本発明は、ネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷制御方法に関するものである。
従来、人の指の爪の表面に色や絵柄等のデザイン画像を印刷する印刷装置であるネイルプリント装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。 このようなネイルプリント装置では、印刷を施す領域を特定するために印刷対象である指の爪の形状等を検出することが必要となる。 このため、ネイルプリント装置に、爪を撮影するための撮像装置(カメラ)を設けて、撮影された爪画像から爪の形状等を検出することが行われている。
しかしながら、従来は撮像装置がネイルプリント装置の上部等に固定されており、位置を調整できない構造となっていた。 このため、印刷対象である指の爪が配置された位置によっては真上からの爪画像を取得できないことも起こり得る。 また、複数の指を一度にネイルプリント装置内に挿入して順次印刷を行うような場合には、印刷対象である指の爪が広い範囲に亘って配置されることから、撮像装置によって撮影すべき範囲が広くなる。 例えば、一方の手の4本の指(例えば人差し指、中指、薬指、小指)と他方の手の1本の指(例えば親指)を一度にネイルプリント装置内に挿入した場合、端部に配置された指の爪までを撮影するためには、撮像装置として撮影画像の縦横比(撮影可能な画面サイズ)が16対9のワイドタイプを用い、水平画角(すなわち、フレームの左端から右端までの画角)で105°、対角線画角(すなわち、フレームの一方の角から反対の角までの画角)で120°程度の広角のレンズを備えることが必要となる。 しかし、このように広角のレンズを用いた場合、光軸に対して傾いて入射する光は傾斜角のコサイン4乗に比例して光量が低下するというコサイン4乗則(cosine fourth law)により、画像の中心部に比べて周縁部での光量が低下してしまう。 このため、光量を補うために、端部に行くほどLED等の照明装置を多く配置する等の対処が必要となる。 例えば、端部における光の入射角度が52.5°である場合の光量はCOS(52.5°) 4 =0.13733…となり、画像の中心部における光量の約1/7となる。 このため、端部における光量を中央部と同じにするためには照明装置を7倍配置しなければならないこととなり、装置が重量化するとともに、装置コストも上昇する。 また、端部側に配置された爪の画像は、斜め方向から撮影した画像となるため、端部に行くほど傾いた画像となる。 このため、広角のレンズを用いて撮影した場合には画像の歪みが大きく、補正を行っても正確な爪の形状等を検出することが難しいという問題もある。 さらに、撮像装置や照明装置がネイルプリント装置の上部に固定されている場合には、印刷時に移動する印刷ヘッドやこれを支持するキャリッジが撮像装置や照明装置に接触しないようにする必要があり、撮像装置や照明装置の高さを印刷ヘッドやキャリッジより高くして、装置全体の高さを比較的高くする必要がある。 また、撮影可能範囲を広く取ろうとすると、爪が配置される位置から撮像装置までの距離を大きく確保しなければならず、さらに装置全体の高さ方向を高くすることが必要となり、装置全体が大型化してしまう。 この点、広い範囲を撮影できるように、撮像装置と照明装置とを複数組配置することも考えられる。 しかし、その場合、部品点数が増加して装置コストが上昇するだけでなく、回路、ソフト等も複雑化してしまい実用的でないという問題がある。 本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、装置を複雑化、大型化することなく、比較的低いコストで、爪の配置に関わらずに爪画像を適切に取得することのできるネイルプリント装置及びネイルプリント装置の印刷制御方法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明のネイルプリント装置は、 爪に印刷を施すネイルプリント装置であって、 印刷する爪を含む一つの特定の指を、予め設定された互いに異なる複数の方向から撮影して、前記爪の形状に関する爪情報を検出するための、前記爪に対応する複数の爪画像を取得する撮像装置と、 前記撮像装置に対して一定の位置に設けられ、前記撮像装置が前記爪を撮影する際に、前記爪を照明する照明装置と、 前記爪に印刷を施す印刷部と、 前記撮像装置、前記照明装置及び前記印刷部を一体的に移動させる移動機構と、 を備えることを特徴としている。 また、本発明のネイルプリント装置の印刷制御方法は、 爪に印刷を施すネイルプリント装置の印刷制御方法であって、 前記ネイルプリント装置は、指を撮影する撮像装置と、前記撮像装置に対して一定の位置に設けられて前記指の爪を照明する照明装置と、前記爪に画像の印刷を施す印刷部と、前記撮像装置及び前記照明装置を前記印刷部と一体的に移動させる移動機構と、を備え、 前記移動機構により、前記撮像装置及び前記照明装置を、前記印刷部とともに、印刷する爪を含む一つの特定の指に対して予め設定された互いに異なる複数の方向となる複数の位置に移動させ、 前記複数の位置の各々で、前記照明装置は前記爪を照明し、前記撮像装置は、前記複数の方向から前記特定の指を撮影して、前記爪に対応する複数の爪画像を取得し、 前記複数の爪画像に基づいて、前記爪の形状に関する爪情報を検出し、 前記爪情報に基づいて印刷用データを生成し、前記移動機構により、前記印刷用データに応じて前記印刷部を移動させて、前記爪に画像を印刷することを特徴としている。
本発明によれば、爪画像を取得する撮像装置が移動機構によって印刷ヘッドとともに移動可能に構成されている。 このため、装置を複雑化、大型化することなく、爪の配置に関わらずに撮像装置によって爪画像を適切に取得することができるとの効果を奏する。
第1の実施形態におけるネイルプリント装置を概念的に示した斜視図で、蓋体を開いた状態を示している。 図1のネイルプリント装置の装置本体を概念的に示した斜視図である。 図1のネイルプリント装置の装置本体の正面図である。 図3におけるIV−IV線に沿う断面図である。 図3におけるV−V線に沿う断面図である。 図3におけるVI−VI線に沿う断面図である。 本実施形態に係るネイルプリント装置の制御構成を示した要部ブロック図である。 本実施形態における印刷用データの印刷ピッチについて説明する説明図である。 第2の実施形態におけるネイルプリント装置の装置本体を概念的に示した斜視図である。 図9のネイルプリント装置の装置本体の正面図である。 図10におけるXI−XI線に沿う断面図である。 図9のネイルプリント装置における指受入部の上面図である。 ネイルプリント装置の装置本体の変形例の構成の概要を示す図である。 図13に示すネイルプリント装置の装置本体の印刷時の構成について説明する図である。
以下に、本発明に係わるネイルプリント装置について、実施形態を示して、詳しく説明する。 但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。 [第1の実施形態] まず、図1から図8を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第1の実施形態について説明する。 図1は、本実施形態におけるネイルプリント装置の外観を示す斜視図である。 図2は、ネイルプリント装置の内部構成を示す斜視図である。 図1に示すように、このネイルプリント装置1は、ケース本体2及び蓋体4を備えている。 蓋体4は、ケース本体2の上面(天板)の後端部に設けたヒンジ3を介して、ケース本体2に回動可能に連結されている。 蓋体4は、ヒンジ3を支点として、ケース本体2の天板に重ねられた状態からケース本体2の天板に対して立てられた状態(図1参照)まで回動可能となっている。 上記ケース本体2は上方から平面視した場合にほぼ長円状に形成されている。 このケース本体2の前側には開閉板5が起倒可能に設けられている。 この開閉板5は、ケース本体2の前面下端部に設けられたヒンジ(図示せず)を介して、ケース本体2に連結されている。 この開閉板5は、ケース本体2の前面を開閉するためのものである。 なお、ケース本体2及び蓋体4の形状、構成はここに例示したものに限定されない。 ケース本体2の上面(天板)には操作部22が設置されている。 操作部22は、ユーザが各種入力を行う入力部である。 操作部22には、例えば、ネイルプリント装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tに印刷するデザイン画像を選択するデザイン選択釦、印刷開始を指示する印刷開始釦等、各種の入力を行うための操作釦221が配置されている。 また、ケース本体2の上面(天板)のほぼ中央部には表示部23が設置されている。 表示部23は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。 本実施形態において、この表示部23には、例えば、指U1を撮影した画像(以下「指画像」という。)、この指画像中に含まれる爪画像(爪Tの輪郭線等の画像)、爪Tに印刷すべきデザイン画像を選択するためのデザイン選択画面、デザイン確認用のサムネイル画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜に表示される。 なお、表示部23の表面にタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。 この場合には、例えば、先の尖った棒状の筆記具様であってタッチパネル表面に押し当てることにより筆記する図示しないスタイラスペンや、指先等によって表示部23の表面をタッチするタッチ操作によっても各種の入力を行うことができるように構成される。 また、ケース本体2にはネイルプリント装置1の装置本体10が収容されている。 図3は、本実施形態における装置本体の正面図である。 図4は、図3に示されたIV−IV線に沿った断面を矢印方向に見て示した断面図である。 図2から図4に示すように、装置本体10は、ほぼ箱状に形成され、ケース本体2の内部下方に設置された下部機枠11と、この下部機枠11の上方で且つケース本体2の内部上方に設置されている上部機枠12とを備えている。 そして、これら下部機枠11及び上部機枠12には、指固定部30、印刷ユニット40、撮影部50、印刷保守部60、カートリッジ装着部70及び制御装置80(図7参照)等が設けられている。 まず、下部機枠11について説明する。 図3及び図4に示すように、下部機枠11は、背面板111、底板112、左右一対の側板113,114、カートリッジ収容部115及び隔壁116を有する。 側板113,114の下端部は、底板112の左右両端部にそれぞれ連結され、側板113,114が底板112に対して立てられた状態に設けられている。 背面板111は、底板112と側板113,114によって囲われた領域の後ろ側を塞ぐようにして底板112及び側板113,114の後部に連結されている。 背面板111の下部は、前方に窪むように形成されており、この窪んだ背面板111の後ろ側に形成される空間がカートリッジ収容部115(図4参照)となっている。 カートリッジ収容部115内には、インクカートリッジ71が装着されるカートリッジ装着部70が設けられている。 また、隔壁116は、下部機枠11の内側の空間(背面板111、底板112及び側板113,114によって囲われた空間)を上下に区切るように下部機枠11の内側に設けられている。 隔壁116はほぼ水平に設けられ、隔壁116の左右両端部が側板113,114にそれぞれ連結され、隔壁116の後端部が背面板111に連結されている。 この下部機枠11には、指固定部30が一体的に設けられている。 図3から図6を参照して、指固定部30について説明する。 図5は、図3に示されたV−V線に沿った断面を矢印方向に見て示した断面図である。 図6は、図3に示されたVI−VI線に沿った断面を矢印方向に見て示した断面図である。 指固定部30は、印刷を施す爪Tに対応する指(以下、これを「印刷指U1」という。)を受け入れる指受入部31と、この印刷指U1以外の指(以下、これを「非印刷指U2」という。)を退避させる指退避部32とから構成されている。 指受入部31は、隔壁116の上側であって、下部機枠11の幅方向のほぼ中間に配置されている。 隔壁116によって下部機枠11の下側に区分けられた空間が指退避部32を構成している。 指受入部31は、下部機枠11の前面側(手前側)に開口しており、下側が隔壁116の一部を構成する印刷指載置部116a、両側が仕切り31a,31b、奥側が爪突当て部31c、上側が天井部31dによって区画されている。 そして、この天井部31dには、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tを露出させるための窓31eが形成されている。 隔壁116の上面であって、下部機枠11の前面側の両側部には、下部機枠11の前面側を塞ぐ前壁31fが立設されている。 隔壁116の上面には、この前壁31fの中央部寄りの端部から前記指受入部31に向かって狭窄し、印刷指U1を指受入部31内に案内する一対のガイド壁31gが立設されている。 ユーザは、指受入部31に挿入した印刷指U1と、指退避部32に挿入した非印刷指U2と、の間に隔壁116を挟むことができる。 そのため、指受入部31内に挿入された印刷指U1が安定して固定される。 なお、本実施形態では、隔壁116の前端部に下方向に張り出した突出部116bが形成されている。 突出部116bは、手前側に向かうにつれてその厚さが漸減し、奥側に向かうにつれて漸増するテーパー部となっていてもよいし、突出部116bの厚さが、隔壁116の奥側の窪みに対して全体が厚い構造になっていてもよい。 隔壁116の前端部に突出部116bが形成されていることにより、非印刷指U2が指退避部32に挿入された際、印刷済みの指の爪Tと隔壁116との間に空間が確保され、爪Tが隔壁116の下面に接触して装置側にインクが付着したり、爪Tに印刷された絵柄が隔壁116の下面に接触して、擦れて損なわれたりするのを防止することができる。 印刷ユニット40は、ガイドロッド41、主キャリッジ42、ガイドロッド44、副キャリッジ45、印刷ヘッド46、移動機構47及びインクカートリッジ71等を備えて構成されており、主に上部機枠12に設けられている。 すなわち、図3及び図4に示すように、上部機枠12の両側板には、2本のガイドロッド41が平行に架設されている。 このガイドロッド41には、主キャリッジ42が摺動自在に設置されている。 主キャリッジ42の前壁42aおよび後壁42bには2本のガイドロッド44が平行に架設されている。 このガイドロッド44には、副キャリッジ45が摺動自在に設置されている。 この副キャリッジ45の下面中央部には、印刷ヘッド46が搭載されている。 本実施形態では、主キャリッジ42、副キャリッジ45、及び印刷ヘッド46により、爪Tに印刷を施す印刷部401が構成されている。 本実施形態において、この印刷ヘッド46は、インクを微滴化し、印刷対象の被印刷面に対し直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式の印刷ヘッドである。 なお、印刷ヘッド46の記録方式はインクジェット方式に限定されない。 本実施形態において、印刷部401の印刷ヘッド46は、印刷用データに基づいて印刷対象の被印刷面である印刷指U1の爪Tの表面に画像(デザイン画像等)を印刷する。 本実施形態における印刷部401には、例えば、イエロー(Y;YELLOW)、マゼンタ(M;MAGENTA)、シアン(C;CYAN)のインクに対応する印刷ヘッド46が設けられている。 各印刷ヘッド46は、それぞれの色のインクを噴射する複数のノズルからなるノズルアレイを備えている。 なお、印刷部401に設けられる印刷ヘッド46はこの3色のインクを吐出させるものに限定されない。 その他の色のインクを吐出させる印刷ヘッド46をさらに備えていてもよい。 カートリッジ収容部115内に設けられているカートリッジ装着部70には、印刷ヘッド46から吐出されるインクに対応したインクカートリッジ71が装着されており、インクカートリッジ71内のインクがカートリッジ装着部70及び図示しないインク供給管等を介して適宜印刷ヘッド46に供給されるようになっている。 なお、印刷ヘッド46自体にインクカートリッジを搭載する構成としてもよい。 本実施形態の印刷ヘッド46は、主走査モータ47a,副走査モータ47b等で構成される移動機構47によって、ネイルプリント装置1の幅方向(左右方向)であるX方向(図6におけるX方向)及びネイルプリント装置1の奥行き方向(前後方向)であるY方向(図6におけるY方向)に移動可能となっている。 すなわち、主キャリッジ42は動力伝達部(図示せず)を介して主走査モータ47aに連結され、主走査モータ47aの正逆回転によって、ガイドロッド41に沿って左右方向に移動するように構成されている。 また、副キャリッジ45は動力伝達部(図示せず)を介して副走査モータ47bに連結され、副走査モータ47bの正逆回転によって、ガイドロッド44に沿って前後方向に移動するように構成されている。 前述の指受入部31の窓31eは、平面視して、移動機構47による印刷ヘッド46の移動可能範囲内にある。 これにより、印刷ヘッド46は、窓31eから露出している印刷指U1の爪Tに対向する位置まで移動して、爪Tに印刷を施すことができる。 また、本実施形態では、移動機構47による印刷ヘッド46の移動に伴い、後述する撮影部50も移動可能となっている。 すなわち、移動機構47は、印刷ヘッド46及び撮影部50をともに移動させる手段として機能する。 また、撮影部50は、撮像装置51と、照明装置52とを備えている。 この撮影部50は、指受入部31内に挿入されて窓31eから見える印刷指U1の爪Tを照明装置52によって照明する。 そして、撮像装置51によってその印刷指U1を撮影して、印刷指U1の爪Tの画像である爪画像(爪画像を含む指画像)を得るものである。 本実施形態では、撮像装置51及び照明装置52は、印刷ヘッド46を支持するキャリッジ(本実施形態では主キャリッジ42)の側方に固定配置されている。 すなわち、図2から図4に示すように、印刷部401の主キャリッジ42の上面には、一端側が主キャリッジ42の側方に張り出すように設けられた基板53が配置されている。 撮影部50を構成する撮像装置51及び照明装置52は、この基板53の張り出し部分の下面に、隔壁116に対向するように設けられている。 なお、基板53の大きさや基板53に取り付けられている撮像装置51及び照明装置52の位置は特に限定されない。 撮像装置51及び照明装置52と印刷ヘッド46との位置関係は、指受入部31に挿入されている印刷指U1の爪Tのほぼ真上に撮像装置51及び照明装置52が位置したときに、印刷ヘッド46が後述する印刷保守部60のヘッドクリーニング・キャップ機構61やインク廃棄部62の上に配置されるような位置関係となっていることが好ましい(図3参照)。 このように撮像装置51及び照明装置52が配置されている場合には、印刷指U1の爪Tを真上から撮影しているときには、印刷ヘッド46についてクリーニングを行ったり、保湿状態に保ったりすることができ、都合が良い。 この撮影部50は、後述する制御装置80の撮影制御部811(図7参照)に接続され、該撮影制御部811によって制御されるようになっている。 なお、撮影部50によって撮影された画像の画像データは、後述する記憶部82に記憶されてもよい。 撮像装置51は、例えば、ドライバーを内蔵した200万画素程度以上の画素を有する固体撮像素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。 撮像装置51は、印刷指U1の爪Tの曲率等を検出するために、移動機構47による移動によって、少なくとも異なる2つの位置から爪Tを撮影するように構成されている。 なお、本実施形態では、撮像装置51を移動機構47によって指受入部31に挿入されている印刷指U1の爪Tの上方まで移動させて撮影することができるため、撮像装置51の撮影可能範囲は爪T1つ分をカバーすることができればよい。 このため、撮像装置(カメラ)51の撮影画像の縦横比(撮影可能な画面サイズ)は、4対3のものを適用することができる。 なお、撮像装置51は、16対9のワイドタイプでもよい。 また、撮像装置(カメラ)51の水平画角は、73.3°程度等小さくてよく、特に広角レンズ等を備える必要はない。 例えば、撮像装置51を指受入部31に挿入され窓31eから見えている印刷指U1の爪Tの真上に移動させた場合の撮像装置51の撮影可能範囲は、図6において太実線で示した撮影可能範囲Ar1となる。 また、爪Tを斜め上方向から撮影できるように、撮像装置51を僅かに爪Tの側方に移動させた場合の撮像装置51の撮影可能範囲は、例えば、図6において太破線で示した撮影可能範囲Ar2となる。 なお、爪Tを斜め上方向から撮影するときに、真上から撮影する場合よりもどれだけ側方にずれた位置で撮影するかは適宜設定される。 照明装置52は、例えば白色LED等の照明灯である。 本実施形態では、撮像装置51の手前側と奥側とに撮像装置51を挟むように2つの照明装置52が配置されている。 照明装置52は、下方に向けて光を照射して、撮像装置51の下方の撮影範囲を照明する。 なお、照明装置52を設ける数や、その配置等は図示例に限定されない。 従来のように、撮像装置(カメラ)51の水平画角が大きく、照明装置52から照射される光の入射角度が大きいと、コサイン4乗則(cosine fourth law)により撮影範囲の端部における光量が低くなってしまう。 この場合に撮影範囲の端部まで十分な光量を得られるようにするためには、照明装置52を数多く配置しなければならなかった。 これに対し、本実施形態では、撮像装置(カメラ)51の水平画角は、爪T1つ分をカバーできればよいため、従来よりも小さい角度でよい。 このため、照明装置52の数を、従来よりも少ない数にすることが可能である。 更に、従来のように撮像装置の位置が固定されていて、1つの位置からしか撮影を行うことができなかった場合には、爪Tの曲率等を推定するためには、照明装置52を撮像装置51の両側の側方に設けて、片方ずつ点灯・消灯させて撮影を行い、その陰影の変化を見るという手法を用いる必要があった。 これに対し、本実施形態では、撮像装置51を移動可能としているため、例えば、図6において太実線で示した範囲と、太破線で示した範囲とが撮影可能範囲となるように、少なくとも2つの異なった位置から爪Tを撮影することができる。 そして、取得される少なくとも2枚の画像から、爪Tの曲率と垂直位置等の値を得ることができる。 この場合、例えば、爪Tの真上からの画像と、爪Tの斜め上方向の互いに異なる複数の位置からの複数の画像と、を取り込むことで、これら複数の画像から正確な爪形状の認識と爪Tの曲率判定をより正確に行うことができる。 また、照明装置52は撮像装置(カメラ)51から至近距離の位置に固定して設けられているため、照明装置52から被写体である爪Tに向かう方向と、撮像装置(カメラ)51から被写体である爪Tに向かう方向と、をほぼ同一方向とすることができる。 このため、撮影した画像が暗くならず、常に明るい状態の撮影画像を得ることができる。 印刷保守部60は、指受入部31が設けられている位置と同じ高さ位置で、且つ、指退避部32との間に隔壁116を挟んでその指退避部32と対向する位置に配置されている。 印刷保守部60は、平面視において、移動機構47による印刷ヘッド46の移動可能範囲内にある。 この印刷保守部60は、例えば、ヘッドクリーニング・キャップ機構61若しくはインク廃棄部62又はこれらの両方等から構成されている。 ここで、ヘッドクリーニング・キャップ機構61は、印刷ヘッド46のクリーニングを行ったり、例えば印刷ヘッド46の保湿状態を保つために印刷ヘッド46にキャップを被せたりするものである。 また、インク廃棄部62は、例えば、印刷ヘッド46のノズルの状態を最適に保つために、印刷ヘッド46から吐出された余分なインクを受けるものである。 なお、ここでは、ヘッドクリーニング・キャップ機構61として記載したが、ヘッドクリーニング機構とキャップ機構とは互いに独立していてもよい。 制御装置80は、例えば上部機枠12に配置された基板13等に設置されている。 図7は、本実施形態における制御構成を示す要部ブロック図である。 制御装置80は、図7に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。 制御装置80は、これらCPU、ROM、RAMが1つのチップに搭載されたワンチップマイクロコンピュータとして構成されていてもよい。 なお、記憶手段は、制御装置80内のROM、RAM等で構成される記憶部82に限定されず、他に記憶手段が設けられていてもよい。 記憶部82のROMには、爪画像から爪Tの形状、爪Tの高さ、爪Tの曲率等を検出するための爪情報検出プログラム、印刷用データを生成するための印刷用データ生成プログラム、印刷制御処理を行うための印刷制御処理プログラム等の各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御装置80によって実行されることによって、ネイルプリント装置1の各部が統括制御されるようになっている。 記憶部82には、ネイルデザインの元画像Gd(図8参照)のデータを記憶するデザイン画像記憶領域821が設けられている。 なお、デザイン画像記憶領域821に記憶されているネイルデザインの元画像Gdのデータの数等は特に限定されない。 ネイルデザインの元画像Gdのデータは記憶部82のデザイン画像記憶領域821に記憶されているものに限定されず、メモリカードやUSBメモリ、各種ハードディスク等、外部の記憶手段からネイルデザインの元画像Gdのデータをネイルプリント装置1に取り込んで印刷できるように構成してもよい。 また、記憶部82には、爪情報検出部812によって検出された爪情報が記憶される爪情報記憶領域822が設けられている。 なお、撮影部50により撮影された爪画像も記憶部82に記憶されてもよい。 さらに、記憶部82には、爪Tのパターン毎に曲面補正の補正値を記憶する補正値記憶領域823が設けられている。 本実施形態では、後述するように、印刷指U1の爪Tを「平型」「並平型」「並型」「並丸型」「丸型」の5つにパターン分類する場合を例としており、曲面補正の補正値は、これら5つのパターン毎に用意されている。 制御部81は、機能的に見た場合、撮影制御部811、爪情報検出部812、印刷用データ生成部813、印刷制御部814、表示制御部815等を備えている。 これら撮影制御部811、爪情報検出部812、印刷用データ生成部813、印刷制御部814、表示制御部815等としての機能は、制御部81のCPUと記憶部82のROMに記憶されたプログラムとの共働によって実現される。 なお、制御部81を構成するCPUは、ROMに記憶された状態のプログラムやデータを随時読み込みつつ処理を行う。 あるいは、CPUは、これらのプログラムやデータを一旦CPU内のキャッシュに読み込んでから、処理を行う。 この場合CPUによる処理を高速化することができる。 撮影制御部811は、撮影部50の撮像装置51及び照明装置52を制御して撮像装置51により、指受入部31に挿入された印刷指U1の爪Tの爪画像を含む指画像を撮影させるものである。 本実施形態において、撮影制御部811は、撮影部50の撮像装置51及び照明装置52を、移動機構47(すなわち、主走査モータ47a,副走査モータ47b)により左右又は前後、あるいは斜めに移動させる。 そして、撮像装置51により少なくとも異なる2つの位置(撮影角度)から印刷指U1の爪Tを撮影させ、異なる位置から撮影した少なくとも2つの爪画像を取得する。 具体的には、撮影制御部811は、撮像装置51及び照明装置52が爪Tの真上に位置するように移動機構47により移動させて、爪Tの真上から図6に示す撮影可能範囲Ar1について撮影を行い、爪Tの真上からの画像である第1の爪画像を取得する。 次いで、撮影制御部811は、移動機構47により撮像装置51及び照明装置52を爪Tの斜め上方向に移動させ、爪Tの斜め上方向から図6に示す撮影可能範囲Ar2について撮影を行い、爪Tの斜め上からの画像である第2の爪画像を取得する。 なお、撮像装置51による撮影は2回に限定されず、例えば、撮影位置や角度を変えながら3回以上の撮影が行われてもよい。 なお、爪形状の検出を行うために、撮像装置51による撮影は、少なくとも爪Tの真上からの撮影を含んでいることが好ましい。 爪情報検出部812は、撮像装置51によって取得された爪画像に基づいて、印刷指U1の爪Tについての爪情報を検出するものである。 ここで、爪情報とは、爪Tの輪郭(爪形状)、爪Tの高さ(爪Tの垂直方向の位置、以下「爪Tの垂直位置」又は単に「爪Tの位置」という。)、及び、爪Tの曲率(爪曲率)である。 爪情報検出部812は、これら爪形状、爪高さ、爪曲率のうち、少なくともいずれか1つを爪情報として検出する。 本実施形態では、爪情報検出部812は、爪画像に基づいて爪形状、爪高さ、爪曲率を全て検出するようになっている。 具体的には、爪情報検出部812は、撮像装置51により取得された印刷指U1の爪Tの爪画像を含む指画像から、爪Tの輪郭(形状)や位置を検出し、この輪郭をx,y座標等で表される情報として取得する。 爪情報検出部812が爪Tの輪郭(形状)を検出する手法は特に限定されないが、例えば、爪情報検出部812は、撮像装置51により取得された印刷指U1の爪Tの爪画像を含む指画像から、例えば爪Tとそれ以外の指部分との色の違い等に基づいて爪Tの輪郭(形状)を検出する。 なお、爪情報検出部812が爪Tの輪郭(形状)を検出する手法は特に限定されず、ここに挙げたものに限られない。 また、爪情報検出部812は、印刷指U1の爪Tについて撮像装置51により異なる位置(撮影角度)から取得された複数の爪画像に基づいて、爪Tについて爪高さや爪曲率を検出する。 ここで、爪高さHとは、爪Tの垂直方向の位置であり、具体的には、印刷指載置部116aから爪Tの上面までの寸法Lh(図8参照)、又は、印刷ヘッド46の底面から爪Tの上面までの寸法である。 爪曲率とは、爪Tの幅方向における曲率である。 爪高さH及び爪曲率は、例えば、撮像装置51によって爪Tを真上から撮影することにより取得された爪画像と、爪Tを斜め上方向から撮影することにより取得された爪画像等、複数の異なる位置(撮影角度)から取得された複数の爪画像を比較して、爪形状の違いや陰影の違いを検出することにより推定することができる。 なお、爪情報検出部812が爪Tの爪高さや爪曲率を検出する手法は特に限定されず、ここに挙げたものに限られない。 印刷用データ生成部813は、爪情報検出部812により検出された爪情報に基づいて、印刷ヘッド46により印刷指U1の爪Tに施される印刷用のデータ(図8において印刷用データGg)を生成する。 具体的には、印刷用データ生成部813は、まず、爪情報検出部812により検出された爪形状に基づいてネイルデザインの元画像Gdを縮小する等の合せ込み処理を行う。 さらに、印刷用データ生成部813は、爪情報検出部812により検出された爪高さや爪曲率に基づき、爪Tをいくつかのパターンに分類するパターン分類を行う。 そして、このパターン毎に用意され補正値記憶領域823に記憶されている補正値に基づいて、ネイルデザインの元画像Gdについて曲面補正を行い、印刷用データGgを生成する。 曲面補正は、爪Tの幅方向の中央部よりも幅方向の両端部に相当する領域の方が印刷ヘッド46による印刷の際の印刷ピッチが細かくなるようにデータを調整するものである。 すなわち、爪Tの幅方向の中央部に相当する領域よりも曲率の大きい幅方向の両端部に相当する領域により多くの画素データが割り付けられるようにデータを補正する。 爪Tのパターンとしては、例えば、ほぼ平坦で曲率も小さな「平型」、「平型」よりも曲率が少し大きい「並平型」、平均的な曲率を有する「並型」、「並型」よりも少し曲率が大きい「並丸型」、大きく湾曲していて曲率が大きな「丸型」の5つのパターンが考えられる。 本実施形態では、印刷指U1の爪Tをこれら「平型」「並平型」「並型」「並丸型」「丸型」の5つにパターン分類する場合を例とする。 なお、パターン分類により分類される爪Tのパターンは、上記の5つに限定されない。 大きく3つ程度のパターンに分類してもよい。 6つ以上のパターンに細かく分類してもよい。 ここで、各パターンに分類する際の爪高さや爪曲率等の閾値は適宜設定される。 なお、パターンに応じた曲面補正の補正値は、爪Tの表面の曲率に合わせて端部に行くほど徐々に印刷ピッチが細かくなるように適宜設定されていればよく、爪Tの両端部の印刷ピッチを中央部の印刷ピッチに対してどの程度細かくするか等は特に限定されない。 例えば、爪Tが比較的平板に近い「平型」に分類される場合には、曲面補正の補正値を小さくし、爪高さや爪曲率の大きい爪T(例えば「丸型」等)ほど曲面補正の補正値を大きく設定しておく。 具体的には、例えば爪Tが平均的な形状である「並型」パターンに分類された場合、幅方向の中央部分の印刷ピッチが600dpiである場合に左右の最端部の印刷ピッチを2400dpiとし、その中間部分の印刷ピッチを1200dpiとする。 この印刷ピッチは、印刷ヘッド46の解像度に合わせて設定され、例えば印刷ヘッド46で印刷可能な印刷ピッチの上限が1800dpiである場合には、左右の最端部の印刷ピッチを1800dpiとする。 このように、爪Tの両端部に相当する領域の印刷ピッチを細かくすることによって、両端部が印刷ヘッド46から遠ざかる方向に湾曲している爪T等、各種形状の爪Tに印刷を施す場合でも、端部までネイルデザインに歪みが生じず、端部における濃度も概ね低下しない、高精細な画像を印刷することができる。 印刷制御部814は、印刷用データ生成部813によって生成された印刷用データGgを印刷ヘッド46に出力し、印刷ヘッド46と移動機構47を制御して、爪Tに対してこの印刷用データGgにしたがった印刷を施す。 移動機構47は印刷ヘッド46を移動させる機構であり、主走査モータ47aと副走査モータ47bとを有している。 表示制御部815は、表示部23を制御して表示部23に各種の表示画面を表示させるものである。 本実施形態では、表示制御部815は、例えばネイルデザインの選択画面や印刷指U1を撮影した指画像、指画像に含まれる爪画像、各種の指示画面等を表示部23に表示させるようになっている。 次に、本実施形態におけるネイルプリント装置1の動作及び使用方法について説明する。 このネイルプリント装置1により印刷を行う場合、ユーザはまず、電源スイッチを入れて制御装置80を起動させる。 表示制御部815は、表示部23にデザイン選択画面を表示させる。 ユーザは操作部22の操作釦221等を操作して、デザイン選択画面に表示された複数のネイルデザインの中から所望のネイルデザインを選択し、これにより、操作部22から選択指示信号が出力されて爪Tに印刷すべきネイルデザインが選択される。 次に、ユーザは、印刷指U1を指受入部31に挿入し、非印刷指U2を指退避部32に挿入して、印刷指U1を固定した上で、印刷スイッチを操作する。 例えば、図6では、左手の薬指が印刷指U1として指受入部31に挿入され、その他の指が非印刷指U2として指退避部32に挿入されている場合の例を示している。 印刷スイッチから指示が入力されると、印刷動作を開始する前に、まず撮影制御部811が撮影部50を制御して、照明装置52により印刷指U1を照明しながら撮像装置51により印刷指U1を撮影させる。 このとき、撮影制御部811は、移動機構47によって撮像装置51及び照明装置52を移動させ、爪Tの真上と爪Tの斜め上の2箇所からそれぞれ撮影を行い、異なる位置で撮影された2つの爪画像(本実施形態では、真上から撮影された第1の爪画像と斜め上から撮影された第2の爪画像)を取得する。 2つの爪画像が取得されると、爪情報検出部812は、真上から撮影された第1の爪画像に基づいて爪Tの輪郭(爪形状)、位置を検出する。 また、爪情報検出部812は、第1の爪画像と第2の爪画像とに基づいて、爪高さ(爪の垂直位置)を算出し、爪曲率を検出(算出)する。 爪情報検出部812により爪形状、爪高さ(爪の垂直位置)、爪曲率が検出されると、これらの爪情報に基づいて、印刷用データ生成部813が、ネイルデザインの元画像Gdの爪Tへの合せ込み処理を行う。 また、印刷用データ生成部813は、これら爪情報に基づいて印刷指U1の爪Tを前記5つのパターンのうちのいずれかに分類する。 そして、この分類されたパターンに対応付けられた補正値を記憶部82の補正値記憶領域823から読み出す。 そして、読み出した補正値によってネイルデザインの元画像Gdにつき曲面補正を行う(図8参照)。 これにより印刷用データGgが生成される。 印刷用データGgが生成されると、印刷制御部814は、印刷用データGgを印刷ヘッド46に出力し、この印刷用データGgに基づいて爪Tに印刷を行わせる。 なお、複数の指の爪Tに印刷を施す場合には、1つの指の爪Tについて印刷処理が終了した後、当該印刷済みの爪Tの指を指受入部31から抜き、次いで、次に印刷すべき爪Tの指を印刷指U1として指受入部31に挿入する。 そして、当該爪Tの爪画像を取得して、上記の処理を繰り返す。 以上のように、本実施形態のネイルプリント装置1によれば、印刷指U1の爪Tを撮影して爪画像を取得する撮像装置51が移動機構47によって印刷ヘッド46とともに移動可能となっている。 これにより、撮像装置51や照明装置52を数多く搭載しなくても指受入部31内での爪Tの配置に関わらずに撮像装置51によって爪画像を適切に取得することができる。 このため、装置が複雑化、大型化することなく、また製造コストを抑えつつ、高精度のネイルプリントを実現することができる。 また、撮像装置51や照明装置52を移動させる機構として、もともと印刷ヘッド46を移動させるために設けられている移動機構47を用いている。 このため、既存の構成をそのまま用いることができ、装置の複雑化、大型化、及び製造コストの上昇を抑えることができる。 また、撮影部50は、撮像装置51が印刷指U1の爪Tを撮影する際に印刷指U1の爪Tを照明する照明装置52を備えており、この照明装置52も移動機構47によって撮像装置51とともに移動するようになっている。 このため、どのような位置や角度から撮影を行う場合でも、適切に撮像装置51の撮影可能範囲(図6においてAr1及びAr2)内を照明することができる。 また、撮像装置51は、印刷ヘッド46を支持するキャリッジ(本実施形態では主キャリッジ42)の側方に固定配置されている。 このため、印刷ヘッド46を移動させる移動機構47によって撮像装置51も移動させることができる。 また、撮像装置51は、主キャリッジ42の側方に配置されているため、爪Tが配置されている位置よりもある程度上方に位置し、撮影対象である爪Tとの間にある程度の距離が確保される。 これにより、撮像装置51として通常のカメラを用いても爪Tを鮮明に撮影することができる。 さらに、このように撮像装置51等がキャリッジ(例えば、主キャリッジ42)の側方に配置されていることにより、キャリッジが移動した際に、撮像装置51や照明装置52とキャリッジとの干渉することがない。 このため、従来に比べて、装置の高さ方向を低くすることができ、装置全体の低背化、小型化も実現できる。 また、撮像装置51は、移動機構47による移動によって移動可能に構成されているため、爪Tが指受入部31のどこに配置されていても、必ず爪Tの真上まで移動して真上からの歪みのない爪画像を取得することが可能である。 これにより、当該真上から撮影された爪画像に基づいて爪Tの形状を正確に検出することができる。 また、撮像装置51は、移動機構47による移動によって、爪Tの真上と斜め上方等、少なくとも異なる2つの位置から印刷指U1の爪Tを撮影することができる。 このように、異なる位置、角度から撮影された爪画像を複数取得することができるため、これらの複数の画像を比較して、形状や陰影の違いを検出することにより、正確に爪高さ(爪の垂直位置)や爪曲率を推定(算出)することができる。 また、本実施形態では、撮像装置51によって取得された爪画像に基づいて、爪の形状、爪の高さ(爪の垂直位置)、爪の曲率のうち、少なくともいずれか1つを爪情報として検出する爪情報検出部812(なお、本実施形態では、爪情報検出部812により爪形状、爪高さ(爪の垂直位置)、爪曲率の全てを検出する。)と、爪情報検出部812により検出された爪情報に基づいて、印刷ヘッド46により印刷指U1の爪Tに施される印刷用データを生成する印刷用データ生成部813とを備えている。 これにより、爪Tの爪形状、爪高さ、爪曲率に応じて、ネイルデザインの元画像Gdから印刷用データGgを生成することができ、どのような爪Tに対しても美しい仕上がりの高精細な印刷を行うことができる。 [第2の実施形態] 次に、図9から図12を参照しつつ、本発明に係るネイルプリント装置の第2の実施形態について説明する。 なお、本実施形態は、ネイルプリント装置の指固定部の構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。 図9は、本実施形態に係るネイルプリント装置の装置本体を概念的に示した斜視図である。 図10は、図9のネイルプリント装置の装置本体の正面図である。 図11は、図10におけるXI−XI線に沿った断面を矢印方向に見て示した断面図である。 図9から図11に示すように、本実施形態のネイルプリント装置は、第1の実施形態と同様に、下部機枠11に指固定部90が設けられている。 本実施形態において、指固定部90は、印刷指U1が挿入される指受入部91、非印刷指U2が挿入される指退避部92、及び指受入部91に挿入された印刷指U1と、指退避部92に挿入された非印刷指U2とで挟持することが可能な掴み部93によって構成されている。 掴み部93は、指受入部91と指退避部92とを仕切る隔壁で構成されており、この掴み部93の上面は平坦な印刷指載置面を構成している。 なお、指受入部91及び指退避部92に印刷指U1及び非印刷指U2を深く挿入した際に印刷指U1と非印刷指U2とで掴み部93を強く挟持することができるように、掴み部93の指挿入側端部は、指挿入方向の断面が、掴み部93の下面から下方に向けて膨出するように円形となっていることが好ましい。 なお、掴み部93の指挿入側端部の形状は、断面円形に限定されることなく、断面楕円形,多角形等の非円形であってもよい。 図12は、本実施形態における指受入部91の上面図である。 本実施形態の指受入部91には、複数の印刷指U1を一度に挿入することができるようになっている。 なお、図12では、左手の親指以外の4本の指(人差し指、中指、薬指及び小指)と右手の親指が印刷指U1として指受入部91に挿入されている場合を示している。 図9から図12に示すように、本実施形態において、掴み部93の幅方向の中央部には、指受入部91に挿入された印刷指U1である人差し指から小指までの4つの指と指退避部92に挿入された非印刷指U2であるその他の指(すなわち、親指)との付け根を端部に突き当てることによって、人差し指から小指までの4つの指の位置決めを行うことが可能な第1の指位置決め部93aが配置されている。 第1の指位置決め部93aの幅方向Xの長さ寸法は、片手の親指以外の4本の指(人差し指、中指、薬指及び小指)を安定して支持できる程度であればよく、特に限定されない。 掴み部93には、第1の指位置決め部93aの左右両側に、指受入部91に挿入された印刷指U1である親指と指退避部92に挿入された非印刷指U2であるその他の指(すなわち、人差し指から小指までの4つの指)との付け根を端部に突き当てることによって、指受入部91に挿入された親指の位置決めを行うことが可能な第2の指位置決め部93bが配置されている。 第2の指位置決め部93bは、第1の指位置決め部93aの端部よりもその端部が印刷指の挿入方向Yの奥側にずれた位置に配置されている。 第2の指位置決め部93bの端部を第1の指位置決め部93aの端部に対してどの程度ずらすかは特に限定されないが、親指の爪Tと他の4本の指の各爪Tの位置がほぼ横方向に並ぶ程度となることが好ましい。 ここで、人間の手は親指が他の4本の指に比べて短く、掴み方や個人差はあるものの、親指と他の4本の指とでは、その長さに40〜75mmの差がある。 そこで、このような指の長さの差を考慮して、第2の指位置決め部93bの端部は第1の指位置決め部93aの端部よりも40〜75mm程度、印刷指U1の挿入方向Yの奥側にずれていることが好ましい。 従来、4つの指を位置決めする部分の端部と親指を位置決めする部分の端部とが印刷指U1の挿入方向Yにずれていない場合には、親指の爪Tの位置と他の4本の指の各爪Tの位置とが印刷指U1の挿入方向Yに大きくずれてしまう。 この場合には、後述する撮影部50による撮影が可能な撮影可能範囲及び印刷部401による印刷が可能な印刷可能範囲を、親指の爪Tと他の4本の指の爪T全てを含む領域まで拡大する必要がある。 これに対し、本実施形態のように親指を位置決めする第2の指位置決め部93bの端部を45mm程度、第1の指位置決め部93aの端部よりも印刷指U1の挿入方向Yの奥側にずらした場合には、親指の爪T及び他の4本の指の各爪Tの印刷指の挿入方向Yにおける位置がほぼ揃うため、撮影部50の撮影可能範囲及び印刷部401の印刷可能範囲を従来よりも狭くすることができる。 また、図9から図11に示すように、本実施形態のネイルプリント装置には、第1の実施形態と同様に、印刷ヘッド46を支持するキャリッジ(本実施形態では主キャリッジ42)の側方に固定配置された撮影部50が設けられている。 撮影部50の撮像装置(カメラ)51及び照明装置52は、移動機構47(すなわち、主走査モータ47a,副走査モータ47b)により前後左右に移動することで、指受入部91に挿入されている全ての印刷指U1の爪Tについて真上及び斜め上から撮影することが可能となっている。 例えば、図12に示すように、指受入部91に挿入されている左手の薬指の爪Tを撮影する場合であれば、まず、移動機構47により撮像装置51及び照明装置52を薬指の爪Tの真上に移動させる。 この場合、図12において太実線で示した範囲が撮像装置51の撮影可能範囲Ar1となる。 次いで、薬指の爪Tを左斜め上方向(図12において左。小指寄りの方向)から撮影する場合には、移動機構47により撮像装置51及び照明装置52を僅かに薬指の爪Tの左側方に移動させる。 この場合には、図12において破線で示した範囲が撮像装置51の撮影可能範囲Ar2となる。 逆に、薬指の爪Tを右斜め上方向(図12において右。人差し指寄りの方向)から撮影する場合には、移動機構47により撮像装置51及び照明装置52を僅かに薬指の爪Tの右側方に移動させる。 この場合には、図12において一点鎖線で示した範囲が撮像装置51の撮影可能範囲Ar3となる。 なお、撮像装置51による撮影は3回に限定されず、例えば、第1の実施形態のように、爪Tの真上からの撮影と、左斜め上方向又は右斜め上方向のいずれかからの撮影の2回でもよい。 また、撮影位置や角度を変えながら4回以上の撮影が行われてもよい。 なお、爪形状の検出を行うために、撮像装置51による撮影は、少なくとも爪Tの真上からの撮影を含んでいることが好ましい。 なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。 次に、本実施形態におけるネイルプリント装置1の動作及び使用方法について説明する。 まず、第1の実施形態と同様に、ユーザは、電源スイッチを入れて制御装置80を起動させ、爪Tに印刷したいネイルデザインを選択する。 そして、ユーザは、複数の印刷指U1を指受入部91に挿入し、非印刷指U2を指退避部92に挿入して、印刷指U1を固定した上で、印刷スイッチを操作する。 例えば、図12では、左手の親指以外の4本の指(人差し指、中指、薬指及び小指)と右手の親指が印刷指U1として指受入部31に挿入され、その他の指が非印刷指U2として指退避部32に挿入されている例を示している。 印刷スイッチから指示が入力されると、印刷動作を開始する前に、まず撮影制御部811が撮影部50を制御して、照明装置52により印刷指U1を照明しながら撮像装置51により印刷指U1を1本ずつ撮影させる。 例えば、左手の薬指の爪Tを撮影する場合には、撮影制御部811は、移動機構47によって撮像装置51及び照明装置52を移動させ、薬指の爪Tの真上と薬指の爪Tの左斜め上方向と右斜め上方向の3箇所(図12におけるAr1〜Ar3を撮影可能範囲とする位置)からそれぞれ撮影を行う。 これにより、異なる位置で撮影された3つの爪画像(本実施形態では、真上から撮影された第1の爪画像と左斜め上方向から撮影された第2の爪画像と右斜め上方向から撮影された第3の爪画像)を取得する。 3つの爪画像が取得されると、爪情報検出部812は、真上から撮影された第1の爪画像に基づいて爪Tの輪郭(爪形状)、位置を検出する。 また、爪情報検出部812は、第1の爪画像から第3の爪画像とに基づいて、爪高さ(爪の垂直位置)、爪曲率を推定(算出)する。 爪情報検出部812により爪形状、爪高さ(爪の垂直位置)、爪曲率が検出されると、これらの爪情報に基づいて、印刷用データ生成部813が、ネイルデザインの元画像Gdの爪Tへの合せ込み処理を行い、さらに、ネイルデザインの元画像Gdにつき適宜曲面補正を行うことにより印刷用データGgが生成される。 印刷用データGgが生成されると、印刷制御部814は、印刷用データGgを印刷ヘッド46に出力し、この印刷用データGgに基づいて爪Tに印刷を行わせる。 なお、指受入部91に挿入されている複数の印刷指U1の爪Tについての撮影及び印刷は、例えば、まず全ての印刷指U1の爪Tについて撮影を行い、各爪Tごとの印刷用データGgを生成してから、順次、各爪Tに印刷を行う。 あるいは、1つの印刷指U1の爪Tについて撮影を行い、当該爪Tについて印刷用データGgを生成してその爪Tに印刷を施し、1つの爪Tについて印刷が終了したら、次の印刷指U1の爪Tについて同様に撮影を行い、当該爪Tについて印刷用データGgを生成してその爪Tに印刷を施す、というように、1つの爪Tごとに、一連の処理を繰り返すようにしてもよい。 なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。 以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。 すなわち、本実施形態では、例えば一方の手の4本の指(例えば人差し指、中指、薬指、小指)と他方の手の1本の指(例えば親指)等の複数の指を、指受入部91に一度に挿入して順次印刷を行うことができる。 このため、1つの印刷指U1の爪Tについて印刷が終了する毎にユーザが指を入れ替える手間がなく、簡易かつ迅速に片手又は両手の各指にネイルデザインの印刷を施すことができる。 そして、このような場合にも、撮像装置51が印刷ヘッド46とともに移動することから、指受入部91の端部等に配置された印刷指U1の爪Tについても、真上から撮影を行うことができ、全ての爪Tについて歪みのない高精細な画像に基づく精度の高い爪形状の検出を行うことができる。 また、撮像装置51を移動機構47によって移動させることにより、爪Tが指受入部91内のどこに配置されていても、爪Tの真上及び斜め上等、複数の異なる位置、角度から撮影された爪画像を複数取得することができる。 このため、これらの画像を比較して、形状や陰影の違いを検出することにより、指受入部91に挿入されている全ての印刷指U1の爪Tについて正確に爪高さ(爪の垂直位置)や爪曲率を推定(算出)することができる。 さらに、このように高精度に検出された爪形状、爪高さ、爪曲率に基づいてネイルデザインの元画像Gdをユーザの爪Tに合せ込み、画像データに対して曲面補正を行うことができるため、各種の形状の爪Tに対応した印刷用データを生成することができ、美しい仕上がりの高精細な印刷を行うことができる。 また、複数の印刷指U1の爪Tが指受入部91の広い範囲に亘って配置されても、各爪Tに対応する位置まで撮像装置51等を移動させて撮影を行うため、撮影可能範囲は常に指の爪T1つ分が十分に撮影できる程度であれば足りる。 このため、広角レンズによる撮影を行う必要がない。 また、端部において画像が歪んだり、光量が低下したりするという問題も生じない。 これにより、撮像装置51や照明装置52は通常の撮影を行うことのできる小型のものを1組設ければよい。 このため、装置の複雑化や大型化の問題が生じず、装置コストの上昇も抑えることができる。 なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。 例えば、上記各実施形態では、撮像装置51及び照明装置52が、印刷部401の主キャリッジ42の上面に配置された基板53の張り出し部分の下面に設けられている場合を例としたが、撮像装置51が印刷ヘッド46とともに移動機構47によって移動可能に構成されていればよく、撮像装置51及び照明装置52を設ける位置は特に限定されない。 例えば、撮像装置51や照明装置52を副キャリッジ45に固定してもよいし、印刷ヘッド46に直接固定してもよい。 また、本実施形態では、撮像装置51及び照明装置52を、印刷ヘッド46を支持するキャリッジ(本実施形態では、主キャリッジ42)の側方に固定配置されている場合を例示したが、撮像装置51及び照明装置52を設ける位置は、印刷ヘッド46又は印刷ヘッド46を支持するキャリッジ(主キャリッジ42又は副キャリッジ45)の側方に限定されず、例えば、印刷ヘッド46又はキャリッジの手前側や奥側等であってもよい。 また、各実施形態では、撮像装置51及び照明装置52が印刷ヘッド46とともに移動機構47によって移動する構成としたが、撮像装置51及び照明装置52を移動させる構成はこれに限定されない。 例えば、印刷ヘッド46を移動させる移動機構47とは別に、撮像装置51や照明装置52を移動させる移動機構を設けてもよい。 第1の実施形態では、撮像装置51は、移動機構47による移動によって、異なる2つの位置から印刷指U1の爪Tを撮影し、この2回の撮影によって取得された2つの画像に基づいて、爪情報を取得する場合について説明した。 また、第2の実施形態では3回の撮影を行って取得された3つの画像に基づいて爪情報を取得する場合について説明した。 しかし、爪情報(爪Tの形状、高さ、曲率)を取得するために行われる撮像装置51による撮影の回数は、これに限定されない。 撮影は、少なくとも2回行われればよく、4回以上等、さらに多くの回数撮影が行われてもよい。 4回以上撮影を行う場合には、例えば、爪Tの真上の位置と、当該位置からのずれ量の異なる複数の位置から撮影を行う。 また、上記各実施形態では、印刷用データ生成部813が、ネイルデザインの元画像Gdについて曲面補正を行い、印刷用データGgを生成する場合を例としたが、印刷用データ生成部813が印刷用データGgを生成することは本発明の必須の構成要素ではない。 例えば、印刷用データGgを別途生成せずに、印刷制御部814において、ネイルデザインの元画像GdのデータをLUT(Lookup Table)等により適宜変換しつつ印刷ヘッド46に出力して爪形状に合った印刷を行うように印刷制御を行ってもよい。 また、撮像装置51による撮影は、移動機構47により移動しながら、爪Tの真上に来た瞬間と、それよりも所定量ずれた時点とで行われてもよいし、撮像装置51が爪Tの真上に来た時点と、それよりも所定量ずれた位置に来た時点と、で移動機構47による移動を一旦停止させて、停止状態で各撮影を行ってもよい。 また、撮像装置51は、静止画を撮影するものに限定されない。 撮像装置51は動画を撮影可能なものであってもよい。 この場合、撮像装置51を移動機構47により移動させながら動画を撮影し、撮影された動画から、爪Tの真上の画像及び斜め上方向からの画像を適宜切り出して、爪情報の検出に用いる。 また、上記各実施形態では、印刷ヘッド46がインクジェット方式の印刷ヘッドである場合について説明した。 しかしながら、この印刷ヘッド46は、インクジェット方式に限るものではなく、例えば、ボールペンタイプやフェルトペンタイプ等の印字用具を用いて、爪Tに直接接触して描画を行う方式のものであってもよい。 この場合のネイルプリント装置の装置本体10bの概要の一例を図13に示す。 この場合、図13に示すように、印刷ユニット40bは、互いに異なる色の複数の描画用の印字用具としてペン48を備える印刷ヘッド46bと、印刷ヘッド46bをX方向及びY方向に移動させるための移動機構47と、を備えている。 印刷ヘッド46bはキャリッジ43に取り付けられている。 図13では、それぞれペン48を保持する4つの印刷ヘッド46bがキャリッジ43に取り付けられている場合を例示している。 なお、キャリッジ43に取り付けられる印刷ヘッド46bの数は4つに限定されない。 1つでもよいし、5つ以上であってもよい。 本実施形態では、キャリッジ43、印刷ヘッド46b、及び印刷ヘッド46bに保持されるペン48により、爪Tに印刷を施す印刷部402が構成されている。 図14に示すように、印刷ヘッド46bに保持されるペン48は、ペン軸部481の先端部にペン先482が設けられている。 ペン軸部481の内部は、各種インクを収容するインク収容部となっている。 ペン軸部481の内部に収容されるインクとしては、各種のインクが適用可能である。 インクの粘度や色材の粒径(粒子の大きさ)等は特に限定されず、例えば、金銀のラメ入りのインクや白色のインク、UV硬化型のインクやジェルネイル、アンダーコート用、トップコート用やマニキュア等も用いることができる。 また、ペン先482は、例えば爪Tの表面に押し当てることでペン軸部481内に収容されているインクが染み出して印刷する、ボールペンタイプでもよいし、フェルト状のペン先にインクを染み込ませて印刷するサインペンタイプや、束ねた毛にインクを染み込ませて印刷する筆ペンタイプのもの等であってもよい。 また、ペン先482の太さも各種のものを用意することができる。 なお、各印刷ヘッド46bには、それぞれ互いに異なる色の複数のペン48が備えられていてもよい。 また、例えば、同色のインクを収容し、ペン先482の形状や太さのみが異なる複数のペン48が備えられていてもよい。 ペン48はユーザによって交換可能に構成されていることが好ましい。 図14に示すように、印刷を行う際には、ペン先482が爪Tに接触するように、その高さが制御される。 そして、移動機構47により印刷ヘッド46bを印刷用データに基づいて移動させることにより、ペン48が移動して爪Tに画像が描画される。 一方、撮影部50が爪Tの撮影を行っている際には、各ペン48は、ペン先482が爪Tに接触しないように、その高さが保持されている。 このような構成の印刷ヘッド46bを備えるネイルプリント装置の場合にも、図13に示すように、撮像装置51と照明装置52を有する撮影部50は、キャリッジ43の側方に固定配置されている。 このため、上記各実施形態と同様に、撮影部50は印刷ヘッド46bを移動させる移動機構47により前後左右に移動可能とされている。 これにより、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。 以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。 以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。 付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。 〔付記〕 <請求項1> 爪に印刷を施すネイルプリント装置であって、 印刷する爪を含む一つの特定の指を、予め設定された互いに異なる複数の方向から撮影して、前記爪の形状に関する爪情報を検出するための、前記爪に対応する複数の爪画像を取得する撮像装置と、 前記撮像装置に対して一定の位置に設けられ、前記撮像装置が前記爪を撮影する際に、前記爪を照明する照明装置と、 前記爪に印刷を施す印刷部と、 前記撮像装置、前記照明装置及び前記印刷部を一体的に移動させる移動機構と、 を備えることを特徴とするネイルプリント装置。 <請求項2> 前記撮像装置が前記複数の爪画像を取得する前記複数の方向は、前記爪の真上となる第1の方向と、前記第1の方向から爪の幅方向の一方の側に傾斜した第2の方向と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。 <請求項3> 前記移動機構は、前記撮像装置が前記複数の爪画像を取得するとき、前記撮像装置を、前記爪に対する方向が前記第1の方向となる第1の位置と、前記爪に対する方向が前記第2の方向となる第2の位置と、に移動させることを特徴とする請求項2に記載のネイルプリント装置。 <請求項4> 前記印刷部は、前記爪にインクを塗布する印刷ヘッドを有し、 前記印刷ヘッドのメンテナンスを行う印刷保守部を、更に有し、 前記撮像装置は、前記印刷部に対して、前記撮像装置が前記第1の位置にあるときに前記印刷ヘッドが印刷保守部に配置される、位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のネイルプリント装置。 <請求項5> 前記印刷部は、前記印刷ヘッドを支持するキャリッジを有し、 前記撮像装置は、前記キャリッジの側方に固定配置されていることを特徴とする請求項4に記載のネイルプリント装置。 <請求項6> 前記照明装置は、前記爪の長さ方向に沿って前記撮像装置を挟んで設けられた一対の光源のみを有し、 前記一対の光源は、前記撮像装置が前記爪を撮影する際に点灯されることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。 <請求項7> 前記撮像装置が取得した前記複数の爪画像に基づいて、前記爪の輪郭形状と、前記爪の高さ及び前記爪の曲率の少なくとも何れか一方と、を前記爪情報として検出する爪情報検出部と、 前記爪情報に基づいて画像データを補正して、前記印刷用のデータを生成する印刷用データ生成部と、 をさらに備え、 前記印刷部は、前記爪に画像を印刷する際に、前記移動機構により前記印刷用データに応じて移動されることを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。 <請求項8> 前記印刷部は、前記爪にインクを塗布する印刷ヘッドを有し、 前記印刷ヘッドは、ペン先を有し、該ペン先が前記爪に接触したときに該爪にインクを塗布する、少なくとも一つの印字ペンを有し、 前記印刷ヘッドは、前記爪に印刷を施す際に、前記印字ペンの前記ペン先を前記爪に接触させ、前記移動機構により前記撮影部が移動されて前記撮像装置が前記複数の爪画像を取得している際に、前記印字ペンを、前記ペン先が前記爪に接触しない位置に保持することを特徴とする請求項1に記載のネイルプリント装置。 <請求項9> 爪に印刷を施すネイルプリント装置の印刷制御方法であって、 前記ネイルプリント装置は、指を撮影する撮像装置と、前記撮像装置に対して一定の位置に設けられて前記指の爪を照明する照明装置と、前記爪に画像の印刷を施す印刷部と、前記撮像装置及び前記照明装置を前記印刷部と一体的に移動させる移動機構と、を備え、 前記移動機構により、前記撮像装置及び前記照明装置を、前記印刷部とともに、印刷する爪を含む一つの特定の指に対して予め設定された互いに異なる複数の方向となる複数の位置に移動させ、 前記複数の位置の各々で、前記照明装置は前記爪を照明し、前記撮像装置は、前記複数の方向から前記特定の指を撮影して、前記爪に対応する複数の爪画像を取得し、 前記複数の爪画像に基づいて、前記爪の形状に関する爪情報を検出し、 前記爪情報に基づいて印刷用データを生成し、前記移動機構により、前記印刷用データに応じて前記印刷部を移動させて、前記爪に画像を印刷することを特徴とするネイルプリント装置の印刷制御方法。 <請求項10> 前記複数の方向は、前記爪の真上となる第1の方向と、前記第1の方向から爪の幅方向の一方の側に傾斜した第2の方向と、を含み、 前記移動機構は、前記撮像装置が前記複数の爪画像を取得するとき、前記撮像装置を、前記爪に対する方向が前記第1の方向となる第1の位置と、前記爪に対する方向が前記第2の方向となる第2の位置と、に移動させることを特徴とする請求項9に記載のネイルプリント装置の印刷制御方法。 <請求項11> 前記印刷部は、前記爪にインクを塗布する印刷ヘッドを有し、前記ネイルプリント装置は、前記印刷ヘッドのメンテナンスを行う印刷保守部を、更に有し、前記撮像装置は、前記印刷部に対して、前記撮像装置が前記第1の位置にあるときに前記印刷ヘッドが印刷保守部に配置される、位置に設けられており、 前記移動機構により前記撮像装置を前記第1の位置に移動させたときに、前記印刷保守部により前記印刷ヘッドのメンテナンスを行うことを特徴とする請求項10に記載のネイルプリント装置の印刷制御方法。 <請求項12> 前記撮像装置が取得した前記複数の爪画像に基づいて、前記爪の輪郭形状と、前記爪の高さ及び前記爪の曲率の少なくとも何れか一方と、を前記爪情報として取得し、 前記爪情報に基づいて画像データを補正して、前記印刷用のデータを生成することを特徴とする請求項9に記載のネイルプリント装置の印刷制御方法。
1 ネイルプリント装置2 ケース本体31 指受入部46 印刷ヘッド47 移動機構50 撮影部51 撮像装置52 照明装置80 制御装置81 制御部82 記憶部116 隔壁811 撮影制御部812 爪情報検出部813 印刷用データ生成部814 印刷制御部815 表示制御部821 デザイン画像記憶領域822 爪情報記憶領域823 補正値記憶領域T 爪U1 印刷指U2 非印刷指 |