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撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法

热词 重合 化合物 化合 組成 凝集 素数 分析 質量 ステップ 濃度
专利类型 发明专利 法律事件
专利有效性 公开 当前状态
申请号 JP2009547062 申请日 2008-12-17
公开(公告)号 JPWO2009081822A1 公开(公告)日 2011-05-06
申请人 旭硝子株式会社; 申请人类型 企业
发明人 聡 引間; 聡 引間; 第一发明人 聡 引間
权利人 旭硝子株式会社 权利人类型 企业
当前权利人 旭硝子株式会社 当前权利人类型 企业
省份 当前专利权人所在省份: 城市 当前专利权人所在城市:
具体地址 当前专利权人所在详细地址: 邮编 当前专利权人邮编:
主IPC国际分类 G01N30/88 所有IPC国际分类 G01N30/88G01N30/06G01N30/72
专利引用数量 1 专利被引用数量 0
专利权利要求数量 0 专利文献类型 A1
专利代理机构 专利代理人
摘要 撥 水 撥油剤組成物中に微量に存在する炭素数が20以下である低分子の有機化合物を 精度 よく分析できる方法を提供する。(a)パーフルオロアルキル基を有する化合物に基づく繰り返し単位を有する含フッ素重合体が媒体に分散または溶解した撥水撥油剤組成物と、炭素数が1〜5のアルコールとを混合し、含フッ素重合体を凝集させ、含フッ素重合体の凝集物を含む液を得るステップと、(b)含フッ素重合体の凝集物を含む液を固液分離し、液相を得るステップと、(c)LC−MS、LC−MS/MSまたはGC−MSを用いて液相中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の濃度を測定するステップとを有する分析方法。
权利要求
  • 下記ステップを有する、撥水撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法。
    (a)パーフルオロアルキル基を有する化合物に基づく繰り返し単位を有する含フッ素重合体が媒体に分散または溶解した撥水撥油剤組成物と、炭素数が1〜5のアルコールとを混合し、前記含フッ素重合体を凝集させ、含フッ素重合体の凝集物を含む液を得るステップ。
    (b)前記含フッ素重合体の凝集物を含む液を固液分離し、液相を得るステップ。
    (c)液体クロマトグラフ−質量分析計、液体クロマトグラフ−タンデム質量分析計またはガスクロマトグラフ−質量分析計を用いて、前記液相中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の濃度を測定するステップ。
  • 前記ステップ(a)が、下記ステップ(a')である、請求項1に記載の撥水撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法。
    (a')パーフルオロアルキル基を有する化合物に基づく繰り返し単位および塩基性基を有する化合物に基づく繰り返し単位を有する含フッ素重合体が媒体に分散または溶解した撥水撥油剤組成物と、炭素数が1〜5のアルコールと、塩基性化合物とを混合し、前記含フッ素重合体を凝集させ、含フッ素重合体の凝集物を含む液を得るステップ。
  • 前記炭素数が20以下である低分子の有機化合物が、パーフルオロカルボン酸および/またはパーフルオロスルホン酸である、請求項1または2に記載の撥水撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法。
  • 前記炭素数が20以下である低分子の有機化合物が、パーフルオロオクタン酸および/またはパーフルオロオクタンスルホン酸である、請求項1または2に記載の撥水撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法。
  • 前記炭素数が20以下である低分子の有機化合物が、(パーフルオロアルキル)エチルアルコール、(パーフルオロアルキル)エチルアイオダイド、(パーフルオロアルキル)エテンまたはパーフルオロアルキルアイオダイドである、請求項1または2に記載の撥水撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法。
  • 前記炭素数が20以下である低分子の有機化合物が、(パーフルオロオクチル)エチルアルコール、(パーフルオロオクチル)エチルアイオダイド、(パーフルオロオクチル)エテンまたはパーフルオロオクチルアイオダイドである、請求項1または2に記載の撥水撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法。
  • 撥水撥油剤組成物の100質量部に対して、アルコールの100〜1000質量部を混合する、請求項1〜6のいずれかに記載の撥水撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法。
  • 说明书全文

    本発明は、撥撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法に関する。

    パーフルオロアルキル基を有する化合物に基づく繰り返し単位を有する含フッ素重合体を含む撥水撥油剤組成物によって、物品(繊維製品、紙製品等。)を処理し、物品の表面に撥水撥油性を付与することが行われている。

    最近、パーフルオロオクタン酸(以下、PFOAと記す。)やパーフルオロオクタンスルホン酸(以下、PFOSと記す。)が、自然環境や生活環境中(野生生物や人の血液、河川等。)から検出されることがわかり、そのリスクについて懸念されるようになっている(たとえば、非特許文献1、2等。)。 現在、PFOA、PFOSについて米国のEPAを中心として、リスク評価が実施されているが、現時点ではその結論は明らかになっていない。

    一方、生分解等によりPFOAを生成しうる前駆体として、(パーフルオロオクチル)エチルアルコール、(パーフルオロオクチル)エチルアイオダイド、(パーフルオロオクチル)エテンおよびパーフルオロオクチルアイオダイド(以下、これらをまとめてPFOA前駆体類と記す。)が挙げられる。 PFOA前駆体類も同様にリスクが懸念されている。

    PFOA、PFOSおよびPFOA前駆体類は、前記撥水撥油剤組成物にも意図しない不純物として極微量含まれることがあることがわかっている。 そのため、PFOA、PFOSおよびPFOA前駆体類フリーの撥水撥油剤組成物の開発が進められ、これに伴い、撥水撥油剤組成物中のPFOA、PFOSおよびPFOA前駆体類の分析方法の確立も望まれている。

    該分析方法としては、たとえば、液体クロマトグラフ−質量分析計を用いて、撥水撥油剤組成物中のPFOA、PFOSの濃度を測定する方法が提案されている(特許文献1)。 しかし、撥水撥油剤組成物をそのまま液体クロマトグラフ−質量分析計に供給すると、含フッ素重合体によって液体クロマトグラフのカラムが目詰まりし、液体クロマトグラフによる撥水撥油剤組成物中の各成分の分離がうまくいかない。 そのため、測定のたびに濃度が大きくばらつく、測定自体が困難になる等の問題が発生する。
    仲田尚生、外6名、「オンライン固相抽出−高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析計を用いるヒト血しょう中有機フッ素系化合物の一斉分析法の開発」、分析化学、社団法人日本分析化学会、2005年、第54巻、第9号、p. 877−884 勝又常信、外5名、「超臨界流体−高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法によるハウスダスト中パーフルオロ化合物の定量」、分析化学、社団法人日本分析化学会、2006年、第55巻、第12号、p. 955−961

    特開2007−247096号公報

    本発明は、撥水撥油剤組成物中に微量に存在する炭素数が20以下である低分子の有機化合物を精度よく分析できる方法を提供する。

    本発明の撥水撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法は、下記ステップを有することを特徴とする。
    (a)パーフルオロアルキル基を有する化合物に基づく繰り返し単位を有する含フッ素重合体が媒体に分散または溶解した撥水撥油剤組成物と、炭素数が1〜5のアルコールとを混合し、前記含フッ素重合体を凝集させ、含フッ素重合体の凝集物を含む液を得るステップ。
    (b)前記含フッ素重合体の凝集物を含む液を固液分離し、液相を得るステップ。
    (c)液体クロマトグラフ−質量分析計(以下、LC−MSと記す。)、液体クロマトグラフ−タンデム質量分析計(以下、LC−MS/MSと記す。)またはガスクロマトグラフ−質量分析計(以下、GC−MSと記す。)を用いて、前記液相中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の濃度を測定するステップ。

    含フッ素重合体が、さらに塩基性基を有する化合物に基づく繰り返し単位を有する場合、前記ステップ(a)は、下記ステップ(a')とする。
    (a')パーフルオロアルキル基を有する化合物に基づく繰り返し単位および塩基性基を有する化合物に基づく繰り返し単位を有する含フッ素重合体が媒体に分散または溶解した撥水撥油剤組成物と、炭素数が1〜5のアルコールと、塩基性化合物とを混合し、前記含フッ素重合体を凝集させ、含フッ素重合体の凝集物を含む液を得るステップ。

    本発明の撥水撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法は、前記炭素数が20以下である低分子の有機化合物が、パーフルオロカルボン酸および/またはパーフルオロスルホン酸である場合に適しており、前記炭素数が20以下である低分子の有機化合物が、PFOAおよび/またはPFOSおよび/またはPFOA前駆体類である場合により適している。

    本発明の撥水撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法によれば、撥水撥油剤組成物中に微量に存在する炭素数が20以下である低分子の有機化合物を精度よく分析できる。

    LC−MS/MSの一例を示す概略構成図である。

    符号の説明

    10 高速液体クロマトグラフ(HPLC)
    14 第1の質量分析計(MS)
    18 第2の質量分析計(MS)

    本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。 他の式で表される化合物も同様に記す。
    また、本明細書における(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。

    (撥水撥油剤組成物)
    本発明における撥水撥油剤組成物は、パーフルオロアルキル基を有する化合物に基づく繰り返し単位を有する含フッ素重合体、またはパーフルオロアルキル基を有する化合物に基づく繰り返し単位および塩基性基を有する化合物に基づく繰り返し単位を有する含フッ素重合体と、媒体(分散媒または溶媒)とを含む組成物である。

    パーフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子がすべてフッ素原子に置換された基である。 パーフルオロアルキル基は、エーテル性の酸素原子を有していてもよい。 また、パーフルオロアルキル基は、フッ素原子を有さないアルキレン基に結合していてもよい。
    塩基性基とは、プロトン酸基とイオン結合しうる基である。 塩基性基としては、−NR 、−N(O)R 、=NR基、−NR−基、=NH基、−NH−基、ピペリジノ基、ピロリジニル基、モルホリノ基等が挙げられる。 ここで、R、R 、R はそれぞれ独立に、ベンジル基、炭素数が1〜8のアルキル基、アルキレン基または水素原子の一部が水酸基で置換された炭素数が2〜3のアルキル基である。 R 、R としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。

    含フッ素重合体としては、低分子量タイプと高分子量タイプとが挙げられる。
    低分子量タイプとしては、含フッ素ウレタン化合物、含フッ素エステル化合物等が挙げられる。
    含フッ素ウレタン化合物は、パーフルオロアルキル基を有するアルコールとイソシアネートとの反応生成物である。
    含フッ素エステル化合物は、パーフルオロアルキル基を有するアルコールと酸基を有する化合物(リン酸、ピロメット酸等。)との反応生成物である。

    高分子量タイプとしては、含フッ素ビニル系重合体が挙げられる。
    含フッ素ビニル系重合体としては、パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートの共重合体が好ましい。 パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、炭素数が4〜16のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が4〜6のパーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。 具体的には、C 13 OCOCH=CH 、C 13 OCOC(CH )=CH 、C 13 OCOCCl=CH が挙げられる。

    パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートと共重合させる単量体としては、下記の単量体が挙げられる。
    塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、フッ化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソブタン酸ビニル、イソデカノン酸ビニル、ステアリル酸ビニル、セチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、炭素数が12〜24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グリシジルエチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、N−メチ� �ール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド。

    2−イソシアナトエチルメタクリレートのブロック化合物(ブロック化剤はメチルエチルケトオキシム、ブタノンオキシム、イプシロンカプロラクタム、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾールなどイソシアネートと反応しうる化合物)、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレートのヘキサメチレンジイソシアネート付加物、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルアルキルケトン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンを有する(メタ)アクリレート、酢酸アリル、N−ビニルカルバゾール、マレイミド、N−メチルマレイミド、(メタ)アクリル酸、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ヒド� ��キシルプロピル(メタ)アクリレート。

    メタクリル酸2−ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物、ポリエチレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリプロピレンオキシドジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、グリセリンジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート。

    N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、N,N−ジイソプロピルアミノ(メタ)アクリレート、N−モルホリノ(メタ)アクリレート、N−ペピリジノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノオキシド(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノオキシド(メタ)アクリレート等の塩基性基を有するビニル系単量体。
    N,N,N−トリメチル−n−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライド等のアンモニウム基を有する単量体。

    撥水撥油剤組成物は、2種以上の含フッ素重合体を含んでいてもよく、含フッ素重合体と他の重合体とを含んでいてもよい。 たとえば、撥水撥油剤組成物は、含フッ素ビニル系重合体と含フッ素ウレタン化合物とを含んでいてもよく、含フッ素ビニル系重合体とポリシロキサンとを含んでいてもよい。

    媒体としては、水を主成分とする媒体が好ましく、たとえば、水;水と有機溶媒との混合液等が挙げられる。 媒体における水の含有割合は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
    有機溶剤としては、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。

    (分析方法)
    撥水撥油剤組成物が、パーフルオロアルキル基を有する化合物に基づく繰り返し単位を有し、塩基性基を有する化合物に基づく繰り返し単位を有さない含フッ素重合体が媒体に分散または溶解した撥水撥油剤組成物(I)である場合と、パーフルオロアルキル基を有する化合物に基づく繰り返し単位および塩基性基を有する化合物に基づく繰り返し単位を有する含フッ素重合体が媒体に分散または溶解した撥水撥油剤組成物(II)である場合とで、分析方法が一部異なる。
    撥水撥油剤組成物(I)の場合は、下記方法(i)によって撥水撥油剤組成物(I)中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析を行い、撥水撥油剤組成物(II)の場合は、下記方法(ii)によって撥水撥油剤組成物(II)中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析を行う。

    方法(i)は、下記ステップを有する方法である。
    (a)含フッ素重合体が媒体に分散または溶解した撥水撥油剤組成物(I)と、炭素数が1〜5のアルコールとを混合し、含フッ素重合体を凝集させ、含フッ素重合体の凝集物を含む液を得るステップ。
    (b)含フッ素重合体の凝集物を含む液を固液分離し、液相を得るステップ。
    (c)LC−MS、LC−MS/MSまたはGC−MSを用いて、液相中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の濃度を測定するステップ。

    方法(ii)は、下記ステップを有する方法である。
    (a')含フッ素重合体が媒体に分散または溶解した撥水撥油剤組成物(II)と、炭素数が1〜5のアルコールと、塩基性化合物とを混合し、含フッ素重合体を凝集させ、含フッ素重合体の凝集物を含む液を得るステップ。
    (b)含フッ素重合体の凝集物を含む液を固液分離し、液相を得るステップ。
    (c)LC−MS、LC−MS/MSまたはGC−MSを用いて、液相中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の濃度を測定するステップ。

    (方法(i))
    ステップ(a):
    ステップ(a)は、撥水撥油剤組成物(I)に分散または溶解している含フッ素重合体を凝集させることによって、後段のステップ(b)において含フッ素重合体からなる固相と、媒体等の液相とを分離しやすくするステップである。

    アルコールの炭素数は、1〜5であり、2〜3が好ましい。 アルコールの炭素数が5を超えると、含フッ素重合体の凝集が不充分となる。

    炭素数が1〜5のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、2、2−ジメチル−1−プロパノール、2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール等が挙げられる。

    アルコールの量は、炭素数が20以下である低分子の有機化合物の希釈率の点から、撥水撥油剤組成物(I)の100質量部に対して、100〜1000質量部が好ましく、100〜500質量部がより好ましい。

    ステップ(b):
    ステップ(b)は、ステップ(a)で得られた含フッ素重合体の凝集物を含む液を、固液分離し、液相のみを採取するステップである。

    固液分離方法としては、たとえば、下記(b−1)〜(b−3)の方法が挙げられる。
    (b−1)含フッ素重合体の凝集物を含む液を静置して、含フッ素重合体の凝集物を沈殿させ、上澄み液(液相)を採取する方法。
    (b−2)遠心分離機を用いて、含フッ素重合体の凝集物を含む液を固液分離し、上澄み液(液相)を採取する方法。
    (b−3)含フッ素重合体の凝集物を含む液をろ過処理し、ろ液(液相)を採取する方法。

    ろ過処理に用いるフィルタとしては、ポリオレフィン系フィルタまたはセルロース系フィルタが好ましい。 フッ素樹脂系フィルタは、乳化剤として用いたパーフルオロカルボン酸を含む場合があり、好ましくない。 フィルタの孔径は、0.2μm以下が好ましい。

    ステップ(c):
    ステップ(c)は、LC−MS、LC−MS/MSまたはGC−MSを用いて、ステップ(b)で得られた液相中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の濃度を測定するステップである。
    炭素数が20以下である低分子の有機化合物が、パーフルオロカルボン酸および/またはパーフルオロスルホン酸である場合の濃度の測定装置としては、特定の化合物を選択性高く、かつ高感度で分析できる点から、LC−MS/MSが好ましい。 一方、炭素数が20以下である低分子の有機化合物がPFOAの前駆体類である場合の濃度の測定装置としては、GC−MSが好ましい。

    図1は、LC−MS/MSの一例を示す概略構成図である。 該LC−MS/MSは、試料混合物(液相)を各成分に分離する高速液体クロマトグラフ10(HPLC)と、高速液体クロマトグラフ10で分離した成分をイオン化するイオン化室12と、イオン化室12で発生したイオンから特定のイオンを選択する第1の質量分析計14(MS)と、第1の質量分析計14で選択されたイオンにアルゴン等を衝突させてイオンを解離させ、新しいイオン群を発生させる衝突解離室16と、衝突解離室16で発生したイオン群を分析する第2の質量分析計18(MS)と、検出器20とを具備する。

    測定対象の炭素数が20以下である低分子の有機化合物としては、パーフルオロカルボン酸、パーフルオロスルホン酸、(パーフルオロアルキル)エチルアルコール、(パーフルオロアルキル)エチルアイオダイド、(パーフルオロアルキル)エテンおよびパーフルオロアルキルアイオダイドが挙げられる。

    パーフルオロカルボン酸としては、化合物(1)が挙げられる。
    2n+1 COOH ・・・(1)。
    ただし、nは、1以上の整数であり、3〜11が好ましい。
    本発明の分析方法は、パーフルオロカルボン酸がPFOA(C 15 COOH)の場合に好適である。

    パーフルオロスルホン酸としては、化合物(2)が挙げられる。
    2m+1 SO H ・・・(2)。
    ただし、mは、1以上の整数であり、4〜12が好ましい。
    本発明の分析方法は、パーフルオロスルホン酸がPFOS(C 17 SO H)の場合に好適である。

    (パーフルオロアルキル)エチルアルコールとしては、化合物(3)が挙げられる。
    2m+1 CH CH OH ・・・(3)。
    ただし、mは、1以上の整数であり、4〜12が好ましい。
    本発明の分析方法は、(パーフルオロアルキル)エチルアルコールが(パーフルオロオクチル)エチルアルコール(C 17 CH CH OH)の場合に好適である。

    (パーフルオロアルキル)エチルアイオダイドとしては、化合物(4)が挙げられる。
    2m+1 CH CH I ・・・(4)。
    ただし、mは、1以上の整数であり、4〜12が好ましい。
    本発明の分析方法は、(パーフルオロアルキル)エチルアイオダイドが(パーフルオロオクチル)エチルアイオダイド(C 17 CH CH I)の場合に好適である。

    (パーフルオロアルキル)エテンとしては、化合物(5)が挙げられる。
    2m+1 CH=CH ・・・(5)。
    ただし、mは、1以上の整数であり、4〜12が好ましい。
    本発明の分析方法は、(パーフルオロアルキル)エテンが(パーフルオロオクチル)エテン(C 17 CH=CH )の場合に好適である。

    パーフルオロアルキルアイオダイドとしては、化合物(6)が挙げられる。
    2m+1 I ・・・(6)。
    ただし、mは、1以上の整数であり、4〜12が好ましい。
    本発明の分析方法は、パーフルオロアルキルアイオダイドがパーフルオロオクチルアイオダイド(C 17 I)の場合に好適である。

    (方法(ii))
    ステップ(a'):
    ステップ(a')は、撥水撥油剤組成物(II)に分散または溶解している含フッ素重合体を析出、凝集させることによって、後段のステップ(b)において含フッ素重合体からなる固相と、媒体等の液相とを分離しやすくするステップである。

    アルコールの炭素数は、1〜5であり、2〜3が好ましい。 アルコールの炭素数が5を超えると、含フッ素重合体の凝集が不充分となる。
    炭素数が1〜5のアルコールとしては、方法(i)で例示したものが挙げられる。
    アルコールの量は、炭素数が20以下である低分子の有機化合物の希釈率の点から、撥水撥油剤組成物(II)の100質量部に対して、100〜1000質量部が好ましく、100〜500質量部がより好ましい。

    塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。 塩基性化合物は、通常、水溶液として用いる。
    塩基性化合物の量は、含フッ素重合体が凝集し得る量が好ましく、具体的には、含フッ素重合体の100質量部に対して、100〜1000質量部が好ましく、100〜500質量部がより好ましい。

    ステップ(b)〜(c):
    方法(ii)におけるステップ(b)〜(c)は、方法(i)におけるステップ(b)〜(c)と同様に行う。
    ただし、塩基性化合物によるHPLCカラムの劣化を防ぐために、ステップ(b)で得られた液相に酸性化合物を加え、液相中に残存する塩基性化合物を中和する必要がある。
    酸性化合物としては、塩酸、硫酸等が挙げられる。

    以上説明した本発明の撥水撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の分析方法によれば、ステップ(a)〜(b)によって撥水撥油剤組成物に含まれる含フッ素重合体を取り除いた状態で、ステップ(c)においてLC−MS、LC−MS/MSまたはGC−MSを用いて、炭素数が20以下である低分子の有機化合物の濃度を測定できる。 そのため、液体クロマトグラフのカラムが目詰まりすることおよびガスクロマトグラフの注入口を汚染することがないため、測定のたびに濃度が大きくばらつくことがない。 その結果、撥水撥油剤組成物中に微量に存在する炭素数が20以下である低分子の有機化合物を精度よく分析できる。

    以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例の解釈によっては限定されない。
    <PFOAの定量>
    下記LC−MS/MSを用い、下記測定条件にてPFOAの濃度の測定(定量)を行った。 定量値の計算には、標準添加法を用いた。

    (LC−MS/MS)
    HPLC:資生堂社製、ナノスペースSI−2。
    MS/MS:サーモフィッシャーサイエンティフック社製、TSQ Quantum Discovery MAX。

    (HPLC測定条件)
    カラム:サーモフィッシャーサイエンティフック社製、Hypersil GOLD、2.1mm×50mm、1.9μm。
    移動相:(A液)0.01v/v%酢酸水溶液、(B液)LC−MS用メタノール。
    グラジエント:

    サンプル注入量:5.0μL。
    流速:200L/分。
    カラム温度:40℃。

    (MS測定条件)
    イオン化法:Negative ESI。
    スプレー電圧:1500V。
    ベイポライザ温度:100℃。
    イオントランスファーチューブ温度:240℃。
    Source CID:0V。
    コリージョンガス:Ar、1.2mTorr。
    分解能(FWHM):0.4Da(ユニット分解能)。
    SRMモニターイオン:413.0→369.0。
    Collision Energy:10V。

    <PFOA前駆体類の定量>
    下記GC−MSを用い、下記測定条件にて揮発性のPFOA前駆体類の濃度の測定(定量)を行った。 定量値の計算には、検量線法を用いた。

    (GC−MS)
    GC:アジレントテクノロジーズ社製、6890。
    MS:日本電子社製、GCメイトII。

    (GC測定条件)
    カラム:J&W製、DB−1301(長さ60m、内径0.25mm、膜厚1μm)。
    カラムトップ圧:16psi。
    スプリット比:1/50。
    注入量:0.5μL。
    注入口温度:220℃。
    オーブン温度:40℃(2分)→(10℃/分)→170℃(0分)→(30℃/分)→250℃(26.3分)。

    (MS測定条件)
    トランスファーライン温度:300℃。
    イオン化法:ポジティブEI。
    測定モード:SIM(m/z=55,69,77,95)。

    〔合成例1〕
    ガラス製ビーカーに、C 13 OCOC(CH )=CH (以下、FMAと記す。)の76.6g、ステアリルアクリレート(以下、STAと記す。)の13.5g、2−イソシアナトエチルメタクリレートの3,5−ジメチルピラゾール付加体(以下、D−BIと記す。)の4.1g、乳化剤のポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキシド約26モル付加物、以下、PEO−30と記す。)の10%水溶液の25.9g、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド(以下、STMACと記す。)の10%水溶液の5.2g、エチレンオキシドプロピレンオキシド重合物(エチレンオキシド40%含有、以下、EPO−40と記す。)の10%水溶液の5.2g、イオン交換水の123g、ジプロピレン� ��リコール(以下、DPGと記す。)の31.0g、n−ドデシルメルカプタン(以下、DoSHと記す。)の1.0gを入れて、50℃で30分間加温した後、ホモミキサー(日本精機製作所社製、バイオミキサー)を用いて混合して混合液を得た。 得られた混合液を、50℃に保ちながら高圧乳化機(APVラニエ社製、ミニラボ)を用いて、40MPaで処理して乳化液を得た。 得られた乳化液の300gをステンレス製反応容器に入れ、開始剤のジメチル2、2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イルプロパン)酢酸塩(以下、VA−061Aと記す。)の10%水溶液の5.2gを加えて、30℃以下に冷却した。 気相を窒素置換し、塩化ビニルモノマ(以下、VCMと記す。)の9.3gを導入した後、撹拌しながら65℃で15時間重合反応を行い、固形分濃度34.0質量%のエマルションを得た。 該エマルションを撥水撥油剤組成物(I−1)とした。

    〔合成例2〕
    ガラス製ビーカーに、FMAの98.5g、ベヘニルメタクリレート(日本乳化剤社製、VMA−70。以下、VMAと記す。)の5.5g、乳化剤のアセチレングリコールエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイド付加モル数10モル、以下AGE−10と記す。)の10%水溶液の32.8g、STMACの10%水溶液の4.4g、イオン交換水の141.6g、DPGの11g、ステアリルメルカプタン(以下、StSHと記す。)の0.55gを入れて、60℃で30分間加温した後、ホモミキサー(日本精機製作所社製、バイオミキサー)を用いて混合して混合液を得た。 得られた混合液を、60℃に保ちながら高圧乳化機(APVラニエ社製、ミニラボ)を用いて、40MPaで処理して乳化液を得た。 得られた乳化液の300gをステンレス製反応容器に入れ、開始剤のジメチル2、2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(以下、V601と記す。)の0.3gを加えて、30℃以下に冷却した。 気相を窒素置換し、VCMの5.5gを導入した後、撹拌しながら65℃で15時間重合反応を行い、その後窒素を吹き込みながら40度で一晩撹拌を行い、固形分濃度37.2質量%のエマルションAを得た。

    ステンレス製オートクレーブに、第1の共重合体組成物としてエマルションAの204g、および第2の共重合体組成物となる、FMAの5.4g、シクロヘキシルメタクリレート(以下、CHMAと記す。)の4.4g、グリシジルメタクリレート(以下、GMAと記す。)の3.8gを入れた。 さらにStSHの0.15g、DPGの1.6g、水の28.7gを加え、混合物を60℃で1時間撹拌した後、30℃以下に冷却し、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(以下、V−59と記す。)の0.05gを加えた。 気相を窒素置換した後、65℃で15時間重合させた。 冷却した後、V−59の0.02gを加えた。 気相を窒素置換した後、65℃で4時間反応させた。 冷却した後、分散液を取り出した。 固形分濃度は36.2質量%であった。 共重合体粒子の透過型電子顕微鏡観察の結果、第1の共重合体は第2の共重合体の内部に存在するコア−シェル型の微粒子として存在し、他に一部水相中で重合したものも認められた。 該分散液を撥水撥油剤組成物(I−2)とした。

    〔合成例3〕
    ガラス製ビーカーに、FMAの68.9g、ジエチルアミノエチルメタクリレート(以下DEAEMAと記す。)の10.9g、ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、HEMAと記す。)の10.1g、ポリプロピレングリコールジメタクリレート(プロピレングリコール3モル付加、以下3EDと記す。)の0.77g、アセトンの208.6g、を入れて、V601の0.73gを入れ、気相を窒素置換した。 撹拌しながら65℃で20時間重合反応を行い、イオン交換水の150gおよび酢酸1.74gを加えて、55℃にて30分撹拌した。 その後、撹拌しながら、45℃にて520Torrの減圧状態を30分間保持し、ついで85℃で10時間保持して、系中のアセトンを完全に留去した。 固形分濃度20.6%の水分散液となるように調整した。 該分散液を撥水撥油剤組成物(II−1)とした。

    〔合成例4〕
    ガラス製ビーカーに、FMAの76.7g、STAの9.3g、D−BIの4.1g、PEO−30の10%水溶液の32.1g、STMACの10%水溶液の9.3g、EPO−40の10%水溶液の9.3g、イオン交換水の108g、DPGの31g、DoSHの1.0gを入れて、50℃で30分間加温した後、ホモミキサー(日本精機製作所社製、バイオミキサー)を用いて混合して混合液を得た。 得られた混合液を、50℃に保ちながら高圧乳化機(APVラニエ社製、ミニラボ)を用いて、40MPaで処理して乳化液を得た。 得られた乳化液の300gをステンレス製反応容器に入れ、VA−061Aの10%水溶液の5.2gを加えて、30℃以下に冷却した。 気相を窒素置換し、VCMの13.5gを導入した後、撹拌しながら65℃で15時間重合反応を行い、固形分濃度34.6質量%のエマルションBを得た。
    エマルションBと撥水撥油剤組成物(II−1)とを、固形分濃度換算で2対1となるように混合し、固形濃度20%の混合液を得た。 該混合液を撥水撥油剤組成物(II−2)とした。

    <PFOAの定量>
    〔実施例1〕
    ステップ(a):
    2−プロパノール(以下、IPAと記す。)の4.0gをバイアル瓶に採取し、撥水撥油剤組成物(I−1)の1.1gを加え、よく混合し、含フッ素重合体を凝集させ、含フッ素重合体の凝集物を含む液を得た。

    ステップ(b):
    含フッ素重合体の凝集物を含む液を、9000回転で50分間、遠心分離し、固液分離させた。
    上澄み液の0.5mLを採取し、メタノール/純水(50/50質量比)混合溶媒の4.5mLを加え、よく混合し、サンプル液を得た。

    ステップ(c):
    サンプル液を孔径0.2μmのクロマトディスクを用いて濾過しながら、HPLCオートサンプラー用バイアルに採取し、LC−MS/MSを用いてサンプル液中のPFOAの濃度を測定した。
    同様の操作をもう一度繰り返した。 PFOAは、いずれの測定でも不検出(検出下限:2ppb)であった。

    〔実施例2〕
    撥水撥油剤組成物(I−1)の代わりに撥水撥油剤組成物(I−2)を用い、遠心分離の時間を30分間に変更した以外は、実施例1と同様にしてPFOAの濃度を2回測定した。 PFOAは、いずれの測定でも不検出(検出下限:2ppb)であった。

    〔実施例3〕
    ステップ(a'):
    IPAの3.2gをバイアル瓶に採取し、1NのNaOHの3.2gを加え、よく混合した後、これに撥水撥油剤組成物(II−1)の3.2gを加えた。 凝集した含フッ素重合体を粉砕するようによく撹拌し、含フッ素重合体の凝集物を含む液を得た。

    ステップ(b):
    含フッ素重合体の凝集物を含む液を、6000回転で10分間、遠心分離し、固液分離させた。
    上澄み液の1.674mLを採取し、1NのHClの0.326mLを加え、よく撹拌して中和液を得た。
    中和液の0.5mLを採取し、メタノール/純水(50/50質量比)混合溶媒の4.5mLを加え、よく混合し、サンプル液を得た。

    ステップ(c):
    サンプル液を孔径0.2μmのクロマトディスクを用いて濾過しながら、HPLCオートサンプラー用バイアルに採取し、LC−MS/MSを用いてサンプル液中のPFOAの濃度を測定した。
    同様の操作をもう一度繰り返した。 PFOAは、いずれの測定でも不検出(検出下限:2ppb)であった。

    〔実施例4〕
    撥水撥油剤組成物(II−1)の代わりに撥水撥油剤組成物(II−2)を用い、遠心分離の条件を9000回転、30分間に変更した以外は、実施例3と同様にしてPFOAの濃度を2回測定した。 PFOAは、いずれの測定でも不検出(検出下限:2ppb)であった。

    〔実施例5〜8〕
    各撥水撥油剤組成物のそれぞれに、各撥水撥油剤組成物中にて5.0ppbになるようにPFOA標品を加え、実施例1〜4と同様にしてPFOAの濃度を測定した。 測定結果を表4に示す。
    いずれの測定についても、極微量分析として満足できる定量精度が得られた。

    〔実施例9〕
    市販の撥水撥油剤組成物(スリーエム社製、PM1400、低分子量タイプ、パーフルオロアルキルスルフォアミド型ウレタン化合物)を用い、実施例3と同様にしてPFOAの濃度を測定した。 PFOAは不検出(検出下限:2ppb)であった。

    〔参考例1〜6〕
    撥水撥油剤組成物(II)においては、IPAのみでは含フッ素重合体は凝集せず、NaOHが必要であった。
    NaOHなしで、撥水撥油剤組成物(II)に含まれる含フッ素重合体を凝集しうる溶媒を検討した。 結果を表5に示す。
    アセトニトリルを用いたときのみ含フッ素重合体が凝集し、固液分離が可能であった。

    〔比較例1〕
    ステップ(a”):
    撥水撥油剤組成物(II−1)に、撥水撥油剤組成物中にて5.0ppbになるようにPFOA標品を加えた。
    アセトニトリルの5mLをバイアル瓶に採取し、撥水撥油剤組成物(II−1)の1mLを加えた。 凝集した含フッ素重合体を粉砕するようによく撹拌し、含フッ素重合体の凝集物を含む液を得た。

    ステップ(b):
    含フッ素重合体の凝集物を含む液を、6000回転で10分間、遠心分離し、固液分離させた。
    上澄み液の0.5mLを採取し、メタノール/純水(50/50質量比)混合溶媒の4.5mLを加え、よく混合し、サンプル液を得た。

    ステップ(c):
    サンプル液を孔径0.2μmのクロマトディスクを用いて濾過しながら、HPLCオートサンプラー用バイアルに採取し、LC−MS/MSを用いてサンプル液中のPFOAの濃度を測定した。
    PFOAの定量値は実施例7より低く、定量精度に劣っていた。

    〔比較例2〕
    撥水撥油剤組成物(II−1)の代わりに撥水撥油剤組成物(II−2)を用い、遠心分離の条件を9000回転、30分間に変更した以外は、比較例1と同様にしてPFOAの濃度を測定した。
    PFOAの定量値は実施例8より低く、定量精度に劣っていた。

    <PFOA前駆体類の定量>
    〔実施例10〕
    ステップ(a):
    IPAの5mLをバイアル瓶に採取し、撥水撥油剤組成物(I−1)の1mLを加え、よく混合し、含フッ素重合体を凝集させ、含フッ素重合体の凝集物を含む液を得た。

    ステップ(b):
    含フッ素重合体の凝集物を含む液を、9000回転で50分間、遠心分離し、固液分離させた。

    ステップ(c):
    上澄み液を孔径0.2μmのクロマトディスクを用いて濾過しながら、GCオートサンプラー用バイアルに採取し、GC−MSを用いてサンプル液中のPFOA前駆体類の濃度を測定した。 PFOA前駆体類は、いずれも不検出(検出下限:0.1ppm)であった。

    〔実施例11〕
    撥水撥油剤組成物(I−1)の代わりに撥水撥油剤組成物(I−2)を用い、遠心分離の時間を30分間に変更した以外は、実施例10と同様にしてPFOA前駆体類の濃度を測定した。 PFOA前駆体類は、いずれも不検出(検出下限:0.1ppm)であった。

    〔実施例12〕
    ステップ(a'):
    IPAの4mLをバイアル瓶に採取し、1NのNaOHの3mLを加え、よく混合した後、これに撥水撥油剤組成物(II−1)の3mLを加えた。 凝集した含フッ素重合体を粉砕するようによく撹拌し、含フッ素重合体の凝集物を含む液を得た。

    ステップ(b):
    含フッ素重合体の凝集物を含む液を、6000回転で10分間、遠心分離し、固液分離させた。

    ステップ(c):
    上澄み液を孔径0.2μmのクロマトディスクを用いて濾過しながら、GCオートサンプラー用バイアルに採取し、GC−MSを用いてサンプル液中のPFOA前駆体類の濃度を測定した。 PFOA前駆体類は、いずれも不検出(検出下限:0.1ppm)であった。

    〔実施例13〕
    撥水撥油剤組成物(II−1)の代わりに撥水撥油剤組成物(II−2)を用い、遠心分離の条件を9000回転、30分間に変更した以外は、実施例12と同様にしてPFOA前駆体類の濃度を測定した。 PFOA前駆体類は、いずれも不検出(検出下限:0.1ppm)であった。

    本発明の分析方法は、撥水撥油剤組成物中の炭素数が20以下である低分子の有機化合物の定量方法として有用である。

    なお、2007年12月26日に出願された日本特許出願2007−333564号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

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