Plant extracts and their applications

申请号 JP32068991 申请日 1991-12-04 公开(公告)号 JPH0647553B2 公开(公告)日 1994-06-22
申请人 株式会社緑十字; 发明人 貞助 文; 鴻基 景; 春元 金; 鐘培 金; 仁權 韓; 永▲福▼ 韓;
摘要
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 フェロデンドロン属に属する植物の樹皮とクロトン属に属する植物の脱脂実との混合物より抽出された下記特性を有する植物抽出物。 (1)元素分析 C:39〜41%、H:4〜6%、O:45〜47%、
    N:5〜7% (2)紫外線吸収スペクトル 339nm及び262nmに極大吸収を有する。 (3)赤外吸収スペクトル 576、1301、1237、1152、1509、1
    607、3459、2926及び3388cm -1に吸収を有する。
  • 【請求項2】 フェロデンドロン属に属する植物がフェロデンドロン アムレンス ルプレートであり、クロトン属に属する植物がクロトンチクリアム(L)である請求項1記載の植物抽出物。
  • 【請求項3】 請求項1記載の植物抽出物を有効成分とする抗腫瘍剤。
  • 【請求項4】 請求項1記載の植物抽出物を有効成分とする免疫増強剤。
  • 【請求項5】 フェロデンドロン属に属する植物の樹皮とクロトン属に属する植物の脱脂実との混合物より水で抽出することを特徴とする請求項1記載の植物抽出物の製造方法。
  • 【請求項6】 フェロデンドロン属に属する植物の樹皮とクロトン属に属する植物の脱脂実との混合比が重量比で1:2〜2:1である請求項5記載の製造方法。
  • 【請求項7】 フェロデンドロン属に属する植物の樹皮とクロトン属に属する植物の脱脂実との混合物より有機溶媒可溶成分を除去した後、水で抽出するものである請求項5記載の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は2種の植物の混合物より抽出された植物抽出物、この抽出物を有効成分とする免疫系、神経内分泌系の恒常性(homeostasi
    s)維持機能の欠陥による疾患を治療するための医薬及びその製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】フェロデンドロン属の植物は、主に韓国、日本、中国等の地方において自生する植物であり、
    その樹皮には黄色又は黄褐色の色素物質が含有されており、更に、数種のアルカロイド成分が含有されていることが知られている。 該アルカロイド成分は、抗菌作用、
    血圧降下作用、中枢神経抑制作用、アセチルコリン増強作用及び抗炎症作用があり、苦味健胃及び整腸剤として使用されており、本草綱目や薬学においては骨疾患及び黄疸の治療に有効であると記載されている。

    【0003】一方、クロトン属に属する植物は、主にマレーシア等の東アジアの熱帯地方に自生する植物であり、その種子には脂肪油30〜50%、蛋白質18%、
    クロトングロブリン、クロトンアルブミン、phorb
    olのケミ酸、酪酸又はチグリン酸エステル(Tigl
    ic acid ester)等が含有されている。 この脂肪油は血管炎を誘発させる作用があり、発癌物質(Carcinogen)として知られている(Can
    cer Research,2338−2349,19
    69,等)。 更に、これとは反対にこの種子油中に抗癌性成分があるとの報告もある(Science 19
    1,571,1976)。 しかし、クロトン種子油には蛋白毒性物質が多量含有されており、抗癌作用を期待することができないために、実際に医薬として用いられていないのが実情である。

    【0004】ところで、従来、抗癌剤としてはナイトロジェンマスタード、アルキル化剤をはじめ、代謝拮抗剤、抗癌抗生物質、植物由来の抗癌剤、ホルモン剤、生理反応調節剤(Biological Respons
    e Modifier,BRM)等、多くの抗癌剤が開発されているが、その大部分は主に血液癌以外の結節性固形癌には効果がほとんど無いのが実情である。 また、
    これらの抗癌剤の大部分は強な細胞分裂の抑制作用を示すので、骨髄抑制、嘔吐、脱毛、口内炎、下痢等の消化器系症状の副作用を伴ない、免疫機能を低下させるので、腫瘍細胞のみならず細菌に対しても宿主を無抵抗にしてしまう。 その結果、腫瘍組織は縮小乃至寛解されるとしても、実際に癌患者の延命には大して助けにはならないのみならず、2次転移のおそれがあるので、長期間使用することができないという欠点を有している。 化学療法剤による癌治療は変異原性物質による体細胞DNA
    損傷や、その修復過程を染色体モデルにおいて調査することと癌細胞DNAに作用する抗癌剤の殺細胞性を検討したのは1970年以前の各種研究により、すでに明らかにされていた。 而して、現存する抗癌剤は大部分が2
    0年前に開発されたものであり、その当時は単純に癌組織細胞の成長を阻害させればよいものと考えており、正常細胞に深刻なる損傷を与えることは知り得なかったものである。

    【0005】

    【発明が解決しようとする課題】従って、血液癌だけでなく結節性固形癌に対しても優れた抗癌効果を有し、かつ毒性及び副作用がなく、癌組織細胞が退逐されるまで継続して使用することができる抗癌剤の開発が熱望されている。

    【0006】

    【課題を解決するための手段】このような実情において本発明者は、各種の薬用植物を利用して抗癌成分を探すべく、多的に研究、検討した結果、フェロデンドロン属の植物の樹皮とクロトン属植物の脱脂実との混合物より抽出された植物抽出物が優れた抗癌効果、免疫増強効果等を示し、毒性がほとんどないことを見出し、本発明を完成するに至った。

    【0007】すなわち、本発明はフェロデンドロン属に属する植物の樹皮とクロトン属に属する植物の脱脂実との混合物より抽出された下記特性を有する植物抽出物を提供するものである。 (1)元素分析 C:39〜41%、H:4〜6%、O:45〜47%、
    N:5〜7% (2)紫外線吸収スペクトル 339nm及び262nmに極大吸収を有する。 (3)赤外吸収スペクトル 576、1301、1237、1152、1509、1
    607、3459、2926及び3388cm -1に吸収を有する。

    【0008】また、本発明は上記植物抽出物を有効成分とする抗腫瘍剤及び免疫増強剤を提供するものである。

    【0009】さらに本発明はフェロデンドロン属に属する植物の樹皮とクロトン属に属する植物の脱脂実との混合物よりで抽出することによる上記植物抽出物の製造方法を提供するものである。

    【0010】本発明においては従来の方法のようにクロトン種子油より抗癌成分を単離しようとするものでなく、クロトン属植物種子より油状成分をすべて除去した脱脂実とフェロデンドロン属植物の樹皮との混合物からの抽出物に関するものであり、かかる抽出物は正常細胞に対しては無害であり、腫瘍細胞に対して選択的に作用して腫瘍細胞の増殖を阻害するというメカニズムを示すのみならず、治療効果を示すものである。 一方、使用するフェロデンドロン属植物の樹皮又はクロトン属種子のいずれかの1種を使用して抽出した成分は抗癌効果が甚だ低いために抗癌剤として使用することができない。

    【0011】本発明の植物抽出物(以下、本品ともいう)は、フェロデンドロン属植物の樹皮とクロトン属植物の脱脂実との混合物より水で抽出することにより製造される。

    【0012】本発明に用いられるフェロデンドロン属植物の代表的なものは、フェロデンドロン アムレンス
    ルプレートで、その変種としてはラチポリオラトム ナガイカワモト(Latifoliolatum nak
    ai ex kawamoto)、チャポニコム オイ(Japonicum ohwi)、フェロデンドロン インシュレル ナガイ(Phellodendrom
    insularenakai)、フェロデンドロン
    モルレ ナガイ(Phellodendron mol
    le nakai)、フェロデンドロン サルカルリンネンス サジエト(Phellodendrom sa
    chalinence sargent)等が挙げられる。 また、クロトン属植物の代表的なものは、クロトン チクリアム(L)であり、他にジャトロファカルカス(L)〔(Jatrophacurcas(L)〕、コディアアム バリエガタム ブラム(Codiaeum
    Variegatum blum)及びその変種、ピックタム ムエル(Pictum muell)等が挙げられる。 抽出にあたってはこれらの樹皮及び脱脂実は、抽出効率を向上させるため細かく破砕して用いるのが好ましい。 フェロデンドロン属植物の樹皮とクロトン属植物の脱脂実の混合比は、重量比で1:2〜2:1、
    特に1:1.2〜1.2:1が好ましい。

    【0013】本方法においては、水による抽出に先立ち、有機溶媒可溶成分を除去しておくのが好ましい。 ここで用いられる有機溶媒としては、脂肪族アルコール、
    芳香族アルコール、炭素数1〜8の同種又は異種のハロゲン原子を1〜6個含んだ含ハロゲン炭化水素、脂肪酸エステル、及びこれらの混合物等が挙げられ、就中クロロホルム又はクロロホルムとエタノールの混合溶媒が好ましい。 これらの有機溶媒による可溶成分除去操作は、
    室温下20〜60時間放置して可溶分を濾去することにより行なわれる。

    【0014】この残渣より水で目的成分を抽出するには、水、好ましくは熱水、特に好ましくは40〜100
    ℃の熱水を用いて抽出し、得られた水溶性抽出物を減圧濃縮し、蒸気圧で飽和させ、生成する沈澱物を除去すればよい。 また、必要に応じて、水溶性抽出物より、更にクロロホルム等の有機溶媒を用いて有機溶媒可溶性成分を分離除去してもよい。 得られた水溶性抽出物は凍結乾燥して淡黄色粉末として単離される。

    【0015】このようにして得られる本発明植物抽出物は、前記の元素分析値、紫外線吸収スペクトル、赤外線吸収スペクトルを有する。 また、この組成物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析した結果、下記成分A〜Gのピークを有していた。 成分A(保持時間:2.0分) 6〜 8% 成分B(保持時間:2.8分) 6〜 8% 成分C(保持時間:3.1分) 5〜 7% 成分D(保持時間:5.2分) 5〜 7% 成分E(保持時間:7.1分) 33〜35% 成分F(保持時間:7.5分) 33〜35% 成分G(保持時間:8.2分) 4〜 6%

    【0016】本発明植物抽出物は、腫瘍疾患をはじめ、
    これと関連された疾患等に対し治療効果を有する。 ここで、本発明における病態生化学的治療効果に関する用語において、免疫系とは、外面に対しては感染に対する防御機構であり、内面においては腫瘍に対する免疫監視機構としての役割を果たすと同時に、神経内分泌系と共に内部環境の恒常性維持に大きな役割を担当している機構を意味する。 更に、神経内分泌系とは神経機能を調節する機構であり、神経系は神経維持(NERVOUS F
    IBRE)という伝達経路を通じて、電気的及び神経化学伝達物質(NEUROTRANSMITTER)を媒体として迅速に調節作用する一方、内分泌系は、内分泌腺(ENDOCRINEGLANDS)という特定細胞より生成するホルモンが、血液を通じて分泌されれば、
    標的細胞の機能を変化させて、生体の恒常性維持に寄与する生理学的物質を生成、分泌に関与する臓器系を意味する。 つまり、人間の難治性疾患の大部分は、損傷等を除いては、各代謝機能の欠陥、すなわち、免疫系、神経内分泌系等の恒常性維持機構の欠陥により、発生される関連疾患であるとえるのである。 本発明抽出物は、具体的には(1)腫瘍代謝の阻害による腫瘍治療剤、
    (2)免疫調節機構及びホルモン代謝機能の増強、調節によるウィルス性疾患治療剤、(3)免疫系機能及びホルモン代謝の増強、調節による甲状腺疾患治療剤、
    (4)ホルモン代謝機能を増強、調節して骨実質形成と骨密度を高めることによる骨多孔症治療剤、(5)免疫系機能の活性化、調節及びホルモン代謝改善による肝疾患治療剤の有効成分として使用され得る。 従来、人間に有用な薬物を創製するために、通常、1種の物質によって一つの目標疾患を治療しようとするのに反し、本発明は2種の植物の混合物より抽出された有効成分を使用し、免疫系異常疾患である、ウィルス性疾患、甲状腺疾患、骨多孔症等の各種疾患を副作用なしに、効果的に治療出来得ることを見出したものである。 即ち、本発明抽出物は、人体の各種代謝機能を活性化、調節する作用により、その恒常性維持機構が増強され、腫瘍及び腫瘍に転換され得る関連疾患であるウィルス性疾患、甲状腺疾患、骨多孔症及び肝疾患等に対しても、治療効果を示す特徴を有するものである。 このように本発明によれば非常に簡便な工程により、低廉な費用にて医薬活性物質を得ることが出来る。 更に、従来の抗癌剤のような代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗癌抗生物質等は、重要な機能を有する正常細胞までも腫瘍細胞と共に破壊すると同時に免疫系機能も低下させることにより、腫瘍細胞のみならず、細菌に対しても宿主を無抵抗にしてしまう。 その結果、たとえ腫瘍細胞組織は一過性に縮小、寛解するとしても、実際患者の延命には寄与しないのである。 つまり、腫瘍に対する化学療法剤の効果は、元来治療率と延命率によって効果判定されるべきであるが、実際にはそうでないのが実情である。 しかし、本発明抽出物は特に結節性固形腫瘍に対する効果が卓越しており、長期間連続使用できると云う長所と、一過性の鎮静作用以外には、副作用がないという安全性及び有効性に優れた新規薬物といえるものである。

    【0017】本発明抽出物の各種疾患に対する治療効果につき、さらに詳細に説明する。 (1)腫瘍に対する治療効果 本発明抽出物は腫瘍に対する治療及びその症状を軽減するために使用される。 これと関連して、本品は腫瘍代謝に関与して腫瘍成長の必須蛋白質の生成を遮断及び/又は阻害して腫瘍増殖を抑制する作用と共に、免疫系、神経内分泌系、酵素−基質レベル等の制御機構を活性化調節する作用により、つまり抑制遺伝子機能を改善し、細胞相互間の恒常性維持機構の強化により、腫瘍組織細胞を自ずから萎縮、縮小、退縮させる作用を示す。 (2)ウィルス性疾患に対する治療効果 本発明抽出物の他の効果として、ウィルス性疾患に対する治療効果がある。 すなわち、本品は免疫不全、又は子供のような宿主側の欠陥を改善してやる効果、つまり、
    免疫系Tリンパ球主導による抗ウィルス効果を有する。
    より具体的には、本品は免疫系機能代謝に関与する免疫復活因子を生成し、マクロファージを活性化して、インターロイキン−1(IL−1)が更にTリンパ球を刺激、インターロイキン−2(IL−2)を分泌してヘルパーTリンパ球機能を強化、ウィルス抗原を感作したT
    リンパ球は、リンパ芽球細胞に転換され、その抗原と接触することにより多くの活性物質を遊離させ、ウィルス抗原と結合、中和する作用を示す。 (3)甲状腺疾患に対する治療効果 本発明抽出物の他の効果は、甲状腺疾患を治療する効果である。 すなわち、本品は内分泌系機能に関与して甲状腺ホルモン分泌の欠陥に対し、それを活性化、調節する作用を有する一方、免疫系機能代謝にも関与し、サプレッサ−Tリンパ球(Ts)機能の不全に対する機能を活性化、増強する作用により、甲状腺機能の恒常性維持機構の欠陥を改善する作用を有する。 即ち、甲状腺細胞を攻撃していた細胞障害性Teリンパ球はTsリンパ球の活性増強によりその機能が抑制され、更に、Thリンパ球の機能も抑制調節されることにより、その間増加していたTeリンパ球が非リンパ球、即ち、形質細胞に転換され、抗原生産を抑制する作用を有すると同時に、サイロトロピン(THYROTROPIN)ホルモンの均衡された刺激によって甲状腺ホルモンの正常な分泌を促し、甲状腺機能を改善する作用を示す。 (4)骨多孔症に対する治療効果 本発明抽出物の更に他の効果は、骨多孔症に対する治療効果である。 すなわち、本品は内分泌系の骨代謝ホルモンに関与してエストロゲンホルモン及びカルシトニン(CALCITONIN)ホルモンの増加調節と、サイロトロピンホルモンの減少調節等、骨代謝に関連したホルモン機能を調節することにより、骨実質形成及び骨密度を高めて骨多孔症治療効果を示す。 (5)肝疾患に対する治療効果 本発明抽出物の他の効果は、肝疾患に対する治療効果である。 すなわち、本品は、免疫系及び内分泌系関連機能を活性化し、組織再生の促進作用を有する。 即ち、Ts
    リンパ球の活性因子(TsF)を増加させ、欠除していたTsリンパ球機能を強化させ、Thリンパ球機能を抑制する作用と共に、細胞損傷性Tcリンパ球又は直接細胞傷害性Teリンパ球等の機能を抑制する、つまり、免疫系代謝の細胞等の均衡的相互作用の活性化で、損傷された肝疾患細胞の再生等の効果によりGOT/GPT、
    総蛋白中のアルブミン/グロブリン及びビリルビン等一連の肝機能を正常値範囲内に改善する作用を有する。 更に、本品は肝機能の改善と共に、糖代謝のホルモンにも関与し、肝性糖尿病の高血糖症に対しては血糖降下作用を、反対に、低血糖症に対しては上昇作用を発揮する作用、即ち、肝疾患による異常血糖値は、正常値の範囲内へ改善する作用を示すことにより一連の肝疾患治療効果を示す。

    【0018】本発明の抽出物は腫瘍又は癌等の免疫系異常疾患、ウィルス性疾患、甲状腺疾患、骨多孔症等の各種疾患の治療及び予防用医薬として、本発明組成物自体をそのまま人間を含む哺乳動物に投与することも出来るが、一般的には医薬として許容され得る各種製剤として、経口的、又は、非経口的に投与することが出来る。
    経口における投与形態としては錠剤、散剤、カプセル剤等が挙げられ、これらは前記抽出物を適当な添加剤、例えば、ラクトース、マンニトール、コーンスターチ、結晶セルロース等の賦形剤;セルロース誘導体、アラビアゴム、ゼラチン等の結合剤;タルク、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤等を適宜調合し、常法により製剤化することにより製造される。 非経口投与形態としては、
    注射剤が挙げられ、これは例えば、生理食塩水、水、エタノール、グリセリン等に溶解して製造することができる。 投与量は年齢、症状、投与方法、投与期間等によって異なるが、通常経口投与の場合には、10〜100mg
    /kg/日の範囲、非経口投与の場合は1〜100mg、好ましくは5〜50mgの範囲であり、1日1〜2回に分けて投与することが好ましい。

    【0019】

    【実施例】以下実施例及び実験例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例及び実験例により限定されるのではない。

    【0020】実施例1 フェロデンドロン アムレンス ルプレートの樹皮16
    0gとクロトン チクリアム(L)の脱脂実160gを細かく破砕して混合し、クロロホルムとエタノールの等分混合溶液2,000mlを加え48時間室温で撹拌して3回抽出する。 該抽出液中主にトリグリセリド及びその他の脂溶性物質が含有された混合溶媒層を濾去し、残渣を暗所で風乾することによって溶媒を除く。 このようにして得た固形残渣を4回にわたって1回1,000mlずつ60℃で加温した蒸留水で抽出する。 該抽出液はその容積が1/3になるよう減圧濃縮し、蒸気圧(120
    ℃、20pound/in 2 )下で飽和させて生じた沈澱物を遠心分離して除き、濾液にクロロホルムを加え、
    繰り返し分離して水溶性抽出液のみを分取し、その後、
    蒸留装置において、残りの有機溶媒を留去する。 該水溶性抽出液を滑石を加えて精製後、減圧下で濾過して滑石を除去する。 このようにして精製した水溶性抽出液をメンブレンフィルター装置(Millipore社製,直径:142mm,ポアサイズ:0.2μm)で除菌濾過した後、凍結乾燥して淡黄褐色粉末20gを得た。 該粉末の特性は下記の如くであり、HPLCの結果を図1に、
    UVスペクトルを図2に、IRスペクトルを図3、にN
    MRスペクトルを図4に示した。 (1)元素分析 C:39.85%, H:4.62%, O:47.04%, N:5.24%, S:0% (2)HPLC分析 成分A(保持時間:2.0分) 7.1% 成分B(保持時間:2.8分) 7.1% 成分C(保持時間:3.1分) 6.2% 成分D(保持時間:5.2分) 6.5% 成分E(保持時間:7.1分) 33.6% 成分F(保持時間:7.5分) 33.6% 成分G(保持時間:8.2分) 5.8% (3)UVスペクトル(KBr): 339nm(アゾ官能基),262nm(置換ベンゼン) (4)IRスペクトル(cm -1 ): 576, 1301, 1237, 1152, 1509, 1607, 3459, 2926, 332
    8 このようにして得られた黄色の粉末に蒸留水を加え、
    pHを6.0に調整して注射剤を製造した。

    【0021】実施例2 フェロデンドロン サルカリンネンス サルゼントの樹皮160gとクロトンチクリアム(L)の脱脂実160
    gを細かく破砕し、混合して酢酸ベンジル2,000ml
    に入れて撹拌しながら、36時間室温において3回抽出した。 該抽出液を傾斜し、残渣は暗所において風乾して溶媒を除去する。 このようにして得た残渣を3,000
    mlずつ90℃に加温した蒸留水で2回熱水抽出する。 該抽出液は、その容積が1/3になるよう減圧濃縮し、蒸気圧(120℃,20pound/in 2 )下で飽和させて生じた沈澱物を遠心分離して除去し、濾液にクロロホルムを加えて繰り返し分離して、水溶性抽出液のみを分取し、その次に蒸留装置によって残りの有機溶媒を留去する。 該水溶性抽出液を滑石を加えて精製した後に、
    減圧下で濾過し、滑石を除去する。 このようにして精製された水溶性抽出液をメンブレンフィルター装置で濾過した後、凍結乾燥して淡黄色粉末約18gを得た。 該粉末の特性は下記の通りである。 (1)元素分析 C:39.28%, H:4.83%, O:47.22%, N:5.42%,S:0% (2)HPLC分析 成分A(保持時間:2.0分) 6.9% 成分B(保持時間:2.8分) 6.9% 成分C(保持時間:3.1分) 6.0% 成分D(保持時間:5.2分) 6.1% 成分E(保持時間:7.1分) 34.6% 成分F(保持時間:7.5分) 34.1% 成分G(保持時間:8.2分) 5.3% (3)UVスペクトル(KBr): 339nm(アゾ官能基),262nm(置換ベンゼン) (4)IRスペクトル(cm -1 ): 576, 1301, 1237, 1152, 1509, 1607, 3459, 2926, 332
    8 このようにして得られた黄色粉末を用い、実施例1と同様にして注射剤を製造した。

    【0022】実施例3 フェロデンドロン インシュレル ナカイの樹皮200
    gと、コディアアムバリエガタムの脱脂実200gを細かく破砕して混合し、クロロホルム2,000mlに入れ、撹拌しながら24時間室温において3回抽出する。
    該抽出液を傾斜し、残渣は暗所において風乾し、溶媒を除去する。 このようにして得た残渣は、3,000mlずつ90℃に加温した蒸留水にて2回熱水抽出する。 該抽出液をその容積が1/3になるよう、減圧濃縮し、蒸気圧(120℃,20pound/in 2 )下で飽和させて生じた沈澱物を、遠心分離して除去し、濾液にクロロホルムを加えて繰り返し分離して、水溶性抽出液を分取し、蒸留装置で有機溶媒を留去する。 該水溶性抽出液を滑石を加えて精製した後に、減圧において濾過し滑石を除去する。 このように精製された水溶性抽出液をメンブレンフィルター装置で濾過した後、凍結乾燥して黄色の粉末約20gを得た。 該粉末の特性は下記の通りである。 (1)元素分析 C:39.85%, H:4.62%, O:47.04%, N:5.24%, S:0% (2)HPLC分析 成分A(保持時間:2.0分) 6.8% 成分B(保持時間:2.8分) 6.8% 成分C(保持時間:3.1分) 6.1% 成分D(保持時間:5.2分) 6.4% 成分E(保持時間:7.1分) 34.5% 成分F(保持時間:7.5分) 34.5% 成分G(保持時間:8.2分) 4.8% (3)UVスペクトル(KBr): 339nm(アゾ官能基),262nm(置換ベンゼン) (4)IRスペクトル(cm -1 ): 576, 1301, 1237, 1152, 1509, 1607, 3459, 2926, 332
    8 このようにして得られた黄色粉末を用い実施例1と同様にして注射剤を製造した。

    【0023】実験例1 (LD 50測定) LD 50測定に関する実験方法は大韓民国国立保健安全研究院の例規及びベレンス−カルバー(Behrens−
    Karber)法により実施した。 LD 50測定のための投与経路は、腹腔内/筋肉(ip/im)注射及び静脈(iv)注射群に分けた。 使用動物は、ddYマウス(体重17±1g)を雄、雌同数にて行なった。 LD 50
    測定のための本品(実施例1)の投与量は、ip/im
    群は435mg/kgより段階的に増量し、705mg/kgまでを、iv群は125−285mg/kgずつを各々1回投与し、1週間以内の致死の有無を観察し、下記の結果を得た。 ip/imによるLD 50 =645mg/kg iv によるLD 50 =250mg/kg

    【0024】実験例2 (一般血液検査及び病理組織学的実験) 体重が約20gのddYマウスに、本発明抽出物(実施例1)100−400mg/kgを腹腔内に注射し、1週間後に殺した後、心臓血を採取し、本品による血液学的変化を検査し、マウス大腿骨髄を摘出し、骨髄組織変化を検査した結果、下記表1の結果を得た。 更に、各投与群の各臓器を摘出し、病理的変化を観察した結果を表2に示した。 該表において見られるように、本品は100−
    400mg/kgを投与した各群の血液及び骨髄組織上の検査においては、全て正常範囲内の血液状態及び骨髄状態を示した。 従って、各群の病理組織学的検査においても、特記すべき病理学的変化は発見されなかった。 よって、本品の100−400mg/kgは血液骨髄組織及び臓器組織に病変を与えない用量であった。

    【0025】

    【表1】

    【0026】

    【表2】

    【0027】実験例3 (癌細胞に対する基礎実験) 基礎実験として筋腫(MYELOMA)に対する影響、
    癌細胞を転移した顆粒膜細胞に対する影響、リンパ腫(LYMPHOMA)に及ぼす影響及び正常細胞に及ぼす影響について検討したので以下に説明する。 実験例3−1 (骨髄腫瘍細胞である筋腫に及ぼす影響) 筋腫細胞は単クローン抗体生産時、細胞融合に使用される細胞として一般の他の癌細胞の特徴をそのまま有しているのみならず、培養の取り扱いが容易であり、抗癌効果検索に利用されるものである。 COMPLETE培養液1ml当たりマウス骨髄腫瘍細胞Sp2/0−Ag(A
    TTC:CRL 1581)を2.5×10 4個ずつ接種して37℃,10%CO 2において培養する。 本品(実施例1)を0,0.5,1.0,2.5mg/mlずつ各々の培地に添加して同じ数の骨髄腫瘍細胞を接種し4
    8時間培養した後、細胞の状態を顕微鏡で観察し、図2
    5(1)〜(4)の結果を得た。 図25(1)〜(4)
    に示したように、本品が添加されなかった対照群に比して、本品が添加された試験群においては、細胞数が顕著に減少した。 特に、2.5mg/mlを添加した試験群においては、生存した腫瘍細胞をほとんど見付けることが難しい程度であり、優れた制癌効果を示している。

    【0028】実験例3−2 (癌遺伝子SV−40(O
    NCOGENE SV−40)とHa
    −Rasで転移させた顆粒膜細胞に及ぼす影響) 顆粒膜細胞(GRANULOMA CELL)は哺乳動物の卵子形成において、重要な役割を果たし、特に、プロゲステロン(PROGESTERONE)を分泌することにより、卵胞発達に関与する。 尚、人工的に癌遺伝子(SV−40とHa−Ras)を転移された顆粒膜細胞は、本来の機能である生合成能力に加え、癌遺伝子が発現する蛋白質生合成能力を有するようになる。 本実験に使用される細胞は、PO−GRS1,PA−GS6
    (正常な顆粒膜細胞に癌遺伝子を転移させた細胞)であり、インシュリン(2μg/ml)、トランスフェリン(5μg/ml)、ハイドロコーチゾン(40μg/ml)
    及びフィブロネクチン(5μg/ml)を含有するDME
    M/F12(1:1)各血清培地にて細胞培養し、プロゲステロンの分析は、放射免疫診断法(RIA)により行なった。 (イ)PO−GRS1、PA−GS6細胞の増殖に及ぼす影響 本品0.25ml、1.0mlずつをPO−GRS1、PA
    −GS6細胞が分注されたペトリ皿に各々添加して、無添加群を対照群にして48時間培養した後、細胞数を測定した結果を表3に示した。 表3に見られるようにPO
    −GRS1の場合は本品0.25mg/ml添加群においては31.6%減少、1.0mg/ml添加群においては73
    %の減少を示した。 PA−GS36の場合は本品0.2
    5mg/ml添加時53%減少、1.0mg/ml添加時95%
    の減少を示し、後者がより一層効果的であった。 更に、
    表4に蛋白含量を測定し、癌細胞成長に及ぼす影響を検討した結果を示した。 その結果、蛋白含量においても表3の結果とほとんど同じ傾向を示していた。 従って、本品の制癌効果は細胞増殖の顕著な抑制から見て、非常に高いものと評価される。

    【0029】

    【表3】

    【0030】

    【表4】

    【0031】(ロ)PO−GRS1とPA−GS6細胞のステロイドホルモン生合成に及ぼす影響 本実験に使用した二つの細胞は全てステロイドホルモンを生合成することができる細胞で、本品が該細胞のプロゲステロンと20α−OH−プロゲステロン生合成に及ぼす影響を比較検討した。 併せて顆粒膜細胞を刺激して、この2種のステロイドホルモンの生合成率を増加させるホスコリン(FORSKOLIN)の影響も対照群として共に検討した。 結果を表5に示す。 PO−GRS
    1にホスコリンを添加すると、無添加群に比して20α
    −OHプロゲステロンの場合、ほとんど100倍、プロゲステロンの場合60倍程度の増加を示す反面、本品添加群(1.0mg/ml)においてはプロゲステロンの場合1.3倍程度増加したのみで、20α−OH−プロゲステロンにおいては、ほとんど増加現象を示さなかった。
    PA−GS6細胞群の場合にもほとんど同等な結果を示した。 従って、本品自体が二つの細胞のプロゲステロン合成に及ぼす影響はほとんど無いし、この結果は本品の抗癌効果がプロゲステロン合成によるものと見なすのは難しい。

    【0032】

    【表5】

    【0033】実験例3−3 (癌細胞リンパ腫(LYM
    PHOMA)の成長に及ぼす影響) 本実験に使用されるリンパ腫細胞は、米国テキサス大学から分譲を受けたラジ(Raji)細胞であり、10%
    ウシ胎児血清が含まれたRPMI−1640を培地に使用した。 本品を0.625mg、1.25mg又は2.5mg
    /mlずつ添加し、37℃において36時間培養した後、
    細胞の状態を観察した。 その結果を図26(1)〜
    (4)に示した。 リンパ腫細胞の特徴がコロニ(COL
    ONY)を形成して増殖するが、本品を1.25mg/m
    l、2.5mg/mlずつ各々添加した群においては細胞が分散された現象を見ることができ、また、その後24時間〜48時間培養すれば、本品添加群においては細胞が死んで行くのが観察された。 この結果からリンパ系癌細胞であるラジの成長は、本品により顕著に阻害されることが確認された。

    【0034】実験例3−4 (正常細胞に及ぼす影響) 今まで開発された大部分の抗癌剤は癌細胞は勿論、正常細胞にも損傷を負わせるために、使用上において注意深い観察と制限を受けてきた。 最も理想的な抗癌剤は、癌細胞のみを攻撃する物質である。 本品の正常細胞に及ぼす影響を検討するために、脾臓細胞(SPLEEN C
    ELL)と顆粒膜細胞を選択して実験した。 脾臓細胞は、BALB/cマウスの脾臓から採取して、RPMI
    培地において7%CO 2 、37℃条件で培養し、顆粒膜細胞は25日齢になった未成熟ラットの卵巣から採取して5%ウシ胎児血清を含むDMEM/F12(1:1)
    培地において7%CO 2 、37℃の条件で培養した。

    【0035】(イ)脾臓細胞成長に及ぼす影響;本品を2.5mg/mlを添加して4日間培養しても、添加しなかった対照群と比較した時、何ら形態学的変化や細胞数の変化を全く観察することが出来なかった。 また、14日間観察した結果、対照群は甚だしい形態学的変化が観察されたが、本品添加群は全く形態学的変化を観察することが出来なかった。 この観察結果を図27(1)及び(2)に示した。 この実験結果によれば、一般に脾臓細胞はどんな培養条件においても10日以上培養させるのが難しいといわれるが、本品には正常細胞の正常な状態を維持する効果もあるものと判断される。

    【0036】(ロ)顆粒膜細胞成長に及ぼす影響;本品0.25mg/ml添加時プロゲステロンが約2倍程度増加したが、1.0mg/ml添加時は、あまり増加しなかった。 更に、ホスコリン添加時約8倍の増加が観察されたが、ホスコリンと本品を同時添加した時、プロゲステロンが減少した。 この結果を表6に示した。 表6に示したように、本品自体が顆粒膜細胞の、ステロイド生合成に直接的な影響を及ぼすものとは考えられないが、濃度によって効果を示す。 更に、本品がPO−GRS1やPA
    −GS6に及ぼした影響のように、正常な顆粒膜細胞成長には何等の阻害作用が無いことが明らかである。 その理由は、若し、細胞が死んだとか、細胞の機能に異常が生ずれば、プロゲステロン含量に明らかな変化が生ずるからである。 更に、注目すべき事項は、ホスコリンによるプロゲステロン増進刺激効果が本品を添加した時減少することである。 これは、まさに本品に、ホスコリンの効果を阻害する作用があることを、証明するものである。 顕微鏡観察によるホスコリンによって招来された細胞の形態学的変化が、本品と共に添加した時、ほとんどおこらないという事実が、本品の阻害効果を明らかに立証してくれる。 既存の抗癌剤使用時、本品と併用すれば、相乗効果を期待することができる。 つまり、本発明抽出物自体が抗癌作用を示しながら正常細胞を保護し、
    他の抗癌剤が癌細胞を攻撃することにより、相乗効果を発揮することができるものと考えられる。

    【0037】

    【表6】

    【0038】実験例4 (腫瘍治療に対する効果) 本品の抗腫瘍効果は、腫瘍の宿主側の免疫系調節機能、
    特に、サプレッサーTリンパ球の機能低下により、自己、非自己(self,notself)が区別されない状態において、本品が免疫賦活物質を生産し、Tリンパ球増殖を刺激、活性化されたマイクロファージ等よりインターロイキン−1(IL−1)が、Tリンパ球の一部を刺激し、インターロイキン−2(IL−2)を分泌する効果を有するものと判断される。 該IL−2は腫瘍、特に抗原を認識する作用を有するヘルパーTリンパ球(Th)を刺激して、Thのクローナル(clona
    l)増殖を継続して調整することにより、適切な免疫応答反応が、初めて起こるようになる。 つまり、腫瘍の宿主側は、免疫賦活物質の欠損により、IL−1又はIL
    −2の産生を促進し、Tリンパ球の機能を活性化する作用により、免疫系機能が初めて腫瘍特異抗原を認識し、
    腫瘍組織細胞の増殖を抑制、細胞傷害性Tリンパ球によって破壊すると判断される。 本品は、腫瘍組織細胞に対する生化学的効果においては、腫瘍の新生血管を通じて特殊な酵素を分泌し、フィブリン(Fibrin)層を形成し、腫瘍細胞自体に必要な物質以外は、その流入を統制する腫瘍特有の機能に対し、本品はフィブリン層は線維素凝固を抑制する一方、リソゾーム(LYSOSO
    ME)外膜の脂蛋白質を溶解又は、破壊してリソゾームの加水分解酵素を遊離させる作用を有する。 また、本品は細胞毒性でなく、正常細胞を成長保護しながら腫瘍細胞の増殖を、漸進的に壊死させる効果を有している。 しかし、従来の化学療法剤は、細胞毒性を有し、上皮細胞の分裂を抑制すると同時に、骨髄髄質を変化させ、白血球生成の抑制によって腫瘍効果を発揮する。 よって、本品と従来の化学療法剤を併用すれば、二つの製剤の相互作用により正常細胞を保護する一方、腫瘍細胞のみを壊死させ得るので、治療期間が短縮出来るものである。

    【0039】以下、本品の腫瘍治療に対する効果を立証する実験例を説明する。 実験例4−1 (有効容量スペクトル実験) 本発明に対し、先ず、効力と毒性に対する実験薬理学的基礎を通じて、生体反応と薬物容量との関係を用いて、
    定量的比較をするために、抗腫瘍スペクトル実験を行なった。 結節性固形腫瘍細胞であるサルコーマ180(S
    ARCOMA180,ATCC TIB66,以下S−
    180と称す)と、エールリッヒ腹水肝癌(Ehrli
    ch−Lettre Ascites Carcino
    ma,StrainE,ATCCCCL77,以下EA
    Cと称す)細胞を各々1×10 7個ずつddYマウス後足臑頸部皮下に注入(移植)し、24時間後より、本品を種々の濃度別で投与して治療を開始した。 治療方法は濃度別に50〜700mg/kgをマウス腹腔内に注射(i
    p)で1日1回、60日間継続投与した。 この結果を表7及び図5に示した。 この結果によれば、本品は最低2
    00−300mg/kgにおいて、抗腫瘍効果を示し、最大有効容量は400−500mg/kgで、最適有効容量は3
    00−400mg/kgである。

    【0040】

    【表7】

    【0041】実験例4−2 (S−180及びECA結節性固形腫瘍に対する治療効果) S−180及びEAC腫瘍細胞1×10 7個ずつをdd
    Yマウスの後足臑頸部皮下に注入(移植)し、24時間後又は、7日後各々治療を開始した。 治療方法は本品4
    0mg/kgを1日1回ずつ60日間継続して腹腔内注射を行ない、その結果を図6〜図9及び表8に示した。 表から明らかなように、対照群は移植後、腫瘍として増殖し癌により死亡するのに対し、治療群は腫瘍としての増殖が概ね抑制され、移植30日後より漸進的に縮小、退逐された。 つまり、図6と図7に示したように、腫瘍移植後60日間の治療期間において対照群の増殖された腫瘍の大きさは、直径が35mmに増大したのに比し、治療群は直径5mm以内に退逐された。 更に、図8と図9に示したように、増殖した腫瘍組織の重さにおいても、対照群は平均12gであったのに比し、治療群はわずかに1g
    以内であり、退逐効果を示した。 これらの体重変動は図10及び図11に示したように、対照群においては腫瘍増殖と共に、継続して増加を示したが、治療群は移植後30日までは、移植前の体重を維持しており、その後から腫瘍退逐と共にゆっくり増加した。 本実験の抗腫瘍効果に対する判定は表8に示したように、本品400mg/
    kgずつ腹腔内投与を、移植腫瘍が退逐される時まで、継続治療する方法が好ましく、これにより90%の治療効果を示した。

    【0042】

    【表8】

    【0043】最後に図12及び図13に示したように、
    本品は、腫瘍移植後継続治療すれば、結果的に腫瘍組織細胞は完全退逐、消失し、完全治癒による延命効果を示す。

    【0044】実験例4−3 (SN36腫瘍に対する治療効果) SN36腫瘍(ウィルス由来の1種のリンパ性白血病)
    細胞4×10 6個ずつをICRマウス(雄、18±1
    g)の尾の静脈に注入(移植)し、24時間後より治療を開始した。 治療方法は本品300mg/kgずつ腹腔内注射で1日1回ずつ7回行ない、延命効果を対照群と比較した。 その結果を図14に示した。 その結果、対照群は移植後、4〜16日間に全て癌死したが、治療群は20
    %が移植15日以内に死んだのみで、残りの80%は1
    00日以上の延命効果が得られた。

    【0045】実験例4−4 (鶏の自然発症リンパ腫に対する治療効果) 鶏を飼育する時、多く発症するリンパ腫は、未熟血球の増殖を特徴とする一種の腫瘍性白血病に属する。 本実験においては、該リンパ腫の自然発症の程度が確認されないため、無作為に対照群と治療群に分けて治療を行なった。 治療群においては本品100mg/kgずつを2日に1
    回ずつ15回の間、鶏の羽の静脈に継続して注射を実施し、治療による延命効果を対照群と比較した。 自然発症したリンパ腫の治療による延命効果を、図15に示した。 その結果、対照群は治療を初めてから9〜30日の間に約70%が死亡し、残りの30%は生存した。 治療群は治療してから15日後に16%が死んだのみで、残りは全て50日以上の延命効果を示し、再び産卵が開始された。

    【0046】実験例4−5 (L1210腫瘍及びP3
    88腫瘍に対する治療効果) L1210(ATCC CCL 219)及びP388
    (ATCC CCL46)腫瘍細胞株は、白血病腫瘍として、致死率が甚だ高い。 本実験においては治療群に比べて、125〜130%の延命効果が観察されれば、有効な腫瘍治療薬物と判定する。 L1210腫瘍実験は、
    BDFIマウス(雄、20±1g)にL1210腫瘍細胞1×10 5個ずつを腹腔内注入(移植)し、急性白血病を発症させる。 それらを4群に分けて薬物で治療した。 24時間後より1日1回ずつ15回腹腔内注射して、治療し、表9の結果を得た。

    【0047】

    【表9】

    【0048】P388腫瘍細胞に対する実験は、BDF
    1マウスに該腫瘍細胞1×10 6個ずつを腹腔内に注入(移植)したものを、3群に分けて前記L1210実験におけるような方法で実施し、その結果を表10に示した。

    【0049】

    【表10】

    【0050】本実験の結果、L1210腫瘍及びP38
    8腫瘍に対する本品の治療効果は、二つの腫瘍に対し類似な延命効果を示した。 特に、マイトマイシンCと併用投与すれば、一層良い効果が得られる。

    【0051】実験例5 (ウィルス性疾患に対する治療効果) 多くのウィルス性感染細胞の増殖は、DNA及びRNA
    型ウィルスに感染される程度の差により、感染ウィルスの量と毒性の程度及び男女間によっても影響をうける。
    これらの感染は大部分免疫不全や、子供のような宿主側の欠陥により現れやすく、該疾患による併発症は腫瘍や神経障害に転換されやすい疾患である。 実験例5−1 (試験管内実験) DNA型及びRNA型ウィルス株化細胞(ESTABL
    ISHED CELLLINE)を無血清イーグル(E
    AGLE)MEM培地(MINIMUM ESSENT
    IAL MEDIUM)に、1〜2%ウシ胎児血清を加えて使用する。 ウィルス増殖の指標としての細胞変性を見るために、培養細胞に表11の各ウィルスを接種し、
    本品を50mg/mlの1/5、1/10、1/20、1/
    40及び1/80の濃度で添加し、ウィルス増殖及び損傷又は形態学的変化を200倍顕微鏡で観察する。 表1
    1に示したように、本品の濃度を変化させて、50%細胞変性量(50%TISSUE CULTURE IN
    FECTIONDOSE)を観察した結果、DNA型ウィルスよりRNA型ウィルスに対して、より有効であった。

    【0052】

    【表11】

    【0053】実験例5−2 (日本脳炎ウィルスに対する治療効果) 体重が91gになる幼い雄ICRマウスに日本脳炎ウィルスlog2/0.05mlずつを腹腔内接種して感染させ、接種24時間後より治療を開始した。 治療方法は本品を50mg/kgずつマウス腹腔内に1日1回ずつ6回連続投与した。 その結果を図16に示した。 図16に示したように、対照群は接種後4〜6日間に全部感染して(神経麻痺、特に後足)死亡したのに対し、本品の治療群は接種後6〜8日間に20%が死んだが、残りの(8
    0%)マウスは全部治療効果が得られ、30日以上の正常生存を示した。

    【0054】実験例5−3(B型肝炎疾患に対する治療効果) 本実験は本品3mg/kgずつを2〜3日間隔で、引き続いてHBe抗体が陽性になるまで、筋肉注射をしながら4
    週に1回ずつ検査を実施した。 検査は酵素免疫診断法(EIA)で行ない、その判定基準は下記表12の通りである。

    【0055】

    【表12】

    【0056】本実験結果を図17、18及び表13及び14に示した。 この結果、慢性B型肝炎に比し、急性B
    型肝炎においてより速いHBe抗体陽性反応を示した。
    また、トランスアミラーゼ改善においても急性B型肝炎が速く正常値範囲に回復される効果を示した。 本品がウィルス疾患に対して効果があるのは、種々肝炎因子に対する生体防御機能の低下に伴う免疫複合体の沈着のような自己免疫減少抗リンパ球抗体、抗核抗体、クームス(COOMBS)抗体、抗平滑筋抗体等の自己免疫抗体因子と結合し、中和させる効果があるために、生体防御メカニズムが更に改善された結果であると思料される。

    【0057】

    【表13】

    【0058】

    【表14】

    【0059】実験例6 (甲状腺疾患に対する治療効果) 甲状腺は人体において最も大きな内分泌腺として、ヨードをもって甲状腺ホルモンを合成分泌するが、このような機能に異常が生じれば、甲状腺疾患が現れるようになる。 甲状腺ホルモンは生体維持に不可欠なもので、成長及び知的発達に重要な役割を成している器官である。 該ホルモンの過剰分泌による疾患は、甲状腺機能亢進症であり、独特な症状は眼球突出を伴うグレブス病と、結節性多発性甲状腺腫(MULTIPLE NODULAR
    GOITER)であるプラマ(PLUMER)病等が現れる。 反対に該ホルモンの低下は、甲状腺機能低下症にて成長阻害、粘液水腫(MYXEDEMA)を起こす。 検査は主に臨床症状及び血清検査を通じて、T 3
    4及びTSH等を検査する。 治療方法は甲状腺機能亢進症及び機能低下症の患者に、各々本品3mg/kgずつ2
    〜3日間隔で1回ずつ6ヶ月間筋肉注射で投与した。 その結果を図19及び図20に示した。 この結果によれば、甲状腺機能亢進症において、T 3 、T 4値は投与してから4ヶ月程度において、正常値範囲に改善された。 T
    SHは投与3ヶ月目に正常値範囲に上昇する調節効果を示した。 更に、甲状腺機能低下症に対しても、TSHが降下しながらT 3 、T 4値は上昇効果を有する。 更に、臨床効果として甲状腺機能亢進症において示していた眼球突出や筋無力症、月経異常、疲労倦怠感、微熱及び神経症状等が激減好転した。 機能低下症において生じた顔面浮腫、低血圧、手や足の黄炎等、一連の症状が改善された。

    【0060】実験例7 (骨多孔症に対する治療効果) 骨の構成要素及び代謝性疾患である骨多孔症を誘発する要因は、年齢増加に伴う骨細胞機能の減少、副甲状腺ホルモン増加による骨損失、骨吸収抑制ホルモンであるカルシトニン(CALCITONIN)減少、閉経以後のエストロゲン(卵胞ホルモン)の減少等である。 現在、
    骨多孔症治療は女性の場合、エストロゲンとプロゲステロン併用投与で多少治療されるとは云うものの、実際期待すべき程の効果がある治療法ではない。 更に、骨多孔症の予防法としては、ビタミンD、カルシウム等を摂取する等があるが、特に、女性の場合にはエストロゲンの服用、骨芽細胞を刺激するフッ化ナトリウム等が使用されているが、その約30%が悪心等胃刺激症状を示し、
    10%程度は足首、膝関節にリューマチ性痛を、特に、
    エストロゲンの投与においては腎臓癌、子宮内膜癌、乳房癌等が発症する可能性を排除することが出来ない。 本品はこのような副作用が全く無い薬物であり、骨代謝機能に関与し、エストロゲンホルモン及びカルシトニンホルモンを増加調節するので骨吸収を活性化すると同時に、甲状腺ホルモンの減少、調節等の作用で、破骨細胞を再吸収する一方、物理的、電気的力を与え、骨多孔症治療効果を示すものと思料される。 本実験は閉経10年が経過し、脊椎骨濃度が0.332g/cm 2 (正常人の29%しかない骨多孔症である)であり、10分以上歩けない患者に本品3mg/kgずつを1日1回ずつ12週間を筋肉注射した。 対照群は治療群と類似な脊椎骨濃度を有した患者にエストロゲンホルモンを投与した。 その結果を図21に示した。 図に示したように対照群は、0.
    341g/cm 2と変動がないが、投与群は0.332g
    /cm 2から0.476g/cm 2へ増加し、約13%の驚くべき骨細胞増加率を示した。 従って、臨床的に5〜10
    分しか歩けなかった症状が、治療後30分以上も歩くことが出来る状態に好転した。 このような治療効果は本品が、体内骨代謝に関与し、骨濃度の増加をもたらしたことを立証するものである。 更に、これと関連し、閉経期にあるマウスに本品を投与し、生殖腺ホルモン機能、即ち、脳下垂体前葉の性腺ホルモン(卵胞ホルモン)や黄体形成ホルモン等の再活性化作用を可能にする治療効果について検討した。 本実験においては閉経期にある老化ICRマウスに、本品を300mg/kgずつ腹腔内注射で1日1回ずつ10日間継続投与した。 その結果、対照群は発情停止期、即ち生殖機能を失った閉経期が継続しているが、本品の投与群は、再び発情期症状を示した。 以上のように、老化に因り生殖機能が退化した状態のマウスにおいて、本品がそれを再生させることが出来たことは、つまり卵巣ホルモン代謝機能が再び活性化され、卵胞ホルモン(エストロゲン)及び黄体ホルモン(ケスタゼン)の分泌により生殖機能を可能なるようにしたことを立証するものである。

    【0061】実験例8 (肝疾患に対する治療効果) 肝疾患は主に肝細胞の損傷(実質障害)に伴う胆汁分泌の障害と云える。 先ず、肝性糖尿病(HEPATOGE
    NIC GLYCOSURIN)は慢性肝疾患、特に、
    肝硬変症において現れるグルコースの恒常性障害として肝臓はインシュリンとグリコゲンの重要なホルモン機能の欠陥により、高血糖が起こるようになる。 反対に低血糖症は壊死性肝炎或いは、腫瘍等において現れやすい肝疾患症状であって、肝における糖生産を抑制するインシュリンと類似な物質(somatomedin)の作用により低血糖のため苦痛を受けるようになる。 更に、肝細胞の損傷によりコレステロールのエステル化が低下し、肝実質疾患に伴う胆汁酸代謝異常により、血清ビリルビン値の上昇(黄疸)がおこるため、急、慢性肝炎或いは肝硬変症においては苦痛を受ける。 検査は主に肝細胞傷害の指標としてGOT/GPT、総ビリルビン値を、慢性肝疾患の指標としては、T. T. T及び蛋白分画を、高血糖及び低血糖検査は、空腹時(FBS)及び食後2時間後(3pm)値を各々生化学的方法により4
    週当り1回ずつ検査を行なう。 治療方法は、本品を2〜
    5mg/kgずつを2〜3日間隔で1回ずつ12週間又は1
    6週間を筋肉注射する。 実験結果は図22〜図24の通りである。 その結果、上昇していたGOT/GPT値は治療4〜8週の間に、正常範囲まで改善(回復)した。
    蛋白分画においてもアルブミン値よりグロブリン値が高くなっていた患者等も治療8週後に正常値範囲内に改善された。 更に、T. T. T値は治療12週後において、
    ビリルビン値は治療4週後に各々正常範囲内に改善された。 このように本品の肝疾患に対する卓越なる治療効果は、肝代謝の複雑な蛋白代謝、ホルモン代謝及び胆汁代謝等に対する機能の増強、調節をする効果と共に、免疫系機能を改善、活性化した結果である。

    【0062】

    【発明の効果】本発明の植物抽出物は、抗腫瘍作用、免疫増強作用、ホルモン代謝機能調節作用等を有し、各種悪性腫瘍、ウィルス感染症、甲状腺疾患、骨多孔症、肝疾患等の治療に有効であり、かつ正常細胞に対し何ら悪影響を及ぼさないので、副作用がなく安全性の高い薬剤である。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】実施例1において得た本品のHPLCの結果を示す。

    【図2】実施例1において得た本品のUVスペクトルを示す。

    【図3】実施例1において得た本品のIRスペクトルを示す。

    【図4】実施例1において得た本品のNMRスペクトルを示す。

    【図5】本品の投与量と延命効果との関係を示す。

    【図6】本品のEAC結節性腫瘍に対する治療効果を示す。

    【図7】本品のS−180結節性腫瘍に対する治療効果を示す。

    【図8】本品のEAC結節性腫瘍の増殖された重量比較効果を示す。

    【図9】本品のS−180結節性腫瘍の増殖された重量比較効果を示す。

    【図10】EAC結節性腫瘍マウスに本品継続投与後の体重変化を示す。

    【図11】S−180結節性腫瘍マウスに本品継続投与後の体重変化を示す。

    【図12】本品のEAC結節性腫瘍に対する延命効果を示す。

    【図13】本品のS−180結節性腫瘍に対する延命効果を示す。

    【図14】本品のSN36腫瘍に対する治療効果延命効果を示す。

    【図15】本品の鶏の自然発症されたリンパ腫の治療効果を示す。

    【図16】本品の日本脳炎ウィルスに対する治療効果を示す。

    【図17】本品のHBVに対する治療効果を示す。

    【図18】本品のHBVに対する肝機能改善効果を示す。

    【図19】本品投与後の甲状腺亢進症の機能改善効果を示す。

    【図20】本品投与後の甲状腺機能低下症の改善効果を示す。

    【図21】本品の骨多孔症治療効果を示す。

    【図22】本品のGOT/GPT改善効果を示す。

    【図23】本品の肝疾患に対する機能改善効果を示す。

    【図24】本品投与による高血糖症及び低血糖症の改善効果を示す。

    【図25】本品の筋腫に対する抗癌効果を示す。 (1)
    は対照群の細胞状態(2)は本品0.5mg/ml投与時の細胞状態、(3)は本品1.0mg/ml投与時の細胞状態、(4)は本品2.5mg/ml投与時の細胞状態を示す。

    【図26】本品によるリンパ腫細胞の分散現象を示す。
    (1)は対照群の細胞状態であり、(2)は本品0.6
    25mg/ml投与時の細胞状態、(3)は本品1.25mg
    /ml投与時の細胞状態、(4)は本品2.5mg/ml投与時の細胞状態を示す。

    【図27】脾臓細胞の2週後形態学的細胞変化を示す。
    (1)は対照群の変化を、(2)は本品2.5mg/ml投与時の変化を示す。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 韓 仁權 大韓民国ソウル市江南區開浦洞655−2, 現代APT 220−705 (72)発明者 金 鐘培 大韓民国ソウル市城東區紫陽洞520−2, 宇星APT 203−1507

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