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Cordyceps new strain

阅读:1011发布:2020-06-26

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  • 寄託番号がFERM P−19501であるウスキサナギタケの菌株。
  • 請求項1に記載の菌株の培養物。
  • 請求項1に記載の菌株培養物由来のエキス。
  • 請求項1に記載の菌株の培養物又は当該菌株培養物由来のエキスを含有してなる組成物。
  • 说明书全文

    本発明は、ウスキサナギタケ(Cordyceps takaomontana)の菌株、ならびに当該菌株の培養物およびエキスに関する。

    従来、冬虫夏草と言えば、生薬の中国産コルジセプスシネシンス(Cordyceps sinensis)が最も有名である。 その他にも、サナギタケ(コルジセプスミリタリス(Cordyceps militaris)やハナサナギタケ(Isaria japonica)が知られているが、冬虫夏草の種類は多く、世界中に約400種が、また日本国内でも300種以上が記録されている。最近の研究では、抗癌作用、特許文献1に示されるような、強心、降圧、鎮咳、及び抗疲労作用、特許文献2に示されるような強壮強精作用、また、特許文献3に示されるような血糖降下作用他、種々の薬効も報告されている。化合物では、抗菌作用を有するコルジセピン、心筋収縮抑制作用を有するN −(2−ヒドロキシエチル)−アデノシン(以後HEAと略す)(非特許文献1)および免疫抑制作用を有するミリオシン(Isaria sinclairii由来)等の成分も単離同定されている。

    しかしながら、採取物の薬理活性のばらつきは非常に大きく、安定した活性を期待することができない。 また、冬虫夏草自体を天然から大量に入手することが非常に困難である。 そこで、冬虫夏草の培養方法について、種々検討が行われている。 薬理活性および含有成分の低下を防ぎ、大量に培養する方法としては、特許文献4に記載されているような培地中にさなぎ粉を含有する方法、特許文献5に記載されているような蚕の蛹組成成分を主成分とする方法、また、特許文献6に記載されているような冬虫夏草の寄生した同一種の昆虫の抽出エキスを培地に添加する方法などがあげられる。 しかしながら、菌の状態は、同じ培地を用いても、環境因子に大きく影響されるため、培地組成を天然の冬虫夏草に類似させただけでは、薬理活性および含有成分を安定に維持することはできない。

    そこで、本発明者らは特許文献7に示すように、350〜550nmの波長域にピークをもつ光を照射することで冬虫夏草の薬理活性および含有成分を安定に維持する方法を見出した。 この方法は、多くの株で安定な培養方法ではあるが、株本来の特性が失われるものではない。 従って、生理活性および含有成分を保持し、安定な株を選ぶことは、培養方法を更に有意なものにする。

    国際公開第95/01298号パンフレット

    特開平10−245340号公報

    特開平10−245341号公報

    特開平9−327232号公報

    特開平10−42691号公報

    特開平10−117770号公報

    特開2004−344027号公報

    フルヤら、フィトケミストリー(Phytochemistry)、第22巻、第11号、p2509、1983年

    本発明は、安定した人工培養ができ、有用な生理活性等を安定維持することが可能なウスキサナギタケ菌株およびその培養物やエキスを提供することを目的とする。

    本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、冬虫夏草菌株を培養し評価することで、生理活性及び有効成分を有するエキス、および、それを安定に培養できるウスキサナギタケ菌株を見出し、本発明を完成させるに至った。

    即ち、本発明は、 以下の(1)〜(4)に関する。
    (1)寄託番号がFERM P−19501であることを特徴とするウスキサナギタケの菌株。
    (2)上記(1)に記載の菌株の培養物。
    (3)上記(1)に記載の菌株培養物由来のエキス。
    (4)上記(1)に記載の菌株の培養物又は当該菌株培養物由来のエキスを含有してなる組成物。

    本発明のウスキサナギタケの新菌株ならびに当該菌株の培養物およびエキスは、優れた生理活性及び有効成分を有する。 さらに本発明の菌株は安定に培養することが可能である。 従って、本発明の菌株を培養した培養物やそれから抽出したエキスを調製することで、有用な生理活性および有効成分を安定、かつ、効率よく回収することができる。

    以下、本発明を詳述する。
    まず、本発明の対象となる冬虫夏草菌株は、子嚢菌類(Ascomycota)、核菌網(Pyrenomycetes)、麦菌目(Clavicipitales)、麦角菌科(ClavicipitalesまたはHypocreacea)に属し、完全世代と不完全世代とを有する生物である。 本発明の菌株はコルジセプス(Cordyceps)属の一種であるウスキサナギタケ(C.takaomontana)に属する。 コルジセプス属ウスキサナギタケは、日本、台湾、中国、ネパール等に分布し、発生時期は3〜11月である。 蛾の蛹、幼虫等に寄生して養分を摂取して増殖し、虫の死骸より子実体を発生する。

    ウスキサナギタケは、自然界においては、蛾の蛹に寄生し、高さは1.5〜4cmで淡黄色、棍棒型の子実体を生じる。 淡いシトロンイエローであり、結実部は上半部に生じ、わずかにふくらみのある円筒形である。 発生時期は7〜9月で、日本、台湾に分布するが、発生はサナギタケより少ない。 (「原色冬虫夏草図鑑」、清大典著、誠文堂新光社、1994年)。 上記の形態学的特徴に基づいて、採取した菌株を分類後、純粋分離し、評価および培養検討を行った(発明者自ら採取、同定した株も含む)。

    まず、ウスキサナギタケを固形培養し、抗菌活性を持つコルジセピンを生産する株を見出した。

    コルジセピンは液体培養では生産されず、固体培養で生産される。 培地は、特に限定されるものではないが、糸状菌によく用いられるポテトデキストロースや麦芽エキス寒天培地などがあげられる。 またコルジセピンの含有量は、栄養繁殖の過程において菌糸体に淡黄色から濃橙色の着色を呈する菌株において、含有量が高いことがわかった。

    本発明のウスキサナギタケ菌株の菌学的諸性質を以下に示す。
    直径3mmの円盤状種菌をシャーレに接種し、16日間、白色光6時間照射下で生育状態を観察した。
    (1)麦芽エキス寒天培地(25℃培養)
    初期、淡黄色でビロード状の菌糸。 気菌糸有り。 増殖につれて、中心部はやまぶき色から濃橙色で気菌糸増加。
    (2)ポテトデキストロース寒天培地(25℃培養)
    境界線菌糸は白、中心部は淡黄色から濃橙色で気菌糸増加。
    (3)ツアペック・ドックス寒天培地(25℃培養)
    境界線菌糸は白、中心部は淡黄色から濃橙色で気菌糸増加。
    (4)サブロー培地(25℃培養)
    初期、淡黄色でビロード状の菌糸。 気菌糸有り。 増殖につれて、境界線菌糸は白、中心部は淡黄色から濃橙色で気菌糸増加。
    (5)オートミール寒天培地(25℃培養)
    初期淡黄色のビロード状の菌糸。 気菌糸少ない。 増殖につれて境界線菌糸は白、中心部は淡黄色から濃橙色で気菌糸増加。
    (6)最適生育温度直径3mmの円盤状種菌をシャーレに接種し、各温度で生育状態を観察した。 その結果最適な生育温度は菌糸で20〜25℃、子実体で16℃〜20℃であった。 また、5℃、35℃ではほとんど生育しなかった。
    (7)最適生育pH
    麦芽エキス液体培地(寒天を含まない)50mlを300ml三角フラスコに分注して殺菌し、酸またはアルカリで各pHに調整後、前培養した種菌を接種して25℃、1週間培養した後、菌体の生育状態を観察した。 その結果、最適生育はpH4〜8で差はみられなかった。 また、生育可能なpH範囲は3〜10であった。

    本発明のウスキサナギタケ菌株は、上記の形態学的特徴に基いて採取、分類後、純粋分離したものである。 すなわち、本発明のウスキサナギタケ菌株は、栄養繁殖の過程において菌糸体に淡黄色から濃橙色の着色を呈することを特徴としている。

    更に、これらウスキサナギタケの菌株の遺伝子レベルでの特定を行うため、種の同定に用いられるITS領域(核リボソームDNAの内部転写スペーサー領域をさす)の塩基配列を、以下のようにして調べた。

    DNAは、凍結乾燥子実体、または、集菌した凍結乾燥菌糸体を使用して、酵素ProteinaseKとセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を使用して抽出をおこなった。 次に、真菌類用の配列をもつPrimerを用いて、PCR(Polymerase Chain Reaction)法により、ITS領域の増幅を行い、クローニングを行った。 増幅には、シークエンス増幅機サーマルサイクラーを使用した。 アガロース電気泳動により、増幅バンドを確認し、シークエンスサンプルとした。
    シークエンス用反応液は、精製されたITS領域増幅産物を用いて作成し、シークエンス反応を行った。 反応させたサンプルは、エタノール沈殿法やスピンカラム法等で精製し、シークエンスサンプルとした。
    シークエンサーにより塩基配列を決定した。
    最後に、データベースを利用して、調べたITS領域の塩基配列と相同性をもつ菌株の検索を行った。

    以上のようにして、調べた塩基配列をデータベースにて検索した結果、データベース上の菌株とは、遺伝子の相同性が低く、本発明のウスキサナギタケは新株であることが判明した。

    したがって、本発明のウスキサナギタケ菌株は、染色体DNA上の核リボゾームRNAをコードする領域(核リボゾームDNA)のITS領域に、配列番号1の塩基配列が含有されることを特徴とする。

    これらの株の中から、コルジセピン含量が高く、培養が安定しているCt1−2株について下記に示す薬効評価を行った。 その結果、in vitro系による癌細胞の増殖抑制作用、神経細胞の分化誘導活性および抗疲労活性を有することがわかった。

    本発明のウスキサナギタケCt1−2菌株は、上記形態学的特徴と核リボゾームDNA中のITS領域の塩基配列を指標に自然界から採取することが可能である。 なお、本発明のウスキサナギタケCt1−2菌株は、2003年8月27日に日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(IPOD)に受託番号FERM P−19501として寄託されている。

    本発明のウスキサナギタケ菌株は有用な生理活性及び有効成分を有する。
    「有用な生理活性」としては、特に限定されないが、例えば神経細胞の分化誘導活性、癌細胞増殖抑制活性、抗疲労活性、抗菌活性、強心活性、強壮強精活性、免疫調整活性、免疫増強活性等が挙げられる。 その中でも神経細胞の分化誘導活性、癌細胞増殖抑制活性、抗疲労活性及び抗菌活性が優れている。
    ここで、「神経細胞の分化誘導活性」とは、未分化な神経細胞の機能的成熟を誘導する活性、又は分化した神経細胞の機能的亢進を誘導する活性をいう。

    「有効成分」としては、特に限定されないが、例えば抗菌作用や抗癌作用を有するコルジセピン、心筋収縮抑制作用を有するN −(2−ヒドロキシエチル)−アデノシン(以後HEAと略すことがある)、免疫抑制作用を有するミリオシン等が挙げられる。 好ましくはコルジセピンである。

    本発明のウスキサナギタケ菌株は、上記有用な生理活性及び有効成分を安定して維持することが可能な菌株である。
    「有用な生理活性及び有効成分を安定して維持することが可能」とは、本発明の菌株を当業者が用いる通常の培養条件で複数回数継代培養、又は長期間保存等しても当該菌株中の上記有用な生理活性及び有効成分の含有量が実質的に同等であることをいう。

    「複数回数」とは、少なくとも2回以上、好ましくは5回以上、より好ましくは10以上をいう。
    「長期間」とは、少なくとも半年以上をいう。
    「実質的に同等」とは、前記継代培養・保存後の当該生理活性等が前記継代培養・保存前と比較して少なくとも50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上であることをいう。

    以下、本発明で用いた生理活性および薬効評価の方法を示す。
    まず、ウスキサナギタケ菌株の生理活性を評価するにあたり、以下の人工培養およびエキス抽出を行った。
    ジャガイモ浸出液にグルコースを加えた液体培地で10〜14日間、静置培養し、得られた菌糸体を、遠心分離にて回収した。 表面の培地成分を洗浄後、培養物を乾燥させた。 乾燥培養物をエタノール水溶液に浸漬後、得られた抽出液を濃縮・乾燥後、以下の評価に使用した。

    生理活性の評価は、抗菌活性を持つコルジセピンの含有量を中心に行い、in vitro系による癌細胞の増殖抑制作用および神経細胞の分化誘導活性、動物実験による抗疲労作用でも調べた。

    コルジセピンの含有量は、逆相系液体クロマトグラフィーを用いてエキス成分を分離し、エキス中のコルジセピン含有量を測定した。

    また、in vitro系による癌細胞の増殖抑制作用は、ヒト白血病細胞を用いた。 ヒト白血病細胞HL−60は、前骨髄性白血病由来の癌細胞株(原ATCC株CCL−240、浮遊細胞)であり、好中球、マクロファージに分化できる能を持ち、分化およびアポトーシス研究に多用される。 この細胞をシャーレの中で静置培養し、前記抽出エキスを添加して、細胞に対する増殖抑制能について検討した。

    神経細胞の分化誘導活性は、以下のように調べた。
    1321N1アストロサイトーマ細胞はグリア細胞の一種であるアストロサイトが癌化したものであり、アストロサイトと同様に外部からの刺激により神経栄養因子を分泌する。 また、神経細胞のモデル細胞であるPC−12細胞は、ラット副腎髄質由来褐色細胞腫より樹立された細胞株(親クロム細胞腫細胞)であり、神経成長因子(NGF)に応答して神経突起を伸展し、神経細胞様に変化する。 1321N1アストロサイトーマ細胞をシャーレに分注し、翌日細胞が容器に付着したことを確認し、前記抽出エキスを添加した。 2日後その培養上清を取り、あらかじめ培養しておいたPC−12細胞の培養用培地と交換した。 PC−12細胞を培養上清で培養後、位相差顕微鏡により形態観察を行い、その分化の程度を評価した。

    抗疲労活性は、マウスをロコモーターにて3時間運動させた後、前記抽出エキスを投与し、さらに90分自由運動させた時の運動量を、投与しない対照群と比較することにより調べた。

    また、本発明のウスキサナギタケ菌株は、安定して人工培養することが可能な菌株である。 ここで、「安定して人工培養することが可能」とは、本発明の菌株を当業者が用いる通常の培養条件で複数回数継代培養し、又は長期間保存等しても当該菌株の形質が変化せず、良好に増殖することをいう。

    本発明のウスキサナギタケ菌株は、自体公知の培地を用いて培養することが可能であるが、穀類、又は穀類及び酵母若しくはその抽出物を含む培地が好ましい。 穀類には、一般に人間の主食となる作物が含まれ、例えば米、米糠、粟、麦(小麦、大麦、ハト麦等)、蕎麦、ヒエ、キビ、トウモロコシ、アマランサス、豆類等が挙げられる。 酵母としては、例えば乾燥ビール酵母、パン用酵母、清酒用酵母、ワイン用酵母等が挙げられる。 酵母は、そのまま用いることもできるが、水、熱水、あるいは、有機溶媒等で抽出した酵母の抽出物(酵母エキス)を用いることもできる。 穀類、又は穀類及び酵母若しくはその抽出物に、さらに、豆皮、おから等の豆類、サナギ粉、魚粉、煮干粉砕物等の動物紛のいずれか1つ又は複数を添加してもよい。 また、おが屑、コーンコブ粉砕物等の培地基材を用いて、これに穀類、又は穀類及び酵母若しくはその抽出物を加えたものでもよく、さらに上記の豆類、動物紛等を添加してもよい。 穀類を用いることで、菌糸増殖の支持体と栄養源を兼ねる。 また、酵母あるいはその抽出物は、アミノ酸、ミネラルを豊富に含むので、少量で効率的な増殖が得られる。 また、穀類や酵母は、入手しやすく、成分的にも比較的安定した培地組成である。

    穀類の配合量は、培地成分(後述の水等を含まない成分)の全重量の通常5.0〜55.0重量%、好ましくは10.0〜35.0重量%である。 酵母を用いる場合は、その配合量は、培地成分の全重量の通常1.0〜10.0重量%、好ましくは4.0〜7.0重量%である。 酵母の抽出物を用いる場合は、その配合量は、培地成分の全重量の通常0.01〜3.0重量%、好ましくは0.02〜1.0重量%である。
    さらに豆類、動物粉等を添加する場合は、その配合量は、培地成分の全重量の通常1.0〜10.0重量%、好ましくは4.0〜7.0重量%である。 また、おが屑、コーンコブ粉砕物等の培地基材を添加する場合は、その配合量は、培地成分の全重量の通常5.0〜50.0重量%、好ましくは6.0〜20.0重量%である。
    上記の培地のうち、麦(割麦)と乾燥ビール酵母とからなる培地が好ましく、麦(割麦)140〜160g、乾燥ビール酵母20〜40gの割合で配合した培地がさらに好ましい。 具体的には、例えば、麦(割麦)150g:乾燥ビール酵母30g:水300ml、麦(割麦)140g:乾燥ビール酵母40g:水300ml、又は麦(割麦)160g:乾燥ビール酵母20g:水300mlの割合で配合した培地等が好ましい。
    上記の成分を含有する培地は、従来公知の方法により作製することができ、例えば、これらの培地成分全重量に対して、水等を、通常50.0〜85.0重量%、好ましくは60.0〜75.0重量%に調製し、高圧蒸気滅菌器にて殺菌することにより作成することができる。

    培養に適する湿度は、通常60〜95%、好ましくは85〜95%である。 培養期間は、培地の種類、pH、培養温度、湿度等により適宜選択されるが、通常1〜2ヶ月、好ましくは4〜6週間培養することにより充分量の菌体を得ることができる。

    本発明のウスキサナギタケ菌株は、上述の培地、温度、pH、湿度等の条件において安定した人工培養が可能であり、有用な生理活性等を安定して維持することが可能な菌株であるが、培地に当該菌を接種し、350〜550nmの波長域にピークをもつ光(主に青色若しくは緑色の光)を連続又は間欠的に照射することで、有用な生理活性及び有効成分を更に効率的且つ安定的に菌体中、好ましくは菌糸体中に含有させることが可能である。

    即ち、菌糸を培地に接種した直後から、350〜550nm、好ましくは350〜530nm、さらに好ましくは400〜500nmの波長域にピークを持つ光を連続又は間欠的に照射することが望ましい。 波長域は、350nm未満では、菌糸の増殖を阻害する傾向が強まり、また、550nmを超えると、薬理活性や含有成分の低下を招く。

    350〜550nmの波長域等にピークを持つ光とは、光源から照射される光のうち、可視光域の波長における光の中で、相対発光強度が最も強い強度を示す光の波長が350〜550nmの波長域にある光のことをいう。 350〜550nmの波長域等にピークを持つ光を照射し得る光源としては、例えば蛍光管では、カラー蛍光ランプの青色、緑色、ブラックライト等があり、また、発光ダイオードでは、青又は緑の発光ダイオードが挙げられるが、これらに限定されず、同等域にピークのある光源であれば何れも用いることができる。

    照度は、白色蛍光管の場合、通常10lux以上、好ましくは1200〜5000luxである。 光の照射は連続的であっても間欠的であってもよいが、好ましくは間欠的である。 間欠的に光を照射する場合には、照射する時間と暗所に置く時間の比は1:30〜10:3の範囲であればよく、好ましくは1:15〜5:3の範囲、より好ましくは1:6〜2:3の範囲、更に好ましくは約1:3である。 1回の照射時間は10分〜24時間であり、好ましくは1〜12時間、より好ましくは3〜10時間、更に好ましくは4〜8時間、最も好ましくは約6時間である。

    本発明のウスキサナギタケ菌株は、スラント等の適切な状態で1〜7℃の温度、好ましくは2〜6℃、より好ましくは3〜5.5℃、もっとも好ましくは5℃にて長期間生存状態にて維持することが可能である。 保存可能な期間は少なくとも1年以上である。
    保存された当該菌株は、安定した人工培養ができ、有用な生理活性や有効成分を安定して維持できるという当該菌株特有の形質を良好に維持するために、定期的に継代することが好ましい。 継代の頻度は少なくとも10年以内に1回、好ましくは5年以内に1回、より好ましくは2年以内に1回、更に好ましくは6ヶ月以内に1回である。

    また、本発明はウスキサナギタケ菌株の培養物に関する。
    「培養物」には、ウスキサナギタケ菌株自体の子実体、菌糸体、胞子、およびそれらを培養する培地等が含まれる。 本発明では、子実体培養物よりも菌糸体培養物の方が有用な生理活性及び/又は有効成分を豊富に含有する場合が多い。 菌糸体の方が、培養日数が短い、菌糸体の方が培養条件を調節しやすい等の利点を有するからである。
    当該「培養物」には、培養物の乾燥物、それを粉末化したもの等も含まれる。

    更に本発明はウスキサナギタケ菌株培養物由来のエキスに関する。
    「エキス」には、当該菌株の培養物の浸出液、その濃縮液、それらの乾燥物(乾燥エキス)に加え、それらの部分精製品(当該エキスを特定の化合物に完全精製に至るまでの任意の純度まで精製したもの)等が含まれる。 形態としては、液状物、油状物、固形物等が含まれる。

    当該エキスには、特に限定されないが、少なくともコルジセピンが含有されることが好ましく、より好ましくはコルジセピン、神経細胞の分化誘導活性、癌細胞増殖抑制活性、抗疲労活性及び抗菌活性が含有され、更に好ましくは上述の有用な生理活性及び有効成分の全てが含有される。

    当該エキス中のコルジセピンの含有量は、エキスの調製方法等によって変動するため、一律に設定することは困難であるが、当該エキスの乾燥重量1gにつき、通常1〜200mg、好ましくは10〜150mgの範囲である。

    本発明のウスキサナギタケ新菌株培養物由来のエキスを調製する方法としては、自体公知の方法を用いることができる。 例えば、日本薬局方(第12改正)等に記載されている冷浸法、パーコレーション法等により、当該菌株の培養物を浸出用溶媒に浸すことにより、当該菌株の培養物の浸出液を得る。

    浸出用溶媒は、適宜選択することができるが、有機溶媒(例えばエタノール等のアルコール類等)、無機溶媒(例えば水、緩衝液等)あるいはそれらの混合溶媒が挙げられる。 好ましくはエタノール、水(熱水を含む)又はエタノールと水の混合溶媒であり、より好ましくは水(熱水を含む)又はエタノールと水の混合溶媒である。
    浸出用溶媒がエタノールと水の混合溶媒である場合のエタノール濃度は、適宜選択することができるが、通常5〜90%の範囲、好ましくは10〜70%、より好ましくは15〜50%、更に好ましくは20〜40%である。

    浸出時の温度は、浸出用溶媒の種類等により適宜選択することができるが、例えば浸出にエタノールと水の混合溶媒を用いる場合は、浸出時の温度(浸出用溶媒の温度)として、通常5〜60℃、好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜40℃、の範囲内である。
    また、浸出用溶媒に水を用いる場合は、浸出時の温度は、通常10〜130℃、好ましくは20〜120℃、より好ましくは20〜80℃、の範囲内である。
    浸出時の温度が低すぎると抽出効率が低下し、浸出時の温度が高すぎると浸出液中の有効成分等が分解されてしまう。

    浸出の時間は、浸出用溶媒の種類等により適宜選択することができるが、例えば浸出にエタノールと水の混合溶媒を用いる場合は、通常1〜120時間、好ましくは5〜96時間、より好ましくは15〜80時間の範囲内である。
    また、浸出用溶媒に水を用いる場合は、通常0.1〜120時間、好ましくは0.2〜96時間、より好ましくは0.25〜80時間の範囲内である。
    浸出時間が短すぎると有効成分等の回収効率が低くなり、浸出時間が長すぎると浸出液中の有効成分等が分解されてしまう。

    また、本発明は、ウスキサナギタケ菌株の培養物あるいは当該菌株培養物由来のエキスを含有してなる組成物に関する。
    当該組成物には、特に限定されないが、例えば、医薬組成物、食品組成物、化粧用組成物等が挙げられる。

    組成物が医薬組成物である場合には、当該医薬組成物には、本発明のウスキサナギタケ菌株の培養物又は当該菌株培養物由来のエキス以外に、医薬として許容できる担体を配合することができる。 「医薬として許容できる担体」としては、当業者公知のように、例えば、賦形剤(例えば、デンプン、コーンスターチ、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、マンニトール、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、乳糖、ショ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸カルシウム等)、結合剤(例えば、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ゼラチン、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、デンプン、コーンスターチ、ショ糖等)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース等)、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等)、滑沢剤(例えば、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ケイ酸マグネシウム、タルク等)、希釈剤(例えば、水、食塩水、大豆油、ゴマ油、オリーブ油等のような植物油等)、軟膏基剤(例えば、パラフィン、ラノリン、白色ワセリン、ミツロウ等)、矯味剤(例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等のようなパラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸ナトリウム等)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、グリセリン、ブドウ糖、マンニトール等)、保存剤(例えば、パラヒドロキシ安息香酸エステル等)、増粘剤(例えば、グアガム等)、酸化防止剤(例えば、ビタミンE等)等が挙げられるが、これらに限定されない。

    医薬組成物の剤形としては、例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、トローチ剤、湯剤、膏剤、酒剤、チンキ剤等の経口剤、注射剤、点眼剤、エアゾール剤、経皮吸収剤、坐剤、膏剤、丹剤等の非経口剤が挙げられるが、これらに限定されない。

    医薬組成物の投与量は、投与対象、患者の年齢、体重、疾患の程度により異なるが、例えば経口投与の場合、通常成人1日あたり培養物の乾燥重量に換算して、1〜1000mg相当を1日1回から数回に分けて服用するのが適当である。 非経口投与の場合、通常、成人で1日あたり培養物の乾燥重量に換算して、0.5〜500mg相当を1日1回から数回に分けて静脈注射、皮下注射、筋肉注射するのが好ましい。

    本発明の本発明のウスキサナギタケ菌株の培養物又は当該菌株培養物由来のエキスは、従来用いられてきた生薬材料を原料とするものであるので、有効投与量での毒性は極めて低く、副作用はほとんど認められない。 ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ等の哺乳類に対して安全に投与することができる。

    また、組成物が食品組成物である場合は、当該食品組成物としては、本発明のウスキサナギタケ菌株の培養物又は当該菌株培養物由来のエキスを、例えば、ジュース、清涼飲料、茶、スープ、豆乳、豆腐、サラダ油、ドレッシング、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ふりかけ、育児用粉乳、ケーキ、パン、クッキー、スナック菓子等の一般の食品に含有させたものが挙げられる。 あるいは、当該培養物又はそのエキスを、デキストリン、乳糖、デンプン、コーンスターチ等の賦形剤や香料、色素等とともに、ペレット、錠剤、顆粒等に加工したり、ゼラチン等で被覆してカプセルに加工したりして健康食品や栄養補助食品等として利用できる。 その他「食品」としては、厚生労働省の保健機能食品制度に規定される特定保健用食品や栄養機能食品、家畜の飼料等が挙げられるが、これらに限定されない。

    上記食品組成物における、本発明のウスキサナギタケ菌株の培養物又は当該菌株培養物由来のエキスの配合量は、食品や組成物の種類や状態により一律に規定しがたいが、乾燥培養物の乾燥重量として、通常約0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%である。 配合量が0.01重量%未満では経口摂取による効果が期待できず、50重量%を超えると食品の種類によっては風味を損なったり、当該食品を調製できなくなる場合がある。

    本発明のウスキサナギタケ菌株、当該菌株の培養物または当該菌株培養物由来のエキスを含有してなる組成物は、脳神経細胞の細胞死を伴う疾患(例えば、虚血性脳疾患、アルツハイマー病等の痴呆症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症等)、腫瘍(例えば骨髄性白血病等)、感染症、心臓・呼吸器系疾患(例えば心筋梗塞、狭心症、高血圧等)等の疾患の予防・治療や、免疫増強、強壮強精、疲労回復に用いることができる。

    以下、本発明を詳細に説明するために実施例を記載するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。

    〔実施例1〕
    (菌糸体の培養およびエキス抽出)
    表1に示すそれぞれの菌株を、ジャガイモ350gの浸出液にグルコース20gを加えて蒸留水で1Lとした液体培地で、28〜35日間静置培養した。 培養条件は、25℃、湿度90%以上、白色光を6時間/日照射して行った。 得られた菌糸体を、遠心分離にて回収した。 表面の培地成分を洗浄後、培養物を乾燥させた。 乾燥培養物を30%エタノール水溶液に浸漬後、得られた抽出液を濃縮・乾固してエキスを得た。
    ついで抗菌活性を有するコルジセピンの含有量を、以下のように調べた。 逆相系液体クロマトグラフィーを用いてエキス成分を分離した。 検出にはUV波長268nmを使用し、移動相には、10%メタノールを使用した。 菌糸の色とコルジセピン含有量を表1に示す。 比較としてサナギタケを同様に培養・エキス抽出を行った。

    〔実施例2〕
    (菌糸体の培養)
    割麦150g、乾燥ビール酵母30gと水300mlを混合し、121℃で15分間、高圧蒸気滅菌器にて殺菌してから室温になるまで放置し、その後無菌状態で、滅菌容器に培地を充填した。 ウスキサナギタケ株の菌糸を接種し、25℃、湿度90%以上、21日間培養する。 その間、1日に、400〜500nmの波長域にピークを持つ青色光を6時間照射し、18時間暗所に置くことを繰返した。 菌糸が覆った培地を割りほぐして、同様に光を照射しながら、更に14日培養を続け、菌糸培養物を得た。
    培養物より、実施例1記載の方法で、エキス抽出を行い、得られたエキスを前記方法にて、評価した。 結果を表2に示す。

    〔実施例3〕
    (菌糸体の培養)
    蕎麦160g、酵母エキス20gと水300mlを混合し、121℃で15分間、高圧蒸気滅菌器にて殺菌してから室温になるまで放置し、その後無菌状態で、滅菌容器に培地を充填した。 培養条件は実施例2記載の方法で同様に行った。 培養物より、実施例1記載の方法で、エキス抽出を行い、得られたエキスを実施例1記載の方法にて、評価した。 結果を表3に示す。

    〔実施例4〕
    (ITS領域遺伝子配列)
    ウスキサナギタケ1−7株のITS領域塩基配列を以下の方法で調べた。
    (DNAの抽出)
    酵母エキス0.2%、麦芽エキス2%、および、グルコース2%の液体培地を用いて、Ct1−2を接種し、21日間、25℃にて静置培養を行った。
    得られた菌糸体をLysis buffer 5mg/mlに懸濁し、4℃で30分間静置して、10%SDSを1/10量加え軽く懸濁し、65℃で30分静置し、さらに氷中に15分間静置した。 この溶液にProteinaseK(プロメガ社製、特異的活性30単位/mg以上)を1mg加え、37℃で4時間以上静置した。 次に、7000rpmにて、40℃で20分間遠心分離し、上清を別の遠心管にとり、5M NaClを1/5量加え、さらに10%CTABを1/10量加えて、65℃で10分間静置した。 同量のクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を加え、7000rpmにて、4℃で10分間遠心分離し、上清を別の遠心管に移し、これを3回繰り返した。 上清に対して、7.5M酢酸アンモニウムを1/10量加え、さらに冷エタノールを2.5倍量加え、−20℃で2時間以上静置した。
    これを7000rpmにて、4℃で20分間遠心分離し、得られた沈殿を70%冷エタノールでリンスし、更に7000rpmにて、4℃で10分間遠心分離で沈殿物を得た。 沈殿物を風乾後、TE bufferに懸濁し、RNase 1mgを加えて37℃で2時間以上静置した。 同量のクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を加え、10000rpm、4℃、10分間遠心分離し、上清を別の遠心管に移し、これを3回繰り返した。 上清に対して、7.5M酢酸アンモニウムを1/10量加え、さらに冷エタノールを2.5倍量加え、−20℃で2時間以上静置した。 これを10000rpmにて、4℃で20分間遠心分離し、得られた沈殿を70%冷エタノールでリンスし、更に10000rpm、4℃で10分間遠心分離して沈殿物を得た。 沈殿物を風乾後、TE bufferに懸濁し、以下の実験に使用した。
    (PCR増幅)
    ITS領域の増幅は、PCR増幅機サーマルサイクラーを使用した。 Primerは、真菌類特有のITS−1(5'−TCCGTAGGTGAACCTGCGG−3')(配列番号2)およびITS−4(5'−TCCTCCGCTTATTGATATGC−3')(配列番号3)の2種類を使用した。
    PCR用反応溶液は、Primer各10pmol、抽出したゲノムDNA10ng、dNTPs(タカラバイオ製)各20nmol、Taq DNA Polymerase(タカラバイオ製)2.5U、PCR buffer(タカラバイオ製)を加え、全量25μlとした。 PCR条件は、92℃、5分間の熱処理の後、92℃、30秒間、60℃、30秒間、72℃、1分間の反応を30回繰り返し、最後に72℃、10分間の処理を行った。
    (増幅産物の確認)
    アガロース電気泳動は、50V、1時間、ゲル濃度1.5%(Sigma製、Type−II−A)で行った。 染色は、エチジウムブロマイドを使用し、紫外線を照射して増幅バンドを確認した。
    (ITS領域増幅産物の精製)
    ITS領域増幅産物の精製は、SUPREC−02(タカラバイオ製)を使用してPrimerの除去および精製・濃縮を行い、シークエンスサンプルとした。
    (シークエンス反応)
    シークエンス用反応液は、精製されたITS領域増幅産物をDye−terminater Kit(Applied biosystems製)を使用して作成した。 PCR反応は、96℃、7分間の熱処理の後、96℃、30秒間、50℃、15秒間、60℃、4分間の反応を25回繰り返し、最後に4℃の処理を行った。
    反応させたサンプルは、エタノール沈殿法やスピンカラム法等で精製し、シークエンスサンプルとした。 反応液20μlに7.5M酢酸アンモニウム2μl、95%エタノール50μlを加え、室温にて15分放置した。 この溶液を15000rpm、室温で20分間遠心分離後、上清を除去した。 70%エタノール200μlを加え、軽く攪拌後、15000rpm、室温で5分間遠心分離して、上清を除去した。 沈殿物を乾燥後、−20℃で保存した。
    ABI Prism Model 310シークエンサー(Applied biosystems製)を利用し、塩基配列を調べた。
    (塩基配列相同性の確認)
    データベース検索は、Webサイトにおいて、米国立医学図書館生物工学情報センター(NCBI)データベースBLAST(http://blast.genome.ad.jp/)を利用して、調べたサンプルのITS領域の塩基配列と相同性をもつ菌株の検索を行った。
    ウスキサナギタケ1−7株のITS領域は、同じ塩基配列(配列番号1)を示した。 BLASTでの遺伝子配列相同性検索結果を表4に、菌株系統樹を図1に示す。

    〔実施例5〕
    (Ct1−2株の生理活性評価)
    神経細胞の分化誘導活性は、以下のように調べた。
    1321N1アストロサイトーマ細胞を5(v/v)%胎児血清を含んだダルベッコ変法イーグル培地中で、37℃、5%二酸化炭素混有空気(水蒸気飽和)中でpH7.2〜7.4で培養した。 PC−12細胞に関しては10(v/v)%牛胎児血清および5(v/v)%馬血清を含んだダルベッコ変法イーグル培地中で、37℃、5%二酸化炭素混有空気(水蒸気飽和)中でpH7.2〜7.4で培養した。
    35mmシャーレに細胞を約2万個ずつ1321N1アストロサイトーマ細胞を分注し、翌日細胞が容器に付着したことを確認し、前記抽出エキスを添加した。 抽出エキスは、ジメチルスルホキシドに溶解し、ミリポアフィルター(0.2μm)にてろ過滅菌後、最終濃度10nMになるように添加した。 分化誘導の陽対照には、phorbol 12−myristate 13−acetate(PMA)をジメチルスルホキシドに溶解させ、最終濃度100nMとなるように添加した。 2日後その培養上清を取り、あらかじめ培養しておいたPC−12細胞の培養用培地と交換した。 PC−12細胞を培養上清で2日間培養後,位相差顕微鏡により形態観察を行い、その分化の程度を評価した。 その評価方法は、個々の細胞について、全く変化していないものを0点、細胞体の直径と同程度の突起進展が見られるものを1点、細胞体の2〜3倍の突起進展が見られるものを2点、非常に長い突起進展やシナプス形成が見られるものを3点とし、100個の細胞について得られた点数の平均値を細胞分化の指標とした。 この結果を表5に示した。

    骨髄性白血病細胞に対する増殖抑制活性は、以下のように調べた。
    ヒト白血病細胞HL−60は、10(v/v)%牛胎児血清を含む、RPMI1640培地で、37℃、5%二酸化炭素混有空気(水蒸気飽和)、pH7.2〜7.4で培養した。
    24穴プレート(浮遊細胞用)を用い、8〜20万cells/mlになるように、1ml/穴の細胞懸濁液を接種し、細胞培養2〜3日目に、希釈した試料を10μl/穴で添加した。 前記抽出エキスは、ジメチルスルホキシドに溶解・希釈し、ミリポアフィルター(0.2μm)にてろ過滅菌後、HL−60細胞培養液に最終濃度が100μg/mlになるように添加した。 負対照には、希釈液ジメチルスルホキシド10μl/穴を添加した。
    培養1日後、細胞懸濁液15μl/穴を取り、培地で10倍に希釈した。 この細胞希釈液のATP活性をATPアナライザー(東亜電波工業製)で測定した。 また、細胞形態を顕微鏡で観察した。 細胞がつぶれて、培養液中に顆粒が散乱しているものを、細胞増殖抑制+(有り)、細胞形態がきれいで変化しないものを、−(無)とした。
    試料は、n=3穴でATP活性を測定し、平均と標準偏差を求めた。 無添加(DMSOのみ添加)の平均値を100として、各試料の平均値と標準偏差値を算出し、T−検定法を用いて、無添加に対する有意差を求めた。 P<0.05を有意差有りとした。 結果を表6に示す。

    抗疲労活性は以下のようにして調べた。
    マウスをロコモーターにて3時間強制歩行させた後、前記抽出エキスを100μg/mouse脳室内投与し、さらに90分自由運動させた時のロコモーター回転数を、投与しない対照群と比較した。 結果を表7に示す。

    〔実施例6〕
    (繰り返し培養)
    実施例2と同様の培養方法にて、Ct1−2株の培養を10回繰り返した時の生理活性を表8に示す。

    〔実施例7〕
    (保存後の培養)
    Ct1−2株をポテトデキストロース寒天培地(日水製薬製)に接種し、14日間、25℃にて培養後、このスラントを5℃にて1年保存した。 1年後、スラントよりシャーレに接種し、培養した後、実施例2記載の方法で培養し、実施例1および5記載の方法で、生理活性を評価した。 結果を表9に示す。

    ウスキサナギタケCt1−2菌株のrDNA ITS領域塩基配列から導き出される系統樹を示す。 図中央の番号はアクセッション番号又は菌株名を示す。

    配列番号1:rDNA ITS
    配列番号2:真菌類のrDNAのITS領域を検出するためのプライマーとして機能するよう設計されたオリゴヌクレオチド配列番号3:真菌類のrDNAのITS領域を検出するためのプライマーとして機能するよう設計されたオリゴヌクレオチド

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