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Common salt and bittern enhanced with inorganic salts and method of producing the same

阅读:541发布:2020-10-27

专利汇可以提供Common salt and bittern enhanced with inorganic salts and method of producing the same专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且PROBLEM TO BE SOLVED: To produce the sea water including a high concentrations of inorganic nitrate and nitrite salts or nitrate, nitrite salts, and phosphate and treating meat or fish (meat) with the sea water to give meat or fish meat products having excellent combination of seasoning and chromogenic properties or season ing, chromogenic properties, and binding capacity.
SOLUTION: At least one selected from inorganic ammonium salts, extracts of fishes and shells, extracts of meat, yeast extract and soybean milk is dissolved in marine solution and inorganic nitrate and nitrite salts are enhanced with nitrate forming bacteria under aerobic conditions to prepare the objective marine solution enhanced with inorganic nitrate and nitrite salts. The use of mono-ammonium phosphate and dimmonium phosphate can attain the enhancement of phosphate salt. The resulting marine solution is concentrated and the separated salts are separated to obtain the objective table salt and bitten.
COPYRIGHT: (C)2003,JPO,下面是Common salt and bittern enhanced with inorganic salts and method of producing the same专利的具体信息内容。

【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】海水を主原料とし、副原料として無機のアンモニウム塩、魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスおよび豆乳から選ばれた少なくとも1種を海水に溶解させた後、好気的条件下において硝化バクテリアを作用させることによって得られる無機硝酸塩および亜硝酸塩を増強させた海水を濃縮して折出する塩類を分離して得ることを特徴とする食塩および苦汁とその製造方法
  • 【請求項2】海水を主原料とし、副原料としてリン酸一アンモニウムおよび/またはリン酸二アンモニウムを海水に溶解させた後、好気的条件下において硝化バクテリアを作用させることによって得られる無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を増強させた海水を濃縮して折出する塩類を分離して得ることを特徴とする食塩および苦汁とその製造方法。
  • 【請求項3】請求項1に記載する副原料にリン酸一アンモニウムおよび/またはリン酸二アンモニウムを加えることを特徴とする食塩および苦汁とその製造方法。
  • 【請求項4】請求項1に記載する無機硝酸塩および亜硝酸塩を増強させた海水、または請求項2および3に記載する無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を増強させた海水をボ−メ10〜16度に濃縮したものに食塩を添加し、これを濃縮して折出するカルシウム塩を除去して、
    蒸発乾固させて得ることを特徴とする食塩とその製造方法。
  • 【請求項5】請求項1〜3の苦汁を脱水・乾燥して得られる苦汁の乾燥物。
  • 【請求項6】硝化バクテリアとして、海水中に存在する硝化バクテリアおよび/または土壌中に存在する硝化バクテリアを使用する請求項1〜4に記載する食塩および苦汁とその製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、を主原料とし、副原料として無機のアンモニウム塩、魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスおよび豆乳から選ばれた少なくとも1種を海水に溶解させた後、好気的条件下において硝化バクテリアを作用させることによって得られる無機硝酸塩および亜硝酸塩を増強させた海水、あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を増強させた海水を製造する。 次にこれを濃縮して折出する塩類を分離して食塩および苦汁を得、あるいは上記の無機塩類を増強させた海水をボ−メ10〜16度に濃縮したものに食塩を添加し、これを蒸発乾固させて食塩を得、さらには上記の苦汁を脱水・乾燥して苦汁の乾燥物を製造し、畜肉あるいは魚肉食品の製造において調味性と発色性、あるいは調味性、発色性および結着性を兼ね備えた資材を提供することを目的としている。

    【0002】

    【従来の技術】調理あるいは食品加工の分野において、
    食塩は最も基本的な調味素材であって味付けのみならず栄養上さらには食品の保蔵上からも重要な意味をもっている。 このような観点から、近年は塩化ナトリウム以外に多くのミネラルを含有する天然海塩や、天然海塩の製造時に副生する苦汁が脚光を浴びている。

    【0003】他方、食品にあっては食味は第一義的に必要なものではあるが、食品の色調と食感は食欲をかきたてるのに大きい役割をもっており、購買意欲を左右する重要なものの一つである。 魚介類や畜肉類の色調は鮮度の指標となっており、好ましい色調とするために、加工食品にあっても、たとえば魚肉ハム、魚肉ソ−セ−ジ、
    いくら、すじこ、畜肉ハム、畜肉ソ−セ−ジ等には発色剤として、一定量の硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムの使用が認められている、。 また食感を左右する大きい因子の一つである結着性を高めるための結着剤として種々のリン酸塩の使用が認められている。

    【0004】このように天然海塩、苦汁、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウムあるいは種々のリン酸塩は食品加工素材として広く使用されているが、これらはいずれも単独の使用では調味性と発色性、あるいは調味性、発色性および結着性を兼ね備えた資材として使用することはできない。

    【0005】また、海洋や土壌の自然界における窒素化合物の循環系において生成する亜硝酸塩あるいは硝酸塩を食品加工工程に利用しようとする試みも全くなされていない。 また、海水中あるいは土壌中に存在する硝化バクテリアの食品製造への積極的な利用もほとんど行われていない。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これまで食品加工において調味性と発色性、あるいは調味性、
    発色性および結着性を兼ね備えた資材に着目し、研究開発を行ってきた。 この研究開発において海水中に存在している硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸態リンを濃縮して利用することを検討したが、この方法では硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸態リンの濃度に限界があった。 また、
    魚介類、畜肉類をはじめとする有機質の食品素材を用いた場合には、アンモニア態窒素の生成にとどまり、しかも香味の点で問題があり、目的を達成することができなかった。 このため食品加工に使用できる調味性と発色性あるいは調味性、発色性および結着性を兼ね備えた資材の開発が解決すべき課題となった。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、主原料である海水に副原料として無機のアンモニウム塩、魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスおよび豆乳から選ばれた少なくとも1種を海水に溶解させた後、好気的条件下において硝化バクテリアを作用させることによって得られる無機硝酸塩および亜硝酸塩を増強させた海水を製造し、濃縮して折出する塩類を分離することによって無機硝酸塩および亜硝酸塩を高い濃度に含有する食塩および苦汁を得ることができた。 また上記の無機のアンモニウム塩としてリン酸一アンモニウムおよびまたはリン酸二アンモニウムを使用することによって無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を高い濃度に含有する食塩および苦汁を得ることができた。 さらに、この苦汁を脱水・乾燥して、使用に便利な苦汁乾燥物とすることができた。

    【0008】
    また、上記の無機硝酸塩および亜硝酸塩を増強させた海水、あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を増強させた海水をボ−メ10〜33度に濃縮したものに食塩を添加し、これを濃縮して折出するカルシウム塩を除去して、蒸発乾固させることによって無機硝酸塩および亜硝酸塩を高い濃度に含有する食塩あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を高い濃度に含有する食塩を得ることによって上記の課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。

    【0009】即ち、本発明においては主原料として海水を使用する。 海水中には多くのミネラルがバランスよく含まれている。 したがって、海水を蒸発・濃縮して得られる天然海塩は精製塩とは異なって、調味性の極めて強いものである。 また天然海塩の製造時に折出してくる塩類を分離して得られる苦汁にも同様に多くのミネラルが含まれている。 このため、天然海塩および苦汁は調味性を付与する目的で農産加工、水産加工、畜産加工等のさまざまな分野で広く使用されている。

    【0010】他方、海水中にはプランクトンをはじめとする種々の生物体や有機物の分解によって生成するアンモニア態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素およびリン酸態リンが存在している。 例えば表層水ではそれぞれが0.0099ppm、0.0055ppm、0.005
    5ppmおよび0.002ppmであり、また−350
    mの深層水ではそれぞれが0.0021ppm、0.2
    930ppm、0.0003ppmおよび0.065p
    pmである。 また総窒素は表層水0.3387ppm、
    深層水0.7199である(土肥ら;静岡工技センタ−
    報告〈1999〉)が、この程度の濃度では、たとえば食塩と苦汁を分離するボ−メ28度まで濃縮しても硝酸態窒素、亜硝酸態窒素のいずれも30〜35倍になるに過ぎず、目的を達することはできない。

    【0011】海水中では、これらの窒素化合物の循環は微生物によって行われている。 即ち、有機態窒素からアンモニア態窒素、亜硝酸塩、硝酸塩へと分解された後、
    微生物に摂取されて菌体を構成する有機態窒素に、あるいはその逆反応によって同様に有機態窒素に変化している。 この一連の循環において硝化バクテリアは重要な役割を演じている。 即ち、NitromonasおよびN
    itorosococ−cusはアンモニア態窒素を亜硝酸塩に、またNitrobacterは亜硝酸塩から硝酸塩への変換に関与するとされている。 したがって、
    海水中に存在しているこれらの硝化バクテリア、さらには土壌中に存在している硝化バクテリアを使用することによって、硫酸アンモニウムをはじめとする無機アンモニウム塩を亜硝酸塩を経て硝酸塩へと効率よく分解することができる。 また魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスさらには豆乳等の有機態窒素を含有する食品素材からも、アンモニア態窒素を経て無機硝酸塩および亜硝酸塩を効率よく製造することができる。 またアンモニウム塩として、特にリン酸態リンを含んだリン酸一アンモニウムあるいはリン酸二アンモニウムを使用することによって、無機の硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を同時に効率よく製造することができる。

    【0012】

    【発明の実施の形態】本発明による主原料である海水に対して、無機硝酸塩、亜硝酸塩を生成させるための副原料として、硫酸アンモニウムをはじめとする無機アンモニウム塩、魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスおよび豆乳から選ばれた少なくとも1種を加えて溶解させた後、硝化バクテリアを作用させることによって海水中に無機硝酸塩および亜硝酸塩を増強させることができる。 また無機アンモニウム塩として、リン酸態リンを含んだリン酸一アンモニウムあるいはリン酸二アンモニウムを使用することによって、無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を同時に増強させることができる。 続いて、
    これらの海水をそのまま濃縮し、折出する塩類を分離することによって、無機硝酸塩および亜硝酸塩を高濃度に含有する食塩および苦汁、あるいは無機の硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を同時に高濃度に含有する食塩および苦汁を得ることができる。

    【0013】これとは別に、無機硝酸塩および亜硝酸塩、あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を増強させた海水をボ−メ10〜33度、好ましくはボーメ15〜28度に濃縮したものに食塩を添加し、これを濃縮して折出するカルシウム類を除去して、蒸発乾固させて無機硝酸塩および亜硝酸塩を高い濃度に含有する食塩および苦汁、あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を高い濃度に含有する食塩を得ることができる。

    【0014】さらにこれらの苦汁を脱水・乾燥することによって、粒状もしくは粉末状の苦汁乾燥物を得ることができる。

    【0015】海水は清浄度の高いものであれば表層水、
    深層水のいずれでもよく、物理的濾過によって浮遊物および沈降物を除去して使用する。

    【0016】無機硝酸塩、亜硝酸塩を生成させるための副原料としては、硫酸アンモニウムが好ましく、このほか無機のアンモニウム塩、魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスおよび豆乳等の有機態窒素を含むものも使用できる。 これらの副原料の少なくとも1種以上を海水に溶解し、好気的状態に保持して硝化バクテリアを作用させる。 水温は10〜45℃、好ましくは20〜35
    ℃である。

    【0017】無機のアンモニウム塩として硫酸アンモニウムを使用する場合には、海水中に20〜500pp
    m、好ましくは50〜200ppmの濃度となるように添加する。 その他のアンモニウム塩では10〜300p
    pm、好ましくは30〜150ppmである。 このほか魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスよ、豆乳等の有機態窒素を含む素材は、総窒素として2〜100pp
    m,好ましくは5〜15ppmの濃度となるように添加する。 有機態窒素を含む素材は添加濃度が高すぎる場合には不快な香味を呈する。

    【0018】リン酸一アンモニウムあるいはリン酸二アンモニウムを使用する場合には、海水中に30〜400
    ppm、好ましくは50〜200ppmである。 また無機のアンモニウム化合物と有機態窒素を含む素材を併用する場合には、総窒素として2〜200ppm,好ましくは5〜20ppmの濃度となるように添加する。

    【0019】また、硝化バクテリアは無機のアンモニウム塩あるいは有機態窒素の濃度が高い場合、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩等への分解速度が低下するため、上記の好ましい濃度に保つように栄養源を連続的に添加して硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩等の濃度をさらに高めることができる。

    【0020】硝化バクテリアとしては、海水中にNit
    romonus,Nitroso−coccus,Ni
    trobacter等が存在しており、その作用による無機のアンモニウム塩あるいは有機態窒素からの無機の亜硝酸塩、硝酸塩への分解を利用する。 またリン酸一アンモニウムあるいはリン酸二アンモニウムを使用する場合には、無機の硝酸塩、亜硝酸塩と同時にリン酸塩が生成されることを利用する。 このほか土壌中に存在する硝化バクテリア、あるいは単離された硝化バクテリアも使用できるが、いずれも海水中で作用させることが必要である。

    【0021】このようにして得られる食塩および苦汁は無機硝酸塩および亜硝酸塩、あるいは硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を高濃度に含有している。 苦汁は真空凍結乾燥、噴霧乾燥等によって乾燥を行い、粒状あるいは粉状の乾燥物とすることができる。

    【0022】以下実施例をあげて本発明を更に具体的にに説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。

    【0023】実施例1 海水100lに硫酸アンモニウムを5g溶解し、水温を20℃に保って通気を48時間行って硝酸塩45.2p
    pm、亜硝酸塩3.2ppm、を含む海水を得た。 この海水を天日下でシャワ−方式によってでボ−メ13度まで濃縮した後、平釜に移して加熱し、途中折出してくるカルシウム塩を除去しながらボ−メ28度まで濃縮して、硝酸根640ppm、亜硝酸根3.2ppmを含む食塩3.15kgおよび硝酸根810ppm、亜硝酸根14.4ppmを含む苦汁2.8lを得た。 この食塩および苦汁にはアンモニアは検出されなかった。

    【0024】実施例2 海水100lに硫酸アンモニウム10gおよびカツオ魚肉エキス2gを溶解し、水温を20℃に保って通気を4
    8時間行って硝酸根85.5ppm、亜硝酸根8.8p
    pmを含む海水を得た。 この海水を天日下でシャワ−方式でボ−メ13度まで濃縮した後、平釜に移して加熱し、途中折出してくるカルシウム塩を除去しながらボ−
    メ28度まで濃縮して、硝酸根1,300ppm、亜硝酸根9.5ppm、を含む食塩3.08kgおよび硝酸根1,670ppm、亜硝酸根4.2ppmを含む苦汁2.9lを得た。 この食塩および苦汁にはアンモニアは検出されなかった。

    【0025】実施例3 海水100lにリン酸一アンモニウム5gおよびリン酸二アンモニウム5gを溶解し、水温を20℃に保って通気を48時間行って硝酸根88.1ppm、亜硝酸根4.1ppmおよびリン酸根55.2ppmを含む海水20.0lを得たこの海水をボ−メ16度に濃縮したものに食塩2.0kgを溶解し、平釜に移して加熱し、途中折出してくるカルシウム塩を除去しながら蒸発乾固して、硝酸根330ppm、亜硝酸根1.1ppm、リン酸根196ppmを含む食塩22.3kgを得た。 この食塩にはアンモニアは検出されなかった。

    【0026】実施例4 海水100lに硫酸アンモニウムを10g溶解し、水温を20℃に保って通気を行ない、以後12時間ごとに硫酸アンモニウムを5gづつ添加し、72時間後に硝酸根510ppm、亜硝酸根145ppm、を含む海水を得た。 この海水を天日下でシャワ−方式によってボ−メ1
    3度まで濃縮した後、平釜に移して加熱し、途中折出してくるカルシウム塩を除去しながらボ−メ28度まで濃縮して、硝酸根4,500ppm、亜硝酸根129pp
    mを含むpH7.6の食塩3.05kgおよび硝酸根8,100ppm、亜硝酸根500ppmを含むpH
    7.4の苦汁2.9lを得た。 この食塩および苦汁にはアンモニアは検出されなかった。

    【0027】実施例5 海水に100lにリン酸一アンモニウム5g、リン酸二アンモニウム5gおよび酵母エキス1gを溶解し、水温を20℃に保って通気を行ない、以後12時間ごとにリン酸一アンモニウム5g、リン酸二アンモニウム5gおよび酵母エキス1gを追加し、72時間後に硝酸根32
    0ppm、亜硝酸根15.4ppm、リン酸根350p
    pmを含む海水を得た。 この海水を天日下でシャワ−方式によってボ−メ13度まで濃縮した後、平釜に移して加熱し、途中折出してくるカルシウム塩を除去しながらボ−メ28度まで濃縮して、硝酸根1.950pm、硝酸根70.2ppm、リン酸根2.340ppmを含むpH7.5の食塩3.08kgおよび硝酸根8.500
    ppm、亜硝酸根240ppm,リン酸根8.650p
    pmを含むpH7.3の苦汁3.0lを得た。 この食塩および苦汁にはアンモニアは検出されなかった。

    【0028】実施例6 実施例4で得られた硝酸根350ppm、亜硝酸9.7
    ppmを含む食塩2kgを豚の整形肉100kgに混合し、6mmのチョッパ−で挽き、ブラックペッパ−、コリアンダ−等の混合香辛料と10kgの冷水を加え、5
    分間ミキサ−で練った。 これをファイブラスケ−シング及び羊腸に充填し、ステンレス竿に吊るし、スモ−クチャンバ−にて、熟成を45℃で30分間、乾燥を60℃
    で30分間、燻煙を65℃で15分間、蒸煮を75℃で45分間(中心温度63℃で30分間クリア−)加熱処理した。 その後シャワ−リングで10分間急冷した後、
    5℃の冷蔵庫内で品温が10℃以下になるまで冷却し、
    食肉製品(ソ−セ−ジ)として仕上げた。 これをスライスし、パネル20名で官能評価を行ったところ、風味・
    色調及び食感が極めて良好であった。 また亜硝酸根の測定を行ったところ、3.7ppmと極めて低い数値となった。 (豚肉をそのまま精製塩2%にて同等の加熱処理を行ったものは4ppmであった。)

    【0029】実施例7 実施例4で得られた硝酸根350ppm、硝酸根9.7
    ppmを含む食塩2.5kgを豚の肩肉100gに混合し、4℃の冷蔵庫に120時間漬け込み、流水にて塩抜きした後、これをファイブラスケーシングに充填し、結束したのち、65℃で40分間、乾燥を60℃で60分間、燻煙を65℃で15分間、蒸煮を80℃で120分間(中心温度63℃で30分間クリアー)加熱処理した。 その後シャワーリングで10分間急冷した後、5℃
    の冷蔵庫内で品温が10℃以下になるまで冷却し、食肉製品(ハム)として仕上げた。 これをスライスし、パネル20名で官能評価を行ったところ、風味・色調及び食感が極めて良好であった。 また亜硝酸根の測定を行ったところ、5ppmと極めて低い数値となった。 (豚肉をそのまま精製塩2.5%にて同等の加熱処理を行ったものは4ppmであった。)

    【0030】

    【実施例8】豚の整形肉100kgに実施例5で得られた食塩2kg及び苦汁0.3kgを混合し、ブラックペッパー・コリアンダー等の混合調味料及び砂糖・調味料と15kgの冷水を加え、サイレンとカッターを用いてソーセージエマルジョンになるまで乳液混合を行った。
    これを羊腸及びコラーゲンケーシングに充填し、ステンレス竿につるした後、スモークチャンバーにて熟成を4
    5℃で30分間、乾燥を60℃で30分間、燻煙を65
    ℃で15分間、蒸煮を75℃で45分間(中心温度65
    ℃で30分間クリアー)加熱処理した。 その後、シャワーリングで10分間急冷した後、5℃の冷蔵庫内で品温が10℃以下になるまで冷却し、食肉製品(ウィンナー)として仕上げた。 これをボイルし、パネル20名で官能評価を行ったところ、風味・色調及び食感が極めて良好であった。 なお、対象区として食塩2.0%、亜硝酸ナトリウム0.01%を使用したリン酸無添加のものは、結着が試験区に比べて著しく劣った。

    【0031】

    【発明の効果】本発明によって以下の効果がもたらされる。

    【0032】海水中に無機のアンモニウム塩、魚介類エキス、蓄肉類エキス、酵母エキス及び豆乳から選ばれた少なくとも1種類を溶解させ、硝化バクテリアの作用によって硝酸塩及び亜硝酸塩を海水中に高密度に含有する海水が得られ、これを用いて海水中に含まれている各種のミネラルは勿論のこと、硝酸塩及び亜硝酸塩を高濃度に含有する食塩及び苦汁が得られるため、これを使用することによって調味性と発色性にすぐれた、蓄肉加工食品及び魚肉加工食品を製造することができる。

    【0033】また、無機のアンモニウム塩として、リン酸一アンモニウム及び/または、リン酸二アンモニウムを用いることによって、硝酸塩、亜硝酸塩及びリン酸塩を高濃度に含有する食塩及び苦汁が得られるため、これを使用することによって、調味性、発色性及び結着性にすぐれた蓄肉加工食品及び魚肉加工食品を製造することができる。

    【0034】また、海水に添加する無機のアンモニウム塩等の含窒素副原料あるいは無機リン酸塩の濃度を制御することによって、必要とする濃度の硫酸塩及び亜硝酸塩、あるいは硝酸塩、亜硝酸塩及びリン酸塩を含んだ食塩及び苦汁を得ることができる。

    【0035】また、硝酸塩及び亜硝酸塩を高濃度に含む食塩及び苦汁と、硝酸塩、亜硝酸塩及びリン酸塩を高濃度に含む食塩及び苦汁を種々の割合で混合することによって、望ましい硝酸塩、亜硝酸塩及びリン酸塩の高濃度の食塩及び苦汁を調整することによって種々の調味性、
    発色性及び結着性をもった食肉加工食品及び魚肉加工食品を製造することができる。

    【手続補正書】

    【提出日】平成13年6月26日(2001.6.2
    6)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】全文

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【書類名】 明細書

    【発明の名称】 無機塩類を増強させた食塩および苦汁とその製造方法

    【特許請求の範囲】

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は、海水を主原料とし、副原料として無機のアンモニウム塩、魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスおよび豆乳から選ばれた少なくとも1種を海水に溶解させた後、好気的条件下において硝化バクテリアを作用させることによって得られる無機硝酸塩および亜硝酸塩を増強させた海水、あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を増強させた海水を製造する。 次にこれを濃縮して折出する塩類を分離して食塩および苦汁を得、あるいは上記の無機塩類を増強させた海水をボ−メ10〜 33度に濃縮したものに食塩を添加し、これを蒸発乾固させて食塩を得、さらには上記の苦汁を脱水・乾燥して苦汁の乾燥物を製造し、畜肉あるいは魚肉食品の製造において調味性と発色性、あるいは調味性、発色性および結着性を兼ね備えた資材を提供することを目的としている。

    【0002】

    【従来の技術】調理あるいは食品加工の分野において、
    食塩は最も基本的な調味素材であって、味付けのみならず栄養上さらには食品の保蔵上からも重要な意味をもっている。 このような観点から、近年は塩化ナトリウム以外に多くのミネラルを含有する天然海塩や、天然海塩の製造時に副生する苦汁が脚光を浴びている。

    【0003】他方、食品にあっては食味は第一義的に必要なものではあるが、食品の色調と食感は食欲をかきたてるのに大きい役割をもっており、購買意欲を左右する重要なものの一つである。 魚介類や畜肉類の色調は鮮度の指標となっており、好ましい色調とするために、加工食品にあっても、たとえば魚肉ハム、魚肉ソ−セ−ジ、
    いくら、すじこ、畜肉ハム、畜肉ソ−セ−ジ等には発色剤として、一定量の硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムの使用が認められている。 また食感を左右する大きい因子の一つである結着性を高めるための結着剤として種々のリン酸塩の使用が認められている。

    【0004】このように天然海塩、苦汁、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウムあるいは種々のリン酸塩は食品加工素材として広く使用されているが、これらはいずれも単独の使用では調味性と発色性、あるいは調味性、発色性および結着性を兼ね備えた資材として使用することはできない。

    【0005】また、海洋や土壌の自然界における窒素化合物の循環系において生成する亜硝酸塩あるいは硝酸塩を食品加工工程に利用しようとする試みも全くなされていない。 また、海水中あるいは土壌中に存在する硝化バクテリアの食品製造への積極的な利用もほとんど行われていない。

    【0006】

    【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これまで食品加工において調味性と発色性、あるいは調味性、
    発色性および結着性を兼ね備えた資材に着目し、研究開発を行ってきた。 この研究開発において海水中に存在している硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸態リンを濃縮して利用することを検討したが、この方法では硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸態リンの濃度に限界があった。 また、
    魚介類、畜肉類をはじめとする有機質の食品素材を用いた場合には、アンモニア態窒素の生成にとどまり、しかも香味の点で問題があり、目的を達成することができなかった。 このため食品加工に使用できる調味性と発色性あるいは調味性、発色性および結着性を兼ね備えた資材の開発が解決すべき課題となった。

    【0007】

    【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、主原料である海水に副原料として無機のアンモニウム塩、魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスおよび豆乳から選ばれた少なくとも1種を海水に溶解させた後、好気的条件下において硝化バクテリアを作用させることによって得られる無機硝酸塩および亜硝酸塩を増強させた海水を製造し、濃縮して折出する塩類を分離することによって無機硝酸塩および亜硝酸塩を高い濃度に含有する食塩および苦汁を得ることができた。 また上記の無機のアンモニウム塩としてリン酸一アンモニウムおよびまたはリン酸二アンモニウムを使用することによって無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を高い濃度に含有する食塩および苦汁を得ることができた。 さらに、この苦汁を脱水・乾燥して、使用に便利な苦汁乾燥物とすることができた。

    【0008】また、上記の無機硝酸塩および亜硝酸塩を増強させた海水、あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を増強させた海水をボ−メ10〜33度に濃縮したものに食塩を添加し、これを濃縮して折出するカルシウム塩を除去して、蒸発乾固させることによって無機硝酸塩および亜硝酸塩を高い濃度に含有する食塩あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を高い濃度に含有する食塩を得ることによって上記の課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。

    【0009】即ち、本発明においては主原料として海水を使用する。 海水中には多くのミネラルがバランスよく含まれている。 したがって、海水を蒸発・濃縮して得られる天然海塩は精製塩とは異なって、調味性の極めて強いものである。 また天然海塩の製造時に折出してくる塩類を分離して得られる苦汁にも同様に多くのミネラルが含まれている。 このため、天然海塩および苦汁は調味性を付与する目的で農産加工、水産加工、畜産加工等のさまざまな分野で広く使用されている。

    【0010】他方、海水中にはプランクトンをはじめとする種々の生物体や有機物の分解によって生成するアンモニア態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素およびリン酸態リンが存在している。 例えば表層水ではそれぞれが0.0099ppm、0.0055ppm、0.005
    5ppmおよび0.002ppmであり、また−350
    mの深層水ではそれぞれが0.0021ppm、0.2
    930ppm、0.0003ppmおよび0.065p
    pmである。 また総窒素は表層水0.3387ppm、
    深層水0.7199 ppmである(土肥ら;静岡工技センタ−報告〈1999〉)が、この程度の濃度では、たとえば食塩と苦汁を分離するボ−メ28度まで濃縮しても硝酸態窒素、亜硝酸態窒素のいずれも30〜35倍になるに過ぎず、目的を達することはできない。

    【0011】海水中では、これらの窒素化合物の循環は微生物によって行われている。 即ち、有機態窒素からアンモニア態窒素、亜硝酸塩、硝酸塩へと分解された後、
    微生物に摂取されて菌体を構成する有機態窒素に、あるいはその逆反応によって同様に有機態窒素に変化している。 この一連の循環において硝化バクテリアは重要な役割を演じている。 即ち、NitromonasおよびN
    itorosococ−cusはアンモニア態窒素を亜硝酸塩に、またNitrobacterは亜硝酸塩から硝酸塩への変換に関与するとされている。 したがって、
    海水中に存在しているこれらの硝化バクテリア、さらには土壌中あるいは淡水に存在している硝化バクテリアを使用することによって、硫酸アンモニウムをはじめとする無機アンモニウム塩を亜硝酸塩を経て硝酸塩へと効率よく分解することができる。 また魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスさらには豆乳等の有機態窒素を含有する食品素材からも、アンモニア態窒素を経て無機硝酸塩および亜硝酸塩を効率よく製造することができる。
    またアンモニウム塩として、特にリン酸態リンを含んだリン酸一アンモニウムあるいはリン酸二アンモニウムを使用することによって、無機の硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を同時に効率よく製造することができる。

    【0012】

    【発明の実施の形態】本発明による主原料である海水に対して、無機硝酸塩、亜硝酸塩を生成させるための副原料として、硫酸アンモニウムをはじめとする無機アンモニウム塩、魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスおよび豆乳から選ばれた少なくとも1種を加えて溶解させた後、硝化バクテリアを作用させることによって海水中に無機硝酸塩および亜硝酸塩を増強させることができる。 また無機アンモニウム塩として、リン酸態リンを含んだリン酸一アンモニウムあるいはリン酸二アンモニウムを使用することによって、無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を同時に増強させることができる。 続いて、
    これらの海水をそのまま濃縮し、折出する塩類を分離することによって、無機硝酸塩および亜硝酸塩を高濃度に含有する食塩および苦汁、あるいは無機の硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を同時に高濃度に含有する食塩および苦汁を得ることができる。

    【0013】これとは別に、無機硝酸塩および亜硝酸塩、あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を増強させた海水をボ−メ10〜33度、好ましくはボーメ15〜28度に濃縮したものに食塩を添加し、これを濃縮して折出するカルシウム類を除去して、蒸発乾固させて無機硝酸塩および亜硝酸塩を高い濃度に含有する食塩
    あるいは無機硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を高い濃度に含有する食塩を得ることができる。

    【0014】さらにこれらの苦汁を脱水・乾燥することによって、粒状もしくは粉末状の苦汁乾燥物を得ることができる。

    【0015】海水は清浄度の高いものであれば表層水、
    深層水のいずれでもよく、物理的濾過によって浮遊物および沈降物を除去して使用する。

    【0016】無機硝酸塩、亜硝酸塩を生成させるための副原料としては、硫酸アンモニウムが好ましく、このほか無機のアンモニウム塩、魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスおよび豆乳等の有機態窒素を含むものも使用できる。 これらの副原料の少なくとも1種以上を海水に溶解し、好気的状態に保持して硝化バクテリアを作用させる。 水温は10〜45℃、好ましくは20〜35
    ℃である。

    【0017】無機のアンモニウム塩として硫酸アンモニウムを使用する場合には、海水中に20〜500pp
    m、好ましくは50〜200ppmの濃度となるように添加する。 その他のアンモニウム塩では10〜300p
    pm、好ましくは30〜150ppmである。 このほか魚介類エキス、畜肉類エキス、酵母エキスよ、豆乳等の有機態窒素を含む素材は、総窒素として2〜100pp
    m,好ましくは5〜15ppmの濃度となるように添加する。 有機態窒素を含む素材は添加濃度が高すぎる場合には不快な香味を呈する。

    【0018】リン酸一アンモニウムあるいはリン酸二アンモニウムを使用する場合には、海水中に30〜400
    ppm、好ましくは50〜200ppmである。 また無機のアンモニウム化合物と有機態窒素を含む素材を併用する場合には、総窒素として2〜200ppm,好ましくは5〜20ppmの濃度となるように添加する。

    【0019】また、硝化バクテリアは無機のアンモニウム塩あるいは有機態窒素の濃度が高い場合、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩等への分解速度が低下するため、上記の好ましい濃度に保つように栄養源を連続的に添加して硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩等の濃度をさらに高めることができる。

    【0020】硝化バクテリアとしては、海水中にNit
    romonus,Nitroso−coccus,Ni
    trobacter等が存在しており、その作用による無機のアンモニウム塩あるいは有機態窒素からの無機の亜硝酸塩、硝酸塩への分解を利用する。 またリン酸一アンモニウムあるいはリン酸二アンモニウムを使用する場合には、無機の硝酸塩、亜硝酸塩と同時にリン酸塩が生成されることを利用する。 このほか土壌中に存在する硝化バクテリア、あるいは単離された硝化バクテリアも使用できるが、いずれも海水中で作用させることが必要である。

    【0021】このようにして得られる食塩および苦汁は無機硝酸塩および亜硝酸塩、あるいは硝酸塩、亜硝酸塩およびリン酸塩を高濃度に含有している。 苦汁は真空凍結乾燥、噴霧乾燥等によって乾燥を行い、粒状あるいは粉状の乾燥物とすることができる。

    【0022】以下実施例をあげて本発明を更に具体的にに説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。

    【0023】実施例1 海水100lに硫酸アンモニウムを10 g溶解し、水温を20℃に保って通気を48時間行って硝酸塩45.2
    ppm、亜硝酸塩3.2ppm、を含む海水を得た。 この海水を天日下でシャワ−方式によってでボ−メ13度まで濃縮した後、平釜に移して加熱し、途中折出してくるカルシウム塩を除去しながらボ−メ28度まで濃縮して、硝酸根290 ppm、亜硝酸根3.2ppmを含む食塩3.15kgおよび硝酸根1,320 ppm、亜硝酸根20.2 ppmを含む苦汁2.8lを得た。 この食塩および苦汁にはアンモニアは検出されなかった。

    【0024】実施例2 海水100lに硫酸アンモニウム20 gおよびカツオ魚肉エキス2gを溶解し、水温を20℃に保って通気を4
    8時間行って硝酸根85.5ppm、亜硝酸根8.8p
    pmを含む海水を得た。 この海水を天日下でシャワ−方式でボ−メ13度まで濃縮した後、平釜に移して加熱し、途中折出してくるカルシウム塩を除去しながらボ−
    メ28度まで濃縮して、硝酸根540 ppm、亜硝酸根
    14.2 ppm、を含む食塩3.08kgおよび硝酸根
    2,540 ppm、亜硝酸根8.7 ppmを含む苦汁2.9lを得た。 この食塩および苦汁にはアンモニアは検出されなかった。

    【0025】実施例3 海水100lにリン酸一アンモニウム gおよびリン酸二アンモニウム gを溶解し、水温を20℃に保って通気を48時間行って硝酸根88.1ppm、亜硝酸根4.1ppmおよびリン酸根55.2ppmを含む海水20.0lを得た。 この海水をボ−メ16度に濃縮したものに食塩2.0kgを溶解し、平釜に移して加熱し、途中折出してくるカルシウム塩を除去しながら蒸発乾固して、硝酸根330ppm、亜硝酸根1.1ppm、リン酸根196ppmを含む食塩22.3kgを得た。 この食塩にはアンモニアは検出されなかった。

    【0026】実施例4 海水100lに硫酸アンモニウムを20 g溶解し、水温を20℃に保って通気を行い、以後12時間ごとに硫酸アンモニウムを5gづつ添加し、72時間後に硝酸根
    40 ppm、亜硝酸根35.0 ppm、を含む海水を得た。 この海水を天日下でシャワ−方式によってボ−メ1
    3度まで濃縮した後、平釜に移して加熱し、途中折出してくるカルシウム塩を除去しながらボ−メ28度まで濃縮して、硝酸根3,500 ppm、亜硝酸根97.3
    pmを含むpH7.6の食塩3.05kgおよび硝酸根
    3,300 ppm、亜硝酸根210 ppmを含むpH
    7.4の苦汁2.9lを得た。 この食塩および苦汁にはアンモニアは検出されなかった。

    【0027】 実施例5 海水に100lにリン酸一アンモニウム g、リン酸二アンモニウム gおよび酵母エキス1gを溶解し、水温を20℃に保って通気を行ない、以後12時間ごとにリン酸一アンモニウム10 g、リン酸二アンモニウム10
    gおよび酵母エキス1gを追加し、72時間後に硝酸根320ppm、亜硝酸根15.4ppm、リン酸根35
    0ppmを含む海水を得た。 この海水を天日下でシャワ−方式によってボ−メ13度まで濃縮した後、平釜に移して加熱し、途中折出してくるカルシウム塩を除去しながらボ−メ28度まで濃縮して、硝酸根1,950
    m、 亜硝酸根 70.2ppm、リン酸根2,340 pp
    mを含むpH7.5の食塩3.08kgおよび硝酸根8,
    500 ppm、亜硝酸根240ppm,リン酸根8,6
    50 ppmを含むpH7.3の苦汁3.0lを得た。 この食塩および苦汁にはアンモニアは検出されなかった。

    【0028】実施例6 実施例4で得られた硝酸根3,500 ppm、亜硝酸
    7.3 ppmを含む食塩2kgを豚の整形肉100kgに混合し、6mmのチョッパ−で挽き、ブラックペッパ−、
    コリアンダ−等の混合香辛料と10kgの冷水を加え、5
    分間ミキサ−で練った。 これをファイブラスケ−シング及び羊腸に充填し、ステンレス竿に吊るし、スモ−クチャンバ−にて、熟成を45℃で30分間、乾燥を60℃
    で30分間、燻煙を65℃で15分間、蒸煮を75℃で45分間(中心温度63℃で30分間クリア−)加熱処理した。 その後シャワ−リングで10分間急冷した後、
    5℃の冷蔵庫内で品温が10℃以下になるまで冷却し、
    食肉製品(ソ−セ−ジ)として仕上げた。 これをスライスし、パネル20名で官能評価を行ったところ、風味・
    色調及び食感が極めて良好であった。 また亜硝酸根の測定を行ったところ、3.7ppmと極めて低い数値となった。 (豚肉をそのまま精製塩2%にて同等の加熱処理を行ったものは4ppmであった。)

    【0029】実施例7 実施例4で得られた硝酸根3,500 ppm、硝酸根
    7.3 ppmを含む食塩2.5kgを豚の肩肉100k
    に混合し、4℃の冷蔵庫に120時間漬け込み、流水にて塩抜きした後、これをファイブラスケーシングに充填し、結束したのち、 熟成を45℃で40分間、乾燥を60℃で60分間、燻煙を65℃で15分間、蒸煮を8
    0℃で120分間(中心温度63℃で30分間クリアー)加熱処理した。 その後シャワーリングで10分間急冷した後、5℃の冷蔵庫内で品温が10℃以下になるまで冷却し、食肉製品(ハム)として仕上げた。 これをスライスし、パネル20名で官能評価を行ったところ、風味・色調及び食感が極めて良好であった。 また亜硝酸根の測定を行ったところ、5ppmと極めて低い数値となった。 (豚肉をそのまま精製塩2.5%にて同等の加熱処理を行ったものは4ppmであった。)

    【0030】実施例8 豚の整形肉100kgに実施例5で得られた食塩2kg
    及び苦汁0.3kgを混合し、ブラックペッパー・コリアンダー等の混合調味料及び砂糖・調味料と15kgの冷水を加え、 サイレントカッターを用いてソーセージエマルジョンになるまで乳化混合を行った。 これを羊腸及びコラーゲンケーシングに充填し、ステンレス竿につるした後、スモークチャンバーにて熟成を45℃で30分間、乾燥を60℃で30分間、燻煙を65℃で15分間、蒸煮を75℃で45分間(中心温度65℃で30分間クリアー)加熱処理した。 その後、シャワーリングで10分間急冷した後、5℃の冷蔵庫内で品温が10℃以下になるまで冷却し、食肉製品(ウィンナー)として仕上げた。 これをボイルし、パネル20名で官能評価を行ったところ、風味・色調及び食感が極めて良好であった。 なお、 対照区として食塩2.0%、亜硝酸ナトリウム0.01%を使用したリン酸無添加のものは、結着力が試験区に比べて著しく劣った。

    【0031】

    【発明の効果】本発明によって以下の効果がもたらされる。

    【0032】海水中に無機のアンモニウム塩、魚介類エキス、 畜肉類エキス、酵母エキス及び豆乳から選ばれた少なくとも1種類を溶解させ、硝化バクテリアの作用によって硝酸塩及び亜硝酸塩を海水中に高濃度に含有する海水が得られ、これを用いて海水中に含まれている各種のミネラルは勿論のこと、硝酸塩及び亜硝酸塩を高濃度に含有する食塩及び苦汁が得られるため、これを使用することによって調味性と発色性にすぐれた、 食肉加工食品及び魚肉加工食品を製造することができる。

    【0033】また、無機のアンモニウム塩として、リン酸一アンモニウム及び/または、リン酸二アンモニウムを用いることによって、硝酸塩、亜硝酸塩及びリン酸塩を高濃度に含有する食塩及び苦汁が得られるため、これを使用することによって、調味性、発色性及び結着性にすぐれた食肉加工食品及び魚肉加工食品を製造することができる。

    【0034】また、海水に添加する無機のアンモニウム塩等の含窒素副原料あるいは無機リン酸塩の濃度を制御することによって、必要とする濃度の硝酸塩及び亜硝酸塩、あるいは硝酸塩、亜硝酸塩及びリン酸塩を含んだ食塩及び苦汁を得ることができる。

    【0035】また、硝酸塩及び亜硝酸塩を高濃度に含む食塩及び苦汁と、硝酸塩、亜硝酸塩及びリン酸塩を高濃度に含む食塩及び苦汁を種々の割合で混合することによって、望ましい硝酸塩、亜硝酸塩及びリン酸塩の濃度の食塩及び苦汁を調整することができ、これを使用するこ
    とによって種々の調味性、発色性及び結着性をもった食肉加工食品及び魚肉加工食品を製造することができる。

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