【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、場合によっては起泡性のリラックスするゲル化入浴用組成物に関する。 本発明はまた、特定のポリマーと化合物の、これらの、好ましくは泡立ち、リラックスし、さらに(熱-)ゲル化する入浴用組成物における使用に関する。 【0002】本発明に係る組成物は、一般に本質的に局所適用、特に化粧的又は皮膚科的用途のための組成物である。 本発明の技術分野は、ゲル化および起泡性入浴剤の分野と定義することができる。 実際に、現在ゲル化と起泡の両方がある入浴剤とされる製品、例えばエステゼリー(登録商標)の名称で販売されている日本の製品がある。 このように増粘された入浴剤は、極めてリラックスする無重力状態の感覚を提供する。 【0003】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】このような組成物は、例えば次の文献に開示される。 文献J P-A-61(86)-68411には、高い水吸収能を有する樹脂の粉末をバスタブ内の水又は温水に加え、その結果水が粒子の流動的な水性アグリゲートに変わる、ヒトの体に活性物質を適用し吸収させる方法を開示している。 活性成分が続いて添加され、粒子のアグリゲートの顆粒又は粒子の間の空間に均一に保持される。 活性物質は、油性の化粧料、栄養剤、ビタミン又は医薬化合物であり得る。 【0004】高い水吸収能を有する樹脂は、好ましくは多数のカルボキシル基及びヒドロキシル基を含む高分子量のポリマー化合物である。 このような樹脂の粉末が水に入れられると、その顆粒は水を吸収し、膨張し、他のものと接触しても固まらないが、代わりに他のものに対して自由に滑って粒子の流動的水性アグリゲートを付与する球状の水性粒子の形態になる。 好ましいポリマーは、ビニルアルコール、ビニルアセテート、アクリル酸のカルボキシル基をそのナトリウム塩に変えたアクリル酸メチル、アクリル酸のコポリマーでありうるIget agel(登録商標)Pである。 このような微粉状樹脂は、その自重の400から500倍の水吸収能がある。 【0005】文献JP-A-62(87)-106669には、必須成分として高い水吸収能を持つ高分子量の化合物を含む入浴用製品が開示されている。 化合物は、アクリル酸ナトリウムの3次元的架橋生成物、水酸化ナトリウムで中和したポリアクリル酸の生成物の重合により調製される樹脂、デンプンへのアクリロニトリルのグラフト重合によって調製される化合物、及びアクリル酸-ビニルアルコール化合物のコポリマーから選択される。 これらの化合物は、それ自信の重量の300から1000 倍の割合で水を吸収し、ゲルの形態で凝固する。 それらが水又は温水、例えばバスタブ内の水又は温水にそれ自体の1000から2000倍の量で溶解すると、それらは半流動性粘性ゼリーの形態になる。 【0006】文献JP-A-6(94)-172155は、 多糖類及びその誘導体、水溶性合成ポリマー及び水膨張性粘土物質から選択される少なくとも1つの増粘剤を含む入浴用製品に関する。 この増粘剤が0.5重量%/容積の割合で溶解した水の粘度は、10cPs以上である。 合成ポリマーはカルボキシビニルポリマーとその塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メチルメタクリレート)、水酸化ナトリウムで中和したポリアクリル酸、ポリアクリルアミド及びポリ(エチレンオキシド)から選択される。 【0007】浴槽で使用される場合、この文献の製品はその温度と入浴後の体の温度を維持し、浴槽全体を均一な温度にすることができる。 粘度の上限は100000 0cPsを超えてはならないが、これはこの値を超えると、バスタブの清掃の問題が解決できないからである。 上記のことから、現在あるリラックスするゲル化入浴用組成物は、浴槽の高い温度及びその後にそれが冷えた低い温度の両方で、特にその高い粘度によって入浴後に除去することが困難であるという大きな不都合がある。 この問題を克服するために提供される解決策は、浴水の流動化のために塩を加えることであるが、必要な塩の量が多く、実施するには幾分非実用的である。 【0008】従って、第1に、使用の条件下、つまり一般に30から50℃の水温でゲル化し、第2に、入浴の後に、一般的には浴槽が冷えた後に行われる排出又は例えばバスタブを空にすることが容易にできる入浴用組成物、つまり浴槽内に入れる組成物に対する需要がある。 さらに、このような組成物は、好ましくは肌にあまり攻撃的でなく、安定した泡を形成することが必要である。 本発明の目的は、とりわけ、これらの必要性を満たすことである。 【0009】本発明の目的はまた、従来技術の組成物の不便さ、制限、欠点及び不都合がなく、従来技術の組成物の問題を解決する、リラックス特性を有する熱-ゲル化入浴用組成物を提供することである。 この目的とまたその他の目的は、本発明において、少なくとも1つのゲル化ポリマー又は化合物を含むゲル化入浴用組成物によって達成され、前記ゲル化ポリマー又は化合物は、温度による可逆性がある加熱時にゲル化特性を有する熱-ゲル化ポリマー又は化合物である。 【0010】本発明の好ましい実施態様に従うと、組成物は起泡性組成物である。 さらに、一又は複数の界面活性剤、好ましくは起泡性の界面活性剤を含む。 本発明に係る入浴組成物に含有されるポリマー又は化合物は、第1にこの組成物を使用条件下、つまり一般的には浴槽の標準温度に相当する比較的高い温度でゲル化状態にし、 第2に、単純な冷却により入浴後の組成物の容易な除去を可能にする。 【0011】より詳細には、一般的にゲル化温度として知られるある温度を超えると、ポリマー又は化合物とこれによる組成物はゲル形態で存在し、この温度を下回ると、ポリマー又は化合物とこれによる組成物は顕著に低い粘度を有し、そして組成物はほとんど液体であり、従って排出が容易である。 温度による可逆性がある加熱時にゲル化特性を有しているあらゆる熱-ゲル化化合物又はポリマーが、本発明の組成物における使用に適している。 【0012】これらの化合物又はポリマーは、特に次の化合物又はポリマー: − 水溶性単位と水中で下限臨界溶液温度(LCST) を示す単位を含むポリマー; − セルロース誘導体、例えばメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース; − ポリオキシアルキレン型のブロックを有するコポリマー; − 非イオン性セルロースエーテル; − 水溶液中に二層構造を形成する少なくとも1の界面活性剤の存在下での会合性(associative)の水溶性ポリマー; から選択することができる。 【0013】これらの化合物又はポリマーのうち、好ましいものは水溶性単位及び水中で下限臨界溶液温度LC STを示す単位を含むポリマーであるが、それは、それらにより低い濃度で、他の化合物又はポリマーから形成される組成物よりも界面活性剤の存在に対して感受性が低い透明の熱-ゲル化水性組成物を得ることができるからである。 水溶液におけるそのポリマーの前記LCST 単位の加熱時の偏析温度は、好ましくは1%の前記単位の水中質量濃度で、5から40℃である。 【0014】 【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】驚くべきことに、上に定義したような特定のポリマー又は化合物を含む、本発明に係るゲル化入浴用組成物は、前に列挙した必要性を満たすことができ、前の部分に記載した要求を全て満たす。 特に該ポリマー又は化合物は、 標準的な使用条件下、つまり一般的に30から50℃の水温で浴水をゲル化するが、驚くべきことに、入浴後に単純な冷却によって、浴水がある容器、例えばバスタブを容易に排水でき、又は空にすることができる、入浴用組成物を得ることができる。 【0015】言い換えると、入浴の後、つまり入浴をした容器の内容物が冷えたとき、本発明の特定のポリマー又は化合物の存在のために、浴水の粘度がこれらのより冷たい、例えば5から30℃の温度に低下するので、前記容器を排水又は空にすることが容易である。 一例として、粘度はそのとき、0.001から0.5Pa. s. となり、これは容易に流れる液体又は実質的な液体状態に対応する。 容易な又は手軽な排水又は空にすることとは、一般にバスタブのような容器の中身が流動し、粘度が低下し、外的な干渉なしに重力のみの影響下で、通常この目的で提供される排水又は水抜き口を流れることができることを意味すると理解される。 【0016】従来技術の組成物とは対照的に、本発明の組成物に含まれる特定のポリマー又は化合物の特性のために、入浴用容器の内容物の粘度における低下が浴槽の冷却の間に起こるが、従来技術の組成物では、どのような温度であっても、浴水の粘度が一定のまま又は高いままであるために、入浴が行われる容器を排水し又は空にすることはとても困難で、実際には不可能でさえある。 さらに、従来技術の組成物に比較して、粘度の低下が本質的にポリマー化合物の特性に依存するので、容易な排水又は空にすることを可能にするために、本発明の組成物が塩、特に大量の塩を含有する必要はない。 【0017】さらに、本発明に係る組成物は、一般的に界面活性剤とするものをほとんど又は全く含まなくても、泡立つことができる。 このために、本発明の入浴用組成物又は製法は、皮膚に低刺激性である。 本発明に係る(熱-)ゲル化入浴用組成物は、一般に高い起泡特性を有し、特に30℃以上、特に30から50℃の温水の存在下で安定した泡を生成する。 【0018】本発明に係る入浴用組成物は、浴槽に入れることを意図する組成物、浴槽、つまりバスタブのような容器に存在する所定量の水に添加するための組成物であることを注記する。 前記容器に存在し、一般にポリマー又は又は化合物のゲル化温度よりも高い温度、つまり例えば30から50℃である水への本発明に係る組成物の添加は、前記容器に起泡ゲル型の構造を形成しうる。 このような起泡ゲルの粘稠度は非常にリラックスする。 このために、入浴のための容器の内容物に添加される本発明に係る入浴用組成物の量は、これら内容物、つまり本質的には水の、粘度の増加が得られ、例えば、0.5 Pa. s以上、例えば0.5から100Pa. sの粘度に対応する適した粘稠度を達成するような量である。 【0019】入浴後の冷却の間に、温度はポリマー又は化合物のゲル化温度(Tgel)以下になり、浴水が、 本発明に従って用いられるポリマー又は化合物の可逆的な熱ゲル化特性の結果として、それに比較して非常に低い粘度を有し、それに流動的な粘稠度を付与する。 入浴用組成物における可逆的な熱ゲル化特性を有する化合物又はポリマーの配合は、従来技術において開示も示唆もされていない。 本発明に係る(熱-)ゲル化入浴用組成物は、それらのゲル化温度よりも一般的に高い温度である浴水を形成する温水中に入れられる前は、それらが保存されている間、室温においてあらゆる形態で存在することができる。 【0020】これは「瓶の中において」、つまり浴槽の水に入れられる前で、一般にこの場合に起こる温度上昇の前、この使用時に同様に一般に起こり、一般に浴槽の水の撹拌に関連した可能な泡の形成の前では、本発明の組成物が利用するテクスチャーの範囲は限定されないことを意味する。 本発明に係る入浴用組成物は、固体組成物、好ましくは粒子又は粉末の形態、あるいは場合によってはゲル化した液体組成物、例えば濃縮水溶液の形態であることができる。 【0021】本発明によると、組成物は好ましくは粒子の形態の固体組成物であり:そのような粒子のサイズ及び形状は限定されない。 例えば、それらはビーズ、顆粒、粉末又は他の粒子であり得る。 例えば、それは、1 μmから5×10 3 μmの範囲の粒子サイズを有する粒子を含みうる。 本発明の組成物の形態を自在に変えることが可能であるが、この形態に関わらず、使用の間、つまり、温度の上昇(例えば、30から50℃)に伴って浴槽を形成する水に取り込まれる時、ポリマー又は化合物のゲル化力が現れ、ゲル化がおそらくは安定した長持ちする泡を生成して生じる。 このテクスチャーは浴槽の冷却の間に消え、その粘度は低下し、容易に排水する又は空にすることができる。 【0022】さらに、本発明の組成物に含まれるポリマー又は化合物、特に水溶性単位及びLCST単位を含むものは、泡を「消さない」こと、またそれが長時間安定であることが分かった。 さらに本発明は、所定の温度の容器内にある体積又は質量の水をゲル化し、前記容器からの排水を容易にするために冷却した時に前記体積の水を流動化させるための、本明細書に記載されているような、温度により可逆性がある加熱時にゲル化特性を有する熱ゲル化ポリマー又は化合物の使用に関する。 前記の所定の温度は、一般に30から50℃であり、普通浴槽の温度に相当する一方、冷却後の温度は一般に5から3 0℃である。 本発明に係る組成物の必須成分は、温度による可逆性があるゲル化特性を有する熱-ゲル化化合物又はポリマーである。 【0023】これらのポリマー又は化合物は特に以下の化合物から選択される: − 水溶性単位及び水中で下限臨界溶液温度(LCS T)を示す単位からなる水溶性ポリマー; − ある濃度(例えば、約3%)の水溶液中で、それらの下限臨界溶液温度(LCST)未満の限られた温度範囲で熱-ゲル化特性があるセルロース誘導体、例えばメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース。 このような誘導体は例えば文献[1]に開示されている; − ポリオキシアルキレン型(例えば、2から6のC) のブロックコポリマー、例えば、水溶液中に20から3 0%の範囲の濃度で、温度上昇によりゾル/ゲル変換性のあるPluronics(登録商標PEO/PPO/ PEO)で、例えば文献[2]に記載されている。 この加熱時のゲル化は温度による可逆性がある; − 水溶液中において、イオン性界面活性剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム)の存在下で温度が上昇したときに増粘能のある、非イオン性セルロースエーテルで、例えばエチルヒドロキシエチルセルロース、例えば文献[3]に記載されているもの; − 文献[4]に記載されている水溶液中で二層構造を形成する少なくとも1の表面活性剤の存在下で、会合性のある水溶性ポリマー。 例えば150000g/mol の分子量を有し、(モルで)3%のオクタデシル鎖で修飾されたポリアクリル酸は、1(重量)%水溶液として、0.1モル/lの界面活性剤C 12 (EO) 4の存在下で温度上昇時にゲル化特性を示す。 【0024】可逆性の熱-ゲル化系のうちでは、低濃度(数パーセント)で、記載される他のポリマー又は化合物から形成される組成物よりも界面活性剤の存在に対する感受性が低い透明の熱-ゲル化水性組成物を得ることができるので、水溶性単位及び水中で下限臨界溶液温度(LCST)のある単位からなる水溶性ポリマーが好ましい。 この点で、LCST単位は、ある温度以上で変わる水中溶解度を有する単位を意味すると理解されることを注記する。 それらは水に溶解性のある範囲を定義する、加熱時(又は曇り点)に偏析温度を示す単位である。 LCST単位だけからなるポリマーの濃度の関数として得られる最低偏析温度はLCST(下限臨界溶液温度)として知られる。 LCSTポリマーのそれぞれの濃度に対して、加熱時偏析温度が得られる。 それは、曲線の最低点であるLCSTよりも高い。 この温度より低いと、ポリマーは水に溶解し、この温度よりも高ければ、 ポリマーは水中でのその溶解性を失う。 【0025】本発明に係る組成物に使用される好ましいポリマーのLCST単位は、好ましくは本質的に上に記載したような有利な熱-ゲル化特性を有するようなポリマーとすることができる特定の定義(5から70%、好ましくは20から65%のポリマー中のLCST単位の割合、及び水に2重量%の水中質量濃度に対して5から50℃のゲル化温度)に対応する。 好ましいポリマーのLCST単位は、本発明に従い、1重量%の前記LCS T単位の水中質量濃度に対して5から50℃の加熱時に該溶液温度を有する。 好ましくは、好ましいポリマーのLCST単位の水溶液の加熱時該溶液温度は、1%の前記LCST単位の水中質量濃度に対して、15から40 ℃、より好ましくは20から35℃である。 【0026】好ましくは、「浴用組成物」つまり本発明において浴槽に入れられる組成物から調製される最終浴水中のポリマー又は化合物、特に好適なポリマーの濃度又は、浴水のゲル化濃度が20から35℃の範囲に入るような濃度である。 最終的な浴槽におけるポリマー又は化合物、特に好ましいポリマーの濃度は、好ましくは、 一般的に30から50℃である浴槽の使用温度で所望のテクスチャーを得るために、一般に1から200g/l である。 上に定義した水溶性単位及び特定のLCST単位を有する上記の構造を持つ、入浴組成物に含まれる好ましいポリマーは、水溶液中において、臨界温度以上でのゲル化特性又は熱-ゲル化特性がある。 【0027】LCST鎖の偏析温度を超えて得られるこれらの加熱時ゲル化特性は、従来技術、特に文献[5]、 [6]及び[7]に記載されている。 それらは、その溶液温度を超えた疎水性ミクロドメイン内のLCST鎖の会合により、従って主鎖の間を架橋するための節を形成している。 これらのゲル化特性は、好ましいポリマーの濃度が、異なる高分子により担持されるLCSTグラフト部の間の相互作用を可能にするのに十分であるときに観察される。 臨界凝集濃度又はCACとして知られる、 必要な最低濃度は、レオロジー測定により評価される: 本発明の組成物に含まれる好ましいポリマー水溶液の粘度が、LCST鎖を含まない等価なポリマー溶液の粘度よりもそれ以上で高くなる濃度である。 【0028】CACを超えると、本発明の好ましいポリマーは、温度がゲル化温度又はTgelとして知られる臨界値よりも高くなるときにゲル化特性を有する。 文献のデータに従うと、、同じ濃度条件下のTgelとLC ST鎖の偏析温度の間に良好な一致がある。 本発明の組成物に含まれる好ましいポリマーの水溶液のゲル化温度は、レオロジー測定により決定される:本発明の組成物に含まれる好ましいポリマー溶液の粘度が、LCST鎖を含まない等価なポリマー溶液の粘度よりもそれ以上で高くなる濃度である。 本発明の好ましいポリマーは、例えば2重量%に等しい水中質量濃度に対して、一般に5 から50℃、好ましくは15から40℃の特定のゲル化温度により特徴づけられる。 【0029】本発明の組成物に含まれる他のポリマー及び化合物は、例えば0.1から50重量%の水中質量濃度で、15から50℃のゲル化温度を有する。 この特定のゲル化温度は、これらのポリマー及び化合物、特に好ましいポリマーを、上に列挙した有利な特性すべて、特に「熱い」温度でそのゲル化した起泡テクスチャーと冷却した時の流動性を本発明の組成物に与えることができる。 【0030】温度により可逆性のあるゲル化特性を持つ熱-ゲル化ポリマー又は化合物は従来から既知であるが、浴槽でのそれらの使用、特にそこからの排水を容易にするための使用は決して記載も示唆もされていない。 特に、本発明の組成物に好ましく使用されるものにならって、水溶性単位及びLCST単位を含み、LCST鎖の偏析温度を超えて得られる加熱時ゲル化特性を有するポリマーはまた、すでに上に列挙した文献([5]、 [6]、[7])に記載されている。 【0031】文献[5]は、ポリ(エチレンオキシド) (PEO)グラフト部を有する水溶性ポリアクリル酸骨格を含むコポリマーの水溶液の可逆性の熱誘導性増粘化に関する。 文献[6]は、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)骨格及びポリ(エチレンオキシド)側鎖を含むポリマーの水溶液で起こる熱誘導性増粘に関する。 同様に文献[7]は、水溶性ポリアクリル骨格を有するか、又はPEOグラフト部を有するAMPSをベースとするコポリマーの可逆性の熱誘導性結合を記載する。 文献[5]、[6]及び[7]に挙げられているようなポリマーは、特に油脂産業で使用される。 【0032】従って、文献[8]には、LCSTセグメントを含むか、又はLCST側鎖を担持する水溶性骨格を有する、特に増粘剤、ドリリングフルイド又は他の流体、及びクリーニング用フルイドとして使用することができる熱-粘化ポリマーが開示される。 文献[9]には、文献[8]のものと類似したポリマーと、場合によっては化粧品調製物における懸濁のための抗沈殿剤としての使用が開示される。 文献[5]から[9]には、ゲル化入浴用組成物にポリマーを入れることが記載されておらず、さらに記載されているポリマーは本発明に係る好ましいポリマーの特定のLCST単位を含んではいないことに留意されるべきである。 【0033】文献[10]にはまた、骨格にグラフトする熱-感受性単位とpH-感受性単位、例えばポリアクリル単位、及びからなる骨格を含むコポリマーが開示されている。 これらのコポリマーは温度ゲル化特性があり、 それらは剤又は医薬、場合によっては局所適用による化粧品成分の放出と徐放に使用されている。 入浴用製品でのこれらのポリマーの使用は記載されていない。 この文献のコポリマーの温度感受性単位は、本発明の好ましいポリマーの特定のLCST単位ではない。 さらに、文献[10]に係るポリマーは、得られた製品の面倒な温度不透明性により特徴づけられ、これは本発明の組成物に使用される好ましいポリマーでは生じない。 【0034】実際に、この文献のポリマーは、全部のポリマーが、あらゆる温度で水溶性である本発明のポリマーと比較して、20から40℃の温度範囲内でLCST が全体にあるので、本発明の好ましいポリマーと基本的に異なる。 文献[11]及び[12]は、外的な「刺激」の変化に応答して、凝集可能な感受性成分と構造的な成分を含む可逆性のあるゲル化性のあるポリマー系を開示している。 外的な刺激は、例えば温度であり得る。 従って、少なくとも30のファクターの粘度の増加が、 ポリマー水溶液において4%よりも低い質量濃度で得られることが示されている。 【0035】外的な刺激に対して感受性のある成分は、 基本的に本出願の好ましいポリマーのLCST単位と異なる。 これは、これらの外的刺激に対して感受性がある成分が実際には少なくとも1の親水性断片及び1の疎水性断片からなるためである。 従って、感受性成分は、ブロックコポリマー、例えばポロキサマー、例えばエチレンオキシド(可溶性)及びポリプロピレンオキシド(不溶性)のブロックポリマーであるPluronic(登録商標)でありうる;このようなブロックコポリマーは、LCSTに相当しない臨界温度を超えると顕微鏡レベルで凝集する。 非イオン性界面活性剤もまた感受性成分として使用されうる。 【0036】文献[11]は、より詳細には、水溶性ポリアクリル骨格と、共有結合しないで前記骨格にからみついている感受性のあるPluronic(登録商標) 成分から形成される、ポリマー網目構造に関する;従ってこの網目構造は、本発明の好ましいポリマーと共通の点がない特定の構造を有する。 対照的に、文献[12] は、共有結合を有するポリマーを提供する。 これらのポリマーは加熱時のゲル化特性を有し、それらは医薬を送達するための医薬分野、及び化粧品の分野を含む多くの他の分野で使用されうる。 記載された化粧品への応用については、単にエマルジョンの例が記載されているだけである。 それらは全てゲル化剤として作用するポリマーに加えて、中性、アニオン性、カチオン性界面活性剤を含む。 浴水のゲル化におけるポリマーの使用は、決して記載されておらず、特に本発明で得られる冷却に容易にからにすることができる効果も記載されていない。 【0037】これらの製剤において、ポリマー系の感受性成分は、加熱の間本発明の好ましいポリマーのもののようなLCSTとは異なって作用する。 従って、前記の感受性成分(例えばポリオキサマー)が約30−40℃ に熱される場合、ミセル化、つまり顕微鏡規模の凝集を示し、ついで温度がさらに加熱されると、さらに高いL CST温度を示す。 このLCSTは高分子の間の巨視的スケールの凝集に一致する。 WO-A-9700275 [12]の16及び17ページには、ゲル化及びLCS Tが、約70℃だけ異なる温度で得られるあることが示され、ゲル化温度は、感受性成分のミセル化温度に相当し、これはこれらのポリマーが我々の出願の好ましいものとは異なることを示している。 さらに、文献[12] で用いられる合成法のために、本発明の組成物の、特に好ましいポリマーの場合のように、得られる最終ポリマーの構造及び特性を十分に制御することは不可能である。 【0038】文献[11]と[12]のようなポリアクリル酸及びポロキサマーを含む、可逆性の熱-誘導ゲル化性を有するポリマー系を用いた化粧品組成物はまた、 文献[13]から既知である。 これもまた、これらの文献のポリマー系が、本発明の組成物に使用されるものと基本的に異なり、その結果、本発明の組成物の有利な特性が得られない。 WO-A-0035961[14]は、 乳化重合により温度誘導性増粘特性を有するポリマーの調製、及び医薬及び化粧品組成物でのこれらのポリマーの使用を開示している。 これらのポリマーは、アルキレンオキシドをベースとするLCST単位及び水溶性単位を有するコポリマーであり得る。 それらの熱誘導性増粘特性を強化するために、ポリマーに非イオン性界面活性剤の添加がなされている。 【0039】本発明に係るポリマー又は化合物の起泡性ゲル化入浴用組成物での使用、特に特定のLCST単位を示し、使用時の温度でこれらの浴水ゲル化特性を与え、それに相まって冷却の影響下で粘度が減少する、本発明に係る好ましいポリマーの使用は、従来技術の文献に記載も示唆もされていない事が上記から分かる。 本発明において使用される好適なポリマー(水溶性端野を含み、LCST単位を含む)は、一方には水溶性単位を、 他方には上述のLCST単位を含むブロックコポリマー又はグラフトポリマーであり得る。 【0040】本明細書では、本発明に従って使用される好ましいポリマーの水溶性単位又はLCST単位は、互いに結合する基、一方では前記水溶性単位、他方では前記LCST単位を含まないものと定義されることを明記する。 前記結合基は、一方では水溶性単位の前駆体が、 他方では前記LCST単位の前駆体にが存在する反応性部位の、好ましいポリマーの調製の間の反応から生じる。 従って本発明の文脈で使用される好ましいポリマーは、例えば水溶性単位をLCSTブロックが交互になったブロックを含んでなるブロックポリマーであり得る。 【0041】これらのポリマーはまた、グラフトポリマーの形態で存在することができ、その骨格は水溶性単位から形成され、前記骨格はLCST単位からなるグラフト部を担持する。 前記ポリマーは部分的に架橋されていてもよい。 「水溶性単位」という用語は、一般にこれらの単位が、特に少なくとも10g/l、好ましくは少なくとも20g/lの割合において、5から80℃の温度にて水に可溶である単位であることを意味すると理解される。 【0042】しかしながら、「水溶性単位」という用語はまた、1重量%の水溶液において、5から80℃で巨視的的な均一で透明な溶液、つまり、400から800 nmの間のどの波長であっても、1cm厚のサンプルを通して少なくとも85%、好ましくは少なくとも90% の最低光透過値を有することを可能にする以外は、上記した溶解性を必ずしも有している必要はない単位を意味すると理解される。 これらの水溶性単位は、LCSTタイプの加熱時の偏析温度を示さない。 これらの水溶性単位は、全体的又は部分的に、重合、特にラジカル重合によって、又は重縮合によって得ることができ、あるいは全体的又は部分的に、天然に存在する又は修飾された天然のポリマーからなる。 【0043】一例としては、水溶性単位は、次のモノマー: 1)(メタ)アクリル酸; 2)次の式(I): 【化2】 [上式中、 − RはH、-CH3 、-C 2 H 5又は-C 3 H 7から選択され;かつ − Xは、 − -OR'タイプのアルキルオキシドで、R'が少なくとも1個のハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素、フッ素)によって置換されていてもよい1から6の炭素原子を有する飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状の炭化水素ベース基であるもの;又は次のタイプの1つの基:スルホン(-SO 3 − )、硫酸(-SO 4 − )又はリン酸(- PO
4 H 2 );ヒドロキシル(-OH);第1級アミン(-NH 2 );又は第2級アミン(-NHR 1 )、第3級アミン(-NR 1 R 2 )又は第4級アミン(-N + R 1 R
2 R 3 )で、R 1 、R 2及びR 3は互いに独立して1から6の炭素原子を有する飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状の炭化水素ベース基であるもので、ただしR'+R
1 +R 2 +R 3の炭素原子の合計は7を越えず; − -NH 2 、-NHR 4及び-NR 4 R 5基であって、 R
4及びR 5は互いに独立して1から6の炭素原子を有する飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状の炭化水素ベース基であるもので、ただしR 4 +R 5の炭素原子の合計は7を越えず、上記R 4及びR 5はハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素、フッ素)によって置換されていてもよいもの;又は次のタイプの1つの基:ヒドロキシル(- OH);スルホン(-SO
3 − )、硫酸(-SO 4 − ); リン酸(-PO
4 H 2 );第1級アミン(-NH 2 );又は第2級アミン(-NHR 1 )、第3級アミン(-NR 1 R
2 )及び/又は第4級アミン(-N + R 1 R 2 R 3 ) で、R
1 、R 2及びR 3は互いに独立して1から6の炭素原子を有する飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状の炭化水素ベース基であるもので、ただしR 4 +R 5 +R 1 +R
2 +R 3の炭素原子の合計は7を越えないもの]のビニルモノマー; 3) 無水マレイン酸; 4) イタコン酸; 5) 式CH 2 =CHOHのビニルアルコール; 6) 式CH 2 =CH-OCOCH 3の酢酸ビニル; 7) N-ビニルラクタム、例えばN-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム及びN-ブチロラクタム; 8) 式CH 2 =CHOR 6 (式中、R 6は1から6の炭素原子を有する飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状の炭化水素ベース基である)のビニルエーテル; 9) 水溶性スチレン誘導体、特にスチレンスルホナート; 10) ジメチルジアリルアンモニウムクロリド;及び 11) ビニルアセトアミド、 から選択される少なくとも1種のモノマーの、重合、特にラジカル重合によって全体的に又は部分的に得られうる。 【0044】水溶性単位の全て又は一部を構成できる重縮合物及び天然又は修飾された天然のポリマーは次の成分: − 水溶性ポリウレタン; − キサンタンガム、特にケルコ(Kelco)社からケルトロール(Keltrol)T及びケルトロールSFなる名称で販売されているもの;又はローディア(Rhodia)社からのロジゲル(Rhodigel)SM及びロジゲル200; − アルギナート(モンサント(Monsanto)社のケルコゾル(Kelcosol))とその誘導体、例えばアルギン酸プロピレングリコール(ケルコ社のケルコロイド(Kelcoloid) LVF); − セルロース誘導体、特にカルボキシメチルセルロース(ハーキュレス(Hercules)のアクアソルブ(Aquasorb) A500)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及び第4級化ヒドロキシエチルセルロース; − ガラクトマンナンとその誘導体、例えばコンニャクガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアー、メチルカルボン酸ナトリウム基により修飾されたヒドロキシプロピルグアー(ローディア社のジャガー(Jaguar)XC9 7−1)、及びグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド;の一又は複数から選択される。 またポリエチレンイミンも挙げられる。 【0045】好ましくは、水溶性単位は、グラフトポリマーの水溶性骨格を構成する場合、1000g/モルから50000000g/モルの範囲のモル質量を有する。 これらの水溶性単位は、好ましくは、多ブロックポリマーのブロックを構成する場合、500g/モルから100000g/モルの範囲のモル質量を有する。 好ましくは、水溶性単位は、(メタ)アクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸から選択される少なくとも1種のモノマーを含んでなる。 ポリマー、特に本発明において好適なポリマーのLCST単位は、ある温度を越えると変わる水中溶解度を持つ単位として定義されうる。 それらは水中溶解性の領域を定義する加熱時(曇り点)に偏析温度を示す単位である。 ポリマー濃度の関数として定義される最低偏析温度はLCST(下限臨界溶液温度)として知られている。 ポリマーの各濃度に対して、加熱時の偏析温度が観察される;それは、 曲線上の最下点であるLCSTよりも大きい。 この温度以下では、LCST単位を構成するポリマーは水に可溶である;この温度を越えると、LCST単位を構成するポリマーは水での溶解性を喪失する。 【0046】これらのLCSTポリマーの幾らかは特に Taylor等, Journal of Polymer Science, part A: Poly mer Chemistry, 1975, 13, 2551 [15]; J. Bailey等, J ournal of Applied Polymer Science, 1959, 1, 56 [1 6];及びHeskins等, Journal of Macromolecular Scienc e, Chemistry A2, 1968, Vol. 8, 1441 [17]の論文に記載されている。 温度Tで水に可溶であるとは、少なくとも1g/l、好ましくは少なくとも2g/lのTでの溶解度を示す。 LCSTは視覚的に測定することができる:水溶液の曇り点が現れる温度が決定される;この曇り点は溶液の乳濁化又は透明性の喪失に反映される。 一般には、透明な組成物は1cm厚のサンプルを通して4 00nmと800nmの間の波長であれば如何なる波長であれ、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90 %の最大光透過値を有する。 透過率は可視スペクトルの波長で作動する分光光度計の光線に1cm厚のサンプルを配することによって測定できる。 【0047】本発明において使用される好適なポリマーのLCST単位は、次のポリマー: − ポリエーテル、例えばポリ(エチレンオキシド)(P EO)、ポリ(プロピレンオキシド)(PPO)又はエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)のランダムコポリマー; − ポリ(ビニルメチルエーテル); − LCSTを有するN-置換ポリマー性及びコポリマー性アクリルアミド誘導体、例えばポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(Nipam)及びポリ-N-エチルアクリルアミド、及び − ポリ-N-ビニルカプロラクタム及びN-ビニルカプロラクタムのコポリマー、から選択される一又は複数のポリマーから構成されうる。 好ましくは、LCST単位は、ポリ(プロピレンオキシド)(PO)n[ここでnは1 0から50の整数である]、又は式: (EO) m (PO) n [上式中、mは1から40、好ましくは2から20の範囲の整数であり、nは10から60、好ましくは20から50の範囲の整数である]によって表されるエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)のランダムコポリマーからなる。 好ましくは、これらのLCST単位のモル質量は、500から5300g/モル、より好ましくは1500から4000g/モルである。 【0048】EO及びPO単位のランダムな分布は、それを越えると巨視的な相分離が観察される下限臨界溶液温度の存在に反映されることが知見されうる。 この挙動は(EO)(PO)ブロックコポリマーの挙動とは異なっており、後者は臨界ミセル化温度として知られている温度を越えるとミセル化する(顕微鏡スケールでの凝集)。 LCST単位は従ってアミノ化、特にモノアミノ化されたエチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダムコポリマーとできる。 これらのポリマーは、反応前は、反応性部位、この場合にはアミノ基を担持しており、これが水溶性ポリマーの反応性部位、例えばカルボキシル基と反応し、本発明において使用される最終のポリマーを生じる。 最終のポリマーでは、水溶性単位はLCST単位と水溶性単位の前駆体によってそれぞれ担持されている反応性基又は部位の反応により生じる結合基を介してLCST単位に結合する。 これらの結合基は例えばアミド、エステル、エーテル又はウレタン基である。 これらの市販のLCSTポリマーとしては、ハンツマン(Hunts man)社からジェフアミン(Jeffamine)、特にジェフアミンXTJ−507(M−2005)、ジェフアミンD−2 000及びジェフアミンXTJ−509(又はT−30 00)なる名称で販売されているコポリマーを挙げることができる。 【0049】LCST単位はまたOH末端を持つランダムEO/POコポリマー、例えばクラリアント(Clarian t)社からポリグリコール(Polyglycol)P41及びポリグリコールB11なる名称で販売されているものから生じ得る。 本発明の好適なポリマーでは、LCST単位として、LCSTを有するN-置換ポリマー性及びコポリマー性アクリルアミド誘導体、及びポリ-N-ビニルカプロラクタム及びN-ビニルカプロラクタムのコポリマーをまた使用することができる。 LCSTを有するN-置換ポリマー性及びコポリマー性アクリルアミド誘導体の例としては、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド、ポリ -N-エチルアクリルアミド及びN-イソプロピルアクリルアミド(又はN-エチルアクリルアミド)と、上述の式(I)を持つモノマー、無水マレイン酸、イタコン酸、 ビニルピロリドン、スチレンとその誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルアセトアミド、ビニルアルコール、酢酸ビニル、ビニルエーテルと酢酸ビニル誘導体から選択されるビニルモノマーとのコポリマーが挙げられる。 これらのポリマーのモル質量は、好ましくは1000g/モルから500000g/モル、好ましくは2000から50000g/モルである。 これらのポリマーは、アミノ化反応性末端を有する前駆体オリゴマーを得るために、過硫酸カリウムの存在下で塩酸アミノエタンチオールのような一対の開始剤を用いるラジカル重合によって合成することができる。 【0050】N-ビニルカプロラクタムポリマーの例としては、上述の式(I)を持つビニルモノマー又は無水マレイン酸、イタコン酸、N-ビニルピロリドン、スチレンとその誘導体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ビニルアセトアミド、ビニルアルコール、酢酸ビニル、ビニルエーテルと酢酸ビニル誘導体から選択されるモノマーとN-ビニルカプロラクタムのコポリマーを挙げることができる。 これらのビニルカプロラクタムポリマー又はコポリマーのモル質量は、一般に、1000g /モルから500000g/モル、好ましくは2000 から50000g/モルである。 これらの化合物は、アミノ化反応性末端を有するLCST単位を得るために、 過硫酸カリウムの存在下で塩酸アミノエタンチオールのような一対の開始剤を用いるラジカル重合によって合成することができる。 最終ポリマー中のLCST単位の質量割合は、最終ポリマーに対して好ましくは5%から7 0%、特に20%から65%、なかでも30%から60 %である。 【0051】本発明において使用される好適なポリマーの上記LCST単位の加熱時の偏析温度は、上記LCS T単位の1重量%の水中質量濃度に対して、5から50 ℃、好ましくは15から40℃であることが上記から分かる。 本発明において使用される好適なポリマーは、グラフト化、共重合又はカップリング反応プロセスを使用して当業者が自身の知識に基づいて容易に調製することができる。 最終ポリマーは、LCST側鎖又はグラフト部を持つ水溶性骨格を示すグラフトポリマーの形態で存在している場合、骨格を形成し最小10%(モル)のカルボン酸官能基のような反応性基を担持する水溶性ポリマーに、少なくとも1つの反応性末端又は反応性部位、 特にアミノ化末端又は部位を有するLCST単位をグラフトさせることによってそれを調製することができる。 この反応はジシクロヘキシルカルボジイミド又は1-(3 -ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドハイドロクロライドのようなカルボジイミドの存在下でN -メチルピロリドン又は水のような溶媒中で実施することができる。 【0052】グラフトポリマーを調製するための他の可能性は、例えばLCSTマクロモノマー(ビニル末端を持つ上述のLCST鎖)と水溶性ビニルモノマー、例えばアクリル酸又は式(I)を持つビニルモノマー、例えば2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(A MPS)を共重合させることからなる。 最終ポリマーがブロックポリマーの形態で存在する場合、水溶性単位とLCST単位の間に、各末端に相補的な反応性部位を持つこれらの単位をカップリングさせることによりそれを調製することができる。 グラフト化プロセス及びカップリングプロセスの場合には、LCST単位の反応性部位はアミン官能基、特にモノアミン、ジアミン又はトリアミン官能基、及びOH官能基とできる。 この場合、水溶性単位の反応性部位はカルボン酸官能基でありうる。 水溶性単位とLCST単位を結合させる基は従ってアミド基又はエステル基である。 上記から分かるように、本発明のゲル化組成物は液状形態から固体形態(液体、クリーム状、ペースト状又は固体形態)、例えば粒子となりうる。 【0053】組成物は、液体である場合、程度の差はあれ流動性がある。 それは本質的に連続水性相を含む。 この連続水性相は一般には、ポリマー又は化合物の濃縮した溶液、好ましくは濃縮した水溶液の形態である。 本発明に従えば、水相は、温度による可逆性のあるゲル化特性を有する熱-ゲル化ポリマー又は化合物を含む。 好ましくは前記したような水溶性ユニット及びLCSTユニットを含む水溶性ポリマーである。 溶液は、一般的に濃縮溶液、つまり水相のポリマー又は化合物の質量濃度が0.1から90%、好ましくは0.5から90%である。 【0054】一般的に、この濃度は、本発明に係る組成物の限定量、例えば100gを標準的な容量、例えば2 00lで添加する際に、所望のゲル化構造を生じるのに十分であるべきである。 本発明に係る組成物が固体組成物、例えば粒子型組成物、特に粉砕型の組成物である場合、ポリマー又は化合物の質量濃度は、同様の範囲内、 つまり固体組成物、例えば粉末のgあたり0.5から1 gのポリマー又は化合物である。 本発明に係るゲル化組成物は、上記の特定のポリマー又は化合物の存在によって、起泡性の界面活性剤を有さないかほとんど有さずに構成することができ、つまり界面活性剤の濃度は例えば5質量%以下、好ましくは1から5%である。 【0055】組成物が最終の用途に応じて一又は複数の界面活性剤を含有する場合、組成物は組成物の全重量に対して20重量%まで、例えば0.05から20%、より好ましくは0.1から15重量%の界面活性剤を含有することができる。 本発明の組成物において使用できる起泡性界面活性剤は非イオン性、アニオン性、両性又は双性イオン性界面活性剤とその混合物でありうる;非イオン性界面活性剤が好ましい。 非イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルポリグリコシド(APG)、 ポリオールと脂肪酸のエステル、ポリエチレングリコールと脂肪酸のエステル、脂肪アルコールとポリオール(エーテル)の誘導体、及びこれらの化合物のオキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化)誘導体を挙げることができる。 またマルトースエステル、ポリグリセロール化脂肪アルコール、グルカミン誘導体、例えば2-エチルヘキシルオキシカルボニル-N-メチルグルカミン、及びそれらの混合物を挙げることができる。 特に、アルキルポリグリコシドとしては、アルキルポリグルコシド、例えばデシルグルコシド ((C 9 /C 11アルキル)ポリグリコシド(1,4))、例えば花王ケミカル(Kao Chemicals)社からマイドール(My dol)の名称で販売されている製品、ヘンケル(Henkel)社からプランタレン(Plantaren)2000UP及びプランタケア(Plantacare)2000UPなる名称で販売されている製品、及びセピック(Seppic)社からオラミックス(O ramix)NS10なる名称で販売されている製品;カプリルイル/カプリルグルコシド、例えばセピック社からオラミックスCG110なる名称で又はBASF社からルーテンゾル(Lutensol)GD70なる名称で販売されている製品;ラウリルグルコシド、例えばヘンケル社からプランタレン1200N及びプランタケア1200なる名称で販売されている製品;及びヘンケル社からプランタケア818/UPなる名称で販売されている製品、及びそれらの混合物を挙げることができる。 【0056】マルトース誘導体は例えば欧州特許出願公開第0566438号なる文献[18]に開示されたもの、例えば6'-(O-オクタノイル)-D-マルトース、あるいは別に仏国特許出願公開第2739556号なる文献[19]に開示された6'-(O-ドデカノイル)-D-マルトースである。 ポリグリセリン化脂肪アルコールとしては、ポリグリセリン化ドデカンジオール(グリセロールの3.5モル)、すなわちシメックス(Chimex)社からシメキサン(Chimexane)NFなる名称で販売されている製品を挙げることができる。 アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボキシレート、アミノ酸誘導体、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、スルホネート、イセチオネート、タウレート、スルホスクシネート、アルキルスルホセテート、ホスフェート及びアルキルホスフェート、ポリペプチド、アニオン性アルキルグリコシド誘導体、脂肪酸石鹸、及びそれらの混合物を使用することができる。 【0057】カルボキシレートとしては、例えば、N- アシルアミノ酸のアルカリ塩;アミノエーテルカルボキシレート(AEC)、例えば花王ケミカル社からアキポ・フォーム(Akypo Foam)30なる名称で販売されているラウリルアミドエーテルカルボン酸ナトリウム(3E O);ポリオキシエチレンカルボン酸塩、例えば花王ケミカル社からアキポ・ソフト45NVなる名称で販売されているオキシエチレン化(6EO)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム(65/25/10 C 12 −C 14 −C 16 );ポリオキシエチレン化及びカルボキシメチル化オリーブ油脂肪酸、例えばバイオロジアEテクノロジア(Biologia E Technologia)社からオリヴェム(O livem)400なる名称で販売されている製品;ニッコール(Nikkol)社からニッコール(Nikkol)ECTD−6NE Xなる名称で販売されているオキシエチレン化(6E O)トリデシルエーテルカルボン酸ナトリウム;又はサンヨー(Sanyo)社からビューライト(Beaulight)Shaa なる名称で販売されている2-(2-ヒドロキシアルキルオキシ)酢酸ナトリウムを挙げることができる。 【0058】アミノ酸誘導体は、例えばサルコシネート、特にアシルサルコシネート、例えばシバ(Ciba)社からサルコシル(Sarkosyl)NL97なる名称で販売されるか、又はセピック社からオラミックスL30なる名称で販売されているラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ニッコール社からニッコール・サルコシネートMNなる名称で販売されているミリストイルサルコシン酸ナトリウム、又はニッコール社からニッコール・サルコシネートPNなる名称で販売されているパルミトイルサルコシン酸ナトリウム;アラニネート(alaninates)、例えばニッコール社からソディウム・ニッコール・アラニネートL N30なる名称で販売されるか、カワケン(Kawaken)社からアラノン・アレ(Alanone Ale)なる名称で販売されているN-ラウロイル-N-メチルアミドプロピオン酸ナトリウム、及びカワケン(Kawaken)社からアラノン・アルタ(Alanone Alta)なる名称で販売されているトリエタノールアミンN-ラウロイル-N-メチルアラニン;N-アシルグルタメート、例えば味の素社からアシルグルタメートCT−12なる名称で販売されているトリエタノールアミンモノココイルグルタメート、味の素社からアシルグルタメートLT−12なる名称で販売されているトリエタノールアミンラウロイルグルタメート、及び味の素社からアミソフト(Amisoft)LS−11なる名称で販売されているN-ラウロイル-L-グルタミン酸一ナトリウム;アスパラテート、例えば三菱からアスパラック(A sparack)LM−TS2なる名称で販売されているN-ラウロイルアスパラギン酸トリエタノールアミンとN-ミリストイルアスパラギン酸トリエタノールアミンの混合物;シトラート、及びそれらの混合物から選択することができる。 【0059】グリシン誘導体としては、N-ココイルグリシン酸ナトリウム及びN-ココイルグリシン酸カリウム、例えば味の素社からアミライト(Amilite)GCS− 12及びアミライトGCK−12なる名称で販売されている製品を挙げることができる。 アルキルエーテルサルフェートとしては、例えば、ヘンケル社からサイポン(S ipon)AOS225又はテキサポン(Texapon)N702パテ(Pate)なる名称で販売されているラウリルエーテル硫酸ナトリウム(70/30 C 12 −C 14 )(2.2 EO)、又はローディアシミー社からローダペックス(R hodapex)AB/20なる名称で販売されている(C 12 −C 14 )アルキルエーテル(9EO)硫酸アンモニウムを挙げることができる。 スルホネートとしては、例えば、α-オレフィンスルホネート、例えばステパン(Step an)社からバイオ−タージェ(Bio-Terge)AS−40なる名称で販売され、ウィトコ(Witco)社からウィトコナート(Witconate)AOS及びAOS PH12なる名称で販売され又はステパン社からバイオ−タージェAS−40 CGなる名称で販売されているα-オレフィンスルホン酸ナトリウム(C 14 −C 16 )、クラリアント社からホスタピュア(Hostapur)SAS30なる名称で販売されているオレフィンスルホン酸第2級ナトリウム;又は直鎖状のスルホン酸アルキルアリール、例えばマンロ(Manr o)社からマンロゾル(Manrosol)SXS30、マンロゾルSXS40及びマンロゾルSXS93なる名称で販売されているキシレンスルホン酸ナトリウムを挙げることができる。 【0060】イセチオネートとしては、アシルイセチオネート、例えばココイルイセチオネート、例えばジョーダン(Jordan)社からジョーダポン(Jordapon)CI Pなる名称で販売されている製品を挙げることができる。 タウレートとしては、クラリアント社からホスタポン(Hos tapon)CTパテ(Pate)なる名称で販売されているパームカーネル油メチルタウレートのナトリウム塩;N-アシル-N-メチルタウレート、例えばクラリアント社からホスタポンLT−SFなる名称で販売されるか、ニッコール社からニッコールCMT−30−Tなる名称で販売されているN-ココイル-N-メチルタウリン酸ナトリウム、又はニッコール社からニッコールPMTなる名称で販売されているパルミトイルメチルタウリン酸ナトリウムを挙げることができる。 スルホスクシネートとしては、例えば、ウィトコ(Witoco)社からセタシン(Setaci n)103スペシャル及びレオポール(Rewopol)SB−F A30K4なる名称で販売されているオキシエチレン化(3EO)ラウリル(70/30 C 12 −C 14 )アルコールモノスルホスクシネート、ツウィマーシュワルツ(Zschimmer Schwarz)からセタシンFスペシャルペーストなる名称で販売されているC 12 −C 14アルコールのヘミスルホスクシネートの二ナトリウム塩、ヘンケル社からスタンダポール(Standapol)SH135なる名称で販売されているオキシエチレン化(2EO)オレアミドスルホコハク酸二ナトリウム、サンヨー社からレボン (Lebon)A−5000なる名称で販売されているオキシエチレン化(5EO)ラウラミドモノスルホスクシネート、ウィトコ社からレオポールSB CS50なる名称で販売されているオキシエチレン化(10EO)ラウリルシトレートモノスルホコハク酸の二ナトリウム塩、又はウィトコ社からレオダーム(Rewoderm)S1333なる名称で販売されているリシノール酸モノエタノールアミドモノスルホスクシネートを挙げることができる。 【0061】ホスフェート及びアルキルホスフェートとして、例えば、花王株式会社(KaoChemical)からMA P20の名称で販売されているラウリルモノホスフェートのようなモノアルキルホスフェート及びジアルキルホスフェート、ドデシルホスフェートのカルシウム塩、コグニス社からCrafol AP-31の名称で販売されているモノ及びジエステルの混合物(ほとんどがジエステル)、コグニス社からCrafol AP-20の名称で販売されているオクチルホスフェートモノエステル及びジエステルの混合物、Condea社よりIsofo l 12 7 EO-ホスフェートエステルの名称で販売されているエトキシル化した(7モルのEO)2-ブチルオクチルホスフェートモノエステル及びジエステルの混合物、ユニケマ社からArlatone MAP 230 K-40及びArlatoneMAP 230T-60の照会のもとに販売されているモノ(C 12 -C 13 )アルキルホスフェートのカルシウム又はトリエタノールアミン塩、又はローディア社(Rhoia Chimie)からDerma lcare MAP XC-99/09の名称で販売されているラウリルリン酸カルシウムを挙げることができる。 【0062】ポリペプチドは、例えば穀物アミノ酸、特に小麦及びオート麦アミノ酸との脂肪鎖の縮合により得られる。 ポリペプチドとしては、例えば、クローダ社からアミノフォームW ORの名称で販売されている加水分解したラウロイル小麦タンパク質のカリウム塩、Ma ybrook社からMay-Tein SYの名称で販売されている加水分解したココイル大豆タンパク質のトリエタノールアミン塩、Seppic社からProteo l Oatの名称で販売されているオート小麦ラウロイルアミノ酸のナトリウム塩、Deutsche Gel atine社からGeliderm3000の名称で販売されているココナッツ脂肪酸にグラフトしたコラーゲン加水分解物、又はSeppic社からProteol VS 22の名称で販売されている水素化ココナッツ酸でアシル化した大豆タンパク質を挙げることができる。 【0063】アニオン性アルキルポリグリコシド誘導体は、特に、アルキルポリグリコシド、特にポリアルキルクルコシドから得られる、シトラート、タートラート、 スルホスクシナート、カルボナート及びグリセロールエーテルであり得る。 例えば、Cesalpinia社からEucarol AGE-ETの名称で販売されているココイルポリグリコシド(1,4)酒石酸エステルのナトリウム塩、Seppic社からEssai512MP の名称で販売されているココイルポリグリコシド(1, 4)スルホコハク酸エステルの二ナトリウム塩、又はC esalpinia社からEucarol AGE-EC (登録商標)の名称で販売されているココイルポリグリコシド(1,4)クエン酸エステルのナトリウム塩が挙げられ得る。 他の陰イオン性ポリグリコシド誘導体は、 Soliance社からDodecyl-D-galactoside Uronat eの名称で販売されているドデシル-D-ガラクトシドウロン酸ナトリウムであり得る。 【0064】アニオン性界面活性剤として使用可能な脂肪酸石鹸は、無機又は有機の塩基で塩化された天然又は合成由来の脂肪酸である。 脂肪鎖は、6から22の炭素原子、好ましくは8から18の炭素原子を含みうる。 無機又は有機の塩基は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、アミノ酸及びアミノアルコール類から選択することができる。 塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、N-メチル- グルカミン、リジン及びアルギニンの塩が使用されうる。 石鹸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、 パルミチン酸、又はステアリン酸のカリウム又はナトリウム塩(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン酸カリウム又はナトリウム)、及びその混合物を挙げることができる。 【0065】両性及び双性イオン性界面活性剤としては、例えば、ベタイン、N-アルキルアミド-ベタイン及びその誘導体、グリシン誘導体、スルタイン(sultaine s)、アルキルポリアミノカルボキシレート、アルキルアンホアセテート、及びその混合物を使用することができる。 ベタインとしては、例えば、ココベタイン、例えばヘンケル社からDehyton AB-30の名称で販売されている製品、ラウリルベタイン、例えば、クラリアント社からGenagen KBの名称で販売されている製品、オキシエチレン化(10EO)されたラウリルベタイン、例えば新日本理化株式会社からラウリルエーテル(10EO)ベタインの名称で販売されている製品、又はオキシエチレン化(10EO)されたステアリルベタイン、例えば新日本理化株式会社からステアリルエーテル(10EO)ベタインの名称で販売されている製品を挙げることができる。 【0066】N-アルキルアミドベタイン及びその誘導体では、例えば、三洋化成工業株式会社からLebon 2000HGの名称で販売されるか又はAlbright & Wil son社によりEmpigen BBの名称で販売されているコカミドプロピルベタイン、又はWitco社からR ewoteric AMB12Pの名称で販売されているラウラミドプロピルベタインを挙げることができる。 スルタインとしては、クローダ社からCrosulta ine C-50の名称で販売されている、ココイルアミドプロピルヒドロキシスルホベタインを挙げることができる。 【0067】アルキルポリアミノカルボン酸塩(APA C)としては、Akzo Nobel社からAmpho lak7CX/C及びAmpholak7CXの名称で販売されているココイルポリアミノカルボン酸ナトリウム、Akzo Nobel社からAmpholak7T X/Cの名称で販売されているステアリルポリアミドカルボン酸ナトリウム、又はAkzo Nobel社からAmpholak XO7/Cの名称で販売されているカルボキシメチルオレイルポリプロピルアミンナトリウムを挙げることができる。 アルキルアンホアセテートとしては、例えば、N-ココイル-N-カルボキシメトキシエチル-N-(カルボキシメチル)エチレンジアミンN-二ナトリウム(CTFA名称:ココアンホ二酢酸二ナトリウム)、例えばローディア社からMiranolC2M Concentre NP の名称で販売されている製品、及びN-ココイル-N -ヒドロキシエチル-N-(カルボキシメチル)エチレンジアミンN-ナトリウム(CTFA名称:ココアンホ酢酸ナトリウム)を挙げることができる。 【0068】本発明に係る組成物が固体の粒子形態、好ましくは微粒状形態である場合、界面活性剤としては、 例えばココイルイセチオン酸ナトリウム、Witco社からRewoderm S 1333の名称で販売されているリシノール酸モノエタノールアミドモノスルホサクシネート、N-ラウロイル-L-グルタミン酸モノナトリウム(Amisoft LS-11)及び日光ケミカルズからNikkol PMTの名称で販売されているパルミトイルメチルタウリンナトリウムのような粉末形態で存在しうるものを使用するのが好ましい。 水性相は、場合によってはさらに、浴槽が25℃より低い温度で液体である場合には組成物の全重量の0.01から20%の質量濃度でゲル化剤を含む。 【0069】本発明の起泡組成物では、液体流動形態において、水相は好ましくは局所適用、特に化粧的な用途を可能にする生理的に許容可能な媒質からなる。 本出願において、「生理学的に許容可能な媒質」という用語は、例えば頭皮を含む皮膚、爪、粘膜、目及び毛髪又は他の体のあらゆるケラチン部分のようなあらゆるケラチン物質に適合性のある媒質を意味すると理解される。 本発明の起泡組成物の物理的に許容可能な媒質は、水を含む。 水の量は組成物の全重量に対して30から99.9 8重量%、好ましくは40から95重量%の範囲でありうる。 【0070】使用される水は、水に加えてコーンフラワーウォーターのようなフラワーウォーター、Vitte lの水、Lucasの水、La Roche Posay の水のようなミネラルウォーター、及び/又は温泉水であり得る。 生理的に許容可能な媒質は、水に加えて、1 から8の炭素原子を含む低級アルコール、例えばエタノール;ポリオール、例えばグリセロール;グリコール、 例えばブチレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコール又はPEG-8のようなポリエチレングリコール;ソルビトール;糖、例えばグルコース、 フルクトース、マルトース、ラクトース及びスクロース;及びそれらの混合物から選択される一又は複数の溶媒を含みうる。 溶媒の量は組成物の全重量に対して0. 5から30重量%、好ましくは5から20重量%の範囲であり得る。 【0071】本発明のゲル化組成物はまた、化粧的及び皮膚科学的分野で従来からあるアジュバンド、例えば無機又は有機のフィラー、親水性又は親油性の活性成分、 保存料、ゲル化剤、可塑剤、抗酸化剤、香料、防臭剤、 固結防止剤(固形粒子の凝集を防止する薬剤)、金属イオン封鎖剤(EDTA)、酸性又は塩基性のpH調整剤又は緩衝剤、及び色剤(顔料又は染色剤又は真珠光沢剤)を含みうる。 これらの様々な添加物の量は、該分野で従来から使用されている量、例えば組成物の全重量に対して0.01から20重量%である。 もちろん、当業者であれば、本発明に係る起泡組成物に添加するための随意的な化合物を、これらの組成物に本質的に付随する有利な特性が、考えられる添加によって実質的に不利な影響を被らないように添加することに注意を払うであろう。 【0072】「フィラー」という用語は、組成物に嵩又は堅牢さを与えるため、及び/又はメークアップにソフト感、マット感及び均一性を与えるための、無色又は白色で無機又は合成のラメラ状あるいは非ラメラ状の粒子を含むと理解されるべきである。 フィラーとしては、特に、タルク、マイカ、シリカ、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、カオリン、ナイロンパウダー、例えばNyl on-12パウダー(Atochem社から販売されているOrgasol)、ポリエチレンパウダー、テフロン(登録商標)(テトラフルオロエチレンポリマーパウダー)、ポリウレタンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリエステルパウダー、場合によっては修飾されていてもよいデンプン、コポリマーミクロスフィア、例えばノーベルインダストリー社からExpancelの名称で販売されているもの、マイクロスポンジ、例えばダウコーニング社から販売されているPolytrap、 シリコーン樹脂のマイクロビーズ、例えば、東芝からトスパールの名称で販売されているもの、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空のシリカミクロスフィア(M aprecos社のシリカビーズ)、ガラス又はセラミックのマイクロカプセル、8から22の炭素原子、好ましくは12から18の炭素原子を有する有機カルボン酸から誘導された金属石鹸、例えば、ステアリン酸亜鉛、 マグネシウム又はリチウム、ラウリン酸亜鉛又はミリスチン酸マグネシウム、及びそれらの混合物を挙げることができる。 【0073】「顔料」という用語は、媒質中で不溶性であり、組成物を着色及び/又は不透明化することを意図した白色もしくは有色で無機もしくは有機の粒子を含むと理解されるべきである。 それらは、白色または有色で、無機物及び/又は有機物であってよく、通常の又はナノメータサイズのものであってよい。 無機の顔料及びナノ顔料としては、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム又は二酸化セリウム、並びに酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、ナノチタン(二酸化チタンナノ顔料)、ナノ亜鉛(酸化亜鉛ナノ顔料)又はフェリックブルーを挙げることができる。 有機顔料としては、カーボンブラック及びレーキ類、例えば、ハロアシッド、アゾ又はアントラキノン染料のような酸性染料のカルシウム、バリウム、 アルミニウム又はジルコニウムの塩を挙げることができる。 「真珠光沢剤」という用語は、光を反射する真珠光沢のある粒子を意味するものと理解されるべきである。 考えられる真珠光沢剤としては、天然真珠母、酸化チタンで、酸化鉄で、天然顔料で又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、及び有色酸化チタン被覆マイカを挙げることができる。 【0074】ゲル化剤(温度により可逆性のある加熱時ゲル化特性を既に前記した、ゲル化化合物又はポリマー以外)は、液体である場合に、組成物のテクスチャーに適合し、乳液からクリームに及ぶ広範なテクスチャーに利用できるように、本発明の組成物に添加することができる。 ここで考慮されるゲル化化合物は、温度に関係なくゲル化特性を示す従来のゲル化剤である。 既に上記したように、本発明に係る組成物は、低い温度、例えば室温、「ジャーの中」で、あらゆる所望されるテクスチャーをとりうる。 組成物が使用される前に有しうるテクスチャーに制限はない。 【0075】特に、組成物は、使用の時にゲル化した泡を得るための化合物又はポリマー以外にゲル化剤を必ずしも含む必要はない。 これは、本発明の組成物に含まれる特定のポリマー又は化合物によって、例えば組成物の使用時に生じる温度の上昇の間に得られる泡が、使用前の入浴用組成物のテクスチャー又は形態にかかわらず、 ゲル化し安定するためである。 従って、ゲル化剤は、単に組成物がゲル化した外観を持つことが望ましい場合に含有されるのみであり、この外観は、本発明では入浴用組成物が持ちうる多くの外観、テクスチャー及び形態の中の一つの特定の外観である。 本発明の好ましい実施態様に従えば、組成物はゲル化剤を全く又はほとんど(0.1%未満)含まない。 【0076】使用可能なゲル化剤は、親水性のゲル化剤であり得る。 親水性のゲル化剤の例としては、特に、カルボキシビニル(カルボマー)ポリマー、アクリルコポリマー、例えばアクリラート/アルキルアクリラートコポリマー、ポリアクリルアミド、例えばSeppic社からSepigel305(CTFA名称:ポリアクリルアミド/C13−14イソパラフィン/ラウレス7) 又はSimulgel600(CTFA名称:アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルビン酸塩80) の名称で販売されている架橋したコポリマー;架橋及び/又は中和していてもよい2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のポリマー及びコポリマー、例えばHoechst社から「Hostacerin AM PS」の名称で販売されているポリ(2-アクリルアミド -2-メチルプロパンスルホン酸)(CTFA名称:アンモニウムポリアクリルジメチルタウラミド);ポリサッカライド、天然ゴム、例えばキサンタンガム、粘土及びそれらの混合物を挙げることができる。 【0077】液体である場合の組成物は、場合によっては油相を含みうる。 この油相は、好ましくは少なくとも1つの油を含みうる。 本発明の組成物において使用可能な油には、例えば: − 動物由来の炭化水素系の油、例えばペルヒドロスクアレン; − 植物由来の炭化水素系の油、例えば4から10の炭素原子を有する液状である脂肪酸のトリグリセリド、例えばヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、あるいは、例えばヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、キュウリ油、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、アララ(arara) 油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド類、例えばStearineries Dubois社から販売されているもの、又はDynamit Nobel社からミグリオール(Miglyol)810、812及び818の名称で販売されているもの、ホホバ油又はシア(カリテ)バター油; − 特に脂肪酸の合成エステルとエーテル、例えばR 1 が8から29の炭素原子を有する脂肪酸部分を表し、R 2が3から30の炭素原子を含む分枝状もしくは未分枝状の炭化水素鎖を表す式R 1 COOR 2及びR 1 OR 2 の油、例えばプルセリン(Purcellin)油、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル又はイソステアリン酸イソステアリル;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、 ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル又は脂肪アルコールのヘプタノアート、オクタノアート又はデカノアート;ポリオールエステル、例えばプロピレングリコールジオクタノアート、ネオペンチルグリコールジヘプタノアート及びジエチレングリコールジイソノナノアート;及びペンタエリトリトールのエステル、例えばテトライソステアリン酸ペンタエリトリチル; − 鉱物又は合成由来で直鎖状又は分枝状の炭化水素、 例えば揮発性又は非揮発性流動パラフィンとそれらの誘導体、液体ワセリン、ポリデセン、又は水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム油; − 天然又は合成のエッセンシャルオイル、例えば、ユーカリ油、ラバンジン油、ラベンダー油、ベチベル油、 リツェアクベバ(litsea cubeba)油、レモン油、サンダルウッド油、ローズマリー油、カモミール油、セイバリー(savoury)油、ナツメグ油、シナモン油、ヒソップ油、キャラウェイ油、オレンジ油、ゲラニオール(geran iol)油、ケード(cade)油及びベルガモット油; − 8から26の炭素原子を有する脂肪アルコール、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコール及びその混合物(セトステアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコール又はリノレイルアルコール; − 部分的に炭化水素ベース及び/又はシリコンベースのフッ化油、例えば文献JP−A−2−295912に記載されたもの; − シリコーン油、例えば、揮発性又は非揮発性で直鎖状又は環状のシリコーン鎖を持ち、室温で液状又はペースト状のポリメチルシロキサン類(PDMS)で、特にシクロヘキサシロキサンのようなシクロポリジメチルシロキサン類(シクロメチコーン類);ペンダント状の2から24の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ又はフェニル基又は2から24の炭素原子を有するアルキル、 アルコキシ又はフェニル基をシリコーン鎖末端に含むポリジメチルシロキサン類;又はフェニル化シリコーン類、例えばフェニルトリメチコーン類、フェニルジメチコーン類、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン類、ジフェニルジメチコーン類、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン類、2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート類、及びポリメチルフェニルシロキサン類; − それらの混合物;が挙げられる。 【0078】上述の油のリストにおいて、「炭化水素系の油」とは、主として炭素及び水素原子を持ち、場合によってはエステル、エーテル、フッ化、カルボン酸及び/又はアルコール基を有していてもよい任意の油を意味すると理解される。 油相に存在しうるその他の脂肪物質は、例えば8から30の炭素原子を有する脂肪酸、例えばステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸;ワックス、例えばラノリン、ミツロウ、カルナウバロウ又はキャンデリラロウ、パラフィンロウ、褐炭ロウ、マイクロクリスタリンロウ、セレシン、オゾケライト又は合成ロウ、例えばポリエチレンロウ、フィッシャー-トロプシュロウ;ガム、例えばシリコーンガム(ジメチコノール);シリコーン樹脂、例えばトリフルオロメチル(C 1−4 )アルキルジメチコーン及びトルフルオロプロピルジメチコーン;及びシリコーンエラストマー、例えば信越社から「KSG」で、ダウコーニング社から「トレフィル」、「BY29」又は「EPSX」の名称で、又はGrant Industries社から「Gransi l」の名称で販売されている製品を含んでもよい。 このような脂肪物質は例えば所望のコンシステンシー又はテクスチャー特性を有するこのような組成物を調製するために、当業者によって種々に選択されうる。 【0079】油相が含まれる場合、その量は、組成物の全重量に対して、例えば0.01から50重量%、好ましくは0.1から30重量%の範囲でありうる。 本発明による組成物は、入浴用ゲル、入浴用パール、入浴用パウダー、入浴用ミルク、入浴用クリーム等を含みうる。 まず、本発明による組成物、即ち、起泡性を有するが、 特に保管時に収容される容器内では起泡しない組成物から、前記組成物、又は、液状又は固体状の本発明に係る組成物が添加された浴槽に、攪拌等の機械的動力を加えることで、泡、即ち連続的な水相における気泡の分散が得られる。 この機械的動力は、特に利用者及び/又は水の噴出又は噴流等により、又は組成物又は浴槽の内容物が気流と混合され、水相にこの気体の泡を形成させる他の方法により浴槽が掻き混ぜられることによるものである。 よって、気泡内のガスは、通常は空気である。 【0080】本発明による入浴用組成物は、例えば、次の方法を使用することができる: − 本発明による組成物を、浴槽を形成する量の水に投入する;この質量又は体積の水は既にゲル化温度より「高い」温度、又は低い温度にしてあってもよい。 − 水を全体的に掻き混ぜ、本発明の組成物を水に均一に分散させるようにする。 水の温度が十分に高くなっている場合、攪拌により起泡し、すぐに起泡ゲルが形成される。 ゲルが形成されなかった場合、本発明による組成物を水に更に追加し、ゲル化が生じる濃度範囲まで上げることが必要である。 また、水の温度が足りなかった場合、例えば非常に熱い湯等を追加することにより、浴槽の温度をゲル化温度より高くし、望ましいゲルのテクスチャーを得るようにしても良く、この時、浴槽の体積に対して発明による組成物の量が十分であるように注意する必要がある。 よって、ゲル化した浴水の温度は、通常30から50℃である。 【0081】利用者は、本発明による組成物を浴槽に投入した前又は後、何れにおいても入浴が可能である。 浴槽の温度は、実際には徐々に低下していき、例えばゲル化した浴水の温度である30から50℃の温度から、本発明による入浴用組成物に含まれるポリマー又は化合物の可逆的な熱ゲル化効果が消滅することにより、浴水が流動化し、粘性が非常に低くなる温度である5から30 ℃の温度まで変化することもある。 この温度低下は、入浴時間にほぼ一致する時間の間に起きる。 勿論、比較的冷たい水を浴槽に足し、その温度を熱ゲル化効果が消滅する範囲まで下げることで、この冷却及びそれに伴う浴水の流動化を早めることもできる。 再び浴水が低粘性の液状に戻った時点で、バスタブ等の容器から、通常は重力のみにより、あるいは冷水で洗浄することにより、簡単に排出することができる。 本発明のその他の特徴や利点は、下記の説明により明らかとなるが、例示的なものであり、限定するものではない。 【0082】 【実施例】次の例において、水溶性単位と特定のLCS T単位とを有する好適なポリマーを含有する、本発明によるゲル化組成物の調製方法を示す。 これらの例に用いるポリマーは、特定のLCST単位からなる側鎖又はグラフト部を持つポリアクリル酸(PAA)骨格からなる。 それらは、水溶性骨格(ポリアクリル酸)のモル質量、LCST鎖の化学特性、ポリマー中の質量比及びモル質量によって特徴づけられる。 ここで用いるポリマーの特徴を、表1に示す。 【表1】 これらのポリマーは以下に示す方法により得られる。 【0083】ポリマー1の調製 還流冷却器を備えた500mlの反応装置内で、平均モル質量450000g/モルのポリアクリル酸(アルドリッチ)3gを、N−メチルピロリドン220mlに、 60℃で12時間攪拌して溶解する。 水中濃度1重量% の場合、曇り点が16℃である、分子量2600g/モルのモノアミノ化ランダム(EO) 6 (PO) 39コポリマー(ハンツマン社のJeffamine M−2005) 4.181gを、50mlのN−メチルピロリドンに添加し、20℃で15分攪拌して溶解する。 得られた溶液を、60℃における高速度の攪拌の下で、ポリアクリル酸を含んだ反応媒質中に滴下する。 2.158gのジシクロヘキシルカルボジイミドを、30mlのN−メチルピロリドンに、20℃で15分攪拌して溶解する。 得られた溶液を、60℃における高速度の攪拌の下で、ポリアクリル酸及びモノアミノ化ランダム(EO) 6 (PO) 39 コポリマーを含む反応媒質中に滴下する。 最後に、混合物を60℃において12時間攪拌する。 【0084】混合物を20℃まで冷却し、次いで4℃の冷蔵庫に24時間放置する。 形成されたジシクロヘキシル尿素の結晶を、反応媒質を濾過することで取除く。 次いで、19gの35%水酸化ナトリウム溶液(アクリル酸のモル数の4倍に相当)を使用してポリマーを中和し、沈殿させる。 12時間放置後、沈殿したポリマーを回収するため、反応媒質を濾過する。 これを、35℃の真空下で24時間乾燥させる。 固体を13.55g回収して、2lの脱イオン水に溶解する。 この溶液を、遮断限界が10000ダルトンに設定された膜を有するミリポア型限外濾過装置で限外濾過する。 このようにして精製された溶液を、凍結乾燥してポリマーを固体形態として得られるようにする。 モノアミノ化ランダム(EO) 6 (PO) 39コポリマーが3.9%(モル)でグラフトされたポリ(アクリル酸ナトリウム)(450000g/モル)が7.05g得られる。 最終的に得られたポリマーにおけるLCST単位の質量比は51%である。 このようにして得られたポリマーの溶解度は、20℃の水中で、少なくとも10g/lである。 【0085】ポリマー2の調製方法 ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(pNIPAM) グラフト部を有するポリマー2は、2段階の工程により調製される: 1) アミノ化反応端を有するpNIPAMオリゴマーの合成 8gのN−イソプロピルアクリルアミドと80mlのジメチルスルホキシドを、還流冷却装置及び窒素注入口を供えた250mlの3つ口丸底フラスコに投入する。 この混合物を、攪拌しながら、水槽によって29℃まで加熱した後、窒素でスパージする。 45分経過後事前に4 mlのジメチルスルホキシドに溶解した0.161gの塩酸アミノエタンチオールを反応媒質に添加する。 更に5分後、8mlのジメチルスルホキシドに溶解した0. 191gの過硫酸カリウムを反応媒質に添加する。 この反応媒質を、攪拌し、29℃の窒素雰囲気中に3時間放置する。 合成されたポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(pNIPAM)オリゴマーを、アセトン(40体積%)とヘキサン(60%)の混合物から反応媒質の沈殿によって分離する。 【0086】2) pNIPAMオリゴマーのポリアクリル酸へのグラフト 還流冷却装置を供えた250mlの3つ口丸底フラスコにおいて、分子量550000g/モルのポリアクリル酸3gを100mlの1-メチル-2-ピロリドンに、6 0℃で12時間攪拌することで溶解する。 事前に25m lの1-メチル-2-ピロリドンに溶解した3.757g のpNIPAMオリゴマーを、攪拌の下で、反応媒質に滴下する。 15分後、事前に25mlの1-メチル-2- ピロリドンに溶解したジシクロヘキシルカルボジイミド0.776gを、高速度攪拌の下で、反応媒質に滴下する。 60℃において12時間、反応媒質を攪拌し続ける。 次いで、反応媒質を20℃まで冷却し、4℃の冷蔵庫で24時間放置する。 形成されたジシクロヘキシル尿素の結晶を、濾過により取除く。 次に、19gの35% 水酸化ナトリウム溶液(アクリル酸のモル数の4倍に相当)を用いてポリマーを中和し、沈殿させる。 12時間放置後、沈殿したポリマーを回収するため、反応媒質を濾過する。 これを、35℃の真空下で24時間乾燥させる。 【0087】固体を10.2g回収して、2lの脱イオン水に溶解する。 この溶液を、遮断限界が10000ダルトンに設定された膜を有するミリポア型限外濾過装置を用いて限外濾過する。 このようにして精製された溶液を、凍結乾燥してポリマーを固体形態として得られるようにする。 0.9%(モル)のポリ-N-イソプロピルアクリルアミドでグラフトしたポリ(アクリル酸ナトリウム)(550000g/モル)が4.8g得られる。 最終的に得られたポリマーにおけるLCST単位の質量比は49%である。 グラフトが、ポリマー1と同様にモノアミノ化ランダム(EO) 6 (PO) 39コポリマー(Jef famine M−2005)によるポリマー3は、例1と同様の方法で調製した。 【0088】上述のように調製された3つのポリマーの臨界凝集濃度(CAC)は、円錐/板(cone/plate)構成(35mm, 2°)及び温度を5から80℃の間に調節するためサーモスタット制御恒温槽を具備したHaa ke RS 150レオメーターを用いて上述の方法に従い、流体力学的に決定された。 測定は、温度を0.5℃ /分の割合で15から50℃まで変動させ、10s -1の剪断速度において流動モードで行われた。 0.2 Mの NaCl中のポリマー1について;臨界凝集濃度(CA C)はおよそ1重量%である。 純水中のポリマー2について;臨界凝集濃度はおよそ0.3重量%である。 一方、0.2MのNaCl中のポリマー3について;臨界凝集濃度(CAC)はおよそ1重量%である。 以下の実施例において行われた流体力学的測定は、温度を0.5℃ /分の割合で20から35℃まで変動させる以外は、C AC値を決定するために実施された測定と同じ方法及び同じ条件で実施された。 【0089】実施例1 本実施例は、5重量%のポリマー1を含む入浴用組成物について記載する。 a)組成物(事実上、本発明に係る組成物ではないが、事実上、最終的な浴水は 本発明(この場合、ポリマー及び塩のみを含む)の組成物を水に取込むことによ り調製される) ポリマー1 5g NaCl 1.17g 脱塩水 93.83g 本組成物は、2時間撹拌しながらポリマーを塩水に単純に加えることにより調製される。 【0090】b)ゲル化特性及び冷却下での浴槽からの除去 上述のように調製された組成物のゲル化特性及び冷却による流動化が、流体力学的測定により実証された。 本発明に従って得られた入浴用組成物は、以下に示す粘性を示す: 20℃における粘性(10s -1 )=0.015 Pa.s. 35℃における粘性(10s -1 )=10 Pa.s. 35℃まで加熱した後の、20℃における粘性(10s -1 ) =0.015 Pa.s. ポリマー1のゲル化力により、35℃においてゲル化された浴水を得ることが可能となる。 温度が35℃から2 0℃に低下する場合、組成物は流動化し、その結果容易に除去され得る。 【0091】実施例2 本実施例は、1重量%のポリマー2を含む入浴用組成物について記載する。 a)組成物 ポリマー2 1g 脱塩水 99g 本組成物は、2時間撹拌しながらポリマーを単純に水に加えることにより調製される。 【0092】b)ゲル化特性及び冷却下での浴槽からの除去 上述のように調製された組成物のゲル化特性及び冷却による流動化が、流体力学的測定により実証された。 本発明に従って得られた入浴用組成物は、以下に示す粘性を示す: 20℃における粘性(10s -1 )=0.17 Pa.s. 35℃における粘性(10s -1 )=0.7 Pa.s. 35℃まで加熱した後の、20℃における粘性(10s -1 ) =0.16 Pa.s. ポリマー2のゲル化力により、35℃においてゲル化された浴水を得ることが可能となる。 温度が35℃から20℃ に低下する場合、組成物は流動化し、その結果容易に除去され得る。 【0093】実施例3 本実施例は、5重量%のポリマー3及び3%のアルキルポリグリコシド界面活性剤を含む入浴用組成物について記載する。 使用された界面活性剤は、(C 10-14アルキル)ポリグリコシドで、Oramix R NS10との名称でSeppic Rにより販売されている。 a)組成物 ポリマー3 5g Oramix R N510 3g 脱塩水 92g 本組成物は、ポリマー3の10%溶液とOramix R NS10の6%溶液を同じ比率で混合することにより調製される。 これら2つの原溶液は、2時間撹拌しながらポリマー(又は界面活性剤)を単純に水に加えることにより調製される。 【0094】b)ゲル化特性及び冷却下での浴槽からの除去 上述のように調製された組成物のゲル化特性及び冷却による流動化が、流体力学的測定により実証された。 本発明に係る組成物は、以下の粘性を示す: 20℃における粘性(10s -1 )=0.06 Pa.s. 35℃における粘性(10s -1 )=0.8 Pa.s. 35℃まで加熱した後の、20℃における粘性(10s -1 ) =0.07 Pa.s. ポリマー3のゲル化力により、35℃においてゲル化された浴水を得ることが可能となる。 温度が35℃から2 0℃に低下する場合、組成物は流動化し、その結果容易に除去され得る。 【0095】実施例4 本実施例は、加熱-ゲル化システム、及び水溶液中で二層構造を形成する界面活性剤と組合わせた関連ポリマーを含む入浴用組成物について記載する。 a)加熱-ゲル化システム 150000 g/molのモル質量を持つポリ(アクリル酸ナトリウム)は、ドデシル鎖の3%(モル比)がグラフトされ、エトキシル化アルキル界面活性剤C 12 (EO) 4と混合される。 b)入浴用組成物 ポリマー 1g C 12 (EO) 4 3.24g 脱塩水 95.76g 本組成物は、ポリマーの2%溶液と界面活性剤の6.4 8%溶液を単純に混合することにより調製される。 これら2つの原溶液は、撹拌しながらポリマー(又は界面活性剤)を単純に水に加えることにより調製される。 【0096】c)ゲル化特性及び冷却下での浴槽からの除去 上述のように調製された組成物のゲル化特性及び冷却による流動化が、流体力学的測定により実証された。 本発明に係る組成物は、以下の粘性を示す: 20℃における粘性(10s -1 ) 1 Pa.s. 35℃における粘性(10s -1 ) 40 Pa.s. 35℃まで加熱した後の、20℃における粘性(10s -1 ) 1 Pa.s. ポリマー+界面活性剤システムのゲル化力により、35 ℃においてゲル化された浴水を得ることが可能となる。 温度が35℃から20℃に低下する場合、組成物は流動化し、容易に除去され得る。 【0097】実施例5 本実施例は、ゲル化システム及びメチルセルロースを含む入浴用組成物について記載する。 a)加熱-ゲル化システム ダウケミカル社により供給されるMethocel R A100;メトキシ基による置換度は1.6と1.8の間 b)入浴用組成物 ポリマー 5g 脱塩水 95g 本組成物は、撹拌しながらポリマーを単純に水に加えることにより調製される。 【0098】c)ゲル化特性及び冷却下での浴槽からの除去 上述のように調製された組成物のゲル化特性及び冷却による流動化が、流体力学的測定により実証された。 本発明に係る組成物は、以下の粘性を示す。 20℃における粘性(10s -1 ) 1 Pa.s. 40℃における粘性(10s -1 ) 10 Pa.s. 40℃まで加熱した後、20℃における粘性(10s -1 ) 0.9 Pa.s. 当該ポリマーのゲル化力により、40℃においてゲル化された浴水を得ることが可能となる。 温度が40℃から20℃に低下する場合、組成物は流動化し、容易に除去され得る。 【0099】実施例6 本実施例は、熱-ゲル化システム及びPEO/PPO/ PEOブロックコポリマーを含む入浴用組成物について記載する。 a)熱-ゲル化システム BASF社により供給されるPluronic P-85;そのモル比は4500g/molであり、;PEOブロックのモル質量は1125g/molに等しく、PPOブロックのモル質量は2250 g/molに等しい。 b)入浴用組成物 ポリマー 27g 脱塩水 73g 本組成物は、撹拌しながらポリマーを水に単に加えることにより調製される。 【0100】c)ゲル化特性及び冷却下での浴槽からの除去 上述のように調製された組成物のゲル化特性及び冷却による流動化が、流体力学的測定により実証された。 本発明の組成物は、以下の粘性を示す。 20℃における粘性(10s -1 ) 0.03 Pa.s. 35℃における粘性(10s -1 ) 150 Pa.s. 35℃まで加熱した後、20℃における粘性(10s -1 ) 0.04 Pa.s. 当該ポリマーのゲル化力により、35℃においてゲル化された浴水を得ることが可能となる。 温度が35℃から20℃に低下するとき、組成物は流動化し、容易に除去され得る。 【0101】参考文献 [1] N. Sarkar, J. Appl. Polym. Sci., 1979, 24, 107 3. [2] W. Brown, K. Schillen, M. Almgren, S. Hvidt, P. Bahadur, J. Phys. Chem., 1991, 95, 1850 [3] A. Carlsson, G. Karlstrom, B. Lindman, Coll. S urf., 1990, 47, 147. [4] K. Loyen, I. Iliopoulos, R. Audebert, Langmui r, 1994, 10, 1421. [5] D. Hourdet et al., Polymer, 1994, vol. 35, No. 12, pp.2624-2630. [6] F. L'Alloret et al., Coll. Polym. Sci., 1995, vol.273, pp.1163-1173. [7] F. L'Alloret, Revue de l'Institut Francais du Petrole, 1997, vol.52,No.2, pp.117-128. [8] EP-A-0 583 814. [9] EP-A-0 629 649. [10] WO-A-95 24430. [11] US-A-5 939 485. [12] WO-A-97 00275. [13] WO-A-98 48768. [14] WO-A-99 35961. [15] Articles by Taylor et al. Journal of Polymer Science, Part A:Polymer Chemistry, 1975, 13, 2551 [16] J. Bailey et al., Journal of Applied Polymer Science, 1959, 1,56 [17] Heskins et al., Journal of Macromolecular Sci ence, Chemistry A2, 1968, 1441. [18] EP-A-0 566 438. [19] FR-A-2 739 556. ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB332 AD051 AD052 AD091 AD092 AD261 AD281 AD392 BB32 BB36 BB60 CC25 DD16 DD21 DD23 DD25 DD41 DD50 EE06 EE41 |