本発明は、ネイルプリント装置及びネイルプリント装置の制御方法に関するものである。
従来、インクジェット方式で印刷を行う印刷ヘッドを備え、人の指の爪の表面に色や絵柄等のデザイン画像を印刷するネイルプリント装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。 インクジェット方式の印刷ヘッドは、印刷対象に対向する面に設けられたノズルからインクを吐出して記録媒体上に着弾、定着させることにより印刷を行うようになっている。
しかしながら、インクジェット方式の印刷ヘッドは、ノズルの穴径が小さいため、粒径の大きな色材を含むインクや粘性の高いインクを使用することができない等の制約がある。 このため、印刷できるネイルデザインに限界があった。 この点、従来、ペンを装着した描画ヘッドを備え、ペンの先端部を用紙(対象物)に当接させて描画を行うプロッタ方式のプリント装置が知られており、各種のインクを用いて発色のよいネイルプリントを行うネイルプリント装置として、このプロッタ方式のプリント装置を用いることが考えられる。 しかし、ネイルプリントに適用されるインクは、乾燥しやすく、慣らし書きを充分にしないと書き出しが擦れたり、ペンを長時間放置するとペン先のインクが完全に乾燥して硬化してしまい、描けなくなってしまったりすることがある。 なお、プロッタに適用されるペンは、例えば自重で被印刷面に接触するようになっており、待機位置にペン先を覆うキャップを設ければ、当該キャップ内にペン先を自重で落とし込むことができる。 しかし、単にキャップ内にペン先を落とし込んだのみでは、充分な密閉性が得られず、ペンを装着してから印刷までの間が長く開くと描き始めがかすれたり、ペンを装置に装着したまま長時間放置してしまうとペン先のインクが乾燥・硬化して使えなくなったりすることがあった。 そのため、ペンを装置に装着したまま片付けてしまうことができず、装置の使用前・使用後に、その都度ペンの装着、取外しを行わなければならないため、非常に手間がかかり面倒であるという問題がある。 本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、ペン先の乾燥を防いで、ペンを装着したまま放置しても使用時にすぐに描画することができるネイルプリント装置及びネイルプリント装置の制御方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明のネイルプリント装置は、 先端部を有し、該先端部が指の爪に接触して該爪に絵柄の描画を施す描画用具と、 前記描画用具の前記先端部を覆う形状に形成されたキャップ部材と、 前記描画用具が前記描画を行っていない非描画時において、前記描画用具及び前記キャップ部材の少なくともいずれか一方を一の方向に沿って互いに接近又は離間するように移動させ、前記指が設けられる位置とは異なる待機位置で、前記描画用具の前記先端部が前記キャップ部材に密着して該キャップ部材に覆われている状態に保持する接離機構と、 を備えることを特徴としている。 また、本発明のネイルプリント装置の印刷方法は、 指の爪に絵柄の描画を施すネイルプリント装置の制御方法において、 前記ネイルプリント装置は、先端部を有し、該先端部が指の爪に接触して該爪に絵柄の描画を施す描画用具と、前記描画用具の前記先端部を覆う形状に形成されたキャップ部材と、を有し、 前記描画用具及び前記キャップ部材の少なくともいずれか一方を一の方向に沿って互いに接近又は離間するように移動させ、 前記描画用具が前記描画を行っていない非描画時において、前記描画用具及び前記キャップ部材の少なくともいずれか一方を前記一の方向に沿って互いに接近するように移動させて、前記指が設けられる位置とは異なる待機位置で、前記描画用具の前記先端部が前記キャップ部材に密着して該キャップ部材に覆われている状態に保持することを特徴としている。
本発明によれば、ペン先の乾燥を防いで、ペンを装着したまま放置しても使用時にすぐに描画を開始することができる。
第1の実施形態におけるネイルプリント装置の正面図である。 図1におけるII−II線に沿う断面図である。 図1におけるIII−III線に沿う断面図である。 第1の実施形態におけるペンキャップ機構の側面図である。 (a)は、未キャップ状態のペンとペン押圧部材との位置関係を示す上面図であり、(b)は、(a)の未キャップ状態のペンとペン押圧部材とキャップ部材との位置関係を示す側面図である。 (a)は、キャップ状態のペンとペン押圧部材との位置関係を示す上面図であり、(b)は、(a)のキャップ状態のペンとペン押圧部材とキャップ部材との位置関係を示す側面図である。 描画状態におけるペンキャリッジ及びこれに支持されたペンを拡大した図であり、(a)は、ペンキャリッジ及びペンの側面図であり、(b)は、(a)のペンキャリッジ及びペンを矢視b方向から見た上面図であり、(c)は、(a)のペンキャリッジ及びペンを矢視c方向から見た正面図である。 本実施形態に係るネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 ペン押圧部材の一変形例を示す側面図である。 ペン押圧部材の一変形例を示す側面図である。 (a)は、第2の実施形態のネイルプリント装置における未キャップ状態のペンとペン押圧部材とペンキャップ機構との位置関係を示す側面図であり、(b)は、キャップ状態のペンとペン押圧部材とペンキャップ機構との位置関係を示す側面図であり、(c)は、ペン押圧部材の正面図である。
[第1の実施形態] 図1から図8を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置1の第1の実施形態について説明する。 なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。 図1は、ネイルプリント装置1の内部構成を示す斜視図であり、図2は図1に示されたII−II線に沿った断面を矢印方向に見て示した断面図である。 図1及び図2に示すように、このネイルプリント装置1は、ケース本体2と、このケース本体2に収容される装置本体10とを備えている。 ケース本体2の前面上部一端には、後述する描画部40のペン(描画用具)41を交換するために開閉可能に構成されたペン交換用蓋部23が設けられている。 ペン交換用蓋部23は、例えばヒンジ等を介して、図2に示すように閉状態から開状態まで回動自在となっている。 さらに、ケース本体2の一側面(本実施形態では、図1において左側面)であって後述するペン慣書部61に対応する位置には、ペン慣書部61に載置される被描画媒体(図示せず)を入れ替え可能な媒体挿出口24が形成されている。 ケース本体2の上面(天板)には操作部25(図8参照)が設置されている。 操作部25は、ユーザが各種入力を行う入力部である。 操作部25には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに描画するデザイン画像を選択するデザイン選択釦、描画開始を指示する描画開始釦等、各種の入力を行うための図示しない操作釦が配置されている。 また、ケース本体2の上面(天板)のほぼ中央部には表示部26が設置されている。 表示部26は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。 本実施形態において、この表示部26には、例えば、印刷指U1を撮影して得た爪画像(爪Tの画像を含む指画像)、この爪画像中に含まれる爪Tの輪郭線等の画像、爪Tに描画すべきデザイン画像を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜表示される。 なお、表示部26の表面にタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。 この場合には、例えば、先の尖った棒状の筆記具様であってタッチパネル表面に押し当てることにより筆記する図示しないスタイラスペンや、指先等によって表示部26の表面をタッチするタッチ操作によっても各種の入力を行うことができるように構成される。 装置本体10は、ほぼ箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置された下部機枠11と、この下部機枠11の上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている上部機枠12とを備えている。 まず、下部機枠11について説明する。 下部機枠11は、背面板111、底板112、左右一対の側板113a,113b、X方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115及び隔壁116を有する。 側板113a,113bの下端部は、底板112の左右両端部にそれぞれ連結され、側板113a,113bが底板112に対して立てられた状態に設けられている。 背面板111の下部は、前方(指挿入方向手前側)に向かって2段に窪むように形成されている。 背面板111の下端部は底板112の前端部に連結されており、背面板111は、底板112と側板113a,113bによって囲われた領域を前後に区切っている。 この窪んだ背面板111の後ろ側に形成される空間がX方向移動ステージ収容部114、Y方向移動ステージ収容部115(図2参照)となっている。 X方向移動ステージ収容部114内には、描画部40が前方(指挿入方向手前側)に移動した際に描画部40のX方向移動ステージ45が収容される。 また、Y方向移動ステージ収容部115内には、描画部40のY方向移動ステージ47が配置されている。 また、隔壁116は、下部機枠11の内部前方側の空間(背面板111、底板112及び側板113a,113bによって囲われた指挿入方向手前側の空間)を上下に区切るように下部機枠11の内側に設けられている。 隔壁116はほぼ水平に設けられ、隔壁116の左右両端部が側板113a,113bにそれぞれ連結され、隔壁116の後端部が背面板111に連結されている。 この下部機枠11には、指固定部30が一体的に設けられている。 図3を参照して、指固定部30について説明する。 図3は図1に示されたIII−III線に沿った断面を矢印方向に見て示した断面図であり、ペン41のペン先412が爪Tの表面に接触して、爪Tに描画を行うときの状態を示している。 指固定部30は、描画を施す爪Tに対応する指(以下、これを「印刷指U1」という。)を受け入れる指受入部31と、この印刷指U1以外の指(以下、これを「非印刷指U2」という。)を退避させる指退避部32とから構成されている。 指受入部31は、隔壁116の上側であって下部機枠11の幅方向のほぼ中央部に配置されている。 また、隔壁116によって下部機枠11の下側に区分けられた空間が指退避部32を構成している。 例えば、薬指の爪Tに描画を施す場合には、図3に示すように、指受入部31に印刷指U1としての薬指を挿入し、非印刷指U2であるその他の4指(親指、人差し指、中指、小指)を指退避部32に挿入する。 指受入部31は、下部機枠11の前面側(印刷指挿入方向の手前側)に開口しており、下側が隔壁116の一部を構成する指載置部116a、両側が仕切り31a、奥側が仕切り31cによって区画されている。 指載置部116aは、描画を施す爪Tの指(印刷指U1)をXY平面上に載置するものである。 また、指受入部31の上側は天井部31dによって区画されている。 天井部31dには、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tを露出させるための窓31eが形成されている。 また、隔壁116の上面であって下部機枠11の前面側の両側部には、下部機枠11の前面側を塞ぐ前壁31fが立設されている。 また、隔壁116の上面には、この前壁31fの中央部寄りの端部から前記指受入部31に向けて狭窄し、印刷指U1を指受入部31内に案内する一対のガイド壁31gが立設されている。 ユーザは指受入部31に挿入した印刷指U1と指退避部32に挿入した非印刷指U2との間に隔壁116を挟むことができる。 そのため、指受入部31内に挿入された印刷指U1が安定して固定される。 なお、本実施形態では、隔壁116の前端部に下方向に張り出した突出部116bが形成されている。 突出部116bは、手前側に向かうにつれてその厚さが漸減し、奥側に向かうにつれて漸増するテーパー部となっていてもよいし、突出部116bの厚さが、隔壁116の奥側の窪みに対して全体が厚い構造になっていてもよい。 隔壁116の前端部に突出部116bが形成されていることにより、非印刷指U2が指退避部32に挿入された際、描画済みの指の爪Tと隔壁116との間に空間が確保され、爪Tが隔壁116の下面に接触して装置側にインクが付着したり、爪Tに描画された絵柄が擦れて損なわれたりするのを防止することができる。 下部機枠11の上面であって、指受入部31の横(ケース本体2の媒体挿出口24に対応する位置であり、本実施形態では、図1において左側)には、後述する描画ヘッド42による描画可能範囲内に、後述するペン41の慣らし書きをするためのペン慣書部61が設けられている。 なお、ペン慣書部61は、下部機枠11の上面の一部が掘り下げられて形成されており、ペン慣書部61の高さが、印刷指U1が指受入部31に挿入された際の爪Tの高さとほぼ同じとなるように設けられていることが好ましい。 ペン慣書部61は、平板状の部分であり、前述のケース本体2の媒体挿出口24から挿入された図示しない被描画媒体が載置されるようになっている。 ペン慣書部61に載置される被描画媒体は、ペン先(先端部)412を慣らすことができるものであればよく、例えば紙片である。 ペン慣書部61は、ペン先412が乾いていたりインクの乗りが悪い等により書き始めがかすれたりするのを防止するために、爪Tに画像データによる描画を開始する前に被描画媒体の上にペン41を下ろして「○」や「∞」等の所定の画像を描画して慣らし書きを行い、ペン先412の状態を良好にするためのものである。 慣らし書きを行う際に描画する所定の画像は特に限定されないが、インクを無駄に使いすぎないよう、「○」や「∞」等の単純な画像であることが好ましい。 「○」や「∞」等の慣らし書きは、ペン慣書部61の範囲内で毎回少しずつずらしながら書くようにすることが好ましい。 なお、被描画媒体のほぼ全面に書いてしまったときには、表示部26に「紙を交換して下さい」等の被描画媒体の交換を促す表示画面を表示させるようにする。 この場合、ユーザが媒体挿出口24から被描画媒体を取り出して新しいものと交換することにより新しい被描画媒体に慣らし書きができる状態となる。 例えば、被描画媒体がロール紙である場合は、印刷スペースが無くなったときには、ロール紙から被描画媒体を繰り出し、新しい印刷面に慣らし書きを行えるようにする。 また、本実施形態では、ペン慣書部61の前方(指挿入方向の手前側、図2において右側)が、非描画時にペン41を待機させておく待機位置となっている。 この待機位置には、非描画時にペン41のペン先412を覆うペンキャップ機構70が設けられている。 図4は、ペンキャップ機構70を模式的に示した側面図である。 図4に示すように、ペンキャップ機構70は、ペンキャップ機構外枠71と、このペンキャップ機構外枠71内に収容されたスライド部材72とを備えている。 ペンキャップ機構70は、描画ヘッド42の幅(図1におけるX方向の長さ)とほぼ同じかそれ以上の幅を有している。 ペンキャップ機構外枠71は、スライド部材72を収容可能な箱状の部材である。 ペンキャップ機構外枠71の幅方向における少なくとも一方側の側面(図1における右側面及び左側面のうちの少なくともいずれか一方)には、ほぼ水平方向に延在して長孔711が形成されている。 スライド部材72は、内部にキャップ部材73が収容された箱状の部材であり、指挿入方向の手前側(図2、図4において右側)には、板状の突き当て部721が立設されている。 この突き当て部721は、ペン41を搭載したペンキャリッジ43が指挿入方向の手前側に移動してきたときに、ペンキャリッジ43の下部に突き当たる。 そして、ペンキャリッジ43の指挿入方向の手前側への移動に伴って、突き当て部721が指挿入方向の手前側に押圧され、これにより、スライド部材72が指挿入方向の手前側にスライド移動するようになっている。 スライド部材72の外側面であって、ペンキャップ機構外枠71に形成された長孔711に対応する位置には、突起部722が設けられている。 突起部722は長孔711に嵌め込まれており、スライド部材72は、長孔711に沿ってネイルプリント装置の前後方向(図2におけるY方向、図2、図4では左右方向)にスライド移動可能となっている。 なお、本実施形態では突起部722が2つ設けられている例を示しているが、突起部722の数はこれに限定されない。 スライド部材72内に収容されるキャップ部材73は、非描画時においてペン41の下方に位置し、所定の待機位置においてペン41のペン先412を覆うものである。 キャップ部材73は、例えば、各種合成樹脂等、ある程度の柔軟性があり、ペン先412が押し当てられた際に密着性の高い材料で形成されている。 具体的には、例えば、一般に「軟質ゴム」や「超軟質ゴム」と言われている材料で、硬度30以下の「クロロプレンゴム」「シリコーンゴム」や「ブチルゴム」を適用することができる。 キャップ部材73には、上部が開口するほぼ円筒状の孔であるペン先受入部731が、描画部40に装着されるペン41に対応する数(本実施形態では4つ)形成されている。 スライド部材72の指挿入方向の奥側(図2、図4において左側)の外側面には、ばね74の一端が取り付けられている。 ばね74の他端は、ペンキャップ機構外枠71の奥側(図2、図4において左側)の内側面に固定されており、スライド部材72は、描画時(すなわち、ペンキャリッジ43により突き当て部721が押圧されていないとき)には、図4において二点鎖線で示すように、このばね74によって指挿入方向の奥側(図2、図4において左側)に引き付けられた状態となっている。 また、ペン移動機構であるヘッド駆動部49により待機位置に移動するペン41の移動方向下流側、すなわち指挿入方向の手前側には、ペン41の上部を押圧するペン押圧部材90が固定されて設けられている。 図1及び図2に示すように、ペン押圧部材90は、上部機枠12にねじ止め固定されている。 なお、ペン押圧部材90は、描画時にペン41やペンキャリッジ43と接触しないように、描画時にペン41が移動する領域よりも手前側(指挿入方向の手前側、図2において右側)に配置されている。 図5(a)及び図5(b)、図6(a)及び図6(b)は、ペンキャリッジ43に支持されたペン41とペン押圧部材90とキャップ部材73との、ペンキャリッジ43が待機位置に移動する際の位置関係を示す図であり、図5(a)及び図6(a)は、上から見た平面図であり、図5(b)及び図6(b)は、図5(a)及び図6(a)の状態を横から見た側面図である。 図5(a)及び図6(a)に示すように、ペン押圧部材90は、描画部40に装着されるペン41の数(本実施形態では4つ)に対応して4つの押圧部91を有している。 各押圧部91は、図5(b)及び図6(b)に示すように、ペン41と対向する側が指挿入方向の奥側から手前側に向かって斜め下方向に切り欠かれており、傾斜面92が形成されている。 この傾斜面92は、ペン41が移動した際にペン41の上部に突き当たってペン41を下方向に押圧するものである。 ペン押圧部材90は、非描画時にペンキャップ機構70のキャップ部材73が待機位置に移動して来たときに、押圧部91の傾斜面92がキャップ部材73の上方に位置するように配置されている。 ペンキャリッジ43が、待機位置に移動してくる際には、図5(b)に示すように、まずペンキャリッジ43の下部がペンキャップ機構70のスライド部材72の突き当て部721に突き当たり、ペンキャリッジ43がスライド部材72を押しながらスライド部材72とともに指挿入方向の手前側に移動する。 そして、図5(a)及び図5(b)に示すように、ペン41の上端部が押圧部91の傾斜面92の下に潜り込む。 さらにそのままペンキャリッジ43が指挿入方向の手前側に移動してくると、ペン41の上端部である摘み部415が押圧部91の傾斜面92に突き当たり、ペンキャリッジ43の移動に伴い、傾斜面92の傾斜に沿って徐々に下方に押し下げられる。 このとき、キャップ部材73のペン先受入部731はペンキャリッジ43に支持されたペン41の下方に位置してペンキャリッジ43とともに移動してくる。 このため、押圧部91の傾斜面92によって押し下げられてくるペン41のペン先412が徐々にペン先受入部731内に入り込んでいく。 そして、ペン41が押圧部91によって最も下まで押し下げられた状態では、図6(a)及び図6(b)に示すように、ペン41の上端部(摘み部415)が傾斜面92の傾斜を降りきって、押圧部91の下に入り込んだ状態となる。 このとき、ペン先412は、キャップ部材73のペン先受入部731に深く押し込まれ、ペン先受入部731によって完全に密閉された状態となる。 このように、本実施形態では、非描画時において、指挿入方向手前側に移動してくるペン41をペン押圧部材90によって下方向に押し下げることによって、ペン41のペン先412がキャップ部材73に密着する位置までペン41を移動させるようになっている。 すなわち、ペン41を水平方向に移動させるペン移動機構であるヘッド駆動部49とペン押圧部材90とにより、ペン41及びキャップ部材73の少なくともいずれか一方を、ペン41及びキャップ部材73が互いに接離するように上下方向に移動させる接離機構が構成されている。 ここで、本実施形態ではペン41を上下方向に移動させる構成としたが、これに限らず、キャップ部材73を上下させるようにしてもよい。 描画部40は、描画用のペン41を備える描画ヘッド42、描画ヘッド42を支持するユニット支持部材44、描画ヘッド42をX方向(図1におけるX方向、ネイルプリント装置1の左右方向)に移動させるためのX方向移動ステージ45、X方向移動モータ46、描画ヘッド42をY方向(図2におけるY方向、ネイルプリント装置1の前後方向)に移動させるためのY方向移動ステージ47、Y方向移動モータ48等を備えて構成されている。 本実施形態において、描画ヘッド42は、それぞれ1本ずつペン41を保持するペンキャリッジ43を4つ備えている。 図7(a)〜図7(c)は、ペンキャリッジ43及びこれに支持されたペン41を拡大した図であり、図3に示したように、ペン先412が爪Tの表面に接触して、爪Tに描画を行うときの状態(描画状態)を示している。 図7(a)は、ペンキャリッジ43及びペン41の側面図であり、図7(b)は、図7(a)のペンキャリッジ43及びペン41を矢視b方向から見た上面図であり、図7(c)は、図7(a)のペンキャリッジ43及びペン41を矢視c方向から見た正面図である。 図7(a)〜図7(c)に示すように、各ペンキャリッジ43に保持されるペン41は、ペン軸部411の先端側にペン先412が設けられたものである。 ペン軸部411の内部は、各種インクを収容するインク収容部となっている。 ペン軸部411の内部に収容されるインクは、粘度や色材の粒径(粒子の大きさ)等は特に限定されず、例えば、金銀のラメ入りのインクや白色のインク、UV硬化型のインクやジェルネイル、アンダーコート用、トップコート用やマニキュア等も用いることが出来る。 ペン軸部411の他端側には、ペン軸部411よりも外側に張り出した鍔部413が形成された蓋部414が取り付けられている。 ペン軸部411及び蓋部414を形成する材料は特に限定されないが、ペン41を軽量化するために樹脂等で形成されていることが好ましい。 本実施形態において、蓋部414の上部には、手やピンセット等でつまみ易いように摘み部415が設けられており、さらに、この摘み部415には磁石に吸着するように小さな鉄片416が埋設、貼着等により設けられている。 ペン41は、例えばペン先412を爪Tの表面に押し当てることでペン軸部411内に収容されているインクが染み出して描画する、ペン先412がボールペンタイプとなったペンである。 なお、ペン41は、ボールペンタイプのものに限定されず、例えばフェルト状のペン先にインクを染み込ませて描画するサインペンタイプや、束ねた毛にインクを染み込ませて描画する筆ペンタイプのもの等であってもよい。 また、ペン先412の太さも各種のものを用意することができる。 各ペンキャリッジ421に保持されるペン41は、同じタイプのペン先412を有するペンでもよいし、異なるタイプのペン先412を有するペンであってもよい。 ペン41は後述するようにペンキャリッジ43のペン保持部437d及びペンホルダ431に上方から挿通するだけで保持されているため、ケース本体2に設けられているペン交換用蓋部23を開けて、例えば手やピンセットで摘み部415を摘む、若しくは、図示しない棒状部材の先に磁石を取り付けたものを摘み部415に近づけて鉄片416を磁石に吸着させて引き上げる等の手法により、簡易に交換が可能である。 このため、ユーザは、各ペンキャリッジ43に装着するペン41を、描画したいネイルデザインに応じてペン先412の種類やインクの種類の異なるペン41に適宜入れ替えることで、幅広いネイルデザインを実現することができる。 なお、本実施形態では、ペン41を保持するペンキャリッジ43が装置の幅方向(左右方向、図1におけるX方向)に4つ並んでいるため、ペン先412の位置がX方向(装置の左右方向)にずれているが、このずれは描画動作における1ステップの整数倍になっており、描画に使われるペン41に応じて当該ずれている分のステップ数だけ補正して描画を行うため、4つのペン41は、同じ位置に描画を行うことができるようになっている。 各ペンキャリッジ43には、ペン41をほぼ垂直に保持するペンホルダ431と、ペン41を上下移動させるためのペン上下機構432が設けられている。 ペンホルダ431は、内部にペン先412及びペン軸部411が挿通され、ペン41を保持する筒状の部分である。 ペン上下機構432は、ばね433によって前方(図2、図7(a)における右側方向)に付勢されており、ピストンのように往復運動をする円筒形のプランジャ434と、このばね433の付勢力に抗してプランジャ434を後方(図2、図7(a)における左側方向)に保持し、コイルから磁性体を押し出すプッシュ型又はコイルが磁性体を吸引するプル型のソレノイド435と、プランジャ434の移動端側に取り付けられたレバー支持軸436と、このレバー支持軸436を介してプランジャ434と連結され、固定された回転軸439に対して回動可能とされているペン上下レバー437と、ペン上下レバー437が上方向に回動するときの回転角度の上限を規制するように固定して設けられたストッパ438と、を備えている。 ペン上下レバー437は、図7(a)に示すように、短アーム437aと長アーム437bとがほぼ直角に交わるL字状の部材であり、短アーム437aの先端側にレバー支持軸436に係止される長孔437cが形成されている。 また、長アーム437bの先端側には、ペン41が挿通されるペン保持部437dが設けられている。 ペン保持部437dは、ペン41のペン軸部411及びペン先412の径よりも大きく、ペン41の鍔部413の径よりも小さい内径を有するリング状に形成されており、ペン軸部411及びペン先412を挿通させるとともに鍔部413を下側から支持するように係止している。 ペン上下レバー437における短アーム437aと長アーム437bとの交点には、ペンキャリッジ43側に固定して設けられた回転軸439が挿通されている。 本実施形態において、ソレノイド435が駆動されている状態では、図7(a)に示すように、ばね433の付勢力に抗してプランジャ434が後方に引かれた状態となり、プランジャ434のレバー支持軸436に係止されているペン上下レバー437は長アーム437bがほぼ水平となる位置で保持される。 この状態において、ペン41のペン先は、ペンキャリッジ43のペンホルダ431よりも下方に下りた状態となり、爪Tの表面や被描画媒体と接触可能な描画状態となる。 また、ソレノイド435が開放された状態では、ばね433の付勢力によってプランジャ434が前方に突出する。 このとき、プランジャ434のレバー支持軸436に係止されているペン上下レバー437は回転軸439を支点として上方向(反時計方向)に回動し、長アーム437bがストッパ438に当接して止まる。 これにより、ペン41の鍔部413が、ペン上下レバー437によって上方向に跳ね上げられる(図2参照)。 この状態において、ペン41のペン先は、ペンキャリッジ43のペンホルダ431よりも上方に上がった状態となり、爪Tの表面や被描画媒体と接触しない非描画状態となる。 このように、ソレノイド435によるプランジャ434を前後移動させる力は、回転軸439及びこれを支点として回動するペン上下レバー437によってペン41を上下移動させる力に変換される。 なお、ペン41は、ペンキャリッジ43のペンホルダ431に挿通されて保持されているのみであり、ペン上下レバー437等には固定されていないため、自重によって下方に付勢されている。 これにより、ペン41は、鍔部413がペン保持部437dの上面に接触する位置まで、ペンホルダ431に沿って自由に下降できるとともに、爪Tの表面や被描画媒体に突き当たると、ペン先412が爪Tの表面や被描画媒体に押し当てられるようになっている。 すなわち、爪Tにペン41で描画する場合、ペン先412は、爪Tの表面形状(表面の起伏等)に追従して(爪Tの曲面や高さに合わせて)、印刷指U1が載置されているXY平面に直交するZ方向(すなわち上下方向)に自由に移動可能に構成されている。 例えば、爪Tの高さの低い部分(例えば爪Tの幅方向の両端部等)に描画する場合には、ペン41は、鍔部413がペン保持部437dの上面に接触する位置近くまで下降し、爪Tの高さの高い部分(例えば、爪Tの幅方向の中央部等)に描画する場合には、ペン41は、爪Tの高さに追従して上昇し、鍔部413がペン保持部437dの上面から離間する。 ペン41の重量は数十グラムと極めて軽量であるため、ペン先412が爪Tに突き当たってもユーザが痛みを感じることはなく、また自重によりペン41の筆圧は確保されるため爪Tの上等にネイルデザインを描くことができる。 本実施形態では、このペン上下機構432を構成する部材のうち、回転軸436及びストッパ438は、ステンレス等の金属で形成されており、それ以外の部材は、樹脂等の軽量で磁石に反応しない材料で形成されている。 なお、ペン上下機構432を構成する部材の材料は、ここに例示したものに限定されない。 また、本実施形態では、ペン41を上下させるためのアクチュエータとしてソレノイド435を用いているが、ペン41を上下させるためのアクチュエータは、ソレノイド435に限定されない。 ペン41は軽量であるため、ソレノイドの他、各種小型の駆動装置によりペン41を上下させるためのアクチュエータを構成することができる。 描画ヘッド42を支持するユニット支持部材44は、X方向移動ステージ45に取り付けられたX方向移動部451に固定されている。 X方向移動部451は、X方向移動モータ46の駆動によりX方向移動ステージ45上を図示しないガイドに沿ってX方向に移動するようになっており、これにより、描画ヘッド42がX方向(図1におけるX方向、ネイルプリント装置1の左右方向)に移動するようになっている。 また、X方向移動ステージ45は、Y方向移動ステージ47のY方向移動部471に固定されている。 Y方向移動部471は、Y方向移動モータ48の駆動によりY方向移動ステージ47上を図示しないガイドに沿ってY方向に移動するようになっており、これにより、描画ヘッド42がY方向(図2におけるY方向、ネイルプリント装置1の前後方向)に移動するようになっている。 なお、本実施形態において、X方向移動ステージ45及びY方向移動ステージ47は、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48と、図示しないボールネジ及びガイドとを組み合わせることで構成されている。 本実施形態では、X方向移動モータ46及びY方向移動モータ48等により、爪Tに描画を施すペン41を備える描画ヘッド42をX方向及びY方向に駆動するヘッド駆動部49が構成されている。 また、前述のように、ヘッド駆動部49(特にヘッド駆動部49を構成するY方向移動モータ48)は、ペン41を水平方向に移動させるペン移動機構として機能し、ペン押圧部材90とともにペン41をキャップ部材73に対して接離するように上下方向に移動させる接離機構を構成する。 描画部40におけるペン41を上下移動させるためのソレノイド435、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48は、後述する制御装置80の描画制御部815(図8参照)に接続され、該描画制御部815によって制御されるようになっている。 図1及び図2に示すように、撮影部50は、上部機枠12に設けられている。 すなわち、上部機枠12には基板13が設置されており、この基板13の中央部下面には、撮像装置としてのカメラ51が2つ設置されている。 カメラ51は、例えば200万画素程度以上の画素を有するものであることが好ましい。 カメラ51は、指受入部31内に挿入されている印刷指U1の爪Tを撮影して、印刷指U1の爪Tの画像である爪画像(爪Tの画像を含む指画像)を得るものである。 本実施形態では、2つのカメラ51は、指受入部31に挿入されている印刷指U1の爪Tの幅方向にほぼ並んで設けられている。 2つのカメラ51のうち、1方のカメラ51は、指受入部31の底面に対向して設けられており、爪Tを真上から撮影するものである。 また、他方のカメラ51は、爪Tの湾曲形状に沿うように指受入部31の底面に対して僅かに傾けて配置されており、爪Tを斜め上方向から撮影するものである。 また、基板13には、カメラ51を囲むように白色LED等の照明灯(照明装置)52が設置されている。 照明灯52は、カメラ51による撮影の際に、印刷指U1の爪Tを照明するものである。 撮影部50は、このカメラ51及び照明灯52を備えて構成されている。 この撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部811(図8参照)に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。 撮影部50によって撮影された画像の画像データは、後述する記憶部82の爪画像記憶領域821に記憶される。 本実施形態では、撮像装置としての2つのカメラ51によって少なくとも2つの異なった位置・角度から爪Tを撮影することができ、少なくとも2枚の爪画像が取得される。 そして、これらの爪画像に基づいて、後述する爪情報検出部512が、爪Tの輪郭(爪Tの形状)の他、爪Tの表面の、XY平面に対する傾斜角度(以下「爪Tの傾斜角度」又は「爪曲率」という。)や爪Tの垂直位置等の爪情報を検出できるようになっている。 すなわち、例えば、爪Tの真上からの画像と、爪Tの斜め上方向からの画像と、を取り込むことにより、爪Tの輪郭だけでなく、爪Tの表面の傾斜角度を正確に検出することができる。 また、制御装置80は、例えば上部機枠12に配置された基板13等に設置されている。 図8は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。 制御装置80は、図8に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。 記憶部82には、ネイルプリント装置1を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納されている。 具体的には、記憶部82のROMには、爪画像から爪Tの形状や爪Tの傾斜角度等の爪情報を検出するための爪情報検出プログラム、描画データを生成するための描画データ生成プログラム、描画処理を行うための描画プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。 また、本実施形態において記憶部82には、撮影部50によって取得されたユーザの印刷指U1の爪Tの爪画像を記憶する爪画像記憶領域821、爪情報検出部812によって検出された爪情報が記憶される爪情報記憶領域822、及び爪Tに描画されるネイルデザインの画像データを記憶するネイルデザイン記憶領域823が設けられている。 制御部81は、機能的に見た場合、撮影制御部811、爪情報検出部812、描画データ生成部813、表示制御部814、描画制御部815等を備えている。 これら撮影制御部811、爪情報検出部812、描画データ生成部813、表示制御部814、描画制御部815等としての機能は、制御部81のCPUと記憶部82のROMに記憶されたプログラムとの共働によって実現される。 撮影制御部811は、撮影部50のカメラ51及び照明灯52を制御してカメラ51により、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像を含む指の画像(以下「爪画像」という。)を撮影させるものである。 本実施形態では、撮影制御部511は、2つのカメラ51によって異なる位置・角度(例えば、爪Tの真上と爪Tの斜め上方等)から少なくとも2枚の爪画像を取得させる。 撮影部50により取得された爪画像の画像データは、記憶部82に記憶されてもよい。 爪情報検出部812は、カメラ51によって撮影された指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像に基づいて、印刷指U1の爪Tについての爪情報を検出するものである。 ここで、爪情報とは、例えば、爪Tの輪郭(爪形状、爪Tの水平位置)、爪Tの表面の、XY平面に対する傾斜角度(爪Tの傾斜角度、爪曲率)、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置、以下「爪Tの垂直位置」又は単に「爪Tの位置」ともいう。)である。 なお、爪Tの傾斜角度(爪曲率)とは、爪Tの幅方向における水平面(すなわち、印刷指U1が載置されている指載置部116aのXY平面)に対する角度をいう。 なお、爪情報検出部812によって取得される爪情報は、爪Tの輪郭(爪形状)のみであってもよいし、ここに例示した以外の情報を含んでいてもよい。 本実施形態の爪情報検出部812は、爪画像に基づいて、これらの爪情報のうち、爪Tの輪郭(爪形状)及び爪Tの傾斜角度(爪曲率)を検出するようになっている。 具体的には、爪情報検出部812は、カメラ51により取得された印刷指U1の爪Tの爪画像から、爪Tの輪郭(形状や大きさ)、位置を検出し、この輪郭をx,y座標等で表される情報として取得する。 爪情報検出部812は、例えば、カメラ51により取得された印刷指U1の爪Tの爪画像から爪Tとそれ以外の指部分との色の違い等に基づいて爪Tの輪郭(形状)を検出するものである。 なお、爪情報検出部812が爪Tの輪郭(形状)を検出する手法は特に限定されず、ここに挙げたものに限られない。 また、爪情報検出部812は、2つのカメラ51によって撮影された少なくとも2つの爪画像に基づいて、爪Tについて爪Tの傾斜角度(爪曲率)を検出する。 すなわち、爪情報検出部812は、例えば2つのカメラ51によって異なる位置・角度(例えば、爪Tの真上と爪Tの斜め上方等)から撮影された2つの爪画像に現われる陰影の違い等からユーザの爪Tについて傾斜角度(爪曲率)を検出する。 なお、爪情報検出部812が爪Tの傾斜角度(爪曲率)を検出する手法は特に限定されず、ここに挙げたものに限られない。 描画データ生成部813は、爪情報検出部812により検出された爪情報に基づいて、描画ヘッド42により印刷指U1の爪Tに施される描画用のデータを生成する。 具体的には、描画データ生成部813は、爪情報検出部812により検出された爪Tの形状等に基づいてネイルデザインの画像データを拡大、縮小、切出し等による合せ込み処理を行い、爪Tに描画を施すためのデータを生成する。 また、本実施形態では、描画データ生成部813は、印刷対象である爪Tの傾斜角度(爪曲率)に応じて、ネイルデザインの画像データの曲面補正を行う。 表示制御部814は、表示部26を制御して表示部26に各種の表示画面を表示させるものである。 本実施形態では、表示制御部814は、例えば、ネイルデザインの選択画面やデザイン確認用のサムネイル画像、印刷指U1を撮影した指画像や指画像に含まれる爪画像、各種の指示画面等を表示部26に表示させるようになっている。 描画制御部815は、描画データ生成部813によって生成された描画データを描画部40に出力し、爪Tに対してこの描画データにしたがった描画を施すように描画部40のソレノイド435、X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48を制御する制御部である。 また、本実施形態では、描画制御部815は、描画を行っていない非描画時において、ペン41を支持するペンキャリッジ43をペン慣書部61の前方に設けられている待機位置まで移動させる。 具体的には、描画制御部815は、まず、待機位置に設けられているペンキャップ機構70に対応する位置まで、ペンキャリッジ43をX方向に移動させるようにX方向移動モータ46を制御する。 さらにY方向移動モータ48を制御して、ペンキャリッジ43がペン41の上端部が押圧部91によって最も下まで押し下げられた状態となる位置までペンキャリッジ43をY方向の手前側(指挿入方向の手前側、図2、図6(b)等において右側)に移動させる。 次に、本実施形態におけるネイルプリント装置1の動作及び使用方法について説明する。 このネイルプリント装置1により描画を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れて制御装置80を起動させる。 表示制御部814は、表示部26にデザイン選択画面を表示させる。 ユーザは操作部25の操作釦251等を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のネイルデザインの中から所望のネイルデザインを選択し、これにより、操作部25から選択指示信号が出力されて爪Tに描画すべきネイルデザインが選択される。 ネイルデザインが選択されると、制御部81は、当該選択されたネイルデザインを描画するのに必要なペン41を描画ヘッド42の所定のペンキャリッジ43にセットするよう促す指示画面を表示部26に表示させる。 例えば、赤インク、ラメ入り金インクが必要であるときは、どのペンキャリッジ43にどのインクのペン41を装着すべきかを表示部26において指示する。 ユーザは表示画面に表示された指示にしたがって、所定のペンキャリッジ43に所定の種類のペン41をセットする。 なお、ユーザがあえて指示と異なるペン41をセットして、好みの色や質感のネイルデザインを実現するようにしてもよい。 なお、ペンキャリッジ43にどの種類のペン41がセットされているかをバーコード等により制御部81が読み取ることができるように構成してもよく、この場合には、ペンキャリッジ43にセットされているペン41によって描画できるネイルデザインを表示部26のデザイン選択画面を表示させ、ユーザにその中からネイルデザインを選択させるようにしてもよい。 次に、ユーザは、印刷指U1を指受入部31に挿入し、非印刷指U2を指退避部32に挿入して、印刷指U1を固定した上で、描画スイッチを操作する。 例えば、図3では、左手の薬指が印刷指U1として指受入部31に挿入され、その他の指が非印刷指U2として指退避部32に挿入されている例を示している。 描画スイッチから指示が入力されると、描画動作を開始する前に、まず撮影制御部811が撮影部50を制御して、照明灯52により印刷指U1を照明しながら2つのカメラ51により印刷指U1を撮影させる。 これにより、撮影制御部811は、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの画像(爪画像)を少なくとも2つ取得する。 次に、爪情報検出部812は、爪画像に基づいて爪Tの輪郭(爪形状)及び爪Tの傾斜角度(爪曲率)を検出する。 爪情報検出部812により爪Tの輪郭(爪形状)及び爪Tの傾斜角度(爪曲率)が検出されると、これらの爪情報に基づいて、描画データ生成部813が、ネイルデザインの画像データの爪Tへの合せ込み処理を行う。 また、描画データ生成部813は、これら爪情報に基づいて、ネイルデザインの画像データにつき曲面補正を行う。 これにより描画データが生成される。 また、描画制御部815は、爪Tへの描画開始前に、描画部40をペン慣書部61に移動させて、ペン41を保持するペンキャリッジ43のソレノイド435を駆動させ、ペン41を描画可能状態とする。 そして、被描画媒体に「○」や「∞」等の所定の画像を描く慣らし書きを行う。 なお、慣らし書きは、選択されたネイルデザインを描画するのに必要なペン41についてのみ行ってもよいし、全てのペン41について行ってもよい。 描画データが生成され、慣らし書きも完了すると、描画制御部815は、描画データを描画部40に出力し、描画に必要なペン41を保持するペンキャリッジ43のソレノイド435を駆動させてペン41を描画可能状態とするとともに、描画データに基づいて描画ヘッド42をXY方向に適宜移動させて爪Tに描画を行わせる。 このとき、ペン41は自重により爪Tの表面に押し当てられ、爪Tの表面形状に追従して上下動しながら描画を行う。 なお、複数の指の爪Tに描画を施す場合には、1つの指の爪Tについて描画処理が終了した後、当該描画済みの爪Tの指を指受入部31から抜いて次に描画すべき爪Tの指を印刷指U1として指受入部31に挿入し、当該爪Tの爪画像を取得して、上記の処理を繰り返す。 ペンキャリッジ43にペン41が装着された後、描画が開始されるまでの間(例えば、ネイルデザインを選ぶ間等)や印刷終了後(すなわち、非描画時)には、描画制御部815は、まず、描画ヘッド42を待機位置に設けられているペンキャップ機構70に対応する位置までX方向に移動させる。 描画ヘッド42がX方向におけるペンキャップ機構70に対応する位置まで移動すると、描画制御部815は、描画ヘッド42を指挿入方向の手前側(図2におけるY方向右側)に移動させる。 このとき、描画ヘッド42のペンキャリッジ43の下部がスライド部材72の突き当て部721に突き当たると、ペンキャリッジ43がスライド部材72を押しながらスライド部材72とともに指挿入方向の手前側に水平移動する。 そして、図5(a)及び図5(b)に示すように、ペン41の上端部である摘み部415が押圧部91の傾斜面92の下に潜り込む。 さらにそのままペンキャリッジ43が指挿入方向の手前側に移動してくると、ペン41の上端部が押圧部91の傾斜面92に突き当たり、ペン41の上端部がその傾斜に沿って徐々に下方に押し下げられる。 このとき、キャップ部材73のペン先受入部731はペンキャリッジ43に支持されたペン41の下方に位置しており、押圧部91の傾斜面92によって押し下げられてくるペン先412が徐々にペン先受入部731内に入り込んでいく。 そして、ペン41の上端部が押圧部91によって最も下まで押し下げられた状態(図6(a)及び図6(b)に示す状態)において、ペン先412はキャップ部材73のペン先受入部731に深く押し込まれ、ペン先受入部731がペン先412に密着して、ペン先412が完全に密閉された状態となる。 描画を開始する際には、描画制御部815は、描画ヘッド42を指挿入方向の奥側(図2におけるY方向左側)に移動させる。 これにより、ペンキャリッジ43による突き当て部721に対する押圧が解除され、キャップ部材73を収容するスライド部材72はばね74の引っ張り力によって指挿入方向の奥側(図2におけるY方向左側)に引き戻される。 また、ペン41は、ペン押圧部材90による上からの押圧から開放され、長アーム437bがストッパ438に当接して止まる位置まで上がる。 これにより、キャップ部材73はペン先412から離間し、ペン慣書部61や描画領域に移動可能な状態となる。 なお、ペン41を交換する場合には、描画制御部815は、描画ヘッド42をペン交換用蓋部23に対応する位置まで移動させる。 この状態でユーザがペン交換用蓋部23を開けることにより、ペン41の取り出し、交換が可能となる。 以上のように、本実施形態のネイルプリント装置1によれば、非描画時には、ペンキャップ機構70のペン先受入部731にペン41のペン先412がしっかりと嵌め込まれ密閉される。 このため、ペン41を装着後、印刷開始までの時間が長くかかってしまった場合や、ペン41を装着したまま長時間放置していた場合でもペン先412のインクが乾燥したり硬化してペン41が使えなくなったりすることがない。 そして、ペン先412が乾かないため、印刷前の慣らし書きの回数も少なくて済み、短時間でペン先412の状態を調えて、かすれることなく綺麗なネイルプリントを行うことができる。 また、ペン41を装着したままネイルプリント装置1を片付け、保管しておくことができるため、印刷後にペン41を取り外したり、使用前にその都度ペンを装着したりする手間がなく、気軽にネイルプリント装置1を使用してネイルプリントを楽しむことができる。 また、非描画時には、ペン先受入部731にペン41のペン先412がしっかりと嵌め込まれ固定されているため、ペン41を装着したままネイルプリント装置1を持ち運んだり、移動する際に傾けてしまった場合でも、ペン41がペンキャリッジ43から外れたりすることがない。 また、本実施形態では、ヘッド駆動部49がペン41を水平移動させるペン移動機構として機能し、ペン41が装着されたペンキャリッジ43によりキャップ部材73を備えるスライド部材72を所定の待機位置まで押し出す。 そして、ペンキャリッジ43が移動するに連れてペン押圧部材90によってペン41が下方に押圧されてペン先412がキャップ部材73に嵌るようになっている。 このため、描画の際にペン41を移動させる機構を用いて、非描画時のペン41のペン先412をペン先受入部731にしっかり嵌め込んでキャップするキャッピングを行うことができ、別途キャップングのためのアクチュエータを設ける必要がなく、装置構成の単純化、軽量化を図ることができるとともに装置コストを低減させることができる。 また、本実施形態では、ペンキャリッジ43の移動とともにキャップ部材73が移動するように構成しているため、ペン41がペンキャリッジ43の移動とともに徐々に押し下げられる場合でも、ペン先412がキャップ部材73の縁等に当たることなく、円滑にペン先受入部731内に挿入される。 また、ペン41を用いて描画を行うため、従来のインクジェット方式の印刷ヘッドを用いる場合と比較して、粘度の高いインクや金銀のラメ入りのインクや白色のインク等のような各種の色材を含むインクを広く用いることができる。 これにより、白色等の下地を塗らなくてもインクの色を綺麗に発色させることができ、下地を塗る手間を省くことができるとともに、爪Tの地の色等を生かしたデザインも描画することができるため、描画できるネイルデザインの幅が広がる。 また、アンダーコートやトップコート等を塗る場合や、爪Tの全体に色を塗りたい場合にも、ペン先412の太いペン41や筆ペンタイプのペン41等を用いれば、迅速かつむらなく塗ることができるため、ユーザが自分で下地等を塗る手間を省くことができるとともに、塗り残しや塗りむら等の発生による画質の低下が生じず、ネイルアートを美しく仕上げることができる。 また、使用できるインクが限定されないため、ラメ入りのインクを用いた豪華なデザインや、厚み感や光沢感があり、仕上がりに高級感があるデザイン等、ネイルサロンで施されるのと同様のバリエーション豊富で美しい仕上がりのネイルプリントをネイルプリント装置1によって簡易に爪Tに施すことができる。 また、例えばUV硬化型のジェルネイル等の粘度の高いインクもが使用できるため、ネイルサロンで施されるような、持ちがよく仕上がりの美しいネイルアートを実現することができる。 また、爪情報検出部812により、爪画像に基づいて、爪情報として爪の形状等を検出するため、ユーザの爪Tに合わせて描画を施すことができ、塗り残しやはみ出しのないきれいなネイルアートを実現することができる。 なお、本実施形態では、ペン押圧部材90が、下側に傾斜面92を有するブロック状の部材である例を示したが、ペン押圧部材の構成はこれに限定されない。 例えば、ペン押圧部材は、図9に示すような板金を屈曲させて形成した曲げ板部材95でもよい。 この場合、曲げ板部材95は、指挿入方向の手前側に移動してくるペン41の上端部である摘み部415に対向する位置に、摘み部415に突き当たり、ペン41の移動に伴い摘み部415を下方に押し下げる傾斜面951を有している。 また、例えば、ペン押圧部材は、図10に示すような板ばね96でもよい。 この場合、板ばね96は、指挿入方向の手前側に移動してくるペン41の上端部である摘み部415に対向する位置に、摘み部415に突き当たり、ペン41の移動に伴い摘み部415を下方に押し下げる傾斜面961を有している。 ペン押圧部材を板ばね96で構成した場合、多少上下に余裕を持たせてもよい。 このように、ペン押圧部材を曲げ板部材95や板ばね96で構成した場合には、装置の軽量化を図ることができる。 また、本実施形態では、ペン41が摘み部415を備え、ペン押圧部材の傾斜面に突き当たるペン41の上端部が摘み部415である場合を例示したが、ペン41の構成はこれに限定されない。 ペン41にペンキャリッジ43の上端部よりも上に突出し、ペン押圧部材の傾斜面に突き当たる部分があればよく、ペン41が摘み部415を備えることは必須ではない。 また、本実施形態では、描画を開始する際(すなわち、ペン41をキャップ部材73から外す際)には、ペンキャリッジ43による突き当て部721に対する押圧が解除されることでキャップ部材73を収容するスライド部材72はばね74により指挿入方向の奥側(図2におけるY方向左側)に引き戻され、他方でペン41がペン押圧部材90による上からの押圧から開放されて、長アーム437bがストッパ438に当接して止まる位置まで上がることにより、キャップ部材73からペン先412が離間させる構成としたが、キャップ部材73からペン先412が離間させる構成はこれに限定されない。 例えば、ペン41がペン押圧部材90による上からの押圧から開放された際に、ペン41の上部に係止され、ペン41がキャップ部材73に追従するのを防止するペン係止部をさらに備えていてもよい。 このようなペン係止部を備えることにより、例えばペン先412週辺のインクがキャップ部材73に固着して、ペン先412がキャップ部材73から剥がれにくくなってしまったような場合でも、確実にキャップ部材73からペン先412離間させることができる。 また、本実施形態では、ペン押圧部材90が固定されており、ペン41が移動して来た際にその上部に突き当たってペン41を押し下げる場合を例示したが、ペン押圧部材の構成はこれに限定されない。 例えば、待機位置の上方に上下移動可能なペン押圧部材を配置し、ペン41が待機位置に移動してきた際、ペン押圧部材によりペン41の上方からペン41を押し下げるように構成してもよい。 また、待機位置よりも指挿入方向の手前側上方に指挿入方向に沿って移動可能であって、ペン41と対向する側に本実施形態で示したのと同様の傾斜面が形成されたペン押圧部材を配置し、ペン41が待機位置に移動してきた際には、指挿入方向の手前側から奥側に向かってペン押圧部材を移動させ、ペン41を傾斜面の傾斜に沿って下方向に押圧するように構成してもよい。 これらの場合には、ペン押圧部材を上下移動させるためのアクチュエータを別途備える。 また、このような構成の場合、ペン41は移動しながら徐々に押し下げられるのではなく、待機位置において真上から押し下げられる。 このため、キャップ部材73はペン41が押し下げられてくる真下に配置されていればよく、本実施形態で示したような、ペンキャリッジ43の移動とともにキャップ部材73が移動する構成とする必要がない。 このため、ペンキャップ機構を、スライド部材72等を備えない、キャップ部材73のみからなる単純な構成とすることも可能である。 [第2の実施形態] 次に、図11(a)から図11(c)を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置1の第2の実施形態について説明する。 なお、本実施形態は、ペンキャップ機構及びペン押圧部材の構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。 図11(a)及び図11(b)は、本実施形態に係るネイルプリント装置のペンキャップ機構及びペン固定部材とペン41を備える描画ヘッド42とを示す模式的な側面図である。 図11(a)及び図11(b)に示すように、本実施形態におけるペンキャップ機構75は、ペンキャップ機構外枠76と、このペンキャップ機構外枠76内に収容されたスライド部材77とを備えている。 ペンキャップ機構75は、第1の実施形態と同様に、描画ヘッド42の幅とほぼ同じかそれ以上の幅を有している。 ペンキャップ機構外枠76は、スライド部材77を収容可能な箱状の部材である。 ペンキャップ機構外枠76の幅方向における少なくとも一方側の側面には、指挿入方向の奥側から手前側に向かって上向きに傾斜する長孔761が形成されている。 スライド部材77は、内部にキャップ部材78が収容された箱状の部材であり、指挿入方向の手前側(図11(a)及び図11(b)において右側)には、板状の突き当て部771が立設されている。 この突き当て部771は、ペン41を搭載したペンキャリッジ43が指挿入方向の手前側に移動してきたときに、ペンキャリッジ43の下部に突き当たる。 そして、ペンキャリッジ43の移動に伴って突き当て部771が指挿入方向の手前側に押圧され、これにより、スライド部材77が指挿入方向の手前側にスライド移動するようになっている。 スライド部材77の外側面であって、ペンキャップ機構外枠76に形成された長孔761に対応する位置には、突起部772が設けられている。 突起部772は長孔761に嵌め込まれており、スライド部材77は、長孔761に沿ってネイルプリント装置の前後方向(指挿入方向の前後、図11(a)及び図11(b)では左右方向)にスライド移動可能となっている。 そして、指挿入方向の奥側から手前側に向かってスライド移動する際には、スライド部材77は、長孔761の傾斜に沿って、指挿入方向の奥側から手前側に向かって徐々に上方向に上昇し、指挿入方向の手前側から奥側に向かってスライド移動する際には、スライド部材77は、長孔761の傾斜に沿って、指挿入方向の手前側から奥側に向かって徐々に下方向に下降する。 なお、本実施形態では突起部772が2つ設けられている例を示しているが、突起部722の数はこれに限定されない。 スライド部材77内に収容されるキャップ部材78は、非描画時においてペン41の下方に位置し、所定の待機位置においてペン41のペン先412を覆うものである。 キャップ部材78を形成する材料は第1の実施形態と同様である。 キャップ部材78には、上部が開口するほぼ円筒状の孔であるペン先受入部781が、描画部40に装着されるペン41に対応する数(例えば4つ)形成されている。 スライド部材77の指挿入方向の奥側(図11(a)及び図11(b)において左側)の外側面には、ばね79の一端が取り付けられている。 ばね79の他端は、ペンキャップ機構外枠76の奥側(図11(a)及び図11(b)において左側)の内側面に固定されており、スライド部材77は、描画時(すなわち、ペンキャリッジ43により突き当て部771が押圧されていないとき)には、図11(b)において二点鎖線で示すように、このばね79によって指挿入方向の奥側(図11(a)及び図11(b)において左側)に引き付けられた状態となっている。 本実施形態では、非描画時において、指挿入方向手前側に移動してくるペン41を、後述するペン固定部材97により上下方向に移動しないようにした状態で、キャップ部材78を上方向に押し上げて、ペン固定部材97で上下方向に移動しないようにされた状態のペン41のペン先412にキャップ部材78を押し当てるようになっている。 具体的には、ペン41を水平方向に移動させるペン移動機構であるヘッド駆動部49とペンキャップ機構75とにより、キャップ押上機構が構成されており、このキャップ押上機構がペン41及びキャップ部材78の少なくともいずれか一方(本実施形態ではキャップ部材78)を、ペン41及びキャップ部材78が互いに接離するように上下方向に移動させる接離機構を構成している。 また、ヘッド駆動部49により待機位置に移動するペン41の移動方向下流側、すなわち指挿入方向の手前側には、ペン41に突き当たりペン41の上下方向の位置を固定するペン固定部材97が設けられている。 ペン固定部材97は、例えば、上部機枠12にねじ止め固定されている。 なお、ペン固定部材97は、描画時にペン41やペンキャリッジ43と接触しないように、描画時にペン41が移動する領域よりも手前側(指挿入方向の手前側、図11(a)及び図11(b)において右側)に配置されている。 第1の実施形態と同様に、ペン固定部材97は、描画部40に装着されるペン41の数(例えば4つ)に対応して4つの固定部970を有している。 図11(c)は、1つの固定部970を、図11(a)及び図11(b)における左側から見た平面図である。 各固定部970は、図11(a)から図11(c)に示すように、ペン41と対向する側が指挿入方向の奥側から手前側に向かって斜め下方向に切り欠かれており、傾斜面971が形成されている。 また、各固定部970には、この傾斜面971及び固定部970の下側面に開口し、指挿入方向の奥側から手前側に延在する案内溝972が形成されている。 案内溝972は、ペン41の上端部である摘み部415よりも僅かに大きい寸法となっている。 なお、摘み部415の形状は図示例に限定されない。 例えば、球状の摘み部等であってもよく、この場合には、案内溝972も摘み部の形状に合う形状に形成する。 ペン固定部材97は、ペン41が指挿入方向の奥側から手前側に向かって待機位置に移動してきたときに、案内溝972がペン41の摘み部415に対応する位置にくるよう配置されている。 待機位置において、ペン41の摘み部415は、この案内溝972内に挿入され、ペン41の上下方向の位置が固定されて、ペン41の上下方向の移動が規制されるようになっている。 なお、本実施形態において傾斜面971が形成されていることは必須ではないが、傾斜面971が設けられていることにより、摘み部415の位置が案内溝972よりも多少上側にずれていた場合でも、摘み部415が傾斜面971に突き当てられて、傾斜面971に沿って押し下げられ、案内溝972まで案内されるため、摘み部415が案内溝972内に挿入されやすい。 本実施形態において、案内溝972は、接離機構がペン41及びキャップ部材78の少なくともいずれか一方(本実施形態ではキャップ部材78)を他方(本実施形態ではペン41)に対して離間させる際に、ペン41の上部に係止され、ペン41がキャップ部材78に追従するのを防止するペン係止部として機能する。 なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。 次に、本実施形態におけるネイルプリント装置の作用について説明する。 なお、印刷動作については第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。 印刷終了後や、ペン41をセット後すぐに印刷が開始されないときは、描画制御部は、ペンキャリッジ43を待機位置に移動させる。 このとき、ペンキャリッジ43を指挿入方向の手前側に移動させると、図11(a)に示すように、ペンキャリッジ43の下部がスライド部材77の突き当て部771に突き当たり、ペンキャリッジ43がスライド部材77を押しながらスライド部材77とともに指挿入方向の手前側に移動する。 そして、図11(b)に示すように、ペン41の上端部である摘み部415が固定部970の傾斜面971に形成されている案内溝972内に挿入される。 なお、摘み部415の位置が案内溝972よりも多少上方向にずれていた場合には、摘み部415が一旦傾斜面971に突き当たり、傾斜面971に沿って徐々に下方に案内されて案内溝972内に挿入される。 摘み部415が案内溝972の内部に嵌め込まれた状態において、ペン41の上下方向の位置が固定される。 このとき、キャップ部材78のペン先受入部781はペンキャリッジ43に支持されたペン41の下方に位置してペンキャリッジ43とともに移動してくる。 そして、キャップ部材78が収容されたスライド部材77は長孔761に沿って徐々に斜め上方向に押し上げられ、上下方向の位置が固定されたペン41のペン先412が徐々にペン先受入部731内に入り込んでいく。 そして、スライド部材77が長孔761を登りきった状態において、ペン先412はキャップ部材78のペン先受入部781に深く押し込まれ、ペン先受入部781によって完全に密閉された状態となる。 描画を開始する際には、描画制御部は、描画ヘッド42を指挿入方向の奥側(図11(a)及び図11(b)において左側)に移動させる。 これにより、ペンキャリッジ43による突き当て部771に対する押圧が解除され、キャップ部材78を収容するスライド部材77はばね79の引っ張り力によって指挿入方向の奥側(図11(a)及び図11(b)において左側)に引き戻される。 また、ペン41は、ペンキャリッジ43の移動に伴って徐々に指挿入方向の奥側(図11(a)及び図11(b)において左側)に移動する。 このとき、ペン41は、摘み部415がペン固定部材97の案内溝972内に挿入されており、摘み部415がこの案内溝972から完全に抜けるまでは、上下方向の位置が固定された状態となっている。 このため、キャップ部材78を収容するスライド部材77が指挿入方向の奥側に移動する際に、ペン41がキャップ部材78に追従せず、確実にペン41とキャップ部材とを離間させることができる。 なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。 以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。 すなわち、本実施形態では、ペン固定部材97によってペン41の上下方向の位置が固定される。 このため、印刷を行う際、例えばペン先412のインクがキャップ部材78に固着して、ペン先412がキャップ部材78から離れにくくなっている場合等でも、確実にペン41をキャップ部材78から外すことができる。 また、本実施形態では、ヘッド駆動部49とペンキャップ機構75とによりキャップ押上機構が構成されており、このキャップ押上機構がペン41及びキャップ部材78の少なくともいずれか一方(本実施形態ではキャップ部材78)を、ペン41及びキャップ部材78が互いに接離するように上下方向に移動させる接離機構を構成している。 このため、キャップ部材78を上下方向に移動させるためのアクチュエータ等を別途設ける必要がなく、装置構成の単純化、軽量化を図ることができ、装置コストを低減させることができる。 なお、本実施形態では、ヘッド駆動部49とペンキャップ機構75とにより接離機構であるキャップ押上機構が構成されている場合を例としたが、キャップ押上機構(接離機構)の構成はこれに限定されない。 例えば、待機位置の上方に上下移動可能なキャップ部材を配置して、ペン41が待機位置に移動して、ペン固定部材97により固定された状態において、キャップ部材を上方向に移動させ、キャップ部材をペン先412に押し当てるように構成してもよい。 この場合には、キャップ部材を上下移動させるためのアクチュエータを別途備える。 このような構成の場合、ペンキャリッジ43の移動を利用してキャップ部材を押し上げる場合と異なり、スライド部材77等を備えない、キャップ部材78のみからなる単純な構成とすることができる。 さらに、ペン固定部材97についても指挿入方向に沿って移動可能に構成してもよい。 なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。 例えば、上記各実施形態では、ペンキャップ機構が描画ヘッド42に装着されている全てのペン41に対応可能な幅を有しペン41の数に対応した数のペン先受入部を備える一繋がりの長尺のユニットである場合を例示したが、ペンキャップ機構の構成はこれに限定されない。 例えばペンキャップ機構は、描画部40に装着される各ペン41に対応して、個別に複数(本実施形態では4つ)設けられていてもよい。 また、ペン押圧部材やペン固定部材の構成は、ペン41の数に対応した複数の押圧部や固定部を備えるものに限定されず、例えば、全てのペン41の幅に対応する幅(すなわち、描画ヘッドの幅と同程度の幅)の一繋がりの押圧部や固定部を備えるものであってもよい。 なお、第2の実施形態のように、ペン固定部材の固定部に案内溝が設けられる場合には、全てのペン41の摘み部415を挿入することが可能な幅の案内溝を設ける。 このように、押圧部や固定部を一繋がりのものとした場合には、装置構成を簡易化することができ、装置コスト等を低減させることができる。 また、ペン41を上下移動させるためのペン上下機構として、ソレノイドが駆動されている状態において、ペン41が、長アーム437bがストッパ438に当接する位置まで上がっている非描画状態が維持され、ソレノイド435が開放された状態においてペン41のペン先がペンキャリッジ43のペンホルダ431よりも下方に下りた描画状態となるように構成してもよい。 ペン上下機構としてこのような構成をとった場合には、ペン41をキャップ部材から離間させる際にソレノイドを駆動させることにより、ペン係止部等を別途設けなくても、確実にキャップ部材からペン41を外すことができる。 また、上記各実施形態では、ペン慣書部61の前方(指挿入方向の手前側、図2において右側)を所定の待機位置とし、ここにペンキャップ機構が配置される場合を例示したが、待機位置及びペンキャップ機構の位置はここに例示したものに限定されない。 待機位置及びペンキャップ機構は、描画の際に描画動作を阻害しない位置に配置されていればよく、例えば、装置の幅方向における逆側(図1において右側)等に配置されていてもよい。 また、描画部40の構成は、本実施形態に示したものに限定されない。 例えば、ネイルプリント装置は、複数(例えば8つ)のペンを保持可能な回転式のペンキャリッジと、ペンキャリッジを回転させるキャリッジ回転機構と、ペンキャリッジに保持されたペンを上下移動させるためのペン上下機構とを備える描画部を備えていてもよい。 このように、描画部が複数のペンを保持可能な回転式のペンキャリッジを備える場合には、複数種類のペンを同時に保持させて描画を行うことができる。 このため、例えば、7色のインクを必要とするレインボー柄や、段階的に濃さの異なる複数のインクを必要とするグラデーション柄、各種の色を用いたアーガイル柄等、多色を必要とする複雑かつ繊細なデザインでも簡易に描画することができる。 また、本実施形態では、ペン41を上下移動させるペン上下機構としてソレノイドを用いた構成を例示しているが、ペン上下機構の構成はこれに限定されない。 例えば、ステップモータ、DCモータ、モータ及びボールネジ等により構成してもよい。 また、本実施形態では、描画ヘッド42を移動させるためのX方向移動ステージ45及びY方向移動ステージ47を、ステップモータであるX方向移動モータ46、Y方向移動モータ48と、図示しないボールネジ及びガイドとの組み合わせにより構成する例を示したが、描画ヘッド42を移動させるための構成はこれに限定されない。 X方向移動モータ46、Y方向移動モータ48は、描画ヘッド42を前後左右に随意に動かせるものであればよく、例えば、従来の安価なプリンタ等に用いられているようなシャフトやガイドとワイヤーで構成された機構を用いた構成でもよいし、サーボモータ等を用いた構成でもよい。 また、本実施形態では、ペンとしてインクにより描画するものを例示したが、描画ヘッドに装着されるペンは、インクを描画するものに限定されない。 例えば、無色や有色透明の液状糊を収容したペンを描画ヘッドに装着し、これを用いて描画した後、糊が乾く前に粉状のラメ等をふり掛けたり、ラインストーン等を貼着したりすることにより、より豪華なネイルデザインを実現することもできる。 また、香料を含んだ液体等を収容したペンを描画ヘッドに装着し、これを用いて描画を行い、香り付きのネイルプリントを楽しむことができるようにしてもよい。 また、本実施形態では、4本等、複数のペンを描画ヘッドに同時に装着できるものを例示したが、例えば、描画ヘッドに装着可能なペンを1本のみとし、必要に応じて適宜ユーザが手動でペンを交換する方式としてもよい。 このようにすればペンを備えるネイルプリント装置1を安価に実現することができる。 また、描画ヘッドに装着するペンを自動で交換する機構を実装してもよい。 この場合には、例えば複数のペンを待機位置に保持しておき、ここから自動でペンを選択して描画ヘッドに装着する。 このような構成とすれば、更に装置に保持できるペンの本数を増やすことも可能となる。 また、本実施形態では、ペンの慣書用に紙片である被描画媒体を用いる場合を例示したが、被描画媒体は紙に限定されない。 また、被描画媒体はロール状のものを用いてもよい。 この場合には、自動又は手動により被描画媒体を送り出すとともに巻き取る媒体送り機構を設ける。 また、被描画媒体はロール状のものである場合には、媒体挿出口24に代えてロール状の被描画媒体を着脱するための媒体着脱口を設ける。 また、本実施形態では、描画データ生成部813が、ネイルデザインの画像データについて曲面補正を行い、描画データを生成する場合を例としたが、描画データ生成部813が描画データを生成することは本発明の必須の構成要素ではない。 例えば、描画データを別途生成せずに、描画制御部815において、ネイルデザインの画像データをLUT(Lookup Table)等により適宜変換しつつ描画ヘッドに出力して爪形状に合った描画を行うように描画制御を行ってもよい。 また、本実施形態では、爪情報として爪Tの形状を検出し、これに基づいて描画データを生成する場合を例としたが、爪形状を検出することは本発明の必須の構成要素ではない。 例えば、爪Tの中程にワンポイント柄を描画する場合のように、描画を行う上で爪Tの輪郭を抽出することが必須でない場合であれば、正確に爪Tの形状を認識する必要はなく、爪形状の検出を行うことなく描画を行うことができる。 また、撮像装置は、静止画を撮影するカメラ51に限定されず、動画を撮影可能なものであってもよい。 この場合、カメラによって動画を撮影し、撮影された動画から、爪Tの上面の画像を適宜切り出して、爪情報の検出に用いる。 また、本実施形態では、爪画像記憶領域821、爪情報記憶領域822、ネイルデザイン記憶領域823が制御装置80の記憶部82内に設けられている場合を例としたが、爪画像記憶領域821、爪情報記憶領域822、ネイルデザイン記憶領域823は制御装置80の記憶部82に設けられている場合に限定されず、別途記憶部が設けられていてもよい。 また、本実施形態では、指を1本ずつ装置に挿入して順次印刷を行うネイルプリント装置1を例としたが、複数本の指に対して同時に印刷を行うことのできる装置に本発明を適用することも可能である。 例えば、ペンの稼動範囲を広げて描画可能範囲を大きくすることにより、複数の印刷指U1に同時に描画を施すことも可能となる。 以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。 以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。 付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。 〔付記〕 <請求項1> 先端部を有し、該先端部が指の爪に接触して該爪に絵柄の描画を施す描画用具と、 前記描画用具の前記先端部を覆う形状に形成されたキャップ部材と、 前記描画用具が前記描画を行っていない非描画時において、前記描画用具及び前記キャップ部材の少なくともいずれか一方を一の方向に沿って互いに接近又は離間するように移動させ、前記指が設けられる位置とは異なる待機位置で、前記描画用具の前記先端部が前記キャップ部材に密着して該キャップ部材に覆われている状態に保持する接離機構と、 を備えることを特徴とするネイルプリント装置。 <請求項2> 前記描画用具は一端部と他端部とを有する棒状の形状を有し、 前記先端部は前記一端部に設けられ、 前記接離機構は、 前記待機位置で前記キャップ部材の前記一の方向に沿った位置を一定に保持するキャップ部材保持部と、 前記描画用具の前記他端部に接して、前記待機位置で、前記描画用具を前記先端部が前記キャップ部材に密着している状態に保持する描画用具押圧部材と、 を有することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。 <請求項3> 前記接離機構は、前記描画用具を前記待機位置に移動させる描画用具移動機構を備え、 前記描画用具押圧部材は、前記描画用具の前記他端部に接する、所定の方向に傾斜した傾斜面を有し、 前記傾斜面は、前記描画用具移動機構による前記描画用具の前記待機位置への移動により前記描画用具が前記待機位置に近づくにつれて、前記先端部と前記キャップ部材との距離を短くする方向に傾斜していることを特徴とする請求項2に記載のネイルプリント装置。 <請求項4> 前記キャップ部材保持部は、前記描画用具移動機構による前記描画用具の前記待機位置への移動に応じて、前記キャップ部材を、前記先端部の直下に維持し、前記一の方向に沿った位置を一定に保持しながら、前記待機位置から離間した位置から該待機位置に移動させる第1キャップ部材移動機構を有することを特徴とする請求項3に記載のネイルプリント装置。 <請求項5> 前記描画用具押圧部材は、前記待機位置において、前記描画用具の前記他端部に嵌め込まれて、前記描画用具が前記一の方向に沿って移動することを規制する描画用具固定部を備えることを特徴とする請求項2に記載のネイルプリント装置。 <請求項6> 前記接離機構は、前記描画用具を前記待機位置に移動させる移動機構を備え、 前記キャップ部材保持部は、前記移動機構による前記描画用具の前記待機位置への移動により前記描画用具が前記待機位置に近づくにつれて、前記キャップ部材を、前記先端部の直下に維持しながら、前記一の方向に沿って、前記先端部と前記キャップ部材とを互いに接近させる方向に移動させる第2キャップ部材移動機構を有することを特徴とする請求項5に記載のネイルプリント装置。 <請求項7> 前記描画用具固定部は、前記接離機構が、前記キャップ部材を前記一の方向に沿って前記描画用具と前記キャップ部材とを互いに離間させるように移動させる際に、前記描画用具固定部により前記描画用具が前記一の方向に沿って移動することを規制して、前記描画用具が前記キャップ部材の移動に追従するのを防止するように設けられていることを特徴とする請求項6に記載のネイルプリント装置。 <請求項8> 指の爪に絵柄の描画を施すネイルプリント装置の制御方法において、 前記ネイルプリント装置は、先端部を有し、該先端部が指の爪に接触して該爪に絵柄の描画を施す描画用具と、前記描画用具の前記先端部を覆う形状に形成されたキャップ部材と、を有し、 前記描画用具及び前記キャップ部材の少なくともいずれか一方を一の方向に沿って互いに接近又は離間するように移動させ、 前記描画用具が前記描画を行っていない非描画時において、前記描画用具及び前記キャップ部材の少なくともいずれか一方を前記一の方向に沿って互いに接近するように移動させて、前記指が設けられる位置とは異なる待機位置で、前記描画用具の前記先端部が前記キャップ部材に密着して該キャップ部材に覆われている状態に保持することを特徴とするネイルプリント装置の制御方法。 <請求項9> 前記描画用具は一端部と他端部とを有する棒状の形状を有して、前記先端部は前記一端部に設けられ、 前記待機位置で前記キャップ部材の前記一の方向に沿った位置を一定に保持し、 描画用具押圧部材を前記描画用具の前記他端部に接触させて、前記待機位置で、前記描画用具を前記先端部が前記キャップ部材に密着している状態に保持することを特徴とする請求項8に記載のネイルプリント装置の制御方法。 <請求項10> 前記描画用具押圧部材は、前記描画用具の前記他端部に接し、前記描画用具が前記待機位置に近づくにつれて、前記先端部と前記キャップ部材との距離を短くする方向に傾斜した傾斜面を有し、 前記描画用具押圧部材の前記傾斜面を前記他端前に接触させて前記描画用具を前記待機位置へ向けて移動させて、前記描画用具が前記待機位置に近づくにつれて前記先端部と前記キャップ部材との距離を短くするように、前記描画用具を前記一の方向に沿って移動させることを特徴とする請求項9に記載のネイルプリント装置の制御方法。 <請求項11> 前記描画用具を前記待機位置へ向けて移動させているときに、前記キャップ部材を、前記先端部の直下に維持し、前記一の方向に沿った位置を一定に保持しながら、前記待機位置から離間した位置から該待機位置に移動させることを特徴とする請求項10に記載のネイルプリント装置の制御方法。 <請求項12> 前記描画用具押圧部材は、前記待機位置において、前記描画用具の前記他端部に嵌め込まれて、前記描画用具が前記一の方向に沿って移動することを規制する描画用具固定部を備え、 前記描画用具押圧部材の前記傾斜面を前記他端前に接触させて前記描画用具を前記待機位置へ向けて移動させて、前記描画用具が前記待機位置に近づくにつれて前記先端部と前記キャップ部材との距離を短くするように、前記描画用具を前記一の方向に沿って移動させる 前記描画用具を前記待機位置へ向けて移動させているときに、前記描画用具固定部により前記描画用具が前記一の方向に沿って移動することを規制しながら、前記描画用具が前記待機位置に近づくにつれて、前記キャップ部材を、前記先端部の直下に維持しながら、前記一の方向に沿って、前記先端部と前記キャップ部材とを互いに接近させる方向に移動させることを特徴とする請求項9に記載のネイルプリント装置の制御方法。 <請求項13> 前記キャップ部材を前記一の方向に沿って前記描画用具と前記キャップ部材とを互いに離間させるように移動させる際に、前記描画用具固定部により前記描画用具が前記一の方向に沿って移動することを規制して、前記描画用具が前記キャップ部材の移動に追従するのを防止することを特徴とする請求項12に記載のネイルプリント装置の制御方法。
1 ネイルプリント装置31 指受入部40 描画部41 ペン42 描画ヘッド43 ペンキャリッジ46 X方向移動モータ48 Y方向移動モータ49 ヘッド駆動部50 撮影部70 ペンキャップ機構71 ペンキャップ機構外枠72 スライド部材73 キャップ部材80 制御装置81 制御部82 記憶部90 ペン押圧部材91 押圧部92 傾斜面97 ペン固定部材815 描画制御部970 固定部972 案内溝T 爪U1 印刷指 |