肝臓及び腎臓の損傷関連疾患を予防し又は治療する薬物又は保健品とその応用法

申请号 JP2017544807 申请日 2015-04-29 公开(公告)号 JP2017537150A 公开(公告)日 2017-12-14
申请人 广西慧宝源医▲薬▼科技有限公司Guangxi Hebabiz Pharmaceutical Technology Co., Ltd.; 广西慧宝源医▲薬▼科技有限公司Guangxi Hebabiz Pharmaceutical Technology Co., Ltd.; 发明人 周・▲ジェームズ▼;
摘要 肝臓及び腎臓の保護に用いる中医薬組成物及びその調製法と応用法であり、中医薬組成物は、玉竹100−200重量部、枸杞子100−200重量部、麦冬80−160重量部、当帰70−130重量部、決明子70−130重量部、白芍70−130重量部、陳皮70−130重量部、熟地黄70−130重量部、菊花70−130重量部、川きゅう30−70重量部、九節菖蒲20−40重量部、柴胡10−20重量部で作られる。【選択図】なし
权利要求

肝臓及び腎臓の保護に用いる中医薬組成物において、 玉竹100−200重量部(優先的選択は120−180重量部、更なる優先的選択は140−160重量部、最優先選択は150重量部)と、 枸杞子100−200重量部(優先的選択は120−180重量部、更なる優先的選択は140−160重量部、最優先選択は150重量部)と、 麦冬80−160重量部(優先的選択は100−150重量部、更なる優先的選択は110−130重量部、最優先選択は120重量部)と、 当帰70−130重量部(優先的選択は80−120重量部、更なる優先的選択は90−110重量部、最優先選択は100重量部)と、 決明子70−130重量部(優先的選択は80−120重量部、更なる優先的選択は90−110重量部、最優先選択は100重量部)と、 白芍70−130重量部(優先的選択は80−120重量部、更なる優先的選択は90−110重量部、最優先選択は100重量部)と、 陳皮70−130重量部(優先的選択は80−120重量部、更なる優先的選択は90−110重量部、最優先選択は100重量部)と、 熟地黄70−130重量部(優先的選択は80−120重量部、更なる優先的選択は90−110重量部、最優先選択は100重量部)と、 菊花70−130重量部(優先的選択は80−120重量部、更なる優先的選択は90−110重量部、最優先選択は100重量部)と、 川きゅう30−70重量部(優先的選択は40−60重量部、更なる優先的選択は45−55重量部、最優先選択は50重量部)と、 九節菖蒲20−40重量部(優先的選択は25−35重量部、更なる優先的選択は28−33重量部、最優先選択は30重量部)と、 柴胡10−20重量部(優先的選択は12−18重量部、更なる優先的選択は14−16重量部、最優先選択は15重量部)との重量部の生薬で生成されることを特徴とする中医薬組成物。当帰、川きゅう、菊花、柴胡、九節菖蒲及び陳皮の揮発油と、 揮発油を除去した当帰、川きゅう、菊花、柴胡、九節菖蒲及び陳皮の溶物の非アルコール沈殿物と、 揮発油を除去しかつ水溶液を除去した当帰、川きゅう、菊花、柴胡、九節菖蒲及び陳皮の水抽出物の非アルコール沈殿物と、 玉竹、枸杞子、麦冬、決明子、白芍及び熟地黄の水抽出物の非アルコール沈殿物との成分からなる請求項1に記載の中医薬組成物。揮発油は、加水蒸留しかつ揮発した油状物を取り置いて調製し、 水溶液は、加水蒸留しかつ水溶液を取り置いて調製し、 水抽出物は、加水して煎じ(加水煎じ回数は1−3回、優先的選択は2回、及び/又は毎回の煎じ時間は0.5−3時間、優先的選択は1−1.5時間)かつ水溶液を取り置いて調製し、 非アルコール沈殿物は、アルコール濃度を高めかつアルコール溶物を取り置いて調製し、及び/又は アルコールは、エタノールであり、優先的選択は、60%(V/V)エタノールである請求項2に記載の中医薬組成物。請求項1〜3の何れか1項に記載の中医薬の調製法において、 (1)当帰、川きゅう、菊花、柴胡、九節菖蒲及び陳皮を粉砕して混合し、加水蒸留し、揮発油、水溶液及び水不溶性の薬渣を除去する工程と、 (2)工程(1)で得られた薬渣と玉竹、枸杞子、麦冬、決明子、白芍及び熟地黄とを混合しかつ加水して煎じ、濾液を工程(1)で得られた水溶液と混合し、濃縮し、アルコール濃度を高め、上澄液を取りアルコールを回収した後に、濾過かつ濃縮し、清膏(エキス)を得る工程と、 (3)工程(2)で得られた清膏と工程(1)で得られた揮発油とを混合する工程とを含むことを特徴とする調製法。肝臓及び腎臓の保護に用いる中医薬製剤(優先的選択は内服液)において、 請求項1〜3の何れか1項に記載の中医薬組成物及び薬学上許容可能な担体を含む中医薬組成物。薬学上許容可能な担体は、糖、蜂蜜及び/又はエチルパラベンを含む請求項5に記載の中医薬製剤。(1)当帰、川きゅう、菊花、柴胡、九節菖蒲及び陳皮を粉砕して混合し、加水蒸留し、揮発油、水溶液及び水不溶性の薬渣を除去する工程と、 (2)工程(1)で得られた薬渣を玉竹、枸杞子、麦冬、決明子、白芍及び熟地黄と混合しかつ加水して煎じ、濾液を工程(1)で得られた水溶液と混合し、濃縮し、アルコール濃度を高め、上澄液を取りアルコールを回収した後に、濾過かつ濃縮し、 清膏を得る工程と、 (3)工程(2)で得られた清膏と工程(1)で得られた揮発油及び薬学上許容可能な担体とを混合する工程と、 により調製された請求項5又は6に記載の中医薬製剤。請求項1〜3の何れか1項に記載の中医薬組成物を肝臓及び/又は腎臓の保護に用いる薬物の応用法。肝臓及び/又は腎臓の保護は、肝臓の損傷及び/又は腎臓の損傷を予防又は治療であり、優先的に選択する前記肝臓の損傷及び/又は腎臓の損傷は、毒性化学物質(アルコール、シクロホスファミド、四塩化炭素、イソニコチン酸ヒドラジド及び/又はリファンピン等)によって誘発される肝臓の損傷及び/又は腎臓の損傷である請求項9に記載の応用法。コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質、クレアチニン、尿素窒素及び/又は尿酸のレベル低減用の薬物、高密度リポタンパク質のレベルアップ用の薬物、及び/又は脂肪肝の症状軽減用の薬物の調製法での請求項1〜3の何れか1項に記載の中医薬組成物の応用法。

说明书全文

本発明は、中医薬の技術分野に属し、具体的には、肝臓及び腎臓の保護に用いる中医薬組成物及びその製法と応用法等に関する。

千年の発展を経て、中医薬の理論は、広く深く総体治療を主張し、薬物を配合して用いる。しかしながら、本発明者は、主に伝統中医薬の二大欠点を発見した。第一の欠点は、生薬の種類が非常に多く、薬品の品質は安定性を欠き、生産工程での生薬鑑定等の過程が極めて複雑なため、量産化への移行に不利であり、第二の欠点は、経験に基づく多くの治療効果は、統計学的データで立証されない不安定な場合が多い。

例えば、特許文献1は、紫睛を主薬とし、当帰、白芍、川きゅう、熟地黄、黒胡麻、麦門冬、木瓜、酸棗仁、枸杞子、菊花、防風、天門冬、懐山薬、茯苓、車前子、桔梗、柴胡、石斛、細辛、五味子、遠志、炒棗仁、甘草等24味の生薬を配合した、紫睛を主とする組成物——紫睛補腎湯を開示する。

特許文献2は、処方に紅参、黄ぎ、党参、茯苓、玄参、生地黄、枸杞子、牡丹皮、北沙参、天冬、麦冬、鼈甲、山茱萸、何首烏、当帰、酒で調製した白芍、酸棗仁、柏子仁、丹参、柴胡、赭石、黄精、白朮、蓮子、竜眼肉、甘草、金銀花、連翹、三七、穿山甲、紅花、桃仁、乳香、没薬、朱砂、琥珀の計36味の薬材を含む、肝癌治療に用いる薬物組成物を開示する。

特許文献3は、当帰、炒白朮、大黄、霊芝、郁金、麦冬、黄柏、熟地黄、炒山薬、山茱萸、川きゅう、茯苓、枸杞、炒鶏内金、巴戟天、牡丹皮、敗醤草、蒲公英、連翹、野生黄ごん、山査子、炙甘草、炒白芍、北五味子の24味の中薬原料で作られ、B型肝炎の治療、B型肝炎ウィルスによる各種臨床疾患の患者の治療に用いる中医薬組成物を開示する。

特許文献4は、蒲公英、麦冬、地黄、車前子、茵陳、黄柏、枸杞、桔梗、当帰、生地、鶏内金、半支蓮、射干、玄参、白芍、茜草の16味の生薬で作られる、慢性B型ウィルス性肝炎を治療する薬剤を開示する。

しかし、中医薬の伝統的理論と現代薬学、薬剤学等異なる分野での本発明者の長期間の研究と実践の結果、意外にも新しい中医薬処方が得られ、生薬の種類を減少すると共に、生薬配合比と君臣佐使(くんしんさし)の関係を大幅に変更できたが、肝臓及び/又は腎臓を保護する(例えば、肝臓の損傷及び/又は腎臓の損傷を予防又は治療に用いて)治療効果が良好で安定的であった。また、本発明者は、該薬剤の調製技術を研究し、直接拡大して大規模生産への応用法を基本的に実現した。これは、実験室で研究用に少量調製する場合も、製薬工場で量産する場合も有利である。

中国特許出願第200510012859号公報

中国特許出願第200910214092号公報

中国特許出願第201010258165号公報

中国特許出願第201210075569号公報

本発明の目的は、肝臓及び腎臓の保護に用いる新規な中医薬組成物を提供することにあり、本発明は、当該中医薬組成物の調製法と応用法等の提供も目的とする。

即ち、第一点では、本発明は、肝臓及び腎臓(特に肝臓)の保護に用いられる下記重量部の生薬から生成される中医薬組成物を提供する。

玉竹100−200重量部、枸杞子100−200重量部、麦冬80−160重量部、当帰70−130重量部、決明子70−130重量部、白芍70−130重量部、陳皮70−130重量部、熟地黄70−130重量部、菊花70−130重量部、川きゅう30−70重量部、九節菖蒲20−40重量部及び柴胡。

本明細書に記載する玉竹(Polygonatum)、枸杞子(Lycium)、麦冬(Ophiopogon)、当帰(Angelica)、決明子(Cassia)、白芍(Paeonia)、陳皮(Citrus)、熟地黄(Rehmannia)、菊花(Chrysanthemum)、川きゅう(Ligusticum)、九節菖蒲(Anemone)及び柴胡(Bupleurum)は、何れも市販され、購入できる生薬(中医薬材原料)である。たとえ若干別名や異名で販売されても、当業者は、前記名称から相応の生薬を購入できよう。

優先的に選択する本発明による第一点の中医薬組成物は、下記重量部の生薬で作られる。

玉竹120−180重量部、枸杞子120−180重量部、麦冬100−150重量部、当帰80−120重量部、決明子80−120重量部、白芍80−120重量部、陳皮80−120重量部、熟地黄80−120重量部、菊花80−120重量部、川きゅう40−60重量部、九節菖蒲25−35重量部及び柴胡12−18重量部。

更に、優先的に選択する本発明の第一点の中医薬組成物は、下記重量部の生薬で作られる。

玉竹140−160重量部、枸杞子140−160重量部、麦冬110−130重量部、当帰90−110重量部、決明子90−110重量部、白芍90−110重量部、陳皮90−110重量部、熟地黄90−110重量部、菊花90−110重量部、川きゅう45−55重量部、九節菖蒲28−33重量部及び柴胡14−16重量部。

本発明の実施例では、本発明の第一点の中医薬組成物は、下記重量部の生薬から生成される。

玉竹150重量部、枸杞子150重量部、麦冬120重量部、当帰100重量部、決明子100重量部、白芍100重量部、陳皮100重量部、熟地黄100重量部、菊花100重量部、川きゅう50重量部、九節菖蒲30重量部及び柴胡15重量部。

優先的に選択する本発明の第一点の中医薬組成物は、更に下記重量部の生薬で構成される。

当帰、川きゅう、菊花、柴胡、九節菖蒲及び陳皮の揮発油と、 揮発油を除去した当帰、川きゅう、菊花、柴胡、九節菖蒲及び陳皮の溶物の非アルコール沈殿物と、 揮発油を除去しかつ水溶液を除去した当帰、川きゅう、菊花、柴胡、九節菖蒲及び陳皮の水抽出物の非アルコール沈殿物と、 玉竹、枸杞子、麦冬、決明子、白芍及び熟地黄の水抽出物の非アルコール沈殿物。

更に、優先的に選択する本発明の第一点の中医薬組成物では、揮発油は、加水蒸留しかつ揮発した油状物を取り置いて調製される。

また、優先的選択の本発明の第一点の中医薬組成物では、水溶液は、加水蒸留しかつ水溶液を取り置いて調製される。

また、優先的選択の本発明の第一点の中医薬組成物では、水抽出物は、加水して煎じかつ水溶液を取り置いて調製される。

更に、優先的選択では、加水煎じ回数は1−3回であり、優先的選択は、2回、及び/又は毎回の煎じ時間は、0.5−3時間、優先的選択は、1−1.5時間である。

また、優先的選択の本発明の第一点の中医薬組成物では、非アルコール沈殿物は、アルコール濃度を高めかつアルコール溶物を取り置いて調製される。

また、優先的選択の本発明の第一点の中医薬組成物では、アルコールはエタノールであり、更に優先的選択は、60%(V/V)エタノールである。

更に、優先的選択の本発明の第一点の中医薬組成物は、下記工程を含む方法で調製される。

(1)当帰、川きゅう、菊花、柴胡、九節菖蒲及び陳皮を粉砕して混合し、加水蒸留し、揮発油、水溶液及び水不溶性の薬渣を取り置く工程と、 (2)工程(1)で得られた薬渣と玉竹、枸杞子、麦冬、決明子、白芍及び熟地黄とを混合しかつ加水して煎じ、濾液を工程(1)で得られた水溶液と混合し、濃縮し、アルコール濃度を高め、上澄液を取りアルコールを回収した後に、濾過かつ濃縮し、清膏を得る工程と、 (3)工程(2)で得られた清膏と工程(1)で得られた揮発油とを混合する工程。

第二点、本発明は、本発明の第一点の中医薬組成物の下記工程を含む調製法を提供する。

(1)当帰、川きゅう、菊花、柴胡、九節菖蒲及び陳皮を粉砕して混合し、加水蒸留し、揮発油、水溶液及び水不溶性の薬渣を取り置く工程と、 (2)工程(1)で得られた薬渣と玉竹、枸杞子、麦冬、決明子、白芍及び熟地黄とを混合しかつ加水して煎じ、濾液を工程(1)で得られた水溶液と混合し、濃縮し、アルコール濃度を高め、上澄液を取りアルコールを回収した後に、濾過かつ濃縮し、清膏を得る工程と、 (3)工程(2)で得られた清膏と工程(1)で得られた揮発油とを混合する工程。

この調整法は、量産レベルに合わせて拡大できる。従って、優先的選択の本発明の第二点の調製方法では、生薬は、量産水準にあり、例えば、玉竹の重量は、10kg超、優先的選択は、50kg超、更に優先的選択は100kg超である。このように他の生薬の重量も確定できる。

第三点、本発明は、肝臓及び腎臓(特に、肝臓)の保護に用いる中医薬製剤を提供する。中医薬製剤は、本発明の第一点の中医薬組成物及び薬学上許容可能な担体を含む。

本明細書では、「薬学上許容可能な担体」は、無毒の固形状、半固形状又は液状の充填剤、希釈剤、補剤、包装材又はその他の製剤補助材料をいう。治療目的、投薬方式の必要に基づき、当業者は、本発明の第一点の中医薬組成物を各種剤形(製剤)に生成でき、この組成物の優先的選択は、単位用量方式であり、例えば、錠剤、丸剤、カプセル(放出持続又は放出遅延方式を含む)、粉剤、顆粒剤、チンキ剤、シロップ剤、乳液剤、溶液又は懸濁液、噴霧剤又は液体スプレー剤、滴下剤、注射剤、自動注射装置又は座薬等である。本発明の具体的な実施の形態では、薬学上許容可能な担体は、糖、蜂蜜及び/又はエチルパラベンを含む。

本発明の第三点の中医薬製剤の優先的選択は、内服液等の内服製剤である。

優先的選択の本発明の第三点の中医薬製剤は、下記工程を含む方法で調製される。

(1)当帰、川きゅう、菊花、柴胡、九節菖蒲及び陳皮を粉砕して混合し、加水蒸留し、揮発油、水溶液及び水不溶性の薬渣を取り置く工程と、 (2)工程(1)で得られた薬渣と玉竹、枸杞子、麦冬、決明子、白芍及び熟地黄とを混合しかつ加水して煎じ、濾液を工程(1)で得られた水溶液と混合し、濃縮し、アルコール濃度を高め、上澄液を取りアルコールを回収した後に、濾過かつ濃縮し、清膏を得る工程と、 (3)工程(2)で得られた清膏と、工程(1)で得られた揮発油及び薬学上許容可能な担体とを混合する工程。

第四点、本発明は、本発明の第三点の中医薬組成物の下記工程を含む調製法を提供する。

(1)当帰、川きゅう、菊花、柴胡、九節菖蒲及び陳皮を粉砕して混合し、加水蒸留し、揮発油、水溶液及び水不溶性の薬渣を取り置く工程と、 (2)工程(1)で得られた薬渣と玉竹、枸杞子、麦冬、決明子、白芍及び熟地黄とを混合しかつ加水して煎じ、濾液を工程(1)で得られた水溶液と混合し、濃縮し、アルコール濃度を高め、上澄液を取りアルコールを回収した後に、濾過かつ濃縮し、清膏を得る工程と、 (3)工程(2)で得られた清膏と、工程(1)で得られた揮発油及び薬学上許容可能な担体とを混合する工程。

量産レベルに適合して、この調整法を拡大できる。従って、優先的選択の本発明の第四点の調製方法では、生薬は、量産水準にあり、例えば、玉竹の重量は10kg超、優先的選択は50kg超、更に優先的選択は100kg超である。このように、他の生薬の重量も確定できる。

第五点、本発明は、本発明の第一点の中医薬組成物の肝臓及び/又は腎臓の保護に用いる薬物の応用法を提供する。

優先的選択の本発明の第五点の応用法での肝臓及び腎臓の保護は、肝臓の損傷及び/又は腎臓の損傷、特に肝臓の損傷を予防し又は治療することにある。そのうち優先的に選択する前記肝臓の損傷及び/又は腎臓の損傷は、肝臓及び/又は腎臓の毒性化学物質により誘発される肝臓の損傷及び/又は腎臓の損傷である。また、優先的に選択する肝臓及び/又は腎臓の毒性化学物質は、アルコール、シクロホスファミド、四塩化炭素。イソニコチン酸ヒドラジド及び/又はリファンピンである。

第六点、本発明は、本発明の第一点の中医薬組成物のコレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質、クレアチニン、尿素窒素及び/又は尿酸のレベル低減用の薬物、高密度リポタンパク質のレベルアップ用の薬物及び/又は脂肪肝の症状軽減用薬物の調製応用法を提供する。

本発明の中医薬組成物及び中医薬製剤は、肝臓及び腎臓を良好に保護する作用があり、肝臓及び/又は腎臓の毒性化学物質により誘発される肝臓の損傷及び/又は腎臓の損傷の広範囲な予防又は治療に適し、確実かつ安定的に治療効果が得られるから、本発明には有益で優れた効果がある。また、コレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質、クレアチニン、尿素窒素及び/又は尿酸の濃度(血中)低減、高密度リポタンパク質の濃度(血中)向上、脂肪肝の症状軽減を図ることができる。本発明の中医薬組成物及び中医薬製剤の調製では、基準化と品質管理が容易であり、特に、拡大量産に適する。

理解を支援するため、本発明の具体的な実施例を図面について以下説明する。本明細書の説明は、例示に過ぎず、本発明の特許請求の範囲の解釈を制限するものではないことを特に指摘する。また、参考のため本明細書に引用する文献は、全て本明細書の一部とする。

本発明の代表的薬物のアルコール性肝損傷モデルラットの血清及び肝臓関連生化学指標への影響を示し、(A)は、アルコール性肝損傷ラットモデルの血清ALT活性への影響、(B)は、アルコール性肝損傷ラットモデルの血清AST活性への影響、(C)は、アルコール性肝損傷ラットモデルの血清TB含量への影響、(D)は、アルコール性肝損傷ラットモデルの血清TG含量への影響を示す。

各群のアルコール性肝損傷モデルラットの肝組織HE染色写真(200×)を示し、(A)は、ブランク対照群、(B)は、モデル群、(C)は、シリマリン群、(D)は、本発明の低用量群、(E)は、本発明の中用量群、(F)は、本発明の高用量群を示す。

本発明の代表的薬物のシクロホスファミド誘発肝損傷マウスモデルの血清及び肝臓関連生化学指標への影響を示し、(A)は、シクロホスファミド誘発肝損傷マウスモデルの血清ALT活性への影響、(B)は、シクロホスファミド誘発肝損傷マウスモデルの血清AST活性への影響、(C)は、シクロホスファミド誘発肝損傷マウスモデルの血清MDA含量への影響。(D)は、シクロホスファミド誘発肝損傷マウスモデルの血清TG含量への影響を示す。

各群のシクロホスファミド誘発肝損傷マウスの肝組織HE染色写真(400×)を示し、(A)は、ブランク対照群、(B)は、モデル群、(C)は、シリマリン群、(D)は、本発明の低用量群、(E)は、本発明の中用量群、(F)は、本発明の高用量群を示す。

本発明の代表的薬物の四塩化炭素誘発肝損傷ラットモデルの血清及び肝臓関連生化学指標への影響を示し、(A)は、四塩化炭素誘発肝損傷ラットモデルの血清ALT活性への影響、(B)は、四塩化炭素誘発肝損傷ラットモデルの血清AST活性への影響、(C)は、四塩化炭素誘発肝損傷ラットモデルの血清TB含量への影響、(D)は、四塩化誘発肝損傷ラットモデルの血清T-SOD含量への影響を示す。

各群の四塩化炭素誘発肝損傷ラットの肝組織HE染色写真(200×)を示し、(A)は、ブランク対照群、(B)は、モデル群、(C)は、シリマリン群、(D)は、本発明の低用量群、(E)は、本発明の中用量群、(F)は、本発明の高用量群を示す。

本発明の代表的薬物のイソニコチン酸ヒドラジド/リファンピン誘発肝損傷ラットモデルの血清及び肝臓関連生化学指標への影響を示し、(A)は、イソニコチン酸ヒドラジド/リファンピン誘発肝損傷ラットモデルの血清ALT活性への影響、(B)は、イソニコチン酸ヒドラジド/リファンピン誘発肝損傷ラットモデルの血清AST活性への影響、(C)は、イソニコチン酸ヒドラジド/リファンピン誘発肝損傷ラットモデルの血清TB含量への影響、(D)は、イソニコチン酸ヒドラジド/リファンピン誘発肝損傷ラットモデルの血清ALP活性への影響、(E)は、イソニコチン酸ヒドラジド/リファンピン誘発肝損傷ラットモデルの肝臓内MDA含量への影響、(F)は、イソニコチン酸ヒドラジド/リファンピン誘発肝損傷ラットモデルの肝臓内T-SOD活性への影響を示す。

各群のイソニコチン酸ヒドラジド/リファンピン誘発肝損傷ラットの肝組織HE染色写真(200×)を示し、(A)は、ブランク対照群、(B)は、モデル群、(C)は、シリマリン群、(D)は、本発明の低用量群、(E)は、本発明の中用量群、(F)は、本発明の高用量群を示す。

図1、図3、図5、図7中、ブランク対照群に対して、*p<0.05,##p<0.01,**#p<0.001、モデル群に対して、*p<0.05,##p<0.01,**#p<0.001。

本発明の中医薬製剤の調製法及び応用法の実施例を更に説明する。但し、如何なる形態でも本発明の範囲を制限するものではない。

本発明の中医薬内服液の実験室調製

当帰100g、川きゅう50g、菊花100g、柴胡15g、九節菖蒲30g及び陳皮100gを準備し、粉砕した後、水2000mLを加えて95〜100℃下で蒸留し、蒸留で出た揮発油を収集し、蒸留容器内の物質を濾過し、水溶液を取り置き、濾過で得られた薬渣を熟地黄100g、白芍100g、決明子100g、玉竹150g、枸杞子150g及び麦冬120gと混合し、2回加水して煎じた。1回目は、6.7L加水して1.5時間煎じ、2回目は、5.7L加水して1時間煎じ、2回煎じて得られた煎出液を合わせ、濾過し、濾液を上記水溶液と合わせ、減圧濃縮して相対密度1.15(60℃)の清膏にし、エタノールを加えてアルコール含量(V/V)を60%にし、48時間放置し、上澄液を取り、減圧してアルコール臭がなくなるまでエタノールを回収し、2倍の水(V/V)を加えて攪拌し、48時間放置し、濾過し、濾液を減圧濃縮して相対密度1.07(60℃)の清膏にし、蜂蜜300g、エチルパラベン0.3g(必要に応じて少量のエタノールでエチルパラベンを溶解配合してもよい)及び上記揮発油を加え、10%(W/W)の水酸化ナトリウム溶液でpHを6.0に調節し、1000mLの総量に純水を加え、均一に攪拌し、濾過して中医薬内服液を得た。

本発明の中医薬内服液の大規模調製

本発明者が実施した実験室での調製法は、基本的に直接拡大して量産に適用でき、調製した薬物の治療効果は、実験室での調製法で得られた薬物に対し統計学上の差異はなかった。具体的には、当帰100kg、川きゅう50kg、菊花100kg、柴胡15kg、九節菖蒲30kg及び陳皮100kgを準備し、粉砕した後、5倍の水(V/V)を加えて95〜100℃下で蒸留し、蒸留で出た500mLの揮発油を収集し、蒸留容器内の物質を濾過し、水溶液を取り置き、約1200Lの水溶液が得られ、濾過で得られた薬渣を熟地黄100kg、白芍100kg、決明子100kg、玉竹150kg、枸杞子150kg及び麦冬120kgと混合し、2回加水して煎じた。1回目は、6700L加水して1.5時間煎じ、2回目は、5660L加水して1時間煎じ、2回煎じて得られた煎出液を合わせ、濾過し、濾液を上記水溶液と合わせ、減圧濃縮して相対密度1.15(60℃)の清膏にし、エタノールを加えてアルコール含量(V/V)を60%にし、48時間放置し、上澄液を取り、減圧して無アルコール臭までエタノールを回収し、2倍の水(V/V)を加えて攪拌し、48時間放置し、濾過し、濾液を減圧濃縮して相対密度1.07(60℃)の清膏にし、約500kgの清膏を得、蔗糖300kg、蜂蜜15kg、エチルパラベン0.3kg(必要に応じて少量のエタノールでエチルパラベンを配合溶解してよい)及び上記揮発油を加え、10%(W/W)の水酸化ナトリウム溶液でpHを6.0に調節し、総量1000Lまで純水を加え、均一に攪拌し、濾過して中医薬内服液を得た。

本発明の中医薬内服液のアルコール性肝障害ラットに対する薬効試験

46匹のSDラットを準備し、1週間環境適応をさせた後、ランダムに6群(ブランク対照群6匹、他の各群8匹ずつ)に分類し、ブランク対照群(Control)、モデル群(Model)、シリマリン(陽性薬対照)群(Silymarin)(ドイツ製薬会社マダウス社より購入可能)、本発明により得られる低用量群(GX001-1)、中用量群(GX001-2.5)及び高用量群(GX001-5)とした。シリマリン群は1日100mg/kgの用量でシリマリンを胃に灌注し、本発明により得られる低用量群、中用量群及び高用量群は、それぞれ1日1ml/kg、2.5ml/kg、5ml/kgの用量で実施例2の方法で調製した中医薬内服液を胃に灌注し、ブランク対照群とモデル群には1日10ml/kgの生理食塩水を胃に灌注した。11日目より開始し、毎日上記プランで4時間投与後、ブランク対照群には生理食塩水14ml/kgを経口投与し、他の各群は何れもアルコール度56の紅星二鍋頭白酒14ml/kgを経口投与し、これを4週続けた。最後に酒を与えた後、水のみ与えて食餌を与えず、4時間後に重量を計量し、頚椎脱臼にて絶命させ、心臓から血液を取り、血清を分離し、血清中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)活性、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性、総ビリルビン(TB)含量及び総トリグリセリド(TG)含量を測定した。一部肝臓組織を取り、10%ホルマリン溶液に固定し、切片をパラフィン包埋し、HE染色後に光学顕微鏡下で肝細胞の壊死、肝 細胞の水様変化、炎症性細胞の浸潤等の病理的変化を観察した。

図1と図2に活性効果を示す。図1に示すように、ブランク対照群に比べモデルラットの血清ALT、AST活性は、顕著に上昇し、TB、TG含量が格段に上昇した。モデル群に比べ、シリマリン群、本発明で得られる各用量群のラットの血清のALT/AST活性は、著しく低下し、TB、TG含量が明確に低減した。これは、長期間のアルコール摂取に起因する機能異常と肝臓脂質代謝の乱れを有効に改善できる本発明の中医薬内服液の優れた効果を示すものである。

肝臓組織のHE染色後の光学顕微鏡下観察結果を図2に示す。ブランク対照群(A)は肝小葉の構造が明確化し、中央静脈が完全で、肝細胞索が整然と並び、肝細胞の大きさが均一、細胞核が中心にあり、細胞漿はピンク色である。モデル群(B)は、肝小葉の配列が乱れ、細胞核が細胞膜の下に押され、炎症細胞の浸潤が認められ、細胞核が融合して壊死し、肝細胞が水様変性する。本発明で得られる低用量群(D)と中用量群(E)は、肝小葉の細胞構造が完全で、細胞核が中心にあり、中央静脈に僅かな壊死細胞しか認められない。本発明で得られる高用量群(F)とシリマリン群(C)では、肝小葉の細胞が整然と並び、大きさが均一で、構造が正常で、壊死と変性がなく、モデル群に比べ大幅に改善された。

本発明の中医薬内服液のシクロホスファミド誘発の急性肝損傷マウスに対する薬効試験

60匹のBALB/cマウスをランダムに6群(各群10匹ずつ)に分類し、ブランク対照群(Control)、モデル群(Model)、シリマリン(陽性薬対照)群(Silymarin)、本発明で得られる低用量群(GX001-2.5)、中用量群(GX001-5)及び高用量群(GX001-10)とした。ブランク対照群とモデル群には、0.2mL/10gの生理食塩水を胃に灌注し、シリマリン群は、1日200mg/kgの用量でシリマリンを胃に灌注し、本発明で得られる低用量群、中用量群及び高用量群は、それぞれ1日2.5ml/kg、5ml/kg、10ml/kgの用量で実施例2の方法で調製した中医薬内服液を胃に灌注し、1日1回、7日間続けた。ブランク群を除く他の各群は1、3、5、7日目にシクロホスファミドを80m/kgを腹腔内投与した。最後に投薬の24時間後に重量を計量し、頚椎脱臼にて絶命させ、絶命前の16時間は、水のみ与え食餌を与えなかった。眼球を摘出して血液を取り、血清を分離し、血清中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)活性、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性、総ビリルビン(TB)含量を測定した。肝臓を取り出し氷生理食塩水の中で血液を洗浄し、濾紙で水分を吸い取って重量を測定し、その肝臓の一部を取り、生理食塩水氷の上で擦り潰して10%の肝臓ホモジネートを調製し、4℃、5000rpmにて5min遠心にかけ、試薬箱の説明に従って、肝組織ホモジネートのマロンジアルデヒド(MDA)含量を測定した。別途一部肝組織を取り、10%ホルマリン溶液に固定し、切片をパラフィン包埋し、HE染色後に光学顕微鏡下で肝細胞の壊死、血管の病変等の病理的変化を観察した。

図3と図4に活性効果を示す。図3に示すように、正常対照群に比べモデルラットの血清ALT、AST活性は、顕著に上昇し、TB含量も格段に上昇し、肝臓中のMDA含量も明確に上昇した。モデル群に比べシリマリン群、本発明で得られる各用量群のラット体内のALT/AST活性は、一際低下し、TB、MDA含量が顕著に低減した。これは、シクロホスファミド誘発の肝機能異常を有効に改善できる本発明の中医薬内服液の優れた効果を示すものである。

肝臓組織のHE染色後の光学顕微鏡下観察結果を図4に示す。ブランク対照群(A)は、肝小葉の構造が完全で、肝細胞索が整然と並び、肝洞に顕著な拡張は、認められず、集管域に拡張と繊維化は見られず、界面炎症は見られず、肝細胞には、顕著な壊死、再生、変性等が認められない。モデル群(B)は、肝小葉中心にうっ血が観察され、血管の病変硬化が明らかであるが、肝索の構造は、完全である。シリマリン群(C)は、肝細胞索が整然と並び、肝小葉が完全である等、陽性薬のシリマリン薬物の有効性を示し、モデル群に比べて、大きな改善が認められた。本発明で得られる中用量群(E)、高用量群(F)は肝小葉の細胞構造が完全で、顕著な血管病変は認められなかった。本発明で得られる低用量群(D)は、肝小葉の縁に増殖が見られた。但し治療効果は中用量群(E)、高用量群(F)との比較ではさほど明確ではない。

本発明の中医薬内服液の四塩化炭素誘発の急性肝損傷ラットに対する薬効試験

体重別に36匹のSDラットをランダムに6群(各群6匹)に分類し、ブランク対照群(Control)、モデル群(Model)、シリマリン(陽性薬対照)群(Silymarin)、本発明で得られる低用量群(GX001-1)、中用量群(GX001-2.5)及び高用量群(GX001-5)とした。ブランク対照群とモデル群には、生理食塩水2mL/200gを胃に灌注し、シリマリン群は、1日100mg/kgの用量でシリマリンを胃に灌注し、本発明で得られる低用量群、中用量群及び高用量群は、それぞれ1日1ml/kg、2.5ml/kg、5ml/kgの用量で実施例2の方法で調製した中医薬内服液を胃に灌注し、5日間続けた。ブランク群を除く他の各群は、2日目と3日目にシクロホスファミド:オリーブ油1:1(V/V)溶液(2ml/kg)を腹腔注射した。ラットは6日目の重量を計量し、頚椎脱臼にて絶命させ、心臓を取り出し、血清を分離し、血清中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)活性、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)活性、総ビリルビン(TB)含量を測定した。肝臓を取り出し氷生理食塩水の中で血液を洗浄し、濾紙で水分を吸い取って重量を測定し、その肝臓の一部を取り生理食塩水氷の上で擦り潰して、10%の肝臓ホモジネートを調製し、4℃、5000rpmにて5min遠心にかけ、試薬箱の説明に従い、肝組織ホモジネートの総スーパー・オキサイド・ディスムターゼ(T-SOD)活性を測定した。別途一部肝組織を取り、10%ホルマリン溶液に固定し、切片をパラフィン包埋し、HE染色後に光学顕微鏡下で肝細胞の壊死、肝 細胞の水様変化及び炎症性細胞浸潤等の病理的変化を観察した。

図5と図6に観察結果を示す。図5に示すように、正常対照群に比べモデルラットの血清ALT、AST活性は、顕著に上昇し、TB含量も顕著に上昇し、肝臓中T-SOD活性は、顕著に低下した。モデル群に比べて、シリマリン群、本発明で得られる各用量群のラットの血清のALT/AST活性は、顕著に低下し、TB含量も顕著に低減し、T-SOD活性は、著明に上昇した。これは、本発明の中医薬内服液は四塩化炭素誘発の肝機能異常の有効改善効果を示す。

肝臓組織のHE染色後の光学顕微鏡下観察結果を図6に示す。ブランク対照群(A)では、肝小葉の構造が大体正常を維持し、板は、肝細胞索が整然と並び、肝洞に目立つ拡張は認められず、集管域への拡張と繊維化は認められず、界面炎症は見られず、肝細胞は、明らかな壊死、再生、変性等が見られない。モデル群(B)は、肝小葉細胞の構造に若干の乱れがあり、肝細胞が濁腫し、水様変性が観察された。シリマリン群(C)は、肝細胞に濁腫、水様変性等がなく、モデル群に比べ、格段に優れた改善が見られた。本発明で得られる低用量群(D)には、少量の水様変形が観察されたが、モデル群に比べ、若干好転している。本発明で得られる中用量群(E)と高用量群(F)は、肝板の構造が比較的良好で、脂肪変性の出現が少ない。

本発明で得られる中医薬内服液のイソニコチン酸ヒドラジド/リファンピン誘発の肝損傷ラットに対する薬効試験

体重に基づいて38匹のSDラットをランダムに6群(各群6匹、モデル群8匹)に分類し、ブランク対照群(Control)、モデル群(Model)、シリマリン(陽性薬対照)群(Silymarin)、本発明の低用量群(GX001-1)、中用量群(GX001-2.5)、高用量群(GX001-5)とした。ブランク対照群には3日目までは2mL/200g重量の用量で0.3%のCMCNaを投与し、4日目から14日目の終了日まで毎日3mL/200g重量の用量で0.3%のCMCNaを投与した。モデル群、シリマリン群、本発明の各群は3日目までは毎日100mL/kgのイソニコチン酸ヒドラジド(INH)と100mg/kgのリファンピン(RIF)を胃に灌注投与し、投与する体積は1mlINH+1mlRIF/200g体重である。4日目から14日目の終了日までは、本発明の低用量群、中用量群及び高用量群は毎日それぞれ1ml/kg、2.5ml/kg、5ml/kgの用量を実施例2の方法で調製した中医薬内服液を胃に灌注投与し、シリマリン群は毎日100mg/kgの用量でシリマリンを胃に灌注投与し、モデル群は毎日0.3%のCMCNaを胃に灌注投与し、胃灌注体積はすべて1mL/200g体重である。投薬2時間後、すべてに1mlINH+1mlRIF/200g体重の用量で胃に灌注投与した。最後の投薬後は水のみ与えて食餌を与えず、16時間後にラットの体重を量り、頚椎脱臼にて絶命させ、心臓を取り出し、血清を分離し、血清中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、塩基性ホスファターゼ(ALP)の活性、総ビリルビン(TB)含量を測定した。肝臓を取り出し氷生理食塩水の中で血液を洗浄し、濾紙で水分を吸い取って重量を測定し、その肝臓の一部を取り生理食塩水氷上で擦り潰して10%の肝臓ホモジネートを調製し、4℃、5000rpmにて5min遠心にかけ、試薬箱の説明に従って肝組織ホモジネートの総スーパー・オキサイド・ディスムターゼ(T-SOD)活性及びマロンジアルデヒド(MDA)を測定した。別途一部肝組織を取り、10%ホルマリン溶液に固定し、切片をパラフィン包埋し、HE染色後に光学顕微鏡下で肝細胞の壊死、肝 細胞の水様変化及び炎症性細胞浸潤等の病理的変化を観察した。

図7と図8に観察結果を示す。図7に示すように、正常対照群に比べ、モデルラットの血清ALT、AST活性は、顕著に上昇し、TB含量も明らかに上昇し、肝臓T-SOD活性が顕著に低下し、MDA含量が著明に上昇した。モデル群に比べ、シリマリン群、本発明で得られる各用量群のラットの体内のALT/AST/ALP活性は、顕著に低下し、T-SOD活性は、各段に上昇し、TB、MDA含量は、明確に低減した。これは、イソニコチン酸ヒドラジド/リファンピン誘発の肝機能異常を有効に改善する本発明の中医薬内服液の効果を示す。

肝臓組織のHE染色後の光学顕微鏡下観察結果を図8に示す。ブランク対照群(A)は、肝小葉の構造が大体正常を維持し、肺板は、整然と並び、肝洞に目立つ拡張は、認められず、細胞核が緻密で隙がなく、肝細胞には、明らかな壊死、再生、変性等が見られない。モデル群(B)は、肝小葉細胞の構造が乱れ、細胞が水腫し、炎症性細胞浸潤が見られ、斑片状肝洞がうっ血し、肝洞拡張を示す。本発明で得られる高用量群(F)の細胞核は、緻密な状態に回復し、肝洞の拡張現象はほぼ皆無となった。

本発明の中医薬内服液のCCl4誘発の急性腎損傷マウスに対する薬効試験

体重別の60匹の昆明マウスをランダムに6群(各群10匹ずつ)に分類し、ブランク対照群、モデル群、シリマリン群、本発明群(GX001群)とした。正常群とモデル群に10ml/kgの生理食塩水を胃に灌注し、シリマリン群と本発明で得られた群にシリマリンと実施例2の方法で調製した中医薬内服液を胃に灌注し、これを10日間続けた。最後の投薬から1時間後に、ブランク対照群を除き、他の各群のマウスに0.1%のCCl4植物油溶液を20ml/kg腹腔注射した。ブランク対照群に植物油20ml/kgを腹腔注射した。CCl4の注射後は、水のみ与え食餌を与えず、16時間後にマウスの重量を測定し、眼球を摘出して血液を取り、血清を分離し、血清中のCRE(クレアチニン)、BUN(尿素窒素)、UA(尿酸)含量を測定した。

表1に測定結果を示す。対照群に比べ、モデルマウスの血清CRE、BUN、UA含量は、顕著に上昇した(p<0.01)。モデル群に比べ、本発明で得られた群のマウスの血清CRE、BUN、UA含量は、何れも顕著に低下した(p<0.05)。シリマリン群のマウスの血清は、BUNレベルのみ明らかに低下した(p<0.05)。

表1 GX001のCCl4によるマウス急性腎損傷モデル群血清への影響(x±s、n=10)

ブランク対照群に対して##p<0.01、モデル群に対して*p<0.05

本発明の中医薬内服液の臨床試験

インフォームドコンセント後に、志願した3名の被験者は、実施例2の方法で調製した中医薬内服液を1日3回、1回10ml内服し、計60日行い、初日と60日目にTC(総コレステロール)、TG(トリグリセリド)、LDL(低密度リポタンパク質)、HDL(高密度リポタンパク質)、尿酸、脂肪肝症状等のパラメータを測定した。

表2に示す測定結果の通り、本発明の中医薬内服液は、人体内のコレステロール、トリグリセリド、低密度リポタンパク質及び尿酸の含量を低減し、高密度リポタンパク質含量を上昇し、脂肪肝症状の有効な軽減又は消失を示す。臨床では、肝臓と腎臓の何れに対しても良好な保護効果を見込むことができる。

表2 本発明の中医薬内服液の投与前と投与後の対比

注:“+”軽度脂肪肝、“++”中度脂肪肝、“+++”重度脂肪肝、“-”無脂肪肝

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