本発明は、ネイル装飾除去テープ及びネイル装飾除去テープの製造方法に関する。 特に、指先を被覆した場合に、良好な使用感が得られるとともに、優れた気密性等が得られるネイル装飾除去テープ及びネイル装飾除去テープの製造方法に関する。
従来、爪に塗布するネイルマニキュアとして、溶剤型ネイルマニキュアや、光硬化性無溶剤型マニキュアが知られている。 また、近年、ネイルアートに対する人気が高まり、指爪に、例えばウレタン系樹脂と光重合性モノマーを含むジェル状の組成物を塗布した後、紫外線を照射して硬化させたジェルネイルが提案されている。 かかるジェルネイルは、仕上がりがクリアである、爪との密着性が高く長持ちする、熱可塑性アクリル系樹脂ネイル塗料のような悪臭が少ない等の理由から、注目を集めている。 一方、このようなマニキュアやジェルネイルを除去する場合、除光液を含浸させたコットンを指先のネイル上に乗せた状態で、指先全体をアルミホイルで被覆し、所定時間放置していた。 すなわち、除光液によって、架橋物であるマニキュアやジェルネイルを膨潤させた後、アルミホイルをはずして、当該マニキュア等を除去することが行われていた。 特に、紫外線硬化樹脂からなるジェルネイルは、比較的強固に架橋されているため、それを除去する場合、比較的長時間、例えば、10分間程度そのまま放置していた。 そして、ジェルネイルを十分に膨潤させた後、その膨潤させたジェルネイルを、スティック等により、機械的に剥がす方法が取られていた。 しかしながら、利き手でアルミホイル等を被覆処理する場合はまだしも、利き手とは逆の手で被覆処理する場合、アルミホイルを所定位置に被覆することが困難であったり、被覆したアルミホイルの隙間から除光液が漏れたりするなどの問題が見られた。 一方で、アルミホイルの気密性を高めるために、さらに大きなアルミホイルで周囲から巻いたり、粘着テープを巻きつけたりするなどの工夫もなされているが、今度は使用後に、容易に離脱することができないという問題が見られた。 そこで、このようなマニキュア等を効率的に除去するための各種手段が提案されている。 例えば、ジェルネイルを除去する際の使いやすさを向上させるべく、スポンジつきテープが提案されている(例えば、特許文献1参照)。 より具体的には、図10に示すように、テープ201の一端に、厚さが5mm程度のスポンジ203と、ミシン線202と、が設けてあるスポンジつきテープ200である。 また、ネイル剥離作業の手間と時間を省略することを目的とし、コットン付アルミホイルが提案されている(例えば、特許文献2参照)。 より具体的には、図11に示すように、予め8cm角に裁断したアルミホイル301の一辺の中央部分に、リムーバーを染み込ませるためのコットン302が設けてあり、それらを一体化させたコットン付アルミホイル300である。 かかるコットン付アルミホイル300は、指の外周に沿ってアルミホイルを巻き重ねた後、指先のアルミホイルを丸め込み、爪上にコットンを保持するものである。 さらに、ネイル装飾が施された指の爪に、除光液を含浸させたパッドをのせ、上側片及び下側片で指を挟むことにより、指のネイル装飾にパッドを押し当て、ジェルネイルを膨潤させることによって除去する除去具が提案されている(例えば、特許文献3参照)。 より具体的には、図12に示すように、閉状態にて内部に指を入れ得る空間を形成する上側片401及び下側片402からなる本体403を有し、上側片401及び下側片402が、連結部406により指先側を支点として開閉可能に連結されたネイル除去補助具400である。
特開2009−285442号公報(全文、全図)
実用新案登録第3135889号公報(全文、全図)
特開2009−273873号公報(全文、全図)
しかしながら、特許文献1に記載されたスポンジつきテープは、使い勝手がいまだ不十分であって、その上、テープ素材や形状からして、指先における気密性が確保され難いという問題が見られた。 したがって、ネイル装飾除去作業に相当時間がかかるとともに、除光液を含浸させたスポンジから流出した除光液の一部が、外部に漏れやすく、その上、使用後に、スポンジつきテープを、指先から脱離することが容易でないという問題も見られた。 また、特許文献2(実用新案登録公報)に記載されたコットン付アルミホイルは、四角形状の単なる裁断物であって、使い勝手が悪く、その上、コットンの位置が容易にずれたり、指先のアルミホイルを丸め込む際に、コットンも一緒に丸め込んでしまったりするという問題が見られた。 したがって、ネイル装飾除去作業に手間がかかり、その上、コットンから染み出る除光液の漏れを防止しながら指先における気密性を確保することが困難であった。 また、特許文献3に記載されたネイル除去補助具は、コットン及びネイル除去補助具が分離独立しており、除光液を含浸させたコットンを指で直接的に取り扱わなければならず、使い勝手が悪いという問題が見られた。 さらに、かかるネイル除去補助具において、指を入れるための空間の大きさ等が予め構成されていることから、指のサイズや種類によっては、除光液を含浸させたパッドを指先のネイル装飾上に十分に押し当てることができないという問題も見られた。 その上、かかるネイル除去補助具は、その構造が複雑であって、製造に手間がかかり、経済的に不利益であるという問題も見られた。 そこで、本発明者らは、従来の問題を鋭意検討した結果、容易に塑性変形し、かつ、気体透過性が低いアルミニウム材料から基材テープを構成するとともに、その上に、粘着剤層を介して、除光液を含浸させるためのパッドを設け、さらに、基材テープの少なくとも片側に、非粘着剤領域を有するフラップ部分(羽状突起物)を設けることにより、上述した課題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。 すなわち、本発明は、良好な使用感や気密性が得られるとともに、使用後には容易に脱離することができ、その上、安価なネイル装飾除去テープ、及びそのようなネイル装飾除去テープの効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、指先のネイル上に施されたネイル装飾を除去するためのネイル装飾除去テープであって、アルミニウム材料から構成された基材テープと、当該基材テープ上に設けられた粘着剤層と、当該粘着剤層を介して基材テープ上に設けられ、ネイル装飾の除光液を吸収保持するためのパッドと、を備えており、かつ、基材テープの少なくとも片側に、パッドに向かって折り曲げて使用されるフラップ部分を設けるとともに、当該フラップ部分に非粘着剤領域を設けることを特徴とするネイル装飾除去テープが提供され、上述した問題点を解決することができる。 すなわち、基材テープのパッド上に、指先のネイル装飾が接触するように配置するとともに、非粘着性領域を有するフラップ部分を折り曲げた状態で、ネイル装飾除去テープを指に巻きつけるか、あるいは、非粘着性領域を有するフラップ部分に、指先の背面部分、すなわち、爪が無い、指先の腹側が接触するように配置するとともに、パッドを有する基材テープを折り曲げて、非粘着性領域を有するフラップ部分を覆うように、ネイル装飾除去テープを指に巻きつけることにより、指先の背面部分に対して、粘着剤層が直接接触するのを有効に防止できる。 したがって、ネイル装飾除去テープとして、良好な使用感や気密性を得ることができるとともに、所定時間経過した後には、指先から容易に脱離することができる。 また、除光液(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等)を含浸させるためのパッドを、基材テープに対して、粘着固定してあることにより、良好な取り扱い性やネイル装飾の除去性を得ることができる。 さらに、基材テープが、容易に塑性変形し、かつ、気体透過性が低いアルミニウム材料から構成してあることにより、被覆した場合に、指先における気密性が確保され、除光液が外部に漏れることを防止しながら、除光液の膨潤作用を進行させ、ネイル装飾を効率的に除去することができる。 その上、かかるネイル装飾除去テープは、構造が簡易であって、製造が容易であることから、安価なネイル装飾除去テープとして、提供することができる。 また、本発明のネイル装飾除去テープを構成するにあたり、基材テープおよびフラップ部分が、アルミニウム材料から一体的に構成されていることが好ましい。 このように構成することにより、部品点数が少なくなって経済的であるばかりか、 アルミニウム材料からフラップ部分が構成されていることより、指先において、更に優れた気密性が確保される。 また、本発明のネイル装飾除去テープを構成するにあたり、ネイル装飾除去テープの短手方向に沿ったフラップ部分の長さを、基材テープの幅と同一、または基材テープの幅よりも長くすることが好ましい。 このように構成することにより、フラップ部分によって、指先の背面部分を十分に保護できるとともに、基材テープとの十分な重なりが確保されることから、更に優れた機密性や使用感を得ることができる。 また、本発明のネイル装飾除去テープを構成するにあたり、基材テープの厚さを1〜50μmの範囲内の値とし、粘着剤層の厚さを5〜150μmの範囲内の値とし、かつ、パッドの厚さを30〜3,000μmの範囲内の値とすることが好ましい。 このような大きさであれば、通常の指サイズを有する人におけるネイル装飾除去に、十分対応することができ、さらには、比較的大きな親指であっても、比較的小さな小指であっても、十分対応することができる。 また、本発明のネイル装飾除去テープを構成するにあたり、粘着剤層に仮接着される剥離シートを備えることが好ましい。 このように剥離シートを備えることにより、粘着剤層の粘着性能の低下を抑えることができ、ひいては、保存や持ち運びに耐え得るネイル装飾除去テープを得ることができる。 また、本発明のネイル装飾除去テープを構成するにあたり、基材テープの表面に、当該基材テープを保護するための保護層を設けることが好ましい。 このように保護層を設けることにより、保管時や輸送時等におけるアルミニウム材料から構成された基材テープの塑性変形や表面傷の発生等を有効に防止することができる。 なお、かかる保護層の形成位置は、基材テープの表面であれば、基材テープと、粘着剤層と、の間であっても良く、あるいは、基材テープにおける粘着剤層が設けられていない反対側であっても良い。 また、本発明の別の態様は、指先のネイル上に施されたネイル装飾を除去するためのネイル装飾除去テープの製造方法であって、アルミニウム材料から構成された基材テープを準備する工程と、基材テープの表面に、粘着剤層を形成する工程と、当該粘着剤層を介して、基材テープ上に、ネイル装飾の除光液を吸収保持するためのパッドを設ける工程と、基材テープ、粘着剤層およびパッドを含む積層体を、所定形状に切断する工程と、基材テープの少なくとも片側に、パッドに向かって折り曲げて使用されるフラップ部分を設けるとともに、当該フラップ部分に非粘着剤領域を設ける工程と、を含むことを特徴とするネイル装飾除去テープの製造方法である。 すなわち、このように実施することにより、使用感や気密性、さらには取り扱い性が良好で、除光液の外部漏れが少なく、その上、安価なネイル装飾除去テープを効率的に製造することができる。 また、本発明のネイル装飾除去テープの製造方法を実施するにあたり、基材テープの表面に、粘着剤層を形成する際に、非粘着剤領域を設けておき、基材テープ、粘着剤層およびパッドを含む積層体を、所定形状に切断する際に、基材テープにおける非粘着剤領域を利用して、基材テープの少なくとも片側に、フラップ部分を設けることが好ましい。 すなわち、積層体を所定形状に切断する際に、粘着剤層を形成する際に設けた非粘着剤領域についても同時に切断し、所定形状であって、かつ非粘着剤領域を有するフラップ部分とするものである。 したがって、このように実施することにより、部品点数や工程数が少なくなって、構造が単純で、かつ、安価なネイル装飾除去テープをさらに効率的に製造することができる。
図1は、本発明のネイル装飾除去テープの構成部品および構成状態を説明するために供する図である。 図2(a)〜(d)は、本発明のネイル装飾除去テープにおける基材テープの表面加工処理を説明するために供する図である。 図3(a)〜(d)は、本発明のネイル装飾除去テープにおける基材テープ部分の変形例を説明するために供する図である。 図4(a)〜(c)は、本発明のネイル装飾除去テープにおける基材テープ部分の変形例を説明するために供する図である。 図5(a)〜(b)は、本発明のネイル装飾除去テープにおける粘着剤層の構成例を説明するために供する図である。 図6(a)〜(c)は、本発明のネイル装飾除去テープのフラップ部分の変形例を説明するために供する図である。 図7(a)〜(e)は、本発明のネイル装飾除去テープの使用例を説明するために供する図である。 図8(a)〜(c)は、本発明のネイル装飾除去テープの使用例を説明するために供する図である。 図9は、本発明のネイル装飾除去テープの製造方法を説明するために供する図である。 図10は、従来のネイル装飾除去用のスポンジつきテープを説明するために供する図である。 図11は、従来のコットン付アルミホイルを説明するために供する図である。 図12は、従来のネイル装飾除去用のネイル除去補助具を説明するために供する図である。
[第1の実施形態] 第1の実施形態は、指先のネイル上に施されたネイル装飾を除去するためのネイル装飾除去テープであって、アルミニウム材料から構成された基材テープと、当該基材テープ上に設けられた粘着剤層と、当該粘着剤層を介して基材テープ上に設けられ、ネイル装飾の除光液を吸収保持するためのパッドと、を備えており、かつ、基材テープの少なくとも片側に、パッドに向かって折り曲げて使用されるフラップ部分を設けるとともに、当該フラップ部分に非粘着剤領域を設けることを特徴とするネイル装飾除去テープである。 以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜8を適宜参照しつつ、具体的に説明する。 但し、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであって、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。 1. 全体構成 図1は、本実施形態のネイル装飾除去テープ5の構成部材およびその構成例を示す図である。 かかるネイル装飾除去テープ5は、基本的に、基材テープ10と、粘着剤層と20と、パッド30と、剥離シート40(40a,40b)と、フラップ部分15と、を備えている。 すなわち、基材テープ10の少なくとも片側に、折り曲げて使用されるフラップ部分15が設けてあるとともに、当該フラップ部分15に、非粘着剤領域11を設けてあり、さらには、基材テープ10上にパッド30が設けてある。 したがって、かかるネイル装飾除去テープ5によれば、基材テープ10のパッド30に対して、指先のネイル上に施されたネイル装飾を位置合わせした後、一点鎖線Lで表される仮想線に沿って、フラップ部分15を折り曲げることができる。 そして、基材テープ10を指先に巻きつけるとともに、適度に塑性変形させることによって、指先において、十分な気密性が得られ、パッド30に含浸させた除光液を十分に接触させることができる。 それにより、除光液が外部に漏れることを防止しながら、除光液の膨潤作用を進行させることができ、結果として、ネイル装飾(マニキュア)を溶かし、または、ネイル装飾(ジェルネイル)を膨潤させることにより、それらのネイル装飾を効率的に除去することができる。 その上、フラップ部分15に非粘着剤領域11を設けてあり、ネイル装飾除去テープ5を使用した際にも、指先の背面部分は、非粘着性の表面と接触することから、良好な使用感を得ることができ、その上、所定時間経過後に、ネイル装飾除去テープ5を指先から脱離する際にも、容易に脱離することができる。 2. 基材テープ また、図1に示す基材テープ10は、指先のネイル装飾の周囲において、所定の気密状態を形成するとともに、除光液を含浸させたパッド30を、指先のネイル装飾上に押し当て保持させて、除光液による膨潤を進行させるために機能する。 以下、基材テープ10の形状、構成材料、厚さ、および保護層等について具体的に説明する。 (1)形状 基材テープ10の形状(平面形状)は、指先の周囲に巻き付けることができる平面形状であれば特に制限されるものでないが、通常、長方形、正方形、楕円、円形、異形等が挙げられる。 (2)構成材料 また、基材テープ10は、アルミニウム材料から構成してあることを特徴とする。 この理由は、かかる基材テープ10であれば、低気体透過性が得られるとともに、容易に塑性変形させることができ、結果として、指先のネイル装飾の周囲において、良好な気密性が得られやすいためである。 したがって、好適なアルミニウム材料として、アルミニウム金属単体やアルミニウム合金、さらには、これらのアルミニウム金属単体等を所定量含んでなる高分子樹脂材料やセラミック材料が挙げられる。 (3)厚さ また、基材テープ10の厚さを、通常、1〜50μmの範囲内の値とすることが好ましい。 この理由は、かかる基材テープ10の厚さが1μm未満の値になると、耐久性や機械的強度が著しく低下したり、取り扱いが困難となったりする場合があるためである。 一方、基材テープ10の厚さが50μmを超えると、指先に対する追従性が低下したり、ネイル装飾除去テープ5を巻き付けた際の指先の自由度が著しく低下したりする場合があるためである。 したがって、基材テープ10の厚さを5〜30μmの範囲内の値とすることがより好ましく、さらには、10〜20μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。 (4)保護層 また、図2(a)に示すように、基材テープ10の表面に、当該基材テープ10を保護するための保護層12を設けることが好ましい。 この理由は、このように保護層12を設けることにより、保管時や輸送時等におけるアルミニウム材料から構成された基材テープ10の塑性変形や表面傷の発生等を有効に防止することができるためである。 したがって、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、オレフィン樹脂等を塗布して保護層12を形成しても良いし、シリコーン材料、セラミック材料、金属材料等を蒸着して保護層12を形成しても良い。 あるいは、基材テープ10の一部または全部に、シリコーンフィルム、ポリエステルフィルム、フッ素フィルム、オレフィンフィルム等を積層して、保護層12としても良い。 なお、保護層12を形成する場合、その厚さを0.01〜12μmの範囲内の値とすることが好ましく、0.1〜8μmの範囲内の値とすることがより好ましく、さらには、0.5〜3μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。 (5)表面加工処理 また、基材テープ10に対して、所定の表面加工処理を施すことも好ましい。 すなわち、図2(b)の符号12aに示すようなエンボス加工、図2(c)の符号12bに示すようなブラスト加工、あるいは、図2(d)の符号12cに示すようなスリット加工を施すことが好ましい。 この理由は、かかる表面加工を行うことによって、基材テープ10の変形(カール現象)を防止したり、粘着剤層20との間の密着性を向上させたり、基材テープ10の折れ曲げ性に異方性を持たせたり、さらには、基材テープ10における表面傷等を目立たなくすることができるためである。 なお、このような表面加工を施して、表面凹凸等を形成する場合、JIS B0601に準拠して測定される表面粗さ(Ra)を0.01〜2μmの範囲内の値とすることが好ましい。 この理由は、かかる表面粗さ(Ra)が0.01μm未満の値になると、所定の表面凹凸処理による効果が安定的に発現しない場合があるためである。 一方、かかる表面粗さ(Ra)が2μmを超えた値になると、所定の表面凹凸処理に、過度に時間を要したり、基材テープ10を損傷したりする場合があるためである。 したがって、表面加工を施して、表面凹凸等を形成する場合の表面粗さ(Ra)を0.1〜1μmの範囲内の値とすることがより好ましく、さらには、0.2〜0.8μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。 (6)変形例 また、図3(a)〜(d)及び図4(a)〜(c)は、ネイル装飾除去テープ5における、主として、基材テープ10に関する部分についての変形例を示す図である。 すなわち、図3(a)に示すように、基材テープ10の一部に、湾曲状の切欠部分10aを設けて、ネイル装飾除去テープ5aを構成することが好ましい。 この理由は、このような切欠部分10aを、所定位置に設けることにより、ネイル装飾除去テープ5aを指先に巻き付けた場合において、例えば、指の第一関節に当たる部分が、ネイル装飾除去テープ5aによって固定されてしまうことがなくなるためである。 したがって、湾曲状の切欠部分10aを設けることにより、ネイル装飾除去作業中の指先の自由度を向上させることができ、指の折り曲げによって、ネイル装飾除去テープ5aが外れてしまうことが少なくなる。 また、図3(b)に示すように、パッド30が設けてある基材テープ10の両側部分において、それぞれ長手方向の中心軸線を異ならせることが好ましい。 この理由は、このように構成することにより、ネイル装飾除去テープ5bを、指先の外周に沿って、指先の両側部から巻き付けることができ、かつ、ネイル装飾除去テープ5b同士の巻き重なり部分を、少なくすることができるためである。 したがって、長手方向の中心軸線を異ならせることにより、ネイル装飾除去作業中の指先の自由度を向上させることができる。 また、図3(c)に示すように、パッド30が設けてある基材テープ10の両側部分において、一方の基材テープ10の端部から、パッド30の中心までの長手方向距離(L1)を、他方の基材テープ10の端部から、パッド30の中心までの長手方向距離(L2)よりも長くすることが好ましい。 すなわち、パッド30を、基材テープ10を長手方向に二等分した中心位置ではなく、オフセットした位置に設けるとともに、そこから、フラップ部分15を側方に延設することが好ましい。 この理由は、このように基材テープ10の端部から、パッド30の中心までの長手方向距離を異ならせることにより、使い勝手を向上させることができるためである。 したがって、例えば、短い方で、迅速に巻くとともに、長い方で、指先に複数回巻き重ねることができ、結果として、除光液を含浸させたパッド30をネイル装飾上に迅速に押し当てて、安定的に、保持することができる。 また、図3(d)に示すように、パッド30の両側部分の基材テープ10に、ミシン目13を形成することも好ましい。 この理由は、このようにミシン目13を形成することにより、使用者が、指先のサイズや種類に合わせて、使い易い大きさに基材テープ10をカットした上で、ネイル装飾除去テープ5dを使用することができるためである。 したがって、ミシン目13を形成することにより、ネイル装飾除去テープ5dの利便性を向上させることができる。 その上、基材テープ10をミシン目13に沿ってカットして得られる余剰のテープ部分を再利用することができ、指先のネイル装飾除去テープ5dの巻き重なり部分に貼り付ければ、指先における気密性をより確保することができる。 また、図4(a)に示すように、基材テープ10の端部からフラップ部分15を一方側に延在させ、かつ、当該基材テープ10の端部に、概四角形のパッド30を設けて、L字状のネイル装飾除去テープ5eを構成することが好ましい。 この理由は、このような平面略L字形状のネイル装飾除去テープ5eであれば、使用時におけるパッド30に対する指先の位置合わせや、巻き作業が容易になるためである。 また、このような形状のネイル装飾除去テープ5eであれば、製造時において、基材テープ10における所定位置へ、パッド30を載置する際の位置合わせ作業や基材テープ10の切断等の作業が容易になるためである。 したがって、L字状のネイル装飾除去テープ5eを構成することにより、ネイル装飾除去作業をより単純化することができる上に、より効率的に製造することができる。 また、図4(b)に示すように、基材テープ10の少なくとも片側に形成するフラップ部分15を半円形状とすることが好ましい。 この理由は、フラップ部分15の面積を増加させ、指の大きさにかかわらず、気密性に富んだネイル装飾除去テープ5fを得ることができるためである。 すなわち、フラップ部分15をパッド30に向かって折り曲げた際に、フラップ部分15における指先の背面部分に接触しない領域を、指の側面に沿って爪側に折り込んだ上で、当該ネイル装飾除去テープ5fを指に巻き付けることができる。 また、フラップ部分15が半円形状であれば、矩形状である場合と比較して、角部が引っ掛かってネイル装飾除去テープ5fが不測的に塑性変形してしまうことを回避することができ、ネイル装飾除去テープ5fの取り扱い性を向上させることができる。 また、図4(c)に示すように、フラップ部分15の平面形状を概三角形状とするとともに、ネイル装飾除去テープ5gの平面形状についても、概三角形状とすることが好ましい。 この理由は、フラップ部分15の面積が比較的大きいネイル装飾除去テープ5gを得ることができる上に、基材テープ10の切断パターンを単純化させることができるためである。 したがって、被覆した指先における気密性を向上させることができる上に、基材テープ10の切断が容易になり、効率的にネイル装飾除去テープ5gを製造したり、切断によって、排除される基材テープ量を少なくしたりすることができる。 3. 粘着剤層(1)種類 また、図1に示す粘着剤層20を構成する粘着剤の種類については、特に制限されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール系樹脂等の一種単独、または二種以上の組み合わせが挙げられる。 そして、これらの粘着剤を架橋させるための架橋剤を、粘着剤の全体量100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲で配合することも好ましく、1〜10重量部の範囲で配合することもより好ましい。 この理由は、このような架橋剤を所定量配合することにより、粘着剤の凝集力、粘着力、耐久性、耐溶剤性等を、所定範囲に調整したり、向上させたりすることができるためである。 特に、パッド30に、吸収させた除光液によって、粘着剤の一部が溶解するおそれがあり、通常の放置時間では大した問題とならないものの、長時間放置される場合には、このような架橋剤を配合して、粘着剤層20の耐溶剤性等を、向上させておくことが好ましい。 (2)厚さ また、粘着剤層20の厚さについても特に制限されるものではないが、通常、5〜150μmの範囲内の値であることが好ましい。 この理由は、かかる粘着剤層20の厚さが5μm未満の値になると、粘着力が著しく低下し、指先にネイル装飾除去テープを安定的に巻き付けることが困難となる場合があるためである。 一方、粘着剤層20の厚さが150μmを超えると、指先に対する追従性が低下したり、ネイル装飾除去テープ5を巻き付けた指先の自由度が著しく低下したり、さらには、安定的に製造することが困難となる場合があるためである。 したがって、粘着剤層20の厚さを10〜80μmの範囲内の値とすることがより好ましく、さらには、15〜40μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。 (3)構造 また、粘着剤層20の構造についても特に制限されるものではないが、例えば、図2に示す範囲Aの拡大断面図である図5(a)に示すように、パッド30側の第1粘着剤層20aと、支持層20bと、基材シート10側の第2粘着剤層20cと、を順次に備えた三層構造であることが好ましい。 この理由は、パッド30に染み込ませた除光液によって粘着剤層20を構成する樹脂が溶かされて漏れ出てしまうことを防止できる上に、ネイル装飾除去テープ5の耐久性や機械的強度を向上させることができるためである。 また、かかる支持層20bの種類は、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム等、耐溶剤性を有し、かつ、所定の機械的強度を有する材料が挙げられる。 また、支持層20bの厚さについても特に制限されるものではないが、通常、1〜100μmの範囲内の値であることが好ましい。 この理由は、支持層20bの厚さが1μm未満の値になると、ネイル装飾除去テープ5の耐久性や機械的強度を向上させる機能を十分に発揮できないばかりか、パッドに染み込ませた除光液による樹脂の溶解を確実に防止できなくなる場合があるためである。 一方、支持層20bの厚さが100μmを超えると、ネイル装飾除去テープ5の折り曲げ性が低下して、指先に対する追従性が低下する場合があるためである。 したがって、支持層20bの厚さを3〜50μmの範囲内の値とすることがより好ましく、さらには、5〜10μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。 なお、粘着剤層20が、上述のように、第1粘着剤層20a、支持層20b、および第2粘着剤層20cを含んでなる三層構造である場合、かかる第1粘着剤層20a、支持層20b、および第2粘着剤層20cの合計厚さを、粘着剤層の厚さとすることができる。 また、粘着剤層20を、図5(b)に示すように、一層の粘着剤層20dから構成することも好ましい。 この理由は、かかる粘着剤層20dであれば、上述の三層構造を有する粘着剤層20と比較して、経済的に有利である上に、その構造が単純であるから、ネイル装飾除去テープを効率的に製造できるためである。 また、一層構造の粘着剤層20dを備えたネイル装飾除去テープ5は、上述のような多層構造の粘着剤層20を備えたネイル装飾除去テープ5と比較して、指先への追従性を最大限に発揮することができる。 4. パッド(1)種類 また、図1に示すパッド30の構成材料についても特に制限されるものではないが、通常、レーヨン繊維、コットン繊維、キュプラ繊維、パルプ繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリウレタン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の少なくとも一種からなる織布あるいは不織布であることが好ましい。 この理由は、このような繊維材料からなるパッド30であれば、除光液を吸収しやすいばかりか、吸収させた除光液によって侵される可能性が少なく、その上、所定のクッション性や耐久性等が得られるためである。 (2)厚さ また、パッド30の厚さについても特に制限されるものではないが、通常、30〜3,000μmの範囲内の値であることが好ましい。 この理由は、かかるパッド30の厚さが30μm未満の値になると、耐久性が著しく低下する場合があるためである。 したがって、例えば、指先にネイル装飾除去テープ5を巻き付ける最中に、そのネイル装飾除去テープ5が破れてしまう場合があるためである。 一方、パッド30の厚さが3,000μmを超えると、指先に対する追従性が低下したり、ネイル装飾除去テープ5を巻き付けた指先の自由度が著しく低下したりする場合があるためである。 したがって、パッド30の厚さを50〜500μmの範囲内の値とすることがより好ましく、さらには、100〜200μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。 (3)目付け また、パッド30の目付けについても特に制限されるものではないが、通常、30〜700g/m 2の範囲内の値であることが好ましい。 この理由は、かかる目付けが30g/m 2未満の値になると、当該パッド30を構成する繊維が少ないために、吸水性が著しく低く、除光液を染み込ませることが困難になる場合があるためである。 一方、かかる目付けが700g/m 2を超えると、パッド30の重量が大きくなり、指先に巻いたときに使用者に対して、相当の重量感を与える場合があるためである。 したがって、パッド30の目付けを50〜500g/m 2の範囲内の値とすることがより好ましく、さらには、100〜300g/m 2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。 なお、本明細書において、目付けとは、単位面積あたりの重量を意味している。 すなわち、繊維集合体における繊維径や繊維の厚さが一定である場合であっても、目付けに比例して、その繊維集合体の重量が大きくなり、また、強度も高くなるために、かかる目付けは、ネイル装飾除去テープを構成する上での考慮要素の一つとなるのである。 5. フラップ部分(1)機能 図1に示すフラップ部分15によって、粘着剤層20を備えた基材テープ10を、ネイル装飾を有する指先に巻きつけた場合であっても、指先の背面部分に対して、粘着剤層が直接接触するのを有効に防止することができる。 したがって、ネイル装飾除去テープ5として、良好な使用感を得ることができる。 また、ネイル装飾除去テープ5を指に巻きつけた場合、基材テープ10がフラップ部分15と、直接接触することになり、両者の間で容易に塑性変形することから、その部分において、さらに良好な気密性を得ることができる。 さらに、パッド30に吸収させた除光液によって、ネイル装飾を膨潤させる際の放置時間の間に、所定のフラップ部分15が、指先の背面部分を覆っていることから、パッド30から染み出た除光液が、指先の背面部分まで到達することがなく、良好な使用感を維持することができる。 その上、フラップ部分15を、ネイル装飾除去テープ5のつまみ部(取り扱い部)として使用することもでき、かかるネイル装飾除去テープ5の使い勝手性がさらに良好となる。 (2)大きさ また、このような機能を発揮するフラップ部分15の大きさについても特に制限されるものではないが、例えば、ネイル装飾除去テープ5の短手方向に沿ったフラップ部分15の長さを、ネイル装飾除去テープ5の幅と同一とするか、あるいは、ネイル装飾除去テープ5の幅よりも、長くすることが好ましい。 この理由は、このように構成することにより、フラップ部分15によって、指先の背面部分を十分に保護できるとともに、基材テープ10との十分な重なりが確保されることから、更に優れた機密性や使用感を得ることができるためである。 なお、通常、ネイル装飾除去テープ5の短手方向に沿ったフラップ部分15の大きさ、すなわち、横方向への出っ張り部分の長さを5〜50mmの範囲内の値とすることが好ましく、10〜40mmの範囲内の値とすることがより好ましく、さらには、20〜30mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。 (3)形状 また、図1に示すフラップ部分15の形状(平面形状)についても、特に制限されるものではないが、例えば、長方形、正方形、三角形、多角形、楕円形、半円形、異形とすることができる。 (4)非粘着剤領域 また、図1に示すように、図1に示すフラップ部分15に、非粘着剤領域11を有することを特徴とする。 すなわち、かかる非粘着剤領域11を有することによって、粘着剤層20を備えた基材テープ10を、ネイル装飾を有する指先に巻きつけた場合であっても、指先の背面部分に対して、粘着剤層20が直接接触するのを有効に防止でき、ネイル装飾除去テープ5として、良好な使用感を得ることができるためである。 また、かかる非粘着剤領域11を有することによって、指(指先の背面部分)との間の摩擦が少なくなって、使用後に、ネイル装飾除去テープ5を円滑に指から脱離することができるためである。 ここで、かかる非粘着剤領域11は、フラップ部分15の全面に設けてあっても、部分的に設けてあっても良い。 また、非粘着剤領域11は、粘着剤層20と比較して、粘着力が低く、指にまとわりつかない程度であれば十分であって、必ずしも粘着剤層20を形成しない領域とする必要はない。 したがって、基材テープ10の表面に形成する粘着剤層20を延在させて、フラップ部分15にも形成するとともに、その表面に剥離処理を施したり、フィルムを積層したり、さらには、後述するように、フラップ部分用パッド30aを載置して、非粘着剤領域11を形成しても良い。 (5)態様 また、フラップ部分15の態様として、図1に示されるように、基材テープ10の側方から延在して設けられているとともに、基材テープ10を構成するアルミニウム材料から、一体的に構成されていることが好ましい。 この理由は、このように構成することにより、部品点数が少なくなって経済的であるばかりか、アルミニウム材料からフラップ部分15が構成されていることより、指先の周辺において、更に優れた気密性が確保されるためである。 (6)変形例 また、フラップ部分15の変形例として、基材テープ10の片側または両側に設けられる当該フラップ部分15の数は制限されないが、通常、フラップ部分15の数(合計数)を1〜5個の範囲内の値とすることが好ましい。 この理由は、フラップ部分15の数が5個を超えると、ネイル装飾除去テープ5を指に巻き付ける作業が困難になったり、アルミニウム材料から基材テープを加工する工程が複雑化したりするためである。 したがって、フラップ部分15の数を1〜3個の範囲内の値とすることがより好ましく、さらには、1〜2個の範囲内の値とすることがさらに好ましい。 また、具体的に、図6(a)に示されるように、パッド30を挟んで、基材テープ10の両側方からそれぞれ延在して、計二つのフラップ部分15(15a、15b)を設けたネイル装飾除去テープ5hとすることも好ましい。 この理由は、このように複数のフラップ部分15(15a、15b)を備えることによって、指先の周辺において、更に優れた気密性や使用感が確保されるためである。 また、図6(b)に示されるように、パッド30を挟んで、基材テープ10の両側方からそれぞれ延在して設けたフラップ部分15(15a、15b)のうち、一方のフラップ部分15aに非粘着剤領域11を設けるとともに、もう一方のフラップ部分15bに、粘着剤層20を形成したネイル装飾除去テープ5iとすることが好ましい。 この理由は、非粘着剤領域11を有するフラップ部分15aのみならず、粘着剤層20を形成したフラップ部分15bをさらに設けることにより、指への巻付け性が向上し、指先の周辺において、更に優れた気密性や使用感が確保されるためである。 すなわち、非粘着剤領域11を有するフラップ部分15aによって、指先の背面部分に粘着剤層が直接接触するのを防止しながらも、粘着剤層20を形成したフラップ部分15bを貼り付けて、ネイル装飾除去テープ5iを指先から外れ難くすることができる。 さらにまた、図6(c)に示されるように、基材テープ10の側方から延在して設けられているフラップ部分15に、基材テープ10上のパッド30とは別体であるフラップ部分用パッド30aを設けたネイル装飾除去テープ5jとすることも好ましい。 この理由は、このようなフラップ部分用パッド30aを備えることによって、所定のクッション性が得られるとともに、基材テープ10上のパッド30に染み込ませた除光液がフラップ部分用パッド30aに染み渡ってしまうことを防止でき、さらに、基材テープ10上のパッド30から、ネイル装飾の除光液が仮に流出したとしても、フラップ部分用パッド30aが吸収することができるためである。 したがって、このようなフラップ部分用パッド30aを備えることによって、さらに良好な使用感を得ることができる。 なお、フラップ部分用パッド30aは、基材テープ10上のパッド30と、別構成材料から構成することもできるが、同一構成材料から構成することがより好ましい。 これにより、ネイル装飾除去テープの製造時に、基材テープ10上のパッド30を所定場所に載置する際に、同時に、フラップ部分用パッド30aを載置することができる。 そして、フラップ部分用パッド30aを設ける場合、当該フラップ部分用パッド30aが、フラップ部分15に対して粘着固定されるように、基材テープ10上の粘着剤層20を、フラップ部分15にまで、延在させておくことが好ましい。 その場合、フラップ部分用パッド30aが、フラップ部分15における非粘着剤領域11となる。 6. 剥離シート また、図1に示されるように、剥離シート40(40a,40b)は、粘着剤層20に対して、仮接着される部材である。 すなわち、このように剥離シート40を備えることにより、粘着剤層20の粘着性能の低下を抑えることができ、ひいては、保存や持ち運びに耐え得るネイル装飾除去テープ5を得ることができる。 したがって、剥離シート40は、シリコーン材料やフッ素材料等の剥離剤を塗布した紙やプラスチックフィルムであることが好ましい。 また、剥離シート40(40a,40b)は、図1に示すように、パッド30の両側でそれぞれ仮接着する構成であることが好ましい。 この理由は、使用時において、当該剥離シート30を仮接着した状態で、除光液をパッド30に吸収保持させることができるためである。 よって、誤ってパッド30の両側部分に除光液を滴下してしまったとしても、その除光液を剥離シート40上で拭き取ったり、そのまま剥離シート40を剥がして除光液を除去したりすることができる。 その上、剥離シート40のそれぞれがパッド30の両側で仮接着した構成であるから、使用時において、当該剥離シート40を容易に剥がすことができる。 したがって、さらに良好な取り扱い性を得ることができる。 但し、剥離シート40についても各種変形が可能であって、スリットによりパッド30の中心で二つ割りした構成であっても良く、スリットが設けられておらず一枚から構成してあっても良く、あるいは多数のスリットが入れられて、三つ以上に分割されていても良い。 7. 使用方法 次いで、図7(a)〜(e)、及び図8(a)〜(c)を参照して、フラップ部分15を有するネイル装飾除去テープ5の使用方法について説明する。 まず、図7(a)に示すように、所定形状のネイル装飾除去テープ5から剥離シートを除去した後、パッド30に対して、ネイル装飾の除光液を、スポイト等を用いて滴下して、吸収させる。 その際、数滴程度の除光液、より具体的には、0.05〜0.5cm 3程度の除光液であっても、指先における気密性が優れていることから、ネイル装飾を効率的に膨潤させて、除去できることが判明している。 次いで、図7(b)に示すように、ネイル装飾が施してある指先45をパッド30の中央付近に載置した後、パッド30に向かってフラップ部分15の一点鎖線Lで表される仮想線に沿って折り曲げる。 すなわち、このようなフラップ部分15が設けてあることより、後述するように、粘着剤層20を備えたネイル装飾除去テープ5を指に巻きつけた場合であっても、指先の背面部分に対して、粘着剤層20が直接接触するのを有効に防止でき、良好な使用感を得ることができる。 また、ネイル装飾除去テープ5を指に巻きつけた場合、基材テープ10の一部と、フラップ部分15とが、直接接触することになり、両者の間で容易に塑性変形することから、その部分において、さらに良好な気密性を得ることができる。 なお、図示しないものの、ネイル装飾が施してある指先45に対して、その上方でネイル装飾除去テープ5のパッド30を位置合わせし、次いで、ネイル装飾除去テープ5を下降させて、パッド30の中央付近に指先を載置した後、フラップ部分15をパッド30に向かって折り曲げることも好ましい。 次いで、図7(c)に示すように、ネイル装飾が施してある指先45の両側に位置する基材テープ10を、矢印の方向に指に巻きつける。 すなわち、指先の両側に位置するネイル装飾除去テープ5が所定長さを有していることから、通常の使用者の親指から、小指まで、十分に巻きつけることができるように構成してある。 次いで、図7(d)に示すように、ネイル装飾が施してある指先45に巻きつけたネイル装飾除去テープ5を、矢印の方向に均一に加圧しながら、指先に対してなじませる。 すなわち、このように加圧し、図8(a)に示すように、被覆状態の形を整えることにより、ネイル装飾除去テープ5における基材テープ10が容易に塑性変形することから、ネイル装飾が施してある指先45を包囲した状態で、良好な気密性を得ることができる。 そして、除光液を保持したパッド30が、ネイル装飾が施してある指先と接触した状態で、周囲から加圧されることにより、ネイル装飾の膨潤が加速される。 なお、このネイル装飾除去テープ5に対する加圧は、図8(b)に示すように、別の指を用いて行うことができる。 さらにまた、図8(c)に示すように、別の指を用いることなく、ネイル装飾除去テープ5を巻いた状態の指先が収容できるキャップ14を用いて、行うことも可能である。 次いで、図7(e)に示すように、ネイル装飾除去テープ5を巻きつけた指先45を、そのまま所定時間放置し、除光液によるネイル装飾の膨潤を進行させる。 したがって、図示しないものの、所定時間経過した後、ネイル装飾除去テープ5を除去するに際して、所定のフラップ部分15を介して、粘着剤層20を備えた基材テープ10を指に巻きつけてあることから、指先から容易に脱離することができる。 その上、所定のフラップ部分15を介して、粘着剤層20を備えた基材テープ10を指に巻きつけてあることから、優れた気密性が得られ、十分に膨潤しており、ネイル装飾もまた、容易に剥離除去することができる。 そして、放置時間の間にも、所定のフラップ部分15が、指先の背面部分を覆っていることから、パッド30から染み出た除光液が、指先の背面部分まで到達することがなく、良好な使用感を維持することもできる。 [第2の実施形態] 第2の実施形態は、指先のネイル上に施されたネイル装飾を除去するためのネイル装飾除去テープの製造方法であって、アルミニウム材料から構成された基材テープを準備する工程と、基材テープの表面に、粘着剤層を形成する工程と、当該粘着剤層を介して、基材テープ上に、ネイル装飾の除光液を吸収保持するためのパッドを設ける工程と、基材テープ、粘着剤層およびパッドを含む積層体を、所定形状に切断する工程と、基材テープの少なくとも片側に、パッドに向かって折り曲げて使用されるフラップ部分を設けるとともに、当該フラップ部分に非粘着剤領域を設ける工程と、を含むことを特徴とするネイル装飾除去テープの製造方法である。 以下、図9を参照しながら、第2の実施形態のネイル装飾除去テープ5の製造方法を説明する。 なお、図中、同じ符号を付してあるものについては、第1の実施形態で説明したのと同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。 1. 準備工程 準備工程は、アルミニウム材料から構成された基材テープ10を準備する工程である。 図9においては、ロール状にしたアルミニウム材料から構成された基材テープ10を準備して、製造装置100における所定位置に配置してある。 ここで、基材テープ10としては、市販のアルミニウム箔をテープ状に加工しても良いし、アルミニウムプレートを圧延加工して、所定厚さのテープ状のアルミニウム箔としても良い。 また、この段階において、工程紙や工程フィルム、さらには、粘着剤付き工程紙や工程フィルムを使用することにより、アルミニウム材料から構成された基材テープを、損傷させることなく、容易に使用することができる。 さらに、フラップ部分15は、基材テープ10の片側または両側に設けてあり、その数についても特に制限されることなく、例えば、1〜5個の範囲で設けてあることが好ましい。 なお、基材テープ10を準備する工程において、基材テープ10が、必ずしも最終形態のフラップ部分15を既に有している必要はなく、将来的にフラップ部分15となる想定箇所を含んでいれば良い。 また、基材テープ10を準備する工程において、表面が非粘着性のアルミニウム箔等を準備するものの、この時点においては、将来的に、粘着剤層20を形成するための適当箇所を有する基材テープを準備すれば良い。 すなわち、かかる準備工程において、所定のフラップ部分15を既に有する基材テープ10を準備してもよいし、後述する切断工程において当該基材テープ10を切断することを考慮して、将来的にフラップ部分15となる想定箇所を含んだ基材テープ10を準備してもよい。 また、第1の実施形態で説明したように、基材テープ10の上に、エンボス加工やブラスト加工、あるいは、スリット加工等を施す場合には、この準備段階で実施することが好ましい。 したがって、図9に示す製造装置100の一部に、エンボス加工装置やブラスト加工装置、あるいは、スリット加工装置等を設けることができる。 さらに、この準備工程において、表面に保護層12が設けてある基材テープ10を準備することが好ましい。 この理由は、保護層12を設けてある基材テープ10を準備し、ネイル装飾除去テープ5を製造することにより、保管時や輸送時等における塑性変形や表面傷の発生等を有効に防止することができるためである。 2. 粘着剤層の形成工程 粘着剤層20の形成工程は、基材テープ10の表面に、所定の粘着剤層20を形成する工程である。 すなわち、ナイフコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター等を用いて、将来的に基材テープ10となる、表面が非粘着性のアルミニウム箔等の表面に、粘着剤層20を直接的に形成することができる。 また、図9に示すように、所定の剥離フィルム21上に、予め粘着剤層20を形成しておき、それをラミネートして、基材テープ10の表面に、加圧転写することによって、粘着剤層20を間接的に形成することも好ましい(以下、転写法と称する場合がある。)。 この理由は、このような転写法によって、粘着剤層20を間接的に形成することにより、基材テープ10に対する機械的損傷を与えることが著しく少なくなるためである。 したがって、本発明のように、塑性変形しやすいアルミニウム材料から構成された基材テープ10を使用する場合、転写法は極めて有利な形成方法である。 3. パッドの形成工程 パッド30の形成工程は、図9に示すように、粘着剤層20を介して、基材テープ10の所定場所に、ネイル装飾の除光液を吸収保持するための保持体(パッド30)を設ける工程である。 かかるパッド30を設ける方法についても、特に制限されるものではなく、図示しないものの、例えば、所定の加圧装置やロボットアーム等を用いて、基材テープ10の所定場所に載置することによって、容易かつ迅速に、パッド30を設けることができる。 そして、除光液を含浸させるためのパッド30を、基材テープ10に対して、このように粘着固定してあることにより、ネイル装飾除去テープ5として構成した場合に、良好な取り扱い性を得ることができる。 4. 切断工程 切断工程は、図9に示すように、基材テープ10、粘着剤層20およびパッド30を含む積層体を、切断装置80を用いて、所定形状に切断する工程である。 すなわち、カッター、押し切り装置、所定型等の切断装置を用いて、形成した積層体につき、所定形状に切断することができる。 5. フラップ部分の形成工程 フラップ部分の形成工程は、図示しないものの、基材テープ10の少なくとも片側に、非粘着剤領域11を有するとともに、パッド30に向かって、折り曲げて使用されるフラップ部分15を設ける工程である。 すなわち、接着剤や粘着テープ等を用いて、基材テープ10の片側または両側に、所定のフラップ部分15を設けることができる。 また、別な好適な製造方法として、基材テープ10の表面に、粘着剤層20を形成する際に、所定箇所だけ粘着剤層20を形成せずに、非粘着性を有する基材テープ10の表面としておき、基材テープ10、粘着剤層20およびパッド30を含む積層体を切断する際に、基材テープ10に延長した、非粘着性を有する表面についても、所定形状に同時切断して、それをフラップ部分15とすることが好ましい。 すなわち、一体化された基材テープ10およびフラップ部分15を同時形成する際に、基材テープ10の表面に設けた非粘着剤領域11を利用して、基材テープ10の少なくとも片側に、表面が非粘着性の非粘着剤領域11を設けるとともに、パッド30に向かって、折り曲げて使用されるフラップ部分15を形成することが好ましい。 この理由は、このように実施することにより、部品点数や工程数が少なくなって、構造が単純で、かつ、安価なネイル装飾除去テープ5をさらに効率的に製造することができるためである。 なお、図9は、かかる方法によるフラップ部分15の形成を意図したものであって、基材テープ10、粘着剤層20およびパッド30を含む積層体を、切断装置80を用いて、所定形状に切断する際に、所定のフラップ部分15を同時形成することを意図している。 6. その他 図9に示すように、パッドの形成工程および切断工程の間に、粘着剤層20に剥離シート40を仮接着する工程を設けて、それを実施することが好ましい。 このように、粘着剤層20に剥離シート40を仮接着することにより、粘着剤層20の粘着性能の低下を抑えることができ、ひいては、保存や持ち運びに耐え得るネイル装飾除去テープを得ることができる。 また、図示しないものの、所定形状に切断して形成したネイル装飾除去テープ5を、1個単独または数個積層した状態で、周囲から被覆材を用いてパッケージする工程を設けて、それを実施することが好ましい。 このように、ネイル装飾除去テープ5を、ラミネート紙やプラスチック袋等を用いてパッケージすることにより、衛生的であるばかりか、容易に塑性変形しやすい基材テープ等の保護にもなる。
本発明のネイル装飾除去テープによれば、容易に塑性変形し、かつ、気体透過性が低いアルミニウム材料から基材テープを構成するとともに、その上に、粘着剤層を介して、除光液を含浸させるためのパッドを設け、さらに、基材テープの少なくとも片側に、所定のフラップ部分を設けることにより、良好な使用感や気密性が得られるとともに、使用後に脱離しやすく、その上、相当の経済性も得られるようになった。 特に、ジェルネイルの場合、紫外線硬化していることから、放置時間を比較的長くして、除光液を十分かつ均一に適用させて、膨潤させる必要があるが、本発明のネイル装飾除去テープによれば、そのような場合であっても、良好な使用感を得ることができるようになった。 また、本発明のネイル装飾除去テープの製造方法によれば、部品点数や工程数が少なくなって、構造が単純で、かつ、安価なネイル装飾除去テープをさらに効率的に製造することができるようになった。 したがって、各種ネイルあるいはジェルネイルにも十分対応できるネイル装飾除去テープやそのようなネイル装飾除去テープの効率的な製造方法を提供することが期待される。
5,5a〜5j:ネイル装飾除去テープ10:基材テープ10a:湾曲状の切欠部分11:非粘着剤領域12:保護層12a〜12c:基材テープの表面13:ミシン目14:キャップ15,15a〜15b:フラップ部分20:粘着剤層21:剥離フィルム30:パッド30a:フラップ部分用パッド40,40a〜40b:剥離シート45:指80:切断装置100:ネイル装飾除去テープの製造装置 |