液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物 |
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申请号 | JP2018516178 | 申请日 | 2016-09-27 | 公开(公告)号 | JP2018534262A | 公开(公告)日 | 2018-11-22 |
申请人 | アモーレパシフィック コーポレーション; AMOREPACIFIC CORPORATION; | 发明人 | ジャン,スン フィ; ハン,ウン シル; | ||||
摘要 | 本発明は、揮発性オイル;ハードタイプのフィルム形成剤;及びソフトタイプのフィルム形成剤を含む、液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物を提供する。本発明のアイメイクアップ組成物は、堅いながらも柔軟なフィルム膜を形成するので、軽く塗れ、持続性に優れ、また速く乾燥され、粉落ちが少ないので、従来に比べて顕著に向上された使用感を提供することができる。 | ||||||
权利要求 | 揮発性オイル;ハードタイプのフィルム形成剤;及びソフトタイプのフィルム形成剤を含む、液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記のハードタイプのフィルム形成剤とソフトタイプのフィルム形成剤とは、60:40〜30:70の重量比で混合されていることを特徴とする、請求項1に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記ハードタイプのフィルム形成剤は、組成物全体の総重量に対して1〜25重量%で含有されることを特徴とする、請求項1に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記ソフトタイプのフィルム形成剤は、組成物全体の総重量に対して1〜25重量%で含有されることを特徴とする、請求項1に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記揮発性オイルは、組成物全体の総重量に対して1〜80重量%で含有されることを特徴とする、請求項1に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記ハードタイプのフィルム形成剤は、シリコーン系フィルム形成剤であることを特徴とする、請求項1に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記シリコーン系フィルム形成剤を構成する樹脂はMQ樹脂であり、ここでのM/Qの割合は0.8以下であることを特徴とする、請求項6に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記シリコーン系フィルム形成剤は、トリメチルシロキシケイ酸系ポリマーであることを特徴とする、請求項6に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記ソフトタイプのフィルム形成剤は、シリコーングラフトアクリルポリマー系フィルム形成剤であることを特徴とする、請求項1に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記シリコーングラフトアクリルポリマー系フィルム形成剤は、イソブチルメタクリレート/ビス−ヒドロキシプロピル・ジメチコン・アクリレート・コポリマー、アクリレート/ジメチコン・コポリマー、アクリレート/ベヘニルアクリレート/ジメチコン・メタクリレート・コポリマー、アクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレート・コポリマー、アクリレート/ビス−ヒドロキシプロピルジメチコン・クロスポリマー、アクリレート/ジメチコンメタクリレート/エチルヘキシルアクリレート・コポリマー、アクリレート/プロピルトリメチコン・メタクリレート・コポリマー、アクリレート/エチルヘキシルアクリレート/ジメチコンメタクリレート・コポリマー、アクリレート/ステアリルアクリレート/ジメチコンメタクリレート・コポリマーからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項9に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記揮発性オイルは、水及び水性成分を含まないことを特徴とする、請求項1に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記揮発性オイルは、皮膚またはケラチン纎維と接触した際、常温及び大気圧にて、1時間以内に蒸発することを特徴とする、請求項1に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記揮発性オイルは、揮発性炭化水素オイル、揮発性シリコーンオイル、またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記揮発性炭化水素オイルは、C8〜16の分岐型アルカン、C8〜16の分岐型エステル、またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項13に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。上記揮発性シリコーンオイルは、ジメチコン、トリシロキサン、またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項13に記載の液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物。 |
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说明书全文 | 本出願は、2015年9月30日付韓国特許出願第10−2015−0137394号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容を本明細書の一部として含む。 本発明は、液状の油分散剤形のアイメイクアップ組成物に係り、具体的に、マスカラ、アイライナーなどを含むアイメイクアップ組成物の製造及びその他の類似分野で多様に活用されうる。 高温多湿な気候変化、及び実用性を追い求めるメイクアップトレンドの変化に応じて、アイメイクアップ組成物にも、段々と、軽い使用感が求められている。特に、日常的に使用されるマスカラまたはアイライナーといった剤形では、軽い使用感に加え、にじんだり砕けて崩れたりすることなく、はじめの、化粧をした状態を長く維持できる持続性に対するニーズも持続的に増加している。 このような必要に合わせるための一つの方法として、従来は液状の油分散形態の剤形でアイメイクアップ組成物を製造してきた。一般的に、油中水型組成物の場合は、各種機能を付与する効果は優れているが、粘(ねば)つきと皮脂に対する持続性が弱いという短所があり、水中油型組成物の場合は、油中水型に比べて軽いが、防水特性は劣るという短所があるためである。したがって、オイル、色素及びフィルム形成剤を混合してなる液状油分散剤形でアイメイクアップ組成物を提供するようになり、この際、揮発度が高いオイルを使用して軽い使用感を具現し、フィルム形成剤により持続性を具現しようとした。 しかし、既存の油分散剤形で使用されるフィルム形成剤はハードタイプのフィルム形成剤であって、アイメイクアップで求められる軽い使用感及び持続性の二つのニーズを同時に満たすことは難しいという限界があった。これは、ハードタイプのフィルム形成剤を構成するMQレジンの割合によって、直接的にフィルム膜の特性が変化するためである。すなわち、M/Qの割合が高い場合は、硬すぎるフィルム膜が形成されて容易に砕け、これによって粉の飛散が生じることで持続性が劣ることとなり、M/Qの割合が低い場合は、あまりにも柔らかいフィルム膜を形成するので、べたりと重く塗られて使用感が低下する。 ここで、本発明の発明者らは、上記問題点を解決するために相当な努力と研究を繰り返した結果、揮発性オイルとともに、ハードタイプのフィルム形成剤とソフトタイプのフィルム形成剤とを混用することにより、全般的に使用感が著しく向上したアイメイクアップ組成物を提供できることを認知するようになった。さらに、本発明の発明者らは、上記各構成成分についての最適な組成、及び、ソフトタイプのフィルム形成剤とともに混用する際の、ハードタイプのフィルム形成剤についての最適なM/Qの割合の範囲などを具体的に確認して、本発明を完成することとなった。 韓国登録特許第1060805号公報、「持続性に優れた防水アイメイクアップ組成物」
したがって、本発明の目的は、軽い使用感と優れた持続性を同時に満たせるアイメイクアップ組成物を提供することにある。 上記目的を達成するために、本発明は、 揮発性オイル;ハードタイプのフィルム形成剤;及びソフトタイプのフィルム形成剤を含む液状油分散剤形のアイメイクアップ組成物を提供する。 具体的に、上記ハードタイプのフィルム形成剤として、好ましくは、シリコーン系フィルム形成剤を使用することができるのであり、より好ましくは、上記シリコーン系フィルム形成剤を構成するMQ樹脂のM/Q割合を0.8以下とすることができる。(ただし、M=R3SiO1/2、Q=SiO2、R=炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基) また、上記ソフトタイプのフィルム形成剤として、好ましくは、シリコーングラフトアクリルポリマー系フィルム形成剤を使用することができる。 一方、上記揮発性オイルは、水及び水性成分を含まないことを特徴とし、好ましくは、揮発性炭化水素オイル、揮発性シリコーンオイルまたはこれの混合物を使用することができる。 上記課題解決手段を利用して、本発明のアイメイクアップ組成物は、堅いながらも柔軟なフィルム膜を形成することができる。これによって、向上された塗り広がり性、持続性、乾燥速度を示し、粉落ち現象が改善されて使用感が優れる。 ハードタイプのフィルム形成剤とソフトタイプのフィルム形成剤との混合比に依存する、生成されたフィルム膜の形態を比べた写真である。
本発明は、揮発性オイル;ハードタイプのフィルム形成剤;及びソフトタイプのフィルム形成剤を含む、液状の油分散剤形のアイメイクアップ組成物を提供する。 本発明のアイメイクアップ組成物は、揮発度が高いオイルの組み合わせ及び柔軟ながらも持続性に優れたフィルム膜を形成するフィルム形成剤の組み合わせによって液状の油分散アイメイクアップ剤形で求められる軽い使用性及び優れた持続性を同時に満たすことを特徴とする。 以下、本発明の構成についてより詳しく説明する。ただし、下記内容は本発明に対して理解し易くするために最も代表的な実施形態のみを記載されたものであって、本発明の権利範囲はこれに限定されないし、本発明は下記内容と均等な全ての範囲を包括するものとして理解されなければならない。 <ハードタイプのフィルム形成剤> 本発明のハードタイプのフィルム形成剤は、シリコーン系フィルム形成剤を使用する。 一般的に、シリコーン系フィルム形成剤を構成するシリコーン系樹脂(resin)は、4つの形態に分類することができる。具体的に、Si−O結合が1個存在するM樹脂、2個存在するD樹脂、3個存在するT樹脂及び4個存在するQ樹脂に分けられ、各M、D、T、Q樹脂の単位構造は下記のとおりである: M樹脂:R3SiO1/2 D樹脂:R2SiO T樹脂:RSiO3/2 Q樹脂:SiO2 (ここで、RはC1〜8のアルキル基またはC5〜15のアリール基である。) 本発明のシリコーン系フィルム形成剤は、特に、上記シロキシ単位の中でM樹脂とQ樹脂が一定の割合で結合されているMQ樹脂から構成されていることを特徴とするが、通常、上記樹脂を構成するM/Q割合(ratio)によってフィルム形成剤が形成するフィルム膜の強度が変わる。例えば、M/Q>1であれば、フィルム膜は軟らかくてふにゃふにゃになるし、逆にM/Q<1であれば、フィルム膜は強くてこわばるようになる。 本発明のシリコーン系フィルム形成剤を構成する樹脂のM/Q割合は、0.8以下のものを使用することが好ましい。上記範囲で、本発明のアイメイクアップ組成物は、フィルム膜が堅すぎて容易に砕けることを防止し、後述するソフトタイプのフィルム形成剤との最適の組み合わせを構成することができる。 一方、M樹脂のシロキシ単位のSiと結合する物質は多様に存在することができるが、一例として、商用化されて使われているM樹脂の中で、SiにCH3が付いているオルガノポリシロキサンがある。 本発明で使用されるシリコーン系フィルム形成剤もまた、好ましくはこれを構成するM樹脂にCH3(メチル基)が結合された構造であって、具体的には、固体の形態の上記M樹脂をQ樹脂とともに揮発性シリコーン溶媒に分散させて製造したトリメチルシロキシケイ酸系ポリマーであってもよい。 理解し易くするために、本発明で最も好ましく使用できるハードタイプのフィルム形成剤であるトリメチルシロキシケイ酸(Trimethylsiloxysilicate)の構造を下記化学式1で表す。
上記トリメチルシロキシケイ酸は、特に優れた密着性及び撥水力を提供する役割をする。 <ソフトタイプのフィルム形成剤> 上記ソフトタイプのフィルム形成剤は、シリコーングラフトアクリルポリマー(Siliconegraft acrylic polymer)系フィルム形成剤であることを特徴とする。 上記シリコーングラフトアクリルポリマーは、アクリル樹脂にシリコーンがグラフト結合された形態の高分子物質であって、メイクアップの持続力と密着力を高める効果がある。具体的には、アクリル樹脂に対する、ステアリルアクリレートエチルヘキシルアクリレートのコポリマーの形態、またはベヘニルアクリレートエチルヘキシルアクリレートのコポリマー形態であってもよい。 本発明のソフトタイプのフィルム形成剤として使用されるシリコーングラフトアクリルポリマー系フィルム形成剤として、好ましくは、イソブチルメタクリレート/ビス−ヒドロキシプロピル・ジメチコン・アクリレート・コポリマー、アクリレート/ジメチコン・コポリマー、アクリレート/ベヘニルアクリレート/ジメチコン・メタクリレート・コポリマー、アクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレート・コポリマー、アクリレート/ビス−ヒドロキシプロピルジメチコン・クロスポリマー、アクリレート/ジメチコン・メタクリレート/エチルヘキシルアクリレート・コポリマー、アクリレート/プロピルトリメチコン・メタクリレート・コポリマー、アクリレート/エチルヘキシルアクリレート/ジメチコン・メタクリレート・コポリマー、アクリレート/ステアリルアクリレート/ジメチコン・メタクリレート・コポリマーからなる群から選択される1種以上であってもよいが、必ずしもこれに限定することではない。 以上で説明した、ハードタイプのフィルム形成剤とソフトタイプのフィルム形成剤とは、混用して使用されることを特徴とする。 本発明のハードタイプのフィルム形成剤及びソフトタイプのフィルム形成剤の各々は、組成物の総重量に対して1〜25重量%で含有されてもよく、好ましくは、5〜15重量%で含有されてもよい。もし、各フィルム形成剤の含量がいずれも上記範囲未満であると、フィルム膜がまともに形成されないこともあるし、いずれも上記範囲を超えれば、組成物の液状剤形がまともに形成されないか、容易に固まることがあるためである。また、いずれかのフィルム形成剤の含量が上記範囲未満、または超過の場合は、堅すぎるか、または過度に軟らかくべたべたしたフィルム膜が形成されることがある。したがって、フィルム形成剤の含量は、上記範囲内で適切に使用することが好ましい。 ここで、ハードタイプのフィルム形成剤と、ソフトタイプのフィルム形成剤との好ましい混合比は、60:40〜30:70の重量比である。上記範囲を外れてハードタイプのフィルム形成剤をより多く含む場合は、フィルム膜の強度があまりにも堅く形成されて砕け易くなり、表面粘着性も表れないという問題が生じる。また、上記範囲を外れてソフトタイプのフィルム形成剤をより多く含む場合は、フィルム膜が過度に軟らかくべたべたに形成されて、望ましい使用感を提供することができない。 従来は、上述したように、MQ樹脂ポリマーで構成されたハードタイプのシリコーン系フィルム形成剤を単独で使用したのであり、上記構成樹脂のM/Q割合によって直接的にフィルム膜の特性が左右されることにより、フィルム膜に柔軟さと堅さを同時に与えることが難しかったことに対し、本発明では、ハードタイプのフィルム形成剤とソフトタイプのフィルム形成剤とを適正の混合比で併用しながら、ハードタイプのフィルム形成剤のM/Q割合は0.8以下に限定することで、柔軟かつ強度のあるフィルム膜を形成することができる。 <揮発性オイル> 本発明で使用される揮発性オイルは、低比重の揮発性オイルであることが好ましい。標準物質として4℃の純粋な水の比重を1としたとき、上記低比重揮発性オイルの比重は1未満であり、具体的には0.001以上1未満、より具体的には0.1以上1未満である。 上記低比重揮発性オイルは、皮膚またはケラチン纎維と接触した際に、常温及び大気圧で1時間以内に蒸発するオイルであることを特徴とする。また、水及び水性成分を含まないことを特徴とする。 本発明で使用される揮発性オイルとして、好ましくは揮発性炭化水素オイル、揮発性シリコーンオイル、またはこれらの混合物を使用することができる。 上記揮発性炭化水素オイルとして、好ましくはC8〜16の分岐型アルカン、C8〜16の分岐型エステル、またはこれらの混合物を使用することができるのであり、上記C8〜16の分岐形態のアルカンとしては、例えば、イソアルカンとして、イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカンなどを使用することができる。 一方、上記揮発性シリコーンオイルとしては、線形または環状のシリコーンオイルを使用することができるし、好ましくは、シリコーンオイルには、粘度が25℃にて6cSt以下で、2〜5個のケイ素(Si)原子を持つシリコーンオイルを使用することができる。より好ましくは、ジメチコン、トリシロキサン、または、これらの混合物を使用することができる。 上記揮発性オイルは、組成物の総重量に対して1〜80重量%含有されてもよく、具体的には30〜50重量%含有されてもよい。上記揮発性オイルの含量が1重量%未満であれば、フィルム形成剤を分散することができる溶媒の量が少な過ぎて眉毛などに使用するのに適するクリーム相の剤形が作られにくく、低比重の組成物になりにくいのであり、80重量%を超えれば、揮発速度が速くなり過ぎて組成物の製造及び保管が難しくなるという問題がある。 本発明のアイメイクアップ組成物は、上記有効成分の他にも本発明の目的及び効果を阻害しない範囲内で、ワックス、オイル、パウダー、増粘剤、色素、栄養成分、揮発性溶解剤、酸化防止剤、防腐剤及び香料などといった、通常のアイメイクアップ組成物に含有される成分をさらに含むことができる。 同時に、本発明のアイメイクアップ組成物は、マスカラ、アイシャドー、アイブロウペンシル及びアイライナーなどの剤形で活用されうる。最も好ましくは、マスカラまたはアイライナーであってもよい。 また、本発明のアイメイクアップ組成物は、これを応用して適用できるその他のメイクアップまたは全ての類似の剤形に対しても活用可能であって、例えば、毛髪スタイリング用ヘアー製品の剤形としても使用されうる。 以下、本発明の実施例、比較例及び試験例を記載する。ただし、下記の実施例、比較例及び試験例は、本発明の構成及び効果に関する一試験例に該当するだけであって、本発明の権利範囲及び効果がこれに限定されることではない。 <製造例1:アイメイクアップ組成物の製造> 下記表1に示された成分物質の処方によって、実施例1〜2及び比較例1〜2の液状の油分散剤形のアイメイクアップ組成物を製造した。
比較例1は、揮発性オイル及びM/Q割合が異なるハードタイプのフィルム形成剤(M/Q=0.7及び1.3)のみを使って製造した剤形であり、比較例2は、非揮発性オイルとともに、ハードタイプのフィルム形成剤(M/Q=0.7)とソフトタイプのフィルム形成剤とを混用して製造した剤形である。実施例1及び2は、本発明によって揮発性オイルとともに、ハードタイプのフィルム形成剤(M/Q=0.7)とソフトタイプのフィルム形成剤とを使用して製造した剤形であって、具体的には、揮発性オイルの種類及び含量、及び、ハードタイプのフィルム形成剤とソフトタイプのフィルム形成剤との混合の割合に、相互間の差がある。 <実験例1:軽さ評価> 上記比較例1、2及び実施例1、2のアイメイクアップ組成物に対して、常温での軽さの度合を評価した。軽さの評価基準は、比重1を基準としており、結果は下記表2のとおりである。 比重測定方法 1)50mlの比重カップを準備し、比重カップの重さを測定する。 2)比重カップに、水をいっぱいに満たして重さを測定する。 3)上記2)の比重カップ+水の重さから、上記1)の比重カップ重さを引いて水の重さを求める。 4)上記1)の比重カップに、各組成物をいっぱいに満たして重さを測定する。 5)上記4)の比重カップ+組成物の重さから、上記1)の比重カップの重さを引いて組成物の重さを求める。 6)組成物の重さを水の重さで割って組成物の比重を求める。 各々の組成物に対して、上記1)〜6)の過程を3回繰り返し、各結果値の平均を求めて、これを下記表2に示す。
上記表2で、非揮発性オイルを使用した比較例2の場合に比べて、揮発性オイルを使った実施例の場合の比重が約0.1〜0.2程度高いことを確認することができる。 一方、揮発性オイルを含めて、その他の組成物の組成は同一であるが、それぞれM/Q割合が他のハードタイプのフィルム形成剤のみを使った点、及び、ハードタイプとソフトタイプのフィルム形成剤を混用した点で差がある、比較例1と実施例1とを比べた場合、比重は同一であると測定された。 一方、実施例1と対比して、揮発性オイル及びハード及びソフトタイプのフィルム形成剤の種類と含量に差がある実施例2の場合は、実施例1に比べて0.02だけ、より低い比重を持つものと測定された。 上記結果を総合して見れば、比重には揮発性オイルの種類及び組み合わせが直接影響を与えることが分かる。 <実験例2:使用感評価> 上記実施例1、2及び比較例1、2のアイメイクアップ組成物に対して、軽さ、粉落ち、持続性、乾燥速度に関する、使用感の官能評価を行った。評価基準は下記のとおりであり、評価結果は下記表3に示す。 評価基準 ◎:優秀、○:概ね優秀、△:普通、X:悪い
上記表3で、比較例に比べて実施例の使用感が全般的に優秀であると評価されたことを確認できる。具体的に、比較例1に比べて、特に実施例1は、粉落ち、持続性及び乾燥速度の特性がとても優秀であり、実施例2は、特に、軽さ、粉落ちの少なさ、持続性の特性がとても優秀である。 また、比較例2の場合と各実施例を比べた場合も、実施例の使用感が顕著に優れたものと評価された。 上記結果を総合して見れば、揮発性オイルの使用の有無、及びハードタイプとソフトタイプのフィルム形成剤の組み合わせの如何は、アイメイクアップ組成物の使用感に、複合的に影響を与えることが分かる。 <実験例3:フィルム形成剤の混合割合によるフィルム膜特性の比較> ハードタイプのフィルム形成剤とソフトタイプのフィルム形成剤との混合比を異ならせて(それぞれ、100:0、70:30、60:40、50:50、30:70、0:100の重量比)製造した、各フィルム膜の形態を、図1の写真で比較して示す。 また、上記の生成されたフィルム膜が有する特性を、下記の評価基準にしたがって評価し、その結果を下記表4に示す。 評価基準 (1)フィルム膜の強度 −完全に乾燥されたフィルム膜を撓(たわ)ませてみた時の状態で比較 −ハード:フィルムが容易に砕ける −ソフト:フィルム膜が完全に撓んで、だらりと垂れ下がる −上下に撓ませた際に、柔軟性と弾性をともに持っていて、撓んだ後でも容易に復元されるか否かで評価する −◎:容易、○:概ね容易、△:普通、X:不能 (2)表面粘着性 −フィルム形成剤を一定の厚さ(100μm)で塗布し、10分後、フィルム形成剤の表面に、紙片(1×1サイズ)10個を載せて、5回左右に振った後、落とした時に表面に残っている紙片の数を測定 −◎:7個以上、○:5個〜6個、△:3個〜4個、X:2個以下 (3)べたつきなし −完全に乾燥されたフィルム形成剤の表面を指で触ってみた時、滑らかであるか否かで評価 −◎:滑らか、○:概ね滑らか、△:普通、X:滑らかでない *混合比(重量比)= [ハード:ソフト] 上記表4の結果を参照すれば、ハードタイプのフィルム形成剤とソフトタイプのフィルム形成剤との組み合わせ比が60:40〜30:70の範囲であるとき、形成されるフィルム膜が最適の強度を有し、表面粘着性が優秀であり、べたつきがないことを確認できる。特に、上記範囲内では任意の混合比を選んでも、ほぼ同じ特性を維持することができるので、組成物の提供目的及びその他の効果などを考慮して最適の混合比を選択することができる。 |