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Method for producing luminous body, luminous body produced by the same, and stone for nail using luminous body

申请号 JP2011231846 申请日 2011-10-21 公开(公告)号 JP2012106918A 公开(公告)日 2012-06-07
申请人 Taisuke Iwamoto; Tetsuya Shibano; Yamashita Yasuhiro; 山下 靖弘; 泰典 岩本; 哲也 芝野; 发明人 IWAMOTO TAISUKE; SHIBANO TETSUYA;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for producing a luminous body, which can efficiently produce a granular luminous body by a simple facility, a luminous body produced by the method, and a stone for nails using a luminous body.SOLUTION: In the production method of a luminous body containing at least a luminous material and a glass material, a pasty mixture 2 is fabricated by mixing at least a luminous material and a glass material. The mixture 2 is made into a plurality of layers laminated to form a granular laminate 3. The laminate 3 is fired so as to be melted to form the granular luminous body by the surface tension of the laminate 3 in a melted state.
权利要求
  • 蓄光材料とガラス材料を少なくとも含有する蓄光体の製造方法であって、
    少なくとも前記蓄光材料及び前記ガラス材料を混合してペースト状の混合物を作り、この混合物を複数の層に積層させて粒状の積層体を形成し、この積層体を溶融するように焼成して溶融状態の表面張力により成形させる蓄光体の製造方法。
  • 形成された積層体は、その積層体との接着性を有する樹脂製の支持層によって炉に移動され、焼成される請求項1記載の蓄光体の製造方法。
  • 前記積層体は前記支持層の表面に順次積層されて形成され、積層体を支持層の上に配向した状態で前記焼成を行う請求項2記載の蓄光体の製造方法。
  • 前記支持層は転写紙の転写層であり、この転写紙は、台紙の上に水溶性材料よりなる接着層を介して前記転写層が設けられ、前記転写紙を水に漬けることで前記接着層を溶解させ、前記積層体を保持した状態で転写層を前記台紙から分離させ、炉に移動させる請求項3記載の蓄光体の製造方法。
  • 前記混合物は、前記蓄光材料と前記ガラス材料との総量に対して前記蓄光材料が1重量%以上40重量%以下となるように配合して作成される請求項1〜4のいずれかに記載の蓄光体の製造方法。
  • 前記積層体は、前記蓄光材料の配合量が異なる複数種の混合物からなる請求項1〜5のいずれかに記載の蓄光体の製造方法。
  • 前記積層体は、前記層の面積が異なる複数種の層からなる請求項1〜6のいずれかに記載の蓄光体の製造方法。
  • 前記積層体の最下層の下及び/又は最上層の上には、前記ガラス材料よりなるコート層を設けてある請求項1〜7のいずれかに記載の蓄光体の製造方法。
  • 前記コート層の厚さを他の層と異ならせる請求項8記載の蓄光体の製造方法。
  • 前記積層体は、スクリーン印刷を複数回行うことで形成される請求項1〜9のいずれかに記載の蓄光体の製造方法。
  • 前記混合物はメジウムを含み、前記層を形成する毎に乾燥させる請求項1〜10のいずれかに記載の蓄光体の製造方法。
  • 請求項1〜11のいずれかに記載の蓄光体の製造方法により製造された蓄光体。
  • 請求項12記載の蓄光体を用いたネイル用ストーン。
  • 说明书全文

    本発明は、蓄光体の製造方法及びこれにより製造された蓄光体並びに蓄光体を用いたネイル用ストーンに関する。 さらに詳しくは、蓄光材料とガラス材料を少なくとも含有する蓄光体の製造方法及びこれにより製造された蓄光体並びに蓄光体を用いたネイル用ストーンに関する。

    従来、上述の如き蓄光体の製造方法として、例えば特許文献1〜3に記載の如きものが知られている。 特許文献1では、ガラス管の中空部に蓄光粉末を充填し延伸させて繊維状ガラスを生成し、その繊維状ガラスを傾斜状に配置した加熱炉に投入して融点以上で熔解させて表面張によりガラス小球を製造している。 また、特許文献2では、蓄光カレットを流動焼成法によって焼成してガラスビーズを製造している。 いずれの製造方法においても、使用する装置が複雑且つ大掛かりで、製造工程も煩雑となっていた。

    また、特許文献3では、蓄光材とガラス材よりなる混合材を焼成し板状ガラスを生成し、その板状ガラスを所定の粒径に粉砕して再度焼成することにより発光部を含む粒状部を形成している。 そのため、発光部を含む粒状部の生産効率は低く、製造工程も未だ煩雑であった。 また、粒状部の形状にバラツキも生じる場合があった。

    特開昭60−176933号公報

    特開平11−43349号公報

    特開2007−112685号公報

    かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、簡便な設備で効率よく粒状の蓄光体を製造することが可能な蓄光体の製造方法及びこれにより製造された蓄光体並びに蓄光体を用いたネイル用ストーンを提供することを目的とする。

    上記目的を達成するため、本発明に係る蓄光体の製造方法の特徴は、蓄光材料とガラス材料を少なくとも含有する蓄光体の製造方法において、少なくとも前記蓄光材料及び前記ガラス材料を混合してペースト状の混合物を作り、この混合物を複数の層に積層させて粒状の積層体を形成し、この積層体を溶融するように焼成して溶融状態の表面張力により成形させることにある。

    上記構成によれば、積層体はペースト状の混合物を積層させた構造であるので、焼成前の積層体は流動性が低い。 積層体を溶融するように焼成することで、積層体は流動性が高まり液状となり、積層体には表面張力が発生する。 表面張力は、表面が自ら収縮してできるだけ小さな面積となるように表面に沿って作用する張力であり、積層体の形状に応じて張力が発生する。 また、表面張力は液体の種類によっても異なる。 従って、溶融状態の表面張力によって形状が変化することとなり、所望の形状に成形させることができる。

    また、形成された積層体は、その積層体との接着性を有する樹脂製の支持層によって炉に移動され、焼成されるようにするとよい。 樹脂製の支持層は焼成により焼失するので、より効率よく蓄光体を製造することができる。

    係る場合、前記積層体は前記支持層の表面に順次積層されて形成され、積層体を支持層の上に配向した状態で前記焼成を行うとよい。 積層体を樹脂の上に形成でき、印刷等による形成が容易である。 しかも、積層体が支持層の上に位置する状態で焼成するので、焼成後の蓄光体の表面に与える悪影響を抑制し、仕上がり精度を向上させることができる。

    さらに、前記支持層は転写紙の転写層であり、この転写紙は、台紙の上に溶性材料よりなる接着層を介して前記転写層が設けられ、前記転写紙を水に漬けることで前記接着層を溶解させ、前記積層体を保持した状態で転写層を前記台紙から分離させ、炉に移動させることが望ましい。 これにより、台紙を有する転写紙の上に積層体を形成するので、より寸法精度が向上する。 しかも、転写層を薄く形成でき、水に漬けることで台紙からの分離も容易であり、作業効率もさらに向上する。

    そして、積層させたものを焼成すれば良いため、製造設備は簡便である。 また、積層体は多数のものを同時に作成すればよいため、製造効率が良く、しかも精度も安定している。

    係る場合、望ましくは、前記蓄光材料と前記ガラス材料との総量に対して前記蓄光材料が1重量%以上40重量%以下となるように配合して作成されるとよい。 この数値範囲内であれば、蓄光材料による発光性能を維持でき、表面張力により精度も安定して成形することが可能である。

    前記積層体は、前記蓄光材料の配合量が異なる複数種の混合物から形成されても構わない。 また、前記積層体は、前記層の面積が異なる複数種の層から構成されても構わない。 積層体の層において蓄光顔料の量とガラス材料の量を異ならせることで、表面張力に差が生じ、所望の形状に精度も安定して成形することができる。

    前記積層体の最下層の下及び/又は最上層の上には、前記ガラス材料よりなるコート層を設けるとよい。 蓄光材料の含有量が多くなると、生成される蓄光体の表面に存在する蓄光顔料により表面に凹凸が生じ平滑性が低下する。 最下層及び/又は最上層をガラス材料よりなるコート層とすることで、平滑性を向上させることができる。 また、ガラス材料で構成することで発光性能も維持することができる。

    前記コート層の厚さを他の層と異ならせるとよい。 これにより、精密な形状を得られ且つ肉厚の積層体を形成することができる。 従って、効率よく発光性能のよい蓄光体を生成することができる。

    そして、前記積層体は、スクリーン印刷を複数回行うことで形成するとよい。 製造設備は簡便で、多数のものを同時に作成でき、製造効率が良い。

    また、前記混合物はメジウムを含み、前記層を形成する毎に乾燥させるとよい。 メジウムに含まれる有機溶剤が焼成時に残存しているとススとなり黒ずんでしまう。 層を形成する毎に乾燥させることで、その有機溶剤を気化させて発光性能の低下を防止する。 上記いずれかに記載の蓄光体の製造方法により製造された蓄光体は、例えば、ネイル用ストーンとして使用することができる。

    上記本発明に係る粒状蓄光体の製造方法及びこれにより製造された蓄光体並びに蓄光体を用いたネイル用ストーンの特徴によれば、簡便な設備で効率よく粒状の蓄光体を製造することが可能となった。

    本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。

    本発明の第一実施形態に係る蓄光体を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。

    第一実施形態の積層体を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。

    積層体形成工程を説明する図である。

    焼成工程を説明する図である。

    焼成時の表面張力の作用を説明する図である。

    本発明の他の実施形態に係る蓄光体を示す図であり、(a)〜(c)は正面図、(d)〜(f)は(a)〜(c)に対応する平面図である。

    (a)〜(c)は、他の実施形態の積層体を示す正面図である。

    他の実施形態を示す図3(c)相当図である。

    次に、図1〜5を参照しながら、本発明の第一実施形態について説明する。
    本発明に係る蓄光体1は、蓄光材料としての蓄光顔料と、ガラス材料としてのガラスフリットを少なくとも含有する粒状の焼結体である。 この蓄光体1は、蓄光顔料及びガラスフリットを混合して作成したペースト状の混合物2を複数の層に積層させて粒状の積層体3を形成し、この積層体3を溶融するように焼成して溶融状態の表面張力により成形させたものである。

    図1に示すように、第一実施形態に係る蓄光体1は、略立方体形状を呈する。 この蓄光体1は、図2に示す如き粒状の積層体3を焼成することで得られる。 この積層体3は、図2(a)に示すように、混合物2よりなる6層構造の蓄光層31と、コート層30,32とからなる。 また、同図(b)に示すように、積層体3は平面視で略方形を呈する。

    蓄光層31は、第1層31a乃至第3層31cからなる下層部分33と、第4層31d乃至第6層31fからなる上層部分34とから構成されている。 図2(b)に示すように、本実施形態において、積層方向に直交する面の面積は、上層部分34の各層31d〜31fより下層部分33の各層31a〜31cが大きい。 蓄光層31の上側と下側とで各層の面積を異ならせると、蓄光体1表面の仕上がりが滑らかなものとなる。 なお、本実施形態では、例えば上層部分34の辺の長さLを下層部分33の1辺より10%程度小さく設定する。

    べースコート層30は最下層としての第1層31aの下層の下に設けられ、オーバーコート層32は、蓄光層31の最上層としての第6層31fの上に設けられる。 これらのコート層30,32は、蓄光顔料を含まないガラスフリットよりなる。 ベースコート層30は後述するようにをシャープに仕上げるのに有用である。 一方、蓄光層31に含まれる蓄光顔料は粒径が大きいため、蓄光体1の表面に蓄光顔料によって凹凸が形成される場合がある。 蓄光顔料を含まないオーバーコート層32を設けることで、積層体3の焼成によってオーバーコート層32が溶融し、表面の凹凸を防止し平滑にすると共に積層体3の角(端部)を滑らかに仕上げることができる。 しかも、上下対称にコート層30,32を設けることで、積層体3の溶融時の表面張力のバランスが保たれるので、不均一な表面張力の発生を防止し、形状のバラツキを防止することができる。

    蓄光層31を構成する各層は、コート層30,32よりも厚い。 蓄光層31を厚くすることで、単位面積当たりの蓄光顔料の含有量を効率よく増加させることができる。 また、コート層30,32は蓄光顔料を含んでいないので、蓄光層31よりも表面張力が大きく作用する。 これにより、成形される蓄光体を滑らかに仕上げることができ、且つ発光性能を効率よく向上させることが可能となる。

    蓄光顔料としては、例えばアルカリ土類金属のアルミン酸塩化合物を主成分に希土類元素の賦活剤、共賦活剤を添加焼成して得られたものを用いる。 アルカリ土類金属としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の少なくとも1以上の金属元素やこれらの金属元素とマグネシウムの合金が挙げられる。 希土類元素の賦活剤としては、ユウロピウム、ジスプロシウム等が挙げられる。 共賦活剤としては、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、サマリウム、カドニウム、テルビウム、ジスプロニウム等の元素が挙げられる。 また、蓄光顔料には、上述の如き酸化物蛍光体の他、CaS:Bi(紫青色発光),CaSrS:Bi(青色発光),ZnS:Cu(緑色発光),ZnCdS:Cu(黄色〜橙色発光)等の硫化物蛍光体を用いることも可能である。 なお、上述の化合物を適宜混合して用いてもよく、さらに他の無機蛍光顔料や有機蛍光顔料において蓄光性を有するものも用いることが可能である。

    また、ガラスフリットの材料には、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ホウ素及びアルカリ酸化物を主成分とし且つ酸化カルシウム、酸化ストロンチウム及び酸化マグネシウムからなる群より選択された少なくとも1種のアルカリ土類金属酸化物を含むものが用いられる。 なお、ガラスフリットの材料は、先の材料に限定されるものではないが、上述の蓄光顔料が固体で存在可能な温度で溶融(液化)するものを用いるとよい。 また、焼成後において、透明度の高いガラスフリットの材料を用いることが望ましい。 蓄光顔料の発光が阻害されることがなく、発光性能の低下を防止する。

    ここで、本実施形態に係る蓄光体1の製造工程について説明する。 この製造工程は、大略、ペースト状の混合物2を作成する混合物作成工程と、作成したペースト状の混合物2を複数の層に積層させて積層体3を形成する積層体形成工程と、積層体3を焼成し溶融時の表面張力により所望の形状に成形する焼成工程とからなる。

    混合物作成工程では、蓄光顔料及びガラスフリットの各粉末と液状のメジウムとを混合してペースト状の混合物2を作成する。 ここで、蓄光顔料とガラスフリットとの総量に対して、蓄光顔料が1重量%〜40重量%の範囲内となるように調合する。 この数値範囲内であれば、蓄光顔料による発光性能が低下することなく、焼成工程における積層体3の溶融時の表面張力により所望の形状に成形することができる。 そして、調合した固形成分(粉状の蓄光顔料及びガラスフリット)の総量に対して、液状のメジウムを適量混合してペースト状の混合物2を作成する。

    本実施形態では、例えば蓄光顔料とガラスフリットとの総量に対して、蓄光顔料が30重量%となるように調合する。 そして、調合した固形成分の総量に対して、液状のメジウムを40重量%で混合する。 すなわち、蓄光顔料:ガラスフリット:メジウム=3:7:4の割合にて調合してペースト状の混合物2とする。

    ここで、メジウム4には、例えば、アクリル系、アルキッド系、エポキシ系、ウレタン系、アクリルシリコン系、フッ素系、メラミン系等の1液又は2液タイプのものを用いることができる。 このメジウムは、粒状の蓄光体1に成形するために、粉状の蓄光顔料とガラスフリットとのつなぎとなるものであれば、上記材料に限定されるものではない。 例えば、スキージオイルや各種のバインダー等を用いることも可能である。 なお、調合時において、蓄光顔料、ガラスフリット及びメジウムの他、染料等の添加物を発光性能に影響を与えない範囲内で添加しても構わない。

    次に、積層体形成工程について説明する。
    本実施形態では、上述の混合物2を印刷機10により支持部材としての転写紙20上にスクリーン印刷して、上述の積層体3を同時に複数形成する。 スクリーン印刷を適用することで、効率よく多量の積層体3を形成することができる。 ここで、転写紙20は、図3(c)に示すように、台紙21と樹脂フィルムよりなる支持層としての転写層22と、これらを接着する水溶性の接着層23よりなるものであり、例えば、一般的に陶磁器の絵付けに用いられるものを利用することができる。 転写層22は、積層体3との接着性を有し且つ積層体3を焼成する際に焼失する材料であればよい。 この転写層22には、例えば、アクリル酸エステル共重合体、ビニル系樹脂、セルローズ系樹脂、その他の炭化水素等の樹脂材料が用いられる。 また、接着層23は、例えばデンプン、デキストリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アラビアガム、水溶性アクリル樹脂等の転写紙用糊からなる。

    まず、図3(a)に示すように、開口13を形成したスクリーン版12'を印刷機10に取り付ける。 台11に転写紙20を載置し、取り付けたスクリーン版12'に対して転写紙20の位置合わせを行う。 ここで、転写紙20は、スクリーン印刷の際に位置ズレが生じないように、テープ等の固定部材で台11に固定される。 本実施形態において、このスクリーン版12'に150メッシュのものを用い、ベースコート層30を形成する。 目の細かいスクリーン版12'により顔料を用いないベースコート層30を印刷すれば、角の部等をシャープに形成することが可能となる。

    そして、スクリーン版12'にメジウムとガラスフリットとを混合したペースト状のガラス材2'を配置し、スクリーン版12'上面でスキージを移動させる。 これにより、ガラス材2'は開口13を介して下面側へ押し出されるようにして塗布され、転写紙20の転写層22上に塗布(印刷)され、コート層30が形成される。

    次に、スクリーン版12'をメッシュの異なるスクリーン版12と取り替える。 蓄光顔料の粒が大きいため、混合物2に含有する蓄光顔料が開口13を通過できるスクリーン版12を選択する。 また、上述のスクリーン版より開口の大きいスクリーン版を用いることで、蓄光層31を肉厚とすることができる。 これにより、単位面積当たりの蓄光顔料の含有量は増加し、蓄光体1の発光性能を向上させることができる。 本実施形態では、60メッシュのスクリーン版12に交換する。

    そして、図3(b)に示すように、スクリーン版12にペースト状の混合物2を配置し、スクリーン版12上面でスキージ14を移動させる。 これにより、混合物2が開口13を通過して塗布(印刷)され、ベースコート層30の上面に蓄光層31の第一層31aが形成される。

    これを複数回繰り返し行うことで、図3(c)に示すように、層が印刷回数分積層され、積層体3が転写層22の表面22aに順次積層されて形成される。 本実施形態では、スクリーン印刷を6回行うことで、第1層31a乃至第6層31fの6層構造の蓄光層31を形成する。 そして、再度スクリーン版12を150メッシュのスクリーン版12'に交換し、蓄光層31の第6層31fの上にオーバーコート層32を形成する。

    なお、開口13の形状は、三角形、四角形等の多角形状、円形、楕円形等、適宜設定することが可能である。 また、開口13は、本実施形態の如く同一形状のものを複数設けてもよく、異なる形状や大きさのものを複数設けても構わない。 本実施形態では、開口13は略方形を呈し、適宜間隔をおいて複数形成されている。

    ところで、混合物2及びガラス材2'に用いたメジウムには、炭素を含む有機溶剤が含まれている場合がある。 係る場合、後の焼成時にメジウムが残存していると、有機溶剤の炭素がススとなって黒ずんでしまい、蓄光体1の輝度が低下してしまう。 そのため、層を一層形成する毎にメジウムを乾燥させる乾燥工程を設ける。 これにより、層に存在する有機溶剤を完全に気化させて消滅させて、蓄光体1の輝度の低下を防止する。 なお、本実施形態では、上述のスクリーン印刷を行う度に層を乾燥させ、有機溶剤を気化蒸発させる。 乾燥工程は、例えば所定時間温風に晒すことにより行う。

    複数回のスクリーン印刷により積層体3を形成した後、図3(d)に示すように、転写紙20を水に浸漬させる。 これにより、水溶性の接着層23が溶解し、積層体3が転写層22に保持されたままで台紙21から転写層22が剥離し分離する。

    次に、焼成工程について説明する。
    本実施形態においては、図4に示すように、先の転写層22によって複数の積層体3を焼成用下敷51に載置させ炉50に移動させる。 下敷51の上で積層体3を転写層22の上に位置(配向)させた状態で炉50に設置し所定の温度(例えば800℃)にて焼成することで、積層体3の表面張力を利用して成形する。 また、焼成により転写層22は焼失する。 なお、焼成用下敷51には、例えばアルミナシートが用いられるが、積層体3が焼結しない材料や構造のものであれば、特に限定されるものではない。

    ここで、表面張力とは、液体の表面が自ら収縮してできるだけ小さな面積となるように表面に沿って作用する張力である。 積層体3を溶融するように焼成すると、積層体3に含まれるガラスフリットが熔解して液状のガラス成分となり、積層体3に表面張力が発生する。 一方、蓄光顔料はガラスフリットよりも融点が高く、ガラスフリットの溶融温度では固体で存在する。 よって、積層体3に生じる表面張力STは、蓄光顔料の含有量(配合量)によって異なる。

    本実施形態では、調合した固形成分(粉状の蓄光顔料及びガラスフリット)の総量に対して、蓄光顔料は30重量%含まれている。 積層体3を所定の温度(例えば800℃)で焼成すると、図5に示すように、略方形の積層体3はその表面張力STによって各辺及び角部に丸みが生じる。 この表面張力STにより略立方体形状の蓄光体1が得られる。

    次に、本発明の第二実施形態について説明する。 なお、以下の実施形態において、上記実施形態と同様の部材等には同一の符号を付してある。
    上記第一実施形態において、蓄光顔料とガラスフリットとの総量に対して、蓄光顔料が30重量%となるように調合し、略方形の積層体3を焼成して、蓄光体1を得た。 しかし、第二実施形態では、蓄光顔料とガラスフリットとの総量に対して、蓄光顔料を5重量%以上20%重量以下となるように調合する。 この数値範囲内であれば、第一実施形態と比べ、焼成時における積層体3の蓄光顔料の含有量は少ない。 そのため、焼成時に生じる表面張力STは大きくなる。 よって、図6(a)(d)に示す如き、球状の蓄光体1Aを製造することが可能となる。 例えば、蓄光顔料とガラスフリットとの総量に対して、蓄光顔料が10重量%となるように調合する。

    係る場合、積層体形成工程において、スクリーン版12の開口13を略円形に形成するとよい。 また、上記第一実施形態では、積層体3の蓄光層31の上下に対をなすコート層30,32を設けた。 しかし、第二実施形態では、コート層32を形成していない。 コート層30は、形状に合わせて適宜設ければよい。 また、コート層30、32は、上下の層の一方にのみ設けることも可能である。

    最後に他の実施形態の可能性について言及する。
    蓄光体1の形状は、第一実施形態の略立方体形状や、第二実施形態の球状に限られるものではない。 例えば、図6(b)(e)に示す如き半球状や同図(c)(f)に示す如き階段状の略円錐形状に成形することも可能である。 上記第一、第二実施形態においては、図2,図7(a)に示すように、積層体3,3Aの蓄光層31,31Aを同一の混合物2を積層させて形成した。 しかし、積層体3は、蓄光顔料の配合量の異なる複数種の混合物を組み合わせて用いることも可能である。

    半球状に成形する場合、例えば図7(b)に示すように、積層体3Bを下層部分33B,上層部分34B及び中間層部分35Bの面積の異なる3種の層を階段状に形成する。 さらに、上層部分34B及び中間層部分35Bと下層部分33Bとを蓄光材料の含有量の異なる2種の混合物より構成する。 本例では、例えば、上層部分34B及び中間層部分35Bの各層を蓄光顔料の含有率10%の混合物により形成すると共に、下層部分33Bの各層を蓄光顔料の含有率30%の混合物により形成する。 蓄光顔料の含有率が小さい方が、積層体の溶融状態において固体成分として存在する蓄光顔料の量は少ない。 よって、蓄光顔料の含有率が小さい(配合量が少ない)程、溶融状態の表面張力は大きく作用する。 従って、本例において、上層部分34B及び中間層部分35Bでは、表面張力が大きく作用し球面となる。 その結果、半球状の蓄光体1Bとして成形される。

    また、階段状の略円錐形状に成形する場合、例えば同図(c)に示すように、上記と同様に、積層体3Cを下層部分33C,上層部分34C及び中間層部分35Cの面積の異なる3種の層を階段状に形成する。 そして、各部分33C〜35Cを蓄光顔料の含有率の異なる3種の混合物により形成する。 本例では、例えば下層部分33Cを蓄光顔料の含有率30%の混合物、中間層部分35Cを蓄光顔料の含有率20%の混合物、上層部分34Cを蓄光顔料の含有率10%の混合物により積層体3Cを生成している。 本例において、上層部分34Bへ向かう程、表面張力が大きく作用する。 その結果、略円錐形状の蓄光体1Cとして成形される。

    上記各実施形態では、積層体3の層の面積を異ならせて階段状に形成した。 しかし、階段状に限らず、層の面積の異なる複数種の層の配置は適宜設定することが可能である。 さらに、上記各実施形態において、積層体3の複数の層の厚さは同一とした。 しかし、積層体3は、層の厚さが異なる複数種の層から構成することも可能である。

    このように、蓄光顔料の配合量と積層体3の形状を適宜選択し、組み合わせることで、積層体3の溶融状態の表面張力を調整して、所望の形状の蓄光体1を製造することができる。

    上記第一実施形態における積層体形成工程において、60メッシュのスクリーン版12を用いてスクリーン印刷を6回行うことで、6層構造の蓄光層31を形成し、150メッシュのスクリーン版12'を用いてカバーコート層32を形成した。 しかし、スクリーン版のメッシュ及び印刷回数はこれらに限られるものではなく適宜選択可能である。

    また、上記第一、第二実施形態では、積層体3の蓄光層31の各層を同一メッシュのスクリーン版12を用いて形成した。 しかし、層の形成は、異なるメッシュのスクリーン版を用いて複数回のスクリーン印刷を組み合わせて行うことも可能である。

    上記第二実施形態において、スクリーン印刷を複数回繰り返し行い、球状の蓄光体1Aを製造した。 しかし、球状の蓄光体1Aの製造は、スクリーン印刷に限らず、例えば先の転写紙20上に混合物2の液滴を滴下させ、その滴下物を焼成用下敷51に形成し焼成することで製造しても構わない。 また、上記各実施形態において、スクリーン印刷の他、筆塗りやスプレー等を適用することも可能である。

    先の第一実施形態において、転写層22を有する転写紙20を用いる代わりに、例えば図8に示すように、積層体3の印刷後に上から支持層40を形成しても構わない。 この支持層40は、例えばアクリル酸エステル共重合体、ビニル系樹脂、セルローズ系樹脂、その他の炭化水素等の樹脂材料のほか、上記接着層23のごとき材料により構成される。 この支持層40は、積層体3との接着性を有し且つ積層体3を焼成する際に焼失する材料であれば特に限定されるものではない。 そして、支持層40ごと複数の積層体3を下敷51上に移動・載置して焼成すればよい。 これにより、支持層40は焼失し且つ蓄光体1が生成される。

    本発明は、蓄光体の製造方法及びこれにより製造された蓄光体並びに蓄光体として利用することができる。 特に、本発明に係る製造方法により製造された蓄光体は、例えばネイル用ストーンとして利用することができ、人造宝石等の装身具としても利用することも可能である。

    1,1A,1B,1C:粒状蓄光体、2:混合物、2'ガラス材、3,3A,3B,3C:積層体、10:印刷機、11:台、12,12':スクリーン、13:開口、14:スキージ、20:転写紙(支持部材)、21:台紙、22:転写層(支持層)、22a:表面、23:接着層、30:ベースコート層(コート層)、31:蓄光層、32:オーバーコート層(コート層)、33,33A,33B,33C:下層部分、34A,34B,34C:上層部分、35B,35C:中間層部分、40:支持層、50:炉、51:焼成用下敷、ST:表面張力

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