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Local controller for traffic signal on main road

阅读:1015发布:2021-06-23

专利汇可以提供Local controller for traffic signal on main road专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PURPOSE:To automatically calculate or adjust the proper signal timing for the latest traffic by permitting the local controller to process many signal functions to be executed through the on-line analysis by a central computer and a traffic controller on the on-line realtime basis. CONSTITUTION:The system is divided into sub-areas and intersections 12-1(1) to 12-1(N) and 12-2(1) to 12-2(N) are included in the sub areas 1 and 2. One local master controller 16(16-1 to 16-N) is provided for each sub-area. The local master controller 16 is connected to the central controller 20 with the operation integration function between sub-area local master controllers. According to the traffic restriction of the main road, the timing parameter is defined for each cycle and the signal timing parameter is calculated by the linear plan method to be used for the adjustment of the signal timing parameter.,下面是Local controller for traffic signal on main road专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】交差点における交通流制御用交通信号器を制御する際に使用する信号表示切り換え法であって、最大周期長、最適周期長および最小周期長ならびに最大フェーズ時間、最適フェーズ時間および最小フェーズ時間に関する線形計画法の解を含み、 MiJ=1ならば交通流iはフェーズJに含まれ、Mi
    J=0ならばそれ以外であることを指示し、かつ、交通流は単一の交通流の青信号表示を識別し、フェーズは交通流の組合せに提示される青信号表示を識別するものである、交通流とフェーズとの関係を定義するためのデータ要素を有する交通流−フェーズマトリックスMを生成することと、 交通流−フェーズマトリックスMからのデータ要素、流入流量おび飽和流量、ならびに、交通流の次周期において実施される各交通流の損失時間定数を用いて線形制約条件を構成することと、 前記線形計画法の解における前記線形制約条件を用いて最大周期長、最適周期長および最小周期長ならびに最大フェーズ時間、最適フェーズ時間および最小フェーズ時間を計算することと、 実施される交通流に関する最大交通流青時間、最適交通流青時間および最小交通流青時間を決定するために前記計算された最大フェーズ時間、最適フェーズ時間および最小フェーズ時間を使用することと、 前記最大青時間、最適青時間および最小青時間ならびに最大周期長、最適周期長および最小周期長を用いることにより、交差点の信号表示器制御用の信号タイミングパラメータを得ることを特徴とする方法。
  • 【請求項2】請求項1記載の方法であって、交通感知器からの入力およびリコールスイッチ状態情報を用いて交通流の次周期で実施される交通流を識別することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項3】請求項2記載の方法であって、実施される交通流を識別するために歩行者用押しボタンデータを使用することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項4】請求項1記載の方法であって、 好ましくない交通流を識別することと、 2以上の線形計画法の解を得る可能性を低減するために好ましくない交通流の一致性について線形制約条件を付けることを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項5】請求項1記載の方法であって、最大信号フェーズ時間、最適信号フェーズ時間および最小信号フェーズ時間ならびに最大周期長、最適周期長および最小周期長に関する線形計画法の解を順次に得ることを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項6】請求項5記載の方法であって、 最大周期長に関する線形計画法の解が短すぎると判定された場合に、 最大周期長および最大青時間を許容最小値に調整することと、 最適周期長および最適青時間を許容最小値に調整することと、 最小周期長および最小青時間を許容最小値に調整することと、 信号タイミングパラメータを得るために前記調整値を使用することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項7】請求項5記載の方法であって、 最大周期長に関する線形計画法の解が長すぎると判定された場合に、 最大周期長および最大青時間を許容最大値に調整することと、 信号タイミングパラメータを得るために、最適フェーズ時間および最小フェーズ時間ならびに最適周期長および最小周期長に関する線形計画法の解とともに前記調整された最大周期長および最大青時間値を使用することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項8】請求項7記載の方法であって、 最適周期長に関する線形計画法の解が短すぎると判定された場合に、 最適周期長および最適青時間を許容最小値に調整することと、 最小周期長および最小青時間を許容最小値に調整することと、 信号タイミングパラメータを得るために前記調整された最大周期長、最適周期長および最小周期長ならびに最大青時間、最適青時間および最小青時間を使用することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項9】請求項7記載の方法であって、 最適周期長に関する線形計画法の解が長すぎると判定された場合に、 最適周期長および最適青時間を許容最大値に調整することと、 信号タイミングパラメータを得るために、最小フェーズ時間および最小周期長に関する線形計画法の解とともに前記調整された最大周期長および最適周期長ならびに最大青時間および最大青時間を使用することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項10】請求項5記載の方法であって、 最適周期長に関する線形計画法の解が長すぎると判定された場合に、 最適周期長および青時間を許容最大値に調整することと、 信号タイミングパラメータを得るために、最大および最小周期長およびフェーズ時間に関する線形計画法の解とともに前記調整された最適周期長および青時間値を使用することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項11】請求項10記載の方法であって、 最小周期長に関する線形計画法の解が短すぎると判定された場合に、 最小周期長および最小青時間を許容最小値に調整することと、 信号タイミングパラメータを得るために、調整された最適周期長および最小周期長ならびに最適青時間および最小青時間とともに、最大周期長および最大フェーズ時間に関する線形計画法の解を使用することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項12】請求項10記載の方法であって、 最小周期長に関する線形計画法の解が長すぎると判定された場合に、 最小周期長および最小青時間を許容最大値に調整することと、 信号タイミングパラメータを得るために、調整された最適周期長および最小周期長ならびに最適青時間および最小青時間とともに、最大周期長および最大フェーズ時間の線形計画法の解を使用することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項13】請求項5記載の方法であって、 最大周期長、最適周期長および最小周期長に関するいずれかの線形計画法の解が長すぎて不適格である場合に、 信号タイミングパラメータを得るために、前記値を使用する前に不適格周期長および関係する青時間を許容最大値に調整することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項14】請求項5記載の方法であって、 最大周期長に関する線形計画法の解がまったく存在しない場合に、 既定の値の表から、最大青時間、最適青時間および最小青時間ならびに最大周期長、最適周期長および最小周期長を選択することと、 信号タイミングパラメータを得るために既定の値を使用することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項15】請求項5記載の方法であって、 最適周期長に関する線形計画法の解がまったく存在しない場合に、 最大周期長および最大青時間信号について得られた同一の信号タイミングパラメータを最適周期長および最小周期長およびに最適青時間および最小青時間に使用することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項16】請求項1記載の方法であって、 フェーズjの最大信号フェーズ時間tmax,jが、車両交通流について、i=1,…mである時に、 を制約条件として、 (式中、 Cmax=最大周期長 tmax,j=フェーズjの最大信号フェーズ時間 aij=第i交通流および第jフェーズの交通流−フェーズマトリックスデータ要素 qi=第i交通流の流入流量 si=第i交通流の飽和流量 r=損失時間係数 Li=交通流iの損失時間) を最小にするtmax,1、tmax,2、…tma
    x,nを求めることによって規定されることを特徴とする方法。
  • 【請求項17】請求項16記載の方法であって、 好ましくない交通流を識別することと、 Cmaxについて2以上の線形計画法の解を得る可能性を低減するために好ましくない交通流の一致性について線形制約条件を付けることを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項18】請求項16記載の方法であって、 フェーズjの最適信号フェーズ時間topt,jが、車両交通流について、i=1,…mである時に、 を制約条件として、 (式中、 Copt=最適周期長 topt,j=フェーズjの最適信号フェーズ時間) を最小にするtopt,1、topt,2…topt,
    nを求めることによって規定されることを特徴とする方法。
  • 【請求項19】請求項18記載の方法であって、 好ましくない交通流を識別することと、 Coptについて2以上の線形計画法の解を得る可能性を低減するために好ましくない交通流の一致性について線形制約条件を付けることを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項20】請求項18記載の方法であって、 フェーズJの最小信号フェーズ時間tmin,jが、車両交通流について、i=1,…mである時に、 を制約条件として、 (式中、 Cmin=最小周期長 tmin,j=フェーズjの最小信号フェーズ時間) を最小にするtmin,1、tmin,2、…tmi
    n,nを求めることによって規定されることを特徴とする方法。
  • 【請求項21】請求項20記載の方法であって、 好ましくない交通流を識別することと、 Cminについて2以上の線形計画法の解を得る可能性を低減するために好ましくない交通流の一致性について線形制約条件を付けることを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項22】請求項16記載の方法であって、損失時間係数rが、 r=(1.5L+5)/L (式中、L=1周期の推定総損失時間) として規定されることを特徴とする方法。
  • 【請求項23】請求項1記載の方法であって、信号タイミングパラメータを得る段階が、 交差点の交通制御を1群内の他の交差点の交通と系統化するために、最大青時間、最適青時間および最小青時間ならびに最大周期長、最適周期長および最小周期長を調整することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項24】請求項1記載の方法であって、悪天候状態における飽和流量を低減させるために天候係数により飽和流量を調整することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項25】請求項1記載の方法であって、交通流−
    フェーズマトリックスMを生成する段階が、交通流の衝突する組を指示する青信号−青信号衝突マトリックスG
    にもとづくデータ要素を使用することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項26】請求項1記載の方法であって、信号表示器制御用信号タイミングパラメータを得る段階が、共通周期長に適応し、計画オフセットを守るために、前記最大青時間と最小青時間および最大周期長と最小周期長の限界値内で前記最適青時間および最適周期長を調整することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項27】請求項26記載の方法であって、さらに、リアルタイム信号感知器に応答して前記限界値内で信号タイミングパラメータを調整することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項28】交差点における交通流の制御用交通信号器を制御する際に使用する信号表示切り換え法であって、 青信号交通流の残り青時間およびインタグリーン時間を指示する信号状態ベクトルAtによって各交通流の信号状態を定義することと、 1以上の残り青時間が既定値δt未満になった場合に、
    1であるデータ要素が青信号を失う交通流を指示する0
    −1ルーズベクトルS1を生成することと、 1であるデータ要素が青信号を得る交通流を指示する0
    −1ゲインベクトルSgを生成することと、 1であるデータ要素が青信号を保持する交通流を指示する0−1リメインベクトルSrを生成することと、 ゲインベクトルSgによって識別された交通流が飛び越されるべきか否かを判定することと、 ゲインベクトルSgによって識別された交通流が飛び越されない場合に、ゲインベクトルSgによって識別された新規交通流が残り青信号交通流と衝突するか否かを判定することと、 ゲインベクトルSgによって識別された交通流が残り青信号交通流と衝突しない場合に、新規交通流で使用するための新規青時間を定義することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項29】請求項28記載の方法であって、インタグリーン期間における新規到着を検査することと、飛び越される計画の交通流が飛び越されないかどうかを判定するために飛越し決定を再調査することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項30】請求項28記載の方法であって、ゲインベクトルSgを生成する段階が、ルーズベクトルS1
    と、交通流間の遷移を識別する遷移マトリックスPとの外積を求めることを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項31】請求項28記載の方法であって、ゲインベクトルSgによって識別された交通流がリメインベクトルSrによって識別された残り青信号交通流と衝突するか否かを、前記交通流を衝突する交通流の組を指示する青信号−青信号衝突マトリックスのデータ要素と照合することによって判定することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項32】請求項28記載の方法であって、ゲインベクトルSgによって識別された交通流が飛び越されるべきか否かを判定する段階が、ゲインベクトルSgによって識別された交通流のリコールスイッチが設定されているか否かを判定することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項33】請求項28記載の方法であって、リアルタイムデータに応答して、信号状態ベクトルAtの残り青時間を加算することにより青時間を延長することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項34】エリア内の幹線道路に沿った多数の交差点における交通信号表示器の制御用の多数のローカルコントローラ、および前記ローカルコントローラのそれぞれと有効に接続されたローカルマスタコントローラを含む交通制御システムにおいて使用される信号制御法であって、 ローカルコントローラにおいて、関係する交差点で実施される各交通流に関する最大青時間、最適青時間および最小青時間ならびに最大周期長、最適周期長および最小周期長を含むローカル信号タイミングパラメータを定義することと、 ローカルコントローラからのローカル信号タイミングパラメータに応答して、ローカルマスタコントローラにおいて、各ローカルコントローラ用の共通周期長および計画オフセットを計算することと、 ローカルコントローラにおいて、ローカルマスタコントローラにおいて計算された共通周期長に適応し、かつ、
    計画オフセットを守るために、前記ローカル最大青時間とローカル最小青時間およびローカル最大周期長とローカル最小周期長の限界値内で前記ローカル最適青時間およびローカル最適周期長を調整することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項35】請求項34記載の信号制御法であって、
    さらに、リアルタイム感知器情報に応答して前記限界値内で前記ローカル信号タイミングパラメータを調整することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項36】請求項34記載の信号制御法であって、
    ローカル信号タイミングパラメータを調整する段階が時刻表から前記パラメータを選択することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項37】請求項34記載の信号制御法であって、
    ローカル信号タイミングパラメータを調整する段階が交通制御周期ごとに前記パラメータを計算することを含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項38】請求項37記載の信号制御法であって、
    ローカル信号タイミングパラメータが線形計画法によって計算されることを特徴とする方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は一般には主要道路交通信号ローカルコントローラ、さらに詳しくはローカル交差点のみならず広域システムにおける最新の交通状況に対し、信号タイミングの自動計算あるいは調整のためのローカルコントローラに関する。

    【0002】

    【従来の技術】最近20年間に信号システム設計に関し、2つの主要な開発が行われた。 その1つは2重輪概念を用いフェーズ飛越しや重複表示に柔軟に対処できるソフトウェアを利用するローカルコントローラに基づくマイクロプロセッサである。 2重輪概念は、例えば、いわゆるカリフォルニア170ローカルコントローラやN
    EMA規格ローカルコントローラに採用されている。 その2は中央コンピュータとしてパソコンを使用し、また通信、データベース管理ソフト等の汎用コンピュータ市場向に開発されたソフトウェアを使用する比較的小規模の広域制御システムの開発である。 コンピュータを包含する交通制御システムは例えば米国特許番号3,36
    3,185(Sanderson 等),3,764,972(Si
    klos等),3,828,307(Hungerford) ,3,8
    86,496(Spilo 等)に示されている。

    【0003】従来技術の信号制御システムはシステム領域内の常に変動する交通需要に自己適合するようには設計されていない。 これらは適切な信号タイミングを維持するのに数年おきに信号パラメータの更新を必要とする。 従来技術システムではタイミング計画準備に人間の参画が必要であり、この仕事は交通技術者の指揮下コントロールセンターで実施される。 本発明の交通制御システムでは、ローカルコントローラは中央システムとは最小のインターフェースで信号を制御するように機能する。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、交通信号ローカルコントローラにおいて、現在中央コンピュータと交通技術者によるオフライン解析により実行されている信号制御機能の多くを、ローカルコントローラがオンラインリアルタイムベースで処理するように改良された交通信号ローカルコントローラを提供することにある。

    【0005】本発明の目的は、現在および将来の大抵交通信号制御法または最適化法を接続するのに充分柔軟な上記形式の改良された交通信号ローカルコントローラを提供することである。

    【0006】本発明の目的は、ローカル交差点制御の立場のみならず、広域交通システムに採用された時は広域信号制御の立場から、最新の交通に対する適当な信号タイミングを自動的に計算、または調整可能な交通信号ローカルコントローラを提供することである。

    【0007】

    【課題を解決するための手段及び作用】本発明の交通信号ローカルコントローラには、信号制御法、信号フェーズ案、リコールスイッチ、信号タイミングパラメータおよび歩行者用青信号表示時間係数テーブルを含む時刻制御テーブルの使用を含んでいる。 実行されることがある信号制御法には、時刻制御故障モード、時刻制御正常モード、交通反応制御法および交通適合制御法を含む。 信号フェーズ案は遷移マトリックスPおよび時刻制御テーブルに含まれる同時青信号マトリックスQに含まれるデータにより定義される。 遷移マトリックスPはどの交通流が次に来るかを指示し、同時青信号マトリックスには同時青信号表示に関するデータを包含している。 こゝで、使用する「交通流」とは個々の交通の動きを指し、
    「フェーズ」は一組の交通流に与えられる青信号表示を指すことにする。 一つの交通流に対しリコールスイッチ「オン」は、青信号要求がなくてもその交通流は青信号表示を受理するであろうことを示している。 逆に、リコールスイッチがある交通流に対し「オフ」の時は、その交通流は青信号要求がない限り青信号表示を受理しないであろう。 信号タイミングパラメータには交通流に対する最小、最適、最大青時間および最小、最適、最大周期長を含む。 歩行者青時間係数テーブルには、その日中に起る異なる歩行者交通状況を受け入れるよう時刻制御によって歩行者青時間の調節に用いる係数を含んでいる。

    【0008】ローカルコントローラには、1)信号制御処理装置(SCP)、2)高度アルゴリズム処理装置(AAP)、3)感知器データ処理装置(DDP)、の3つの主要処理装置を含んでいる。 信号制御処理装置は、通信、信号灯スイッチング、ならびに基本信号フェーズおよびタイミング選択を含み、すべての信号制御機能を実行する。 高度アルゴリズム処理装置は記憶した信号制御パラメータを用いて信号タイミングおよび/またはフェーズを決定し、感知器データ処理装置が感知器データ処理を実行する。

    【0009】信号制御の毎周期信号タイミングパラメータが(時刻制御法を用いて)選択されるか、あるいは(交通反応法または交通適合法を用いて)計算される。
    すべての制御法に対し、毎信号周期時刻制御テーブルから制御法、フェーズ案、リコールスイッチ状態が選択される。 選択したにせよ、計算したにせよ、信号タイミングパラメータと共にローカル信号タイミングパラメータが共通周期長と計画オフセットを計算するローカルコントローラへ他のローカルコントローラから供給される。
    計画オフセットは、引続きオフセットずれの測定のためローカルコントローラにより使用される。 ローカル信号タイミングパラメータは、次に最小、最大青時間と、交通反応法または交通適合法の下で運用している際、毎周期計算される最小、最大周期長とで定義される領域内で調整される。 調整された信号は信号制御実行に使用される。 交通適合法の下での運用では、毎周期設定される最小、最大周期長および青時間の中でローカル信号タイミングパラメータを更に調整するために、リアルタイム感知器データを用いて毎δ t (仮に、各0.5〜1秒毎)
    に青信号表示延長あるいは打ち切りが決定される。

    【0010】さらに本発明によると、最大、最適、最小周期長と最大、最適、最小フェーズ時間に対し線形計画法の解が交通反応法または交通適合法を用いて毎信号周期計算される。 フェーズ〜交通流マトリックスMは青信号〜青信号衝突マトリックスからのデータ要素を用いて生成される。 青信号〜青信号衝突マトリックスのデータ要素は、その交差点に対し衝突する交通流の組合わせを示す。 青信号〜青信号衝突マトリックスから生成されるフェーズ〜交通流マトリックスは交通流とフェーズとの間の関係を定義する。 たゞしこゝでMij=1は、交通流iがフェーズjに含まれていることを示し、Mij=
    0はそうでないことを示す。

    【0011】交通流〜フェーズマトリックスからのデータ要素と共にある流入流および飽和流量、ならびに各交通流に対する損失時間定数が、最大、最適、最小周期長と最大、最適、最小フェーズ時間との線形計画法で使用する線形制約条件を構築するのに用いられる。 流入流量は感知器データを用いて計算される。 計算した飽和流量か、既定値のいずれかを線形計画の制約条件として採用することがある。 実行しようとする交通流に対する最大、最適、最小交通流青時間は、上記の最大、最適、最小フェーズ時間を使って計算される。 交通流青時間は、
    共通周期長およびローカルマスターコントローラにより決定した計画オフセットに合致するよう調整される。

    【0012】本発明の別の特徴によると、より好ましくない交通流に対する線形制約条件を等式にし、それにより線形計画法で複数解が生ずる可能性を減らす。 また最大、最適、最小フェーズ時間と周期長に対する線形計画解が逐次的に得られる。 もし最大周期長に対する線形計画解が存在しない時は、最大、最適、最小青時間と周期長は既定値のテーブルから選択し、その既定値が次に信号灯制御用信号タイミングパラメータを得るのに用いられる。 もし決定した最大周期長の線形計画解が短かすぎるようなら、最大、最適、最小青時間および周期長は許容最小値に調整される。 反対に、もし最大周期長の線形計画解が長すぎるようなら、その時は最大周期長と青時間は許容最大値に調整される。 動作は最適および最小周期長の線形計画解に対しその後継続する。 もし最適および最大周期時間に対する線形計画解が短かすぎ、または長すぎの場合も同様な調整が行われる。

    【0013】上に述べたように、線形計画解に使用する飽和流量は観察によりリアルタイムに決定してもよいし、あるいはその既定値を採用してもよい。 もし固定値を用いるなら、その時は荒天時は流量を減らすために、
    天候係数により調整してもよい。

    【0014】本発明の別の特徴によると、各交通流の信号状態は青信号交通流に対し残り青プラスインターグリーン時間を示す信号状態ベクトクA tにより定義される。 1個以上の残り青時間が既定値δ tより小になると、0〜1ルーズベクトルS 1が生成され、こゝではデータ要素1がその交通流は青信号を失うであろうことを示す。 さらにデータ要素1が青信号を得る交通流を識別するように、0〜1ゲインベクトルS gが生成される。
    次にゲインベクトルS gにより識別される交通流を飛越すべきかどうかが決定される。 もし決定が否定なら、ゲインベクトルS gにより識別される新交通流が残り青信号交通流と衝突するかどうかが決定される。 もしこの決定が否定なら、その時は新青時間が新交通流に対し定義される。 この方法でもって、新たな到着がインターグリーン時間内に感知されると、飛越すよう計画した交通流が、上記到着を考えると飛越していゝかどうかを決定するために、飛び越し決定の再審査をすることが出来る。
    ゲインベクトルS gはルーズベクトルS1と、交通流間の切換えを識別する遷移マトリックスPとのベクトル積をとることにより生成できる。 ゲインベクトルS gにより識別された交通流は、衝突する交通流の組合わせを示す青信号〜青信号衝突マトリックスのデータ要素に対しチェックされる。 もし衝突があるようなら、新しいゲインベクトルが、ゲインベクトルS g (これは今はルーズベクトルS1として識別されている)と、遷移マトリックスとのベクトル積をとることにより生成される。 この配列では、信号状態ベクトルA tの要素の数は交差点幾何形状に依存する交通流の数によって決まる。 この方法は例えば変形交差点を含むどんな形式の交差点にも、またスクランブルのようなどんな形式の運用にも、スイッチングソフトウェアを再書込みする必要性なしに使用可能である。 従来技術の配列では、各交差点幾何形状に対し別個のプログラムが必要である。

    【0015】

    【実施例】以下に詳細に説明するように、本発明の新ローカルコントローラは、ローカル交差点のみならず広域システムに対しても、最新の交通状況に対し適当な信号タイミングを自動的に計算(または調整)するのに充分高度なものである(すなわち、充分な記憶装置と充分高速CPUを有する)。 新ローカルコントローラは各種交通信号制御法(あるいは最適化法)を容易に接続できるだけの柔軟性を備えるよう設計されている。

    【0016】信号表示制御(信号スイッチング)ソフトウェアは実際上すべての交差点幾何形状を処理し、各種信号フェーズ,タイミング制御アルゴリズムを容易に組込めるだけの柔軟性を備えている。

    【0017】さらに、本新ローカルコントローラは、このシステムが設置されて運用されるようになった後開発される全部ではないとしても、大抵の交通信号制御法(または最適化法)を接続できるだけの充分な柔軟性を備えるよう設計されている。

    【0018】新ローカルコントローラの特徴には次の事項が含まれる。 a)信号制御アルゴリズムを処理するCPUは、大抵の考えられる信号制御アルゴリズムを処理するのに充分高速である。 b)ローカルコントローラとローカルマスタとの間の伝送は、考えられる大抵のアルゴリズムに対し、すべてのデータ形式を包括し、また伝送能はこれらのデータ形式を処理するのに充分大である。 c)信号スイッチング機構、とりわけフェーズ法は実際上すべての考えられるアルゴリズムを実行するのに充分柔軟である。 d)ソフトウェア設計はモジュール方式であり、従っていかなる信号制御アルゴリズムも高度アルゴリズム処理装置(AAP)に容易に接続できる。 e)ソフトウェア設計はあるアルゴリズムの動作から別のアルゴリズムの動作へ切換えるのに充分柔軟である。 f)信号制御ソフトウェアは、ローカル交差点制御の立場のみならず、(もし孤立した交差点制御用でなければ)広域信号制御の立場でも、最新の交通に対し適当な信号タイミングを自動的に計算(あるいは調整)できる。 g)オンラインリアルタイムの信号タイミング用交通反応および交通適合信号制御アルゴリズムは、オンラインリアルタイムベースで、最新の交通状況を反映し、隣接交差点の信号との整合を保つ。 以下実施例を説明する。 1. 序1.1 コントローラの使用本発明のローカルコントローラは、例えば図1〜3に図示したものを含む多種の交通制御配置での使用に適合している。 図1では、本発明を実施するローカルコントローラ10が単独交差点12での交通信号制御に用いられることを示す。 ローカルコントローラにより操作される信号灯およびそこにリアルタイムデータを供給する感知器が参照番号14により識別されている。 このコントローラは車両、歩行者両方の交通制御に適合しており、いかなる交差点構成でも使用できる。

    【0019】多数の交差点を含む小規模交通制御システムでのローカルコントローラ10の使用が図2で説明されている。 ここでは、コントローラ、交差点と灯器、感知器に対する参照番号は、それぞれ10、12、14であり、同じものを個々に識別するのに用いるよう添字−
    1、−2、−3、…−Nがつけられている。 ここで説明するシステムでは、ローカルコトローラ10−1〜10
    −Nはローカルマスタコントローラ16に接続されている。 マスタコントローラ16と関連ローカルコントローラ10の間では、情報は双方向に流れる。 図2では交差点は主街路すなわち幹線道路18に沿って設けられ、それに沿って交通流は最適化されることになる。 マスタコントローラ16は、交差点12−1〜12−Nの信号の共通周期長の決定、および各交差点のオフセットの計画に使用され、その情報を引続き、各交通流に対する次期周期の信号動作青時間の計算の際に、各ローカルコントローラが使用する。 ローカルコントローラによる青時間計算には共通周期の調整およびオフセット挽回の調整を含む。 交差点12−1〜12−Nに共通周期長を与え、
    かつ個別交差点での信号灯周期が開始する時間をオフセットさせることにより、街路18に沿う交通流に対する信号タイミングは最適化される。

    【0020】本発明の新種ローカルコントローラ10を含む大規模交通制御システムを図3に示し、この図をここで参照していく。 本配置ではシステムはサブエリアに分かれており、交差点12−1(1)〜12−1(N)
    と12−2(1)〜12−2(N)がそれぞれサブエリア1と2に含まれる。 各サブエリアに対し1個のローカルマスタコントローラ16が備えられる。 M個のサブエリアある配置では合計M個のローカルマスタコントローラがあり、図3にはローカルマスタコントローラ16−
    1、16−2、16−Mが描かれている。 ローカルマスタコントローラはサブエリアローカルマスタコントローラ間で動作を整合する機能をもつ中央コントローラ20
    に接続されている。 あるサブエリア(あるいはセクション)と関連するローカルコントローラは本質的には図2
    のシステムに含まれるローカルコントローラ10−1〜
    10−Nと同じ様に機能する。 図1〜図3から明らかなように、本発明のローカルコントローラは広い範囲の各種交通制御システムでの使用に適しており、その範囲は孤立交差点における単独ローカルコントローラのシステムから、多数の交差点および関連ローカルコントローラを含む巨大規模の交通制御システムに亘る。

    【0021】次に図4を参照する。 ここでは典型的な2
    方向、2方向交差点と共に、矢印と関連参照番号1〜8
    で識別される8つの許可された交通流が示されている。
    右折は常時許されており、従って右折信号は必要ない、
    ここで用いる術語「交通流」とは一つの動き、すなわち交通の一方向を指す。 説明図の交差点と交通流から明らかなように、信号交通流が同時に衝突なしに許されうるのは2かつ2のみである。 例えば、南北交通流1と5は同時に許され、1と6、2と5、2と6も同様である。
    同様に、東西交通については、3と7、3と8、4と7、4と8の交通流ペアが同時に許されうる。 これ以外のすべての同時交通流の組合わせは禁止される。 本発明では、それぞれの許される青信号交通流ペアを信号フェーズ(φ)で識別する。 この説明図の交差点では、8種の信号フェーズが可能である。

    【0022】ここで図5を参照すると、交差点信号の1
    周期の信号動作における連続する信号フェーズ順序の各種の可能性を示すフェーズ順序ブロック図が示してある。 簡単のため、比較的少数の可能な信号フェーズ順序のみが示されている。 図5では信号フェーズは参照記号φ1〜φ8により識別される。 信号フェーズ順序は1つのフェーズ順序をたどり、矢印に従い、そして交差点の南北および東西両方のレグを含むループを閉じることにより識別できる。 1周期の動作で可能な信号フェーズ順序として、例えばφ1、φ2、φ4、φ5、φ7、φ8
    がある。 T字路や五叉路交差点といったその他の形状の交差点に対しても、信号フェーズ順序図を生成できる。
    また説明図の交差点では図6に示すようにもっとずっと多くの許される信号フェース順序を含めることができる。 ここで図6を参照すると例えば、図5の図式では許されなかった信号フェーズ順序にφ4、φ7、φ8とφ
    4への戻りからなる順序がある。 明白なことであるが、
    本発明のローカルコントローラは図5と図6に説明される信号フェーズ順序を用いる動作に制限されるものではない。

    【0023】ここで図7を参照すると、ここには1周期の動作と他周期の終りと始めを画いた信号フェーズ順序図表が表されている。 この図表にはインタグリーン時間が含まれている。 図7では、上述のフェーズ順序φ1、
    φ2、φ4、φ5、φ7、φ8が1完全周期として画かれている。 図7に見えるように、周期時間は1組の南北、東西交通流の完結に必要な時間である。 本発明のコントローラでもって、信号フェーズ順序、周期時間および交通流青時間が毎動作周期ごとに決定あるいは選択される。 南北と東西交通間の動作はφ1の始め、φ4とφ
    5の間、およびφ8の終りに示すバリアにより分離されている。 インタグリーン時間には黄時間およびインタグリーン赤時間の期間を含む。 青交通流G1〜G8が図7
    に示されている。 バリヤ間の間隔は周期「セグメント」
    として識別する。 図7は2交通流が同時に青信号表示を受理する交通流の2重輪順序の一例である。 図7に示すように、交通流1、2、3、4は第1輪に含まれ、交通流5、6、7、8は第2輪に含まれる。 図5〜7に示す形式の2重輪は現行の米国NEMA規格で明らかにされている。 本特許出願では従来からの定義の「フェーズ」
    を用いることに注目すべきで、これは交差点での交通流の組合わせに与えられる青信号表示である。 現行の米国NEMA規格では、フェーズは交差点での一つの交通流への青信号表示である。 1.2 ローカルコントローラ10の概念的総括ここで図8を参照すると、ローカルコントローラ10の単純化したブロック図が示されていっる。 コントローラは信号制御処理装置(SCP)CPU23および関連記憶装置23A、高度アルゴリズム処理装置(AAP)C
    PU26および関連記憶装置26Aを含む3つの主要処理装置を含んでいる。 信号制御処理装置CPU23および感知器データ処理装置CPU26は信号制御処理装置(SCP)ユニット22に含まれ、これには故障モード信号制御LSI(SC−LSI)30もまた含んでいる。 これらCPUはマイクロプロセッサからなることがある。 信号制御処理装置22はすべての信号制御機能を実行し、これには通信、信号灯スイッチング、ならびに基本信号フェーズとタイミング選択とが含まれる。 それはローカルコントローラの「心臓部」であり、信号表示制御すなわち信号スイッチングを継続的に実行する。 高度アルゴリズム処理装置24はローカルコントローラの「頭脳」であって、格納された信号制御アルゴリズムを用いて信号タイミングおよび/または信号フェーズを決定する。 感知器データ処理装置26はローカルコントローラの「眼と」であって、感知器データ処理に専念する。 感知器入力が信号制御処理装置22に供給されることが示されている。 交通流、信号フェーズ、幾何形状データに関する情報はローカル端末器入力を通してローカルコントローラ10に供給される。 ローカルコントローラが図2、3で示したような一群の整合されたローカルコントローラを含む交通制御システムに含まれる時は、
    ローカルマスタコントローラとの通信を設ける。

    【0024】上記から、本ローカルコントローラ10
    は、次の3つの基本コントローラ機能の分離を考慮していることが明らかであろう。 3つの機能とは、信号制御処理装置22による信号指示制御(信号スイッチング制御)、信号制御処理装置CPU23および高度アルゴリズム処理装置CPU24による信号フェーズおよびタイミング決定、ならびに感知器データ処理装置CPU26
    による感知器データ処理である。 ローカルコントローラ10は、もし高度アルゴリズム処理装置24が故障すると、高度アルゴリズム処理装置なしでも信号制御処理装置22が信号動作をかなりよく実行できるように設計されている。 もしそれ以外の信号制御処理装置が故障すると、故障モード信号制御大規模集積回路(SC−LS
    I)30が制御下、故障モードで動作し、これにより信号動作は単純な信号動作案を使用して継続される。

    【0025】本発明のローカルコントローラ10は各種の制御方法を扱うことが出来る。 これには、(1)ローカルマスタコントローラ16からの直接制御、(2)時刻制御(T−O−D)選択テーブルを用いて、T−O−
    Dタイミングパラメータ選択、(3)現在および予想される交通状態に対する交通反応オンラインタイミングパラメータ生成これには例えば、線形計画法を用いて周期中の各交通流に対し次期周期長および青時間の生成を含む。 (4)リアルタイム信号制御に対しリアルタイム適合コントローラの手段と共にリアルタイム交通データを利用するオンラインリアルタイム交通適合法、(4)のオンラインリアルタイム交通適合法が、(3)の交通反応オンラインタイミングパラメータ生成法と違う点は、
    リアルタイム交通により良く適応させるために動作周期の間で青時間の延長または打切りの手段を含んでいることである。 かかるオンラインリアルタイム交通適合法では従来のギャップアクセプタンスから、所謂人工知能(AI)技法に亘る範囲のアルゴリズムを利用することがある。

    【0026】ローカルコントローラは異なる制御法を用いた動作が可能である。 スイッチング制御法の根據は、
    図9に示す交通密度対交通量の図から理解でき、ここでこの図を参照することにする。 ここには代表的な交通密度対交通量カーブ32が示されており、単位時間当り車両で測定した交通量は、単位距離当り車両で測定した密度と共に、参照番号34で識別した交通容量レベルまでは増加する。 この交通容量レベルを越えて密度が増加すると、交差点を通過する交通量は減少する。 グラフの密度軸に沿って、閑散、正常、渋滞交通状態が指示されている。 説明目的で、正常密度は閑散密度から交通容量密度より小さい密度レベル間にとってある。 交通油量レベル附近で密度が変化しても交通量はほんの僅かしか変化しないことが分かる。 ある制御法は正常交通密度域で最高機能を示し、また別の制御法は閑散、渋滞密度域で最高機能を示す。 上記のように、本コントローラでは、交通制御法の交換が可能である。 例示だけであるが、閑散および渋滞交通状態中は、オンラインリアルタイム交通適合法(上記(4)法)を用いて操作するのが望ましい。 正常交通状態中は、交通反応オンラインタイミング生成法(上記(3)法)を用いて操作するのが望ましい。 本コントローラでは、以下述べるように毎動作周期に動作モードの選択が用意されている。

    【0027】ここで図10を参照すると、プログラムとデータの概念的機能関係がプログラムブロック36と、
    データブロック38とを含むブロック図で示されている。 プログラムには信号制御処理装置記憶装置23A
    (図8)に格納されているスイッチングソフトウエア4
    0を含む。 スイッチングソフトウエアは信号スイッチング機能を実行するため信号表示制御を提供する。 一群の信号制御アルゴリズム42が信号制御処理装置記憶装置23Aおよび高度アルゴリズム処理装置記憶装置24A
    に格納されており、そのアルゴリズムが信号タイミングとフェーズ順序両方を決定する。 ここで開示した実施例においては、交通反応オンライン法とオンラインリアルタイム交通適合法の両方に対する信号制御アルゴリズムが示されており、共に線形計画法の使用は、本発明の発明者Masami Sakita「交通信号のタイミング設計」Transportation Research Record (No.1069),W
    achington,DC1986で発表されていることを特記しておく。 本発表の全体開示は特にここであげた参考文献に示されている。

    【0028】スイッチングソフトウエア41は、交差点幾何形状データ44、信号タイミング、フェーズパラメータを含む信号制御パラメータ46およびリコールスイッチの上、ならびに感知器データブロック48からの感知器および押しボタンデータのようなパラメータを用いる。 生の感知器データは、スイッチングソフトウエア4
    0により直ちに使用可能なように、感知器データ処理ソフトウエア50により処理される。 信号灯はスイッチローダインターフェース52を経由し、スイッチングソフトウエア40により制御される。 スイッチングソフトウエア40は、通信ソフトウエアは、通信ソフトウエア5
    4を用いローカルマスタコントローラ16、または中央コントローラにより直接制御することが出来る。 2. 信号制御ソフトウエア 2.1 序本節では、ローカルコントローラの信号制御処理装置S
    CPで実行される交通制御関係ソフトウエアについて述べる。

    【0029】議論する話題は次の通りである。 (1)標準信号制御法 a. 時刻制御 b. 交通反応制御 c. オンラインリアルタイム交通適合制御 (2)信号制御タスクの実行 (3)信号オフセット制御の実行 a. サブエリア信号タイミング計算 b. 各交差点のオフセット c. オフセット基準点(ORP) d. オフセットずれおよびオフセット挽回 ここでは議論を標準広域信号制御に集中する。 この制御では例えば図2、3に示すように、多数のローカルコントローラがローカルマスタコントローラに接続され、また同じローカルマスタコントローラの下にある信号は整合される。

    【0030】孤立交差点でのローカルコントローラ動作は広域信号制御の特殊ケースである。 孤立交差点に対するソフトウエアは広域信号制御に用いられるものと同一である。 2.2 用語の定義本申請を通じて用いられる信号制御機能の用語を以下に定義する。 信号制御における機能が如何に動作するかあるいは如何にしてそれらのパラメータを取得するかの説明はもっと後の節で述べる。

    【0031】 制御法(またはローカルコントローラ制御
    法)制御法はローカルコントローラで交通制御のために用いる手段である。 正常モード時刻制御法、故障モード時刻制御法、交通反応法、交通適合法を含み4制御法が実行できる。 制御法はローカルコントローラの時刻制御テーブルまたはローカルマスタコントローラにより規定することができる。

    【0032】 制御法定義テーブル制御法定義テーブルはすべての信号制御法を定義する。

    【0033】 時刻制御法選択テーブルこのテーブルには異なる時刻で使用すべき制御法定義テーブルIDを含んでいる。

    【0034】 青信号表示が与えられる交通流の順序である。 1個より多い輪を同時に操作できる。 最も一般的な案は2重輪制御法と呼ばれ、2つの独立な輪が、図7に示すように同時に動作する。

    【0035】 サブエリアに対する共通周期長これはサブエリア全域の信号動作に対し使用される周期長である。 共通周期長は、各交差点でのローカル計算最小、最適、最大周期長およびサブエリア内の異なる交差点間の旅行時間から得られる。

    【0036】 バックグラウンド周期長共通周期長は時にバックグラウンド周期長として参照することがある。 この理由は、各交差点での制御法によっては、共通周期長が信号動作では必ずしも可視的でないからである。

    【0037】 ローカル計算周期長各交差点での、その交差点で入手できる交通データを用いて計算した最小、ローカル最適、最大周期的である。

    【0038】 計画オフセット計画オフセットは、ローカル計算周期長、観察旅行速度および交差点間距離等のパラメータを用いてローカルマスタコントローラが計算したオフセット時間である。 計画オフセットはサブエリアのキー交差点のオフセット基準点と対象とする交差点間の時間差により測定される。

    【0039】 計画オフセット実行時間計画オフセットはオフセット実行のためにクロックタイムに変換され、これを計画オフセット実行時間と呼ぶ。
    時として、これは「理想」オフセット実行時間である。

    【0040】 調整オフセット実行時間これはローカルコントローラによりオフセットの所要の調整を組み入れた計画オフセット実行時間である。 理想オフセット実行時間と調整オフセット実行時間は同一のことも、または異なることもありうる。

    【0041】 実オフセット実行時間実際のオフセット実行のクロックタイムである。 時刻制御法おおよび交通反応制御法においては、実オフセット実行時間は調整オフセット実行時間と同一である(ただし、必ずしも理想オフセット実行時間とは同一ではない)。 オンラインリアルタイム交通適合制御法では、実オフセット実行時間は理想および調整オフセット実行時間のいずれとも異なりうる。

    【0042】 オフセット基準点オフセット基準点(ORP)はオフセットずれが測定される信号周期の点である。 本システムに選択されたオフセット基準点は信号整合が実行される青時間直前の黄時間の開始である。

    【0043】 オフセットずれこれは計画オフセットと観察オフセット間の測定差である。

    【0044】 オフセット実行時間オフセット実行時間は、クロックタイムで表わして、対象信号周期のオフセット基準点である。

    【0045】 信号フェーズこれは遷移マトリックス58、青信号〜青信号衝突マトリックス60、および交通流フェーズマトリックス62
    で表わした信号フェーズ法であり、これらマトリックスの例をそれぞれ図11、12および13に示す。 簡単に言うと、遷移マトリックス58は青信号を受理する次期交通流を指示し、青信号〜青信号衝突マトリックス60
    は互に衝突する交通流ペアを指示する。 交通流〜フェーズマトリックス62は各フェーズに含まれるすべての交通量を示す。 遷移マトリックス58は時にはPマトリックスとして参照し、青信号〜青信号衝突マトリックスは時にはGマトリックスとして参照することがある。 また交通量〜フェーズマトリックス62は時には以下Mマトリックスとして参照することがある。

    【0046】 信号フェーズ案定義テーブルこれらテーブルには信号フェーズパラメータを含む。 各テーブルは識別目的でそれ自身のID番号を有する。

    【0047】 時刻制御信号フェーズ案選択テーブル本テーブルは異なる時刻に用いられる信号フェーズ定義テーブルIDを含有する。

    【0048】 信号タイミングパラメータこれらパラメータは、最小青時間ベクトルN、最大青時間ベクトルM、および最適青時間ベクトルOで表わした各交通流に対する最小および最大青時間である。

    【0049】 信号タイミングパラメータテーブルこれらテーブルは信号タイミングパラメータを含有する。 各テーブルは識別目的でそれ自身のID番号を有する。

    【0050】 時刻制御信号タイミングパラメータ選択テ
    ーブル本テーブルは異なる時刻に用いられる信号タイミングパラメータテーブルIDを含有する。

    【0051】 交通容量率(または係数)交通容量率はあらゆる天候状態で交通容量(または飽和流量)をより正確に較正するための道具である。 交通容量率は感知器設置が制限を受ける交差点に対し、信号タイミングの計算に用いられる。 ある交差点でアプローチの交通容量は天候、表面状態、その他の環境および交通状態によって変動する。 非交通反応信号タイミング計算では、システムは正常状態の交通容量率1.0を用い、
    雨天および積の日の交通容量率は、それぞれ例えば0.7および0.5であろう。

    【0052】交通容量率ID(または天候状態ID)は交通容量を識別する。 交通容量率IDと対応する交通容量は次の通りである。

    【0053】

    各種状態での適切な値は、新システム設置後ある期間実験を行った後取得されるであろう。 交通容量率は高度アルゴリズム処理装置24により決定される。 勿論、もし感知器がどの交差点にも完全に設置され、また停止線での感知器カウントが正確であるなら、交通容量率は必要ないであろう。 しかし、新システムにおいては、多くの小さな交差点では完全な感知器設置が未済に残されるであろうと假定している。

    【0054】 歩行者青時間係数歩行者信号タイミングは青時間、点滅青時間(車両交通流での黄時間に相当)、およびインタグリーン赤時間よりなる。 この中で、点滅青およびインタグリーン赤時間は頻繁に変化することはないであろうが、青時間は時間パラメータ選択法を用いて毎周期頻繁に変化することがある。 係数1.0は、歩行者青時間がその交差点の幾何形状データで定義される基本青時間と同じ長さであることを指す。

    【0055】 サブエリアサブエリアは、図3を参照し前に説明した1個のローカルマスタコントローラにより制御される一群のローカルコントロータを含有しているエリアである。

    【0056】 リコールスイッチ「オン」または「オフ」リコールスイッチがある交通流に対し「オン」の時は、
    その交通流はたとえ青信号要求がなされなくても、青信号表示を受理するであろう。 リコールスイッチがある交通流に対し「オフ」の時は、その交通流は青信号要求がなされないなら、青信号表示を受理しないであろう。

    【0057】 信号フェーズ時間信号フェーズ時間は信号フェーズの時間継続を意味し、
    この中で青信号表示が交差点での交通流組み合わせに与えられる。 信号フェーズ時間は図7で説明される。

    【0058】 交通流フェーズ時間交通流フェーズ時間はある交通流に対する時間継続を意味し、青時間および青時間に続くインタグリーン時間(黄時間プラスインタグリーン赤時間)よりなる。 青時間およびインタグリーンはやはり図7で説明される。

    【0059】 青信号延長方針これは青時間の延長か打切りか、あるいは何もしないかに関する方針である。

    【0060】 交通流に対する現残時間これは交通流が青信号を受理している時、その交通流に割り当てられた青時間を示す。 青信号を受理しつつある各交通流は残青時間を割り当てられる。

    【0061】 交通流に対する望ましい残青時間青信号延長方針は数段階で決定される。 青信号延長方針がある段階でのある交通流に仮に採用されると、アルゴリズムは直ちに行動をとる代りに、新たに計算した残青時間を記憶する。

    【0062】 青信号〜青信号衝突マトリックス Gマトリックス(図12の青信号〜青信号マトリックス60)はあらゆる交通流ペアに対する青信号〜青信号衝突を示す。

    【0063】 同時青信号表示案適合制御では、同時青信号表示に関係するケースは同時青信号マトリックス(Qマトリックスと呼ぶことがある)で表わされ、その各セルは1〜4の値をとりうる。
    マトリックスのその他のセルはすべて0の値を有する。
    同時青信号マトリックス64は図14に示されている。 2.3. 信号制御法ここで図15を参照すると、信号制御の全体作業の流れが示されている。

    【0064】信号制御実行アルゴリズムの基本時間単位は1周期である。 信号制御関連パラメータは毎周期計算または選択される。 図15に示すように信号実行処理には、(1)制御法定義の選択(ブロック66)、(2)
    フェーズ案の選択(ブロック68)、(3)リコールスイッチのセット(ブロック72)を含んでいる。

    【0065】すべての制御法に対し、信号タイミングパタメータ選択(または計算)用交通データを収集する基本時間単位はN連続信号周期(ある周期の始めからN番目の周期の終りまで測定した交通)である。 この測定された交通データは測定期間で正規化され、時間当り車両(または台/秒)の項で表現される。 信号タイミング更新の頻度は制御法によって変る。

    【0066】時刻制御法では、毎周期新しいタイミングパラメータテーブルが選択される。

    【0067】交通反応法では、タイミングパラメータは最終N周期または予想次期周期交通データを用いて毎周期更新される。

    【0068】オンラインリアルタイム交通適合法では、
    サブエリア共通周期長や(もしオフセットが交通適合法で制御されるなら)計画オフセットのような基本信号制御パラメータは、最終N周期または予想次周期交通データを用いて毎周期更新される。 δt が0.5秒程度のところでは、リアルタイム交通情報を用いて毎δt に青信号延長が決定される。

    【0069】ローカルコントローラが毎周期初期信号制御パラメータを選択(または計算)する。 これらには、 1)現地で計算した周期長(最小、最適、最大) 2)各交通流に対する青時間(最小、最適、最大) 3)タイミングパラメータ計算に用いるフェーズ案ID 4)歩行者交通流を含み、各交通流に対するリコールオンオフスイッチ状態 5)整合した交通流 がある。

    【0070】3制御法すべてにおいて、現地で選択(または計算)された最適周期長は毎周期ローカルマスタコントローラ16に送信される。 ローカルマスタコントローラは、また異なる交差点ペア間の距離や、それらへの平均旅行時間のようなデータを用い、サブエリアに対する共通周期長および各交差点に対する計画オフセットを計算する。 サブエリア内の各交差点のローカル最適周期長を用いて、そのサブエリアに対する共通周期長がローカルマスタコントローラにより、ブロック74で計算される。 ブロック74Aでは、ローカルマスタコントローラがエリア内の各ローカルコントローラに対する計画オフセットを計算する。 現地で計算した周期長、観察した旅行速度、交差点間の距離のようなパラメータは、各コントローラに対する計画オフセット時間の計算にローカルマスタコントローラにより用いられる。 オフセットずれが測定されるところでは、ブロック74Aからの計算された計画オフセットがブロック78で用いられる。

    【0071】ブロック74からの共通周期長情報およびローカルマスタコントローラからのブロック78で測定したオフセットずれを用いて、エリア内またはサブエリア内の信号間に整合を与えるために、ブロック72からのローカル信号タイミングパラメータはブロック76で調整される。 以下明らかになるが、時刻制御または交通反応法を採用している所では、ローカル信号タイミングパラメータの「調整」は各交通流に対する次期周期最適青時間の計算を含む。 交通適合制御法に対しては、ローカル信号タイミングパラメータの調整は信号タイミングパラメータへのリアルタイム調整を含む。

    【0072】ブロック76での調整後、交差点での信号はブロック76Aで制御される。 次期周期に用いられる信号制御法が選択されているところでは、動作は次にブロック66に戻る。

    【0073】ローカルマスタコントローラは本処理における各交差点に対するフェーズ案も検査し、またより良いフェーズ案が発見されれば、将来の参考のため案を記録する。 3信号制御法の間では信号タイミング実行法に違いがあり、各信号制御法につき以下に述べる。

    【0074】実地動作では、信号動作法の変更の切換えが円滑でなければ交通遅延を加速する可能性があるので、そう頻繁には変更されないものである。 制御法の選択は、1時間に1回で充分頻繁だと考えられる。 しかし、このシステムは、毎周期の頻度で信号制御法を変更できるように設計されている。

    【0075】ローカルコントローラは、また点滅黄、赤信号制御も操作できる(主街路交通は点滅黄信号灯を受理し、従街路交通は点滅赤信号を受理する)。 このモードの動作は規則に沿った信号制御法の一つに類別され、
    すべての信号制御法を含むテーブルに記憶されている。
    時刻制御法を用いるか、またはより高レベルコントローラからこの制御法の使用を規定することにより、操作者は点滅操作の開始、終了時期を規定することができる。 2.3.1時刻制御ローカルコントローラに記憶されている2タイプの時刻信号制御法は次のものである。

    【0076】信号制御処理装置、SCP、22のバッテリ バックアップ ランダム アクセス記憶装置、RA
    Mに記憶されている非永久テーブル、および信号制御処理装置、SCP、22の電気的プログラマブルROM、
    EPROMに記憶された永久テーブル各タイプのテーブルは、制御法、フェーズ案および信号タイミングパラメータを定義する。 図16〜20は、それぞれ時刻制御法、フェーズ案、リコールスイッチ状況、信号タイミングパラメータおよび歩行者青時間係数選択法を表示したものである。 図16には制御法選択テーブル80Aと関連定義テーブル80Bが示され、図17にはフェーズ案選択テーブル82Aと関連定義テーブル82Bが示され、図18にはリコールスイッチ選択テーブル84Aと関連テーブル84Bが示され、図19にはタイミングパラメータ選択テーブル86Aと関連テーブル86Bが示され、また図20には歩行者青時間係数選択テーブル8
    8Aと関連テーブル88Bが示されている。 これら各方法では、時刻制御法選択テーブルは異なる時刻に用いられるべきテーブルのIDを包含している。

    【0077】1. 曜日および休日 2. 特別行事のある日(行事タイプID) には別々のテーブルが提供される。

    【0078】非永久テーブルは正常動作時に用いられ、
    年間を通じ連続的に改訂可能で、ローカルコントローラの信号制御処理装置SCPのRAMに記憶される。 永久テーブルは故障モード動作時(1周期を越えて通信システムが故障した時、または非永久時間信号制御テーブルを記憶するバッテリバックアプRAMが損傷した時)に用いられる。

    【0079】1. 曜日および休日 2. 特別行事のある日 には別々のテーブルが提供される。

    【0080】非永久テーブルおよび永久テーブルを用いる信号制御法を共に「時刻」制御法と呼ぶが、これら2
    つのテーブルの使用に関係する処理は異なっている。 正常時刻制御動作正常動作時は、信号制御処理装置SCPのバッテリバックアプRAMに記憶されている時刻制御テーブルが用いられる。 全処理は1周期に1度実行され、図21の1ループで描かれている。 ここで図21を参照する。 処理は次の通りである。

    【0081】(1) 時刻信号制御法選択テーブル(図2
    1のブロック80A)および信号制御法定義テーブル(ブロック80B)を用いて信号制御の選択。

    【0082】(2) 時刻フェーズ案選択テーブル(ブロック82A)およびフェーズ案定義テーブル(ブロック82B)を用いて、フェーズ案の選択。 フェーズ案定義テーブルには、図11および14にそれぞれ示すPマトリックスおよびQマトリックスを含む。

    【0083】(3) 時刻リコールスイッチ選択テーブル(ブロック84A)およびリコールスイッチ定義テーブル(ブロック84B)を用いてリコールスイッチのセット。 リコールスイッチ定義テーブルには、整合すべき向流およびリコールスイッチを「オン」に保つ交通流を含む。

    【0084】(4) 時刻信号タイミングパラメータ選択テーブル(ブロック86A)および信号タイミングパラメータ定義テーブル(ブロック86B)を用いて信号タイミングパラメータの選択。 信号タイミングパラメータ定義テーブルには、各交通量(M、N、Oベクトル)に対する最小、最大、最適青時間を含む。 テーブルにはまた、最小周期長Cmin 、最適周期長Copt 、および最大周期庁Cmax を含む。

    【0085】正常時刻制御動作法の下では、フェーズおよびローカルタイミングパラメータはローカルコントローラにより選択されるが、ローカルマスタコントローラがサブエリアに対する共通周期長および計画オフセットを計算する(ブロック90)。 ブロック92で示されるように、共通周期長の計算およびオフセット計算に用いるために、サブエリアの他のローカルコントローラからデータが取得される。 ローカルマスタコントローラは、
    以下2、4、1節に示す具合に、各ローカルコントローラに対するローカル最小、最適、最大周期長を用いてサブエリアに対する共通周期長を計算する。 各ローカルコントローラに対する計画オフセットを計算するには、ローカルマスタコントローラは以下2、4、1節のやり方で、共通周期長および交差点間の旅行時間を用いる。

    【0086】ローカルコントローラはオフセットずれを測定し(ブロック94)、オフセット要求に合致するよう信号タイミングを調整する(ブロック96)。 (以下2.4.2節〜2.4.4節を参照のこと)。

    【0087】本信号制御方への入力は 1. 交通容量率ID(デフォルト値:10) 2. 特別行事ID(デフォルト値:0またはなし) 3. 黄およびインタ交通流赤時間要求(デフォルト値、
    4および2秒)からなる。

    【0088】本信号制御法からの出力は 1. 周期ID、日付 2. クロックタイム 3. 曜日および休日ID 4. 交通容量ID 5. 特別行事ID 6. 使用テーブルのID 7. 整合した交通流 8. 実際フェーズ順序 9. 各交通流に対する実際青時間 10. 各交通流に対する黄およびインタ交通流赤時間 11. 実際周期時間 12. 計画オフセット実行時間 13. 調整オフセット実行時間 14. 実際オフセット実行時間 よりなる。 故障モード 時刻制御動作図22は故障モード時刻制御動作に対する概念的な作業の流れ図である。 故障モード動作はRAM内の時刻制御テーブルが損傷するから、通信システムが故障するかのいずれかの場合に適用される。 毎周期このモード下でローカルコントローラが信号制御方、フェーズ案およびタイミングパラメータをEPROMのSCPにある時刻制御テーブル探索法を用いて選択する(ブロック80、8
    2、84および86)。

    【0089】タイミングパラメータテーブルで定義されるオフセット量が、最終時間増分で定義されるものと違う時は ず、ローカルコントローラが計画オフセットを満足させるよう信号タイミングを調整する(ブロック9
    8)。

    【0090】信号制御処理装置SCPのEPROM内の時刻制御法、フェーズ案およびタイミングパラメータの選択テーブルには、(クロックタイムで)計画オフセット実行時間を含む余分のテーブルが本方法では定義されている以外は、正常時刻制御動作で用いたものと同一の特性を含んでいる。

    【0091】クロックタイム、曜日、デフォルト値が所要パラメータとして用いられる以外は、本信号制御法には何の入力も必要としない。

    【0092】本信号制御法からの出力は、 1. 周期IDおよび日付 2. クロックタイム 3. 曜日および休日ID 4. 使用テーブルのID 5. 実際周期時間 6. 計画オフセット実行時間 7. 実際オフセット実行時間 よりなる。

    【0093】2.3.2 交通反応信号制御交通反応進行制御法では、発明者により前記論文「交通信号のタイミング設計」Transportation Research Reco
    rd(No. 1069)、Washington,D,C.,1986に述べられた線形計画法(LP)による進め方で、信号タイミングが生成される。 各交通流に対する信号フェーズ案および青時間は信号タイミングパラメータが選定される前に決定される。 線形計画法(交通反応法)本法では、ローカルコントローラが毎周期、図23に示すルーチンを実行する。 処理は次のとおりである。

    【0094】(1) 図23のブロック80、82、8
    4、88に示すように、時刻制御テーブル探索法により、ローカルコントローラが信号制御法、信号フェーズ案、リコールスイッチ、および歩行者交通レベルを定義する。

    【0095】(2) ローカルコントローラは感知器データを収集し、信号タイミング計算に使用可能なように処理する。 ローカルマスタコントローラは、サブエリア内の他のローカルコントローラからのデータに基づいて(もし必要ならば)交通需要の予想を準備する。 予想交通データはローカルコントローラに送信される(ブロック100)。

    【0096】(3) ローカルコントローラは、直前の交通データあるいは予想交通データのいずれかを用いて、
    線形計画法により信号タイミングパラメータを計算する。 出力は各交通流に対する最小、最適、最大青時間および交差点に対する最小、最適、最大周期長である(ブロック102)。 線形計画法については、本節中「LP
    法の適用」の表題で詳細に述べられる。

    【0097】(4) ローカルコントローラは、現地で計算したタイミングパラメータをローカルマスタコントローラに送信する。

    【0098】(5) ローカルマスタコントローラは、共通周期長と計画オフセットを計算する(ブロック10
    4)。

    【0099】(6) ローカルコントローラはオフセットずれを測定する(ブロック106)。

    【0100】(7) ローカルコントローラは、共通周期長を収容し、計画オフセットに追いつくようローカル信号タイミングパラメータを調整する(ブロック10
    8)。

    【0101】線形計画法でタイミングパラメータの計算に用いる交通カウントは、(1) 過去N周期にその交差点における現地で測定したカウントか、または(2) 次期周期に対し見積られたカウントのいずれかである。

    【0102】必要な歩行者信号時間は、以下のようなデータを用いて取得される。

    【0103】(1) 歩行者交通流iに対する「基本」所要青時間gi。

    【0104】これは交差点幾何形状データで規定される。

    【0105】(2) 所要黄、yiおよびインタグリーン赤時間ri。 これは交差点幾何形状データで規定される。

    【0106】(3) 歩行者青時間変動率、at。 これは時刻制御参照テーブルで規定される。

    【0107】時間tにおいて、交通流iに対する所要歩行者青時間は(gi*at)と表され、また時間tにおける所要交通流フェーズ時間は(gi*at)+yi+
    riと表される。 所要歩行者交通流フェーズ時間は、線形計画法で信号タイミングパラメータの決定において、
    ある種の拘束となるであろう。

    【0108】ここで図24を参照すると、線形計画法を用いる交通反応の動作に対するデータの流れを示す流れ図が図23よりもやや詳細に示されている。 図24では感知器および押しボタンデータ48が感知器データ処理装置27に供給される。 過去に数多くの信号制御法が提唱されてきたし、将来はさらに多くの信号制御法が世界中の研究者により間違いなく提案されるであろう。 各信号制御アルゴリズムは、それ用に独自に定義されるデータを用いることができる。 例えば、本発明で採用した線形計画法は、交差点アプローチで各交通流に対する流入交通流と飽和流データとを用いる。 他のアルゴリズムでは、次期周期に対する信号タイミング計画を決めるのに、交差点の各アプローチにおける最大待ち行列長を用いる。 しかしこのアルゴリズムでは、オンラインリアルタイム基準で青信号打切りを決めるのに、すべての交差点アプローチで動的変動をしている待ち行列長の測定が必要になる。

    【0109】信号制御法はいかなるデータ形式でも用いることができるから、すべてのデータ形式を包囲する感知器データベースのスーパセットを作成するのは不可能である。 感知器データ処理装置27は、信号制御に有用だと考えられるすべての基本感知器データ形式を作成、
    記憶する。 待ち行列長のようなある種のデータは、図8
    に示す高度アルゴリズムが処理装置24を用いて、感知器データをさらに加工することにより推定できる。 本発明のローカルコントローラは、感知器データ処理装置2
    7を用いていかなる形式の予め定義された交通感知器をも処理できる。 感知器データ処理装置27は、異なる形式の感知器からの入力を摂取し、図8に示すように信号制御処理装置22が用いる出力を産出する「万能」インタフェースとして機能する。

    【0110】感知器データ処理装置27への接続に適合する交通流感知器の形式には、通常ループ式もしくは超音波式感知器、ビデオグラフィック式感知器、レーダ、
    歩行者押しボタン、強制排除およびバス式感知器、ならびに線路踏切り信号感知器が含まれる。 感知器が取得するデータには、各感知器のオンオフ状況、各感知器での速度、各交通流またはレーンに対する速度、各交通流またはレーンに対する待ち行列長、歩行者青信号要求、強制排除要求、および望ましい交通流に対する青信号要求が含まれる。

    【0111】信号制御処理装置の感知器データが処理ソフトウェアが、これらデータを読込み、規定のフォーマットに整理する。 これによりこれらは信号制御に使用できるようになる。 通常ループ式よび超音波式感知器のみを用いるなら、感知器データ処理装置ソフトウェア50
    (図10)は、各個々の感知器に対し感知器オンオフ状況、累積交通カウント、累積時間占有、および100分の5秒程度毎の推定車両速度を流す。 待ち行列状態と速度、流量のような他の交通特性データは、オンオフパルスおよび感知器配列からローカルコントローラの信号制御処理装置により合成される。 これら合成データ(例えば待ち行列長)はより精巧な感知器から取得したもの程正確ではないので、より高精度の感知器からのデータが「万能」感知器インタフェースを通して信号制御処理装置に記入されると、これら合成データは自動的に置き換えられるように、ソフトウェアは設計されている。

    【0112】図24に見るように、感知器データ処理装置27は、2タイプのデータを読み取る。 交差点幾何形状データブロック44からの感知器定義データならびに、感知器および押しボタンデータブロック48からの感知器データである。 感知器定義データ、すなわち永久データは、感知器形式、感知器位置と感知器の交通流への関係、およびインタフェースからデータ取得間の時間間隔を定義する。 これらデータは、ローカルコントローラに新感知器が取り付けられると必ず読込まれる。 感知器形式は一時に1形式より多く1ローカルコントローラに取り付けることができる。 システムが動作していると、感知器データ(リアルタイムデータ)は感知器インタフェースを通して動的に読込まれる。 感知器定義情報から、信号制御処理装置ソフトウェアは内部的に使用される入力データと、作成される出力データとを規定する。

    【0113】図24で説明する信号制御の交通適合法では、感知器データ処理装置出力から得た(また信号タイミングの線形計画法解に必要な)データには、ブロック110で示されるように各交通流に対する流入流量および飽和流量を含んでいる。 ブロック112で示される歩行者押しボタン情報もまた、線形計画法での使用のために感知器データ処理装置27から得られる。 ブロック1
    10からの流入および飽和流量、ならびにブロック11
    2からの歩行者押しボタン情報は、線形計画法ブロック114へ供給されることが示してある。 歩行者押しボタン情報、ブロック112は、感知器データ処理装置、ブロック27からの出力であり、歩行者に対するリコールスイッチがオフの時のみ関係が生ずる。

    【0114】感知器出力から飽和流量を得る方法は、問題が複雑で取扱い困難ではあるが、種々の方法が可能である。 感知器データから飽和流量の計算を実行する感知器データが現ソフトウェアは、図8の高度アルゴリズム処理装置に含まれていることがある。 計算の飽和流量の代りに、各交通量に対する推定の飽和流量を用いてもよく、この推定は異なる時刻での交通の観察から得られるということを、ここで記しておく。 推定飽和流量は線形計画法で使用のために時刻制御テーブルに記憶することができる。 一般には、かかる推定飽和流量はリアルタイムに決定される流量程正確ではない。

    【0115】荒天時飽和流量が相当低下することがあるので、ブロック116からの天候率(あるいは交通容量率)情報が、天候状態に応じて推定飽和流量野調節のために線形計画法ブロック114に供給されることがある。 さらに、インタグリーン時間も天候に対し調節できる。 天候、すなわち交通容量は、前記2,2節で詳細に論じられている。

    【0116】上記のように、感知器データ処理装置27
    は、本交通反応および交通適合法に用いられる出力を生成するのみでなく、他の信号制御法に有用なことがある他のデータも生成する。 通常ループ式または超音波式感知器では、データ感知器処理装置27により生成されうる他のデータには、感知器状況、与えられた時間間隔に対する累積交通カウントおよび占有量、規定された時間間隔に対する交通カウントおよび時間占有、各レグに対する交通渋滞レベル、各レーンに対する交通待ち行列流出状態、交差点間の推定旅行時間、ならびに1ブロック内の車両数が含まれる。 また交差点での待ち行列長データも、データ感知器処理装置27を用いて生成できる。

    【0117】ブロック116からの天候率、すなわち交通容量率に加えて、より好ましくない交通流データを、
    データ入力ブロック118から線形計画法ブロック11
    4に供給することができる。 例えば あるのは、非臨界車両交通流中の1交通流が他よりより好ましくないと決定することがある。 「より好ましくない」交通流とは、必要以上に長時間の青時間を受理すべきではない交通流である。 例えば、もし単独セグメントが右左折交通流と通過交通流とからなるなら、右左折交通流は2つの中で「より好ましくない」ものであると決定することができる。 そうするともしその輪の単独セグメントに対し余剰青時間がある場合、交通技術者はそれを通過交通流に割り当てるであろう。 この場合、より好ましくない交通流は入力データブロック118で識別されるであろう。 明らかに、より好ましくない交通流は1日の間で変更することができ、その場合には時刻制御テーブル中にそれを含めるとが適当である。 以下で明らかになるように、より好ましくない交通流データを、以下述べるフェーズ時間と周期長の線形計画法での複数解の数を最小化するための線形計画拘束条件において不等式を等式に入れ換える際に用いる。

    【0118】ブロック120からの歩行者率入力も線形計画法84に供給され、2,2節で上に述べられている。

    【0119】線形計画法へのその他の入力に、歩行者、
    車両交通流相当テーブル、ブロック122からのデータを含むことがある。 ここで、歩行者交通流と両立する車両交通流が識別される。

    【0120】各交通流に対するリコールスイッチ状態もブロック124から線形計画法ブロック114に提供される。 上記のように、リコールスイッチがある交通流に対し「オン」の時は、その交通流は青信号要求がなされなくとも青信号を受理するであろう。 リコールスイッチ「オン」の状態では、その交通流を含むフェーズは線形計画解に含まれる。 時刻制御リコールスイッチ選択テーブルおよび関連テーブルが上記のように図18に示されている。

    【0121】線形計画法ブロック114の入力もブロック127から交通流フェーズマトリックスMにより提供される。 交通流フェーズマトリックスの例は図13に示されており、上記のようにマトリックスは交通流と信号フェーズ間の関係を示す。 交通流フェーズマトリックスMは、ブロック128に含まれている青信号〜青信号衝突部マトリックスGからコントローラにより生成される。 図12には青信号〜青信号衝突部マトリックスG
    が、図4に示す交通流に対し示されている。 データ要素0は交通流が衝突部していることを示し、データ要素1
    は交通流間に衝突部がないことを示す。 図13に示す交通流フェーズマトリックスMは、青信号〜青信号衝突部マトリックスGから、以下のi=1からi=nまでステップ(1)〜(9)を繰返すことにより得られる(但し、nは最大交通流IDである)。

    【0122】(1) 青信号〜青信号(G〜G)衝突部マトリックスを用いて、交通流iと同時に青信号を受理する交通量を捏す。 この交通流をjと呼ぶ。

    【0123】(2) G−G衝突部マトリックスを用いて、交通流iおよび交通流jと同時に青信号を受理する交通流を捏す。 この交通流を1と呼ぶ。

    【0124】(3) G−G衝突部マトリックスを用い、
    交通流i、j、および1と同時に青信号を受理する交通流を捏す。

    【0125】(4) 交通流i、j、1等と同時に青時間を与えられる可能性のあるすべての交通流を調べつくすまで、この処理を繰り返す。 この交通流グループに対する処理がなされる時、それをフェーズi 1と呼ぶ。

    【0126】(5) G−G衝突部マトリックスを用い、
    交通流iと同時に青信号を受理するj以外の交通流を捏し、この交通流をj′と呼ぶ。

    【0127】(6) G−G衝突部マトリックスを用い、
    交通流iおよびj′と同時に青信号を受理する交通流を捏し、この交通流を1′と呼ぶ。

    【0128】(7) G−G衝突部マトリックスを用い、
    交通流i、j′および1′と同時に青信号を受理する交通流を捏す。

    【0129】(8) 交通流i、j′、1′等と同時に青時間を与えられる可能性のあるすべての交通流を調べつくすまで、この処理を繰り返す。 この交通流グループに対する処理がなされる時、それをフェーズi 2と呼ぶ。

    【0130】(9) 交通流iに対し、可能性のあるすべての組み合わせを調べつくすまで、処理を繰り返す。

    【0131】線形計画法ブロック114は、以下詳しく述べる線形計画手法を用いて信号タイミングパラメータを計算する。 線形計画法ブロック114からの出力は、
    実行すべき各交通流の最小、最大、最適青時間を決定するブロック130に供給される。 ローカル最適周期長、
    ブロック132は、その交差点に対し、現地での最適周期長である。 これは線形計画法ブロックからの出力である。

    【0132】ブロック132からのローカル最適周期長はローカルマスタコントローラ160に供給され、ブロック134において、サブエリアの共通周期長の生成のため、ローカル最適周期長がサブエリア内の他のローカルコントローラからの最適周期長データと共に用いられる。

    【0133】次期周期の周期長および実行すべき各交通流の最適青時間はブロック136で決定される。 ブロック136への入力には、ブロック130からのローカルコントローラに対する最小、最大、最適青時間、ブロック134からの共通周期長、およびブロック138からのオフセットずれ量を含む。

    【0134】各交差点の計画オフセットずれ、ブロック140は、隣接交差点間の距離、各交通流の交通流量等の入力データを用いてローカルマスタコントローラにより計算され、そのデータは街路幾何形状ブロック142
    ならびに流入流量および飽和流量ブロック110それぞれからブロック140に供給される。 オフセットずれ、
    ブロック138は(ブロック140からの)計画オフセットと現オフセット基準点間の差を計算することにより得られる。 上記のように、ブロック138からのオフセットずれは、次期周期の最適青時間および周期長を得るために用いられるブロック136への入力の一つである。 図24に示す交通反応法では、次期周期に対する周期長および最適青時間はブロック136で決定性的に定義される。

    【0135】ブロック136からの次期周期長および青時間は、信号表示コントローラ、または信号スイッチ、
    ブロック144に供給される。 信号支持コントローラ1
    44は柔軟性のあるスイッチ機構であって、ブロック1
    36からの次期周期長および青時間に加え、遷移マトリックスPおよび青信号〜青信号衝突部マトリックスG
    (ブロック128)、リコールオンオフスイッチ状況(ブロック124)、交差点幾何形状データ(ブロック44)ならびにブロック146からの外部割込みからの入力の提供を受ける。 遷移マトリックスPは、どの交通流が次に続くかを識別する。 図11で説明した遷移マトリックスでは、交通流2が1に続き、3が2に続き、4
    が3に続き、1が4に続き、6が5に続き、7が6に続き、8が7に続き、5が8に続く。 外部割込み(図24
    のブロック146)は、ローカル手動制御と中央割込み制御、または緊急車両制御、鉄道踏切、バス優先制御等のような特別制御法によりシステムが操作される時発生することがある。 特別モードの制御が有効な時は、信号表示は外部割込みにより置き換えられる。 信号表示コントローラ144の詳細説明を以下に行う。 本目的に対しては信号表示コントローラが、信号灯表示器ブロック1
    48として識別されている信号灯を制御していることが理解されるであろう。 ブロック148は信号スイッチ、
    ブロック144から送信される青、黄、赤、点滅黄、点滅青、または点滅赤の信号灯状況を表わす。 LP法の適用各交差点での最小、最適、最大周期長はローカルとシステム全体の両方で交通流制御の最適化を満足するように決定される。

    【0136】1. 各交差点の最小、最適、最大青時間、
    と 2. 最小、最適、最大周期長 のようなローカル信号タイミングパラメータは、前記の論文「交通信号のタイミング設計」Tramsportation Res
    each Record(No.1069)Washington,DC1986 において、
    本発明者により開示された線形計画法を用い、各交差点に対し直接に得られる。

    【0137】線形計画法に用いるフェーズ案マトリックス、ここでは図13に示すMマトリックスが信号フェーズと交差点の交通流との間の関係を定義し、上記方法で図12に示される青信号〜青信号衝突部マトリックスG
    からコントローラにより自動的に生成される。 線形計画法に用いる交通データには、交差点アプローチへの流入交通流および交差点アプローチからの飽和した流出交通流(これを飽和流と呼ぶ)に関するデータを含んでいる。 これら交通データはすぐ後の周期に対し推定したデータにも、直前の周期で観察したデータでもいずれでもよい。

    【0138】各交通流の飽和流量が同じ交通流の流入流量より大きい場合に、またその場合のみ線形計画法は有効に作用する。 もし飽和度(流入流/飽和流)がある値より大であれば、信号タイミングはLP法で人為的条件を賦課することにより決定される。 人為的条件は、表題「過飽和条件への賦課条件」の下に以下論ずる。

    【0139】青時間を得るには、最初に線形計画法を解くことにより「信号フェーズ時間」が得られ、次に「信号フェーズ時間」から「交通流フェーズ時間」を計算する。 青時間は順に「交通流フェーズ時間」から得られる。 図25、26がフェーズ時間とその交通流を説明する信号フェーズ順序組合せの例である。

    【0140】信号フェーズ時間は、信号フェーズに対する持続時間を意味する。 状のように、本特許出願で用いる場合、フェーズとは交差点での交通流組合せに与えられる青表示である。 初期の固定フェーズ式交通信号では、信号フェーズ時間は、常に青時間、黄時間および青時間に続くインタグリーン青時間から構成されていた。
    交通流志向の信号制御では、そうではない。 時には一つの交通流に対するインタグリーン時間の終りが、図26
    に示すように他の交通流を扱うインタグリーン感の開始時間と重なり合う程、フェーズ時間を短くできる。

    【0141】交通流フェーズ時間はある交通流に対する持続時間を意味し、青時間と、青時間に続くインタグリーン時間(黄時間プラスインタグリーン赤時間)からなる。 信号コントローラがその交通流に対する青信号小表示を飛越さない限り、交通流フェーズ時間は黄およびインタグリーン赤の持続時間より常に長い。 持続時間が有効青時間とその交通流に対する損失時間からなるとして、交通流フェーズ時間に割込みを入れることもできる。

    【0142】LP法において使用する用語を次のように定義する。

    【0143】 tmin,j=フェーズjの最小信号フェーズ時間(秒) topt,j=フェーズjの最適信号フェーズ時間(秒) tmax,j=フェーズjの最大信号フェーズ時間(秒) θmin,i=交通流iの最小交通流フェーズ時間(秒) θopt,i=交通流iの最適交通流フェーズ時間(秒) θmax,i=交通流iの最大交通流フェーズ時間(秒) gmin,i=交通流iの最小青時間(秒) gopt,i=交通流iの最適青時間(秒) gmax,i=交通流iの最大青時間(秒) tmin,j=フェーズjの人為的に調整した最小信号フェーズ時間(秒) tmoptj=フェーズjの人為的に調整した最短最適信号フェーズ時間(秒) tnmax, j=フェーズjの最短最適信号フェーズ時間に対応する人為的に調整された最大信号フェーズ時間(秒) tamin,j=フェーズjの人為的に調整された最長、最適信号フェーズ時間に対応する人為的に調整された最小信号フェーズ時間(秒) taopt,j=フェーズjの人為的に調整された最長、最適信号フェーズ時間(秒) tamax,j=フェーズjの最長、最適信号フェーズ時間に対応する人為的に調整された最大信号フェーズ時間(秒) L=周期当りの全損失時間(秒) Li=交通流iの損失時間(秒) Li,x=交通流iの損失時間調整(秒) r=最適/最小周期長係数、これは(1.5L+5)/
    Lに等しい yi=交通流iの青時間に続く黄時間(秒) ri=交通流iの黄時間に続くインタグリーン赤時間(秒) Cmin =最小周期長(秒) Copt =最適周期長(秒) Cmax =最大周期長(秒) Cmmin =人為的に調整された最小周期長(秒) Cmopt =人為的に調整された最適周期長(秒) Cmmax =人為的に調整された最大周期長(秒) aij=交通流〜フェーズマトリックスの要素ij =1(交通流iがフェーズjにより操作される時) =0(それ以外の時) gi=交通流iの流入流量(車両数/秒) si=交通流iの飽和流量(車両数/秒) ti=歩行者交通流の所要時間 各交通流の観察飽和流量が入手できるならば、それを使用する。 入手できなければ、飽和流量は Si=(入力で定義した飽和流量)×(交通容量率) (1) により定義する。

    【0144】フェーズjの最小信号フェーズ時間、t
    min,jは各車両交通流に対し

    (i=1,…,mに対し) (但し、a

    i,j =交通流〜フェーズマトリックスのij


    要素 =1(交通流iがフェーズjにより操作される時) =0(それ以外の時) ) および歩行者交通流に対し (但し、t

    i =歩行者交通流iの所要時間)の条件下で、 を最小にするような t

    min,1 ,t

    min,2 ,…,t

    min,n (5) を見出すことにより定義される。

    【0145】交通流の数が信号フェーズの数に等しく、
    かつマトリックスA=a(i,j)の逆マトリックスA
    -1が存在するような特別のケースでは、線形計画法は、
    その解として最小交通フェーズ時間を直接生ずるように定式化することが出来る。

    【0146】(2)の拘束条件は、交通流iの操作に割り当てられた全信号フェーズ時間は、流入流が一様到着パターンに従い、また飽和流も一様出発パターンに従うと仮定して、1周期に交差点に入る(その交通流の)全車両数を操作するのに充分の時間があるということを言っているのと同じである。

    【0147】拘束条件(3)は歩行者交通流i(車両交通および歩行者交通の双方)の最小交通流フェーズ時間、Θ min,i

    で得られる。

    【0148】交通流i(車両および歩行者交通の双方)
    の最小青時間は

    但し y

    i =交通流iの青時間に続く黄時間(秒) および r

    i =交通流iの黄時間に続くインタグリーン赤時間(秒) で与えられる。

    【0149】もし計算したg min,iが(入力で定義した)t ini,min (秒)より小なら、その交通流飛び越しを可能にするようg min,iを0にセットする。

    【0150】上記動作から得られる信号/交通流フェーズ時間および周期長は、車両交通の流入流および飽和流ともに一様流であるとの仮定を用いて得られたものであるから、それは「最小」信号/交通流フェーズ時間である。

    【0151】しかし現実の交通は一様到着パターンにも、また一様出発パターンにも従わない。 現実は殆ど常に、交通流にはある程度の変動がある。

    【0152】歩行者交通がなく、またすべての臨界交通流が既知の時は、最小周期時間が C min =L/(1−Σq i /s i ) (8) で表わされるとは容易に示される。

    【0153】但し(Σq i /s i )はすべての臨界交通流の飽和度合の合計であり、またLはこれら臨界交通流の損失時間の合計で、1周期の全損失時間と呼ばれる。

    【0154】 q i =交通流iの流入交通流量(車両数/秒) s i =交通流iの飽和交通流量(車両数/秒) Webster,FVおよびBMCobbe 著、 交通信号 、Road Res
    earch Technical paper No.56,Her Majesty's Stationa
    ry Office,London,1966 において、交差点におけるすべての車両に対し最小平均遅れを与える最適周期時間は C opt =(1.5×L+5)/(1−Σq i /s i ) (9) であることが、コンピュータシミュレーションにより示された。

    【0155】「車両交通のみ」を対処する交差点では、
    最適周期時間、C optは、最小周期時間C minと、全損失時間Lの関数として近似することが可能で、C optは C opt =〔(1.5×L+5)/L〕×C min (10) で表わされる。 また r=(1.5×L+5)/L=C opt /C min (11) を定義する。

    【0156】全損失時間20秒(長い全損失時間と考えられる)に対し係数r=1.75、また全損失時間8秒(短い損失時間と考えられる)に対し係数r=2.13
    である。 大抵のケースでは、r値はこの2つの値の間にある。

    【0157】実動作では、通常歩行者交通流が信号タイミングの決定に非常に重要な役割を演ずるので、最小周期長に係数を単純に掛算したのでは最適周期時間を生じないことが屡々ある。

    【0158】式(8)〜(11)は、全損失時間Lおよび変動車両交通パターンに対し得られる周期時間が、全損失時間(r×L)および一様到着、出発パターンに対し得られる周期時間に等しいことを意味している。

    【0159】従って、最適信号/交通流フェーズ時間を得るためには、車両交通流iの損失時間として、L iの代りにr×L iを用いて、別の線形計画法を解かなければならない。

    【0160】問題は、正確な損失時間および順に正確なr値は臨界交通流が既知になるまでは計算できず、またその線形計画法の解を有するまでは臨界交通流が既知でないということである。 最小周期長に対する臨界交通流は、最適周期時間に対する臨界交通流と同一ではないことがある。

    【0161】このジレンマを解決するため、全損失時間を近似する。 最初に、各輪に対し周期当り損失時間の合計を計算する。 次に、互いに比較し、周期当り最大損失時間を選択する。 この演算は

    で表わされる。

    【0162】r値は(11)、(12)から計算される。

    【0163】従って、フェーズjの現地最適信号フェーズ時間、t opt,jは、車両交通流に対し

    (i=1,…,mに対し)また、歩行者交通流に対し の条件下で、 を最小にする t

    opt,1 ,t

    opt,2 ,…,t

    opt,n (16) を見つけることにより、定義される。

    【0164】従って、交通流i(車両および歩行者交通の双方)の最適交通流フェーズ時間Θ opt,iは、

    として与えられる。

    【0165】交通流i(車両および歩行者交通の双方)
    の現地最適青時間t opt,iは、

    として与えられる。

    【0166】最大信号/交通流フェーズ時間はまた別の線形計画法を解くことにより得られる。 車両交通流に対しては、最大信号/交通流フェーズ時間と最適信号/交通流フェーズ時間との差は、最適信号/交通流フェーズ時間と最小信号/交通流フェーズ時間との差に等しいと仮定する。 従って、拘束条件に用いられる仮装損失時間は、車両交通流iに対し(2×r−1)×L iである。

    【0167】フェーズjの最大信号フェーズ時間、t
    max,jは、車両交通流に対し

    (i=1,…,mに対し)および、歩行者交通流に対し の条件下で、 を最小にする t

    max,1 ,t

    max,2 ,…,t

    max,n (22) を見つけることにより定義される。

    【0168】交通流i(車両交通および歩行者交通の双方)の最大交通流フェーズ、Θ max,i

    として表わされる。

    【0169】交通流i(車両および歩行者交通の双方)
    の最大青時間、t max,iは、

    で与えられる。

    【0170】あるケースでは、線形計画法が運用的に受け入れられる信号タイミングパラメータを生じないことがある。 例えば信号整合を維持している時には、整合される交通流に対する信号青時間は余りに短くてはいけない。 このような環境では、「最短」最適周期長はC mopt
    であるといった人為的制限を賦課することが必要なことがある。 もしLP法がC moptより小の周期長を生ずると、プログラムが自動的に周期長をC moptに増加させ、
    また各交通流の青時間のすべての合計が周期長C moptになるよう各交通流の青時間を比例配分する。

    【0171】もし最適周期長がC moptに人為的に調整されると、その時は対応する最大周期長も調整しなければいけない。 対応する最大周期長は、 C mmax =C mopt (C max <C moptの時) C mmax =C max (それ以外の時) (25) で与えられる。

    【0172】最大周期時間の調整が必要なのは、あるケースでは、最適周期時間が、調整. ない限り計算最大時間より大になるからである。

    【0173】最適周期長および最大周期長が人為的に調整される時は、青時間も調整しなければならない。 この条件下での人為的に調整された最適および最大青時間は、 g mopt,i =g opt,i ×Σg mopt,i /Σg opt,i (すべてのiに対し) および g mmax,i =g max,i ×Σg mmax,i /Σg max,i (すべてのiに対し) (26) として得られる。

    【0174】この条件下では、最小周期時間は常に最適周期時間より短いので、最小周期時間の調整は必ずしも必要ではない。

    【0175】一方の人為的制限は、運用上受け入れられる「最長」最適周期長を対処する。 すなわち最適周期長はC aopt (2.5〜3分)より長くてはいけない。 もし線形計画法がC aoptより長い周期長を生ずると、プログラムは周期長をC aoptに自動的に短縮し、各交通流の青時間すべての合計が周期長C aoptになるように、各交通流の青時間を比例配分する。

    【0176】もし最適周期長が人為的にC aoptに調整されると、対応する最小および最大周期長も調整されなければならない。 最小周期長、C minは、この条件下では C amin =C aopt (C aopt <C minの場合) C amin =C min (その他の場合) (27) で定義される。

    【0177】同じ条件下で、最大周期長、C maxは C amax =A 1 ×C aopt (28) として、C aoptから定義される。

    【0178】A 1は1.0より大の任意の数である。

    【0179】この条件下で、人為的に調整された最適、
    最大、最小青時間は g aopt,i =g opt,i ×Σg aopt,i /Σg opt,i (すべてのiに対し) g amax,i =Σg max,i ×Σg amax,i /Σg max,i (すべてのiに対し) および g amin,i =Σg min,i ×Σg amin,i /Σg min,i (すべてのiに対し) (29) から得られる。

    【0180】 過飽和状態での付与条件一般に、過飽和交通流は、交通流が交通密度線図の渋滞区域にあること、すなわち交通流は交通容量(あるいは飽和流)以下であり、密度は交通容量条件の密度より大であることを意味する(図9参照)。 流入交通量の合計が1.0より小である限り、この条件下で線形計画法は非常にうまく機能する筈である。 もし飽和度の合計が1.0に近づいたり、越えたりすると、線形計画法は機能しないことになる。

    【0181】実運用では、飽和度の合計は交通混雑状態では容易に1.0に近づいたり越えたりすることがある。 線形計画法が過飽和状態で機能することを保証するには、この状態が検出されると、あるパラメータを人為的に操作しなければならない。 以下述べる手順を、線形計画法手順を開始する前に毎回追わなければならない。
    各輪に対し以下の手順が実行される。 1. 各輪の各周期に対しQ s =(Σq i /s i )を計算する。 2. Q s <A 2なら、次の輪に飛ぶ。 そうでなければ、新Q s =A 2になるよう、q i値を人為的に修正する。 A 2は1.0より小の任意の数である。 A 2 =0.
    96がデフォルト値として適当な数値であると仮定する。 修正動作は3で述べる。 3. 飽和流量s iは同一のままとする。 流入交通量q
    iのみを修正する。 修正されたq iをq i ′と表わすなら、q i ′は qi ′=q i ×A 2 /Q s (30) と表わされる。 4. このq iをq i ′で置き換える。 5. 周期長が最大許容周期長になるよう、青時間を調節する。

    【0182】これらの条件では、線形計画法は解を有し、結果の信号タイミングは実際的であろう。

    【0183】ここで図27、28、29に示す流れ図を参照することとする。 図は線形計画法の解が受け入れ可、受け入れ不可、あるいは線形計画法の解がないそれぞれの場合の線形計画法の動作を示す。 図27のブロック160に見るように、最大周期長および青時間が最初に決定され、もし線形計画法の解が受入れ可(ブロック162)なら、最適周期長および青時間が図28のブロック164で示すように決定される。 もしブロック16
    4で決定された線形計画法の解がブロック166に示すように受入れ可であれば、最小周期長および青時間がブロック166に示すように決定され、続いて最小周期長および青時間が図29のブロック168に示すように決定される。 もしブロック168で与えられる解がブロック170に示すように受入れ可なら、続いて上記の許容最大、最適、最小値が以後の信号タイミングパラメータ計算に用いられる。

    【0184】もし最大周期長および青時間を得るための線形計画法(ブロック160)が解を有しない(ブロック172)なら、以後の信号タイミング計算に用いるための最大周期長および青時間の選択(ブロック17
    4)、ならび最適、最小周期長および青時間の選択(ブロック176)に、時刻制御テーブルが用いられる。

    【0185】もし周期長が短すぎる(ブロック180)
    ために、最大周期長および青時間に対する線形計画法の解が受入れ不可(ブロック178)なら、ブロック18
    2に示すように許容最小値に調整される。 次にブロック184で、最適、最小周期長および青時間は許容最小値に調整され、この値が、ブロック180で得られた値と共に、以後の信号タイミングパラメータ計算に用いられる。 一方、もし最大周期が長すぎることのために受入れ不可(ブロック185)なら、周期長および青時間はブロック186の許容最大値に調整され、最適周期長および青時間計算のために動作はブロック164に進む。 もし最適周期長および青時間を求める線形計画法が解を有しない(ブロック188)なら、最大ケースに用いたのと同じ信号タイミングパラメータが、最適および最小信号時間パラメータの双方に用いられる。 最適周期長および青時間の線形計画法の解が存在するべきなのに、何らかの理由で解が得られない時は、以後の計算では最大ケースに用いたのと同じ信号タイミングパラメータを用いる準備がなされる。

    【0186】もし周期長が短すぎる(ブロック194)
    ために最適周期長および青時間の線形計画法の解が受入れ不可(ブロック192)の時は、最適、最小周期長および青時間はブロック196で許容最小値に調整される。 これらの値が、最大あるいは調整された最大周期長および青時間と共に以後の信号タイミングパラメータ計算で用いられる。 もし周期長が長すぎる(ブロック19
    8)ために、最適周期長が受入れ不可(ブロック19
    2)なら、周期長および青時間はブロック200で許容最大値に調整される。 続いて最小周期長および青時間の線形計画法の解を得るために、動作はブロック168に進む。

    【0187】もし最小周期長および青時間を求める線形計画法が解を有しない(ブロック202)時は、最適ケースで用いたのと同じ最小周期長および青時間がブロック204に示すように用いられる。 周期長が短すぎる(ブロック208)ために、最小周期長の線形計画法の解が受入れ不可(ブロック206)の時は、最小周期長および青時間は許容最小値に調整される(ブロック21
    0)。 これらの値は、上で得られた最大、最適周期長および青時間と共に、以後の信号タイミングパラメータ計算に採用される。 もし周期長が長すぎる(ブロック21
    2)ために最小周期長が受入れ不可なら、周期長および青時間はブロック214で許容最大値に調整される。 調整された最小周期長および青時間は、上の最大、最適周期長および青時間と共に、以後の信号タイミングパラメータ計算に使用される。

    【0188】以上述べた通り、過飽和交通状態に対するLP手順では調整が行われてきた。 従って、調整をもってしてもなお「解なし」が依然あり得るけれども、「解なし」が頻繁に観察されると考えるべきではない。 実運用では、もし「LPが解を有しない」時は、ローカルコントローラは信号タイミングの決定に時刻制御参照用テーブルを使用するであろう(それを可能にするためには、すべてのローカルコントローラに時刻制御参照用テーブルを用意しなければならない。このテーブルは異なる時刻に対し、僅か3組のタイミングパラメータを含むことが出来る。)。

    【0189】 線形計画法の複数解に対する考慮事項本節で述べたように、LPを実交通に直接適用すると、
    一般には2以上の解を生ずるであろう。 ある解は交通技術者に受入れ可であり、またある解は受入れ不可のことがある。 解が交通技術者に受入れ可であることを保証するには、LPを少し修正しなければならない。

    【0190】提案する修正は車両交通に対する拘束条件にある。 修正版では、他よりも「より好ましくない」と考えられる車両交通流を入力において規定しなければならない。 「より好ましくない」交通流は、必要以上に長い青時間を受理すべきではない交通流である。 例えば、
    もしある信号セグメントが、右左折交通流と通過交通流とからなる時、右左折交通流を2つの中で「より好ましくない」交通流であると決めることが出来る。 またもしその輪の信号セグメントに余剰青時間がある時は、交通技術者はそれを通過交通流に割り当てるであろう。 図2
    4および31では、より好ましくない交通流が入力データブロック118で識別されている。

    【0191】LPの拘束条件では、「より好ましくない」交通流は、不等式の代りに等式を有することになる。 これは青信号は「より好ましくない」交通流を処理するのに充分な丁度の長さ継続することを意味し、また線形計画法の複数解の数は減少するであろう。

    【0192】 歩行者交通流に対する考慮事項ここで述べたように、歩行者交通流を独立した交通流として扱ってきた。 しかし歩行者交通流は、通常1以上の車両交通流と同時に青信号を与えられる。 LPは歩行者交通流を表わす変数なしに準備することができる。 これはLP拘束条件で車両交通流の代りに歩行者交通流を表わす変数を用いることにより実行できる。

    【0193】 LP法の変形各種のLPベースの交通適合信号制御法が可能である。
    「純粋の」LP法と「完成な」交通適合法との間にある変形に (1) フェーズ飛越し機能をもった右左折交通起動…
    LP法により計算した最小青時間が事前設定値より小(従ってフェーズ飛越しが可能になる)の場合には右左折交通を起動し最小青時間をゼロにする以外は、 基本的に線形計画法と同一である。 LPの結果から得られた値を信号セグメン トの青時間(1街路に対する青時間継続)として用いる。 起動機能は基本的に は、最初の青信号期間から始まる確保時間内に交通が検出されない時は青信号 を打切ることであり、また交通が検出される時は必ず単位延長量だけ青信号を 延長することである。 この単位延長量が自動的に調整されること以外は、
    この 起動操作の方法は通常用いられる従来からの方法である。 (2) 待ち行列バックアプにおける青信号打切り…上記(1)に加え、この方法は待ち行列バックアプが検出される時は、全交通流の青信号打切り機能を含んでいる。 (3) (1)および(2)での通過交通に適合制御能力の付与。 適合制御法は上記(1)に述べた起動形式と同様である。 適合法は極端な閑散状態から超飽和状態までの範囲のあらゆる状態を制御するように設計される。
    これらの変形はローカルコントローラのSCPにおいて実行できる。

    【0194】これら状態では、LPは解を有し、また結果の信号タイミングは実際的であろう。

    【0195】 2重問題に関する考慮事項 LP法では、信号フェーズ時間に対する線形計画を解く。 線形計画法は、その解として臨界交通流のフェーズ時間を直接生ずるようなやり方で定式化することができる。 これは線形計画法の2重問題と殆ど同一である(臨界交通流の)。 最小交通流時間を探す線形計画法は車両交通流に対し

    (j=1,…,nに対し)および、歩行者交通流に対し Θ

    min,i ≧t

    i (iε1,…,mに対し) (32) の条件下で、 を最大にする最小交通流フェーズ時間 Θ

    min,1 ,Θ

    min,2 ,…,Θ

    min,m (34) を見つけることと、定式化することが出来る。

    【0196】線形計画法の解は非臨界交通流に対しては最小交通流フェーズ時間を生じない。 従って、各交通流に対する青時間を得るためには最初に(線形計画法の)
    1次問題をやはり解かなければならない。

    【0197】臨界交通流の最適、最大交通流フェーズ時間は同様なやり方で得られる。

    【0198】 感知器設置に関する考慮事項 LP法を演算するには、交差点の各交通流に対し(少くとも交通流当り1個の)感知器を設置しなければならない。 同一レーンに設置さるべき感知器の必要数は僅か2
    個でよい。 飽和流量は交差点の停止線に最も近い場所にある感知器により測定される。 また流入流量は、交差点停止線から充分離れた場所(交差点での最大待ち行列より離れていること)にある感知器により測定される。

    【0199】感知器のデータ処理モジュールが、感知器故障によりどれかのレーンの流入交通量を得られない時は、ローカルコントローラはLP法を選択すべきではない。 飽和流量は1日のある時間帯に対しては人手で観察してもよく、その観察値をLP法に用いてよい。

    【0200】 入力および出力 LP法に対する入力には、 1. 各感知器の感知状況…活動または不活動(デフォルト値は不活動) 2. 各交通流のレーン当り基本飽和流量(デフォルト値は通過交通に対し、2,000車両/時間/レーンであり、右左折交通に対し、1,500車両/時間/レーン) 3. 各交通流のレーン当り流入交通流量(デフォルト値は規定されない) 4. 各交通流の損失時間(黄およびインタ交通流赤時間)(デフォルト値は4および2秒) 5. 交通容量率ID(デフォルト値は10) 6. 交通流とフェーズとの関係を指示するマトリックス(デフォルト値は設けられていない) 7. 最小歩行者横断時間(デフォルト値は、交差点幾何形状データテーブルから読み込む) 8. 歩行者点滅青時間(デフォルト値は、交差点幾何形状データテーブルから読込む) 9. 整合すべき交通流(デフォルト値は、交差点幾何形状データテーブルから読込む) 10. 人為的な最小青信号打切り時間(t ini,min
    (デフォルト値は3秒) 11. 人為的な周期長制限: C mopt (デフォルト値は0秒) C aopt (デフォルト値は150秒) 12. 人為的な周期長計算に用いるパラメータ A 1 (デフォルト値は4/3) A 2 (デフォルト値は0.96) が含まれる。

    【0201】LP法からの出力には、 1. 周期IDおよび日付 2. 時計時間 3. 曜日および休日ID 4. 交通容量率ID 5. 特別行事ID 6. 使用されるテーブルのID 7. 実行〜フェーズ順序 8. 整合された交通流 9. 各交通流の最小青時間 10. 最小周期長 11. 各交通流の最適青時間 12. 最適周期長 13. 各交通流の最大青時間 14. 最大周期長 15. 最適周期長 16. 各交通流の実行青時間 17. 実行周期長 18. 計画オフセット実行時間 19. 調整された計画オフセット実行時間 20. 実計画実行時間 が含まれる。

    【0202】2.3.3 オンラインリアルタイム交通
    適合制御法オンラインリアルタイム交通適合信号制御法は交通反応法とある程度類似のやり方で動作する。 この場合もまた、信号動作の単位は1周期である。 図30はその概念的な作業の流れ図である。 オンラインリアルタイム交通適合制御法で実行される作業は、 (1) ローカルコントローラが、時刻テーブル探索法により信号制御法、信号フェーズ案、リコールスイッチ状況、歩行者交通レベルを定義する(図30のブロック80,82,84および88)。 (2) ローカルコントローラが信号タイミング計算に用いるべき交通感知器データを収集し処理する。 ローカルマスタコントローラは、サブエリア内の各種ローカルコントローラからのデータを用い(必要なら)、交通カウントを予想する。 予想交通カウントをローカルコントローラに送信する(ブロック220)。 (3) ローカルコントローラは、予想交通データを用いてLP法により信号タイミングパラメータを計算する。 または時刻テーブル探索法により信号タイミングパラメータを選択する。 いずれの場合も、各交通流の最小、最適、最大青時間および交差点の最小、最適、最大周期長が得られる(ブロック222)。 (4) ローカルコントローラは、現地で計算した(または選択した)タイミングパラメータをローカルマスタコントローラに送信する。 (5) ローカルマスタコントローラは、共通周期長および計画オフセットを計算する(ブロック224)。 (6) ローカルコントローラはオフセットずれを測定する(ブロック94)。 (7) ローカルコントローラは、オンラインリアルタイムベースで感知器データを処理する。 (8) ローカルコントローラは、共通周期長を含み、
    また計画オフセットおよびオンラインリアルタイム感知器情報に追いつくようローカル信号タイミングを調整する(ブロック228)。 次の節をも参照のこと。

    【0203】信号制御手順は交通反応制御法の場合と同様である。 主な違いは、交通反応制御法では各交通流の青時間が周期の開始前に計算されるのに対し、交通適合法ではオンラインリアルタイム感知器情報を用いて青時間が決定されることである。 LP法を用いて計算した(または時刻参照用テーブルを用いて選択した)各交通流の最小、および最大青時間は、延長青時間の上限、および下限として用いられる。 サブエリアの共通周期長は、その周期のオフセット基準点(ORP)を適切な状態に維持するために用いられる。 オンラインリアルタイム交通適合法では、各交通流の青時間が最小、最大限界内で変動するので、共通周期長は不可視である。

    【0204】図24に示す交通反応法の機能の多くを取り入れている交通適合制御法について、図31のデータの流れ図をここで参照することにする。 図24に示す機能に対応し、また前に述べた機能で、図31に示されているのは、ブロック27,44,48,110,11
    2,114,116,118,120,122,12
    4,126,130,132,134,138,14
    0,146および148の機能を含んでいる。 ブロック128′はQマトリックスが入っている点だけブロック128とは違っている。 Qマトリックスからのデータは、リアルタイム適合コントローラ、ブロック232に供給される。 Qマトリックスは図14に示されており、
    以下詳細を述べる。 ゼロを含む要素は、図12の青信号〜青信号衝突マトリックス、Gおよび同時青信号マトリックスQの両方共に同一であることに気付くであろう。
    非ゼロのデータ要素のみが値が違っている。 従って、青信号〜青信号衝突情報はマトリックスQに含まれているから、青信号〜青信号マトリックス、Gは同時青信号マトリックス、Qの部分集合である。 明らかに、もし数字2,3,4を含む要素の内容が1を含む要素と解釈するならば、同時青信号マトリックス、Qを青信号〜青信号衝突マトリックスPの代りに用いることが出来る。

    【0205】ブロック128′からのQマトリックスデータに加えて、リアルタイム適合コントローラ232はブロック136′からの次期周期最小、最大、最適青時間を供給される。 交通適合法では、ブロック136′からの次期周期、最小、最大、最適青時間は、正確な青時間長の代りに青時間の範囲を定義する。 適合法は、この青時間範囲内で現在の交通状態を最も良く反映するように、青時間を微調整する。

    【0206】リアルタイム交通データは、ブロック23
    4は、リアルタイム適合制御アルゴリズムの入力データである。 各アプローチレーンの待ち行列バックアプ状況および感知器占有状況はこの範疇に属する。

    【0207】リアルタイム交通適合コントローラ232
    は、リアルタイム交通データを用い青信号の延長または打切り、いずれかのオンラインリアルタイム処理のプログラムからなる。 ここで説明するリアルタイム交通適合アルゴリズムは、信号タイミングのベースとして、線形計画法で計算したか、または時刻制御法で選択した最小および最大青時間を用いる。

    【0208】残および延長青時間、ブロック236は、
    現在の青信号状況およびリアルタイム交通適合アルゴリズムにより決定された青信号延長および/または打切り方針から決定される。

    【0209】 オンラインリアルタイム交通適合アルゴリ
    ズムオンラインリアルタイム交通適合信号制御を実行する簡単なアルゴリズムが、本発明のローカルコントローラの信号制御処理装置SCPに取りつけられる。

    【0210】ここで提案する交通適合制御方法は、過去に処理するのが困難であった問題を扱うのに充分単純、
    強力である。

    【0211】その目的は青時間の非効率な使用を最小化することにより、交通効率を最大化することにある。 この目的は、オンラインリアルタイムベースで青時間延長に関係した問題を課すことにより達成される。

    【0212】本方法では、ローカルコントローラが交差点およびその周辺のすべての感知器の状況を常に取得しつづける。 交差点周辺の車両感知器の形式は、 1. 感知器ブループ(i−A):i番目交通流のアプローチレーンの感知器、および 2. 感知器ブループ(i−X):i番目交通流の出口レーンの感知器に識別される。

    【0213】輪jのi番目車両交通流に対し、感知器状況は次のように分類される。 1. 感知器グループ(i−A)に対し:i番目交通流のアップローチレーンの感知器、交通レベルは次の3レベルに分類される。

    【0214】−レベル3:現アプローチのレーンのX
    j,iパーセント以上が過去δ tに交通を記録していた。
    但しX j,iの値は使用者が定義する。 (もし、同じアプローチレーンの感知器のどれか1個…一般に1個を越える感知器が交差点アプローチレーンに置かれている…が過去δ tに交通を記録すれば、そのレーンは交通を記録したと言う。) −レベル2:現在アプローチのレーンの0パーセントより大でX j,iパーセント未満が過去δ tに交通を記録していた。

    【0215】−レベル1:過去δ tに交通を記録していない。 2. 感知器グループ(i−X):i番目交通流の出口レーンの感知器、待ち行列バックアプを示す。

    【0216】−イエス:待ち行列バックアップを示す。

    【0217】−ノー :それ以外 (現在交通流が交通流iであると仮定して)現在交通流の現在青信号を延長または打切りをすべきかどうかは、
    青信号を延長または打切りをすべきかどうかは、青信号表示状況ならびに交差点および周辺のすべての感知器から得られる感知器情報に基づき決定される。

    【0218】青信号延長および/または青信号打切り動作を含む信号状況更新は、毎δ t秒に実行される。 適用すべき青信号延長および打切り決定基準は現在青信号状態と呼ばれるものによって変るであろう。

    【0219】車両交通流の現在青信号状態は、次の5ケースに分類される。

    【0220】(A)それが青時間の開始と、最小青時間前e i秒の間にある。

    【0221】(B)それが最小青時間の直前e i秒区間にある。

    【0222】(C)それが最小青時間と、最大青時間前e i秒の間にある。

    【0223】(D)それが最大青時間の直前e i秒区間にある。

    【0224】(E)それは最大青時間後である。

    【0225】(A)および(B)の時は、現在交通流(交通流i)の車両青信号表示は、もし条件(1)がe
    i秒続き、かつe iの終りに条件(2)が満足されるならば、打切られるであろう。

    【0226】(1)車両交通流に対し 感知器グループ(i−A)状態がレベル1、かつ感知器グループ(i−X)状態がイエス (2)車両交通流iと同時に青信号表示を終えるようプログラムされている歩行者交通流が、(現在は青点滅信号で))赤信号に変ろうとしているか、または歩行者信号が現在赤信号表示である。

    【0227】(B)および(C)の時は、現在交通流(交通流i)の車両青信号表示は、もし次の条件が満たされれば、現在時間増分の終りからe i秒だけ(e iの量は変数である)延長される(図32参照)。

    【0228】感知器グループ(i−A)状態がレベル3、かつ感知器グループ(i−X)状態がノー (D)および(E)の時は、現交通流(交通流i)の車両青信号表示は、もし次の条件が満足されれば、現在時間増分の終りからe i秒(e iの量は変数である)だけ延長される。

    【0229】感知器グループ(i−A)状態がレベル3、かつ感知器グループ(i−X)状態がノー、かつ感知器グループ(j−A)状態がレベル1(すべてのj≠
    iに対し) もし(A)〜(E)の時に上の条件が満足されないならば、青信号延長または打切りに関する何の特別な動作もとられないであろう。 (青信号表示は残青信号が継続する限り続き得るし、また残青信号が満了すると青信号は自動的に打切られる)。

    【0230】ここで単位青信号延長量、e iは頻繁に(毎周期のように頻繁に)変化する変数である。 e iがとり得る最小値はe i,min秒であり、とり得る最大値はe i,maxである。 e i,minの適切量はδ tであり、e
    i,maxは1〜6秒であろうと仮定する。 これらの値は、
    各レーンの交差点アプローチに置かれた感知器の数によって変動する。

    【0231】もし周期i(最終周期)および周期i−1
    (最終の前の周期)における青時間がいずれも、最小青時間以前に強制的に打切られていないか、または最大青時間より長く強制的に延長されておらず、かつ C i =周期i(最終周期)の観察周期時間 μ i =周期iの周期時間の計算に用いた飽和度として C i /C i-1 >1.0および μ i =/μ i-1 <1.0 (35) であるならば、アルゴリズムは単位青信号延長をδ tだけ短縮する。

    【0232】もし周期iおよび周期i−1の青時間がいずれも、最小青時間前に強制的に打切られていないか、
    または最大青時間より長く強制的に延長されておらず、
    かつ C i /C i-1 >1.0および μ i =/μ i-1 <1.0 (36) ならば、アルゴリズムは単位青信号延長をδ tだけ増加する。

    【0233】その他のばあいは、アルゴリズムは現行の単位青信号延長を維持するであろう。

    【0234】e iはe i,minとe i,maxの間で変動できる。 判定基準(35)および(36)は、ローカルコントローラがオフセット挽回モードにある。 すなわち観察オフセットずれ量F devがある値(A 4秒)より大である時には、適用されない。 もしF dev >A 4なら、判定基準(35)および(36)は無視され、現在動作中の単位延長が用いられる。

    【0235】判定基準(35)および(36)は、周期長が飽和度を反映するという前提で構築されたものであり、従って連続した2周期において、もし飽和度が増加するなら、周期長もまた増加すべきである。

    【0236】上の議論で、「青信号打切り」または「青信号延長」は、交通流それ自体の青信号の打切りまたは延長を意味していない。 「青信号打切り」は残青時間をゼロに短縮することを意味し、「青信号延長」はその交通流の残青時間を延長する事を意味する。

    【0237】もし信号フェーズが1個の車両交通流および恐らく1個の歩行者交通流からなるのなら、問題は簡単である。 ……車両交通流(および歩行者交通)の青信号延長、打切り方針が信号フェーズタイミングに対する方針として採用されるであろう。 複数の交通流信号フェーズでは、ある時は1交通流が他のもの以前に終わらなければならず、またある時にはすべてが同時に終わらなければならないことがある。 青信号延長方針を決定する手順には2段階以上の意思決定を含むことができる。 その手順は、同時青信号表示案を支持する図14に示すQ
    マトリックスを用いる。 Qマトリックスの各要素、g
    i,jは交通流iとjとの間の青信号表示関係を指示し、
    0から4までの範囲の値をとりうる。 値ゼロは交通流i
    とjとが、同時に青信号表示を与えらるべきでないことを意味している。 青信号表示を同時に与えられる交通流ペアに対し、次の3ケースが可能である。

    【0238】ケースA:交通流iおよびjの青時間は互いに独立に終了できる(q ij =1) ケースB:交通流iの青時間は、交通流jが終るのと同時またはそれ以前に終了しなければならない(q ij
    2) ケースC:交通流jの青時間は、交通流jが終るのと同時またはそれ以前に終了しなければならない(q ij
    3) ケースD:交通流iおよびjの青時間は、同時に終了しなければならない(q ij =4) また次のように定義する。

    【0239】青信号延長方針……青時間延長、打切り、
    または何もしない。

    【0240】ある交通流の現在残青時間……青信号を受理している各交通流は残青時間を割り当てられる。

    【0241】ある交通流の望ましい残青時間……青信号延長方針は数段階で決定される。 ある段階である交通流に青信号延長方針が仮に採用される時、アルゴリズムは直ちに行動をとる代りに、新しく計算した残青時間を記憶するであろう。

    【0242】同時青信号表示案……同時青信号表示と関係するケースは、Qマトリックスと呼ぶマトリックスで表わされる。 Qマトリックスの各要素は、同時に点灯された青信号交通流ペアに対し、以下に示すように1から3の値をとりうる。 マトリックスの他の要素はゼロ値をとる。

    【0243】多段階からなる青信号延長方針決定の手順を以下に述べる(図33もまた参照のこと)。 第1段階 (1)他の交通流とは独立に、各交通流の望ましい青時間延長方針(延長、打切り、または何もしない)を決定せよ(この青信号延長意思決定処理は本節の始めの論議で示した)。

    【0244】(2)各交通流に対し、現在残青時間および望ましい残青時間を記録せよ。

    【0245】(3)Qマトリックスを用いて、他の交通流と独立に青信号を終えることのできる現在活動中の交通流ペアを識別せよ。

    【0246】(4)もし交通流のどれかが、この範疇に属するならば、現在残青時間を望ましい残青時間に置き換え、信号制御を実行せよ。 これらの交通流をQマトリックスから削除せよ……それらに対しては、青信号延長方針がすでに設定された。

    【0247】(5)望ましい残青時間がゼロである交通流を探せ。 もしなければ、それは現在青信号表示のいずれも終了せず、従って相反する決定が青信号延長方針決定に帰着することはないことを意味する。 青信号延長方針を実行可能である。 ……すべての交通流に対し、現在残青時間をのぞましい残青時間で置き換える。 さもなければ、次段階に飛べ。 第2段階 (1)Qマトリックスを用い、同時に青信号を終了しなければならない現在活動中の交通流セットを識別せよ(これらの各々を交通流グループと呼ぶ……あるものはセット中の1交通流のこともあり、またあるものは多数の交通流のこともある)。

    【0248】(2)交通流グループに対するQマトリックスを改訂せよ、Q 2 。 Q 2マトリックスにおいて、各要素q i,jは交通流グループiおよびjに対する同時青信号表示に関係するケースを表わす。

    【0249】(3)新しくグループ化された交通流の各々に対し、第1段階動作を適用せよ(あたかもそれが1
    交通流であるかのように、混合交通流の流れを扱う)。
    かつ新しい望ましい青信号延長方針を定式化せよ……もしそのグループに延長が推められるようなら、グループにおける延長量は各交通流に対し違っていてよい。

    【0250】(4)Q 2マトリックスの中で、延長方針を独立に実行してよい交通流グループを探せ。 この交通流グループに属する交通流に対し、現在残青時間を望ましい青時間に置き換えよ。 Q 2マトリックスからこれら交通流を削除せよ。 これらに対しては、青信号延長方針がすでに設定された。

    【0251】(5)残りに対し、望ましい残青時間がゼロである交通流グループを探せ。 もしなければ、それは現在青信号表示がいずれも終了せず、また従って相反する決定により青信号延長方針の結果を生ずることがないことを意味している。 青信号延長方針を実行することが出来る……すべての交通流に対し現在残青時間を望ましい青時間に置き換えよ。 すべての交通流に対し、青信号延長方針がすでに設定された。 さもなければ、次段階に飛べ。 第3段階 (1)望ましい残青時間がゼロである交通流のQ 2マトリックス要素を調べよ。 これら要素の各々に対し、もしその要素が、ある交通流の青信号が他より前に終了しなければならないが、青信号延長方針が別のことをしたがっていることを示している時には、それらは同時に終了しなければならないことがある。 交通流のグループに対し、青信号延長方針判定基準を適用せよ(本節の前記議論を参照のこと)。 また交通流グループに対し青信号延長および打切り調整判定基準を決定せよ。

    【0252】(2)すべての要素が尽きるまで(1)を続けよ。

    【0253】ここで述べた青信号延長および打切り調整判定基準は多くの可能な判定基準の中のほんの一部に過ぎない。 青時間の延長および打切りに採用される規則は、ある程度直観的かつ任意的である。 テストベッドを用い、また実環境下でアルゴリズムの広範な試験および評価の後に、他の規則をこのアルゴリズムに追加することがある。

    【0254】コントローラは、青信号延長調整判定基準を活動化/非活動化する(ソフトウェアによる)スイッチと共に設置されることがある。

    【0255】交通流フェーズ飛越しもまた、交通適合制御法の一部として適用されることがある。 信号輪の中の次期交通流は、もし次の条件が充されれば飛越されるであろう。

    【0256】(1)次期交通流のリコールスイッチが“オフ”状態にセットされる。

    【0257】(2)その交通流の最小青時間がゼロ秒であると計算または選択される。

    【0258】(3)その交通流の青信号開始前δ t秒で、その交通流に対し交通が観察されない(または最終周期内にその交通流に対し交通が記録されていない)。

    【0259】および/または下流待ち行列が出口点感知器までバックアプしていた。

    【0260】(4)青信号の飛越しが歩行者交通流に問題を生じない(または、歩行者青信号を現在車両交通流の青信号と同時に与える必要がない)。

    【0261】リコールオノフスイッチは、感知器を設置した交通流に対してのみ機能できることは明らかである。 感知されない交通流に対しては、リコールスイッチは常に「オン」状態になければならない。

    【0262】 感知器実現に関する考慮事項本発明の方法は、感知器を完全実現した交差点に適用するよう設計されている。 しかし、部分的に感知器を設置した交差点にも、この方法を適用できる。

    【0263】ある交通流に感知器が設置されていない場合、その交通流は仮想(または想像上の)感知器を設置されていると仮定する。 交差点アプローチレーンの仮想感知器は「レベル2」状態を示すと仮定する。 出口レーンの仮想感知器は、「バックアプ待ち行列が存在しない」状態を示すと仮定する。

    【0264】感知器を設置されない交通流の最小、最大青時間は、共に最適青時間に調整される。 感知器を設置されない交通流のリコールオンオフスイッチのセッティングは常に「オン」でなければならない。

    【0265】 入力および出力線形計画法で既に規定されている入力以外に、本ルーチンへの入力は、 1. 信号タイミングパラメータを定義するのに用いられる制御法 2. LP法に用いられるパラメータ(デフォルト値:なし) 3. 時刻制御テーブル探索法に用いられるパラメータ(デフォルト値:なし) 4. 名感知器に対する感知器状態……活動中または非活動中(デフォルト値:非活動中) 5. δ t間隔での名感知器での渋滞レベル(デフォルト値:使用可能な感知器情報はなし) 6. δ t間隔で待ち行列流出感知(デフォルト値:待ち行列なし) 7. 交通レベルを規定するパラメータX i (デフォルト値:60パーセントまたは0.6) 8. 青信号の単位延長、e i (デフォルト値:2秒) 9. 青信号の最小単位延長、e i,min (デフォルト値:
    δ t ) 10. 青信号の最大単位延長、e i,max (デフォルト値:4秒) 11. 黄およびインタ交通流赤時間(デフォルト値:4
    秒および2秒) 12. 整合すべき交通流(デフォルト値:交差点幾何形状データから読込み) 13. 単位延長調整オン/オフスイッチ(デフォルト値:オン) 14. 人為的な最小、最大周期長の定義に用いるパラメータ、A 1およびA 2 (デフォルト値:2/3および4
    /3) 15. LP法の使用に対し、最大飽和度の定義に用いるパラメータA 3 (デフォルト値:0.9) 16. コントローラがオフセット挽回処理にあるかどうかを規定するパラメータ、A 4 (デフォルト値:10
    秒) この信号制御法からの出力は、 1. 周期IDおよび 2. 時計時間 3. 曜日および休日ID 4. 交通容量率ID 5. 特別行事ID 6. 使用したテーブルのID 7. 信号動作に用いた青信号の単位延長 8. 単位延長調整 オン/オフ スイッチ状態 9. 実フェーズ順序 10. 整合された交通流 11. 各交通流の最小青時間 12. 最小周期長 13. 各交通流の最適青時間 14. 最適周期長 15. 各交通流の最大青時間 16. 最大周期長 17. 最適周期長 18. 各交通流の実行青時間 19. 実行周期長 20. 実行黄およびインタ交通流赤時間 21. 青信号の終りにおける感知器パラメータ 22. 計画オフセット実行時間 23. 調整されたオフセット実行時間 24. 実オフセット実行時間 2.3.4 信号制御タスクの実行上記のように、周期ごとに連続した信号制御タスクは、
    制御法の定義、フェーズ案、リコールスイッチ状態、および信号表示を制御するのに用いる信号タイミングパラメータを伴う。

    【0266】上記のように、毎周期、信号表示制御機構は次のような入力データを必要とする。

    【0267】1. 各交通流の最大青時間(Mベクトル) 2. 各交通流の最小青時間(Nベクトル) 3. 各交通流の黄時間(Yベクトル) 4. 各交通流のインタ交通流赤時間(Rベクトル) 5. ある交通流から別の交通流への遷移、マトリックス(Pマトリックス) 6. 同時青信号表示マトリックス(Qマトリックス) 7. 各フェーズに含まれるすべての交通流を示す交通流〜フェーズマトリックス(Mマトリックス) 8. 各交通流の単位青時間(Eベクトル) 9. 歩行者信号を車両交通信号と区別する信号識別ベクトル(Wベクトル) 10. 整合すべき交通流 11. オフセットずれの量 12. 各交通流のリコールスイッチ状態 毎δ tに、信号表示制御機構は信号タイミング状態を調べ、各信号灯状態を継続すべきか、打切るべきかを決定する。 各δ tに、スイッチ機構が出力:歩行者信号を含む各交通流の信号表示状態(A tベクトル)を作成する。

    【0268】信号制御実行のタイミング……特に次周期の信号タイミング計算のタイミング……は重要な因子であろう。 図34は、信号実行タイミングの図式表示である。 信号フェーズ定義および次期周期のタイミング計算は、各周期の主路青信号直前の黄およびインタ交通流赤信号期間中に実施される。 (主路の青信号開始点の直前の黄信号の始まりである時間点をEOC、または周期の終りと呼ぶ)。

    【0269】図34において、G1からG8は交通流1
    から8の青時間を示す。 損失時間Lは、黄信号期間およびインタグリーン赤信号期間の組合せである。 オフセット基準点(ORP)は、その交通流に対する青信号期間の開始直前の黄信号期間の始まりである。 周期の終り(EOC)は、主路の青信号時間の開始直前の黄色信号の始まりであり、主路は整合されている交通流を含む2
    バリア間の時間帯として定義される。 周期の終り(EO
    C)において、ローカルコントローラは、フェース・テーブル等を読取り、次期周期に使用する信号タイミングを計算し、ローカルマスタコントローラにデータを伝送する。 ローカルマスタコントローラは、共通周期長および計画オフセットを計算し、そのデータをローカルコントローラに送信する。 オフセット基準点(ORP)において、ローカルコントローラは各方向のオフセットずれを測定し、その結果は次期周期のタイミング計算に用いられる。

    【0270】オフセットずれの量は、計画オフセットおよび直前周期の観察した実オフセットから計算される。

    【0271】ここで述べた全信号制御実行処理は、すべての信号制御法に共通である。 勿論、リアルタイムオンライン交通適合法は交通状態および青時間延長のδ t毎の連続調査を実行する。 これは他の方法では行わないことである。 2.4 信号オフセット制御の実行信号制御を実行する上で、オフセットの設計および実行は、前項で説明したすべての信号制御法において共通に使用される。 各信号制御法のこれらの要素の説明の反復を避けるために、これらの要素は以下の項で説明する。 2.4.1 サブエリア信号タイミングの計算 ローカルマスタコントローラは、サブエリアの共通周期長およびサブエリアの全交差点の計画オフセットを計算する。 以下では、サブエリア信号制御タイミングパラメータの計算のための、共通周期長、およびローカルマスタコントローラとの間の入出力を決定する可能な一方法を略述する。

    【0272】サブエリア共通周期長C comは、例えば、
    そのエリア内の全交差点の最適周期長の加重平均として得ることができる。 重みは、交差点の特定時間における総交通量である。 これは以下の式で表現される。

    【0273】

    式中、x

    iは、交差点iにおける(時間当たり車両数で表現された)直近過去5周期の交通量、または、(時間当たり車両数で表現された)次期5周期の予想交通量の和である。

    【0274】共通周期長がそのサブエリア内の所与の交差点における最小周期時間の例えば1.2倍以上でなければならないという条件を課した場合、最小共通周期長は以下の式で表現される。

    【0275】 C 2 =1.2*Max(C min,i ) (38) そのサブエリアの共通周期長は以下のように得られる。

    【0276】C 2 >C 1ならば、C com =C 2それ以外ならば、 C com =C 1 (39) C 2には安全係数1.2を使用した。 周期長が時には最重要交差点における支配的交通を処理するには短すぎる場合があるからである。

    【0277】信号制御タイミングパラメータは、各ローカルコントローラからの入力パラメータを用いて計算される。 これらのパラメータは以下の2パラメータである。 1. 最適周期長(C opt,iまたはC aopt,i ) 2. 交差点iにおける最小周期長(C min,iまたはC
    amin,i ) 出力信号制御パラメータは、サブエリアの共通周期長(C com )である。

    【0278】公知の通り、交差点間の旅行時間(または距離)および旅行速度は、信号系統化の効率に影響する。 従って、このことも共通周期長を決定する上で考慮すべきである。 2.4.2 各交差点におけるオフセット信号系統化およびオフセット計算の分野では多数の研究がなされている。 各種アルゴリズムについて各種入力が使用できよう。

    【0279】本明細書では、本発明の方法に適する、可能な入出力を規定する。 オフセットを計算する際に使用される可能な入力パラメータは、以下の通りである。 (1) 隣接交差点間の距離 (2) 推定旅行速度 (3) 流入交通量 (4) 各交差点における各交通流量の容量および容量係数 (5) 信号動作に許容し得る共通周期長の範囲 (6) 各交差点における右折(日本方式)フェーズパターン (7) 待ち行列(または各ブロック)における車両数 (8) 系統化される交通流 このルーチンからの可能な出力パラメータは以下の通りである。

    【0280】(1) 系統化のための共通周期長 (2) 各交差点における系統化交通流に関する(時計時間により規定される)次期計画オフセット これらのうち、入力データ(2)、(3)、(6)および(8)は、ローカルコントローラからローカルマスタコントローラへ送信される。 他の入力データは、ローカルマスタコントローラに常駐するか、または、使用可能な生データを用いてローカルマスタコントローラによって計算されるかのいずれかである。 出力データの(1)
    および(2)は、両者ともローカルマスタコントローラからローカルコントローラへ送信される。 2.4.3 オフセット基準点オフセット基準点(ORP)は、信号系統化が行われる単一周期内の時間である。 単一周期のオフセット基準点はほぼ、信号系統化が適用される交通流の青信号時間の開始時(より正確には、系統化される交通流の開始直前の黄信号時間の開始時)である。 図35は、交差点におけるオフセット基準点の説明図である。

    【0281】1道路に関して、1方向および他方向について1ずつ、2のオフセット値を持つことができる。 これは、例えば、直進交通流の前に右左折交通流に対して青信号が出されるような、主要道路の直進交通流について信号が系統化される場合に当てはまる。

    【0282】しかし、2のオフセット基準点を持つことは、系統化プロセスを複雑にすることでもある。 この問題は、オフセット基準点としてインタバリア時間の開始を選択することにより回避することができよう。 それにもかかわらず、本ソフトウエアは、1道路について2のオフセット値データを有するように設計することができる。 オフセットが主要交差点と現交差点との間の時間間隔に関して規定された場合、そのオフセットを実施するためには、主要交差点のオフセット基準点の実時間も規定されなければならない。 2パラメータの処理を避けるために、オフセット基準点の時計時間について交差点のオフセットを規定してよい。 時計時間の使用は、周期ごとにオフセットを規定しなければならなくなる。 2.4.4 時刻信号制御法および交通反応信号制御法
    のオフセットずれおよびオフセット回復上述のように、各交通流における最小周期長と最大周期長との間の範囲は、極めて大きいので、この点はオフセット回復動作にとって有利であろう。 まず、(サブエリアの)共通周期長を求めてから、次に、各交差点におけるオフセットずれを計算し、オフセット回復動作を実行する。 オフセット回復動作は、各交差点における信号周期長の短縮および延長を強いる。

    【0283】最小周期長と共通周期長との間の差、および、最大周期長と共通周期長との間の差が著しく大きい場合、この動作にとって好都合である。 図36はその概念を例示している。 すなわち、次期オフセット基準点は、図で指定された最小時間限界と最大時間限界との間の範囲内の所与の時間に生じることができる。

    【0284】ローカルコントローラは、以下の入力パラメータを用いてオフセットずれの量を評価する。 1. 以前の計画オフセット実行時間、t pplan,off 2. 以前の実オフセット実行時間、t pact,off 3. サブエリアの共通周期長、C comオフセットずれの量F devは、以下によって計算される。

    【0285】 F dev =t pplan,off −t pact,off (40) オフセットの周期性により、以下の演算が実行される。

    【0286】abs(F dev )>C comならば、 F′ dev =F dev /C com −Mod(F dev ,C com ) (41) 以外ならば、 F′ dev =F dev (42) abs(F′ dev )>0.5*C com 、かつF′ dev >0ならば、 F′ dev =F′ dev −C com (43) abs(F′ dev )>0.5*C com 、かつF′ dev <0ならば、 F′ dev =F′ dev +C com (44) 上述の演算は、オフセット回復量を最小限にしたいために必要となる。

    【0287】結果として得られたF′ devについて、
    F′ dev <0ならば、現周期時間は短縮されなければならず、F′ dev >0ならば、現周期時間は延長されなければならない。

    【0288】時刻信号制御法および交通反応信号制御法といった、プレタウムド信号制御法(周期長が周期開始前に既知である)では、オフセット回復量も周期開始前に既知である。 オフセット回復動作にいかなる制約条件も課されていない場合、次期オフセット実行時間は常にt pact +C com +F devでなければならないか、または、以下のように表現することもできよう。

    【0289】 C next =C com +F dev (45) 現実の動作では、最小周期長、最大周期長、およびオフセットが回復されなければならない早さの程度といった制約条件を考慮しなければならない。 過度に緩慢な回復プロセスを避けるために、または、交通に対する過大な影響を避けるために、現在の日本の慣行と一致するオフセット回復方針を課すものとする。 すなわち、オフセットは4周期で回復される。

    【0290】次に、次期周期長C nextは以下のように規定される(図37〜42参照)。 事例(A−1)図37: C com >C maxかつF′ dev >0の場合 C next =C com +(1/4)*F′ dev (46) 事例(A−2)図38: C com >C maxかつF′ dev <0の場合 Abs(F′ dev )<C com −C minならば、 C next =C com −Abs(F′ dev ) (47) Abs(F′ dev )>C com −C minかつ、 Abs(F′ dev )<4*(C com −C min )ならば、 C next =C min (48) Abs(F′ dev )>=4*(C com −C min )ならば、 C next =C com −1/4*Abs(F′ dev ) (49) 事例(A−3)図39: C max >=C com >C minかつF′ dev >0の場合 Abs(F′ dev )<C max −C comならば、 C next =C com +Abs(F′ dev ) (50) Abs(F′ dev )>C max −C comかつ、 Abs(F′ dev )<4*(C max −C com )ならば、 C next =C max (51) Abs(F′ dev )>=4*(C max −C com )ならば、 C next =C com +1/4*Abs(F′ dev ) (52) 事例(A−4)図40: C max >=C com >C minかつF′ dev <0の場合 Abs(F′ dev )<C com −C minならば、 C next =C com −Abs(F′ dev ) (53) Abs(F′ dev )>C com −C minかつ、 Abs(F′ dev )<4*(C com −C min )ならば、 C next =C min (54) Abs(F′ dev )>=4*(C com −C min )ならば、 C next =C com −1/4*Abs(F′ dev ) (55) 事例(A−5)図41: C com =<C minかつF′ dev >0場合 Abs(F′ dev )<C max −C comならば、 C next =C com +Abs(F′ dev ) (56) Abs(F′ dev )>C max −C comかつ、 Abs(F′ dev )<4*(C max −C com )ならば、 C next =C max (57) Abs(F′ dev )>=4*(C max −C com )ならば、 C next =C com +1/4*Abs(F′ dev ) (58) 事例(A−6)図42: C com =<C minかつF′ dev >0の場合 (C com −(1/4)*Abs(F′ dev ))>=C minならば、 C next =C com −(1/4)*Abs(F′ dev ) (59) 以外ならば、 C next =C min (60) 式中、C min =絶対最小周期長(これは、交通流最大数を含む、その輪における黄時間、赤時間および最小青時間全部の和として定義される。 )各交通流の周期長は、結果として得られた総周期時間がオフセット制御に関する上記の目的を満足させるような方式で調整されなければならない。

    【0291】このルーチンへの入力は以下の通りである。 1. 以前の計画オフセット実行時間(t pplan,off )、 2. 以前の実オフセット実行時間(t pact,off )、 3. サブエリアの共通周期長(C com )、 4. 最小周期長(C min )、 5. 最大周期長(C max )、 6. 最適周期長(C opt )、 このルーチンからの出力は以下の通りである。 1. 計画オフセット実行時間(t pplan,off )、 2. 調整オフセット実行時間(t abjust,off )、および次周期の周期長(C next ) 2.4.5 交通適合信号制御法のオフセットずれおよ
    びオフセット回復交通適合信号制御法のオフセットずれの計算法は、時刻信号制御法および交通反応信号制御法で使用されたものと同一である。

    【0292】しかし、交通適合信号制御法のオフセット回復の方法は、時刻信号制御法および交通反応信号制御法で使用されたものとは若干異なっている。

    【0293】交通適合信号制御法では、2の制御方案がある。 すなわち、広域オフセット制御方案およびローカル青信号延長方案であり、各交通流の青時間を決定する際に関係するものである。

    【0294】前者のオフセット回復制御法を満足させる交通流の青時間は、必ずしも、後者の青信号延長制御法を満足させるとは限らない。 従って、両者の制御方案を部分的に満足させる一種の妥協方法を実施しなければならない。 さらに、一般にオフセット回復方案は、以下に従う。

    【0295】F′ dev <0ならば、現周期時間は短縮され、F′ dev >0ならば、現周期時間は延長される。

    【0296】両者の場合において、各交通流の最小青時間および最大青時間は、オフセット制御の上述の目的を満足させるような方式で調整される。

    【0297】現実の動作では、各種状況について、各種範囲の次期計画オフセットt plan,off 、および、次周期の周期長C nextが指定される。 基本的に、プレタイムド信号制御法に使用されたものと同一のオフセット回復方案が、リアルタイム交通適合制御法に適用される。

    【0298】交通適合制御法に使用される最小周期長C′ minおよび最大周期長C′ maxは、以下のように規定される(図45〜50参照)。 事例(B−1)図45: C com >C maxかつF′ dev >0の場合 C′ min =C′ max =C com +(1/4)*F′ dev (61) 事例(B−2)図46: C com >C maxかつF′ dev <0の場合 Abs(F′ dev )<C com −C minならば、 C′ min =C′ max =C com −Abs(F′ dev ) (62) Abs(F′ dev )>C com −C minかつ、 Abs(F′ dev )<4*(C com −C min )ならば、 C′ min =C′ max =C min (63) Abs(F′ dev )>=4*(C com −C min )ならば、 C′ min =C′ max =C com −1/4*Abs(F′ dev ) (64) 事例(B−3)図47: C max >=C com >C minかつF′ dev >0の場合 Abs(F′ dev )<C max −C comならば、 C′ min =C comかつC′ max =C max (65) Abs(F′ dev )>C max −C comかつ、 Abs(F′ dev )<4*(C max −C com )ならば、 C′ min =C′ max =C max (66) Abs(F′ dev )>=4*(C max −C com )ならば、 C′ min =C′ max =C com +1/4*Abs(F′ dev ) (67) 事例(B−4)図48: C max >=C com >C minかつF′ dev <0の場合 Abs(F′ dev )<C com −C minならば、 C′ min =C minかつC′ max =C com (68) Abs(F′ dev )>C com −C minかつ、 Abs(F′ dev )<4*(C com −C min )ならば、 C′ min =C′ max =C min (69) Abs(F′ dev )>=4*(C com −C min )ならば、 C′ min =C′ max =C com −1/4*Abs(F′ dev ) (70) 事例(B−5)図49: C com =<C minかつF′ dev >0の場合 Abs(F′ dev )<C max −C comならば、 C′ min =C′ max =C com +Abs(F′ dev ) (71) Abs(F′ dev )>C max −C comかつ、 Abs(F′ dev )<4*(C max −C com )ならば、 C′ min =C′ max =C max (72) Abs(F′ dev )>=4*(C max −C com )ならば、 C′ min =C′ max =C com +1/4*Abs(F′ dev ) (73) 事例(B−6)図50: C com =<C minかつF′ dev <0の場合 (C com −(1/4)*Abs(F′ dev ))>=C minならば、 C′ min =C′ max =C com −(1/4)*Abs(F′ dev ) (74) 以外ならば、 C′ min =C max =C min (75) 式中、C min =絶対最小周期長(これは、交通流最大数を含む、その輪における黄時間、赤時間および最小青時間全部の和として定義される。 )各交通流の周期長は、結果として得られた総周期時間がオフセット制御の上記の目的を満足さ整流器ような方式で調整されなければならない。

    【0299】上述のように、この場合、正確なオフセット実行時間は、指定されない。 交通適合青信号延長法は、以下の制約条件を満足させる正確な青信号時間を決定する。

    【0300】このルーチンへの入力は以下の通りである。 1. 以前の計画オフセット実行時間(t pplan,off )、 2. 以前の実オフセット実行時間(t pact,off )、 3. サブエリアの共通周期長(C com )、 4. 最小周期長(C min )、 5. 最大周期長(C max )、 6. 最適周期長(C opt )、 このルーチンからの出力は以下の通りである。 1. 計画オフセット実行時間(t pplan,off )、 2. 調整オフセット実行時間範囲、ならびに、信号制御の最小周期長C′ minおよび最大周期長C′ max 3. 信号表示制御ソフトウエア 3.1 本項では、可変信号フェーズ案における信号表示変更処理の基本方法を説明する。

    【0301】本項で説明する信号表示制御機構は、ローカルコントローラの信号制御処理装置にプログラムされている。 これは、信号制御方式全体の基本構成要素の一つである。 同一の信号制御機構は、信号動作で使用される信号制御アルゴリズム、交差点幾何形状条件またはフェーズ仕様にかかわらず、ローカルコントローラに存在する。

    【0302】初めに、単独交差点信号動作、次に系統化信号動作について説明する。 単独交差点信号動作における機能は、系統化信号動作に共通である。 従って、系統化信号動作の説明については、個々の交差点動作を繰り返さない。

    【0303】本発明の信号表示制御法は、複雑な形式を含む、ほとんど全部の交差点形式に適用可能である。 これは、(単独交差点の)NEMA型2重輪信号制御法だけでなく、(複雑交差点の)多重輪信号制御法も処理することができる。 3.2 信号表示制御ソフトウエアの概要交通制御の交通反応方式および交通適合方式の信号表示器制御機構に関する信号フローの概要を、それぞれ、図43および44に示し、以下に説明する。 信号表示制御機構は、交差点の信号灯の点灯および消灯を切り換える電気信号を既定の規則および制約条件に従って連続的に生成する。

    【0304】現在の残り青時間がδt(上述のように、
    δtの値は約0.5秒が使用できる)よりも長い場合、
    切り換え動作の作業フローは、図43および44において、ブロック246,248,148,250および、
    再びブロック246に戻って形成されるループによって示される。

    【0305】ブロック246に示されたように、各交通流の信号状態はベクトルAtによって表現されており、
    ベクトルの各データ要素またはセルは、現在、青期間、
    黄期間およびインタグリーン赤期間にある各交通流の残り青時間+黄時間+インタグリーン時間を指示する。 黄時間+インタグリーン赤時間はブロック246のインタグリーン時間として識別されている。 ブロック44からの交差点幾何形状データは、信号灯と交通流との関係を識別するために使用されている。 信号状態ベクトルAt
    は、図45に図示されており、現交通流1および5について、それぞれ、20秒および15秒の残り時間が示される。 現交通流以外の交通流についてはゼロによって指示されている。

    【0306】信号状態ベクトルAtのいずれかの要素が、(青信号が終了することを示す)図46に示すように、非リアルタイムの交通適合制御のもとで青信号期間の直近過去δtにある場合、信号表示制御装置は、図4
    3の交通反応法に示すように、次に青信号を受ける交通流を探索する動作を開始する。 図44の交通適合法では、最小青時間<t<最大青時間である場合、(ブロック232および234で実施される)交通適合アルゴリズムは、感知器データ処理装置26からの感知器データを用いて、青時間を延長すべきであるか、または、打ち切るべきであるかを決定する。

    【0307】現青信号が次のδtで終了しない場合、信号表示プロセスはブロック148に進み、現信号灯表示が交差点の全信号灯で行われる。 次に、信号表示制御装置は、信号状態ベクトルAtの要素からδtを減算する。 ベクトルAtは、上述の通り、残り青時間+黄時間+インタグリーン赤時間を指示する。

    【0308】残り青時間がδtであり、かつ、青信号の延長がまったく行われない場合、青時間はδtで満了し、その場合、スイッチは、青信号表示を受ける次交通流の探索を開始する。 この時、図43に図示した交通反応法の場合、たどられるループは、ブロック252,2
    54,256,258,260,148および250を含み、さらに、このループ内で必要に応じていくつかの追加ループを伴う。 図44に図示した交通適合法の場合、ブロック260と148との間にブロック262を含み、ここで新規到着について検査が行われ、飛越しの決定が再調査される。

    【0309】実施される次交通流の探索プロセスの第1
    段階は、0−1ベクトルS1を生成することである。 このベクトルでは、1である第i項は、ブロック252に示すように、その青信号を失うことを意味する。 ベクトルS1をルーズベクトルと称する。 ルーズベクトルS1
    は、交通流5がその青信号を失う図47に例示されている。 また、残り青信号交通流を指示するベクトルSrも図48に示すように生成され、図では、交通流1が残り青信号交通流として識別されている。

    【0310】ブロック254で、信号表示制御装置は、
    S1と図11に示す0−1遷移マトリックスPとの外積を得る。 上述の通り、Pマトリックスでは、項pij=
    1は、交通流iの青信号が満了した時に交通流jが青信号を受ける計画であることを指示する。 この演算の結果が、青信号を受ける交通流を指示する新しいベクトルS
    gである。 ベクトルSgをゲインベクトルと称する。 この演算は、図49に例示されており、この場合、交通流6が次期青信号を受ける交通流として識別されている。

    【0311】次に、ブロック256で、「計画」青信号が飛び越されるべきか否かが判定される。 計画次交通流の青信号の飛越しが指示された場合(すなわち、段階2
    56が肯定である場合)、ブロック252,254および256に記述されたルーチンが繰り返される。 飛越しが生じるか否かは、ブロック27からの処理済感知器データ、および使用されるアルゴリズムの飛越し方針によって決まる。 (「計画」次交通流についてリコールスイッチがオンになっている場合、飛越しはいっさい生じない。)飛越される交通流は、ブロック252で青信号を失う交通流として扱われる。

    【0312】飛越しが指示されていない場合、ブロック258にはブロック256から入る。 ブロック258では、計画または期待青信号が残り青信号と衝突するか否かが判定され、それにより、次のδt増分で青信号を失わない交通流の青信号が青信号のままであることが理解される。 この動作は、ブロック128からの青信号−青信号衝突マトリックスG(図12に図示)のデータの使用を伴う。 青信号と青信号の衝突が生じる場合、ブロック252,254および256に記述されたプロセスが繰り返される。 青信号−青信号の衝突を生じる新規交通流は、そのプロセスで青信号を失うものとして扱われる。

    【0313】「飛越し計画交通流」を除く他の全交通流が青信号−青信号の衝突を生じるような場合、「飛越し計画交通流」はもはや飛び越されず、青信号を受けなければならない。

    【0314】次に、ブロック260で、次交通流の新規青時間が定義される。 交通反応法の場合、次周期の長さおよび青信号時間はブロック136から得られ、信号灯はブロック260から信号灯表示ブロック148への接続による指示に従って制御される。 図50には、残り交通流1および、交通流5に続く新規交通流6についての残り時間を示す状態ベクトルが示されている。

    【0315】図44に示された交通適合法の場合、「次交通流青信号時間定義」ブロック260′は、ブロック136′および262から入力を受け取る。 図43および44の「線形計画法等」ブロック114′は、図43
    および44には図示されていないブロック114への他の入力を伴う図24および31に示された「線形計画法」ブロック114を含む。

    【0316】図44の交通適合法の場合、ブロック26
    2に示すように、信号のいずれかがインタグリーン信号期間の直近過去δtにあり、かつ、次青信号がブロック256の判定に従って飛び越されるべきであると決定されている場合、その交通流が本当に飛び越されるべきであるか否かを判定するために飛越しの決定が再検査される。 飛越しが計画された交通流の交差点流入部の感知器がインタグリーン信号期間内に交通を感知した場合、飛越し決定は取り消され、青信号が再割当てされる。

    【0317】ブロック262で次交通流に青信号が再割当てされた場合、動作はブロック260′に戻り、次交通流の青時間が再定義される。 3.3 信号表示制御法−単独交差点 3.3.1 用語の定義 信号制御法は、ベクトルおよびマトリックスを用いて最善に定義することができる。 ベクトルは、各個別の交通流の信号状態および信号タイミング制約条件を指定するために使用される。 マトリックスは、許可された信号遷移および許容同時青信号表示を指定するために使用される。 以下で説明するベクトルはすべて、mが交差点における交通流の数に等しいmベクトルである。 遷移マトリックスP(図11)および許容同時青信号表示マトリックスQ(図14)は、両者ともmxmの正方マトリックスである。

    【0318】信号制御ベクトルおよびマトリックスは、
    以下のように定義される。 At=(ai)tは、時間tにおける信号表示状態ベクトルである。

    【0319】この時、 ai=yi+ri+xならば、交通流iの信号状態は次のx秒間青信号となり、yiは黄信号期間であり、ri
    は交通流iの完全赤信号期間であること(輪当たり)を指示する。 青信号の開始時は、ai=ni+yi+ri
    (ni=交通流iの最小青時間)である。

    【0320】ai=yi+ri、yi+ri−δt、…
    …riならば、交通流iの信号表示は黄信号であることを示す。 ai=ri−δt、……δtならば、交通流iの信号表示は完全赤信号期間にあることを示す。

    【0321】ai=0ならば、その交通流の信号表示は赤信号であることを示す。 Nmax=(nmax、i)は、各交通流の最大青時間を指示するベクトルである。 Nmin=(nmin、i)は、各交通流の最小青時間を指示するベクトルである。 Y=(yi)は、各交通流の黄時間を指示するベクトルである。 R=(ri)は、各交通流の完全赤時間を指示するベクトルである。 Ct=(ci)tは、時間tにおける各交通流の累積経過青時間を指示するベクトルである。 Dt=(di)tは、時間tにおける各交通流iの最大許容残り青時間を指示するベクトルである。 最大許容残り青時間=最大青時間−経過青時間である。 青信号の開始時には、di=mi(最大青時間)である。 各輪の青時間要求は異なるので、微調整が必要である。 P=(pij)は、ある信号フェーズから別の信号フェーズへの遷移マトリックスである。

    【0322】この時、 pij=1ならば、交通流iから交通流jへの青信号の遷移が許可されることを示す。

    【0323】pij=0ならば、交通流iから交通流j
    への青信号の遷移が許可されることを示す。 G=(gij)は、許容同時青信号表示を指示する青信号−青信号衝突マトリックスである。

    【0324】この時、 gij=0ならば、交通流iおよびjの青信号は同時に表示できないことを示す。

    【0325】gij=1ならば、交通流iおよびjの青信号は同時に表示できることを示す。 Scurrent=(si)currentは、現フェーズでの青信号表示を識別するベクトルである。

    【0326】この時、 si=1ならば、交通流iの信号表示が青信号であることを示す。

    【0327】si=0ならば、交通流iの信号表示がそれ以外であることを示す。 Snext=(si)nextは、次フェーズでの青信号表示を識別するベクトルである。

    【0328】この時、 si=1ならば、交通流iの信号表示が青信号であることを示す。

    【0329】si=0ならば、交通流iの信号表示がそれ以外であることを示す。 Slose=(si)los
    eは、次フェーズで青信号表示を失う交通流を識別するベクトルである。

    【0330】この時、 si=1ならば、交通流iが次フェーズで青信号表示を失うことを示す。

    【0331】si=0ならば、それ以外であることを示す。 Sgain=(si)gainは、次フェーズで青信号表示を得る交通流を識別するベクトルである。

    【0332】この時、 si=1ならば、交通流iが次フェーズで青信号表示を得ることを示す。

    【0333】si=0ならば、それ以外であることを示す。 Sremain=(si)remainは、その交通流以外の交通流は青信号表示を失うが、青信号表示を保持する交通流を識別するベクトルである。

    【0334】この時、 si=1ならば、交通流iの信号表示が青信号のままであり、他の信号は次フェーズで青信号表示を失うことを示す。

    【0335】si=0ならば、それ以外であることを示す。 E=(ei)は、その要素が正の数または0のいずれかであるベクトルである。

    【0336】この時、eiは、動作時における信号制御アルゴリズムによって与えられる交通流iの青信号延長時間である。 3.3.2 信号制御の実行−単独交差点基本動作信号状態は、信号状態指示ベクトルAtによって定義される。 上述の通り、ベクトルAtは、現フェーズについて青信号(加えて、後続の黄信号および完全赤信号)が何秒残されているかを指示する。 ローカルコントローラは、δt秒ごとにこの信号表示状態を調べ、Atを更新する。

    【0337】この更新は、信号運用に使用されるいずれのアルゴリズムについても共通に実行される。 信号運用法がプレタイムド形式の場合、更新作業は、単に、現フェーズの残り青時間から青時間を減算することを含む。
    信号運用法が交通適合形式の場合、更新プロセスで青時間の延長(および打ち切り)が調べられる。

    【0338】検討の目的上、2重輪(常に2の交通流が同時に青信号表示を受けている)交通適合信号制御法(交通始動が交通適合制御形式である)について説明する。

    【0339】前提として、信号動作状態ベクトルは交通流iおよびjが現在青信号表示を受けていることを示しており、また、交通流iおよびjの青信号表示は、信号動作状態ベクトルが更新される時点で「適正な」青信号延長量eiおよびejを信号表示状態ベクトルatの第i要素および第h要素に加算することにより、延長されるものと仮定する。 延長がまったく不可能であるか、または、試行されない場合、eiおよびejは0であろう。

    【0340】時間t+δ における信号状態は以下のように表現される。

    【0341】 A t+δt =A t +E*S current −δ t *S current (76) 式中、「*」は内積(またはスカラー積)を示し、δt
    は信号時間走査増分である。 ここでは、ベクトルScu
    rrentの第i要素および第h要素は1であり、ベクトルScurrentのその他の全部の要素は0である。

    【0342】累積経過時間は、その経過時間カウンタC
    tに走査間隔δtを加算することにより走査周期ごとに更新される。 累積経過時間は初期には0である。

    【0343】 C t+δt =C t +δ t *S current (77) また、最大許容青時間も、最大許容残り青信号時間カウンタDtから走査間隔δtを減算することにより走査間隔ごとに更新される。 各交通流の最大許容青時間は、初期にはNmaxの各要素に等しい。

    【0344】 D t+δt =D t −δ t *S current (78) 青信号表示は、以下の場合に打ち切られる。 1. 累積経過時間が最大青時間に達した、かつ/または、 2. 残り青時間がゼロになり、アルゴリズムが青信号ゼロ延長を要求した。

    【0345】ある交通流の青信号の打ち切りは、他の交通流への青信号表示の提示、すなわち信号フェーズの変更を意味する。 信号フェーズ変更には2の重要な規則がある。 (1) 2重輪システムにおいてバリアに終了するフェーズとして定義されるシンクフェーズでは、異なる交通流の青信号は同時に終了する。 そうでない場合、青信号−青信号衝突が生じることになる。 この時、累積経過時間が一方の輪では最大青時間に達し、他方の輪では達していない場合、両輪の青信号はその時点で打ち切られる。 (2) ある交通流の青信号が打ち切られ、別の交通流の青信号が有効すなわち活動状態のままでありながら、
    新規交通流の青信号が開始されることになる場合、新規青信号表示と継続青信号は青信号−青信号衝突を生じてはならない。

    【0346】上述の通り、Gマトリックスは許容同時青信号表示を指示する。 次フェーズの許容同時青信号表示の調査は、現フェーズの終了直前に行われなければならないが、現フェーズの信号表示は青信号の直近過去δt
    増分状態にある。

    【0347】累積最大青時間は、各交通流(右左折、直進交通流など)について定義される。 理想的には、各交通流の最大青時間は、(それが必要ない場合でも)、それが2重輪のバリアにおいて再定義を必要としないような方式で割当てられるべきである。 しかし、たいていの場合、一方の輪の最大青時間は、他方の輪がまだ許容青時間を残している間に達してしまう。

    【0348】バリアにおける青時間の同時終了の保証は、Nmaxベクトルの青時間を、2の輪のインタバリア時間が同一になるような方式で割当てることによって行える。 すなわち、シンクフェーズの一方の交通流(または両方の交通流)の最大青時間は、可変とされる。

    【0349】交通流iおよびjが現在青信号表示を受けており、交通流iの利用可能残り青時間がδtであり、
    さらに、交通流iの青信号の延長が信号制御アルゴリズムによって要求されていない場合、信号表示制御機構は以下の動作を実行する。 事例(1−a) :gij=0ならば、現青信号表示は青信号−青信号衝突を生じ、かつ/または、信号制御法は正しく作動していない。 従って、現ルーチンを用いた信号動作は停止しなければならない。 事例(1−b) :gij=1ならば、交通流iの青信号は終了することができる。 現ルーチンによる信号動作は継続すべきである。

    【0350】バリアにおいて、交通流iおよびjは同時に音量レベルしなければならない。 交通流jについてまだx秒の青時間が残っている場合、交通流iの青信号が少なくともx秒続くように交通流iに追加の青信号延長が行われなければならず、現ルーチンによる信号動作は継続すべきである。

    【0351】交通流iが現在青信号を受けており、交通流jが黄信号またはインタグリーン赤信号表示を受けており、交通流iの利用可能な残り青時間がδtであり、
    さらに、交通流iの青信号延長が信号制御アルゴリズムによって要求されていない場合、信号表示制御機構は以下の動作を実行する。 事例(2−a) :gij=0ならば、現青信号表示は青信号−青信号衝突を生じ、かつ/または、信号制御法は正しく作動していない。 従って、現ルーチンを用いた信号動作は停止しなければならない。 事例(2−b) :gij=1ならば、現ルーチンによる信号動作は継続すべきである。

    【0352】バリアにおいて、交通流iの青信号は、交通流jの青信号が終了すると同時に終了していなければならない。 エラーが発生した場合、現ルーチンによる信号動作は停止しなければならない。 交通流iの黄信号が開始した場合、その交通流の青信号延長機能は、交通流iが再び青信号を受ける次周期まで打ち切られる。

    【0353】完全赤時間が時間tに終了し、時間t+δ
    tに新フェーズが開始すると仮定する。 交通流iの青信号表示が打ち切られ、交通流jの青信号表示が継続する場合、新規青信号表示を受ける交通流(交通流k)は、
    以下の演算を実行することにより求められる。 事例(2−b) :gij=1ならば、現ルーチンによる信号動作は継続すべきである。

    【0352】バリアにおいて、交通流iの青信号は、交通流jの青信号が終了すると同時に終了していなければならない。 エラーが発生した場合、現ルーチンによる信号動作は停止しなければならない。 交通流iの黄信号が開始した場合、その交通流の青信号延長機能は、交通流iが再び青信号を受ける次周期まで打ち切られる。

    【0353】完全赤時間が時間tに終了し、時間t+δ
    tに新フェーズが開始すると仮定する。 交通流iの青信号表示が打ち切られ、交通流jの青信号表示が継続する場合、新規青信号表示を受ける交通流(交通流k)は、
    以下の演算を実行することにより求められる。

    【0354】 S gain =S lose ×P (79) 式中、「x」は2のマトリックスまたはベクトルの外積、Sgainは青信号を受ける新規交通流を示す。

    【0355】Sgainベクトルの第k要素は1、Sg
    ainベクトルの他の全部の要素は0である。 この時、
    Sloseベクトルの第i要素は1、Sloseベクトルの他の全部の要素は0である。

    【0356】次フェーズで青信号表示を得る交通流は以下のように表現される。

    【0357】 S next =S gain ×S remain (80) この時、 S remain =S current −S lose (81) Sremainベクトルの第j要素は1、その他の全部の要素は0である。 Snextベクトルの第j要素および第k要素は1、その他の全部の要素は0である。

    【0358】時間t+δtにおける信号状態は以下のように表現される。

    【0359】 A t+δt =A t *S remain −δ t *S remain +〔N min (orE)〕*S gain −δ t *S gain +Y*S gain +R*S gain (82) 式中、「*」は内積(またはスカラー積)、「x」は2
    のマトリックスまたはベクトルの外積である。

    【0360】交通流iおよびj両者が同時に青信号表示を失う場合、新規青信号表示を受ける交通流(交通流k
    およびl)は、以下の演算を実行することにより求められる。

    【0361】 S next =S current ×P (83) Sremainベクトルの第k要素および第l要素は1、その他の全部の要素は0である。 Scurrent
    ベクトルの第i要素および第j要素は1、その他の全部の要素は0である。

    【0362】この場合、交通流kおよびlの最小青時間nkおよびnlがゼロであり、かつ、アルゴリズムによって青信号の要求がなされていなければ、交通流kおよびlからなるフェーズは飛び越すことができる。 飛越しが生じた場合、青信号表示を受ける次交通流集合が探索されなければならない。 異なるパラメータセットにより(この時、Scurrentベクトルの第k要素および第l要素は1、その他の全部の要素は0である)、式(83)で表現された同一の演算を再度実行し、青信号表示の新規交通流を求める。

    【0363】このようにして、新規フェーズの探索は、
    同一の探索パターンを連続的に循環させながら、継続することができる。 こうした状況は、要求がまったく存在せず、すべての交通流の最小青時間が0である場合に可能である。 この永久的探索は、各輪における1以上の交通流について0ではない最小青時間を指定することにより防止できる。

    【0364】時間t+δtにおける信号状態は以下のように表現される。

    【0365】 A t+δt =〔N min (orE)〕*S next −δ t *s next +Y*S next +R*S next (84) 歩行者信号横断歩道の歩行者青信号は、右左折交通が横断歩道を通過できるようになっていない限り、それと平行して通る直進車両交通流と同時に表示される。 従って、同一道路において、一方の側で横断する歩行者は歩行者青信号を表示されているが、他方の側の歩行者は表示されていないということが頻繁に発生し得る。

    【0366】歩行者信号は、押しボタンによる要求を伴う場合と伴わない場合で動作できる。 押しボタンを押すことは、車両感知器を通過する車両に相当する。 要求があった場合、平行直進交通流の青時間は、その歩行者青信号要求によって直接影響を受ける。 青信号は、歩行者青信号が表示されている間だけ横断歩道に隣接する平行直進交通に対しても表示されなければならない。 提起するローカルコントローラは、各種形式の歩行者信号制御法を処理できる。 実際、信号表示切り換え機構において、歩行者信号は、車両交通信号と同様に処理される。
    歩行者信号と車両信号との間の大きな相違は、黄信号表示の代わりに点滅赤信号が表示されることである。 他の点では、歩行者青信号は切り換え機構の車両信号と「同一」とするべきである。

    【0367】歩行者信号制御関連ベクトルは、以下のように定義される。 W=(wi)は、信号識別ベクトルである。

    【0368】この時、 wi=1ならば、第i要素が車両交通流iを表現することを示す。

    【0369】wi=−1ならば、第i要素が歩行者交通流iを表現することを示す。

    【0370】wi=0ならば、第i要素が未使用状態であることを示す。 次に、これらの要素について、wi=
    −1である場合、 At=(ai)tは、時間tにおける歩行者信号表示状態ベクトルである。

    【0371】この時、 ai=yi+ri+xならば、歩行者交通流iの信号表示は次のx秒間青信号を受け、yiは青点滅期間であり、riは歩行者交通流iの完全赤信号期間であること(輪当たり)を指示する。 青信号の開始時は、ai=n
    i+yi+ri(ni=歩行者交通流iの最小青信号時間)である。

    【0372】ai=yi+ri、yi+ri−δt……
    riならば、歩行者交通流iの信号表示は点滅青信号であることを示す。

    【0373】ai=ri−δt……δtならば、歩行者交通流iの信号表示は完全赤期間にあることを示す。

    【0374】ai=0ならば、その歩行者交通流の信号表示は赤信号であることを示す。 Y=(yi)は、各歩行者交通流の点滅青時間を指示するベクトルである。 このベクトルは、システムが合理的な系統化(「合理的な」内容はアルゴリズムによって定義されなければならない。)によって動作中であり、計画オフセットに合わせるためにいかなる特別の試みもなされないことを示す。 3.4 信号表示制御法−系統化システム系統化システムに関しては、単独交差点で説明した要因に加えて、オフセットが信号制御機構に考慮されなければならない。 ここでの主要な問題は、観測信号オフセットが計画オフセットからずれた際に、そのオフセットを計画オフセットに調整する方法である。 3.4.1 用語の定義 3.3で定義したベクトルおよびマトリックスに加え、
    オフセット制御には、以下に定義するようないくつかの特殊ベクトルが関係する。 F=(fi)は、計画オフセットベクトルである。 オフセットは、信号系統化が適用される交通流に先行する交通流の青時間の終了時に測定される。

    【0375】この時、 fi=青時間の終了時に測定された交通流iのオフセット量(整数秒単位)他の交通流についてはfi=0.1
    である。 オフセットは、整数秒単位で定義され、1交差点における交通流の青信号終了時間と重要交差点における交通流の青信号終了時間との差を指示する。 Fdev=(fi)devは、信号オフセットずれベクトルであり、計画オフセットからのずれの量を整数秒単位で指示する。

    【0376】この時、 fi>0ならば、交通流iの青信号が計画オフセットに対して早期に終了したことを示す。

    【0377】fi=0ならば、交通流iの青信号が計画オフセット通りに正しく終了したことを示す。

    【0378】fi<0ならば、交通流iの青信号が計画オフセットに対して遅れて終了したことを示す。 3.4.2 信号制御の実行−系統化システム各信号制御アルゴリズムは、独自のオフセット調整法を有する。 ここで説明する系統化制御実行機構は、オフセット調整用基本ツールである。

    【0379】3.3で説明したプロセスが、追加の制約条件を伴い、オフセット制御に適用される。 この場合、
    信号実行動作の開始時に、信号状態ベクトルAtに加えて、信号オフセットベクトルFを定義しなければならない。

    【0380】Fdevベクトルは、適用交通流およびF
    ベクトルの青信号終了時間を観測することによって定義される。 しかし、Fdevベクトルが、そのオフセットが補正されなければならないことを指示する場合、オフセット補正が実行される。 例えば、オフセット補正は、
    Fdevベクトルが、現周期および先行周期の実オフセットが一方向で連続してオフ状態にあったことを示した場合に実行されよう。

    【0381】信号系統化における最も単純な方法は、システム全体の共通周期長を求め、それを、そのシステムによって制御される全交差点に使用することである。 しかし、現実には、各交差点における各交通流の要求青時間は異なっているので、信号系統化に割当てられる青時間も異なる。 全周期について共通周期長を維持することは、系統化用青信号帯が確保される限り保証されないものと考えられる。

    【0382】一定周期長の維持を伴うまたは伴わない系統化方法を各アルゴリズムによって配慮してよい。 3.5 信号制御機構と信号制御アルゴリズムとの相互
    作用信号制御機構は、信号制御アルゴリズムに依存しないので、いずれのアルゴリズムと連係しても動作可能である。 信号制御機構では、NmaxベクトルおよびNmi
    nベクトルならびにPマトリックスおよびGマトリックスのパラメータは、使用者または内部記憶アルゴリズムのいずれかによって生成され、Fベクトルは、使用者またはローカルマスタコントローラのいずれかによって生成される。

    【0383】非交通反応形式のシステム運用では、使用者またはアルゴリズムのいずれかが、最小青時間および最大青時間について一つの値を割当てることによって各交通流の青信号時間を決定する。

    【0384】交通反応形式においても、青時間がその交通流に付与されることを保証するために交通流について等しい最小青時間および最大青時間が割当てられる。 しかし、交通反応形式の場合、その全部のベクトルおよびマトリックス(上述のNmax、Nmin、P、GおよびFならびにNmax=Nmin)は、直近過去時間周期(5〜15分)で得られた感知器データ、または、予測交通データに基づいて、テーブル参照法または計算のいずれかによって生成される。

    【0385】両者の場合とも、Atベクトルは、走査時間間隔ごとに更新される。 しかし、両者の場合ともAt
    ベクトルは、青信号が既定終了時間に達したか否かを調べるためにのみ使用される。

    【0386】交通適合システムでは、上記のベクトルおよびマトリックス(Nmax、Nmin、P、GおよびF)は、一定間隔で自動的に定義されよう。 Atベクトルも、走査時間間隔ごとに更新される。 4. 感知器データ処理ソフトウエア 4.1 新ローカルコントローラは、感知器装置とローカルコントローラの信号制御処理装置(SCP)との間に設置される「汎用」インタフェースによって、いずれかの形式の既定の交通感知器を扱うことができる。

    【0387】「汎用」感知器インタフェースは、各種形式の感知器から入力を得て、信号制御処理装置によって使用される出力を生成する。 「汎用」感知器インタフェースに接続される交通感知器形式には以下のものがある。 a)従来型ループ式または超音波感知器 b)ビデオグラフィックス感知器 c)レーダ d)歩行者用押しボタン e)優先交通・バス感知器 f)鉄道踏切信号感知器 これらの感知器によって得られるデータには以下のものがある。 a)各感知器のオン/オフ状態 b)各感知器点速度 c)各交通流または車線の速度 d)各交通流または車線の待ち行列長 e)歩行者青信号要求 f)優先交通要求 g)所望交通流の青信号要求 信号制御処理装置の感知器データ処理ソフトウエアは、
    これらのデータを読み取り、信号制御に使用できるように、規定の形式で構成する。

    【0388】従来型ループ式または超音波感知器では、
    感知器インタフェースは、感知器オン/オフ状態、累積交通カウント、累積時間占有率、各個別感知器点における50ミリ秒ごとの評価車両速度を出力する。 待ち行列状態および速度といった他の交通特性データは、オン/
    オフパルスおよび感知器構成に基づいてローカルコントローラの信号制御処理装置によって合成される。 これらの合成データ(例えば、待ち行列長)は、より高性能な感知器から得られるデータほど正確ではないので、ソフトウエアは、感知器からより高精度のデータが「汎用」
    感知器インタフェースを介して信号制御処理装置に入力された場合にそれらの合成データが自動的に置換されるように設計されている。

    【0389】感知器データ処理モジュールは、感知器定義データおよび感知データの2種類のデータを読み取る。 感知器定義データ(または永久データ)は、感知器形式、感知器設置位置、感知器の交通流との関係、およびインタフェースからのデータ取得時間間隔を定義する。 これらのデータは、ローカルコントローラに新規感知器が接続されると必ず読み取られる。 ローカルコントローラには、一度に2以上の感知器形式が接続できる。
    感知データ(またはリアルタイムデータ)は、システムの動作とともに感知器インタフェースから動的に読み取られる。 感知器定義情報に基づき、信号制御処理装置ソフトウエアは、使用された入力データおよび生成される出力データを内部的に指定する。 4.2 ループ式(または超音波)感知器データ処理従来型ループ式または超音波感知器では、信号制御処理装置の感知器データ処理ソフトウエアモジュールへの入力は、交差点幾何形状データテーブルに記憶された感知器定義データ、および、感知器インタフェースから送信されるオンラインリアルタイム感知器情報である。 各種感知器データが各種感知器から送信される。 交差点幾何形状データテーブルからの感知器定義入力は、(各感知器について)以下を含む。 a)感知器識別子 b)交差点流入部識別子 c)横方向設置位置(車線番号) d)交差点に関する設置位置(交差点流入部、交差点内、出口、ブロック間、上流交差点からの出口) e)各群内の縦方向設置位置(第1〜第n) f)停止線からの縦方向距離 g)有効感知長さ 交差点幾何形状データテーブルからの交差点幾何形状入力は、以下を含む。 a)交差点間距離L b)感知器群間距離 信号制御処理装置のデータ収集仕様(DCS)テーブルから読み取られる感知器データ収集仕様入力は、以下を含む。 a)感知器エラー検査用しきい値 b)交通状態準識別用しきい値 c)交通状態水準識別用しきい値 d)交通感知周期 e)あふれ感知用しきい値 感知器データ処理装置は、観測データが上記のしきい値を超えているかどうか、または、満たしているかどうかを調べることにより、交通状態を判定する。

    【0390】感知器データ処理装置は、線形計画法およびリアルタイム交通適合法に使用される出力だけでなく、他の信号制御法にとっても有益である他のデータも生成する。 それらのデータには以下のものがある。 第1水準出力 a)感知器状態(活動、故障または未使用) b)5秒増分での過去10分間の累積交通カウント c)5秒増分での過去10分間の累積時間占有率 d)30分増分での累積交通カウントおよび占有率 第2水準出力 a)感知器状態(活動、故障または未使用) b)直近過去T1およびT2秒間の累積交通カウント c)直近過去T1およびT2秒間の時間占有率 d)各感知器の直近過去N1およびN2周期の交通カウント e)各感知器の直近過去N1およびN2周期の時間占有率 f)各交通流の過去N3周期の流入交通流量 g)各脚の過去N1周期の交通渋滞水準 h)交通待ち行列あふれ状態 i)交差点間推定旅行時間 j)ブロック内車両数(NVIB)

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の新種ローカルコントローラにより制御される個別交差点の図式表示である。

    【図2】複数の交差点とローカルコントローラ演算の整合に使用するマスタコントローラを示す略図である。

    【図3】図2に類似の略図であって、複数のサブエリアおよび中央コントローラと通信するローカルマスタコントローラを示す図である。

    【図4】交差点の図式表示であって、そこでの交通流を示す図である。

    【図5】1周期の信号動作における連続する信号フェーズ順序の各種可能性を示すフェーズ順序ブロック図である。

    【図6】1周期の信号動作における連続する信号フェーズ順序の各種可能性を示すフェーズ順序ブロック図である。

    【図7】信号灯動作の完全周期を示す信号フェーズ順序図表である。

    【図8】本発明で使用するローカルコントローラの単純化したブロック図である。

    【図9】代表的な車両密度対車両量の図である。

    【図10】プログラムと本発明のコントローラ内データの関係を、概念的に示すブロック図形式である。

    【図11】交通流間の切換えを指示するデータ要素を有する遷移マトリックスPを示す図である。

    【図12】交通流ペア間の青信号〜青信号衝突状態を識別するデータ要素を有する青信号〜青信号衝突マトリックスGを示す図である。

    【図13】交通流〜フェーズマトリックスMを示す。 交通流と信号フェーズ間の関係を指示するデータ要素を有する交通流−フェーズマトリックスMを示す図である。

    【図14】同時青信号表示マトリックスQを示し、Gマトリックスをこれの部分集合とする図である。

    【図15】本発明の信号コントローラ動作の説明に使用するための単純化した作業の流れ図である。

    【図16】本発明のコントローラが実行すべき信号制御法の選択に用いる時刻制御選択テーブルとそれに関連した定義テーブルである。

    【図17】フェーズ案の選択に用いる時刻制御選択テーブルとそれに関連した定義テーブルである。

    【図18】リコールスイッチの選択に用いる時刻制御選択テーブルとそれに関連した定義テーブルである。

    【図19】ローカル信号タイミングパラメータの時刻制御選択に用いる時刻制御選択テーブルとそれに関連した定義テーブルである。

    【図20】歩行者青時間係数の時刻制御選択に用いる時刻制御選択テーブルとそれに関連した定義テーブルである。

    【図21】正常動作での時刻制御法に対する単純化した作業の流れ図である。

    【図22】故障モードでの時刻制御法に対する単純化した作業の流れ図である。

    【図23】交通反応制御法に対する単純化した作業の流れ図である。

    【図24】図16に示す動作の交通反応法に対しデータの流れを示す単純化した流れ図である。

    【図25】すべてのフェーズ時間がインタグリーン時間より長いことを示すフェーズ順序図表である。

    【図26】1個の信号フェーズ時間がインタグリーン時間より短いフェーズ順序図表である。

    【図27】線形計画法が解なしあるいは線形計画法の解が受入れ不可の時の動作を示す流れ図である。

    【図28】線形計画法が解なしあるいは線形計画法の解が受入れ不可の時の動作を示す流れ図である。

    【図29】線形計画法が解なしあるいは線形計画法の解が受入れ不可の時の動作を示す流れ図である。

    【図30】本発明のオンラインリアルタイム交通適合制御法に対する単純化した作業の流れ図である。

    【図31】図20に示す動作の交通適合法に対しデータの流れを示す単純化した作業の流れ図である。

    【図32】青信号延長を示す略図である。

    【図33】青信号表示検査手順を示す略図である。

    【図34】信号制御実行タイミングを示す略図である。

    【図35】オフセット基準点を示す略図である。

    【図36】最小、最大、共通周期長を示す略図である。

    【図37】異なるオフセット挽回状態を示す略図である。

    【図38】異なるオフセット挽回状態を示す略図である。

    【図39】異なるオフセット挽回状態を示す略図である。

    【図40】異なるオフセット挽回状態を示す略図である。

    【図41】異なるオフセット挽回状態を示す略図である。

    【図42】異なるオフセット挽回状態を示す略図である。

    【図43】交通反応制御法における信号表示制御機構の信号の流れを示すブロック図である。

    【図44】交通適合制御法における信号表示制御機構の信号の流れを示すブロック図である。

    【図45】信号スイッチング動作に用いられる数個のベクトルを示す図である。

    【図46】信号スイッチング動作に用いられる数個のベクトルを示す図である。

    【図47】信号スイッチング動作に用いられる数個のベクトルを示す図である。

    【図48】信号スイッチング動作に用いられる数個のベクトルを示す図である。

    【図49】信号スイッチング動作に用いられる数個のベクトルを示す図である。

    【図50】信号スイッチング動作に用いられる数個のベクトルを示す図である。

    【符号の説明】

    10 ローカルコントローラ 12 交差点 14 感知器 16 マスタコントローラ 18 幹線道路 20 中央コントローラ 22 信号制御処理装置(SCP) 23,23A 信号制御処理装置(SCP)CPUおよび関連記憶装置 24,24A 高度アルゴリズム処理装置(AAP)C
    PUおよび関連記憶装置 26,26A 感知器データ処理装置(DDP)CPU
    および関連記憶装置 27 感知器データ処理装置ブロック 30 故障モード信号制御LSI(SC−LSI) 32 ブロック 34 交通容量 36 プログラムブロック 38 データブロック 40 スイッチングソフトウエアブロック 42 信号制御アルゴリズムブロック 44 交差点幾何形状データブロック 46 信号制御パラメータブロック 48 感知器データブロック 50 感知器データ処理ソフトウエア 52 スイッチローダインタフェース 54 通信ソフトウエア 58 遷移マトリックス 60 青信号〜青信号衝突マトリックス 62 交通流フェーズマトリックス 64 同時青信号マトリックス 66,68,70,72,74,74A,76,76
    A,78 ブロック 80A,80B 制御法選択テーブルおよび関連定義テーブル 82A,82B フェーズ案選択テーブルおよび関連テーブル 84A,84B リコールスイッチ選択テーブルおよび関連テーブル 86A,86B タイミングパラメータ選択テーブルおよび関連テーブル 88A,88B 歩行者青時間係数選択テーブルおよび関連テーブル 90,92,94,96,98,100,102,10
    4,106,108,110,112 ブロック 114,114′ 線形計画法 116,118,120,122,124,126,1
    28,128′,130,132,134,136,1
    36′138,140,142 ブロック 144,144′ 歩行者信号コントローラ 146,148,160,162,164,166,1
    68,170,172,174,176,178,18
    0,182,184,185,186,188,19
    0,192,194,196,198,200,20
    2,204,206,208,210,212,21
    4,220,222,224,226,228ブロック 232 コントローラ 234,236,244,246,248,250,2
    52,254,256,258,260,260′,2
    62 ブロック

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