【0001】 【発明の属する技術分野】 この発明は、つけ爪を自爪に接着するためのつけ爪の取り付け方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、つけ爪(チップ)を自爪に取り付けるには、両面接着剤を用いて取り付けるか、粘着剤を用いて付けるか、強力な瞬間接着剤を用いて取り付ける方法が採用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、前者2つの両面接着剤と粘着剤を用いる方法は、接着力が弱いため、つけ爪が物に引っ掛かった場合や軽い水仕事で簡単に剥がれるという問題があり、このため、接着力の強固な後者の瞬間接着剤を用いて取り付ける方法が多く採用されているが、強固な接着力のために、つけ爪の取り外しに対して難点がある。 【0004】 即ち、自爪は常に成長するので、つけ爪を固定したままでは自爪の成長に弊害を与えることになり、かつ、爪先が不清潔になるので、一定期間の経過後にはつけ爪の取り外しが必要になる。 【0005】 従来、瞬間接着剤を用いて取り付けたつけ爪を取り外す場合、リムーバー(溶剤、アセトン、MEK)を使って剥がすようにしているが、接着力が強固なため、剥がすのに時間がかかり、どうしても剥がす時に引っ張り力を加えるため、自爪に痛みを感じることになり、取り外しに苦痛を伴うと共に、高価なつけ爪に破損を生じさせるという問題がある。 【0006】 また、自爪に直接瞬間接着剤を塗布するため、つけ爪が剥がれても、自爪を傷めることになり、しかも、リムーバーによる指荒れを生じることになる。 【0007】 そこで、この発明の課題は、自爪に対してつけ爪を強固に固定することができると共に、自爪に傷を付けたりつけ爪を破損することなく、つけ爪を取り外しを行なうことができるつけ爪の取り付け方法を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】 上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、自爪に水性タイプの熱可塑性樹脂系塗料を塗布し、この熱可塑性樹脂系塗料の乾燥後に、熱可塑性樹脂系塗料の上から瞬間接着剤で自爪につけ爪を接着する構成を採用したものである。 【0009】 上記熱可塑性樹脂系塗料は、エチレン酢ビ共重合エマルジョンにポリビニールアルコールを配合して形成され、自爪の表面にマニキュアのように塗布すればよく、乾くとクリアーになり、乾燥したことが確認できる。 【0010】 この熱可塑性樹脂系塗料で自爪の表面に形成した成膜は、自爪に対する固着性に優れ、その上に瞬間接着剤でつけ爪を接着すると、自爪につけ爪を強固に固定することができ、通常の生活や軽い水仕事でつけ爪が剥がれるようなことはなく、また、上記成膜によって自爪と瞬間接着剤の直接的な接着を防ぐことができる。 【0011】 上記熱可塑性樹脂系塗料の成膜は、熱可塑性と水性タイプであるので、42℃〜43℃の湯中に指先を5分程度浸けると皮膜が軟かくなると共に溶けることになり、自爪に傷をつけずにつけ爪が剥がれることになり、つけ爪の破損もないので再使用も可能になる。 【0012】 【発明の実施の形態】 以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。 【0013】 図示のように、この発明のつけ爪の取り付け方法は、自爪1につけ爪2を接着するために、先ず、自爪1に水性タイプの熱可塑性樹脂系塗料3を塗布し、次に、この熱可塑性樹脂系塗料3の乾燥後に、熱可塑性樹脂系塗料3の成膜の上から瞬間接着剤4で自爪1につけ爪2を接着する工程を経て実施される。 【0014】 上記熱可塑性樹脂系塗料3は、自爪1に塗布することにより自爪1の表面に対して強固に固着する成膜を形成すると共に、温水に所定時間だけ浸漬すると軟化し溶けるような特性を有するものであれば、材質は特定されないが、例えば、エチレン酢ビ共重合エマルジョンにポリビニールアルコールを1〜5重量%配合して形成することができ、このような熱可塑性樹脂系塗料3は、自爪1の表面にマニキュアのように塗布して乾くとクリアーになり、乾燥したことが確認できると共に、42℃〜43℃の湯中に5分程度浸けると軟化し溶ける程度の水溶性を有している。 【0015】 自爪1につけ爪2を取り付けるには、図1(A)と(B)に示すように、自爪1の上面全体に水性タイプの熱可塑性樹脂系塗料3をマニキュアを塗るのと同じ要領で平均した厚みに塗布し、この熱可塑性樹脂系塗料3は、乾くとクリアーな成膜になり、乾燥したことが確認できる。 【0016】 この後、図2(A)と(B)に示すように、上記成膜の上に瞬間接着剤4でつけ爪2を接着すれば、自爪1に対してつけ爪2を固定することができ、熱可塑性樹脂系塗料3の成膜は、自爪1に対する固着性に優れ、その上に強力な接着力の瞬間接着剤4でつけ爪2を接着すると、自爪1に対してつけ爪2を強固に固定することができ、これにより、通常の生活や軽い水仕事でつけ爪が剥がれるようなことのない取り付け強度が得られる。 【0017】 また、つけ爪2を外したい時は、指先を42℃〜43℃の湯中に5分程度浸けると、熱可塑性樹脂系塗料3の成膜が軟化して溶けることになり、これにより、自爪1に傷をつけずにつけ爪2を簡単に剥がすことができ、つけ爪2の破損もないので再使用も可能になると共に、リムーバーを使わないので指荒れの発生がない。 【0018】 【発明の効果】 以上説明したように、この発明によると、水性タイプの熱可塑性樹脂系塗料を自爪に塗布し、この熱可塑性樹脂系塗料が乾燥した成膜後に、この成膜の上から瞬間接着剤で自爪につけ爪を接着するようにしたので、上記成膜は自爪に対する固着性に優れ、その上に強力な接着力の瞬間接着剤でつけ爪を接着するので、自爪につけ爪を強固に固定することができ、通常の生活や軽い水仕事をしても、つけ爪が剥がれるようなことのない取り付け強度が得られる。 【0019】 また、熱可塑性樹脂系塗料の成膜は、指先を湯中に所定時間だけ浸けると軟化し溶けることになり、つけ爪を自爪に傷をつけずに簡単に剥がすことができ、しかも、つけ爪の破損もないので再使用も可能になり、かつ、取り外しにリムーバーを使わないので指荒れが生じない。 【図面の簡単な説明】 【図1】(A)は自爪に熱可塑性樹脂系塗料を塗布して成膜した状態を示す縦断面図、(B)は同一部切り欠き平面図【図2】(A)は自爪に熱可塑性樹脂系塗料の成膜と瞬間接着剤を用いてつけ爪を取り付けた状態を示す縦断面図、(B)は同一部切り欠き平面図【符号の説明】 1 自爪2 つけ爪3 熱可塑性樹脂系塗料4 瞬間接着剤 |