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Street illuminating method and street illuminating fixture

阅读:860发布:2020-10-29

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【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 街路の一方の側縁に沿って立てられた複数の街路柱の高さ4.5m以上6m以下の位置に照明器具を取り付け、該照明器具が取り付けられた該複数の街路柱を30m以上40m以下の間隔で該街路に沿って配置して、該街路を照明する街路照明方法であって、 該街路の路面の任意の地点の上の高さ1.5mの点において、最近接の該照明器具と対向した面に与えられる鉛直面照度を0.5lx以上とする、街路照明方法。
  • 【請求項2】 前記路面の平均照度を3lx以上とし、
    且つ該路面の照度均斉度G1(最小照度/平均照度)を0.17以上とする、請求項1に記載の街路照明方法。
  • 【請求項3】 前記路面の平均照度を3lx以上とし、
    且つ該路面の照度均斉度G2(最小照度/最大照度)を0.08以上とする、請求項1に記載の街路照明方法。
  • 【請求項4】 街路を照明する用途で使用される街路照明器具であって、 設置時の該街路照明器具の中心を通り且つ該街路の路面に垂直な平面のうちで、該街路の側縁に平行な平面をA
    断面とし、該街路の該側縁に垂直な面をB断面とした場合に、該A断面における配光形状が、該B断面に対して対称なバットウィング形状を有しており、 該街路照明器具の直下を鉛直角0度とした場合に、最大光度が得られる方向が鉛直角65度以上80度以下の範囲に存在し、少なくとも該最大光度が、鉛直角0度の方向における直下光度の4.5倍以上である、街路照明器具。
  • 【請求項5】 街路を照明する用途で使用される街路照明器具であって、 光源としての、少なくとも一つの棒状発光管を含む蛍光ランプと、 該光源の上方に設けられた反射板と、 少なくとも、該反射板の端部から該光源を囲むように配置された透光性カバーと、 を備え、 該反射板のうち、少なくとも該光源に対向する面が鏡面反射面を構成しており、 該透光性カバーのうちで、少なくとも該光源より下方に位置する領域に、光屈折処理が施されている、街路照明器具。
  • 【請求項6】 前記蛍光ランプが複数の前記棒状蛍光管を含んでおり、該複数の棒状蛍光管が上下方向に並列に配設されている、請求項5に記載の街路照明器具。
  • 【請求項7】 前記蛍光ランプの前記棒状発光管の最上面と前記鏡面反射面との間隔が2mm以上30mm以下であり、該蛍光ランプの長軸に直交する方向の該鏡面反射面の幅が、該蛍光ランプの該棒状発光管の直径の2倍以上7倍以下である、請求項5に記載の街路照明器具。
  • 【請求項8】 前記鏡面反射面が平板形状を有している、請求項5に記載の街路照明器具。
  • 【請求項9】 前記鏡面反射面が前記蛍光ランプに向かって凸形状を有している、請求項5に記載の街路照明器具。
  • 【請求項10】 前記蛍光ランプの長軸方向に垂直で且つ該長軸方向を含まない断面における該蛍光ランプの光学中心の直下を鉛直角0度とする場合に、 前記透光性カバーの前記光屈折処理が施されている領域が、該蛍光ランプの該光学中心に対して左右それぞれ鉛直角45度以内に設定されており、 該透光性カバーにおける該蛍光ランプの該光学中心に対して左右それぞれ鉛直角45度以上60度以下の範囲に、曲面が設けられている、請求項5に記載の街路照明器具。
  • 【請求項11】 前記蛍光ランプが複数の前記棒状蛍光管を含んでおり、 前記透光性カバーのうちで、該複数の棒状蛍光管のうちで最下段に配置された発光管の中心位置より上方に相当する領域に、更に光屈折処理が施されている、請求項5
    に記載の街路照明器具。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、主として夜間に、
    街路を婦女子が安心して歩けるようにし、且つ、犯意を持っている人間に対して犯意を抑止させるなど、路上での安全性を高め且つ防犯性に優れた街路照明を提供する街路照明方法、及びそのような街路照明を実現する街路照明器具に関する。

    【0002】

    【従来の技術】住宅地域の街路の照度は、JIS(日本工業規格)Z9111−1988で、路面の平均照度を3lx以上、歩道の中心線上であって路面上から1.5
    mの高さにおける街路長軸(街路の長手方向)に対して垂直な鉛直面(すなわち街路の長手方向に向いて且つ街路の路面に垂直な面)での最小照度を0.5lx以上にする旨が、規定されている。

    【0003】街路照明方法としては、一般に、街路の側縁にほぼ等間隔に建てた街路柱、例えば電柱や照明柱に照明器具が設置される。 (社)日本防犯設備協会の「防犯灯に関する調査研究報告書」(1992年)によれば、街路照明の約80%では、電柱に街路照明器具が取付けられており、残りの20%では、専用の照明柱に街路照明器具が取り付けられている。 また、一般に、街路照明器具の街路柱(電柱或いは照明柱)への取り付け高さは約4.5m、街路照明器具の設置間隔は約30m〜
    約40mであって、街路照明器具の設置間隔が取り付け高さの6倍〜9倍の範囲である場合が最も多いことが、
    報告されている。

    【0004】照度に関して、(社)照明学会関西支部の調査資料「街路照明の適正化に関する調査分析、198
    6年〜1990年」によると、路上の平均平面照度は1〜2lx前後であり、一方、照明柱の中間付近にて路面に垂直で且つ照明器具に対向する面の路上高さ1.5
    mにおける鉛直面照度は、0.2lx前後である。 また、水平面である路面上での照度の均一性の度合いを示すパラメータである、路面の照度均斉度G1及びG2
    は、G1=最小照度/平均照度=0.1〜0.18、及びG2=最小照度/最大照度=0.02〜0.04である。

    【0005】これらの値からわかるように、一般的な街路照明によって得られる路面の照度は、先述のJIS
    Z9111−1988に定められている照度基準を満たしていないというのが、実態である。

    【0006】街路照明に使用されている照明器具は、2
    0W蛍光ランプ一灯を内蔵した一般に防犯灯と呼ばれている蛍光灯器具が、大半である。 図13は、そのような従来の一般的な街路照明器具1300の基本構成を模式的に示す断面図である。

    【0007】この街路照明器具1300は、ランプ収納部1301に収納されたランプ1302、安定器収納部1303に収納された安定器1304、反射板130
    5、及び透光性カバー1306を備えており、安定器収納部1303に対してランプ収納部1301が下側に(すなわち路面側に)位置するようにして、街路柱に取り付けられる。 安定器収納部1303とランプ収納部1
    301とを隔離する板が、反射板1305としての機能も果たすように構成されており、ランプ収納部1301
    に面した反射板1305の面には、白色メラニン塗装が施されている。 透光性カバー1306はプラスチック製で、ランプ収納部1301を覆うように設けられており、下側部分及び側方部分の両方に、プリズムカット1
    307が施されている。 また、安定器収納部1303の外周には、カバー1308が設けられている。

    【0008】後に本発明の実施形態の説明でも参照する図6(a)において、実線Aは、図13の従来の一般的な街路照明器具(蛍光灯器具)1300のA断面における配光形状を示している。 ここで、A断面とは、図6
    (b)に示すように、照明柱に取付金具によって設置されている街路照明器具の中心を通り且つ路面に垂直な平面のうちで、街路の側縁に平行な平面を指す。 これに対して、街路の側縁に垂直な面をB断面と称する。

    【0009】図6(a)の実線Aからわかるように、図13の従来の街路照明器具(蛍光灯器具)1300では、A断面内で照明器具の下側領域の全体で、ほぼ均一な光度分布(配光曲線)となっている。

    【0010】街路照明器具としては、図13のような蛍光灯器具1300の他に、80W〜250Wの水銀灯などの高圧放電灯を用いた照明器具も、一部に使用されている。 その構成及びA断面での配光分布は、それぞれ図13の蛍光灯器具1300の構成、及び図6(a)の実線Aで示される配光曲線と、大きな相違はない。

    【0011】

    【発明が解決しようとする課題】本来、街路照明の目的は、主に夜間に、街路を歩く歩行者に対して安全な通行を確保することにある。 しかし、実際には、路上犯罪の約50%は18時〜24時の夜間に発生しており、その総数も年々増大している(例えば、「防犯照明ガイド」、(社)日本防犯設備協会(1997年7月)を参照)。

    【0012】このような路上犯罪の実態から、従来の街路照明には問題点が存在すると言える。

    【0013】夜間に街路を通行する人、特に弱者である婦女子にとっては、路面全体が明るくて暗がりがなく、
    「安心して歩ける」という印象を持てるような街路照明が、要求される。 また、万一の場合は、不審者の存否や振る舞い、不審者の外見的特徴を視認でき、逃避などの対抗措置がとれるような明るさが要求される。 一方、痴漢行為やひったくりなどの犯罪を犯そうとしている者にとっては、相手を品定めするのに都合の良い明るい所があり、その一方で、犯罪を実行する暗い場所があるような街路照明が良い。 また、真っ暗な街路は、一般の人の歩行が困難であると同時に、犯罪者にとっても、犯罪の実行が困難である。

    【0014】以上の点を考慮すると、街路全体が明るいとの印象を得るためには、路面の平均照度があるレベル以上の値を有している必要があり、更に、暗い部分を感じさせないためには、あるレベル以上の均斉度が必要である。 しかし、前述のJISZ9111−1988には、均斉度の概念が示されていない。

    【0015】街路照明の下で人物の外見的特徴が分かるためには、街路の路面に垂直な面における照度である鉛直面照度が、ある値以上なければならない。 これに関して、上記のJIS Z9111−1988には鉛直面照度の基準値が示されているが、それに従った鉛直面照度を実現しようとすれば、照明器具の取り付け高さを4.
    5m、照明柱の設置間隔を35m、使用に伴うランプの性能劣化や照明器具の汚れによる光束の減衰を補償するための保守率を0.72とすると、照明器具に必要な光度は、少なくとも約900cdとなる。 また、この光度が実現されるべき方向を鉛直度で表すと、約85度とする必要がある。 このような光度及びその方向(鉛直角度)は、広く使用されている蛍光ランプを用いた照明器具では実現が極めて困難な数値である。

    【0016】次に、一般に、街路照明の下での暗い部分は、隣り合う照明柱の中間付近にできるので、暗い部分を無くすためには、この部分の路面照度(水平面照度)
    及び鉛直面照度を高める必要がある。 このためには、隣り合う照明柱の中間付近(鉛直角では80#付近)の領域へ光を多く配分する必要があるが、従来の照明器具は、図6(a)の実線Aに示したように、そのような方向への光の配分量は少ない。 更に、従来の照明器具で上記の範囲へ光を多く配分し過ぎると、今度は照明器具の直下付近への光の配分量が必要以上に減るので、適切な配光形状を設定することが要求される。 このためには、
    そのような適切な適正な配光形状を実現する光学系を照明器具に取り付ける必要があるが、実際には、従来の照明器具の構成では、そのような点に対する十分な配慮が払われていない。

    【0017】以上のように、JIS Z9111−19
    88が照度均斉度の概念を示していないこともあって、
    従来では、安価な20W蛍光ランプを使用した一般に防犯灯と呼ばれる街路照明器具が広く使われているが、この照明器具では、照明器具の直下付近は明るく照明されるものの、前述したように隣り合う照明柱の中間付近の照度が低く、暗がりができる。 このため、夜間に街路を通行する歩行者に不安を与えるとともに、ひったくりなどの犯罪を犯そうとする者にとっては、格好の暗がりを与える結果となっている。

    【0018】一方、街路照明要件として、先に述べたようにJIS Z9111−1988において、路上の水平面照度の平均値を3lx以上とし、街路長軸方向の鉛直面照度の最低値を0.5lx以上にすることが、推奨されている。 しかし、これらの値のうちで、水平面照度の平均値3lxは比較的容易に実現できるが、街路長軸方向の鉛直面照度の最低値0.5lxを実現することは、難しい。

    【0019】これは、街路長軸方向の鉛直面照度の定義から、その鉛直面照度の最低値が、照明器具直下を通る街路の横断軸線上に存在することになるからである。 その結果、定義される鉛直面照度の最低値に寄与するのは、最近接の照明器具ではなく、隣接する何れかの照明器具になる。 従って、上記の街路長軸方向の鉛直面照度の最低値0.5lxを実現しようとすると、街路長軸方向の鉛直面照度の定義から、その方向への光度を前述したように900cd以上に設定する必要がある。 しかし、従来から一般に使用されている街路照明器具でこの光度を得るには、150W以上のランプが必要であり、
    そのコストが増大する。

    【0020】一方、数10Wの蛍光ランプを使用した従来の照明器具でJIS Z9111−1988に規定されている街路長軸方向の鉛直面照度の最低値0.5lx
    を実現しようとすると、照明柱の設置間隔を10〜15
    mにしなければならず、これは街路照明の設置費用を増大させる。

    【0021】以上のように、従来は、JIS Z911
    1−1988にて推奨されている鉛直面照度を達成している街路照明は、実際には、皆無に近いというのが実態である。

    【0022】本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、(1)夜間に弱者である婦女子が安心して通行でき、且つ犯意の抑制に効果のある安価な街路照明方法を提供すること、及び(2)
    上記のような街路照明方法を実現する街路照明器具を提供すること、である。

    【0023】

    【課題を解決するための手段】本発明の街路照明方法は、街路の一方の側縁に沿って立てられた複数の街路柱の高さ4.5m以上6m以下の位置に照明器具を取り付け、該照明器具が取り付けられた該複数の街路柱を30
    m以上40m以下の間隔で該街路に沿って配置して、該街路を照明する街路照明方法であって、該街路の路面の任意の地点の上の高さ1.5mの点において、最近接の該照明器具と対向した面に与えられる鉛直面照度を0.
    5lx以上としており、そのことによって、前述の目的が達成される。

    【0024】ある実施形態では、前記路面の平均照度を3lx以上とし、且つ該路面の照度均斉度G1(最小照度/平均照度)を0.17以上とする。

    【0025】他の実施形態では、前記路面の平均照度を3lx以上とし、且つ該路面の照度均斉度G2(最小照度/最大照度)を0.08以上とする。

    【0026】本発明の他の曲面によって提供される、街路を照明する用途で使用される街路照明器具においては、設置時の該街路照明器具の中心を通り且つ該街路の路面に垂直な平面のうちで、該街路の側縁に平行な平面をA断面とし、該街路の該側縁に垂直な面をB断面とした場合に、該A断面における配光形状が、該B断面に対して対称なバットウィング形状を有しており、該街路照明器具の直下を鉛直角0度とした場合に、最大光度が得られる方向が鉛直角65度以上80度以下の範囲に存在し、少なくとも該最大光度が、鉛直角0度の方向における直下光度の4.5倍以上であり、そのことによって、
    前述の目的が達成される。

    【0027】本発明の更に他の曲面によって提供される、街路を照明する用途で使用される街路照明器具は、
    光源としての、少なくとも一つの棒状発光管を含む蛍光ランプと、該光源の上方に設けられた反射板と、少なくとも、該反射板の端部から該光源を囲むように配置された透光性カバーと、を備え、該反射板のうち、少なくとも該光源に対向する面が鏡面反射面を構成しており、該透光性カバーのうちで、少なくとも該光源より下方に位置する領域に、光屈折処理が施されていて、そのことによって、前述の目的が達成される。

    【0028】ある実施形態では、前記蛍光ランプが複数の前記棒状蛍光管を含んでおり、該複数の棒状蛍光管が上下方向に並列に配設されている。

    【0029】ある実施形態では、前記蛍光ランプの前記棒状発光管の最上面と前記鏡面反射面との間隔が2mm
    以上30mm以下であり、該蛍光ランプの長軸に直交する方向の該鏡面反射面の幅が、該蛍光ランプの該棒状発光管の直径の2倍以上7倍以下である。

    【0030】前記鏡面反射面が平板形状を有していてもよい。

    【0031】或いは、前記鏡面反射面が前記蛍光ランプに向かって凸形状を有していてもよい。

    【0032】ある実施形態では、前記蛍光ランプの長軸方向に垂直で且つ該長軸方向を含まない断面における該蛍光ランプの光学中心の直下を鉛直角0度とする場合に、前記透光性カバーの前記光屈折処理が施されている領域が、該蛍光ランプの該光学中心に対して左右それぞれ鉛直角45度以内に設定されており、該透光性カバーにおける該蛍光ランプの該光学中心に対して左右それぞれ鉛直角45度以上60度以下の範囲に、曲面が設けられている。

    【0033】ある実施形態では、前記蛍光ランプが複数の前記棒状蛍光管を含んでおり、前記透光性カバーのうちで、該複数の棒状蛍光管のうちで最下段に配置された発光管の中心位置より上方に相当する領域に、更に光屈折処理が施されている。

    【0034】

    【発明の実施の形態】以下、本発明の街路照明方法、それによって得られる配光、更に、本発明の街路照明方法を実現するために適した照明器具について、以下に具体的に順に説明する。

    【0035】まず、本願発明者は、前述の従来の課題を解決することができる街路照明方法を得るために、夜間に婦女子が安心して街路を歩行できる路面の照度について、検討した。

    【0036】具体的には、比較的明るい商店街街路或いは暗い住宅地街路などの路面照度が異なる40箇所の街路照明を選んで、20人の被験者(婦女子)に安心して歩けるか否かを主観的に評価させた照明学会関西支部の調査データ(文献:(社)照明学会関西支部、「街路照明の適正化に関する調査分析(その1〜5)」、198
    6年〜1990年)を、詳細に分析した。 その結果を図2に示す。

    【0037】図2では、水平面照度の最小値及び平均値を図の横軸及び縦軸にとり、該当する水平面照度レベル(最小値及び平均値)を有する街路照明について、被験者の50%以上が安心して歩けると評価した場合には黒丸プロットで示し、50%以上が安心して歩けないと評価した場合には白四角プロットで示している。

    【0038】図2の結果から、婦女子が安心して歩けるためには、水平面照度の平均値を3lx以上、最小値を0.5lx以上に設定することが好ましいことがわかる。

    【0039】一方、夜間にひったくりや痴漢行為などの路上犯罪を犯そうとしている人間にとっては、明るい街路は好ましくない。 それは、街路が明るく照明されていると、挙動不審者が近くにおり接近してくることを、狙っている相手にいち早く察知されて、逃避などの対抗処置をとられるからである。 また、明るく照明されている街路では、犯罪を犯そうと考えている者に様々な心理的作用がはたらいて、例えば、犯罪行為を離れた位置の住民から見られているかも知れない、自分の身長など身体つき・服装・人相などを相手に知られやすい、逃走方向を認識されやすいなどの点を考えさせて、犯意を抑制する効果が生み出される。

    【0040】本願発明者は、上記のような視点に立って、犯意を持っている人間が心理的に明るく感じるような街路照明を設けることが、少ない費用でより防犯効果を高めることにつながると着眼し、それを実現する街路照明方法を検討した。 その結果、心理的に明るく感じさせる要因には、大別して二つあることが判った。 一つは、犯意を持っている人間に、「自分が街路の照明器具で照らされて外見的特徴を察知されやすい」という印象を与えることである。 その印象は、最近接の照明器具で照明されている通行人の見え具合に影響される。 通行人の見え具合は、通行人に対する鉛直面照度で決まる。 一方、他の一つは、見た目の路面が全体的に明るく、暗がりが無いという印象を与えることであり、その印象は、
    路面照度とその均斉度とに影響される。

    【0041】そこで、次段階の検討として、通行人がどれだけの鉛直面照度で照明されれば、「通行人の見え具合から自分の見られ具合を判断し、犯行を止めるか」を実験的に検討した。

    【0042】実験は、屋外の広場に街路を見立てた区画を作って街路照明器具を設置し、通行人に見立てた1人を観察対象(被観察者)として立たせた上で、被観察者における鉛直面照度、及び被観察者を観察する被験者(観察者)の位置を様々に変化させて、被観察者の身体つき、服装(色を含む)、人相の概略などの特徴を第三者に説明できる程度まで把握できるかどうかを、5人の被験者に主観評価させた。

    【0043】実験の結果、街路の通行人の見え具合は、
    街路長軸方向の鉛直面照度よりも、通行人に最近接の照明器具に対向した面における鉛直面照度に左右されることが分かった。 この点を更に説明すると、図3において、照明器具3bの直下を通る街路横断軸32の上の点Pにおける、照明器具3bによる街路長軸方向31での鉛直面照度Evlは、はその定義によりゼロである。 従って、点Pにおける街路長軸方向31での鉛直面照度に寄与するのは、最近接の照明器具3bからの光30bではなく、それに隣接した照明器具3aの光30aである。 しかし、実際には、点Pと照明器具3aとは離れているために、得られる鉛直面照度Evlは、JIS Z
    9111−1988の基準を下回る低いものとなる。

    【0044】しかし、そのような状況でも、実際には、
    点Pにおける被観察者の存在やその特徴は、観察者から把握可能である。 これは、被観察者が最近接の照明器具3bの光30bで照明され、点Pにおいて照明器具3b
    と対向した面における鉛直面照度Evwが、高いからである。

    【0045】なお、本願明細書で、ある点における「照明器具と対向した面」とは、その点(上記の例では点P)から路面に下ろした垂線と、対象となっている照明器具(上記の例では照明器具3a或いは3b)から路面に下ろした垂線とを含む平面に垂直な方向の面を指す。
    これを実際の測定時に関して説明すれば、測定点において、照度計を、その測定面(光入射面)を路面に垂直に且つ測定対象である照明器具に向けて配置して、照度を測定することによって、上記で説明したある点(測定点)において照明器具と対向した面における鉛直面照度が得られる。 これに対して、これまでに説明した街路長軸方向での鉛直面照度とは、測定点において、街路長軸方向を向いて且つ路面に垂直な面での照度であり、これは、照度計を、その測定面(光入射面)を路面に垂直に且つ街路長軸方向に向けて配置することによって、測定することができる。

    【0046】更に、人間は、実際には「平板」ではなく、凹凸のある円柱状の立体物であり、街路上のどの位置でも側半身には光が照射されるので、最近接の照明器具に対向した面の鉛直面照度がある値以上あれば、外見的特徴は視認できる。

    【0047】図4は、街路のある位置に通行人(被観察者)が立っている場合に、その通行人の特徴が分かると判断した被験者(観察者)の割合と、通行人の立っている位置において照明器具に対向した面の鉛直面照度との関係を示す。 犯罪を犯そうとしている者が犯行を中止するか否かは、通行人の見え具合に基づいて得られた自分の見られ具合から判断する。 通行人の特徴が十分に分かると判断されるほどの街路照明を提供して犯罪抑止効果を得るためには、図4から、照明器具に対向した面の鉛直面照度を、少なくとも50%の人が通行人の特徴が分かると判断するレベルである0.5lx以上とする必要がある。

    【0048】次に、縮尺1/25の街路の模型を使って種々の照度均斉度を設定して、「婦女子が夜間に街路を安心して歩ける」、「警察官が夜間のパトロールで路上を一見したとき不審者の存否が分かる」、及び「犯意を持つ者が暗がりを感じない」という3つの視点のそれぞれについて、7段階(「非常に良い」、「良い」、「やや良い」、「許容できる」、「やや悪い」、「悪い」、
    及び「非常に悪い」)に評価する主観評価実験を行なった。

    【0049】実験の結果、上記の3つの視点の内で「許容出来る」という評価を与える均斉度として最も高い値が要求されたのは、「婦女子が夜間に街路を安心して歩ける」という視点に対してであった。 そこで、図5
    (a)及び(b)には、上記の「婦女子が夜間に街路を安心して歩ける」という視点に対して、照度均斉度G1
    (図5(a)参照)及び照度均斉度G2(図5(b)参照)の値と主観評価との関係を示す。

    【0050】図5(a)及び(b)から、平均照度が3
    〜5lxであって照度均斉度G1を0.17以上に設定するか、或いは、平均照度が3〜5lxであって照度均斉度G2を0.08以上に設定すれば、「婦女子が夜間に街路を安心して歩ける」という視点に対して安心感が得られることがわかる。 先述のように、他の2つの視点に関しては、この「婦女子が夜間に街路を安心して歩ける」という視点に比べて低い照度均斉度レベルで許容される結果が得られているので、上記のような平均照度及び照度均斉度のレベルを満たせば、残りの2つの視点に加えて評価した3つの視点の全てに関して必要均斉度が満たされる。 なお、平均照度が1lxの場合には、照度均斉度G1を0.41以上或いは照度均斉度G2を0.
    21以上と、更に高いレベルに設定することが要求される。

    【0051】先に図2を参照して、婦女子が夜間に街路を安心して歩行できるためには、路面の平均水平面照度3lxの時に、最低水平面照度として0.5lxが必要であることを示した。 これを照度均斉度G1に置き換えるとG1=0.17(=0.5/3)となり、上記の図5を参照して説明した実験結果と一致する。

    【0052】以下には、以上に説明した本願発明者らによる検討結果に基づいて達成された本発明の街路照明方法の一実施形態について、説明する。

    【0053】図1は、本発明の街路照明方法のある実施形態を示す概念図である。

    【0054】図1において、1は街路、2a及び2b
    は、街路1の一方の側縁1aに沿って設けられた隣り合う照明柱(街路柱)、3a及び3bは、照明柱2a及び2bにそれぞれ取り付けられた照明器具、4は、照明柱2a及び2bとは反対側の街路1の側縁1bにおいて、
    照明柱2a及び2bの中間付近の路面のある点(「反対中間点」と称する)を示す。 更に、4'は、反対中間点4から高さ1.5mの高さの点を示す。 また、5は、点4'において、照明器具3aに対向する鉛直面照度の方向である。

    【0055】街路1の側縁1aに沿って、照明柱2a及び2bを35m間隔に設置する。 照明器具3a及び3b
    は、それぞれ照明柱2a及び2bの高さ4.5mの位置に取り付ける。 この場合、光束として約3000lmのランプを用いれば、婦女子が安心できるための路面照度の一つの指標である水平面照度の平均値3lxが得られる。 また、街路1の路面上で、照明器具3a及び3bの直下の地点から、照明柱2a及び2bが設けられているのとは反対側の側縁1bまでの距離を、5mとする。 但し、この場合、街路1の幅を実質的に約5mとみなすことができる。

    【0056】一般に、路面の水平面照度の平均値が3l
    xであっても、照明器具に近い場所では平均値より高い照度になり、遠い場所では低い照度になる。 街路1で最も照度が低くなるのは、照明柱2a及び2bが設置されている側縁1aとは反対側の側縁1bの、照明柱2a及び2bの中間付近、すなわち反対中間点4の近傍である。 従って、反対中間点4の近傍の最小路面照度が、婦女子が安心して歩けるために0.5lx以上であればよい。 また、路面の平均照度を3lxとすれば、照度均斉度G1を0.17以上に設定することが好ましいという観点からも、反対中間点4の近傍の最小路面照度は約0.5lx以上(=照度均斉度G1×平均照度≒0.1
    7×3)であればよい。

    【0057】反対中間点4の近傍では、路面が暗いだけではなく、その付近にいる人も暗く見える。 従って、最も暗い反対中間点4の近傍にいる人が、少なくとも照明器具3a及び3bの何れかの方向に対向する面の鉛直面照度が0.5lx以上になるように照らされていれば、
    街路1の他の位置にいる人は、0.5lx以上の鉛直面照度で照らされることになり、街路1のどこにいる人であっても、その人の外見的特徴を知覚できる。

    【0058】ここで、外見的特徴を知る重要な手がかりとなるのは顔である。 日本人の顔までの路面からの平均的な高さは約1.5mであるので、以下の説明では、必要な鉛直面照度の高さ位置を路上1.5mの高さとする。 これが、図1における点4'である。

    【0059】なお、図1の配置で、照明器具3aと路面上の反対中間点4とを結ぶ方向I 76と照明器具3aの直下方向とがなす角度(鉛直角度)は約76度であり、照明器具3aと反対中間点4の上の高さ約1.5mの点4'とを結ぶ方向I 81と、照明器具3aの直下方向とがなす角度(鉛直角度)は、約81度である。

    【0060】図1の照明器具3a及び3bの設置条件で光度を算出すると、反対中間点4の上の高さ約1.5m
    の点4'において、方向5で照明器具3aに対向する面の鉛直面照度Ev=0.5lxを得るために必要な、照明器具3aから方向I 81に向かう光度(同じくI 81で示す)は、保守率(照明器具の汚れやランプの経年的性能の低下を補償する係数)をM=0.72と見込むと、次式のようにして計算され、 I 81 =(Ev・L 2 )/(M・cosθ) =[0.5×{(4.5-1.5) 2 +5 2 +(35/2) 2 }]/[0.72×cos(90°-81°)] =239 これよりI 81を約239cd以上にすれば、上記の鉛直面照度としてEv=0.5lx以上の値が得られる。 なお、以上の計算で、Lは、光源である照明器具3aから計算対象の鉛直面(すなわち、反対中間点4の上の高さ約1.5mの点4'で、方向5で照明器具3aに対向する面)までの距離であり、θは、光源である照明器具3
    aから上記の鉛直面に向かう光の上記鉛直面での入射角である。

    【0061】一方、路面照度について、反対中間点4の近傍での路面の照度(水平面照度)は、照明器具3aによる照度と照明器具3bによる照度との合計になる。 従って、反対中間点4の近傍での路面の照度をEh=0.
    5lx以上(すなわち路面照度の最小値Ehmin=0.
    5)にするためには、照明器具3aから方向I 76に向かう光度(同じくI 76で示す)に関する同様な次式に示す計算結果から、 I 76 =[(Ehmin/2)・K 2 ]/(M・cosθ') =[(0.5/2)×{4.5 2 +5 2 +(35/2) 2 }]/[0.72×cos76°] =504 I 76 =約504cd以上にすればよい。 ここで、Kは、
    光源である照明器具3aから反対中間点4までの距離であり、θ'は、光源である照明器具3aから反対中間点4に向かう光の水平面(路面)での入射角である。

    【0062】次に、照度均斉度G2(=最小照度/最大照度)に関しては、G2≧0.08という好ましい値を得るためには、路面照度の最大値(最大照度)が、最小値(最小照度)の1/0.08倍以下でなければならない。 上記を満足するためには、路面照度の最大値Ehma
    xは照明器具の直下付近に存在するので、路面上の最小照度が0.5lxの場合に、図1の照明器具3a及び3
    bの直下付近の路面照度を、Ehmax=6.25lx以下とすればよい。 この場合に必要になる照明器具3a及び3bの直下方向(鉛直角度0度)の光度I 0は、次式から求められて、 I 0 =(Ehmax・N 2 /(M・cosθ”) =(6.25×45 2 )/(0.72×cos0°) ≒176 I 0 =約176cd以下であればよい。ここで、Ehmax
    は、路面照度の最大値であり、Nは、光源である照明器具3a及び3bから直下の路面までの距離(照明器具3
    a及び3bが取り付けられている照明柱2aの高さ)であり、θ”は、光源である照明器具3a及び3bから直下の路面に向かう光の水平面(路面)での入射角である。

    【0063】照明器具3a及び3bの照明柱2a及び2
    bへの取り付け高さを4.5〜6mの範囲で変化させ、
    照明器具3a及び3bの取り付け間隔を30〜40mの範囲で変化させて光度を算出した結果、最大光度が得られる方向の鉛直角は、照明器具の取り付け高さが6m及び照明器具の取り付け間隔が30mの場合に最小となって、その値は約65度であり、一方、照明器具の取り付け高さが4.5m及び照明器具の取り付け間隔が40m
    の場合に最大になって、その値は約80度であった。 従って、上記の設置条件を全て満たすためには、最大光度が得られる方向が、鉛直角で約65以上で約80度以下の範囲内にあればよい。

    【0064】また、必要な路面の照度均斉度を満たすためには、最大光度と最小光度との比(最大光度/最小光度)が、照明器具の取り付け高さが6m及び照明器具の取り付け間隔が30mの場合で約1.4以上、照明器具の取り付け高さが4.5m及び照明器具の取り付け間隔が40mの場合で約4.5以上であればよい。 従って、
    上記の設置条件を全て満たすためには、最大光度/最小光度が約4.5以上であればよい。

    【0065】図6(a)の実線Cは、上記の条件を満たすよう試作した本発明による照明器具(その具体的な構成は後に説明する)のA断面における配光分布を示している。 この配光分布を用いて路面の照度均斉度を算出した結果、照明器具の取り付け高さ6m及び照明器具の取り付け間隔が30mの場合で、照度均斉度G1=0.4
    4及び照度均斉度G2=0.25、一方、照明器具の取り付け高さ4.5m及び照明器具の取り付け間隔が40
    mの場合で、照度均斉度G1=0.21及び照度均斉度G2=0.08となる。

    【0066】従って、本発明によって得られる照明器具の配光分布は、上記した照明条件の全てにおいて、好ましい照度均斉度の条件を満たしている。

    【0067】次に、本発明に従って構成される街路照明器具について、以下に説明する。

    【0068】図7は、本発明のある実施形態における街路照明器具の構成を模式的に示す断面図である。 具体的には、街路横断軸方向と直角な面(すなわち街路長軸方向に沿った断面)における、街路照明器具の構成を示す。

    【0069】図7において、3は街路照明器具本体、6
    は、ランプ収納部106に収納された、2本の発光管6
    a及び6bを並列に接続した片口金型蛍光ランプ、7は安定器収納部110とランプ収納部106とを隔離する板を兼ねた反射板、8aは反射板7の下面によって構成される鏡面反射面、9はランプ収納部106を覆うように設けられた透光性カバー、9aは透光性カバー9の透明部分、9bは透光性カバー9のブリズムカット部分、
    10は安定器収納部110に設けられた安定器である。
    安定器収納部110の外周には、カバー118が設けられている。 なお、安定器収納部110の外周におけるカバー118をランプ収納部106の透光性カバー9と一体的に形成しても良いが、その場合には、ランプ収納部106を覆う部分は、透光性である必要はない。

    【0070】この街路照明器具3は、安定器収納部11
    0に対してランプ収納部106が下側に(すなわち路面側に)位置するようにして、街路柱に取り付けられる。

    【0071】更に、図中で、8'、9a'、及び9b'
    は、ランプ6から発せられる光の異なる進行方向(光路)を示している。 具体的には、8'は、反射板7の鏡面反射面8で反射されてから照明器具3の外部に進む光の進行方向(光路)、9a'は、透光性カバー9の透明部分9aを透過して照明器具3の外部に進む光の進行方向(光路)、9b'は、透光性カバー9のプリズムカット部分9bを透過して照明器具3の外部に進む光の進行方向(光路)である。

    【0072】また、図7には、この街路照明器具3の街路に対する典型的な設置方向を示す目的で、街路長軸方向を参照番号31により、街路横断軸方向を参照番号3
    2により、それぞれ示している。

    【0073】図8は、図7の構成に対して改変された街路照明器具33を示している。 図8の街路照明器具33
    の構成では、透光性カバー9の側面にも、プリズムカット部分9cが設けられている。 なお、図8において、図7と同じ構成要素には同じ参照番号を記しており、重複する説明は省略する。

    【0074】図7の街路照明器具3の構成、及び図8の街路照明器具33の構成では、何れにおいても、片口型蛍光ランプ6は、その発光管6a及び6bの長軸が、街路横断軸方向32に沿って透光性カバー9の両側部の透明部分9aに平行になるように配設されており、且つ、
    発光管6a及び6bが反射板7に対して上下方向に配設されている。 このため、片口金型蛍光ランプ6からは側方へ多くの光束が放射され、上下方向に放射される光束は少なくなる(側方への光束の約1/2)。

    【0075】図7を再び参照して、ランプ3から発せられる光の光路を説明すると、片口金型蛍光ランプ6から斜め下方向及び側方へ放射された光9a'は、透光性カバー9の透明部分9aをそのまま透過して、街路長軸方向31の遠方路面へ向かう。 一方、片口金型蛍光ランプ6から下方へ放射された光9b'は、透光性カバー9のプリズムカット部分9bを透過する際に、照明器具3の直下よりも街路長軸方向31の遠方に向かうように、屈曲される。 更に、片口金型蛍光ランプ6から斜め上方向及び上方へ放射された光8'は、反射板7の鏡面反射面8aで斜め下側方へ正反射され、透光性カバー9の透明部分9aを透過して、光9a'及び9b'よりも街路長軸方向31で更に遠方へ向かう。

    【0076】図7及び図8の構成における透光性カバー9のプリズムカット部分9b、9cとは、照明器具3及び33を、そのランプ6の発光管6a及び6bの長軸が街路横断軸方向に沿うように街路に設置する際に、ランプ6から発せられて透光性カバー9のこれらの部分9
    b、9cを通過する光の光路に対して街路長軸方向31
    の遠方に向かうような屈折作用が及ぼされるように、光屈折処理が施されている部分である。 具体的な処理は、
    上記のようなプリズムカットの設置に限られるわけではなく、異なる屈折率を有する複数の部材を張り合わせたり、単一の部材の中で適切な屈折率勾配を設けたり、その他の処理であっても構わない。

    【0077】ここで、ランプ6の長軸方向(図7では街路横断軸方向32)に垂直で且つその長軸方向を含まない断面におけるランプ6の光学中心の直下を鉛直角0度とする場合に、透光性カバー9の透明部分9aが、ランプ6の光学中心に対して左右それぞれ鉛直角45度以上に渡って平面であると、ランプ6から放射されてその平面に斜めに入射する光の入射角度が浅くなるので、そのような入射光は表面で全反射される。 そのため、平面(すなわち透光性カバー9の透明部分9a)が透明であっても、実際には透過する光が減少する。

    【0078】これに対して、図7或いは図8に示す本発明の街路照明器具3或いは33の構成では、透光性カバー9における透明部分9aのうちで、ランプ9の光学中心に対して左右それぞれ鉛直角45度以上60度以下の範囲に、曲面部分9dが設けられている。 このため、ランプ6から放射された光の入射角が深くなり、上述した全反射の問題が避けられる。

    【0079】なお、透光性カバー9のうちで鉛直角60
    度を越える部分は、もともと光の入射角度が深いので、
    曲面にする必要はない。

    【0080】また、ランプ6の発光管6a及び6bに垂直な方向に沿って測定した反射板7の幅(図7及び図8
    において方向31に沿って測定した幅)を大きくするほど、ランプ6から上方に放射された光のうちで鏡面反射面8aによって斜め下側方へ反射される割合を増大することができて、照明効率が増大する。 しかし、その一方で、このような反射板7の幅の増大は、ランプ収納部1
    03の内部容積を増大させることになり、ランプ6の保温性が低下する。 周知のように、蛍光ランプ6は周囲温度が低下するとランプ効率が大幅に低下する特性を持っているので、ランプ収納部106の内部容積はできる限り小さくする必要がある。

    【0081】一方で近年、住居環境や天文観測などに対して屋外照明が及ぼす悪影響(障害光)が問題になっており、そのために日本では、環境庁は光害対策ガイドラインを示している。 その中では、一般市街地では、上方光束は全光束の15%以下にすべきであると規定されている。 このことは、発光管6a及び6bからの85%以上の光が下方に照射されなければならないことを意味している。 発光管6a及び6bから360度方向に照射される光のうちで下側180度(全光束比で50%)はすでに下方光束となっているので、上記を達成するためには、上側180度のうちで126度(全光束比で35
    %)以上の光が、反射板7により下方に照射するようにしなくてはならない。 そのためには、発光管6a及び6
    bの径、発光管6a及び6bと反射板7との間の距離、
    及び反射板7の幅という幾何条件を、ある範囲に設定する必要がある。

    【0082】図9は、発光管6a及び6b(図9の中では最上段の発光管6aのみを示している)の直径を28
    mmとし、発光管6aの最上面と反射面7との間の間隔Hを2mm〜30mmとした場合において、反射板7と幅Wと、発光管6aの中心から反射板7の端を結んだ線の鉛直角αとの関係を、示している。 図9より、発光管の直径が28mmの場合、上記の126度という角度を鉛直角に換算した鉛直角α=63度以上の光を反射するためには、反射板7の幅Wを63mm〜175mm程度に設定する必要がある。 すなわち、反射板7の幅Wを発光管の直径の2倍以上7倍以下とすれば、上方光束を全光束の15%以下にすることが可能となる。

    【0083】なお、上記の図9の結果の測定において、
    発光管6aの最上面と反射面7との間の間隔Hの最小値を2mmとしているが、これは、ランプ(発光管)と反射面とが接すると振動などによるランプ性能の低下が生じるために、そのような好ましくない影響が生じない距離として設定している。

    【0084】図7の構成では、透光性カバー9のうちで、ランプ9の光学中心に対して左右それぞれ鉛直角4
    5度以内の範囲に、プリズムカット部分9bが設けられている。 これのプリズムカット部分9bに加えて、更に、図8に示すように、透光性カバー9の側面部において、下段に位置する発光管6bの中心位置より上方にもプリズムカット部9cを設ければ、上空間に向かう光をこのプリズムカット部9cで屈折させて、路上に向わせることができる。 これにより、路面に対する照明効率の向上、及び周辺への障害光の低減が実現できる。

    【0085】ここで、図6(a)における実線Cは、図7の構成を有する本発明の街路照明器具3によって得られるA断面での配光分布を示している。 また、破線B
    は、図7の構成における片口金形蛍光ランプ6及び透光性カバー7は同一であるが、反射板を、従来と同じ拡散性の平板とした場合に得られるA断面での配光分布を示している。 更に、実線Aは、先に図13を参照して説明した従来の街路照明器具で得られるA断面での配光分布である。

    【0086】図6(a)の結果より、本実施形態による街路照明器具3の配光分布は、設置時の街路照明器具3
    の中心を通り且つ街路の路面に垂直な平面のうちで、街路の側縁に平行なA断面A断面における配光形状が、街路の側縁に垂直なB断面に対して対称なバットウィング形状を有していることが分かる。 この結果、従来に比べて、特に隣り合う照明柱の中間付近(鉛直角度で約75
    〜80度)での配光が増大している。 これに対して、直下付近(0〜30度)の配光は減少しているが、直下付近は元々照度が高いので、減少による不利益は生じない。 逆に、本発明では、照度均斉度G1(最小照度/平均照度)が前述の所定値を満たすので、心理的にも暗がりを感じさせない効果が得られる。

    【0087】図10は、本発明の街路照明方法によって得られる路面の照度分布を模式的に示す計算結果である。

    【0088】具体的には、図1を参照して説明した街路照明器具の配置パターンに従って、幅約5mの街路に3
    5m間隔で立てた街路柱の高さ4.5mの位置に本発明による街路照明器具(具体的には図7の街路照明器具3)をそれぞれ設置した状態(街路照明器具3のランプ光束=3000lmとする)において、ランプの保守率=0.72として、路面上における照度を計算した。 図10は、上記の計算によって得られた、路面を上方から見た場合の照度分布を等高線的に示している。 なお、図10では、街路照明器具の設置個所は、路面の右下及び左下の角に相当する。 また、図中には、街路長軸方向3
    1及び街路横断軸方向32も、それぞれ示している。

    【0089】図10から、本発明によれば、路面の平均照度=3.1lx、最小照度=0.9lx、最大照度=
    8.8lx、路面の照度均斉度G1=0.29及びG2
    =0.1が得られており、路面照度レベルや照度均斉度に関する前述の好ましい範囲が何れも満たされていることが分かる。

    【0090】なお、以上の本実施形態の説明においては、棒状蛍光ランプとして片口金型蛍光ランプを用いているが、直管形の両口金型蛍光ランプを複数配設した場合も、同様の効果が得られる。

    【0091】また、図7及び図8では、反射板7の鏡面反射面8aが、ランプ収納部106(ランプ6)に向かって凸状をなす形状になっているが、鏡面反射面(反射板)は、平板状、或いは他の形状を有していてもよい。

    【0092】具体的には、本発明における鏡面反射面(反射板)の形状とランプとの組み合わせの幾つかの構成例を、図12(a)〜(d)に示す。 また、従来技術における反射面(反射板)とランプとの組合わせの構成例を、図11(a)及び(c)に示す。 更に、図11
    (b)及び(d)は、図11(a)及び(c)の構成でそれぞれ得られる一般的な配光分布を示す。

    【0093】まず、従来技術から説明すると、図11
    (a)は、平板の拡散反射面8xに単一の発光管11を組み合わせた構成であるが、この場合には、図11
    (b)に示すようにほぼ楕円形の配光分布となり、ほとんど遠方に光を反射させることができない。 ここで、拡散反射面とは、入射した光があらゆる方向へ反射されるような面を指す。

    【0094】また、図11(c)は、単一の発光管11
    を、発光管11とは反対側に凸になるように屈曲した反射面8yに組み合わせた構成である。 この場合には、図11(d)に示すように、反射光を入射光と反対方向に照射させることにより、直下よりも遠方に光が到達するような配光としている。 しかし、この形状は、一般的な道路照明器具の配光であり、街路照明器具には適さない。 なぜなら、街路照明器具の取付け間隔が取付け高さの6〜9倍であるのに対して、道路照明器具の間隔は取り付け高さの3〜4倍であるため、最高光度の必要範囲が、道路照明器具では鉛直角50〜65度となり、街路照明器具とは異なるためである。

    【0095】これに対して、本発明の実施形態の改変例である図12(a)は、平板状ではあるが、拡散反射面ではなく、鏡面をなす反射面(鏡面反射面)8bを、単一の蛍光管11に組み合わせた構成である。 ここで、鏡面反射面とは、入射した光がある一つの方向へ強く反射されるような面を指す。 この場合には、図11(a)に示す従来技術における平板の拡散反射面8xを用いる構成よりも、更に遠方に光を反射させることができる。 この構成では、反射面8b(反射板)が屈曲部(凸状部分)を持たないため、最も薄型にできるという利点がある。

    【0096】一方、図12(b)は、2つの発光管6a
    及び6bが上下方向に重なるように配設された片口金型蛍光ランプ6と、ランプ6の側に全体的に凸状をなす鏡面反射面8cとを、組み合わせた構成である。 この構成では、図12(a)のように平面状の鏡面反射面8bを用いる場合よりも、更に遠方に光を反射させることができて、路面状の照度均斉度を高められる利点を持つ。 また、複数の発光管6a及び6bを有するランプ6を図1
    2(a)のような平面状の鏡面反射面8bに組み合わせると、上段の発光管6aから真上に放射された光が反射面8bで正反射して上段の発光管6aに再帰吸収されるが、図12(b)の構成では、鏡面反射面8cがランプ6に向かって全体的に凸状のV字形状を有しているので、上段の発光管6aから真上に放射された光は、鏡面反射面8cでの反射後に発光管6aにほとんど再帰せずに、下方向の路上へ反射される。 従って、この点でも、
    発光効率を高めることができる。

    【0097】図12(c)は、先に図7及び図8を参照して説明した街路照明器具3及び33に含まれている構成であって、2つの発光管6a及び6bが上下方向に重なるように配設された片口金型蛍光ランプ6と、ランプ6の側に一部が凸状をなす鏡面反射面8aとが、組み合わせた構成である。 この構成でも、図12(b)の構成とほぼ同様の利点が得られる。 更に、図12(c)の構成では、鏡面拡散面8aにおいて、ランプ6の側に凸形状をなす部分の外側には平面部分が設けられてるので、
    図12(b)の構成に比べて、不必要な上方光束を更に減らすことができる。 これによって、全体構成を、より薄くすることができる。

    【0098】また、図12(d)は、図12(b)の構成における鏡面反射面8cの両端部に、受光面が下側へ向くように副反射板12を取り付けた構成である。 このように端部に副反射板12を取り付けることにより、上方光束を減らして、平板の反射面の幅より鏡面反射面8
    cの幅を小さくできるという利点がある。 なお、この構成における副反射板12は、鏡面反射面8c(反射板)
    の端部に別部材を取り付けて構成しても良く、或いは、
    鏡面反射面8c(反射板)の端部を屈曲させて構成してもよい。 更に、副反射板12を、図12(a)或いは(c)における鏡面反射面8a或いは8bのような、他の形状を有する鏡面反射面に取り付けることも可能である。

    【0099】

    【発明の効果】以上のように本発明によれば、夜間に街路を安心して歩くことを可能にし、且つ、路上での犯罪を抑止する効果のある、照明効率の高い街路照明方法、
    及びそれを実現するために適した街路照明器具が得られる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の街路照明方法のある実施形態を説明する概念図である。

    【図2】夜間に街路を通行する婦女子に安心感を与えるために必要な水平面照度レベルを説明する解析図である。

    【図3】街路長軸方向の鉛直面照度及び街路横断面方向の鉛直面照度と照明器具との位置関係を説明するための模式図である。

    【図4】街路のある位置に通行人(被観察者)が立っている場合に、その通行人の特徴が分かると判断した被験者(観察者)の割合と、通行人の立っている位置において照明器具に対向した面の鉛直面照度との関係を示す図である。

    【図5】(a)及び(b)は、「婦女子が夜間に街路を安心して歩ける」という視点に対する主観評価と、照度均斉度G1((a)参照)及びG2((b)参照)の値との関係を示す図である。

    【図6】(a)は、本発明及び従来の街路照明器具による配光分布の例を示す図であり、(b)は、A断面及びB断面を説明するための図である。

    【図7】本発明のある実施形態における街路照明器具の構成を模式的に示す断面図である。

    【図8】図7に示す本発明の街路照明器具の構成の改変例を模式的に示す断面図である。

    【図9】発光管と反射板との間の間隔と反射板の幅との関係を示す図である。

    【図10】本発明の街路照明方法によって得られる路面の照度分布を模式的に示す計算結果である。

    【図11】(a)及び(c)は、それぞれ従来技術による街路照明器具におけるランプの発光管と反射面との組合せ構成例を模式的に示す図であり、(b)及び(d)
    は、それぞれ(a)及び(c)の構成によって得られる配光分布を模式的に示す図である。

    【図12】(a)〜(d)は、それぞれ本発明における街路照明器具におけるランプの発光管と反射面との組合せ構成例を模式的に示す図である。

    【図13】従来の一般的な街路照明器具の基本構成を模式的に示す断面図である。

    【符号の説明】

    1 街路 1a、1b 街路の側縁 2a、2b 照明柱(街路柱) 3a、3b 街路照明器具 3、33 街路照明器具 4 照明柱とは反対側の街路の側縁における照明柱の中間付近の路面のある点(反対中間点) 4' 反対中間点4から高さ1.5mの高さの点 5 点4'において照明器具3aに対向する鉛直面照度の方向 6 片口金型蛍光ランプ 6a、6b 発光管 7 反射板 8a、8b、8c 鏡面反射面 9 透光性カバー 9a 透光性カバーの透明部分 9b、9c 透光性カバーのプリズムカット部分 9d 透光性カバーの曲面部分 10 安定器 11 単一の発光管 12 副反射板 31 街路長軸方向 32 街路横断軸方向 106 ランプ収納部 110 安定器収納部 118 カバー

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平11−66392 (32)優先日 平成11年3月12日(1999.3.12) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 清水 正則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 ▲あら▼川 剛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

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