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植物調節要素およびその使用

阅读:51发布:2020-05-08

专利汇可以提供植物調節要素およびその使用专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且,下面是植物調節要素およびその使用专利的具体信息内容。

a)配列番号157または66の全長に対して少なくとも95パーセントの配列同一性を有し、遺伝子調節活性を有する配列; b)配列番号157または66を含む配列;ならびに c)配列番号157の少なくとも750個の連続するヌクレオチドを含み、遺伝子調節活性を有するフラグメント からなる群より選択されるDNA配列を含み、該配列が異種転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結されているDNA分子。該配列が配列番号157または66のDNA配列に対して少なくとも96パーセントの配列同一性を有する、請求項1に記載のDNA分子。該配列が配列番号157または66のDNA配列に対して少なくとも97パーセントの配列同一性を有する、請求項1に記載のDNA分子。DNA配列が遺伝子調節活性を有する、請求項1に記載のDNA分子。異種転写可能ポリヌクレオチド分子が作物栽培学的関心対象の遺伝子を含む、請求項1に記載のDNA分子。作物栽培学的関心対象の遺伝子が植物における除草剤耐性を付与する、請求項5に記載のDNA分子。作物栽培学的関心対象の遺伝子が植物における病害虫耐性を付与する、請求項5に記載のDNA分子。a)配列番号157または66の全長に対して少なくとも95パーセントの配列同一性を有し、遺伝子調節活性を有する配列; b)配列番号157または66を含む配列;ならびに c)配列番号157の少なくとも750個の連続するヌクレオチドを含み、遺伝子調節活性を有するフラグメント からなる群より選択される配列を含み、該配列が異種転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結されている異種DNA分子を含むトランスジェニック植物細胞。単子葉植物細胞である、請求項8に記載のトランスジェニック植物細胞。双子葉植物細胞である、請求項8に記載のトランスジェニック植物細胞。請求項1に記載のDNA分子を含むトランスジェニック植物またはその部分。該DNA分子を含む、請求項11に記載のトランスジェニック植物の子孫植物またはその部分。請求項1に記載のDNA分子を含むトランスジェニック種子。請求項11に記載のトランスジェニック植物またはその部分を取得すること、およびそこから商品生産物を生産することを含む、商品生産物を生産する方法。商品生産物が、タンパク質濃縮物、タンパク質単離物、穀物、デンプン、種子、粗挽き粉、穀粉、バイオマス、または種油である、請求項14に記載の方法。請求項1に記載のDNA分子を含む商品生産物。タンパク質濃縮物、タンパク質単離物、穀物、デンプン、種子、粗挽き粉、穀粉、バイオマス、または種油である、請求項16に記載の商品生産物。転写可能ポリヌクレオチド分子を発現させる方法であって、請求項11に記載のトランスジェニック植物を取得すること、および植物を栽培することを含み、そこで転写可能ポリヌクレオチドが発現する方法。

说明书全文

[関連出願の参照] 本願は、2011年3月25日に出願された米国仮特許出願第61/467,875号の利益を主張し、この仮特許出願は引用によりそのまま本明細書に組み込まれる。

[配列表の組み込み] 347キロバイト(Microsoft Windows(登録商標)による計測)であって2012年3月21日に作成された「MONS282WO_seq.txt」という名称のファイルに含まれている配列表を、電子提出によって、ここに添付する。この配列表は引用により本明細書に組み込まれる。

[発明の分野] 本発明は、植物分子生物学および植物遺伝子工学の分野に関し、植物における遺伝子発現を調整するのに有用なDNA分子に関する。

[背景] 調節要素は、作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子の転写を調整することによって、遺伝子活性を調節する遺伝要素である。そのような要素には、プロモーター、リーダー、イントロン、および3'非翻訳領域が含まれ、これらは植物分子生物学および植物遺伝子工学の分野において有用である。

[発明の概要] 本発明は、植物において使用するための新規遺伝子調節要素を提供する。本発明は、調節要素を含むDNAコンストラクトも提供する。本発明は、調節要素を含むトランスジェニックな植物細胞、植物、および種子も提供する。配列は、転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結された状態で提供されうる。ある実施形態において、転写可能ポリヌクレオチド分子は、ここに提供する調節配列に対して異種であることができる。したがって本発明が提供する調節要素配列は、特定の実施形態では、異種転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結されていると定義することができる。本発明は、調節要素、調節要素を含むDNAコンストラクト、ならびに転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結された調節要素を含むトランスジェニックな植物細胞、植物、および種子を作製し、使用する方法も提供する。

したがって、ある態様において、本発明は、a)配列番号1〜158および180〜183のいずれかに対して少なくとも約85パーセントの配列同一性を有する配列;b)配列番号1〜158および180〜183のいずれかを含む配列;ならびにc)遺伝子調節活性を有する、配列番号1〜158および180〜183のいずれかのフラグメントからなる群より選択されるDNA配列を含み、その配列が異種転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結されているDNA分子を提供する。具体的実施形態では、DNA分子が、配列番号1〜158および180〜183のいずれかのDNA配列に対して少なくとも約90パーセント、少なくとも約95パーセント、少なくとも約98パーセント、または少なくとも約99パーセントの配列同一性を含む。DNA分子の一定の実施形態では、DNA配列が調節要素を含む。いくつかの実施形態では、調節要素がプロモーターを含む。特定の実施形態では、異種転写可能ポリヌクレオチド分子が、作物栽培学的関心対象の遺伝子、例えば植物において除草剤耐性を提供する能を有する遺伝子、または植物において植物病害虫耐性を提供する能力を有する遺伝子を含む。

本発明は、配列番号1〜158および180〜183のいずれかまたはそのフラグメントもしくは変異体の配列を含み、該配列が異種転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結されている、本発明が提供する異種DNAコンストラクトを含む、トランスジェニック植物細胞も提供する。一定の実施形態では、トランスジェニック植物細胞が単子葉植物細胞である。 別の実施形態では、トランスジェニック植物細胞が双子葉植物細胞である。

さらに、a)配列番号1〜158および180〜183のいずれかに対して少なくとも85パーセントの配列同一性を有する配列;b)配列番号1〜158および180〜183のいずれかを含む配列;ならびにc)遺伝子調節活性を有する、配列番号1〜158および180〜183のいずれかのフラグメント;からなる群より選択されるDNA配列を含み、その配列が異種転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結されている、ここに提供されるDNA分子を含むトランスジェニック植物またはその部分も、本発明によって提供される。具体的実施形態において、トランスジェニック植物は、前記DNA分子を含む出発トランスジェニック植物との比較で、前記DNA分子を含む任意の世代の子孫植物であることができる。さらに、本発明のDNA分子を含むトランスジェニック種子も提供される。

さらにもう一つの態様において、本発明は、商品生産物を生産する方法であって、本発明のトランスジェニック植物またはその部分を取得すること、およびそこから商品生産物を生産することを含む方法を提供する。ある実施形態において、本発明の商品生産物は、タンパク質濃縮物、タンパク質単離物、穀物、デンプン、種子、粗挽き粉、穀粉、バイオマス、または種油である。もう一つの態様において、本発明は上記の方法を使って生産された商品を提供する。例えば、ある実施形態において本発明は、a)配列番号1〜158および180〜183のいずれかに対して少なくとも85パーセントの配列同一性を有する配列;b)配列番号1〜158および180〜183のいずれかを含む配列;ならびにc)遺伝子調節活性を有する、配列番号1〜158および180〜183のいずれかのフラグメント;からなる群より選択されるDNA配列を含み、その配列が異種転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結されている、ここに提供されるDNA分子を含む商品生産物を提供する。

さらにもう一つの態様において、本発明は、転写可能ポリヌクレオチド分子を発現させる方法であって、本発明のトランスジェニック植物、例えば本明細書に記載するDNA分子を含む植物を取得すること、および植物を栽培することを含み、そこでDNA分子中の転写可能ポリヌクレオチドが発現する方法を提供する。

本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、文脈上別段の必要がある場合を除き、「含む(comprise)」という単語とその変形、例えば「comprises」および「comprising」は、明記した組成、ステップ、および/もしくは値、またはその群の包含を含意するが、他の任意の組成、ステップ、および/もしくは値、またはその群の除外を含意するわけではないと理解されるであろう。

図1a〜hは、イネ科植物種

Andropogon gerardiiから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図1a〜hは、転写調節発現要素群EXP-ANDge.Ubq1:1:9(配列番号1)中に見いだされる2603bpプロモーター配列P-ANDge.Ubq1-1:1:11(配列番号2)と、P-ANDge.Ubq1-1:1:11の欠失分析によって派生したプロモーター配列とのアラインメントを示している。欠失(例えばP-ANDge.Ubq1-1:1:11の5'端の欠失)は、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)内に見いだされる2114bp配列であるプロモーターP-ANDge.Ubq1-1:1:9(配列番号6)をもたらした。図1に記載の他のプロモーター配列には、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)内に含まれる1644bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:10(配列番号9);EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)内に含まれる1472bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:12(配列番号11);EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)内に含まれる1114bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:8(配列番号13);EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)内に含まれる771bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:13(配列番号15);およびEXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)内に含まれる482bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:14(配列番号17)が含まれる。

図1a〜hは、イネ科植物種

Andropogon gerardiiから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図1a〜hは、転写調節発現要素群EXP-ANDge.Ubq1:1:9(配列番号1)中に見いだされる2603bpプロモーター配列P-ANDge.Ubq1-1:1:11(配列番号2)と、P-ANDge.Ubq1-1:1:11の欠失分析によって派生したプロモーター配列とのアラインメントを示している。欠失(例えばP-ANDge.Ubq1-1:1:11の5'端の欠失)は、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)内に見いだされる2114bp配列であるプロモーターP-ANDge.Ubq1-1:1:9(配列番号6)をもたらした。図1に記載の他のプロモーター配列には、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)内に含まれる1644bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:10(配列番号9);EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)内に含まれる1472bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:12(配列番号11);EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)内に含まれる1114bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:8(配列番号13);EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)内に含まれる771bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:13(配列番号15);およびEXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)内に含まれる482bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:14(配列番号17)が含まれる。

図1a〜hは、イネ科植物種

Andropogon gerardiiから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図1a〜hは、転写調節発現要素群EXP-ANDge.Ubq1:1:9(配列番号1)中に見いだされる2603bpプロモーター配列P-ANDge.Ubq1-1:1:11(配列番号2)と、P-ANDge.Ubq1-1:1:11の欠失分析によって派生したプロモーター配列とのアラインメントを示している。欠失(例えばP-ANDge.Ubq1-1:1:11の5'端の欠失)は、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)内に見いだされる2114bp配列であるプロモーターP-ANDge.Ubq1-1:1:9(配列番号6)をもたらした。図1に記載の他のプロモーター配列には、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)内に含まれる1644bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:10(配列番号9);EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)内に含まれる1472bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:12(配列番号11);EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)内に含まれる1114bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:8(配列番号13);EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)内に含まれる771bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:13(配列番号15);およびEXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)内に含まれる482bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:14(配列番号17)が含まれる。

図1a〜hは、イネ科植物種

Andropogon gerardiiから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図1a〜hは、転写調節発現要素群EXP-ANDge.Ubq1:1:9(配列番号1)中に見いだされる2603bpプロモーター配列P-ANDge.Ubq1-1:1:11(配列番号2)と、P-ANDge.Ubq1-1:1:11の欠失分析によって派生したプロモーター配列とのアラインメントを示している。欠失(例えばP-ANDge.Ubq1-1:1:11の5'端の欠失)は、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)内に見いだされる2114bp配列であるプロモーターP-ANDge.Ubq1-1:1:9(配列番号6)をもたらした。図1に記載の他のプロモーター配列には、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)内に含まれる1644bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:10(配列番号9);EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)内に含まれる1472bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:12(配列番号11);EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)内に含まれる1114bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:8(配列番号13);EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)内に含まれる771bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:13(配列番号15);およびEXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)内に含まれる482bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:14(配列番号17)が含まれる。

図1a〜hは、イネ科植物種

Andropogon gerardiiから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図1a〜hは、転写調節発現要素群EXP-ANDge.Ubq1:1:9(配列番号1)中に見いだされる2603bpプロモーター配列P-ANDge.Ubq1-1:1:11(配列番号2)と、P-ANDge.Ubq1-1:1:11の欠失分析によって派生したプロモーター配列とのアラインメントを示している。欠失(例えばP-ANDge.Ubq1-1:1:11の5'端の欠失)は、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)内に見いだされる2114bp配列であるプロモーターP-ANDge.Ubq1-1:1:9(配列番号6)をもたらした。図1に記載の他のプロモーター配列には、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)内に含まれる1644bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:10(配列番号9);EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)内に含まれる1472bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:12(配列番号11);EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)内に含まれる1114bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:8(配列番号13);EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)内に含まれる771bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:13(配列番号15);およびEXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)内に含まれる482bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:14(配列番号17)が含まれる。

図1a〜hは、イネ科植物種

Andropogon gerardiiから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図1a〜hは、転写調節発現要素群EXP-ANDge.Ubq1:1:9(配列番号1)中に見いだされる2603bpプロモーター配列P-ANDge.Ubq1-1:1:11(配列番号2)と、P-ANDge.Ubq1-1:1:11の欠失分析によって派生したプロモーター配列とのアラインメントを示している。欠失(例えばP-ANDge.Ubq1-1:1:11の5'端の欠失)は、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)内に見いだされる2114bp配列であるプロモーターP-ANDge.Ubq1-1:1:9(配列番号6)をもたらした。図1に記載の他のプロモーター配列には、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)内に含まれる1644bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:10(配列番号9);EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)内に含まれる1472bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:12(配列番号11);EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)内に含まれる1114bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:8(配列番号13);EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)内に含まれる771bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:13(配列番号15);およびEXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)内に含まれる482bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:14(配列番号17)が含まれる。

図1a〜hは、イネ科植物種

Andropogon gerardiiから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図1a〜hは、転写調節発現要素群EXP-ANDge.Ubq1:1:9(配列番号1)中に見いだされる2603bpプロモーター配列P-ANDge.Ubq1-1:1:11(配列番号2)と、P-ANDge.Ubq1-1:1:11の欠失分析によって派生したプロモーター配列とのアラインメントを示している。欠失(例えばP-ANDge.Ubq1-1:1:11の5'端の欠失)は、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)内に見いだされる2114bp配列であるプロモーターP-ANDge.Ubq1-1:1:9(配列番号6)をもたらした。図1に記載の他のプロモーター配列には、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)内に含まれる1644bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:10(配列番号9);EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)内に含まれる1472bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:12(配列番号11);EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)内に含まれる1114bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:8(配列番号13);EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)内に含まれる771bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:13(配列番号15);およびEXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)内に含まれる482bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:14(配列番号17)が含まれる。

図1a〜hは、イネ科植物種

Andropogon gerardiiから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図1a〜hは、転写調節発現要素群EXP-ANDge.Ubq1:1:9(配列番号1)中に見いだされる2603bpプロモーター配列P-ANDge.Ubq1-1:1:11(配列番号2)と、P-ANDge.Ubq1-1:1:11の欠失分析によって派生したプロモーター配列とのアラインメントを示している。欠失(例えばP-ANDge.Ubq1-1:1:11の5'端の欠失)は、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)内に見いだされる2114bp配列であるプロモーターP-ANDge.Ubq1-1:1:9(配列番号6)をもたらした。図1に記載の他のプロモーター配列には、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)内に含まれる1644bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:10(配列番号9);EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)内に含まれる1472bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:12(配列番号11);EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)内に含まれる1114bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:8(配列番号13);EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)内に含まれる771bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:13(配列番号15);およびEXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)内に含まれる482bp配列であるP-ANDge.Ubq1-1:1:14(配列番号17)が含まれる。

図2a〜2gは、イネ科植物

Saccharum ravennae(

Erianthus ravennae)から単離されたプロモーター変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図2a〜2gは、2536bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:10(配列番号19)(例えば転写調節発現要素群EXP-ERIra.Ubq1(配列番号18)内に見いだされる)と、P-ERIra.Ubq1-1:1:10の欠失解析から派生したプロモーター配列、すなわち2014bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:9(配列番号23);1525bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:11(配列番号26);1044bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:8(配列番号28);796bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:12(配列番号30);および511bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:13(配列番号32)とのアラインメントを示している。

図2a〜2gは、イネ科植物

Saccharum ravennae(

Erianthus ravennae)から単離されたプロモーター変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図2a〜2gは、2536bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:10(配列番号19)(例えば転写調節発現要素群EXP-ERIra.Ubq1(配列番号18)内に見いだされる)と、P-ERIra.Ubq1-1:1:10の欠失解析から派生したプロモーター配列、すなわち2014bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:9(配列番号23);1525bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:11(配列番号26);1044bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:8(配列番号28);796bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:12(配列番号30);および511bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:13(配列番号32)とのアラインメントを示している。

図2a〜2gは、イネ科植物

Saccharum ravennae(

Erianthus ravennae)から単離されたプロモーター変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図2a〜2gは、2536bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:10(配列番号19)(例えば転写調節発現要素群EXP-ERIra.Ubq1(配列番号18)内に見いだされる)と、P-ERIra.Ubq1-1:1:10の欠失解析から派生したプロモーター配列、すなわち2014bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:9(配列番号23);1525bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:11(配列番号26);1044bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:8(配列番号28);796bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:12(配列番号30);および511bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:13(配列番号32)とのアラインメントを示している。

図2a〜2gは、イネ科植物

Saccharum ravennae(

Erianthus ravennae)から単離されたプロモーター変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図2a〜2gは、2536bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:10(配列番号19)(例えば転写調節発現要素群EXP-ERIra.Ubq1(配列番号18)内に見いだされる)と、P-ERIra.Ubq1-1:1:10の欠失解析から派生したプロモーター配列、すなわち2014bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:9(配列番号23);1525bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:11(配列番号26);1044bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:8(配列番号28);796bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:12(配列番号30);および511bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:13(配列番号32)とのアラインメントを示している。

図2a〜2gは、イネ科植物

Saccharum ravennae(

Erianthus ravennae)から単離されたプロモーター変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図2a〜2gは、2536bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:10(配列番号19)(例えば転写調節発現要素群EXP-ERIra.Ubq1(配列番号18)内に見いだされる)と、P-ERIra.Ubq1-1:1:10の欠失解析から派生したプロモーター配列、すなわち2014bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:9(配列番号23);1525bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:11(配列番号26);1044bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:8(配列番号28);796bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:12(配列番号30);および511bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:13(配列番号32)とのアラインメントを示している。

図2a〜2gは、イネ科植物

Saccharum ravennae(

Erianthus ravennae)から単離されたプロモーター変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図2a〜2gは、2536bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:10(配列番号19)(例えば転写調節発現要素群EXP-ERIra.Ubq1(配列番号18)内に見いだされる)と、P-ERIra.Ubq1-1:1:10の欠失解析から派生したプロモーター配列、すなわち2014bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:9(配列番号23);1525bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:11(配列番号26);1044bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:8(配列番号28);796bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:12(配列番号30);および511bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:13(配列番号32)とのアラインメントを示している。

図2a〜2gは、イネ科植物

Saccharum ravennae(

Erianthus ravennae)から単離されたプロモーター変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図2a〜2gは、2536bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:10(配列番号19)(例えば転写調節発現要素群EXP-ERIra.Ubq1(配列番号18)内に見いだされる)と、P-ERIra.Ubq1-1:1:10の欠失解析から派生したプロモーター配列、すなわち2014bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:9(配列番号23);1525bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:11(配列番号26);1044bpプロモーター配列P-ERIra.Ubq1-1:1:8(配列番号28);796bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:12(配列番号30);および511bp配列P-ERIra.Ubq1-1:1:13(配列番号32)とのアラインメントを示している。

図3a〜3cは、イネ科植物種

Setaria viridisから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図3a〜3cは、1493bpプロモーター配列P-Sv.Ubq1-1:1:1(配列番号34)と、P-Sv.Ubq1-1:1:1の5'端の欠失解析から派生したプロモーター、すなわち1035bpサイズのプロモーターP-Sv.Ubq1-1:1:2(配列番号38);および681bpプロモーター配列P-Sv.Ubq1-1:1:3(配列番号40)とのアラインメントを示している。

図3a〜3cは、イネ科植物種

Setaria viridisから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図3a〜3cは、1493bpプロモーター配列P-Sv.Ubq1-1:1:1(配列番号34)と、P-Sv.Ubq1-1:1:1の5'端の欠失解析から派生したプロモーター、すなわち1035bpサイズのプロモーターP-Sv.Ubq1-1:1:2(配列番号38);および681bpプロモーター配列P-Sv.Ubq1-1:1:3(配列番号40)とのアラインメントを示している。

図3a〜3cは、イネ科植物種

Setaria viridisから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図3a〜3cは、1493bpプロモーター配列P-Sv.Ubq1-1:1:1(配列番号34)と、P-Sv.Ubq1-1:1:1の5'端の欠失解析から派生したプロモーター、すなわち1035bpサイズのプロモーターP-Sv.Ubq1-1:1:2(配列番号38);および681bpプロモーター配列P-Sv.Ubq1-1:1:3(配列番号40)とのアラインメントを示している。

図4a〜4eは、イネ科植物

Zea mays subsp.

mexicanaに由来する転写調節発現要素群変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図4a〜4eは、EXP-Zm.UbqM1:1:2(配列番号49)と呼ばれる2005bp転写調節発現要素群を、アレル変異体EXP-Zm.UbqM1:1:5(配列番号53)、ならびに長さが1922bpであるサイズ変異体EXP-Zm.UbqM1:1:1(配列番号41)および長さが1971bpであるEXP-Zm.UbqM1:1:4(配列番号45)と比較している。

図4a〜4eは、イネ科植物

Zea mays subsp.

mexicanaに由来する転写調節発現要素群変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図4a〜4eは、EXP-Zm.UbqM1:1:2(配列番号49)と呼ばれる2005bp転写調節発現要素群を、アレル変異体EXP-Zm.UbqM1:1:5(配列番号53)、ならびに長さが1922bpであるサイズ変異体EXP-Zm.UbqM1:1:1(配列番号41)および長さが1971bpであるEXP-Zm.UbqM1:1:4(配列番号45)と比較している。

図4a〜4eは、イネ科植物

Zea mays subsp.

mexicanaに由来する転写調節発現要素群変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図4a〜4eは、EXP-Zm.UbqM1:1:2(配列番号49)と呼ばれる2005bp転写調節発現要素群を、アレル変異体EXP-Zm.UbqM1:1:5(配列番号53)、ならびに長さが1922bpであるサイズ変異体EXP-Zm.UbqM1:1:1(配列番号41)および長さが1971bpであるEXP-Zm.UbqM1:1:4(配列番号45)と比較している。

図4a〜4eは、イネ科植物

Zea mays subsp.

mexicanaに由来する転写調節発現要素群変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図4a〜4eは、EXP-Zm.UbqM1:1:2(配列番号49)と呼ばれる2005bp転写調節発現要素群を、アレル変異体EXP-Zm.UbqM1:1:5(配列番号53)、ならびに長さが1922bpであるサイズ変異体EXP-Zm.UbqM1:1:1(配列番号41)および長さが1971bpであるEXP-Zm.UbqM1:1:4(配列番号45)と比較している。

図4a〜4eは、イネ科植物

Zea mays subsp.

mexicanaに由来する転写調節発現要素群変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図4a〜4eは、EXP-Zm.UbqM1:1:2(配列番号49)と呼ばれる2005bp転写調節発現要素群を、アレル変異体EXP-Zm.UbqM1:1:5(配列番号53)、ならびに長さが1922bpであるサイズ変異体EXP-Zm.UbqM1:1:1(配列番号41)および長さが1971bpであるEXP-Zm.UbqM1:1:4(配列番号45)と比較している。

図5a〜5bは、イネ科植物

Sorghum bicolorから単離されたプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図5a〜5bは、転写調節発現要素群EXP-Sb.Ubq6(配列番号59)内に含まれている791bpサイズのプロモーター要素P-Sb.Ubq6-1:1:2(配列番号60)と、EXP-Sb.Ubq6:1:1(配列番号63)内に含まれている855bpプロモーター要素P-Sb.Ubq6-1:1:1(配列番号64)とのアラインメントを示している。

図5a〜5bは、イネ科植物

Sorghum bicolorから単離されたプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図5a〜5bは、転写調節発現要素群EXP-Sb.Ubq6(配列番号59)内に含まれている791bpサイズのプロモーター要素P-Sb.Ubq6-1:1:2(配列番号60)と、EXP-Sb.Ubq6:1:1(配列番号63)内に含まれている855bpプロモーター要素P-Sb.Ubq6-1:1:1(配列番号64)とのアラインメントを示している。

図6a〜6cは、イネ科植物

Setaria italicaから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図6a〜6cは、1492bpプロモーター変異体P-SETit.Ubq1-1:1:1(配列番号70)と、1492bpプロモーター変異体P-SETit.Ubq1-1:1:4(配列番号74)、1034bpプロモーター要素P-SETit.Ubq1-1:1:2(配列番号76)、および680bpプロモーター要素P-SETit.Ubq1-1:1:3(配列番号78)とのアラインメントを示している。

図6a〜6cは、イネ科植物

Setaria italicaから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図6a〜6cは、1492bpプロモーター変異体P-SETit.Ubq1-1:1:1(配列番号70)と、1492bpプロモーター変異体P-SETit.Ubq1-1:1:4(配列番号74)、1034bpプロモーター要素P-SETit.Ubq1-1:1:2(配列番号76)、および680bpプロモーター要素P-SETit.Ubq1-1:1:3(配列番号78)とのアラインメントを示している。

図6a〜6cは、イネ科植物

Setaria italicaから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体のアラインメントを図示している。具体的には、図6a〜6cは、1492bpプロモーター変異体P-SETit.Ubq1-1:1:1(配列番号70)と、1492bpプロモーター変異体P-SETit.Ubq1-1:1:4(配列番号74)、1034bpプロモーター要素P-SETit.Ubq1-1:1:2(配列番号76)、および680bpプロモーター要素P-SETit.Ubq1-1:1:3(配列番号78)とのアラインメントを示している。

図7a〜7bは、イネ科植物種

Coix lachryma-jobiから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体およびエンハンサー要素のアラインメントを図示している。具体的には、図7aおよび7bは、転写調節発現要素群EXP-Cl.Ubq1:1:1(配列番号79)内に見いだされる837bpプロモーター変異体P-Cl.Ubq1-1:1:1(配列番号80)と、P-Cl.Ubq1-1:1:1に由来するE-Cl.Ubq1:1:1(配列番号89)と呼ばれる長さ798bpのエンハンサーフラグメント、ならびにP-Cl.Ubq1-1:1:1の3つの5'端欠失変異体、すなわち742bp要素P-Cl.Ubq1-1:1:4(配列番号84)、401bp要素P-Cl.Ubq1-1:1:3(配列番号86)および54bp最小プロモーター要素P-Cl.Ubq1-1:1:5(配列番号88)とのアラインメントを示している。

図7a〜7bは、イネ科植物種

Coix lachryma-jobiから単離されたプロモーター要素に対応するプロモーターサイズ変異体およびエンハンサー要素のアラインメントを図示している。具体的には、図7aおよび7bは、転写調節発現要素群EXP-Cl.Ubq1:1:1(配列番号79)内に見いだされる837bpプロモーター変異体P-Cl.Ubq1-1:1:1(配列番号80)と、P-Cl.Ubq1-1:1:1に由来するE-Cl.Ubq1:1:1(配列番号89)と呼ばれる長さ798bpのエンハンサーフラグメント、ならびにP-Cl.Ubq1-1:1:1の3つの5'端欠失変異体、すなわち742bp要素P-Cl.Ubq1-1:1:4(配列番号84)、401bp要素P-Cl.Ubq1-1:1:3(配列番号86)および54bp最小プロモーター要素P-Cl.Ubq1-1:1:5(配列番号88)とのアラインメントを示している。

図8は、本発明の導入遺伝子カセットの構成を図示している。

[配列の簡単な説明] 配列番号1、5、8、10、12、14、16、18、22、25、27、29、31、33、37、39、41、45、49、53、55、59、63、65、69、73、75、77、79、83、85、87、90、93、95、97、98、99、100、102、104、106、108、110、112、114、115、116、117、119、121、123、124、125、126、128、130、132、133、134、136、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、180、181および183は、イントロン配列の5'側に作動的に連結されたリーダー配列の5'側に作動的に連結されたプロモーター配列を含む転写調節発現要素群の配列またはEXP配列である。

配列番号2、6、9、11、13、15、17、19、23、26、28、30、32、34、38、40、42、46、50、56、60、64、66、70、74、76、78、80、84、86、88、91、96および135は、プロモーター配列である。

配列番号3、20、35、43、47、51、57、61、67、71および81は、リーダー配列である。

配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182は、イントロン配列である。

配列番号89は、エンハンサーの配列である。

[発明の詳細な説明] 本明細書に開示する発明は、植物種由来の有益な遺伝子調節活性を有するポリヌクレオチド分子を提供する。これらのポリヌクレオチド分子の設計、構築および使用が、本発明によって提供される。これらのポリヌクレオチド分子のヌクレオチド配列は、配列番号1〜158および180〜183の中に記載されている。これらのポリヌクレオチド分子は、例えば、植物組織において、作動的に連結されている転写可能ポリヌクレオチド分子の発現に影響を及ぼす能力を有し、それゆえに、トランスジェニック植物において、遺伝子発現またはコードされている遺伝子産物の活性を選択的に調節する能力を有する。本発明は、それらを修飾し、作製し、使用する方法も提供する。本発明は、プロモーターおよび/または他の開示されたヌクレオチド配列を含有する組成物、形質転換宿主細胞、トランスジェニック植物、および種子、ならびにそれらを調製し使用するための方法も提供する。

本発明をより明確に説明し、本発明を実施する当業者に指針を与えるために、以下に定義および方法を記載する。別段の注記がある場合を除き、用語は関連分野の当業者による従来の用法に従って理解されるものとする。

DNA分子 本明細書において使用する用語「DNA」または「DNA分子」は、5'(上流)端から3'(下流)端に向かって読まれる、ゲノム起源または合成起源の二本鎖DNA分子、すなわちデオキシリボヌクレオチド塩基のポリマーまたはポリヌクレオチド分子を指す。本明細書において使用する用語「DNA配列」は、DNA分子のヌクレオチド配列を指す。本明細書において使用する命名法は、米国特許規則§1.822によるものおよび標準ST.25(1998)付属書2、表1および表3に記載されているものに対応する。

本明細書において使用する用語「単離されたDNA分子」は、その天然状態または自然状態において通常それに付随している他の分子から少なくとも部分的に分離されているDNA分子を指す。ある実施形態において、「単離された」という用語は、天然状態または自然状態においてそのDNA分子に通常隣接している核酸の一部から少なくとも部分的に分離されているDNA分子を指す。したがって、通常はそれらに付随しない調節配列またはコード配列に、例えば組換え技法の結果として融合されたDNA分子は、本明細書においては単離されているとみなされる。そのような分子が、宿主細胞の染色体に組み込まれているか、他のDNA分子と共に核酸溶液中に存在する場合には、それらがその天然状態にはないことから、単離されているとみなされる。

本発明において開示されるDNA分子またはそのフラグメントを単離し操作するには、当業者によく知られているいくつもの方法を使用することができる。例えばPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)技術を使って、特定の出発DNA分子を増幅し、かつ/または元の分子の変異体を作製することができる。DNA分子、またはそのフラグメントは、例えば一般に自動オリゴヌクレオチド合成装置を使って実施されているように、化学的手段によってフラグメントを直接合成するなど、他の技法によって取得することもできる。

本明細書において使用する用語「配列同一性」は、最適にアラインメントされた2つのポリヌクレオチド配列または最適にアラインメントされた2つのポリペプチド配列が同一である程度を指す。最適配列アラインメントは、2つの配列、例えば参照配列ともう一つの配列とを、適当な内部ヌクレオチドの挿入、欠失またはギャップを使って配列アラインメントにおけるヌクレオチドマッチの数が最大になるように手作業でアラインメントすることによって作成される。本明細書において使用する用語「参照配列」は、配列番号1〜158および180〜183のポリヌクレオチド配列として提供される配列を指す。

本明細書において使用する用語「パーセント配列同一性」または「パーセント同一性」または「%同一性」は、同一性分率×100である。参照配列と最適にアラインメントされた配列に関する「同一性分率」は、最適アライメント中のヌクレオチドマッチの数を、参照配列中のヌクレオチドの総数(例えば参照配列全体の全長中のヌクレオチドの総数)で割ったものである。したがって、本発明の一実施形態は、ここに配列番号1〜158および180〜183として提供される参照配列と最適にアラインメントした場合に、参照配列に対して少なくとも約85パーセントの同一性、少なくとも約90パーセントの同一性、少なくとも約95パーセントの同一性、少なくとも約96パーセントの同一性、少なくとも約97パーセントの同一性、少なくとも約98パーセントの同一性、または少なくとも約99パーセントの同一性を有する配列を含むDNA分子である。特定の実施形態では、そのような配列を、遺伝子調節活性を有すると定義することができる。

調節要素 調節要素は、遺伝子調節活性を有するDNA分子、すなわち作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子の転写および/または翻訳に影響を及ぼす能力を有するものである。したがって「遺伝子調節活性」という用語は、作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子の転写および/または翻訳に影響を及ぼすことによって、その作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子の発現パターンに影響を及ぼす能力を指す。本明細書にいう転写調節発現要素群または「EXP」配列は、作動的に連結された、エンハンサー、プロモーター、リーダーおよびイントロンなどの発現要素から構成されうる。したがって転写調節発現要素群は、例えばリーダー配列の5'側に作動的に連結されたプロモーターであって、そのリーダー配列がさらにイントロン配列の5'側に作動的に連結されているものから構成されうる。イントロン配列は、天然配列の第1イントロン/エクソンスプライスジャンクションから始まる配列から構成され、さらに、転写と、結果として生じる転写産物の適正なプロセシングとが容易になるように、適正なイントロン/エクソンプロセシングに備えて、第2イントロン/エクソンスプライスジャンクションを含む小さなリーダーフラグメントから構成されうる。リーダーおよびイントロンは、作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子の転写ならびに結果として生じる転写されたRNAの翻訳に、正の影響を及ぼしうる。プレプロセシングされたRNA分子はリーダーとイントロンを含み、これらは、転写されたRNAの転写後プロセシングおよび/または転写されたRNA分子の細胞核から細胞質への搬出に影響を及ぼしうる。転写されたRNA分子の転写後プロセシングに続いて、リーダー配列は最終的なメッセンジャーRNAの一部分として保持されて、メッセンジャーRNA分子の翻訳に正の影響を及ぼしうる。

プロモーター、リーダー、イントロン、および転写終結領域(または3'UTR)などの調節要素は、遺伝子調節活性を有し、生細胞における遺伝子の総合的発現に欠くことのできない役割を果たす、DNA分子である。「調節要素」という用語は、遺伝子調節活性を有するDNA分子、すなわち作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子の転写および/または翻訳に影響を及ぼす能力を有するものを指す。それゆえに、植物において機能する単離された調節要素、例えばプロモーターおよびリーダーは、遺伝子工学の方法によって植物の表現型を修飾するのに有用である。

調節要素は、それらの発現パターン効果(定性的および/または定量的)、例えば正または負の効果、および/または構成的効果もしくは他の効果、例えばそれらの時間的、空間的、発生段階的、組織的、環境的、生理学的、病理学的、細胞周期的、および/または化学応答性発現パターン、およびそれらの任意の組み合わせ、ならびに定量的または定性的指標によって特徴づけることができる。プロモーターは、作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子の発現を調整するための調節要素として有用である。

本明細書にいう「遺伝子発現パターン」は、作動的に連結されたDNA分子の、転写されたRNA分子への転写の任意のパターンである。転写されたRNA分子は翻訳されてタンパク質分子を生産するか、アンチセンスRNA分子または他の調節RNA分子、例えばdsRNA、tRNA、rRNA、miRNAなどを与えうる。

本明細書において使用する用語「タンパク質発現」は、転写されたRNA分子の、タンパク質分子への翻訳の任意のパターンである。タンパク質発現は、その時間的、空間的、発生段階的、または形態学的な特性、ならびに定量的または定性的指標によって特徴づけることができる。

本明細書において使用する用語「プロモーター」は、転写を開始するためのRNAポリメラーゼIIおよび他のタンパク質(トランス作用性転写因子)の認識および結合に関与するDNA分子を広く指す。プロモーターは、まず最初に、ある遺伝子のゲノムコピーの5'非翻訳領域(5'UTR)から単離されうる。あるいは、プロモーターは合成的に作製されたDNA分子または操作されたDNA分子であることもできる。プロモーターはキメラ型、すなわち2つ以上の異種DNA分子の融合によって作製されたプロモーターであってもよい。本発明の実施に際して有用なプロモーターには、配列番号2、6、9、11、13、15、17、19、23、26、28、30、32、34、38、40、42、46、50、56、60、64、66、70、74、76、78、80、84、86、88、91、96および135、またはそのフラグメントもしくは変異体が含まれる。本発明の具体的実施形態では、本明細書に記載するそのような分子およびその任意の変異体または誘導体は、さらに、プロモーター活性を含むと定義される。すなわち、それらは宿主細胞において、例えばトランスジェニック植物において、プロモーターとして作用する能力を有する。さらなる具体的実施形態において、フラグメントは、それが由来する出発プロモーター分子が有するプロモーター活性を示すと定義されうるか、またはフラグメントは基礎レベルの転写を与え、転写を開始するためにRNAポリメラーゼII複合体を認識および結合するためのTATAボックスまたは等価な配列から構成される、「最小プロモーター」を含みうる。

ある実施形態では、本明細書に開示するプロモーター配列のフラグメントが提供される。プロモーターフラグメントは上述のようにプロモーター活性を含むか、単独で、または他のプロモーターおよびプロモーターフラグメントとの組合せで、例えばキメラプロモーターの構築などにおいて有用でありうる。具体的実施形態では、本明細書に開示するプロモーター活性を有するポリヌクレオチド分子の少なくとも約50、95、150、250、500、750、または少なくとも約1000個の連続ヌクレオチドを含む、またはそれ以上の長さの、プロモーターのフラグメントが提供される。

例えば発現を改善しまたは変化させるために、当技術分野において知られている方法を使って、配列番号2、6、9、11、13、15、17、19、23、26、28、30、32、34、38、40、42、46、50、56、60、64、66、70、74、76、78、80、84、86、88、91、96および135として提示されるプロモーターのいずれかに由来する組成物、例えば内部欠失体または5'欠失体を、発現に対して正または負のいずれか一方の効果を有する要素を除去すること;発現に対して正または負の効果を有する要素を重複させること;および/または発現に対して組織特異的または細胞特異的効果を有する要素を重複させまたは除去することなどによって作製することができる。TATAボックス要素またはその等価配列および下流配列が除去されている3'欠失体から構成される、配列番号2、6、9、11、13、15、17、19、23、26、28、30、32、34、38、40、42、46、50、56、60、64、66、70、74、76、78、80、84、86、88、91、96および135として提示されるプロモーターのいずれかに由来する組成物を、例えばエンハンサー要素を作るために使用することができる。発現に対して正または負の効果;組織特異的効果;細胞特異的効果;または時機特異的効果(例えば限定するわけではないが概日リズム)を有する任意の要素を除去するために、さらなる欠失を行うこともできる。 配列番号2、6、9、11、13、15、17、19、23、26、28、30、32、34、38、40、42、46、50、56、60、64、66、70、74、76、78、80、84、86、88、91、96および135として提示されるプロモーター、ならびにそれらに由来するフラグメントまたはエンハンサーはいずれも、他のエンハンサーおよびプロモーターに作動的に連結された配列番号2、6、9、11、13、15、17、19、23、26、28、30、32、34、38、40、42、46、50、56、60、64、66、70、74、76、78、80、84、86、88、91、96および135として提示されるプロモーターならびにそれらに由来するフラグメントまたはエンハンサーのいずれかから構成されるキメラ転写調節要素組成物を作るために使用することができる。本明細書に記載する修飾、重複または欠失が特定導入遺伝子の所望の発現態様に及ぼす効力は、出発分子に加えられた変化および出発分子における変化の目標に依存して異なりうる結果が検証されるように、本明細書の実施例で説明するような安定および一過性植物アッセイにおいて、実験的に試験することができる。

本明細書において使用する用語「リーダー」は、ある遺伝子のゲノムコピーの非翻訳5'領域(5'UTR)から単離され、転写開始部位(TSS)とタンパク質コード配列開始部位の間のヌクレオチドセグメントと広く定義される、DNA分子を指す。あるいは、リーダーは、合成的に作製されたDNA要素または操作されたDNA要素であることもできる。リーダーは、作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子の発現を調整するための5'調節要素として使用することができる。リーダー分子は、異種プロモーターと共に使用するか、その天然プロモーターと共に使用することができる。したがって本発明のプロモーター分子はその天然リーダーに作動的に連結するか、または異種リーダーに作動的に連結することができる。本発明の実施に際して有用なリーダーには、配列番号3、20、35、43、47、51、57、61、67、71および81、またはそのフラグメントもしくは変異体が含まれる。具体的実施形態では、例えばトランスジェニック植物細胞を含む宿主細胞においてリーダーとして作用する能力を有すると定義される、そのような配列が提供されうる。ある実施形態では、そのような配列が、リーダー活性を含むものとしてデコードされる。

配列番号3、20、35、43、47、51、57、61、67、71および81として提示されるリーダー配列(5'UTR)は、調節要素から構成されるか、導入遺伝子の転写または翻訳に対して効果を有することができる二次構造をとることができる。配列番号3、20、35、43、47、51、57、61、67、71および81として提示されるリーダー配列は、導入遺伝子の転写または翻訳に影響を及ぼすキメラ調節要素を作るために、本発明に従って使用することができる。 加えて、配列番号3、20、35、43、47、51、57、61、67、71および81として提示されるリーダー配列は、導入遺伝子の転写または翻訳に影響を及ぼすキメラリーダー配列を作るために使用することができる。

外来遺伝子を新しい植物宿主に導入しても、新たに入った遺伝子の高発現が、いつでも起こるわけではない。さらにまた、複雑な形質を扱う場合は、時には、空間的または時間的に異なる発現パターンを有する数個の遺伝子を調整する必要もある。イントロンは主にそのような調整を提供することができる。しかし、一つの植物における同じイントロンの多重使用は、短所を示すことが明らかにされている。そのような場合は、適当な組換えDNA要素を構築するために基本制御要素のコレクションを持っておくことが必要である。発現強化特性を有する当技術分野で知られているイントロンの利用可能なコレクションは限られているので、代替的選択肢が必要とされている。

配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182として提示されるイントロンのいずれかに由来する組成物は、シス調節要素の内部欠失または重複から構成されることができ、かつ/またはイントロン/エクソンスプライスジャンクションを含む5'および3'配列の改変を使って、プロモーター+リーダーもしくはキメラプロモーター+リーダーおよびコード配列に作動的に連結された場合の発現または発現の特異性を改良するために使用することができる。イントロン/エクソンスプライスジャンクションを含む5'および3'領域の改変は、メッセンジャーRNAのプロセシングおよびスプライシング後に結果として生じる転写産物において偽の開始コドンまたは停止コドンの導入が起こる潜在的可能性を低下させるために行うこともできる。イントロンは、導入遺伝子の発現に対するイントロンの効果を決定するために、実施例において述べるように実験的に試験することができる。

本発明によれば、プロモーターまたはプロモーターフラグメントは、既知のプロモーター要素、すなわちTATAボックスおよび他の既知の転写因子結合部位モチーフなどのDNA配列特徴の存在について、解析することができる。当業者は、そのような既知プロモーター要素の同定を使って、元のプロモーターと類似する発現パターンを有するプロモーターの変異体を設計することができる。

本明細書において使用する用語「エンハンサー」または「エンハンサー要素」は、総合的な発現パターンの一態様を付与するが、作動的に連結されたポリヌクレオチド配列の転写を駆動するには、通常は単独では不十分である、シス作用性転写調節要素、別名シス要素を指す。プロモーターとは異なり、エンハンサー要素は、通常は、転写開始部位(TSS)またはTATAボックスまたは等価な配列を含まない。プロモーターは、作動的に連結されたポリヌクレオチド配列の転写に影響を及ぼす1つ以上のエンハンサー要素を、本質的に含みうる。単離されたエンハンサー要素をプロモーターに融合して、遺伝子発現の総合的調整の一態様を付与するキメラプロモーターシス要素を作製することもできる。プロモーターまたはプロモーターフラグメントは、作動的に連結された遺伝子の転写を達成する1つ以上のエンハンサー要素を含みうる。多くのプロモーターエンハンサー要素は、DNA結合タンパク質に結合し、かつ/またはDNAトポロジーに影響を及ぼして、DNAテンプレートへのRNAポリメラーゼのアクセスを選択的に可能にするか制限する局所的コンフォメーションまたは転写開始の部位における二重らせんの選択的な開放を容易にする局所的コンフォメーションを作り出すと考えられる。エンハンサー要素は転写を調節する転写因子に結合する機能を果たしうる。一部のエンハンサー要素は2つ以上の転写因子に結合し、転写因子は異なるアフィニティで2つ以上のエンハンサードメインと相互作用しうる。エンハンサー要素は、いくつかの技法によって、例えば欠失解析、すなわち1つ以上のヌクレオチドをプロモーターの5'端または内部から欠失させること;DNaseIフットプリント法、メチル化干渉法、電気泳動移動度シフトアッセイ、ライゲーション媒介(ligation-mediated)PCRによるインビボゲノムフットプリント法、および他の従来アッセイを使ったDNA結合タンパク質解析;またはターゲット配列もしくはターゲットモチーフとして既知のシス要素モチーフまたはエンハンサー要素を使用し、従来のDNA配列比較法、例えばBLASTで、DNA配列類似性解析を行うことなどによって、同定することができる。エンハンサードメインの微細構造は、1つ以上のヌクレオチドの変異誘発(または置換)によって、または他の従来法によって、さらに研究することができる。エンハンサー要素は、化学合成によって取得するか、またはそのような要素を含む調節要素からの単離によって取得することができ、部分配列操作を容易にするために有用な制限酵素部位を含有する隣接ヌクレオチドを追加して合成することができる。したがって、作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子の発現を調整するための本明細書に開示する方法によるエンハンサー要素の設計、構築、および使用は、本発明に包含される。

植物では、遺伝子コンストラクトにいくつかのイントロンを含めることが、イントロンを欠くコンストラクトと比較して、mRNAおよびタンパク質の蓄積量の増加につながる。

この効果は、遺伝子発現の「イントロン媒介性強化(intron mediated enhancement)」(IME)と名付けられている(Mascarenhas et al., (1990) Plant Mol. Biol. 15:913-920)。植物における発現を刺激することが知られているイントロンは、トウモロコシ遺伝子(例えばtubA1、Adh1、Sh1、Ubi1(Jeon et al. (2000) Plant Physiol. 123:1005-1014;Callis et al. (1987) Gene Dev. 1:1183-1200;Vasil et al. (1989) Plant Physiol. 91:1575-1579;Christiansen et al. (1992) Plant Mol. Biol. 18:675-689)およびイネ遺伝子(例えばsalt、tpi:McElroy et al., Plant Cell 2:163-171 (1990);Xu et al., Plant Physiol. 106:459-467 (1994))中に同定されている。同様に、ペチュニア(例えばrbcS)、ジャガイモ(例えばst-ls1)およびArabidopsis thaliana(例えばubq3およびpat1)の遺伝子のような双子葉植物遺伝子からのイントロンも、遺伝子発現速度を上昇させることが見いだされている(Dean et al. (1989) Plant Cell 1:201-208;Leon et al. (1991) Plant Physiol. 95:968-972;Norris et al. (1993) Plant Mol Biol 21:895-906;Rose and Last (1997) Plant J. 11:455-464)。イントロンのスプライス部位内の欠失または変異は遺伝子発現を低下させることが示されており、これはスプライシングがIMEにとって必要なのかもしれないことを示している(Mascarenhas et al. (1990) Plant Mol Biol. 15:913-920;Clancy and Hannah (2002) Plant Physiol. 130:918-929)。 ただし、双子葉植物における一定のIMEにはスプライシングそのものは必要でないことが、A. thaliana由来のpat1遺伝子のスプライス部位内の点変異によって示されている(Rose and Beliakoff (2000) Plant Physiol. 122:535-542)。

イントロンによる遺伝子発現の強化は一般的な現象ではない。なぜなら、組換え発現カセットへのいくつかのイントロン挿入は発現を強化することができないからである(例えば双子葉植物遺伝子(エンドウ由来のrbcS遺伝子、インゲンマメ由来のファゼオリン遺伝子およびSolanum tuberosum由来のstls-1遺伝子)からのイントロンならびにトウモロコシ遺伝子からのイントロン(adh1遺伝子第9イントロン、hsp81遺伝子第1イントロン))(Chee et al. (1986) Gene 41:47-57;Kuhlemeier et al. (1988) Mol Gen Genet 212:405-411;Mascarenhas et al. (1990) Plant Mol. Biol. 15:913-920;Sinibaldi and Mettler (1992)、WE Cohn, K Moldave編「Progress in Nulceic Acid Research and Molecular Biology」Vol 42(Academic Press、ニューヨーク)の229-257頁;Vancanneyt et al. 1990 Mol. Gen. Genet. 220:245-250)。したがって、トランスジェニック植物における非内因性遺伝子または内因性遺伝子の遺伝子発現レベルを操作するために、どのイントロンでも使用できるわけではない。所与の遺伝子の発現速度を高めるためにどのような特徴または具体的配列特色がイントロン配列中に存在しなければならないかは、従来技術ではわかっていないので、所与の植物イントロンが、異種性に使用された場合に、DNAレベルまたは転写産物レベルでの発現の強化(IME)を引き起こすかどうかを予測することは、従来技術からは不可能である。

本明細書において使用する用語「キメラ」は、第1DNA分子を第2DNA分子に融合することによって作製された単一のDNA分子を指し、この場合、第1DNA分子と第2DNA分子はどちらも、通常は、その構成では、すなわち他方に融合された構成では、見いだされないであろう。したがってキメラDNA分子は、他の場合には通常は自然界に見いだされることがない、新しいDNA分子である。本明細書において使用する用語「キメラプロモーター」は、そのようなDNA分子の操作によって作製されたプロモーターを指す。キメラプロモーターは2つ以上のDNAフラグメントを併せもつことができ、一例は、プロモーターのエンハンサー要素への融合物であるだろう。したがって、作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子の発現を調整するための本明細書に開示する方法によるキメラプロモーターの設計、構築、および使用は、本発明に包含される。

本明細書において使用する用語「変異体」は、第1DNA分子と組成は似ているが同一ではない第2DNA分子を指し、かつこの第2DNA分子は、第1DNA分子の全般的機能(すなわち同じまたは類似する発現パターン)を依然として維持している。変異体は、第1DNA分子の短縮型または切断型、かつ/または第1DNA分子の配列の改変型、例えば異なる制限酵素部位および/または内部欠失、置換、および/または挿入を有するものでありうる。「変異体」は、参照配列の1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失および/または挿入を含むヌクレオチド配列を有する調節要素も包含することができ、ここで、誘導体調節要素は、対応する親調節分子より高いまたは低いまたは等しい転写または翻訳活性を有する。調節要素「変異体」は、細菌細胞形質転換および植物細胞形質転換において自然に起こる変異から生じる変異体も包含するであろう。本発明では、元の調節要素のポリヌクレオチド配列と組成が似ているが同一ではなく、同時に元の調節要素の全般的機能(すなわち同じまたは類似する発現パターン)を依然として維持している変異体を、配列番号1〜158および180〜183として提供されるポリヌクレオチド配列を使って作出することができる。本発明のそのような変異体の作製は、本明細書に照らせば当技術分野の通常の技能の範囲内にあり、本発明の範囲に包含される。キメラ調節要素「変異体」は、参照配列と同じ構成要素を含むが、キメラ調節要素を構成する構成要素は、当技術分野において知られるさまざまな方法、例えば制限酵素消化およびライゲーション、ライゲーション非依存的クローニング(ligation independent cloning)、増幅中のPCR産物のモジュールアセンブリ、または調節要素の直接化学合成、ならびに当技術分野において知られる他の方法によって、作動的に連結することができる。結果として生じるキメラ調節要素「変異体」は、参照配列と同じ構成要素または同じ構成要素の変異体から構成されうるが、構成パーツの作動的な連結を可能にする1つまたは複数の連結配列を含む1つまたは複数の配列が異なりうる。本発明では、配列番号1〜158および180〜183として提供されるポリヌクレオチド配列が参照配列を与え、参照配列を構成する構成要素は、当技術分野において知られている方法によって接合することができ、また、1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失および/もしくは挿入または細菌細胞形質転換および植物細胞形質転換において自然に起こる変異を含むことができる。

コンストラクト 本明細書において使用する用語「コンストラクト」は、1つ以上のポリヌクレオチド分子が機能的に作動するように連結されている(すなわち作動的に連結されている)ポリヌクレオチド分子を含み、ゲノムへの組込み能または自律的複製能を有する、任意の供給源に由来する任意の組換えポリヌクレオチド分子、例えばプラスミド、コスミド、ウイルス、自律的に複製するポリヌクレオチド分子、ファージ、または線状もしくは環状の一本鎖もしくは二本鎖DNAもしくはRNAポリヌクレオチド分子を意味する。本明細書において使用する用語「ベクター」は、形質転換(すなわち宿主細胞への異種DNAの導入)のために使用することができる、任意の組換えポリヌクレオチドコンストラクトを意味する。この用語には、上述の分子のいずれかから単離された発現カセットも含まれる。

本明細書において使用する用語「作動的に連結された」は、第1分子が第2分子に接合されていて、第1分子が第2分子の機能に影響を及ぼすように分子が配置されているものを指す。2つの分子は、連続する単一分子の一部分であっても、そうでなくてもよいし、隣接していても、隣接していなくてもよい。例えばプロモーターは、そのプロモーターが細胞において関心対象の転写可能ポリヌクレオチド分子の転写を調整するのであれば、転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結されている。リーダーは、例えばそれが、コード配列がコードするポリペプチドにとってリーダーとして役立つ能力を有する場合に、そのコード配列に作動的に連結されている。

ある実施形態において、本発明のコンストラクトは、A. tumefaciens細胞によって提供されるトランスファー分子と協同して植物細胞のゲノムへのT-DNAの組込みを可能にする、T-DNAを含むAgrobacterium tumefaciensから単離されたTiプラスミドの右境界領域(RBまたはAGRtu.RB)と左境界領域(LBまたはAGRtu.LB)とを有する二重Tiプラスミド境界DNAコンストラクトとして提供されうる(例えば米国特許第6,603,061号を参照されたい)。 本コンストラクトは、細菌細胞における複製機能および抗生物質選択、例えばori322などのEscherichia coli複製起点、oriVまたはoriRiなどの広宿主域複製起点、およびスペクチノマイシンまたはストレプトマイシンに対する耐性を付与するTn7アミノグリコシドアデニルトランスフェラーゼ(aadA)をコードするSpec/Strpなどの選択可能マーカーのコード領域、またはゲンタマイシン(Gm、Gent)選択可能マーカー遺伝子を提供するプラスミドバックボーンDNAセグメントも含有しうる。植物形質転換の場合、宿主細菌株は、多くの場合、A. tumefaciens ABI、C58、またはLBA4404であるが、植物形質転換の分野における当業者に知られている他の株も、本発明において機能することができる。

転写可能ポリヌクレオチド分子が機能的なmRNA分子に転写され、それが翻訳されて、タンパク質産物として発現するような形で、コンストラクトをアセンブルして細胞に導入するための方法は、当技術分野において知られている。本発明の実施に関して、コンストラクトを調製し使用するための従来の組成物および方法ならびに宿主細胞は、当業者にはよく知られている。例えば、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」第3版、第1、2および3巻(2000)(J. Sambrook、D.W. Russell、およびN. Irwin、Cold Spring Harbor Laboratory Press)を参照されたい。植物形質転換に特に適した組換えベクターを作るための方法には、米国特許第4,971,908号;同第4,940,835号;同第4,769,061号;および同第4,757,011号の全体に記載されているものがあるが、これらに限るわけではない。これらのタイプのベクターについては科学文献にも総説がある(例えばRodriguezら「Vectors: A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses」Butterworths、ボストン(1988)およびGlickら「Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology」CRC Press、フロリダ州ボカラトン(1993)参照)。高等植物における核酸の発現に有用な典型的ベクターは当技術分野ではよく知られており、これにはAgrobacterium tumefaciensの腫瘍誘発(Ti)プラスミド由来のベクターが含まれるRogers, et al., Methods in Enzymology 153: 253-277 (1987))。植物形質転換に有用な他の組換えベクター、例えばpCaMVCNトランスファーコントロールベクターなども、科学文献に記載されている(例えばFromm, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 5824-5828 (1985)参照)。

コンストラクトには、さまざまな調節要素を、例えばここに提供されるものはどれでも、含めることができる。そのような調節要素はいずれも、他の調節要素と組み合わせて提供することができる。そのような組み合わせは、望ましい調節特色がもたらされるように設計または修飾することができる。ある実施形態において、本発明のコンストラクトは、3'UTRに作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結された調節要素を少なくとも1つは含む。

本発明のコンストラクトは、ここに提供される、または当技術分野において知られている、任意のプロモーターまたはリーダーを含みうる。例えば、本発明のプロモーターは、異種非翻訳5'リーダー、例えば熱ショックタンパク質遺伝子に由来するものなどに、作動的に連結することができる(例えば米国特許第5,659,122号および同第5,362,865号参照)。あるいは、本発明のリーダーを、カリフラワーモザイクウイルス35S転写産物プロモーターなどの異種プロモーターに作動的に連結することができる(米国特許第5,352,605号参照)。

本明細書において使用する用語「イントロン」は、ある遺伝子のゲノムコピーから単離または同定することができ、翻訳に先だってmRNAプロセシング中に切り出される領域と広く定義することができるDNA分子を指す。あるいは、イントロンは合成的に作製されたDNA要素または操作されたDNA要素であってもよい。イントロンは、作動的に連結された遺伝子の転写を達成するエンハンサー要素を含有しうる。イントロンは、作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子の発現を調整するための調節要素として使用することができる。DNAコンストラクトはイントロンを含むことができ、イントロンは、転写可能ポリヌクレオチド分子配列に対して異種であっても異種でなくてもよい。当技術分野におけるイントロンの例には、イネアクチンイントロン(米国特許第5,641,876号)およびトウモロコシHSP70イントロン(米国特許第5,859,347号)などがある。本発明の実施に際して有用なイントロンとして、配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182が挙げられる。さらに、イントロン/エクソン境界配列を修飾する場合は、最終転写産物へのメッセンジャーRNAのプロセシング中に、望まれない開始コドンが形成される潜在的可能性を排除するために、スプライス部位の5'端(GT)の直前にヌクレオチド配列ATまたはヌクレオチドAを使用すること、およびスプライス部位の3'端(AG)の直後にそれぞれヌクレオチドGまたはヌクレオチド配列TGを使用することは避ける方が好ましいであろう。したがって、イントロンの5'端または3'端スプライスジャンクション部位付近の配列は、この方法で修飾することができる。

本明細書において使用する用語「3'転写終結分子」または「3'UTR」は、転写中に使用されてmRNA分子の3'非翻訳領域(3'UTR)を生じるDNA分子を指す。mRNA分子の3'非翻訳領域は、特異的切断と3'ポリアデニル化、別名ポリAテールによって、生成しうる。3'UTRは、転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結されて、転写可能ポリヌクレオチド分子の下流に位置することができ、これは、ポリアデニル化シグナル、および転写、mRNAプロセシング、または遺伝子発現に影響を及ぼす能力を有する他の調節シグナルを与えるポリヌクレオチドを含みうる。ポリAテールは、mRNAの安定性および翻訳の開始にその機能を果たすと考えられている。当技術分野における3'転写終結分子の例は、ノパリンシンターゼ3'領域(Fraley, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80: 4803-4807 (1983)参照);コムギhsp17 3'領域;エンドウRubisco小サブユニット3'領域;ワタE6 3'領域(米国特許第6,096,950号);WO0011200A2に開示されている3'領域;およびコイキシン(coixin)3'UTR(米国特許第6,635,806号)である。

3'UTRは典型的には特異的遺伝子の組み換え発現に有益に利用することができる。動物系では、3'UTRの機構が明確にされている(例えばZhao et al., Microbiol Mol Biol Rev 63:405-445 (1999);Proudfoot, Nature 322:562-565 (1986);Kim et al., Biotechnology Progress 19:1620-1622 (2003);Yonaha and Proudfoot, EMBO J. 19:3770-3777 (2000);Cramer et al., FEBS Letters 498:179-182 (2001);Kuerstem and Goodwin, Nature Reviews Genetics 4:626-637 (2003))。形質成績の妨げになりうる形質とは無関係な(下流)配列の望まれない転写を防止するには、RNA転写の効果的な終結が必要である。 複数の遺伝子発現カセットを(例えば1つのT-DNA内で)互いに位置的に近接して配置すると、独立した挿入と比較して、そのコンストラクトでは、1つ以上の遺伝子の遺伝子発現の抑制が起こりうる(Padidam and Cao, BioTechniques 31:328-334 (2001))。これは、例えば全てのカセットからの強い遺伝子発現が望まれる場合などに、十分な発現レベルを達成することの妨げになりうる。

植物では、明確に定義づけられたポリアデニル化シグナル配列が知られていない。Hasegawa et al., Plant J. 33:1063-1072, (2003)は、Nicotiana sylvestrisにおいて、インビトロ系でもインビボ系でも、保存されたポリアデニル化シグナル配列を同定することができず、一次(非ポリアデニル化)転写産物の実際の長さを決定することができなかった。弱い3'UTRはリードスルーを生じさせる潜在的可能性を有し、それは、隣接発現カセット中に位置する遺伝子の発現に影響を及ぼしうる(Padidam and Cao, BioTechniques 31:328-334 (2001))。転写終結の適当な制御によって、下流に局在する配列(例えば他の発現カセット)へのリードスルーを防止することができ、さらにまた、RNAポリメラーゼの効率のよい再利用を可能にすることで、遺伝子発現を改善することができる。転写の効率のよい終結(DNAからのRNAポリメラーゼIIの放出)は、転写の再開にとって不可欠であり、それゆえに、全体的な転写産物レベルに直接的な影響を及ぼす。転写終結に続いて、合成の部位およびテンプレートから、細胞質へと成熟mRNAが放出される。真核mRNAは、ポリ(A)型としてインビボに蓄積するので、従来の方法によって転写終結部位を検出することは困難である。しかし、バイオインフォマティクスの方法による機能的で効率のよい3'UTRの予測は、効果的な3'UTRの容易な予測を可能にするであろう保存的配列がないことから、困難である。

実用的観点からみれば、典型的には、導入遺伝子カセットに使用される3'UTRは以下の特徴を有することが有益である。3'UTRは、効率よくかつ効果的に、導入遺伝子の転写を終結させ、複数のカセットが一つのT-DNA中に存在する場合などのようにもう一つの導入遺伝子カセットから構成されうる任意の隣接DNA配列への、またはT-DNAが挿入された隣接染色体DNAへの、転写産物のリードスルーを防止することができるべきである。3'UTRは、導入遺伝子の発現を駆動するために用いられているプロモーター、リーダーおよびイントロンによって付与される転写活性の低下を引き起こしてはならない。植物バイオテクノロジーでは、3'UTRは、形質転換植物から抽出される逆転写RNAの増幅反応のプライミングに使用されること、ならびに(1)植物染色体に組み込まれた後の導入遺伝子カセットの転写活性または発現を評価するため;(2)植物DNA内での挿入のコピー吸うを評価するため;および(3)育種後に結果として生じた種子の接合性を評価するために使用されることが多い。3'UTRは、挿入されたカセットの完全性を特徴づけるために形質転換植物から抽出されたDNAの増幅反応にも使用される。

植物において導入遺伝子を発現させる際に有用な3'UTRは、ビッグブルーステム(Big bluestem)(Andropogon gerardii)、ラベンナグラス(Plume grass)(Saccharum ravennae(Erianthus ravennae))、エノコログサ(Green bristlegrass)(Setaria viridis)、テオシント(Zea mays subsp. mexicana)、アワ(Setaria italica)、またはハトムギ(Coix)(Coix lacryma-jobi)に由来する種子、花および他の組織から単離されたメッセンジャーRNAから作成されたcDNAライブラリーにおける発現配列タグ(EST)の発現に基づいて同定することができる。cDNAのライブラリーは、花組織、種子、葉および根から当業者に知られている方法を使って、選ばれた植物種から単離された組織から作成される。結果として得られたcDNAを、当技術分野において知られているさまざまな配列決定方法を使って、配列決定する。その結果得られたESTを、clc_ref_assemble_complete バージョン2.01.37139(CLC bio USA、02142マサチューセッツ州ケンブリッジ)などのバイオインフォマティクスソフトウェアを使ってクラスターにアセンブルする。各クラスターについてcDNAリードの数をカウントすることによって、各クラスターの転写産物存在量を決定する。同定される3'UTRは、cDNA配列由来の配列およびゲノムDNA由来の配列から構成されうる。cDNA配列を使ってプライマーを設計し、次にそれを、製造者のプロトコールに従って構築されたGenomeWalker(商標)(Clontech Laboratories, Inc、カリフォルニア州マウンテンビュー)ライブラリーと共に使用して、対応するゲノムDNA配列の3'領域をクローニングすることで、より長い終結配列を得る。各組織ライブラリーについて観察された配列リードの直接カウントまたは標準化カウントのどちらかによる相対的な転写産物存在量の解析は、発現のパターンに関する性質を推測するために使用することができる。例えば、いくつかの3'UTRは、葉ではなく根に、より高い存在量で認められる転写産物中に見いだしうる。これは、その転写産物が根において高度に発現すること、およびその根発現の性質はプロモーター、リード、イントロン、または3'UTRの転写調節に原因があると考えうることを示唆している。特定器官、組織または細胞タイプ内での発現の性質によって同定された3'UTRの実験的試験は、その特定期間、組織または細胞タイプにおける発現を強化する3'UTRの同定をもたらすことができる。

コンストラクトおよびベクターは、タンパク質産物のターゲティング、特にクロロプラスト、白色体、または他のプラスチド細胞小器官;ミトコンドリア;ペルオキシソーム;液胞;または細胞外位置へのターゲティングに有用な連結されたペプチドを発現する輸送ペプチドコード配列も含みうる。クロロプラスト輸送ペプチドの使用の説明については、米国特許第5,188,642号および米国特許第5,728,925号を参照されたい。多くのクロロプラスト局在化タンパク質は、核内遺伝子から前駆体として発現し、クロロプラスト輸送ペプチド(CTP)によってクロロプラストにターゲティングされる。そのような単離されたクロロプラストタンパク質の例には、リブロース-1,5-ビスホスフェートカルボキシラーゼの小サブユニット(SSU)、フェレドキシン、フェレドキシンオキシドレダクターゼ、集光複合体タンパク質Iおよびタンパク質II、チオレドキシンF、エノールピルビルシキミ酸ホスフェートシンターゼ(EPSPS)、および米国特許第7,193,133号に記載の輸送ペプチドに関連するものがあるが、これらに限るわけではない。異種CTPとのタンパク質融合物の使用によって非クロロプラストタンパク質をクロロプラストにターゲティングしうることと、CTPがタンパク質をクロロプラストにターゲティングするのに十分であることは、インビボおよびインビトロで実証されている。Arabidopsis thaliana EPSPS CTP(CTP2)(Klee et al., Mol. Gen. Genet. 210:437-442 (1987)参照)またはPetunia hybrida EPSPS CTP(CTP4)(della-Cioppa et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:6873-6877 (1986)参照)などの適切なクロロプラスト輸送ペプチドの組込みは、トランスジェニック植物において、異種EPSPSタンパク質配列をクロロプラストにターゲティングすることが示されている(米国特許第5,627,061号;同第5,633,435号;および同第5,312,910号ならびにEP 0218571;EP 189707;EP 508909;およびEP 924299参照)。

転写可能ポリヌクレオチド分子 本明細書において使用する用語「転写可能ポリヌクレオチド分子」は、RNA分子に転写される能力を有する任意のDNA分子を指し、タンパク質コード配列を有するもの、および遺伝子抑制に有用な配列を有するRNA分子を生産するものなどが含まれるが、これらに限るわけではない。「導入遺伝子」は、少なくともゲノム内でのその位置に関して宿主細胞にとって異種である転写可能ポリヌクレオチド分子および/または細胞の現世代においてまたは任意の先行世代において宿主細胞ゲノムに人工的に組み込まれた転写可能ポリヌクレオチド分子を指す。

本発明のプロモーターは、そのプロモーター分子に対して異種である転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結することができる。本明細書において使用する用語「異種」は、2つ以上のポリヌクレオチド分子の組み合わせであって、その組合せが自然界に通常は見いだされない場合を指す。例えば、それら2つの分子が異なる種に由来してもよく、かつ/またはそれら2つの分子が異なる遺伝子、例えば同じ種の異なる遺伝子または異なる種の同じ遺伝子に由来しうる。したがってプロモーターは、作動的に連結された転写可能ポリヌクレオチド分子に対して、その組合せが自然界に通常は見いだされないものであるならば、すなわちその転写可能ポリヌクレオチド分子がそのプロモーター分子との組み合わせで作動的に連結された状態で自然には存在しないのであれば、異種である。

転写可能ポリヌクレオチド分子は、一般に、対応するRNA転写産物の発現が望まれる任意のDNA分子でありうる。RNA転写産物のそのような発現は、結果として生じるmRNA分子の翻訳を、したがってタンパク質発現をもたらしうる。あるいは、例えば転写可能ポリヌクレオチド分子は、最終的にはある特定遺伝子またはタンパク質の発現の減少を引き起こすように設計することもできる。ある実施形態では、アンチセンス方向に向けた転写可能ポリヌクレオチド分子によって、これを達成することができる。そのようなアンチセンス技術の使用は当業者にはよく知られている。簡単に述べると、アンチセンス転写可能ポリヌクレオチド分子が転写されるにつれて、そのRNA産物は細胞内部の相補的RNA分子にハイブリダイズし、それを封鎖する。この二重鎖RMA分子は細胞の翻訳機構によってタンパク質に翻訳されることができず、細胞内で分解される。この方法で任意の遺伝子を負に調節することができる。

したがって、本発明の一実施形態は、コンストラクトが植物細胞のゲノムに組みこまれた時に、転写可能ポリヌクレオチド分子の転写が所望のレベルにまたは所望のパターンに調整されるように、転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結された本発明の調節要素、例えば配列番号1〜158および180〜183として提供されるものなどである。ある実施形態では、転写可能ポリヌクレオチド分子が、遺伝子のタンパク質コード領域を含み、プロモーターは、翻訳されてタンパク質産物として発現されるRNA分子の転写に影響を及ぼす。もう一つの実施形態では、転写可能ポリヌクレオチド分子が遺伝子のアンチセンス領域を含み、プロモーターは、ターゲット宿主細胞内の関心対象の特定RNA分子の発現を阻害するために、アンチセンスRNA分子、二本鎖RNAまたは他の類似の阻害RNA分子の転写に影響を及ぼす。

作物栽培学的関心対象の遺伝子 転写可能ポリヌクレオチド分子は、作物栽培学的関心対象の遺伝子であることができる。本明細書において使用する用語「作物栽培学的関心対象の遺伝子」は、特定の植物組織、細胞または細胞タイプにおいて発現させた場合に、植物の形態、生理学、成長、発生、収量、産物、栄養プロファイル、疾病または病害虫耐性、および/または環境耐性もしくは化学耐性などに関連して、望ましい特徴を付与する転写可能ポリヌクレオチド分子を指す。作物栽培学的関心対象の遺伝子には、収穫タンパク質(yield protein)、ストレス耐性タンパク質、発生制御タンパク質、組織分化タンパク質、分裂組織タンパク質、環境応答タンパク質、老化タンパク質、ホルモン応答タンパク質、脱離タンパク質、ソースタンパク質(source protein)、シンクタンパク質(sink protein)、花制御タンパク質、種子タンパク質、除草剤耐性タンパク質、疾病耐性タンパク質、脂肪酸生合成酵素、トコフェロール生合成酵素、アミノ酸生合成酵素、病害虫防除タンパク質、または他の任意の薬剤、例えば抑制のために特定の遺伝子を標的とするアンチセンス分子またはRNAi分子をコードするものなどがあるが、これらに限るわけではない。作物栽培学的関心対象の遺伝子の産物は、植物生理学または代謝に対する効果を引き起こすために植物内で作用しうるか、または植物を餌にする病害虫の飲食物における病害虫防除剤として作用しうる。

本発明のある実施形態では、作物栽培学的関心対象の遺伝子である転写可能ポリヌクレオチド分子にプロモーターが作動的に連結されるように、本発明のプロモーターがコンストラクトに組み込まれる。作物栽培学的に有益な形質を付与するために、作物栽培学的関心対象の遺伝子の発現は望ましい。有益な作物栽培学的形質は、例えば限定するわけではないが、除草剤耐性、昆虫防除、改変された収量、真菌病耐性、ウイルス耐性、線虫耐性、細菌病耐性、植物の成長および発生、デンプン生産、改変された油生産、高い油生産量、改変された脂肪酸含有量、高いタンパク質生産量、果実成熟、強化された動物およびヒト栄養、生体高分子、環境ストレス耐性、医薬ペプチドおよび分泌性ペプチド、改良されたプロセシング形質、改良された消化性、酵素生産、風味、窒素固定、雑種種子生産、繊維生産、およびバイオ燃料生産でありうる。当技術分野において知られている作物栽培学的関心対象の遺伝子の例には、除草剤耐性(米国特許第6,803,501号;同第6,448,476号;同第6,248,876号;同第6,225,114号;同第6,107,549号;同第5,866,775号;同第5,804,425号;同第5,633,435号;同第5,463,175号)、収量増加(米国再発行特許第38,446号;米国特許第6,716,474号;同第6,663,906号;同第6,476,295号;同第6,441,277号;同第6,423,828号;同第6,399,330号;同第6,372,211号;同第6,235,971号;同第6,222,098号;および同第5,716,837号)、昆虫防除(米国特許第6,809,078号;同第6,713,063号;同第6,686,452号;同第6,657,046号;同第6,645,497号;同第6,642,030号;同第6,639,054号;同第6,620,988号;同第6,593,293号;同第6,555,655号;同第6,538,109号;同第6,537,756号;同第6,521,442号;同第6,501,009号;同第6,468,523号;同第6,326,351号;同第6,313,378号;同第6,284,949号;同第6,281,016号;同第6,248,536号;同第6,242,241号;同第6,221,649号;同第6,177,615号;同第6,156,573号;同第6,153,814号;同第6,110,464号;同第6,093,695号;同第6,063,756号;同第6,063,597号;同第6,023,013号;同第5,959,091号;同第5,942,664号;同第5,942,658, 5,880,275号;同第5,763,245号;および同第5,763,241号)、真菌病耐性(米国特許第6,653,280号;同第6,573,361号;同第6,506,962号;同第6,316,407号;同第6,215,048号;同第5,516,671号;同第5,773,696号;同第6,121,436号;同第6,316,407号;および同第6,506,962号)、ウイルス耐性(米国特許第6,617,496号;同第6,608,241号;同第6,015,940号;同第6,013,864号;同第5,850,023号;および同第5,304,730号)、線虫耐性(米国特許第6,228,992号)、細菌病耐性(米国特許第5,516,671号)、植物の成長および発生(米国特許第6,723,897号および同第6,518,488号)、デンプン生産(米国特許第6,538,181号;同第6,538,179号;同第6,538,178号;同第5,750,876号;同第6,476,295号)、改変された油生産(米国特許第6,444,876号;同第6,426,447号;および同第6,380,462号)、高い油生産量(米国特許第6,495,739号;同第5,608,149号;同第6,483,008号;および同第6,476,295号)、改変された脂肪酸含量(米国特許第6,828,475号;同第6,822,141号;同第6,770,465号;同第6,706,950号;同第6,660,849号;同第6,596,538号;同第6,589,767号;同第6,537,750号;同第6,489,461号;および同第6,459,018号)、高いタンパク質生産量(米国特許第6,380,466号)、果実成熟(米国特許第5,512,466号)、強化された動物およびヒト栄養(米国特許第6,723,837号;同第6,653,530号;同第6,5412,59号;同第5,985,605号;および同第6,171,640号)、生体高分子(米国再発行特許第37,543号;米国特許第6,228,623号;ならびに同第5,958,745号および同第6,946,588号)、環境ストレス耐性(米国特許第6,072,103号)、医薬ペプチドおよび分泌性ペプチド(米国特許第6,812,379号;同第6,774,283号;同第6,140,075号;および同第6,080,560号)、改良されたプロセシング形質(米国特許第6,476,295号)、改良された消化性(米国特許第6,531,648号)、低ラフィノース(米国特許第6,166,292)、工業用酵素生産(米国特許第5,543,576号)、改良されたフレーバー(米国特許第6,011,199号)、窒素固定(米国特許第5,229,114号)、雑種種子生産(米国特許第5,689,041号)、繊維生産(米国特許第6,576,818号;同第6,271,443号;同第5,981,834号;および同第5,869,720号)ならびにバイオ燃料生産(米国特許第5,998,700号)のためのものがある。

あるいは、作物栽培学的関心対象の遺伝子は、内因性遺伝子の遺伝子発現の標的調整(targeted modulation)を、例えばアンチセンス(例えば米国特許第5,107,065号);阻害RNA(例えば出願公開US 2006/0200878およびUS 2008/0066206、ならびに米国特許出願第11/974,469号に記載されているような、miRNA-、siRNA-、トランス作用性siRNA-、およびフェーズド(phased)sRNA媒介機序による遺伝子発現の調整を含む、「RNAi」)またはコサプレッション媒介機序などを介して引き起こすRNA分子をコードすることによって、上述の植物特徴または表現型に影響を及ぼすこともできる。RNAは、所望の内因性mRNA産物を切断するように工学的に改変された触媒的RNA分子(例えばリボザイムまたはリボスイッチ;例えばUS 2006/0200878参照)であることもできるであろう。したがって、関心対象である作物栽培学的に重要な表現型または形態変化に影響を及ぼす転写されたRNA分子をコードする任意の転写可能ポリヌクレオチド分子は、本発明の実施に有用でありうる。 転写可能ポリヌクレオチド分子が遺伝子抑制を引き起こす能力を有する分子に転写されるような形でコンストラクトを構築し、細胞中に導入するための方法は当技術分野において知られている。例えば、植物細胞における遺伝子発現を調節するためのアンチセンス方向の転写可能ポリヌクレオチド分子を持つコンストラクトを使った転写後遺伝子抑制は、米国特許第5,107,065号および同第5,759,829号に開示されており、植物における遺伝子発現を調節するためのセンス方向の転写可能ポリヌクレオチド分子を持つコンストラクトを使った転写後遺伝子抑制は、米国特許第5,283,184号および同第5,231,020号に開示されている。植物細胞における転写可能ポリヌクレオチドの発現は、例えば甲虫類病害虫から単離された組成物(米国特許出願公開US20070124836)および線虫病害虫から単離された組成物(米国特許出願公開US20070250947)など、植物細胞を餌にする植物病害虫を抑制するためにも使用することができる。植物病害虫には、節足動物病害虫、線虫病害虫、および真菌または微生物病害虫などがあるが、これらに限るわけではない。本発明のコンストラクトに組み込むための例示的転写可能ポリヌクレオチド分子には、例えばターゲット種以外の種に由来するDNA分子または遺伝子、または同じ種に端を発するか同じ種内に存在するが、古典的な繁殖または育種技法ではなく遺伝子工学の方法によってレシピエント細胞に組み込まれる遺伝子などがある。ポリヌクレオチド分子のタイプとしては、植物細胞中に既に存在するポリヌクレオチド分子、別の植物に由来するポリヌクレオチド分子、異なる生物に由来するポリヌクレオチド分子、または生体外で生成したポリヌクレオチド分子、例えばある遺伝子のアンチセンスメッセージを含有するポリヌクレオチド分子、もしくは人工型、合成型または他の修飾型の導入遺伝子をコードするポリヌクレオチド分子を挙げることができるが、これらに限るわけではない。

選択可能マーカー 本明細書において使用する用語「マーカー」は、その発現またはその欠如を何らかの方法で選別またはスコア化することができる任意の転写可能ポリヌクレオチド分子を指す。 本発明の実施に際して使用するためのマーカー遺伝子には、β-グルクロニダーゼ(米国特許第5,599,670号に記載のGUS)、緑色蛍光タンパク質およびその変異体(米国特許第5,491,084号および同第6,146,826号に記載のGFP)、抗生物質耐性を付与するタンパク質または除草剤耐性を付与するタンパク質をコードする転写可能ポリヌクレオチド分子などがあるが、これらに限るわけではない。有用な抗生物質耐性マーカー、例えばカナマイシン(nptII)、ハイグロマイシンB(aph IV)、ストレプトマイシンまたはスペクチノマイシン(aad、spec/strep)およびゲンタマイシン(aac3およびaacC4)に対する耐性を付与するタンパク質をコードするものは、当技術分野において知られている。トランスジェニック植物が耐性を示すことが実証されていて、本発明の方法を応用することができる除草剤には、次に挙げるものがあるが、これらに限るわけではない:アミノ-メチル-ホスホン酸、グリホサート、グルホシネート、スルホニル尿素類、イミダゾリノン類、ブロモキシニル、ダラポン、ジカンバ、シクロヘキサンジオン、プロトポルフィリノゲンオキシダーゼ阻害剤、およびイソキサフルトール除草剤。除草剤耐性に関与するタンパク質をコードする転写可能ポリヌクレオチド分子は当技術分野において知られており、5-エノールピルビルシキミ酸-3-ホスフェートシンターゼ(EPSPS、米国特許第5,627,061号;同第5,633,435号;同第6,040,497号;および同第5,094,945号に記載のグリホサート耐性用)をコードする転写可能ポリヌクレオチド分子;グリホサートオキシドレタクターゼおよびグリホサート-N-アセチルトランスフェラーゼ(米国特許第5,463,175号に記載のGOX;米国特許出願公開第20030083480号に記載のGAT、および米国特許出願公開第20030135879号のジカンバモノオキシゲナーゼ)をコードする転写可能ポリヌクレオチド分子;ブロモキシニルニトリラーゼ(米国特許第4,810,648号に記載のブロモキシニル耐性用のBxn)をコードする転写可能ポリヌクレオチド分子;ノルフルラゾン耐性のためのMisawa, et al., Plant Journal 4:833-840 (1993)およびMisawa, et al., Plant Journal 6:481-489 (1994)に記載のフィトエンデサチュラーゼ(crtI)をコードする転写可能ポリヌクレオチド分子;スルホニル尿素除草剤に対する耐性のためのSathasiivan, et al., Nucl. Acids Res. 18:2188-2193 (1990)に記載のアセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS、別名ALS)をコードする転写可能ポリヌクレオチド分子;ならびにグルホシネートおよびビアラホス耐性用のDeBlock, et al., EMBO Journal 6:2513-2519 (1987)に記載のbar遺伝子などがあるが、これらに限るわけではない。本発明のプロモーター分子は、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ、グリホサート耐性EPSPS、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ、ヒドロキシフェニルピルビン酸デヒドロゲナーゼ、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、ダラポンデハロゲナーゼ、ブロモキシニル耐性ニトリラーゼ、アントラニル酸シンターゼ、アリールオキシアルカノエートジオキシゲナーゼ、アセチルCoAカルボキシラーゼ、グリホサートオキシドレタクターゼ、およびグリホサート-N-アセチルトランスフェラーゼをコードする、連結された転写可能ポリヌクレオチド分子を発現させることができる。

「選択可能マーカー」という用語には、その分泌を、形質転換細胞を同定または選択する手段として検出することができる分泌性マーカーをコードする遺伝子も包含される。例として、抗体相互作用によって同定することができる分泌性抗原をコードするマーカー、さらには触媒活性で検出することができる分泌性酵素をコードするマーカーが挙げられる。選択可能な分泌マーカータンパク質は、(例えばELISAによって)検出することができる小さい拡散性タンパク質、細胞外溶液中に検出することができる小さい活性酵素(例えばα-アミラーゼ、β-ラクタマーゼ、ホスフィノトリシントランスフェラーゼ)、または細胞壁に挿入もしくは捕捉されるタンパク質(例えばエクステンシン(extension)またはタバコPR-Sとも呼ばれるタバコ感染特異的タンパク質の発現ユニットに見いだされるリーダー配列を含むタンパク質など)を含む、いくつかのクラスに分類される。他の考えうる選択可能マーカー遺伝子は当業者には明白であるだろうし、それらは本発明に包含される。

細胞形質転換 本発明は、転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結されたプロモーターを含む形質転換細胞および形質転換植物を作製する方法にも向けられる。

「形質転換」という用語は、レシピエント宿主への核酸の導入を指す。本明細書において使用する用語「宿主」は、細菌、真菌、または植物を指し、任意の細胞、組織、器官、または細菌、真菌、もしくは植物の子孫を含む。特に興味深い植物の組織および細胞には、プロトプラスト、カルス、根、塊茎、種子、茎、葉、実生、胚、および花粉などがある。

本明細書において使用する用語「形質転換された」は、外来ポリヌクレオチド分子、例えばコンストラクトが導入されている、細胞、組織、器官、または生物を指す。導入されたポリヌクレオチド分子は、導入されたポリヌクレオチド分子が以降の子孫に受け継がれるように、レシピエント細胞、組織、器官または生物のゲノムDNA中に組み込まれてもよい。「トランスジェニック」または「形質転換された」細胞または生物には、細胞または生物の子孫、および交配においてそのようなトランスジェニック生物を親として使用する育種プログラムによって作出された、外来ポリペプチド分子の存在に起因する改変された表現型を示す子孫も包含される。「トランスジェニック」という用語は、1つ以上の異種ポリ核酸分子を含有する細菌、真菌、または植物を指す。

植物細胞にポリ核酸分子を導入するための方法は数多くある。本方法は一般に、適切な宿主細胞を選択するステップ、宿主細胞を組換えベクターで形質転換するステップ、および形質転換された宿主細胞を取得するステップを含む。適切な方法には、細菌感染(例えばAgrobacterium)、バイナリー細菌人工染色体ベクター、DNAの直接送達(例えばPEG媒介形質転換、乾燥/阻害(desiccation/inhibition)媒介DNA取り込み、エレクトロポレーション、炭化ケイ素繊維との撹拌、およびDNA被覆粒子の加速などがある(Potrykus, et al., Ann. Rev. Plant Physiol. Plant Mol. Biol. 42: 205 (1991)に総説がある)。

DNA分子を細胞中に導入するための技術は、当業者にはよく知られている。本発明の実施において植物ゲノムに植物DNAコンストラクトを導入することによって植物細胞を形質転換するための方法および材料には、実証済みの周知の方法をどれでも含めることができる。任意の形質転換法を利用して、1つ以上の本発明のプロモーターおよび/またはコンストラクトで、宿主細胞を形質転換することができる。宿主細胞は、任意の細胞または生物、例えば植物細胞、藻類細胞、藻類、真菌細胞、真菌、細菌細胞、または昆虫細胞であることができる。好ましい宿主および形質転換細胞として、植物、Aspergillus酵母、昆虫、細菌および藻類に由来する細胞が挙げられる。

ホモ接合型のトランスジェニック植物を提供するために、再生させたトランスジェニック植物を自家受粉させることができる。あるいは、再生させたトランスジェニック植物から取得した花粉を、非トランスジェニック植物、好ましくは作物栽培学的に重要な種の近交系と交配させてもよい。さまざまな形質および作物によく使用される育種法の説明は、いくつかある参考書、例えばAllard「Principles of Plant Breeding」John Wiley & Sons、ニューヨーク、カリフォルニア大学デービス校、カリフォルニア州、50-98(1960);Simmonds「Principles of crop improvement」Longman, Inc.、ニューヨーク、369-399(1979);Sneep and Hendriksen「Plant breeding perspectives」Wageningen編, Center for Agricultural Publishing and Documentation (1979);Fehr「Soybeans: Improvement, Production and Uses」第2版、モノグラフ、16:249 (1987);Fehr「Principles of variety development, Theory and Technique」(Vol.1)および「Crop Species Soybean」(Vol 2)、アイオワ州立大学、Macmillan Pub. Co.、ニューヨーク、360-376 (1987)の一つに見いだすことができる。逆に、非トランスジェニック植物からの花粉を使って、再生させたトランスジェニック植物に受粉してもよい。

形質転換された植物を、関心対象の遺伝子の存在ならびに本発明の調節要素によって付与される発現レベルおよび/または発現プロファイルについて解析することができる。当業者は、形質転換された植物の解析に利用することができる方法を数多く知っている。例えば、植物解析の方法には、サザンブロットまたはノーザンブロット、PCRベースのアプローチ、生化学的解析、表現型スクリーニング法、圃場評価、および免疫診断アッセイなどがあるが、これらに限るわけではない。転写可能ポリヌクレオチド分子の発現は、TaqMan(登録商標)(Applied Biosystems、カリフォルニア州フォスターシティ)試薬と製造者が記述している方法とを使って測定することができ、PCRサイクル回数はTaqMan(登録商標)試験マトリックスを使って決定される。あるいは、Invader(登録商標)(Third Wave Technologies、ウィスコンシン州マディソン)試薬と製造者が記述している方法とを、導入遺伝子発現に使用することもできる。

本発明の植物の種子は稔性トランスジェニック植物から収穫することができ、本発明のコンストラクトを含み、かつ作物栽培学的関心対象の遺伝子を発現させる雑種植物系統を含む、本発明の形質転換植物の子孫世代を成長させるために使用することができる。

本発明は、本発明の植物の部分も提供する。植物部分としては、限定するわけではないが、葉、茎、根、塊茎、種子、内乳、胚珠、および花粉が挙げられる。本発明は、本発明の核酸分子を含む形質転換された植物細胞も包含し、提供する。

トランスジェニック植物はトランスジェニックポリヌクレオチド分子をその子孫に伝えうる。子孫には、祖先植物に由来する導入遺伝子を含む任意の再生可能な植物部分または種子が含まれる。トランスジェニック植物は、好ましくは、形質転換されたポリヌクレオチド分子に関してホモ接合であり、有性生殖の結果として全ての子孫にその配列を伝達する。子孫はトランスジェニック植物によって生産された種子から成長させることができる。次に、これらのさらなる植物を自家受粉させて、植物の真の育種系(true breeding line)を生成させることができる。これらの植物からの子孫を、とりわけ遺伝子発現について評価する。遺伝子発現は、ウェスタンブロッティング、ノーザンブロッティング、免疫沈降、およびELISAなど、いくつかの一般的方法によって検出することができる。

商品生産物 本発明は、本発明のDNA分子を含む商品生産物を提供する。本明細書にいう「商品生産物」は、本発明のDNA分子を含む植物、種子、植物細胞または植物部分に由来する材料から構成される任意の組成物または生産物を指す。商品生産物は消費者に販売することができ、生育可能であっても生育不能であってもよい。生育不能な商品生産物には、生育不能な種子および穀物;加工された種子、種子部分、および植物部分;脱された植物組織、凍結された植物組織、および加工された植物組織;陸生および/または水生動物が消費するための動物飼料用に加工された、ならびに油、粗挽き粉、穀粉、フレーク、糠、繊維、乳、チーズ、紙、クリーム、ワイン、およびヒトが消費するための他の任意の食品用に加工された、種子および植物部分;ならびにバイオマスおよび燃料生産ブツなどがあるが、これらに限るわけではない。生育可能な商品生産物には種子および植物細胞などがあるが、これらに限るわけではない。このように、本発明のDNA分子を含む植物は、植物またはその部分から典型的に獲得される任意の商品生産物を製造するために使用することができる。

ここに本発明を概説し終えたので、以下の実施例を参照することによって、本発明は、より容易に理解されるであろう。以下の実施例は、例示のために提供するものであって、別段の指定がある場合を除き、本発明の限定を意図していない。以下の実施例において開示する技法が、本発明の実施に際してうまく機能することを本発明者らが見いだした技法に相当することは、当業者には理解されるはずである。しかし当業者は、本開示に照らして、開示されている具体的実施形態には多くの変更を加えることができ、それでもなお、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、ほぼ同じまたは類似する結果が得られることを理解すべきであり、それゆえに、添付の図面において説明しまたは図示することはすべて、限定ではなく例示であると解釈されるべきである。

実施例1:調節要素の同定とクローニング 単子葉植物種ビッグブルーステム(Andropogon gerardii)、ラベンナグラス(Saccharum ravennae(Erianthus ravennae))、エノコログサ(Setaria viridis)、テオシント(Zea mays subsp. mexicana)、アワ(Setaria italica)、およびハトムギ(Coix lacryma-jobi)のゲノムDNAから、新規ユビキチン転写調節要素または転写調節発現要素群(EXP)配列を同定し、単離した。

上記の種のそれぞれからユビキチン1転写産物配列を同定した。ユビキチン1転写産物のそれぞれの5'非翻訳領域(5'UTR)を使って、作動的に連結されたプロモーター、リーダー(5'UTR)および第1イントロンを含む、同定されたユビキチン遺伝子の対応する転写調節要素を増幅するためのプライマーを設計した。それらのプライマーを、製造者のプロトコールに従って構築したGenomeWalker(商標)(Clontech Laboratories, Inc、カリフォルニア州マウンテンビュー)ライブラリーと共に使用することで、対応するゲノムDNA配列の5'領域をクローニングした。Zea maysのユビキチン4、6および7遺伝子のホモログである公表された配列を使って、単子葉植物Sorghum bicolorからも、ユビキチン転写調節要素を単離した。

増幅されたDNA内の調節要素を同定するために、同定された配列を使って、バイオインフォマティックス解析を行った。この解析の結果を使って、DNA配列内の調節要素を同定し、その調節要素を増幅するためのプライマーを設計した。ユニークな制限酵素部位を含有するプライマーならびにA. gerardiiS. ravennaeS. viridisZ. mays subsp. mexicanaS. italicaC. lacryma-jobiおよびS. bicolorから単離されたゲノムDNAと共に、標準的なポリメラーゼ連鎖反応条件を使って、各調節要素について、対応するDNA分子を増幅した。その結果得られたDNAフラグメントを基本植物発現ベクター中にライゲートし、配列決定した。次に、形質転換された植物プロトプラストを使って、調節要素TSSおよびイントロン/エクソンスプライスジャンクションの解析を行った。簡単に述べると、プロトプラストを、異種転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結されたクローン化DNAフラグメントを含む植物発現ベクターで形質転換し、5'RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends,Version 2.0(Invitrogen、92008カリフォルニア州カールズバッド)を使って、調節要素TSSおよびイントロン/エクソンスプライスジャンクションを、それによって生産されるmRNA転写産物の配列を解析することによって確認した。

同定された転写調節発現要素群(「EXP」)の配列を、下記表1に列挙するとおり、配列番号1、5、8、10、12、14、16、18、22、25、27、29、31、33、37、39、41、45、49、53、55、59、63、65、69、73、75、77、79、83、85、87、90、93、95、97、98、99、100、102、104、106、108、110、112、114、115、116、117、119、121、123、124、125、126、128、130、132、133、134、136、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、180、181および183として、ここに提供する。プロモーター配列は、配列番号2、6、9、11、13、15、17、19、23、26、28、30、32、34、38、40、42、46、50、56、60、64、66、70、74、76、78、80、84、86、88、91、96および135として、ここに提供する。リーダー配列は、配列番号3、20、35、43、47、51、57、61、67、71および81として、ここに提供する。イントロン配列は、配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182として、ここに提供する。エンハンサー配列は配列番号89として提供する。 [表1]さまざまなイネ科植物種から単離された転写調節発現要素群(「EXP」)、プロモーター、エンハンサー、リーダーおよびイントロン

表1に示すように、例えば、EXP-ANDge.Ubq1:1:9(配列番号1)と呼ばれる転写調節EXP配列は、A. gerardiiから単離された構成要素と共に、イントロン要素I-ANDge.Ubq1-1:1:3(配列番号4)の5'側に作動的に連結されたリーダー要素L-ANDge.Ubq1-1:1:2(配列番号3)の5'側に作動的に連結されたプロモーター要素P-ANDge.Ubq1-1:1:11(配列番号2)を含む。表1に概説するように他のEXPも同様に連結されている。

表1、配列表および図1〜7に示すように、種A. gerardiiE. ravennaeZ. mays subsp. mexicanaS. bicolorC. lacryma-jobiS. italica、およびS. viridisからのプロモーター配列の変異体であって、例えばP-ANDge.Ubq1-1:1:11(配列番号2)、P-ERIra.Ubq1-1:1:10(配列番号19)または他の種に由来する他の各プロモーターなどの、より短いプロモーターを含むものを工学的に作製することにより、P-ANDge.Ubq1-1:1:9(配列番号6)、P-ERIra.Ubq1-1:1:9(配列番号23)、P-Cl.Ubq1-1:1:10(配列番号96)、P-SETit.Ubq1-1:1:2(配列番号76)およびP-Sv.Ubq1-1:1:2(配列番号38)、ならびに他のプロモーターフラグメントを得た。P-SETit.Ubq1-1:1:4(配列番号74)は、P-SETit.Ubq1-1:1:1(配列番号70)との比較で、単一のヌクレオチド変化を含む。同様に、P-Sv.Ubq1-1:1:3(配列番号40)は、P-Sv.Ubq1-1:1:4(配列番号135)との比較で、単一のヌクレオチド変化を含む。

いくつかの例では、3'イントロンスプライスジャンクションの配列5'-AG-3'に続く各々のイントロンの最後の3'ヌクレオチドを変化させることによって、特定イントロンの変異体を作成した。これらのイントロン変異体を下記表2に示す。 [表2]イントロン変異体の3'端配列

Z. mays subsp. mexicanaからのゲノムDNAの増幅用に設計した同じプライマーセットを使って単離された3つのアレル変異体も、表1に列挙する。EXP配列のアレル変異体は、他の配列のさまざまな領域内で、ある程度の同一性を共有する配列から構成されるが、挿入、欠失およびヌクレオチドミスマッチも、EXP配列のそれぞれの各プロモーター、リーダーおよび/またはイントロン内で、明白でありうる。EXP-Zm.UbqM1:1:1(配列番号41)と呼ばれるEXP配列は、Z. mays subsp. mexicana Ubq1遺伝子転写調節発現要素群の第1アレル(アレル-1)である。EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)およびEXP-Zm.UbqM1:1:10(配列番号139)と呼ばれるEXP配列は、第1アレル(アレル-1)であって、これら2つのEXPの間の唯一の相違は、3'イントロンスプライスジャンクションの配列5'-AG-3'に続く各々のイントロンの最後の3'ヌクレオチドに存在する。EXP-Zm.UbqM1:1:4(配列番号45)と呼ばれるEXP配列は、Z. mays subsp. mexicana Ubq1遺伝子転写調節発現要素群の第2アレル(アレル-2)を表す。EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)およびEXP-Zm.UbqM1:1:12(配列番号143)と呼ばれるEXP配列は、第2アレル(アレル-2)であって、これら2つのEXPの間の唯一の相違は、3'イントロンスプライスジャンクションの配列5'-AG-3'に続く各々のイントロンの最後の3'ヌクレオチドに存在する。EXP配列EXP-Zm.UbqM1:1:2(配列番号49)およびEXP-Zm.UbqM1:1:5(配列番号53)は、Z. mays subsp. mexicana Ubq1遺伝子転写調節発現要素群の第3アレル(アレル-3)を表し、それぞれのイントロン内の位置1034に単一のヌクレオチド相違を含む(I-Zm.UbqM1-1:1:11、配列番号52の場合はG、I-Zm.UbqM1-1:1:12、配列番号54の場合はT)。EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)、EXP-Zm.UbqM1:1:9(配列番号147)、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)およびEXP-Zm.UbqM1:1:13(配列番号181)と呼ばれるEXP配列も、第3アレル(アレル-3)を表す。EXP-Zm.UbqM1:1:9のイントロンI-Zm.UbqM1-1:1:16(配列番号148)は、位置1034にチミン残基を含み、一方、EXP-Zm.UbqM1:1:8、EXP-Zm.UbqM1:1:11およびEXP-Zm.UbqM1:1:13のイントロン(I-Zm.UbqM1-1:1:15、配列番号146;I-Zm.UbqM1-1:1:18、配列番号11および;I-Zm.UbqM1-1:1:20、配列番号182)は、それぞれ位置1034にグアニン残基を含む。また、EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)およびEXP-Zm.UbqM1:1:9(配列番号147)の最後の3つの3'端ヌクレオチドは、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)およびEXP-Zm.UbqM1:1:13(配列番号181)のものとは異なっている。

実施例2:トウモロコシプロトプラストにおけるGUSを駆動する調節要素の解析 トウモロコシ葉プロトプラストを、β-グルクロニダーゼ(GUS)導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターで形質転換し、GUSの発現が既知の構成的プロモーターによって駆動される葉プロトプラストにおけるGUS発現と比較した。

EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)またはEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)によって駆動される導入遺伝子の発現を、既知の構成的プロモーターからの発現と比較した。前述のEXP配列を、下記表3に示すように植物発現ベクター中にクローニングすることで、EXP配列が、ジャガイモ光誘導性組織特異的ST-LS1遺伝子(GenBankアクセッション:X04753)に由来するプロセシング可能なイントロンを含有するβ-グルクロニダーゼ(GUS)レポーター(GUS-2という、配列番号160)または連続的GUSコード配列(GUS-1、配列番号159)の5'側に作動的に連結されており、それが、A. tumefaciensノパリンシンターゼ遺伝子(T-AGRtu.nos-1:1:13、配列番号161)またはコムギHsp17遺伝子(T-Ta.Hsp17-1:1:1、配列番号162)由来の3'UTRの5'側に作動的に連結されているベクターを得た。 [表3]トウモロコシ葉プロトプラストの形質転換に使用したGUS植物発現プラスミドコンストラクトおよび対応するEXP配列、GUSコード配列および3'UTR。「配列番号」は与えられたEXP配列を指す。

比較のために使用した対照プラスミド(pMON19469、pMON65328、pMON25455およびpMON122605)は上述のように構築したものであり、GUSコード配列および3'UTRの5'側に作動的に連結された既知のEXP配列:EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)、EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)、またはEXP-Os.TubA-3:1:1(配列番号165)を、それぞれ含有する。バックグランドGUSおよびルシフェラーゼ発現を評価するために、さらに3つの対照を用意した:DNAなしの対照、導入遺伝子発現用に設計されていない空ベクター、および緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するために使用した発現ベクター。

同時形質転換とデータの標準化に使用した2つのプラスミドも、当技術分野において知られている方法を使って構築した。各プラスミドは、構成的EXP配列によって駆動される特異的ルシフェラーゼコード配列を含有していた。植物ベクターpMON19437は、Agrobacterium tumefaciensノパリンシンターゼ遺伝子由来の3'UTR(T-AGRtu.nos-1:1:13、配列番号161)の5'側に作動的に連結されたホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼコード配列(LUCIFERASE:1:3、配列番号166)の5'側に作動的に連結されたイントロン(EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1、配列番号170)の5'側に作動的に連結された構成的プロモーターを有する導入遺伝子カセットを含む。植物ベクターpMON63934は、Agrobacterium tumefaciensノパリンシンターゼ遺伝子由来の3'UTR(T-AGRtu.nos-1:1:13、配列番号161)の5'側に作動的に連結されたウミシイタケ(Renilla reniformis)ルシフェラーゼコード配列(CR-Ren.hRenilla Lucife-0:0:1、配列番号167)の5'側に作動的に連結された構成的EXP配列(EXP-CaMV.35S-enh-Lhcb1、配列番号168)を有する導入遺伝子カセットを含む。

トウモロコシ葉プロトプラストは、当技術分野においてよく知られているように、PEGに基づく形質転換方法を使って形質転換した。プロトプラスト細胞を、pMON19437プラスミドDNA、pMON63934プラスミドDNA、および等モル量の、表3に提示するプラスミドの一つで形質転換し、完全遮光下で一晩インキュベートした。上述のように形質転換した細胞の溶解調製物のアリコートを、2つの異なる小ウェルトレイに入れることによって、GUSとルシフェラーゼの両方の測定を行った。一方のトレイはGUS測定に使用し、もう一つのトレイは、デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(Promega Corp.、ウィスコンシン州マディソン;例えばPromega Notes Magazine, No:57, 1996, p.02を参照されたい)を使ってデュアルルシフェラーゼアッセイを行うために使用した。各EXP配列について1回または2回の形質転換を行い、各EXP配列についての平均発現値を、各形質転換実験のいくつかの試料から決定した。試料測定は、各EXP配列コンストラクト形質転換の4つの複製物を使って行うか、あるいは、2回の形質転換実験の1回につき、各EXP配列コンストラクトの3つの複製物を使って行った。平均GUS発現レベルおよびルシフェラーゼ発現レベルを表4に記載する。この表では、ホタルルシフェラーゼ値(例えばpMON19437の発現によるもの)を、「FLuc」と表示した列に記載し、Renillaルシフェラーゼ値を、「RLuc」と表示した列に記載する。 [表4]形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性

各EXP配列の相対的活性を比較するために、GUS値をルシフェラーゼ活性に対するGUSの比として表し、EXP配列EXP-Os.TubA-3:1:1(配列番号165)について観察された発現レベルに対して標準化した。下記表5に、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.TubA-3:1:1発現に対して標準化したGUS/RLuc発現比を示す。

表5からわかるように、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)またはEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)によって駆動されるGUS発現は、EXP-Os.TubA-3:1:1(配列番号165)によって駆動されるGUS発現より4.51〜9.42倍高かった。また、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)またはEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)によって駆動されるGUS発現は、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)、またはEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)によるものよりも高かった。 [表5]トウモロコシ葉プロトプラスト細胞におけるEXP-Os.TubA-3:1:1発現と比較したGUS/RLuc発現倍率

下記表6に、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.TubA-3:1:1発現に対して標準化したGUS/FLuc発現比を示す。 [表6]トウモロコシ葉プロトプラスト細胞におけるEXP-Os.TubA-3:1:1発現に対するGUS/FLuc発現倍率

表6からわかるように、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)またはEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)によって駆動されるGUS発現は、GUS/FLuc比の値として表現し、EXP-Os.TubA-3:1:1(配列番号165)に対して標準化した場合に、同じ一般的傾向を示した。発現は、EXP-Os.TubA-3:1:1(配列番号165)によって駆動されるGUS発現より12.69〜32.86倍高かった。また、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)またはEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)によって駆動されるGUS発現は、一定の比較では、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)、またはEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)によるものよりも高かった。

実施例3:GUS導入遺伝子カセットアンプリコンを使ったトウモロコシプロトプラストにおけるGUSを駆動する調節要素の解析 以下に提示する一連の実験では、トウモロコシ葉プロトプラストを、β-グルクロニダーゼ(GUS)導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターに由来するDNAアンプリコンで形質転換し、それを、GUSの発現が既知の構成的プロモーターによって駆動される葉プロトプラストと比較した。

1組目の実験では、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:10(配列番号134)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)、EXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)およびEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)の一つによって駆動される導入遺伝子(GUS)の発現を既知の構成的プロモーターによるものと比較するために、葉組織由来のトウモロコシプロトプラスト細胞を、上記のように、植物発現ベクターを構成するGUS導入遺伝子カセットの増幅によって生じるアンプリコンで形質転換した。導入遺伝子カセットアンプリコンを生成する元になる増幅テンプレートを構成する各EXP配列は、当技術分野において知られている方法を使って、下記表7の「アンプリコンテンプレート」という見出しの下に示す植物発現ベクター中にクローニングした。その結果得られた植物発現ベクターは、やはり上記のように、3'UTR T-AGRtu.nos-1:1:13またはT-Ta.Hsp17-1:1:1の5'側に作動的に連結されたプロセシング可能なイントロンを含有するβ-グルクロニダーゼ(GUS)のコード配列(上記実施例2で述べた「GUS-2」)または連続的GUSコード配列(上述の「GUS-1」))の5'側に作動的に連結されたEXP配列から構成される導入遺伝子カセットを含む。アンプリコンは、当業者に知られている方法を使用し、下記表7に提示するプラスミドコンストラクトテンプレートを使って作製した。簡単に述べると、5'オリゴヌクレオチドプライマーはプロモーター配列にアニールするように設計し、各導入遺伝子カセットの増幅には、3'UTRの3'端においてアニールする3'オリゴヌクレオチドプライマーを使用した。各アンプリコンテンプレートを構成するプロモーター配列内の異なる位置においてアニールするように設計された異なるオリゴヌクレオチドプライマーを利用して、導入遺伝子カセットを構成するプロモーター配列に逐次的5'欠失を導入することにより、異なるEXP配列を生じさせた。 [表7]トウモロコシ葉プロトプラストの形質転換に使用したGUS植物発現アンプリコンならびに対応するプラスミドコンストラクトアンプリコンテンプレート、EXP配列、GUSコード配列および3'UTR

表7にアンプリコンテンプレートとして列挙したプラスミドコンストラクトを、表7に列挙したEXP配列を含む導入遺伝子発現カセットを増幅するためのテンプレートとした。比較用のGUS導入遺伝子アンプリコンを生成させるために使用した対照プラスミドは、実施例2で述べた既知の構成的EXP配列を使って、既述のように構築した。GUSおよびルシフェラーゼバックグラウンドを決定するための陰性対照、DNAなしの対照、およびコード配列を発現しないプラスミドと一緒に2つのルシフェラーゼプラスミドを形質転換に使用する対照試料も使用した。実施例2で述べたプラスミドpMON19437およびpMON63934も、同時形質転換とデータの標準化のために使用した。

上記実施例2で述べたようにPEGに基づく形質転換法を使ってトウモロコシ葉プロトプラストを形質転換した。下記表8に、各導入遺伝子カセットについて決定された平均GUSおよびルシフェラーゼ発現値を示す。 [表8]形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性

各EXP配列の相対的活性を比較するために、GUS値をルシフェラーゼ活性に対するGUSの比として表し、EXP-Os.Act1:1:1およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1について観察された発現レベルに対して標準化した。下記表9には、トウモロコシプロトプラストにおいてEXP-Os.Act1:1:1およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1が駆動する発現に対して標準化したGUS/RLuc発現比を示す。下記表10には、トウモロコシプロトプラストにおいてEXP-Os.Act1:1:1およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1が駆動する発現に対して標準化したGUS/FLuc発現比を示す。 [表9]トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)に対して標準化したGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比

[表10]トウモロコシ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)に対して標準化したGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比

表9および表10からわかるように、ほぼ全てのEXP配列が、トウモロコシ細胞においてGUS導入遺伝子発現を駆動する能力を有していた。平均GUS発現は、EXP-Os.Act1:1:1またはEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1によって駆動されるGUS発現と比較すると、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:10(配列番号134)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)、EXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)およびEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)の方が高かった。

2組目の実験では、EXP配列EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)を含むGUSカセットアンプリコンを、対照アンプリコンPCR0145942(EXP-Os.Act1:1:9、配列番号179)およびPCR0145944(EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1、配列番号170)と、GUS発現に関して比較した。EXP配列EXP-Zm.UbqM1:1:8によって駆動されるGUS発現の方が、これら2つの対照より高かった。下記表11には、各アンプリコンについて決定された平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表12には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1駆動発現に対して標準化したGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比を示す。 [表11]形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性

[表12]トウモロコシ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)に対して標準化したGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比

3組目の実験では、アンプリコンGUS導入遺伝子カセットを上述のように作り、EXP配列、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)によって駆動される発現についてアッセイした。アンプリコンは、T-AGRtu.nos-1:1:13 3'UTRに作動的に連結されたGUS-1コード配列に作動的に連結されたEXP配列から構成された。発現を、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)と比較した。下記表13には、各アンプリコンについて決定された平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表14には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1駆動発現に対して標準化したGUS/RLuc発現比を示す。 [表13]形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性

[表14]トウモロコシ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比

上記表14からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)は、導入遺伝子発現を駆動する能力を有する。EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)およびEXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)によって駆動される発現は、どちらの対照よりも高かった。EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)によって駆動される発現は、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)よりは低かったが、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)よりは高かった。

4組目の実験では、アンプリコンGUS導入遺伝子カセットを上述のように作り、EXP配列、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)が駆動する発現についてアッセイした。発現を、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)と比較した。 下記表15には、各アンプリコンについて決定した平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表16には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1駆動発現に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比を示す。 [表15]形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性

[表16]トウモロコシ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比

表16からわかるように、EXP配列EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)は、導入遺伝子発現を駆動することができた。EXP配列のそれぞれによって駆動される発現は、どちらの対照のものよりも高かった。

5組目の実験では、EXP配列、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)によって駆動される発現をアッセイするために、アンプリコンGUS導入遺伝子カセットを上述のように作った。発現を、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)と比較した。下記表17には、各アンプリコンについて決定した平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表18には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1駆動発現に対して標準化されたGUS/RLuc発現比を示す。 [表17]形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性

[表18]トウモロコシ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)に対して標準化されたGUS/RLuc発現比

上記表18からわかるように、EXP配列、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)は、トウモロコシ葉プロトプラストにおいてGUS発現を駆動することができた。発現は、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)の発現と似ており、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)の発現よりは低かった。

アンプリコンからのGUS発現を駆動する調節要素の効力はサトウキビ葉プロトプラストでも同様に研究することができる。例えばサトウキビプロトプラストを、β-グルクロニダーゼ(GUS)導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターに由来するDNAアンプリコンで形質転換し、GUSの発現が既知の構成的プロモーターによって駆動される葉プロトプラストと比較することができる。また、トウモロコシまたはコムギプロトプラストにおいてアンプリコンからのCP4発現を駆動する調節要素も同様に研究することができる。

実施例4:GUS導入遺伝子カセットアンプリコンを使ったコムギプロトプラストにおけるGUSを駆動する調節要素の解析 コムギ葉プロトプラストを、β-グルクロニダーゼ(GUS)導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターに由来するDNAアンプリコンで形質転換し、GUSの発現が既知の構成的プロモーターによって駆動される葉プロトプラストと比較した。

上記実施例3でトウモロコシにおけるアッセイに使用したものと同じGUSカセットアンプリコンを使って、表10〜11に列挙するEXP配列によって駆動される導入遺伝子(GUS)の発現を、先の実施例(実施例3)に記載の方法論で、既知の構成的プロモーターのものと比較するために、葉組織由来のコムギプロトプラスト細胞を、当技術分野において知られている方法を使って、植物発現ベクターを構成するGUS導入遺伝子カセットの増幅によって生じるアンプリコンで形質転換した。コムギプロトプラスト形質転換に使用した対照GUSカセットアンプリコンおよびルシフェラーゼプラスミドも、先の実施例で提示し、実施例3において上記表7に記載したものと同じであった。また、上述のように、GUSおよびルシフェラーゼバックグラウンドを決定するために、陰性対照を使用した。コムギ葉プロトプラストは、上記実施例3で述べたように、PEGに基づく形質転換法を使って形質転換した。 表19には形質転換されたコムギ葉プロトプラスト細胞に見られる平均GUSおよびLUC活性を列挙し、表20には、コムギプロトプラストにおける標準化されたGUS/RLuc発現比を示す。 [表19]形質転換されたコムギ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性

[表20]コムギ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)に対して標準化されたGUS/RLuc発現比

上記表20からわかるように、ほとんど全てのEXP配列が、コムギ細胞においてGUS導入遺伝子発現を駆動する能力を有した。EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:10(配列番号134)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)、EXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)およびEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)によって駆動されるGUS導入遺伝子発現は、EXP-Os.Act1:1:9によって駆動されるGUS発現よりはるかに高かった。EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1と比較したコムギ葉プロトプラスト細胞におけるアンプリコンのGUS発現は、トウモロコシプロトプラスト細胞において観察された発現とはわずかに異なった。EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:10(配列番号134)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)およびEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)のそれぞれは、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1と比較して、より高レベルのGUS発現を示した。EXP配列EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)およびEXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)は、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1と比較して、より低レベルのGUS発現を示した。

2組目の実験では、アンプリコンGUS導入遺伝子カセットを上述のように作り、EXP配列、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)によって駆動される発現についてアッセイした。アンプリコンは、T-AGRtu.nos-1:1:13 3'UTRに作動的に連結されたGUS-1コード配列に作動的に連結されたEXP配列から構成された。発現を、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)と比較した。下記表21には、各アンプリコンについて決定された平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表22には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1駆動発現に対して標準化されたGUS/RLuc発現比を示す。 [表21]形質転換されたコムギ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性

[表22]コムギ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比

上記表22からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)は、導入遺伝子発現を駆動する能力を有する。EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)およびEXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)によって駆動される発現は、どちらの対照の発現より高かった。EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)によって駆動される発現は、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)よりは低かったが、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)よりは高かった。

3組目の実験では、EXP配列、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)によって駆動される発現をアッセイするために、アンプリコンGUS導入遺伝子カセットを上述のように作った。発現を対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)と比較した。下記表23には、各アンプリコンについて決定された平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表24には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1駆動発現に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比を示す。 [表23]形質転換されたコムギ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性

[表24]コムギ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比

上記表24からわかるように、EXP配列EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)は、導入遺伝子発現を駆動することができた。これらEXP配列のそれぞれによって駆動される発現は、どちらの対照よりも高かった。

4組目の実験では、EXP配列、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)によって駆動される発現をアッセイするために、上述のようにアンプリコンGUS導入遺伝子カセットを作った。発現を、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)と比較した。下記表25には、各アンプリコンについて決定された平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表26には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1駆動発現に対して標準化されたGUS/RLuc発現比を示す。 [表25]形質転換されたコムギ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性

[表26]コムギ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)に対して標準化されたGUS/RLuc発現比

上記表26からわかるように、EXP配列、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)は、コムギ葉プロトプラストにおけるGUS発現を駆動することができた。発現は対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)の発現とは類似しており、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)の発現より低かった。

実施例5:GUS導入遺伝子カセットアンプリコンを使ったサトウキビプロトプラストにおけるGUSを駆動する調節要素の解析 サトウキビ葉プロトプラストを、β-グルクロニダーゼ(GUS)導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクター由来のDNAアンプリコンで形質転換し、GUSの発現が既知の構成的プロモーターによって駆動される葉プロトプラストと比較した。

EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)ならびに下記の表27に提示するものの一つによって駆動される導入遺伝子(GUS)の発現を、既知の構成的プロモーターのものと比較するために、上記実施例3で述べたように、PEGベースの形質転換法を使って、葉組織由来のサトウキビプロトプラスト細胞を、植物発現ベクターを構成するGUS導入遺伝子カセットの増幅によって生じるアンプリコンで形質転換した。 [表27]GUS植物発現アンプリコンならびに対応するプラスミドコンストラクトアンプリコンテンプレートおよびEXP配列

サトウキビプロトプラスト形質転換に使用した対照GUSカセットアンプリコンおよびルシフェラーゼプラスミドも、実施例2〜4において提示し、上記表7および実施例3に記載したものと同じであった。また、上述のように、GUSおよびルシフェラーゼバックグラウンドを決定するために、陰性対照を使用した。表28には、形質転換されたサトウキビ葉プロトプラスト細胞に見られる平均GUSおよびLuc活性を列挙し、表29には、サトウキビ葉プロトプラストにおける標準化されたGUS/RLuc発現比を示す。 [表28]形質転換されたコムギ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性

[表29]サトウキビ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比

上記表29からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)はいずれも、サトウキビプロトプラストにおいて導入遺伝子発現を駆動する能力を有した。EXP配列、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)およびEXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)は、この実験では、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)より多くのGUSを発現させた。

実施例6:トウモロコシプロトプラストにおけるCP4を駆動する調節要素の解析 この実施例では、トウモロコシプロトプラストにおけるグリホサート耐性遺伝子CP4の発現を駆動するEXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)およびEXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)の能力を例証する。 当技術分野において知られている方法を使って、これらのEXP配列を、植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。その結果得られた植物発現ベクターは、A. tumefaciens由来の右境界領域、T-AGRtu.nos-1:1:13 3'UTRの5'側に作動的に連結されたプラスチド標的グリホサート耐性EPSPSコード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたユビキチンEXP配列、およびA. tumefaciens由来の左境界領域(B-AGRtu.left border)を含有した。得られたプラスミドコンストラクトを使用し、当技術分野において知られている方法を使って、トウモロコシ葉プロトプラスト細胞を形質転換した。

表1に定義したEXP配列を持つ表30に列挙したプラスミドコンストラクトを利用した。CP4またはGFPのどちらか一方を駆動する既知の構成的調節要素を持つ3つの対照プラスミド(pMON30098、pMON42410、およびpMON30167)を構築し、これらのEXP配列によって駆動される相対的CP4発現レベルを既知の構成的発現要素によって駆動されるCP4発現と比較するために使用した。他の2つのプラスミド(pMON19437およびpMON63934)も、形質転換効率と生存可能性を評価するために、上述のように使用した。各プラスミドは、構成的EXP配列によって駆動される特定のルシフェラーゼコード配列を含有する。

上記実施例2で述べたように、PEGベースの形質転換法を使って、トウモロコシ葉プロトプラストを形質転換した。CP4とルシフェラーゼの両方の測定を、上記実施例2と同様に行った。百万分率(ppm)として表したCP4タンパク質発現の平均レベルを下記表30に示す。 [表30]トウモロコシ葉プロトプラストにおける平均CP4タンパク質発現

表30からわかるように、EXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)およびEXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)は、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1およびEXP-Os.Act1:1:1によって駆動されるCP4発現レベルに近いかそれより高いレベルで、CP4導入遺伝子の発現を駆動した。EXP配列、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)は、CP4の発現を駆動する能力を示したが、その発現レベルは構成的対照のものより低かった。

上記のデータと類似するデータは、上述のプラスミドコンストラクトで安定に形質転換された植物、例えば子孫世代R0、R1もしくはF1またはそれ以降の植物でも得ることができる。また、他のプラスミドコンストラクトからの発現も研究することができる。例えばpMON141619はEXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8を含み、一方、pMON142862はEXP配列EXP-ERIra.Ubq1:1:8から構成される。これらのコンストラクトおよび他のコンストラクトを、この方法で分析することができる。

実施例7:CP4導入遺伝子カセットアンプリコンを使ったトウモロコシプロトプラストにおけるCP4を駆動する調節要素の解析 この実施例では、トウモロコシプロトプラストにおけるグリホサート耐性遺伝子CP4の発現を駆動するEXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)、EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)の能力を例証する。これらのEXP配列を植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。その結果得られた植物発現ベクターを、T-AGRtu.nos-1:1:13 3'UTRの5'側に作動的に連結されたプラスミド標的グリホサート耐性EPSPSコード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたユビキチンEXP配列とA. tumefaciens由来の左境界領域とから構成される導入遺伝子カセットアンプリコンを作製するための増幅テンプレートとして使用した。得られたアンプリコンを使ってトウモロコシ葉プロトプラスト細胞を形質転換した。

上記実施例2で述べたように、PEGベースの形質転換法を使って、トウモロコシ葉プロトプラストを形質転換した。両CP4の測定は、ELISAベースのアッセイを使って行った。百万分率(ppm)で表したCP4タンパク質発現の平均レベルを下記表31および表32に示す。

1つ目の一連の実験では、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)から構成されるアンプリコンによって駆動されるCP4の発現を、形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラストにおいてアッセイし、構成的対照EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)およびEXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)によって駆動されるCP4発現レベルと比較した。 百万分率(ppm)として表したCP4タンパク質発現の平均レベルを、下記表31に示す。 [表31]トウモロコシ葉プロトプラストにおける平均CP4タンパク質発現

上記表31からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)は、CP4発現を駆動することができた。一つの例外EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)を除く全てのEXP配列が、構成的対照EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)よりはるかに高いレベルのCP4発現レベルを駆動した。発現レベルは、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)のレベルより低かった。

2つ目の一連の実験では、EXP配列EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)から構成されるアンプリコンによって駆動されるCP4の発現を、形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラストにおいてアッセイし、構成的対照EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)によって駆動されるCP4発現レベルと比較した。百万分率(ppm)として表したCP4タンパク質発現の平均レベルを、下記表32に示す。 [表32]トウモロコシ葉プロトプラストにおける平均CP4タンパク質発現

上記表32からわかるように、EXP配列EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)は、CP4発現を駆動することができた。3つのEXP配列によって駆動される発現レベルはいずれも、構成的対照EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)のものより高かった。

実施例8:コムギプロトプラストにおけるCP4を駆動する調節要素の解析 この実施例では、コムギ葉プロトプラストにおけるCP4発現を駆動するEXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)およびEXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)の能力を例証する。当技術分野において知られている方法を使って、また上記実施例2および実施例5で述べたように、これらのEXP配列を、植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。

CP4またはGFPのどちらか一方を駆動する既知の構成的調節要素を持つ3つの対照プラスミド(既述のpMON30098、pMON42410、ならびにAgrobacterium tumefaciens由来の右境界領域を、T-AGRtu.nos-1:1:13の5'側に作動的に連結されたプラスチド標的グリホサート耐性コード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたEXP-Os.Act1+CaMV.35S.2xA1-B3+Os.Act1:1:1(配列番号138)および左境界領域(B-AGRtu.left border)と共に含むpMON43647)を、実施例5で概説したように構築した。

1アッセイあたり1.5×105個のプロトプラスト細胞を使用した点以外は上記の実施例で述べたようにして、PEGベースの形質転換法を使って、コムギ葉プロトプラストを形質転換した。ルシフェラーゼおよびCP4導入遺伝子発現のアッセイは、上記実施例6で述べたように行った。CP4 ELISAによって決定された平均CP4発現レベルを下記表34に提示する。 [表34]コムギ葉プロトプラスト細胞における平均CP4タンパク質発現

上記EXP配列および既知の構成的EXP配列EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1によって駆動されるコムギプロトプラストにおけるCP4発現の総量は、トウモロコシプロトプラストと比較して、コムギプロトプラストでは、異なるレベルのCP4発現を示した。

いくつかのEXP配列は、コムギプロトプラストにおいて、既知の構成的EXP配列EXP-Os.Act1+CaMV.35S.2xA1-B3+Os.Act1:1:1およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1より低レベルのCP4発現を駆動した。2つのEXP配列、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)およびEXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)は、このアッセイでは、コムギプロトプラストにおいて、既知の構成的EXP配列より高レベルのCP4発現を与える。EXP-Zm.UbqM1:1:2は、最も高レベルなCP4の発現を駆動し、発現レベルは、EXP-Os.Act1+CaMV.35S.2xA1-B3+Os.Act1:1:1およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1より、それぞれ2.2倍〜3.4倍高かった。アッセイした全てのEXP配列が、コムギ細胞においてCP4の発現を駆動する能力を示した。

実施例9:CP4導入遺伝子カセットアンプリコンを使ったコムギプロトプラストにおけるCP4を駆動する調節要素の解析 この実施例では、コムギプロトプラストにおけるグリホサート耐性遺伝子CP4の発現を駆動するEXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)、EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)の能力を例証する。これらのEXP配列を植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。結果として得られた植物発現ベクターを、T-AGRtu.nos-1:1:13 3'UTRの5'側に作動的に連結されたプラスチド標的グリホサート耐性EPSPSコード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたユビキチンEXP配列、およびA. tumefaciens由来の左境界領域から構成される導入遺伝子カセットアンプリコンを作製するための増幅テンプレートとして使用した。その結果得られたアンプリコンを使って、トウモロコシ葉プロトプラスト細胞を形質転換した。

上記実施例2で述べたように、PEGベースの形質転換法を使ってコムギ葉プロトプラストを形質転換した。両CP4の測定は、ELISAベースのアッセイを使って行った。百万分率(ppm)で表したCP4タンパク質発現の平均レベルを下記表35および表36に示す。

1つ目の一連の実験では、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)から構成されるアンプリコンによって駆動されるCP4の発現を、形質転換されたコムギ葉プロトプラストにおいてアッセイし、構成的対照EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)およびEXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)によって駆動されるCP4発現レベルと比較した。百万分率(ppm)で表したCP4タンパク質発現の平均レベルを下記表35に示す。 [表35]コムギ葉プロトプラストにおける平均CP4タンパク質発現

上記表31からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)は、CP4発現を駆動することができた。一つの例外EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)を除く全てのEXP配列が、構成的対照EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)よりはるかに高レベルのCP4発現を駆動した。大半のEXP配列では、発現レベルが、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)の発現レベルと同じ程度のレベルか、それより低かった。

2つ目の一連の実験では、EXP配列EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)から構成されるアンプリコンによって駆動されるCP4の発現を、形質転換されたコムギ葉プロトプラストにおいてアッセイし、構成的対照EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)によって駆動されるCP4発現レベルと比較した。百万分率(ppm)で表したCP4タンパク質発現の平均レベルを下記表32に示す。 [表36]コムギ葉プロトプラストにおける平均CP4タンパク質発現

上記表36からわかるように、EXP配列EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)は、CP4発現を駆動することができた。3つのEXP配列によって駆動される発現レベルはいずれも、構成的対照EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)より高かった。

実施例10:サトウキビプロトプラストにおけるCP4を駆動する調節要素の解析 この実施例では、サトウキビ葉プロトプラストにおけるCP4の発現を駆動するEXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)、EXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)およびEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)の能力を例証する。EXP配列を植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。その結果得られたベクターは、Agrobacterium tumefaciens由来の右境界領域、T-AGRtu.nos-1:1:13(配列番号127)またはT-CaMV.35S-1:1:1(配列番号140)3'UTRの5'側に作動的に連結されたプラスチド標的グリホサート耐性EPSPSコード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたユビキチンEXP配列、およびA. tumefaciens由来の左境界領域(B-AGRtu.left border)を含有した。得られたプラスミドコンストラクトを使用し、PEG形質転換法を使って、サトウキビ葉プロトプラスト細胞を形質転換した。

プラスミドコンストラクトpMON129203、pMON12904、pMON12905、pMON129210、pMON129211、pMON129212、pMON129200、pMON129201、pMON129202、pMON129219、およびpMON129218は、上記表12に記載したとおりである。

CP4を駆動する既知の構成的調節要素を持つ3つの対照プラスミド(上述のpMON30167;同様にEXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)を含むpMON130803;およびEXP-P-CaMV.35S-enh-1:1:13/L-CaMV.35S-1:1:2/I-Os.Act1-1:1:19(配列番号139)を含むpMON132804)を構築し、それを使って、下記表37に列挙するユビキチンEXP配列によって駆動される相対的CP4発現レベルを比較した。

PEGベースの形質転換法を使ってサトウキビ葉プロトプラストを形質転換した。CP4 ELISAによって決定された平均CP4発現レベルを下記表37に提示する。 [表37]サトウキビ葉プロトプラスト細胞における平均CP4タンパク質発現

上記表37からわかるように、EXP配列は、サトウキビプロトプラストにおいてCP4発現を駆動する能力を示した。発現のレベルは、EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)によって駆動されるCP4発現のレベルと類似しているか、またはそれより高かった。一つのEXP配列、EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)は、サトウキビプロトプラストにおいて、EXP-P-CaMV.35S-enh-1:1:13/L-CaMV.35S-1:1:2/I-Os.Act1-1:1:19(配列番号139)と比較して、より高い発現レベルを示した。

実施例11:CP4導入遺伝子カセットアンプリコンを使ったサトウキビプロトプラストにおけるCP4を駆動する調節要素の解析 この実施例では、サトウキビプロトプラストにおけるグリホサート耐性遺伝子CP4の発現を駆動するEXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)の能力を例証する。これらのEXP配列を植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。その結果得られた植物発現ベクターを、T-AGRtu.nos-1:1:13 3'UTRの5'側に作動的に連結されたプラスチド標的グリホサート耐性EPSPSコード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたユビキチンEXP配列、およびA. tumefaciens由来の左境界領域から構成される導入遺伝子カセットアンプリコンを作製するための増幅テンプレートとして使用した。得られたアンプリコンを使ってサトウキビ葉プロトプラスト細胞を形質転換した。

上記実施例2で述べたように、PEGベースの形質転換法を使って、サトウキビ葉プロトプラストを形質転換した。両CP4の測定は、ELISAベースのアッセイを使って行った。

EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)から構成されるアンプリコンによって駆動されるCP4の発現を、形質転換されたコムギ葉プロトプラストにおいてアッセイし、構成的対照EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)およびEXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)によって駆動されるCP4発現レベルと比較した。百万分率(ppm)で表したCP4タンパク質発現の平均レベルを下記表38に示す。 [表38]サトウキビ葉プロトプラストにおける平均CP4タンパク質発現

上記表38からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)およびEXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)は、CP4発現を駆動することができた。EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)は、このアッセイではCP4を発現させないようだった。

実施例12:トランスジェニックトウモロコシにおけるGUSを駆動する調節要素の解析 トウモロコシ植物を、β-グルクロニダーゼ(GUS)導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターで形質転換し、その結果生じた植物をGUSタンパク質発現について解析した。当技術分野において知られている方法を使ってユビキチンEXP配列を植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。

その結果得られた植物発現ベクターは、A. tumefaciens由来の右境界領域、イネ脂質輸送タンパク質遺伝子由来の3'UTR(T-Os.LTP-1:1:1、配列番号141)の5'側に作動的に連結された、上述のプロセシング可能なイントロンを有するβ-グルクロニダーゼ(GUS)のコード配列GUS-2に作動的に連結されたEXP配列をアッセイするための第1導入遺伝子カセット;除草剤グリホサートに対する耐性を付与する、形質転換された植物細胞の選択に使用される第2導入遺伝子選択カセット(イネアクチン1プロモーターによって駆動される)、およびA. tumefaciens由来の左境界領域を含有する。得られたプラスミドを使って、トウモロコシ植物を形質転換した。表39に、表1にも記載したプラスミドの名称、EXP配列および配列番号を列挙する。 [表39]バイナリー植物形質転換プラスミドおよび関連EXP配列

例えば米国特許出願公開第20090138985号に記載されているように、Agrobacteriumによる形質転換を使って、植物を形質転換した。

形質転換された植物の定性的発現解析には、組織化学的GUS解析を使用した。全組織切片をGUS染色溶液X-Gluc(5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-b-グルクロニド)(1ミリグラム/ミリリットル)と共に適当な時間にわたってインキュベートし、すすぎ、青い着色について目視検査した。選ばれた植物器官および組織を使って、直接的な目視検査または顕微鏡下の検査により、GUS活性を定性的に決定した。R0植物は、根および葉、ならびに受粉後21日(21DAP)の葯、絹糸および登熟中の種子と胚における発現について検査する。

定量的解析のために、形質転換されたトウモロコシ植物の選ばれた組織から総タンパク質を抽出した。1マイクログラムの総タンパク質を、蛍光原性基質4-メチルウンベリフェリル-β-D-グルクロニド(MUG)と共に、50マイクロリットルの総反応体積中で使用した。反応生成物4-メチルウンベリフェロン(4-MU)は、ヒドロキシル基がイオン化している高pHにおいて、蛍光性が最も大きくなる。炭酸ナトリウムの塩基性溶液の添加は、アッセイを停止させると同時に、pHを蛍光生成物の定量用に調節する。蛍光は、励起波長365nm、蛍光波長445nmで、Fluoromax-3(堀場;日本国京都)とMicromax Readerとを使って、スリット幅を励起2nmおよび蛍光3nmに設定して測定した。

各形質転換について観察された平均R0 GUS発現を下記表40および表41に提示する。pMON131957(EXP-SETit.Ubq1:1:11、配列番号125)で形質転換された形質転換体で行ったR0 GUSアッセイは、品質基準を満たさなかった。これらの形質転換体はF1世代でアッセイし、この実施例ではさらに下に提示する。 [表40]根および葉組織における平均R0 GUS発現

[表41]トウモロコシ生殖器官(葯、絹糸)ならびに登熟種子(胚および内乳)における平均R0 GUS発現

R0トウモロコシ植物では、葉および根におけるGUS発現レベルは、ユビキチンEXP配列間で異なった。EXP配列はいずれも、安定に形質転換された植物におけるGUS導入遺伝子発現を駆動する能力を示したが、各EXP配列は、互いにユニークな発現パターンを示した。例えば、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)およびEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)については、高レベルのGUS発現が、根発生の初期(V4およびV7)において観察され、VT期までに減退した。EXP-Zm.UbqM1:1:10(配列番号139)によって駆動される根発現は、V3では発現を示さなかったが、V7では高く、VT期までに低下した。EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)によって駆動される根発現は、V3期、V7期からVT期に至る発生の間ずっと類似するレベルに維持された。EXP-Cl.Ubq1:1:12(配列番号90)、EXP-Cl.Ubq1:1:11(配列番号95)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)で形質転換された植物では、根発現は、発生初期(V3/V4)からV7期まで増加した後、V7期からV8期にかけて低下することが観察された。GUS発現レベルは、葉組織でも同様に劇的な相違を示した。最も高レベルの葉発現は、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)およびEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)により、発生初期(V3/V4)に付与され、V7期からVT期にかけては、それが減退する。EXP-Zm.UbqM1:1:10(配列番号139)、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)、EXP-Zm.UbqM1:1:12(配列番号143)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)を使用すると、GUS発現はV3期からVT期まで保たれ;EXP-SETit.Ubq1:1:10(配列番号119)およびEXP-Sb.Ubq6:1:3(配列番号155)を使用した場合も、程度は低いものの、保たれる。EXP-Cl.Ubq1:1:12(配列番号90)、EXP-Cl.Ubq1:1:11(配列番号95)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)を使用すると、葉における発現は、V3期からV7〜VT期まで増加したが、EXP-Sv.Ubq1:1:12(配列番号136)およびEXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)を使用した場合は、V3からVT期まで発現は減退した。

同様に、生殖組織(葯および絹糸)ならびに登熟種子(21DAPの胚および内乳)についても、各EXP配列にユニークな異なる発現パターンが観察された。例えば、葯および絹糸ならびに登熟種子には、EXP-Zm.UbqM1:1:10(配列番号139)、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)、EXP-Zm.UbqM1:1:12(配列番号143)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)を使用した場合に、高レベルの発現が観察された。EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)およびEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)を使用した場合、発現は、葯および絹糸では高かったが、登熟種子では低かった。EXP-Sb.Ubq7:1:2(配列番号157)によって駆動される発現は、生殖組織では高く、登熟胚でも高かったが、登熟内乳では低かった。EXP配列、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)は、葯だけで発現を示し、絹糸では発現を示さず、登熟種子では、はるかに弱い発現だった。EXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)は、生殖組織および登熟種子については、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)と類似するパターンを示したが、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)が根および葉組織における発現を示したのに対して、EXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)では、これらと同じ組織における発現が、はるかに低かった。

種子のF1またはR1集団を作出するために、単コピー挿入について選択したR0世代の形質転換体を、非トランスジェニックLH244系統と交配するか(F1をもたらす)、または自家受粉させた(R1をもたらす)。どちらの場合も、ヘテロ接合型F1またはR1植物を研究用に選択した。先に述べたように発生の過程を通して、GUS発現レベルを、選択した組織で測定した。この研究に使用したF1またはR1組織には、発芽後4日(4DAG)の吸水種子胚、吸水種子内乳、根および子葉鞘(coleoptide);V3期の葉および根;V8期の根および成熟葉;根、成熟葉、VT期(タッセリング時、生殖前)の葯、花粉、葉 および老化葉;R1穂軸、絹糸、根および節間;受粉後12日(12DAP)の穀粒ならびに;21DAPおよび38DAPの胚および内乳を含めた。pMON132037(EXP-SETit.Ubq1:1:10、配列番号119)、pMON131957(EXP-SETit.Ubq1:1:11、配列番号125)、pMON131958(EXP-Sv.Ubq1:1:11、配列番号130)およびpMON132974(EXP-Sb.Ubq7:1:2、配列番号157)を含む形質転換体については、渇水および寒冷ストレスの条件に曝したF1植物でも、選ばれた組織試料を解析した。V3根および葉組織を、寒冷および渇水曝露後にサンプリングした。

pMON132037(EXP-SETit.Ubq1:1:10、配列番号119)、pMON131957(EXP-SETit.Ubq1:1:11、配列番号125)、pMON131958(EXP-Sv.Ubq1:1:11、配列番号130)およびpMON132974(EXP-Sb.Ubq7:1:2、配列番号157)で形質転換されたF1V3植物において、灌水を4日間差し控えて、含水量を、十分に灌水された植物の元の含水量の少なくとも50%は減少させることによって、渇水ストレスを誘導した。渇水プロトコールは、基本的に次のステップから構成された。V3期植物の水を枯渇させた。トウモロコシ植物が渇水を感じると、葉の形状は、通常の健常な開いた外観から、中肋維管束での折りたたみを示して葉頂から茎に向かって見た場合にV字状の外観を呈する葉へと変化するであろう。この形態上の変化は通常、灌水の停止から約2日後までに始まり、灌水停止前の鉢の重量と無灌水植物において巻葉形態が観察された時の鉢の重量とによって測定すると、50%前後の水分喪失を伴うことが、初期の実験において示された。植物は、葉が、葉の内向きの弯曲(V字状)からわかるようにしおれを示した場合に、渇水条件下にあるとみなした。このレベルのストレスは亜致死性ストレスの一形態であるとみなされる。ひとたび各植物が上に定義した渇水誘導を示したら、その植物を破壊して、根試料と葉試料の両方を獲得した。

調節要素がGUSの寒冷誘導性発現を示すかどうかを決定するために、渇水に加えて、pMON132037(EXP-SETit.Ubq1:1:10、配列番号119)、pMON131957(EXP-SETit.Ubq1:1:11、配列番号125)、pMON131958(EXP-Sv.Ubq1:1:11、配列番号130)およびpMON132974(EXP-Sb.Ubq7:1:2、配列番号157)で形質転換されたF1V3期植物を、寒冷条件にもさらした。植物全体をV3期における寒冷ストレス下でのGUS発現の誘導についてアッセイした。V3期トウモロコシ植物をグロースチャンバーにおいて24時間、12℃の温度にさらした。グロースチャンバー中の植物は、800マイクロモル/平方メートル/秒の白色光フルエンス下、白色光10時間および暗所14時間の光サイクルで成長させた。寒冷曝露後に、GUS発現定量用に葉および根組織をサンプリングした。

GUS発現を上述のように測定した。各組織試料について決定された平均F1 GUS発現を下記表42および表43に提示する。 [表42]pMON142864およびpMON142865で形質転換された植物における平均F1GUS発現

[表43]pMON132037、pMON131957、pMON131958およびpMON132974で形質転換された植物における平均F1GUS発現

F1トウモロコシ植物では、サンプリングしたさまざまな組織におけるGUS発現レベルが、ユビキチンEXP配列間で異なった。全てのEXP配列が、安定に形質転換されたF1トウモロコシ植物においてGUS導入遺伝子発現を駆動する能力を示したが、各EXP配列は互いにユニークな発現パターンを示した。例えばR1根発現は、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)では、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)の約2倍だった。38DAPの登熟種子胚におけるGUS発現は、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)ではEXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)より、ほとんど3倍高い。対照的に、V3およびV8期における葉および根発現は、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)でもEXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)でもほぼ同じである。

吸水種子(胚および内乳組織)におけるF1 GUS発現は、EXP-Sb.Ubq7:1:2(配列番号157)で形質転換された植物の方が、EXP-SETit.Ubq1:1:10(配列番号119)、EXP-SETit.Ubq1:1:11(配列番号125)およびEXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)で形質転換されたものより、はるかに高かった。渇水は、EXP-SETit.Ubq1:1:10(配列番号119)、EXP-SETit.Ubq1:1:11(配列番号125)、EXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)およびEXP-Sb.Ubq7:1:2(配列番号157)で形質転換された植物においてV3根発現の増加を引き起こしたが、葉発現の増加は、EXP-SETit.Ubq1:1:11(配列番号125)、EXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)およびEXP-Sb.Ubq7:1:2(配列番号157)で形質転換された植物だけで起こった。渇水が強化するV3発現は、EXP-SETit.Ubq1:1:11(配列番号125)を使った場合に最大だった。花粉発現も、EXP-Sb.Ubq7:1:2(配列番号157)で形質転換された植物の方が、EXP-SETit.Ubq1:1:10(配列番号119)、EXP-SETit.Ubq1:1:11(配列番号125)およびEXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)で形質転換されたものよりはるかに高かった。R1節間における発現は、EXP-SETit.Ubq1:1:10(配列番号119)およびEXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)で最大であり、EXP-SETit.Ubq1:1:11(配列番号125)で形質転換された植物では最低だった。

各EXP配列は、安定に形質転換されたトウモロコシ植物において導入遺伝子発現を駆動する能力を示した。しかし各EXP配列は組織ごとにユニークな発現パターンを有し、所望の結果を達成するために必要な組織発現戦略に応じて特定導入遺伝子の発現を最もよくもたらすであろうEXP発現を選択する機会を与える。この実施例は、相同遺伝子から単離されたEXP配列が形質転換植物において必ずしも等価に挙動しないこと、および発現は、各EXP配列に関する性質の実験的調査によって決定するしかなく、それが由来するプロモーターの遺伝子相同性に基づいて予測することはできないことを実証している。

実施例13:トランスジェニックトウモロコシにおけるCP4を駆動する調節要素の解析 CP4導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターでトウモロコシ植物を形質転換し、その結果得られた植物をCP4タンパク質発現について解析した。

EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)およびEXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)を植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。その結果得られたベクターは、Agrobacterium tumefaciens由来の右境界領域、T-AGRtu.nos-1:1:13(配列番号127)3'UTRの5'側に作動的に連結されたプラスチド標的グリホサート耐性EPSPSコード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたユビキチンEXP配列、およびA. tumefaciens由来の左境界領域を含有した。下記表44に、トウモロコシを形質転換するために使用したプラスミドコンストラクトと、対応するEXP配列を示す。 [表44]トウモロコシを形質転換するために使用したCP4プラスミドコンストラクトおよび対応するEXP配列

得られたプラスミドを使ってトウモロコシ植物を形質転換した。形質転換された植物を、1コピーまたは2コピーの挿入T-DNAについて選択し、温室で成長させた。選ばれた組織を特定の発生段階においてR0形質転換植物からサンプリングし、CP4 ELISAアッセイを使って、それらの組織におけるCP4タンパク質レベルを測定した。各形質転換について観察された平均CP4発現を、下記表45および表46に提示し、図7に図示する。 [表45]R0形質転換トウモロコシ植物における平均葉および根CP4発現

[表46]R0形質転換トウモロコシ植物の生殖組織および登熟種子における平均CP4発現

表45および表46からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)およびEXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)は、それぞれ、R0形質転換植物からサンプリングされた全ての組織においてCP4発現を駆動することができた。CP4を駆動するEXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)およびEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)を含む形質転換体の根および葉におけるCP4の発現が、CP4を駆動するEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)より高いことは、これらの形質転換体の集団で観察されるグリホサート施用に対する栄養耐性(vegetative tolerance)のレベルに関係づけることができる(下記実施例14参照)。

各EXP配列は、サンプリングした各組織ごとに、発現のレベルに関してユニークな発現パターンを示した。例えば、葉、根および雄穂におけるCP4発現は、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)およびEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)については類似しており、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)を使った絹糸における発現は、ERIra.Ubq1:1:8(配列番号21)によって駆動される発現の半分だった。これは、構成的発現が望まれるが絹糸組織での発現は少ないことが好ましい導入遺伝子の発現にとっては、有利であるかもしれない。EXP配列は、R0形質転換トウモロコシ植物において、ユニークなCP4構成的発現パターンを示す。

F1種子を作るために、R0形質転換トウモロコシ植物を非トランスジェニックLH244品種と交配した。その結果得られたF1世代種子を、導入遺伝子カセットの分離について解析し、CP4カセットについてヘテロ接合の植物をCP4発現の分析のために選択した。種子を温室で成長させ、植物の群を2つ作り、一方の群にはグリホサートを散布し、他方には散布しなかった。選ばれた組織におけるCP4の発現を、ELISAに基づく標準的アッセイを使って解析した。平均CP4発現を下記表47および表48に示す。 [表47]F1形質転換トウモロコシ植物における平均CP4発現

上記表47からわかるように、葉および根におけるCP4発現は、pMON141619(EXP-ANDge.Ubq1:1:8、配列番号5)およびpMON142862(EXP-ERIra.Ubq1:1:8、配列番号27)で形質転換されたF1形質転換体の方が、pMON129221(EXP-Cl.Ubq1:1:10、配列番号98)で形質転換されたものより高かった。葯組織における発現は3つのEXP配列の全てで類似していたが、絹糸における発現はEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)を使った場合が最も高かった。登熟胚(21DAP)における発現は、CP4を駆動するEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)およびEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)を含む形質転換体が最も高かった。登熟内乳における発現は、CP4を駆動するEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)を含む形質転換体の方が高かった [表48]F1形質転換トウモロコシ植物における平均CP4発現

上記表47〜48からわかるように、CP4発現は、pMON129205(EXP-Sv.Ubq1:1:9、配列番号133)で形質転換されたF1形質転換体の全ての組織において、pMON141619(EXP-ANDge.Ubq1:1:8、配列番号8)、pMON142862(EXP-ERIra.Ubq1:1:8、配列番号27)およびpMON129221(EXP-Cl.Ubq1:1:10、配列番号98)で形質転換されたものより低かった。

アッセイしたEXP配列のそれぞれによって付与されるユニークな発現パターンは、最適な成績または有効性が得られるように導入遺伝子発現をわずかに調節する目的で発現を微調整することが可能なトランスジェニック植物を作出する機会を与える。また、異なる導入遺伝子発現を駆動するこれらのEXP配列の実験的試験は、一つの特定EXP配列が、ある特別な導入遺伝子またはある特別な導入遺伝子クラスの発現にとっては最も適切であり、同時に、異なる導入遺伝子または導入遺伝子クラスにとっては別のEXP配列が最適であることが見いだされるという結果をもたらしうる。

実施例14:R0トランスジェニックトウモロコシ植物における発育グリホサート耐性の解析 CP4導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターでトウモロコシ植物を形質転換し、その結果得られた植物を、グリホサート施用に対する栄養耐性および生殖耐性(reproductive tolerance)について評価した。

pMON141619、pMON142862、pMON129221、pMON129205およびpMON129212で形質転換されていて、CP4を駆動するEXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)およびEXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)をそれぞれ含む、上記実施例13で述べたF1形質転換トウモロコシ植物を、グリホサートを散布した時の栄養耐性と生殖耐性の両方について評価した。各事象につき10個のF1植物を2つの群、すなわち発生のV4期およびV8期においてグリホサート散布を受ける5つの植物からなる一群と、散布を受けない5つの植物からなるもう一つの群(すなわち対照)とに分割した。グリホサートは、Roundup WeatherMax(登録商標)を用いる散播葉面散布施用により、1.5a.e./エーカー(a.e.;酸当量)の施用量で施用した。7〜10日後に各植物の葉を損傷について評価した。栄養耐性(表49のVeg Tol)は、各事象について非散布植物と散布植物とを比較することで評価し、栄養耐性(T=耐性、NT=非耐性)に関する最終的な評価が得られるように、損傷評価尺度を使用した。 加えて、各事象における全ての植物について、結実をアッセイした。対照植物と散布植物の間で結実測定結果を比較し、対照と比較した散布植物の結実率に基づいて、各事象について、生殖耐性(表49のRepro Tol)の割り当てを行った(T=耐性、NT=非耐性)。下記表49に、V4期およびV8期において散布した各事象に関して、栄養耐性評価および生殖耐性評価を示す。文字「T」は耐性を意味し、「NT」は非耐性を意味する。 [表49]V4期およびV8期における個々の形質転換トウモロコシ事象の葉損傷評価

上記表49によれば、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)およびEXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)を含むCP4導入遺伝子カセットを含む、アッセイした形質転換事象は全て、損傷評価がスコア10を越えることがないことから、完全な栄養耐性を示した。EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)を含む9つの事象のうちの4つおよびEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)を含む9つの事象のうちの6つが、グリホサート施用に対して栄養的にも生殖的にも耐性であった。対照的に、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)を含むイベントは、栄養的に耐性であるか、生殖的に耐性であるかのどちらか一方であり、両方ではなかった。EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)を含む事象は1つだけが栄養耐性を示し、試験した事象に生殖耐性であるものはなかった。EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)を含む事象は全てが栄養耐性を示したが、生殖耐性の評価はまだ進行中である。

実施例15:異なる3'端イントロン/エクソンスプライスジャンクション配列を用いた発現の解析 発現が配列のわずかな変化による影響をうけるかどうかを見るために、同じプロモーターおよびリーダーを含むが、イントロン/エクソンスプライスジャンクション配列5'-AG-3'後の3'端ヌクレオチドが異なっているGUS発現を駆動するEXP配列を含む植物発現コンストラクトで、トウモロコシおよびコムギの葉プロトプラスト細胞を形質転換した。発現を2つの構成的対照プラスミドの発現とも比較した。

GUS発現カセットを含む植物発現コンストラクトを構築する。その結果得られるベクターは、T-AGRtu.nos-1:1:13(配列番号127)3'UTRの5'側に作動的に連結されているGUSコード配列の5'側に作動的に連結されたイントロン/エクソンスプライスジャンクション5'-AG-3'配列の直後の最も3'端にそれぞれ異なるヌクレオチドを含む下記表50に示すイントロン要素の5'側に作動的に連結されたリーダー配列L-Cl.Ubq1-1:1:1(配列番号81)の5'側に作動的に連結されたCoix lacryma-jobiユビキチンプロモーターP-Cl.Ubq1-1:1:1(配列番号80)から構成される。下記表50に、植物発現コンストラクトおよび対応する3'端配列を示す。 [表50]植物発現コンストラクト、イントロンおよびイントロン/エクソンスプライスジャンクション配列5'-AG-3'後の3'端配列

トウモロコシとコムギのプロトプラストを上述のように形質転換し、GUSおよびルシフェラーゼ発現についてアッセイした。下記表51に、トウモロコシプロトプラスト発現とコムギプロトプラスト発現の両方について、平均GUSおよびRLuc値を示す。 [表51]トウモロコシプロトプラスト細胞およびコムギプロトプラスト細胞に関する平均GUSおよびRLuc値

上記表46からの各Coix lacryma-jobiユビキチンEXP配列に関するGUS/RLuc値を使って、2つの構成的対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)に対して発現を標準化し、下記表52に提示する。 [表52]EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)に対して標準化されたCoix lacryma-jobiユビキチンEXP配列の発現値

上記表52に示すように、Coix lacryma-jobiユビキチンEXP配列のそれぞれは、トウモロコシでもコムギでも、どちらの構成的対照よりも高い発現を与えた。トウモロコシプロトプラストにおける発現は、ハトムギユビキチンEXP配列の全てについて、比較的類似していた。コムギにおける発現は、もう少し多様だった。イントロン/エクソンスプライスジャンクション配列5'-AG-3'後に異なる3'端ヌクレオチドを使用しても、EXP-Cl.Ubq1:1:20(配列番号102)によって駆動されるGUSの発現を除けば、GUSの発現に劇的な影響はないようだった。EXP-Cl.Ubq1:1:20は、イントロン/エクソンスプライスジャンクション5'-AG-3'配列に続けて3'端ヌクレオチド配列5'-GAC-3'を含み、他のハトムギユビキチンEXP配列と比較すると、発現をわずかに低下させた。結果として生じるスプライシングされたメッセンジャーRNAの評価により、GUS発現を駆動するためにEXP-Cl.Ubq1:1:20(配列番号102)を使って発現させたmRNAの約10%は、不適正にスプライシングされることが示された。他のハトムギユビキチンEXP配列を使ったGUS発現に起因するmRNAは、適切にプロセシングされるようだった。この実験は、表2に提示したイントロン変異体のいずれについても、イントロン要素I-Cl.Ubq1-1:1:9(配列番号103)だけに付随して見いだされる3'端配列5'-GAC-3'を除けば、どの3'端ヌクレオチドでも、導入遺伝子発現カセットにおける使用に適しており、活性およびプロセシングの有意な喪失を伴わないはずであることの証拠になる。

実施例16:調節要素由来のエンハンサー エンハンサーは、ここに提供されるプロモーター要素、例えば配列番号2、6、9、11、13、15、17、19、23、26、28、30、32、34、38、40、42、46、50、56、60、64、66、70、74、76、78、80、84、86、88、91、96および135として提示されるものに由来する。エンハンサー要素は、プロモーター要素の5'または3'側に作動的に連結されるか、またはプロモーターに作動的に連結されている追加のエンハンサー要素の5'または3'側に作動的に連結された場合に、導入遺伝子の発現を強化または調整するか、特異的細胞タイプまたは植物器官における導入遺伝子の発現、または発生中および概日リズム中の特定の時点における導入遺伝子の発現をもたらすことができる、1つ以上のシス調節要素から構成されうる。 転写がここで提供される上述のプロモーター(そのフラグメントを含む)から開始されることを可能にするTATAボックスまたは機能的に類似する要素およびあらゆる下流配列を、プロモーターから除去することにより、TATAボックスまたは機能的に類似する要素およびTATAボックスの下流にある配列が除去されているエンハンサーが作られる。プロモーター要素に由来するエンハンサーを実証するために、プロモーター要素P-Cl.Ubq1-1:1:1に由来するエンハンサー要素E-Cl.Ubq1-1:1:1(配列番号89)をここに提供する。

エンハンサー要素を、ここに提供されるプロモーター要素から引き出して、当技術分野において知られている方法を使って、プロモーター要素の5'または3'側に作動的に連結されるか、プロモーターに作動的に連結されている追加のエンハンサー要素の5'または3'に作動的に連結されるように、クローニングすることができる。あるいは、当技術分野において知られている方法を使って、プロモーター要素の5'または3'側に作動的に連結されているかプロモーターに作動的に連結されている追加のエンハンサー要素の5'または3'側に作動的に連結されている1コピー以上のエンハンサー要素に作動的に連結されるように、エンハンサー要素をクローニングする。エンハンサー要素は、異なる属の生物に由来するプロモーター要素の5'または3'側に作動的に連結されるか、同じまたは異なる属の生物に由来するプロモーターに作動的に連結されている他の属の生物または同じ属の生物に由来する追加エンハンサー要素の5'または3'側に作動的に連結されるように、クローニングすることで、キメラ調節要素を得ることもできる。GUS発現植物形質転換ベクターは、先の実施例で述べたコンストラクトと同様に、当技術分野において知られている方法を使って構築され、結果として生じる植物発現ベクターは、A. tumefaciens由来の右境界領域、A. tumefaciens由来のノパリンシンターゼ3'UTR(T-AGRtu.nos-1:1:13、配列番号161)またはイネ脂質輸送タンパク質遺伝子由来の3'UTR(T-Os.LTP-1:1:1、配列番号175)に作動的に連結された、プロセシング可能なイントロンを有するか(GUS-2、配列番号160)またはイントロンを有さない(GUS-1、配列番号159)β-グルクロニダーゼ(GUS)のコード配列に作動的に連結された、Z. maysのHSP70熱ショックタンパク質に由来するイントロン(I-Zm.DnaK-1:1:1、配列番号144)または本明細書に提示する任意のイントロンもしくは他の任意のイントロンに作動的に連結された、調節要素またはキメラ調節要素から構成される調節要素またはキメラ調節要素を試験するための第1導入遺伝子カセット;除草剤グリホサートに対する耐性を付与するか(イネアクチン1プロモーターによって駆動されるもの)、あるいは抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与する(イネアクチン1プロモーターによって駆動されるもの)、形質転換植物細胞の選択に使用される第2導入遺伝子選択カセット、ならびにA. tumefaciens由来の左境界領域を含有する。結果として得られるプラスミドを使用して、上述の方法によって、または当技術分野において知られている他のAgrobacteriumによる方法もしくはパーティクルボンバードメント法によって、トウモロコシ植物または他の属の植物を形質転換する。あるいは、一過性アッセイを行うために、トウモロコシまたは他の属の植物に由来するプロトプラスト細胞を、当技術分野において知られている方法を使って形質転換する。

導入遺伝子の発現に対するエンハンサー要素の効果を決定するために、1つ以上のエンハンサーを含む調節要素によって駆動されるGUS発現を、安定または一過性植物アッセイにおいて評価する。1つ以上のエンハンサー要素への修飾または1つ以上のエンハンサー要素の重複を経験的実験と、その結果得られる、各調節要素組成を使って観察される遺伝子発現調節とに基づいて行う。結果として得られる調節要素またはキメラ調節要素における1つ以上のエンハンサーの相対的位置の改変は、調節要素またはキメラ調節要素の転写活性または特異性に影響を及ぼす可能性があり、トウモロコシ植物または他の属の植物内での望ましい導入遺伝子発現プロファイルにとって最善のエンハンサーを同定するために、実験的に決定される。

実施例17:植物由来のプロトプラストを使ったGUS活性のイントロン強化の解析 導入遺伝子の最適な発現のためのイントロンとベクターT-DNA要素配置内での構成とを実験的に選択するために、実験と、イントロンなしの発現ベクター対照との比較とに基づいて、イントロンを選択する。例えば、グリホサートへの耐性を付与するCP4などの除草剤耐性遺伝子の発現では、除草剤を散布した場合の収量の喪失を防ぐために、栄養組織だけでなく生殖組織内でも導入遺伝子発現が起こることが望ましい。その場合、イントロンは、構成的プロモーターに作動的に連結された時に、除草剤耐性付与導入遺伝子の発現、特にトランスジェニック植物の生殖細胞および生殖組織内での発現を強化することで、除草剤を散布した場合にトランスジェニック植物に栄養耐性と生殖耐性をどちらも与えるその能力によって選択されるであろう。大半のユビキチン遺伝子では、5'UTRが、そこにイントロン配列が埋め込まれているリーダーから構成される。それゆえに、そのような遺伝子に由来する発現要素は、プロモーター、リーダー、およびイントロンを含む5'UTR全体を使ってアッセイされる。異なる発現プロファイルを達成するために、または導入遺伝子発現レベルを調整するために、そのような発現要素からイントロンを除去し、または異種イントロンで置換することができる。

本明細書において配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182として提示されるイントロンは、ゲノムDNA内のエクソンおよびイントロン配列を同定するために、ゲノムDNAコンティグを使用し、発現配列タグクラスターまたはcDNAコンティグとの比較において同定される。加えて、遺伝子配列が1つ以上のイントロンによって中断されているリーダー配列をコードする条件下では、5'UTRまたはリーダー配列も、1つ以上のイントロンのイントロン/エクソンスプライスジャンクションを明確にするために使用される。イントロンは、当技術分野において知られている方法を使って、例えば図1に提示する2つの導入遺伝子カセットに図示するように、転写調節要素およびリーダーフラグメントの3'側に作動的に連結され、かつ第2のリーダーフラグメントまたはコード配列の5'側に作動的に連結されるように、植物形質転換ベクター中にクローニングされる。

したがって、例えば第1の考えうる導入遺伝子カセット(図8の導入遺伝子カセット構成1)は、3'UTR要素[E]に作動的に連結されているコード領域[D]に作動的に連結された試験イントロン要素[C]の5'側に作動的に連結されたリーダー要素[B]の5'側に作動的に連結されたプロモーターまたはキメラプロモーター要素[A]から構成される。あるいは、第2の考えうる導入遺伝子カセット(図8の導入遺伝子カセット構成2)は、3'UTR要素[K]に作動的に連結されているコード領域[J]に作動的に連結された第2リーダー要素または第1リーダー要素第2フラグメント[I]の5'側に作動的に連結された試験イントロン要素[H]の5'側に作動的に連結された第1リーダー要素または第1リーダー要素フラグメント[G]の5'側に作動的に連結されたプロモーターまたはキメラプロモーター要素[F]から構成される。さらに、第3の考えうる導入遺伝子カセット(図8の導入遺伝子カセット構成3)は、3'UTR要素[Q]に作動的に連結されているコード配列要素の第2フラグメント[P]の5'側に作動的に連結されたイントロン要素[O]の5'側に作動的に連結されたコード配列要素の第1フラグメント[N]の5'側に作動的に連結されたリーダー要素[M]の5'側に作動的に連結されたプロモーターまたはキメラプロモーター要素[L]から構成される。導入遺伝子カセット構成3は、コード配列の第1フラグメントと第2フラグメントの間でフレームシフトが起こることなく完全なオープンリーディングフレームが生成するような形でイントロンのスプライシングが可能になるように設計されている。

配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182として提示されるイントロンの5'端の最初の6ヌクレオチドおよび3'端の最後の6ヌクレオチドは、それぞれ、イントロン/エクソンスプライスジャンクションの前および後のヌクレオチドに相当する。配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182の5'端の第1および第2ヌクレオチド(GT)および3'端の第4および第5ヌクレオチド(AG)が保存されていることで、イントロンのイントロン/エクソンスプライスジャンクションが保存されている限り、これらの短い6ヌクレオチド配列は、例えば、植物形質転換ベクターへのイントロンのクローニングを容易にするために追加の配列(すなわち天然または人工の配列)を付加することによって修飾することができる。上述したとおり、最終転写産物へのメッセンジャーRNAのプロセシング中に望まれない開始コドンが形成される潜在的可能性を排除するために、スプライス部位の5'端(GT)の直前にヌクレオチド配列ATまたはヌクレオチドAを使用することと、スプライス部位の3'端(AG)の直後にヌクレオチドGまたはヌクレオチド配列TGを使用することとは、それぞれ避けることが好ましいだろう。こうして、イントロンの5'または3'端のスプライスジャンクション部位付近の配列は、修飾することができる。

イントロンは、一過性アッセイまたは安定植物アッセイにおいて、発現を強化する能力によって、強化効果についてアッセイされる。イントロン強化の一過性アッセイの場合は、当技術分野において知られている方法を使って、基本植物ベクターを構築する。A. tumefaciens由来のノパリンシンターゼ3'UTR(T-AGRtu.nos-1:1:13、配列番号161)に作動的に連結された、プロセシング可能なイントロンを有する(GUS-2、配列番号160)またはイントロンを有さない(GUS-1、配列番号159)β-グルクロニダーゼ(GUS)のコード配列に作動的に連結された試験イントロン要素(例えば配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182の一つ)の5'側に作動的に連結されたリーダー要素L-CaMV.35S-1:1:15(配列番号177)の5'側に作動的に連結されたカリフラワーモザイクウイルスプロモーターP-CaMV.35S-enh-1:1:9(配列番号176)などの構成的プロモーターから構成される発現カセットを含む基本植物ベクター中に、イントロンをクローニングする。基本植物ベクターおよび先に上記実施例2で述べたルシフェラーゼ対照ベクターで、トウモロコシ組織または他の属の植物組織に由来するプロトプラスト細胞を形質転換し、活性をアッセイする。発現を強化するイントロンの相対的能力を比較するために、GUS値をルシフェラーゼ活性に対するGUSの比として表し、これらのレベルを、例えばZea maysのHSP70熱ショックタンパク質に由来するイントロンI-Zm.DnaK-1:1:1(配列番号178)などの既知のイントロン標準に作動的に連結された構成的プロモーターを含むコンストラクトならびに構成的プロモーターを含むがプロモーターに作動的に連結されたイントロンを含まないコンストラクトによって付与されるレベルと比較する。

配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182として提示されるイントロンの安定植物アッセイの場合は、先の実施例で述べたコンストラクトと同様に、GUS発現植物形質転換ベクターが構築され、その結果得られる植物発現ベクターは、A. tumefaciens由来の右境界領域、A. tumefaciens由来のノパリンシンターゼ3'UTR(T-AGRtu.nos-1:1:13、配列番号161)に作動的に連結されたプロセシング可能なイントロンを有する(GUS-2、配列番号160)またはイントロンを有さない(GUS-1、配列番号158)β-グルクロニダーゼ(GUS)のコード配列に作動的に連結された、ここに提供される試験イントロン要素の5'側に作動的に連結されたリーダー要素L-CaMV.35S-1:1:15(配列番号177)の5'側に作動的に連結されたカリフラワーモザイクウイルスプロモーターP-CaMV.35S-enh-1:1:9(配列番号176)などの構成的プロモーターから構成されるイントロンを試験するための第1導入遺伝子カセット;グリホサートに対する耐性を付与するか(イネアクチン1プロモーターによって駆動されるもの)、あるいは抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与する(イネアクチン1プロモーターによって駆動されるもの)、形質転換植物細胞の選択に使用される第2導入遺伝子選択カセット、およびA. tumefaciens由来の左境界領域を含有する。結果として得られるプラスミドを使用して、上述の方法によって、または当技術分野において知られているAgrobacteriumによる方法によって、トウモロコシ植物または他の属の植物を形質転換する。単一コピーまたは低コピー数形質転換体を、試験ベクターと同一であるが試験イントロンを含まない植物形質転換ベクターで形質転換された単一コピーまたは低コピー数形質転換植物との比較のために選択して、試験イントロンがイントロンを介した強化効果をもたらすかどうかを決定する。

配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182として提示されるイントロンはいずれも、例えば発現を低下させうるイントロン配列内のフラグメントの欠失や、発現を強化しうるイントロン内のフラグメントの重複など、いくつかの方法で修飾することができる。また、導入遺伝子の発現および発現パターンに影響を及ぼすために、特定の細胞タイプまたは組織および器官に対する発現の特異性に影響を及ぼしうるイントロン内の配列を、重複または変化または欠失させることもできる。また、意図せぬ転写産物が、不適正にスプライシングされたイントロンから、より長いまたは切断された異なるタンパク質として発現される原因になりうる、潜在的開始コドン(ATG)がすべて除去されるように、ここに提供されるイントロンを修飾することもできる。イントロンを実験的に試験し終えたら、または実験に基づいて改変し終えたら、安定に形質転換された植物(これは、イントロンが導入遺伝子の強化をもたらす限り、任意の属の単子葉植物または双子葉植物であることができる)における導入遺伝子の発現を強化するために、そのイントロンを使用する。イントロンは、イントロンが、それが作動的に連結されている導入遺伝子の発現の強化または減弱または特異性をもたらす限り、藻類、真菌または動物細胞など、他の生物における発現を強化するためにも使用することができる。

本発明の原理を例証し説明したので、そのような原理から逸脱することなく本発明の構成および詳細を変更できることは、当業者には明らかなはずである。本発明者らは、クレームの趣旨および範囲に含まれる全ての変更実施形態をクレームする。本明細書において言及した刊行物および公開特許文書は、あたかも個々の刊行物または特許出願が引用により組み込まれることを具体的にかつ個別に示されているかのように、引用により本明細書に組み込まれる。

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