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磁気共鳴イメージング装置

阅读:1发布:2020-12-12

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組織定量値の導出に用いられる複数の磁気共鳴信号を第1の撮像によって収集する第1撮像部と、 前記複数の磁気共鳴信号に基づいて組織定量値を導出する導出部と、 前記第1の撮像とは異なる第2の撮像で用いられる複数の撮像パラメータのパラメータ値の入を受け付ける入力画面をディスプレイに表示する表示制御部と、 前記入力画面によって受け付けられたパラメータ値に基づいて、前記第2の撮像によって画像を収集する第2撮像部と を備え、 前記複数の撮像パラメータは、コントラストに影響を与える第1の撮像パラメータと、コントラストに影響を与えない第2の撮像パラメータとに分類されており、 前記表示制御部は、 前記導出部によって導出された組織定量値と、前記入力画面によって受け付けられたパラメータ値とに基づいて、被検体の推定画像を計算によって生成し、当該推定画像を前記入力画面とともに前記ディスプレイに表示し、 前記コントラストに影響を与える第1の撮像パラメータのパラメータ値が変更された場合に、前記推定画像を再計算によって更新する、 磁気共鳴イメージング装置。前記表示制御部は、前記入力画面上に表示される撮像パラメータのパラメータ値の入力値の範囲を制限する、 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。前記表示制御部は、装置の性能、被検体及び他の撮像パラメータのうちの少なくとも一つに従って、前記入力値の範囲を制限する、 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。前記表示制御部は、前記推定画像上で関心領域の指定を受け付ける、 請求項1〜3のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。前記表示制御部は、前記関心領域の画素値が所望の値となるように、前記第2の撮像用に設定される撮像パラメータのパラメータ値の候補値を導出する、 請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置。前記表示制御部は、導出された候補値を、前記パラメータ値の入力値として前記入力画面に表示する、 請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置。前記表示制御部は、前記推定画像上で第1の関心領域及び第2の関心領域それぞれの指定を受け付け、前記第1の関心領域と前記第2の関心領域との間で画像のコントラストが向上するように前記候補値を導出する、 請求項5又は6に記載の磁気共鳴イメージング装置。前記第1撮像部は、前記第1の撮像として、前記第2の撮像によって収集される画像と比べて低い分解能の画像を収集する撮像を行う、 請求項1〜7のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。前記組織定量値は、組織の縦緩和時間、横緩和時間、原子密度、高周波磁場強度、みかけの拡散係数、T2*、T1ρ、又はT2ρの値である、 請求項1〜8のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。

说明书全文

本発明の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置に関する。

磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置は、磁気共鳴現象を利用して、物質の化学的及び物理的な微視的情報を取得する装置である。ここで、磁気共鳴現象とは、対象原子核スピンの集団が磁場中に置かれたときに、その固有の磁気モーメントと存在磁場強度とに応じた特定の周波数(共鳴周波数と呼ばれる)で回転する高周波磁場に共鳴し、その緩和過程で信号(磁気共鳴信号と呼ばれる)を発生する現象である。かかるMRI装置では、撮像で用いられるパルスシーケンスを定義する撮像パラメータのパラメータ値を調整することにより、組織の緩和時間であるT1、T2や素原子核密度(プロトン密度)等を反映した様々なコントラストの画像を得ることができる。

通常、MRI装置による診断では、検査時間の都合上、あらかじめ設定された特定の撮像パラメータによる限られた数のT1強調画像やT2強調画像を得て診断が行われる。しかしながら、病態によっては、これらのあらかじめ決められたコントラストの画像ではなく、病変が最も識別しやすい特異な撮像パラメータが存在することがある。このため、MRI装置において、被検体から得られた複数の画像データから、画素ごとの緩和時間、水素原子核密度、高周波磁場強度等を求め、計算によって、例えばT1強調やT2強調の程度を変えた画像を撮像後に作成する技術がある。

米国特許第8874189号明細書

米国特許第9041393号明細書

Dan Ma et al.、”Magnetic resonance fingerprinting”、Nature、495、7440、187-192、2013

本発明が解決しようとする課題は、病態に応じて、より適切な画像を収集することができるMRI装置を提供することである。

実施形態に係るMRI装置は、第1撮像部と、導出部と、表示制御部と、第2撮像部とを備える。第1撮像部は、組織定量値の導出に用いられる複数の磁気共鳴信号を第1の撮像によって収集する。導出部は、前記複数の磁気共鳴信号に基づいて組織定量値を導出する。表示制御部は、記第1の撮像とは異なる第2の撮像で用いられる複数の撮像パラメータのパラメータ値の入を受け付ける入力画面をディスプレイに表示する。第2撮像部は、前記入力画面によって受け付けられたパラメータ値に基づいて、前記第2の撮像によって画像を収集する。前記複数の撮像パラメータは、コントラストに影響を与える第1の撮像パラメータと、コントラストに影響を与えない第2の撮像パラメータとに分類されており、前記表示制御部は、前記導出部によって導出された組織定量値と、前記入力画面によって受け付けられたパラメータ値とに基づいて、被検体の推定画像を計算によって生成し、当該推定画像を前記入力画面とともに前記ディスプレイに表示し、前記コントラストに影響を与える第1の撮像パラメータのパラメータ値が変更された場合に、前記推定画像を再計算によって更新する。

図1は、第1の実施形態に係るMRI装置の構成例を示す図である。

図2は、図1に示した導出機能及び表示制御機能の詳細を示す図である。

図3は、第1の実施形態に係るMRI装置によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。

図4は、図3に示した本撮像の撮像条件を設定する処理の処理手順を示すフローチャートである。

図5は、第1の実施形態に係る表示制御機能によって表示される推定画像及び入力画面の一例を示す図である。

図6は、第2の実施形態に係る表示制御機能によって表示される推定画像及び入力画面の一例を示す図である。

図7は、第3の実施形態に係る表示制御機能によって表示される推定画像及び入力画面の一例を示す図である。

図8は、第4の実施形態に係るMRI装置によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。

図9は、図8に示した本撮像の撮像条件を設定する処理の処理手順を示すフローチャートである。

(第1の実施形態) 図1は、第1の実施形態に係るMRI装置100の構成例を示す図である。例えば、図1に示すように、MRI装置100は、静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2、傾斜磁場電源3、送信コイル4、送信回路5、受信コイル6、受信回路7、寝台8、入力回路9、ディスプレイ10、記憶回路11、処理回路12〜15を備える。

静磁場磁石1は、中空の略円筒形状(円筒の中心軸に直交する断面が楕円状となるものを含む)に形成され、内周側に形成される撮像空間に一様な静磁場を発生させる。例えば、静磁場磁石1は、永久磁石や超伝導磁石等によって実現される。

傾斜磁場コイル2は、中空の略円筒形状(円筒の中心軸に直交する断面が楕円状となるものを含む)に形成され、静磁場磁石1の内周側に配置される。傾斜磁場コイル2は、互いに直交するx軸、y軸及びz軸それぞれに沿った傾斜磁場を発生させる3つのコイルを備える。ここで、x軸、y軸及びz軸は、MRI装置100に固有の装置座標系を構成する。例えば、x軸の方向は、鉛直方向に設定され、y軸の方向は、水平方向に設定される。また、z軸の方向は、静磁場磁石1によって発生する静磁場の磁束の方向と同じに設定される。

傾斜磁場電源3は、傾斜磁場コイル2が備える3つのコイルそれぞれに個別に電流を供給することで、x軸、y軸及びz軸それぞれに沿った傾斜磁場を撮像空間に発生させる。x軸、y軸及びz軸それぞれに沿った傾斜磁場を適宜に発生させることによって、互いに直交するリードアウト方向、位相エンコード方向、及びスライス方向それぞれに沿った傾斜磁場を発生させることができる。ここで、リードアウト方向、位相エンコード方向、及びスライス方向それぞれに沿った軸は、撮像の対象となるスライス領域又はボリューム領域を規定するための論理座標系を構成する。なお、以下では、リードアウト方向に沿った傾斜磁場をリードアウト傾斜磁場と呼び、位相エンコード方向に沿った傾斜磁場を位相エンコード傾斜磁場と呼び、スライス方向に沿った傾斜磁場をスライス傾斜磁場と呼ぶ。

ここで、各傾斜磁場は、静磁場磁石1によって発生する静磁場に重畳され、磁気共鳴(Magnetic Resonance:MR)信号に空間的な位置情報を付与するために用いられる。具体的には、リードアウト傾斜磁場は、リードアウト方向の位置に応じてMR信号の周波数を変化させることで、MR信号にリードアウト方向に沿った位置情報を付与する。また、位相エンコード傾斜磁場は、位相エンコード方向に沿ってMR信号の位相を変化させることで、MR信号に位相エンコード方向の位置情報を付与する。また、スライス傾斜磁場は、撮像領域がスライス領域の場合には、スライス領域の方向、厚さ、枚数を決めるために用いられ、撮像領域がボリューム領域である場合には、スライス方向の位置に応じてMR信号の位相を変化させることで、MR信号にスライス方向に沿った位置情報を付与する。

送信コイル4は、中空の略円筒形状(円筒の中心軸に直交する断面が楕円状となるものを含む)に形成され、傾斜磁場コイル2の内側に配置される。送信コイル4は、送信回路5から出力されるRF(Radio Frequency)パルスを撮像空間に印加する。

送信回路5は、ラーモア周波数に対応するRFパルスを送信コイル4に出力する。例えば、送信回路5は、発振回路、位相選択回路、周波数変換回路、振幅変調回路、及び、RF増幅回路を備える。発振回路は、静磁場中に置かれた対象原子核に固有の共鳴周波数のRFパルスを発生する。位相選択回路は、発振回路から出力されるRFパルスの位相を選択する。周波数変換回路は、位相選択回路から出力されるRFパルスの周波数を変換する。振幅変調回路は、周波数変換回路から出力されるRFパルスの振幅を例えばsinc関数に従って変調する。RF増幅回路は、振幅変調回路から出力されるRFパルスを増幅して送信コイル4に出力する。

受信コイル6は、被検体Sから発せられるMR信号を受信するRFコイルである。具体的には、受信コイル6は、撮像空間に置かれた被検体Sに装着され、送信コイル4によって印加されるRF磁場の影響で被検体Sから発せられるMR信号を受信するRFコイルである。また、受信コイル6は、受信したMR信号を受信回路7へ出力する。例えば、受信コイル6には、撮像対象の部位ごとに専用のコイルが用いられる。ここでいう専用のコイルは、例えば、頭部用の受信コイル、頚部用の受信コイル、肩用の受信コイル、胸部用の受信コイル、腹部用の受信コイル、下肢用の受信コイル、脊椎用の受信コイル等である。

受信回路7は、受信コイル6から出力されるMR信号に基づいてMR信号データを生成し、生成したMR信号データを処理回路13に出力する。例えば、受信回路7は、選択回路、前段増幅回路、位相検波回路、及び、アナログデジタル変換回路を備える。選択回路は、受信コイル6から出力されるMR信号を選択的に入力する。前段増幅回路は、選択回路から出力されるMR信号を増幅する。位相検波回路は、前段増幅回路から出力されるMR信号の位相を検波する。アナログデジタル変換回路は、位相検波回路から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換することでMR信号データ(ローデータ(raw data)とも呼ばれる)を生成し、生成したMR信号データを処理回路13に出力する。

なお、ここでは、送信コイル4がRFパルスを印加し、受信コイル6がMR信号を受信する場合の例を説明するが、送信コイル及び受信コイルの形態はこれに限られない。例えば、送信コイル4が、MR信号を受信する受信機能をさらに有してもよい。また、受信コイル6が、RF磁場を印加する送信機能をさらに有していてもよい。送信コイル4が受信機能を有している場合は、受信回路7は、送信コイル4によって受信されたMR信号からもMR信号データを生成する。また、受信コイル6が送信機能を有している場合は、送信回路5は、受信コイル6にもRFパルスを出力する。

寝台8は、被検体Sが載置される天板8aを備え、被検体Sの撮像が行われる際に、静磁場磁石1及び傾斜磁場コイル2の内側に形成される撮像空間へ天板8aを挿入する。例えば、寝台8は、長手方向が静磁場磁石1の中心軸と平行になるように設置される。

入力回路9は、操作者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。例えば、入力回路9は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、タッチパネル等によって実現される。具体的には、入力回路9は、処理回路15に接続されており、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路15へ出力する。

ディスプレイ10は、各種情報を表示する。例えば、ディスプレイ10は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。具体的には、ディスプレイ10は、処理回路15に接続されており、処理回路15から送られる各種情報を表示用の電気信号に変換して出力する。例えば、ディスプレイ10は、操作者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)やスペクトラムデータ、画像データ等の各種情報を表示する。

記憶回路11は、各種データを記憶する。例えば、記憶回路11は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子やハードディスク、光ディスク等によって実現される。具体的には、記憶回路11は、MR信号データやスペクトラムデータ、画像データ等を被検体Sごとに記憶する。

処理回路12は、寝台8の動作を制御する。例えば、処理回路12は、プロセッサによって実現される。例えば、処理回路12は、寝台制御機能12aを有する。寝台制御機能12aは、寝台8に接続され、制御用の電気信号を寝台8へ出力することで、寝台8の動作を制御する。例えば、寝台制御機能12aは、入力回路9を介して、天板8aを長手方向、上下方向又は左右方向へ移動させる指示を操作者から受け付け、受け付けた指示に従って天板8aを移動するように、寝台8が有する天板8aの駆動機構を動作させる。

処理回路13は、各種パルスシーケンスを実行することで、被検体Sに関するMR信号データを収集する。例えば、処理回路13は、プロセッサによって実現される。例えば、処理回路13は、収集機能13aを有する。収集機能13aは、操作者によって設定された撮像条件に基づいて、各種パルスシーケンスを実行する。具体的には、収集機能13aは、処理回路15から送信されるパルスシーケンス実行データに基づいて傾斜磁場電源3、送信回路5及び受信回路7を駆動することで、各種パルスシーケンスを実行する。

ここで、パルスシーケンス実行データは、MR信号データを収集するための手順を示すパルスシーケンスを定義した情報である。具体的には、パルスシーケンス実行データは、傾斜磁場電源3が傾斜磁場コイル2に電流を供給するタイミング及び供給される電流の強さ、送信回路5が送信コイル4に供給するRFパルス電流の強さや供給タイミング、受信回路7がMR信号を検出する検出タイミング等を定義した情報である。

また、収集機能13aは、各種パルスシーケンスを実行した結果として、受信回路7からMR信号データを受信し、受信したMR信号データを記憶回路11に記憶させる。なお、収集機能13aによって受信されたMR信号データの集合は、前述したリードアウト傾斜磁場、位相エンコード傾斜磁場、及びスライス傾斜磁場によって付与された位置情報に応じて2次元又は3次元に配列されることで、k空間を構成するデータとして記憶回路11に記憶される。

処理回路14は、被検体Sから収集されたMR信号に基づいて、各種データ処理を行う。例えば、処理回路14は、プロセッサによって実現される。例えば、処理回路14は、処理回路13の収集機能13aによって収集されたMR信号データに基づいて、被検体S内における所望核スピンのスペクトラムデータあるいは画像データを生成する。具体的には、処理回路14は、収集機能13aによって収集されたMR信号データを記憶回路11から読み出し、読み出したMR信号データに対して後処理すなわちフーリエ変換等の再構成処理を施すことで、スペクトラムデータあるいは画像データを生成する。また、処理回路14は、生成した画像データを記憶回路11に記憶させる。

処理回路15は、MRI装置100が有する各構成要素を制御することで、MRI装置100の全体制御を行う。例えば、処理回路15は、プロセッサによって実現される。例えば、処理回路15は、入力回路9を介して操作者からパルスシーケンスに関する各種撮像パラメータの入力を受け付け、受け付けた撮像パラメータに基づいてパルスシーケンス実行データを生成する。そして、処理回路15は、生成したパルスシーケンス実行データを処理回路14に送信することで、各種パルスシーケンスを実行する。

以上、本実施形態に係るMRI装置100の構成例について説明した。このような構成のもと、MRI装置100では、撮像で用いられるパルスシーケンスを定義する撮像パラメータのパラメータ値を調整することにより、組織の緩和時間であるT1、T2や水素原子核密度等を反映した様々なコントラストの画像を得ることができる。

通常、MRI装置による診断では、検査時間の都合上、あらかじめ設定された特定の撮像パラメータによる限られた数のT1強調画像やT2強調画像を得て診断が行われる。しかしながら、病態によっては、これらのあらかじめ決められたコントラストの画像ではなく、病変が最も識別しやすい特異な撮像パラメータが存在することがある。この場合には、例えば、撮像パラメータのパラメータ値を調整することで、強調の程度を変えた撮像が追加で行われるが、その結果、トータルの検査時間が延長することになる。また、T1緩和時間やT2緩和時間の強調の程度は、繰り返し時間(Repetition Time:TR)、エコー時間(Echo Time:TE)、反転回復時間(Inversion Time:TI)、フリップ(Flip Angle:FA)等の複数の撮像パラメータの組み合わせによって変化するため、パラメータ値の調整は容易ではない。さらに、得られる画像が所望のコントラストを有するかどうかは、撮像してみないとわからない場合が多い。

このため、MRI装置において、被検体から得られた複数の画像データから、画素ごとの緩和時間、水素原子核密度、高周波磁場強度等を求め、計算によって、例えばT1強調やT2強調の程度を変えた画像を撮像後に作成する技術がある。例えば、計算によって、複数のTEで撮像した画像から組織のT2値を求めたり、複数のTIで撮像した画像から組織のT1値を求めたりする技術がある。複数のFAで撮像した画像から局所的なB1強度が算出できれば、B1強度の不均一性による計算画像への影響を補正することも可能である。

このような計算画像を作成する技術によれば、コントラストに影響を与えるTE、TI、FA等の撮像パラメータを変えて撮像した複数の画像データから任意のコントラストの画像を撮像後に生成できる。そのため、この技術によれば、追加の撮像を行うことなく、あらかじめ設定された固定のコントラストの画像では描出が困難であった病変も、最適なコントラストで観察することが可能である。

しかしながら、この手法は、TEやTI等を変えた複数個の画像データを用いるため、空間分解能やスライス数を同等にした場合に、通常のT1強調画像やT2強調画像と比較して一般的に長い撮像時間を要する。したがって、マトリクス数の多い画像すなわち空間分解能の高い画像や、スライス枚数の多い3次元画像(ボリュームデータ)、加算回数を増やしたSN比の高い画像、又は、それらの組み合わせの画像を収集する場合には、SN比等の画質を落とさずに画像を得ることは困難である。

このようなことから、本実施形態に係るMRI装置100は、病態に応じて、より適切な画像を収集することができるようにするための機能を有する。例えば、処理回路14が、導出機能14aを有する。また、例えば、処理回路15が、第1撮像機能15aと、表示制御機能15bと、第2撮像機能15cとを有する。

第1撮像機能15aは、組織定量値の導出に用いられる複数の磁気共鳴信号を第1の撮像によって収集する。例えば、第1撮像機能15aは、第1の撮像として、第2の撮像によって収集される画像と比べて低い分解能の画像を収集する撮像を行う。

導出機能14aは、収集された複数の磁気共鳴信号に基づいて組織定量値を導出する。ここで、組織定量値とは、組織の特性を表す値である。例えば、組織定量値は、組織の縦緩和時間(T1)、横緩和時間(T2)、水素原子核密度(Proton Density:PD)、高周波磁場(B1)強度、みかけの拡散係数(Apparent Diffusion Coefficient:ADC)、T2*、T1ρ、T2ρ等の値である。

表示制御機能15bは、導出された組織定量値に基づいて、第1の撮像とは異なる第2の撮像で得られる画像を計算によって推定した推定画像をディスプレイに表示する。また、表示制御機能15bは、推定画像とともに、撮像パラメータのパラメータ値の入力を受け付ける入力画面をディスプレイ10に表示し、入力されたパラメータ値が変更された場合には、表示されている推定画像を再計算によって更新する。例えば、表示制御機能15bは、入力画面上に、画像のコントラストに影響を与える撮像パラメータを表示し、当該撮像パラメータのパラメータ値の入力を受け付ける。このとき、例えば、表示制御機能15bは、入力画面上に表示される撮像パラメータの入力値の範囲を制限する。例えば、表示制御機能15bは、装置の性能、被検体及び他の撮像パラメータのうちの少なくとも一つに従って、入力値の範囲を制限する。

第2撮像機能15cは、表示された推定画像に対応する撮像パラメータが設定された第2の撮像によって画像を収集する。

なお、導出機能14aは、特許請求の範囲における導出部の一例である。また、第1撮像機能15aは、特許請求の範囲における第1撮像部の一例である。また、表示制御機能15bは、特許請求の範囲における表示制御部の一例である。また、第2撮像機能15cは、特許請求の範囲における第2撮像部の一例である。

以下、上述した処理回路14及び15が有する各機能について、詳細に説明する。

図2は、図1に示した導出機能14a及び表示制御機能15bの詳細を示す図である。例えば、図2に示すように、導出機能14aは、組織定量値計算機能210を含む。また、表示制御機能15bは、撮像条件限界計算機能220と、画素値計算機能230とを含む。

ここで、例えば、記憶回路11には、推定画像用データ240と、パルスシーケンスタイミング250と、コントラストに影響を与える撮像パラメータ260と、コントラストに影響を与えない撮像パラメータ270と、撮像パラメータ限界値280と、パルスシーケンス実行データ290とが記憶される。

推定画像用データ240は、画像のコントラストに影響を与える撮像パラメータのいくつかを変えて撮像された被検体の複数の画像データ又はMR信号データである。この推定画像用データ240は、後述する第1撮像機能15aによって実行される複数の推定画像用データ240を収集する撮像によって収集されて、記憶回路11に記憶される。

推定画像用データ240を収集する撮像は、例えば、コントラストに影響を与える撮像パラメータを変えて撮像した複数の画像データを収集する撮像である。この推定画像用データ240を収集する撮像は、例えば、診断に使用される画像を収集する本撮像に先立って行われる。ここで、本撮像は、例えば、高分解能撮像や3次元撮像、又は、その組み合わせの撮像等である。なお、推定画像用データ240を収集する撮像は、前述した第1の撮像の一例であり、本撮像は、前述した第2の撮像の一例である。

組織定量値計算機能210は、推定画像用データ240を用いて、T1、T2、PD、B1強度、ADC等を画素ごとに算出する。例えば、組織定量値計算機能210は、特許文献2等に記載された方法で、組織定量値を算出する。

ここで、本撮像のパルスシーケンスは、パルスシーケンスタイミング250、コントラストに影響を与える撮像パラメータ260、及び、コントラストに影響を与えない撮像パラメータ270によって定義される。例えば、パルスシーケンスタイミング250、コントラストに影響を与える撮像パラメータ260、及び、コントラストに影響を与えない撮像パラメータ270は、あらかじめ既定値が設定されて、記憶回路11に記憶される。

例えば、本撮像のパルスシーケンスとしては、3次元のデータを比較的高速に収集できるセグメント分割された反転回復法であるMP−RAGEや、高速スピンエコー系のシーケンス等を使用することができる。MP−RAGEは、T1強調画像の撮像に適しており、高速スピンエコー系のシーケンスは、T2強調画像の撮像で頻繁に使用される。なお、本撮像のパルスシーケンスは、推定画像用データ240を収集する撮像のパルスシーケンスと異なる種類のものでもよい。

パルスシーケンスタイミング250は、本撮像のRFパルスが印加されるタイミング、データを収集するタイミング等を含む。撮像パラメータは、あらかじめ2つの種類に分類されている。具体的には、撮像パラメータは、コントラストに影響を与える撮像パラメータ260と、コントラストに影響を与えない撮像パラメータ270とに分類される。

コントラストに影響を与える撮像パラメータ260は、例えば、TR、TE、TI、FA、拡散強調撮像で用いられるMPG(Motion Probing Gradient)パルスの強度を表すb値等を含む。また、コントラストに影響を与えない撮像パラメータ270は、例えば、撮像範囲(Field Of View:FOV)、マトリクスサイズ、スライス厚、スライス枚数、加算回数(Number Of Acquisition:NAQ)等を含む。

撮像パラメータ限界値280は、各撮像パラメータに設定し得る最大値、最小値の限界値である。これらの限界値は、装置固有の性能、例えば最大傾斜磁場強度やスリューレート(slew rate)、被検体固有の条件であるRFレベルと患者体重等から決まる比吸収率(Specific Absorption Rate:SAR)等により決定される他、各撮像パラメータが相互に影響し合い、一定の範囲内に制限されている。

最小値の制限の例としては、例えば、スライス厚を薄くしようとすると設定可能な最短のTEが延長することや、FAを増やそうとすると設定可能な最短のTRが延長すること等が挙げられる。なお、撮像パラメータ限界値280は、あらかじめ既定値が設定されて、記憶回路11に記憶され、撮像条件限界計算機能220によって、各撮像パラメータのパラメータ値が変更されたときに動的に計算し直されて更新される。

撮像条件限界計算機能220は、設定された撮像パラメータのパラメータ値に基づいて、パルスシーケンス実行データ290を生成し、記憶回路11に記憶させる。なお、記憶回路11に記憶されたパルスシーケンス実行データ290は、後述する第2撮像機能15cによって読み出されて、本撮像のパルスシーケンスの実行に用いられる。

パルスシーケンス実行データ290の内容は、x軸、y軸及びz軸の各軸の傾斜磁場パルスの各時刻における振幅及び変化点の波形や、RFパルスの波形、振幅及び位相並びにRFパルスの印加タイミング、A/D変換のサンプリング間隔、サンプリング点数及びタイミング等からなり、それぞれ傾斜磁場電源3、送信回路5、受信回路7を制御する時系列のデータである。

画素値計算機能230は、組織定量値計算機能210によって算出された組織定量値と、本撮像のパルスシーケンスタイミング250と、コントラストに影響を与える撮像パラメータ260とに基づいて、計算によって、被検体の推定画像を作成する。この推定画像は、計算画像である。そして、画素値計算機能230は、生成した推定画像をディスプレイ10に表示する。

このとき、画素値計算機能230は、各画素の緩和時間及びB1強度、RFパルスの印加タイミング、FA、信号を受信するタイミング等に基づいて、信号を受信する時刻における信号強度を計算する。これにより、画素値計算機能230は、与えられた撮像パラメータに相当するパルスシーケンスを実行した場合のコントラストに相当する画像を生成することができる。

例えば、画素値計算機能230は、本撮像の撮像条件編集時に、操作者が、入力回路9を介して、画像のコントラストに影響を与える撮像パラメータ260を変更した場合には、変更された撮像パラメータを使用して推定画像を作成し直す。そして、画素値計算機能230は、作成し直した推定画像をディスプレイ10に表示する。

このように、画素値計算機能230が、表示されている推定画像を表示及び更新することによって、操作者は、入力した撮像パラメータのパラメータ値で本撮像が行われた場合に、本撮像で得られる画像が、病変部の診断に適切なコントラストであるか否かを判断することができる。

例えば、コントラストに影響を与える撮像パラメータとして、TEを変更する場合を考える。操作者は、ディスプレイ10に表示された推定画像を見て、T2の短い組織をより良く観察したいと思った場合には、TEをその時点で設定されている値より短くすることを試みる。このとき、TEの下限値は、その時点で設定されている空間分解能やスライス厚等により制限されている。この場合には、操作者は、FOV、マトリクス数、スライス厚等を緩和させることによって、設定可能なTEを短くすることができる。この制御は、撮像条件限界計算機能220によって行われる。これにより、操作者は、装置の性能や安全性、他の撮像パラメータとの関連において、本撮像の実行が保証された範囲内で、コントラストを最適に設定することが可能になる。

なお、上述した処理回路12〜15が有する各処理機能は、例えば、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路11に記憶される。各処理回路は、各プログラムを記憶回路11から読み出し、読み出した各プログラムを実行することで、各プログラムに対応する処理機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路12〜15は、図1に示した各処理機能を有することとなる。

また、図1では、処理回路12が有する処理機能、処理回路13が有する処理機能、処理回路14が有する処理機能、及び、処理回路15が有する処理機能が単一の処理回路によって実現される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、各処理回路は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、各処理回路が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。

図3は、第1の実施形態に係るMRI装置100によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。例えば、図3に示すように、本実施形態に係るMRI装置100では、まず、第1撮像機能15aが、複数の推定画像用データ240を収集する撮像を実行する(ステップS01)。ここで、複数の推定画像用データ240は、それぞれ被検体の同じ領域のデータであり、例えば、複数のTIと複数のTEとを用いて収集される。

例えば、第1撮像機能15aは、収集される推定画像用データ240が後に実行される本撮像の撮像パラメータを設定するためのみに用いられる場合には、コントラストが確認できる程度までマトリクス数やスライス枚数、収集回数を減らして、撮像を実行してもよい。すなわち、この場合には、第1撮像機能15aは、本撮像によって収集される画像と比べて低い分解能の画像を収集する撮像を行う。これにより、撮像時間を短縮することができる。

続いて、導出機能14aに含まれる組織定量値計算機能210が、第1撮像機能15aによって収集された推定画像用データ240に基づいて、各画素の組織定量値を算出する(ステップS02)。例えば、組織定量値計算機能210は、組織のT1、T2、PD、B1強度等の値を算出する。また、第1撮像機能15aによって実行される撮像のデータ収集方式によっては、組織定量値計算機能210は、T2*、T1ρ、T2ρと呼ばれる緩和時間やADC等の値を算出してもよい。

続いて、表示制御機能15bが、本撮像の撮像条件を設定する(ステップS03)。ここで、例えば、本撮像は、実際に診断に使用する画像の収集であり、推定画像用データを収集する撮像と比べて、空間分解能の高い画像や、スライス枚数の多い3次元画像(ボリュームデータ)、加算回数を増やしたSN比の高い画像、又は、それらの組み合わせの画像を収集することができる。なお、ここで行われる本撮像の撮像条件を設定する処理については、後に図4を参照して詳細に説明する。

続いて、本撮像の撮像条件が設定された後に、第2撮像機能15cが、設定された撮像条件に従って本撮像を実行する(ステップS04)。このとき、第2撮像機能15cは、表示制御機能15bによって生成されるパルスシーケンス実行データ290を処理回路13に送信することで、本撮像のパルスシーケンスを実行する。

ここで、上述した各ステップのうち、ステップS01は、例えば、処理回路15が、第1撮像機能15aに対応する所定のプログラムを記憶回路11から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS02は、例えば、処理回路14が、導出機能14aに対応する所定のプログラムを記憶回路11から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS03は、処理回路15が、表示制御機能15bに対応する所定のプログラムを記憶回路11から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS04は、処理回路15が、第2撮像機能15cに対応する所定のプログラムを記憶回路11から呼び出して実行することにより実現される。

図4は、図3に示した本撮像の撮像条件を設定する処理の処理手順を示すフローチャートである。図4に示す処理手順は、図3に示したステップS03において、表示制御機能15bに含まれる撮像条件限界計算機能220及び画素値計算機能230によって実行される。なお、ここで説明する各ステップは、例えば、処理回路15が、表示制御機能15bに対応する所定のプログラムを記憶回路11から呼び出して実行することにより実現される。

例えば、図4に示すように、本撮像の撮像条件を設定する処理では、まず、画素値計算機能230が、組織定量値計算機能210によって算出された組織定量値と、本撮像のパルスシーケンスタイミング250と、コントラストに影響を与える撮像パラメータ260とに基づいて、計算によって、被検体の推定画像を作成し、作成した推定画像をディスプレイ10に表示する(ステップS031)。

また、撮像条件限界計算機能220が、推定画像とともに、撮像パラメータのパラメータ値の入力を受け付ける入力画面をディスプレイ10に表示する(ステップS032)。そして、撮像条件限界計算機能220は、入力画面を介して、操作者から撮像パラメータのパラメータ値の入力を受け付ける(ステップS033)。

図5は、第1の実施形態に係る表示制御機能15bによって表示される推定画像510及び入力画面520の一例を示す図である。例えば、図5に示すように、画素値計算機能230は、生成した推定画像510を表示し、撮像条件限界計算機能220は、推定画像510と並べて入力画面520を表示する。ここで、撮像条件限界計算機能220は、入力画面520上に、コントラストに影響を与える撮像パラメータと、コントラストに影響を与えない撮像パラメータとを表示し、各撮像パラメータのパラメータ値の入力を受け付ける。

例えば、図5に示すように、入力画面520の左側に、コントラストに影響を与える撮像パラメータである、TR、TE、TI、及びFAが上下に並べて表示される。また、例えば、入力画面520の右側に、コントラストに影響を与えない撮像パラメータである、位相エンコード方向のマトリクス(PE matrix)、位相エンコード方向の撮像領域(PE FOV)、リードアウト方向のマトリクス(RO matrix)、リードアウト方向のFOV(RO FOV)、及び積算回数(NAQ)が上下に並べて表示される。なお、図5に示す撮像パラメータは一例であり、例示した撮像パラメータ以外の撮像パラメータが入力画面520に表示されてもよい。

例えば、入力画面520には、撮像パラメータ値ごとに、装置の性能や他の撮像パラメータとの相互の影響に依存した下限値521と上限値522とが表示される。例えば、TRについて、下限値521として10.0([msec])が表示され、上限値522として24.0([msec])が表示される。

さらに、入力画面520には、撮像パラメータごとに、パラメータ値を入力するためのGUIが表示される。例えば、操作者がキーボード等によってパラメータ値の数値を直接入力するためのテキストボックス523が表示される。また、例えば、操作者がマウス等によってパラメータ値の数値を変更するための下方向の矢印ボタン524、上方向の矢印ボタン525、スライダ526が表示される。下方向の矢印ボタン524は、パラメータ値の数値を小さくするためのものであり、上方向の矢印ボタン525は、パラメータ値の数値を大きくするためのものである。スライダ526は、左方向に移動されることでパラメータ値の数値を小さくし、右方向に移動されることでパラメータ値の数値を大きくするためのものである。図5に示す例では、TRのテキストボックス523には、パラメータ値として16([msec])が設定されている。操作者は、テキストボックス523に数値を入力したり、矢印ボタン524及び525のいずれかを押下したり、スライダ526を左右に移動したりすることによって、設定されているパラメータ値を変更することができる。

図4の説明に戻って、操作者によって、画像のコントラストに影響を与えない撮像パラメータのパラメータ値が変更された場合には(ステップS034,No)、組織定量値計算機能210は、撮像条件の設定が完了したか否かを判定する(ステップS037)。

一方、操作者によって、画像のコントラストに影響を与える撮像パラメータのパラメータ値が変更された場合には(ステップS034,Yes)、画素値計算機能230が、組織定量値計算機能210によって算出された組織定量値と、本撮像のパルスシーケンスタイミング250と、変更後のコントラストに影響を与える撮像パラメータ260とに基づいて、画素値を再計算する(ステップS035)。そして、画素値計算機能230は、再計算によって得られた画素値に基づいて、表示されている推定画像510を更新する(ステップS036)。その後、組織定量値計算機能210が、撮像条件の設定が完了したか否かを判定する(ステップS037)。

このとき、操作者は、ディスプレイ10に表示されている推定画像510を観察することによって、本撮像で得られる画像が、病変部の診断に適切なコントラストであるか否かを判断することができる。そして、所望のコントラストであった場合には、操作者は、入力回路9を介して、撮像条件の設定が完了した旨の指示を入力する。

操作者によって、撮像条件の設定が完了した旨の指示が入力されるまでの間は(ステップS037,No)、撮像条件限界計算機能220及び画素値計算機能230が、上述したステップS033〜S036の処理を繰り返す。これにより、操作者による撮像パラメータの変更、画素値の計算、推定画像の表示が、連続的に行われることになる。したがって、操作者は、入力画面上で撮像パラメータのパラメータ値を変更すると、略リアルタイムで、変更された結果の推定画像510を観察することができる。

そして、操作者によって、撮像条件の設定が完了した旨の指示が入力された場合には(ステップS037,Yes)、撮像条件限界計算機能220が、本撮像の撮像条件を設定する処理を終了する。このとき、撮像条件限界計算機能220は、設定された撮像パラメータのパラメータ値に基づいて、パルスシーケンス実行データ290を生成する。

上述したように、第1の実施形態に係るMRI装置100は、検査する被検体の病変を描出するのに適切なコントラストを持つ高分解能画像や3次元画像を収集するために、あらかじめ、推定画像作成用のデータ収集を行う。そして、MRI装置100は、例えば3次元撮像等の撮像条件編集において、TR、TE、TI、FA等の画像のコントラストに影響を与える撮像パラメータを操作者が変更した場合に、その撮像パラメータに対応した当該被検者の推定画像を、推定画像作成用の撮像で得られた組織のT1値、T2値等とパルスシーケンスの撮像パラメータを用いて計算し表示する。同時に、MRI装置100は、3次元撮像シーケンスのタイミング、傾斜磁場強度、RF強度、SAR、dB/dt等を計算し、ハードウェアの性能、安全性、あらかじめ決められた撮像パラメータの限界の範囲内で3次元撮像シーケンスが実現可能かチェックし、画像を参照して所望のコントラストになったところで3次元撮像の撮像条件編集を完了する。

上述した第1の実施形態によれば、病変部がよりよく描出されるように、画像のコントラストに影響する撮像パラメータを適切に設定することができる。また、病変に対して最適なコントラストの得られる高空間分解能撮像や3次元撮像の撮像条件を設定することができる。また、撮像に先立って、病変部をよりよく描出する撮像パラメータを適切に設定することができる。また、撮像してみないと最も良く描出される撮像条件がわからない病変や最適コントラストが不明な小児の頭部等に対して高分解能撮像や3次元撮像を行う場合に、撮像条件を最適に設定することができる。また、推定画像用データを収集する撮像として、本撮像によって収集される画像と比べて低い分解能の画像を収集する撮像を行うことによって、撮像時間を短縮することができる。

以上のことから、第1の実施形態によれば、病態に応じて、より適切な画像を収集することができる。

なお、上述した第1の実施形態は、その一部を変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した第1の実施形態に係るいくつかの変形例を第2〜第4の実施形態として説明する。なお、第2〜第4の実施形態に係るMRI装置の構成は、基本的には図1に示したものと同じであり、一部の機能が異なるのみである。そのため、第2〜第4の実施形態では、第1の実施形態で説明した構成要素と同じ機能を有するものについては同一の符号を付すこととして説明を省略し、第1の実施形態と異なる機能を中心に説明する。

(第2の実施形態) 上述した第1の実施形態では、表示制御機能15bが、組織定量値に基づいて生成された推定画像をディスプレイ10に表示する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、表示制御機能15bが、推定画像上で関心領域(Region Of Interest:ROI)の指定を受け付けてもよい。以下では、このような変形例を第2の実施形態として説明する。

本実施形態では、表示制御機能15bは、推定画像上でROIの指定を受け付ける。また、表示制御機能15bは、指定されたROIの画素値が最大値又は最小値等の所望の値となるように、本撮像用に設定される撮像パラメータのパラメータ値の候補値を導出する。そして、表示制御機能15bは、導出された候補値を、撮像パラメータのパラメータ値の入力値として入力画面に表示する。

図6は、第2の実施形態に係る表示制御機能15bによって表示される推定画像510及び入力画面520の一例を示す図である。例えば、図6に示すように、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、画素値計算機能230が、生成した推定画像510を表示し、撮像条件限界計算機能220が、推定画像510と並べて入力画面520を表示する。

そして、本実施形態では、撮像条件限界計算機能220が、入力回路9を介して、操作者から、ディスプレイ10に表示された推定画像510上でROI610の指定を受け付ける。操作者は、推定画像510上の所望の位置に、所望の大きさでROI610を指定することができる。なお、図6に示す例では、円形状のROI610を示したが、ROI610の形状はこれに限られず、矩形状や菱形状等、他の形状であってもよい。

ここで、操作者は、ディスプレイ10に表示されている推定画像510を観察しながら、推定画像510上にROI610を指定することで、画像のコントラストを向上させたい組織を指定することができる。

そして、操作者によってROI610が指定されると、撮像条件限界計算機能220は、ROI610の画素値が最大値又は最小値等の所望の値となるように、本撮像用に設定される撮像パラメータのパラメータ値の候補値を導出する。

このとき、撮像条件限界計算機能220は、組織定量値計算機能210によって算出された緩和時間等を用いて、ROI610で画像のコントラストが向上するように、コントラストに影響を与える撮像パラメータの候補値を算出する。そして、撮像条件限界計算機能220は、算出された候補値を、撮像パラメータのパラメータ値の入力値として、入力画面520に表示する。これにより、入力画面520に表示されていた撮像パラメータのパラメータ値が更新される。したがって、操作者は、ROI610で指定した組織のコントラストを向上させる場合の撮像パラメータのパラメータ値を把握することができる。

そして、撮像条件限界計算機能220によって撮像パラメータのパラメータ値の候補値が算出されると、画素値計算機能230が、組織定量値計算機能210によって算出された組織定量値と、本撮像のパルスシーケンスタイミング250と、撮像条件限界計算機能220によって算出された候補値とに基づいて、再計算によって、表示されている推定画像510を更新する。これにより、操作者は、推定画像510を観察することによって、ROI610で指定した組織のコントラストを向上させる場合に本撮像で得られる画像の様子を把握することができる。

上述したように、第2の実施例に係るMRI装置100は、推定画像上でROIの指定を受け付け、指定されたROIで画像のコントラストが向上するように、本撮像用に設定される撮像パラメータのパラメータ値の候補値を導出し、導出された候補値を、撮像パラメータのパラメータ値の入力値として入力画面に表示する。このような構成によれば、操作者が、推定画像を観察しながら関心部位を特定し、特定した関心部位をROIで指定することで、関心部位がよりよく描出された画像を本撮像で収集できるようになる。例えば、FLAIR(Fluid Attenuated Inversion Recovery)等による撮像で脳脊髄液の画素値を最も低くする設定にしたい場合に、利用することができる。

以上のことから、第2の実施形態によれば、病態に応じて、より適切な画像を収集することができる。

(第3の実施形態) なお、上述した第2の実施形態では、推定画像上でROIを1つ指定する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、表示制御機能15bが、推定画像上で複数のROIの指定を受け付けてもよい。以下では、このような変形例を第3の実施形態として説明する。

本実施形態では、表示制御機能15bは、推定画像上で第1のROI及び第2のROIそれぞれの指定を受け付ける。そして、表示制御機能15bは、指定された第1のROIと第2のROIとの間で画像のコントラストが向上するように、本撮像用に設定される撮像パラメータのパラメータ値の候補値を導出する。

図7は、第3の実施形態に係る表示制御機能15bによって表示される推定画像510及び入力画面520の一例を示す図である。例えば、図7に示すように、本実施形態では、第1及び第2の実施形態と同様に、画素値計算機能230が、生成した推定画像510を表示し、撮像条件限界計算機能220が、推定画像510と並べて入力画面520を表示する。

そして、本実施形態では、撮像条件限界計算機能220が、入力回路9を介して、操作者から、ディスプレイ10に表示された推定画像510上でROI710及びROI720の指定を受け付ける。操作者は、推定画像510上の所望の位置に、所望の大きさでROI710及び720を指定することができる。なお、図7に示す例では、円形状のROI710及び720を示したが、ROI710及び720の形状はこれに限られず、矩形状や菱形状等、他の形状であってもよい。

ここで、操作者は、ディスプレイ10に表示されている推定画像510を観察しながら、推定画像510上にROI710を指定することで、画像のコントラストを向上させたい病変部を指定することができる。さらに、操作者は、推定画像510上にもう1つのROI720を指定することで、ROI710で指定した関心部位との間で画素値の差を大きくしたい部分を指定することができる。

そして、操作者によってROI710及び720が指定されると、撮像条件限界計算機能220は、ROI710で指定された部分とROI720で指定された部分との間で画素値の差が所定値より大きくなるように、本撮像用に設定される撮像パラメータのパラメータ値の候補値を導出する。

このとき、撮像条件限界計算機能220は、組織定量値計算機能210によって算出された緩和時間等を用いて、ROI710で指定された部分とROI720で指定された部分との間で画素値の差が所定値より大きくなるように、コントラストに影響を与える撮像パラメータの候補値を算出する。そして、撮像条件限界計算機能220は、算出された候補値を、撮像パラメータのパラメータ値の入力値として、入力画面520に表示する。これにより、入力画面520に表示されていた撮像パラメータのパラメータ値が更新される。したがって、操作者は、ROI710で指定した部分とROI720で指定した部分との間で画像のコントラストを向上させる場合の撮像パラメータのパラメータ値を把握することができる。

そして、撮像条件限界計算機能220によって撮像パラメータのパラメータ値の候補値が算出されると、画素値計算機能230が、組織定量値計算機能210によって算出された組織定量値と、本撮像のパルスシーケンスタイミング250と、撮像条件限界計算機能220によって算出された候補値とに基づいて、再計算によって、表示されている推定画像510を更新する。これにより、操作者は、推定画像510を観察することによって、ROI710で指定した部分とROI720で指定した部分との間で画像のコントラストを向上させる場合に本撮像で得られる画像の様子を把握することができる。

上述したように、第3の実施形態に係るMRI装置100は、推定画像上で第1のROI及び第2のROIそれぞれの指定を受け付け、指定された第1のROIと第2のROIとの間で画像のコントラストが向上するように、本撮像用に設定される撮像パラメータのパラメータ値の候補値を導出する。このような構成によれば、操作者が、第1のROIで、病変部を指定し、第2のROIで、病変部位との間で画素値の差を大きくしたい部分を指定することで、特定の部分に対して病変部位がより強調して描出された画像を本撮像で収集できるようになる。

以上のことから、第3の実施形態によれば、病態に応じて、より適切な画像を収集することができる。

(第4の実施形態) また、上述した第1の実施形態では、本撮像として1つの撮像を行う場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、1人の被検体の検査が行われる場合に、1回の検査において、プロトコルと呼ばれる単位で複数の撮像が行われることもある。そのような場合には、上述した本撮像の撮像条件を設定する処理をプロトコルごとに行うようにしてもよい。以下では、このような変形例を第4の実施形態として説明する。

例えば、1回の検査で行われる複数のプロトコルは、プリスキャンに含まれるものと、本撮像に含まれるものとに分けられる。プリスキャンには、例えば、受信コイルの感度分布を表す感度マップを収集するプロトコルや、シミングのためのデータを収集するプロトコル、本撮像で撮像される画像の位置決めを行うための位置決め画像を収集するプロトコル等が含まれる。また、本撮像には、例えば心臓の検査を例に挙げると、シネ画像を収集するためのプロトコルや、血流の流れの速さを画像化するためのプロトコル、造影剤を用いたパフュージョン画像を収集するためのプロトコル、遅延造影画像を収集するためのプロトコル、心臓全体における冠動脈の走行を画像化するためのプロトコル等が含まれる。

そこで、例えば、MRI装置100は、撮像の対象部位や撮像の目的に応じて、検査で行われる一連の複数のプロトコルからなるプロトコル群を管理する。具体的には、MRI装置100は、プロトコル群に含まれるプロトコルごとに、各プロトコルで用いられるパルスシーケンスを定義する情報を記憶回路11に記憶する。ここでいうパルスシーケンスを定義する情報には、第1の実施形態で説明したパルスシーケンスタイミングと、コントラストに影響を与える撮像パラメータと、コントラストに影響を与えない撮像パラメータとが含まれる。第1の実施形態と同様に、これらの情報には、あらかじめ既定値が設定される。

図8は、第4の実施形態に係るMRI装置100によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。例えば、図8に示すように、本実施形態に係るMRI装置100では、まず、表示制御機能15bが、検査で実行される複数のプロトコルを設定する(ステップS11)。例えば、表示制御機能15bは、あらかじめ管理されているプロトコル群のリストをディスプレイ10に表示して、操作者からプロトコル群の選択を受け付けることで、複数のプロトコルを設定する。なお、ここで設定される複数のプロトコルには、プリスキャンのプロトコルと、本撮像のプロトコルとが含まれる。

その後、第1撮像機能15aが、プリスキャンを実行する(ステップS12)。このとき、第1撮像機能15aが、プリスキャンに複数のプロトコルが含まれている場合には、それぞれのプロトコルを順に実行する。

続いて、第1撮像機能15aは、複数の推定画像用データ240を収集する撮像を実行する(ステップS13)。例えば、第1撮像機能15aは、第1の実施形態と同様に、複数のTIと複数のTEとを用いて、複数の推定画像用データ240を収集する。

続いて、導出機能14aに含まれる組織定量値計算機能210が、第1撮像機能15aによって収集された推定画像用データ240に基づいて、各画素の組織定量値を算出する(ステップS14)。例えば、組織定量値計算機能210は、第1の実施形態と同様に、組織のT1、T2、PD、B1強度、T2*、T1ρ、T2ρ、ADC等の値を組織定量値として算出する。

続いて、表示制御機能15bが、本撮像の撮像条件を設定する(ステップS15)。ここで、例えば、本撮像には、複数のプロトコルが含まれる。なお、ここで行われる本撮像の撮像条件を設定する処理については、後に図9を参照して詳細に説明する。

続いて、本撮像の撮像条件が設定された後に、第2撮像機能15cが、設定された撮像条件に従って本撮像を実行する(ステップS16)。このとき、第2撮像機能15cは、表示制御機能15bによってプロトコルごとに生成されるパルスシーケンス実行データ290それぞれを順に処理回路14に送信することで、本撮像に含まれる複数のプロトコルを順に実行する。

なお、図8に示す例では、プリスキャン、複数の推定画像用データ240を収集する撮像、本撮像を順に実行する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、複数の推定画像用データ240を収集する撮像は、1つのプロトコルとして、プリスキャンに含まれていてもよいし、本撮像の最初に含まれていてもよい。

ここで、上述した各ステップのうち、また、ステップS12及びS13は、例えば、処理回路15が、第1撮像機能15aに対応する所定のプログラムを記憶回路11から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS14は、例えば、処理回路14が、導出機能14aに対応する所定のプログラムを記憶回路11から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS11及びS15は、処理回路15が、表示制御機能15bに対応する所定のプログラムを記憶回路11から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS16は、処理回路15が、第2撮像機能15cに対応する所定のプログラムを記憶回路11から呼び出して実行することにより実現される。

図9は、図8に示した本撮像の撮像条件を設定する処理の処理手順を示すフローチャートである。図9に示す処理手順は、図8に示したステップS15において、表示制御機能15bに含まれる撮像条件限界計算機能220及び画素値計算機能230によって実行される。なお、ここで説明する各ステップは、例えば、処理回路15が、表示制御機能15bに対応する所定のプログラムを記憶回路11から呼び出して実行することにより実現される。

例えば、図9に示すように、本撮像の撮像条件を設定する処理では、まず、画素値計算機能230が、組織定量値計算機能210によって算出された組織定量値と、本撮像に含まれる1つのプロトコルに関するパルスシーケンスタイミング250及びコントラストに影響を与える撮像パラメータ260とに基づいて、計算によって、被検体の推定画像を作成し、作成した推定画像をディスプレイ10に表示する(ステップS151)。

また、撮像条件限界計算機能220が、推定画像とともに、当該プロトコルに関する撮像パラメータのパラメータ値の入力を受け付ける入力画面をディスプレイ10に表示する(ステップS152)。例えば、撮像条件限界計算機能220は、図5に示した入力画面520と同様の入力画面を表示する。そして、撮像条件限界計算機能220は、入力画面を介して、操作者から撮像パラメータのパラメータ値の入力を受け付ける(ステップS153)。

ここで、操作者によって、画像のコントラストに影響を与えない撮像パラメータのパラメータ値が変更された場合には(ステップS154,No)、組織定量値計算機能210は、当該プロトコルに関する撮像条件の設定が完了したか否かを判定する(ステップS157)。

一方、操作者によって、画像のコントラストに影響を与える撮像パラメータのパラメータ値が変更された場合には(ステップS154,Yes)、画素値計算機能230が、組織定量値計算機能210によって算出された組織定量値と、本撮像のパルスシーケンスタイミング250と、変更後のコントラストに影響を与える撮像パラメータ260とに基づいて、画素値を再計算する(ステップS155)。そして、画素値計算機能230は、再計算によって得られた画素値に基づいて、表示されている推定画像510を更新する(ステップS156)。その後、組織定量値計算機能210が、当該プロトコルに関する撮像条件の設定が完了したか否かを判定する(ステップS157)。

このとき、操作者は、第1の実施形態と同様に、ディスプレイ10に表示されている推定画像510を観察することによって、本撮像で得られる画像が、病変部の診断に適切なコントラストであるか否かを判断することができる。そして、所望のコントラストであった場合には、操作者は、入力回路9を介して、当該プロトコルに関する撮像条件の設定が完了した旨の指示を入力する。

操作者によって、撮像条件の設定が完了した旨の指示が入力されるまでの間は(ステップS157,No)、撮像条件限界計算機能220及び画素値計算機能230が、上述したステップS153〜S156の処理を繰り返す。これにより、当該プロトコルについて、操作者による撮像パラメータの変更、画素値の計算、推定画像の表示が、連続的に行われる。したがって、操作者は、入力画面上で撮像パラメータのパラメータ値を変更すると、略リアルタイムで、変更された結果の推定画像510を観察することができる。

そして、操作者によって、撮像条件の設定が完了した旨の指示が入力された場合には(ステップS157,Yes)、撮像条件限界計算機能220が、当該プロトコルに関する本撮像の撮像条件を設定する処理を終了し、全てのプロトコルについて撮像条件の設定が完了したか否かを判定する(ステップS158)。

ここで、全てのプロトコルについて撮像条件の設定が完了していない場合には(ステップS158,No)、画素値計算機能230が、組織定量値計算機能210によって算出された組織定量値と、本撮像に含まれる次のプロトコルに関するパルスシーケンスタイミング250及びコントラストに影響を与える撮像パラメータ260とに基づいて、計算によって、被検体の推定画像を作成し、作成した推定画像をディスプレイ10に表示する(ステップS151)。また、撮像条件限界計算機能220が、推定画像とともに、本撮像に含まれる次のプロトコルに関する撮像パラメータのパラメータ値の入力を受け付ける入力画面をディスプレイ10に表示する(ステップS152)。その後、撮像条件限界計算機能220及び画素値計算機能230は、上述したステップS153〜ステップS157の処理を行う。

こうして、全てのプロトコルについて撮像条件の設定が完了するまでの間は(ステップS158,No)、撮像条件限界計算機能220及び画素値計算機能230が、処理対象のプロトコルを順に変えながら、上述したステップS151〜S157の処理を繰り返す。そして、全てのプロトコルについて撮像条件の設定が完了した場合には(ステップS158,Yes)、撮像条件限界計算機能220が、本撮像の撮像条件を設定する処理を終了する。このとき、撮像条件限界計算機能220は、本撮像に含まれる複数のプロトコルそれぞれについて、設定された撮像パラメータのパラメータ値に基づいて、パルスシーケンス実行データ290を生成する。

上述したように、第4の実施形態に係るMRI装置100は、本撮像に複数のプロトコルが含まれている場合に、プロトコルごとに、本撮像の撮像条件を設定する処理を行う。このような構成によれば、操作者が、本撮像で実行される複数のプロトコルについて、プロトコルごとに、病変部がよりよく描出された画像を収集できるようになる。

以上のことから、第4の実施形態によれば、病態に応じて、より適切な画像を収集することができる。

なお、上述した各実施形態では、複数の推定画像用データ240を収集する撮像として、コントラストに影響を与える撮像パラメータを変えて撮像した複数の画像データを収集する方法を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、組織定量値を求める撮像として、MR fingerpringingと呼ばれる、撮像パラメータの一部を繰り返しごとにランダムに変化させてデータ収集を行い、データの系列をあらかじめ準備したデータベースとパターン認識により比較し最も近いデータから定量値を推定するような方法が用いられてもよい(例えば、非特許文献1を参照)。

以上、第1〜第4の実施形態について説明した。なお、上述した各実施形態において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。

以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、病態に応じて、より適切な画像を収集することができる。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

100 磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置 14 処理回路 14a 導出機能 15 処理回路 15a 第1撮像機能 15b 表示制御機能 15c 第2撮像機能

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