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人工爪組成物、人工爪、人工爪の形成方法、及び、ネイルアートキット

申请号 JP2015508572 申请日 2014-03-26 公开(公告)号 JPWO2014157272A1 公开(公告)日 2017-02-16
申请人 富士フイルム株式会社; 发明人 純也 阿部; 純也 阿部; 大橋 秀和; 秀和 大橋; 健太 牛島; 健太 牛島;
摘要 経時安定性に優れ、得られる人工爪の光沢性、除去性及び密着性に優れる人工爪組成物、並びに、上記人工爪組成物を用いた人工爪、人工爪の形成方法、及び、ネイルアートキットを提供することを目的とする。本発明の人工爪組成物は、(成分A)アミノ基を有するポリマーを含有することを特徴とする。また、本発明の人工爪は、上記人工爪組成物を乾燥及び/又は露光して形成された層を有する。更に、本発明のネイルアートキットは、上記人工爪組成物と、除去液と、を含む。
权利要求

(成分A)アミノ基を有するポリマーを含有することを特徴とする 人工爪組成物。成分Aが、アミノ基を側鎖に有するポリマーである、請求項1に記載の人工爪組成物。前記アミノ基が、第二級アミノ基及び/又は第三級アミノ基である、請求項1又は2に記載の人工爪組成物。前記アミノ基が、第三級アミノ基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の人工爪組成物。成分Aが、下記式(I)で表される構造を側鎖に有するポリマーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の人工爪組成物。 式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1、R2及びL1よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、L1は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。R1及びR2がそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基である、請求項5に記載の人工爪組成物。成分Aが、ウレタン系ポリマーである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の人工爪組成物。成分Aが、ポリカーボネート構造又はポリエステル構造を有するウレタン系ポリマーである、請求項7に記載の人工爪組成物。成分Aが、ポリカーボネート構造を有するウレタン系ポリマーである、請求項8に記載の人工爪組成物。成分Aが、下記式(II)で表されるモノマー単位を有するポリマーである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の人工爪組成物。 式(II)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1、R2及びL1よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、L1は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは酸素原子又はNH基を表す。成分Aが、前記式(II)で表されるモノマー単位と、前記式(II)で表されるモノマー単位以外の、スチレン化合物及び(メタ)アクリレート化合物よりなる群から選ばれた化合物由来のモノマー単位とを有する共重合体である、請求項10に記載の人工爪組成物。成分Aが、下記式(III)で表されるモノマー単位を有するポリマーである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の人工爪組成物。 式(III)中、R4及びR5はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R4、R5及びL3よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、L2は3価の連結基を表し、L3は炭素数1〜20のアルキレン基を表す。(成分B)重合性化合物、及び、(成分C)光重合開始剤を更に含有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の人工爪組成物。請求項1〜13のいずれか1項に記載の人工爪組成物を乾燥及び/又は露光して形成された層を有する人工爪。請求項1〜13のいずれか1項に記載の人工爪組成物をヒト若しくは動物の爪上、又は、他の人工爪上に塗布し塗布膜を形成する工程、並びに、 前記塗布膜を乾燥及び/又は露光して人工爪を形成する工程、を含む 人工爪の形成方法。請求項1〜13のいずれか1項に記載の人工爪組成物と、 除去液と、を含む ネイルアートキット。

说明书全文

本発明は、人工爪組成物、人工爪、人工爪の形成方法、及び、ネイルアートキットに関する。

近年、手や足の爪にデザインを施すネイルアートに対する人気が高まり、爪(地爪)に合成樹脂製の人工爪(付け爪、ネイルチップ等)を形成する技術が発展している。特に最近、ウレタン系樹脂と光重合性モノマーとを含むジェル状の装飾用硬化性組成物を爪に塗布した後、紫外線を照射して硬化させた人工爪と呼ばれる爪装飾が、仕上がりがクリアである、爪との密着性が高く長持ちする、アクリル系樹脂のような臭いがない、等の理由から注目を集めている。 この人工爪を除去するときは、従来、人工爪表面を粗目のファイル(爪用やすり)でこすって傷を付けて除去液を滲み込みやすくさせた後、アセトン等の有機溶媒(除去液)に浸したコットンを上記人工爪上に乗せ、これをアルミホイル等で巻いてそのまま放置して人工爪を膨潤させた後、この膨潤した人工爪を木製のへら等を用いて剥がす方法が主流である。 また、従来の人工爪組成物としては、特許文献1又は2に記載された組成物が知られている。

特開2009−126833号公報

特開平2−221214号公報

本発明の目的は、経時安定性に優れ、得られる人工爪の光沢性、除去性及び密着性に優れる人工爪組成物、並びに、上記人工爪組成物を用いた人工爪、人工爪の形成方法、及び、ネイルアートキットを提供することである。

上記目的は、下記<1>又は<14>〜<16>に記載の手段により達成された。好ましい実施態様である<2>〜<13>とともに以下に示す。 <1>(成分A)アミノ基を有するポリマーを含有することを特徴とする人工爪組成物、 <2>成分Aが、アミノ基を側鎖に有するポリマーである、上記<1>に記載の人工爪組成物、 <3>上記アミノ基が、第二級アミノ基及び/又は第三級アミノ基である、上記<1>又は<2>に記載の人工爪組成物、 <4>上記アミノ基が、第三級アミノ基である、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の人工爪組成物、 <5>成分Aが、下記式(I)で表される構造を側鎖に有するポリマーである、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の人工爪組成物、

(式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1、R2及びL1よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、L1は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。)

<6>R1及びR2がそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基である、上記<5>に記載の人工爪組成物、 <7>成分Aが、ウレタン系ポリマーである、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の人工爪組成物、 <8>成分Aが、ポリカーボネート構造又はポリエステル構造を有するウレタン系ポリマーである、上記<7>に記載の人工爪組成物、 <9>成分Aが、ポリカーボネート構造を有するウレタン系ポリマーである、上記<8>に記載の人工爪組成物、 <10>成分Aが、下記式(II)で表されるモノマー単位を有するポリマーである、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の人工爪組成物、

(式(II)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1、R2及びL1よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、L1は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは酸素原子又はNH基を表す。)

<11>成分Aが、上記式(II)で表されるモノマー単位と、上記式(II)で表されるモノマー単位以外の、スチレン化合物及び(メタ)アクリレート化合物よりなる群から選ばれた化合物由来のモノマー単位とを有する共重合体である、上記<10>に記載の人工爪組成物、 <12>成分Aが、下記式(III)で表されるモノマー単位を有するポリマーである、上記<1>〜<9>のいずれか1つに記載の人工爪組成物、

(式(III)中、R4及びR5はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R4、R5及びL3よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、L2は3価の連結基を表し、L3は炭素数1〜20のアルキレン基を表す。)

<13>(成分B)重合性化合物、及び、(成分C)光重合開始剤を更に含有する、上記<1>〜<12>のいずれか1つに記載の人工爪組成物、 <14>上記<1>〜<13>のいずれか1つに記載の人工爪組成物を乾燥及び/又は露光して形成された層を有する人工爪、 <15>上記<1>〜<13>のいずれか1つに記載の人工爪組成物をヒト若しくは動物の爪上、又は、他の人工爪上に塗布し塗布膜を形成する工程、並びに、上記塗布膜を乾燥及び/又は露光して人工爪を形成する工程、を含む人工爪の形成方法、 <16>上記<1>〜<13>のいずれか1つに記載の人工爪組成物と、除去液と、を含むネイルアートキット。

本発明によれば、経時安定性に優れ、得られる人工爪の光沢性、除去性及び密着性に優れる人工爪組成物、並びに、上記人工爪組成物を用いた人工爪、人工爪の形成方法、及び、ネイルアートキットを提供することができる。

以下、本発明について詳細に説明する。 なお、本明細書中、「xx〜yy」の記載は、xx及びyyを含む数値範囲を表す。また、「(成分A)アミノ基を有するポリマー」等を単に「成分A」等ともいう。 また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。 また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせはより好ましい。 本明細書中、式で表される化合物における基の表記に関して、置換あるいは無置換を記していない場合、当該基が更に置換基を有することが可能な場合には、他に特に規定がない限り、無置換の基のみならず置換基を有する基も包含する。例えば、式の説明において、「Rはアルキル基、アリール基又は複素環基を表す」との記載があれば、「Rは無置換アルキル基、置換アルキル基、無置換アリール基、置換アリール基、無置換複素環基又は置換複素環基を表す」ことを意味する。また、本明細書中、(メタ)アクリルは、アクリルとメタクリルとを共に含む概念を表し、(メタ)アクリレート等についても同様である。 また、本明細書におけるポリマーには、コポリマーを含むものとする。

(人工爪組成物) 本発明の人工爪組成物は、(成分A)アミノ基を有するポリマーを含有することを特徴とする。 また、本発明の人工爪は、本発明の人工爪組成物により形成された層を有する人工爪である。 本発明者等は詳細な検討を行った結果、成分Aを含有することにより、本発明の人工爪組成物は、経時安定性に優れ、得られる人工爪の光沢性、除去性及び密着性に優れることを見いだした。

これら効果が発現する機構は不明であるが、一部は以下のように推定される。 爪との密着性、また、任意に形成される上層との密着性は、成分Aが有するアミノ基の有する不対電子により発現すると推測される。この不対電子による密着は、1分子中に複数のアミノ基を有していることで効果が増大し、多点で吸着することにより、応分散が可能になる。特許文献1に記載されるようなアミノ基を有するモノマーを含む人工爪組成物は、空気中にてラジカル重合乃至は乾燥によって形成されるため、形成後も低分子成分が残されてしまう。本発明では事前にポリマーとして添加することにより、安定した分子量を維持することができ、安定した多点による吸着を達成し密着性を高めることができると推定される。 また、アミノ基を有する成分を用いた場合の人工爪組成物における経時安定性の低下は、アミノ基の窒素原子が酸化され、N−オキシドへと変化するためと推測される。本発明では、成分A、すなわち、ポリマーとして添加することで、1分子中のアミノ基の数を多くし、N−オキシドへの変化の影響を抑制し、経時での性能を安定化できると推定される。

本発明の人工爪組成物は、ヒト若しくは動物の爪上、又は、他の人工爪上に乾燥及び/又は露光によって硬化し、人工爪を形成する組成物である。また、本発明の人工爪組成物により形成された人工爪は、従来の有機溶剤を用いた除去方法によって除去することも可能であるが、pH5.0以下の酸性水溶液によっても容易に除去することが可能である。 本発明における人工爪とは、ヒト又は動物の爪上に、美装及び/又は保護を目的に形成される層を指す。また、例えば、上記他の人工爪としては、爪の美装及び/又は保護を目的とする任意の形状の樹脂基材等が挙げられる。 なお、「ヒト及び動物の爪、並びに、他の人工爪」を、単に「爪」ともいう。

上記人工爪の形状は、特に制限はなく、所望の形状に形成すればよい。例えば、爪の表面を被覆するように形成してもよいし、爪の一部のみに形成してもよいし、ネイルフォーム等を使用し爪の延長のため、爪よりも大きな形状に形成してもよい。 また、本発明の人工爪組成物は、塗布により厚みを制御することができる。厚みとしては、一般に人工爪がとりうる範囲であれば、特に制限されるものではないが、実用性及び除去性の観点から、20〜1,500μmの範囲であることが好ましい。

本発明の人工爪組成物は、人工爪における、プライマー層、ベース層、カラー層、及び/又は、トップ層のいずれにも好適に用いることができる。 中でも、除去性の観点から、本発明の人工爪組成物により形成した層が爪と接していることが好ましい。 また、本発明の人工爪組成物によって形成した人工爪層の上層(爪とは逆側の面)又は下層(爪との間の面)に、別途、色・ツヤ・密着を出す目的で、プライマー層、ベース層、カラー層、及び/又は、トップ層を有していてもよい。

本発明の人工爪組成物は、光硬化性人工爪組成物(「ジェルネイル用人工爪組成物」)としても、マニキュア液用人工爪組成物としても好適に用いることができる。 また、本発明の人工爪組成物は、露光により硬化を行っても除去性に優れるため、光硬化性人工爪組成物として特に好適に使用することできる。 上記光硬化性人工爪組成物は、活性光線により硬化可能な人工爪組成物である。「活性光線」とは、その照射により人工爪組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる放射線であり、紫外線、可視光線などを包含する。

以下に、本発明の人工爪組成物に使用することができる各種成分について説明する。

(成分A)アミノ基を有するポリマー 本発明の人工爪組成物は、(成分A)アミノ基を有するポリマーを含有する。 成分Aの重量平均分子量は、3,000以上であることが好ましく、5,000以上であることがより好ましく、5,000以上250,000以下であることが更に好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の密着性及び除去性に優れ、また、経時安定性に優れる。 成分Aの構造については、特に制限はなく、任意の構造であればよく、例えば、鎖状構造、枝分かれ(分岐)構造、星型構造、架橋構造、網状構造などが挙げられる。 また、成分Aは、エチレン性不飽和基を有していてもよい。成分Aがエチレン性不飽和基を有する場合、上記エチレン性不飽和基は成分Aにおけるポリマーの主鎖、側鎖及び末端のいずれに有していてもよい。

成分Aにおけるアミノ基は、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基のいずれであってもよいが、第二級アミノ基又は第三級アミノ基であることが好ましく、第三級アミノ基であることがより好ましい。上記態様であると、得られる人工爪の除去性及び耐水性により優れ、また、合成が容易である。 また、成分Aにおけるアミノ基は、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基であることが好ましい。上記態様であると、得られる人工爪の除去性、密着性及び耐水性により優れる。 また、成分Aは、アミノ基をポリマーの主鎖に有していても、側鎖に有していてもよいが、合成上の観点から、側鎖にアミノ基を有するポリマーであることが好ましい。 成分Aは、アミノ基を1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。 また、成分Aにおけるアミノ基の数は、特に制限はなく、任意の数を有していればよいが、アミノ基を有するモノマー単位を有していることが好ましい。 なお、本発明における「モノマー単位」には、厳密なモノマー由来の構成単位だけでなく、ポリマーを得た後に変性等の反応を行う高分子反応により変性したモノマー単位も含むものとする。

成分Aとしては、下記式(I)で表される構造を有するポリマーであることが好ましく、下記式(I)で表される構造を側鎖に有するポリマーであることがより好ましい。

(式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1、R2及びL1よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、L1は二価の連結基を表し、波線部分は他の構造との結合位置を表す。)

式(I)におけるR1及びR2はそれぞれ独立に、酸水溶液への溶解性と耐水性とのバランスの観点から、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。 また、式(I)において、R1、R2及びL1よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよい。 式(I)におけるL1は、ポリマーの皮膜性の観点から、炭素数1〜20の、置換基を有してもよく、また、一部の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられてもよいアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のオキシアルキレン基又は炭素数2〜20のポリオキシアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数2〜20のポリオキシアルキレン基であることが更に好ましく、炭素数1〜20のアルキレン基であることが特に好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基であることが最も好ましい。 また、上記ヘテロ原子は、窒素原子又は酸素原子であることが好ましく、酸素原子であることがより好ましい。また、上記ヘテロ原子が窒素原子である場合、窒素原子上の残りの基は水素原子又はアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。

また、上記式(I)で表される構造をポリマーの側鎖に導入する方法としては、例えば、式(I)で表される構造を有するモノマーを縮重合・付加重合・付加縮合・イオン重合(カチオン重合・アニオン重合)など公知の重合反応を用いポリマー化する方法が挙げられる。

成分Aは、皮膜性、取り扱い性(粘性)、及び、アミノ基を導入する合成上の観点から、下記式(II)で表されるモノマー単位を有するポリマーであることが好ましい。

(式(II)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1、R2及びL1よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、L1は二価の連結基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは酸素原子又はNH基を表す。)

式(II)におけるR1、R2及びL1は、上記式(I)におけるR1、R2及びL1とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。 式(II)におけるR3は、合成上の観点から、水素原子又はメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。 式(II)におけるXは、得られる人工爪の耐水性及び合成上の観点から、酸素原子であることが好ましい。

成分Aが式(II)で表されるモノマー単位を有する場合、1種単独で有していても、2種以上有していても、他のモノマー単位を更に有していてもよい。 式(II)で表されるモノマー単位を形成するモノマーとしては、下記式(II−m)で表される化合物が挙げられる。

(式(II−m)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R1とR2と又はL1とR2とは互いに連結して環を形成してもよく、L1は二価の連結基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは酸素原子又はNH基を表す。)

式(II−m)におけるR1〜R3、L1及びXは、上記式(II)におけるR1〜R3、L1及びXとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。

また、成分Aは、皮膜性、取り扱い性(粘性)及びアミノ基を導入する合成上の観点から、下記式(III)又は式(III−b)で表されるモノマー単位を有するポリマーであることが好ましく、下記式(III)で表されるモノマー単位を有するウレタン系ポリマーであることがより好ましい。

(式(III)又は式(III−b)中、R4、R5及びRb4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R4、R5及びL3よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、Rb4とLb3とは互いに連結して環を形成してもよく、L2は3価の連結基を表し、L3は、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Lb3はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を表す。)

式(III)におけるR4及びR5はそれぞれ独立に、酸水溶液への溶解性と耐水性とのバランスの観点から、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。 また、式(III)において、R4、R5及びL3よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよい。 式(III)におけるL2は、炭素数2〜20の3価の連結基であることが好ましく、炭素数2〜20の3価の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数2〜20の3価の脂肪族炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数2〜10の3価の脂肪族炭化水素基であることが特に好ましく、式(III)における2つの酸素原子と1位及び2位でそれぞれ結合する1,1,2−エタントリイル基であることが最も好ましい。 また、式(III)におけるL2は、ポリマーの皮膜性の観点から、3価の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。 式(III)におけるL3は、ポリマーの皮膜性の観点から、炭素数1〜4のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基であることが特に好ましい。 式(III−b)におけるRb4は、酸水溶液への溶解性と耐水性とのバランスの観点から、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数4〜8のアルキル基であることが更に好ましく、n−ブチル基であることが特に好ましい。 式(III−b)におけるLb3はそれぞれ独立に、ポリマーの皮膜性の観点から、炭素数2〜8のアルキレン基であることが好ましく、エチレン基であることが特に好ましい。 また、合成上の観点から、2つのLb3は同じ基であることが好ましい。 また、式(III−b)において、Rb4とLb3とは互いに連結して環を形成してもよい。

成分Aが式(III)又は式(III−b)で表されるモノマー単位を有する場合、1種単独で有していても、2種以上有していてもよく、また、更に有していてもよい他のモノマー単位としては、後述するジイソシアネート成分由来のモノマー単位等が好ましく挙げられる。 式(III)で表されるモノマー単位を形成するモノマーとしては、下記式(III−m)で表される化合物が挙げられる。 また、式(III−b)で表されるモノマー単位を形成するモノマーとしては、下記式(III−bm)で表される化合物が挙げられる。

(式(III−m)又は式(III−bm)中、R4、R5及びRb4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R4、R5及びL3よりなる群から選ばれた少なくとも2つは互いに連結して環を形成してもよく、Rb4とLb3とは互いに連結して環を形成してもよく、L2は3価の連結基を表し、L3は、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、Lb3はそれぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を表す。)

式(III−m)におけるR4、R5、L2及びL3は、上記式(III)におけるR4、R5、L2及びL3とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。 式(III−bm)におけるRb4及びLb3は、上記式(III−b)におけるRb4及びLb3とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。

成分Aは、モノマー単位としてアミノ基を有するモノマー単位のみからなるポリマーであってもよいが、成分Aがアミノ基を有するモノマー単位と他のモノマー単位とを有する場合、アミノ基を有するモノマー単位の含有量は、成分Aの全モノマー単位に対し、5〜75モル%であることが好ましく、20〜75モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることが更に好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の除去性及び耐水性により優れる。

また、成分Aのアミン価は、0.001〜8.5mmol/gであることが好ましく、0.001〜6.0mmol/gであることがより好ましく、0.005〜4.0mmol/gであることが更に好ましく、0.01〜2.0mmolであることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の除去性及び耐水性により優れる。 アミン価の測定方法としては、例えば、試料をビーカーにはかりとり、酢酸を加え、撹拌して溶解させて、測定温度を25℃に調整後、滴定試薬として0.1N過塩素酸酢酸溶液を用いて、滴定装置で滴定することにより、求めることができる。 なお、アミン価は、滴定した際に消費される過塩素酸の量を、試料(固形分)1g当たりのモル数で表したものである。

成分Aにおけるポリマー構造は、特に限定されず、所望のポリマー構造であればよく、例えば、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、セルロース系ポリマー、エステル系ポリマー、アミド系ポリマー、ビニル系ポリマー、エーテル系ポリマー、スチレン系ポリマー、カーボネート系ポリマー、ウレア系ポリマー、エチレン系ポリマー、アミン系ポリマー等のポリマー構造が挙げられる。 皮膜性・取り扱い性(粘性)・アミノ基を導入する合成上の観点から、成分Aは、エーテル系ポリマー、エチレン系ポリマー(特にポリエチレンイミン系ポリマー)、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマーであることが好ましく、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマーであることが特に好ましく、アクリル系ポリマーであることが最も好ましい。 また、硬化膜の柔軟性及び除去性の観点からは、ウレタン系ポリマーが最も好ましい。

アクリル系ポリマーとしては、公知のアクリル酸誘導体(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のアクリル酸アミド)、メタクリル酸誘導体(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、メタクリルアミド、メタクリル酸イソプロピルアミド等のメタクリル酸アミド)を重合して得られるポリマーであればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。アクリル系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を重合又は共重合する方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。アクリル系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、エチレン性不飽和基を持つ(メタ)アクリル酸誘導体を重合又は共重合する方法や、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。

ウレタン系ポリマーとしては、公知のポリイソシアネート化合物(例えば、メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、フェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(フェニルイソシアネート)チオホスフェート、フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート)と公知のポリオール化合物(例えば、ブタンジオール、ヘキサンジオール等のアルキレンジオール、p−ヒドロキシスチレン等のアリーレンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルジオール、ポリエチレングリコールテレフタレート等のポリエステルジオール、ポリエチレングリコールカーボネート等のポリカーボネートジオール等)からなるポリウレタンであればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。 ウレタン系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有する、ポリイソシアネート化合物及び/又はポリオール化合物を用いて重縮合を行う方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。なお、保護されたアミノ基は、ポリマーを形成した後、公知の方法により脱保護すればよい。後述においても同様である。 ウレタン系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応により導入する方法、及び、エチレン性不飽和基を有するポリオール化合物やポリイソシアネート化合物を用いて重縮合する方法が挙げられる。これら化合物は特に限定されないが、エチレン性不飽和基を有するポリオールについては、特開2010−100047号公報に記載されているような、(メタ)アクリレート含有ジオール化合物などを好適に使用することができる。 中でも、耐水性の観点から、ポリカーボネート構造又はポリエステル構造、ポリブタジエン構造、水添ポリブタジエン構造を有するウレタン系ポリマーであることが好ましく、ポリカーボネート構造を有するウレタン系ポリマーであることがより好ましい。

また、ウレタン系ポリマーとしては、ジイソシアネート化合物とジオール化合物との重縮合体が好ましく例示できる。 ウレタン系ポリマーを構成するジオール成分としては、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリブタジエンジオール、水添ポリブタジエンジオール、を使用することが耐水性の観点から好ましく、ポリカーボネートジオールを使用することがより好ましい。 また、構成するジイソシアネート成分としては、人工爪組成物の溶解性、形成する人工爪の力学強度の観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナートが好ましく、イソホロンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナートが更に好ましい。これら化合物は1種類のみを使用してもよいし複数を組み合わせて使用してもよい。 また、上記好適なジオール成分/ジイソシアネート成分に加えて、その他のジオール成分/ジイソシアネート成分と組み合わせて使用してもよい。また、好適なジオール成分と、好適なジイソシアネート成分とをあわせて使用することで、人工爪の耐水性及び力学強度の両方を高めることができる。

セルロース系ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロース、トリアセチルセルロース等の公知のセルロースであれば好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。セルロース系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。セルロース系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。

エステル系ポリマーとしては、公知のポリカルボン酸化合物(例えば、こはく酸、アジピン酸、フタル酸等)と公知のポリオール化合物からなるポリエステルであればいずれも好適に使用することができる。また、ポリ乳酸等のヒドロキシカルボン酸化合物からなるポリエステルも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。エステル系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有する、ポリカルボン酸化合物、ポリオール化合物及び/又はヒドロキシカルボン酸化合物を用いて重縮合を行う方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。エステル系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。

アミド系ポリマーとしては、公知のポリカルボン酸化合物と公知のポリアミン化合物(例えば、エチレンジアミン、フェニレンジアミン等)からなるポリアミドであればいずれも好適に使用することができる。また、アミノ酸からなるタンパク質であるポリアミノ酸も好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。アミド系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有する、ポリカルボン酸化合物、及び/又は、重縮合反応に寄与しない第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有するポリアミン化合物を用いて重縮合を行う方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。アミド系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。

ビニル系ポリマーとしては、公知のビニル化合物(例えば、ビニル酢酸、塩化ビニル、ブタジエン等)を重合して得られるビニル系ポリマーであればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。ビニル系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、アミノ基を有するビニル化合物を重合又は共重合する方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。ビニル系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。

エーテル系ポリマーとしては、公知のポリオール化合物からなるポリエーテル(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)であればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。エーテル系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有するポリオール化合物を用いて重縮合を行う方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。エーテル系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。

スチレン系ポリマーとしては、公知のスチレン化合物(例えば、スチレン、4−カルボキシスチレン、4−アセトキシスチレン等)からなるポリスチレンであればいずれも好適に使用することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。スチレン系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、アミノ基を有するスチレン誘導体を重合又は共重合する方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。スチレン系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。

カーボネート系ポリマーとしては、公知の炭酸誘導体(例えば、ホスゲン、炭酸ジメチル、炭酸ジメチル等)と公知のポリオール化合物からなるポリカーボネートであればいずれも好適に使用することができる。ただしこれら例示に限定されるものではない。カーボネート系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有するポリオール化合物を用いて重縮合を行う方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。カーボネート系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。

ウレア系ポリマーとしては、公知のポリイソシアネート化合物と公知のポリアミン化合物からなるポリウレアであればいずれも好適に使用することができる。ただしこれら例示に限定されるものではない。ウレア系ポリマーにアミノ基を導入する方法としては、例えば、第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有する、ポリイソシアネート化合物、及び/又は、重縮合反応に寄与しない第三級アミノ基若しくはアミノ基を保護した基を有するポリアミン化合物を用いて重縮合を行う方法や高分子反応によりアミノ基を導入する方法が挙げられる。ウレア系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。

アミン系ポリマーとしては、公知のポリアミンが例示できる。アミン系ポリマーにエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する方法が挙げられる。 また、成分Aは、スチレン−アクリル系共重合体等のような、共重合ポリマーであってもよい。

成分Aは、光沢性の観点から、単官能(メタ)アクリレート化合物の単独重合体若しくは共重合体、又は、ジイソシアネート化合物とジオール化合物との重縮合体が好ましく例示できる。

また、成分Aとしては、得られる人工爪の耐水性の観点から、アミノ基を有するモノマー単位と、上記アミノ基を有するモノマー単位以外の、非水溶性の単量体由来のモノマー単位とを少なくとも有するポリマーであることが好ましい。非水溶性の定義は、1気圧、20℃の条件で同容量の純水との混合液が不均一な外観を維持するものを指す。 非水溶性の単量体としては、上記の使用可能なモノマーのうち、スチレン化合物、(メタ)アクリレート化合物が好ましく、(メタ)アクリレート化合物がより好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが特に好ましい。 すなわち、成分Aは、アミノ基を有するモノマー単位以外に、スチレン化合物及び(メタ)アクリレート化合物よりなる群から選ばれた化合物由来のモノマー単位を有することが好ましく、(メタ)アクリレート化合物由来のモノマー単位を有することがより好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来のモノマー単位を有することが更に好ましい。

成分Aの製造において、アミノ基を有するモノマーと共重合可能なモノマーとして、好ましいモノマーは、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリル酸エステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、モルホリンアクリルアミド、等の単官能(メタ)アクリル酸アミド類、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、等のビニルモノマー類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、カルドエポキシジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類、ジイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリル酸誘導体と任意にジオール類からなるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものではない。

また、成分Aは、得られる人工爪の耐水性の観点から、アミノ基を有するモノマー単位に加え、下記式(IV)で表されるモノマー単位を更に有していることが好ましい。

(式(IV)中、R6は水素原子、アルキル基又は下記式(V)で表される基を表し、R7は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、X’は酸素原子又はNH基を表す。)

(式(V)中、L4はそれぞれ独立に、エチレン基又はプロピレン基を表し、nは1〜20の整数を表し、R8は水素原子又はアルキル基を表し、波線部分は上記X’との結合位置を表す。)

R6は、得られる人工爪の耐水性の観点から、アルキル基又は上記式(V)で表される基であることが好ましく、炭素数1〜20のアルキル基又は上記式(V)で表される基であることがより好ましく、炭素数3〜10のアルキル基であることが更に好ましく、ブチル基であることが特に好ましい。 R7は、合成上の観点から、水素原子又はメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。 X’は、得られる人工爪の耐水性及び合成上の観点から、酸素原子であることが好ましい。 L4は、エチレン基であることが好ましい。 nは、得られる人工爪の耐水性の観点から、1〜10の整数であることが好ましい。 R8は、得られる人工爪の耐水性の観点から、炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。

以下に、成分Aの具体例を示すが、この具体例に限定されるものではない。 成分Aとしては、下記構造のポリマーが好ましく、下記構造かつ重量平均分子量のポリマーがより好ましい。また、各モノマー単位の括弧の右下の数字は、モル比を表す。また、アルキレンオキシ鎖における括弧の右下の数字は、繰り返し数を表す。また、*が記載された構成単位は、該ポリマーの主鎖末端が、*で主鎖に結合した当該構造になっていることを示す。

成分Aは、1種単独で含有していても、2種以上を併用していてもよい。 本発明の人工爪組成物における成分Aの含有量は、特に制限はないが、人工爪組成物の全質量に対し、1〜95質量%であることが好ましく、5〜95質量%であることがより好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の除去性及び密着性により優れる。本発明の人工爪組成物における溶剤の含有量が10質量%未満である場合、成分Aの含有量は、人工爪組成物の全質量に対し、5〜90質量%であることが更に好ましく、10〜90質量%であることが特に好ましい。 また、本発明の人工爪組成物における溶剤の含有量が10質量%以上である場合、成分Aの含有量は、人工爪組成物の全質量に対し、30〜80質量%であることが更に好ましく、40〜75質量%であることが特に好ましい。

また、本発明の人工爪組成物は、皮膜性や光沢性を向上させることを目的に、成分A以外のポリマーを含有していてもよい。 成分A以外のポリマーとしては、皮膜性の観点から、アクリル系ポリマー又はウレタン系ポリマーであることが好ましい。また、塗布性を向上させることを目的に、粘度調整剤(増粘剤等)として知られる公知のポリマーを含有していてもよい。 本発明の人工爪組成物が成分A以外のポリマーを含有する場合、成分A以外のポリマーの含有量は、成分Aの含有量未満であることが好ましく、人工爪組成物の全質量に対し、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。

(成分B)重合性化合物 本発明の人工爪組成物は、(成分B)重合性化合物を含有することが好ましい。成分Bを含有することにより、本発明の人工爪組成物は、光硬化性人工爪組成物として好適に用いることができる。 また、本発明の人工爪組成物が成分Bを含有する場合、後述する(成分C)光重合開始剤を更に含有することが好ましい。成分B及び成分Cを含有することにより、本発明の人工爪組成物は、光硬化性人工爪組成物としてより好適に用いることができる。

成分Bとしては、ラジカル重合性化合物であっても、カチオン重合性化合物であってもよいが、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。 また、成分Bとしては、エチレン性不飽和化合物であることが好ましい。 ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。また、成分Bは、成分A以外の化合物であり、分子量10,000未満の化合物であることが好ましく、分子量5,000未満の化合物であることがより好ましい。

ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のオリゴマーなどのラジカル重合性化合物が挙げられる。 具体的には、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、及び、オリゴマーを用いることができる。 また、成分Bとしては、上記成分Aの合成に用いられるモノマーも好適に用いることができる。

成分Bとしては、得られる人工爪の除去性、密着性及び光沢の観点から、ヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和化合物、又は、(ポリ)アルキレンオキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物、又は、(ポリ)アルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことがより好ましく、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことが更に好ましく、ヒドロキシ基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが特に好ましい。

ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)−モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)−モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)−モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・ポリブチレングリコール−モノ(メタ)アクリレートを好ましく挙げることができる。

(ポリ)アルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、メトキシポリエチレングリコール−(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール−(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール−(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール−(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ−ポリエチレングリコール−(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ−ポリプロピレングリコール−(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ−ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)−(メタ)アクリレートを好ましく挙げることができる。

上記ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物、及び、(ポリ)アルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物は、市販のものを用いることが可能である。代表例を示すと、ブレンマーE、ブレンマーPE−90、ブレンマーPE−200、ブレンマーPE−350、ブレンマーP、ブレンマーPP−1000、ブレンマーPP−500、ブレンマーPP−800、ブレンマー50PEP−300、ブレンマー70PEP−350B、ブレンマー55PET−800、ブレンマーPPTシリーズ、ブレンマー10PPB−500B、ブレンマーAE−90、ブレンマーAE−200、ブレンマーAE−400、ブレンマーAP−150、ブレンマーAP−400、ブレンマーAP−550、ブレンマーPME−100、ブレンマーPME−200、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマー50POEP−800B、ブレンマーPLE−200、ブレンマーPSE−400、ブレンマーPSE−1300、ブレンマーPAE−50、ブレンマーPAE−100、ブレンマー43PAPE−600B、ブレンマーAME−400、ブレンマーALEシリーズ、ブレンマーANP−300、ブレンマー75ANP−600、ブレンマーAAE−50、ブレンマーAAE−300(以上、日油(株)製)等を挙げることができる。

ヒドロキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を使用する場合、当該化合物におけるヒドロキシ基の数は、1〜10個が好ましく、1〜5個がより好ましく、1〜3個が更に好ましく、1個が特に好ましい。 また、(ポリ)アルキレンオキシ基を有するエチレン性不飽和化合物を使用する場合、当該化合物におけるアルキレンオキシ基の繰り返し単位数としては、1〜25が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。

これらの中でも、成分Bは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを含むことがより好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含むことが更に好ましい。

成分Bとしては、得られる人工爪の耐水性の観点から、炭素数が3以上のアルキル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、炭素数が5以上のアルキル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことがより好ましく、炭素数が8以上のアルキル基を有するエチレン性不飽和化合物を含むことが更に好ましい。これらアルキル基は分岐、及び/又は、環構造を有していてもよい。

上記アルキル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリルメタクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、又は、これらの異性体などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。

成分Bとしては、成分B以外の成分の溶解性の観点から、(メタ)アクリルアミド化合物を含むことが好ましい。上記(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミドなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。

成分Bとしては、得られる人工爪組成物の耐熱性の観点から、ホモポリマーのTg(ガラス転移温度)が50℃以上であるエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、Tgが80℃以上であるエチレン性不飽和化合物を含むことがより好ましく、Tgが100℃以上であるエチレン性不飽和化合物を含むことが更に好ましい。

上記ホモポリマーのTgが50℃以上であるエチレン性不飽和化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。

また、成分Bは、得られる人工爪の除去性及び皮膜性の観点から、ウレタン結合を有する重合性化合物を含むことが好ましく、ウレタン結合を有する多官能重合性化合物を含むことがより好ましく、ウレタン結合を有する多官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが更に好ましい。 成分Bは、分子量(重量平均分子量)が1,000以上である多官能重合性化合物を含むことが好ましく、分子量(重量平均分子量)が3,000以上である多官能重合性化合物を含むことがより好ましい。1,000以上の分子量を有する多官能重合性化合物を含むことで、架橋密度を制御し膜が脆化することを防ぎ、形成する人工爪の持続性が向上する。

ウレタン結合を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、イソシアナト基と水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物が好ましく挙げられ、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物に、下記式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。 CH2=C(R7)COOCH2CH(R8)OH (A) (ただし、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。) 中でも、上記イソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−ジメチルジイソシアネートが好ましく挙げられ、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−ジメチルジイソシアネートがより好ましく挙げられ、2,4−ジメチルジイソシアネートが更に好ましく挙げられる。 また、イソシアネート化合物は、分子量を制御することを目的に、ポリエステル型ジイソシアネートや、ポリエーテル型ジイソシアネート、ポリカーボネート型ジイソシアネートを好適に用いることができる。これらジイソシアネート化合物は、上記に記載のジイソシアネート化合物やその他、イソホロンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートにポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールを反応させることが得ることができる。このとき人工爪の皮膜性や耐水性の観点から、ポリエステル構造、ポリカーボネート構造を有するウレタン系付加重合性化合物(より好ましくはジオール化合物及び/又はジイソシアネート化合物)を好ましく使用することができる。

成分Bは、1種単独で含有していても、2種以上を併用していてもよい。 本発明の人工爪組成物における成分Bの含有量は、特に制限はないが、人工爪組成物の全質量に対し、1〜95質量%であることが好ましく、1〜90質量%であることがより好ましく、5〜90質量%であることが更に好ましく、5〜85質量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の除去性及び耐水性により優れる。

(成分C)光重合開始剤 本発明の人工爪組成物は、(成分C)光重合開始剤を含むことが好ましい。成分Cを含有することにより、本発明の人工爪組成物は、光硬化性人工爪組成物として好適に用いることができる。 光重合開始剤としては、ラジカル光重合開始剤、及び、カチオン光重合開始剤が挙げられるが、ラジカル光重合開始剤を含有することがより好ましい。 光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤を使用することができる。本発明に用いることができる光重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカル光重合開始剤とカチオン光重合開始剤とを併用してもよい。 本発明に用いることのできる光重合開始剤は、光を吸収して重合開始種を生成する化合物である。光としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。

本発明に用いることができる光重合開始剤として具体的には、以下のものを好ましく例示できる。ただし、これら例示に限定されるものではない。 アセトフェノン化合物(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等); ベンゾフェノン化合物(例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン等); アントラキノン化合物(例えば、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、tert−ブチルアントラキノン等); チオキサントン化合物(例えば、2−クロロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン等); トリハロアルキル化合物(例えば、2,4,6−(トリクロロメチル)トリアジン、2,4−トリクロロメチル−6−(4−メトキシフェニル)トリアジン、トリブロモメチルフェニルスルホン等); ロフィンダイマー化合物(例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体); アクリジン化合物(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロノパン); ホスフィンオキシド化合物(例えば、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等); メタロセン化合物(例えば、ビスシクロペンタジエニル−ビス(ジフルオロ−ピリル−フェニル)チタニウム等); オニウム塩(例えば、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトシレート、トリフェニルスルホニウムトシレート等); オキシムエステル化合物(例えば、1−(4−フェニルチオフェニル)−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−エタノン−1−(O−アセチルオキシム)等)。

中でも、成分Cとしてはアセトフェノン化合物、ホスフィンオキシド化合物、メタロセン化合物、及び、ロフィンダイマー化合物よりなる群から選ばれた光重合開始剤であることが好ましく、アセトフェノン化合物、及び、ホスフィンオキシド化合物よりなる群から選ばれた光重合開始剤であることが特に好ましい。 本発明の人工爪組成物中における成分Cの含有量としては、人工爪組成物の総質量に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜15質量%であることがより好ましく、0.5〜12質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、得られる人工爪の密着性、光沢及び耐水性により優れる。

(成分D)溶剤 本発明の人工爪組成物は、塗布性の観点から、(成分D)溶剤を含有してもよいが、安全性や取り扱い性の観点からは、溶剤の含有量は、人工爪組成物の全質量に対し、10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、本発明の人工爪組成物が溶剤を含有しないことが特に好ましい。 溶剤としては、公知の溶剤であれば、いずれも好適に使用することができる。例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤及びこれらのアセテート系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶剤等が挙げられる。ただし、これら例示に限定されるものではない。

乾燥速度の観点から、溶剤の沸点は、30〜130℃であることが好ましく、35〜100℃であることがより好ましく、40〜90℃であることが更に好ましく、50〜85℃であることが特に好ましい。上記範囲であると、乾燥性及び塗布性に優れる。

成分Dは、1種単独で含有していても、2種以上を併用していてもよい。 成分Dとしては、アルコール系溶剤及び/又はケトン系溶剤を含むことが好ましく、アルコール系溶剤及びケトン系溶剤を含むことがより好ましい。 本発明の人工爪組成物が成分Dを含有する場合、塗布性、得られる人工爪の除去性及び密着性の観点からは、成分Dの含有量は、人工爪組成物の全質量に対し、1〜90質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましく、10〜80質量%であることが更に好ましく、15〜50質量%であることが特に好ましい。

<その他の成分> 本発明の人工爪組成物は、上記成分A〜成分D以外のその他の成分として、一般に人工爪組成物中に配合されうる添加成分を、本発明効果を損なわない範囲内において任意に配合することができる。このような添加成分としては、例えば、消泡剤、緩衝剤、キレート化剤、分散剤、染料、充填剤、顔料、防腐剤、樹脂粉末(例えば、ポリ(メタ)アクリル酸等)、無機粉末(例えば、シリカゲル等)、増粘剤、湿潤剤等が挙げられる。ただし、これら例示に限定されるものではない。

また、本発明の人工爪組成物における各成分の配合量は、特に限定されるものではないが、質量比で、成分A/成分B/成分C/成分D/その他の成分=10〜90/5〜85/0.5〜12/0〜50/0〜40の範囲であることが好ましい。上記範囲であると、塗布性により優れ、また、得られる人工爪の除去性及び光沢により優れる。

(人工爪) 本発明の人工爪は、本発明の人工爪組成物により形成された層を有する人工爪であり、本発明の人工爪組成物を乾燥及び/又は露光して形成された層を有する人工爪であることが好ましい。 本発明の人工爪は、マニキュア、ペディキュア等のネイルポリッシュや、ジェルネイルとして好適である。 本発明の人工爪は、少なくとも一部が本発明の人工爪組成物により形成されていればよく、他の層や構造を有していてもよいし、人工爪全体が本発明の人工爪組成物により形成されていてもよい。 本発明の人工爪組成物により形成された層は、本発明の人工爪におけるプライマー層、ベース層、カラー層、及び/又は、トップ層のいずれにも好適に用いることができる。 また、本発明の人工爪は、本発明の人工爪組成物により形成された層を1層のみ有していても、2層以上有していてもよい。 中でも、除去性の観点から、本発明の人工爪組成物により形成した少なくとも1層が爪と接している層であることが好ましい。 また、本発明の人工爪における本発明の人工爪組成物により形成された層の厚さは、特に制限はないが、10〜2,000μmであることが好ましく、20〜1,500μmであることがより好ましく、20〜1,000μmが更に好ましい。

(人工爪の形成方法) 本発明の人工爪の形成方法は、本発明の人工爪組成物を用いて人工爪を形成する方法であれば、特に制限はないが、本発明の人工爪組成物をヒト若しくは動物の爪上、又は、他の人工爪上に塗布し塗布膜を形成する工程、並びに、上記塗布膜を乾燥及び/又は露光して人工爪を形成する工程、を含む方法であることが好ましい。 本発明の人工爪組成物を人工爪として形成するには、乾燥又は露光のいずれかの形成方法を好適に選択することができる。 また、本発明の人工爪組成物は、(成分B)重合性化合物、及び、(成分C)光重合開始剤を少なくとも含むか、又は、(成分D)溶剤を少なくとも含むことが好ましい。 また、本発明の人工爪の形成方法における本発明の人工爪組成物により形成された層の厚さは、特に制限はないが、10〜2,000μmであることが好ましく、20〜1,500μmであることがより好ましく、20〜1,000μmが更に好ましい。

<塗布工程> 本発明の人工爪の形成方法は、本発明の人工爪組成物をヒト若しくは動物の爪上、又は、他の人工爪上に塗布し塗布膜を形成する工程(塗布工程)を含むことが好ましい。 他の人工爪は、人工爪に用いられる基材であれば、特に制限はなく、例えば、樹脂基材、本発明の人工爪の形成方法以外の方法により形成された人工爪、又は、本発明の人工爪の形成方法により得られた人工爪が挙げられる。 塗布方法としては、特に制限はなく、公知の方法により行えばよいが、刷毛や筆等を使用して塗布する方法が好ましく挙げられる。また、スプレー塗布やインクジェット塗布を行ってもよい。 塗布膜の厚さについても、特に制限はなく、得られる人工爪における所望の厚さを考慮して、塗布厚を適宜調整すればよい。

<乾燥又は露光工程> 本発明の人工爪の形成方法は、上記塗布膜を乾燥及び/又は露光して人工爪を形成する工程(乾燥又は露光工程)を含むことが好ましい。

−乾燥工程− 乾燥により人工爪を形成する場合、使用する本発明の人工爪組成物は、(成分D)溶剤を含有していることが好ましい。 乾燥方法としては、特に制限はなく、公知の方法により行えばよい。 具体的には、例えば、室温(例えば、10〜30℃)にて放置乾燥する方法、気流下において放置乾燥する方法、加熱乾燥する方法、及び、これらを組み合わせた方法が好ましく挙げられる。加熱方法としては、特に制限はないが、室温より高い温度の雰囲気下に放置する方法、加熱気流下に放置する方法、ヒーターや赤外線ランプ(IRランプ)等の加熱手段により加熱する方法が例示できる。 乾燥時間としては、特に制限はなく、人工爪組成物の組成や、乾燥方法、塗布厚によって適宜調整すればよいが、簡便性及びセルフレベリングによる平滑性や光沢性付与の観点から、10秒〜20分であることが好ましく、15秒〜10分であることがより好ましく、30秒〜5分であることが更に好ましく、30秒〜2分であることが特に好ましい。

−露光工程− 露光により人工爪を形成する場合、使用する本発明の人工爪組成物は、(成分B)重合性化合物、及び、(成分C)光重合開始剤を含有していることが好ましい。 また、本発明の人工爪組成物が、成分B及び成分Cに加え、(成分D)溶剤を含有している場合、露光を行う前に、乾燥を行うことが好ましい。 露光に使用する光としては、特に制限はなく、紫外線、可視光線などが挙げられる。 露光手段としては、特に制限はなく、公知の露光手段を用いることができるが、例えば、水銀ランプ及びメタルハライドランプ等の紫外線ランプ(UVランプ)、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード(LD)等が挙げられる。 露光時間としては、特に制限はないが、2秒〜5分が好ましく、5秒〜3分がより好ましく、5秒〜2分が更に好ましい。また、露光は、間歇的に行っても、連続的に行ってもよいし、パルス光により行ってもよく、任意の方法で露光すればよい。

本発明の人工爪の形成方法は、得られる人工爪の光沢や美観、また、露光を行った場合は未硬化成分の除去の観点から、乾燥又は露光工程の後、得られた人工爪の表面を洗浄又は拭き取る工程を含んでいてもよい。 洗浄又は拭き取り方法としては、エタノール等の溶剤を含ませたワイプシートやスポンジワイプ等の拭き取り基材により拭き取る方法、エタノール等の溶剤や水により洗浄する方法が例示できる。 また、洗浄又は拭き取りに使用する溶剤としては、得られた人工爪を溶解しない溶剤であることが好ましい。 また、本発明の人工爪の形成方法は、露光を行う場合、塗布工程の前に、ヒト若しくは動物の爪、又は、他の人工爪の表面を粗面化する工程を含むことが好ましい。上記態様であると、露光にして得られる人工爪(ジェルネイル)の密着性及び耐久性に優れる。 爪表面の粗面化方法としては、特に制限はなく、公知の方法により行うことができる。例えば、ファイル等の爪用やすりにより粗面化を行う方法が好ましく挙げられる。 また、本発明の人工爪の形成方法は、その他、公知の工程を含んでいてもよい。

(人工爪の除去方法) 本発明の人工爪の除去方法は、本発明の人工爪を除去液に接触させて除去する工程(除去工程)を含む。 上記除去液は、pH5.0以下の酸性水溶液であることが好ましい。 本発明の人工爪組成物は、従来の除去液であるアセトン等の有機溶媒でも除去可能であるが、pH5.0以下の酸性水溶液によって、より安全に皮膚・爪に負担を与えずに除去することが可能である。本発明で好適に用いられる除去液は、酸性にするための有機・無機酸成分、水、任意に安定剤、任意に界面活性剤からなることが好ましい。以下に好ましい除去液の態様について記載する。

<有機・無機酸成分> 上記除去液には、水溶液を酸性にするためには公知の無機酸(リン酸、塩酸等)や有機酸を使用することができる。除去液に使用する酸成分としては、一般に食品や食品添加物に含まれている有機酸を用いることが好ましい。好ましい有機酸としてはクエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、アミノ酸類(アスパラギン酸、グルタミン酸等)、炭酸などが挙げられる。

<水、及び、pH> 上記除去液に使用する水は、特に制限はなく、水道水、蒸留水、イオン交換水等を用いることができる。 除去液中の水の含有量は、特に制限はないが、除去液の全質量に対し、50〜99.5質量%であることが好ましく、70〜99質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが更に好ましい。 また、除去液は、コストや運搬性、保管性の観点から、濃縮液としてもよく、使用する際に当該濃縮液を水等により希釈して除去液とする実施形態であってもよい。 除去液のpHは、本発明の人工爪に含まれるアミノ基を有するポリマーをイオン化する能力、すなわち除去性の観点から、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましく、3.0以下であることが更に好ましい。また、除去液のpHは、皮膚・爪への安全性の観点から、1.0以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましい。 また、pHが経時や液の希釈・濃縮などによる外部因子によって変動を起こさないようにするため、酸塩を添加して緩衝液にすることが好ましい。緩衝液にするためには、上記の酸の塩、好ましくはナトリウム塩(クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム)を、酸と共存する方法が挙げられるが、特に限定されるものではない。

<安定剤> 本発明に用いられる除去液は、任意に安定剤を含有していてもよい。安定剤の添加によって、経時による液の着色、腐食・カビの発生などを抑えることができる。安定剤は特に限定されず、公知の工業用防腐剤、食品防腐剤、医薬品防腐剤、酸化防止剤・光安定剤等を使用することができる。 中でも、安定剤としては、パラオキシ安息香酸エステル化合物が好ましい。 安定剤の添加量としては、特に制限はなく、除去液の全質量に対し、0.001〜10質量%であることが好ましく、0.005〜5質量%であることがより好ましく、0.01〜2質量%であることが更に好ましい。

除去液は、安全性を損なわない程度に加温して使用することが、除去速度を早める観点で好ましい。加温は30℃〜45℃が好ましく、35℃〜45℃がより好ましく、40℃〜45℃が特に好ましい。また、人工爪を除去液に浸漬する場合には、浸漬する液を撹拌してもよい。

本発明の人工爪は、従来のアセトン等の有機溶剤の代わりに、pH5.0以下の酸性水溶液に接触させることで簡便に除去することができる。 接触の方法は、特に限定されるものではなく、人工爪を直接除去液に浸漬してもよく、除去液を湿らせたコットン等で人工爪を包んでもよく、噴霧器やシャワーによって吹き付けてもよい。ただし、これら例示に限定されるものではない。 また、本発明の人工爪の除去方法は、人工爪表面及び/又は先端を本発明の人工爪組成物により形成された層が表層に一部表れるように傷をつける工程を含むことが好ましい。 傷を付ける方法としては、特に制限はないが、ファイル等の爪用やすりを好適に用いることができる。

除去方法の好ましい具体例を以下に示す。すなわち、任意に人工爪表面及び/又は先端を爪用やすりで擦って本発明の人工爪組成物により形成された層が表層に一部表れる程度に粗めに傷をつけた後、pH5.0以下の酸性水溶液に浸漬し、1〜5分程度そのまま放置して人工爪の溶解性を変化させた後に人工爪を布若しくは不織布などにより拭き取り、又は、へら状若しくはスティック状の器具による押し剥がしによって指先や爪に負担をかけることなく、極めて容易且つ安全に剥がすことができる。

なお、上記方法において浸漬しながら、拭き取り、押し剥がしをすることも可能であり、より早く除去することが可能になる。また、超音波や振動などを与えることで拭き取り・剥離を促進してもよい。 また、本発明の人工爪の除去方法は、その他、公知の工程を含んでいてもよい。

(ネイルアートキット) 本発明のネイルアートキットは、本発明の人工爪組成物と、除去液と、を含み、上記除去液が、pH5.0以下の酸性水溶液であることが好ましい。 本発明のネイルアートキットにおける本発明の人工爪組成物及び除去液の好ましい態様は、上述したものと同様である。 また、本発明のネイルアートキットは、上記人工爪組成物及び除去液以外に、任意の品を含んでいてもよい。 例えば、カラー用又はトップ用等の本発明の人工爪組成物以外の人工爪組成物、ファイル等の爪用やすり、人工爪組成物を塗布するための平筆等の筆や刷毛、UVライト等の露光装置、拭き取り又は洗浄用液、拭き取り用ワイプ、ネイルブラシ、ダストブラシ、爪の長さ出しに使用するネイルフォーム、アクリル製、ガラス製、金属製又は天然石製等の装飾用ストーン、ネイルシール、グリッターやホログラム等の装飾用パウダー、カッター、へら、スティック、爪同士の接触を防ぐため指の間隔を広げるセパレーター等が挙げられるが、これらに制限されない。

以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例における形態に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、及び「%」は質量基準である。 また、実施例に記載のA−1〜A−114は、上述したA−1〜A−114と同じポリマーである。

<合成例1> 1,000mlの3口フラスコに還流管を付け、メチルエチルケトン300gを入れ、窒素気流下で65℃を維持した。次にジメチルアミノエチルメタクリレート78.5g(和光純薬工業(株)製)、n−ブチルメタクリレート71g(和光純薬工業(株)製)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)4.6g(和光純薬工業(株)製)、メチルエチルケトン400gの混合液を3時間かけて滴下した。滴下終了後にジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)4.6g(和光純薬工業(株)製)を添加し、更に70℃で2時間加熱した。得られた反応液を減圧留去することで80質量%のA−19の溶液を得た。ゲルパーミネーションクロマトグラフィーで測定したA−19の重量平均分子量は32,000であった。

<合成例2> 1,000mlの3口フラスコに還流管と塩化カルシウム管を付け、メチルエチルケトン300gと、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール84g(東京化成工業(株)製)、ヘキサメチレンジイソシアネート60g(東京化成工業(株)製)を窒素気流下で60℃を維持した。その後、無機ビスマス触媒ネオスタンU−600(日東化成(株)製)を0.8g加え、60℃を維持しながら5時間加熱した。得られた反応液を、ヘキサン4,000mlに撹拌しながら滴下し、吸引ろ過の後、減圧乾燥することで白色固体としてA−33を得た。ゲルパーミネーションクロマトグラフィーで測定したA−33の重量平均分子量は22,000であった。

<合成例3> 原料及びその使用量、並びに、重合開始剤の使用量を適宜変更した以外は、合成例1と同様な方法により、A−1〜A−18及びA−20〜A−31をそれぞれ得た。

<合成例4> 原料及びその使用量、並びに、触媒の使用量を適宜を変更した以外は、合成例2と同様な方法により、A−32及びA−34〜A−114をそれぞれ得た。

〔人工爪組成物の調製〕 下記表13〜表16に示す各種成分を均一に混合し、人工爪組成物J−1〜J−34、H−1〜H−6を得た。なお、表13〜表15に記載の各組成物は、ラジカル光硬化用人工爪組成物であり、表16に記載の各組成物は、乾燥用人工爪組成物である。

表13〜表16に記載した略記は、以下の通りである。 また、溶剤であるメチルエチルケトン(沸点80℃)、イソプロパノール(沸点82.4℃)、酢酸ブチル(沸点126℃)及びMFG(プロピレングリコールモノメチルエーテル、沸点120℃)は、いずれも東京化成工業(株)製のものを使用した。

なお、B−101及びB−105〜B−108はそれぞれ、東京化成工業(株)製のものを使用し、B−102は、和光純薬工業(株)製のものを使用し、B−104は、共栄社化学(株)製ライトエステルHPO(N)を使用し、B−109は、シグマアルドリッチ社製のものを使用した。 また、B−103は、対応するジイソシアネート化合物1モル当量に2−ヒドロキシエチルメタクリレートを2モル当量反応させ、合成したものを使用した。

なお、B−201は、BASFジャパン(株)製IRGACURE 184であり、B−202は、BASFジャパン(株)製IRGACURE 784であり、また、B−203は、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(和光純薬工業(株)製)である。

〔除去液の調製〕 下記表17に示す各種成分を均一に混合し、除去液E−1〜E−6を得た。

*:除去液E−4及びE−5はそれぞれ、表17に記載の有機・無機酸成分と水道水とを合わせてpH2.6となるようにして調製した。 除去液に使用した各試薬の詳細は、以下の通りである。 クエン酸(東京化成工業(株)製) クエン酸三ナトリウム二水和物(和光純薬工業(株)製) グリコール酸(東京化成工業(株)製) リン酸(和光純薬工業(株)製) パラオキシ安息香酸ベンジル(東京化成工業(株)製) ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(花王(株)製アンヒトール20BS)

〔人工爪の形成〕 <形成例1> 得られた人工爪組成物一定量を爪状に型取りしたプラスチック基材上に刷毛を使って塗布し、紫外線ランプ(36W)を2分間照射した。その後エタノールで表面を洗浄した後、形成した人工爪を目視で観察したところ、完全に固化していた。この時の人工爪の膜厚を測定した結果、約100μm(±10μm)であった。

<形成例2> 形成例1と同様に形成した膜厚約100μm(±10μm)の人工爪上に、カラー層として市販のカルジェル#CG−03 フレッシュピンク(モガブルック社製)を刷毛で塗布・紫外線ランプ(36W)で2分間照射した。未硬化分をエタノールにより拭き取った後、トップ層として市販のトップジェル(モガブルック社製)を刷毛で塗布し、同様に紫外線ランプ(36W)で2分間照射した。形成した人工爪を目視で観察したところ、完全に固化していた。カラー層とトップ層とを合わせた膜厚は約1,000μmであった。

<形成例3> 得られた人工爪組成物一定量を爪状に型取りしたプラスチック基材上に刷毛を用いて塗布し、塗布後1分間自然乾燥させた。その後、エタノールで表面を洗浄した後、人工爪を目視で観察したところ、完全に固化していた。この時の膜厚を測定した結果、約100μm(±10μm)であった。

<形成例4> 形成例3と同様に形成した膜厚約100μm(±10μm)の人工爪上に、カラー層として市販のカルジェル#CG−03 フレッシュピンク(モガブルック社製)を刷毛で塗布・紫外線ランプ(36W)で2分間照射した。未硬化分をエタノールにより拭き取った後、トップ層として市販のトップジェル(モガブルック社製)を刷毛で塗布し、同様に紫外線ランプ(36W)で2分間照射した。形成した人工爪を目視で観察したところ、完全に固化していた。カラー層とトップ層とを合わせた膜厚は約1,000μmであった。

〔人工爪の評価〕 <光沢> 形成後の人工爪の光沢を、蛍光灯点灯下において、下記評価基準で目視評価した。 −評価基準− A:爪表面に蛍光灯が写り込み、像が鮮明に認識できる。 B:爪表面に蛍光灯が写り込み、像がやや鮮明に認識できる。 C:爪表面に蛍光灯が写りこむが、像が鮮明に認識できない。 D:爪表面に蛍光灯が写りこまない。

<除去性−1> 得られた人工爪に対して、40℃の後述する表に記載の除去液に15秒浸漬し、当該除去液を浸漬させたキッチンペーパーを用いて20回拭き取りを行う。この浸漬−拭き取りの操作を10回繰り返し後に残存している人工爪の膜厚(μm)を評価した。

<除去性−2> 得られた人工爪の表面及び先端に対してファイル(爪用のヤスリ)で傷をつける。その後、40℃の後述する表に記載の除去液に2分浸漬し、2分経過後に浸漬中で木製のスパチュラを用いて剥離施術を行い、基材からの除去しやすさを下記評価基準により評価した。 −評価基準− A:容易に除去が可能であった。 B:除去が可能であった。 C:除去が可能であったが、若干の残膜が残り除去液を使用して拭き取った。 D:除去不可であった。

<密着性−1> 得られた人工爪の最上層をHB硬度の鉛筆で一定の荷重をかけて引き、剥離の発生有無と引っかき傷の有無とを下記評価基準により評価した。 −評価基準− A:傷・剥離とも発生しなかった。 B:剥離は発生しなかったが、若干の傷が発生した。 C:剥離は発生しなかったが、傷が発生した。 D:剥離が発生した。

<耐水性−1> 得られた人工爪を、45℃の水道水(pH6.4)に入れ、200rpmで5時間撹拌した。撹拌後に取り出し、人工爪の表面状態を目視観察し、下記評価基準により評価した。 A:傷・剥離とも発生しなかった。 B:剥離は発生しなかったが、若干の傷が発生した。 C:剥離は発生しなかったが、傷が発生した。 D:剥離が発生した。

<経時した人工爪組成物を使用した評価> 人工爪組成物を、褐色瓶に詰めた後に40℃の恒温室に5日間保管した。保管後、前述した方法と同様の方法で人工爪を形成し、除去性、密着性、耐水性、及び、光沢の評価を行った。

(実施例1〜24、及び、比較例1〜7) <ラジカル硬化で形成した人工爪の評価> 形成例1で作製した人工爪に対し、光沢、除去性−1、密着性−1及び耐水性−1の評価を行い、また、経時後の人工爪組成物を使用して同様の評価を行った。結果を表18に示す。また、除去液を種々変更して除去性−1を評価した結果を表19に示す。

表18及び表19の結果から、本発明の人工爪組成物より得られた人工爪は、露光により硬化しても、酸水溶液で簡易に除去可能であり、また、高い密着性も維持できていることがわかる。また、本発明の人工爪組成物は、経時後であっても性能の低下が少ないことがわかる。

(実施例25〜29、及び、比較例8〜10) <ラジカル硬化で形成し、上層を設けた人工爪の評価> 形成例2で作製した人工爪に対し、光沢、除去性−2、密着性−1及び耐水性−1の評価を行い、また、経時後の人工爪組成物を使用して同様の評価を行った。結果を表20に示す。

表20の結果から、本発明の人工爪組成物は、露光により硬化し、本発明の人工爪組成物をラジカル硬化した人工爪は、更に上層を有していても、酸水溶液で簡易に押し剥離が可能であり、また、高い密着性も維持できていることがわかる。経時後であっても性能の低下が少ないことがわかる。

(実施例30〜40、並びに、比較例11及び12) <乾燥で形成した人工爪の評価> 形成例3で作製した人工爪に対し、光沢、除去性−1、密着性−1及び耐水性−1の評価を行い、また、経時後の人工爪組成物を使用して同様の評価を行った。結果を表21に示す。

表21の結果から、本発明の人工爪組成物を乾燥硬化した人工爪は、酸水溶液で簡易に除去可能であり、また高い密着性も維持できていることがわかる。経時後であっても性能の低下が少ないことがわかる。

(実施例41及び42、並びに、比較例13及び14) <乾燥で形成し、上層を設けた人工爪の評価> 形成例4で作製した人工爪に対し、光沢、除去性−2、密着性−1及び耐水性−1の評価を行い、また、経時後の人工爪組成物を使用して同様の評価を行った。結果を表22に示す。

表22の結果から、本発明の人工爪組成物を乾燥硬化した人工爪は、上層を有していても、酸水溶液で簡易に押し剥離が可能であり、また、高い密着性も維持できていることがわかる。経時後であっても性能の低下が少ないことがわかる。

〔人工爪組成物の調製〕 下記表23〜表26に示す各種成分を均一に混合し、人工爪組成物J−35〜J−70、H−7〜H−10を得た。なお、表23〜表26に記載の各組成物は、ラジカル光硬化用人工爪組成物である。

表23〜表26に記載した上述した以外の略記は、以下の通りである。

・B−114:ポリウレタンメタクリレート化合物(日本合成化学(株)製:UV−3310B) ・B−115:ポリウレタンメタクリレート化合物(日本合成化学(株)製:UV−3300B) なお、B−110は日油(株)製のブレンマーPE90、B−111は日油(株)製のブレンマーPME100、B−112及びB−113はいずれも東京化成工業(株)製のものを使用した。

(実施例43〜78、及び、比較例15〜18) <ラジカル硬化で形成し、上層を設けた人工爪の評価> 形成例2で作製した人工爪に対し、光沢、除去性−2、密着性−1及び耐水性−1の評価を行い、また、経時後の人工爪組成物を使用して同様の評価を行った。結果を表27に示す。

表27の結果から、本発明の人工爪組成物は、露光により硬化し、本発明の人工爪組成物をラジカル硬化した人工爪は、更に上層を有していても、酸水溶液で簡易に押し剥離が可能であり、また、高い密着性も維持できていることがわかる。経時後であっても性能の低下が少ないことがわかる。

(実施例79〜92、及び、比較例19〜22) <ラジカル硬化で形成した人工爪の評価> 形成例1で作製した人工爪に対し、光沢、除去性−1、密着性−1及び耐水性−1の評価を行い、また、経時後の人工爪組成物を使用して同様の評価を行った。結果を表28に示す。また、除去液を種々変更して除去性−1を評価した結果を表29に示す。

表28及び表29の結果から、本発明の人工爪組成物より得られた人工爪は、露光により硬化しても、酸水溶液で簡易に除去可能であり、また、高い密着性も維持できていることがわかる。また、本発明の人工爪組成物は、経時後であっても性能の低下が少ないことがわかる。

〔人工爪組成物の調製〕 下記表30〜表32に示す各種成分を均一に混合し、人工爪組成物J−71〜J−94、H−11〜H−14を得た。なお、表30〜表32に記載の各組成物は、ラジカル光硬化用人工爪組成物である。

表30〜表32に記載した上述した以外の略記は、以下の通りである。

なお、B−116、B−117はいずれも東京化成工業(株)製のものを使用した。

〔人工爪の評価〕 <密着性−2> 得られた人工爪に対してJIS K 5600−5−6記載の付着性(クロスカット法)にて密着性を評価した。試験結果の分類は剥離(はがれ)が生じたクロスカット部分の表面の状態から、JIS K 5600−5−6の通り下記分類とした。 −評価基準− 0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。 1:カットの交差点における塗膜の小さなはがれが見られる。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を上回ることはない。 2:塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は、交差点においてはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。 3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は、目のいろいろな部分が、部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に15%を超えるが35%を上回ることはない。 4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は、数か所の目が部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に35%を上回ることはない。 5:上記分類4でも分類できないはがれ程度のいずれかである。

<耐水性−2> 得られた人工爪を、55℃の水道水(pH6.4)に入れ、200rpmで5時間撹拌した。撹拌後に取り出し、人工爪の表面状態を目視観察し、下記評価基準により評価した。 A:剥離が発生しなかった。 B:剥離は発生しなかったが、先端部に若干の浮きが見られた。 C:若干の剥離が発生した。 D:剥離が発生した。

(実施例93〜129、及び、比較例23〜30) <ラジカル硬化で形成し、上層を設けた人工爪の評価> 形成例2で作製した人工爪に対し、除去性−2、密着性−2及び耐水性−2の評価を行い、また、経時後の人工爪を使用して同様の評価を行った。結果を表33及び表34に示す。なお、人工爪の経時は、25℃〜35℃、30〜50%RHの環境下に静置保管することで行った。

表33及び表34の結果から、本発明の人工爪組成物より得られた人工爪は、露光により硬化しても、酸水溶液で簡易に除去可能であり、また、高い密着性も維持できていることがわかる。また、本発明の人工爪は、形成後から時間がたっても性能の低下が少ないことがわかる。

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