパ節腫脹によって窮迫が引き起こされたことにより、安楽死を受けたことに留意するべきである。したがって、観察された生存の減少は、腎炎だけに帰するものではない可能性がある。それにもかかわらず、これらのデータから、抗CD40抗体により、用量依存的に、ループスになりやすいMRL/lprマウスのタンパク尿が予防され、生存が延長することが示される。

SLEの治療に関する抗CD40抗体の有効性について、種々の処置群からのマウスの腎臓、唾液腺および足首関節に由来するヘマトキシリン・エオシン(H&E)染色で染色されたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織切片においても評価した。対照無処置PBSマウスにおける全ての試験器官における疾患の重症度が9週間の試験にわたって、MRLマウスが開始時の10週齢から終了時の19週齢まで加齢するにしたがい、増大した。

腎臓では、図12Aに示されている通り、抗CD40抗体による処置は、15mg/kgで投与した場合に、治療の29日目および63日目の両方において、糸球体疾患の低減において効果的であった。糸球体疾患の重症度は加齢MRLマウスで悪化したことから、抗CD40抗体による処置の糸球体疾患の最小化に関する有効性は5mg/kgおよび15mg/kgで維持された。15mg/kg用量で週に1回与えられた抗CD40抗体は、週に2回の投薬と同様に有効であった。5mg/kgの用量で週に2回与えられた抗CD40抗体もほぼ同じ効果を有した。図12Bに示されている通り、5mg/kgおよび15mg/kgの用量で与えられた抗CD40抗体は、29日目および63日目において、腎臓における血管周囲の(PV)浸潤を低減させるのに有効であり、図12Cに示されている通り、疾患の初期に尿細管間質性(TI)が低減する傾向があった。

唾液腺では、1.5mg/kg、5mg/kgおよび15mg/kgの用量で与えられた抗CD40抗体が29日目において唾液腺炎の低減に効果的であり、15mg/kgでは、療法の63日目に有効性が維持されていた(図13A)。無処置マウスでは、29日後に唾液腺浸潤は有意には変化しなかった。

足根関節組織では、1.5mg/kg、5mg/kgおよび15mg/kgの用量で投与された抗CD40抗体が29日目に関節周囲の炎症の低減に効果的であり、15mg/kgでは、療法の63日目に有効性が維持されていた(図13B)。関節では、炎症は19週齢のマウスにおいて10週齢のマウスと比較して低減する傾向があった。それにもかかわらず、抗CD40抗体による処置により、15mg/kgで、療法の63日目には炎症がほぼゼロにまで有意に低減された。

胚中心(GC)形成には、GC B細胞上のCD40と濾胞型ヘルパーT細胞(Tfh)上のCD40Lの会合を通じたB細胞およびT細胞相互作用が必要である。GCは、形質細胞およびメモリーB細胞が生成し、また、親和性成熟およびIgクラススイッチが起こる、解剖学的構造である。GCは、SLEにおける高親和性および病原性自己抗体の発生に欠かせないものである。

マウス抗CD40抗体138により、B細胞およびT細胞相互作用が不安定化し、GC形成が妨げられる。GC形成が妨げられる程度を評価するために、脾臓内のGC B細胞およびTfh細胞の数をフローサイトメトリーによって決定した(図14)。Tfh細胞数は、用量にかかわらず、抗CD40抗体138で処置されたマウスの全てで、29日目において対照よりも有意に少なかった。試験された用量の中で、5mg/kg用量群では、63日目において対照と比較して有意に少ないままであった(図14、パネル(i)および(ii)を参照されたい)。GC B細胞も、全ての抗CD40抗体用量で29日目において対照よりも少なく、抗CD40抗体を5mg/kgの用量で受けたマウスおよび15mg/kgの用量で受けたマウスでは63日目においても少ないままであった。しかし、これらの無処置対照からの差異は統計的に有意ではなかった。この結果にもかかわらず、全ての用量群においてデータが治療効果に向かう全体的な傾向があった。さらに、これらの実験では、マウス抗CD40抗体によるアゴニスト活性はわずかであるかまたはないことが実証された。

マウスSLEおよびヒトSLEでは、自己反応性抗体のレベルに加えて循環総IgGレベルも経時的に上昇する。したがって、抗CD40抗体138の抗体産生に対する効果を評価するために、総循環IgMおよびIgGレベルを調査した。さらに、一般的なループス関連自己抗体である抗dsDNA抗体も調査した。図15Aに記載の通り、29日目において、抗CD40抗体を15mg/kgおよび1.5mg/kgの用量で用いて処置されたマウスにおける総IgGレベルが無処置対照におけるものよりも有意に低いことが見出された。図15Bに記載の通り、抗CD40抗体138を15mg/kgで用いて処置されたマウスでは、有意に低い総IgGレベルが63日目まで持続された。さらに、この時点では、抗CD40抗体138を5mg/kgで用いて処置されたマウスにおいても有意により低いレベルが観察された。循環IgMレベルにおいて差異は見出されなかった。

図16Aに記載の通り、抗dsDNA力価は、29日目において、抗CD40抗体138で処置されたマウスおよび処置されていない対照マウスで有意に異ならなかった。しかし、図16Bに記載の通り、63日目までに、無処置対照マウスでは抗dsDNA力価が実質的に増大したが、15mg/kgの抗CD40抗体138を用いて処置されたマウスおよび5mg/kgの抗CD40抗体138を用いて処置されたマウスでは、差異は有意でなかったが、低下した。

上記の試験(実施例11.1)から得られた結果から、抗CD40抗体138が、ループスになりやすいMRL/lprマウスにおける腎炎の発症の予防に効果的であることが示される。さらに、抗CD40抗体138により、唾液腺および関節の炎症の発症が妨げられた。この試験により、Ab102と同様の性質を有するアンタゴニストマウス抗CD40抗体138がヒトSLEの治療に効果的であることが示唆される。

11.2.SLEのNZB/W−F1マウスモデル SLEの第2のマウスモデルも試験して、アンタゴニストマウス抗CD40抗体138が当該疾患の治療に有効であるかどうかを決定した。詳細には、抗CD40抗体138の有効性を決定するために、抗体を、NZB/W−F1マウスにおいて試験し、ここで、以下の表24に記載されている投薬スケジュールに従って、予防レジメンおよび治療レジメンの両方を使用した。試験11.1と同様に、PBSが陰性対照としての機能を果たし、プレドニゾロンが陽性対照であった。

予防的レジメンについては、マウスの処置を26週齢で開始した。全てのマウスが<300mg/dLのタンパク質を有することを検証した。治療レジメンについては、段階的組み入れ(rolling enrollment)を使用した;無処置マウスを週に1回タンパク尿についてモニタリングし、≧300mg/dLのタンパク尿が発症したら治療レジメンの3つの群(arm)のうちの1つに組み入れた。

予防的処置 タンパク尿を週に1回モニタリングし、図17Aに示されている通り、無処置対照マウスの約50%が32週齢までにタンパク尿になった。対照的に、抗CD40抗体138で処置されたマウスでは1匹のみで高タンパク尿が発症し、プレドニゾロンで処置されたマウスでは高タンパク尿が発症したものはいなかった。これらの結果は、無処置対照に対して有意なものであった。図17Bに示されている通り、生存はタンパク尿の所見を反映し、全ての処置群がPBS対照とは有意に異なった。したがって、15mg/kgの処置用量と1.5mg/kgの処置用量のどちらによってもタンパク尿が予防され、生存が延長された。

治療的処置 抗CD40抗体138を用いた治療的処置は、この第2のマウスSLEモデルにおいても効果的であった。図18Aおよび図18Bに示されている通り、抗CD40抗体138を用いて処置されたマウスでは経時的に低タンパク尿が発症したが、無処置対照マウスでもプレドニゾロンで処置されたマウスでも低タンパク尿は発症しなかった。図18Bに示されているタンパク尿からの回復率に基づいて、タンパク尿の回復までの平均時間は23±7日であることが推定される。図18Cに記載の通り、抗CD40抗体138による処置により、生存も有意に延長された。

唾液の産生量 予防的に処置されたマウスおよび治療的に処置されたマウスの両方において唾液の産生を測定して唾液腺機能を評価した。麻酔したマウスに硝酸ピロカルピンを投与し、8分間にわたって唾液を綿棒で採取した。唾液の産生量を綿棒の正味の重量増加として測定した。予防的試験では、図19Aおよび19Bに記載の通り、無処置対照マウスによる唾液の産生は高度に変動したが、疾患を有さないNZBWF−1若年マウスとは有意に異なることが見出された。唾液の産生が最低であったビヒクル対照マウスの大多数がタンパク尿であったので、変動性は疾患のレベルに起因する可能性がある(図19Aおよび19B、ビヒクル群における紫色対黒色)。しかし、重要なことに、抗CD40抗体138で処置されたマウスによる唾液の産生は比較的に均一であり(図19A)、無処置対照マウスよりも有意に多かった。抗CD40抗体138で処置されたコホートの全てで唾液の産生がより多かったが、体重の関数として測定した場合、1.5mg/kgで処置されたコホートのみで有意性が保持された(図19B)。それにもかかわらず、これらのデータから、予防的抗CD40抗体138による処置により唾液腺機能の喪失が予防され得ることが示される。

治療的に処置されたマウスでは、抗CD40抗体138で処置されたマウスにおいて無処置対照よりも唾液の産生が有意に多いことが見出された(図20Aおよび20B)。図20Aおよび20Bは、唾液の産生が抗CD40抗体の治療的投薬によって保護されることを示す。これは、総唾液で考えるか体重に対して正規化された唾液で考えるかにかかわらず明らかであった。特に、無処置マウスは全てがタンパク尿であったが、抗CD40抗体で処置されたマウスはいずれもタンパク尿ではなかった。したがって、アゴニスト活性を実質的に有さないアンタゴニスト抗CD40抗体の治療的投薬により、唾液腺機能の低下が予防されるまたは逆転すると結論づけることができる。

この試験から、アンタゴニスト抗CD40抗体138が、ループスになりやすいNZB/W−F1マウスにおける腎炎の発症の予防およびこれらのマウスの腎炎からの救出に効果的であったことが示される。さらに、抗CD40抗体により、唾液腺および関節の炎症の発症が予防された。この試験により、アゴニスト活性を実質的に有さないアンタゴニスト抗CD40抗体がヒトSLEにおいて効果的であるという仮説が支持される。

実施例11.1および11.2において使用された方法は以下を含んだ: MRL/lprマウス MRL/lpr:抗CD40抗体(抗体138)を10週齢のMRL/lprマウスに4つの用量;15mg/kg、5mg/kgもしくは1.5mg/kgを週2回または15mg/kgを1週間に1回のうちの1つでi.p.投与した。PBS(ビヒクル)、i.p.、週2回を用いて処置されたマウスを陰性対照として含め、10mg/kgのプレドニゾロン、PO、sidを用いて処置されたマウスを陽性対照として含めた。

NZB/W−F1:抗CD40抗体138をNZB/W−F1マウスに予防レジメンおよび治療レジメンの両方で投与した。予防的レジメンについては、マウスに、抗CD40を、26週齢で開始して、2つの用量、15mg/kgまたは1.5mg/kgのいずれかで、週2回、i.p.で与えた。プレドニゾロンを10mg/kg、PO sidで与えたマウスまたはPBSを与えたマウスがそれぞれ陽性対照および陰性対照としての機能を果たした。マウスを、最初にタンパク尿について試験し、≧300mg/dLのマウスはいずれも予防的試験から排除した。治療レジメンについては、マウスに≧300mg/dLのタンパク尿が発症したら、これらのマウスの処置を開始した。マウスは、抗CD40、i.p.を15mg/kgで週2回受けた。プレドニゾロンを10mg/kg、PO、sidで与えたマウスまたはPBSを与えたマウスがそれぞれ陽性対照および陰性対照としての機能を果たした。

タンパク尿 尿を週に1回、タンパク質レベルについてAlbustix試験紙(Siemens 2191、Pittsburgh、PA)を使用して試験した。マウスは、少なくとも2回の連続した試験でまたは死亡もしくは安楽死の前に尿中タンパク質レベルが≧300mg/dLまで上昇していた場合にタンパク尿であるとみなされた。

フローサイトメトリー 1%熱失活ウシ胎仔血清(Invitrogen)および1×ペニシリン/ストレプトマイシン(Sigma、St Louis、MO)を含有するHanks緩衝塩類溶液(Invitrogen)中の、脾臓の単一細胞浮遊液を作製した。赤血球を遠心分離によって除去し、細胞を染色バッファー(1.5%熱失活ウシ胎仔血清および0.02%アジ化ナトリウム(Sigma)を含有するPBS(Invitrogen))に再浮遊させた。細胞を、CD3に対する抗体(145−2011、BD)、CD4に対する抗体(GK1.5 eBioSciences)、ICOSに対する抗体(C398.4A、Biolegend)、CXCR5に対する抗体(L138D7、Biolegend)、PD−1に対する抗体(29F.1A12、Biolegend)、GL7に対する抗体(A488、Biolegend)、CD19に対する抗体(BUV395、BD)、CD95に対する抗体(Jo2、Biolegend)を用いて染色した。抗体をフルオレセインイソチオシアネート、フィコエリトリン、フィコエリトリンおよびシアニン5、アロフィコシアニン、ペリジニンクロロフィルならびにシアニン5.5またはビオチンと直接カップリングする。総B細胞をCD19+として同定し、GC B細胞をCD19+、CD95+およびGL7+として同定し、Tfh細胞をCD3+、CD4+、ICOS+、CXCR5+およびPD−1+として同定した。細胞をFACSCalibur(BD Biosciences)フローサイトメーターによって分析し、FlowJoソフトウェア(バージョン8.5、Treestar Inc.)を用いて解析した。

組織学的検査 ビヒクル対照マウスは瀕死になったので、腎臓、足首および唾液腺組織を採取し、10%中性緩衝ホルマリン中に固定した。さらに、特定の中間の時点で、各群の代表的なマウスから、上記と同じ組織および血液を採取した。H&Eのために、組織を10%中性緩衝ホルマリン中に8時間にわたって固定し、処理し、パラフィン包埋した。腎臓、唾液腺および足首における炎症性浸潤を、慣用的なH&E染色ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)切片の評価に基づいて評価した。腎臓については、病理医により、3μmのH&E切片が、糸球体疾患、血管周囲浸潤および尿細管間質浸潤について、以下のスコアリング基準に基づいて0から4までの尺度にスコア化された:糸球体疾患:0=疾患なし;1=少数の糸球体における糸球体間質の分節性肥厚;2=大多数の糸球体における糸球体間質の分節性からびまん性肥厚;3=糸球体間質のびまん性肥厚、細胞過形成、有足細胞の肥大、接着なし;4=以下のうちの1つ以上を伴う、その他の領域よりも悪化した領域を伴う糸球体間質のびまん性肥厚:タンパク質の凝固、線維症、低細胞性、有足細胞の肥大、ボーマン嚢の接着および半月体。血管周囲腎炎:0=少数の希なリンパ球まで;1=少数のリンパ球が緩い凝集体を形成している;2=リンパ球がばらばらの小さな凝集体を形成している;3=リンパ球の分極した凝集体が隣接する静脈の内腔内に隆起しているが、弓状動脈を完全に包囲できていない;4=リンパ球凝集体が弓状動脈を完全に包囲しており、極性化は伴わない。尿細管間質(TI)浸潤:0=浸潤なし;1=最小から軽度のTI浸潤;2=細管の20%の間での軽度の浸潤;3=細管の最大50%の間での軽度から中程度の浸潤;4=腎臓皮質全体を通して>50%の細管の間および周囲の中程度の浸潤。唾液腺の炎症スコアおよび関節の炎症スコアは、組織内の浸潤の増大に関する0−4のスコアと同じ原理に基づくものであった。

唾液の産生量 唾液腺産出量を測定するために、マウスを、まず、小さな隔離チャンバー内で酸素/イソフルランを用いて鎮静させた。鎮静後、マウスに硝酸ピロカルピン(Sigma)30μl(60μg)をi.p.投与した。注射の2分後、予め秤量した小児用安全綿棒(約1.5cmまで切ったもの、綿プラス幹)を動物の口内の前歯の後ろに入れた。マウスを横向きにして頬内に唾液をプールさせ、綿棒に吸着させた。8分後、綿棒を取り出し、秤量して正味の唾液重量を算出した。

ELISA 総循環IgGおよびIgMレベルを、eBioscienceキット(カタログ番号88−50400、88−50470)を使用し、製造業者の説明書に従って、ELISAによって決定した。

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