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チタン銅、チタン銅の製造方法及び電子部品

阅读:1055发布:2020-06-25

专利汇可以提供チタン銅、チタン銅の製造方法及び電子部品专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且【課題】優れた耐応 力 緩和特性を有するチタン銅、チタン銅の製造方法及びチタン銅を用いた電子部品を提供する。 【解決手段】Tiを2.0〜4.5質量%含有し、第三元素としてFe、Co、Ni、Cr、Zn、Zr、P、B、Mo、V、Nb、Mn、Mg、及びSiからなる群から選択された1種以上を合計で0〜0.5質量%含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなり、圧延面に対するEBSD測定において、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときのGOS(Grain Orientation Spread)が2〜6°となる結晶粒の面積率が60〜90%であり、シュミット因子が0.35以下となる結晶粒の面積率が5〜20%であることを特徴とするチタン銅である。 【選択図】なし,下面是チタン銅、チタン銅の製造方法及び電子部品专利的具体信息内容。

Tiを2.0〜4.5質量%含有し、第三元素としてFe、Co、Ni、Cr、Zn、Zr、P、B、Mo、V、Nb、Mn、Mg、及びSiからなる群から選択された1種以上を合計で0〜0.5質量%含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなり、圧延面に対するEBSD測定において、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときのGOS(Grain Orientation Spread)が2〜6°となる結晶粒の面積率が60〜90%であり、シュミット因子が0.35以下となる結晶粒の面積率が5〜20%であることを特徴とするチタン銅。300℃で10時間保持後の応緩和率が、10%以下である請求項1に記載のチタン銅。圧延面に対するEBSD測定における結晶方位解析において、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときの平均結晶粒径が、2〜30μmである請求項1又は2に記載のチタン銅。JIS−Z2241(2011)に従って引張試験を行ったときの、圧延方向に平行な方向における0.2%耐力が800MPa以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のチタン銅。請求項1〜4の何れか一項に記載のチタン銅を備えた電子部品。Tiを2.0〜4.5質量%含有し、第三元素としてFe、Co、Ni、Cr、Zn、Zr、P、B、Mo、V、Nb、Mn、Mg、及びSiからなる群から選択された1種以上を合計で0〜0.5質量%含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなるチタン銅のインゴットを鋳造し、熱間圧延した後、冷間圧延工程及びその後の最終溶体化処理工程を行うことを含むチタン銅の製造方法であって、 熱間圧延工程が、前記インゴットに対し、1パスあたりの圧縮歪を0.15〜0.30とし、700〜900℃での最大歪速度が2.0〜6.0/sとなるように処理し、 前記最終溶体化処理工程が、Tiの添加量(質量%)をXとする場合に、加熱温度(℃)を52×X+610〜52×X+680とし、保持時間を5〜60秒で処理すること を特徴とするチタン銅の製造方法。

说明书全文

本発明は、チタン銅、チタン銅の製造方法及び電子部品に関し、例えば、コネクタ、バッテリー端子、ジャック、リレー、スイッチ、オートフォーカスカメラモジュール、リードフレーム等の電子部品への利用に好適なチタン銅、チタン銅の製造方法及びチタン銅を用いた電子部品に関する。

近年、電気・電子機器や車載部品に使用されるリードフレーム、コネクタなどの電子部品の小型化が進み、電子部品を構成する銅合金部材の狭ピッチ化及び低背化の傾向が著しい。小型のコネクタほどピン幅が狭く、小さく折り畳んだ加工形状となるため、使用する銅合金部材には、必要なバネ性を得るための高い強度が求められる。この点、チタンを含有する銅合金(以下、「チタン銅」と称する。)は、比較的強度が高く、耐応緩和特性にあっては銅合金中最も優れているため、特に強度が要求される信号系端子用部材として古くから使用されてきた。

チタン銅は、時効硬化型の銅合金であり、強度と曲げ加工性のバランスに優れ、加えて耐応力緩和特性が種々の銅合金の中でも特に優れた特性を発揮する。そのため、チタン銅の耐応力緩和特性を維持させたまま、強度や曲げ加工性などの特性を向上させるための開発が行われてきた。

特開2014−185370号公報(特許文献1)には、高強度を維持しながら曲げ加工性に優れ、耐応力緩和性を良好に維持しながら耐疲労特性を改善したCu−Ti系銅合金として、質量%で、Ti:2.0〜5.0%、Ni:0〜1.5%、Co:0〜1.0%、Fe:0〜0.5%、Sn:0〜1.2%、Zn:0〜2.0%、Mg:0〜1.0%、Zr:0〜1.0%、Al:0〜1.0%、Si:0〜1.0%、P:0〜0.1%、B:0〜0.05%、Cr:0〜1.0%、Mn:0〜1.0%、V:0〜1.0%であり、前記元素のうちSn、Zn、Mg、Zr、Al、Si、P、B、Cr、MnおよびVの合計含有量が3.0%以下であり、残部Cuおよび不可避的不純物からなる組成を有する銅合金板材であって、板厚方向に垂直な断面において、粒界反応型析出物の最大幅が500nm以下であり、直径100nm以上の粒状析出物の密度が105個/mm2以下である金属組織を有する銅合金板材の例が記載されている。

特開2010−126777号公報(特許文献2)には、高強度を維持しながら曲げ加工性に優れ且つ耐応力緩和性にも優れた銅合金板材として、1.2〜5.0質量%のTiを含み、残部がCuおよび不可避的不純物である組成を有し、板面上で無作為に選んだ同一の形状および大きさの複数の領域のそれぞれの領域における結晶粒径の平均値のうちの最大値を最大結晶粒径、それぞれの領域における結晶粒径の平均値のうちの最小値を最小結晶粒径、それぞれの領域における結晶粒径の平均値の平均値を平均結晶粒径とすると、平均結晶粒径が5〜25μm、(最大結晶粒径−最小結晶粒径)/平均結晶粒径が0.20以下であり、銅合金板材の板面における{420}結晶面のX線回折強度をI{420}とし、純銅標準粉末の{420}結晶面のX線回折強度をI0{420}とすると、I{420}/I0{420}>1.0を満たす結晶配向を有することを特徴とする、銅合金板材の例が記載されている。

特開2008−308734号公報(特許文献3)には、高強度と優れた曲げ加工性、耐応力緩和性とを同時に具備し、スプリングバックについても改善した銅合金板材として、質量%で、Ti:1.0〜5.0%、残部Cuおよび不可避的不純物からなる組成を有し、I{420}/I0{420}>1.0を満たす結晶配向を有し、平均結晶粒径が10〜60μmである銅合金板材の例が記載されている。

特開平7−258803号公報(特許文献4)には、溶体化処理−冷間圧延工程の製造工程を調整することにより強度と曲げ加工性を改善した高強度銅合金の製造方法として、重量割合にてTi:0.01〜4.0%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金に、(1)800℃以上の温度で240秒以内かつ平均結晶粒径が20μmを越えない熱処理条件で行う1回目の溶体化処理、(2)80%未満の加工度で行う1回目の冷間圧延、(3)800℃以上の温度で240秒以内かつ平均結晶粒径が1〜20μmを越えない範囲となる熱処理条件で行う2回目の溶体化処理、(4)50%以下の加工度で行う2回目の冷間圧延、(5)300〜700℃の温度で1時間以上15時間未満の時効処理、を順次施すことを特徴とする曲げ性および応力緩和特性に優れたチタン銅合金の製造方法が記載されている。

特開2014−185370号公報

特開2010−126777号公報

特開2008−308734号公報

特開平7−258803号公報

近年、電子機器は高機能化に加えて更に高い信頼性も求められており、電子機器に使用される電子部品も同様に高い信頼性が求められている。中でも、耐熱性は、重要な指標のひとつであり、従来よりも高いレベルが求められている。チタン銅は耐応力緩和特性に比較的優れていることが知られているが、特許文献1〜4のチタン銅合金もまだ十分な耐応力緩和特性が得られているとはいえず、耐応力緩和特性の更なる向上が望まれている。

上記課題に鑑み、本開示は、優れた耐応力緩和特性を有するチタン銅、チタン銅の製造方法及びチタン銅を用いた電子部品を提供する。

本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、圧延面に対するEBSD測定において算出された結晶粒内の方位差(GOS)とその面積率、及びシュミット因子が所定値となる結晶粒の面積率がそれぞれ特定の範囲となるチタン銅が、耐応力緩和特性に優れていることを見出した。

本発明の実施の形態に係るチタン銅は一側面において、Tiを2.0〜4.5質量%含有し、第三元素としてFe、Co、Ni、Cr、Zn、Zr、P、B、Mo、V、Nb、Mn、Mg、及びSiからなる群から選択された1種以上を合計で0〜0.5質量%含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなり、圧延面に対するEBSD測定における結晶方位解析において、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときのGOS(Grain Orientation Spread)が2〜6°となる結晶粒の面積率が60〜90%であり、シュミット因子が0.35以下となる結晶粒の面積率が5〜20%であることを特徴とするチタン銅である。

本発明の実施の形態に係るチタン銅の製造方法は一側面において、Tiを2.0〜4.5質量%含有し、第三元素としてFe、Co、Ni、Cr、Zn、Zr、P、B、Mo、V、Nb、Mn、Mg、及びSiからなる群から選択された1種以上を合計で0〜0.5質量%含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなるチタン銅のインゴットを鋳造し、熱間圧延した後、冷間圧延工程及びその後の最終溶体化処理工程を行うことを含むチタン銅の製造方法であって、熱間圧延工程が、インゴットに対し、1パスあたりの圧縮歪を0.15〜0.30とし、700〜900℃での最大歪速度が2.0〜6.0/sとなるように処理し、最終溶体化処理工程が、Tiの添加量(質量%)をXとする場合に、加熱温度(℃)を52×X+610〜52×X+680とし、保持時間を5〜60秒で処理すること を特徴とするチタン銅の製造方法である。

本発明によれば優れた耐応力緩和特性を有するチタン銅、チタン銅の製造方法及びチタン銅を用いた電子部品が得られる。

応力緩和率の測定原理を説明する図である。

応力緩和率の測定原理を説明する図である。

(Ti濃度) 本発明の実施の形態に係るチタン銅においては、Ti濃度を2.0〜4.5質量%とする。チタン銅は、溶体化処理によりCuマトリックス中へTiを固溶させ、時効処理により微細な析出物を合金中に分散させることにより、強度及び導電率を上昇させる。 Ti濃度が2.0質量%未満になると、析出物の析出が不充分となり所望の強度が得られない。Ti濃度が4.5質量%を超えると、加工性が劣化し、圧延の際に材料が割れやすくなる。強度及び加工性のバランスを考慮すると、好ましいTi濃度は2.5〜3.5質量%である。

(第三元素) 本発明の実施の形態に係るチタン銅においては、Fe、Co、Ni、Cr、Zn、Zr、P、B、Mo、V、Nb、Mn、Mg、及びSiからなる群から選択される第三元素の1種以上を含有させることにより、強度を更に向上させることができる。但し、第三元素の合計濃度が0.5質量%を超えると、加工性が劣化し、圧延の際に材料が割れやすくなる。そこで、これら第三元素は合計で0〜0.5質量%含有することができ、強度及び加工性のバランスを考慮すると、上記元素の1種以上を総量で0.1〜0.4質量%含有させることが好ましい。なお、添加元素ごとには、Zr、P、B、V、MgおよびSiは0.01〜0.15質量%、Fe、Co、Ni、Cr、Mo、NbおよびMnは0.01〜0.3質量%、Znは0.1〜0.5質量%含有させることができる。

(GOS) 本発明の実施の形態に係るチタン銅においては、結晶粒内の平均方位差を定量化したGrain Orientation Spread(GOS)を一定の範囲に制御することが特徴である。具体的には、GOSが2〜6°となる結晶粒の面積率が60〜90%とする。GOSが上記範囲内であれば、結晶粒内に微細な析出があることを意味し、これにより耐応力緩和特性を向上させることができる。

GOSが2〜6°となる結晶粒の面積率が60%より小さいと、微細な析出物が不足し、耐応力緩和特性が向上しない。一方、GOSが2〜6°となる結晶粒の面積率が90%より大きいと、粗大な析出が増えるため、耐応力緩和特性が向上しない。GOSが2〜6°となる結晶粒の面積率は、好ましくは65〜85%であり、より好ましくは70〜80%である。

本実施形態において「GOS」とは、圧延面に対するEBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱解析)測定における結晶方位解析において、EBSDに付属している解析ソフト(例えば、TSLソリューションズ社製のOIM Analysis)を用いて、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときの各結晶粒内の全ピクセル間の方位差の平均値を示すものであり、結晶粒内のあるピクセルと残りの全てのピクセル間の方位差の平均値を計算し、これを全結晶粒に対しておこなったときの平均値である。

本実施形態ではEBSD測定における測定条件として以下を採用する。 (a)SEM条件 ・ビーム条件:加速電圧15kV、照射電流量5×10-8A ・ワークディスタンス:25mm ・観察視野:150μm×150μm ・観察面:圧延面 ・観察面の事前処理:リン酸67%+硫酸10%+の溶液中で15V×60秒の条件で電解研磨して組織を現出 (b)EBSD条件 ・測定プログラム:OIM Data Collection ・データ解析プログラム:OIM Analysis(Ver.5.3) ・ステップ幅:0.25μm

(シュミット因子) 本発明に係るチタン銅においては、シュミット因子が0.35以下となる結晶粒の面積率が5〜20%に制御されている。シュミット因子が0.35以下となる結晶粒の面積率が5〜20%であれば、前述したGOSが2〜6°となる結晶粒の面積率と相まって、本発明に係るチタン銅の耐応力緩和特性を向上させることができる。

材料にすべり変形が起こるときに必要なせん断応力τは、τ=σcosφcosλと表すことができる。ここで、σは引張応力であり、φは引張軸とすべり面の法線のなす、λは引張軸とすべり方向のなす角を指し、cosφcosλの部分がシュミット因子である。シュミット因子は0〜0.5の値をとり、変形のしやすさを表す。すなわち、シュミット因子が小さいと変形しにくく、大きいと変形しやすいことを意味する。シュミット因子が0.35以下となる結晶粒の面積率が20%を超えると、応力を加えた時の抵抗が大きくなり、ひずみがたまりやすくなった結果、耐応力緩和特性は向上しない。シュミット因子が0.35以下となる結晶粒の面積率が小さいほど耐応力緩和特性は向上するが、完全に再結晶させた状態でシュミット因子が0.35以下となる結晶粒の面積率を5%未満に制御することは現実的には難しい。この観点から、シュミット因子が0.35以下となる結晶粒の面積率は、好ましくは6〜18%、より好ましくは7〜16%である。

なお、本実施形態において「シュミット因子」とは、圧延面に対するEBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱解析)測定における結晶方位解析において、EBSDに付属している解析ソフト(例えば、TSLソリューションズ社製のOIM Analysis)を用いて、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときの個々の結晶粒について算出した結果を意味するものであり、EBSD測定における測定条件として、以下を採用する。 (a)SEM条件 ・ビーム条件:加速電圧15kV、照射電流量5×10-8A ・ワークディスタンス:25mm ・観察視野:150μm×150μm ・観察面:圧延面 ・観察面の事前処理:リン酸67%+硫酸10%+水の溶液中で15V×60秒の条件で電解研磨して組織を現出

(耐応力緩和特性) 本発明の実施の形態に係るチタン銅は優れた耐応力緩和特性を有することができる。一実施形態においては、チタン銅を300℃で10時間保持した後の応力緩和率が10%以下であるという特徴を有する。

(平均結晶粒径) 強度、曲げ加工性及び疲労特性をバランス良く高める観点から、本発明に係るチタン銅の一実施形態においては、圧延面における平均結晶粒径を2〜30μmの範囲に制御することが好ましく、2〜15μmの範囲に制御することがより好ましく、2〜10μmの範囲に制御することが更により好ましい。

平均結晶粒径とは、前述した結晶粒径の変動係数の算出に用いられる平均結晶粒径と同様、圧延面に対するEBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定における結晶方位解析により、EBSDに付属している解析ソフト(例:TSLソリューションズ社製のOIM Analysis)を用いて、方位差5°以上を結晶粒界とみなした場合における平均結晶粒径をいう。

(0.2%耐力) 本発明の実施の形態に係るチタン銅においては一実施形態において、圧延方向に平行な方向での0.2%耐力が800MPa以上を達成することができる。本発明に係るチタン銅の0.2%耐力は好ましい実施形態において850MPa以上であり、更に好ましい実施形態において900MPa以上であり、更に好ましい実施形態においては950MPa以上である。

0.2%耐力の上限値は、本発明が目的とする強度の点からは特に規制されないが、手間及び費用がかかることから、本発明に係るチタン銅の0.2%耐力は一般には1300MPa以下であり、典型的には1200MPa以下であり、より典型的には1100MPa以下である。

本発明においては、チタン銅の圧延方向に平行な方向での0.2%耐力は、JIS−Z2241(2011)(金属材料引張試験方法)に準拠して測定する。

(チタン銅の厚み) 本発明に係るチタン銅の一実施形態においては、厚みを1.0mm以下とすることができ、典型的な実施形態においては厚みを0.02〜0.8mmとすることができ、より典型的な実施形態においては厚みを0.05〜0.5mmとすることができる。

(用途) 本発明に係るチタン銅は種々の伸銅品、例えば板、条、管、棒及び線に加工することができる。本発明に係るチタン銅は、限定的ではないが、スイッチ、コネクタ、オートフォーカスカメラモジュール、ジャック、端子(特に、バッテリー端子)、リレー等の電子部品における導電材やばね材として好適に使用することができる。これらの電子部品は例えば車載部品や電気・電子機器用部品として使用可能である。

(製造方法) 以下、本発明の実施の形態に係るチタン銅の製造方法は、Tiを2.0〜4.5質量%含有し、第三元素としてFe、Co、Ni、Cr、Zn、Zr、P、B、Mo、V、Nb、Mn、Mg、及びSiからなる群から選択された1種以上を合計で0〜0.5質量%含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなるチタン銅のインゴットを鋳造し、熱間圧延した後、冷間圧延工程及びその後の最終溶体化処理工程を行うことを含む。以下に、本実施形態に係るチタン銅の好適な製造例について、工程毎に順次説明する。

<インゴット製造> 溶解及び鋳造によるインゴットの製造は、基本的に真空中又は不活性ガス雰囲気中で行う。溶解において添加元素の溶け残りがあると、強度の向上に対して有効に作用しない。よって、溶け残りをなくすため、FeやCr等の高融点の第三元素は、添加してから十分に攪拌したうえで、一定時間保持する必要がある。一方、TiはCu中に比較的溶け易いので第三元素の溶解後に添加すればよい。従って、Cuに、Fe、Co、Ni、Cr、Zn、Zr、P、B、Mo、V、Nb、Mn、Mg、及びSiからなる群から選択される1種以上を合計で0〜0.5質量%含有するように添加し、次いでTiを2.0〜4.5質量%含有するように添加してインゴットを製造することが望ましい。

<均質化焼鈍及び熱間圧延> インゴット製造時に生じた凝固偏析や晶出物は粗大なので均質化焼鈍でできるだけ母相に固溶させて小さくし、可能な限り無くすことが望ましい。これは曲げ割れの防止に効果があるからである。具体的には、インゴット製造工程後には、900〜970℃に加熱して3〜24時間均質化焼鈍を行った後に、熱間圧延を実施するのが好ましい。液体金属脆性を防止するために、熱延前及び熱延中は960℃以下とし、且つ、元厚から全体の圧下率加工度が80%までのパスは800℃以上とするのが好ましい。

本実施形態では、1パスあたりの圧縮歪は0.15〜0.30とし、700〜900℃の最大歪速度は2.0〜6.0/s、好ましい一実施態様では3.0〜5.0とする。これによりGOSやシュミット因子を上述の範囲に制御することが可能になる。尚、1パスあたりの圧縮歪は、圧縮歪であるη=ln{(熱間圧延前の断面積)/(熱間圧延後の断面積)}を熱間圧延での総パス数で除することにより算出することができる。また、歪速度ε(/s)は次式(1)より算出する。

ここで、H0:入側での板厚(mm)、n:圧延ロールの回転速度(rpm)、R:圧延ロールの半径(mm)、r’:加工度((入側での板厚)−(出側での板厚)/入側での板厚)である。

<冷間圧延及び焼鈍> 熱間圧延後、冷間圧延を行う。冷間圧延の加工度は典型的には60%以上とする。パスあたりの加工度は、当該パスによる圧延を行う前のインゴットの厚さをT0、当該パスによる圧延が終了した時のインゴットの厚さをTとすると、式(2)により求められる。 加工度(%)={(T0−T)/T0}×100 ・・・(2) 次いで、焼鈍を実施することができる。焼鈍の条件は典型的には900℃で1〜5分とする。この冷間圧延及び焼鈍は必要に応じて適宜繰り返すことができる。

<第一溶体化処理> 冷間圧延及び焼鈍を適宜繰り返した後、第一溶体化処理を行うのが好ましい。ここで予め溶体化を行っておく理由は、最終の溶体化処理での負担を軽減させるためである。すなわち、最終の溶体化処理では、第二相粒子を固溶させるための熱処理ではなく、既に溶体化されてあるのだから、その状態を維持しつつ再結晶のみ起こさせればよいので、軽めの熱処理で済む。具体的には、第一溶体化処理は加熱温度を850〜900℃とし、2〜10分間行えばよい。そのときの昇温速度及び冷却速度においても極力速くし、ここでは第二相粒子が析出しないようにするのが好ましい。なお、第一溶体化処理は行わなくても良い。

<中間圧延> 次いで 中間圧延を行う。中間圧延の加工度は典型的には60%以上とする。

<最終の溶体化処理> 最終の溶体化処理では、析出物を完全に固溶させることが望ましいが、完全に無くすまで高温に加熱すると、結晶粒が粗大化しやすいので、加熱温度は第二相粒子組成の固溶限付近の温度とする。具体的には、Tiの添加量(質量%)をXとする場合、加熱温度(℃)を52×X+610〜52×X+680の範囲とする。

加熱温度が52×X+610℃を下回る場合、未再結晶となり、加熱温度が52×X+680を上回る場合、結晶粒径が粗大化し、最終的に得られるチタン銅の強度はいずれも低下する。

最終の溶体化処理での加熱時間を調整することでGOS及びシュミット因子を制御することができる。加熱時間は、例えば5〜60秒とすることができ、典型的には20〜45秒とすることができる。

<最終の冷間圧延> 最終の溶体化処理に引き続いて最終の冷間圧延を行う。最終の冷間加工によって強度を高めることができるが、良好な耐応力緩和特性を得るためには、加工度を5〜50%、更には20〜40%とすることが望ましい。

<時効処理> 最終の冷間圧延に引き続いて時効処理を行う。材料温度300〜500℃で1〜50時間加熱することが好ましく、材料温度350〜450℃で10〜30時間加熱することがより好ましい。時効処理は、酸化被膜の発生を抑制するためにAr、N2、H2等の不活性雰囲気で行うことが好ましい。

以上を総括すると、本発明の実施の形態に係るチタン銅の製造方法は、 Tiを2.0〜4.5質量%含有し、第三元素としてFe、Co、Ni、Cr、Zn、Zr、P、B、Mo、V、Nb、Mn、Mg、及びSiからなる群から選択された1種以上を合計で0〜0.5質量%含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなるチタン銅のインゴットを鋳造する工程と、 当該インゴットに対し、1パスあたりの圧縮歪を0.15〜0.30とし、700〜900℃での最大歪速度が2.0〜6.0/sとなるように処理する熱間圧延工程と、 Tiの添加量(質量%)をXとする場合に、加熱温度(℃)を52×X+610〜52×X+680とし、保持時間を5〜60秒で処理する最終溶体化処理工程とを含む。

なお、当業者であれば上記各工程の合間に適宜、表面の酸化スケール除去のための研削、研磨、ショットブラスト酸洗等の工程を行なうことができることは理解できるだろう。

以下に本発明の発明例を比較例と共に示すが、これらは本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。

表1に示す合金成分を含有し残部が銅及び不可避的不純物からなる合金を実験材料とし、合金成分、熱間圧延及び最終溶体化処理の製造条件が、0.2%耐力、平均結晶粒径、GOS、シュミット因子及び耐応力緩和特性に及ぼす影響を調査した。

まず、真空溶解炉にて電気銅2.5kgを溶解し、第三元素を表1に示す配合割合でそれぞれ添加した後、同表に示す配合割合のTiを添加した。添加元素の溶け残りがないよう添加後の保持時間にも十分に配慮した後に、これらをAr雰囲気で鋳型に注入して、それぞれ約2kgのインゴットを製造した。

上記インゴットに対して950℃で3時間加熱する均質化焼鈍の後、900〜950℃で熱間圧延を行い、板厚10mmの熱延板を得た。面削による脱スケール後、冷間圧延と焼鈍を繰り返して素条の板厚(2.0mm)とし、素条での第一の溶体化処理を行った。第一の溶体化処理の条件は850℃で10分間加熱とし、その後、水冷した。次いで中間の冷間圧延を行った後、最終の溶体化処理を行い、その後、水冷した。次いで、酸洗による脱スケール後、加工度25%の最終冷間圧延を行い板厚0.1mmとし、最後に400℃×15時間の条件で時効処理を行って発明例及び比較例の試験片とした。

作製した試験片について、次の評価を行った。 (0.2%耐力) JIS13B号試験片を作製し、上述した測定方法に従い引張試験機を用いて圧延方向と平行な方向の0.2%耐力を測定した。

(平均結晶粒径) 各試験片の板面(圧延面)を研磨したのちエッチングし、これに対しEBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定における結晶方位解析により、EBSDに付属している解析ソフト(例:TSLソリューションズ社製のOIM Analysis)を用いて、方位差5°以上を結晶粒界とみなした場合における平均結晶粒径を測定した。

(GOS) 各試験片の板面(圧延面)を研磨したのちエッチングし、これに対しEBSD測定における結晶方位解析を行った。解析ソフト(例:TSLソリューションズ社製のOIM Analysis)を用いて、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときの各結晶粒内の全ピクセル間の方位差の平均値を示し、結晶粒内のあるピクセルと残りの全てのピクセル間の方位差の平均値を計算し、これを全結晶粒に対して行って平均値を算出した。

(シュミット因子) 各試験片の板面(圧延面)を研磨したのちエッチングし、これに対しEBSD測定における結晶方位解析を行った。解析ソフト(例:TSLソリューションズ社製のOIM Analysis)を用いて、方位差5°以上を結晶粒界とみなしたときの個々の結晶粒のシュミット因子を算出した。

(耐応力緩和特性) 試験片を300℃で10時間保持した後の応力緩和率を測定した。幅10mm、長さ100mmの短冊形状の試験片を、試験片の長手方向が圧延方向と平行になるように採取した。図1のように、l=50mmの位置を作用点として、試験片にy0のたわみを与え、圧延方向の0.2%耐力の80%に相当する応力(s)を負荷した。y0は次式により求めた。 y0=(2/3)・l2・s / (E・t) ここで、Eは圧延方向のヤング率であり、tは試料の厚みである。300℃にて10時間加熱後に除荷し、図2のように永久変形量(高さ)yを測定し、応力緩和率{[y(mm)/y0(mm)]×100(%)}を算出した。 応力緩和率が10%以下の場合、耐応力緩和特性が良好(○)とみなした。

発明例1〜18の場合はいずれも300℃10時間保持した後の応力緩和率が10%以下となり、優れた耐応力緩和特性を示した。

一方、比較例1は、1パス当たりの圧縮歪が低すぎたことで、微細な析出物が十分に得られず、GOSが2〜6°となる結晶率の面積率が60%よりも低くなり、発明例1〜18よりも優れた耐応力緩和特性が得られなかった。

比較例2は、1パス当たりの圧縮歪が高すぎて圧延中の形状が悪くなってしまったため製造することができなかった。比較例3及び4は700〜900℃の最大歪速度が適切ではなかったため、シュミット因子が0.35以下となる結晶粒の面積率が大きくなり、発明例1〜18よりも優れた耐応力緩和特性が得られなかった。

比較例5は、最終の溶体化処理の温度が低すぎたため、発明例1〜18よりも優れた耐応力緩和特性が得られなかった。比較例6は、最終の溶体化処理の温度が高すぎたためGOSが2〜6°となる結晶率の面積率が90%よりも高くなり、発明例1〜18よりも優れた耐応力緩和特性が得られなかった。

比較例7は、最終溶体化処理の保持時間が短すぎたため、結晶粒径は混粒となり、GOSが2〜6°となる結晶率の面積率が60%よりも低くなり、またシュミット因子が0.35以下となる結晶粒の面積率が小さくなり、発明例1〜18よりも優れた耐応力緩和特性が得られなかった。比較例8は、最終溶体化処理の保持時間が長すぎたため、結晶粒径は粗大化し、GOSが2〜6°となる結晶率の面積率が90%よりも高くなり、発明例1〜18よりも優れた耐応力緩和特性が得られなかった。

比較例9〜11は、チタン又は第三元素の添加量が適切ではなかった場合を示す。比較例9は、添加元素の量が多すぎたため、熱間圧延で割れが発生したため製造することができなかった。比較例10は、Tiの添加量が少なすぎたため、シュミット因子が0.35以下となる結晶粒の面積率が大きくなり、発明例1〜18よりも優れた耐応力緩和特性が得られなかった。比較例11は、Tiの添加元素が多すぎたため、熱間圧延で割れが発生したため製造することができなかった。

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